JP4460710B2 - 分別廃棄性に優れた樹脂キャップ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体に開閉可能に装着された上蓋とから成る樹脂キャップに関するものであり、より詳細には、該キャップ本体の筒状側壁に、キャップ本体を容器口部から脱着するための引き裂き用の弱化線(例えばスコア)が形成されている樹脂キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近になって、ゴミの廃棄処理や省資源の見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、例えば容器口部に装着されている樹脂キャップについては、これを容器から取り外して、容器とは別個に廃棄することが要求されている。
一般に、各種の飲料容器などに使用されている多くの樹脂キャップは、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ連結或いはネジ締結された上蓋とから構成されている。従って、この種のキャップ(使用済みキャップ)を容器口部から取り除くためには、栓抜きのような工具が必要であり、分別廃棄作業が極めて面倒であるという問題がある。
【0003】
このため、上記のような樹脂キャップの分別廃棄性の改善について、多くの提案がなされている。例えば、実開平7−11559号公報や実開平5−34151号公報には、上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されている樹脂キャップ(ヒンジキャップ)について、キャップ本体の筒状側壁に、上蓋とのヒンジ連結部の近傍から下方に延びているスコア設けることが開示されている。
これらの先行技術に開示されているヒンジキャップは、上蓋を手で持って下方に押し下げることによって筒状側壁に形成されているスコアを引き裂き、これにより、格別の工具を用いることなく、容易に容器口部から取り除かれるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した樹脂キャップにおいて、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体の筒状側壁の内面には、その全周にわたって、容器口部の外面と係合する係止用突起が形成されており、この係止用突起が容器口部の外面と係合することにより、キャップ本体がしっかりと容器口部に固定されるようになっている。
従って、上記先行技術に提案されている樹脂キャップにおいては、係止用突起の係合力を強固にすると、スコアを設けたとしてもキャップの容器口部からの取り外しが困難となり、分別廃棄性が低下する。一方、係止用突起の係合力を弱くすると、容器口部からのキャップの取り外しは容易となるが、キャップの容器口部からのすっぽ抜けが生じ易くなってしまい、すっぽ抜けたキャップを、再び容器口部に装着した場合、これを一般の需要者が認識することができず、不正使用防止機能(タンパーエビデント性)の点で問題を生じる。また、筒状側壁にスコアを設けると、スコアで区画された領域での係止用突起の係合力の低下により、タンパーエビデント性が低下することもある。
【0005】
従って本発明の目的は、キャップ本体の筒状側壁内面に形成された係止用突起と容器口部外面との係合により容器口部に嵌合固定される樹脂キャップにおいて、分別廃棄性とタンパーエビデント性との両方を改善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体に開閉可能に装着された上蓋とを備え、前記キャップ本体は、スコアにより区画された内容物注出用開口形成領域を有する頂板部と、頂板部周縁から垂下した筒状側壁とから成り、該筒状側壁の内面下方部分には、周方向全体に位置して内方に突出している係止用突起が形成されており、該係止用突起が容器口部の外面と係合することにより、キャップ本体が容器口部に嵌合固定される樹脂キャップにおいて、
前記筒状側壁には、適当な間隔をおいて一対の脱着用弱化線が上端から下方に延びていると共に、該脱着用弱化線で挟まれる脱着用領域に位置する前記係止用突起の部分の突出高さは、該脱着用領域外に位置する前記係止用突起の部分の突出高さよりも高く設定されていることを特徴とする分別廃棄性に優れた樹脂キャップが提供される。
【0007】
