WO2020022258A1

WO2020022258A1 - コンバイン及び収穫機

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Publication number: WO2020022258A1
Application number: PCT/JP2019/028643
Authority: WO
Inventors: 新家衛; 吉田有作; 熊取剛; 北原貴志; 丹後芳史; 東瀧燎平; 西村俊成; 日野真和; 林翔太; 北村信樹
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 2018-07-24
Filing date: 2019-07-22
Publication date: 2020-01-30
Also published as: EP3827661A1; US20210227753A1; CN112469267A; EP3827661A4; US11930740B2

Abstract

蓋体２７は、底スクリュー２２のスクリュー軸芯に対して非平行な軸芯Ｐ２を揺動支点にする上下揺動によって開閉する状態で支持されている。

Description

コンバイン及び収穫機

　本発明は、収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、前記脱穀装置によって得られた脱穀物を貯留する脱穀物タンクと、が備えられたコンバインに関する。

　また、本発明は、収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、脱穀物を貯留する脱穀物タンクと、前記脱穀装置と前記脱穀物タンクとに亘って設けられ、前記脱穀装置によって得られた脱穀物を前記脱穀物タンクに供給する供給搬送装置と、が備えられたコンバインに関する。

　また、本発明は、走行しながら植立する作物を収穫する収穫機に関する。

　［１］上記したコンバインにおいて、脱穀物タンクの底部に形成された下すぼまり部と、下すぼまり部の内部に設けられ、脱穀物タンクから脱穀物を排出する底スクリューと、底スクリューに接続され、底スクリューからの脱穀物を搬送して機体外に向けて排出する脱穀物排出装置と、が備えられたものがある。このコンバインは、脱穀物タンクに貯留された脱穀物を底スクリューと脱穀物排出装置とによって脱穀物タンクから取り出すよう構成されたものである。

　この種のコンバインにおいて、たとえば特許文献１に示されるように、脱穀物タンク（特許文献１では穀粒タンク）の下すぼまり部（特許文献１では底部）に点検口（特許文献１ではメンテナンス開口）が開口され、点検口を開閉する蓋体を備えられたものがある。これは、下すぼまり部に残った脱穀物を点検口から取り出す清掃などを可能にされたものである。

　［２］上記したコンバインにおいて、例えば特許文献２に示されるように、供給搬送装置（特許文献２の揚送装置）に、搬送ケース（特許文献２のコンベヤケース）と、搬送ケースの下端側部分に内装された駆動回転体（特許文献２の駆動スプロケット）と、搬送ケースの上端側部分に内装された従動回転体（特許文献２の従動スプロケット）と、駆動回転体と従動回転体とに巻回された無端回動体（特許文献２の無端回動チェーン）と、無端回動体に支持され、脱穀物を搬送する搬送体（特許文献２の搬送板）と、が備えられたものがある。

　［３］上記のような収穫機として、例えば、特許文献３に記載の全稈投入型（普通型）コンバインがすでに知られている。このコンバインでは、機体フレームの前部に運転キャビンが備えられ、その後側に脱穀装置が備えられている。運転キャビンの下方にフィーダが位置しており、フィーダの下方にトランスミッションが配置されている。

日本国特開２０１１－２２９４２９号公報日本国特開２０１３－１８３７１４号公報日本国特開２０１７－１９８１７１号公報

　［１］背景技術［１］に対応する課題は、以下の通りである。
　上記したコンバインにおいて、蓋体を、底スクリューのスクリュー軸芯に平行な軸芯を揺動支点にして開閉するよう構成することが考えられる。この場合、蓋体の開閉がスムーズであるコンバインを実現するためには、蓋体を下すぼまり部に揺動可能に支持させるヒンジ部材を、蓋体のうち、底スクリューの搬送方向に沿う方向での複数箇所に設けたり、ヒンジ部材の長さを、蓋体の底スクリューのスクリュー軸芯に沿う方向での長さに対応する長さにしたりする必要がある。これにより、蓋体の枢支構造が大型になる。

　本発明は、小型かつ簡素な構造の枢支構造によって、蓋体をスムーズに開閉できる状態で支持できるコンバインを提供する。

　［２］背景技術［２］に対応する課題は、以下の通りである。
　上記したコンバインでは、無端回動体が延びたときなどに、無端回動体の張り調節が必要になる。そして、無端回動体の張り調節作業において、従動回転体の支軸の一端側を搬送ケースに対して移動させる操作と、従動回転体の支軸の他端側を搬送ケースに対して移動させる操作とを別々に行うことにより、無端回動体の張力が適切な強さになるように従動回転体を搬送ケースに対して移動調節することが考えられる。しかしながら、この場合、支軸を平行移動させることができない。そのため、無端回動体の張力が適切な強さになるように従動回転体を所定ストローク移動させるために、支軸の一端側の移動操作と、支軸の他端側の移動操作とを繰り返して行う必要があるなどの理由により、張り調節に手間が掛かる。

　本発明は、無端回動体を張り状態に容易に操作できると共に、無端回動体の張力を迅速に調節できるコンバインを提供する。

　［３］背景技術［３］に対応する課題は、以下の通りである。
　コンバイン等の収穫機においては、機体に搭載される脱穀装置等の作物処理装置を大型化することによって作業能率を向上させることが要望されている。

　収穫機自体を大型化せずに作物処理装置を大型化するためには、その他の装置を小型化するか、各装置の間の空きスペースを小さくする必要がある。各装置の間の空きスペースを小さくすると、各装置の間に手や工具が入り難くなり、メンテナンス性が低下してしまう場合がある。例えば、トランスミッションの周囲には、運転キャビンに備えられた操作レバーの操作力をトランスミッションに伝達する機構が配置されるが、トランスミッションの周囲の空きスペースが小さくなることで、当該機構のメンテナンス性が低下してしまう。

　上述した実情に鑑みて、本発明の目的は、操作力を伝達する機構の配置を工夫して、当該機構のメンテナンス性を向上した収穫機を提供することにある。

　［１］課題［１］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　本発明によるコンバインは、
　収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、前記脱穀装置によって得られた脱穀物を貯留すると共に、底部に形成された下すぼまり部を有する脱穀物タンクと、前記下すぼまり部の内部に設けられ、前記脱穀物タンクから脱穀物を排出する底スクリューと、前記底スクリューに接続され、前記底スクリューからの脱穀物を搬送して機体外に向けて排出する脱穀物排出装置と、が備えられ、前記脱穀物タンクに、前記下すぼまり部の底部分に開口された点検口、及び、前記点検口を開閉する蓋体が備えられ、前記蓋体は、前記底スクリューのスクリュー軸芯に対して非平行な軸芯を揺動支点にする上下揺動によって開閉するものである。

　本構成によると、スクリュー軸芯に対して非平行な方向に沿う枢支軸芯を連結軸芯とする状態で蓋体を下すぼまり部に支持することができる。これにより、蓋体の枢支構造を小型に済ませつつ蓋体をスムーズに開閉できる。また、蓋体を開けると、蓋体は、蓋体のうち揺動支点とは反対側の部分が点検口に対して下降した状態の傾斜姿勢になる。これにより、蓋体を、点検口から出る脱穀物を流下案内させるガイド部材として活用できる。従って、特別なガイド部材を準備しなくても脱穀物を取り出しやすい。

　本発明においては、前記蓋体に、蓋底板部、及び、前記蓋底板部の両横端部から立ち上がる一対の蓋側板部が備えられ、前記一対の蓋側板部は、当該蓋側板部どうしの間隔が前記蓋側板部の上端側ほど広くなる状態で、かつ、前記下すぼまり部における側板部に沿う状態で傾斜していると好適である。

　本構成によると、蓋体が閉状態であるとき、蓋側板部が下すぼまり部の側板部に沿うので、蓋体がずれ動くことがない。これにより、脱穀物が点検口から漏れ出ないように点検口をしっかり閉じることができる。また、点検口から出る脱穀物を流下案内するガイド部材として蓋体を活用するとき、脱穀物が蓋側板部によって受け止められるので、蓋体からこぼれ出にくい。従って、脱穀物をより取り出しやすい。

　本発明においては、前記蓋体に、当該蓋体の閉状態において前記点検口に入り込み、前記蓋底板部の内面と前記底部分の内面とを面一にする内側蓋部と、前記点検口の周囲で前記底部分の外側面に当接する外側蓋部と、が備えられ、前記蓋底板部と前記底部分とにわたって設けられ、前記蓋体を前記下すぼまり部に揺動開閉可能に支持するヒンジ部材が備えられ、前記ヒンジ部材を前記底部分に連結する連結軸が前記底部分から外側向きに突設されており、前記蓋体を閉状態に固定するロック機構に、前記下すぼまり部から外側向きに突設されたネジ軸と、前記蓋側板部に形成された長孔部と、前記長孔部に挿通された前記ネジ軸に締結されるナット具とが備えられていると好適である。

　本構成によると、蓋体の閉じ状態において、蓋体の内面と底部分の内面とが面一になると共に、連結軸が下すぼまり部の内部に突出しない。これにより、点検口及び連結軸が存在しているにもかかわらず、脱穀物が下すぼまり部の内部をスムーズに流動し、かつ、脱穀物が下すぼまり部内に残りにくい。そのため、脱穀物を迅速かつ取り残しなく取り出せる。

　しかも、蓋体を開閉するとき、蓋側板部の外側でナット具を操作することによって蓋体の閉じ固定を解除したり、蓋体を閉じ状態に固定したりできる。そのため、蓋体を開閉しやすい。

　本発明においては、前記軸芯は、前記蓋体における前記底スクリューの搬送方向上手側での端部に設けられていると好適である。

　本構成によると、下すぼまり部内に残っている脱穀物を底スクリューの回転によって点検口から排出させるとき、底スクリューによって押し出される脱穀物は、開いている蓋体の傾斜方向に沿う方向に押し出される。これにより、脱穀物をスムーズに取り出せる。

　本発明においては、前記点検口は、前記底部分における前記底スクリューの搬送方向での中心箇所に対して前記脱穀物排出装置が位置する側に偏倚していると好適である。

　本構成によると、脱穀物排出装置の清掃と下すぼまり部の清掃とを同時に行う場合、脱穀物排出装置と蓋体とが近いので清掃作業を行ないやすい。

　［２］課題［２］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　本発明によるコンバインは、
　収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、脱穀物を貯留する脱穀物タンクと、前記脱穀装置と前記脱穀物タンクとに亘って設けられ、前記脱穀装置によって得られた脱穀物を前記脱穀物タンクに供給する供給搬送装置と、が備えられ、前記供給搬送装置に、搬送ケースと、前記搬送ケースの下端側部分に内装された駆動回転体と、前記搬送ケースの上端側部分に内装された従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体とに巻回された無端回動体と、前記無端回動体に支持され、脱穀物を搬送する搬送体と、が備えられ、前記従動回転体の支軸が搬送方向に位置変更可能な状態で前記上端側部分に支持され、前記支軸の両端を繋ぐ連結体が備えられ、前記支軸の位置変更調節を行う１つの位置調節機構が、位置変更力を前記連結体に作用させる状態で備えられている。

　本構成によると、１つの位置調節機構による位置変更力が連結体に作用する。そして、この位置変更力は、連結体から従動回転体の支軸の両端に伝わる。そのため、１つの位置調節機構を操作するだけで、従動回転体の支軸を平行移動させて、従動回転体を搬送ケースに対して移動調節できる。

　従って、１つの位置調節機構を操作するだけで、操作容易かつ迅速に無端回動体を張り状態に調節できる。

　本発明においては、前記連結体に、前記搬送ケースの外周面のうち、前記支軸の一方の端部が突出する外周面部分の外側に設けられて、前記一方の端部を支持する一方側の支持アームと、前記搬送ケースの外周面のうち、前記支軸の他方の端部が突出する外周面部分の外側に設けられて、前記他方の端部を支持する他方側の支持アームと、前記一方側の支持アームと前記他方側の支持アームとを繋ぐ繋ぎ部材と、が備えられ、前記繋ぎ部材に前記位置調節機構が作用すると好適である。

　本構成によると、位置調節機構による位置変更力が繋ぎ部材から一方側の支持アームと他方側の支持アームとに分岐して伝わり、一方側の支持アームから支軸の一端に伝わり、他方側の支持アームから支軸の他端に伝わる。そのため、支軸は、搬送ケースに対してこじれることなく移動調節される。従って、無端回動体の張り調節をスムーズにできる。

　本発明においては、前記繋ぎ部材は、前記搬送ケースの外周面に沿う状態で設けられ、前記位置調節機構に、前記繋ぎ部材から前記搬送ケースの外周面に沿って下方に延びる調節杆と、前記調節杆の下部に設けられ、前記調節杆の前記搬送ケースに対する位置決めを行う位置決め機構と、が備えられていると好適である。

　本構成によると、位置決め機構は、搬送ケースのうち、従動回転体が位置する部位よりも下方の部位で操作することができる。そして、位置決め機構を操作することによって位置調節機構が作動する。これにより、無端回動体の張り調節を低い位置で行える。

　本発明においては、前記搬送ケースに支持され、前記調節杆の中途部を相対移動可能に保持する第１保持部材が備えられ、前記支持アームから上下方向に沿って延びるガイド杆、及び、前記搬送ケースに支持され、前記ガイド杆を相対移動可能に保持する第２保持部材が備えられていると好適である。

　本構成によれば、調節杆が位置決め機構によって操作されて繋ぎ部材に操作力を伝達するとき、操作反力による変形を第１保持部材によって防止されつつ伝達する。また、連結体が調節杆によって移動操作されて支軸を移動操作するとき、ガイド杆と第２保持部材とによって移動案内されつつ移動操作する。これにより、従動回転体の移動調節がスムーズに行われる。即ち、無端回動体の張り調節をスムーズにできる。

