WO2017086478A1

WO2017086478A1 - シート搬送装置

Info

Publication number: WO2017086478A1
Application number: PCT/JP2016/084366
Authority: WO
Inventors: 定之兼子; 美里中山; 麻子千葉; 阿弓町田; 徹郎石川; 佳則金谷; 芳寛谷池; 山口　雅史
Original assignee: キヤノン電子株式会社
Priority date: 2015-11-20
Filing date: 2016-11-18
Publication date: 2017-05-26
Also published as: US20190233241A1; EP3378812A1; CN108290697B; EP3378812B1; US10815091B2; US20180257895A1; EP3378812A4; US10301139B2; CN108290697A

Abstract

シート搬送装置は、搬送路が設けられた筐体と、搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、搬送路を搬送された前記シートを排出する排出口と、排出口から排出されるシートを積載するための排出トレイと、排出トレイの姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備え、排出トレイは、シートの排出方向において排出口に対向する部分でシートの先端が着地する第１シート受面と、第１シート受面に対して所定の傾きで形成された第２シート受面とを有し、姿勢変更手段は、排出トレイが有する第１シート受面を排出口側に傾くように排出トレイの姿勢を変更する。

Description

シート搬送装置

　本発明は、シート搬送装置に関する。

　複写機、スキャナー、プリンター等において、複数枚のシートを１枚ずつ搬送する機構を備えたものが知られている。例えば、スキャナーではチェック、小切手、ドキュメント等の原稿束が原稿台状に載置され、給紙機構によりこれが１枚ずつ分離して搬送しながら、原稿の画像を読み取る画像読取装置が知られている。

特開２０１４－７２５６４号公報特許第５８８６４６８号

　特許文献１に開示されている装置は、筐体のシート排出口側に排出トレイが設けられている。これにより、排出されるシートを受けて整列性を向上している。

　しかしながら、特許文献１にある排出トレイに対して排出する紙の種類によっては必ずしも整列性よくシートを受けることが出来ないという課題があった。

　また、特許文献２では、排出トレイを筐体側に折り畳んだ状態（収納状態）で筐体の正面を向いている面にトレイ支持部が当接する。そのためトレイ支持部との摩擦等により排出トレイ表面に傷や汚れが付いた場合に、ユーザから見える位置となり、収納状態において美観を損ねるという課題があった。

　本発明は、排出トレイの収納状態における美観を損ねることなく、シート排出トレイの角度を調整し、排出されたシートの整列性を向上可能とし、さらには精度の高い微調整を可能とし、装置の小型化に有効な技術を提供するものである。

　本発明のシート搬送装置によれば、搬送路が設けられた筐体と、搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、搬送路を搬送された前記シートを排出する排出口と、排出口から排出されるシートを積載するための排出トレイと、排出トレイの姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備え、排出トレイは、シートの排出方向において排出口に対向する部分でシートの先端が着地する第１シート受面と、第１シート受面に対して所定の傾きで形成された第２シート受面とを有し、姿勢変更手段は、排出トレイが有する第１シート受面を排出口側に傾くように排出トレイの姿勢を変更することを特徴とする。

