JP4616505B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジキャップに関するものであり、より詳細には、使用済みのキャップについて、キャップ本体の容器口部からの取り外しを、格別の工具を用いることなく容易に行うことが可能な分別廃棄性に優れたヒンジキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ連結された上蓋とから成るヒンジキャップは、各種調味料容器等の種々の容器に広く使用されている。
ところで、最近になって、ゴミ廃棄処理や資源の再利用等の見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、容器と異なる材質のプラスチックキャップについても分別廃棄が求められている。しかるに、上記のヒンジキャップは、キャップ本体が容器口部に嵌合固定されているため、これを容器口部から取り除くためには、栓抜きなどの格別の工具を用いなければならないという煩わしさがあり、分別廃棄性が極めて不十分であるという欠点を有している。
【0003】
また、分別廃棄性が改善されたヒンジキャップも種々提案されており、例えば特開2000−142758号公報には、
「頂板部と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成り、前記筒状側壁の内面には、容器口部の外面と係合し得る係合突起が形成されており、該筒状側壁内に容器口部が嵌め込まれることにより、キャップ本体が容器口部に装着されるヒンジキャップにおいて、
前記上蓋とのヒンジ接続部が形成されている筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって延びているスリットが筒状側壁の下端近傍にまで深く形成されており、このスリットにより、ヒンジ接続部の筒状側壁は内側壁と外側壁とに分割されており、
前記ヒンジ接続部の両端部においては、前記スリットの両端に沿って外側壁に第1のスコアが形成され、且つ第1のスコアに対面する様に、第2のスコアが少なくとも内側壁に形成されている係合突起に刻設されていることを特徴とするヒンジキャップ。」
が提案されている。
【0004】
この先行技術に開示されたヒンジキャップでは、使用済みのキャップについて、上蓋を開けた状態で、上蓋を手で持って下方に引き降ろすことにより、ヒンジ接続部の両端に形成されている第1のスコアに沿って外側壁が引裂かれる。引裂かれた外側壁は、下端で内側壁に連なっているので、上蓋毎、外側壁を上方に引っ張り上げることにより、内側壁は第2のスコアに沿って引裂かれる。このようにして、外側壁及び内側壁が引き裂かれた部分において、筒状側壁と容器口部との係合が解除されるため、格別の工具を用いることなしに、キャップ本体を容易に容器口部から取り除くことができるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術のように、筒状側壁の一部にスリットを設けて筒状側壁を内側壁と外側壁とに分断し、開放された上蓋の引き降ろしにより筒状側壁(内側壁及び外側壁)を引裂いてキャップ本体を容器口部から取り除くヒンジキャップでは、分別廃棄性が向上しているとしても、成形性の点で問題があった。即ち、上記のようなキャップは、所定形状の金型内に溶融した樹脂を射出することにより成形されるが、筒状側壁にスリットを形成するために、このスリットに対応する形状の厚みの薄い金型ツールが使用される。この金型ツールが成形時の樹脂圧によって、破損したり、変形したりするという不都合を頻繁に生じていたのである。
【0006】
従って本発明の目的は、キャップ本体の筒状側壁に、内側壁と外側壁とに分断するスリットが形成されているヒンジキャップにおいて、成形時のスリット形成用金型ツールの破損や変形が有効に抑制されたヒンジキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジ連結された上蓋とから成り、該キャップ本体は、頂板部と、頂板部の周縁から下方に延びている筒状側壁とから成り、該上蓋は、該キャップ本体の筒状側壁の上端部分にヒンジ連結されているヒンジキャップであって、ヒンジ接続部が形成されている筒状側壁の部分は、内側壁と外側壁とに分断されており、該内側壁と外側壁とは下方部分で連結されているヒンジキャップにおいて、
