JP2000062468A

JP2000062468A - 自動車のサンル―フのカバ―用調節装置

Info

Publication number: JP2000062468A
Application number: JP11171878A
Authority: JP
Inventors: Rolf Farmont; ファルモントロルフ; Eckehard Kelm; ケルムエクハルト
Original assignee: Meritor Automotive GmbH
Current assignee: Meritor Automotive GmbH
Priority date: 1998-06-19
Filing date: 1999-06-18
Publication date: 2000-02-29
Also published as: DE29811016U1; US20010026085A1; EP0965469A2; US20020053817A1; DE69928601D1; DE69928601T2; EP0965469A3; US6428093B1; EP0965469B1

Abstract

(57)【要約】サンルーフのための調節装置（１０）は、自動車の固定
された屋根の表面（１６）において開口部（１４）を選
択式に閉じ、また少なくとも部分的に開けるためのカバ
ー部分（１２）を含んでいる。屋根開口部（１４）は、
互いに対向して位置し縦方向（Ｄ）を限定する両側面部
分（１８）を有する基礎部分によって限定されている。
カバー部分（１２）は、縦方向（Ｄ）に沿って傾斜及び
スライドすることが可能である。キャリッジ要素（３
０）は、基礎部分上を縦方向（Ｄ）に沿って伸長するガ
イド要素に沿ってスライド式にガイドされる。調整手段
（２０−２８）は、カバー部分（１２）を傾斜及びスラ
イドさせるために供給されている。固定手段（３４）
は、キャリッジ要素（３０）と調整手段（２０−２８）
とを独立して連結させるために供給されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特許請求の範囲の
請求項１の前提要件部に記載のサンルーフのカバー用調
節装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】このタイプのサンルーフは、自動車の固
定された屋根の表面における開口部を選択的に閉じる、
また少なくとも部分的に開けるための少なくとも１つの
カバー部分を含んでおり、前記カバー部分は傾斜及びス
ライドさせることができる。カバー部分には少なくとも
１つのカバー運搬要素が接続されていて、これは、カバ
ー部分がスライドする方向に対して横方向に伸長する第
１のカムを中心に傾斜することが可能であり、前記カバ
ー運搬要素はまた、傾斜した位置でスライド方向に沿っ
てスライドすることができる。自動車の屋根にある開口
部の両端近くには、前記スライドを実現するためのガイ
ドレールが設置されており、移送用キャリッジは前記ガ
イドレールに沿ってスライドすることができる。さら
に、移送用キャリッジとカバー部分とがスライドする方
向に沿って互いに相関する動作を実行するようにカバー
部分を傾斜させるための調節手段が設置されている。こ
うしたサンルーフのカバー部分が自動車の屋根表面の上
をスライドする場合、これらは一般に「スポイラルー
フ」と呼ばれる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】こうしたスポイラルー
フにおいては、同じ移送用キャリッジがカバー部分の傾
斜とスライド双方の実現のために使用され、通常、傾斜
工程中はスライドすることは望ましくないという問題が
ある。その結果、傾斜段階の終了時にカバー部分を開け
ると、最初に保持されスライドを防止されていたカバー
部分が、移送用キャリッジを追加的にスライドする間に
傾斜位置で後方へと適正にスライドすることができるよ
うな、いわゆる切換工程が必要である。この工程は、サ
ンルーフを閉じる場合の対応する逆の順序でも発生す
る。