　本発明においては、前記搬送ケースの内部に設けられ、脱穀物の搬送経路を形成する搬送面体が備えられ、前記搬送面体は、前記従動回転体の外周に沿う部分を有する搬送終端側の搬送面体部と、前記搬送終端側の搬送面体部以外の搬送面体部とに分割されており、前記搬送終端側の搬送面体部は、前記支持アームに追従移動するように構成されていると好適である。

　本構成によると、従動回転体の移動調節が行われると、支持アームが従動回転体の支軸と共に移動し、搬送終端側の搬送面体部が支持アームに追従移動する。従って、従動回転体の移動にかかわらず、従動回転体が位置する部位までの搬送経路が形成される。

　すなわち、無端回動体の張り調節を行ったとき、搬送経路形成する特別な手間を掛けなくても、搬送ケースの内部に従動回転体までの搬送経路がきっちり形成される。これにより、脱穀物の搬送を支障なく行える。

　［３］課題［３］に対応する解決手段は、以下の通りである。
　本発明の収穫機は、収穫部と、前記収穫部の後方に設けられ、前記収穫部によって収穫された収穫物を脱穀する脱穀装置と、前記収穫部から後ろ上がりの状態で延ばされ、収穫物の全稈を前記収穫部から前記脱穀装置に搬送する搬送装置と、前記脱穀装置の前隣かつ前記搬送装置の上方の位置に設けられた運転部と、前記脱穀装置の前隣かつ前記搬送装置の下方の位置に設けられ、駆動源からの動力を変速して走行装置へ伝達する変速装置と、を備え、前記運転部に、前記変速装置の変速状態の変更を指令する手動式の変速操作具を備え、前記変速操作具に対する操作力を前記変速装置へ伝達する伝達機構が、前記変速装置と前記脱穀装置との間において横方向に延ばされていることを特徴とする。

　この特徴構成によれば、伝達機構が変速装置と脱穀装置との間において横方向に延ばされている。そのため、頻繁にメンテナンスを行う必要がある部位が機体左右方向の外側に位置するように伝達機構を構成することが可能となり、伝達機構のメンテナンス性を向上することができる。

　本発明においては、前記伝達機構は、前記変速装置と前記脱穀装置との間で横方向へ延びて設けられるロッドと、前記ロッドと前記変速操作具とを接続する操作ワイヤと、を備え、前記ロッドの一方の端部である第１端部は、前記変速装置に接続され、前記ロッドの他方の端部である第２端部は、前記操作ワイヤの一方の端部である第３端部に接続され、前記操作ワイヤの他方の端部である第４端部は、前記変速操作具に接続され、前記第２端部と前記第３端部との接続部は、前記搬送装置に対して機体左右方向において機体外側に位置すると好適である。

　本構成によれば、伝達機構はロッドと操作ワイヤとを備えるので、ロッドにより確実な動作を実現するとともに、操作ワイヤにより配置の自由度を確保することができる。また、ロッドと操作ワイヤとの接続部は、伝達機構の確実な動作を実現するために、頻繁にメンテナンスを行うと好ましい。本構成によれば、第２端部と第３端部との接続部、すなわちロッドと操作ワイヤとの接続部が搬送装置に対して機体左右方向において機体外側に位置する。そのため、当該接続部のメンテナンスが容易になり、伝達機構のメンテナンス性を向上することができる。

　本発明においては、前記伝達機構は、前記変速装置と前記第１端部との間に介在され、揺動変位可能な第１アームと、前記第２端部と前記第３端部との間に介在され、揺動変位可能な第２アームとを備え、前記操作ワイヤは、前記操作ワイヤと前記第２アームとの接続部から上方へ延びていると好適である。

　本構成によれば、揺動変位可能な第１アーム及び第２アームを備えるので、変速装置とロッドとの接続、及びロッドと操作ワイヤとの接続を、簡易な構造で実現することができる。また、操作ワイヤが、第２アームとの接続部から上方に延びている。これにより、第２アームから運転部へ延びる操作ワイヤの曲がりを少なくすることができるので、好ましい。

　本発明においては、前記変速装置から横方向へ延び、前記走行装置へ動力を伝達する駆動軸を支持する駆動軸ケースと、前記駆動軸ケースの上方において前後方向に沿って延ばされ、前記駆動軸ケースを支持する支持フレームと、を備え、前記支持フレームは、前記操作ワイヤのアウターケーシングを支持する支持部を備え、前記支持部は、前記支持フレームにおける前記変速装置が位置する側の側面に設けられていると好適である。

　本構成によれば、駆動軸ケースを支持する堅牢な支持フレームに、操作ワイヤのアウターケーシングが支持される。そのため、操作ワイヤが確実に固定されるとともに伝達機構の動作が確実なものとなる。その結果、伝達機構の信頼性を向上することができる。

　本発明においては、前記変速装置と前記走行装置との間に介在され、前記変速装置からの動力を変速して前記走行装置へ伝達するギア切替式のギア変速装置と、前記運転部に、前記ギア変速装置の変速状態の切替を指令する手動式のギア変速操作具を備え、前記ギア変速操作具に対する操作に応じて前記ギア変速装置を操作する操作機構が、前記ギア変速装置と前記脱穀装置との間において横方向に延ばされていると好適である。

　本構成によれば、操作機構がギア変速装置と脱穀装置との間において横方向に延ばされている。これにより、頻繁にメンテナンスを行う必要がある部位が機体左右方向の外側に位置するように操作機構を構成することが可能となる。その結果、操作機構のメンテナンス性を向上することができる。

　本発明においては、前記脱穀装置と前記ギア変速装置とを繋ぐ接続フレームを備え、前記操作機構は、前記ギア変速操作具に対する操作に応じて動作するアクチュエータと、前記アクチュエータの動作を前記ギア変速装置へ伝達するリンク機構と、を備え、前記アクチュエータが前記接続フレームに支持されていると好適である。

　本構成によれば、脱穀装置とギア変速装置とを繋ぐ堅牢な接続フレームに、アクチュエータが支持される。そのため、アクチュエータが確実に固定されるとともに操作機構の動作が確実なものとなる。その結果、操作機構の信頼性を向上することができる。

第１実施形態を示す図であって（以下、図４まで同じ。）、コンバインの全体を示す左側面図である。脱穀部タンクを示す縦断後面図である。脱穀物タンクを示す縦断側面図である。開状態の点検口及び蓋体を示す後面図である。第２実施形態を示す図であって（以下、図１８まで同じ。）、コンバインの全体を示す右側面図である。コンバインの全体を示す左側面図である。コンバインの全体を示す平面図である。供給搬送装置を示す左側面図である。スラットコンベヤの上部を示す縦断正面図である。スラットコンベヤの上部を示す縦断右側面図である。位置調節機構及び位置決め機構を示す右側面図である。位置調節機構及び位置決め機構を示す正面図である。脱穀物タンクのスクリューコンベヤ貫通部を示す断面図である。シール材を示す平面図である。分割シール材に分割された状態のシール材の斜視図である。底スクリュー及び点検口を示す正面図である。２番スクリューコンベヤと還元スクリューコンベヤの接続部を示す側面図である。２番スクリューコンベヤと還元スクリューコンベヤの接続部を示す断面図である。第３実施形態を示す図であって（以下、図２７まで同じ。）、コンバインの右側面図である。コンバインの平面図である。機体支持構造を示す平面図である。前側連結部を示す平面図である。伝達機構及び操作機構の支持構造を示す分解図である。伝達機構及び操作機構を示す縦断面図である。静油圧式無段変速装置等の構成を示す断面図である。伝達機構の構成を示す模式図である。操作機構の構成を示す模式図である。

［第１実施形態］
　以下、図１～図４を参照しながら、本発明の一例である第１実施形態について説明する。尚、以下の説明では、コンバインの機体に関し、図１に示される矢印Ｆの方向を「機体前方」、矢印Ｂの方向を「機体後方」、矢印Ｕの方向を「機体上方」、矢印Ｄの方向を「機体下方」、紙面表側の方向を「機体左方」、紙面裏側の方向を「機体右方」とする。

〔コンバインの全体の構成について〕
　図１に示されるように、コンバインは、機体フレーム１と、機体フレーム１の前部に駆動可能に装備された左右一対の前車輪２と、機体フレーム１の後部に操向可能に装備された左右一対の後車輪３とを有する機体を備えている。機体フレーム１には、左右一対の機体前後方向に延びるメインフレーム１ａが備えられている。機体の前部に搭乗型の運転部４が形成されている。運転部４には、搭乗空間を覆うキャビン５が備えられている。機体フレーム１の前部には、収穫搬送装置６が連結されている。収穫搬送装置６には、機体の前方に設けられ、作業走行時に機体の前方に位置する水稲や麦あるいは菜種などの作物の穀稈を刈り取って収穫する収穫部７と、収穫部７が収穫した刈取り後の穀稈を搬送するフィーダ８と、が備えられている。フィーダ８の前部は、収穫部７の後部に連結されている。フィーダ８は、機体左右向きの連結軸芯Ｐ１を揺動支点にして昇降する状態で機体フレーム１に連結されている。収穫部７は、フィーダ８に連結された油圧式の昇降シリンダ９の伸縮作動によってフィーダ８が揺動昇降されることにより、下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作される。また、機体の後部に、脱穀装置１０が設けられている。脱穀装置１０は、フィーダ８により搬送された刈り取り後の穀稈を脱穀対象物として受け入れて脱穀処理し、脱穀処理後の処理物に選別処理を施す。脱穀装置１０の前部の上方に、脱穀物タンク１１が設けられている。脱穀物タンク１１は、脱穀装置１０から供給搬送装置（図示せず）によって搬送される脱穀物としての単粒化穀粒を回収して貯留する。脱穀物タンク１１の下部の左横側部分に、脱穀物排出装置１２が接続されている。脱穀物排出装置１２は、貯留された穀粒を排出する。脱穀装置１０の後部の上方に、エンジン１３を有する原動部１４が形成されている。

〔収穫部の構成について〕
　収穫部７においては、図１に示されるように、収穫部７の前端部における左右端部に、未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分けるデバイダ１５が設けられている。収穫部７の前部上方に、収穫対象穀稈の穂先側を後方に向けて掻き込む回転リール１６が設けられている。デバイダ１５の後方に、掻き込まれた穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置１７が設けられている。刈取装置１７の後方に、刈取り穀稈をフィーダ８の前側箇所に寄せ集め、寄せ集めた刈取り穀稈の株元から穂先までの全体をフィーダ８に供給するオーガ１８が設けられている。

〔脱穀物タンク及び脱穀物排出装置の構成について〕
　図１，３に示されるように、脱穀物タンク１１の前壁部１１ｆにおける下部が下端側ほど後方に位置する傾斜状態に構成されている。また、脱穀物タンク１１の後壁部１１ｒにおける下部が下端側ほど前方に位置する傾斜状態に構成されている。これにより、脱穀物タンク１１の底部に、当該底部の全幅に亘る下すぼまり部２０が形成されている。下すぼまり部２０には、図２，３に示されるように、水平姿勢の底部分２０ａと、底部分２０ａの前端部から立ち上がる前側の側板部２０ｂと、底部分２０ａの後端部から立ち上がる後側の側板部２０ｂと、が備えられている。図２に示されるように、下すぼまり部２０の脱穀物タンク左横側の端部に排出口２１が開口されている。図２，３に示されるように、下すぼまり部２０の内部に底スクリュー２２が回転可能に設けられている。下すぼまり部２０の脱穀物タンク右横側の外部において、底スクリュー２２のスクリュー軸２２ａに駆動プーリ２３が相対回転不能に支持されている。

　図１，２に示されるように、脱穀物タンク１１の底部の左横端部分に、接続ケース２４が設けられている。脱穀物排出装置１２は、接続ケース２４から延出されている。脱穀物排出装置１２と底スクリュー２２とは、接続ケース２４を介して接続されている。脱穀物排出装置１２と底スクリュー２２とは、接続ケース２４の内部で連動連結され、底スクリュー２２から脱穀物排出装置１２への動力伝達が可能になっている。

　具体的には、脱穀物排出装置１２は、接続ケース２４から延びるスクリューコンベヤによって構成されている。スクリューコンベヤの搬送筒が接続ケース２４を介して排出口２１に連通している。接続ケース２４の内部において、スクリューコンベヤのスクリュー軸と、底スクリュー２２のスクリュー軸２２ａとが連結され、底スクリュー２２の動力がスクリューコンベヤに伝達されるようになっている。

　接続ケース２４は、脱穀物タンク１１に回転可能に支持されている。図１に示されるように、接続ケース２４に、油圧シリンダ２５が連結されている。油圧シリンダ２５の伸縮作動による接続ケース２４の回転操作が可能である。

　脱穀物タンク１１から穀粒を取り出すために、油圧シリンダ２５によって接続ケース２４が回転操作される。これにより、脱穀物排出装置１２が、機体の横側部に沿った格納状態から、機体の横外側に張り出た使用状態に状態変更される。

　エンジン１３の動力を駆動プーリ２３に伝達する動力伝達系を、動力伝達オン状態に切り換えることにより、駆動プーリ２３が駆動されて底スクリュー２２が駆動される。そして、底スクリュー２２の動力が脱穀物排出装置１２に伝達されることにより、脱穀物排出装置１２が駆動される。底スクリュー２２及び脱穀物排出装置１２が駆動されると、脱穀物タンク１１に貯留されている穀粒が底スクリュー２２によって排出口２１を通して接続ケース２４の内部に排出される。接続ケース２４の内部に排出された穀粒が脱穀物排出装置１２に受け継がれて脱穀物排出装置１２によって搬送され、脱穀物排出装置１２の先端部に設けられている吐出口１２ａ（図１参照）から吐出される。

