JP2001167980A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JP2001167980A
JP2001167980A JP34448599A JP34448599A JP2001167980A JP 2001167980 A JP2001167980 A JP 2001167980A JP 34448599 A JP34448599 A JP 34448599A JP 34448599 A JP34448599 A JP 34448599A JP 2001167980 A JP2001167980 A JP 2001167980A
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千春 林
Emiko Igaki
恵美子 井垣
Hiroshi Shimada
博司 島田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性高分子の形成工程の回数を低減し、生
産性を向上させるとともにインピーダンス特性に優れた
固体電解コンデンサを得ることを目的とする。 【解決手段】 弁作用金属を有する多孔質体の陽極体2
に誘電体酸化皮膜層3を形成し、この陽極体2の表面に
複素環式モノマーを含有する重合溶液とpH4以下の酸
化溶液とを個々に含浸させて化学酸化重合により第1の
導電性高分子層4を形成し、続いて複素環式モノマーと
酸化剤を含有する混合溶液に含浸させて化学酸化重合に
より第2の導電性高分子層5を形成する固体電解コンデ
ンサの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学酸化重合により
形成される導電性高分子層を備えた固体電解コンデンサ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高周波化に伴って、電
子部品である電解コンデンサにも高周波領域でのインピ
ーダンス特性(以下ESR特性と記す)に優れた大容量
の電解コンデンサが求められてきている。
【0003】固体電解コンデンサにおいても例外ではな
く、これらを実現するために陽極の表面状態、誘電体酸
化皮膜の形成方法、電解質の改善、陰極の表面状態、コ
ンデンサ素子の構造などあらゆる角度から改善、検討が
なされている。
【0004】図2に代表的な固体電解コンデンサ素子の
構成を断面図を示す。図2に示すように、アルミニウム
やタンタル等の弁作用を有するエッチングされた金属箔
や焼結体11を陽極酸化して誘電体酸化皮膜層12を形
成した陽極体の表面に導電性高分子層13を形成し、こ
の導電性高分子層13の表面にカーボン層14及び銀層
15を順次積層して陰極層を形成し、最後に樹脂モール
ドなどで外装部(図示せず)を形成して構成されてい
る。なお、16は陽極導出部、17は陰極引出線であ
る。
【0005】上記導電性高分子層13の形成方法として
は、例えば米国特許第4697001号明細書並びに図
面に開示されているように、多孔質のコンデンサ素子を
モノマーを含むモノマー溶液と酸化剤を含む酸化溶液に
個々に繰り返し浸漬することにより、多孔質体の内部に
導電性高分子層13を形成させる方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記導
電性高分子層13の形成方法において、モノマー溶液と
酸化溶液の2つの溶液のうち、一方の溶液を含浸させた
多孔質体を他方の溶液に浸漬させると先に多孔質体に含
浸させておいた溶液がもう一方の溶液中に拡散して多孔
質体の内部の溶液濃度が低下してしまい、多孔質体の内
部の導電性高分子の被覆量が少なくなってしまうため、
容量特性やインピーダンス特性の劣化が起きていた。
【0007】そのために、多孔質体の内部の誘電体酸化
皮膜上を連続した導電性高分子で被覆し、本来の容量を
完全に引き出し、かつESR特性が低い固体電解コンデ
ンサを得るには、導電性高分子層13の形成する工程を
数十回繰り返す必要があり、生産性が非常に悪いという
課題を有していた。
【0008】また、導電性高分子層13の形成する工程
を数多く繰り返してできた導電性高分子層13は、導電
性高分子間の抵抗が高くなりESR特性が向上しないと
いう課題を有していた。
【0009】本発明はこのような課題を解決し、導電性
高分子層の形成する工程の回数を低減し、生産性を向上
させるとともにESR特性に優れた固体電解コンデンサ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、弁作用金属を有する多孔質体の陽極体に誘
