JP4416199B2 - 樹脂製キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、成形性(型抜き性)、密封信頼性及び開封性の組合せに優れた樹脂製キャップに関し、より詳細には、成形が容易であって、従来の金属製王冠の代わりに使用でき、打栓により信頼性のある密封を形成できると共に、容易且つ確実に開封することができ、更にタンパーエビデント性(TE)をも兼ね備えた樹脂製キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂製キャップは、一体成形が可能で、成形性に優れると共に、可撓性にも優れているため、打栓操作により容器口部に固定することができ、従来より種々の形態で広く用いられている。
【0003】
密封性に優れると共に、容器口部から道具を用いずに容易に取り外すことができるようにした開封性に優れた樹脂製キャップは、既に種々提案されており、例えば特公昭51−10555号公報(公知例1)には、スカート壁の外面に把手を備えた合成樹脂製の不正防止蓋が開示されている。この蓋の上記把手は、スカート壁の外周面とは間隔をおいて且つこれを取り囲む様に形成されているが、完全なリングではなく円弧状であり、その両端部は、スカート壁の外面に強固に固定されている。更に、この把手の内面は、周方向に適当な間隔をおいて形成された切断容易な複数の連結片によってスカート壁の外面に接続されている。従って、容器に装着されている蓋の把手を手で引っ張り上げると、上記連結片は切断し、この把手は、その両端部でのみスカート壁に結合した状態となり、更に把手を引っ張り上げることにより、把手が形成されていない部分(把手の両端部間)からスカート壁がめくれ、蓋が容器から取り除かれるというものである。
【0004】
また、本発明者らの提案にかかる特開平9−221155号公報(公知例2)には、頂板部及びスカート部から成り且つスカート部内面には容器口部と係合する突起(アンダーカット)が設けられているキャップ本体、及び該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられた連続リング状部材から成る樹脂製キャップにおいて、前記キャップ本体のスカート部には軸線方向に延びる複数個の切り欠きが周方向に間隔をおいて設けられ、該キャップ本体のスカート部と該リング状部材とは切断面を介して分離しているが、切断面よりも上側或いは下側の複数個の破断可能な橋絡部或いは更に連結部を介して一体に形成されていると共に、キャップ本体スカート部外面とリング状部材内面とは前記切断面の部分で密着しており、該リング状部材の一部には開封用タブが形成されていることを特徴とするキャップが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知例1は、栓抜等の格別の道具を必要とせずに、手による開封を可能にし、且つ不正防止機能をも付与したプラスチックキャップを提供したものとして意義深いものではあるが、密封信頼性と易開栓性との両立の点で問題がある。即ち、上記の把手はスカート壁の外周面と間隔をおいて且つこれを取り囲むように形成されているため、この把手は上記突条によるシール効果を補強することができない。そのため、上記突条はそれ自体で開栓のし易さと密封性の両方を備える必要があるが、実際には、開栓性をよくすると、密封信頼性が不満足なものとなってしまうのである。
【0006】
公知例2は、外周リング状部材が橋絡部を保護して打栓操作が容易に行われると共に、橋絡部を破断して外周リング状部材をはずすことにより、切り欠き部を設けたスカート部が外方に広がり、手による開封も容易に行われ、また、ある程度のタンパーエビデント機能も有しているが、未だ密封保持性と易開栓性との両立の点で、また諸機能と成形性とのバランスの点でも改善の余地が残されている。
【0007】
すなわち、外周リング状部材の厚みには、密封保持性と成形性との両立に関して一定の範囲があり、この厚みが厚すぎるとスカート部内面の突起部(アンダーカット)を型抜きすることが困難となり、一方外周リング状部材の厚みが薄すぎると、前記突起部で容器口部を保持する力が不十分となって、密封保持性が不十分となりやすい。このようにして、外周リング状部材の厚みは一定の範囲に定められるわけであるが、この場合、スカートの切り欠き部では、突起部も切り欠かれているため、スカートが変形しやすく、この切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力が不十分となりやすいという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の問題が解消され、スカート部内面の突起部(アンダーカット)を型抜きすることが容易であり、しかもスカートの切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力も十分なレベルに維持され、更に開封片としても使用されるリング状部材に開封力に負けない強度が付与されているキャップを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