　本発明によれば、簡易な構成で、排出トレイの角度調整が可能なシート搬送を提供することができる。

　本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。

　添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。図１の画像読取装置の制御ユニットのブロック図。本実施形態に係る画像読取装置の正面図。本実施形態に係る画像読取装置の他の正面図。本実施形態に係る画像読取装置の上面図。本実施形態に係る排出トレイの斜視図。本実施形態に係る画像読取装置の他の上面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の他の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の側面図。本実施形態に係る排出トレイの部分上面図。本実施形態に係る媒体ストッパの上面図。本実施形態に係る媒体ストッパの斜視図。本実施形態に係る媒体ストッパの断面図。本実施形態に係る媒体ストッパの断面図。本実施形態に係る媒体ストッパの断面図。本実施形態に係る媒体ストッパの斜視図。本実施形態の変形例に係る媒体ストッパの断面図。従来例１の媒体ストッパの斜視図。従来例２の媒体ストッパの断面図。本実施形態に係る画像読取装置の側面図。本実施形態に係る画像読取装置の他の側面図およびトレイ支持部の拡大図。本実施形態に係る画像読取装置の上面図および拡大図。本実施形態に係る排出トレイの折れ曲げ角と本体角の関係を示した側面図。本実施形態に係る排出トレイの折れ曲げ角と排出トレイの収納状態の関係を示した側面図。本実施形態に係る排出トレイの収納状態の概略断面図。本実施形態に係る排出トレイの使用状態の概略断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイ角度の状態検知（ＳＷオフ時）の構成図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイ角度の状態検知（ＳＷオン時）の構成図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー。本実施形態に係る画像読取装置のトレイ支持部の状態を監視する機構の実施形態２の構成図。本実施形態に係る画像読取装置のトレイ支持部の実施形態２での排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー。本実施形態に係る画像読取装置のトレイ支持部の状態を監視する機構の変形例の構成図。本実施形態に係る画像読取装置のトレイ支持部の状態を監視する機構の変形例の構成図。本実施形態に係る画像読取装置のトレイ支持部の変形例での排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイの角度検出機構の構成図。本実施形態に係る排出トレイの第２ヒンジを模式的に示す断面図。本実施形態に係る第２排出トレイを回動させたときの第２ヒンジの動作を模式的に示す断面図。本実施形態に係る第２排出トレイを回動させたときの第２ヒンジの動作を模式的に示す断面図。本実施形態に係る第２排出トレイを回動させたときの第２ヒンジの動作を模式的に示す断面図。本実施形態に係る第２排出トレイを回動させたときの第２ヒンジの動作を模式的に示す断面図。本実施形態に係る排出トレイの使用状態を示す側面図。本実施形態に係る排出トレイの使用状態を示す側面図。他の実施形態に係る排出トレイの側面図。他の実施形態に係る排出トレイの使用状態を示す側面図。他の実施形態に係る排出トレイの使用状態を示す側面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の他の概略側断面。本実施形態に係る排出トレイの概略側面図。本実施形態に係る画像読取装置の上面図および拡大図。本実施形態に係るトレイ支持部を示す側面図。本実施形態に係るトレイ支持部を示す斜視図。本実施形態に係るトレイ支持部を示す側面図。本実施形態に係るトレイ支持部を示す側面図。本実施形態に係る画像読取装置の上面図および拡大図。本実施形態に係るトレイ支持部を示す側面図。本実施形態に係る画像読取装置を示す上面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の構成図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係るトレイ支持部の上面図。本実施形態に係る画像読取装置の側面図。本実施形態に係る画像読取装置の側面図。本実施形態に係るトレイ支持部の側面図。本実施形態に係る画像読取装置の上面図およびその拡大図。本実施形態に係る画像読取装置の概略側断面図。本実施形態に係る排出トレイにおいて排出トレイ内が収納状態の概略側断面図。本実施形態に係る排出トレイにおいて排出トレイ内が展開状態の概略側断面図。本実施形態に係る排出トレイにおいて排出トレイ内が第２の位置で展開状態の概略側断面図。本実施形態に係る排出トレイにおいて排出トレイ内が第３の位置で展開状態の概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが展開された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが展開された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが展開された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが展開された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが延長された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが延長された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが延長された状態における概略側断面図。本実施形態に係る画像読取装置の排出トレイが延長された状態における概略側断面図。本実施形態に係る排出トレイの上面図。図６９のＩ－Ｉ断面。図６９のＩＩ－ＩＩ断面。本発明の他の実施形態に係るシート搬送装置の模式的な側断面図。本発明の他の実施形態に係るシート搬送装置の模式的な側断面図。

　図１は本発明の一実施形態に係る画像読取装置Ａの概略図である。

　＜装置の構成＞
　画像読取装置Ａは、載置台１に積載された一又は複数の搬送媒体Ｓを一つずつ装置内に経路ＲＴにて搬送してその画像を読み取り、排出トレイ２に排出する装置である。読み取る搬送媒体Ｓは、例えば、ＯＡ紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。搬送媒体Ｓには、また、パスポートなどの冊子も含まれる。冊子を対象とする場合、後述するホルダを用いることができる。ホルダに見開き状態の冊子を収納して載置台１に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。透明なホルダに見開き状態の冊子を収容して載置台１に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。

