JPH0745481A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法

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JPH0745481A
JPH0745481A JP5187808A JP18780893A JPH0745481A JP H0745481 A JPH0745481 A JP H0745481A JP 5187808 A JP5187808 A JP 5187808A JP 18780893 A JP18780893 A JP 18780893A JP H0745481 A JPH0745481 A JP H0745481A
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conductive polymer
layer
dielectric
compound layer
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淳 小林
Takashi Fukami
隆 深海
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】弁作用金属1上に誘電体2を形成したのち、第
1の導電性高分子化合物層1、第2の導電性高分子化合
物層2を順次形成する。更に、グラファイト層5、電極
6形成後、電極リード7、8を引き出してコンデンサと
する。 【効果】第1の導電性高分子化合物層にポリアニリン
を、第2の導電性高分子化合物層にポリピロールを使用
した場合、CV積値23,000(/g)のコンデンサ
素子の容量出現率が99%へ改善でき、コンデンサの小
型化及び高密度実装への対応が可能となる。また第1の
導電性高分子化合物層にポリピロールを、第2の導電性
高分子化合物層にポリアニリンを使用した場合、高温放
置試験(150℃500時間)での周波数特性劣化がな
く、ますます機微しくなる電子部品の搭載環境への対応
も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性高分子化合物を固
体電解質とする固体電解コンデンサ及びその製造方法に
関し、特に非常に拡面化したコンデンサ素子においても
容量出現率が高くかつ周波数特性に優れた、あるいは耐
熱性に優れた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】科学技術の進歩に伴って電子機器の小型
化及び信頼性の向上が求められている。コンデンサに関
しても高周波数域まで良好な特性を有し、しかも信頼性
にすぐれた大容量固体電解コンデンサへの要求が高まっ
ており、このような要求に応えるための研究開発が活発
に行われている。
【0003】通常固体電解コンデンサは、タンタルある
いはアルミニウムなどの弁作用金属の多孔質成形体を第
1の電極(陽極)とし、その酸化皮膜を誘電体、二酸化
マンガン(MnO2 )や7、7’、8、8’−テトラシ
アノキノジメタン(TCNQ)錯塩等の固体電解質を第
2電極(陰極)の一部とする構造を有している。この場
合に、固体電解質には多孔質成形体内部の誘電体全面と
電極リード間を電気的に接続する機能と、誘電体皮膜の
欠陥に起因する電気的短絡を修復する機能とが必要とさ
れる。その結果、導電率は高いが誘電体修復機能のない
金属は固体電解質として使用できず、短絡電流による熱
などによって絶縁体に転移する二酸化マンガン等が用い
られてきた。しかしながら、二酸化マンガンを電極の一
部とするものでは、その導電率が十分でないため、高周
波数域でのインピーダンスが低下しない。また、TCN
Q錯塩を電極の一部とするものではTCNQ錯塩が熱分
解し易いため、耐熱性に劣っている。
【0004】最近、高分子の分野においても新しい材料
の開発が進み、その結果ポリアセチレン、ポリパラフェ
ニレン、ポリピロール、ポリアニリンなどの共役系高分
子に電子供与性や電子吸引性化合物(ドーパント)を添
加(ドーピング)した導電性高分子が開発されている。
特にポリピロール、ポリチオフェン等の複素五員環化合
物やポリアニリンは電解重合により容易に導電性高分子
が得られるので、コンデンサの固体電解質として利用さ
れている(特開昭64−36012号公報、特開平3−
64013号公報)。しかしながらこの方法は絶縁性の
酸化皮膜上に電解重合を行うので均一な導電性高分子膜
を形成することが非常に困難であった。そこで導電性プ
レコート層を形成した後酸化皮膜上に電解重合で導電性
高分子を形成する方法が広く応用されている(特開昭6
4−32619号公報、特開昭64−36012号公
報、特開昭64−74712号公報、特開平1−225
110号公報、特開平2−117121号公報、特開平
3−64013号公報)が、電解重合用の補助電極をコ
ンデンサ素子に近接して設置しなければならず量産性に
著しく欠けるという欠点があった。
【0005】そこで有機溶媒に可溶な導電性高分子を塗
布乾燥して固体電解質に利用する方法も提案されてい
る。例えば、金属酸化皮膜表面にあらかじめ重合したポ
リアニリンの溶液を塗布し乾燥する方法によってポリア
ニリンを形成し固体電解質とする固体電解コンデンサが