〔点検口及び蓋体の構成について〕
　図２，３に示されるように、下すぼまり部２０に、下すぼまり部２０の底部分２０ａに開口された点検口２６、及び、点検口２６を開閉する蓋体２７が備えられている。

　詳述すると、点検口２６は、底部分２０ａにおける底スクリュー２２の搬送方向での中心箇所に対して脱穀物排出装置１２が位置する側に偏倚する状態で設けられている。点検口２６と脱穀物排出装置１２とが互いに近くに位置しているので、下すぼまり部２０に残った穀粒を点検口２６から排出する清掃などの作業と、脱穀物排出装置１２を点検するなどの作業とを同時に行いやすい。

　図２，４に示されるように、蓋体２７における底スクリュー２２の搬送方向上手側での端部と底部分２０ａとにわたってヒンジ部材２８が設けられている。ヒンジ部材２８と底部分２０ａとの連結は、底部分２０ａから外側向きに突設された連結軸２９によって行われている。連結軸２９は、底部分２０ａの内側に突出しない状態で底部分２０ａに支持されている。具体的には、連結軸２９は、底部分２０ａの外面側に形成された支持部３０から突設されている。本実施形態では、連結軸２９として連結ネジが採用されている。連結軸２９としては、連結ネジに限らず、連結棒、連結ピンなどの採用が可能である。蓋体２７のうち、底スクリュー２２の搬送方向上手側での端部に、底スクリュー２２のスクリュー軸芯に対して非平行な枢支用の軸芯Ｐ２がヒンジ部材２８によって設けられている。蓋体２７は、軸芯Ｐ２を揺動支点にした上下揺動によって開閉する状態で下すぼまり部２０に支持されている。本実施形態では、スクリュー軸芯に対して非平行な軸芯Ｐ２として、平面視でスクリュー軸芯に対して直交する軸芯Ｐ２を採用しているが、本発明はこれに限らない。本発明の構成における「スクリュー軸芯に対して非平行な軸芯」は、平面視でスクリュー軸芯に対して直交する軸芯の他、平面視でスクリュー軸芯に対して直交する角度から少しはずれた軸芯、すなわち、平面視でスクリュー軸芯に対してほぼ直交する軸芯を含む。

　蓋体２７には、図３，４に示されるように、外側蓋部２７ａと、内側蓋部２７ｂと、が備えられている。外側蓋部２７ａには、蓋底板部２７ｃと、蓋底板部２７ｃの両横端部から立ち上がる蓋側板部２７ｄと、が備えられている。両横端部の蓋側板部２７ｄは、図４に示されるように、蓋側板部２７ｄどうしの間隔が蓋側板部２７ｄの上端側ほど広くなる状態で傾斜している。

　図２，３に示されるように、外側蓋部２７ａは、蓋体２７の閉状態において、一方の蓋側板部２７ｄが下すぼまり部２０における前側の側板部２０ｂの外側面に沿うように、かつ、他方の蓋側板部２７ｄが下すぼまり部２０における後側の側板部２０ｂの外側面に沿うように、さらに、蓋底板部２７ｃが点検口２６の周囲で底部分２０ａの外側面に当接するように構成されている。

　図２，３に示されるように、内側蓋部２７ｂは、蓋体２７が閉状態であるとき、点検口２６に入り込んでいる。そして、内側蓋部２７ｂは、蓋体２７が閉状態であるとき、蓋底板部２７ｃの内面２７Ｓと、底部分２０ａの内面２０Ｓと、を面一にするように構成されている。

　図２，３に示されるように、下すぼまり部２０の前後側と蓋体２７の遊端部とにわたり、蓋体２７を閉状態に固定するロック機構３１が設けられている。前側のロック機構３１及び後側のロック機構３１のそれぞれには、図３，４に示されるように、下すぼまり部２０の側板部２０ｂから外側向きに突設されたネジ軸３１ａと、蓋側板部２７ｄに形成された長孔部３２と、ネジ軸３１ａに締結されるナット具３１ｂとが備えられている。本実施形態では、長孔部３２として切欠き孔部が採用されているが、本発明はこれに限らない。すなわち、蓋側板部２７ｄの傾斜角や立上がり長さなどによっては、蓋側板部２７ｄの上側に開口しない形状の長孔部を採用可能である。本実施形態では、ナット具３１ｂとして蝶ナットが採用されているが、本発明はこれに限らない。たとえば、六角ナット、袋付きナットなど各種のナット部材の採用が可能である。

　前側及び後側のロック機構３１においては、蓋体２７が閉状態に向かって揺動していくに伴ってネジ軸３１ａが長孔部３２に入り込んでいく。そして、蓋体２７が閉状態になると、ネジ軸３１ａが長孔部３２を挿通した状態になる。ネジ軸３１ａが長孔部３２を挿通した状態において、作業者が、ナット具３１ｂをネジ軸３１ａに締結すると、ナット具３１ｂ及びネジ軸３１ａによる締め付け力によって蓋側板部２７ｄが側板部２０ｂに締め付けられて、蓋体２７が閉状態に固定される。また、ナット具３１ｂのネジ軸３１ａに対する締結を解除することにより、蓋側板部２７ｄの側板部２０ｂへの締め付けが解除されて蓋体２７の閉状態での固定が解除される。これにより、蓋体２７の閉状態から開状態への状態変更が可能になる。

　通常時には、図２，３に示されるように、蓋体２７を軸芯Ｐ２が揺動支点となる状態で下すぼまり部２０に対して上昇揺動させて下すぼまり部２０に当接させると、蓋体２７が閉状態になって点検口２６が閉じられる。蓋体２７が閉状態になると、前後のネジ軸３１ａにナット具３１ｂを締結することにより、蓋体２７が前後のロック機構３１によって閉状態に固定される。そして、脱穀物タンク１１の穀粒を底スクリュー２２と脱穀物排出装置１２とによって取り出すことができる。ここで、蓋底板部２７ｃの内面２７Ｓと底部分２０ａの内面２０Ｓとが内側蓋部２７ｂによって面一にされている。これにより、穀粒が点検口２６に入り込まないでスムーズに取り出すことができる。また、蓋底板部２７ｃが点検口２６の周囲で底部分２０ａの外側面に当接すると共に一対の蓋側板部２７ｄが前後側の側板部２０ｂに沿っている。これにより、点検口２６がしっかり閉じられている。その結果、穀粒が点検口２６から漏れ出ないようにしつつ、穀粒を取り出すことができる。

　下すぼまり部２０に穀粒が残った場合、作業者は、図４に示されるように、前後のネジ軸３１ａに対するナット具３１ｂの締結を解除すると共に、蓋体２７を軸芯Ｐ２が揺動支点となる状態で下すぼまり部２０に対して下降揺動させる。これにより、蓋体２７の遊端側が下すぼまり部２０に対して下方に離間して蓋体２７が開状態になる。その結果、点検口２６が開かれる。そして、下すぼまり部２０の穀粒を、点検口２６から取り出すことができる。また、脱穀装置１０の天板１０ｔが弧状の形状を有しているため、脱穀物タンク１１と天板１０ｔとの間に、空きスペースが形成されている。この空きスペースに蓋体２７の遊端側を入り込ませることにより、蓋体２７の遊端側を大幅に下降させることができる。これにより、穀粒を取り出しやすい。また、蓋体２７は、底スクリュー２２のスクリュー軸芯に対して非平行な軸芯Ｐ２を揺動支点にして開くことができる。これにより、点検口２６から穀粒を落下案内させるガイド部材として、蓋体２７を活用することができる。また、蓋体２７を流下する穀粒が蓋体２７からこぼれ落ちることが蓋側板部２７ｄによって防止される。従って、穀粒を取り出しやすい。また、蓋体２７は、蓋体２７のうち、底スクリュー２２による搬送方向上手側の端部に位置する軸芯Ｐ２を揺動支点にして開くことができる。これにより、底スクリュー２２を回転させて穀粒を底スクリュー２２によって点検口２６から押し出し排出させるとき、穀粒は、開いている蓋体２７の傾斜方向に沿う方向に押し出される。その結果、穀粒がスムーズに排出される。

［第１実施形態の別実施形態］
　以下、上記した実施形態を変更した別実施形態について説明する。以下の各別実施形態で説明している事項以外は、上記した実施形態で説明している事項と同様である。上記した実施形態及び以下の各別実施形態は、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせてもよい。なお、本発明の範囲は、上記した実施形態及び以下の各別実施形態に限定されるものではない。

（１）上記した実施形態では、蓋側板部２７ｄを備える蓋体２７を採用した例を示したが、蓋側板部２７ｄを備えない平板状の蓋体を採用して実施してもよい。

（２）上記した実施形態では、蓋体２７における底スクリュー２２の搬送方向上手側の端部に設けられた軸芯Ｐ２を揺動支点とする蓋体２７が採用された例を示したが、蓋体２７における底スクリュー２２の搬送方向下手側の端部に設けられた軸芯を揺動支点とする蓋体を採用して実施してもよい。

（３）上記した実施形態では、点検口２６が底部分２０ａにおける底スクリュー２２の搬送方向での中心箇所に対して脱穀物排出装置１２が位置する側に偏倚している例を示したが、底部分２０ａにおける底スクリュー２２の搬送方向での中央部に設けて実施してもよい。また、底部分２０ａにおける底スクリュー２２の搬送方向での中心箇所に対して脱穀物排出装置１２が位置する側と反対側に偏倚する状態で設けて実施してもよい。

（４）上記した実施形態では、蓋体２７に内側蓋部２７ｂを設けた例を示したが、内側蓋部２７ｂを設けないで実施してもよい。

［第２実施形態］
　以下、図５～図１８を参照しながら、本発明の一例である第２実施形態について説明する。なお、以下の説明では、コンバインの機体に関し、図５，６，７に示される矢印Ｆの方向を「機体前方」、矢印Ｂの方向を「機体後方」、図５，６に示される矢印Ｕの方向を「機体上方」、矢印Ｄの方向を「機体下方」、図７に示される矢印Ｌの方向を「機体左方」、矢印Ｒの方向を「機体右方」とする。

〔コンバインの全体の構成について〕
　図５，６，７に示されるように、コンバインは、機体フレーム１０１と、機体フレーム１０１の前部に駆動可能に装備された左右一対の前車輪１０２と、機体フレーム１０１の後部に操向可能に装備された左右一対の後車輪１０３とを有する機体を備えている。機体フレーム１０１には、左右一対の機体前後方向に延びるメインフレーム１０１ａが備えられている。機体の前部に搭乗型の運転部１０４が形成されている。運転部１０４には、搭乗空間を覆うキャビン１０５が備えられている。機体フレーム１０１の前部には、収穫搬送装置１０６が連結されている。収穫搬送装置１０６には、機体の前方に設けられ、作業走行時に機体の前方に位置する水稲や麦あるいは菜種などの作物の穀稈を刈り取って収穫する収穫部１０７と、収穫部１０７が収穫した刈取り後の穀稈を搬送するフィーダ１０８と、が備えられている。収穫部１０７の後部に、フィーダ１０８の前部が連結されている。フィーダ１０８は、機体左右向きの連結軸芯Ｐ１１を揺動支点にして昇降する状態で機体フレーム１０１に連結されている。収穫部１０７は、フィーダ１０８に連結された油圧式の昇降シリンダ１０９の伸縮作動によってフィーダ１０８が揺動昇降されることにより、下降作業状態と上昇非作業状態とにわたって昇降操作される。機体の後部に、脱穀装置１１０が設けられている。脱穀装置１１０は、フィーダ１０８が搬送する刈り取り後の穀稈を脱穀対象物として受け入れて脱穀処理し、脱穀処理後の処理物に選別処理を施す。脱穀装置１１０の前部の上方に、脱穀物タンク１１１が設けられている。脱穀物タンク１１１は、脱穀装置１１０から供給搬送装置１３０によって搬送される脱穀物としての単粒化穀粒を回収して貯留する。脱穀物タンク１１１の下部の左横側部分に、貯留された穀粒を排出する脱穀物排出装置１１２が接続されている。脱穀装置１１０の後部の上方に、エンジン１１３を有する原動部１１４が形成されている。

〔収穫部の構成について〕
　収穫部１０７においては、図５，６，７に示されるように、収穫部１０７の前端部における左右端部に、未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分けるデバイダ１１５が設けられている。収穫部１０７の前部上方に、収穫対象穀稈の穂先側を後方に向けて掻き込む回転リール１１６が設けられている。デバイダ１１５の後方に、掻き込まれた穀稈の株元を切断するバリカン型の刈取装置１１７が設けられている。刈取装置１１７の後方に、刈取り穀稈をフィーダ１０８の前側箇所に寄せ集め、寄せ集めた刈取り穀稈の株元から穂先までの全体をフィーダ１０８に供給するオーガ１１８が設けられている。

〔供給搬送装置の構成について〕
　図５，７，８に示されるように、供給搬送装置１３０は、スラットコンベヤ１３１と、スクリューコンベヤ１３２と、を備えている。スラットコンベヤ１３１は、脱穀装置１１０の下部の右横外側箇所と脱穀物タンク１１１の後方箇所とにわたって機体上下方向に沿う状態で設けられている。また、スクリューコンベヤ１３２は、スラットコンベヤ１３１の上部と脱穀物タンク１１１の内部とにわたって設けられている。

