JP2000004841A - 練り製品用酵素製剤および練り製品の製造法 - Google Patents
練り製品用酵素製剤および練り製品の製造法Info
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Abstract
を発揮し、硬さのみならずしなやかさも改善された、さ
らには保存性に関わるpHの変動を抑えた製品、すなわ
ち、品質の向上した水産練り製品および畜肉練り製品の
提供。 【解決手段】ランスグルタミナーゼ、アルカリ性無機塩
類、およびコーティングされた酸、または必要に応じて
のもしくは所望による食品用賦形剤を有効成分として含
有することを特徴とする水産練り製品および畜肉練り製
品の品質向上用酵素製剤、およびトランスグルタミナー
ゼ、アルカリ性無機塩およびコーティングされた酸を併
用することを特徴とする品質の向上した水産練り製品ま
たは畜肉練り製品の製造法。
Description
タミナーゼ、アルカリ性無機塩及びコーティングされた
酸を併含する水産練り製品及び畜肉練り製品の品質向上
用酵素製剤、並びに2)トランスグルタミナーゼ、アル
カリ性無機塩及びコーティングされた酸を併用する水産
練り製品又は畜肉練り製品の製造法に関する。
として一般的に求められるのは、いわゆるアシである。
練り製品のアシは、強さ(弾力)、歯切れ、きめなどの
要素からなる物理的な食感(テクスチャー)を言い、ア
シの良し悪しを評価する場合は、強さ(弾力)と歯切れ
が最も重視される、などといわれている(日本食品工業
学会編「新版食品工業総合事典」(株)光琳平成5年発
行参照)。弾力は硬さ(破断応力)と凹みで表現される
ことが多い。
を水産練り製品又は畜肉練り製品の製造工程中で添加し
ていた。しかし、斯る澱粉の添加は、硬さ(破断応力)
は増すものの、凹みがあまり大きくならない。凹みがあ
まり大きくならないという事実はしなやかさに欠けると
いうことにつながり、練り製品に(1)硬さ及び(2)
しなやかさの両方を求める現在の嗜好に合致しない。
求める現在の嗜好に対応する為に、種々の水産練り製品
用又は畜肉練り製品用製剤が市販されている。
程を含む製品(蒸し蒲鉾やリテーナー蒲鉾)などには有
効であるが、揚げ蒲鉾やミートボールに代表される「坐
り」工程のない連続式の生産設備ではほとんどその効果
が発揮できない。
Gと略することがある)はペプチド中のグルタミン残基
のγ−カルボキシアミド基と各種1級アミンとの間のア
シル移転反応及びグルタミン残基のγ−カルボキシアミ
ド基とリジン残基のε−アミノ基をアシル受容体とする
蛋白質分子間及び分子内のε-(γ−Glu)−Lys
架橋の形成を触媒する酵素であるが、このTGが、近
年、水産練り製品及び畜肉練り製品に良く利用されてき
ている(特公平6−55116号公報、特許第2705
024号公報、特許第2630829号公報、特開平9
−299065号公報、特開平2−186961号公
報、特開平4−158765号公報、等参照)。また、
TGを利用した水産練り製品用酵素製剤や畜肉練り製品
用酵素製剤も市販されている(特開平6−113793
号公報、特開平6−284867号公報、特開平8−8
0176号公報、等参照)。
りわけ上記特開平6−113796号公報に記載されて
いるTGと有機酸のアルカリ土類金属塩を組み合わせて
なるTGの酵素製剤は品質向上剤として非常に高い評価
を得ているが、それでもやはり一部の消費者から最終製
品における(1)硬さ及び(2)しなやかさの更なる向
上の要求がある。
をおこなう製剤も市販されているが、保存性などの問題
もあり、使用量は自ずと制限され効果は十分に発揮でき
ない。
背景下に、本発明の目的は、「坐り」工程がない連続生
産設備でも充分効果を発揮し、硬さのみならずしなやか
さも改善された、さらには保存性に関わるpHの変動を
抑えた製品、すなわち、品質の向上した水産練り製品お
よび畜肉練り製品またはそのような製品の提供を可能と
する酵素製剤を提供することにある。