即ち、本発明の樹脂キャップにおいては、一対の脱着用弱化線(例えばスコア)で囲まれている筒状側壁の脱着用領域内に存在する係止用突起が、脱着用領域外の係止用突起よりも高く形成されているため、脱着用領域においては、筒状側壁と容器口部外面との係合力は極めて高い。従って、スコア等の脱着用弱化線の形成による筒状側壁と容器口部外面との係合力の低下は有効に防止され、このような弱化線を引き裂かない限り、キャップ本体を容器口部から取り除くことができず、極めて高いタンパーエビデント性を確保することができる。
また、筒状側壁に形成されている脱着用弱化線を引き裂くことにより、脱着用領域での筒状側壁と容器口部外面との係合は低下し或いは解除され、しかも、脱着用領域外の係止突起は、脱着用領域内の係止突起よりも低く形成されているから、脱着用弱化線の引き裂きにより、キャップ本体全体を容易に容器口部から取り除くことができ、分別廃棄性が損なわれることもない。
【0008】
上述した本発明は、上蓋がキャップ本体にヒンジ連結されているヒンジキャップや、上蓋がキャップ本体にネジ係合により着脱自在に装着されるネジキャップに有効に適用されるが、脱着用弱化線の引き裂き性という点では、ヒンジキャップに有利に適用される。
例えば、ヒンジキャップに本発明を適用する場合には、筒状側壁に形成されている一対の脱着用弱化線の上端を、それぞれ、上蓋とキャップ本体とのヒンジ連結部の両端部近傍に位置させることにより、上蓋を、弱化線引き裂きのための摘み片として利用することができる。即ち、開封した上蓋を手で持って下方に引き降ろすことにより、容易に弱化線を引き裂くことができる。
【0009】
また、筒状側壁の上端から延びている一対の弱化線を、筒状側壁の下端まで延ばさず、弱化線を引き裂いたとき、引き裂かれた脱着用領域が他の部分に繋がっているようにすることが、分別廃棄性の点で好適である。この場合には、引き裂かれた筒状側壁の脱着用領域を手で持って、これを引っ張り上げたりすることにより、キャップ本体全体を容易に容器口部から取り除くことができ、しかも除去されたキャップ本体は、ワンピースであるため(脱着用領域が連なっている)、その廃棄処理の点でも有利となる。
【0010】
本発明によれば、更に、筒状側壁の厚み部分に、その上端から係止用突起にかかる部分にまで、スリットを設けることが好ましい。例えば、このようなスリットを脱着用領域に形成し、前記弱化線を、このスリットの外側壁に形成することにより、弱化線の引き裂きを容易に行うことができる。また、キャップ本体を容器口部に装着する場合(キャッピング)、突出量の大きい脱着用領域の係止突起が、これと係合する容器口部外面を乗り越える際に、筒状側壁の脱着用領域は外側に大きく広げられるが、脱着用弱化線はスリットの外側壁に形成されているため、キャッピングに際しての脱着用弱化線の破損を有効に防止することができる。また、キャップ本体が容器口部に装着された状態においては、スリットの外側壁が保護壁として機能するため、キャップのシール性を向上させることができる。
勿論、上記のようなスリットは、筒状側壁の全周にわたって設けることもできる。特にこのような場合には、キャップの容器口部からの取り外しが容易であり、しかも、キャップ本体が容器口部に装着されている状態において、スリットの外側壁が内側壁をタガ締めするため、キャップ本体の容器口部からのすっぽ抜けを有効に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明を、以下、ヒンジキャップを例にとって、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一例であるヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの上面平面図であり、図2は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの側断面図であり、図3は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの底面平面図であり、図4は、容器口部に装着された図1のヒンジキャップにおいて、上蓋を閉じた状態での側面を容器口部と共に示す図であり、図5は、容器口部に装着された図1のヒンジキャップにおいて、該キャップの脱着用弱化線(スコア)を引き裂いた状態を容器口部と共に示す側断面図であり、図6は、本発明の要部である筒状側壁の脱着用領域に形成されている係止用突起の側面を拡大して示す図である。
