JP4762426B2 - 分別廃棄可能なキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分別廃棄性に優れたキャップに関し、より詳細には容器口部から容易に取り外すことができると共に、密封性、タンパーエビデント性、耐熱性、耐衝撃性にも優れたキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックキャップは、一体成形が可能で成形性に優れると共に、可撓性にも優れているため、打栓操作により容器口部に強固に嵌合固定でき、高い密封性を維持することが可能である。
その一方、プラスチックキャップは、ガラス瓶や、キャップ素材とは異なる樹脂から成るプラスチック容器等の異素材の容器に使用されることが多く、資源の再利用を図り、素材ごとの分別廃棄の要請に応えるために、容器を廃棄する場合にカッター等の道具を用いることなく容易に容器口部から取り外せることが望まれている。
【0003】
このような分別廃棄性を有するキャップも種々提案されている。例えば実開平6−59247号公報には、天板部及び外周部から成り、天板部に注出口を有し、外周部が末広がり状または切目を有するように形成されている容器口部に嵌合されるキャップ本体と、このキャップ本体に螺着される外周部及び注出口を覆う側壁及びオーバーキャップから成るキャップが開示されている。
また、実開平7−845号公報には、中蓋の外側に設けた螺条に螺合させて外蓋を被せ、この外蓋に弱化部を介して外筒を設け、外筒に上下方向に裂き切るためのつまみ部を有する弱化ラインが形成されたキャップが開示されている。
【0004】
上記先行技術のうち前者のキャップは、外側の側壁を回転してキャップ本体から取外せば、キャップ本体は末広がり状になっているので容器口部から容易に取外すことができるものであり、また後者のキャップも、側壁部のつまみ部を引っ張って弱化ラインに沿って外筒を破断すれば、キャップは破壊されて容器口部から容易に取外すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのキャップは、容器を廃棄する際にキャップを容器口部から容易に取外すことができるという点においては満足するものであるが、前者のキャップでは、キャップを破壊することなく容器口部から取外すものであるため、取外したキャップを再び容器口部に取り付けることができ、一旦開封されたものであることを明示する、タンパーエビデント性(TE性)に欠ける。
【0006】
一方、後者のキャップでは、容器口部からの取外しに際してキャップを破壊するものであるためTE性はあるものの、中蓋と外筒及び外蓋を組合せて一体化し、或いは打栓の際に、外蓋と外筒の間に設けられた弱化部、また外筒に設けられた弱化ラインが破断されてしまうおそれがある。
【0007】
従って本発明の目的は、抜栓力が高く確実な密封性が得られ、容器を廃棄する際には、格別の道具を使用することなしに容器口部から容易に取り外すことができる特性、すなわち分別廃棄性に優れ、しかも不正使用防止機能、即ちTE性、耐熱性、耐衝撃性等にも優れたプラスチックキャップ、特に注ぎ出し型キャップを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、外筒部が二重壁となっていると共に、軸方向弱化部(スコア)が内周部と外周部の夫々に設けらているため、打栓時において前記スコアの破断が有効に防止されるプラスチックキャップを提供するにある。
更に、本発明の別の目的は、型抜きが容易であるなど、生産性にも優れているプラスチックキャップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器首部内に挿入される内筒部、内筒部にフランジ部を介して連結され且つ容器首部外周と係合する外筒部、フランジ部よりも上方に設けられた締結部、及び締結部より内方に設けられた注ぎ出し用開口予定部を備えたキャップ本体と、前記締結部に開閉可能に締結される上蓋とから成るキャップにおいて、前記外筒部は上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリットにより分離された内周部と外周部とから成り、前記内周部には容器首部のあご部に係止する径内方向きの突起部と、前記突起部よりも上方に位置し且つ前記内周部の半周を越える周長の取り外し用スコアとが形成され、前記外周部には引き裂き開始部が形成され、且つ前記引き裂き開始部と前記取り外し用スコアとの間には引き裂き案内部が設けられており、前記引き裂き開始部が前記外周部の上下方向に延びるスコアから成り、前記引き裂き案内部が、前記周状スリットが深く形成されることにより前記外周部と前記内周部との下端接続部に設けられ、且つ一端部が前記引き裂き開始部に連なる周状スコアと、前記内周部に上下方向に設けられ、下端が前記周状スコアの他端部に連なり、且つ上端が前記取り外し用スコアに連なる軸方向スコア乃至スリットとから成る、ことを特徴とする分別廃棄可能なキャップが提供される
