JP2000072167A - 分別廃棄性に優れたヒンジキャップ - Google Patents

分別廃棄性に優れたヒンジキャップ

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JP2000072167A
JP2000072167A JP10242247A JP24224798A JP2000072167A JP 2000072167 A JP2000072167 A JP 2000072167A JP 10242247 A JP10242247 A JP 10242247A JP 24224798 A JP24224798 A JP 24224798A JP 2000072167 A JP2000072167 A JP 2000072167A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分別廃棄性は勿論のこと、キャッピングやキ
ャップの容器口部からの除去に際しては問題を生じるこ
とがなく、しかも大きな金型や面倒な作業を必要とする
ことなく生産可能なヒンジキャップを提供すること。 【解決手段】 筒状側壁6は、外側壁6aと内側壁6b
とに区画されており、上蓋とのヒンジ連結部7は、領域
A内の外側壁6a上端に配置されており、キャップ上面
から見て、領域Aは、ヒンジ連結部を含む領域とヒンジ
連結部を含まない領域とに区画され、ヒンジ連結部7
は、領域の一方側の周方向端部近傍からスリットに沿っ
て周方向に延びており、領域の一方側端部は、領域の一
方側の端部近傍に位置するように形成されていると共
に、キャップ側面から見て、領域では、スリット30
は、筒状側壁6の上端近傍まで延びており、領域でのス
リット上端30yは、領域でのスリット上端よりも低い
位置にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器口部壁に嵌合
固定されるキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジ連
結された上蓋とから成るヒンジキャップの分別廃棄性の
改善に関する。
【0002】
【従来の技術】最近になって、ゴミ廃棄処理や省資源の
見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、上記
のヒンジキャップについても分別廃棄が望まれている。
ところで、ヒンジキャップにおいては、キャップ本体が
容器口部壁に嵌合固定されているため、使用済みのキャ
ップを容器口部から除去するには、一般に栓抜きの様な
工具が必要なため、その除去作業が極めて面倒であり、
分別廃棄性が極めて不満足であった。
【0003】このため、ヒンジキャップの分別廃棄性の
改善について、多くの提案がなされている。例えば、実
開平7−11559号公報や実開平5−34151号公
報には、キャップ本体の筒状側壁部に、上蓋とのヒンジ
連結部の近傍から下方に延びているミシン目等の弱化ラ
インを形成させて成るヒンジキャップが開示されてい
る。これらのヒンジキャップは、上蓋を手で持って下方
に押し下げることにより筒状側壁部の弱化ラインを引き
裂き、これによって筒状側壁部が破壊されるので、格別
の工具を用いることなく容易にキャップを容器口部から
除去できるというものである。然しながら、これらの先
行技術に開示されているキャップでは、キャップ本体を
容器口部に打栓する時に、弱化ラインが破断してしまう
というトラブルを生じ易い。このようなトラブルを防止
するために弱化ラインの強度を高めると、上蓋を手で持
って弱化ラインを引き裂くにはかなり大きな力が必要と
なってしまう。しかも、この結果、弱化ラインが引き裂
かれるよりも先に上蓋と筒状側壁部とのヒンジ連結部が
破断してしまうことがある。
【0004】上記の先行技術に開示されているヒンジキ
ャップの欠点を改善したものとして、本出願人は先に、
キャップ本体の筒状側壁部下端に連結片を介してヒンジ
連結された上蓋が設けられ、該連結片は筒状側壁と同じ
高さを有していると共に、該筒状側壁には、該連結片を
保持するための薄肉の係合部が形成され、且つ該係合部
には、引き裂き用の弱化ラインが形成されているヒンジ
キャップを提案した(特開平8−34462号公報)。
