JP2000021686A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサの製造方法

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康暢 辻
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Yoshihiko Tsujikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔体陽極と導電性高分子からなる固体電解
質を有する電解コンデンサの製造方法において、多孔体
外表面の導電性高分子による被覆性及び生産性を向上さ
せる製造方法を提供する。 【解決手段】 導電性高分子層を形成する際、重合速度
を制御することで、従来と比較して少ない重合回数で多
孔体の外表面から多孔体の細孔内部まで導電性高分子で
十分に被覆充填することができ、漏れ電流が小さく、信
頼性が高い電解コンデンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウムやタン
タルなどの弁金属を用いた電解コンデンサの製造方法に
関し、特に、固体電解質として導電性高分子を用いた電
解コンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電解コンデンサの固体電解質とな
る導電性高分子を化学酸化重合する製造方法としては、
重合により導電性高分子となるモノマーを含む溶液(以
下、モノマー溶液と略す)と、上記モノマーを酸化によ
り重合することのできる酸化剤を含む溶液(以下、酸化
剤溶液と略す)の混合液をコンデンサとなる多孔質弁金
属体の表面酸化皮膜上に導入し、導電性高分子を形成す
る一液法がある。しかし一液法ではモノマーと酸化剤を
混合した直後に反応が開始し、タンタル焼結体のような
入り組んだ細孔を有する多孔体では、反応溶液の活性が
細孔の深部に到達する前に失われ焼結体の中心部に導電
性高分子が形成されない。そこで特開平6−31038
0号公報に示されるように、多孔体酸化皮膜上へのモノ
マーと酸化剤の混合溶液の導入を低温で行い、その後、
多孔体あるいは混合液の温度を上昇させ、多孔体中心部
と表面近傍の導電性高分子の形成量を均質化する方法が
ある。しかし一液法では、低温のモノマー溶液と酸化剤
溶液を混合した場合でも、反応を完全に停止させておく
ことができないため、モノマー溶液や酸化剤溶液の消費
が激しくなる。また、モノマー溶液や酸化剤溶液を極低
温にすることができ、反応を著しく低下できた場合であ
っても、その製造装置コストやランニングコストが増大
し、不経済である。従って、一般には、米国特許469
7001号公報に示されるように、モノマー溶液と酸化
剤溶液を混合せずに、コンデンサとなる多孔体をモノマ
ー溶液と酸化剤溶液に交互浸漬することにより、すなわ
ち、いずれかを細孔内に含ませた多孔体に他方を接触さ
せ、細孔内に導電性高分子を重合生成させる二液法が行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モノマ
ー溶液と酸化剤溶液の2液の内、一方の溶液に含浸した
多孔体を他方の溶液に浸漬すると、多孔体の外表面にお
いて、先に多孔体に含浸しておいた溶液が瞬時にもう一
方の溶液に拡散するため、多孔体の細孔内部に比べて多
孔体の外表面では導電性高分子が付着形成しにくい。完
全に多孔体の外表面が導電性高分子で被覆されていない
場合、ストレス等により外表面の誘電体皮膜が劣化し、
漏れ電流が大きくなってしまう。そのため多孔体の細孔
内部から多孔体の外表面までの誘電体層を完全に導電性
高分子で被覆し、本来の容量を完全に引き出しかつ漏れ
電流が小さなコンデンサを得るには、導電性高分子形成
工程を非常に多く繰り返す必要がある。
【0004】そこで、導電性高分子形成工程の回数を減
らし、生産性を向上させるとともに、漏れ電流が小さく
信頼性の高い電解コンデンサの製造方法を提供すること
を目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、重合速度を制御して、導電性高分子を形
成すれば、上記課題を解決できることを見出して完成さ
れたものである。すなわち、本発明の電解コンデンサの
製造方法は、誘電体層を細孔内部と外表面に有する多孔
体陽極と、該誘電体層の表面に化学酸化重合法により形