記突起部には周方向に間隔をおいて上下に延びる複数個の切り欠き部が設けられている、ことが好ましい。
前記外周部の前記引き裂き開始部及び前記内周部の前記軸方向スコア乃至スリットが前記切り欠き部に対応する周方向の位置に形成されている、ことが好ましい。
前記引き裂き開始部及び前記軸方向スコア乃至スリットが隣り合った前記切り欠き部に対応する周方向の位置に形成されている、ことが好ましい。
【0009】
【作用】
本発明は、容器首部内に挿入される内筒部、内筒部にフランジ部を介して連結され且つ容器首部外周と係合する外筒部、フランジ部よりも上方に設けられた締結部、及び締結部より内方に設けられた注ぎ出し用開口予定部を備えたキャップ本体と、前記締結部に開閉可能に締結される上蓋とから成るが、
A.前記外筒部を、上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリットにより分離された内周部と外周部とから構成したこと、
B.前記内周部に容器首部のあご部に係止する径内方向きの突起部と、前記突起部よりも上方に位置し且つ内周部の半周を越える周長の取り外し用スコアとを形成したこと、
C.前記外周部に引き裂き開始部を形成し、且つ引き裂き開始部と取り外し用スコアとの間に引き裂き案内部を設けたこと、
が顕著な特徴である。
【0010】
本発明の上記キャップにおいては、容器首部の内部に内筒部が挿入され、容器首部が挿入された内筒部と外筒部とで包み込まれる構造となっていることにより、耐熱性や耐衝撃性に優れたものとなるものであるが、本発明のキャップでは、外筒部を、上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリットにより、内周部と外周部とに分離し、しかもこの内周部に容器首部のあご部に係止する径内方向きの突起部を形成することにより、抜栓力を顕著に向上させ、耐熱性や耐衝撃性を一層向上させることができる。
【0011】
すなわち、このキャップを打栓すると、外筒部の内周部が径外方に膨らみ、外周部内面に密着するため、外周部の抱き付き力(たが締め力)が加わり、抜栓力が高くなり、耐熱性や耐衝撃性も向上するという利点がある。この抜栓力の向上には、内周部に径内方に突出して設けられている突起部が容器首部のあご部に係止することも勿論役立っている。
【0012】
一方、このような外筒及び内筒の二重構造のキャップでは、容器首部に対する抜栓力を大きくすると、容器を廃棄する際、キャップを容器首部から外すことが困難となり、分別廃棄が困難となるという問題がある。
本発明においては、外筒部を周状スリットで分離された内周部と外周部との二重構造とすると共に、内周部に、取り外し用スコアを突起部に対して特定の位置関係で設け、しかも取り外し用スコアの周長をも一定範囲の寸法とすることにより、前記のキャップの諸性能を低下させることなく、キャップの容器首部からの取り外しを容易にすることができる。
【0013】
この点について説明すると、本発明のキャップでは、外周部に引き裂き開始部が形成され、また引き裂き開始部と取り外し用スコアとの間に引き裂き案内部が設けられているので、上記引き裂き開始部及び引き裂き案内部が引き裂かれて、内周部の取り外し用スコア部の引き裂きが開始される。
この取り外し用スコア部の引き裂きに伴い、外筒部の外周部と、内周部の取り外し用スコアよりも下方の部分(突起部も含む)が径外方に引き出され、容器首部のあご部に係止している突起部が半周以上の長さにわたって、あご部との係止が解除される。このため、キャップ本体は容器首部から容易に取り外され、分別廃棄が可能となる。
また、本発明のキャップでは、取り外し用スコアが外筒部の内周部に設けられているので、外部から完全に保護されており、またキャップの取り扱いや搬送、打栓等に際しても、この部分が破壊されることから保護されているという利点もある。
【0014】
