JP4330187B2 - 分別廃棄性に優れたヒンジキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部壁に嵌合固定されるキャップ本体を備えたヒンジキャップの分別廃棄性の改善に関するものであり、より詳細には、格別の工具を用いることなく、手による引き裂きによって容易に容器口部からキャップ本体を取り除くことが可能なヒンジキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近になって、ゴミ廃棄処理や省資源の見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、特に容器口部に装着されているプラスチックキャップについても分別廃棄が求められている。
ところで、多くのプラスチックキャップは、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、キャップ本体に開閉可能にヒンジ連結された上蓋とから成っている。即ち、この種のキャップは、キャップ本体が容器口部に嵌合固定されているため、使用済みのキャップを容器口部から除去するには、一般に栓抜きの様な工具が必要なため、その除去作業が極めて面倒であり、分別廃棄性が極めて不満足であった。
【0003】
このため、この種のキャップの分別廃棄性の改善について、多くの提案がなされている。
例えば、実開平7−11559号公報や実開平5−34151号公報には、上述したヒンジキャップについて、キャップ本体の筒状側壁部に、上蓋とのヒンジ連結部の近傍から下方に延びているスコアを形成させて成るヒンジキャップが開示されている。これらのヒンジキャップは、上蓋を手で持って下方に押し下げることにより筒状側壁部のスコアを引き裂き、これによって筒状側壁部が破壊されるので、格別の工具を用いることなく容易にキャップを容器口部から除去できるというものである。
【0004】
然しながら、これらの先行技術に開示されているキャップでは、筒状側壁部のスコアの引き裂きが容易でないという問題がある。即ち、筒状側壁部は、容器口部に嵌合固定されるため、比較的厚肉に形成されており、しかも、容器口部にしっかりと固定するために、容器口部外面と係合する突起が形成されている。従って、この部分に形成されているスコアを引き裂くためには、かなり大きな力を要する。また、このスコアの引き裂きを容易に行うためには、スコアを深く形成し、スコア形成部分の肉厚を薄くすることが考えられる。しかし、この場合には、キャップ本体を容器口部に装着するキャッピング工程時に、筒状側壁部が破断し易くなってしまう。
【0005】
さらに、筒状側壁部に形成されているスコアの引き裂きを容易に行うためには、例えば、筒状側壁部上端に連なる頂板部に適当な摘み片を設けるのがよく、この摘み片を手で引っ張ることによりスコアの引き裂きを容易に行うことが可能となる。この場合、筒状側壁部にスコア引き裂き用の摘み片を設けるのは、使用中のキャップについて、一般の使用者が誤ってスコアの引き裂きを行ってしまうというトラブルを引き起し易いので好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、格別の摘み片を設けることなしに、筒状側壁部に形成されたスコアの引き裂きが容易であり、しかもキャッピング時における筒状側壁部の破断が有効に防止された分別廃棄性の良好なヒンジキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、頂板部と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成り、前記筒状側壁の内面には、容器口部の外面と係合し得る係合突起が形成されており、該筒状側壁内に容器口部が嵌め込まれることにより、キャップ本体が容器口部に装着されるヒンジキャップにおいて、
前記上蓋が設けられている筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって、該筒状側壁の下端にまでは延びていないが、少なくとも前記係合突起の頂部よりも下側部分にまで延びているスリットが形成されており、該スリットが形成されている部分において、前記筒状側壁は、外側壁と内側壁とに分割されており、
前記スリットは、筒状側壁の半周以上にわたって形成されており、且つ上方からみて、少なくとも、キャップ本体と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様にして該ヒンジ連結部分から両側に広がっており、該ヒンジ連結部分の両端部近傍には、それぞれ、該スリットにより形成された外側壁の内面の上端から下端にかけて延びているスコアが形成されていることを特徴とするヒンジキャップが提供される。