電体酸化皮膜層を形成し、この陽極体の表面に複素環式
モノマーを含有する重合溶液とpH4以下の酸化溶液と
を個々に含浸させて化学酸化重合により第1の導電性高
分子層を形成し、続いて複素環式モノマーと酸化剤を含
有する混合溶液に含浸させて化学酸化重合により第2の
導電性高分子層を形成する方法としたものである。
【0011】この方法により、導電性高分子層の形成工
程の回数を低減し、生産性を向上させるとともにESR
特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができるも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、弁作用金属を有する多孔質体の陽極体に誘電体酸化
皮膜層を形成し、この陽極体の表面に複素環式モノマー
を含有する重合溶液とpH4以下の酸化溶液とを個々に
含浸させて化学酸化重合により第1の導電性高分子層を
形成し、続いて複素環式モノマーと酸化剤を含有する混
合溶液に含浸させて化学酸化重合により第2の導電性高
分子層を形成した後、この第2の導電性高分子層上に陰
極層を形成する製造方法としたもので、この方法によ
り、導電性高分子の化学酸化重合における反応速度を促
進させることができるため、多孔質体の内部に最初に含
浸させた溶液が次の溶液に浸漬したときに最初の溶液が
溶出する前に化学酸化重合が開始されるので、多孔質体
の内部に多くの導電性高分子を形成でき、導電性高分子
の形成回数を数回に低減できるという作用を有する。
【0013】なお、酸化溶液のpH値が4を越えると、
1回の化学酸化重合による導電性高分子の形成が少なく
なるので効果が発揮できず、化学酸化重合回数が増えて
しまう。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、pH4以下の酸化溶液が水溶液中で強
酸イオンを解離する酸からなるものである製造方法であ
り、この方法により、複素環式モノマーを化学酸化重合
させる重合効果が高く、また導電性の高い導電性高分子
層を得ることができるという作用を有する。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、酸化溶液が化学酸化重合中に強酸イオ
ンを生成する酸からなるものである製造方法であり、こ
の方法により、多孔質体の内部での酸化溶液のpHが指
数関数的に小さくなり、それに伴い化学重合反応が加速
度的に速くなるため、導電性高分子層の形成がさらに容
易に達成することができるという作用を有する。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の発明において、酸化溶液に酸を添加するよう
にした製造方法であり、この方法により酸化溶液の相溶
性が向上し、低温でも溶質の析出や分離が起こりにくく
なり、温度による反応速度の制御がより容易になり、安
定な導電性高分子層を得ることができるという作用を有
する。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、複素環式モノマーがピロールおよび/
またはチオフェンであり、導電性高分子層がポリピロー
ルおよび/またはポリチオフェンとした製造方法であ
り、この方法により、化学酸化重合効率および導電性の
高い導電性高分子層を得ることができるという作用を有
する。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、複素環式モノマーのチオフェンがエチ
レンジオキシチオフェンであり、導電性高分子層がポリ
エチレンジオキシチオフェンとした製造方法であり、こ
の方法により、化学酸化重合効率および導電性がさらに
高い導電性高分子層を得ることができるという作用を有
する。
【0019】なお、エチレンジオキシチオフェンの中で
も特に3.4−エチレンジオキシチオフェンを用いるの
が好ましい。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第1の導電性高分子層を複素環式モノ
マーを含有する重合溶液とpH4以下の酸化溶液とに個
々に含浸させて洗浄、修復化成、乾燥する工程を少なく
とも2回繰り返し行って形成し、かつ第2の導電性高分
子層を複素環式モノマーと酸化剤を含有する混合溶液に
含浸させて乾燥する工程を少なくとも2回繰り返し行っ
て形成し、その後修復化成をするようにした製造方法で
あり、この方法により、多孔質体の細孔の深部まで連続
した導電性高分子層を形成することができるので、容量
特性およびESR特性に優れた固体電解コンデンサを得