頂板部及びスカート部から成り、スカート部内面には容器口部の外周と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内面には容器口部との密封係合部が設けられているキャップ本体と、該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有する連続リング状部材とを備えたキャップにおいて、前記キャップ本体のスカート部に軸線方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた複数個の切り欠き部と、開封用タブの反対側に設けられた連続リング状部材とスカート部との連結部と、スカート部とリング状部材との間に設けられた周状乃至円弧状の切断面と、切断面よりも下側或いは上側においてスカート部とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部とが形成され、スカート部とリング状部材とは切断面を介して分離しているが切断面の部分で密着しており、リング状部材の前記切り欠き部に対応する位置には、径外方向への突起部が該切り欠き部の最外部の周方向両端に跨るように形成されておりリング状部材における突起部の一方の裾から他方の裾への開き角度(中心からの角度)θ は、スカート部の切り欠き部における一方の端縁から他方の端縁への最外部での開き角度θ に対して、θ /θ の比が1.5乃至3.0の範囲にあるように設けられている、ことを特徴とするキャップが提供される。
本発明のキャップにおいては、1.リング状部材の突起部におけるリング状部材の厚みdは、突起部以外のリング状部材の厚みdに対して、d/dの比が1.2乃至1.8となるように形成されていること、2.リング状部材における突起部は、その先端がスカート部の切り欠き部の中心を通る半径方向の線上に位置し、かつ水平断面が略等辺三角形状であること、が好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明のキャップは、
A.頂板部及びスカート部から成り、スカート部内面には容器口部の外周と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内面には容器口部との密封係合部が設けられているキャップ本体、
B.該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有する連続リング状部材、
C.前記キャップ本体のスカート部に軸線方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた複数個の切り欠き部、
D.開封用タブの反対側に設けられた連続リング状部材とスカート部との連結部、
E.スカート部とリング状部材との間に設けられた周状乃至円弧状の切断面、
F.切断面よりも下側或いは上側においてスカート部とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部、及び
G.リング状部材の前記切り欠き部に対応する位置に切り欠き部の最外部の周方向両端に跨るように形成された径外方向への突起部、から構成される。
スカート部とリング状部材とは切断面を介して分離しているが切断面の部分で密着している。
リング状部材における突起部の一方の裾から他方の裾への開き角度(中心からの角度)θ は、スカート部の切り欠き部における一方の端縁から他方の端縁への最外部での開き角度θ に対して、θ /θ の比が1.5乃至3.0の範囲にあるように設けられている。
以下、これらの各構成及びその機能について説明する。
【0011】
本発明のキャップ本体の天面部には、容器口部との密封係合部が形成されているので、容器口部との間で密封が行われ、一方スカート内面には、容器口部の外周と係合する突起部(アンダーカット)が形成されており、これらの組合せで、容器口部へのキャップの確実な保持と密封保持とが可能となっている。
【0012】
先ず、キャップ本体のスカート部に、軸線方向に延びる複数個の切り欠きを周方向に間隔をおいて設けたことにより、開栓に際してはスカート部が径外方向に広がることが可能となり、これによりキャップ本体の容器口部からの取り外しが容易に行われる。
また、このキャップでは、キャップ本体のスカート部と該リング状部材とは周状の切断面を介して分離しているが、これらを切断面よりも下側の複数個の破断可能な橋絡部及び連結部を介して一体に形成すると共に、キャップ本体スカート部外面とリング状部材内面とは前記切断面の部分で密着可能とする。
【0013】
スカート部とリング状部材とが切断面の部分で密着させることにより、少なくとも閉栓状態でキャップ本体スカート部がリング状部材によりタガ締めされ、スカート部が外方に広がるのが防止され、容器口部に対する確実な密封性が維持される。これは、スカート部に軸方向に延びる切り欠きが設けられている本件キャップの場合特に重要である。即ち、スカート部の切り欠きは、容器口部外周とスカート部の突起部(アンダーカット)との係合状態を弱めるように作用するが、これにリング状部材によるタガ締め力が作用することにより、係合状態を強固且つ確実のものとできる訳である。