【０００４】かなり以前に市場に導入されたある周知の
スポイラルーフ（ドイツ特許第３，３１１，４５２号）
では、カバー部分は、ガイドレールに沿って傾斜及びス
ライドが可能なカバーキャリアに固定式に接続されてい
た。この場合、カバーキャリアは、移送用キャリッジと
同じガイドレールをスライドすることのできる自蔵構成
要素を表しており、前記カバーキャリアの傾斜軸は、移
送用キャリッジの前方（自動車の前方向から見た場合）
に有意距離を隔てて配置されている。その結果、このス
ライド式組立部品は不可避的にかなりの長さを有してい
て、カバー部分の最大開放度が制限される。この問題
は、特にこのタイプのスポイラルーフにおいて、特にこ
れが自動車用に改装される場合に明白である。この場合
は、カム装置を介して移送用キャリッジに、及び回転ナ
ックルを介してカバーキャリアまたはカバー部分に開放
用レバーが傾斜され／関節式に接合された形で接続され
ている。カム装置は、開放用レバーと移送用キャリッジ
との間の相関動作を可能にする。上方への傾斜動作の間
はカバー部分がスライドせず、移送用キャリッジがその
最初の調節動作を行うことを保証するため、開放用レバ
ーは固定用カムを含んでいて、これは、開放用レバーの
傾斜角が増大するにつれてフレーム及びガイドレールへ
と固定的に取り付けられたガイドレール内のつかみ開口
から徐々に移動し、やがてはガイドレール内に完全に配
置され、その中をスライド可能となるに至る。これは、
全ての動作順序は、固定用カムがガイドレールへと完全
に移動したまさにその瞬間に、移送用キャリッジと開放
用レバーとの間のカム装置がカバー部分のスライドが開
始された位置に到達しているように整合されなければな
らないことを意味している。この切換工程にはある程度
の衝撃が伴うが、これは、切換工程を始動しスライド工
程を開始するカム装置のガイドレールが、傾斜したカバ
ーの引き続いての前方スライド中に様々なカムに過剰に
高い型締め力を伝達しないように約４０゜の有意傾斜を
有していなければならないためである。

【０００５】傾斜したカバー部分が前方向にスライドす
る間は、固定用カムがカバーキャリア及び移送用キャリ
ッジの傾斜するカムと同じガイドレールにガイドされる
ため、カバー部分のこのスライド段階中、固定用カムは
カバー部分の閉位置への後方向傾斜を防止しなければな
らないという問題が発生する。その結果、ガイドレール
において固定用カムが受ける摩擦はカム装置のガイドレ
ールの平坦さに比例して増大し、これが前述の切換工程
に繋がる。衝撃の強度と摩擦強度との間に妥協を見い出
す必要があるのはこの理由による。

【０００６】先述の問題点は、後にスポイラルーフ（ド
イツ特許第４，４０５，５８３号）が市場に導入される
に至って大幅に軽減された。この調節装置では、ガイド
カーブとカムで構成されるカム装置の代わりにガイドカ
ーブなしのトグルレバー装置が使用されている。この場
合は、フレームに固定されたガイドレール内をスライド
することのできる僅かに１つの構成要素が設置されてい
る。この構成要素は移送用キャリッジ及びカバーキャリ
アの双方を搭載しており、これらの両要素による互いの
相関動作を可能にしている。ルーフキャリアに割り当て
られた固定用ピンは、カバー部分の傾斜段階の間、カバ
ーキャリアを自動車の固定ルーフフレームに固定する働
きをする。この固定用ピンは、自動車に固定的に接続さ
れているガイドレール内の開口部と共動する。この周知
の調節装置の場合、可動組立部品の長さは先行する周知
の装置に比較して低減されており、特に前方向及び後方
向へスライドする間の摩擦が大幅に低減されている。さ
らに、切換工程の間に発生する衝撃は、開放用レバーと
移送用キャリッジとの間のカム装置がなくされているた
め事実上除去された。しかしながら、この調節装置はな
お、設計が比較的複雑であること、特に構成要素の数が
多く、その組立が相応に複雑であるという欠点を有して
いる。