本発明の分別廃棄可能キャップにおいては、キャップ本体の容器首部に対する抜栓力が高く、前述した各スコアを引き裂かない限り、容器首部からの取り外しが不可能となっている。このため、キャップが不正開封されたか、或いはいたずらが加えられているかは、スコアが引き裂かれたか否かで外部から容易に確認することができ、タンパーエビデント性に優れている。また、注ぎ出し用開口予定部が未破断のそのままの状態で残っていることによっても、開封されていないという保証が得られる。
【0015】
本発明に用いるキャップ本体は、プラスチックの射出成形や圧縮成形により一体に成形が可能であり、型抜きも容易であり、生産性にも優れているという利点もある。
【0016】
本発明のキャップにおいては、引き裂き開始部が前記外周部の上下方向に延びるスコアから成り、前記引き裂き案内部が、周状スリットが深く形成されることにより外周部と内周部との下端接続部に設けられ、且つ一端部が引き裂き開始部に連なる周状スコアと、内周部に上下方向に設けられ、下端が周状スコアの他端部に連なり、且つ上端が取り外し用スコアに連なる軸方向スコア乃至スリットとから成ることが、打栓時におけるスコア部の破断を防止し、分別廃棄時のスコア部の引き裂き性や成形性の点で好ましい。
即ち、外筒部を外周部と内周部との二重壁構造とし、引き裂き案内部を外周部に引き裂き案内部の軸方向部分を内周部に設けたので、打栓時における外筒部の破断を有効に防止することができる。
【0017】
本発明のキャップでは、既に述べたとおり、外筒部の内周部に取り外し用スコアが設けられているので、この取り外し用スコア部にまで、スコア部の引き裂き力を伝達する必要がある。上記の引き裂き開始部及び引き裂き案内部の組合せでは、外筒部の外周部から開始される引き裂きが外筒部の内周部の取り外し用スコア部まで確実且つ容易に伝達されるという利点がある。
すなわち、外周部の上下方向に延びるスコア分が先ず引き裂かれ、次いで外周部と内周部との下端接続部に設けられた周状スコア部が引き裂かれることにより、外周部が帯状に径外方に引き出される。この帯状外周部を指で摘んで径外方に引き出すことにより、内周部に設けた軸方向スコア乃至スリットの部分で内周部の取り外しが行われ、最後に内周部に設けた取り外し用スコア部が引き裂かれて、突起部の径外方への引き出しが行われる。
【0018】
上記の引き裂き開始部及び引き裂き案内部の構成では、型の構造が簡単なものとなると共に、型抜きも容易であり、キャップの製造コストを低減し、生産性も向上させることができるという利点がもたらされるものである。
すなわち、外周部の引き裂き開始部及び内周部の軸方向スコア乃至スリットは、それぞれ対応する型の片面にスコアに見合う突条を形成し、これを上下に(軸方向に)抜くことによりそれらの成形が容易であり、一方、外周部と内周部との下端接続部に設けられた周状スコアは、周状スリットを深く形成させることにより、格別の機構等を用いることなしに、上下の型抜きで容易に成形することができる。
【0019】
また、本発明のキャップでは、前記突起部には周方向に一定間隔をおいて上下に延びる切り欠き部が設けられていることが好ましい。この切り欠き部は、突起部と容器首部との係止力を幾分弱め、打栓時には切り欠き部近傍に加わる応力を弱め、さらにキャップ取り外し時には、取り外し用スコアより下の部分の径外方への引き出しを容易にするという作用を行う。また、この切り欠き部を設けることにより、軸方向スコアの残留厚みを引き裂き可能なレベルに調節することが可能となる。
上記の見地から、前記切り欠き部は突起部の1周当たり2乃至8個、特に3乃至6個設けられていることが好ましい。
【0020】
本発明の好適な態様では、内周部の軸方向スコアを前記切り欠き部に対応する位置に形成する。これにより、軸方向スコアの残留厚みを引き裂き容易なレベルに維持し、さらに打栓時に軸方向スコアに周方向の余分な応力(スコア部を破断するような応力)が発生するのを防止することができる。
【0021】
また、引き裂き開始部も前記切り欠き部に対応する外周部の位置に形成されていることが好ましい。この位置関係で、引き裂き開始部を形成することにより、打栓時に引き裂き開始部に周方向の余分な応力(スコア部を破断するような応力)が発生するのを防止することができる。
【0022】
さらに、引き裂き開始部及び軸方向スコアが隣り合った切り欠き部に対応する周方向の位置に形成されていることが好ましい。
既に述べたとおり、本発明のキャップでは、取り外し用スコア部の引き裂きにより、キャップ本体の取り外しが行われるものであり、一方、引き裂き開始部及び周状スコアの引き裂きは、そのための把持部となるものであるから、指による把持が可能となる範囲で可及的に短いことが取り外し性の点で好ましい。
【0024】
【実施例】