成された導電性高分子からなる固体電解質層とを有する
固体電解コンデンサの製造方法において、上記多孔体陽
極の細孔内部を充填してなる第1の導電性高分子部を形
成する工程と、上記多孔体陽極の外表面を被覆してなる
第2の導電性高分子部を形成する工程とを設け、上記第
2の導電性高分子部を形成する工程におけるモノマーの
重合速度を、上記第1の導電性高分子部形成工程におけ
るモノマーの重合速度よりも大きくすることを特徴とす
るものである。
【0006】モノマーの重合速度が速い場合と遅い場合
を比較すると、重合速度が速い場合は遅い場合よりも、
導電性高分子が多孔体外表面に形成される割合が高くな
る。従って、重合速度を制御することにより、容易に導
電性高分子の多孔体の細孔内部への充填および外表面の
被覆を別工程で施すことができ、導電性高分子形成工程
を上記の第1及び第2の工程で構成することが可能とな
る。特に第2の導電性高分子部を形成する工程におい
て、重合速度を第1の導電性高分子部形成工程における
重合速度よりも大きくすることにより、優先的に外表面
に導電性高分子が形成されるため、従来に比べ、導電性
高分子の重合回数を削減できる。さらに、別工程とする
ことにより、導電性高分子による多孔体細孔内部の充填
及び外表面の被覆を完全に行うことが可能となる。
【0007】また、上記製造方法では、第2の導電性高
分子部を形成後、第1の導電性高分子部を形成すること
が好ましい。多孔体の外表面の被覆性が向上し、多孔体
の外表面の導電性高分子形成のための重合回数を削減す
ることができる
【0008】また、上記製造方法では、第1の導電性高
分子部形成工程が2段階からなり、第1の段階で形成さ
れる導電性高分子の量を全細孔内部に形成される導電性
高分子量の50体積%以下とし、続いて第2の導電性高
分子部を形成し、さらに第2の段階において、細孔内部
に残りの第1の導電性高分子部を形成することが好まし
い。
【0009】多孔体の細孔内部に導電性高分子を完全に
充填した後に多孔体の外表面を導電性高分子で被覆しよ
うとすると、多孔体の細孔部分にモノマー溶液あるいは
酸化剤溶液が侵入する空隙が少ないため、先に含浸させ
るモノマーあるいは酸化剤量が少なくなる。そのため1
回あたりの導電性高分子形成量が少なく、重合回数を非
常に多く必要とする。一方、多孔体の細孔内部に完全に
導電性高分子を充填する前は、液の保持量も多く、導電
性高分子形成量も増加するので、先にあるいは途中で第
2の導電性高分子を形成する工程を設けると、外表面の
被覆がさらに容易に達成できる。
【0010】また、上記製造方法では、第2の導電性高
分子部形成工程における酸化剤濃度を、第1の導電性高
分子部形成工程の酸化剤濃度より高くすることにより、
又は第2の導電性高分子形成工程におけるモノマー濃度
を、第1の導電性高分子部形成工程のモノマー濃度より
高くすることにより、あるいは第2の導電性高分子部重
合反応温度を第1の導電性高分子部重合反応温度より高
くすることにより、第2の導電性高分子部形成工程にお
けるモノマーの重合速度を、第1の導電性高分子部形成
工程のモノマーの重合速度より大きくすることが好まし
い。
【0011】また、上記製造方法では、第2の導電性高
分子部形成時のモノマーの重合速度が、第1の導電性高
分子部形成時のモノマーの重合速度の2倍以上、12倍
以下であることが好ましい。
【0012】また、上記製造方法では、第1及び/又は
第2の導電性高分子部形成工程が、a)多孔体をモノマ
ー溶液又は酸化剤溶液のいずれか一方の溶液に浸漬する
工程と、続いてb)他方の溶液に多孔体を所定時間浸漬
する工程と、続いてc)多孔体を溶液から引き上げて、
溶液外に所定時間保持する工程を含むことが好ましい。
【0013】溶液外に所定時間保持して重合させること
により、多孔体に先に導入した液が次ぎに導入する液中
に流出拡散するのを抑制できるため、第1及び第2の導
電性高分子部形成のための重合回数を減らすことができ
る。
【0014】また、本発明に係る電解コンデンサは、弁
金属の多孔体である陽極と、上記弁金属の酸化物からな
る誘電体層と、モノマーの重合速度の異なる2つの導電
性高分子形成工程により、誘電体層を介して形成された
導電性高分子からなる固体電解質を有することを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて説明する。 〈第1の実施形態〉図1は、本発明の第1の実施形態に