　＜給紙＞
　経路ＲＴに沿って搬送媒体Ｓを給送する給送機構としての第１搬送部１０が設けられている。第１搬送部１０は本実施形態の場合、送りローラ１１と、送りローラ１１に対向配置される分離ローラ１２と、を備え、載置台１上の搬送媒体Ｓを搬送方向Ｄ１に一つずつ順次搬送する。送りローラ１１には、モータ等の駆動部３から伝達部５を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向（経路ＲＴに沿って搬送媒体Ｓを搬送させる正方向）に回転駆動される。伝達部５は例えば電磁クラッチであり、駆動部３からの送りローラ１１への駆動力を断続する。

　＜駆動部＞
　駆動部３と送りローラ１１とを接続する伝達部５は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Ｓの逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ１１は伝達部５により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部５は、送りローラ１１を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。

　＜分離構造＞
　送りローラ１１に対向配置される分離ローラ１２は、搬送媒体Ｓを一枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ１１に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ１２は揺動可能に設けると共に送りローラ１１へ付勢されるように構成される。分離ローラ１２は、トルクリミッタ１２ａを介して駆動部３から駆動力が伝達され、実線矢印方向（送りローラ１１の正方向とは逆方向））に回転駆動される。

　分離ローラ１２はトルクリミッタ１２ａにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ１１と当接している際は送りローラ１１に連れ回りする方向（破線矢印方向）に回転する。これにより、複数の搬送媒体Ｓが送りローラ１１と分離ローラ１２との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して２つ以上の搬送媒体Ｓが下流に搬送されないようにせき止められる。

　なお、本実施形態では分離ローラ１２と送りローラ１１とで分離機構を構成したが、このような分離機構は必ずしも設けなくてもよく、経路ＲＴに搬送媒体Ｓを一つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ１２のような構成の代わりに、搬送媒体Ｓに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ１１に圧接させて、同様の分離作業を持たせるようにしてもよい。

　＜搬送構造＞
　第１搬送部１０の搬送方向下流側にある搬送機構としての第２搬送部２０は、駆動ローラ２１と、駆動ローラ２１に従動する従動ローラ２２とを備え、第１搬送部１０から搬送されてきた搬送媒体Ｓをその下流側へ搬送する。駆動ローラ２１にはモータ等の駆動部４から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ２２は駆動ローラ２１に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ２１に連れ回る。この従動ローラ２２は、バネ等の付勢ユニット（不図示）によって駆動ローラ２１に対して付勢された構成としてもよい。

　このような第２搬送部２０よりも搬送方向下流側にある第３搬送部３０は、駆動ローラ３１と、駆動ローラ３１に従動する従動ローラ３２とを備え、第２搬送部２０から搬送されてきた搬送媒体Ｓを排出トレイ２へ搬送する。つまり、この第３搬送部３０は排出機構として機能する。

　駆動ローラ３１にはモータ等の駆動部４から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ３２は駆動ローラ３１に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ３１に連れまわる。この従動ローラ３２は、バネ等の付勢ユニット（不図示）によって駆動ローラ３１に対して付勢された構成としてもよい。

　排出トレイ２は、画像読取装置Ａに対して回動可能なように、画像読取装置Ａの下方に設けられた第１ヒンジ１０１を介して軸支されている。また、第１ヒンジ１０１側の第１排出トレイ２ａとその先端側に接続された第２排出トレイ２ｂとから構成されており、第２排出トレイ２ｂは第１排出トレイ２ａの先端に設けられた第２ヒンジ１０２を支点として回動可能に軸支されている。

　＜画像読取構造、制御＞
　ここで、本実施形態の画像読取装置Ａでは、第２搬送部２０と第３搬送部３０との間に配置される画像読取ユニット７０によって画像の読み取りを行うため、第２搬送部２０及び第３搬送部３０は搬送媒体Ｓを定速搬送する。搬送速度は常に第１搬送部１０の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Ｓに後続搬送媒体Ｓが追いついてしまう事態を確実に回避できる。例えば、本実施形態では、第２搬送部２０及び第３搬送部３０による搬送媒体Ｓの搬送速度を、第１搬送部１０による搬送媒体Ｓの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。