本発明を添付図面に示す実施例に基づいて更に説明する。
添付図面において、
図1は本発明のキャップの一例を容器首部と共に示す拡大側断面図であり、
図2は図1のキャップの引き裂き開始部の部分を示す半断面側面図であり、
図3は図1のキャップの引き裂き案内用の軸方向スコア及び取り外し用スコアを示す側断面図であり、
図4は図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部を1/4周取り外した状態を示す上面図(A)及び側面図(B)であり、
図5は図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部を1/2周及び突起部を1/4周取り外した状態を示す上面図(A)及び側面図(B)であり、
図6は図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部及び突起部を全周取り外した状態を示す側面図であり、
図7は本発明のキャップの他の例を容器首部と共に示す拡大側断面図である。
【0025】
(実施例1)
本発明のキャップの一実施例を示す図1において、このキャップはキャップ本体1と上蓋6とからなっている。キャップ本体1は、容器首部7内に挿入される内筒部(インナーリング)11、内筒部11にフランジ部12を介して連結され且つ容器首部7の外周と係合する外筒部(タンパーエビデントバンド)13、フランジ部12よりも上方に設けられた締結部14、及び締結部14より内方に設けられた注ぎ出し用開口予定部15を備えている。
【0026】
締結部14はフランジ部12よりも径方向内方且つ上方に設けられた筒状の形状を有しており、その外表面には上蓋6との締結のための雄ねじ41が形成されている。締結部14の内方には上方に向けて径の大きくなる注ぎ出し筒42が設けられており、締結部14の上部は接続部43を介して注ぎ出し筒42の高さ方向の途中に接続されている。注ぎ出し筒42の上端部には、ラッパ状に開いた液切れ部44が設けられ、またその下端部には内容液の案内をスムースにするための延長部45が形成されている。
延長部45には、周方向に間隔をおいてキャップ軸方向に延びる補強リブ46が設けられていて、以下に述べる開口用スコアの破断の際の延長部45の変形を防止するようになっている。
【0027】
注ぎ出し筒42の内部には開口用スコア51を介して開口予定部15が設けられている。この開口予定部15には開口用スコア51に近接して植設された支柱52を介して開口用タブ53が設けられており、この開口用タブ53を指で把持して引っ張ることにより、開口用スコア51の部分が剪断され、開口予定部15が取り外されることにより内容物の注ぎ出しができるようになっている。
【0028】
上蓋6は頂板部61とスカート部62とからなっており、スカート部62の内面には、締結部14との締結を行うための雌ねじ63が形成されており、その外面には上蓋の把持を容易にするためのローレット64が形成されている。また、スカート部62の下端には、キャップ本体のフランジ部12及び外筒部13の上面を覆うようにフランジ部65が形成されている。
上蓋の頂板部61の内面には、注ぎ出し筒42の内部に挿入可能なインナープラグ66が形成されていて、上蓋6をキャップ本体に締結したとき、液切れ部44との間に密封が行われるようになっている。
【0029】
キャップ本体1を打栓する容器首部7は、内容物充填及びキャップ打栓の際容器を支持するためのサポートリング71を有しており、首部の外周面にはキャップの係止を行うためのあご部72が設けられている。
【0030】
本発明のキャップにおいては、外筒部13が、上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリット31により、内周部32と外周部33とに径方向に分離して構成されている。この内周部32には、容器首部7のあご部72に係止する径内方向きの突起部34が形成されている。図6から明らかなように、突起部34には、一定間隔をおいて上下方向に延びる切り欠き部35が設けられている。90゜の間隔をおいて、4個の切り欠き部35が設けられている。この切り欠き部35は、突起部34と容器首部7との係止力を幾分弱め、打栓時には切り欠き部35近傍に加わる応力を弱め、さらにキャップ取り外し時には、以下に説明する取り外し用スコア36より下の部分の径外方への引き出しを容易にするという作用を行う。
【0031】
また、この内周部32の内面側には、突起部34よりも上方に位置するように周方向に延びる取り外し用スコア36が形成されており、この取り外し用スコア36は、内周部32の3/4周に亘る周長で設けられている。
