JP4095129B2 - 分別廃棄容易なヒンジキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分別廃棄容易なヒンジキャップに関し、より詳細には、信頼性のある密封を形成できると共に容易に容器口部から取り外すことが可能な分別廃棄容易なヒンジキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックキャップは、一体成形が可能で、成形性に優れると共に、可撓性にも優れているため、打栓操作により容器口部に固定することができ、従来より種々の形態で広く用いられている。
密封性に優れると共に、使用後には容器口部から道具を用いずに容易に取り外すことができるようにしたプラスチックキャップは、既に種々提案されており、例えば実開平6−59247号公報には、天板部に立設された嘴部と、破断部により開口される開口部と、この天板部の周縁に下向きに立設され、容器口部に装着される外周部と、この外周部の上方に突設され螺子部を有する外筒とからなる注出口に、この外筒と外周部とを覆う長さを有し、かつ前記外筒の螺子部に螺着可能な螺子部を設けた側壁と、この側壁にヒンジ部を介在させて蓋体を連接したオーバーキャップを装着してなる注出口であって、前記外周部が末広がり状であり、該オーバーキャップを注出口に螺着すると前記側壁が前記外周部を押圧して、注出口が容器口部に固定されることを特徴とする、容易に取り外しできる注出口が開示されている。
【0003】
上記先行技術に開示されている注出口、即ちプラスチックキャップは、容器口部に装着される外周部と外周部に一体に設けられた外筒、側壁と側壁にヒンジ連結されたオーバーキャップとから成るものであり、側壁は外筒に螺着され、この状態で側壁が外周部を覆い且つ内側(容器側)に押圧し、これにより密封性が確保されるというものである。また外周部には切り目が設けられており、側壁を外筒から取り外すと、外周部が外側に広がった状態となり、これを容器口部から容易に取り外すことができるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、栓抜等の格別の道具を必要とせずに、手による開封を可能にし、また密封性も良好であるという点で意義深いものではあるが、生産性の点で問題がある。即ち、この従来技術のキャップは、外周部と外筒との組み合わせ部材(キャップ本体)と、側壁とオーバーキャップとの組み合わせ部材(上蓋)との2つの構成要素とから成っている。このため、このキャップは、キャップ本体と上蓋とを別個独立の工程で成形し、その後にこれらを螺子締結することによって製造されるというものである。従って、このキャップは、基本的に2つの独立した成形工程が必要であり、生産性が極めて低いという欠点がある。
【0005】
また上記のキャップは、タンパーエビデント(TE)性を全く有していないという欠点もある。即ち、一度容器口部から取り外された場合にも、再びキャップ本体を容器口部に装着し、上蓋を螺子締結してしまえば、第三者は、この事実を全く認識することができず、不正使用防止機能の点で満足し得るものではない。
【0006】
従って、本発明の目的は、容器口部に装着されている状態では密封信頼性のある密封構造を形成できると共に、使用後には格別の器具を使用することなしに容器口部から容易に取り外し可能であり(即ち、分別廃棄性が良好である)、しかも、連続した一工程で生産可能な生産性に優れたプラスチックキャップを提供することにある。
本発明の他の目的は、不正使用防止機能、即ちTE性にも優れたプラスチックキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、頂板部及びスカート部から成り、頂板部には内容物排出用開口もしくは開口予定部が形成され、且つスカート部内面には容器口部と係合する突起が設けられているキャップ本体;
該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられた外筒;及び、
該外筒の上端部分にヒンジ連結された上蓋;
とから成るヒンジキャップにおいて、
前記キャップ本体のスカート部には軸線方向に延びる複数個の切り欠きが周方向に間隔をおいて設けられ、該キャップ本体のスカート部と該外筒とは、射出又は圧縮成形後にカッターで切り込みを入れることにより形成された切断面を介して分離しているが、切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断可能な橋絡部を介して一体に形成されていると共に、キャップ本体スカート部外面と外筒内面とは、少なくともキャップ本体が容器口部に装着されている状態において前記切断面の部分で密着していることを特徴とする分別廃棄性に優れたヒンジキャップが提供される。
【0008】