【0012】
図1乃至図4において、このヒンジキャップは、キャップ本体1と上蓋2とから成る。
キャップ本体1は、大まかに言って、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋2は、筒状側壁6の上端にヒンジ連結(ヒンジ連結部7)されており、特に図1に示されているように、このヒンジ連結部7の両端には、上蓋2の旋回をスムーズに行い且つ上蓋2の開栓状態を保持できるように連結バンド7a,7aが設けられており、上蓋2を旋回して閉じると、頂板部5が上蓋2によって完全に覆われる。
【0013】
キャップ本体1の筒状側壁6の内面には、筒状側壁6の全周にわたって、周状の係止用突起8が形成されており、また、頂板部5の内面には、筒状側壁6とは間隔を置いて下方に延びているインナーリング9が形成されている。即ち、このインナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口部(図4及び図5において100で示す)が嵌め込まれ、且つ係止用突起8と容器口部100の外面との係合により、キャップ本体1は、容器口部にしっかりと固定される。
【0014】
キャップ本体1の頂板部5には、注出用開口を形成するためのスコア15が形成されており、頂板部5の上面側には、スコア破断用のタブリング16が設けられている。即ち、このタブリング16を引っ張ることにより、スコア15が破断し、内容物を注ぎ出すための開口が頂板部5に形成されるようになっている。尚、このスコア15は、内容物の注ぎ出しを行うためのものであって、後述するキャップ本体1を容器口部から取り除くために設けられる脱着用スコアとは全く別のものである。
頂板部5の上面側には、スコア15を取り囲む様にして、注出液案内用の筒状突起17が形成されており、注出用開口を介して注ぎ出された内容物は、この筒状突起17に沿って案内される。
【0015】
上蓋2は、天板20と、天板20の周縁部から延びているスカート21とから形成されており、天板20の内面には、シール用の周状突起22が形成されている。即ち、上蓋2を閉じたとき、この周状突起22の外面が筒状突起17の内面に密着するようになっており、この密着により、スコア15を破断しての注出用開口形成後のシール性が確保される。
この場合、図2に明示されているように、筒状突起17は、ヒンジ連結部7側の背を低くしておくことが好ましい。このようにすれば、周状突起22の長さを比較的大きく設定しても上蓋2を有効に閉じることができ、注出用開口形成後のシール性確保の点で有利となる。
【0016】
頂板部5の上面側周縁部には、比較的背の低い上蓋係止用の周状突起25が形成され、また上蓋2の周状端縁部には、係合突起26が形成されている。即ち、上蓋2を閉じたとき、周状突起25と係合突起26とが係合し、これにより、上蓋2の閉栓状態が安定に保持される。
また、上蓋2の天板20の内面には、スカート21と周状突起22との間の位置に、周状突起22とほぼ同じ高さの弧状突起27が形成されている。この弧状突起27は、上蓋2を閉じたとき、筒状突起17の外側に位置するようになっている。即ち、上部からの外力によって上蓋2が変形したとき、この弧状突起27が頂板部5の上面に当接するため、この変形によってタブリング16の支柱側の周状突起22が支柱を押圧し或いは頂板部5に食い込んでスコア15が破断するというトラブルが有効に防止される。
【0017】
上蓋2のスカート21の下端には、ヒンジ連結部7とは反対側となる位置に、開封用タブ28が設けられており、開封用タブ28を指で引っ掛けて上蓋2を容易に開栓し得るようになっている。
【0018】
この例のヒンジキャップにおいては、筒状側壁6の厚み部分中間部に、上端から下方に延びているスリット30が設けられている。このスリット30は、図1に示されているように、筒状側壁6の全周にわたって形成されており、図2から明らかなように、このスリット30によって、筒状側壁6は、内側壁6aと外側壁6bとに分割されており、且つスリット30は、筒状側壁6の下端部までは延びておらず、内側側壁6aと外側側壁6bとは、下方部分で一体に連なっている。
【0019】
更に、図1及び図4から明らかな通り、外側壁6bのヒンジ連結部7の両端部近傍には、上端から下方に向かって一対のスコア(脱着用弱化線)31,31が形成されており、これら一対のスコア31,31により外側壁6bの連結部7の近傍は薄肉となっており、容易に引き裂き可能となっている。
