JP4349668B2 - 分別廃棄性に優れたヒンジキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部壁に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジキャップの分別廃棄性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近になって、ゴミ廃棄処理や省資源の見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、上記のヒンジキャップについても分別廃棄が望まれている。
ところで、ヒンジキャップにおいては、キャップ本体が容器口部壁に嵌合固定されているため、使用済みのキャップを容器口部から除去するには、一般に栓抜きの様な工具が必要なため、その除去作業が極めて面倒であり、分別廃棄性が極めて不満足であった。
【0003】
このため、ヒンジキャップの分別廃棄性の改善について、多くの提案がなされている。
例えば、実開平7−11559号公報や実開平5−34151号公報には、キャップ本体の筒状側壁部に、上蓋とのヒンジ連結部の近傍から下方に延びているミシン目等の弱化ラインを形成させて成るヒンジキャップが開示されている。これらのヒンジキャップは、上蓋を手で持って下方に押し下げることにより筒状側壁部の弱化ラインを引き裂き、これによって筒状側壁部が破壊されるので、格別の工具を用いることなく容易にキャップを容器口部から除去できるというものである。
然しながら、これらの先行技術に開示されているキャップでは、キャップ本体を容器口部に打栓する時に、弱化ラインが破断してしまうというトラブルを生じ易い。このようなトラブルを防止するために弱化ラインの強度を高めると、上蓋を手で持って弱化ラインを引き裂くにはかなり大きな力が必要となってしまう。しかも、この結果、弱化ラインが引き裂かれるよりも先に上蓋と筒状側壁部とのヒンジ連結部が破断してしまうことがある。
【0004】
上記の先行技術に開示されているヒンジキャップの欠点を改善したものとして、本出願人は先に、キャップ本体の筒状側壁部下端に連結片を介してヒンジ連結された上蓋が設けられ、該連結片は筒状側壁と同じ高さを有していると共に、該筒状側壁には、該連結片を保持するための薄肉の係合部が形成され、且つ該係合部には、引き裂き用の弱化ラインが形成されているヒンジキャップを提案した(特開平8−34462号公報)。
このキャップでは、連結片を立ち上げて筒状側壁の係合部に保持させた状態でキャッピングが行われ、キャップを容器口部から除去する時には、連結片と筒状側壁の係合部との係合を解除し、上蓋を手で持って連結片を引き上げることにより、係合部の弱化ラインの引き裂きを行うというものである。従って、キャッピングに際しては、弱化ラインが形成されている係合部は、連結片によって保護されているため、弱化ラインの破断が有効に防止される。また、係合部は比較的薄肉に形成することができるので、キャップを容器口部から除去する際の弱化ラインの引き裂きも容易に行うことができ、この引き裂きに際して連結片がちぎれてしまう等のトラブルを生じるおそれもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特開平8−34462号に提案されているキャップには、未だ解決すべき問題点が残されている。
先ず第一には、このキャップを成形するためには、非常に大きな成形金型が必要となってしまうということである。即ち、ヒンジキャップは、プラスチックの射出成形等の一体成形により、上蓋を開いた形状で成形される。しかるに、上記先行技術のキャップでは、上蓋が筒状側壁下端に設けられた連結片を介して形成されているため、成形時の形状は、当該公開公報の図2に示されている様に、筒状側壁の高さと同じ長さを有する連結片が水平方向に寝ている状態となる。従って、従来のヒンジキャップと比べると、製品の取り数が少なくなり、生産性の点で問題を生じる。また生産性を向上しようとすると、この連結片の大きさだけ大きな成形金型を使用しなければならず、生産コストが著しく高いものとなってしまう。
第二には、このキャップを生産するためには、成形終了後、連結片を筒状側壁に形成されている係合部に係合保持させるという成形作業とは全く別の面倒な作業工程が必要となるということである。
