JP2000014331A - 食品素材およびその製造方法 - Google Patents
食品素材およびその製造方法Info
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- JP2000014331A JP2000014331A JP10190639A JP19063998A JP2000014331A JP 2000014331 A JP2000014331 A JP 2000014331A JP 10190639 A JP10190639 A JP 10190639A JP 19063998 A JP19063998 A JP 19063998A JP 2000014331 A JP2000014331 A JP 2000014331A
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- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
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- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Abstract
を包む多層膜からなる食品素材であって、該多層膜が、
ポリアニオン性高分子を主成分とする内膜とポリカチオ
ン性高分子を主成分とする外膜とからなる2層膜、又は
その繰り返し構造をとる多層膜であることを特徴とする
食品素材、及びその製造方法。 【効果】 外観上の欠点もなく、咀嚼、飲み込みが容易
な食品素材を提供する。
Description
を包む膜から構成される食品素材及びその製造方法に関
する。この食品素材は、保形性を有するため流動状食品
のように外観上の欠点もなく、また、流動状食品と同様
の咀嚼、飲み込み易さをもつので、種々の用途の食品材
料として利用することができる。
の食品の中には咀嚼、飲み込みが容易でないものがあ
る。このような食品は物理的処理(加熱、加温等)、生
化学的処理(pH、分解酵素等)によって軟らかくする
ことができるが、そのような処理のみでは咀嚼、飲み込
みを容易にできない場合もある。特に、咀嚼、飲み込み
能力の劣る人(咀嚼嚥下困難者)には、前記した処理で
は不十分である。このため、咀嚼嚥下困難者に対しては
食品をミキサー等で流動状にして、咀嚼、飲み込みを容
易にしているが、このような処理を行うと、色、形など
が元の食品とかけ離れてしまうので、違和感があり食欲
を失わせる要因となる。
記した違和感をある程度解消できる。流動状の食品に保
形性を付与する方法としては、流動状食品をアルギン酸
などと混合し、それをカルシウムイオンを含む溶液中に
浸漬し、食品表面にアルギン酸ゲルをつくる方法や、流
動状食品にゼラチンを添加し、冷却して固化させる方法
などが知られている。しかし、アルギン酸を用いた方法
では、時間が経つにつれ、表面のカルシウムイオンが内
部まで浸透し、食品全体がゲル化してしまい、食品内部
の流動性が失われるという欠点がある。また、ゼラチン
を用いた方法では、形成されるゲルが脆弱であるため取
り扱いが難しく、また、加熱により溶解してしまうため
その用途が限定されるという欠点もある。
嚼、飲み込みが容易であり、なおかつある程度の硬さを
持つ食品素材を提供することにある。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、流動状食品に保形
剤を添加した後、ポリアニオン性高分子を主成分とする
内膜とポリカチオン性高分子を主成分とする外膜とから
なる2層膜を形成させることにより、咀嚼、飲み込みが
容易であり、なおかつある程度の硬さを持つ食品素材を
製造できることを見出し、本発明を完成した。
混合物及びそれを包む多層膜からなる食品素材であっ
て、該多層膜が、ポリアニオン性高分子を主成分とする
内膜とポリカチオン性高分子を主成分とする外膜とから
なる2層膜、又はその繰り返し構造をとる多層膜である
ことを特徴とする食品素材である。
加し、冷却、成形した後、その成形物について以下の
(1)〜(3)の操作を少なくとも一回行うことを特徴
とする食品素材の製造方法である。 (1)ポリアニオン性高分子を含む溶液に浸漬する (2)ポリカチオン性高分子及び多価金属イオンを含む
溶液に浸漬する (3)水洗し、不要なポリカチオン性高分子及び多価金
属イオンを除去する
本発明の食品素材は、流動状食品と保形剤との混合物及
びそれを包む多層膜からなる食品素材であって、該多層
膜が、ポリアニオン性高分子を主成分とする内膜とポリ
カチオン性高分子を主成分とする外膜とからなる2層
膜、又はその繰り返し構造をとる多層膜であることを特
徴とするものである。この食品素材において流動状食品