課題を解決するために鋭意研究を行った結果、「坐り」
工程を含まなくとも充分に弾力およびしなやかさを発揮
させるためには、トランスグルタミナーゼとアルカリ性
無機塩類を組み合わせる、すなわち、併用することによ
って練り製品の品質向上、すなわち、硬さおよびしなや
かさの向上が可能になることを見出した。さらに、アル
カリ性無機塩の使用によるpHの上昇は製品の保存性低
下が懸念されるが、コーティングされた酸を加熱工程前
において(例えば、練り肉の作成工程において)加える
ことによって、加熱後のpHが元に戻り、保存性低下が
改善されることを見いだした。そして、これらの知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
ーゼ、アルカリ性無機塩類、およびコーティングされた
酸、または必要に応じてのもしくは所望による食品用賦
形剤を有効成分として含有することを特徴とする水産練
り製品および畜肉練り製品の品質向上用酵素製剤、およ
びトランスグルタミナーゼ、アルカリ性無機塩およびコ
ーティングされた酸を併用することを特徴とする品質の
向上した水産練り製品または畜肉練り製品の製造法に関
する。
る。
練り製品としては、例えば、蒸し蒲鉾、揚げ蒲鉾、カニ
足蒲鉾、竹輪、魚肉ハム・ソーセージ、ハンバーグ、ミ
ートボール、ソーセージ、ハムなどを挙げることができ
る。
ルタミナーゼには、周知のように、カルシウム非依存性
のものとカルシウム依存性のものとがある。前者の例と
しては、微生物由来のもの(例えば、特開昭64−27
471号公報参照)を挙げることができる。後者の例と
しては、モルモット肝臓由来のもの(特公平1−503
82号公報参照)、魚由来のもの(例えば、関信夫ら
「日本水産学会誌」56巻1号125頁(1990))
などを挙げることができる。この他、遺伝子組み換えに
より製造されるもの(特開平1−300889号公報、
同5−199883号公報、同6−225775号公報
等参照)を挙げることができる。本発明には、いずれの
トランスグルタミナーゼでも用いることができ、起源及
び製法に制限されるところはない。ただし、機能性及び
経済性の点から、現時点では好ましくはカルシウム非依
存性のものがよい。例えば、上述の微生物由来のトラン
スグルタミナーゼ(前掲特開昭64−27471)は、
いずれの条件も満足するものであり、現時点では最適と
いえる。
用可能である限り特別の制限はなく、例えばリン酸三ナ
トリウム、リン酸水素二ナトリウム、重合リン酸塩、炭
酸カルシウムなどを挙げることができる。
ては、これも食品添加物として使用可能である限り特別
の制限はなく、例えば、L−グルタミン酸、コハク酸、
コハク酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、クエン
酸一カリウム、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、DL
−リンゴ酸、ソルビン酸などの有機酸やリン酸などの無
機酸を挙げることができる。また、コーティング剤に関
しても食品添加物として使用可能である限り特別の制限
はなく、例えば牛脂などの固体脂、例えば蜜ロウなどの
ワックス等を挙げることができる。
ィング剤でコーティングする方法自体にも特別の制限は
なく、例えばスプレークーリング設備などのコーティン
グ機を使用してコーティングすることができる。コーテ
ィングの程度は、練り製品を作成する場合の通常の練り
工程で芯成分の酸が溶出しない程度のコーティングであ
れば問題ない。勿論、この範囲は一応の目安であり、こ
の範囲に限定されるものではない。なお、コーティング
された酸としては、フマール酸のコーティング物である
「FC33」などの市販のものを使用できることはいう
までもない。
ゼ、アルカリ性無機塩およびコーティングされた酸を同
時に含有する(併含する)本発明の水産練り製品及び畜
肉練り製品の品質向上用酵素製剤を作成するにはなんら
特別の困難はなく、必須の有効成分としてトランスグル