このヒンジキャップでは、キャップ本体頂板部の上面周縁部には周状小突起を設け、上蓋内面には、該周状突起上端と当接し得るような水平面を形成しておくのがよい。
またキャップ本体頂板部に開口予定部が形成されている時には、この開口予定部には、開封用タブを設けておくことが好適である。
【0009】
本発明のヒンジキャップは、打栓に際しては外筒がキャップ本体スカート部を保護し、容器口部を閉栓している状態においては、外筒が切断面を介してキャップ本体スカート部外面と密着して密封性を保持し、また開栓に際しては、外筒を押し上げ或いは押し下げることにより、橋絡部を破断して該外筒を上蓋と一体で取り外すことができる。外筒が取り外されると、キャップ本体スカート部の容器口部からの離脱が格別の工具を用いることなく容易に行われる。
【0010】
また本発明では、上記橋絡部に加えてさらに破断不能な連結部を介してキャップ本体スカート部と外筒とを連結しておくことができる。この場合には、上蓋と共に外筒を上方に持ち上げて橋絡部を破断すると、連結部は破断されずに残るので、この状態で上蓋と共に外筒を持ち上げることにより、キャップ本体も外筒と一体に持ち上げられ、かくして外筒とキャップ本体とを一回の作業で容器口部から容易に取り外すことができる。
尚、本明細書において、破断不能な連結部とは、外筒を押し下げたり或いは押し上げたりした場合にも破断しないように連結部が形成されていることを意味する。即ち、外筒の押し下げ或いは押し上げによって、橋絡部は破断するが連結部は破断しないように形成されているものである。
【0011】
更に本発明において、キャップ本体頂板部に開口予定部を有するタイプのものでは、良好なタンパーエビデント(TE)性も有する。
【0012】
本発明のキャップは、キャップ本体と、外筒と、上蓋とから成るが、これらの部材は、一体に形成されていることが極めて重要な特徴である。即ち、上蓋は外筒にヒンジ連結されており、また外筒は、破断可能な橋絡部或いは更に破断不能な連結部を介してキャップ本体スカート部に一体に形成されている。従って、本発明のキャップは、実質的に一つの成形工程で製造されるため、生産性が極めて高い。
【0013】
また、キャップ本体のスカート部に、軸線方向に延びる複数個の切り欠きを周方向に間隔をおいて設けたことにより、外筒を取り外せば、スカート部が径外方向に広がり、これによりキャップ本体の容器口部からの取り外しが容易に行われる。
さらに上記切欠きは、スカート部下端から上方に延びており、特にスカート部内面に形成されている容器口部との係合用突起の上端よりも上方に延びていることが好ましい。
【0014】
また本発明では、キャップ本体のスカート部と該外筒とは切断面を介して分離しているが、これらを切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断可能な橋絡部を介して一体に形成すると共に、キャップ本体スカート部外面と外筒内面とは前記切断面の部分で密着するようにする。即ち、スカート部と外筒とは、前記橋絡部を除く部分において切断面の部分で密着し、連結部を設けた場合には、橋絡部及び連結部を除く部分において切断面の部分で密着する。
スカート部と外筒とが切断面の部分で密着させることにより、少なくとも閉栓状態でキャップ本体スカート部が外筒によりタガ締めされ、スカート部が外方に広がるのが防止され、容器口部に対する確実な密封性が維持される。これは、スカート部に軸方向に延びる切り欠きが設けられている本発明のキャップの場合特に重要である。即ち、スカート部の切り欠きは、容器口部とスカート部の突起との係合状態を弱めるように作用するが、これに外筒によるタガ締め力が作用することにより、係合状態を強固且つ確実のものとできる訳である。
【0015】
また、切断面よりも上側或いは下側に、キャップ本体のスカート部と外筒とを連結する複数個の破断可能な橋絡部を設けたので、切断面の刻設が橋絡部に悪影響を及ぼすのが防止され、更に打栓時にも、キャップ本体スカート部外面と外筒内面とが切断面の部分で密着するので、破断しやすい橋絡部に外力が作用するのが防止され、打栓時において橋絡部の保護がなされる。
【0016】
キャップ本体頂板部の上面周縁部には周状小突起を設け、且つ上蓋内面には、これを閉じた時に該周状突起の上端と当接し得るような水平面を全周にわたって形成しておくと、打栓時やキャップの搬送乃至供給時において、この周状突起がストッパーとして作用し、上蓋に加わる圧力が周状突起により受け止められるので、破断しやすい橋絡部への外力の作用は一層有効に防止され、橋絡部の保護は万全となる。
【0017】
また、外筒を押し上げ或いは押し下げることにより、前記切断面で、外筒とスカート部との間でずれを生じ、キャップ本体と外筒を連結する橋絡部が剪断力により切断される。キャップ本体スカート部には切り欠きが設けられているため、外筒がこのスカート部から取り外されると、スカート部の径外方向への広がりが自由となり、キャップ本体は容易に容器口部から離脱可能となり、道具を用いずに容易に開封することができる。