おいて得られた電解コンデンサの構造を示す模式的断面
図である。陽極1の表面の誘電体層3を介して細孔内部
に第1の導電性高分子部4が、そして外表面に第2の導
電性高分子部5が形成されている。第2の導電性高分子
部の外側にはカーボンペイント膜6と銀ペイント膜7を
形成し、銀ペイント膜を介して陰極リード板8が設けら
れている。本第1の実施の形態では、第2の導電性高分
子部を形成後、第1の導電性高分子部を形成する。第2
の導電性高分子部を形成する工程において、化成処理し
て表面に誘電体層3を形成した陽極1をモノマー溶液及
び酸化剤溶液に交互に浸漬することを所定回数繰り返す
ことにより、溶液浸漬時にモノマーが重合し、細孔以外
の外表面が導電性高分子で被覆され、第2の導電性高分
子部5が形成される。ここで、第2の導電性高分子部を
形成する際に用いる酸化剤溶液は、酸化剤濃度を次に述
べる第1の導電性高分子部形成時に比べ高くし、重合速
度が大きくなるようにしたものであり、優先的に細孔以
外の外表面が導電性高分子で被覆される。次に第1の導
電性高分子部を形成する工程において、モノマー溶液及
び酸化剤溶液に交互に浸漬することを所定回数繰り返す
ことにより、溶液浸漬時にモノマーが重合し、細孔内部
に第1の導電性高分子部4が形成されるとともに、細孔
上面で第2の導電性高分子部5と連続一体化する。
【0016】以上のように、第1の実施の形態によれ
ば、導電性高分子を形成する工程を、第1及び第2の各
導電性高分子部を形成する工程で構成し、第2の導電性
高分子部形成時の重合速度を、第1の導電性高分子部形
成時の重合速度より大きくすることにより、優先的に多
孔体外表面に導電性高分子が形成されるため、多孔体外
表面の被覆性が向上し、従来に比べ少ない回数で多孔体
外表面を導電性高分子で完全に被覆することが可能とな
る。
【0017】本発明の第1の実施形態に用いる陽極は、
弁金属の多孔体内部には外部表面に連通する多数の空孔
ないし細孔を有し、陽極表面積が著しく拡大されたもの
であり、例えば、アルミニウムやタンタルが好ましく使
用される。
【0018】また、本発明の第1の実施形態に用いるモ
ノマーには、そのポリマーが導電性を示すものから選ば
れ、例えば、複素環式5員環化合物のなかから、好まし
くは、ピロール、チオフェン、3−アルキルチオフェ
ン、イソチアナフテンなどを利用できる。
【0019】酸化剤には、例えば、硫酸鉄(III)、塩化
鉄(III)などの第二鉄塩、過硫酸アンモニウムなどの
過硫酸塩、過マンガン酸塩及び過酸化水素等を用いるこ
とが好ましい。
【0020】また、ドーパントは、導電性ポリマーの導
電率を更に高めるためにモノマー溶液と酸化剤溶液の両
方若しくは一方に付加されるが、上記の導電性ポリマー
に対しては、アルキルナフタレンスルホン酸などのアー
リルスルホン酸イオン及びアーリル燐酸イオンを利用す
ることができ、そのNa塩及びその他アルカリ塩などの
形で溶液中に添加することが好ましい。
【0021】また、重合速度の制御に関しては、モノマ
ー濃度や酸化剤濃度を高める、あるいはモノマー溶液及
び酸化剤溶液の温度を高める、さらには溶媒として用い
るアルコールやドーパントの量を変化させることによ
り、モノマーの重合速度を大きくすることが可能であ
る。好ましくは、第2の導電性高分子部を形成する際の
重合速度が、第1の導電性高分子部を形成する際の重合
速度の2倍以上12倍以下、さらに好ましくは3倍以上
10倍以下である。
【0022】たとえば、酸化剤に硫酸鉄(III)を用
いる場合、第2の導電性高分子部形成時の酸化剤濃度を
0.1〜5mol/lの範囲で、第1の導電性高分子部
形成時の酸化剤濃度より大きくすることが好ましい。ま
た、第2の導電性高分子部形成時のモノマー溶液及び酸
化剤溶液の温度を第1の導電性高分子部形成時に比べ、
10度〜40度の範囲で高くすることが好ましい。
【0023】なお、本発明における重合速度は、以下に
述べる方法により測定算出したものを用いた。すなわ
ち、一定温度のモノマー溶液と酸化剤溶液を用意し、モ
ノマーに対して酸化剤が過剰となるように、モノマー溶
液と酸化剤溶液を混合する。十分に攪拌し、所定温度で
一定時間放置した後、生成したポリマーを回収し、その
重量を測定する。回収したポリマーの重量から反応した
モノマーのモル数を算出する。これをさまざまな初期酸
化剤濃度で行い、反応次数と反応速度係数を求めること
により、重合速度を算出した。
