JP2000142762A - 分別廃棄性に優れたヒンジキャップ - Google Patents
分別廃棄性に優れたヒンジキャップInfo
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Abstract
容易であり、しかもキャッピング時における筒状側壁部
の破断が有効に防止された分別廃棄性の良好なヒンジキ
ャップを提供すること。 【解決手段】 上蓋2が設けられている筒状側壁6の厚
み部分には、その上端から下方に向かって、筒状側壁の
下端にまでは延びていないが、係合突起の頂部よりも下
側部分にまで延びているスリット30が形成されてお
り、スリットは、上方からみて、少なくとも、キャップ
本体1と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様にしてヒンジ
連結部分から両側に広がっており、ヒンジ連結部分の両
端部近傍には、それぞれ、スリットの上端から下方に向
かって筒状側壁外面に向かって延びているスコアが形成
されていることを特徴とする。
Description
固定されるキャップ本体を備えたヒンジキャップの分別
廃棄性の改善に関するものであり、より詳細には、格別
の工具を用いることなく、手による引き裂きによって容
易に容器口部からキャップ本体を取り除くことが可能な
ヒンジキャップに関する。
見地からゴミの分別廃棄が要求されるようになり、特に
容器口部に装着されているプラスチックキャップについ
ても分別廃棄が求められている。ところで、多くのプラ
スチックキャップは、容器口部に嵌合固定されるキャッ
プ本体と、キャップ本体に開閉可能にヒンジ連結された
上蓋とから成っている。即ち、この種のキャップは、キ
ャップ本体が容器口部に嵌合固定されているため、使用
済みのキャップを容器口部から除去するには、一般に栓
抜きの様な工具が必要なため、その除去作業が極めて面
倒であり、分別廃棄性が極めて不満足であった。
の改善について、多くの提案がなされている。例えば、
実開平7−11559号公報や実開平5−34151号
公報には、上述したヒンジキャップについて、キャップ
本体の筒状側壁部に、上蓋とのヒンジ連結部の近傍から
下方に延びているスコアを形成させて成るヒンジキャッ
プが開示されている。これらのヒンジキャップは、上蓋
を手で持って下方に押し下げることにより筒状側壁部の
スコアを引き裂き、これによって筒状側壁部が破壊され
るので、格別の工具を用いることなく容易にキャップを
容器口部から除去できるというものである。
ているキャップでは、筒状側壁部のスコアの引き裂きが
容易でないという問題がある。即ち、筒状側壁部は、容
器口部に嵌合固定されるため、比較的厚肉に形成されて
おり、しかも、容器口部にしっかりと固定するために、
容器口部外面と係合する突起が形成されている。従っ
て、この部分に形成されているスコアを引き裂くために
は、かなり大きな力を要する。また、このスコアの引き
裂きを容易に行うためには、スコアを深く形成し、スコ
ア形成部分の肉厚を薄くすることが考えられる。しか
し、この場合には、キャップ本体を容器口部に装着する
キャッピング工程時に、筒状側壁部が破断し易くなって
しまう。
アの引き裂きを容易に行うためには、例えば、筒状側壁
部上端に連なる頂板部に適当な摘み片を設けるのがよ
く、この摘み片を手で引っ張ることによりスコアの引き
裂きを容易に行うことが可能となる。この場合、筒状側
壁部にスコア引き裂き用の摘み片を設けるのは、使用中
のキャップについて、一般の使用者が誤ってスコアの引
き裂きを行ってしまうというトラブルを引き起し易いの
で好ましくない。
は、格別の摘み片を設けることなしに、筒状側壁部に形
成されたスコアの引き裂きが容易であり、しかもキャッ
ピング時における筒状側壁部の破断が有効に防止された
分別廃棄性の良好なヒンジキャップを提供することにあ
る。
と頂板部周縁から垂下している筒状側壁とを有するキャ
ップ本体と、該キャップ本体の筒状側壁上端部にヒンジ
連結された上蓋とから成り、前記筒状側壁の内面には、
容器口部の外面と係合し得る係合突起が形成されてお
り、該筒状側壁内に容器口部が嵌め込まれることによ
り、キャップ本体が容器口部に装着されるヒンジキャッ
プにおいて、前記上蓋が設けられている筒状側壁の厚み
部分には、その上端から下方に向かって、該筒状側壁の
下端にまでは延びていないが、少なくとも前記係合突起
の頂部よりも下側部分にまで延びているスリットが形成