【０００７】必要な構成要素数の大幅な低減は、後に市
場に導入された国際公開ＷＯ９４／２５３０１号に開
示の調節装置によって達成された。この場合には、必要
な構成要素はカバーキャリア、移送用キャリッジ及びガ
イドレールのみである。閉位置にあるカバー部分をカバ
ー部分の後部内に固定することも、先述の構成要素によ
って達成することができる。これは本質的に、カバーキ
ャリアを傾斜させるためのピンが交差する両ガイドカー
ブ内に常時ガイドされる、という事実により達成され
る。この場合、一方のガイドカーブは自動車上に固定式
に配置され、他方のガイドカーブは移送用キャリッジ内
に配置されている。これにより、傾斜段階中にカバーキ
ャリアを保持するための固定用要素の除去も可能となっ
ている。互いに交差し、カバーキャリアの傾斜軸を同時
に収容すべく機能する両ガイドカーブの基本原理は、日
本の特開平１−５４２０８号公報からも周知である。こ
うしたスポイラルーフのための両調節装置では、その単
純さの面ではほとんど改善が不可能であり、カバー部分
の傾斜段階からスライド段階への移行の際の顕著な衝撃
を除去することはできない。

【０００８】最初に述べたタイプのスポイラルーフを調
節するための装置において、本発明は、比較的短い移送
用キャリッジ及び必要な構成要素の縮小にも関わらず、
抵抗、即ちカバー部分の傾斜段階からスライド段階へ、
或いはスライド段階から傾斜段階への移行中の摩擦を最
小にする、という目的に基づいている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的は、少なくとも
１つの移送用キャリッジとカバーキャリア等の調節手段
とを単独で連動させるための少なくとも１つの固定用手
段がカバー部分を傾斜させるために供給されているよう
な、請求項１に記載された特徴に一致する調節装置によ
って達成される。この場合、キャリッジ要素（移送用キ
ャリッジ）のためのガイド要素には少なくとも１つの制
御手段が供給されていて、キャリッジ要素と調節要素と
がスライド方向に効果的に連結される。即ち、これら
は、キャリッジ要素が両位置間をスライドされる際に相
関動作を実行することができず、カバー部分は単に両位
置間をスライド方向に沿って傾斜位置でスライドする。
カバー部分が本質的に屋根の開口部と一直線に並んで単
に傾斜している場合に、キャリッジ要素が両位置間をス
ライドすると、キャリッジ要素と調節要素とは連結され
ない。即ち、これらはスライド方向に相関動作を実行す
ることができる。

【００１０】ドイツ特許第３，３１１，４５２号または
ドイツ特許第４，４０５，５８３号に一致する最新技術
とは対照的に、本カバーキャリアはもはや、独立した固
定用装置によってガイド要素、即ち屋根に固定式に取り
付けられたガイドレールに連結されず、独立した固定装
置は、カバーキャリアまたは概して屋根部分の調節手段
とキャリッジ要素、即ち移送用キャリッジとの間で機能
する。

【００１１】こうして、カバー部分の傾斜段階から後続
のスライド段階への移行中に発生する典型的な衝撃が除
去される。これは、本発明による固定手段は傾斜段階中
既に固定されない状態にあり、引き続き傾斜段階の間カ
バー部分をスライドに関連して保持する機能を果たさな
いため、カバー部分はカバー部分の傾斜の終了時点で固
定手段によって最初に固定された位置から外れない、と
いう事実によって達成される。

【００１２】最も簡単な例においては、本発明による固
定手段は単に、カバー部分を閉止方向へとスライドさせ
る間にキャリッジとカバー部分の調節手段との間のドラ
イバの機能を果たすのみである。こうして、ドイツ特許
第３，３１１，４５２号に関連して先述した摩擦抵抗が
確実に防止される。また、交差するガイドカーブによる
抑制は何れもこの移動段階及びスライド段階から傾斜段
階への移行または傾斜段階からスライド段階への移行中
に事実上除去されることから、国際公開ＷＯ９４／２５
３０１号に一致する交差するガイドカーブによって発生
するような摩擦抵抗も、本発明による固定手段によって
防止される。

【００１３】本発明による手段は非常に単純であるた
め、優れた優位点を実現することができる。以下、こう
した優位点について様々な実施形態に関連して詳細に説
明する。