前記内側壁と外側壁との連結部分の周方向中央部分には、その周方向両端部分に比して、大きな上下方向幅を有する部分が形成されていることを特徴とするヒンジキャップが提供される。
【0008】
本発明のヒンジキャップでは、上蓋がヒンジ連結されているキャップ本体の筒状側壁部分は、例えば上端から下方に延びている弧状スリットにより内側壁と外側壁とによって分断され、この内側壁と外側壁とは下端部で連結されているが、この連結部の周方向中央部分に、その周方向両端部分に比して、大きな上下方向幅を有する部分を形成した点に重要な特徴を有している。
【0009】
即ち、キャップの成形は、上蓋を開放した状態のキャップ形状に金型が配置され、キャップ本体を形成する金型の中央部分から溶融した樹脂を射出することによって行われ、射出された樹脂が金型によって形成される空間内全体に流れることにより、目的とする形状(上蓋が開放された形状)のヒンジキャップが成形される。かかる成形に際しては、金型内に射出された溶融樹脂は、キャップ本体を構成する金型空間内に行きわたり、更に、筒状側壁を内側壁と外側壁に分断するための弧状スリットを形成する金型ツールにより形成される内側壁と外側壁との連結部分を通って、上蓋を形成する金型空間内に流れ込む。
【0010】
ところで、上記のような弧状スリットを形成するための金型ツールは、当然のことながら、それ自体、厚みが非常に薄く、変形や破損を生じ易いものである。
一方、この種のキャップは、開放された上蓋を引き降ろすことにより、外側壁を引裂くことにより、筒状側壁と容器口部外面との係合力を弱め、引裂かれた外側壁を引っ張り上げることにより、内側壁が容易に捲り上げられ、キャップ本体を容器口部から容易に取り外すことができるというものである。従って、引裂かれた外側壁を引っ張り上げることによる内側壁の捲り上げを容易に行うために、内側壁と外側壁との連結部分の上下方向幅は小さく設定される。この結果、内側壁と外側壁との連結部分を形成する金型空間は、非常に狭く、成形に際して、多量の溶融した樹脂(上蓋を形成する樹脂量)が、この非常に狭い空間を通って、キャップ本体側から上蓋側に流れ込むことになり、この時の樹脂圧は、極めて大きい。しかも、この非常に狭い空間は、先に述べた厚みの非常に薄い弧状スリット形成用金型ツールによって形成されている。
このため、前述した先行技術等のヒンジキャップにおいては、溶融した樹脂が上記連結部を形成する非常に狭い空間を流れる際に生じる大きな樹脂圧が、厚みの薄い弧状スリット形成用金型ツールに加わり、この結果、該ツールの破損や変形等が極めて容易に生じてしまうのである。
しかるに本発明によれば、内側壁と外側壁との連結部の周方向中央部分に、その周方向両端部分に比して、大きな上下方向幅を有する部分を形成することにより、キャップを容器口部から取り外す際の内側壁の捲り上げ性を損なうことなく、前記連結部を形成する空間内を流れる時に生じる樹脂圧を緩和することができ、該樹脂圧による弧状スリット形成用金型ツールの破損や変形等を有効に防止することができる。
【0011】
本発明において、前記内側壁と外側壁との連結部分は、その周方向両端部分或いは両端近傍部分から周方向中央部分に向かって、その上下方向幅が漸次大きくなっており、該連結部分の上面は、なだらかな曲面を形成していることが好ましい。即ち、このような形状の連結部を形成するために使用される金型ツールは、下端部が滑らかな曲面となるため、下端部に加わる樹脂圧が分散され、該ツールの破損や変形を一層有効に防止することができる。
また、前記外側壁の内面は、上面からみて、波形に形成されていることが好ましい。即ち、外側壁内面を、このような波形面とすることによっても、弧状スリット形成用金型ツールに加わる樹脂圧を分散することができ、該ツールの破損や変形を有効に防止することができる。
【0012】
更に本発明においては、分別廃棄性を高めるために、種々の手段を講じることができる。
例えば、ヒンジ接続部が形成されている筒状側壁の部分は、上端から下方に延びている弧状スリットによって内側壁と外側壁とに分断されるが、この外側壁には、周方向両端部分或いはその近傍において、上端から筒状側壁の下端或いは下端近傍にまで延びているスコアを形成することが好ましい。このようなスコアを形成することにより、開放されている上蓋の引き降ろすことにより、外側壁を容易に引裂くことができる。