　スラットコンベヤ１３１には、図８に示されるように、脱穀装置１１０の下部の右横外側箇所から脱穀物タンク１１１の下部の後方箇所に至る搬送ケース１３３が備えられている。また、脱穀装置１１０に、１番スクリューコンベヤ１１０ａが備えられている。そして、搬送ケース１３３の下端側部分は、１番スクリューコンベヤ１１０ａの搬送終端部に接続されている。脱穀装置１１０の選別部において得られた１番処理物としての単粒化穀粒は、１番スクリューコンベヤ１１０ａによって搬送ケース１３３の下端側部分の内部に供給される。搬送ケース１３３の上端側部分は、接続ケース１３４を介して、スクリューコンベヤ１３２の搬送始端部に接続されている。

　図８に示されるように、搬送ケース１３３の下端側部分に、駆動回転体としての駆動スプロケット１３５が内装されている。１番スクリューコンベヤ１１０ａのスクリュー軸の一端側が搬送ケース１３３の内部に延長されている。そして、スクリュー軸の延長部分に駆動スプロケット１３５が相対回転不能に支持されている。駆動スプロケット１３５は、１番スクリューコンベヤ１１０ａのスクリュー軸を介して、搬送ケース１３３に回転可能に支持されている。そして、駆動スプロケット１３５は、１番スクリューコンベヤ１１０ａの動力によって駆動される。

　図８，９に示されるように、搬送ケース１３３の上端側部分に、従動回転体としての従動スプロケット１３６が内装されている。従動スプロケット１３６は、支軸１３７に相対回転不能に支持されている。支軸１３７の左側の端部は、ベアリング１３９ａ及びベアリングケース１３９を介して左側の支持アーム１３８に回転可能に支持されている。左側の支持アーム１３８は、搬送ケース１３３の左側壁１３３ａの横外側に設けられている。支軸１３７の右側の端部は、ベアリング１３９ａ及びベアリングケース１３９を介して右側の支持アーム１３８に回転可能に支持されている。右側の支持アーム１３８は、搬送ケース１３３の右側壁１３３ｂの横外側に支持されている。従動スプロケット１３６は、支軸１３７、左右のベアリング１３９ａ、左右のベアリングケース１３９、左右の支持アーム１３８を介して搬送ケース１３３に支持されている。

　図８，９，１０に示されるように、駆動スプロケット１３５と従動スプロケット１３６とにわたり、無端回動体としての無端回動チェーン１４０が巻回されている。無端回動チェーン１４０の長手方向での複数箇所に搬送体（スラット）４１が備えられている。駆動スプロケット１３５の外周部と従動スプロケット１３６の外周部とにわたって搬送面体１４２が設けられている。搬送面体１４２と搬送ケース１３３とにより、搬送経路１４３が形成されている。搬送経路１４３において、無端回動チェーン１４０の搬送作用部分が上昇移動する。そして、搬送経路１４３は、搬送体１４１による穀粒の揚送を可能にする。搬送面体１４２は、従動スプロケット１３６の外周に沿う部分を有する搬送終端側の搬送面体部１４２ａと、搬送終端側の搬送面体部１４２ａ以外の搬送面体部１４２ｂとに分割されている。

　スラットコンベヤ１３１においては、脱穀装置１１０の選別によって得られた１番処理物としての単粒化した穀粒が１番スクリューコンベヤ１１０ａによって搬送ケース１３３の下端側部分の内部に供給される。駆動スプロケット１３５が１番スクリューコンベヤ１１０ａの動力によって駆動される。そして、無端回動チェーン１４０が駆動スプロケット１３５によって駆動される。これにより、搬送体１４１が無端回動チェーン１４０によって搬送経路１４３に沿って上向きに移送される。搬送ケース１３３の内部に供給された穀粒が搬送経路１４３に沿って搬送体１４１によって揚送され、搬送経路１４３の終端部において、接続ケース１３４を介してスクリューコンベヤ１３２に供給される。

〔位置調節機構の構成について〕
　図９，１１に示されるように、右側の支持アーム１３８の下部に形成された取付け部１３８ａが、右側壁１３３ｂの支持部１４４と右側壁１３３ｂとの間に、上下スライド可能に係入されている。右側の支持アーム１３８は、右側壁１３３ｂに上下スライド可能に支持されている。左側の支持アーム１３８においても右側の支持アーム１３８と同様に、左側の支持アーム１３８の下部に形成された取付け部１３８ａが、左側壁１３３ａの支持部１４４と左側壁１３３ａとの間に、上下スライド可能に係入されている。左側の支持アーム１３８は、左側壁１３３ａに上下スライド可能に支持されている。図９に示されるように、左側壁１３３ａ及び右側壁１３３ｂには、それぞれ、支軸１３７が挿通する貫通穴１４５が形成されている。各貫通穴１４５は、スラットコンベヤ１３１の搬送方向に沿う方向に支軸１３７が移動することを可能にする長穴に形成されている。つまり、左側の支持アーム１３８及び右側の支持アーム１３８は、支軸１３７を支持したままでスラットコンベヤ１３１の搬送方向にスライド移動することが可能な状態で、搬送ケース１３３に支持されている。

　図９に示されるように、左側の支持アーム１３８及び右側の支持アーム１３８のそれぞれに、搬送終端側の搬送面体部１４２ａが連結ボルト１４６によって連結されている。左側の支持アーム１３８と搬送面体部１４２ａとの間、及び、右側の支持アーム１３８と搬送面体部１４２ａとの間のそれぞれに、スペーサ１４７が介装されている。スペーサ１４７は、左側壁１３３ａや右側壁１３３ｂの壁厚に等しい板厚を有する。また、スペーサ１４７は、左側壁１３３ａや右側壁１３３ｂの貫通穴１４５に入り込んでいる。左側の支持アーム１３８、右側の支持アーム１３８及び支軸１３７が動かされるとき、搬送面体部１４２ａが左右の支持アーム１３８に追従移動する。

　図９，１１に示されるように、左側の支持アーム１３８と左側壁１３３ａとにわたり、左側の支持アーム１３８の移動案内を行うガイド機構１５０が設けられている。右側の支持アーム１３８と右側壁１３３ｂとにわたり、右側の支持アーム１３８の移動案内を行うガイド機構１５０が設けられている。左側の支持アーム１３８のためのガイド機構１５０、及び、右側の支持アーム１３８のためのガイド機構１５０には、それぞれ、図９，１１に示されるように、支持アーム１３８に設けられたガイド杆１５１と、左側壁１３３ａや右側壁１３３ｂに支持された第２保持部材１５２と、が備えられている。

　ガイド杆１５１は、支持アーム１３８の取付け部１３８ａに形成された支持部１３８ｂから下向きに延出され、かつ、上下方向に沿う姿勢で支持アーム１３８に支持されている。第２保持部材１５２は、ガイド杆１５１を相対移動可能に保持する状態で支持部１４４に支持されている。具体的には、第２保持部材１５２は、ガイド杆１５１を相対移動可能に保持する筒部材によって構成されている。

　左側の支持アーム１３８のためのガイド機構１５０、及び、右側の支持アーム１３８のためのガイド機構１５０のそれぞれにおいて、支持アーム１３８が動かされるとき、ガイド杆１５１が第２保持部材１５２に保持されつつ支持アーム１３８に追従移動し、支持アーム１３８の移動案内が行われる。これにより、支持アーム１３８は、支持部１４４に対してガタ付かないでスムーズに移動する。

　図１０，１１，１２に示されるように、左側の支持アーム１３８と右側の支持アーム１３８とが繋ぎ部材１５３によって繋がれている。繋ぎ部材１５３は、搬送ケース１３３の外周面に沿う状態で設けられている。具体的には、繋ぎ部材１５３は、搬送ケース１３３の前側壁１３３ｃの外側面に沿う状態で設けられている。左側の支持アーム１３８と右側の支持アーム１３８とが同じ移動方向に連動して移動するように、左側の支持アーム１３８と右側の支持アーム１３８とは、繋ぎ部材１５３によって連動連結されている。左側の支持アーム１３８と右側の支持アーム１３８と繋ぎ部材１５３とにより、支軸１３７の両端を繋ぐ連結体１５４が構成されている。

　図１０，１１，１２に示されるように、繋ぎ部材１５３から調節杆１５５が下方に延出されている。調節杆１５５は、繋ぎ部材１５３と同様に搬送ケース１３３の外周面に沿っている。具体的には、調節杆１５５は、搬送ケース１３３の前側壁１３３ｃの外側面に沿っている。調節杆１５５の中途部が第１保持部材１５６に相対移動可能に保持されている。第１保持部材１５６は、搬送ケース１３３に支持されている。具体的には、第１保持部材１５６は、調節杆１５５が相対移動可能に挿通する筒部材によって構成されている。

　図１０，１１，１２に示されるように、調節杆１５５の下部に位置決め機構１５７が設けられている。調節杆１５５の搬送ケース１３３に対する昇降調節、及び、調節杆１５５の搬送ケース１３３に対する位置決めを位置決め機構１５７によって行えるようになっている。

　具体的には、位置決め機構１５７には、図１０，１１，１２に示されるように、位置決め部１５８と、ネジ部材１５９と、が備えられている。位置決め部１５８は、調節杆１５５が上下移動可能に挿通する状態で搬送ケース１３３に支持されている。また、ネジ部材１５９は、位置決め部１５８の上下両側において、調節杆１５５のネジ部に装着されている。

　すなわち、位置決め機構１５７においては、上側のネジ部材１５９が張り側に回転操作されると、上側のネジ部材１５９が位置決め部１５８を反力点にして調節杆１５５を押上げ操作する。これにより、搬送ケース１３３に対する調節杆１５５の位置が上昇側に変更調節される。また、下側のネジ部材１５９が緩め側に回転操作されると、下側のネジ部材１５９が位置決め部１５８を反力点にして調節杆１５５を引下げ操作する。これにより、調節杆１５５の搬送ケース１３３に対する位置が下降側に変更調節される。また、上側のネジ部材１５９及び下側のネジ部材１５９が位置決め部１５８を挟持する状態に操作されると、調節杆１５５が位置決め部１５８に昇降不能に固定される。これにより、搬送ケース１３３に対する調節杆１５５の位置決めが行われる。即ち、搬送ケース１３３に対する調節杆１５５の位置は、昇降調節された位置に保持される。

　調節杆１５５と位置決め機構１５７とにより、位置調節機構１６０が構成されている。位置調節機構１６０により、搬送ケース１３３に対する支軸１３７の位置を、搬送方向に変更調節することが可能である。

　位置調節機構１６０においては、位置決め機構１５７が張り側に操作されることにより、調節杆１５５が連結体１５４を押し上げ操作する。これにより、連結体１５４が支軸１３７を搬送ケース１３３に対して上昇操作する。その結果、無端回動チェーン１４０が張り側に調節される。

　図１２に示されるように、搬送ケース１３３に、無端回動チェーン１４０の張り状態を検知することが可能な点検口１６１が開口されている。点検口１６１は、脱着可能な蓋体１６２によって開閉される。点検口１６１は、搬送ケース１３３のうち、位置決め機構１５７の下側に位置する部分に開口されている。位置調節機構１６０によって無端回動チェーン１４０の張り調節を行うとき、点検口１６１から無端回動チェーン１４０の張り状態を検知しながら張り調節をすることができる。

　作業者は、点検口１６１から搬送ケース１３３の内部に手を差し入れ、無端回動チェーン１４０を押し引き操作することにより、無端回動チェーン１４０の張りが緩くないかどうかを検知することができる。これにより、無端回動チェーン１４０の張り調整が必要か否かを判断できる。無端回動チェーン１４０の張り調整が必要な場合、位置調節機構１６０によって無端回動チェーン１４０の張り調節を行うことができる。

　無端回動チェーン１４０の張りが緩い場合、作業者は、上側のネジ部材１５９を張り側に回転操作する。このとき、作業者は、点検口１６１を利用して無端回動チェーン１４０の張り状態を検知しながらネジ部材１５９を操作できる。上側のネジ部材１５９を張り側に回転操作すると、調節杆１５５がネジ部材１５９によって搬送ケース１３３に対して上昇される。これにより、繋ぎ部材１５３が調節杆１５５によって押し上げ操作され、連結体１５４が搬送ケース１３３に対して上昇操作される。その結果、支軸１３７の両端が連結体１５４によって上昇操作される。すなわち、支軸１３７が左側の支持アーム１３８及び右側の支持アーム１３８によって搬送ケース１３３に対して上昇操作される。これにより、従動スプロケット１３６が搬送方向下手側に移動操作され、無端回動チェーン１４０が張り操作される。

　調節杆１５５は、連結体１５４を上昇操作するとき、操作反力によって変形することを第１保持部材１５６によって防止されつつ上昇操作する。さらに、左側の支持アーム１３８及び右側の支持アーム１３８は、支軸１３７を上昇操作するとき、ガイド機構１５０によって案内されつつ上昇する。これにより、支軸１３７がスムーズに上昇操作されて無端回動チェーン１４０がスムーズに張り操作される。支軸１３７が上昇操作されても、搬送終端側の搬送面体部１４２ａが支持アーム１３８に追従移動し、位置変化した従動スプロケット１３６の外周まできっちり搬送経路１４３が形成される。

　無端回動チェーン１４０が張り状態になると、作業者は、上下のネジ部材１５９によって位置決め部１５８を挟持させる。すると、位置決め機構１５７によって調節杆１５５の搬送ケース１３３に対する位置決めが行われて、連結体１５４が上昇操作された位置に固定される。これにより、無端回動チェーン１４０が張り状態に保持される。