【0008】
前述したヒンジキャップの重要な特徴は、筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって前記係合突起の頂部よりも下側部分にまで延びているスリットが形成されていることにある。即ち、このスリットは、筒状側壁の半周以上にわたって形成されており、且つ上方からみて、少なくとも、キャップ本体と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様にして該ヒンジ連結部分から両側に広がっており、このようなスリットが形成されている部分において、筒状側壁は、それぞれ薄肉の外側壁内側壁とに分割されており、両側壁は、下方部分で連なっている。またヒンジ連結部分の両端部近傍には、それぞれ、該スリットに形成された外側壁の内面の上端から下端にかけて延びているスコアが形成されている。
【0009】
従って、キャッピング(打栓)によりキャップ本体が容器口部に挿入されていくと、筒状側壁内面(内側壁内面)に形成された係合突起が容器口部の外面に乗り上げるため、薄肉の内側壁は外側に広がっていくが、スリットの部分で外側壁に密着する。即ち、外側壁によって、内側壁がそれ以上外方に広がることが抑制され、容器口部との嵌合力の低下が有効に防止される。また、キャッピング時に、外側に広がる薄肉の内側壁には、スコアが形成されていないため、キャッピング時におけるスコアの破断も有効に防止される。キャッピング後においては、内側壁は、外側壁によってタガ締めされ、かくして十分な密封性が確保される。
【0010】
更に、上蓋のヒンジ連結部を下方に引っ張り下ろすことにより、スコアが引き裂かれるが、この引き裂きにより、環状の外側壁は、ヒンジ連結部の両端部近傍で開放されるため、外側壁のタガ締め力が解除される。従って、この上蓋を摘片として引っ張り上げることにより、ヒンジ連結部における筒状側壁の下端を捲り上げることができ、キャップ本体を容器口部から引き抜くことができるわけである。
【0011】
本発明において、上記スリットは、筒状側壁の全周にわたって設けられていてもよいし、ヒンジ連結部が形成されている部分を含んでいる限り、筒状側壁には上記スリットが形成されていない部分があってもよい。但し、上記スリットは、少なくとも筒状側壁の半周以上にわたって形成されていることが重要である。即ち、このスリットが形成されている領域があまり小さいと、スリットを設けた意味がなくなり、例えばスリットにより分割された筒状側壁の外側壁によるタガ締め力が小さくなるため、上蓋を引っ張り下ろしてスコアを引き裂いたとしても、キャップ本体(筒状側壁)と容器口部との嵌合力が低下せず、この結果、筒状側壁を捲り上げて容器口部からキャップ本体を取り除くことが困難となってしまう。
【0012】
また本発明において、筒状側壁には、前記スリットと連通し且つ下端にまで延びている水抜き孔が少なくとも1個設けられていることが好ましい。即ち、上記のようなスリットが形成されているヒンジキャップでは、このキャップを必要により水洗した後に、上蓋を閉じた状態で容器口部に装着され、容器口部に装着された後にも、必要により水洗、或いはシャワー冷却が行われる。従って、このスリット内に水が侵入し、侵入した水が容易に抜けず、しかも上蓋が閉じられている状態では、乾燥も十分に行われない。上記のような水抜き孔を設けることにより、このようなトラブルを有効に解決することができる。
【0013】
上述したヒンジキャップにおいては、筒状側壁の上方部分にのみスリット(第1のスリット)が形成されているが、この下方部分にもスリット(第2のスリット)を設けることができる。この第2のスリットは、ヒンジ連結部が形成されている部分を除いて、第1のスリットに対応する様に筒状側壁の下端から延びており、第2のスリットの上端は、第1のスリットの下端よりも若干下方に位置している。このような第2のスリットを設けることにより、上蓋を引き下ろしてスコアを破断した時の筒状側壁と容器口部外面との係合力がさらに弱められるため、上蓋の引き上げによるキャップ本体の容器口部からの引き抜きを一層容易に行うことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図、図2は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の側断面図、図3は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の底面図、図4は、図1のヒンジキャップの上蓋を閉じた状態での側面図であり、図5は、図1のヒンジキャップにおいて、上蓋を引き下ろしてスコアを引き裂いた時の状態を容器口部と共に示す側断面図である。
【0015】
図1乃至図4において、このヒンジキャップは、キャップ本体1と上蓋2とから成る。
