JPH07315403A

JPH07315403A - 分別廃棄性に優れたキャップ

Info

Publication number: JPH07315403A
Application number: JP6116372A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Saso; 孝幸佐相; Kinji Fuchie; 錦治渕江; Takayuki Jinbo; 孝之仁保; Hiroko Kitanaga; 裕子北永
Original assignee: Japan Crown Cork Co Ltd
Current assignee: Nippon Closures Co Ltd
Priority date: 1994-05-30
Filing date: 1994-05-30
Publication date: 1995-12-05

Abstract

(57)【要約】【目的】容器口部に打栓により嵌合されるタイプのキャ
ップにおいて、打栓時のキャップの損傷が防止されると
共に、廃棄時には容器とキャップを容易に分離すること
が可能であり、また環状側壁を誤ってキャップ本体から
離脱したとしてもキャップを使用不可能な状態に破壊し
てしまうことがない。【構成】頂板部５及びスカート部６から成り、頂板部５
に内容物取出用開口７を形成する弱化部８が設けられて
いる容器口部に嵌合されるキャップ本体２、キャップ本
体２の頂板部を覆うようにキャップ本体２に取外し可能
に固定される上蓋４、及びキャップ本体スカート部外周
に嵌合される環状側壁３から成り、前記キャップ本体２
のスカート部６にはスリットまたは弱化部２１が設けら
れ、前記環状側壁３を外した時にキャップ本体２が容器
口部から容易に取り外すことが可能なキャップ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、容器との分別廃棄が可
能なキャップに関し、より詳細には容器から容易に取外
すことができると共に、打栓操作による損傷が防止され
た打栓式キャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ゴミの分別廃棄が強化されてお
り、その素材ごとに分別して廃棄することが必要になっ
ている。従来より食品等の容器においては、保存性等の
見地からガラス瓶や金属製容器が多く使用されており、
これに成形性、取扱性等の見地から樹脂製のキャップが
適用されている。このような場合においても、内容物が
なくなり容器を処分しようとするときは、キャップを容
器から取外し、容器とキャップを分別して廃棄する必要
がある。

【０００３】一般にガラス瓶や樹脂製容器に適用される
キャップは、容器口部に打栓嵌合により固定される中央
に開口を有するキャップ本体とこのキャップ本体の開口
を覆うようにキャップ本体に取り付けられる上蓋から成
っている。このようなキャップを消費者が容器から取外
すには、カッター等を用いてキャップ本体を破壊する以
外になく、容器口部からキャップを容易に取外すことが
できないという問題を有していた。

【０００４】このような問題を解決するために、種々の
キャップが提案されている。例えば、キャップ本体に周
状の薄肉部を設け、この薄肉部に連なる部分に把持片を
設けて、把持片を外方に引張ることにより薄肉部が破断
してキャップ本体が破壊され容器口部から取外されるよ
うにしたキャップ（実開平４−１１８３４８号公報）
や、キャップ本体とこれにヒンジ連結されたキャップか
ら成り、キャップ本体にヒンジの位置から軸線方向の弱
化線を設け、キャップをキャップ本体方向に引張ること
により弱化線が破断されて容器口部からキャップ本体が
取外されるようにしたキャップ（実開平５−３４１５１
号公報）等が知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のキャップは何れもキャップ本体に直接弱化部が設けら
けているため、前者のキャップにおいては、キャップ本
体に周方向の薄肉部を設けているため、成形時に型から
キャップを抜き取る際に薄肉部の破断が生じる場合があ
り、成形性に劣るという問題がある。このような問題を
防止するためには割型を使用することも考えられるが、
成形効率の点で未だ十分でない。

【０００６】また後者のキャップにおいては、キャップ
を容器口部に嵌合させる際の打栓操作時に、キャップ本
体は容器口部の係止顎部によって引伸されて内径が増す
ため、弱化部が破断するおそれがあり、未だ十分満足す
るものではない。更に、前者のキャップにおいては、薄
肉部を破断するために把持部が設けられているため、消
費者が廃棄する時以外に誤って引張り弱化線等を破断し
てしまうというおそれもある。