されており、前記スリットは、上方からみて、少なくと
も、キャップ本体と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様に
して該ヒンジ連結部分から両側に広がっており、該ヒン
ジ連結部分の両端部近傍には、それぞれ、該スリットの
上端から下部にかけて筒状側壁外面に向かって延びてい
るスコアが形成されていることを特徴とするヒンジキャ
ップが提供される。
筒状側壁の厚み部分には、その上端から下方に向かって
前記係合突起の頂部よりも下側部分にまで延びているス
リットが形成されていることにある。即ち、このスリッ
トは、上方からみて、少なくとも、キャップ本体と上蓋
とのヒンジ連結部分を含む様にして該ヒンジ連結部分か
ら両側に広がっており、このようなスリットが形成され
ている部分において、筒状側壁は、それぞれ薄肉の外側
側壁と内側側壁とに分割されており、両側壁は、下方部
分で連なっている。またヒンジ連結部分の両端部近傍に
は、それぞれ、該スリットの上端から下部にかけて筒状
側壁外面に向かって延びているスコアが形成されてい
る。特に、このスコアは、上記スリットの上端から下端
まで延びていることが好ましい。
ップ本体が容器口部に挿入されていくと、筒状側壁内面
(内側壁内面)に形成された係合突起が容器口部の外面
に乗り上げるため、薄肉の内側壁は外側に広がっていく
が、スリットの部分で外側壁に密着する。即ち、外側壁
によって、内側壁がそれ以上外方に広がることが抑制さ
れ、容器口部との嵌合力の低下が有効に防止される。ま
た、キャッピング時に、外側に広がる薄肉の内側壁に
は、スコアが形成されていないため、キャッピング時に
おけるスコアの破断も有効に防止される。キャッピング
後においては、内側壁は、外側壁によってタガ締めさ
れ、かくして十分な密封性が確保される。
り下ろすことにより、スコアが引き裂かれるが、この引
き裂きにより、環状の外側壁は、ヒンジ連結部の両端部
近傍で開放されるため、外側壁のタガ締め力が解除され
る。従って、この上蓋を摘片として引っ張り上げること
により、ヒンジ連結部における筒状側壁の下端を捲り上
げることができ、キャップ本体を容器口部から引き抜く
ことができるわけである。
壁の全周にわたって設けられていてもよいし、ヒンジ連
結部が形成されている部分を含んでいる限り、筒状側壁
には上記スリットが形成されていない部分があってもよ
い。但し、上記スリットは、少なくとも筒状側壁の半周
以上にわたって形成されていることが望ましい。即ち、
このスリットが形成されている領域があまり小さいと、
スリットを設けた意味がなくなり、例えばスリットによ
り分割された筒状側壁の外側壁によるタガ締め力が小さ
くなるため、上蓋を引っ張り下ろしてスコアを引き裂い
たとしても、キャップ本体(筒状側壁)と容器口部との
嵌合力が低下せず、この結果、筒状側壁を捲り上げて容
器口部からキャップ本体を取り除くことが困難となって
しまう。
スリットと連通し且つ下端にまで延びている水抜き孔が
少なくとも1個設けられていることが好ましい。即ち、
上記のようなスリットが形成されているヒンジキャップ
では、このキャップを必要により水洗した後に、上蓋を
閉じた状態で容器口部に装着され、容器口部に装着され
た後にも、必要により水洗、或いはシャワー冷却が行わ
れる。従って、このスリット内に水が侵入し、侵入した
水が容易に抜けず、しかも上蓋が閉じられている状態で
は、乾燥も十分に行われない。上記のような水抜き孔を
設けることにより、このようなトラブルを有効に解決す
ることができる。
側壁の上方部分にのみスリット(第1のスリット)が形
成されているが、この下方部分にもスリット(第2のス
リット)を設けることができる。この第2のスリット
は、ヒンジ連結部が形成されている部分を除いて、第1
のスリットに対応する様に筒状側壁の下端から延びてお
り、第2のスリットの上端は、第1のスリットの下端よ
りも若干下方に位置している。このような第2のスリッ
トを設けることにより、上蓋を引き下ろしてスコアを破
断した時の筒状側壁と容器口部外面との係合力がさらに
弱められるため、上蓋の引き上げによるキャップ本体の
容器口部からの引き抜きを一層容易に行うことが可能と
なる。
具体例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のヒ
ンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上面平面図、