このキャップでは、連結片を立ち上げて筒状側壁の係合
部に保持させた状態でキャッピングが行われ、キャップ
を容器口部から除去する時には、連結片と筒状側壁の係
合部との係合を解除し、上蓋を手で持って連結片を引き
上げることにより、係合部の弱化ラインの引き裂きを行
うというものである。従って、キャッピングに際して
は、弱化ラインが形成されている係合部は、連結片によ
って保護されているため、弱化ラインの破断が有効に防
止される。また、係合部は比較的薄肉に形成することが
できるので、キャップを容器口部から除去する際の弱化
ラインの引き裂きも容易に行うことができ、この引き裂
きに際して連結片がちぎれてしまう等のトラブルを生じ
るおそれもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、特開平8−
34462号に提案されているキャップには、未だ解決
すべき問題点が残されている。先ず第一には、このキャ
ップを成形するためには、非常に大きな成形金型が必要
となってしまうということである。即ち、ヒンジキャッ
プは、プラスチックの射出成形等の一体成形により、上
蓋を開いた形状で成形される。しかるに、上記先行技術
のキャップでは、上蓋が筒状側壁下端に設けられた連結
片を介して形成されているため、成形時の形状は、当該
公開公報の図2に示されている様に、筒状側壁の高さと
同じ長さを有する連結片が水平方向に寝ている状態とな
る。従って、従来のヒンジキャップと比べると、製品の
取り数が少なくなり、生産性の点で問題を生じる。また
生産性を向上しようとすると、この連結片の大きさだけ
大きな成形金型を使用しなければならず、生産コストが
著しく高いものとなってしまう。第二には、このキャッ
プを生産するためには、成形終了後、連結片を筒状側壁
に形成されている係合部に係合保持させるという成形作
業とは全く別の面倒な作業工程が必要となるということ
である。このように、本出願人が先に提案したヒンジキ
ャップは、キャッピングやキャップの容器口部からの除
去に際して生じる問題点は有効に解決されているのであ
るが、生産性の点で問題を有している。
【0006】従って本発明の目的は、分別廃棄性は勿論
のこと、キャッピングやキャップの容器口部からの除去
に際しては格別の問題を生じることがなく、しかも格別
大きな金型や面倒な作業を必要とすることなく生産可能
なヒンジキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、頂板部
と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャ
ップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ
連結された上蓋とから成るヒンジキャップにおいて、前
記キャップ本体の筒状側壁の厚み部分には、その下端か
ら上方に向かって直立して延びており且つキャップ上面
から見て全体として円弧をなすスリットが形成されてお
り、該スリットが設けられている領域Aにおいて、該筒
状側壁は、少なくとも下方部が外側壁と内側壁とに区画
されており、前記上蓋とのヒンジ連結部は、前記スリッ
トが形成されている領域A内の筒状側壁の外側壁上端に
配置されており、キャップ上面から見て、前記スリット
が形成されている領域Aは、ヒンジ連結部を含む領域a
とヒンジ連結部を含まない領域bとに区画され、前記ヒ
ンジ連結部は、前記領域Aの一方側の周方向端部近傍か
らスリットに沿って周方向に延びており、前記領域Aの
一方側端部は、前記領域aの一方側の端部近傍に位置す
るように形成されていると共に、キャップ側面から見
て、前記ヒンジ連結部を含む領域aでは、前記スリット
は、筒状側壁上端若しくはその近傍まで延びており、前
記ヒンジ連結部を含まない領域bでのスリット上端は、
前記領域aでのスリット上端よりも低い位置にあり、領
域aと領域bとの境界部でのスリット上端には段差が形
成されていることを特徴とするヒンジキャップが提供さ
れる。
【0008】このヒンジキャップの容器口部からの除去
は、次の手順で行われる。即ち、上蓋を開放した状態で
横に引張りながら押し下げると、ヒンジ連結部の一方側
の周方向端部近傍に位置しているスリット、即ち、キャ