ることができるという作用を有する。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、洗浄する工程が電解質を含む水溶液中
で行うようにした製造方法であり、この方法により、導
電性高分子層の鉄濃度を極端に低く抑えることができる
ため、ESR特性をさらに良好にすることができるとい
う作用を有する。
【0022】以下、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態による固体電解
コンデンサの構成を概念的に示した断面図であり、同図
において、1はタンタル線等の弁作用金属からなる陽極
導出線、2は陽極導出線1の一端部が表出するように陽
極導出線1を埋設した弁作用金属微粉末を成形焼結して
得られた多孔質体の陽極体、3はこの陽極体2の表面に
陽極酸化により形成された誘電体酸化皮膜層、4はこの
誘電体酸化皮膜層3の表面に化学酸化重合により形成さ
れた第1の導電性高分子の固体電解質層、5は第1の導
電性高分子の固体電解質層4上に形成された第2の導電
性高分子の固体電解質層、6はカーボン層、7は導電性
接着層、8はこの導電性接着層7に接続された陰極引出
線である。
【0024】このように構成された本発明の固体電解コ
ンデンサは、上記陽極導出線1及び陰極引出線8の一部
が外部に表出するようにして図示しない外装樹脂で被覆
することによって構成したものである。
【0025】次に、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0026】(実施の形態1)まず、タンタル粉末をリ
ード線とともに成形した後、焼結して0.3mm×3.
0mm×4.0mmの陽極体を形成した後、この陽極体
の表面をリン酸水溶液を用いて化成電圧20Vで化成し
て誘電体酸化皮膜を形成した。
【0027】次に、上記陽極体をエチレングリコールを
10wt%含有する水溶液に複素環式モノマーとしてピ
ロールを1.0mol/l、ドーパントとしてアルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/l
となるように調整した重合溶液に5分間浸漬して引き上
げ、直ちにエチレングリコールを10wt%含有する水
溶液に酸化剤として硫酸鉄(III)を0.75mol/
lとなるように調整した酸化溶液(この時のpHは0.
5であった)に10分間浸漬して引き上げた後、この陽
極体を洗浄して修復化成し乾燥(100℃)を行った。
この一連の操作を5回繰り返して第1の導電性高分子層
を形成した。
【0028】次に、エチレングリコールを10wt%含
有する水溶液に複素環式モノマーとしてピロールを1.
0mol/l、酸化剤としてp−トルエンスルホン酸第
2鉄を0.75mol/l、ドーパントとしてアルキル
ナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.15mol/l
となるように調整した混合溶液に5分間浸漬して引き上
げて乾燥(120℃)した。この一連の操作を2回繰り
返し行って第2の導電性高分子層を得た。その後カーボ
ン層、導電性接着層を順次形成して陰極引出線を接続し
て、最後に陽極導出線及び陰極引出線の一部が外部に表
出するように外装樹脂で被覆してタンタル固体電解コン
デンサを作製した(Dサイズ:7.3×4.3×2.8
mm)。
【0029】(実施の形態2)上記実施の形態1におい
て、硫酸鉄(III)の濃度を0.5mol/l(この時
のpHは1.5であった)にした以外は実施の形態1と
同様にしてタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0030】(実施の形態3)上記実施の形態1におい
て、硫酸鉄(III)の濃度を0.2mol/l(この時
のpHは3.4であった)にした以外は実施の形態1と
同様にしてタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0031】(実施の形態4)上記実施の形態1におい
て、硫酸鉄(III)の濃度を0.15mol/l(この
時のpHは4.2であった)にした以外は実施の形態1
と同様にしてタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0032】(実施の形態5)上記実施の形態1におい
て、硫酸鉄(III)の代わりにペルオキソ2硫酸アンモ
ニウムに硫酸を添加した(この時のpHは1.0になる
ように硫酸で調整した)を用いた以外は実施の形態1と
同様にしてタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0033】(実施の形態6)上記実施の形態1におい