【0014】
また、切断面よりも下側或いは上側に、キャップ本体のスカート部とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部及び連結部を設けたので、切断面の刻設が橋絡部或いは更に連結部に悪影響を及ぼすのが防止され、更に打栓時にも、キャップ本体スカート部外面とリング状部材内面とが切断面の部分で密着するので、破断しやすい橋絡部に外力が作用するのが防止され、打栓時における橋絡部の保護が万全であるという利点が達成される。
【0015】
更に、リング状部材の一部には径外方向に突出した開封用タブを形成すると共に、開封用タブの反対側に、スカート部と連続リング状部材との連結部を設けたので、開封用タブを押し上げることにより、前記切断面で、リング状部材とスカート部との間でずれを生じ、キャップ本体とリング状部材を連結する橋絡部が剪断力により切断される。次いで、リング状部材を更に上に持ち上げることにより、連結部が支点となって、連結部側のキャップ本体が上に持ち上げられ、開栓が進行する。即ち、キャップ本体スカート部には切り欠きが設けられているため、リング状部材がこのスカート部から取り外されて持ち上げられた状態では、スカート部の径外方向への広がりが自由となり、連結部側のキャップ本体は容易に容器口部から離脱可能となり、道具を用いずに容易に開封することができる。
【0016】
また、開封が既に行われている場合には、橋絡部が破断されており、リング状部材を自由に上下できるので、これにより既に開封されていることを知ることができ、タンパーエビデント性が付与される。
【0017】
本発明では、リング状部材に対して、スカート部の切り欠き部に対応する位置に径外方向への突起部を形成したことが顕著な特徴である。
即ち、既に指摘したとおり、外周リング状部材の厚みには、密封保持性と成形性との両立に関して一定の範囲があり、この厚みが厚すぎるとスカート部内面の突起部(アンダーカット)を型抜きすることが困難となり、一方外周リング状部材の厚みが薄すぎると、前記突起部(アンダーカット)で容器口部を保持する力が不十分となって、密封保持性が不十分となりやすいという問題がある。
外周リング状部材の厚みを、型抜きが容易に行われる範囲で全体として一定の厚みにした場合、スカートの切り欠き部では、突起部も切り欠かれているため、この切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力が不十分となりやすい傾向がある。
【0018】
本発明によれば、リング状部材のスカート切り欠き部に対応する位置に、径外方向への突起部を形成したので、この突起部に対応する部分が厚肉となり、スカートの切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力を十分なレベルに保持できるという利点が達成される。即ち、スカートの突起部は切り欠き部により分断されており、分断された突起部の周方向端部が径外方向に最も広がりやすいが、リング状部材の厚肉部(外方突起部)によるたが締め力が、この周方向端部に作用するので、閉栓時において満足すべき保持力が達成されるのである。
しかも、径外方向への突起部はスカート切り欠き部に対応する位置に設けられているので、スカート部内面の突起部(アンダーカット)を型抜きすることが容易であるという利点も達成されるものである。
【0019】
本発明のキャップでは、既に指摘したとおり、リング状部材が把持片となり、連結部側からの開栓が行われる。そのため、橋絡部が破断された状態でのリング状部材は開栓力に負けない機械的強度を有することが要求される。
一方、上記キャップを射出成形で形成する場合、リング状部材の部分では、スカート切り欠き部に対応する部分が樹脂のウエルド部分となり、この部分の機械的強度が不十分となりやすいという傾向も認められる。
本発明のキャップでは、前述したとおり、リング状部材のスカート切り欠き部に対応する位置に、径外方向への突起部を形成したので、この突起部に対応する部分が厚肉となり、ウエルド部分の補強も行われており、開封操作が失敗なしに確実に行われるという付加的な利点もある。
【0020】
本発明では、リング状部材の外周に開封用タブを設けるが、開封用タブが設けられたリング状部材の部分には、タブより内側でしかもリング状部材の下側に、リング状部材内面側からの切り欠き部が設けられていることが、成形性の見地から、即ち型抜きを容易に行うために好ましい。即ち、指との掛かりをよくするため、開封用タブはリング状部材から径外方向に突出させて設けるが、このタブを設けたリング状部材の部分が厚くなると、開封用タブの内側に位置するスカート突起部(アンダーカット)の型抜きが困難となる。本発明では、開封用タブが設けられたリング状部材の部分に切り欠き部を設けたため、この切り欠き部が、型抜きの際、スカート突起部(アンダーカット)の逃がしとなり、型抜きを容易に行うことが可能となる。
また、開封用タブの外面に複数のリブを形成しておくことにより、開封用タブの強度を補強し、またその位置を明示することができる。
【0021】