ップ上面から見て、領域A(或いは領域a)の端部に位
置しているスリットから、筒状側壁の外側壁は、上端か
ら下端に完全に引き裂かれる。一方、ヒンジ連結部の他
方側の端部では、領域aと領域bとの境界部のスリット
の段差に従って筒状側壁の外側壁が引き裂かれる。この
状態で、引き裂かれた筒状側壁の外側壁を周方向に引っ
張っていくと、領域bにおけるスリットの上端に沿って
外側壁が引き裂かれていく。従って、領域bでのスリッ
ト上端に沿っての外側壁の引き裂きが完全に行われる
と、外側壁が引き裂かれた部分では、該キャップは、薄
肉の内側壁のみで容器口部に嵌合していることになり、
この内側壁を容易に捲り上げて、キャップを容器口部か
ら取り外すことが可能となる。また、スリットは、筒状
側壁の全周にわたって設けられているものではないか
ら、引き裂かれた外側壁は、スリットが形成されていな
い部分で筒状側壁の他の部分と繋がっている。このた
め、この引き裂かされた側側壁を摘まみ片として利用で
きるため、内側壁の捲り上げ作業も容易に行うことがで
きる。さらに、引き裂かれた外側壁には上蓋が連結され
ているため、容器口部から取り外されたキャップはばら
ばらとならず、ワンピースであり、その廃棄処理も極め
て容易である。
【0009】本発明のヒンジキャップにおいては、上述
したスリットに沿っての外側壁の引き裂きを容易に行う
ために、キャップ上面から見て、ヒンジ連結部を含む領
域aにおいては、その周方向両端部での筒状側壁の外側
壁の厚みが他の部分よりも薄くなるように前記スリット
を形成することが好ましい。また、キャップ側断面で見
て、ヒンジ連結部を含まない領域bにおけるスリットの
上端は、外側に広がっており、この部分での筒状側壁の
外側壁の肉厚が薄く形成されていることが好適である。
【0010】本発明のヒンジキャップは、従来公知のヒ
ンジキャップと同様、上蓋が開放された形状で成形され
るが、この上蓋は、キャップ本体の筒状側壁の上端に直
接ヒンジ連結されている。従って、特開平8−3446
2号のヒンジキャップの様な連結片を介して上蓋が設け
られているわけではないため、射出成形等に際して、格
別大きな成形金型を使用する必要はない。また、スリッ
トは、射出成形等のプラスチックの一体成形により、キ
ャップの成形と同時に形成することができる。勿論、キ
ャップの成形終了後、カッターを用いてのカッティング
加工により、下方から切り込みを入れることにより、所
定の位置にスリットを形成することもできるが、生産性
の点で、一体成形により形成することが好ましい。この
様に、本発明のヒンジキャップは、一連の成形作業で製
造することができ、格別の組み立て工程は必要なく、ま
た格別大きな成形金型を使用する必要もないことから、
生産性に極めて優れている。
【0011】上記の様に、本発明のヒンジキャップで
は、筒状側壁の上蓋がヒンジ連結されている部分も含
め、容器口部が嵌合される筒状側壁の一部は、スリット
により内側壁と外側壁とに分断されており、従って内側
壁は薄肉となっているが、この薄肉の内側壁は、外側壁
によって保護されているため、キャッピング(打栓)時
に、薄肉の内側壁が破断したり、或いはキャップ本体が
容器口部に装着されている状態で両者の嵌合力が低下す
ることもなく、密封性が十分に確保される。即ち、キャ
ッピングによりキャップ本体が容器口部に挿入されてい
くと、薄肉の内側壁は外側に広がっていくが、スリット
の部分で外側壁に密着するため、内側壁がそれ以上外方
に広がることが防止され、従って、内側壁の破断や容器
口部との嵌合力の低下が有効に防止されるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を、以下、添付図面に示す
具体例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のヒ
ンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図、
図2は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある
時のI−I側面断面図、図3は、図1のヒンジキャップ
の上蓋が閉栓状態にある時の側面図、図4は、図1のヒ
ンジキャップにおけるキャップ本体のII−II側面断面図