　なお、第２搬送部２０及び第３搬送部３０による搬送媒体Ｓの搬送速度と、第１搬送部１０による搬送媒体Ｓの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部３を制御して後続搬送媒体Ｓの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Ｓと後続搬送媒体Ｓとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。

　＜重送検出＞
　第１搬送部１０と第２搬送部２０との間に配置される重送検出センサ４０は、静電気等で紙などの搬送媒体Ｓ同士が密着し、第１搬送部１０を通過してきた場合（つまり重なって搬送される重送状態の場合）に、これを検出するための検出センサ（シートの挙動や状態を検出するセンサ）の一例である。重送検出センサ４０としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部４１とその受信部４２とを備え、紙等の搬送媒体Ｓが重送されている場合と一つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Ｓを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。

　＜レジストセンサ＞
　このような重送検出センサ４０よりも搬送方向Ｄ１下流側に配置される媒体検出センサ５０は第２搬送部２０よりも上流側で、第１搬送部１０よりも下流側に配置された上流側の検出センサ（シートの挙動や状態を検出するセンサ）としての一例であり、第１搬送部１０により搬送される搬送媒体Ｓの位置、詳細には、媒体検出センサ５０の検出位置に搬送媒体Ｓの端部が到達又は通過したか否かを検出する。媒体検出センサ５０としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部５１とその受光部５２とを備え、搬送媒体Ｓの到達又は通過により受光強度（受光量）が変化することを原理として搬送媒体Ｓを検出する。

　本実施形態の場合、搬送媒体Ｓの先端が媒体検出センサ５０で検出されると、搬送媒体Ｓが重送検出センサ４０により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ５０は重送検出センサ４０の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ５０は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Ｓの端部が検知できるセンサ（イメージセンサ等）を用いてもよいし、経路ＲＴに突出したレバー型のセンサでもよい。

　媒体検出センサ５０とは別の媒体検出センサ６０が画像読取ユニット７０よりも上流側に配置されている。第２搬送部２０よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第２搬送部２０により搬送される搬送媒体Ｓの位置を検出する。媒体検出センサ６０としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ５０と同様に光センサであり、発光部６１と受光部６２とを備え、搬送媒体Ｓの到達又は通過により受光強度（受光量）が変化することを原理として搬送媒体Ｓを検出する。なお、本実施形態では、第２搬送部２０の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ５０、６０を配置したが、何れか一方だけでもよい。

　＜ＣＩＳの配置＞
　媒体検出センサ６０よりも下流側にある画像読取ユニット７０は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にＬＥＤ等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット７０は経路ＲＴの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Ｓの表裏面を読み取る。しかし、経路ＲＴの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Ｓの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット７０を経路ＲＴの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路ＲＴの方向に間隔をあけて配置してもよい。

　＜ブロック図の説明＞
　図２を参照して制御部８０について説明する。図２は画像読取装置Ａの制御部８のブロック図である。

　制御部８０はＣＰＵ８１、記憶部８２、操作部８３、通信部８４及びインターフェース部８６を備える。ＣＰＵ８１は記憶部８２に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置Ａ全体の制御を行う。記憶部８２は例えばＲＡＭ、ＲＯＭ等から構成される。操作部８３は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。

　通信部８４は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてＰＣ（パソコン）を想定した場合、通信部８４としては、例えば、ＵＳＢインターフェースやＳＣＳＩインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部８４は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。

　インターフェース部８６はアクチュエータ８５やセンサ８７とのデータの入出力を行うＩ／Ｏインターフェースである。アクチュエータ８５には、駆動部３、駆動部４、伝達部５等が含まれる。センサ８７には、重送検出センサ４０、媒体検出センサ５０及び６０、画像読取ユニット７０等が含まれる。

　＜ＰＣからの開始指示受信による駆動＞
　画像読取装置Ａの基本的な動作について説明する。制御部８０は、例えば画像読取装置Ａが接続された外部パソコンから画像読み取りの開始指示を受信すると、第１乃至第３搬送部１０乃至３０の駆動を開始する。載置台１に積載された搬送媒体Ｓはその最も下に位置する搬送媒体Ｓから一つずつ搬送される。

　＜重送時の制御＞
　搬送の途中で搬送媒体Ｓは重送検出センサ４０により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第１搬送部１０による後続搬送媒体Ｓの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Ｓをそのまま排出するようにしてもよい。