本発明のキャップの頂板部の内面には容器口部との密封係合部を設けるが、この密封係合部は容器口部の内部に挿入されるインナープラグであることが好ましい。即ち、このインナープラグでは、容器口部との内周面での密封係合であり、容器口部内周面は機械的精度が高く、リサイクル容器の場合にも精度が高い状態に保たれているので、精度の高い密封が可能となる。加えて、インナープラグによる密封係合では、頂板部が上下方向に多少変形しても密封状態が維持され、更に容器口部との密封係合位置を、高さ方向に見て、スカート突起部と容器口部外周部との係合位置に近づけることができるので、容器口部への係合保持と密封保持とは一層確実なものとなる。
更に、インナープラグの外側に容器口部の頂面、外周側コーナ部或いは外周面と係合するリング状の小突起部が形成されていることが密封性の点で好ましい。
即ち、インナープラグと容器口部との密封係合は、インナープラグの外周面と容器口部の内周面とが径方向に圧接する係合であるが、インナープラグの外側に設けたリング状の小突起部では、容器口部の頂面、外周側コーナ部或いは外周面と、リング状の小突起部とが容器の軸方向に圧接する密封係合が可能となっている。
本発明のこのキャップでは、かくして方向性の異なる2種類の密封係合が可能となっており、密封信頼性が向上している。
更に、容器口部の頂面或いはそれよりも外周側での密封が行われるため、容器口部頂面が優れた衛生状態に維持されるという付加的な利点もある。
【0022】
上記のリング状小突起付きキャップでは、前記小突起部の内側及び/または外側にはリング状の溝部が形成されていることが好ましい。このリング状小突起と容器口部とは軸方向に圧接されるため、リング状突起は当然圧縮変形されるが、その内側及び/または外側の溝はこの圧縮変形を許容し、リング状突起にクッション性を付与する作用がある。
また、リング状小突起とインナープラグとの間に形成されたリング状溝は、それらの一方の変形が他方に悪い影響を及ぼすのを防止し、夫々の密封機能を独立のものに維持するという作用もある。
【0023】
本発明のキャップでは、前記キャップ本体スカート部とリング状部材とは、これらを一体に射出又は圧縮成形した後、両者間にカッター等で切り込みを入れて、橋絡部及び連結部を除く部分を分離させることにより形成することができ、通常のコアとキャビテイとから成る金型を用いることにより製造されるので、成形操作も容易である。
【0024】
本発明のキャップでは、前記リング状部材の下端をキャップ本体スカート部の下端より下側に位置するようにすることができ、こうすることにより、キャップ本体のスカート部下端がリング状部材で隠蔽され、スカート部に器具等を挿入して、橋絡部を破断することなく開栓するのを防止でき、これによりタンパーエビデント性を向上させることができる。
【0025】
また、リング状部材の下端とキャップ本体スカート部の下端とを同一水平面に位置するように設けることもでき、この場合には、空キャップの積載時に橋絡部に荷重等が加わり破断するのを防止することができる。
【0026】
更にまた、前記連結部の上部或いは下部には、部分的な弱化部を形成しておくことができ、連結部に器具等を挿入して不正な開封を行おうとしたとき、リング状部材が外側に開き、器具の係りが外れやすくなり、タンパーエビデント性が向上する。
【0027】
タンパーエビデント性を向上させるために、前記連結部側の天面部には、部分的な弱化部を形成してもよい。こうすると、連結部側から器具等による不正な開封を行うと、キャップの天面部が割れ、不正開封を知ることができる。
【0028】
本発明のキャップでは、インナープラグをタブ側で相対的に長く、連結部側で相対的に短く、インナープラグが傾斜した端縁を有するようにすることができる。即ち、キャップ本体の開封は、リング状部材の持ち上げにより連結部側から行われることは既に指摘したとおりであるが、この連結部側からの開封に際して、短い方のインナープラグからのリーク(ガス抜き)が有効に行われるので、内容物の吹き出し、即ちブローオフが有効に防止される。
【0029】
上記ブローオフ防止には、連結部側のインナープラグの内面に弱化部を設けておくことも有効である。即ち、これにより、連結部側のインナープラグの変形が容易となり、このインナープラグを介して容器内ガスの解放が有効に行われる。
【0030】
また、インナープラグ内面の天面部にガスバリアー性材料をインサート成形することができ、これによりプラスチックキャップ壁を通してのガスの透過を防止し、内容物の保存性を向上させることができる。
【0031】
更に、本発明のキャップでは、前記天面部の外周部分に上方に突出した全周或いは間欠的なプラグを形成しておくことができ、これにより、キャップを打栓した容器を相互に積載したとき、特に、内容物が炭酸ガス飲料のような場合に、内圧によりドーミングした天面部が押されて、スカート部の係合用突起が径外方向に広がるのを防止して、密封信頼性を高めることができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
添付図面において、
図1は本発明のキャップの一実施例の一部断面側面図であり、