【００１４】追加の請求項には、特に固定手段、及びさ
ほど重要でない衝撃を受ける傾斜段階からスライド段階
またはスライド段階から傾斜段階への移行の設計におけ
る様々なオプションに関する追加的特徴が開示されてい
る。

【００１５】前述の構成要素及び実施形態において主張
され説明された構成要素及び本発明に従って使用される
構成要素は、そのサイズ、形状、材料選定及び技術的概
念に関して何ら特定の制約を受けない。即ち、各適用分
野における周知の選択規準を無制限に適用することがで
きる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の追加の詳細事項、特徴及
び優位点は、本調節装置の実施例を示す対応する図面に
ついての以下の説明から明らかとなる。

【００１７】図１（Ａ）ないし図４（Ｄ）に示す第１の
実施形態では、カバーキャリアと移送用キャリッジとの
間の独立した固定装置が、スライド方向を横へ水平にス
ライドすることのできる機械的に制御可能な固定手段の
形式で実現されている。以下、この実施形態について詳
細に説明する。

【００１８】図１（Ａ）は、従来通りに丸められた角領
域を有するほぼ矩形である屋根開口部１４が乗用車等の
自動車（詳細は表示されていない）の屋根表面１６に配
置された状態を示している。開口部の端部では、改造サ
ンルーフから周知のように、二部形式のフレーム１３
Ａ、１３Ｂが開口部近くの屋根表面１６の端部を密封式
に包囲している。屋根開口部の縦方向の両端では、長く
伸長されたガイド要素３２がサンルーフフレーム１３
Ａ、１３Ｂに接続されている。例えば押出成形されたア
ルミニウムで構成されるこうしたガイド要素は、以後の
説明では単に移送用キャリッジと称されるキャリッジ要
素３０を、互いに向き合って配置されたサンルーフ開口
部の２つの並行する端部に沿ってほとんど摩擦及び遊び
なしにガイドする機能を有している。移送用キャリッジ
３０は各々、サンルーフ開口部を閉鎖するカバー部分１
２に固定式に接続された１つのカバー搬送要素２０を運
搬する。カバー搬送要素２０は移送用キャリッジ３０の
上または内部をガイドされるため、２つの最遠端位置間
を縦方向にスライドすることができる。カバー搬送要素
２０と移送用キャリッジ３０とは、移送用キャリッジ３
０上に供給された第１の前部カム２２を介して接続され
ている。前部カム２２は、移送用キャリッジ３０内に供
給された第１のガイドカーブ２４内をスライドすること
が可能であって、カバーの前端（図１（Ａ）の左側に示
されている）を僅かに上昇させる。移送用キャリッジ３
０上に供給された第２のカム２６は、カバー搬送要素２
０内に供給された第２のガイドカーブ２８に沿ってスラ
イドすることができる。この第２のカム装置は、図１
（Ａ）の右に位置するカバー後端をカバー前端よりも高
く持ち上げること、即ちカバー１２を屋根表面１６より
上の所望の通気位置へと傾斜または旋回させることを可
能にする。この機能を果たすため、概してガイド要素３
２と同じ方向に伸長している第１及び第２のガイドカー
ブ２４及び２８は、対応して進行する曲がりを有してい
る。

【００１９】さらに、（第３の）ガイドカーブ４０が供
給されている。このガイドカーブはガイド要素３２の前
端に配置され、まず斜め上へと伸長し、その後は水平に
進行する形に変化する。ガイドカーブ４０は、第１のガ
イドカーブ２４を通じて伸長する第１のカム２２の一部
をガイドする。後に向かって斜め上に伸長する第３のガ
イドカーブ４０の第１の部分では、第１のカム２２及び
必然的にカバー部分１２は後部への目立ったスライド動
作を防止される。この部分においては、第１のカムはむ
しろほんの僅かに後方を向いただけの上向きの動作を実
行するが、この動作は次に上向きの限定動作を減じら
れ、後方へとより限定された動作に変わる。この結果、
図２（Ａ）が示す位置へのカバー傾斜とそれに続く図３
（Ａ）が示す開位置へのカバーのスライド段階との間の
移行は、極めてスムーズにまた衝撃なしに実行される。
これは、カバー搬送要素が最初は移送用キャリッジより
もかなり遅く動作し、徐々に移送用キャリッジの速度を
確定していくに過ぎないことを意味している。このタイ
プのカム装置４０、２２はまた、本発明によるキャリッ
ジ／カバー連動及び追加のガイドカーブ２４の同時的貫
入とは独立してカバーキャリアを傾斜させるように機能
する。即ち、このカム装置自体が発明的長所を有してい
る。