このように、本出願人が先に提案したヒンジキャップは、キャッピングやキャップの容器口部からの除去に際して生じる問題点は有効に解決されているのであるが、生産性の点で問題を有している。
【0006】
従って本発明の目的は、分別廃棄性は勿論のこと、キャッピングやキャップの容器口部からの除去に際しては格別の問題を生じることがなく、しかも格別大きな金型や面倒な作業を必要とすることなく生産可能なヒンジキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、頂板部と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジキャップにおいて、
前記キャップ本体の筒状側壁の厚み部分には、その下端から上方に向かって直立して延びており且つキャップ上面から見て全体として円弧をなすスリットが形成されており、該スリットが設けられている領域Aにおいて、該筒状側壁は、少なくとも下方部が外側壁と内側壁とに区画されており、
前記上蓋とのヒンジ連結部は、前記スリットが形成されている領域A内の筒状側壁の外側壁上端に配置されており、
キャップ上面から見て、前記スリットが形成されている領域Aは、ヒンジ連結部を含む領域aとヒンジ連結部を含まない領域bとに区画され、前記ヒンジ連結部は、前記領域Aの一方側の周方向端部近傍からスリットに沿って周方向に延びており、前記領域Aの一方側端部は、前記領域aの一方側の端部近傍に位置するように形成されており、該領域aの周方向両端部での筒状側壁の外側壁の厚みが他の部分よりも薄くなるように前記スリットが形成されていると共に、
キャップ側面から見て、前記ヒンジ連結部を含む領域aでは、前記スリットは、筒状側壁上端若しくはその近傍まで延びており、前記ヒンジ連結部を含まない領域bでのスリット上端は、前記領域aでのスリット上端よりも低い位置にあり、領域aと領域bとの境界部でのスリット上端には段差が形成されており、該領域bにおけるスリットの上端での筒状側壁の外側壁の肉厚が薄く形成されていることを特徴とするヒンジキャップが提供される。
【0008】
このヒンジキャップの容器口部からの除去は、次の手順で行われる。
即ち、上蓋を開放した状態で横に引張りながら押し下げると、ヒンジ連結部の一方側の周方向端部近傍に位置しているスリット、即ち、キャップ上面から見て、領域A(或いは領域a)の端部に位置しているスリットから、筒状側壁の外側壁は、上端から下端に完全に引き裂かれる。一方、ヒンジ連結部の他方側の端部では、領域aと領域bとの境界部のスリットの段差に従って筒状側壁の外側壁が引き裂かれる。この状態で、引き裂かれた筒状側壁の外側壁を周方向に引っ張っていくと、領域bにおけるスリットの上端に沿って外側壁が引き裂かれていく。従って、領域bでのスリット上端に沿っての外側壁の引き裂きが完全に行われると、外側壁が引き裂かれた部分では、該キャップは、薄肉の内側壁のみで容器口部に嵌合していることになり、この内側壁を容易に捲り上げて、キャップを容器口部から取り外すことが可能となる。また、スリットは、筒状側壁の全周にわたって設けられているものではないから、引き裂かれた外側壁は、スリットが形成されていない部分で筒状側壁の他の部分と繋がっている。このため、この引き裂かされた側側壁を摘まみ片として利用できるため、内側壁の捲り上げ作業も容易に行うことができる。さらに、引き裂かれた外側壁には上蓋が連結されているため、容器口部から取り外されたキャップはばらばらとならず、ワンピースであり、その廃棄処理も極めて容易である。
【0009】
本発明のヒンジキャップにおいては、上述したスリットに沿っての外側壁の引き裂きを容易に行うために、キャップ上面から見て、ヒンジ連結部を含む領域aにおいては、その周方向両端部での筒状側壁の外側壁の厚みが他の部分よりも薄くなるように前記スリットが形成される。また、キャップ側断面で見て、ヒンジ連結部を含まない領域bにおけるスリットの上端での筒状側壁の外側壁の肉厚が薄く形成されており、例えば、このために、スリットの上端は外側に広がっていることが好適である。
【0010】
本発明のヒンジキャップは、従来公知のヒンジキャップと同様、上蓋が開放された形状で成形されるが、この上蓋は、キャップ本体の筒状側壁の上端に直接ヒンジ連結されている。従って、特開平8−34462号のヒンジキャップの様な連結片を介して上蓋が設けられているわけではないため、射出成形等に際して、格別大きな成形金型を使用する必要はない。