　＜レジストセンサの出力に応じた読取開始＞
　制御部８０は、媒体検出センサ６０の検出結果に基づくタイミングで、第２搬送部２０により搬送されてきた搬送媒体Ｓの、画像読取ユニット７０による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部パソコンへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Ｓは第３搬送部３０により排出トレイ２に排出されてその搬送媒体Ｓの画像読取処理が終了する。

　＜排紙構造＞
　図３は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を展開した状態の正面図である。また図８は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２および上部ユニット１０３を展開した状態の概略断面図である。

　正面上部の表示パネル９０には表示画面９３が設けられ、隣接した位置に操作キー１２２が設けられている。

　正面下部の下部パネル９１には排出口の一例としての排出開口９２が設けられており、第３搬送部３０によって搬送された搬送媒体Ｓが排出される。

　図４は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を収納した状態の正面図である。また図７は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２および上部ユニット１０３を収納した状態の概略断面図である。

　排出トレイ２は、画像読取装置Ａに対して回動可能なように、画像読取装置Ａの下方に設けられた第１ヒンジ１０１を介して軸支されており、第１排出トレイ２ａ及び第２排出トレイ２ｂによって筐体の一例としての本体１００前面を覆うように構成されている。

　第１排出トレイ２ａは、第１ヒンジ１０１を支点として回動可能に画像読取装置Ａの本体１００に取り付けられている。第１排出トレイ２ａは、下部パネル９１及び排出開口９２を合わせた面積と同サイズで形成され、図４に示すような排出トレイ２の収納状態において、第１ヒンジ１０１を支点として回動し、下部パネル９１及び排出開口９２を覆うように折り畳まれる。

　第２排出トレイ２ｂは、表示パネル９０と同サイズで形成され、図４、図７に示すような排出トレイ２の収納状態において、第１排出トレイ２ａの先端に設けられた第２ヒンジ１０２を支点として回動し、表示パネル９０と重なるように折り畳まれる。

　図５ａは本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を展開した状態における上面図である。

　第３搬送部３０により搬送されてきた搬送媒体Ｓは、排出開口９２を経て第１排出トレイ２ａに排出され、搬送媒体Ｓのサイズによっては第２排出トレイ２ｂまで到達し、案内される。

　第１排出トレイ２ａには、排出位置調整部材１２０が回動可能に設けられており、名刺などのような第１排出トレイ２ａに対して小さいサイズの搬送媒体Ｓが排出されるときなどに、起立状態に回動させることで搬送媒体Ｓが停止する位置を調整し、排出された搬送媒体Ｓを散らばりにくくすることができる。

　また、第２排出トレイ２ｂには、透光部１２１が設けられており、表示パネルに設けられた操作キー１２２と重なる位置に配置されている。操作キー１２２は本体電源をオン、オフする電源ボタンとなっており、電源オン状態においてはボタンが点灯するように構成されている。操作キー１２２と重なる位置に配置された透光部１２１は、排出トレイ２の収納状態においても操作キー１２２が点灯状態であるか、消灯状態であるかを確認することができ、画像読取装置Ａの電源状態を確認することができる。

　このような構成により排出トレイ２は収納時に外装カバーとして、更に第２排出トレイ２ａは表示パネル９０を保護する保護カバーとして機能する。また排出トレイ２収納時には排出トレイ２の外形と本体１００の外形が揃い、更に表示画面９３や排出開口９２が隠れるため、装置全体としてフラットな面が繋がったすっきりとした外観となっている。これにより、これらのフラットな面に対し、色や模様を工夫するなどのデザインを組む込こむことも容易にできる。

　また排出トレイ２の開閉により操作キー１２２や表示画面９３に取り付けられたタッチパネルなどのユーザが触る操作部、ユーザが装置使用時に見る表示部としての表示画面９３、及び排出開口９２の露出／収納が、ワンタッチででき、装置の準備、収納が容易となっている。本実施形態では装置本体にプッシュ式の電源ボタンとして操作キー１２２を設けているが、更にユーザの利便性を高めるために排出トレイ２の開閉動作を検知し、装置本体の電源のＯＮ／ＯＦＦを切り替える構成としても良い。