図2は、図1のヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある
時の側断面図、図3は、図1のヒンジキャップの上蓋が
開栓状態にある時の底面図、図4は、図1のヒンジキャ
ップの上蓋を閉じた状態での側面図であり、図5は、図
1のヒンジキャップにおいて、上蓋を引き下ろしてスコ
アを引き裂いた時の状態を容器口部と共に示す側断面図
である。
プは、キャップ本体1と上蓋2とから成る。キャップ本
体1は、大まかに言って、頂板部5と、頂板部5の周縁
部から垂下している筒状側壁6とから成っており、上蓋
2は、筒状側壁6の上端にヒンジ連結(ヒンジ連結部
7)されており、このヒンジ連結部7の両端には、上蓋
2の旋回をスムーズに行い且つ上蓋2の開栓状態を保持
できる様に連結バンド7a,7aが設けられており、上
蓋2を旋回して閉じると、頂板部5が完全に覆われる。
周状の係合突起8が形成されており、また頂板部5の内
面の周縁部には、筒状側壁6とは間隔をおいて下方に延
びているインナーリング9が形成されている。即ち、こ
のインナーリング9と筒状側壁6との間の空間に容器口
部(図示せず)が嵌め込まれ、且つ周状突起8によって
キャップ本体1は、容器口部にしっかりと固定される。
口を形成するためのスコア15が形成されていると共
に、頂板部5の上面側には、スコア破断用のタブリング
16が設けられており、このタブリング16を引っ張る
ことによりスコア15が破断され、注出用の開口が形成
されるようになっている。尚、このスコア15は、内容
液注出用の開口を形成するためのものであり、後述する
キャップ本体を容器口部から取り除くために設けられる
スコアとは全く別のものである。頂板部5の上面側に
は、スコア15を取り囲む様にして注出液案内用の筒状
突起17が形成されており、注出用開口を介して注ぎ出
された内容液は、この筒状突起17に沿って案内され
る。
周縁部から延びているスカート21とから形成されてお
り、天板20の内面には、シール用の周状突起22が形
成されている。即ち、上蓋2を閉じたとき、この周状突
起22の外面が筒状突起17の内面に密着する様になっ
ており、この密着により、スコア15を破断しての注出
用開口形成後のシール性が確保される。この場合、図2
に明示されている様に、筒状突起17は、ヒンジ連結部
7側の背を低くしておくことが好ましい。このようにす
れば、周状突起22の長さを比較的大きく設定しても上
蓋2を有効に閉じることができ、注出用開口形成後のシ
ール性確保の点で有利となる。
低い上蓋係止用の周状突起25が形成され、また上蓋2
の周状端縁部には、凹部26が形成されている。即ち、
上蓋2を閉じたとき、周状突起25と凹部26とが互い
に係合し、これにより、上蓋2の閉栓状態が保持され
る。また上蓋2の天板20の内面には、スカート21と
周状突起22との間の位置に、周状突起22とほぼ同じ
長さの弧状突起27が形成されている。この弧状突起2
7は、上蓋2を閉じた時、筒状突起17の外側に位置す
る様になっている。即ち、上部からの外力によって上蓋
2が変形した時、この弧状突起27が頂板部5の上面に
当接するため、この変形によって周状突起27が頂板部
5に食い込んでスコア15が破断するというトラブルが
有効に防止されるのである。更に上蓋2のスカート21
の下端には、ヒンジ連結部7とは反対側部分に、開封用
タブ28が設けられており、開封用タブ28に指で引っ
かけて上蓋2を容易に開栓し得る様になっている。
側壁6の厚み部分中間部に、上端から下方に延びている
スリット30を設ける。このスリット30は、図1から
理解されるように、筒状側壁6の全周にわたって形成さ
れており、このスリット30によって、筒状側壁6は、
内側壁6aと外側壁6bとに分割されている。また図2
から理解されるように、スリット30は筒状側壁の下端
までは延びておらず、内側壁6aと外側壁6bとは、下
方部分で一体に連なっている。更に、図1及び図4に示
されている通り、連結部7の両端部近傍には、スコア3
1,31が形成されている。これらのスコア31は、ス
リット30の上端から下端にわたって、外側壁6bの外
面に向かって延びており、これらのスコア31によって
外側壁6bの連結部7の両端部近傍は薄肉となってい
る。
の様なスリット30及びスコア31を形成することによ
り、キャッピング時におけるキャップ本体1の破損が有
効に防止され、またキャップ本体1と容器口部との係合
力を低下させることなく且つ格別の摘片を設けず、しか