また、上記弧状スリットの周方向両端から周方向に延びている補助スリットを設けることが望ましい。この補助スリットは、筒状側壁の上端から下端或いはその近傍にまで延びているものであり、このような補助スリットを設けることにより、外側壁を引裂いた後の内側壁の捲り上げを容易に行うことができる。かかる補助スリットは、前記弧状スリットと補助スリットとの合計の周方向長さが、筒状側壁の周方向長さの20乃至60%であることが好適である。
更に、前記内側壁には、前記外側壁に形成されているスコアに対面する部分に、下方から上方に向かって薄肉部が形成されていることが望ましい。内側壁にこのような薄肉部を形成することにより、外側壁を引裂いた後に内側壁を引っ張り上げると、この薄肉部に沿って内側壁が容易に引裂かれるため、その捲り上げを一層容易に行うことができる。
また、筒状側壁の内面には、容器口部に嵌め込まれたキャップ本体をしっかりと固定するために、容器口部の外面と係合するアンダーカットが形成されるが、このアンダーカットは、前記外側壁に形成されているスコアに対応する部分が切り欠かれていることが好ましい。即ち、このような切り欠き部の形成によっても、内側壁の捲り上げを容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、上蓋が開栓されている状態での本発明のヒンジキャップの上面平面図であり、
図2は、図1のヒンジキャップのA−A断面図であり、
図3は、図1のヒンジキャップの底面図であり、
図4は、図1のヒンジキャップにおいて、筒状側壁と上蓋とのヒンジ接続部を拡大して示す上面平面図であり、
図5は、図1のヒンジキャップにおいて、本発明の要部である内側壁と外側壁との連結部を、外側壁を省略して示す拡大正面図であり、
図6は、本発明のヒンジキャップの好適例において、筒状側壁と上蓋とのヒンジ接続部を拡大して示す上面平面図である。
【0014】
図1乃至図4において、このヒンジキャップは、キャップ本体1と上蓋2とから成っており、それ自体公知の合成樹脂、例えば、ポリエチレン、アイソタクティクポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂或いはポリカーボネート等の一体成形によって、図2に示されているように、上蓋2が開栓された状態で成形される。
【0015】
キャップ本体1は、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋2は、筒状側壁6の上端部分にヒンジ連結(ヒンジ接続部7)されている。図2及びヒンジ接続部7を拡大して示す図4に明瞭に示されている様に、このヒンジ接続部7において、上蓋2は、周方向に間隔を置いて設けられている一対のヒンジ連結バンド7a,7bにより筒状側壁6の上端より若干下方に連結され、且つ該バンド7a,7bの間に設けられているヒンジ連結バンド7cによって、筒状側壁6の上端に連結されている。このように筒状側壁6にヒンジ連結されている上蓋2を旋回することにより、キャップ本体1の頂板部5は完全に覆われるようになっている。
【0016】
キャップ本体1の筒状側壁6の内面には、アンダーカット8が形成されており、また、頂板部5の内面の周縁部分には、筒状側壁6とは間隔を置いて下方に延びているインナーリング9が形成されている。即ち、このインナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口部(図示せず)が嵌め込まれ、且つアンダーカット8と容器口部の外面との係合により、キャップ本体1は、容器口部にしっかりと固定されるものである。
【0017】
キャップ本体1の頂板部5には、注出用開口を形成するためのスコア15が形成されており、且つ頂板部5の外面には、スコア破断用のタブリング16が設けられており、このタブリング16を引っ張り上げることにより、スコア15が破断し、頂板部5に注出用の開口が形成されるようになっている。
また、頂板部5の外面には、スコア15を取り囲むようにして、注出用筒17が設けられており、スコア15の破断によって形成された注出用開口を通り、この注出用筒17に沿って、容器内容液が注ぎ出される。尚、図2から明らかな通り、注出筒17のヒンジ接続部7側は、上蓋2の旋回を阻害しないように、背が低く形成されている。
更に、頂板部5の外面には、上記の注出用筒17の外側に、比較的背の低い上蓋係止用周状突起18が形成されている。
【0018】