【0024】〈第2の実施形態〉本実施の形態において
は、第1の導電性高分子部形成工程が2段階からなる点
以外は、第1の実施形態の製造方法と同様である。ま
ず、第1の段階の第1の導電性高分子部形成工程におい
て、化成処理して表面に誘電体層3を形成した陽極1を
モノマー溶液及び酸化剤溶液に交互に浸漬することを所
定回数繰り返すことにより、溶液浸漬時にモノマーが重
合し、細孔内部に形成される全導電性高分子量の50体
積%以下の導電性高分子が充填される。次に第2の導電
性高分子部を形成する工程において、モノマー溶液及び
酸化剤溶液に交互に浸漬することを所定回数繰り返すこ
とにより、溶液浸漬時にモノマーが重合し、外表面が導
電性高分子で被覆され、第2の導電性高分子部5が形成
される。ここで、第2の導電性高分子部を形成する際に
用いる酸化剤溶液は、酸化剤濃度を第1の導電性高分子
部形成時に比べ高くし、重合速度が大きくなるようにし
たものである。さらに続いて第1の導電性高分子部形成
工程の第2の段階において、第1の段階で用いたモノマ
ー溶液及び酸化剤溶液に交互に浸漬することを所定回数
繰り返して細孔内部に残りの導電性高分子を充填し、第
1の導電性高分子部4を形成し、細孔上面で第2の導電
性高分子部5と連続一体化させる。
【0025】以上のように、第2の実施形態によれば、
最初の第1の導電性高分子部形成時において、多孔体の
細孔内部に導電性高分子を完全に充填しないようにする
ことにより、多孔体の空隙が保持する液量を増加させ、
導電性高分子の形成量を増加させることができ、多孔体
外表面に導電性高分子が形成されやすくなる。そのため
多孔体外表面の被覆性が向上し、第2の導電性高分子部
形成のための重合回数を減らすことができる。特に、細
孔径が小さな多孔体において、最初に細孔内部に第1の
導電性高分子部の一部を形成させた後、第2の導電性高
分子部を形成し、その後、残りの第1の導電性高分子部
を形成すると、多孔体外表面の導電性高分子を効率良く
形成でき、かつ細孔内部の充填が容易となる効果が得ら
れる。
【0026】なお、本発明者らの検討結果によると、細
孔内部の導電性高分子の割合が、細孔内部に充填された
導電性高分子の全体積の50%である時に第2の導電性
高分子部を設けた場合と、80%である時に第2の導電
性高分子部を設けた場合とを比較すると、50%の場合
の方が第2の導電性高分子部を形成する回数を約50%
削減できた。
【0027】また、多孔体の細孔内部の導電性高分子の
割合が、最終的に細孔内部に充填された導電性高分子の
全体積の50%より小である時に第2の導電性高分子部
を設ける際、第2の導電性高分子部を形成する際の重合
速度が、第1の導電性高分子部を形成する際の重合速度
の2倍より小さい場合は、多孔体の外表面における導電
性高分子の被覆性が大きく向上しない。また、第2の導
電性高分子部を形成する際の重合速度が、第1の導電性
高分子部を形成する際の重合速度の12倍より大きい場
合は、形成される導電性高分子層がもろくなり、多孔体
より脱落しやすくなるため、2倍以上12倍以下、さら
に好ましくは3倍以上10倍以下である。
【0028】〈第3の実施形態〉本実施の形態において
は、第2の導電性高分子部形成後、多孔体をモノマー溶
液又は酸化剤溶液のいずれか一方に浸漬し、そして他方
の溶液に浸漬した後、溶液から引き上げて溶液外に多孔
体を所定時間保持して第1の導電性高分子部を形成する
点以外は、第1の実施形態の製造方法と同様である。す
なわち、第1の導電性高分子部が、低温で、まずa)多
孔体をモノマー溶液又は酸化剤溶液のいずれか一方の溶
液に浸漬し、続いてb)他方の溶液に多孔体を所定時間
浸漬し、続いてc)上記多孔体を溶液から引き上げて、
溶液外に所定時間保持することにより形成される。
【0029】ここで、低温としては、例えば、モノマー
溶液及び酸化剤溶液が水溶液の場合、0℃から10℃が
好ましい。また、b)とc)の操作を1回以上繰り返し、
その後上記多孔体を、高温に保持しても良い。
【0030】以上のように、第3の実施形態によれば、
多孔体を溶液から引き上げて溶液外で所定の時間保持す
ることにより、多孔体に先に導入した液が次に導入する
液中に流出拡散する量を抑制できる。また、低温のモノ
マー溶液と酸化剤溶液を導入することにより反応速度を
低く抑制できるため、細孔内部まで酸化剤又はモノマー
溶液が十分に拡散し、重合するため、細孔内部を十分に
導電性高分子で充填でき、第1の導電性高分子部形成の