【０００７】従って本発明の目的は、容器口部に打栓に
より嵌合されるタイプのキャップにおいて、打栓時のキ
ャップの損傷が防止されると共に、廃棄時には容器とキ
ャップを容易に分離することが可能なキャップを提供す
るにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、頂板部
及びスカート部から成り、頂板部に内容物取出用開口を
形成する弱化部が設けられている容器口部に嵌合される
キャップ本体、キャップ本体の頂板部を覆うようにキャ
ップ本体に開閉可能に固定されるキャップ、及びキャッ
プ本体のスカート部外周に嵌合される環状側壁から成
り、前記キャップ本体のスカート部にはスリットまたは
弱化部が設けられ、前記環状側壁を外した時にキャップ
本体が容器口部から容易に取り外すことが可能なキャッ
プが提供される。

【０００９】本発明のキャップにおいては、キャップ本
体の下端から上方に向う位置に弱化部またはスリットが
設けられることにより、環状側壁をキャップ本体から取
外すと、容易にキャップ本体を容器口部から取外すこと
が可能となる。

【００１０】

【作用】本発明のキャップにおいては、容器を廃棄する
際に環状側壁をキャップ本体から取外すと、キャップ本
体にはスリットまたは弱化部が設けられているので、キ
ャップを容器口部から容易に取外すことができるのであ
る。本発明における弱化部には、スコアのような薄肉部
単独から成るものの他、スリットとの組合せで形成され
るものも含まれる。また、本発明のキャップは、キャッ
プ本体に環状側壁が嵌合された状態で容器口部に打栓さ
れるものであり、キャップ本体のスカート部にスリット
が設けられていても、これを覆うように外側から環状側
壁がキャップ本体に固定されているので、従来のように
キャップが損傷し、キャップとしての機能が失われてし
まうこともないのである。また環状側壁に弱化部を設け
た場合にも、打栓操作の際に生じる力が環状側壁に伝わ
りにくく、弱化部が破断されることも有効に防止されて
いる。更に、環状側壁を螺子係合によりキャップ本体に
固定する場合には、消費者が廃棄処分する時以外に誤っ
て環状側壁をキャップ本体から離脱してしまったとして
も、キャップは破壊されて使用できなくなるということ
もないのである。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を添付図面に基づいて説明す
る。図１は、本発明のキャップの一例を示す図であり、
（Ａ）は上面図、（Ｂ）は（Ａ）のＸ−Ｘ側断面図をそ
れぞれ表わす。図１において全体を１で表わす本発明の
キャップは、容器口部（図示せず）に嵌合されるキャッ
プ本体２と、環状側壁３及び上蓋４から成っている。キ
ャップ本体２は、頂板部５及びスカート部６から成り、
頂板部５の中央部には開口予定部７を区画するスコア８
が設けられ、スコア８で区画される部分（すなわち開口
予定部７）には開封時にスコア８を破断する手掛かりと
なる開封用タブ９が設けられている。この開口予定部７
の周囲には注出筒１０が設けられている。この注出筒１
０は内容物が取り出される際のノズルの役割を有すると
共に、タブを引上げ開口を作成した後にキャップ内が内
容物で汚れないような役割を有している。また頂板部５
の内面側にはスコア８より外周側に位置するインナーリ
ング１１が設けられ、スカート部６と共に容器口部を嵌
合し、密封する。スカート部６の外周面には、螺子部１
２が設けられている。

【００１２】環状側壁３は、内面にキャップ本体と螺合
する螺子部１３が設けられ、これによりキャップ本体２
のスカート部６を覆うようにキャップ本体２に固定され
る。また環状側壁３はその上端において、上蓋４に設け
られた係止用突起１４と係止して上蓋４を固定する係止
用突起１５が設けられている。上蓋４は、頂板部１６及
びスカート部１７から成り、頂板部内面にはキャップ本
体の注出筒１０と当接してキャップの密封性を保持する
密封部１８が設けられている。上蓋４のスカート部下端
には係止用突起１４及び１５の係止を解除するための開
栓用片１９が設けられ、この開栓用片１９と対向する位
置で環状側壁３と上蓋４はヒンジ２０により連結されて
いる。