タミナーゼ、アルカリ性無機塩およびコーティングされ
た酸を含有せしめることを除いては従来公知の、この分
野における製剤方法に適宜準ずることができる。
グルタミナーゼとアルカリ性無機塩とコーティングされ
た酸の配合割合は、求める食感の方向性および練り製品
の保存性の見地から定められ、対象となる練り製品のト
ランスグルタミナーゼの反応条件にもよるが、例えばト
ランスグルタミナーゼ1ユニット当たり、通常、アルカ
リ性無機塩0.1〜150mg、好ましくは1〜15m
g、とすることができ、そしてコーティングされた酸を
通常0.05〜100mg、好ましくは0.5〜10m
g、とすることができる。勿論、この範囲は一応の目安
であり、これに限定されるものではない。
あるいは使い勝手の観点から、例えば、澱粉、デキスト
リン、乳糖などの食品用賦形剤を配合することも、もち
ろん可能である。さらには、本発明の酵素製剤には、通
常の水産練り製品および畜肉練り製品に添加される卵
白、大豆蛋白、小麦蛋白、血漿蛋白、増粘多糖類、植物
繊維、カルシウム製剤などの副原料を適宜含有させても
構わない。また、酵素の安定化剤(塩化カルシム、アス
コルビン酸など)を含ませたり、酵素製剤の粉体特性
(溶解性、分散性、粉立ち防止など)を改良する副原料
を含有させても差し支えない。
トランスグルタミナーゼ、コーティングされた酸及びア
ルカリ性無機塩の三者を有効成分として含有するもので
はあるが、トランスグルタミナーゼ及びコーティングさ
れた酸を有効成分とする酵素製剤に加えてアルカリ性無
機塩を使用して本発明の酵素製剤と同等の作用を発現せ
しめること、およびトランスグルタミナーゼ及びアルカ
リ性無機塩を有効成分とする酵素製剤に加えてコーティ
ングされた酸を使用して、同じく本発明の酵素製剤と同
等の作用を発現せしめることは、いずれも、極めて容易
になしうることである。
ィングされた酸及びアルカリ性無機塩を有効成分として
含有する酵素製剤は、後に実際に使用するときにアルカ
リ性無機塩またはコーティングされた酸を併用すること
を前提に、トランスグルタミナーゼ及びコーティングさ
れた酸を有効成分とするまたはトランスグルタミナーゼ
及びアルカリ性無機塩を有効成分とする酵素製剤の形態
で流通に置くこともできる。
ーゼ、アルカリ性無機塩およびコーティングされた酸を
併用して水産練り製品または畜肉練り製品を製造するの
にもなんら特別の困難はない。これらの練り製品の製造
過程に含まれる魚肉または畜肉の練り肉の作成工程にお
いて、従来の原材料に加えてトランスグルタミナーゼ、
アルカリ性無機塩およびコーティングされた酸を添加し
て練り肉を作成することを除いては、原材料の種類、配
合比率を含めて全て従来の製造法に準ずることができる
からである。
カリ性無機塩およびコーティングされた酸として、上に
説明した本発明の酵素製剤(食品用賦形剤を配合したも
のも、もちろん含まれる)を用いることもできる。ま
た、別途アルカリ性無機塩またはコーティングされた酸
を添加することを前提として、上に説明した、トランス
グルタミナーゼ及びコーティングされた酸またはトラン
スグルタミナーゼ及びアルカリ性無機塩を有効成分とし
て含有する酵素製剤を使用することもできる。
述べたように、求める食感の方向性の見地から定めら
れ、トランスグルタミナーゼの反応条件にもよるが、例
えば、練り製品の原材料に含まれる蛋白1g当たり、ト
ランスグルタミナーゼを、通常、0.01〜100ユニ
ット、好ましくは0.1〜10ユニット添加することが
できる。勿論、これらの範囲は一応の目安であり、これ
に限定されるものではない。
量)は、塩溶性蛋白ミオシンの溶出促進の見地から定め
られ、練り肉のpHを+0.03〜+0.5の範囲で上
昇させる量である。実際上は、+0.05〜+0.4の
範囲の上昇が好ましい。
用量)は、アルカリ性無機塩の使用によるpHの上昇を
元に戻す目的から定められ、蛋白1g当たり、0.05
〜100mg、好ましくは0.5〜10mg、の範囲と