キャップ本体1は、大まかに言って、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋2は、筒状側壁6の上端にヒンジ連結(ヒンジ連結部7)されており、このヒンジ連結部7の両端には、上蓋2の旋回をスムーズに行い且つ上蓋2の開栓状態を保持できる様に連結バンド7a,7aが設けられており、上蓋2を旋回して閉じると、頂板部5が完全に覆われる。
【0016】
キャップ本体1の筒状側壁6の内面には、周状の係合突起8が形成されており、また頂板部5の内面の周縁部には、筒状側壁6とは間隔をおいて下方に延びているインナーリング9が形成されている。即ち、このインナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口部(図示せず)が嵌め込まれ、且つ周状突起8によってキャップ本体1は、容器口部にしっかりと固定される。
【0017】
キャップ本体1の頂板部5には、注出用開口を形成するためのスコア15が形成されていると共に、頂板部5の上面側には、スコア破断用のタブリング16が設けられており、このタブリング16を引っ張ることによりスコア15が破断され、注出用の開口が形成されるようになっている。尚、このスコア15は、内容液注出用の開口を形成するためのものであり、後述するキャップ本体を容器口部から取り除くために設けられるスコアとは全く別のものである。
頂板部5の上面側には、スコア15を取り囲む様にして注出液案内用の筒状突起17が形成されており、注出用開口を介して注ぎ出された内容液は、この筒状突起17に沿って案内される。
【0018】
また、上蓋2は、天板20と、天板20の周縁部から延びているスカート21とから形成されており、天板20の内面には、シール用の周状突起22が形成されている。即ち、上蓋2を閉じたとき、この周状突起22の外面が筒状突起17の内面に密着する様になっており、この密着により、スコア15を破断しての注出用開口形成後のシール性が確保される。
この場合、図2に明示されている様に、筒状突起17は、ヒンジ連結部7側の背を低くしておくことが好ましい。このようにすれば、周状突起22の長さを比較的大きく設定しても上蓋2を有効に閉じることができ、注出用開口形成後のシール性確保の点で有利となる。
【0019】
頂板部5の上面側周縁部には、比較的背の低い上蓋係止用の周状突起25が形成され、また上蓋2の周状端縁部には、凹部26が形成されている。即ち、上蓋2を閉じたとき、周状突起25と凹部26とが互いに係合し、これにより、上蓋2の閉栓状態が保持される。
また上蓋2の天板20の内面には、スカート21と周状突起22との間の位置に、周状突起22とほぼ同じ長さの弧状突起27が形成されている。この弧状突起27は、上蓋2を閉じた時、筒状突起17の外側に位置する様になっている。即ち、上部からの外力によって上蓋2が変形した時、この弧状突起27が頂板部5の上面に当接するため、この変形によって周状突起27が頂板部5に食い込んでスコア15が破断するというトラブルが有効に防止されるのである。
更に上蓋2のスカート21の下端には、ヒンジ連結部7とは反対側部分に、開封用タブ28が設けられており、開封用タブ28に指で引っかけて上蓋2を容易に開栓し得る様になっている。
【0020】
本発明のヒンジキャップにおいては、筒状側壁6の厚み部分中間部に、上端から下方に延びているスリット30を設ける。このスリット30は、図1から理解されるように、筒状側壁6の全周にわたって形成されており、このスリット30によって、筒状側壁6は、内側壁6aと外側壁6bとに分割されている。また図2から理解されるように、スリット30は筒状側壁の下端までは延びておらず、内側壁6aと外側壁6bとは、下方部分で一体に連なっている。
更に、図1及び図4に示されている通り、連結部7の両端部近傍には、スコア31,31が形成されている。これらのスコア31は、スリット30の上端から下端にわたって、外側壁6bの外面に向かって延びており、これらのスコア31によって外側壁6bの連結部7の両端部近傍は薄肉となっている。
【0021】
本発明のヒンジキャップにおいては、上記の様なスリット30及びスコア31を形成することにより、キャッピング時におけるキャップ本体1の破損が有効に防止され、またキャップ本体1と容器口部との係合力を低下させることなく且つ格別の摘片を設けず、しかも格別の工具を用いることなく、このヒンジキャップを容易に容器口部から取り外すことが可能となる。
【0022】