また、スリットは、射出成形等のプラスチックの一体成形により、キャップの成形と同時に形成することができる。勿論、キャップの成形終了後、カッターを用いてのカッティング加工により、下方から切り込みを入れることにより、所定の位置にスリットを形成することもできるが、生産性の点で、一体成形により形成することが好ましい。
この様に、本発明のヒンジキャップは、一連の成形作業で製造することができ、格別の組み立て工程は必要なく、また格別大きな成形金型を使用する必要もないことから、生産性に極めて優れている。
【0011】
上記の様に、本発明のヒンジキャップでは、筒状側壁の上蓋がヒンジ連結されている部分も含め、容器口部が嵌合される筒状側壁の一部は、スリットにより内側壁と外側壁とに分断されており、従って内側壁は薄肉となっているが、この薄肉の内側壁は、外側壁によって保護されているため、キャッピング(打栓)時に、薄肉の内側壁が破断したり、或いはキャップ本体が容器口部に装着されている状態で両者の嵌合力が低下することもなく、密封性が十分に確保される。即ち、キャッピングによりキャップ本体が容器口部に挿入されていくと、薄肉の内側壁は外側に広がっていくが、スリットの部分で外側壁に密着するため、内側壁がそれ以上外方に広がることが防止され、従って、内側壁の破断や容器口部との嵌合力の低下が有効に防止されるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図、図2は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時のI−I側面断面図、図3は、図1のヒンジキャップの上蓋が閉栓状態にある時の側面図、図4は、図1のヒンジキャップにおけるキャップ本体のII−II側面断面図である。
また図5には、上記ヒンジキャップに形成されたスリットの形状を説明するための概念図を示した。図5中、(A)は、キャップ上面からのスリット形状を示し、(B)は、キャップ側面からのスリット形状を示す。
【0013】
図1乃至図3において、このヒンジキャップは、キャップ本体1と上蓋2とから成る。
キャップ本体1は、大まかに言って、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋2は、筒状側壁6の上端に連結バンド7を介してヒンジ連結されており、これを旋回して閉じると、図3に示されている様に、頂板部5が完全に覆われる。
【0014】
キャップ本体1の筒状側壁6の内面には、周状突起8が形成されており、また頂板部5の内面の周縁部には、筒状側壁6とは間隔をおいて下方に延びているインナーリング9が形成されている。即ち、このインナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口部50が嵌め込まれ、且つ筒状側壁6内面に形成された周状突起8が容器口部外周部に形成された周状突起と係合することによってキャップ本体1は、容器口部にしっかりと固定されるものである(特に図2参照)。
【0015】
キャップ本体1の頂板部5には、スコア15が形成されていると共に、頂板部5の上面側には、スコア破断用のタブリング16が設けられており、このタブリング16を引っ張ることによりスコア15が破断され、内容液注出用の開口が形成されるようになっている。
また頂板部5の上面側には、スコア15を取り囲む様にして注出液案内用の筒状突起17が形成されており、注出用開口を介して注ぎ出された内容液は、この筒状突起17に沿って案内される。
更に上蓋2の内面には、シール用の周状突起18が形成されており、上蓋2を図3に示す様に閉栓した時に周状突起18の外面が筒状突起17の内面に密着する様になっている。即ち、この密着により、スコア15を破断しての注出用開口形成後のシール性が確保される。
尚、特に図2に明示されている様に、筒状突起17は、連結バンド7側の背を低くしておくことが好ましい。このようにすれば、周状突起18の長さを比較的大きく設定しても上蓋2を有効に閉じることができ、注出用開口形成後のシール性確保の点で有利となる。
【0016】
頂板部5の上面側周縁部には、比較的背の低い上蓋係止用の周状突起20が形成され、また上蓋2の周状端縁部には、凹部21が形成されている。即ち、上蓋2を図3に示す様に閉栓した時、これらの突起20と凹部21とが互いに係合し、これにより、上蓋2の閉栓状態が保持される。