することができる。勿論、これらの範囲は一応の目安で
あり、これに限定されるものではない。
説明すると、例えば、水産練り製品の製造の場合、例え
ば、原材料として冷凍すり身(スケソウタラ、イトヨ
リ、ホキ、グチなど)を主原料とし、副原料として、適
宜、卵白、澱粉、調味料等が使用される。本発明の製造
法では、原材料に、これらの主副原料に加えて、トラン
スグルタミナーゼ、アルカリ性無機塩およびコーティン
グされた酸、更に必要によりまたは所望により食品用賦
形剤を使用することを特徴とする。
ーゼは、その触媒作用により蛋白質分子間及び分子内の
ε−(γ−Glu)−Lys架橋の形成を触媒する。
品および畜肉練り製品が硬さおよびしなやかさにおいて
品質の向上をみるのは、この架橋形成によるものと思わ
れる。この場合、トランスグルタミナーゼは、魚肉また
は畜肉の練り肉に含まれている蛋白質の分子間に架橋を
形成する。
と基質との混合物を酵素作用の発現に適する温度、時間
などの条件下に保持する必要がある。しかしながら、本
発明による練り製品の製造の場合は、特別にそのような
条件を考えなくてもトランスグルタミナーゼの酵素作用
が発現していることは、後掲実施例にみる通りである。
これは、アルカリ性無機塩の使用によるpHの上昇がト
ランスグルタミナーゼの至適作用域の点から好ましいと
同時に魚肉または畜肉からのミオシンの溶出の点からも
好ましく、両者が相俟って反応時間の短縮に寄与してい
ることによるものと考えられる。このことは、また、本
発明の製造法によれば、トランスグルタミナーゼの使用
効率がよく、延いてはその使用量の節減にもつながるこ
とを意味する。
塩を併用すると得られる練り製品の食感が向上するが、
その保存性が低下する。これは、各種の腐敗菌がアルカ
リ性下が繁殖しやすいことによる。そこで、本発明で
は、練り製品の仕上げ工程での加熱により融解するコー
ティングされた酸を使用してアルカリ性無機塩の使用に
より上昇したpHを元に戻すのである。
ルタミナーゼは失活する。
説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
ナーゼは、特に記載がない限り、放線菌ストレプトベル
チシリウム(Streptoverticillium
mobaraense IFO 13819)起源の
もので、比活性は1000ユニット/gであった。ま
た、活性の測定は、前掲特開昭64−27471号公報
記載の方法によった。
よび畜肉練り製品の物性評価は、レオメーターで次のよ
うに破断応力(硬さ)および凹み(しなやかさ)の測定
をして行った。
不動工業(株)製のレオメーターにより5mm球形プラン
ジャーを用いて測定した。サンプルの形状は水産練り製
品の場合は直径30mm、高さ30mmとし、そして畜
肉製品では直径16mm、高さ20mmとした。試料が
破断するのに要した応力を破断応力、そして破断するま
でのプランジャーの移動した距離を凹みとして表した。
測定した破断応力の値が高い程、弾力のあることを示
す。また、測定した凹みの大きい程、しなやかであるこ
とを示す。
評価員による、試作練り製品の食感の好ましさについて
の評価(合議結果)である。
ルカリ性無機塩)130gおよびコーティングされたフ
マル酸「FC33」60gに加えて補助基質として大豆
蛋白「アジプロン」FT(味の素(株)製)808gを
混合して酵素製剤を得た。なお、この酵素製剤中のリン
酸三ナトリウムおよび[FC33」の量は、それぞれト
ランスグルタミナーゼ1ユニット当たり6.5mgおよ
び3mgであった。
すり身6,000gに食塩180gおよび氷水3,60
0gを加え、サイレントカッターで良く攪拌した。次
に、馬鈴薯澱粉「エスサン銀嶺」(味の素(株)製)30
0g、砂糖300g、みりん120g、うま味調味料
「味の素」(味の素(株)製)60gおよび上記配合によ
る酵素製剤18gを添加後、サイレントカッターにて最
終品温が8〜12℃になるように攪拌した。この程度の
温度ではコーティングは融解せず、攪拌物のpHは7.