【００２０】今まで述べてきた限りにおいては、本発明
の３つの実施形態は全て、本質的に国際公開ＷＯ９４
／２５３０１号から周知である装置に符合している。以
下、当該最新技術に比べて新規である要素について詳細
に説明する。

【００２１】図１（Ａ）ないし図４（Ｄ）に一致する実
施形態では、移送用キャリッジ３０は水平のスロットを
有し、その中を事実上同一断面の固定手段３４が低摩擦
で案内される。固定手段３４は、その両端に傾斜した表
面を有する比較的短く形成された一片で構成されてお
り、前記傾斜した両表面は、移送用キャリッジ２０上の
捕獲限界ストップ３８と、参照番号３６で指示されてい
るガイド要素３２上の制御手段の切換表面３６Ｂとに対
応している。制御手段３６は、後部全体域（図１（Ｂ）
の右部分）に双方向矢印で指示された移送用キャリッジ
３０のスライド方向（図１（Ｂ））と並行して配位され
たガイド要素３２の垂直方向に配位された内壁領域で構
成されている。制御手段３６は単に、その前側領域（図
の左部分）に異なる漸進部を有し、この異なる漸進部は
ガイド要素３２内の窪み３６Ａの形式で実現されてい
る。この場合、窪みの一端は切換用表面３６Ｂによって
形成されている。

【００２２】カバー部分１２が閉止されている、及びカ
バー部分が傾斜されていてキャリッジ位置にあるとき、
即ちカバー部分が図１（Ａ）及び図２（Ａ）が示すキャ
リッジ位置間の全ての位置にあるとき、移送用キャリッ
ジ３０内の固定手段３４は外向きにスライドし、制御手
段３６の前述の窪み３６Ａへと突き出る。これにより、
前記固定手段はカバー搬送要素２０とは噛み合わず、む
しろ適正に勘合を阻止される。

【００２３】第１の実施形態及び他の２つの実施形態
は、固定手段を固定する、及び外す際には、相互の制御
表面の適正な配向に基づいて固定手段３４に機械的制御
を与える方が望ましいことを示している。

【００２４】移送用キャリッジ３０が図２（Ａ）及び図
２（Ｂ）に示される位置へとスライドしている場合、移
送用キャリッジ３０が後方（図の右）へさらにスライド
すれば、固定手段３４は切換用表面３６Ｂによってその
位置から移動される。即ち、固定手段は、制御手段３６
の窪みから出ると同時にカバー搬送要素２０上の捕獲限
界ストップ３８との固定位置へと押し込まれる。図３
（Ｂ）は、固定手段３４のこの新たな位置を示してい
る。

【００２５】移送用キャリッジ３０が後方（図の右）へ
とさらにスライドする間、第１のカム２２は移送用キャ
リッジ３０の第１のガイドカーブ２４の前端と接触して
いるため、固定手段３４にはまだ何の応力も掛からな
い。即ち、移送用キャリッジ３０は、カバー搬送要素２
０を後方へと駆動する。