上蓋2の連結バンド7とは反対側部分には、開封用タブ25が設けられており、開封用タブ25に指で引っかけて上蓋2を容易に開栓し得る様になっている。
【0017】
本発明のヒンジキャップにおいては、筒状側壁6の厚み部にスリット30を設ける。
このスリット30は、図1に示されている様に、筒状側壁6の一部に形成されており、キャップ上面からみると、全体として、円弧を形成している。即ち、図1において、Aで示されている領域が、スリット30が形成されている部分であり、Cでしめされている領域には、スリット30は形成されていない。また、図2に示されている様に、このスリット30は、筒状側壁6の下端から上方に直立して延びており、スリット30が形成されている領域Aでは、筒状側壁6は、外側壁6aと内側壁6bとに分割されている。
【0018】
また、図1及び図3に示されている様に、このスリット30が形成されている領域A内に、連結バンド7が設けられている。即ち、領域Aの一方側端部に位置する外側壁6aの上端近傍に、連結バンド7が形成されている。
【0019】
上述したスリット30の形状を概念的に示す図5を参照されたい。図5において、(A)は、キャップ上面から見てのスコア30の形状を示し、(B)は、キャップ側面から見てのスコア30の形状を示すものである。
この図5から明らかな通り、スリット形成領域Aは、連結バンド7が形成されている領域aと、連結バンド7が形成されていない領域bとに区画されており、連結バンド7は、領域Aの一方側の周方向端部近傍からスリットに沿って周方向に延びている(図5(A)参照)。即ち、領域Aの一方側端部は、領域aの一方側の端部と実質上一致するように形成されている。
また、連結バンド7が形成されている領域aでは、スリット30は、筒状側壁6の上端近傍まで延びており、連結バンド7が形成されていない領域bでのスリット30の上端は、領域aでのスリット30の上端よりも低い位置にある(図5(B)参照)。即ち、領域aと領域bとの境界部でのスリット上端には段差40が形成されている。
【0020】
本発明によれば、上記の様なスリット30を設けることにより、容器口部50からのキャップの取り外しを容易に行うことができる。
即ち、上蓋2を開放し、この状態で、連結バンド7を引っ張りながら下方に押し下げる。これにより、領域a(領域A)の一方側端部に位置するスリット30(図5では30xで示す)に沿って外側壁6aが引き裂かれ、同時に段差40も引き裂かれる。
次いで、引き裂かれた外側壁6aを手で持って、周方向に捲っていくことにより、領域bのスリット30の上端(図5では30yで示す)に沿って、外側壁6aがさらに引き裂かれていく。即ち、領域bにおけるスリット上端30yが完全に引き裂かれると、図1における領域Aでは、薄肉の内側壁6bのみが容器口部50と嵌合していることになり、引き裂かれた外側壁6aは、領域Aと領域Cとの境界部分で筒状側壁6に繋がっている。従って、領域Aにおける内側壁6bを捲り上げることにより、キャップを容易に容器口部50から取り外すことができる。しかも、取り外されたキャップは、ワンピースであり、連結バンド7を介して上蓋2が一体に接続されたままの状態であるから、その廃棄処理も極めて容易に行うことができる。
【0021】
かかる本発明において、上述した外側壁6aの引き裂き作業を容易に行うためには、キャップ上面から見て、領域aの周方向両端部における外側壁6aの厚みが最も薄くなるようにスリット30を形成するのがよい。
即ち、特に図5(A)に明瞭に示されている様に、連結バンド7の周方向両端は、領域aの周方向両端a’,a’の近傍に位置しており、この両端a’,a’の部分でスリット30は、外側壁6a側に延びている。従って、例えば、図1のII−II断面が示されている図4から明らかな通り(図4のキャップ本体1の右半面参照)、この両端a’,a’に相当する部分の外側壁6aの厚みは、極薄となっている。このため、連結バンド7の下方への押下げにより、前述したスリット30x及び段差40に沿っての引き裂きを容易に行うことが可能となる。
【0022】
また、図1及び図2の左半面に明瞭に示されている様に、連結バンド7が形成されていない領域bにおいては、スリット30の上端30yを外側に広げ、この部分での外側壁6aの厚みを極薄とするのがよい。これにより、外側壁6aを周方向に捲っていくことにより、容易に引き裂きを行うことができる。