例えば、上記のようなスリット30が形成されているキャップ本体1を、容器口部にキャッピング(打栓)すると、容器口部の上端が筒状側壁6とインナーリング9との間の空間に挿入されていくにしたがって、筒状側壁6の内面に形成されている係合突起8が、容器口部の外面に形成されている大径の凸部(100,図5参照)に乗り上げる。この時に、内側壁6aが外側に広がるが、外側壁6bの内面に密着して保護され、しかも内側壁6aには、スコアのような弱化部は全く設けられていない。従って、キャッピングに際してのキャップ本体1の破断等が有効に防止される。
また、キャッピング後においては、内側壁6aは、外側壁6bによってタガ締めされるため、係合突起8と容器口部外面の凸部100との係合力が補強され、十分なシール性が確保される。
【0023】
さらに、図5に示されている様に、キャップ本体1が容器口部に装着されている状態で、上蓋2を開け、この上蓋2を手で持って下方に引き下ろすと、ヒンジ連結部7の両端部近傍に設けられているスコア31,31に沿って外側壁6bが引き裂かれ、上蓋2は、スリット30の下側部分で筒状側壁6に繋がった状態となる。この状態では、環状であった外側壁6bが引き裂かれているため、外側壁6bによるタガ締め力が解除されており、係合突起8と容器口部外面の凸部100との係合力が著しく弱められている。従って、この上蓋2を引っ張り上げ、必要により、筒状側壁6の下端を手で捲り上げることにより、容易にキャップ本体1を容器口部から取り除くことが可能となる。この場合、上蓋2の引っ張り上げに先立って、スコア31に沿って引き裂かれた外側壁6bを周方向に捲って引き裂いておいてもよい。
【0024】
上記の説明から明らかな通り、スリット30は、少なくとも筒状側壁6の内面に形成されている係合突起8の最頂部8aよりも下方に延びていることが必要である。即ち、この最頂部8aの部分で、キャッピング後における係合突起8と容器口部の凸部100との係合力は最も大きい。従って、スリット30が最頂部8aまで延びていないと、スコア31に沿って外側壁6bを引き裂いてタガ締め力を解除しても、係合突起8と容器口部の凸部100との係合力が十分に低下しないため、キャップ本体1を容器口部から取り除くことが困難となってしまう。
【0025】
但し、必要以上にスリット30を下方まで延長すると、スリット30が形成されていない筒状側壁6の下端部が偶発的に破断し易くなり、一部でも破断が生じると、タガ締め力が解除されてシール性が損なわれてしまうおそれがある。従って、スリット30が形成されていない筒状側壁6の下端部は十分な長さを有しているのがよく、一般に、スリット30の下端は、係合突起8の下端の裾部あたりの部分に位置せしめるのがよい。
【0026】
また本発明において、キャップ本体1の連結部7が形成されている筒状側壁6には、水抜き孔35が設けられている。この水抜き孔35は、スリット30が形成されていない下方部分、即ち、内側壁6aと外側壁6bとが一体に連なっている部分に形成されており、筒状側壁6の下端まで延びており且つその上端は、スリット30に連通している。従って、ヒンジキャップの水洗、或いはキャップを容器口部に装着した後の冷却等に用いられた水などが、スリット30内に侵入した場合にも、この水は容易に除去され、また乾燥効率も向上する。
上述した図1乃至図5に示すヒンジキャップでは、特に図3の底面図から理解される様に、水抜き孔35は2個設けられているが、スリット30からの水抜き及び乾燥が有効に行われる限り、この数は特に限定されず、例えば1個でもよいし、また3個以上の水抜き孔35を設けることも可能である。また、この水抜き孔35は、ヒンジ連結部7が形成されていない部分に設けられていてもよい。
更にスリット30の下端を水抜き孔35に向けて下方に傾斜をつけた形状とすることにより、水抜き効果を向上させることもできる。
【0027】
また本発明において、上述したスリット30は、筒状側壁6の全周にわたって形成することが好ましいが、スコア31に沿っての引き裂きによる外側壁6bのタガ締め力の解除によって、係合突起8と容器口部外面の凸部100との係合力が十分に低下し、キャップ本体1(筒状側壁6)を容易に容器口部から取り外すことが可能となる限り、スリット30を筒状側壁6の全周にわたって形成する必要はなく、筒状側壁6の半周以上にわたってスリット30を形成しておけばよく、例えばヒンジ連結部7とは反対側の部分の筒状側壁6には、スリット30を形成しないでおくことができる。
【0028】
本発明においては更に、上記スリット30の下側(内側壁6aと外側壁6bが連なる筒状側壁6の裾部)に、連結部7を除き、第2のスリットを形成することもできる。この例を、図6乃至図10に示す。図6は、このヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図、図7は、図6のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の側断面図、図8は、図6のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の底面図、図9は、図6のヒンジキャップの上蓋を閉じた状態での側面図、図10は、図6のヒンジキャップにおいて、スリットにより形成された外側壁を周方向に捲って引き裂いた状態を示す図である。