提案されている(特開平3−35516号公報)。しか
しながらこの方法は、ポリアニリン溶液の粘度が非常に
高く微細に拡面化した酸化皮膜全体に浸透せず、その結
果容量出現率(設計値に対する実際の静電容量値)が著
しく小さなコンデンサしか製造できないという欠点があ
った。この方法に対してアニリンモノマーを酸化皮膜上
で重合させてポリニリンを形成する方法もあるが、この
場合容量出現率は満足できてもポリアニリン自身の導電
率がポリピロールよりも率いため、得られるコンデンサ
の高周波領域での特性はポリピロールを使用したコンデ
ンサに劣るという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明において解決し
ようとする課題は以下の2点である。第1は非常に拡面
化したコンデンサ素子においても容量出現率を高くかつ
高周波領域まで良好な特性を付与するという課題であ
る。第2は高い耐熱性を付与するという課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、2層の異なる
導電性高分子を固体電解質として使用することにより、
第1に非常に拡面化したコンデンサ素子においても容量
出現率が高くかつ高周波領域まで良好な特性を有する固
体電解コンデンサとその簡便な製造方法を提供するこ
と、第2には耐熱性に優れた固体電解コンデンサとその
簡便なる製造方法を提供することにある。
【0008】すなわち前者の課題に対しては、非常に拡
面化した酸化皮膜上にアニリンモノマーを化学酸化重合
して得られるポリアニリンを第1層として漏れなく被着
させた後、より導電率が高いポリピロールを化学酸化重
合法でその外周に形成するという手段を有する。
【0009】また後者の課題に対しては、まず導電率が
高いポリピロールを第1層として酸化皮膜上に形成後、
耐熱性に優れるポリアニリンをその外周に化学酸化重合
法で形成するという手段を有する。
【0010】
【実施例】以下実施例に従って本発明を説明する。
【0011】図1は本発明実施例により製作される固体
電解コンデンサの断面構造を模式的に示す図である。陽
極となる弁作用金属1の表面は非常に拡面化されており
その表面積を大きくしてある。この最高壁面に沿って金
属酸化物の誘電体2を形成する。この誘電体2の表面に
本発明の主題である固体電解質であり、2層の導電性高
分子化合物層3,4をその最高の奥深くまでは入り込む
ように順次形成する。この導電性高分子化合物層4の反
対側に陰極となる金属の電極6を取り付ける。電極6と
導電性高分子化合物層4との間には電気的接触を良好に
保持するためにグラファイト層5を用いることもでき
る。電極リード7および8が取り付けられる。
【0012】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0013】長さ1mm、直径1mmの円柱状のタンタ
ル微粉末焼結体ペレット(CV積値(1g当たりの静電
容量μFと陽極酸化電圧Vとの積);23,000/
g)を0.1wt%硝酸水溶液中で16Vで陽極酸化
し、誘電体2を形成した。次いでエタノール70wt
%、水30wt%の混合溶媒に、アニリンとp−トルエ
ンスルホン酸とが等モルで溶媒重量に対して10wt%
となるように混合してアニリン溶液を調製した。
【0014】このアニリン溶液を0℃に保持しながら焼
結体ペレットを30秒間浸漬後、0℃25wt%ペルオ
キソ二硫酸アンモニウム水溶液に30秒間浸漬後、焼結
体ペレットを取り出し室温で30分間保持して重合を行
う工程を2回繰り返し、黒色のポリアニリンを第1の導
電性高分子化合物層3として誘電体2上に形成した。次
いでメタノール中にピロールとドデシルベンゼンスルホ
ン酸第二鉄とが1:2になるように混合したピロール溶
液を調製した。このピロール溶液を−30℃に保持しな
がら焼結体ペレットを1分間浸漬後、焼結体ペレットを
取り出し室温で30分間保持して重合を行う工程を4回
繰り返し、黒色のポリピロールを第2の導電性高分子化
合物層4として形成した。更にカーボンペースト(日本
アチソン(株)、アクアダグ)、銀ペースト(藤倉化成
(株)、ドータイトD−550)を順次塗布乾燥し、グ
ラファイト層5、電極6を形成した。最後に陰極リード
を引き出し、エポキシ樹脂で封止してコンデンサを完成
した。
【0015】長さ3mm、幅2mm、厚さ1mmの直方
体状のタンタル微粉末焼結体ペレット(CV積値;8,
300/g)を0.1wt%硝酸水溶液中で90Vで陽
極酸化し、誘電体2を形成した。次いでメタノール中
に、ピロールとドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄とが
1:2になるように混合したピロール溶液を調製した。
このピロール溶液を−30℃に保持しながら焼結体ペレ
ットを1分間浸漬後、焼結体ペレットを取り出し室温で
30分間保持して重合を行う工程を3回繰り返し、黒色
のポリピロールを第1の導電性高分子化合物層3として
誘電体2上に形成した。次いでメタノール70wt%、
水30wt%の混合溶媒に、アニリンとp−トルエンス
ルホン酸とが等モルで溶媒重量に対して15wt%とな
るように混合してアニリン溶液を調製した。このアニリ
ン溶液を0℃に保持しながら焼結体ペレットを30秒間