ための重合回数を減らすことができる。さらに、第2の
導電性高分子部が先に形成されているため、多孔体の外
表面の被覆性も十分確保されている。
【0031】〈第4の実施形態〉本実施の形態において
は、第2の実施形態において、2段階からなる第1の導
電性高分子部形成工程の各段階を、第3の実施形態にお
ける第1の導電性高分子部形成工程と同様の方法で行な
う点以外は、第2の実施形態の製造方法と同様である。
【0032】以上のように、第4の実施形態によれば、
第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1
の導電性高分子部の形成において、多孔体を溶液から引
き上げて溶液外で所定の時間保持することにより、多孔
体に先に導入した液が次に導入する液中に流出拡散する
量を抑制できるとともに、低温のモノマー溶液と酸化剤
溶液を導入することにより反応速度を低く抑制できるた
め、細孔内部まで酸化剤又はモノマー溶液が十分に拡散
し、重合するため、細孔内部を十分に導電性高分子で充
填できることから、より少ない重合回数で第1の導電性
高分子部が形成できる効果も得られる。
【0033】〈第5の実施形態〉本実施の形態において
は、第3の実施形態において、第2の導電性高分子部形
成工程が、まずa)多孔体をモノマー溶液及び酸化剤溶
液のいずれか一方の溶液に浸漬し、続いてb)他方の溶
液に多孔体を所定時間浸漬し、続いてc)上記多孔体を
溶液から引き上げて、溶液外に所定時間保持することか
らなる点以外は、第3の実施形態の製造方法と同様であ
る。
【0034】また、b)とc)の操作を1回以上繰り返
し、その後上記多孔体を、高温に保持しても良い。
【0035】以上のように、第5の実施形態によれば、
第3の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第2
の導電性高分子部の形成において、多孔体を溶液から引
き上げて溶液外で所定の時間保持することにより、多孔
体に先に導入した液が次に導入する液中に流出拡散する
量を抑制できることから、より少ない重合回数で第2の
導電性高分子部が形成できる効果が得られる。
【0036】〈第6の実施形態〉本実施の形態において
は、第4の実施形態において、第2の導電性高分子部形
成工程を、第5の実施形態における第2の導電性高分子
部形成工程と同様の方法で行なう点以外は、第4の実施
形態の製造方法と同様である。
【0037】以上のように、第6の実施形態によれば、
第4の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第2
の導電性高分子部の形成において、多孔体を溶液から引
き上げて溶液外で所定の時間保持することにより、多孔
体に先に導入した液が次に導入する液中に流出拡散する
量を抑制できることから、より少ない重合回数で第2の
導電性高分子部が形成できる効果が得られる。
【0038】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0039】モノマー溶液の調製について、イソプロピ
ルアルコールを10vol%含有する水溶液に1.0m
ol/lとなるようにピロールを溶解させて、モノマー
溶液とした。酸化剤溶液の調製について、イソプロピル
アルコールを10vol %含有する水溶液に、酸化剤
として硫酸鉄(III) を0.25mol/l、ドーパント
としてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の
形で0.03mol/lとなるように溶解させて、酸化
剤溶液1とした。また、イソプロピルアルコールを10
vol%含有する水溶液に、酸化剤として、硫酸鉄(II
I) を2.5mol/l、ドーパントとしてアルキルナ
フタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.03mo
l/lとなるように溶解させて、酸化剤溶液2とした。
さらに、イソプロピルアルコールを10vol %含有
する水溶液に、酸化剤として硫酸鉄(III)を0.75m
ol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレンスルホ
ン酸イオンをNa塩の形で0.03mol/lとなるよ
うに溶解させて、酸化剤溶液3とした。
【0040】次に、タンタル粉末をリードとともに圧縮