も格別の工具を用いることなく、このヒンジキャップを
容易に容器口部から取り外すことが可能となる。
されているキャップ本体1を、容器口部にキャッピング
(打栓)すると、容器口部の上端が筒状側壁6とインナ
ーリング9との間の空間に挿入されていくにしたがっ
て、筒状側壁6の内面に形成されている係合突起8が、
容器口部の外面に形成されている大径の凸部(100,
図5参照)に乗り上げる。この時に、内側壁6aが外側
に広がるが、外側壁6bの内面に密着して保護され、し
かも内側壁6aには、スコアのような弱化部は全く設け
られていない。従って、キャッピングに際してのキャッ
プ本体1の破断等が有効に防止される。また、キャッピ
ング後においては、内側壁6aは、外側壁6bによって
タガ締めされるため、係合突起8と容器口部外面の凸部
100との係合力が補強され、十分なシール性が確保さ
れる。
プ本体1が容器口部に装着されている状態で、上蓋2を
開け、この上蓋2を手で持って下方に引き下ろすと、ヒ
ンジ連結部7の両端部近傍に設けられているスコア3
1,31に沿って外側壁6aが引き裂かれ、上蓋2は、
スリット30の下側部分で筒状側壁6に繋がった状態と
なる。この状態では、環状であった外側壁6aが引き裂
かれているため、外側壁6aによるタガ締め力が解除さ
れており、係合突起8と容器口部外面の凸部100との
係合力が著しく弱められている。従って、この上蓋2を
引っ張り上げ、必要により、筒状側壁6の下端を手で捲
り上げることにより、容易にキャップ本体1を容器口部
から取り除くことが可能となる。この場合、上蓋2の引
っ張り上げに先立って、スコア31に沿って引き裂かれ
た外側壁6aを周方向に捲って引き裂いておいてもよ
い。
0は、少なくとも筒状側壁6の内面に形成されている係
合突起8の最頂部8aよりも下方に延びていることが必
要である。即ち、この最頂部8aの部分で、キャッピン
グ後における係合突起8と容器口部の凸部100との係
合力は最も大きい。従って、スリット30が最頂部8a
まで延びていないと、スコア31に沿って外側壁6bを
引き裂いてタガ締め力を解除しても、係合突起8と容器
口部の凸部100との係合力が十分に低下しないため、
キャップ本体1を容器口部から取り除くことが困難とな
ってしまう。
延長すると、スリット30が形成されていない筒状側壁
6の下端部が偶発的に破断し易くなり、一部でも破断が
生じると、タガ締め力が解除されてシール性が損なわれ
てしまうおそれがある。従って、スリット30が形成さ
れていない筒状側壁6の下端部は十分な長さを有してい
るのがよく、一般に、スリット30の下端は、係合突起
8の下端の裾部あたりの部分に位置せしめるのがよい。
結部7が形成されている筒状側壁6には、水抜き孔35
が設けられている。この水抜き孔35は、スリット30
が形成されていない下方部分、即ち、内側壁6aと外側
壁6bとが一体に連なっている部分に形成されており、
筒状側壁6の下端まで延びており且つその上端は、スリ
ット30に連通している。従って、ヒンジキャップの水
洗、或いはキャップを容器口部に装着した後の冷却等に
用いられた水などが、スリット30内に侵入した場合に
も、この水は容易に除去され、また乾燥効率も向上す
る。上述した図1乃至図5に示すヒンジキャップでは、
特に図3の底面図から理解される様に、水抜き孔35は
2個設けられているが、スリット30からの水抜き及び
乾燥が有効に行われる限り、この数は特に限定されず、
例えば1個でもよいし、また3個以上の水抜き孔35を
設けることも可能である。また、この水抜き孔35は、
ヒンジ連結部7が形成されていない部分に設けられてい
てもよい。更にスリット30の下端を水抜き孔35に向
けて下方に傾斜をつけた形状とすることにより、水抜き
効果を向上させることもできる。
0は、筒状側壁6の全周にわたって形成することが好ま
しいが、スコア31に沿っての引き裂きによる外側壁6
bのタガ締め力の解除によって、係合突起8と容器口部
外面の凸部100との係合力が十分に低下し、キャップ
本体1(筒状側壁6)を容易に容器口部から取り外すこ
とが可能となる限り、スリット30を筒状側壁6の全周
にわたって形成する必要はなく、例えばヒンジ連結部7
とは反対側の部分の筒状側壁6には、スリット30を形
成しないでおくことができる。通常は、キャップの大き
さ(筒状側壁の径)によっても異なるが、筒状側壁の半
周以上にわたってスリット30を形成しておくことが必
要である。
の下側(内側壁6aと外側壁6bが連なる筒状側壁6の