【0020】
図5を参照して、上記のようなスリット30及びスコア31が形成されているキャップ本体1を容器口部100にキャッピング(打栓)すると、容器口部100の上端が筒状側壁6とインナーリング9との間の空間に挿入されていくにしたがって、筒状側壁6の内面に形成されている係止用突起8が、容器口部100の大径部分の外面に乗り上げる。このときに、内側壁6aが外側に広がるが、外側壁6bの内面に密着して保護される。従って、キャッピングに際してのキャップ本体1の破断等が有効に防止される。
また、キャッピング後においては、内側壁6aは、外側壁6bによってタガ締めされ、これにより、係止用突起8と容器口部100の外面との係合力が補強されるようになっている。
【0021】
更に、図5に示されているように、キャップ本体1が容器口部100に装着されている状態で上蓋2を開け、この上蓋2を手で持って下方に引き降ろすと、ヒンジ連結部7の両端部近傍に設けられている一対のスコア31,31に沿って外側壁6aが引き裂かれ、上蓋2及びこれに連なる外側壁6bは、スリット30の下側部分で容器口部100に係合している内側壁6aに繋がった状態となる。
この状態から、上蓋2及びこれと連なる外側壁6bを上方且つ外方に引っ張ると、内側壁6aの内面で一対のスコア31,31と対応した位置に設けた一対のスコア32,32が引き裂かれ、ヒンジ連結部7に対応した筒状側壁6の下端を捲り上げることにより、容易にキャップ本体1を容器口部100から取り除くことができる。
尚、内側壁6aに設けた一対のスコア32,32は、内側壁6aの下端から、少なくとも係止用突起8の上部にかけて形成されている。
【0022】
以上の説明から理解されるように、スリット30を設けることにより、係止用突起8の係合力を低下させずに、キャップ本体1の容器口部100からの取り外しを容易に行うことができる。また、スリット30は、少なくとも筒状側壁6の内面に形成されている係止用突起8の最頂部(最も突出している部分)よりも下方に延びていることが好ましい。即ち、この最頂部において、係止用突起8と容器口部100の外面との係合力が最も大きい。従って、この最頂部よりも下方にスリット30を延ばすことにより、前記スコア31,31の引き裂きによって係止用突起8と容器口部100との係合力を十分に低下させ、キャップ本体1を容易に容器口部から取り外すことが可能となる。
ただし、後述する脱着領域以外の部分では、必要以上にスリット30を下方まで引き延ばすと、外側壁6bと内側壁6aとの連結部(筒状側壁6の下端部)が偶発的に破断し易くなり、一部でも破断が生じると、タガ締め力が解除されてシール性が損なわれてしまうおそれがある。従って、このような部分では、外側壁6bと内側壁6aとの連結部は十分な長さを有しているのがよく、通常、スリット30の下端を、係止用突起8の下端の裾部あたりに位置させるのがよい。
【0023】
本発明においては、係止用突起8の内、一対のスコア31,31に挟まれた脱着用領域A(図3において斜線で示す)に形成されている係止用突起8aの突出高さを、この係止用突起8aの側面を拡大して示す図6から明らかなように、他の領域に形成されている係止用突起8bの突出高さよりも高くすることが重要である。
【0024】
即ち、上述したヒンジキャップにおいては、キャップ本体1の筒状側壁6にスリット30が形成され、このスリット30により、筒状側壁6が内側壁6aと外側壁6bとに分割されている。従って、既に述べたように、キャップ本体1を容器口部100に装着した場合、内側壁6aが外側壁6bによってタガ締めされるため、キャップ本体1と容器口部100との係合力が補強され、キャップ本体1の容器口部100からのすっぽ抜け等のトラブルは有効に防止されるというものである。
しかしながら、このようなすっぽ抜けを有効に防止するためには、係止用突起8の高さを高くし、その係合力を高めることが必要であり、この係合力を高めるにしたがい、キャップ本体1の容器口部100からの取り外しは困難となってしまう。
本発明によれば、上記脱着用領域Aに形成されている係止用突起8aの突出高さを、他の領域に形成されている係止用突起8bの突出高さよりも高くすることにより、脱着領域Aでのキャップ本体1(係止用突起8a)と容器口部100との係合力が高められ、外側壁6bの変形によるキャップ本体1の容器口部100からのすっぽ抜けが有効に防止され、優れたタンパーエビデント性を確保することができ、しかも、脱着領域A以外の部分の係止用突起8bの高さを可及的に低くすることができるため、キャップ本体1の容器口部100からの取り外し易さは損なわれることがないのである。