図2は図1のキャップの下面図であり、
図3は図1のキャップの開封用タブの正面図であり、
図4は図1のキャップのゲート部の拡大断面図であり、
図5は図1のキャップを図2のB−B’断面で示す拡大断面図であり、
図6は図1のキャップを図2のC−C’断面で示す拡大断面図であり、
図7は図1のキャップを容器口部に装着した状態で且つ図2のB−B’断面で示す断面図であり、
図8は図1のキャップを容器口部に装着した状態で且つ図2のC−C’断面で示す断面図であり、
図9は図1のキャップの開栓状態を示す説明図である。
【0033】
[実施例1]
図1乃至8において、本発明のキャップは、大まかにいって、キャップ本体1と連続したリング状部材2とからなる。キャップ本体1は、頂板部(天面部)3とその外周から垂下しているスカート部4とから成る。
【0034】
図7及び8に最もよく示されるとおり、スカート部4の内周には、容器口部5の外周側の突起部下部6と係合する突起7が形成されており、容器口部5を天面部3の内面に密接させ、密封を行わせるようになっている。
また、天面部3には、容器口部5の内周面9と係合するインナープラグ8が形成されている。この具体例では、インナープラグ8の外周面には径外方向への突起部10が形成されており、容器口部5の内周面9と圧接係合して密封が一層確実なものとなるようになっている。
【0035】
リング状部材2は、スカート部4の外面を連続したリングの形で覆うように設けられている。このリング状部材2で覆われたキャップ本体1のスカート部4には、下方からスカート部の途中まで軸線方向に延びる複数個の切り欠き11が周方向に間隔をおいて設けられている。
切り欠き部11は、その上方端縁がスカート部の突起部7よりも上方に位置するように設けられていることが、リング状部材2が取り外されたとき、突起部7の径外方向への広がりを容易にして、易開栓性を向上させるために好ましく、このために、図面に示す具体例では、切り欠き部11はスカート部4の高さ方向の途中の部分に開口している。
このキャップでは、内容物充填時に口部外周に付着した内容物を、切り欠き部11を通して通水して、洗浄除去できるという利点や、滅菌工程の温水シャワー液を効果的に通液して、容器口部への熱伝導性を高めるという利点が得られる。
【0036】
キャップ本体1のスカート部4とリング状部材2とは、円弧状乃至周状の切断面12を介して分離されていると共に、スカート部4とリング状部材2とは、上記切断面12よりも下側の複数個の破断可能な橋絡部13と、破断不能な連結部14を介して一体に形成されている。
【0037】
キャップ本体スカート部4の外面とリング状部材2の内面とは、キャップ本体1が容器口部5に打栓されている状態(図7及び8)において、前記切断面12の部分で相互に密着されている。
【0038】
更に、リング状部材2の一部には径外方向に突出した開封用タブ15が形成されており、開栓に際して、この部分を把持してリング状部材2の押し上げができるようになっている。
一方、スカート部4とリング状部材2との連結部14は、開封用タブ15の反対側に設けられている。切断面12は円弧状のものでも、周状(円周状)のものでもよく、この具体例においては、切断面12は円周状であり、図7に示されるように、連結部14においては、橋絡部13の下端縁よりも下方まで樹脂が充填され、破断不能な連結部を形成している。一方、切断面12を連結部14を除いて円弧状に形成する場合には、前述した場合のように、樹脂を深く充填するような配慮は不必要になる。
勿論、切断面12を円弧状に形成する場合には、カッティング加工に際してキャップの位置決めが必要であり、一方切断面を円周状に形成する場合には、カッティングに際して位置決めが不要であり、これらの得失を勘案して加工法が選択される。
【0039】
本発明では、図1及び図2に明瞭に示されるとおり、リング状部材2に対して、スカート部の切り欠き部11に対応する位置に径外方向への突起部16を形成したことが顕著な特徴であり、この特徴により、密封保持性と成形性(型抜き性)とを両立させること、即ち、スカート部内面の突起部(アンダーカット)7を型抜きすることを容易にしながら、前記突起部(アンダーカット)7で容器口部5を保持する力を十分なレベルとして、密封保持性を高めることができる。
【0040】
リング状部材2の径外方への突起部16は、スカート切り欠き部11に対応する位置に正確に形成されていることが重要であり、この突起部16の先端(稜線)17は、図2に示されるように、スカート切り欠き部11の中心を通る径方向の線上に位置していることが好ましい。
【0041】
図面に示す具体例においては、リング状部材2に設ける径外方への突起部16は、等辺三角形に近い水平断面形状を有しており、これが最もシンプルな形状であると思われるが、突起部の断面形状は、勿論これに限定されず、台形、矩形、半円形、半楕円形、サインウエーブ形などの任意の断面形状を有していてもよい。
【0042】
突起部16におけるリング状部材の厚みdは、突起部以外のリング状部材の厚みdに対して、d/dの比は一般に1.2乃至1.8、特に1.3乃至1.5の範囲にあるのがよい。一方、上記厚みdは、キャップを構成する樹脂材料の種類、キャップの大きさ、スカート部突起部の寸法等によっても相違するが、一般に0.7乃至1.7mm、特に0.9乃至1.3mmの範囲にあることが好ましい。