　また、図３に示すように、第１排出トレイ２ａおよび第２排出トレイ２ｂには、それぞれ、搬送方向と平行な複数の直線状のリブ９４ａ、９４ｂが設けられている。排出された搬送媒体Ｓの先端が、第１排出トレイ２ａに到達する際に、搬送媒体Sの先端を第１排出トレイ２ａに設けられたリブ９４ａに当接させることで、搬送媒体Ｓと排出トレイ２との摩擦を低減している。本実施形態における排出トレイ２は、第１排出トレイ２ａと第２排出トレイ２ｂとが所定の角度を有し、第２排出トレイ２ｂへ到達した搬送媒体Ｓの後端をなるべく揃い易くすることができるように構成されている。搬送媒体Ｓは、第１排出トレイ２ａに当接した後も、第２搬送部２０や第３搬送部３０によって搬送され第１排出トレイ２ａと第２排出トレイ２ｂとの境界に到達するが、リブ９４ａとリブ９４ｂとを搬送媒体Ｓがリブ９４ａと接触したまま９４ｂとも接触するようにオーバーラップさせるようにして連続して設けることによって、第１排出トレイ２ａと第２排出トレイ２ｂとの境界に所定の角度が形成されていてもスムーズに搬送媒体Ｓを搬送できるようにしている。

　本実施形態の排出トレイ２には排出トレイ２収納時に排出トレイ２が本体１００から浮くことなく確実に収納できるようにするための機構が設けられている。

　原稿台が２つに折れ曲がる構成であって、収納時に原稿台を装置本体の斜めになった上面に乗せて収納する場合、原稿台が装置本体から浮いてしまうことがある。本実施形態では、収納された状態において装置本体から浮いたままになりにくくするものである。

　図１１ａ、１１ｂは排出トレイ２の収納状態を表した側面図である。

　前述の様に排出トレイ２は第１排出トレイ２ａと第２排出トレイ２ｂの２枚で構成されており、第２ヒンジ１０２を中心に折り曲げられる構成となっている。ここで第１排出トレイ２ａと第２排出トレイ２ｂの搬送面同士の作る折り曲げ角度βはβｍｉｎからβｍａｘまで変化する。排出トレイ２を、搬送媒体Ｓを載せる排出トレイとして使用する状態における折り曲げ角度βは最大のβｍａｘとなる。また排出トレイ２を収納した状態では折り曲げ角度βは本体１００に倣い、本体角度αと等しくなる。折り曲げ角度βが本体角度αよりも、大きいと排出トレイが収納時に本体から浮いてしまうため、寸法公差のばらつきを考慮し、最小折り曲げ角度βｍｉｎは本体角度αよりも小さく設定されている。

　本実施形態の画像読取装置の場合、排出トレイ２を収納した際、第２排出トレイ２ｂの重心は第２ヒンジ１０２に対し装置背面側にあり、第２排出トレイ２ｂの自重により排出トレイ２収納時、２折り曲げ角度βが小さくなる方向に力を受ける。また収納時の排出トレイ２全体の重心が第１ヒンジ１０１よりも装置前方にある。そのため排出トレイ２を本体１００から浮かずに収納するためには、排出トレイ２の折り曲げ角度βが本体角αと等しくなるまで排出トレイ２全体を閉じる方向に力を加え、第２排出トレイ２ａを持ち上げる必要がある。

　図１２ａ、１２ｂは排出トレイの概略断面図である。

　本実施形態では第１ヒンジ１０１の回転中心に第１トーションばね１４２を配置し排出トレイ２全体を収納状態に引き込む力を発生させ、第２ヒンジ１０２の回転中心に第２トーションばね１４３を配置し第２排出トレイ２ａの自重により折り曲げ角度βが小さくなる方向に働く力を軽減している。

　第１排出トレイ２ａには排出トレイ２を開いた際に、図１１ｂに示す突出部１３０に突き当たる突き当て面２ａ１と排出トレイ２収納時に下部パネル９１に突き当たる突き当て面２ａ２が設けられており、回動範囲が制限されている。