一方、上蓋2は、天板20と、天板20の周縁部から延びているスカート21とから形成されており、天板20の内面には、シール用の周状突起22が形成されている。即ち、上蓋2を閉じた時、この周状突起22の外面が注出用筒17の内面に密着するようになっており、この密着により、注出用開口を形成した後のシール性が確保される。
尚、上記で述べた様に、注出用筒17のヒンジ接続部7側は、背が低く形成されているため、上蓋2を旋回して閉じる際に、上蓋2の周状突起22の旋回が注出用筒17により阻害されないようになっている。
更に、スカート21の先端部内面には、凹部26が周状に形成されている。即ち、上蓋2を閉じた時、この凹部26が、頂板部5の外面に設けられている上蓋係止用周状突起18と係合し、これにより、上蓋2の閉栓状態が保持される。
【0019】
特に図2及び図4を参照して、本発明のヒンジキャップにおいては、筒状側壁6のヒンジ接続部7に、弧状スリット30が形成されており、この弧状スリット30により、筒状側壁6は、内側壁6aと外側壁6bとに分断されている。即ち、この弧状スリット30は、筒状側壁6の上端から下端近傍にまで延びており、その周方向両端部30a、30bは、それぞれ、ヒンジ接続部7の周方向両端部の近傍(ヒンジ連結バンド7a,7bの近傍)に位置している。また、内側壁6aと外側壁6bとは、下端の連結部32で一体に連なっている。
従って、このヒンジキャップでは、上蓋2を開栓した状態で引き降ろすことにより、外側壁6bを弧状スリット30の周方向両端部30a、30bに沿って引裂き、次いで、引裂かれた外側壁6bを上方に引っ張り上げて内側壁6aを捲り上げることによって、キャップ本体1を容器口部から取り除くことができ、分別廃棄を容易に行うことができる。
【0020】
かかるヒンジキャップにおいて、筒状側壁6のヒンジ接続部7の一部を拡大して示す図5の正面図(図5では、外側壁6bが省略されている)に示されているように、内側壁6aと外側壁6bとの連結部32は、周方向中央部分の上下方向幅が、その周方向両端部分に比して、大きくなっている。本発明では、内側壁6aと外側壁6bとの連結部32が、このような大きな上下方向幅を有する部分を周方向中央部分に有していることにより、キャップの成形性を向上させ、成形時の金型ツールの破損や変形を有効に防止することが可能となるものである。
【0021】
上述したヒンジキャップは、図1乃至図3に示されているような上蓋2を開栓した状態で成形される。
即ち、上蓋を開放した状態のキャップ形状に金型が配置され、キャップ本体1を形成する金型の中央部分(例えば図2において、Xで示す線上)に射出ゲートが配置され、この射出ゲートから、キャップを構成する樹脂の溶融物が射出され、射出された樹脂溶融物は、キャップ本体1を形成する金型空間内に流れ、次いで、上蓋2を形成する空間内に流れ、これにより、目的とする形状(上蓋が開放された形状)のヒンジキャップが成形される。
かかる成形に際しては、金型内に射出された溶融樹脂は、キャップ本体1を形成する金型空間内から上蓋2を形成する空間内に流れる際に、前述した連結部32を形成する金型空間内を通る。連結部32を形成する金型空間は、図2から理解されるように、非常に狭いものであり、また、非常に薄い弧状スリット30形成用金型ツールにより形成される。従って、従来公知のヒンジキャップでは、連結部32を形成する金型空間を通過する時の樹脂圧が非常に高く、このため、非常に薄い弧状スリット30形成用金型ツールが、この樹脂圧によって容易に破損或いは変形してしまうという不都合があったのである。
【0022】
しかるに本発明によれば、連結部32の周方向中央部分は、上下方向幅が大きくなっているため、連結部32を形成する金型空間を通過する時の樹脂圧が低減され、この結果、弧状スリット30形成用金型ツールの破損や変形が有効に防止されるのである。
【0023】
かかる本発明においては、上記連結部32の周方向両端部の上下方向幅t0は、通常、0.8乃至1.2mmの範囲にあることが好ましい。この上下方向幅t0があまり小さいと、引裂かれた外側壁6bを上方に引っ張り上げる際に、連結部32が破断し易くなってしまい、内側壁6aの捲り上げが困難となるおそれがあり、また、上下方向幅t0があまり大きくても、引裂かれた外側壁6bを上方に引っ張り上げての内側壁6aの捲り上げが困難となるおそれがある。