さらにスリット30の周方向幅(厚み)が大きくなり過ぎると、キャップの強度が低下し、内側壁6bの保持力が低下するため、スリット30の幅(上端30y及び領域aの周方向両端a’を除く)は、1.0mm以下、特に0.6mm以下とするのがよい。同様に、保持力の点で外側壁6aの厚みは0.5mm以上とするのがよく、内側壁6bの厚みは、開封性の点で1.5mm以下、特に1.0mm以下とするのがよい。
【0023】
上述した本発明においては、種々の設計変更が可能である。例えば、上述した例では、連結バンド7が形成されている領域aにおいて、スリット30は、筒状側壁6の上端部近傍で終結しているが、このスリット30を、筒状側壁6の上端まで延長させ、この部分で筒状側壁6を完全に外側壁6aと内側壁6bとに分断することもできる。
また、図1から明らかな通り、スリット30が形成されている領域Aの長さは、約280度の角度に設定されているが、スコア30に沿って外側壁6aが完全に引き裂かれた状態で、容器口部50に嵌合している内側壁6bの捲り上げが容易である限り、これよりも長く領域Aを設定することもできるし、これよりも短く領域Aを設定することもできる。一般的には、約180度以上の長さで領域Aが設定されていれば、内側壁6bの捲り上げを容易に行うことができる。但し、必要以上に領域Aを長くすると、キャップ本体1を上蓋2と一体にして容器口部から取り除くことが困難となってしまうため、このような不都合が生じない程度の長さ領域Aを設定し、スリット30が形成されていない領域Cをある程度の長さで確保することが必要である。
さらに段差40は、ある程度の長さを有していることが必要である。この段差が短過ぎたり、或いは段差40が全く形成されていないと、連結バンド7の押し下げにより、領域aの両端(連結バンド7の両端)a’,a’に位置するスリット30(30x,40)に沿っての外側壁6aの引き裂きをスムーズに行うことが困難となってしまう。また連結バンド7が形成されていない領域bでのスリット30上端30yの位置は、筒状側壁6の内面に形成されている周状突起8が形成されている部分或いはそれよりも高い部分に設定されていることが好ましい。この上端30yが周状突起8よりも低い位置にあると、キャップ本体1を容器口部から取り除くのに大きな力が必要となってしまうからである。
【0024】
また本発明においては、上蓋2の旋回による開封或いは閉栓をスムーズに行うために、連結バンド7の両端に補助バンドを設けることができる。この様な補助バンドは、領域aに配置されていてもよいし、領域bに配置されていてもよい。
【0025】
上述した本発明のヒンジキャップでは、キャッピングに際して、薄肉の内側壁6bが外側に広がるが、外側壁6aで保護されているため、この内側壁6bがキャッピングに際して破断するおそれはない。またキャッピングが行われてキャップ本体1が容器口部50に固定された状態では、内側壁6bは外側に広がるが、外側壁6aが、内側壁6bに密着してこれをタガ締めするため、キャップ本体1と容器口部50との嵌合力が低下することもなく、十分な密封性を確保することができる。
【0026】
本発明において、上述したキャップの成形に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば、低−,中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が一般に使用される。またキャップ本体とは別個にライナーを施すこともでき、このようなライナーとしては、低密度ポリエチレン、エチレン系重合体、各種ゴム乃至熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂プラスチゾル、塩化ビニル樹脂プラスチゾル等を用いることができる。
【0027】
本発明のヒンジキャップは、上記の樹脂を使用し、射出成形、圧縮成形等の一体成形により、図2に示されている様な上蓋2が開栓された形状に成形する。この場合、上蓋2は、キャップ本体1の筒状側壁6の上端に直接連結されていることから、格別大きな成形金型を用いる必要はない。また、この成形により、スリット30も形成される。