浸漬後、0℃25wt%ペルオキソ二流酸アンモニウム
水溶液に30秒間浸漬後、焼結体ペレットを取り出し室
温で30分間保持して重合を行う工程を5回繰り返し、
黒色のポリアニリンを第2の導電性高分子化合物層4と
して形成した。これ以外は実施例1と同様な方法でリー
ドを引き出してコンデンサを完成させた。
【0016】実施例1の長さ1mm、直径1mmの円柱
状のタンタル微粉末焼結体ペレット(CV積値27,0
00/g)を用いて、実施例1のアニリン溶液と酸化剤
溶液による重合工程を10回繰り返した。これ以外は実
施例1と同様な方法でリードを引き出してコンデンサを
完成させた。
【0017】実施例2の長さ3mm、幅2mm、厚さ1
mmの直方体状のタンタル微粉末焼結体ペレットを用い
て、実施例2のピロール溶液を使用して重合工程を15
回繰り返した。これ以外は実施例2と同様な方法でリー
ドを引き出してコンデンサを完成させた。
【0018】以上の実施例及び比較例におけるCV積
値、固体電解コンデンサに使用した導電性高分子層の種
類、容量出現率(C/C0 、電解溶液中における容量を
0 とする)、高温放置試験(150℃、500時間)
前後での漏れ電流(LC)及び共振周波数インピーダン
セ(Z)を表1に示す。
【0019】以上の結果の通り本発明のコンデンサは、
非常に拡面化したコンデンサ素子においても容量出現率
が高くかつインピーダンスが小さく周波数特性に優れて
いること、あるいは周波数特性に優れかつ耐熱性に優れ
ていることが認められた。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は非常に拡
面化されたコンデンサ素子において容量出現率が高くか
つ良好な周波数特性を有した固体電解コンデンサ及びそ
の製造方法を提供するものであり、今後も引き続き進展
するコンデンサを含む電子部品の小型化及び高密度実装
への対応が可能となる。また耐熱性に優れた固体電解コ
ンデンサ及びその製造方法を提供するものでもあり、ま
すます厳しくなる電子部品の搭載環境への対応も容易と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例により製作される固体電解コンデ
ンサの断面構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 弁作用金属 2 誘電体 3 第1の導電性高分子化合物層 4 第2の導電性高分子化合物層 5 グラファイト層 6 電極 7,8 電極リード
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】図1は本発明実施例により製作される固体
電解コンデンサの断面構造を模式的に示す図である。陽
極となる弁作用金属1の表面は非常に拡面化されており
その表面積を大きくしてある。この細孔壁面に沿って金
属酸化物の誘電体2を形成する。この誘電体2の表面に
本発明の主題である固体電解質であり、2層の導電性高
分子化合物層3,4をその下層の奥深くまでは入り込む
ように順次形成する。この導電性高分子化合物層4の反
対側に陰極となる金属の電極6を取り付ける。電極6と
導電性高分子化合物層との間には電気的接触を良好に保
持するためにグラファイト層5を用いることもできる。
電極リード7および8が取り付けられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】以上の実施例及び比較例におけるCV積
値、固体電解コンデンサに使用した導電性高分子層の種
類、容量出現率(C/C0 、電解溶液中における容量を
0 とする)、高温放置試験(150℃、500時間)
前後での漏れ電流(LC)及び共振周波数インピーダン
ス(Z)を表1および表2に示す。
【表1】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属の酸化皮膜を誘電体とし、2
    層の導電性高分子化合物が固体電解質である固体電解コ
    ンデンサにおいて、第1の導電性高分子化合物層が酸化
    剤を用いて化学酸化重合した導電性高分子化合物層から
    なることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記酸化剤を用いて化学酸化重合した導
    電性高分子化合物がポリアニリン、ポリピロールのいず
    れかであることを特徴とする請求項1記載の固体電解コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】 弁作用金属の酸化皮膜を誘電体とし、2
    層の導電性高分子化合物が固体電解質である固体電解コ
    ンデンサにおいて、第1の導電性高分子化合物層が酸化
    剤を用いて化学酸化重合した導電性高分子化合物層から
    なることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
JP5187808A 1993-07-29 1993-07-29 固体電解コンデンサ及びその製造方法 Pending JPH0745481A (ja)

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