【００２６】屋根開口部１４を徐々に閉止するため、移
送用キャリッジ３０が再度図３（Ａ）／３（Ｂ）に示さ
れたその開位置から前方へとスライドされると、移送用
キャリッジ３０内の固定手段３４はカバー搬送要素２０
を駆動し、応力を受ける。固定手段３４は単に、図２
（Ａ）／２（Ｂ）に示されたキャリッジのスライド位置
に再度到達する直前に図２Ｂに一致する非固定位置に戻
る。この工程は、移送用キャリッジ３０の前方へのスラ
イド（図の左へのスライド）によって自動的に行われ
る。この自動工程は、捕獲限界ストップ３８の適正な傾
斜と対応する固定手段３４の端部領域によって達成さ
れ、これにより、第１のカム２２の外部領域は既に第３
のガイドカーブ４０へと移動し、この位置で当該ガイド
カーブにおける横方向の下向きに伸長する領域と隣接し
ている。この結果、移送用キャリッジ３０及びカバー搬
送要素２０間に生成される抵抗は、固定手段３４が制御
手段３６の窪み３６Ａへと横滑りする程度のものしか必
要でない。捕獲限界ストップ３８及び固定手段３４の対
応する両傾斜面が適正に形成されていれば、この横滑り
に要する力は非常に小さく、ほとんど気付かれない。

【００２７】この結果、閉止方向へのカバー部分１２の
スライド経路の終端、及びカバー部分１２の下降段階へ
の移行に衝撃は加わらない。この効果は、移送用キャリ
ッジ３０内の第１のガイドカーブ２４がその前端２４Ａ
ではほぼ水平の漸進性、即ちガイド要素３２と平行に伸
長する漸進性を有する、という事実によってさらに促進
される。このほぼ水平である漸進性は、第３のガイドカ
ーブ４０の開端への挿入補助として機能するだけでな
く、第１のカム２２のその上昇位置から後続の下降段階
への動作の完全に滑らかな移行を可能にする。

【００２８】第１の実施形態及び後述の全ての実施形態
は、互いに後側に配置されたカバー部分、即ちいわゆる
マルチスポイラルーフの幾つかにも適合している。

【００２９】図５（Ａ）ないし図７（Ｂ）に一致する第
２の実施形態では、固定手段３４の設計に関してのみ第
１の実施形態の場合と異なる。この実施形態における固
定手段３４はスライド式に配置されておらず、移送用キ
ャリッジ３０の上に傾斜状に配置されている。第１の実
施形態とは対照的に、固定手段の断面に適合化された移
送用キャリッジ３０内の開口部は除去することができ
る。図５（Ｂ）及び図６（Ｂ）は、固定手段が、片手レ
バーの形式として実現されレバーのその自由端で固定手
段３４を保持するピボットアーム３４Ａを含み、またそ
の前端に移送用キャリッジ３０上に配置されたピボット
ポイント３４Ｂを含むことを明示している。第２の実施
形態にも第１の実施形態に類似したカム装置２２、２４
が供給されているが、移送用キャリッジ３０の内部に配
置されているため図示されていない。

【００３０】図８（Ａ）及び図８（Ｂ）に一致する第３
の実施形態では、固定手段３４の動作方向が水平でなく
垂直に伸長し、これにより、制御手段３６がガイド要素
３２の底壁上に配置されている、という事実において第
１の実施形態との相違を見い出すことができる。その
他、レバーの形式である固定手段の設計は、図５（Ａ）
ないし図７（Ｂ）による第２の実施形態の場合に一致し
ている。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は自動車の屋根に改装及び設置すること
のできるスポイラルーフ（の一部）においてその調節装
置が閉位置に配置された状態を示し、（Ｂ）は図１
（Ａ）に示すスポイラルーフの線ＩＢ−ＩＢに沿った略
水平断面図である。

【図２】（Ａ）は傾斜段階の終了時において作動位置に
ある同じスポイラルーフを示し、（Ｂ）は図２Ａに示す
スポイラルーフの水平断面図（図１（Ｂ）に対応）であ
る。

【図３】（Ａ）はカバー部分が上方に傾斜され、後部へ
と一部スライドされた同じスポイラルーフを示し、
（Ｂ）は図３（Ａ）と同じスポイラルーフの水平断面図
（図１（Ｂ）及び図２（Ｂ）の断面表示に対応）であ
る。