である。また図5には、上記ヒンジキャップに形成され
たスリットの形状を説明するための概念図を示した。図
5中、(A)は、キャップ上面からのスリット形状を示
し、(B)は、キャップ側面からのスリット形状を示
す。
【0013】図1乃至図3において、このヒンジキャッ
プは、キャップ本体1と上蓋2とから成る。キャップ本
体1は、大まかに言って、頂板部5と、頂板部5の周縁
部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋
2は、筒状側壁6の上端に連結バンド7を介してヒンジ
連結されており、これを旋回して閉じると、図3に示さ
れている様に、頂板部5が完全に覆われる。
【0014】キャップ本体1の筒状側壁6の内面には、
周状突起8が形成されており、また頂板部5の内面の周
縁部には、筒状側壁6とは間隔をおいて下方に延びてい
るインナーリング9が形成されている。即ち、このイン
ナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口部50
が嵌め込まれ、且つ筒状側壁6内面に形成された周状突
起8が容器口部外周部に形成された周状突起と係合する
ことによってキャップ本体1は、容器口部にしっかりと
固定されるものである(特に図2参照)。
【0015】キャップ本体1の頂板部5には、スコア1
5が形成されていると共に、頂板部5の上面側には、ス
コア破断用のタブリング16が設けられており、このタ
ブリング16を引っ張ることによりスコア15が破断さ
れ、内容液注出用の開口が形成されるようになってい
る。また頂板部5の上面側には、スコア15を取り囲む
様にして注出液案内用の筒状突起17が形成されてお
り、注出用開口を介して注ぎ出された内容液は、この筒
状突起17に沿って案内される。更に上蓋2の内面に
は、シール用の周状突起18が形成されており、上蓋2
を図3に示す様に閉栓した時に周状突起18の外面が筒
状突起17の内面に密着する様になっている。即ち、こ
の密着により、スコア15を破断しての注出用開口形成
後のシール性が確保される。尚、特に図2に明示されて
いる様に、筒状突起17は、連結バンド7側の背を低く
しておくことが好ましい。このようにすれば、周状突起
18の長さを比較的大きく設定しても上蓋2を有効に閉
じることができ、注出用開口形成後のシール性確保の点
で有利となる。
【0016】頂板部5の上面側周縁部には、比較的背の
低い上蓋係止用の周状突起20が形成され、また上蓋2
の周状端縁部には、凹部21が形成されている。即ち、
上蓋2を図3に示す様に閉栓した時、これらの突起20
と凹部21とが互いに係合し、これにより、上蓋2の閉
栓状態が保持される。上蓋2の連結バンド7とは反対側
部分には、開封用タブ25が設けられており、開封用タ
ブ25に指で引っかけて上蓋2を容易に開栓し得る様に
なっている。
【0017】本発明のヒンジキャップにおいては、筒状
側壁6の厚み部にスリット30を設ける。このスリット
30は、図1に示されている様に、筒状側壁6の一部に
形成されており、キャップ上面からみると、全体とし
て、円弧を形成している。即ち、図1において、Aで示
されている領域が、スリット30が形成されている部分
であり、Cでしめされている領域には、スリット30は
形成されていない。また、図2に示されている様に、こ
のスリット30は、筒状側壁6の下端から上方に直立し
て延びており、スリット30が形成されている領域Aで
は、筒状側壁6は、外側壁6aと内側壁6bとに分割さ
れている。
【0018】また、図1及び図3に示されている様に、
このスリット30が形成されている領域A内に、連結バ
ンド7が設けられている。即ち、領域Aの一方側端部に
位置する外側壁6aの上端近傍に、連結バンド7が形成
されている。
【0019】上述したスリット30の形状を概念的に示
す図5を参照されたい。図5において、(A)は、キャ
ップ上面から見てのスコア30の形状を示し、(B)
は、キャップ側面から見てのスコア30の形状を示すも
のである。この図5から明らかな通り、スリット形成領
域Aは、連結バンド7が形成されている領域aと、連結
バンド7が形成されていない領域bとに区画されてお
り、連結バンド7は、領域Aの一方側の周方向端部近傍