と保形剤との混合物は、他に粘性多糖類を含んでよく、
ポリアニオン性高分子を主成分とする内膜は流動状食品
を含んでもよい。
性を付与するものであればどのようなものでもよく、例
えば、ゼラチン、ペクチン、ジュランガム等の増粘多糖
類、熱凝固蛋白質等などが使用できる。流動状食品と
は、ミキサーなどで流動状にした食品をいう。ポリアニ
オン性高分子を主成分とする膜とは、ポリアニオン性高
分子を含む溶液に浸漬した後、多価金属イオンを含む溶
液に浸漬することにより形成される膜をいう。ポリカチ
オン性高分子を主成分とする膜とは、ポリアニオン性高
分子を含む溶液に浸漬した後、ポリカチオン性高分子を
含む溶液に浸漬することにより形成される膜をいう。2
層膜の繰り返し構造をとる多層膜とは、前記2層膜の外
側にこれと同一構造の2層膜が一つ以上配置されている
ような膜をいう。
造することができる。まず、流動状食品に保形剤を添加
し、冷却後、成形する。流動状食品には、保形剤のほ
か、粘度を調整するために粘性多糖類を添加してもよ
い。ここで、使用する流動状食品は特に限定されず、野
菜、果実、畜肉類、魚介類、穀類などの各種食品を流動
状にしたものを使用することができる。添加する保形剤
の量は、冷却時に固化する範囲内であれば特に限定され
ないが、ゼラチンを用いる場合には、流動状食品100 g
あたり0.5 〜10g 添加するのが好ましく、1〜3g 添加
するのが更に好ましい。冷却時の温度は、氷結晶非生成
低温〜30℃とするのが好ましく、5〜10℃とするのが更
に好ましい。冷却時間は、0.5 〜24時間とするのが好ま
しく、16〜18時間とするのが更に好ましい。成形は、市
販の成形機を使って行うことができる。添加する粘性多
糖類としては、カラギーナン、コーンスターチ、セルロ
ースなどを使用することができる。添加する粘性多糖類
の量は、特に限定されないが、流動状食品100 g あたり
0.1 〜10g 添加するのが好ましく、0.5〜1.5 g 添加す
るのが更に好ましい。
子を含む溶液に浸漬する。この溶液には、ポリアニオン
性高分子のほか、膜に色・味をつけるために流動状食品
を添加してもよい。ここで、ポリアニオン性高分子は、
陰電荷を帯び、膜を形成できるものであればどのような
ものでもよく、例えば、ペクチン、アルギン酸、アルギ
ン酸塩類若しくは誘導体、カラギーナン、ジェランガ
ム、カルボキシメチルセルロースなどを使用することが
できる。アルギン酸塩類若しくは誘導体としては、アル
ギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエ
ステルなどを例示できるが、これらに限定されるわけで
はない。ポリアニオン性高分子の濃度は、使用する物質
の種類に応じて決めればよく、例えば、アルギン酸ナト
リウムを使用する場合は、0.5 〜2.0 %(w/v) とするの
が好ましく、ペクチンを使用する場合は0.5 〜1.5 %(w
/v) とするのが好ましい。溶液への浸漬時間は瞬時〜10
分とするのが好ましく、10秒〜1分とするのが更に好ま
しい。添加する流動状食品は、どのようなものでもよい
が、最初の成形物に使用した流動状食品と同一のものを
使用するのが好ましい。
分子及び多価金属イオンを含む溶液に浸漬する。ここ
で、ポリカチオン性高分子は、陽電荷を帯び、膜を形成
できるものであればどのようなものでもよく、例えば、
プロタミン、ポリリジン、キトサン、キチンなどを使用
することができる。ポリカチオン性高分子の濃度は、使
用する物質の種類に応じて決めればよく、例えば、プロ
タミンを使用する場合は、0.01〜10%(w/v) とするのが
好ましく、ポリリジンを使用する場合は0.01〜10%(w/
v) とするのが好ましい。多価金属イオンは、ポリアニ
オン性高分子をゲル化できるものであればどのようなも
のでもよく、例えば、カルシウムイオン、マグネシウム
イオン、鉄イオン、銅イオン、亜鉛イオン等を使用する
ことができる。多価金属イオンの濃度は、使用する物質
の種類に応じて決めればよく、例えば、カルシウムイオ
ンを使用する場合は、0.1 〜10%(w/w) とするのが好ま
しい。溶液への浸漬時間は10秒〜1時間とするのが好ま
しい。
し、不要なポリカチオン性高分子及び多価金属イオンを
除去する。これにより、ポリアニオン性高分子を主成分
とする内膜とポリカチオン性高分子を主成分とする外膜
とからなる2層膜を形成させることができる。
アニオン性高分子を含む溶液への浸漬、ポリカチオン性
高分子及び多価金属イオンを含む溶液への浸漬、水洗と
いった一連の操作を何度か繰り返してもよい。この一連
の操作を繰り返すことにより、4層以上の多層構造をと
る膜を形成させることができる。
は、咀嚼嚥下困難者用食品、調理食品、スープ等の具
材、飲料の固形具材、及びベビー食品などを挙げること