【0018】
また橋絡部が破断されていれば、既にキャップ本体が容器口部から取り外されたことがあることを示す。従って、キャップ本体頂板部に開口予定部が形成されているタイプのヒンジキャップでは、TE性が向上する。
【0019】
また、本発明では、キャップ本体スカート部、外筒及び上蓋を一体に射出又は圧縮成形した後、キャップ本体スカート部と外筒との間にカッター等で切り込みを入れて、橋絡部を除く部分或いは橋絡部と連結部とを除く部分を分離させることにより形成されるため、通常のコアとキャビテイとから成る金型を用いることにより製造されるので、成形操作も容易である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のヒンジキャップの一実施例を示す側断面図(図1)、図1のヒンジキャップの上蓋を開放した状態を示す図2(図中、Aは上面図、Bは側面図、Cは下面図)、ヒンジキャップを容器口部に装着した状態での側断面図(図3)において、本発明のヒンジキャップは、大まかにいって、キャップ本体1と、これに連なる外筒2と、該外筒2の上端にヒンジ連結(3)された上蓋4とからなる。図1及び図2から理解されるように、上蓋4は、これを旋回して閉じることによりキャップ本体1を完全に覆い(図1)、これを旋回して開放することにより、キャップ本体1が露出し、容器内容液の注ぎ出しが行われる(図2)。キャップ本体1は、頂板部5とその外周から垂下しているスカート部6とから成る。
また図4には、容器口部50に装着されたキャップ本体1から外筒2と上蓋4とを取り外した状態を示した。
【0021】
図3に最もよく示されている様に、スカート部6の内周には、容器口部50の外周側の凹部51と係合する突起7が形成されており、容器口部50を頂板部5の内面に密接させ、密封を行わせるようになっている。また、この具体例においては、頂板部5の内面には、容器口部50の内周側と係合するインナーリング8が形成されていて、容器口部50の内周側でも密封が行われ、密封が一層確実なものとなるようになっている。
【0022】
また図1及び図3において、キャップ本体1の頂板部5には、スコア10によって開口予定部11が形成されており、この開口予定部11には、開封タブ12が設けられている。即ち、開封タブ12を引っ張ることによってスコア10が破断し、開口予定部11に開口が形成され、この開口を通して容器内容液の注ぎ出しが行われる。この場合、開封タブ12は、手で引っ張り易くするためにリング状に形成され、その内面に滑り止め用のローレット状突起13を設けておくのがよい。
また頂板部5の外面には、開口予定部11を取り囲む様にして、周状突起14が設けられている。即ち、内容液の注ぎ出しに際して、この周状突起14が案内となって、液の注ぎ出しがスムーズに行われる。
【0023】
また上蓋4の内面には、これを閉じた時に、前記周状突起14の内周面に密着し得るような周状下方突起15が形成されている。即ち、開口予定部11に開口が形成されている状態においても、上蓋4を閉じると、開口が完全に閉じられ、良好な密封性が確保されるというものである。尚、図1及び図2(A)に示されている様に、開口予定部11を取り囲む様に設けられている周状突起14は、外筒2と上蓋4とのヒンジ連結部3と反対側の半周部分(14a)は背が高く、且つヒンジ連結部3側の半周部分(14b)は背が低くなっているのがよい。このようにすることにより、上蓋4を閉じた時、上蓋4に設けられている周状下方突起15がスムーズに周状突起14内に入り込み、上蓋4の旋回が妨げられないからである。また、内容液の注ぎ出しはヒンジ連結部3とは反対側から行われるため、周状突起14の注ぎ出し用案内としての機能が損なわれることもないからである。
【0024】
外筒2は、スカート部6の外面の周囲を覆うように設けられている。この外筒2で覆われたキャップ本体1のスカート部6には、特に図4によく示されている様に、軸線方向に延びる複数個の切り欠き20が周方向に間隔をおいて設けられている。
またキャップ本体1のスカート部6と外筒2とは、周状の切断面21を介して分離されていると共に、スカート部6と外筒2とは、上記切断面21の上端にある複数個の破断可能な橋絡部22を介して一体に形成されている。特に図2Aには橋絡部22が明確に示されており、図4には、スカート部6及び外筒2(キャップ本体1から外された状態にある)に、それぞれ橋絡部残渣22’の形で橋絡部22が示されている。
キャップ本体スカート部6の外面と外筒2の内面とは、キャップ本体1が容器口部50に閉栓されている状態(図3)において、前記切断面21の部分で相互に密着されている。