からスリットに沿って周方向に延びている(図5(A)
参照)。即ち、領域Aの一方側端部は、領域aの一方側
の端部と実質上一致するように形成されている。また、
連結バンド7が形成されている領域aでは、スリット3
0は、筒状側壁6の上端近傍まで延びており、連結バン
ド7が形成されていない領域bでのスリット30の上端
は、領域aでのスリット30の上端よりも低い位置にあ
る(図5(B)参照)。即ち、領域aと領域bとの境界
部でのスリット上端には段差40が形成されている。
【0020】本発明によれば、上記の様なスリット30
を設けることにより、容器口部50からのキャップの取
り外しを容易に行うことができる。即ち、上蓋2を開放
し、この状態で、連結バンド7を引っ張りながら下方に
押し下げる。これにより、領域a(領域A)の一方側端
部に位置するスリット30(図5では30xで示す)に
沿って外側壁6aが引き裂かれ、同時に段差40も引き
裂かれる。次いで、引き裂かれた外側壁6aを手で持っ
て、周方向に捲っていくことにより、領域bのスリット
30の上端(図5では30yで示す)に沿って、外側壁
6aがさらに引き裂かれていく。即ち、領域bにおける
スリット上端30yが完全に引き裂かれると、図1にお
ける領域Aでは、薄肉の内側壁6bのみが容器口部50
と嵌合していることになり、引き裂かれた外側壁6a
は、領域Aと領域Cとの境界部分で筒状側壁6に繋がっ
ている。従って、領域Aにおける内側壁6bを捲り上げ
ることにより、キャップを容易に容器口部50から取り
外すことができる。しかも、取り外されたキャップは、
ワンピースであり、連結バンド7を介して上蓋2が一体
に接続されたままの状態であるから、その廃棄処理も極
めて容易に行うことができる。
【0021】かかる本発明において、上述した外側壁6
aの引き裂き作業を容易に行うためには、キャップ上面
から見て、領域aの周方向両端部における外側壁6aの
厚みが最も薄くなるようにスリット30を形成するのが
よい。即ち、特に図5(A)に明瞭に示されている様
に、連結バンド7の周方向両端は、領域aの周方向両端
a’,a’の近傍に位置しており、この両端a’,a’
の部分でスリット30は、外側壁6a側に延びている。
従って、例えば、図1のII−II断面が示されている図4
から明らかな通り(図4のキャップ本体1の右半面参
照)、この両端a’,a’に相当する部分の外側壁6a
の厚みは、極薄となっている。このため、連結バンド7
の下方への押下げにより、前述したスリット30x及び
段差40に沿っての引き裂きを容易に行うことが可能と
なる。
【0022】また、図1及び図2の左半面に明瞭に示さ
れている様に、連結バンド7が形成されていない領域b
においては、スリット30の上端30yを外側に広げ、
この部分での外側壁6aの厚みを極薄とするのがよい。
これにより、外側壁6aを周方向に捲っていくことによ
り、容易に引き裂きを行うことができる。さらにスリッ
ト30の周方向幅(厚み)が大きくなり過ぎると、キャ
ップの強度が低下し、内側壁6bの保持力が低下するた
め、スリット30の幅(上端30y及び領域aの周方向
両端a’を除く)は、1.0mm以下、特に0.6mm以下
とするのがよい。同様に、保持力の点で外側壁6aの厚
みは0.5mm以上とするのがよく、内側壁6bの厚み
は、開封性の点で1.5mm以下、特に1.0mm以下とす
るのがよい。
【0023】上述した本発明においては、種々の設計変
更が可能である。例えば、上述した例では、連結バンド
7が形成されている領域aにおいて、スリット30は、
筒状側壁6の上端部近傍で終結しているが、このスリッ
ト30を、筒状側壁6の上端まで延長させ、この部分で
筒状側壁6を完全に外側壁6aと内側壁6bとに分断す
ることもできる。また、図1から明らかな通り、スリッ
ト30が形成されている領域Aの長さは、約280度の
角度に設定されているが、スコア30に沿って外側壁6
aが完全に引き裂かれた状態で、容器口部50に嵌合し
ている内側壁6bの捲り上げが容易である限り、これよ
りも長く領域Aを設定することもできるし、これよりも
短く領域Aを設定することもできる。一般的には、約1
80度以上の長さで領域Aが設定されていれば、内側壁
6bの捲り上げを容易に行うことができる。但し、必要