0であった。なお、トランスグルタミナーゼの添加量
は、原料すり身中の蛋白1g当たり0.3ユニットであ
った。また、コーティングされた酸の添加量は、原料す
り身中の蛋白1g当たり1.8mgであった。
ューブに充填し、95℃で30分間加熱してケーシング
蒲鉾を得た(試料1)。この加熱の間にコーテイングは
融解し、蒲鉾のpHは6.8に低下していた。
鉾(pH6.8)を試作した(試料2)。また、上記酵
素製剤の代わりに弾力増強の効果を有すると云われるカ
ルシウム製剤を3g添加して蒲鉾(pH7.2)を試作
した(試料3)。
性を測定した結果および官能評価の結果を下記第1表に
示す。
よび試料3と比べても硬さおよびしなやかな食感である
ことがわかる。また、官能評価は経験豊かな10名のパ
ネルを用い、10点満点法で行った。平均点を5.0と
した。
0g、コーティングされたフマール酸「FC33」15
0g、および乳糖545gを混合して酵素製剤を得た。
なお、酵素製剤中のアルカリ性無機塩類の量はトランス
グルタミナーゼ1ユニット当たり7.5mg、また、コ
ーティングされた酸の量は3.75mgであった。
254g、食塩19.5g、砂糖14.5g、亜硝酸N
a0.2g、大豆蛋白15g、カゼインNa10g、ア
スコルビン酸Na0.8g、うま味調味料「味の素」
(味の素(株)製)2g、香辛料5g、及び上記酵素製剤
3gを配合し、サイレントカッターで約10分カッティ
ングして最終温度が約10℃になるように仕上げた練り
肉を得た(pH6.2)。なお、トランスグルタミナー
ゼは、原料豚肉中の蛋白1g当たり2.4ユニットであ
った。また、コーティングされたフマール酸の量は蛋白
1当たり9mgであった。。
ンケーシングに充填後60℃で30分乾燥、60℃で1
0分スモーク、そして78℃で40分蒸気加熱してソー
セージ(pH5.8)を得た(試料1)。
は全て同条件でソーセージ(pH5.9)を試作した
(試料2)。また、上記酵素製剤の代わりに重合リン酸
塩3gを添加したソーセージ(pH6.1)を試作した
(試料3)。
物性を測定した結果、加熱歩留まりおよび官能評価の結
果を下表第2表に示す。ここに、加熱歩留まりは、加熱
前後の重量比のことを言い、値が高い程好ましい。な
お、官能評価は実施例1と同様に行った。
大幅に弾力(硬さ及びしなやかさ)が増している。食感
的にもまとまり、歯ごたえが大きくなっていた。同様
に、試料3に比べても硬さ及びしなやかさが向上してい
ることが分かる。このように、本発明の酵素製剤は重合
リン酸塩の機能をも上回っていることが分かる。
0g、コーティングされた酸200gおよび大豆蛋白
「アジプロン」FT294gを混合して酵素製剤を得
た。なお、この酵素製剤中のコーティングされた酸の量
は、トランスグルタミナーゼ1ユニット当たり3.3m
gであった。また、アルカリ性無機塩でありリン酸三ナ
トリウムの量は、トランスグルタミナーゼ1ユニット当
たり10mgであった。
たすり身6,000gに食塩180gおよび氷水4,0
00gを加え、サイレントカッターで良く攪拌した。次
に、馬鈴薯澱粉「エスサン銀嶺」(味の素(株)製)60
0g、砂糖300g、みりん120g、うま味調味料
「味の素」(味の素(株)製)60gおよび上記配合によ
る酵素製剤12gを添加後、サイレントカッターにて最
終品温が8〜12℃になるように攪拌して練り肉(pH
7.3)を得た。なお、トランスグルタミナーゼは原料
すり身中の蛋白1g当たり1.2ユニットであった。ま
た、コーティングされた酸は原料すり身中の蛋白1g当
たり4mgであった。
状に成型し、特別に反応時間をおくことなく170℃の
大豆油「大豆白絞油:味の素」(味の素(株)製)で5分
間揚げて揚げ蒲鉾(pH7.0)を得た(試料1)。
げ蒲鉾(pH6.9)を試作した(試料2)。また、上
記酵素製剤の代わりに炭酸カルシウムを12g添加して
揚げ蒲鉾(pH7.0)を試作した(試料3)。
物性を測定した結果および官能評価結果を下記第3表に
示す。なお、官能評価は実施例1と同様に行った。
び3より弾力(硬さおよびしなやかさ)が増していた。
また、試料1は、食感的にもまとまりがあり、歯ごたえ
もあり、極めて好ましいものであった。この結果から
も、本発明の酵素製剤は優れたものであることが分か
る。また、この例から分かるように、トランスグルタミ
ナーゼの反応に特別の時間を要することなく、反応時間
はほぼ0でも十分効果があった。
300g、コーティングされたコハク酸100gおよび
タピオカ澱粉(日本食品化工(株)製)597gを混合し
て酵素製剤を得た。なお、トランスグルタミナーゼ1ユ
ニット当たり、リン酸水素二ナトリウムおよびコーティ