【0025】
前記橋絡部22を破断して外筒2をキャップ本体1から切り離すと、キャップ本体1のスカート部6に設けられている軸線方向に延びる複数個の切り欠き20の作用により、スカート部6が径外方向に広がり、これにより容器口部50の外周側の凹部51とスカート部内向き突起7との係合が解除されて、キャップ本体1の容器口部50からの取り外しが容易に行われるというものである。従って、その設置個数や周方向間隔はこれらの観点から適宜決定される。
本発明のキャップにおいて、スカート部6に設ける切り欠き20の数は、キャップの口径等によっても相違するが、一般に2〜20、特に8〜12の範囲が好ましい。
また、この切欠き20は、図4と図1乃至図3とを比較すれば明らかな通り、スカート部6の下端から軸線方向に沿って上方に延びており、その上端が、容器との係合用の突起7の上側に位置するようになっていることが好ましい。切欠き20の上端がこのような位置に設定されていることにより、突起7と容器との係合を弱め、キャップ本体1を容器から容易に取り外すことが可能となるからである。
【0026】
更に、スカート部6と外筒2とを切断面21の部分で密着させることにより、キャップ本体1が容器口部50に装着されている状態でキャップ本体スカート部6が外筒2によりタガ締めされ、スカート部6が外方に広がるのが防止され、容器口部50に対する確実な密封性が維持される。スカート部6に軸方向に延びる切り欠き20が設けられている本発明のキャップの場合、この密接状態が特に重要である。即ち、スカート部6の切り欠き20は、容器口部50に設けられている外周の凹部51とスカート部6の突起7との係合状態を弱めるように作用するが、これに外筒2によるタガ締め力が作用することにより、係合状態を強固且つ確実のものとすることができる。
【0027】
上述した例において、キャップ本体スカート部6と外筒2とは、破断可能な橋絡部22のみによって連結されている。従って、例えば外筒2とヒンジ連結されている上蓋4を指で引っ張り上げ或いは押し下げることにより、前記切断面21で、外筒2とスカート部6との間でずれを生じ、キャップ本体1と外筒2を連結する橋絡部22が剪断力により容易に切断される。
図4は、容器口部50に装着固定されているキャップ本体1から外筒2を切り離した状態を示しており、キャップ本体スカート部6には切り欠き20が設けられているため、外筒2がこのスカート部6から取り外されると、スカート部6の径外方向への広がりが自由となり、キャップ本体1は容易に容器口部50から離脱可能となり、格別の道具を用いずに容器口部50から容易に取り外すことができる。尚、図4において、破断した橋絡部22の残渣は22’で示した。
かくして本発明によれば、使用済キャップを容器と分離しての廃棄、即ち、分別廃棄を容易に行うことが可能となる。
【0028】
キャップ本体スカート部6と、外筒2との間に設ける橋絡部22の数及び位置は、打栓時等において、橋絡部22の破損が防止され且つキャップ本体1を容器口部50から取り外そうとする時には(即ち、キャップを廃棄する時)、該橋絡部22の破断が容易に行われ、外筒2を速やかにスカート部6から切り離すことができればよく、この限りにおいて、その位置及び個数は特に制限を受けない。一般的には、橋絡部22の切断面21方向(キャップ軸方向)の断面積は、1個当たり0.1乃至1.5mm2 、特に0.2乃至1.0mm2 の範囲にあることが好適である。また、図1乃至4の例では、橋絡部22は切断面21の上側に設けられているが、切断面21の下側に橋絡部22を配置することもできる。
【0029】
上述した例のキャップは、キャップ本体1の頂板部5の外面に開口予定部11を有しており、上蓋4を旋回して開放し、スコア10の破断によって開口予定部11に形成された開口を通して内容液の注ぎ出しが行われるものであるが、この種のキャップにおいては、TE性も極めて良好である。即ち、キャップ本体1を容器口部50から取り外すためには、外筒2をキャップ本体から切り離すことが必要である。従って、この種のキャップにおいては、外筒2が切り離されていれば、開口予定部11に開口が形成されていなくとも、キャップが容器口部50から取り外されたことを示すからである。
勿論、本発明は、上述したタイプのキャップに限定されるものではなく、例えばキャップ本体1の頂板部5の外面には、始めから開口が形成されたタイプのキャップにも適用できる。この場合には、TE性に向上効果はないが、前述した分別廃棄性や密封性等の利点は十分に備えている。
【0030】