【0032】
この取り外し用スコア36には、図1〜図3に示すとおり、以下に述べる引き裂き開始部21が引き裂き案内部22を介して接続される(なお、引き裂き案内部22は、後述するように、図1及び図2に示す周状スコア25と図3に示す軸方向スコア26とからなり、引き裂き案内部を示す符号22は、図面上単純に付すことができないので、便宜上、図1〜図3において符号25及び26の後に括弧で括って示した)。すなわち、引き裂き開始部21は外筒部13の外周部33に形成される。この引き裂き開始部21は、高さ方向(キャップ軸方向)に形成されており、好適には、上方の切り欠き部23と軸方向スコア24とからなっている。一方、引き裂き案内部22は、引き裂き開始部21の下端部と取り外し用スコア36の一端部とを接続するように設けられている。
【0033】
引き裂き案内部22は、好適には、図1の右半分で示される周状スコア25と、図3に示す軸方向スコア26とからなる。軸方向スコア26の代わりに軸方向スリットを設けることもできる。周状スコア25は、周状スリット31が、図1の左半分では浅く形成されているのに対して、図1の右半分では深く形成されており、これにより外周部33と内周部32との下端接続部に周状スコア25が形成される。図4において、周状スコア25の切断端縁が25a、25bで示されている。この周状スコア25の一端部は引き裂き開始部21の下端に連なり、その他端部は軸方向スコア26に接続されている。内周部に上下方向に設けられた軸方向スコア26の上端部は取り外し用スコア36の一端部に接続されている。図5において、軸方向スコア26の切断端縁が26a、26bで示され、また取り外し用スコア36の切断端縁が36a、36bで示されている
【0034】
図1乃至6に示す好適な実施例においては、引き裂き案内部となる軸方向スコア26は突起部34の切り欠き部35と重なる位置関係で設けられている。
この軸方向スコア26と切り欠き部35とを重なる位置関係で設けることにより、軸方向スコア26の残留厚みを引き裂き可能なレベルに調節することが可能となると共に、打栓時に軸方向スコア26が偶発的に破損するのを防止することができる。
【0035】
同様な目的で、引き裂き開始部21も突起部34の切り欠き部35と径方向にみて重なる位置関係で設けることが好ましい。このように構成することにより、引き裂き開始部21の残留厚みを引き裂き可能なレベルに調節した場合にも、打栓時において加わる応力を低減させて、引き裂き開始部21が偶発的に破損するのを防止することができる。
【0036】
さらに、引き裂き開始部21及び引き裂き案内となる軸方向スコア26が隣り合った切り欠き部35、35に対応する周方向の位置に形成されていることが好ましい。
既に述べたとおり、本発明のキャップでは、取り外し用スコア36の引き裂きにより、キャップ本体の取り外しが行われるものであり、一方、引き裂き開始部21及び周状スコア25の引き裂きにより形成される帯状部38は、そのための把持部となるものである。
【0037】
引き裂き開始部21は上方の切り欠き部23とその下方に連なる(軸方向)スコア24とから成ることが引き裂き開始を容易にするために好ましい。切り欠き部23に指或いは器具を挿入し、これを下向きに引っ張ることにより、引き裂き開始部21の引き裂きを容易に行うことができる。
また、外周部33の内面には、引き裂き開始部21の位置から軸方向スコア26に対応する位置に向けて一定の幅で把持用のローレット29が形成されていることが、引き出された部分(帯状部)38の把持を確実に行うことができる。
【0038】
[打栓]
本発明のキャップ1は、打栓操作により、容器首部7に密封的に強固に係合させることができる。すなわち、上記キャップにおいては、容器首部7の内部に内筒部(インナーリング)11が挿入され、容器首部7が挿入された内筒部11と外筒部(バンド)13とで包み込まれる構造となっていることにより、耐熱性や耐衝撃性に優れたものとなるものであるが、外筒部13を、上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリット31により、内周部32と外周部33とに分離し、しかもこの内周部32に容器首部のあご部72に係止する径内方向きの突起部34を形成することにより、抜栓力を顕著に向上させ、耐熱性や耐衝撃性を一層向上させることができる。
【0039】