【図４】（Ａ）は図１（Ａ）の線Ａ−Ａに沿った同じス
ポイラルーフの垂直断面図であり、（Ｂ）は図１（Ａ）
の線Ｂ−Ｂに沿った同じスポイラルーフの垂直断面図で
あり、（Ｃ）は図２（Ａ）の線Ｃ−Ｃに沿った同じスポ
イラルーフの垂直断面図であり、（Ｄ）は図２（Ａ）の
線Ｄ−Ｄに沿った同じスポイラルーフの垂直断面図であ
る。

【図５】（Ａ）はスポイラルーフの第２の実施形態の調
節装置の縦断面図（図５（Ｂ）における線ＶＡ−ＶＡに
沿った断面）であり、（Ｂ）は同じ調節装置の平面図
（図５（Ａ）のＥから見た図）であり、この図では上側
のガイドレール領域も見える。

【図６】（Ａ）は、作動位置にある同じ調節装置の図６
（Ｂ）の線ＶＩＡ−ＶＩＡに沿った縦断面図であって、
カバーキャリアは傾斜されスライドされており（図３の
作動位置に対応）、（Ｂ）は同じ調節装置の平面図（図
６（Ａ）におけるＤから見た図）であって、この図では
上側のガイドレール領域も見える。

【図７】（Ａ）は図５（Ａ）の線ＶＩＩＡ−ＶＩＩＡに
沿った同じスポイラルーフの垂直断面図であり、（Ｂ）
は図６（Ａ）の線ＶＩＩＢ−ＶＩＩＢに沿った同じスポ
イラルーフの垂直断面図である。

【図８】（Ａ）はスポイラルーフの第３の実施形態を示
す図５（Ａ）に対応する縦断面図であり、（Ｂ）は同じ
調節装置の図６（Ａ）に対応する縦断面図である。

【符号の説明】

１０調整装置１２カバー部分１３Ａ部分フレーム１３Ｂ部分フレーム１４屋根開口部１６屋根表面１８側面部分２０カバー搬送要素２２第１のカム２４第１のガイドカーブ２４Ａ水平領域２６第２のカム２８第２のガイドカーブ３０移送用キャリッジ３２ガイド要素３４固定手段３４Ａピボットアーム３４Ｂピボットポイント３６制御手段３６Ａ窪み３６Ｂ切換用表面３８捕獲限界ストップ４０第３のガイドカーブＤ縦方向