て、複素環式モノマーとしてピロールの代わりにエチレ
ンジオキシチオフェンを用いた以外は実施の形態1と同
様にしてタンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0034】(実施の形態7)上記実施の形態1におい
て、導電性高分子層の形成をエチレングリコールを10
wt%含有する水溶液に複素環式モノマーとしてピロー
ルを1.0mol/l、ドーパントとしてアルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/lとな
るように調整した重合溶液に5分間浸漬して引き上げ、
直ちにエチレングリコールを10wt%含有する水溶液
に酸化剤として硫酸鉄(III)を0.5mol/lとな
るように調整した酸化溶液(この時のpHは1.0であ
った)に10分間浸漬して引き上げた後、この陽極体を
1%のクエン酸水溶液で洗浄して、続いて修復化成して
乾燥(100℃)を行った。この一連の操作を3回繰り
返して第1の導電性高分子層を形成した。
【0035】次に、エチレングリコールを10wt%含
有する水溶液に複素環式モノマーとしてエチレンジオキ
シチオフェンを1.0mol/l、酸化剤としてp−ト
ルエンスルホン酸第2鉄を0.75mol/l、ドーパ
ントとしてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
0.15mol/lとなるように調整した混合溶液に5
分間浸漬して引き上げて乾燥(120℃)した。この一
連の操作を2回繰り返し行った後、湯洗、修復化成、乾
燥(80℃)して第2の導電性高分子層を得た以外は実
施の形態1と同様にしてタンタル固体電解コンデンサを
作製した。
【0036】(比較例1)上記実施の形態1において、
導電性高分子層の形成をエチレングリコールを10wt
%含有する水溶液に複素環式モノマーとしてピロールを
1.0mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムを0.25mol/lとなるよ
うに調整した重合溶液に5分間浸漬して引き上げ、直ち
にエチレングリコールを10wt%含有する水溶液に酸
化剤としてp−トルエンスルホン酸第2鉄を0.5mo
l/lとなるように調整した酸化溶液(この時のpHは
5.0であった)に10分間浸漬して引き上げた後、水
洗して修復化成を行い乾燥(100℃)した。この一連
の操作を15回繰り返して導電性高分子層を形成した以
外は実施の形態1と同様にしてタンタル固体電解コンデ
ンサを作製した。
【0037】(比較例2)上記実施の形態1において、
導電性高分子層の形成をエチレングリコールを10wt
%含有する水溶液に複素環式モノマーとしてチオフェン
を1.0mol/l、酸化剤としてp−トルエンスルホ
ン酸第2鉄を0.5mol/l、ドーパントとしてアル
キルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.15mol
/lとなるように調整した混合溶液(酸化溶液としての
pHは6.6であった)に5分間浸漬して引き上げて乾
燥(120℃)した。この一連の操作を15回繰り返し
行った後、水洗、修復化成、乾燥(80℃)して導電性
高分子層を形成した以外は実施の形態1と同様にしてタ
ンタル固体電解コンデンサを作製した。
【0038】以上のように作製した本発明の実施の形態
1〜7と比較例1および2のタンタル固体電解コンデン
サについて、120Hzでの容量特性、100kHzで
のインピーダンス特性、漏れ電流(定格電圧印加後30
秒値)を比較した結果を(表1)に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(表1)から明らかなように、本発明の実
施の形態1〜4のタンタル固体電解コンデンサは、pH
値が大きくなるにつれて多孔質体の内部の誘電体酸化皮
膜上の導電性高分子層が徐々に少なく形成されてしまう
ので、容量特性、ESR特性、漏れ電流とも悪化傾向に
あるが、比較例よりは優れている。しかし、pH値が4
を越えると容量特性、ESR特性、漏れ電流特性が比較
例に近づくので、pH値は4以下が好ましい。
【0041】また、実施の形態5のタンタル固体電解コ
ンデンサは、酸化溶液として化学酸化重合中に強酸イオ
ンを生成するペルオキソ2硫酸アンモニウムを用いたも
のであり、実施の形態6のタンタル固体電解コンデンサ
は、複素環式モノマーとしてピロールおよびチオフェン
を用いたものであるが、いずれも比較例に比べて優れた
容量特性、ESR特性、漏れ電流特性を示すことができ