すなわち、このキャップを打栓すると、容器首部7の内周面との接触により、外筒部の内周部32が径外方に膨らみ、外周部33の内面に密着するため、外周部33の抱き付き力(たが締め力)が加わり、抜栓力が高くなり、耐熱性や耐衝撃性も向上するという利点がある。この抜栓力の向上には、内周部32に径外方に突出して設けられている突起部34が容器首部のあご部72に係止することも勿論役立っている。
【0040】
一方、キャップの打栓に際しては、内筒部32は、容器首部7の内周面との接触により、径内方に縮小するような変形を受ける。この変形が可能となるように、この実施例のキャップでは、内筒部32と注ぎ出し筒42及びその延長部45との間には環状の空隙部47を設けている。
【0041】
[開栓]
開栓は、キャップ本体1上の上蓋6を開栓方向に旋回させて、これを取り外し、開口用タブ53を指で把持して引っ張ることにより、開口用スコア51が剪断され、開口予定部15が取り外されることにより、注ぎ出し筒42を介して内容物の注ぎ出しができる。
内容物の注ぎ出しが終わった後、上蓋6をキャップ本体1に被せ、上蓋を閉栓方向に旋回させると、上蓋のインナープラグ66と注ぎ出し筒42の液切れ部44とが密封的に係合して、リシールが可能である。
【0042】
[分別廃棄]
本発明のキャップは、容器内の内容物を使い切り、この容器を廃棄する際容器と分別して廃棄することができる。
先ず、上蓋を取り外した状態で、引き裂き開始部の切り欠き部23に指或いは器具を挿入し、これを下向きに引っ張ることにより、引き裂き開始部21の引き裂きを行う。
次いで、図4に示すとおり、周状スコア25を引き裂いて、帯状部38を引き出す。帯状部38の先端には、一定の幅で把持用のローレット29が形成されていて、この部分を指で把持することにより、以後の引き裂き操作が容易且つ確実に行えるようになる。
さらに、図5に示すとおり、容器を時計方向に回転させながら、帯状部38を引き出す。これにより、引き裂き案内用の軸方向スコア26が引き裂かれ、取り外し用スコア36が引き裂かれる。
この取り外し用スコア36の引き裂きに伴い、外筒部13の外周部33と、内周部32の取り外し用スコア36よりも下方の部分(突起部34も含む)が径外方に引き出され、容器首部のあご部72に係止している突起部34が3/4周の長さにわたって、あご部72との係止が解除される。このため、キャップ本体1は容器首部7から、図6に示すとおり、容易に取り外され、分別廃棄が可能となる。
【0043】
(実施例2)
本発明のキャップの別の実施例を示す図7において、この実施例の基本的構造は図1に示したものと同様であり、図1のものと共通の部分には共通の引照数字が付されており、共通の部分については特に言及しない。この例では、注ぎ出し面42aと締結面14aとが一体の筒状体48から形成されており、筒状体48の内面が注ぎ出し面42a、その外面が締結面14aとなっている。また、この例の注ぎ出し用開口予定部15の中央には、凹部55が形成されていて、開口用タブ53への指の挿入が容易となっている。さらに、上蓋6のスカート部は、環状溝67を間に挟んだ内壁62aと外壁62bとの二重壁構造となっている。このキャップでは、上蓋6の外壁62bとキャップ本体の外筒外周部33とがほぼ面一となって滑らかに接続され、外観特性に優れているという利点がある。さらにまた、フランジ部12の下面側には、環状の下向きの突条49が形成されていて、容器首部7の頂部との間に確実な密封が行われるようになっている。また、内筒部11のフランジ12に対する付け根には、上向きの凹状溝50が形成されていて、内筒部11の径が縮小する変形を容易にしている。
【0044】
本発明のキャップにおいては、本発明の精神を逸脱しない範囲で多くの変更が可能である。
例えば、成形に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば低−,中−,高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等から成ることができる。
【0045】