【0029】
図6乃至図10のキャップは、50で示す第2のスリットが設けられている点を除けば、図1乃至図5に示したキャップと全く同じ構造を有している。従って、図6乃至10では、第2のスリット50以外の部分については、図1乃至5と同じ引照数字で且つ要部のみを示した。
【0030】
図6乃至図10において、特に図7の側断面図及び図8の底面図から明らかな通り、筒状側壁6の裾部には、その下端から第2のスリット50が延びており、第1のスリット30と第2のスリット50との間には、連結部51が形成されている。この第2のスリット50は、先に説明したスリット30(以下、第1のスリット30と呼ぶ)の下側に位置しているが、ヒンジ連結部7には、この第2のスリット50は形成されていない。即ち、ヒンジ連結部7の両端近傍に位置している第2のスリット50の両端部の上方には、外側壁6bを引き裂くためのスコア31が位置している。ヒンジ連結部7に第2のスリット50を形成すると、スコア31を引き裂いた後に上蓋2を引っ張り上げると、第1のスリット30と第2のスリット50との間の連結部51が破断し、上蓋2のみが外れてしまい、キャップ全体を容器口部から取り除くことができなくなってしまうからである。
【0031】
かかる態様のヒンジキャップにおいては、第1のスリット30が形成されていない筒状側壁6の裾部に第2のスリット50が設けられているため、キャップの容器口部からの取り外しを一層容易に行うことができる。
即ち、前述した図1乃至5のヒンジキャップでは、スコア31に沿って外側壁6bを引き裂いても、この外側壁6bの下端は筒状側壁6に連なって環状となっているため、内側壁6aに加わるタガ締め力が完全にゼロとなるわけではない。しかし、図6乃至10のヒンジキャップでは、スコア31に沿って第1のスリット30の周囲の外側壁6bを引き裂いた後、図10に示す様に、連結部51を引き裂きながら、第1のスリット30の周囲の外側壁6bと第2のスリット50の周囲の外側壁6bを一体に周方向に引き剥がしてしまえば、内側壁6aに加わるタガ締め力は完全にゼロとなる。従って、上蓋2を引っ張り上げることにより、一層容易にキャップ本体1を容器口部から取り除くことができるわけである。
【0032】
上記のヒンジキャップでは、ヒンジ連結部7を除き、第1のスリット30の下側に第2のスリット50が形成され、これにより、この裾部も内側壁6aと外側壁6bに分割されているが、外側壁6bが内側壁6aを保護するため、キャッピングに際しての筒状側壁の破断やシール性の低下は有効に防止される。
【0033】
また、第1のスリット30と第2のスリット50との間隔d、即ち連結部51の厚みは、0.3乃至0.4mm程度に設定することが好ましい。この間隔dをあまり短くすると、キャッピングに際して、この部分の破断を生じやすくなり、このような破断が生じると、外側壁6bのタガ締め力が低下し、キャッピング後のシール性が低下するおそれがある。また、上記間隔dをあまり長く設定すると、第2のスリット50を設けた意味がなくなる。
【0034】
図10のようにしてキャップ本体1の容器口部からの取り外しを行う場合、第1のスリット30が筒状側壁6の全周にわたって形成されており、しかもヒンジ連結部7以外の全ての部分にわたって筒状側壁6の裾部に第2のスリット50が形成されているため、外側壁6bを完全に引き裂いてキャップ本体1から引き剥がすこともできるが、通常は、引き裂かれた外側壁6bを、キャップ本体1に繋ぎ止めておくことが好ましい。即ち、外側壁6bを完全にキャップ本体1から引き剥がしてしまうと、容器口部から取り除かれたヒンジキャップは2体に分離してばらばらになってしまうため、その廃棄のためには決して有利とはならないからである。
【0035】
また、第2のスリット50の両端部(ヒンジ連結部7との境界部分)の少なくとも一方には、このスリット50から外側壁6bの外面に向けてスコアを形成しておくことが好ましい。これにより、スコア31に沿っての引き裂きを行った後、さらに第2のスリット50の周囲の外側壁6bを引き裂いて連結部51の引き裂きを容易に行うことができる。
【0036】