成形した後、焼成して1.4mm×3.0mm×3.8
mmの多孔体を形成し、タンタル多孔体の空孔表面およ
び外部表面をリン酸水溶液中で化成電圧20Vで化成し
て酸化皮膜誘電体層を形成し、コンデンサ用の多孔体と
した。準備したコンデンサ用の多孔体の誘電体層上に、
以下の化学酸化重合法により導電性高分子層を形成して
陰極とし、さらに外部に陰極の集電体としてのリード板
を設け電解コンデンサとし、120Hz、100kHz
での静電容量と漏れ電流を測定した。
【0041】なお、以下の各実施例、比較例におけるデ
ータは10個のコンデンサの平均値を示しており、漏れ
電流は10Vでの3分後の電流値である。また以下の表
1に、本実施例および比較例における電解コンデンサの
120Hz、100kHzの容量、漏れ電流、第1、第2
の導電性高分子部の形成工程の繰り返し数を示す。
【0042】
【実施例1】モノマー溶液と酸化剤溶液1を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を10回繰
り返し、第1の導電性高分子部を形成した。次にモノマ
ー溶液と酸化剤溶液2を25℃に保持し、モノマー溶液
に金属多孔体を浸漬し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸
化剤溶液2に浸漬し15分間保持した後、洗浄と乾燥を
おこなった。以上の操作を10回繰り返し、第2の導電
性高分子部を形成した。この時、第2の導電性高分子部
を形成する際のモノマーと酸化剤の反応速度は、第1の
導電性高分子部を形成する際のモノマーと酸化剤の反応
速度の約10倍である。得られたコンデンサの120H
zでの容量は148μFであり、容量達成率は92.5
%、100kHzでの容量は88μF、漏れ電流は0.
113μAであった。
【0043】
【実施例2】モノマー溶液と酸化剤溶液1を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を5回繰り
返し、第1の導電性高分子部を形成した。次にモノマー
溶液と酸化剤溶液2を25℃に保持し、モノマー溶液に
金属多孔体を浸漬し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸化
剤溶液2に浸漬し15分間保持した後、洗浄と乾燥をお
こなった。以上の操作を5回繰り返し、第2の導電性高
分子部を形成した。さらにモノマー溶液と酸化剤溶液1
を25℃に保持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬
し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し
15分間保持した後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の
操作を5回繰り返し、残りの第1の導電性高分子部を形
成した。この時、第2の導電性高分子部を形成する際の
モノマーと酸化剤の反応速度は、第1の導電性高分子部
を形成する際のモノマーと酸化剤の反応速度の約10倍
である。得られたコンデンサの120Hzでの容量は1
50μFであり、容量達成率は93.8%、100kH
zでの容量は89μF、漏れ電流は0.108μAであ
った。
【0044】
【実施例3】モノマー溶液と酸化剤溶液2を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔を浸漬し、7分間後に引
き上げ、直ぐに酸化剤溶液2に浸漬し15分間保持した
後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を5回繰り返
し、第2の導電性高分子部を形成した。 次にモノマー
溶液と酸化剤溶液1を25℃に保持し、モノマー溶液に
金属多孔体を浸漬し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸化
剤溶液1に浸漬し15分間保持した後、洗浄と乾燥をお
こなった。以上の操作を10回繰り返し、第1の導電性
高分子部を形成した。この時、第2の導電性高分子部を
形成する際のモノマーと酸化剤の反応速度は、第1の導
電性高分子部を形成する際のモノマーと酸化剤の反応速
度の約10倍である。得られたコンデンサの120Hz
での容量は152μFであり、容量達成率は95.0
%、100kHzでの容量は91μF、漏れ電流は0.