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者エクハルトケルムドイツ、82205 ギルシンク、ヴァルドシュトラーセ 26Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車の固定された屋根表面（１６）にお
ける開口部（１４）を選択的に閉じる、また少なくとも
部分的に開けるための少なくとも１つのカバー部分（１
２）を含むサンルーフのための調節装置（１０）であっ
て、屋根開口部は、互いに反対側に位置し縦方向（Ｄ）
を限定する両側面部品（１８）を有する基礎部分によっ
て制限され、前記カバー部分（１２）はこの縦方向
（Ｄ）に沿って傾斜及びスライドすることが可能である
調節装置において、 − カバー部分（１２）に接続され、また縦方向（Ｄ）
を横切って伸長する第１のカム（２２）を中心に傾斜
（旋回）することが可能であり、また縦方向（Ｄ）に沿
ってスライドすることが可能である少なくとも１つのカ
バーを運搬する要素（２０）と、 − 縦方向（Ｄ）に沿って伸長し、基礎部分上に供給さ
れた少なくとも１つのガイド要素（３２）と、 − ガイド要素（３２）に沿ってスライド式にガイドさ
れ、カバー部分（１２）を移動させる少なくとも１つの
キャリッジ要素（移送用キャリッジ３０）と、 − カバー部分（１２）を傾斜及びスライドさせるため
の調整手段（２０−２８）とを備え、前記調整手段はカ
バー部分（１２）とキャリッジ要素（３０）とを両者が
互いに関連して動作し、縦方向（Ｄ）に沿ってスライド
することができるように接続しており、 − 少なくとも１つのキャリッジ要素（３０）と１つの
調整手段（２０）とを独自に連結するために、少なくと
も１つの固定手段（３４）が供給されていることと、 − キャリッジ要素（３０）及び調整手段（２０）が縦
方向（Ｄ）に効果的に連結されるように、即ち、カバー
部分（１２）が傾斜位置において縦方向（Ｄ）に本質的
にスライドするだけである位置間でキャリッジ要素（３
０）がスライドする際に、キャリッジ要素及び調整手段
が相関して動かないように少なくとも１つのガイド要素
（３２）に少なくとも１つの制御手段（３６）が供給さ
れていることと、 − キャリッジ要素（３０）と調整手段（２０）とが相
互に分離されること、即ち、カバー部分（１２）が屋根
開口部（１４）と本質的に一直線に並びまた単に傾斜さ
れている両位置間をキャリッジ要素（３０）がスライド
する際に、キャリッジ要素と調整手段とが縦方向（Ｄ）
に相関して動くことが可能である、という事実を特徴と
する調節装置。
【請求項２】固定装置は、片側で作動しスライド段階に
おけるキャリッジ要素（３０）の閉鎖動作の間に駆動力
を調整手段（２０）上に伝達するだけであるように配置
された固定手段の形式で実現されるという事実を特徴と
する請求項１記載の調節装置。
【請求項３】固定手段（３４）は、連結位置において調
整手段（２０）の後端域の後ろで勘合するという事実を
特徴とする請求項２記載の調節装置。
【請求項４】制御手段はガイド要素（３２）上に配置さ
れているという事実と、制御手段は開錠位置において固
定装置（３４）を部分的に収容するための窪み（３６
Ａ）を含むという事実を特徴とする請求項１ないし３の
うちの１つに記載された調節装置。
【請求項５】制御手段（３６）は、キャリッジ要素（３
０）の開放動作中に、即ち開錠位置からキャリッジ要素
（３０）と調整手段（２０）とが連結される位置まで、
固定手段（３４）をスライドさせるための切換表面（３
６Ｂ）を含むという事実を特徴とする請求項１ないし４
のうちの１つに記載された調節装置。
【請求項６】固定手段（３４）には、キャリッジ要素
（３０）上に配置されたピボットポイント（３４Ｂ）を
中心として固定手段（３４）を旋回させるためのピボッ
トアーム（３４Ａ）が備えられているという事実を特徴
とする請求項１ないし５のうちの１つに記載された調節
装置。
【請求項７】調整手段（２０）とキャリッジ要素（３
０）との間で作動する第１及び第２のカム装置（２２、
２４；２６、２８）は調整手段（２０）の上昇及び下降
動作を行うという事実を特徴とする請求項１ないし６の
うちの１つに記載された調節装置。
【請求項８】カバーの前端を上昇させるための第１のカ
ム装置（２２、２４）には前部ガイドカーブ域（２４
Ａ）が設けられ、前部ガイドカーブ域（２４Ａ）の傾斜
はほぼ縦方向（Ｄ）に一致し、特に前記縦方向と平行に
伸長しているという事実を特徴とする請求項７記載の調
節装置。
【請求項９】調整手段（２０）とガイド要素（３２）と
の間で作動するカム装置（２２、４０）が設置されてお
り、前部ガイド域内に配置されたガイドカーブ（４０）
は、後部に向かって傾斜し縦方向（Ｄ）とほぼ平行に伸
長する領域（４０Ｂ）へと変形する領域（４０Ａ）を含
むという事実を特徴とする請求項１ないし８のうちの１
つに記載された調節装置。
【請求項１０】ガイドカーブ（４０Ｂ）は、後方に配向
されカム（２２）のための出入口として機能する開口部
を含むという事実を特徴とする請求項９記載の調節装
置。