以上に領域Aを長くすると、キャップ本体1を上蓋2と
一体にして容器口部から取り除くことが困難となってし
まうため、このような不都合が生じない程度の長さ領域
Aを設定し、スリット30が形成されていない領域Cを
ある程度の長さで確保することが必要である。さらに段
差40は、ある程度の長さを有していることが必要であ
る。この段差が短過ぎたり、或いは段差40が全く形成
されていないと、連結バンド7の押し下げにより、領域
aの両端(連結バンド7の両端)a’,a’に位置する
スリット30(30x,40)に沿っての外側壁6aの
引き裂きをスムーズに行うことが困難となってしまう。
また連結バンド7が形成されていない領域bでのスリッ
ト30上端30yの位置は、筒状側壁6の内面に形成さ
れている周状突起8が形成されている部分或いはそれよ
りも高い部分に設定されていることが好ましい。この上
端30yが周状突起8よりも低い位置にあると、キャッ
プ本体1を容器口部から取り除くのに大きな力が必要と
なってしまうからである。
【0024】また本発明においては、上蓋2の旋回によ
る開封或いは閉栓をスムーズに行うために、連結バンド
7の両端に補助バンドを設けることができる。この様な
補助バンドは、領域aに配置されていてもよいし、領域
bに配置されていてもよい。
【0025】上述した本発明のヒンジキャップでは、キ
ャッピングに際して、薄肉の内側壁6bが外側に広がる
が、外側壁6aで保護されているため、この内側壁6b
がキャッピングに際して破断するおそれはない。またキ
ャッピングが行われてキャップ本体1が容器口部50に
固定された状態では、内側壁6bは外側に広がるが、外
側壁6aが、内側壁6bに密着してこれをタガ締めする
ため、キャップ本体1と容器口部50との嵌合力が低下
することもなく、十分な密封性を確保することができ
る。
【0026】本発明において、上述したキャップの成形
に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば、低
−,中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリ
アミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が一般に使用さ
れる。またキャップ本体とは別個にライナーを施すこと
もでき、このようなライナーとしては、低密度ポリエチ
レン、エチレン系重合体、各種ゴム乃至熱可塑性エラス
トマー、アクリル樹脂プラスチゾル、塩化ビニル樹脂プ
ラスチゾル等を用いることができる。
【0027】本発明のヒンジキャップは、上記の樹脂を
使用し、射出成形、圧縮成形等の一体成形により、図2
に示されている様な上蓋2が開栓された形状に成形す
る。この場合、上蓋2は、キャップ本体1の筒状側壁6
の上端に直接連結されていることから、格別大きな成形
金型を用いる必要はない。また、この成形により、スリ
ット30も形成される。また、スリット30は、上記の
一体成形を行った後の後加工でも形成することができ
る。例えば、上記の一体成形後、図2に示されている形
状のまま、上蓋2がヒンジ連結されている筒状側壁6の
部分に、下方からカッター等で切り込みを入れ、筒状側
壁6を外側壁6aと内側壁6bとに分断することによ
り、本発明のヒンジキャップを製造することができる。
但し、通常は、生産性の点で、一体成形により製造する
ことが好ましい。このように、本発明のヒンジキャップ
は、格別大きな成形金型を用いることなく、しかも格別
の組み立て作業を行うことなく、一連の成形作業で得ら
れるため、能率よく短時間で製造でき、生産性の点でも
優れている。得られたヒンジキャップは、上蓋を閉じた
状態で容器口部にキャッピングして使用に供される。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、キャップ本体の筒状側
壁の一部を、スリットを形成して内側壁と外側壁とに分
断し、この外側壁に上蓋をヒンジ連結させることによ
り、格別の工具を用いることなく、キャップ本体を上蓋
と一体的に容器口部から取り除くことが可能となり、分
別廃棄性が極めて良好である。また、上蓋は、格別の連
結片を介在することなく、外側壁の上端に直接ヒンジ連
結されているため、格別大きな成形金型を使用すること