【0043】
上記厚み比d/dが上記範囲よりも小さい場合、或いは大きい場合の何れも、密封保持性と成形性(型抜き性)とを両立させることが困難となる傾向があるのに対して、上記範囲内にあればこれらの特性を両立させることが可能となる。
また、厚みdが上記範囲よりも小さいと、キャップの容器口部への保持力が不十分となる傾向があり、一方上記範囲よりも大きいと型抜きが困難となる傾向がある。
【0044】
また、リング状部材における突起部16の一方の裾から他方の裾への開き角度(中心からの角度)θは、スカート部の切り欠き部11における一方の端縁から他方の端縁への最外部での開き角度θに対して、θ/θの比は一般に1.5乃至3.0、特に1.8乃至2.5の範囲にあるのがよい。一方、上記θは、キャップを構成する樹脂材料の種類、キャップの大きさ、スカート部突起部の周方向寸法等によっても相違するが、一般に2゜乃至10゜、特に3゜乃至8゜の範囲にあることが好ましい。
【0045】
上記開き角度比θ/θが上記範囲よりも小さい場合、或いは大きい場合の何れも、密封保持性と成形性(型抜き性)とを両立させることが困難となる傾向があるのに対して、上記範囲内にあればこれらの特性を両立させることが可能となる。
また、開き角度θが上記範囲よりも小さいと、容器口部への保持力が過大となって易開封性能が低下したり、或いは型抜きが困難となる傾向があり、一方上記範囲よりも大きいと容器口部への保持力が低下して、密封性能が低下する傾向がある。
【0046】
本発明のキャップでは、開封用タブ15を押し上げることにより、切断面12で、リング状部材2とスカート部4との間でずれを生じさせ、キャップ本体とリング状部材を連結する橋絡部13を剪断力により切断する。次いで、図9に示されるとおり、リング状部材2のタブ15を指で把持して更に上に持ち上げることにより、連結部14が支点となって、連結部側のキャップ本体1が上に持ち上げられ、開栓が進行する。
【0047】
本発明のキャップでは、このように、リング状部材2が把持片となり、連結部14の側からの開栓が行われるため、橋絡部13が破断された状態でのリング状部材2は開栓力に負けない機械的強度を有することが要求される。
一方、既に指摘したとおり、上記キャップを射出成形で形成する場合、リング状部材2の部分では、スカート切り欠き部11に対応する部分が樹脂のウエルド部分となり、この部分の機械的強度が不十分となりやすい。
本発明のキャップでは、前述したとおり、リング状部材2のスカート切り欠き部11に対応する位置に、径外方向への突起部16を形成したので、この突起部16に対応する部分が前述したとおり厚肉となり、ウエルド部分の補強も行われており、開封操作が失敗なしに確実に行われる。
【0048】
本発明では、リング状部材2の外周に開封用タブ15を設けるが、この開封用タブ15が設けられたリング状部材の部分には、タブ15より内側でしかもリング状部材の下側に、リング状部材内面側からの切り欠き部19が設けられていることが、スカート突起部(アンダーカット)7の型抜きを容易に行うために好ましい。
指との掛かりをよくするため、開封用タブ15はリング状部材2から径外方向に突出させて設けるが、このタブの部分が厚くなると、開封用タブの内側に位置するスカート突起部(アンダーカット)7の型抜きが困難となる。開封用タブ15の内側の内側のリング状部材に切り欠き部19を設けたため、この切り欠き部19が、型抜きの際、スカート突起部(アンダーカット)7の逃がしとなり、型抜きを容易に行うことが可能となる。
【0049】
また、本実施例のキャップでは、開封用タブ15に、下側の水平リブ20と、この水平リブより上方に小間隔をおいて多数の垂直リブ21を設けて、開封用タブ15の強度を補強し、またその位置を明示すると共に、開封に際して指の掛かりをよくし、指による把持が容易に行えるようにしている。
【0050】
本実施例のキャップの頂板部3の内面には、インナープラグ8の外側に容器口部5の外周面22と係合するリング状の小突起部23を形成し、この小突起部23で容器口部の外周面を規制し、インナープラグ8と容器口部内周面9とを密封係合させることにより、確実な密封保持が行われるようにしている。
この場合、インナープラグ8との係合により、容器口部外周面22は径外方向に広がるので、天面部の小突起部23と容器口部外周面22との間でも密封係合が行われ、密封保持は一層確実なものとなると共に、容器口部の衛生状態も優れたものとなる。
【0051】
キャップ本体1のスカート部4に設けた軸線方向に延びる複数個の切り欠き部11は、開栓(リング状部材2が取り外された状態)に際してはスカート部4が径外方向に広がり、これにより容器口部外周突起部の下部6とスカート部内向き突起7との係合が解除されて、キャップ本体1の容器口部5からの取り外しが容易に行われる様なものであり、その設置個数や周方向間隔はこれらの観点から適宜決定される。
【0052】