また、スリット30は、上記の一体成形を行った後の後加工でも形成することができる。例えば、上記の一体成形後、図2に示されている形状のまま、上蓋2がヒンジ連結されている筒状側壁6の部分に、下方からカッター等で切り込みを入れ、筒状側壁6を外側壁6aと内側壁6bとに分断することにより、本発明のヒンジキャップを製造することができる。但し、通常は、生産性の点で、一体成形により製造することが好ましい。
このように、本発明のヒンジキャップは、格別大きな成形金型を用いることなく、しかも格別の組み立て作業を行うことなく、一連の成形作業で得られるため、能率よく短時間で製造でき、生産性の点でも優れている。
得られたヒンジキャップは、上蓋を閉じた状態で容器口部にキャッピングして使用に供される。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップ本体の筒状側壁の一部を、スリットを形成して内側壁と外側壁とに分断し、この外側壁に上蓋をヒンジ連結させることにより、格別の工具を用いることなく、キャップ本体を上蓋と一体的に容器口部から取り除くことが可能となり、分別廃棄性が極めて良好である。
また、上蓋は、格別の連結片を介在することなく、外側壁の上端に直接ヒンジ連結されているため、格別大きな成形金型を使用することなく、また面倒な組み立て作業を行うことなく、一連の成形作業により容易に生産することができ、生産性も極めて良好である。
更に、内側壁は薄肉となるが、これに密着するようにして外側壁が形成されているため、キャッピングに際して内側壁の破断を生じるおそれはなく、しかも容器口部にキャップ本体が嵌合固定されている状態においても両者の嵌合力が低下することもなく、密封性を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図。
【図2】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時のI−I側面断面図。
【図3】図1のヒンジキャップの上蓋が閉栓状態にある時の側面図。
【図4】図1のヒンジキャップにおけるキャップ本体のII−II側面断面図。
【図5】上記ヒンジキャップに形成されたスリットの形状を説明するための概念図であり、図5中、(A)は、キャップ上面からのスリット形状を示し、(B)は、キャップ側面からのスリット形状を示す。
【符号の説明】
1:キャップ本体 2:上蓋
5:頂板部 6:筒状側壁
6a:外側壁 6b:内側壁
7:連結バンド 30:スリット
50:容器口部
A:スリット形成領域
a:連結バンドが形成されている領域
b:連結バンドが形成されていない領域
C:スリットが形成されていない領域

Claims (1)

  1. 頂板部と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジキャップにおいて、
    前記キャップ本体の筒状側壁の厚み部分には、その下端から上方に向かって直立して延びており且つキャップ上面から見て全体として円弧をなすスリットが形成されており、該スリットが設けられている領域Aにおいて、該筒状側壁は、少なくとも下方部が外側壁と内側壁とに区画されており、
    前記上蓋とのヒンジ連結部は、前記スリットが形成されている領域A内の筒状側壁の外側壁上端に配置されており、
    キャップ上面から見て、前記スリットが形成されている領域Aは、ヒンジ連結部を含む領域aとヒンジ連結部を含まない領域bとに区画され、前記ヒンジ連結部は、前記領域Aの一方側の周方向端部近傍からスリットに沿って周方向に延びており、前記領域Aの一方側端部は、前記領域aの一方側の端部近傍に位置するように形成されており、該領域aの周方向両端部での筒状側壁の外側壁の厚みが他の部分よりも薄くなるように前記スリットが形成されていると共に、
    キャップ側面から見て、前記ヒンジ連結部を含む領域aでは、前記スリットは、筒状側壁上端若しくはその近傍まで延びており、前記ヒンジ連結部を含まない領域bでのスリット上端は、前記領域aでのスリット上端よりも低い位置にあり、領域aと領域bとの境界部でのスリット上端には段差が形成されており、該領域bにおけるスリットの上端での筒状側壁の外側壁の肉厚が薄く形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。
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