〔供給搬送装置の搬送終端側部分について〕
　供給搬送装置１３０の搬送終端側部分としてのスクリューコンベヤ１３２の搬送終端側部分１３２ａは、図５，８，１２に示されるように、脱穀物タンク１１１の下方から、脱穀物タンク１１１の後壁部１１１ｒの貫通穴１６３を通して、脱穀物タンク１１１の内部に差し込まれている。搬送終端側部分１３２ａの上部と、脱穀物タンク１１１の前壁部１１１ｆとに一対の支持フレーム１２９が連結されている。一対の支持フレーム１２９は、支持フレーム１２９どうしの間隔が前壁部１１１ｆ側ほど広い配置構成で設けられている。搬送終端側部分１３２ａのタンク内に位置する部分が支持フレーム１２９を介して脱穀物タンク１１１に支持されている。本実施形態では、一対の支持フレーム１２９が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限らず、一つだけ、あるいは、３つ以上の支持フレーム１２９を設けて実施してもよい。スクリューコンベヤ１３２の駆動プーリ１６５と、ベルトプーリ１６６と、にわたって無端ベルト１６７が巻回されている。尚、ベルトプーリ１６６は、スラットコンベヤ１３１の支軸１３７に、相対回転不能に支持されている。

　スクリューコンベヤ１３２においては、スラットコンベヤ１３１の動力が駆動プーリ１６５に伝達され、スクリュー１３２ｂが駆動プーリ１６５によって駆動される。これにより、スラットコンベヤ１３１によって供給される穀粒は、スクリュー１３２ｂによって脱穀物タンク１１１の内部の高所へ搬送され、吐出口１６４から脱穀物タンク１１１の内部に吐出される。その結果、スラットコンベヤ１３１からの穀粒は、脱穀物タンク１１１に供給される。

〔シールの構成について〕
　スクリューコンベヤ１３２の搬送終端側部分１３２ａは、脱穀物タンク１１１の貫通穴１６３に差し込まれている。貫通穴１６３は、脱穀物タンク１１１の後壁部１１１ｒのうち、下すぼまり部１２０が形成されている底部に寄った壁部分に開口されている。また、搬送終端側部分１３２ａの搬送終端部に吐出口１６４が開口されている。さらに詳述すると、貫通穴１６３は、脱穀物タンク１１１の後壁部１１１ｒのうち、下端側ほど前方に位置する傾斜状態に構成されている部分に開口されている。

　図１２，１３に示されるように、貫通穴１６３の外周部と搬送終端側部分１３２ａとの間に、シール材１６８が介装されている。シール材１６８は、樹脂製である。シール材１６８は、脱穀装置１１０と脱穀物タンク１１１との相対振動による搬送終端側部分１３２ａの貫通穴１６３に対する差し込み方向での相対移動を許容しつつ、脱穀物タンク１１１の内部の穀粒が貫通穴１６３から漏れ出ることを防止するよう構成されている。

　具体的には、シール材１６８には、図１３に示されるように、ベース部１６８ａと、摺接部１６８ｂと、が備えられている。ベース部１６８ａは、後壁部１１１ｒの内側面に当接する。摺接部１６８ｂは、ベース部１６８ａから搬送終端側部分１３２ａの差し込み方向に延びる共に搬送終端側部分１３２ａの外側面に沿い、外側面に摺接する。ベース部１６８ａは、周方向での複数箇所に装着された取付けねじによって後壁部１１１ｒに締め付け固定されている。図１３，１４に示されるように、ベース部１６８ａと摺接部１６８ｂとわたり、複数のリブ部１６８ｃが設けられいる。複数のリブ部１６８ｃは、摺接部１６８ｂの周方向に間隔を空けて並んでいる。図１４に示されるように、シール材１６８の搬送終端側部分１３２ａの周方向での４箇所に、分割箇所１６９がベース部１６８ａと摺接部１６８ｂとにわたって設けられている。シール材１６８は、図１４，１５に示されるように、搬送終端側部分１３２ａの周方向に分割された４つの分割シール材１６８Ｐによって構成されている。シール材１６８は、４つの分割シール材１６８Ｐに分けて装着できる。

〔脱穀物タンク及び脱穀物排出装置の構成について〕
　図５，８に示されるように、脱穀物タンク１１１の前壁部１１１ｆにおける下部は、下端側ほど後方に位置する傾斜状態に構成されている。また、脱穀物タンク１１１の後壁部１１１ｒにおける下部は、下端側ほど前方に位置する傾斜状態に構成されている。これにより、脱穀物タンク１１１の底部に、当該底部の全幅に亘る下すぼまり部１２０が形成されている。下すぼまり部１２０には、図８，１６に示されるように、水平姿勢の底部分１２０ａと、底部分１２０ａの前端部から立ち上がる前側の側板部と、底部分１２０ａの後端部から立ち上がる後側の側板部と、が備えられている。下すぼまり部１２０の脱穀物タンク左横側の端部に排出口１２１が開口されている。下すぼまり部１２０の内部に底スクリュー１２２が回転可能に設けられている。下すぼまり部１２０の脱穀物タンク右横側の外部において、底スクリュー１２２のスクリュー軸１２２ａに駆動プーリ１２３が相対回転不能に支持されている。

　図６，１６に示されるように、脱穀物タンク１１１の底部の左横端部分に、接続ケース１２４が設けられている。脱穀物排出装置１１２は、接続ケース１２４から延出されている。脱穀物排出装置１１２と底スクリュー１２２とは、接続ケース１２４を介して接続されている。脱穀物排出装置１１２と底スクリュー１２２とは、接続ケース１２４の内部で連動連結されている。これにより、底スクリュー１２２から脱穀物排出装置１１２への動力伝達が可能になっている。

　具体的には、脱穀物排出装置１１２は、接続ケース１２４から延びるスクリューコンベヤによって構成されている。スクリューコンベヤの搬送筒が接続ケース１２４を介して排出口１２１に連通している。接続ケース１２４の内部において、スクリューコンベヤのスクリュー軸と、底スクリュー１２２のスクリュー軸１２２ａとが連結されている。これにより、底スクリュー１２２の動力がスクリューコンベヤに伝達されるようになっている。

　接続ケース１２４は、脱穀物タンク１１１に回転可能に支持されている。図６に示されるように、接続ケース１２４に、油圧シリンダ１２５が連結されている。これにより、油圧シリンダ１２５の伸縮作動による接続ケース１２４の回転操作が可能になっている。

　脱穀物タンク１１１から穀粒を取り出すために、油圧シリンダ１２５によって接続ケース１２４が回転操作される。これにより、脱穀物排出装置１１２が、機体の横側部に沿った格納状態から、機体の横外側に張り出た使用状態に状態変更される。

　エンジン１１３の動力を駆動プーリ１２３に伝達する動力伝達系を、動力伝達オン状態に切り換えることにより、駆動プーリ１２３が駆動されて底スクリュー１２２が駆動される。そして、底スクリュー１２２の動力が脱穀物排出装置１１２に伝達されることにより、脱穀物排出装置１１２が駆動される。底スクリュー１２２及び脱穀物排出装置１１２が駆動されると、脱穀物タンク１１１に貯留されている穀粒が、底スクリュー１２２によって排出口１２１を通して接続ケース１２４の内部に排出される。接続ケース１２４の内部に排出された穀粒は、脱穀物排出装置１１２に受け継がれて脱穀物排出装置１１２によって搬送され、脱穀物排出装置１１２の先端部に設けられている吐出口１１２ａ（図６参照）から吐出される。

　図１６に示されるように、下すぼまり部１２０に、点検口１２６、及び、点検口１２６を開閉する蓋体１２７が備えられている。点検口１２６は、下すぼまり部１２０の底部分１２０ａに開口されいる。また、点検口１２６を通して、下すぼまり部１２０に残った穀粒の取り出しが可能である。蓋体１２７は、ヒンジ部材の枢支軸芯Ｐ１２を揺動支点にした上下揺動によって開閉される状態で底部分１２０ａに支持されている。

　図５に示されるように、脱穀装置１１０の下部から還元スクリューコンベヤ１７０が延出されている。脱穀装置１１０の選別部によって得られた２番処理物が２番スクリューコンベヤ１７１（図１７参照）によって還元スクリューコンベヤ１７０に供給され、還元スクリューコンベヤ１７０によって揺動選別装置（図示せず）に還元される。

　図１７，１８に示されるように、還元スクリューコンベヤ１７０には、上下向きの縦搬送ケース１７０ａと、縦搬送ケース１７０ａの下部から脱穀装置側に向かって延びて２番スクリューコンベヤ１７１に外嵌し、２番スクリューコンベヤ１７１からの２番処理物を受け継ぐ接続ケース１７０ｂと、が備えられている。接続ケース１７０ｂにおいて、２番スクリューコンベヤ１７１の上側におけるケース内空間Ｓ１は、２番スクリューコンベヤ１７１の下側におけるケース内空間Ｓ２よりも広い。接続ケース１７０ｂの内部において、２番処理物が２番スクリューコンベヤ１７１から上向きに流動して還元スクリューコンベヤ１７０に受け継がれる。このとき、ケース内空間Ｓ１が広いので、２番処理物が還元スクリューコンベヤ１７０に向けてスムーズに流動する。

［第２実施形態の別実施形態］
　以下、上記した実施形態を変更した別実施形態について説明する。以下の各別実施形態で説明している事項以外は、上記した実施形態で説明している事項と同様である。上記した実施形態及び以下の各別実施形態は、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせてもよい。なお、本発明の範囲は、上記した実施形態及び以下の各別実施形態に限定されるものではない。

（１）上記した実施形態では、駆動スプロケット１３５、従動スプロケット１３６、無端回動チェーン１４０が備えられた供給搬送装置１３０が採用された例を示した。しかしながら、本発明はこれに限らない。供給搬送装置としては、たとえば、駆動プーリや駆動輪体が駆動回転体として備えられ、従動プーリや従動輪体が従動回転体として備えられ、無端ベルトなどの無端索状体が無端回動体として備えられたものであってもよい。

（２）上記した実施形態では、支軸１３７が横向きに設けられた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、支軸１３７を前後向きに設け、支持アーム１３８を搬送ケース１３３の前壁部及び後壁部の外側に設け、繋ぎ部材を搬送ケースの外周面のうち、横側壁の外側面に沿う状態で設けてもよい。

（３）上記した実施形態では、調節杆１５５及び位置決め機構１５７によって位置調節機構１６０が構成された例を示したが、調節杆１５５を介さないで連結体１５４の搬送ケース１３３に対する位置を変更調節するように位置調節機構を構成して実施してもよい。

（４）上記した実施形態では、調節杆１５５が繋ぎ部材１５３から延びる例を示したが、支持アーム１３８から延びる構成を採用して実施してもよい。

（５）上記した実施形態では、第１保持部材１５６及び第２保持部材１５２を設けた例を示したが、第１保持部材１５６及び第２保持部材１５２のいずれか一方だけを設けて実施してもよい。また、第１保持部材１５６及び第２保持部材１５２の両方を設けないで実施してもよい。

（６）上記した実施形態では、スラットコンベヤ１３１及びスクリューコンベヤ１３２によって供給搬送装置１３０が構成された例を示したが、本発明はこれに限らない。供給搬送装置は、スラットコンベヤだけで構成されたものであってもよい。

［第３実施形態］
　以下、図１９～図２７を参照しながら、本発明の一例である第３実施形態について説明する。具体的には、本発明に係る収穫機の実施形態を普通型コンバインに適用した場合について説明する。

〔全体構成〕
　図１９，図２０に示すように、コンバインは、作物を刈り取って後方に搬送する刈取搬送部２０１、キャビン２０２にて覆われた運転部２０３、刈取搬送部２０１にて刈り取られた作物の脱穀処理を行う脱穀装置２０４、その脱穀装置２０４にて脱穀処理されて得られた穀粒を貯留する穀粒タンク２０５、駆動源としてのエンジン２２１を有する原動部２０６、操向不能で且つ回転駆動される走行装置としての左右一対の前車輪２０８と、操向操作可能な左右一対の後車輪２０９とを備えている。運転部２０３は、脱穀装置２０４の前隣に配置されている。

　この実施形態で、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図１９，２０，２１，２２に符号（Ｆ）で示す方向が「前」、図１９，２０，２１，２２に符号（Ｂ）で示す方向が「後」である。図２０，２１，２２，２４に符号（Ｌ）で示す方向が「左」、図２０，２１，２２，２４に符号（Ｒ）で示す方向が「右」である。

　刈取搬送部２０１は、機体の前部において横向き支点周りで揺動昇降自在に支持されている。刈取搬送部２０１は、刈取昇降シリンダ２１０の操作により駆動昇降可能である。刈取搬送部２０１は、植立する作物を刈り取り、刈り取った作物を刈幅方向の中央部に寄せ集める刈取ヘッダ２１１（「収穫部」に相当）と、刈り取られて中央に寄せ集められた作物の全稈を機体後方の脱穀装置２０４に向けて搬送する穀稈搬送装置２１２（「搬送装置」に相当）とを備えている。穀稈搬送装置２１２は、図１９に示すように、刈取ヘッダ２１１から後ろ上がりの状態で脱穀装置２０４まで延ばされている。運転部２０３は、穀稈搬送装置２１２の上方の位置に設けられている。

　刈取ヘッダ２１１には、刈取対象となる作物の穂先側を後方に向けて掻込む回転リール２１３、作物の株元を切断して刈り取るバリカン型の刈刃２１４、刈り取った作物を刈幅方向の中央部に寄せ集める横送りオーガ２１５等が備えられている。