なく、また面倒な組み立て作業を行うことなく、一連の
成形作業により容易に生産することができ、生産性も極
めて良好である。更に、内側壁は薄肉となるが、これに
密着するようにして外側壁が形成されているため、キャ
ッピングに際して内側壁の破断を生じるおそれはなく、
しかも容器口部にキャップ本体が嵌合固定されている状
態においても両者の嵌合力が低下することもなく、密封
性を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあ
る時の上面平面図。
【図2】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある
時のI−I側面断面図。
【図3】図1のヒンジキャップの上蓋が閉栓状態にある
時の側面図。
【図4】図1のヒンジキャップにおけるキャップ本体の
II−II側面断面図。
【図5】上記ヒンジキャップに形成されたスリットの形
状を説明するための概念図であり、図5中、(A)は、
キャップ上面からのスリット形状を示し、(B)は、キ
ャップ側面からのスリット形状を示す。
【符号の説明】
1:キャップ本体 2:上蓋 5:頂板部 6:筒状側壁 6a:外側壁 6b:内側壁 7:連結バンド 30:スリット 50:容器口部 A:スリット形成領域 a:連結バンドが形成されている領域 b:連結バンドが形成されていない領域 C:スリットが形成されていない領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA02 AA12 CA01 DA01 DB13 DC04 DC05 EA02 EB01 EB02 EB04 EC04 EC05 FA02 FC02 GB17 LA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂板部と頂板部周縁から垂下している筒
    状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒
    状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジ
    キャップにおいて、 前記キャップ本体の筒状側壁の厚み部分には、その下端
    から上方に向かって直立して延びており且つキャップ上
    面から見て全体として円弧をなすスリットが形成されて
    おり、該スリットが設けられている領域Aにおいて、該
    筒状側壁は、少なくとも下方部が外側壁と内側壁とに区
    画されており、 前記上蓋とのヒンジ連結部は、前記スリットが形成され
    ている領域A内の筒状側壁の外側壁上端に配置されてお
    り、 キャップ上面から見て、前記スリットが形成されている
    領域Aは、ヒンジ連結部を含む領域aとヒンジ連結部を
    含まない領域bとに区画され、前記ヒンジ連結部は、前
    記領域Aの一方側の周方向端部近傍からスリットに沿っ
    て周方向に延びており、前記領域Aの一方側端部は、前
    記領域aの一方側の端部近傍に位置するように形成され
    ていると共に、 キャップ側面から見て、前記ヒンジ連結部を含む領域a
    では、前記スリットは、筒状側壁上端若しくはその近傍
    まで延びており、前記ヒンジ連結部を含まない領域bで
    のスリット上端は、前記領域aでのスリット上端よりも
    低い位置にあり、領域aと領域bとの境界部でのスリッ
    ト上端には段差が形成されていることを特徴とするヒン
    ジキャップ。
  2. 【請求項2】 キャップ上面から見て、前記領域aにお
    いては、その周方向両端部での筒状側壁の外側壁の厚み
    が他の部分よりも薄くなるように前記スリットが形成さ
    れている請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. 【請求項3】 キャップ側断面で見て、前記領域bにお
    けるスリットの上端は、外側に広がっており、この部分
    での筒状側壁の外側壁の肉厚が薄く形成されている請求
    項1に記載のヒンジキャップ。
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