た。
【0042】さらには、実施の形態7のタンタル固体電
解コンデンサは、第1の導電性高分子層を形成する際
に、化学酸化重合した後に電解質を添加した水溶液中で
洗浄する工程を加えたもので、これによりさらに優れた
容量特性、ESR特性、漏れ電流特性を示すことができ
た。
【0043】一方、比較例1および2のタンタル固体電
解コンデンサは、化学酸化重合回数を15回行っても、
本発明の実施の形態よりも上回る容量特性、ESR特
性、漏れ電流特性が得られなかった。特に酸化剤にp−
トルエンスルホン酸第2鉄を用いると、その特性は極端
に悪くなる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サの製造方法によれば、弁作用金属からなる多孔質体の
陽極体に誘電体酸化皮膜層を形成し、この陽極体の表面
に複素環式モノマーを含有する重合溶液とpH4以下の
酸化溶液とを個々に含浸させて化学酸化重合により第1
の導電性高分子層を形成し、続いて複素環式モノマーと
酸化剤を含有する混合溶液に含浸させて化学酸化重合に
より第2の導電性高分子層を形成する製造方法により、
多孔質体の内部の導電性高分子層の形成を容易に向上さ
せることができるため、導電性高分子層を形成するのに
必要な化学酸化重合回数を極端に低減して生産性を向上
させるとともに、容量特性およびESR特性に優れた固
体電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における固体電解コンデン
サの構成を示す断面図
【図2】従来の固体電解コンデンサ素子の構成を示す断
面図
【符号の説明】
1 陽極導出線 2 陽極体 3 誘電体酸化皮膜層 4 第1の導電性高分子層 5 第2の導電性高分子層 6 カーボン層 7 導電性接着層 8 陰極引出線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属からなる多孔質体の陽極体に
    誘電体酸化皮膜層を形成し、この陽極体の表面に複素環
    式モノマーを含有する重合溶液とpH4以下の酸化溶液
    とを個々に含浸させて化学酸化重合により第1の導電性
    高分子層を形成し、続いて複素環式モノマーと酸化剤を
    含有する混合溶液に含浸させて化学酸化重合により第2
    の導電性高分子層を形成した後、この第2の導電性高分
    子層上に陰極層を形成する固体電解コンデンサの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 酸化溶液が水溶液中で強酸イオンを解離
    する酸からなるものである請求項1に記載の固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化溶液が化学酸化重合中に強酸イオン
    を生成する酸からなるものである請求項1に記載の固体
    電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化溶液に酸を添加する請求項2または
    3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 複素環式モノマーがピロールおよび/ま
    たはチオフェンであり、導電性高分子層がポリピロール
    および/またはポリチオフェンである請求項1に記載の
    固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 複素環式モノマーのチオフェンがエチレ
    ンジオキシチオフェンであり、導電性高分子層がポリエ
    チレンジオキシチオフェンである請求項5に記載の固体
    電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の導電性高分子層を複素環式モノマ
    ーを含有する重合溶液とpH4以下の酸化溶液とに個々
    に含浸させて洗浄、修復化成、乾燥する工程を少なくと
    も2回繰り返し行って形成し、かつ第2の導電性高分子
    層を複素環式モノマーと酸化剤を含有する混合溶液に含
    浸させて乾燥する工程を少なくとも2回繰り返し行って
    形成し、その後修復化成をするようにした請求項1に記
    載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 洗浄する工程が電解質を含む水溶液中で
    行うようにする請求項7に記載の固体電解コンデンサの
    製造方法。
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