ができるが、これらに限定されるわけではない。また、
本発明の食品素材は、冷凍及び加熱によっても膜構造が
維持されるので、冷凍食品及びレトルト食品としても使
用できる。
し、ゼラチンを加えて混合した後、95℃で15分間加熱し
た。ゼラチンは、流動状ニンジン100gに対し3g 加え
た。この混合物を4℃で16時間冷却し、固化させた後、
成形機を用いて成形した。成形物をアルギン酸ナトリウ
ムを0.8 %含むニンジン懸濁液(25% w/v)に20秒間浸
漬後、直ちに塩化カルシウムとプロタミンを含む溶液
(塩化カルシウム 1.5% w/v、プロタミン 0.1% w/v)
に10分間浸漬して成形物の外面にアルギン酸とカルシウ
ムイオンの被膜と、プロタミンの被膜を同時に形成させ
た(処理物1)。
とプロタミンを取り除いて、本発明の食品素材を製造し
た。また、食品材料としてニンジンの代わりに、ブロッ
コリ、エビ、又はカボチャを使用し、上記と同様に本発
明の食品素材を製造した。
にし、ゼラチンを加えて混合した後、95℃で15分間加熱
した。ゼラチンは、流動状ニンジン100gに対し3g 加え
た。この混合物を4℃で16時間冷却し、固化させた後、
成形機を用いて成形した。成形物をアルギン酸ナトリウ
ムを0.8 %含むニンジン懸濁液(25% w/v)に20秒間浸
漬後、直ちに塩化カルシウムとプロタミンを含む溶液
(塩化カルシウム 1.5% w/v、プロタミン 0.1% w/v)
に10分間浸漬して成形物の外面にアルギン酸とカルシウ
ムイオンの被膜と、プロタミンの被膜を同時に形成させ
た(処理物1)。
とプロタミンを取り除いて、再びアルギン酸ナトリウム
0.8 %含むニンジン懸濁液(25% w/v)に20秒間浸漬
後、直ちに塩化カルシウムとプロタミンを含む溶液(塩
化カルシウム 1.5% w/v、プロタミン 0.1% w/v)に10
分間浸漬して成形物の外面にアルギン酸とカルシウムイ
オンの被膜と、プロタミンの被膜を同時に形成させた
(処理物2)。
とプロタミンを取り除いて、本発明の食品素材を製造し
た。また、食品材料としてニンジンの代わりに、ブロッ
コリ、エビ、又はカボチャを使用し、上記と同様に本発
明の食品素材を製造した。
の堅さを直線運動により物質の圧力応力を測定すること
が可能な装置を用いて測定した。測定は前記食品素材を
直径40mmの円筒型の容器に高さ15mmに充填し、直径20mm
プランジャーを用いて、圧縮速度10mm/sec、クリアラン
ス5mmとして行った(測定時の温度は20±2℃)。測定
の結果、食品素材の堅さは4.2 ×104 dyn/cm前後であ
り、厚生省の高齢者用食品の許可基準を満たす十分な堅
さを有することが確認された。
の流動状部分の粘度をB型回転粘度計を用いて算出し
た。粘度は、ローターの回転数を12 rpmとして、2分後
の示度を測定し(測定時の温度は20±2℃)、その測定
値から算出した。この結果、食品素材の流動状部分の粘
度は18500cps前後であり、厚生省の高齢者用食品の許可
基準を満たす十分な流動性を有することが確認された。
の堅さを直線運動により物質の圧力応力を測定すること
が可能な装置を用いて測定した。測定は前記食品素材を
直径40mmの円筒型の容器に高さ15mmに充填し、直径20mm
プランジャーを用いて、圧縮速度10mm/sec、クリアラン
ス5mmとして行った(測定時の温度は20±2℃)。測定
の結果、食品素材の堅さは6.5 ×104 dyn/cm前後であ
り、厚生省の高齢者用食品の許可基準を満たす十分な堅
さを有することが確認された。
の流動状部分の粘度をB型回転粘度計を用いて算出し
た。粘度は、ローターの回転数を12 rpmとして、2分後
の示度を測定し(測定時の温度は20±2℃)、その測定
値から算出した。この結果、食品素材の流動状部分の粘
度は18500cps前後であり、厚生省の高齢者用食品の許可
基準を満たす十分な流動性を有することが確認された。
を121 ℃、ゲージ圧1.5 kg/cm2G の条件で15分間加熱処
理を行った。処理後の食品素材を肉眼で観察したが、膜
構造の破損および流動状物質の物性変化はみられなかっ
た。 〔試験例6〕実施例1で製造した食品素材を−18℃で1
年間冷凍保存した。保存後の食品素材を解凍して肉眼で
観察したが、膜構造の破損および流動状物質の物性変化
はみられなかった。
この食品素材は、保形性を有するため流動状食品のよう
に外観上の欠点もなく、また、流動状食品と同様の咀
嚼、飲み込み易さをもつので、種々の用途の食品材料と
して利用することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 流動状食品と保形剤との混合物及びそれ
を包む多層膜からなる食品素材であって、該多層膜が、
ポリアニオン性高分子を主成分とする内膜とポリカチオ