本発明のキャップにおいて、スカート部4に設ける切り欠き11の数は、キャップの口径等によっても相違するが、一般に切り欠き11の個数は2乃至20個、特に8乃至12個の範囲となるものが好ましい。
【0053】
スカート部4とリング状部材2とが切断面12の部分で密着させることにより、少なくとも打栓状態でキャップ本体スカート部4がリング状部材2によりタガ締めされ、スカート部4が外方に広がるのが防止され、容器口部に対する確実な密封性が維持される。スカート部4に軸方向に延びる切り欠き11が設けられている本発明のキャップの場合、この密接状態が特に重要である。
即ち、スカート部4の切り欠き11は、容器口部外周の凹部6とスカート部4の突起7との係合状態を弱めるように作用するが、これにリング状部材2によるタガ締め力が作用することにより、係合状態を強固且つ確実のものとすることができる。
【0054】
また、切断面12よりも下側或いは上側に、キャップ本体のスカート部4とリング状部材2とを連結する複数個の破断可能な橋絡部13と破断不能な連結部14を設けたので、切断面12の刻設が橋絡部13や連結部14に悪影響を及ぼすのが防止され、更に打栓時にも、キャップ本体スカート部4の外面とリング状部材2の内面とが切断面12の部分で密着するので、破断しやすい橋絡部13に外力が作用するのが防止され、打栓時における橋絡部13の保護が万全である。
【0055】
本発明において、キャップ本体スカート部4とリング状部材2との切断面を介しての密着状態及び橋絡部13並びに連結部14の形成は、両者を一体に射出又は圧縮成形した後、両者間にカッター等で切り込みを入れて、橋絡部13及び連結部14を除く部分を分離させることにより行われる。このため、本発明のキャップは、通常のコアとキャビテイとから成る金型を用いて、能率よく短時間で製造でき、またキャップ各部の精度も高く、不良品の発生も少ないという利点を与える。
【0056】
キャップ本体スカート部4と、リング状部材2との間に設ける橋絡部13の数は、隣り合った切り欠き11、11間のスカート片4aとリング状部材2とが少なくとも1個の橋絡部11を介して連結されることが好ましい。また、橋絡部13を設ける位置も種々変化させることができ、例えば図2に示すとおり、スカート片4aの中間位置に1個設けたり、或いはスカート片4aの両端に2個設けたりすることができる。要するに、打栓時において、橋絡部の破損が防止され且つ開栓時にその破断が容易に行われるものであればよく、その位置及び個数は特に制限を受けない。
橋絡部13の切断面12方向の断面積は、1個当たり0.1乃至0.8mm、特に0.2乃至0.4mmの範囲にあることが好ましい。
【0057】
本発明のキャップでは、キャップ本体の天面部3の外面の中央に小さい円状の凹部25を形成させておくことが望ましい。キャップを射出成形で製造する場合、天面部の外面中央にゲート残部が残留し、これがキャップの円滑な流れの妨害になったり、キャップの移動攪拌時のダスト発生の原因となったり、キャップに指を触れたときに不快感を与える原因となったりするが、上記小凹部25を天面外面の中央に設けておくと、ゲート残部の先端を凹部25内に止めておくことができるので、上記の欠点を防止することができる。
【0058】
キャップの成形に用いる樹脂としては、各種プラスチック、例えば、低−、中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
【0059】
本発明のプラスチックキャップは、上記樹脂を用い、通常、射出成形、圧縮成形等によりキャップ本体及びリング状部材が一体化した状態で製造される。切断面は、通常、この成形工程の後にカッティング加工を施すことにより形成される。
【0060】
本発明のキャップでは、多くの変更が可能である。本実施例の場合、キャップ天面3の密封係合部8はキャップ本体と一体に成形されているが、この密封係合部は、キャップ本体とは別個に施されたライナーで形成されていてもよい。
この場合、ライナーの形成には、低密度ポリエチレン、エチレン系共重合体、各種ゴム乃至熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂プラスチゾル、塩化ビニル樹脂プラスチゾル等を用いることができる。
【0061】
また、インナープラグ8の内面側の天面部には、ガスバリアー性材料をインサート成形等により設けておくことができ、これによりプラスチックキャップ壁を通してのガスの透過を防止し、内容物の保存性を向上させることができる。ガスバリアー性材料としては、アルミ箔等の金属箔、エチレン−ビニールアルコール共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂、ガスバリアー性ポリエステル等のガスバリアー性樹脂を挙げることができる。
【0062】
ガスバリアー性材料の代わりに、或いはガスバリアー性材料と共に、上記天面部に酸素吸収性の層を設けることもできる。酸素吸収性の層としては、例えば鉄系酸素吸収剤を樹脂中に分散させたものなどを用いることができる。
【0063】