本発明において、上述した種々の構造のヒンジキャップの成形に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば、低−,中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が一般に使用される。このような樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形により、本発明のヒンジキャップを製造することができる。また、上述した第1のスリット30や第2のスリット50等は、一体成形により形成することもできるが、場合によっては、カッテイング加工等の後加工により形成することもできる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、キャップ本体の筒状側壁に上端からスリットを形成して内側壁と外側壁とに分断し、この外側壁に上蓋をヒンジ連結させることにより、格別の工具を用いることなく、キャップ本体を上蓋と一体的に容器口部から取り除くことが可能となり、分別廃棄性が極めて良好である。しかも、キャップ本体の容器口部からの取り除きに際して行われるスコアに沿っての外側壁の引き裂きは、上蓋を持って行われるため、この引き裂きのために格別の摘み片を設ける必要がない。
また、上記スリットで分断されている内側壁は、外側壁によって覆われているため、キャップ本体が容器口部に装着されている状態で内側壁が外側壁によってタガ締めされ、従って、容器口部とキャップ本体との間に十分な嵌合力が確保される。しかもキャッピングに際しては外側壁に設けられているスコアが内側壁を介して外側に広がるが、内側壁に直接スコアが設けられているわけではないため、この時にスコアが破断するおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図。
【図2】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の側面断面図。
【図3】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の底面図。
【図4】図1のヒンジキャップの上蓋が閉栓状態にある時の側面図。
【図5】図1のヒンジキャップにおいて、上蓋を引き下ろしてスコアに沿って外側壁を引き裂いた状態を示す図。
【図6】本発明の他の例のヒンジキャップにおいて、上蓋が開栓状態にある時の上面平面図。
【図7】図6のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の側面断面図。
【図8】図6のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の底面図。
【図9】図6のヒンジキャップの上蓋が閉栓状態にある時の側面図。
【図10】図6のヒンジキャップにおいて、外側壁を周方向に引っ張って引き裂いた状態を示す図。
【符号の説明】
1:キャップ本体 2:上蓋
5:頂板部 6:筒状側壁
6a:内側壁 6b:外側壁
7:連結バンド 30:スリット
31:スコア 35:水抜き孔
50:第2のスリット

Claims (3)

  1. 頂板部と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成り、前記筒状側壁の内面には、容器口部の外面と係合し得る係合突起が形成されており、該筒状側壁内に容器口部が嵌め込まれることにより、キャップ本体が容器口部に装着されるヒンジキャップにおいて、
    前記上蓋が設けられている筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって、該筒状側壁の下端にまでは延びていないが、少なくとも前記係合突起の頂部よりも下側部分にまで延びているスリットが形成されており、該スリットが形成されている部分において、前記筒状側壁は、外側壁と内側壁とに分割されており、
    前記スリットは、筒状側壁の半周以上にわたって形成されており、且つ上方からみて、少なくとも、キャップ本体と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様にして該ヒンジ連結部分から両側に広がっており、該ヒンジ連結部分の両端部近傍には、それぞれ、該スリットにより形成された外側壁の内面の上端から下端にかけて延びているスコアが形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. 前記筒状側壁には、前記スリットと連通して下端にまで延びている水抜き孔が少なくとも1個形成されている請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. 前記スリットよりも下方の筒状側壁の厚み部分には、ヒンジ連結部分を除き、前記スリットに対応して筒状側壁下端から第2のスリットが延びており、第2のスリットの上端は、前記スリットの下端よりも下方に小間隔を置いて位置している請求項1に記載のヒンジキャップ。
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