また、連結部32の周方向中央部での最大の上下方向幅tmaxは、2.0乃至3.0mm、特に2.2乃至2.8mmの範囲にあることが好ましい。この上下方向幅tmaxがあまり小さいと、成形時の樹脂圧を低減させる効果が希薄となり、金型ツールの破損や変形を防止することが困難となるおそれがある。また、上下方向幅tmaxが必要以上に大きいと、引裂かれた外側壁6bを上方に引っ張り上げての内側壁6aの捲り上げが困難となるおそれがある。
【0024】
更に、連結部32の上下方向幅は、図5に示されているように、その周方向両端部分或いは両端近傍部分から周方向中央部分に向かって漸次大きくなっており、この連結部32の上面は、なだらかな曲面を形成していることが好ましい。連結部32をこのような形状とすることにより、弧状スリット形成用金型ツールの下端部が滑らかな曲面となり、成形時に、該ツールの下端部に加わる樹脂圧が分散され、該ツールの破損や変形を一層有効に防止することができる。
【0025】
上述した本発明のヒンジキャップでは、分別廃棄性を高めるために、種々の手段が講じられている。
例えば、図4に示されているように、外側壁6bの周方向両端部分或いはその近傍には、上端から筒状側壁の下端或いは下端近傍にまで延びているスコア35、35が形成されている。このようなスコア35,35の形成により、開放されている上蓋2の引き降ろしによって、外側壁6bは容易に引裂かれる。
【0026】
また、弧状スリット30の周方向両端からは、補助スリット37が周方向に延びている。この補助スリット37は、筒状側壁6の上端から下端或いはその近傍にまで延びており、この補助スリット37により、ヒンジ接続部7の周囲の筒状側壁6も内側壁6cと外側壁6dとに分断されている。この場合、補助スリット37は、筒状側壁6の下端にまで延びており、内側壁6cと外側壁6dとは、その下端で完全に分断されていてもよい。このような補助スリット37を設けることにより、外側壁6bを引裂いた時、その周囲の部分での容器口部との係合力は弱められるため、内側壁6aの捲り上げを容易に行うことができ、また、その周囲の外側壁6dを周方向に捲ることにより、キャップ本体1を容易に容器口部から取り外すことができる。
上記の補助スリット37は、筒状側壁6のヒンジ接続部7以外の部分全体に設けることもできるが、この場合には、ヒンジ接続部7とは反対側の容器内容液が注ぎ出される部分にも補助スリット37が形成されることになり、注ぎ出された液が補助スリット37内に浸入してしまうおそれがある。従って、弧状スリット30と補助スリット37との合計の周方向長さは、筒状側壁の周方向長さ(全周)の20乃至60%程度とするのが好適である。
【0027】
また、図4或いは図5に明瞭に示されているように、内側壁6aの周方向両端部の外面、即ち、外側壁6bに形成されているスコア35,35に対面する部分にも、スコア40,40が形成され、この部分で内側壁6aは薄肉に形成されている。
内側壁6aには、このようなスコア40が形成されているため、外側壁6bを引裂いた後に内側壁6aを引っ張り上げると、このスコア40に沿って内側壁6aは容易に引裂かれるため、その捲り上げを一層容易に行うことができる。
【0028】
また、筒状側壁6の内面に形成されているアンダーカット8には、一定間隔で切り欠き41が設けられており、これにより、キャップ本体1の容器口部からの取り外しを容易に行うことができるが、特に好ましくは、上記のスコア35、40に対応する位置に、このような切り欠き41を形成しておくのがよい。即ち、スコア40に沿っての内側壁6aの引裂きを容易に行い、その捲り上げを一層容易に行うためである。
【0029】
また本発明においては、上記の如く、内側壁6aの外面(外側壁6bに対面する側)の周方向両端部にスコア40、40を設ける代わりに、内側壁6aの内面(容器口部側)の周方向両端部にスコアを設けることもできる。このようなスコアは、内側壁6aの下端又は下端近傍から上方に、少なくともアンダーカット8の最大突出部まで延びているのがよい。このようなスコアを設けることによっても、内側壁6aの引裂き及び捲り上げを容易に行うことが可能となる。
【0030】