裾部)に、連結部7を除き、第2のスリットを形成する
こともできる。この例を、図6乃至図10に示す。図6
は、このヒンジキャップの上蓋が開栓状態にある時の上
面平面図、図7は、図6のヒンジキャップの上蓋が開栓
状態にある時の側断面図、図8は、図6のヒンジキャッ
プの上蓋が開栓状態にある時の底面図、図9は、図6の
ヒンジキャップの上蓋を閉じた状態での側面図、図10
は、図6のヒンジキャップにおいて、スリットにより形
成された外側壁を周方向に捲って引き裂いた状態を示す
図である。
第2のスリットが設けられている点を除けば、図1乃至
図5に示したキャップと全く同じ構造を有している。従
って、図6乃至10では、第2のスリット50以外の部
分については、図1乃至5と同じ引照数字で且つ要部の
みを示した。
面図及び図8の底面図から明らかな通り、筒状側壁6の
裾部には、その下端から第2のスリット50が延びてお
り、第1のスリット30と第2のスリット50との間に
は、連結部51が形成されている。この第2のスリット
50は、先に説明したスリット30(以下、第1のスリ
ット30と呼ぶ)の下側に位置しているが、ヒンジ連結
部7には、この第2のスリット50は形成されていな
い。即ち、ヒンジ連結部7の両端近傍に位置している第
2のスリット50の両端部の上方には、外側壁6bを引
き裂くためのスコア31が位置している。ヒンジ連結部
7に第2のスリット50を形成すると、スコア31を引
き裂いた後に上蓋2を引っ張り上げると、第1のスリッ
ト30と第2のスリット50との間の連結部51が破断
し、上蓋2のみが外れてしまい、キャップ全体を容器口
部から取り除くことができなくなってしまうからであ
る。
第1のスリット30が形成されていない筒状側壁6の裾
部に第2のスリット50が設けられているため、キャッ
プの容器口部からの取り外しを一層容易に行うことがで
きる。即ち、前述した図1乃至5のヒンジキャップで
は、スコア31に沿って外側壁6bを引き裂いても、こ
の外側壁6bの下端は筒状側壁6に連なって環状となっ
ているため、内側壁6aに加わるタガ締め力が完全にゼ
ロとなるわけではない。しかし、図6乃至10のヒンジ
キャップでは、スコア31に沿って第1のスリット30
の周囲の外側壁6bを引き裂いた後、図10に示す様
に、連結部51を引き裂きながら、第1のスリット30
の周囲の外側壁6bと第2のスリット50の周囲の外側
壁6bを一体に周方向に引き剥がしてしまえば、内側壁
6aに加わるタガ締め力は完全にゼロとなる。従って、
上蓋2を引っ張り上げることにより、一層容易にキャッ
プ本体1を容器口部から取り除くことができるわけであ
る。
7を除き、第1のスリット30の下側に第2のスリット
50が形成され、これにより、この裾部も内側壁6aと
外側壁6bに分割されているが、外側壁6bが内側壁6
aを保護するため、キャッピングに際しての筒状側壁の
破断やシール性の低下は有効に防止される。
ト50との間隔d、即ち連結部51の厚みは、0.3乃至
0.4mm程度に設定することが好ましい。この間隔dをあ
まり短くすると、キャッピングに際して、この部分の破
断を生じやすくなり、このような破断が生じると、外側
壁6bのタガ締め力が低下し、キャッピング後のシール
性が低下するおそれがある。また、上記間隔dをあまり
長く設定すると、第2のスリット50を設けた意味がな
くなる。
口部からの取り外しを行う場合、第1のスリット30が
筒状側壁6の全周にわたって形成されており、しかもヒ
ンジ連結部7以外の全ての部分にわたって筒状側壁6の
裾部に第2のスリット50が形成されているため、外側
壁6bを完全に引き裂いてキャップ本体1から引き剥が
すこともできるが、通常は、引き裂かれた外側壁6b
を、キャップ本体1に繋ぎ止めておくことが好ましい。
即ち、外側壁6bを完全にキャップ本体1から引き剥が
してしまうと、容器口部から取り除かれたヒンジキャッ
プは2体に分離してばらばらになってしまうため、その
廃棄のためには決して有利とはならないからである。
ジ連結部7との境界部分)の少なくとも一方には、この
スリット50から外側壁6bの外面に向けてスコアを形
成しておくことが好ましい。これにより、スコア31に
沿っての引き裂きを行った後、さらに第2のスリット5
0の周囲の外側壁6bを引き裂いて連結部51の引き裂
きを容易に行うことができる。
ンジキャップの成形に用いる樹脂としては、各種プラス
チック、例えば、低−,中−又は高−密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑
性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS
樹脂等が一般に使用される。このような樹脂を用いての
射出成形、圧縮成形等の一体成形により、本発明のヒン
ジキャップを製造することができる。また、上述した第
1のスリット30や第2のスリット50等は、一体成形
により形成することもできるが、場合によっては、カッ
テイング加工等の後加工により形成することもできる。
壁に上端からスリットを形成して内側壁と外側壁とに分
断し、この外側壁に上蓋をヒンジ連結させることによ
り、格別の工具を用いることなく、キャップ本体を上蓋
と一体的に容器口部から取り除くことが可能となり、分
別廃棄性が極めて良好である。しかも、キャップ本体の
容器口部からの取り除きに際して行われるスコアに沿っ
ての外側壁の引き裂きは、上蓋を持って行われるため、
この引き裂きのために格別の摘み片を設ける必要がな
い。また、上記スリットで分断されている内側壁は、外
側壁によって覆われているため、キャップ本体が容器口
部に装着されている状態で内側壁が外側壁によってタガ
締めされ、従って、容器口部とキャップ本体との間に十
分な嵌合力が確保される。しかもキャッピングに際して
は外側壁に設けられているスコアが内側壁を介して外側
に広がるが、内側壁に直接スコアが設けられているわけ
ではないため、この時にスコアが破断するおそれはな
い。
る時の上面平面図。
時の側面断面図。
時の底面図。
時の側面図。
ろしてスコアに沿って外側壁を引き裂いた状態を示す
図。
蓋が開栓状態にある時の上面平面図。
時の側面断面図。
時の底面図。
時の側面図。
方向に引っ張って引き裂いた状態を示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】 頂板部と頂板部周縁から垂下している筒
状側壁とを有するキャップ本体と、該キャップ本体の筒
状側壁上端部にヒンジ連結された上蓋とから成り、前記
筒状側壁の内面には、容器口部の外面と係合し得る係合
突起が形成されており、該筒状側壁内に容器口部が嵌め
込まれることにより、キャップ本体が容器口部に装着さ
れるヒンジキャップにおいて、 前記上蓋が設けられている筒状側壁の厚み部分には、そ
の上端から下方に向かって、該筒状側壁の下端にまでは
延びていないが、少なくとも前記係合突起の頂部よりも
下側部分にまで延びているスリットが形成されており、 前記スリットは、上方からみて、少なくとも、キャップ
本体と上蓋とのヒンジ連結部分を含む様にして該ヒンジ
連結部分から両側に広がっており、該ヒンジ連結部分の
両端部近傍には、それぞれ、該スリットの上端から下部
にかけて筒状側壁外面に向かって延びているスコアが形
成されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 【請求項2】 前記筒状側壁には、前記スリットと連通
して下端にまで延びている水抜き孔が少なくとも1個形
成されている請求項1に記載のヒンジキャップ。 - 【請求項3】 前記スリットは、筒状側壁の全周にわた
って形成されている請求項1に記載のヒンジキャップ。 - 【請求項4】 前記スリットは、筒状側壁の半周以上に
わたって形成されているが、前記ヒンジ連結部と反対側
部分に位置する筒状側壁には形成されていない請求項1
に記載のヒンジキャップ。 - 【請求項5】 前記スリットよりも下方の筒状側壁の厚
み部分には、ヒンジ連結部分を除き、前記スリットに対
応して筒状側壁下端から第2のスリットが延びており、
第2のスリットの上端は、前記スリットの下端よりも下
方に小間隔を置いて位置している請求項1に記載のヒン
ジキャップ。
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JP31126498A JP4330187B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 分別廃棄性に優れたヒンジキャップ |
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-
1998
- 1998-10-30 JP JP31126498A patent/JP4330187B2/ja not_active Expired - Fee Related
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