　脱穀装置２０４は、機体左右方向中央部の低い位置に設けられている。脱穀装置２０４の上方における機体前部側に穀粒タンク２０５が備えられている。又、脱穀装置２０４の上方における機体後部側に駆動源としてのエンジン２２１が備えられている。つまり、穀粒タンク２０５とエンジン２２１とが前後方向に並ぶ状態で備えられている。

〔機体支持構造〕
　機体支持構造について説明する。

　図２１に示すように、機体前後方向に延びる左右一対の主フレーム２２２（「支持フレーム」に相当）と、左右の主フレーム２２２の前部を連結する前側連結部２２３と、左右の主フレーム２２２の後部を連結する後側連結部２２４とによって、機体全体を支持する機体フレーム２２５が構成されている。

　左右の主フレーム２２２は、断面形状が略Ｃ形のチャンネル材にて構成され、図１９に示すように、機体前部から機体後部にわたって前後方向に長く設けられている。左右の主フレーム２２２よりも低い位置に、左右の前車輪２０８及び左右の後車輪２０９の車軸２０８ａ，２０９ａが備えられている。図２１に示すように、左右の前車輪２０８及び左右の後車輪２０９は、左右の主フレーム２２２夫々の機体左右方向外方側に位置する状態で備えられている。そして、左右の主フレーム２２２は、左右の前車輪２０８及び左右の後車輪２０９に支持されている。

　左右の主フレーム２２２は、ベース部２２２Ａを備えている。ベース部２２２Ａは、左右の主フレーム２２２の前端部に前方に突出する状態で一体的に連結されている。

　前側連結部２２３について説明する。
　図２１に示すように、前側連結部２２３には、主フレーム２２２の左右のベース部２２２Ａを連結する上部横フレーム２２７と、左右のベース部２２２Ａよりも下側において左右両側部を連結する下部横フレーム２２８（「接続フレーム」に相当）とが備えられている。

　上部横フレーム２２７は角筒状であり、左右のベース部２２２Ａに亘って延び、左右両側がベース部２２２Ａに一体的に連結されている。左右のベース部２２２Ａの下面側に、左右の前車輪２０８を回転自在に支持する左右の車軸ケース２２９（「駆動軸ケース」に相当）が連結されている。従って、主フレーム２２２の前部側が前車輪２０８に支持されている。換言すれば、主フレーム２２２は車軸ケース２２９の上方において前後方向に沿って延ばされている。そして、当該主フレーム２２２は、ベース部２２２Ａにおいて車軸ケース２２９を支持している。車軸ケース２２９については後述する。

　下部横フレーム２２８には、図２３に示すように、前後方向に延びる左右の前後向き連結体２３０と、左右の前後向き連結体２３０の後部を連結する後側横向き連結体２３１と、左右の前後向き連結体２３０の前部を連結する前側横向き連結体２３２とが備えられている。前側横向き連結体２３２が左右の車軸ケース２２９にボルト連結されている。左右の車軸ケース２２９の後下部側箇所同士は、丸パイプ材からなる横向きパイプフレーム２３３にて連結されている。この横向きパイプフレーム２３３の内部の空間は、作動油の貯留部として利用されている。

　エンジン２２１からの動力を変速する走行伝動装置２３４が上部横フレーム２２７と下部横フレーム２２８との間に入り込む状態で備えられている。図２５に示すように、走行伝動装置２３４は、ギア式変速機構２３５（「ギア変速装置」に相当）を内装するミッションケース２３６と、ミッションケース２３６の横側に一体的に連結された静油圧式無段変速装置（ＨＳＴ）３７（「変速装置」に相当）とを備えている。走行伝動装置２３４（静油圧式無段変速装置２３７）は、図１９に示すように、脱穀装置２０４の前隣かつ穀稈搬送装置２１２の下方の位置に設けられている。

　ミッションケース２３６の左右両側には、ミッションケース２３６の左右両部から左右方向外方側へ延び変速後の動力を左右の前車輪２０８に伝達する左右の走行駆動軸２３８（「駆動軸」に相当）と、左右の走行駆動軸２３８を各別に覆う左右の車軸ケース２２９（「駆動軸ケース」に相当）とが備えられている。ミッションケース２３６の前端部が連結部材２４０を介して横向きパイプフレーム２３３の左右方向の中間部に連結されている。

　左右の車軸ケース２２９は、円筒状ケース部２２９ａと、前輪駆動ケース部２２９ｂと、を備えている。円筒状ケース部２２９ａは、ミッションケース２３６から横外側方に延びている。前輪駆動ケース部２２９ｂは、円筒状ケース部２２９ａに連なる状態で設けられ、ギア式減速機構２４１（図２５参照）を内装するとともに、前車輪２０８を支持している。円筒状ケース部２２９ａと前輪駆動ケース部２２９ｂとは一体的に連結されている。左右の前輪駆動ケース部２２９ｂが下部横フレーム２２８によって連結されている。

　後側連結部２２４について説明する。
　図２１に示すように、後側連結部２２４には、左右の主フレーム２２２よりも下側に位置し且つ左右の主フレーム２２２にわたって延びる丸パイプ材からなる後部連結体２４２が備えられている。また、左右の後車輪２０９にわたって設けられた後輪支持体２４３が、後部連結体２４２に前後軸芯周りに揺動自在に支持されている。

　そして、左右の主フレーム２２２における車体後部側箇所に、下向きに突出する左右の支持枠２４４が備えられている。また、後部連結体２４２が、左右の支持枠２４４に亘って架設連結されている。後部連結体２４２の左右中間部に固定状態でローリング支持部２４５が設けられ、車体横向きの後輪支持体２４３の車体横幅方向の中間部が、車体前後向きの軸芯周りで揺動自在にローリング支持部２４５に支持されている。

　後輪支持体２４３の左右両側端部には、左右の後車輪２０９が縦軸芯周りで揺動自在に支持され、後輪支持体２４３の後部側に左右方向に沿ってステアリングシリンダ２４６が設けられている。後車輪２０９は、ステアリングシリンダ２４６の操作により縦軸芯周りで揺動して、機体を旋回させることができる。

　〔脱穀装置の支持構造〕
　次に、脱穀装置２０４に関し、主にその支持構造について説明する。
　図１９に示すように、脱穀装置２０４には、脱粒処理を行う脱穀部２４７と、脱穀部２４７による脱粒処理が行われた後の処理物を選別処理する選別部２４８とが備えられている。

　脱穀部２４７には、外周部を囲う状態で略箱状のフレームが備えられ、当該フレームの内部には、機体前後方向に沿う回転軸芯周りで回転する扱胴が備えられる。

　脱穀部２４７を構成するフレームは、左右の主フレーム２２２に載置支持されている。当該フレームは、詳述はしないが、左右の側壁部、後壁部、前壁部等が一体的に連結されている。角筒材やアングル材等からなる複数の補強用支持体も備えられている。

　選別部２４８には、矩形状態の周壁部からなるフレームが備えられ、当該フレームの内部には、脱粒処理が行われた後の処理物を、揺動移送しながら、穀粒、枝付き穀粒等の二番物、及び、排ワラ屑等に選別するための選別処理部が備えられる。

　選別部２４８を構成するフレームは、左右の主フレーム２２２に吊り下げ支持されている。詳述はしないが、当該フレームは、選別部２４８の左右両側を覆う側壁部と、左右の側壁部の前部側同士を連結する前側支持部とを備えて矩形枠状に形成されている。そして、この左右の側壁部の上端部は、左右の主フレーム２２２の下面に当て付けられた状態で、ボルト連結にて固定されている。これにより、当該フレームは、吊り下げ支持されている。

　選別部２４８は、図１９に示すように、その前端部において、下部横フレーム２２８の後側横向き連結体２３１に接続されている。一方、下部横フレーム２２８の後側横向き連結体２３１は、脱穀装置２０４の選別部２４８と接続されている。下部横フレーム２２８の前側横向き連結体２３２は、車軸ケース２２９と、横向きパイプフレーム２３３と、連結部材２４０とを介して、ミッションケース２３６に接続されている。すなわち、下部横フレーム２２８は、脱穀装置２０４とミッションケース２３６（ギア式変速機構２３５）とを繋いでいる。

〔動力伝達構造〕
　次に、エンジン２２１の動力を前車輪２０８に伝達するための動力伝達構造について説明する。
　図２５に示すように、走行伝動装置２３４におけるミッションケース２３６には、機体右側外方に突出する状態で入力軸２５２が備えられている。詳しくは、静油圧式無段変速装置２３７の入力軸２５２が、ミッションケース２３６を貫通してミッションケース２３６の右側面から右方に突出している。入力軸２５２には、入力プーリ２５３が備えられている。入力プーリ２５３に対してエンジン２２１からの動力が入力される。

　入力軸２５２に伝達された動力は、静油圧式無段変速装置２３７及びミッションケース２３６内のギア式変速機構２３５により変速されたのち差動機構２５４を介して左右両側の走行駆動軸２３８に伝達され、更に、ギア式減速機構２４１を介して前車輪２０８の車軸２０８ａに伝達される。

　走行伝動装置２３４の構造について更に説明する。
　図２５に示すように、静油圧式無段変速装置２３７は、油圧ポンプ２５５及び油圧モータ２５６を有している。そして、油圧ポンプ２５５は、入力軸２５２及びポンプ斜板２５７を有している。また、油圧モータ２５６は、モータ出力軸２５８及びモータ斜板２５９を有している。

　エンジン２２１から入力軸２５２に入力された動力は、ポンプ斜板２５７、モータ斜板２５９を介して、モータ出力軸２５８に伝達される。このとき、動力伝達経路におけるポンプ斜板２５７とモータ斜板２５９との間で、駆動力は変速される。

　モータ出力軸２５８に伝達された駆動力は、ギア式変速機構２３５を介して、差動機構２５４に伝達される。このとき、ギア式変速機構２３５において、駆動力は変速される。そして、差動機構２５４に伝達された駆動力は、左右の走行駆動軸２３８に分配される。

　左右の走行駆動軸２３８は、差動機構２５４から機体左右方向の外側へ延びる状態で設けられている。そして、走行駆動軸２３８は、ギア式減速機構２４１を介して、車軸２０８ａに連結している。前車輪２０８は、図２１に示すように、車軸２０８ａに固定されている。この構成により、走行駆動軸２３８に伝達された動力は、ギア式減速機構２４１及び車軸２０８ａを介して、前車輪２０８に伝達される。これにより、前車輪２０８が駆動される。すなわち、静油圧式無段変速装置２３７は、エンジン２２１からの動力を変速して、ギア式変速機構２３５、走行駆動軸２３８、ギア式減速機構２４１及び車軸２０８ａを介して、前車輪２０８へ伝達する。ギア式変速機構２３５は、静油圧式無段変速装置２３７と前車輪２０８との間に介在され、静油圧式無段変速装置２３７からの動力を変速して前車輪２０８へ伝達する。

〔伝達機構〕
　静油圧式無段変速装置２３７は、トラニオン軸２６０を有している。トラニオン軸２６０は、静油圧式無段変速装置２３７の後面から後方へ向けて突出している。トラニオン軸２６０は、その中心軸（軸芯Ｐ２３）が機体前後方向と平行になるように配置されている。トラニオン軸２６０が回転操作されると、静油圧式無段変速装置２３７のポンプ斜板２５７の角度が変化して、静油圧式無段変速装置２３７における変速比が変化する。

　図１９、２０に示すように、運転部２０３に、静油圧式無段変速装置２３７の変速状態の変更を指令する手動式の主変速レバー２６１（「変速操作具」に相当）が備えられている。そして、図２６に示すように、主変速レバー２６１に対する操作力を静油圧式無段変速装置２３７のトラニオン軸２６０へ伝達する伝達機構Ａが設けられている。伝達機構Ａは、操作ワイヤ２６２と、右アーム部２６３（「第２アーム」に相当）と、ロッド２６４と、左アーム部２６５（「第１アーム」に相当）と、を備えている。

〔操作ワイヤ〕
　操作ワイヤ２６２は、アウターケーシング２６２Ａと、インナーワイヤ２６２Ｄとを備えている。インナーワイヤ２６２Ｄは、アウターケーシング２６２Ａに対して相対移動可能な状態で、アウターケーシング２６２Ａの内部に挿通されている。

　アウターケーシング２６２Ａの端部のうち、主変速レバー２６１の側の端部２６２Ｂは、運転部２０３の内部に配置されており、主変速レバー２６１を支持する操作パネル部２６１Ｂ（図１９、図２０参照）の内部に固定されている。

　アウターケーシング２６２Ａの端部のうち、静油圧式無段変速装置２３７の側の端部２６２Ｃは、図２３、図２４に示すように、右の主フレーム２２２が備えるブラケット２２２Ｂ（「支持部」に相当）に支持されている。ブラケット２２２Ｂは、右の主フレーム２２２の側面のうち、静油圧式無段変速装置２３７が位置する側の側面である左側面２２２Ｃに設けられている。

　インナーワイヤ２６２Ｄの端部のうち、主変速レバー２６１の側の端部２６２Ｅ（「第４端部」に相当）は、図２６に示すように、主変速レバー２６１のアーム端２６１Ａに接続されている。

　インナーワイヤ２６２Ｄの端部のうち、静油圧式無段変速装置２３７の側の端部２６２Ｆ（「第３端部」に相当）は、図２６に示すように、右アーム部２６３（後述）に接続されている。

　インナーワイヤ２６２Ｄは、図２４に示すように、右アーム部２６３との接続部（端部２６２Ｆ）から上方へ延びている。すなわち、操作ワイヤ２６２は、右アーム部２６３を介したロッド２６４との接続部から上方へ延びている。