081μAであった。
【0045】
【実施例4】モノマー溶液と酸化剤溶液1を50℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥を行った。以上の操作を5回繰り返
し、第2の導電性高分子部を形成した。次にモノマー溶
液と酸化剤溶液1を25℃に保持し、モノマー溶液に金
属多孔体を浸漬し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸化剤
溶液1に浸漬し15分間保持した後、洗浄と乾燥をおこ
なった。以上の操作を10回繰り返し、第1の導電性高
分子部を形成した。この時、第2の導電性高分子部を形
成する際のモノマーと酸化剤の反応速度は、第1の導電
性高分子部を形成する際のモノマーと酸化剤の反応速度
の約4倍である。得られたコンデンサの120Hzでの
容量は150μFであり、容量達成率は93.8%、1
00kHzでの容量は90μF、漏れ電流は0.092
μAであった。
【0046】
【比較例1】モノマー溶液と酸化剤溶液1を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を20回繰
り返し、導電性高分子層を形成した。得られたコンデン
サの120Hzでの容量は135μFであり、容量達成
率は84.4%、100kHzでの容量は81μF、漏
れ電流は15.8μAであった。
【0047】
【比較例2】モノマー溶液と酸化剤溶液1を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液1に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を40回繰
り返し、導電性高分子層を形成した。得られたコンデン
サの120Hzでの容量は150μFであり、容量達成
率は93.8%、100kHzでの容量は88μF、漏
れ電流は0.26μAであった。
【0048】
【実施例5】モノマー溶液と酸化剤溶液3を5℃に保持
し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に引
き上げた。その後、酸化剤溶液3に浸漬し、10秒後に
引き上げ、5℃の冷蔵庫内で5分間保持する操作を4回繰
り返した。次に、前記多孔体を45℃の乾燥器内に10
分間入れて、モノマーと酸化剤の反応を終了させた後、
洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を5回繰り返し、
第1の導電性高分子部を形成した。次にモノマー溶液と
酸化剤溶液2を25℃に保持し、モノマー溶液に金属多
孔体を浸漬し、7分間後に引き上げ、直ぐに酸化剤溶液
2に浸漬し15分間保持した後、洗浄と乾燥をおこなっ
た。以上の操作を10回繰り返し、第1の導電性高分子
部を形成した。この時、第2の導電性高分子部を形成す
る際のモノマーと酸化剤の反応速度は、第2の導電性高
分子部を形成する際のモノマーと酸化剤の初期の反応速
度の約11倍である。得られたコンデンサの120Hz
での容量は152μFであり、容量達成率は95.0
%、100kHzでの容量は120μF、漏れ電流は
1.78μAであった。
【0049】
【実施例6】モノマー溶液と酸化剤溶液2を25℃に保
持し、モノマー溶液に金属多孔体を浸漬し、7分間後に
引き上げ、直ぐに酸化剤溶液2に浸漬し15分間保持し
た後、洗浄と乾燥をおこなった。以上の操作を5回繰り
返し、第2の導電性高分子部を形成した。次にモノマー
溶液と酸化剤溶液3を5℃に保持し、モノマー溶液に金
属多孔体を浸漬し、7分間後に引き上げた。その後、酸
化剤溶液3に浸漬し、10秒後に引き上げ、5℃の冷蔵
庫内で5分間保持する操作を4回繰り返した。次に、前
記多孔体を45℃の乾燥器内に10分間入れて、モノマ
ーと酸化剤の反応を終了させた後、洗浄と乾燥をおこな
った。以上の操作を5回繰り返し、第1の導電性高分子
部を形成した。この時、第2の導電性高分子部を形成す
る際のモノマーと酸化剤の反応速度は、第1の導電性高
分子部を形成する際のモノマーと酸化剤の初期の反応速
度の約11倍である。得られたコンデンサの120Hz
での容量は153μFであり、容量達成率は95.6
%、100kHzでの容量は122μF、漏れ電流は
0.095μAであった。
【0050】本発明の方法である実施例1〜実施例6の
方法においては、比較例1より重合回数が同等か、もし
くは少ないにも関わらず、容量の高周波特性を犠牲にす
ることなく、多孔体の外表面からの細孔まで十分に導電
性高分子により被覆されていて、比較例1より漏れ電流
値が小さく信頼性に優れていることがわかった。
【0051】実施例1と実施例5とを比較して、実施例
5では、第1の導電性高分子を形成する際、多孔体に先
に導入したモノマー溶液が次に導入する酸化剤溶液中に
流出拡散する量を抑制することにより、第1の導電性高
分子の収率が実施例1の約20%から約60%に向上
し、高周波領域でも高容量な電解コンデンサが得られた
が、多孔体外表面の導電性高分子の被覆が不十分とな
り、漏れ電流の大きなコンデンサとなった。しかし、実
施例5と実施例6とを比較すると、第2の導電性高分子
部を第1の導電性高分子部より先に形成した場合、重合
回数が少ないにもかかわらず、漏れ電流の小さな良好な
特性の電解コンデンサが得られた。
【0052】実施例1〜実施例4および実施例6の方法
と比較例2とを比較して、漏れ電流値が同等レベルのコ
ンデンサを製造する際、本発明によれば、導電性高分子
形成工程の繰り返し数がきわめて少なくて済むという効
果が確認された。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサの
製造方法によれば、多孔体陽極の細孔内部を充填してな
る第1の導電性高分子部を形成する工程と、上記多孔体
陽極の外表面を被覆してなる第2の導電性高分子部を形
成する工程とを設け、上記第2の導電性高分子部を形成
する工程において、重合速度を上記第1の導電性高分子
部形成工程における重合速度よりも大きくすることによ
り、多孔体外表面の被覆性を容易に向上させることがで