更に本発明によれば、図6に示す様に、弧状スリット30によって形成される外側壁6bの内面(図6において50で示す)は、上面からみて、波形に形成することができる。即ち、成形時に内側壁6aと外側壁6bとの連結部32を通過した樹脂溶融物は、外側壁6bを形成する金型空間内を通って上蓋2を形成する金型空間内に流れるが、外側壁6bを形成する金型空間内を樹脂溶融物が流れる際にも、弧状スリット30形成用の金型ツールに樹脂圧が加わる。従って、外側壁6bの内面50を、上記のような波形面とすることによって、弧状スリット30形成用金型ツールに加わる樹脂圧を分散することができ、また、弧状スリット30形成用金型ツール自体の強度を高めることができ、該ツールの破損や変形を一層有効に防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、弧状スリットによりキャップ本体の筒状側壁が内側壁と外側壁とに分断され、該内側壁と外側壁とが下端において連結され、且つ該外側壁の上端に上蓋がヒンジ連結されているヒンジキャップにおいて、内側壁と外側壁との連結部の周方向中央部分に、その周方向両端部分に比して、大きな上下方向幅を有する部分を形成することにより、キャップの成形性を向上させることが可能となる。即ち、キャップ成形時に、該連結部を形成する空間内を樹脂溶融物が流れる時に生じる樹脂圧が緩和され、この結果として、該樹脂圧による弧状スリット形成用金型ツールの破損や変形等を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上蓋が開栓されている状態での本発明のヒンジキャップの上面平面図。
【図2】図1のヒンジキャップのA−A断面図。
【図3】図1のヒンジキャップの底面図。
【図4】図1のヒンジキャップにおいて、筒状側壁と上蓋とのヒンジ接続部を拡大して示す上面平面図。
【図5】図1のヒンジキャップにおいて、本発明の要部である内側壁と外側壁との連結部を、外側壁を省略して示す拡大正面図。
【図6】本発明のヒンジキャップの好適例において、筒状側壁と上蓋とのヒンジ接続部を拡大して示す上面平面図。
【符号の説明】
1:キャップ本体
2:上蓋
5:頂板部
6:筒状側壁
6a:内側壁
6b:外側壁
7:ヒンジ接続部
8:アンダーカット
30:弧状スリット
32:内側壁6aと外側壁6bとの連結部
35:スコア
37:補助スリット
40:スコア
Claims (7)
- 容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジ連結された上蓋とから成り、該キャップ本体は、頂板部と、頂板部の周縁から下方に延びている筒状側壁とから成り、該上蓋は、該キャップ本体の筒状側壁の上端部分にヒンジ連結されているヒンジキャップであって、ヒンジ接続部が形成されている筒状側壁の部分は、内側壁と外側壁とに分断されており、該内側壁と外側壁とは下方部分で連結されているヒンジキャップにおいて、
前記内側壁と外側壁との連結部分の周方向中央部分には、その周方向両端部分に比して、大きな上下方向幅を有する部分が形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 前記内側壁と外側壁との連結部分は、その周方向両端部分或いは両端近傍部分から周方向中央部分に向かって、その上下方向幅が漸次大きくなっており、該連結部分の上面は、なだらかな曲面を形成している請求項1に記載のヒンジキャップ。
- ヒンジ接続部が形成されている筒状側壁の部分は、上端から下方に延びている弧状スリットによって内側壁と外側壁とに分断されており、周方向両端部分或いはその近傍において、前記外側壁には、上端から筒状側壁の下端或いは下端近傍にまで延びているスコアが形成されている請求項1又は2に記載のヒンジキャップ。
- 前記弧状スリットの周方向両端からは、それぞれ、補助スリットが周方向に延びており、該補助スリットは、筒状側壁の上端から下端或いはその近傍にまで延びている請求項3に記載のヒンジキャップ。
- 前記弧状スリットと補助スリットとの合計の周方向長さは、前記筒状側壁の周方向長さの20乃至60%である請求項4に記載のヒンジキャップ。
- 前記内側壁には、前記外側壁に形成されているスコアに対面する部分に下方から上方に向かって薄肉部が形成されている請求項3に記載のヒンジキャップ。
- 前記筒状側壁の内面には、容器口部の外面と係合するアンダーカットが形成されており、該アンダーカットは、前記外側壁に形成されているスコアに対応する部分が切り欠かれている請求項3に記載のヒンジキャップ。
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