本発明においては、図1及び3に明瞭に示されている様に、キャップ本体頂板部5の上面周縁部には周状小突起30を設け、且つ上蓋4の内面には、これを閉じた時に該周状突起30と係合し得るような水平面31を全周にわたって形成しておくことが望ましい。即ち、上述したキャップでは、キャップ本体スカート部6と外筒2とは、破断可能な橋絡部22のみによって連結されている。このため、打栓時やキャップの搬送乃至供給時等において、軸方向荷重が橋絡部22に集中してしまい、該橋絡部22の破断を生じてしまうおそれがある。上記の様な周状突起30と水平面31とを形成しておけば、周状突起30がストッパーとして作用し、上蓋4に加わる軸方向荷重が周状突起30により受け止められるので、破断しやすい橋絡部22への圧力集中が有効に防止され、橋絡部22の保護は万全となる。
【0031】
また本発明では、外筒2は、その下端2aが容器口部50の外周側の凹部51の部分にまで延びていることが必要である。即ち、その下端2aが凹部51の部分にまで延びていないと、外筒2によるキャップ本体スカート部6の締付け力が不十分となり、十分な密封性を確保できないからである。また、外筒2は、このような大きさを有している限り、例えば外筒2の下端が、図3等に示されている様に、キャップ本体スカート部6の下端よりも下方に位置していてもよいし、或いはキャップ本体スカート部6の下端とほぼ水平位置にあってもよいし、それよりも上側に位置していてもよい。但し、一般的には、工具等をスカート部6の下端に直接当ててキャップをこじあける等の不正を防止するという見地から、外筒2の下端2aを、スカート部6の下端よりも下方に位置せしめるのがよい。
【0032】
以上説明した実施例では、橋絡部22は、切断面21の上側に設けられているが、先にも簡単に触れた通り、橋絡部22を切断面21の下側に設けることもできる。ただ、TE性の点から言えば、橋絡部22が切断面21の上側に設けられていることが好ましい。この場合には、上蓋4を閉じた状態で切断面21の成形を行うことができるので、生産性が高くなるからである。また、橋絡部22が外部から一見して分かり、開封の事実が一層明確となるという利点もある。
【0033】
また前述した図1乃至図4の例では、キャップ本体スカート部6と外筒2とは、破断可能な橋絡部22のみによって連結されているが、本発明では、このような橋絡部と共に破断不能な連結部を設け、橋絡部と連結部とによってスカート部6と外筒2とを一体に連結することができる。この例を図5に示す。
【0034】
図5は、上記の連結部(図5において60で示す)を設けたヒンジキャップの上蓋を開放した状態を示す平面図であり、このヒンジキャップは、連結部60が設けられている点を除けば、図1乃至図3に示されたキャップと同じ構造を有している。
図5において、橋絡部22と連結部60との幅を比較すれば明らかな通り、この連結部60は、かなり幅が大きく、従って橋絡部22は外筒2の引き上げ等により容易に破断するが、この連結部60は破断不能となっている。
【0035】
図5のキャップでは、容器口部50に装着されている状態において、上蓋4を手で持ちながら、連結部60を支点として外筒2を上方に引っ張り上げれば、橋絡部22が破断し、この部分のスカート部6が開放される。しかるに、図1乃至3のキャップでは、橋絡部22の破断により、図4に示されている様に外筒2とキャップ本体1とが完全に分離するが、図5のキャップでは、橋絡部22が破断しても、連結部60を介して外筒2とキャップ本体1とは一体に連結されており、この点において、図1乃至3のキャップと異なっている。即ち、図5のキャップは、橋絡部22が破断した状態でさらに上蓋4を手で持ち外筒2を上方に引っ張り上げることにより、上蓋4を備えた外筒2とキャップ本体1とを、一体にして容器口部50から取り外すことができるのであり、これは、図5のキャップの大きな利点である。
【0036】
図5において、連結部60は、上蓋4と外筒2とのヒンジ連結部3とは反対側に形成されていることが望ましい。このような位置に連結部60を形成しておくことにより、上蓋4を手で持って連結部60を支点として外筒2を上方に引っ張り上げる操作を容易に行うことができるからである。
また図5のキャップでは、連結部60を切断面21の下側に形成することもできるが、連結部60と橋絡部22とを、何れも切断面21の上側に形成するのがよい。先にも述べた通り、上蓋4を閉じた状態で切断面21を成形することができ、生産性が高いからである。
【0037】
上述した図5のキャップは、図1乃至3のキャップと同様の設計変更が可能である。例えば、開口予定部11を形成することなく、始めから開口を形成しておくこともできる。また水平面31の形成により、橋絡部22の破断を有効に防止し得る点でも、図1乃至3のキャップと同様である。
【0038】
上述した本発明において、キャップの成形に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば、低−、中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
【0039】