本発明のキャップを成形するには、まず上記樹脂を用いて、通常、射出成形、圧縮成形等によりキャップ本体を一体に成形する。本発明のキャップは、上記のようにして、通常のコアとキャビティとから成る金型を用いて、実質上一つの成形工程の流れの中で能率よく短時間で製造でき、生産性が極めて高く、また各部の精度も高く、不良品の発生も少ない。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、容器首部内に挿入される内筒部、内筒部にフランジ部を介して連結され且つ容器首部外周と係合する外筒部、フランジ部よりも上方に設けられた締結部、及び締結部より内方に設けられた注ぎ出し用開口予定部を備えたキャップ本体と、前記締結部に開閉可能に締結される上蓋とから成るキャップにおいて、外筒部を上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリットにより分離された内周部と外周部とから構成し、前記内周部には容器首部のあご部に係止する径内方向きの突起部と、前記突起部よりも上方に位置し且つ内周部の半周を越える周長の取り外し用スコアとを形成し、前記外周部には引き裂き開始部を形成すると共に、引き裂き開始部と取り外し用スコアとの間には引き裂き案内部を設けたことにより、抜栓力が高く確実な密封性が得られ、しかも容器を廃棄する際には、容器口部から容易に取り外して分別廃棄をすることができ、しかも不正使用防止機能、即ちTE性、耐熱性、耐衝撃性等にも優れているという利点が得られる。
また、本発明のキャップでは、型抜きが容易であるなど、生産性にも優れているという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップの一例を容器首部と共に示す拡大側断面図である。
【図2】図1のキャップの引き裂き開始部の部分を示す半断面側面図である。
【図3】図1のキャップの引き裂き案内用の軸方向スコア及び取り外し用スコアを示す側断面図である。
【図4】図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部を1/4周取り外した状態を示す上面図(A)及び側面図(B)である。
【図5】図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部を1/2周及び突起部を1/4周取り外した状態を示す上面図(A)及び側面図(B)である。
【図6】図1のキャップ本体の容器首部からの取り外しに際し、外周部及び突起部を全周取り外した状態を示す側面図である。
【図7】本発明のキャップの他の例を容器首部と共に示す拡大側断面図である。
【符号の説明】
1:キャップ本体
6:上蓋
7:容器首部
11:内筒部
12:フランジ部
13:外筒部
14:締結部
15:開口予定部
21:引き裂き開始部
22:引き裂き案内部
24:スコア
25:周状スコア
26:軸方向スコア
31:周状スリット
32:内周部
33:外周部
34:突起部
36:取り外し用スコア
35:切り欠き部
72:あご部

Claims (4)

  1. 容器首部内に挿入される内筒部、内筒部にフランジ部を介して連結され且つ容器首部外周と係合する外筒部、フランジ部よりも上方に設けられた締結部、及び締結部より内方に設けられた注ぎ出し用開口予定部を備えたキャップ本体と、前記締結部に開閉可能に締結される上蓋とから成るキャップにおいて、
    前記外筒部は上方が開口し且つ下方が閉じている周状スリットにより分離された内周部と外周部とから成り、前記内周部には容器首部のあご部に係止する径内方向きの突起部と、前記突起部よりも上方に位置し且つ前記内周部の半周を越える周長の取り外し用スコアとが形成され、前記外周部には引き裂き開始部が形成され、且つ前記引き裂き開始部と前記取り外し用スコアとの間には引き裂き案内部が設けられており、
    前記引き裂き開始部が前記外周部の上下方向に延びるスコアから成り、前記引き裂き案内部が、前記周状スリットが深く形成されることにより前記外周部と前記内周部との下端接続部に設けられ、且つ一端部が前記引き裂き開始部に連なる周状スコアと、前記内周部に上下方向に設けられ、下端が前記周状スコアの他端部に連なり、且つ上端が前記取り外し用スコアに連なる軸方向スコア乃至スリットとから成る、
    ことを特徴とする分別廃棄可能なキャップ。
  2. 前記突起部には周方向に間隔をおいて上下に延びる複数個の切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
  3. 前記外周部の前記引き裂き開始部及び前記内周部の前記軸方向スコア乃至スリットが前記切り欠き部に対応する周方向の位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
  4. 前記引き裂き開始部及び前記軸方向スコア乃至スリットが隣り合った前記切り欠き部に対応する周方向の位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
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