ン性高分子を主成分とする外膜とからなる2層膜、又は
その繰り返し構造をとる多層膜であることを特徴とする
食品素材。 - 【請求項2】 流動状食品と保形剤との混合物が、粘性
多糖類を含むことを特徴とする請求項1記載の食品素
材。 - 【請求項3】 ポリアニオン性高分子を主成分とする内
膜が、流動状食品を含むことを特徴とする請求項1又は
2記載の食品素材。 - 【請求項4】 流動状食品に保形剤を添加し、冷却、成
形した後、その成形物について以下の(1)〜(3)の
操作を少なくとも一回行うことを特徴とする食品素材の
製造方法。 (1)ポリアニオン性高分子を含む溶液に浸漬する (2)ポリカチオン性高分子及び多価金属イオンを含む
溶液に浸漬する (3)水洗し、不要なポリカチオン性高分子及び多価金
属イオンを除去する - 【請求項5】 流動状食品に粘性多糖類を添加すること
を特徴とする請求項4記載の食品素材の製造方法。 - 【請求項6】 ポリアニオン性高分子を含む溶液に食品
素材を添加することを特徴とする請求項4又は5記載の
食品素材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19063998A JP3648385B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 食品素材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19063998A JP3648385B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 食品素材およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000014331A true JP2000014331A (ja) | 2000-01-18 |
JP3648385B2 JP3648385B2 (ja) | 2005-05-18 |
Family
ID=16261430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19063998A Expired - Lifetime JP3648385B2 (ja) | 1998-07-06 | 1998-07-06 | 食品素材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3648385B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008206420A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Fuji Oil Co Ltd | 食品水分移動防止用ポリイオンコンプレックス膜 |
JP2010166906A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-08-05 | Maruha Nichiro Foods Inc | プロタミン及び/またはその塩と酸性高分子化合物とを含む生理活性複合体及びその用途 |
-
1998
- 1998-07-06 JP JP19063998A patent/JP3648385B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008206420A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Fuji Oil Co Ltd | 食品水分移動防止用ポリイオンコンプレックス膜 |
JP2010166906A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-08-05 | Maruha Nichiro Foods Inc | プロタミン及び/またはその塩と酸性高分子化合物とを含む生理活性複合体及びその用途 |
US8399014B2 (en) | 2008-12-24 | 2013-03-19 | Maruha Nichiro Foods, Inc. | Physiologically active complex comprising protamine and/or salt therefor and an acidic macromolecular substance, and use thereof |
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---|---|
JP3648385B2 (ja) | 2005-05-18 |
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