ングされたコハク酸の量は、それぞれ、10mgおよび
3.3mgであった。
すり身6,000gに食塩180gおよび氷水4,20
0gを加え、サイレントカッターで良く攪拌した。次
に、馬鈴薯澱粉「エスサン銀嶺」(味の素(株)製)60
0g、砂糖300g、みりん120g、うま味調味料
「味の素」(味の素(株)製)60gおよび上記配合によ
る酵素製剤18gを添加後、サイレントカッターにて最
終品温が8〜12℃になるように攪拌して練り肉(pH
7.0)を得た。なお、トランスグルタミナーゼの添加
量は、原料すり身中の蛋白1g当たり0.9ユニットで
あった。また、コーティングされたコハク酸は、蛋白1
g当たり3mg、そしてリン酸水素二ナトリウムは蛋白
1g当たり9mgであった。
充填し、雰囲気温度78℃で焼いて竹輪(pH6.7)
を得た(試料1)。
輪(pH6.8)を試作した(試料2)。また、上記酵
素製剤の代わりに炭酸カルシウムを1.8g添加して竹
輪(pH7.2)を試作した(試料3)。
ターで物性を測定した結果および官能評価結果を下記第
4表に示す。なお、官能評価は実施例1と同様に行っ
た。
び3に比較して、破断応力および凹みとも高く、弾力
(硬さおよびしなやかさ)を有していた。また、官能評
価の結果も、試料1は硬くかつしなやかで、極めて優れ
た食感を有していた。
0g、コーティングされたフマール酸一ナトリウム20
0gおよびタピオカ澱粉(日本食品化工(株)製)294
gを混合して酵素製剤を得た。なお、トランスグルタミ
ナーゼ1ユニット当たり、リン酸三ナトリウムは8.3
mg、そしてコーティングされたフマール酸一ナトリウ
ムは3.3mgであった。
すり身6000gに食塩180gおよび氷水4,200
gを加え、サイレントカッターで良く攪拌した。次に、
馬鈴薯澱粉「エスサン銀嶺」(味の素(株)製)600
g、卵白「粉末卵白」(太陽化学(株)製)90g、砂
糖300g、みりん120g、うま味調味料「味の素」
(味の素(株)製)60g、カニフレーバー「カニフレー
バーCS」(小川香料(株)製)4.8gおよび上記配
合による酵素製剤12gを添加後、サイレントカッター
にて最終品温が8〜12℃になるように攪拌して練り肉
(pH7.2)を得た。この時のトランスグルタミナー
ゼの添加量は、原料すり身中の蛋白1g当たり1.2ユ
ニットであった。また、蛋白1g当たり、コーティング
されたフマール酸一ナトリウムは10mg、そしてリン
酸三ナトリウムは4mgであった。
1.5mmのシート成型用ノズルに通して薄膜状に成型
した。このシートの厚みは1.0〜1.5mmであっ
た。これを常温で30分放置してから蒸し器で加熱した
(85℃で30分)。冷却後、2mmの間隔をもつ線切
りローラーにかけてそうめん状切断した後、そのものを
約100本ほど束にしてから、長さ約80mmでナイフ
により繊維束を切断することによってカニ足蒲鉾(pH
7.0)を得た(試料1)。
ニ足蒲鉾(pH7.0)を試作した(試料2)。また、
上記酵素製剤の代わりに重合燐酸塩を12g添加してカ
ニ足蒲鉾(pH7.3)を試作した(試料3)。
果を下記第5表に示す。なお、官能評価は実施例1の方
法に従って実施した。
結果から分かるように、試料2および3に比較して、硬
くかつしなやかな食感を有し、極めて優れたものであっ
た。
ゼ、アルカリ性無機塩およびコーティングされた酸を組
み合わせることにより、低級魚肉すり身の品質向上また
は畜肉の品質向上が可能となり、延いては、たとえこの
ような低級品の原材料からでも硬くてしかもしなやかな
食感の水産練り製品および畜肉練り製品を製造すること
が容易となる。また、従来のpHの変動が少ないので、
保存性や味や風味に影響を与えずに食感を改良すること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】トランスグルタミナーゼ、アルカリ性無機
塩およびコーティングされた酸を有効成分として併含す
ることを特徴とする水産練り製品用又は畜肉練り製品用
酵素製剤。 - 【請求項2】トランスグルタミナーゼとアルカリ性無機
塩およびコーティングされた酸のいずれか一方とを有効
成分として併含することを特徴とする水産練り製品用又
は畜肉練り製品用酵素製剤。 - 【請求項3】請求項1または2記載の酵素製剤を使用す
ることを特徴とする水産練り製品又は畜肉練り製品の製
造法。 - 【請求項4】トランスグルタミナーゼ、アルカリ性無機
塩およびコーティングされた酸を併用することを特徴と
する水産練り製品又は畜肉練り製品の製造法。
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