　操作ワイヤ２６２は、図１９に示すように、運転部２０３から下斜め後方に延び、且つ、穀稈搬送装置２１２よりも後側を下方へ延び、且つ、ミッションケース２３６よりも後側を下方へ延びている。

〔右アーム部〕
　右アーム部２６３は、図２３、図２４、図２６に示すように、円筒２６３Ａと、円筒２６３Ａの後部から下へ延びる後アーム板２６３Ｂと、円筒２６３Ａの前部から右へ延びる前アーム板２６３Ｄと、を備えている。円筒２６３Ａは、中空の円筒であって、下部横フレーム２２８の後側横向き連結体２３１の上面に設けられたブラケット２３１Ａの軸部材２３１Ｂに、相対回転が可能なように支持される。軸部材２３１Ｂは、その中心軸（軸芯Ｐ２２）が機体前後方向と平行になるように配置されている。円筒２６３Ａ、後アーム板２６３Ｂ、及び前アーム板２６３Ｄは、軸芯Ｐ２２周りに揺動変位可能である。すなわち、右アーム部２６３は、機体前後方向と平行な軸芯Ｐ２２周りに揺動変位可能である。

　図２３、図２４、図２６に示すように、前アーム板２６３Ｄの右端部２６３Ｃに、インナーワイヤ２６２Ｄの端部２６２Ｆが接続されている。後アーム板２６３Ｂの下端部２６３Ｅに、ロッド２６４の右端部２６４Ａ（「第２端部」に相当）が接続されている。

　本実施形態では、図２２に示すように、前アーム板２６３Ｄの右端部２６３Ｃが、穀稈搬送装置２１２に対して機体左右方向において機体外側（右側）に位置する。

〔ロッド〕
　ロッド２６４は、図２２に示すように、静油圧式無段変速装置２３７（あるいはミッションケース２３６）と選別部２４８（脱穀装置２０４）との間で、機体左右方向（「横方向」に相当）に延びて設けられる。すなわち、伝達機構Ａは、その一部であるロッド２６４が、静油圧式無段変速装置２３７と脱穀装置２０４との間で、横方向に延ばされた状態で設けられている。

　ロッド２６４の右端部２６４Ａは、図２３、図２４、図２６に示すように、右アーム部２６３の後アーム板２６３Ｂの下端部２６３Ｅに接続されている。ロッド２６４の左端部２６４Ｂ（「第１端部」に相当）は、左アーム部２６５の下端部２６５Ａに接続されている。ロッド２６４は、図２４に示すように、右端部２６４Ａから左斜め上方向きに延びている。

〔左アーム部〕
　左アーム部２６５は、図２４に示すように、静油圧式無段変速装置２３７のトラニオン軸２６０に取り付けられ、トラニオン軸２６０から下方へ延びている。左アーム部２６５の下端部２６５Ａは、ロッド２６４の左端部２６４Ｂに接続されている。左アーム部２６５は、トラニオン軸２６０と共に、軸芯Ｐ２３の回りに揺動変位可能である。

　伝達機構Ａが以上の通り構成されていることから、次のことがいえる。左アーム部２６５（「第１アーム」に相当）は、静油圧式無段変速装置２３７（「変速装置」に相当）のトラニオン軸２６０と、ロッド２６４の左端部２６４Ｂ（「第１端部」に相当）との間に介在されている。すなわち、ロッド２６４の左端部２６４Ｂは、左アーム部２６５を介して、静油圧式無段変速装置２３７に接続されている。

　右アーム部２６３（「第２アーム」に相当）は、ロッド２６４の右端部２６４Ａ（「第２端部」に相当）と、インナーワイヤ２６２Ｄの端部２６２Ｆ（「第３端部」に相当）との間に介在されている。すなわち、ロッド２６４の右端部２６４Ａは、右アーム部２６３を介して、インナーワイヤ２６２Ｄの端部２６２Ｆに接続されている。

　次に、伝達機構Ａによる、主変速レバー２６１に対する操作力の静油圧式無段変速装置２３７への伝達について、図２６を参照して説明する。

　主変速レバー２６１は、機体左右方向に沿う軸芯Ｐ２１回りに揺動変位可能となるように、運転部２０３に配置されている。図２６には、主変速レバー２６１が中立位置ＮＬにある状態が示されている。

　主変速レバー２６１が前方へ操作され、前進走行域ＦＷ１へ揺動すると、アーム端２６１Ａに接続されているインナーワイヤ２６２Ｄが主変速レバー２６１に近づく方向へ引っ張られて、アウターケーシング２６２Ａに対して相対移動する。右アーム部２６３の前アーム板２６３Ｄがインナーワイヤ２６２Ｄに上方へ引っ張られて、右アーム部２６３が機体前方視で反時計回りに揺動する。ロッド２６４が右アーム部２６３の後アーム板２６３Ｂに引っ張られて、右斜め下方に移動する。そうすると、左アーム部２６５の下端部２６５Ａがロッド２６４に引っ張られて、左アーム部２６５が機体前方視で反時計回りに揺動し、前進走行域ＦＷ２へ揺動する。左アーム部２６５により、静油圧式無段変速装置２３７のトラニオン軸２６０が回転操作され、主変速レバー２６１の操作量に応じた角度へポンプ斜板２５７の角度が変化する。以上述べた動作により、エンジン２２１から入力軸２５２に入力された動力が、ポンプ斜板２５７とモータ斜板２５９との間で変速され、ギア式変速機構２３５等を介して前車輪２０８へ伝達され、コンバインが前進する。主変速レバー２６１が前進走行域ＦＷ１にて前方へ操作されるほど、前進走行速度が無段階に増速される。

　主変速レバー２６１が後方へ操作され、後進走行域ＢＷ１へ揺動すると、アーム端２６１Ａに接続されているインナーワイヤ２６２Ｄが主変速レバー２６１から遠ざかる方向へ押されて、アウターケーシング２６２Ａに対して相対移動する。右アーム部２６３の前アーム板２６３Ｄがインナーワイヤ２６２Ｄに下方へ押されて、右アーム部２６３が機体前方視で時計回りに揺動する。ロッド２６４が右アーム部２６３の後アーム板２６３Ｂに押されて、左斜め上方に移動する。そうすると、左アーム部２６５の下端部２６５Ａがロッド２６４に押されて、左アーム部２６５が機体前方視で時計回りに揺動し、後進走行域ＢＷ２へ揺動する。左アーム部２６５により、静油圧式無段変速装置２３７のトラニオン軸２６０が回転操作され、主変速レバー２６１の操作量に応じた角度へポンプ斜板２５７の角度が変化する。以上述べた動作により、エンジン２２１から入力軸２５２に入力された動力が、ポンプ斜板２５７とモータ斜板２５９との間で変速され、ギア式変速機構２３５等を介して前車輪２０８へ伝達され、コンバインが後進する。主変速レバー２６１が後進走行域ＢＷ１にて後方へ操作されるほど、後進走行速度が無段階に増速される。

〔操作機構〕
　ギア式変速機構２３５は、本実施形態では、変速状態が低速状態と高速状態とに切り替え可能に構成されている。変速状態の切替は、シフト軸２７０の回動により行われる。

　図２７に示すように、運転部２０３に設けられた主変速レバー２６１に、ギア式変速機構２３５の変速状態の切替を指令する手動式の副変速スイッチ２６１Ｃ（「ギア変速操作具」に相当）が備えられている。そして、図２７に示すように、副変速スイッチ２６１Ｃに対する操作に応じてギア式変速機構２３５を操作する操作機構Ｂ２が設けられている。操作機構Ｂ２は、制御装置２７１と、バルブユニット２７２と、アクチュエータ２７３と、リンク機構２７４と、を備えている。

　制御装置２７１は、マイクロコンピュータを備えて構成され、予め設定されている制御プログラムに従って制御を実行する。制御装置２７１に対して、副変速スイッチ２６１Ｃの操作状態を示す情報が入力される。制御装置２７１は、副変速スイッチ２６１Ｃからの入力情報に基づいて、バルブユニット２７２を制御して、アクチュエータ２７３の作動を制御するように構成されている。

　バルブユニット２７２は、アクチュエータ２７３へ作動油を供給して、アクチュエータ２７３を伸縮させるよう構成されている。

　アクチュエータ２７３は、バルブユニット２７２から作動油の供給を受けて伸縮する油圧式シリンダである。アクチュエータ２７３のシリンダロッド２７３Ａは、リンク機構２７４に接続されている。アクチュエータ２７３は、図２３、図２４に示すように、下部横フレーム２２８の後側横向き連結体２３１が備えるブラケット２３１Ｃに支持されている。詳しくは、アクチュエータ２７３に設けられたブラケット２７３Ｂが、複数のボルトにより、ブラケット２３１Ｃに取り付けられている。ブラケット２３１Ｃは、後側横向き連結体２３１の右側面から右方に突出して設けられている。

　リンク機構２７４は、アクチュエータ２７３の動作をギア式変速機構２３５のシフト軸２７０へ伝達する。リンク機構２７４は、右リンク板２７５と、左リンク板２７６と、変速アーム２７７と、を備えている。

　右リンク板２７５は、機体左右方向に延びる板状の部材であって、右端部２７５Ａがアクチュエータ２７３のシリンダロッド２７３Ａに接続され、左端部２７５Ｂが左リンク板２７６に接続されている。

　左リンク板２７６は、機体左右方向に延びる板状の部材であって、右端部２７６Ａが左リンク板２７６に接続され、左端部２７６Ｂが変速アーム２７７に接続されている。左リンク板２７６は、図２３に示すように、右端部２７６Ａと左端部２７６Ｂとの間でクランク状に折れ曲がっている。図２２に示すように、右端部２７６Ａは、左端部２７６Ｂよりも前に位置し、且つ、ミッションケース２３６の後端よりも前に位置する。左端部２７６Ｂは、アクチュエータ２７３よりも後に位置する。アクチュエータ２７３は、ミッションケース２３６の後端よりも前に位置する。

　図２２に示すように、右リンク板２７５及び左リンク板２７６は、ミッションケース２３６と選別部２４８（脱穀装置２０４）との間で、機体左右方向（「横方向」に相当）に延びて設けられる。すなわち、操作機構Ｂ２は、その一部であるリンク機構２７４の右リンク板２７５及び左リンク板２７６が、ギア式変速機構２３５と脱穀装置２０４との間で、横方向に延ばされた状態で設けられている。

　変速アーム２７７は、図２４に示すように、ギア式変速機構２３５のシフト軸２７０に取り付けられ、シフト軸２７０から下方へ延びている。変速アーム２７７の下端部２７７Ａは、左リンク板２７６の左端部２７６Ｂに接続されている。

　次に、操作機構Ｂ２による、副変速スイッチ２６１Ｃに対する操作に応じた、ギア式変速機構２３５の操作について、図２７を参照して説明する。

　副変速スイッチ２６１Ｃは、押し操作している間だけオン状態になり、押し操作を解除するとオフ状態になる押し操作式スイッチにて構成されている。副変速スイッチ２６１Ｃが押し操作されると、オン状態を示す情報が副変速スイッチ２６１Ｃから制御装置２７１へ入力される。

　制御装置２７１は、オン状態を示す情報が入力される度に、ギア式変速機構２３５の変速状態が高速状態、中立状態、及び低速状態の間で切り替わるよう、バルブユニット２７２を介してアクチュエータ２７３を制御する。

　図２７には、ギア式変速機構２３５が中立状態にあり、変速アーム２７７が中立状態に対応する中立位置ＮＬにある状態を示している。この状態で、副変速スイッチ２６１Ｃが押し操作されると、制御装置２７１は、シリンダロッド２７３Ａが左へ移動するように、バルブユニット２７２を制御してアクチュエータ２７３へ作動油を供給させる。シリンダロッド２７３Ａが左に移動すると、右リンク板２７５及び左リンク板２７６が左へ移動する。変速アーム２７７が軸芯Ｐ２３回りに反時計回りに揺動し、変速アーム２７７が低速状態に対応する低速位置Ｌｏへ揺動する。変速アーム２７７により、ギア式変速機構２３５のシフト軸２７０が回転操作され、ギア式変速機構２３５の変速状態が中立状態から低速状態へ切り替わる。

　続いて、副変速スイッチ２６１Ｃが押し操作されると、制御装置２７１は、シリンダロッド２７３Ａが右へ移動して図２７に示す状態に戻るように、バルブユニット２７２を制御してアクチュエータ２７３へ作動油を供給させる。シリンダロッド２７３Ａが右に移動すると、右リンク板２７５及び左リンク板２７６が右へ移動する。変速アーム２７７が軸芯Ｐ２３回りに時計回りに揺動し、変速アーム２７７が中立状態に対応する中立位置ＮＬへ揺動する。変速アーム２７７により、ギア式変速機構２３５のシフト軸２７０が回転操作され、ギア式変速機構２３５の変速状態が低速状態から中立状態へ切り替わる。

　続いて、副変速スイッチ２６１Ｃが押し操作されると、制御装置２７１は、シリンダロッド２７３Ａが右へ移動するように、バルブユニット２７２を制御してアクチュエータ２７３へ作動油を供給させる。シリンダロッド２７３Ａが右に移動すると、右リンク板２７５及び左リンク板２７６が右へ移動する。変速アーム２７７が軸芯Ｐ２３回りに時計回りに揺動し、変速アーム２７７が高速状態に対応する高速位置Ｈｉへ揺動する。変速アーム２７７により、ギア式変速機構２３５のシフト軸２７０が回転操作され、ギア式変速機構２３５の変速状態が中立状態から高速状態へ切り替わる。