以上説明した実施例では、橋絡部及び連結部は、切断面の下側に設けられているが、本発明においては、前記橋絡部及び連結部を切断面の上側に設けることもできる。即ち、切断面12の上側に橋絡部13及び連結部14を形成することもできる。この場合には、橋絡部が外部から一見して分かり、開封したことがより明確となる利点がある。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、A.スカート部内面には容器口部の外周と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内面には容器口部に挿入されるインナープラグが設けられているキャップ本体、B.スカート部の外面を覆うように設けられ且つ外周に開封用タブを有する連続リング状部材、C.前記キャップ本体のスカート部に軸線方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた複数個の切り欠き部、D.開封用タブの反対側に設けられた連結部、E.スカート部とリング状部材との間に設けられた周状の切断面、及びF.スカート部とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部からなるキャップにおいて、リング状部材の前記切り欠き部に対応する位置に切り欠き部の最外部の周方向両端に跨るように形成された径外方向への突起部を設け、リング状部材における突起部の一方の裾から他方の裾への開き角度(中心からの角度)θ を、スカート部の切り欠き部における一方の端縁から他方の端縁への最外部での開き角度θ に対して、θ /θ の比が1.5乃至3.0の範囲にあるように設けかつ、スカート部とリング状部材とは切断面を介して分離しているが切断面の部分で密着するよう構成したことにより、スカート部内面の突起部(アンダーカット)を型抜きすることが容易であり、しかもスカートの切り欠き部乃至その近傍での容器口部の保持力も十分なレベルに維持され、更に開封片としても使用されるリング状部材に開封力に負けない強度が付与されているという作用効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップの一実施例の一部断面側面図である。
【図2】図1のキャップの下面図である。
【図3】図1のキャップの開封用タブの正面図である。
【図4】図1のキャップのゲート部の拡大断面図である。
【図5】図1のキャップを図2のB−B’断面で示す拡大断面図である。
【図6】図1のキャップを図2のC−C’断面で示す拡大断面図である。
【図7】図1のキャップを容器口部に装着した状態で且つ図2のB−B’断面で示す断面図である。
【図8】図1のキャップを容器口部に装着した状態で且つ図2のC−C’断面で示す断面図である。
【図9】図1のキャップの開栓状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 キャップ本体
2 リング状部材
3 頂板(天面)部
4 スカート部
5 容器口部
6 容器外周凹部
7 突起部
8 インナープラグ
9 容器口部内周部
10 インナープラグの外向き突起部
11 切り欠き部
12 切断面
13 橋絡部
14 連結部
15 開封用タブ
16 リング状部材の突起部
17 突起部の先端
18 タブの外周壁
19 タブの切り欠き部
23 小突起部

Claims (3)

  1. 頂板部及びスカート部から成り、スカート部内面には容器口部の外周と係合する突起部が形成され、且つ頂板部内面には容器口部との密封係合部が設けられているキャップ本体と、該キャップ本体のスカート部の外面を覆うように該キャップ本体に一体に設けられ且つ外周に開封用タブを有する連続リング状部材とを備えたキャップにおいて、
    前記キャップ本体のスカート部に軸線方向に延びるように周方向に間隔をおいて設けられた複数個の切り欠き部と、開封用タブの反対側に設けられた連続リング状部材とスカート部との連結部と、スカート部とリング状部材との間に設けられた周状乃至円弧状の切断面と、切断面よりも下側或いは上側においてスカート部とリング状部材とを連結する複数個の破断可能な橋絡部とが形成され、
    スカート部とリング状部材とは切断面を介して分離しているが切断面の部分で密着しており、
    リング状部材の前記切り欠き部に対応する位置には、径外方向への突起部が該切り欠き部の最外部の周方向両端に跨るように形成されており
    リング状部材における突起部の一方の裾から他方の裾への開き角度(中心からの角度)θ は、スカート部の切り欠き部における一方の端縁から他方の端縁への最外部での開き角度θ に対して、θ /θ の比が1.5乃至3.0の範囲にあるように設けられている、
    ことを特徴とするキャップ。
  2. リング状部材の突起部におけるリング状部材の厚みdは、突起部以外のリング状部材の厚みdに対して、d/dの比が1.2乃至1.8となるように形成されている請求項1に記載のキャップ。
  3. リング状部材における突起部は、その先端がスカート部の切り欠き部の中心を通る半径方向の線上に位置し、かつ水平断面が略等辺三角形状である請求項1又は請求項2に記載のキャップ。
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