【0025】
尚、一対のスコア31,31で挟まれた脱着用領域Aでは、スコア31による薄肉化により、外側壁6bが変形し易くなることがある。このため、脱着用領域Aでは、外側壁6bによるタガ締め力が十分に作用せず、外側壁6bの変形により、タンパーエビデント性が低下することがあるが、本発明では、脱着用領域Aにおける係止用突起8aの高さが高く設定され、この領域Aでの係合力が高められているため、上記のような問題も有効に解消されている。
【0026】
また、本発明においては、脱着用領域Aでのキャップ本体1と容器口部100との係合力が高められているが、スコア31,31及びスコア32,32を引き裂くことにより、係止用突起8aと容器口部100との係合が解除されるから、格別の工具を用いることなしに、キャップ本体1を容器口部100から容易に取り外すことができ、分別廃棄性の点でも極めて優れている。特に、容器がペットボトルの様な容器は、内容物が排出された使用済みの状態では過度に変形してしまい、この結果、キャップ本体1の取り外しが極めて困難となることがある。しかるに、本発明のキャップは、この様な容器に適用された場合にも、すっぽ抜けが防止され得る程度の係合力を有し、且つその取り外しも極めて容易である。
【0027】
本発明において、脱着用領域A以外の部分に形成されている係止用突起8bの突出高さ(図6においてhで示す)は、容器口部100としっかり係合し、且つスコア31,31を引き裂いて係止用突起8aと容器口部100との係合が解除された状態において、脱着用領域A以外の部分を容易に容器口部100から取り外すことができるような高さに設定されるが、脱着用領域Aに形成される係止用突起8aの突出高さ(図6においてHで示す)は、係止用突起8bの突出高さhの1.2乃至2.0倍程度に設定することが好ましい。この突出高さHが、この範囲よりも低いと、脱着用領域Aでの外側壁6bの変形によるキャップ本体1と容器口部100との係合力の低下を補うことが困難となり、一方、上記範囲よりも高く設定すると、格別のメリットが生じないばかりか、成形が困難となるおそれがある。
【0028】
以上、本発明を、図1乃至図6を例にとって説明したが、本発明は、これらの例に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能である。
例えば、上述したスリット30は、筒状側壁6の全周にわたって形成されていることが好ましいが、スコア31,31の引き裂きによる外側壁6bのタガ締め力の解除によってキャップ本体1と容器口部100との係合力が十分に低下し、キャップ本体1(筒状側壁6)を容器口部100から容易に取り外すことが可能となる限りにおいて、スリット30を筒状側壁6の全周にわたって形成する必要はなく、例えばヒンジ連結部7とは反対側の部分の筒状側壁6には、スリット30を形成しないでおくことができる。(一般的には、キャップの大きさによっても異なるが、筒状側壁6の半周以上にわたってスリット30を形成しておくことが好ましい。)
【0029】
また、場合によっては、スリット30を全く形成しないでおくこともできる。この場合には、スリット30を設けたことによる利点は享受できないが、スコア31を筒状側壁6の上端から下端までの全体にわたって形成しておくことにより、スコア31の引き裂きにより、上蓋2を含む脱着領域Aの部分をキャップ本体1から完全に分離することにより、残りの部分を容易に容器口部100から取り外すことができる。
【0030】
更に、上述した例では、上蓋2がキャップ本体1にヒンジ連結されているが、勿論、上蓋2がネジ係合によりキャップ本体1に装着されるネジキャップに本発明を適用することも可能である。この場合には、適当な間隔で筒状側壁6に形成されている一対のスコア31,31を引き裂くための摘み片を、キャップ本体1の適当な場所(例えば頂板部5)にもうけておくことが必要である。このようなネジキャップにおいても、上述したスリット30を設けて筒状側壁6を、内側壁6aと外側壁6bとの2重構造とするのが好ましい。
【0031】