【００１３】図１に示す本発明のキャップにおいて、環
状側壁及び上蓋を取外した、キャップ本体の一例の側面
図を図２に示す。キャップ本体２のスカート部６にはス
カート部下端から上方に延びるスリット２１，２１が複
数個設けられている。図２に示す具体例では、スカート
部下端から上端にわたる長いスリットとして設けられて
おり、環状側壁を取り外せば、キャップ本体が容器口部
から容易に取外すことができる。また図３に示すよう
に、弱化部２１がスカート部下端に短いスリットが設け
られ、その上方が薄肉部（図中破線２２で示す）として
形成されている態様においては、廃棄時にこの部分を消
費者が、キャップ本体に設けられたスリットを引裂くよ
うにスカート部を上方に引上げキャップ本体を破壊する
ことによりキャップ本体を容器口部から取外すことがで
きる。

【００１４】図１乃至図３に示した本発明の一例におい
て、消費者が容器を廃棄する際に、容器からキャップを
取外すには、先ず環状側壁を回転させてキャップ本体か
ら取外す。この際、キャップ本体が環状側壁と共回りし
ないようすることが必要であるが、キャップ本体の開口
部を固定して、環状側壁を回転させてキャップ本体から
取外すことにより、キャップ本体を容器口部から容易に
取外すことが可能となるのである。環状側壁を回転させ
る際に、キャップ本体が共回りすることを予め防止して
おくには、図４に示すように、容器口部とキャップ本体
との間に係合部２３ａ，２３ｂを設けておくことにより
有効に防止できる。更に、図５に示すように、環状側壁
下端に切欠２４を設け、この切欠部分を指等で固定して
もよい。また、同じく図５に示すように、環状側壁をキ
ャップ本体のスカート部よりも短くして、キャップ本体
の下端部を外方に突出する環状突条２５を設けて、この
環状突条２５の外径が環状側壁の外径とほぼ同じになる
ようにして、キャップの外側からキャップ本体を固定で
きるようにしてもよい。

【００１５】本発明のキャップの他の一例を斜視図で示
す図６において、上蓋４がヒンジ２０により連結された
環状側壁３を（Ａ）に、キャップ本体２を（Ｂ）にそれ
ぞれ示す。なお、（Ａ）においては環状側壁内面の形状
を表わすために一部断面となっている。この一例におけ
るキャップ本体と環状側壁は、キャップ本体に設けられ
る凹部２６に環状側壁内面に設けられる凸部２７が嵌合
されることにより一体に固定されている。環状側壁３に
は、ヒンジ２０の位置から環状側壁下端に向かって延び
るスコアから成る弱化部２８がそれぞれヒンジを挟んで
設けられている。またキャップ本体２のスカート部６に
もスカート部下端から上方に延びるスリット２１，２１
が複数個設けられている。このキャップ本体と環状側壁
を予め嵌合させて一体として、これを容器口部に打栓し
て容器を密封する。

【００１６】図６に示すキャップを容器口部から取外す
には、まず図７に示すように、上蓋４を矢印Ｐの方向に
引っ張ると、ヒンジ２０の付け根から弱化部２８ａ，２
８ｂが破断されて、環状側壁３の一部が上蓋４と共に取
り除かれ、環状側壁３は図８に示す状態になる。この状
態において環状側壁は一部が完全に破断されているので
容易にキャップ本体から取外すことができる。環状側壁
が取外されたキャップ本体２は、図９に示すようにスリ
ット２１が深い切り込みとして設けられており、スカー
ト部６の下端を図の矢印Ｑの方向に引上げるか、または
キャップ本体の開口部を引き上げることにより、容易に
キャップ本体を容器口部２９から取外すことができるの
である。