きる。そのため、導電性高分子で多孔体外表面を被覆及
び細孔内部を充填するのに要する重合回数を削減するこ
とが可能となり、生産性を向上できるとともに、漏れ電
流が小さく信頼性が高いコンデンサを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電解コンデンサの構
造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1:陽極、2:陽極リード、3:誘電体層、4:第1の
導電性高分子部、5:第2の導電性高分子部、6:カー
ボンペイント膜、7:銀ペイント膜、8:陰極リード
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚橋 正和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻 康暢 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 林 千春 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻川 義彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層を細孔内部と外表面に有する多
    孔体陽極と、該誘電体層の表面に化学酸化重合法により
    形成された導電性高分子からなる固体電解質層とを有す
    る固体電解コンデンサの製造方法において、上記多孔体
    陽極の細孔内部を充填してなる第1の導電性高分子部を
    形成する工程と、上記多孔体陽極の外表面を被覆してな
    る第2の導電性高分子部を形成する工程とを設け、上記
    第2の導電性高分子部を形成する工程におけるモノマー
    の重合速度を、上記第1の導電性高分子部形成工程にお
    けるモノマーの重合速度よりも大きくすることを特徴と
    する電解コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の導電性高分子部を形成後、上
    記第1の導電性高分子部を形成することを特徴とする請
    求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の導電性高分子部形成工程が2
    段階からなり、第1の段階で形成される導電性高分子の
    量を全細孔内部に形成される導電性高分子量の50体積
    %以下とし、続いて第2の導電性高分子部を形成し、さ
    らに第2の段階において、上記細孔内部に残りの第1の
    導電性高分子部を形成することを特徴とする請求項1に
    記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第2の導電性高分子部形成工程にお
    ける酸化剤濃度を、上記第1の導電性高分子部形成工程
    の酸化剤濃度より高くすることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一つに記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第2の導電性高分子部形成工程にお
    けるモノマー濃度を、上記第1の導電性高分子部形成工
    程のモノマー濃度より高くすることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一つに記載の電解コンデンサの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記第2の導電性高分子部形成工程にお
    ける重合反応温度を、上記第1の導電性高分子部形成工
    程の重合反応温度より高くすることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一つに記載の電解コンデンサの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記第2の導電性高分子部形成時のモノ
    マーの重合速度が、上記第1の導電性高分子部形成時の
    モノマーの重合速度の2倍以上、12倍以下であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電解
    コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記第1の導電性高分子部形成工程が、
    a)上記多孔体をモノマー溶液又は酸化剤溶液のいずれ
    か一方の溶液に浸漬する工程と、続いてb)他方の溶液
    に上記多孔体を所定時間浸漬する工程と、続いてc)上
    記多孔体を溶液から引き上げて、溶液外に所定時間保持
    する工程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一つに記載の電解コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記第2の導電性高分子部形成工程が、
    a)上記多孔体をモノマー溶液又は酸化剤溶液のいずれ
    か一方の溶液に浸漬する工程と、続いてb)他方の溶液
    に上記多孔体を所定時間浸漬する工程と、続いてc)上
    記多孔体を溶液から引き上げて、溶液外に所定時間保持
    する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か一つに記載の電解コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 弁金属の多孔体である陽極と、上記弁
    金属の酸化物からなる誘電体層と、モノマーの重合速度
    の異なる2つの導電性高分子形成工程により、誘電体層
    を介して形成された導電性高分子からなる固体電解質と
    を有することを特徴とする電解コンデンサ。
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