　以降、副変速スイッチ２６１Ｃが押し操作される度に、ギア式変速機構２３５の変速状態が高速状態から中立状態、中立状態から低速状態へ切り替わる。以上のようにして、操作機構Ｂ２は、副変速スイッチ２６１Ｃに対する操作に応じてギア式変速機構２３５を操作する。

［第３実施形態の別実施形態］
　以下、上記した実施形態を変更した別実施形態について説明する。以下の各別実施形態で説明している事項以外は、上記した実施形態で説明している事項と同様である。上記した実施形態及び以下の各別実施形態は、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせてもよい。なお、本発明の範囲は、上記した実施形態及び以下の各別実施形態に限定されるものではない。

（１）上記実施形態では、操作ワイヤ２６２と右アーム部２６３との接続部（操作ワイヤ２６２の端部２６２Ｅ）が、穀稈搬送装置２１２に対して機体左右方向において機体外側（右側）に位置する例が説明された。右アーム部２６３の全体、又は、ロッド２６４の右端部２６４Ａが、穀稈搬送装置２１２に対して機体左右方向において機体外側（右側）に位置してもよい。この場合、伝達機構Ａのメンテナンス性が更に向上し好ましい。

（２）上記実施形態では、下部横フレーム２２８の前側横向き連結体２３２が、車軸ケース２２９と、横向きパイプフレーム２３３と、連結部材２４０とを介して、ミッションケース２３６と接続されている例が説明された。下部横フレーム２２８とミッションケース２３６とが直接接続される形態も可能である。

（３）上記実施形態では、伝達機構Ａが、一本の操作ワイヤ２６２と一本のロッド２６４とを有して構成されたが、伝達機構Ａが複数の操作ワイヤと複数のロッドとを有していてもよい。

（４）上記実施形態では、ギア式変速機構２３５が低速状態と高速状態の２段階に切り替え可能である構成について説明したが、３段階以上の変速状態に切り替え可能な構成としてもよい。

（５）上記実施形態では、アクチュエータ２７３が油圧シリンダである例が説明されたが、電動シリンダや電動モータ等の電動アクチュエータが用いられてもよい。

　本発明は、前車輪及び後車輪に限らず、クローラ式走行装置、あるいは、車輪とミニクローラとを組み合わせた走行装置を有するコンバインに適用できる。

　また、本発明は、走行しながら植立する作物を収穫する収穫機に適用可能であり、普通型コンバインの他、自脱型コンバインや、トウモロコシ収穫機等にも適用できる。

　（第１実施形態）
　７　　　　　　収穫部
　１０　　　　　脱穀装置
　１１　　　　　脱穀物タンク
　１２　　　　　脱穀物排出装置
　２０　　　　　下すぼまり部
　２０ａ　　　　底部分
　２０ｂ　　　　側板部
　２０Ｓ　　　　内面
　２２　　　　　底スクリュー
　２６　　　　　点検口
　２７　　　　　蓋体
　２７ａ　　　　外側蓋部
　２７ｂ　　　　内側蓋部
　２７ｃ　　　　蓋底板部
　２７ｄ　　　　蓋側板部
　２７Ｓ　　　　内面
　２８　　　　　ヒンジ部材
　２９　　　　　連結軸
　３１　　　　　ロック機構
　３１ａ　　　　ネジ軸
　３１ｂ　　　　ナット具
　３２　　　　　長孔部

　（第２実施形態）
　１０７　　　　収穫部
　１１０　　　　脱穀装置
　１１１　　　　脱穀物タンク
　１３０　　　　供給搬送装置
　１３３　　　　搬送ケース
　１３５　　　　駆動スプロケット（駆動回転体）
　１３６　　　　従動スプロケット（従動回転体）
　１３７　　　　支軸
　１３８　　　　支持アーム
　１４０　　　　無端チェーン（無端回動体）
　１４１　　　　搬送体
　１４２　　　　搬送面体
　１４２ａ　　　搬送終端側の搬送面体部
　１４２ｂ　　　搬送終端側の搬送面体部以外の搬送面体部
　１４３　　　　搬送経路
　１５１　　　　ガイド杆
　１５２　　　　第２保持部材
　１５３　　　　繋ぎ部材
　１５４　　　　連結体
　１５５　　　　調節杆
　１５６　　　　第１保持部材
　１５７　　　　位置決め機構
　１６０　　　　位置調節機構

　（第３実施形態）
　２０３　　　　運転部
　２０４　　　　脱穀装置
　２０８　　　　前車輪（走行装置）
　２０８ａ　　　車軸
　２１１　　　　刈取ヘッダ（収穫部）
　２１２　　　　穀稈搬送装置（搬送装置）
　２２２　　　　主フレーム（支持フレーム）
　２２２Ｂ　　　ブラケット（支持部）
　２２８　　　　下部横フレーム（接続フレーム）
　２２９　　　　車軸ケース（駆動軸ケース）
　２３５　　　　ギア式変速機構（ギア変速装置）
　２３７　　　　静油圧式無段変速装置（変速装置）
　２３８　　　　走行駆動軸（駆動軸）
　２６１　　　　主変速レバー（変速操作具）
　２６１Ｃ　　　副変速スイッチ（ギア変速操作具）
　２６２　　　　操作ワイヤ
　２６２Ａ　　　アウターケーシング
　２６２Ｅ　　　端部（第４端部）
　２６２Ｆ　　　端部（第３端部）
　２６３　　　　右アーム部（第２アーム）
　２６４　　　　ロッド
　２６５　　　　左アーム部（第１アーム）
　２７３　　　　アクチュエータ
　２７４　　　　リンク機構
　Ａ　　　　　　伝達機構
　Ｂ２　　　　　操作機構

Claims

　収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、
　前記脱穀装置によって得られた脱穀物を貯留すると共に、底部に形成された下すぼまり部を有する脱穀物タンクと、
　前記下すぼまり部の内部に設けられ、前記脱穀物タンクから脱穀物を排出する底スクリューと、
　前記底スクリューに接続され、前記底スクリューからの脱穀物を搬送して機体外に向けて排出する脱穀物排出装置と、が備えられ、
　前記脱穀物タンクに、前記下すぼまり部の底部分に開口された点検口、及び、前記点検口を開閉する蓋体が備えられ、
　前記蓋体は、前記底スクリューのスクリュー軸芯に対して非平行な軸芯を揺動支点にする上下揺動によって開閉するコンバイン。
　前記蓋体に、蓋底板部、及び、前記蓋底板部の両横端部から立ち上がる一対の蓋側板部が備えられ、
　前記一対の蓋側板部は、当該蓋側板部どうしの間隔が前記蓋側板部の上端側ほど広くなる状態で、かつ、前記下すぼまり部における側板部に沿う状態で傾斜している請求項１に記載のコンバイン。
　前記蓋体に、当該蓋体の閉状態において前記点検口に入り込み、前記蓋底板部の内面と前記底部分の内面とを面一にする内側蓋部と、前記点検口の周囲で前記底部分の外側面に当接する外側蓋部と、が備えられ、
　前記蓋底板部と前記底部分とにわたって設けられ、前記蓋体を前記下すぼまり部に揺動開閉可能に支持するヒンジ部材が備えられ、
　前記ヒンジ部材を前記底部分に連結する連結軸が前記底部分から外側向きに突設されており、
　前記蓋体を閉状態に固定するロック機構に、前記下すぼまり部から外側向きに突設されたネジ軸と、前記蓋側板部に形成された長孔部と、前記長孔部に挿通された前記ネジ軸に締結されるナット具とが備えられている請求項２に記載のコンバイン。
　前記軸芯は、前記蓋体における前記底スクリューの搬送方向上手側での端部に設けられている請求項１から３のいずれか１項に記載のコンバイン。
　前記点検口は、前記底部分における前記底スクリューの搬送方向での中心箇所に対して前記脱穀物排出装置が位置する側に偏倚している請求項１から４のいずれか一項に記載のコンバイン。
　収穫部によって収穫された収穫物を脱穀処理する脱穀装置と、
　脱穀物を貯留する脱穀物タンクと、
　前記脱穀装置と前記脱穀物タンクとに亘って設けられ、前記脱穀装置によって得られた脱穀物を前記脱穀物タンクに供給する供給搬送装置と、が備えられ、
　前記供給搬送装置に、搬送ケースと、前記搬送ケースの下端側部分に内装された駆動回転体と、前記搬送ケースの上端側部分に内装された従動回転体と、前記駆動回転体と前記従動回転体とに巻回された無端回動体と、前記無端回動体に支持され、脱穀物を搬送する搬送体と、が備えられ、
　前記従動回転体の支軸が搬送方向に位置変更可能な状態で前記上端側部分に支持され、
　前記支軸の両端を繋ぐ連結体が備えられ、
　前記支軸の位置変更調節を行う１つの位置調節機構が、位置変更力を前記連結体に作用させる状態で備えられているコンバイン。
　前記連結体に、前記搬送ケースの外周面のうち、前記支軸の一方の端部が突出する外周面部分の外側に設けられて、前記一方の端部を支持する一方側の支持アームと、前記搬送ケースの外周面のうち、前記支軸の他方の端部が突出する外周面部分の外側に設けられて、前記他方の端部を支持する他方側の支持アームと、前記一方側の支持アームと前記他方側の支持アームとを繋ぐ繋ぎ部材と、が備えられ、
　前記繋ぎ部材に前記位置調節機構が作用する請求項６に記載のコンバイン。
　前記繋ぎ部材は、前記搬送ケースの外周面に沿う状態で設けられ、
　前記位置調節機構に、前記繋ぎ部材から前記搬送ケースの外周面に沿って下方に延びる調節杆と、前記調節杆の下部に設けられ、前記調節杆の前記搬送ケースに対する位置決めを行う位置決め機構と、が備えられている請求項７に記載のコンバイン。
　前記搬送ケースに支持され、前記調節杆の中途部を相対移動可能に保持する第１保持部材が備えられ、
　前記支持アームから上下方向に沿って延びるガイド杆、及び、前記搬送ケースに支持され、前記ガイド杆を相対移動可能に保持する第２保持部材が備えられている請求項８に記載のコンバイン。
　前記搬送ケースの内部に設けられ、脱穀物の搬送経路を形成する搬送面体が備えられ、
　前記搬送面体は、前記従動回転体の外周に沿う部分を有する搬送終端側の搬送面体部と、前記搬送終端側の搬送面体部以外の搬送面体部とに分割されており、
　前記搬送終端側の搬送面体部は、前記支持アームに追従移動するように構成されている請求項７から９のいずれか一項に記載のコンバイン。
　収穫部と、前記収穫部の後方に設けられ、前記収穫部によって収穫された収穫物を脱穀する脱穀装置と、前記収穫部から後ろ上がりの状態で延ばされ、収穫物の全稈を前記収穫部から前記脱穀装置に搬送する搬送装置と、前記脱穀装置の前隣かつ前記搬送装置の上方の位置に設けられた運転部と、前記脱穀装置の前隣かつ前記搬送装置の下方の位置に設けられ、駆動源からの動力を変速して走行装置へ伝達する変速装置と、を備え、
　前記運転部に、前記変速装置の変速状態の変更を指令する手動式の変速操作具を備え、
　前記変速操作具に対する操作力を前記変速装置へ伝達する伝達機構が、前記変速装置と前記脱穀装置との間において横方向に延ばされている収穫機。
　前記伝達機構は、前記変速装置と前記脱穀装置との間で横方向へ延びて設けられるロッドと、前記ロッドと前記変速操作具とを接続する操作ワイヤと、を備え、
　前記ロッドの一方の端部である第１端部は、前記変速装置に接続され、
　前記ロッドの他方の端部である第２端部は、前記操作ワイヤの一方の端部である第３端部に接続され、
　前記操作ワイヤの他方の端部である第４端部は、前記変速操作具に接続され、
　前記第２端部と前記第３端部との接続部は、前記搬送装置に対して機体左右方向において機体外側に位置する請求項１１に記載の収穫機。
　前記伝達機構は、前記変速装置と前記第１端部との間に介在され、揺動変位可能な第１アームと、前記第２端部と前記第３端部との間に介在され、揺動変位可能な第２アームとを備え、
　前記操作ワイヤは、前記操作ワイヤと前記第２アームとの接続部から上方へ延びている請求項１２に記載の収穫機。
　前記変速装置から横方向へ延び、前記走行装置へ動力を伝達する駆動軸を支持する駆動軸ケースと、
　前記駆動軸ケースの上方において前後方向に沿って延ばされ、前記駆動軸ケースを支持する支持フレームと、を備え、
　前記支持フレームは、前記操作ワイヤのアウターケーシングを支持する支持部を備え、
　前記支持部は、前記支持フレームにおける前記変速装置が位置する側の側面に設けられている請求項１３に記載の収穫機。
　前記変速装置と前記走行装置との間に介在され、前記変速装置からの動力を変速して前記走行装置へ伝達するギア切替式のギア変速装置と、
　前記運転部に、前記ギア変速装置の変速状態の切替を指令する手動式のギア変速操作具を備え、
　前記ギア変速操作具に対する操作に応じて前記ギア変速装置を操作する操作機構が、前記ギア変速装置と前記脱穀装置との間において横方向に延ばされている請求項１１から１４のいずれか一項に記載の収穫機。
　前記脱穀装置と前記ギア変速装置とを繋ぐ接続フレームを備え、
　前記操作機構は、前記ギア変速操作具に対する操作に応じて動作するアクチュエータと、前記アクチュエータの動作を前記ギア変速装置へ伝達するリンク機構と、を備え、
　前記アクチュエータが前記接続フレームに支持されている請求項１５に記載の収穫機。