【００１７】上述した図１乃至９に示す具体例は、上蓋
が環状側壁にヒンジ連結されているものであるが、本発
明においては上蓋が環状側壁と一体でないものでもよ
い。例えば前述した図１に示す例のようにキャップ本体
と環状側壁とが螺子により係合する場合は、上蓋が環状
側壁とヒンジ連結されていなくても環状側壁を回転する
ことによりキャップ本体から取外すことができる。また
図１０に示すように、環状側壁３に周状の弱化部３０を
設け、環状側壁下端にこの弱化部３０に連なる部分に把
持片３１を設けて環状側壁３を周方向に破壊するように
してもよい。このような態様においても、容器口部と接
触し周方向の引き伸ばし力を直接受けない環状側壁に弱
化部が設けられているので、弱化部が破断されるような
こともないのである。

【００１８】また上蓋と環状側壁との係合は、係止用突
起によるもののみならず、螺子により係合するようなも
のでもよい。本発明において、環状側壁に設ける弱化部
は、薄肉部として設けることが好ましい。またキャップ
本体に設けるスリットは下端部にのみ設け、この下端部
に連なって薄肉部を設けておいてもよいし、図に示した
例のように上端近傍まで延びるスリットとしても、外側
から環状側壁で固定されるので、キャップとしての機能
には何等影響を及ぼすことがない。弱化部又はスリット
の数は少なくとも１つ設けられていればキャップ本体を
容易に取り外すことができるが、破壊し易さの点からは
２つ以上設けることが好ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明のキャップによれば、容器を廃棄
する際に、容器口部から容易にキャップを取外すことが
できる。しかもキャップを容器口部に取り付ける際の打
栓操作によりキャップが損傷することもない。また、環
状側壁を螺子係合によりキャップ本体に固定する場合に
は、消費者が廃棄処分する時以外に、誤って環状側壁を
キャップ本体から離脱した時でも、キャップを使用不可
能な状態に破壊してしまうということもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のキャップの一例を示す図である。

【図２】図１に示すキャップのキャップ本体を示す図で
ある。

【図３】本発明のキャップの他の一例を示す図である。

【図４】環状側壁の共回りを防止するための機構の一例
を説明するための図である。

【図５】環状側壁の共回りを防止するための機構の一例
を説明するための図である。

【図６】本発明のキャップの他の一例を示す図である。

【図７】図６に示すキャップにおいて、環状側壁の破壊
操作を説明するための図である。

【図８】図６に示すキャップにおいて、上蓋取外し後の
環状側壁を示す図である。

【図９】図６に示すキャップにおいて、キャップ本体の
容器口部からの取外しを説明するための図である。

【図１０】本発明のキャップの他の一例を示す図であ
る。

【符合の説明】

１キャップ２キャップ本体３環状側壁４上蓋２０ヒンジ２１スリット２２係合用凹部２３係合用凸部２４弱化部２５容器口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者北永裕子東京都千代田区内幸町１丁目３番１号日本クラウンコルク株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】頂板部及びスカート部から成り、頂板部
に内容物取出用開口を形成するスコアが設けられている
容器口部に嵌合されるキャップ本体、キャップ本体の頂
板部を覆うようにキャップ本体に開閉可能に固定される
上蓋、及びキャップ本体のスカート部外周に嵌合される
環状側壁から成り、前記キャップ本体のスカート部にはスリットまたは弱化
部が設けられ、前記環状側壁を外した時にキャップ本体
が容器口部から容易に取り外すことが可能なキャップ。
【請求項２】前記上蓋が環状側壁にヒンジ連結されて
いる請求項１記載のキャップ。
【請求項３】前記スリットまたは弱化部が、キャップ
本体のスカート部の端部から上方に向かって形成されて
いる請求項１または２記載のキャップ。
【請求項４】前記環状側壁がキャップ本体と螺子によ
り嵌合固定される請求項１乃至３のいずれかに記載のキ
ャップ。
【請求項５】前記環状側壁とキャップ本体が互いに係
合する係合用突起により固定されている請求項１乃至３
のいずれかに記載のキャップ。
【請求項６】前記環状側壁にはヒンジを挟み且つ環状
側壁のヒンジの付け根近傍から下端に向かう２本の弱化
線が形成され、キャップを環状側壁下端方向に引っ張る
ことにより環状側壁が破断する請求項５記載のキャッ
プ。