上述した本発明の樹脂キャップの成形に用いる樹脂としては、各種のプラスチック、例えば、低−、中−または高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が一般に使用される。このような樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形により、本発明の樹脂キャップを製造することができる。尚、前述したスリット30やスコア31は、一体成形により形成することもできるが、場合によっては、カッティング加工等の後加工によって形成することもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、一対の脱着用弱化線(例えばスコア)で囲まれている筒状側壁の脱着用領域内に形成されている係止用突起の突出高さを、脱着用領域外の係止用突起の突出高さよりも設定することにより、脱着用領域における筒状側壁と容器口部外面との係合力が極めて高くなり、脱着用領域での筒状側壁の変形等によるキャップ本体の容器口部からのすっぽ抜けが有効に防止される。従って、本発明の樹脂キャップは、優れたタンパーエビデント性を有する。また、上記の脱着用弱化線を引き裂くことにより、脱着用領域に形成されている高い係止用突起と容器口部との係合が解除されるので、キャップ本体の容器口部からの取り外しも容易に行うことができ、分別廃棄性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例であるヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの上面平面図である。
【図2】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの側断面図である。
【図3】図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にあるときの底面平面図である。
【図4】容器口部に装着された図1のヒンジキャップにおいて、上蓋を閉じた状態での側面を容器口部と共に示す図である。
【図5】容器口部に装着された図1のヒンジキャップにおいて、該キャップの脱着用弱化線(スコア)を引き裂いた状態を容器口部と共に示す側断面図である。
【図6】本発明の要部である筒状側壁の脱着用領域に形成されている係止用突起の側面を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1:キャップ本体 2:上蓋
5:頂板部 6:筒状側壁
6a:内側壁 6b:外側壁
8:係止用突起 8a:脱着領域の係止用突起
8b:脱着領域外の係止用突起 30:スリット
31:脱着用スコア
Claims (5)
- 容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、該キャップ本体に開閉可能に装着された上蓋とを備え、前記キャップ本体は、スコアにより区画された内容物注出用開口形成領域を有する頂板部と、頂板部周縁から垂下した筒状側壁とから成り、該筒状側壁の内面下方部分には、周方向に位置して内方に突出している係止用突起が形成されており、該係止用突起が容器口部の外面と係合することにより、キャップ本体が容器口部に嵌合固定される樹脂キャップにおいて、
前記筒状側壁には、適当な間隔をおいて一対の脱着用弱化線が上端から下方に延びていると共に、該脱着用弱化線で挟まれる脱着用領域に位置する前記係止用突起の部分の突出高さは、該脱着用領域外に位置する前記係止用突起の部分の突出高さよりも高く設定されていることを特徴とする分別廃棄性に優れた樹脂キャップ。 - 少なくとも前記脱着用領域内の筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって、少なくとも前記係止用突起にかかる部分にまで、スリットが形成され、該スリットにより分離された外側壁に前記脱着用弱化線が形成され、この弱化線と対向する内側壁にも、下端から係止用突起の上方まで延びている第2の脱着用弱化線が形成されている請求項1に記載の樹脂キャップ。
- 前記スリットは、少なくとも筒状側壁の脱着領域を含む半周にわたって形成されている請求項2に記載の樹脂キャップ。
- 前記スリットは、筒状側壁の全周にわたって形成されている請求項3に記載の樹脂キャップ。
- 前記上蓋は、キャップ本体の筒状側壁上端部分にヒンジ連結されており、前記脱着用弱化線は、上蓋とキャップ本体とのヒンジ連結部分の両端部近傍に位置している請求項1乃至4の何れかに記載の樹脂キャップ。
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