本発明のヒンジキャップは、上記樹脂を用い、通常、射出成形、圧縮成形等によりキャップ本体1と外筒2と上蓋4とを一体化した状態で成形し、一般的には、この成形工程の後に、キャップ本体1と外筒2との間にカッター等で切り込みを入れて、橋絡部22を除く部分に切断面21を形成して両者を分離させることにより製造される。この場合、橋絡部22を切断面21の上側に設ける時には、カッター等をキャップの下側から挿入して切り込みを入れ、切断面21の下側に設ける時には、上蓋4が開いている状態でカッター等をキャップの上側から挿入して切り込みを入れる。
また連結部60を形成する場合には、橋絡部22と連結部60とが残る様にして、キャップ本体1と外筒2との間にカッター等で切り込みを入れればよい。
本発明のキャップは、上記のようにして、通常のコアとキャビテイとから成る金型を用いて、実質上一つの成形工程の流れの中で能率よく短時間で製造でき、生産性が極めて高く、またキャップ各部の精度も高く、不良品の発生も少ない。
【0040】
また、本発明においては、切欠き20を一体成形後の後加工により設けることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明のキャップは、一連の成形工程で効率よく製造でき、生産性が極めて高いという利点を有している。
また閉栓状態においては、外筒による締付けによってキャップ本体スカート部が容器口部に密着して密封信頼性のある密封構造を形成できると共に、使用済キャップの廃棄にあたっては、格別の器具を使用することなしに容易にキャップを容器口部から取り除くことが可能であり、分別廃棄性にも極めて優れている。
更に、開口予定部を有する態様のキャップでは、優れたTE性も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒンジキャップの一実施例を示す側面図である。
【図2】図1のヒンジキャップの上蓋を開放した状態を示す図であって、(A)は、上面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。
【図3】図1のヒンジキャップを容器口部に装着した状態での側断面図である。
【図4】容器口部に装着されたキャップ本体から外筒と上蓋とを共に取り外した状態を示す図である。
【図5】本発明のヒンジキャップの他の実施例を示す図であり、ヒンジキャップの上蓋を開放した状態の平面図を示す。
【符号の説明】
1 キャップ本体
2 外筒
3 ヒンジ連結部
4 上蓋
6 スカート部
20 切欠き
21 切断面
22 橋絡部
50 容器口部
60 連結部

Claims (5)

  1. 頂板部及びスカート部から成り、頂板部には内容物排出用開口もしくは開口予定部が形成され、且つスカート部内面には容器口部と係合する突起が設けられているキャップ本体;
    該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられた外筒;及び、
    該外筒の上端部分にヒンジ連結された上蓋;
    とから成るヒンジキャップにおいて、
    前記キャップ本体のスカート部には軸線方向に延びる複数個の切り欠きが周方向に間隔をおいて設けられ、該キャップ本体のスカート部と該外筒とは、射出又は圧縮成形後にカッターで切り込みを入れることにより形成された切断面を介して分離しているが、切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断可能な橋絡部を介して一体に形成されていると共に、キャップ本体スカート部外面と外筒内面とは、少なくともキャップ本体が容器口部に装着されている状態において前記切断面の部分で密着していることを特徴とする分別廃棄性に優れたヒンジキャップ。
  2. 前記スカート部と外筒とは、破断可能な橋絡部に加えてさらに破断不能な連結部を介して一体に形成され、前記スカート部外面と前記外筒内面は、射出又は圧縮成形後に切り込みを入れて、前記橋絡部と前記連結部を除く部分が切断面を介して分離されることにより形成されたものである請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. キャップ本体頂板部の上面周縁部には周状小突起が設けられており、且つ上蓋内面には、該周状突起上端と当接し得るような水平面が形成されている請求項1又は2に記載のヒンジキャップ。
  4. 前記複数個の切欠きは、スカート部下端から上方に延びている請求項1又は2に記載のヒンジキャップ。
  5. 前記切欠きは、スカート部内面に形成されている容器口部との係合用突起の上端よりも上方にまで延びている請求項4に記載のヒンジキャップ。
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