　第１トーションばね１４２はその中心を通る第１軸１４４を介し第１排出トレイ２ａに固定されている。第１トーションばね１４２の一端である腕１４２ａは第１排出トレイ２ａに設けられた付勢部２ａ３を押圧している。第１トーションばねの腕１４２ａの反対側に設けられた腕１４２ｂは排出トレイ２から飛び出した構成となっており、突出部１３０に設けられた不図示の付勢部を押圧している。これにより、排出トレイ２は常に収納される側に付勢される。第１トーションばね１４２は排出トレイ２収納時に排出トレイ２を確実に本体１００に引き込むための引き込み力を発生させる。また排出トレイ２を開く際には排出トレイ２を開く際の勢いを軽減させる。排出トレイ２収納時と排出トレイ２を開いた時では第１トーションばね１４２のたわみ量が異なるためばね定数の調整により、双方に適した押し圧力を持つばねを選定することが可能である。第１トーションばね１４２の押圧力は排出トレイ２収納時に排出トレイ２を確実に引き込むことができ、且つ排出トレイ２を開いた際に排出トレイ２を浮かせてしまうことがないように設定している。排出トレイ２を開いた時の第１トーションばね１４２の回転トルクは排出トレイ２を開いた時に排出トレイ２の自重により第１ヒンジ１０１周りに発生する回転モーメントの７～９割程度とすることが望ましい。

　第２排出トレイ２ｂには収納時に表示パネル９０に突き当たる突き当て面２ｂ１が設けられている。また、排出トレイ２の折り曲げ角度βがβｍｉｎの時には第１排出トレイ２ａの突き当て面２ａ４と第２排出トレイ２ｂの突き当て面２ｂ４が突き当たり、また、排出トレイ２を開いた時には第１排出トレイ２ａの突き当て面２ａ５と第２排出トレイ２ｂの突き当て面２ｂ５が突き当たり、折り曲げ角度βの回動可能範囲をβｍｉｎ～βｍａｘに制限している。

　第２トーションばね１４３はその中心を通る第２軸１４５を介し第１排出トレイ２ａに固定されている。第２トーションばね１４３の一端である腕１４３ａは第１排出トレイ２ａに設けられた付勢部２ａ６を押圧している。第２トーションばね１４３の腕１４３ａの反対側に設けられた腕１４３ｂは第１排出トレイ２ａから飛び出した構成となっており、第２排出トレイ２ｂに設けられた付勢部２ｂ６を押圧し、排出トレイ２の折り曲げ角度βが大きくなる方向に付勢している。これにより排出トレイ２を収納方向に引き込む際の負荷を軽減し、さらには排出トレイ２を閉じる時に表示パネル９０に第２排出トレイ２ｂが勢いよく落下するのを防いでいる。さらに排出トレイ２を開く際の操作力を軽減し、また排出トレイ２の折り曲げ角度βが大きくなる方向に付勢しているため排出トレイ２全体が、ある程度もしくは完全に伸びた状態で一体となって動きやすくなり、操作感を向上している。排出トレイ２収納時と排出トレイ２を開いた時では第２トーションばね１４３のたわみ量が異なるためばね定数の調整により、双方に適した押し圧力を持つばねを選定することが可能である。第２トーションばね１４３の押圧力は排出トレイ２収納時に第２排出トレイ２ｂを浮かせてしまうことがないように設定している。

　本実施形態における排出トレイ２ｂの自重による収納方向への回転モーメントは第２排出トレイ２ｂが直立した状態に近づくほど小さくなり、直立状態では０となる。

　なお、排出トレイ２収納時の第２トーションばね１４３の回転モーメントは第２排出トレイ２ｂの自重による回転モーメントよりも小さく設定されていると、両者が釣り合う箇所が存在し、その釣り合い箇所において第２排出トレイ２ｂが表示パネル９０から浮いた状態で保持できてしまう。しかし第２排出トレイ２ｂがある程度の速度で収納方向に回動していた場合、その速度が減衰し０になる前に釣り合い箇所を通過するため、このような状況はユーザが故意に第２排出トレイ２ｂを釣り合い箇所で止めない限り発生しない。

　本実施形態においては、この現象をより発生させづらくするため、釣り合い箇所が第２排出トレイ２ｂの収納状態から近い位置となるように設定している。これにより、ユーザが排出トレイ２収納時に途中で第２排出トレイ２ｂから手を離した場合、つり合い状態に第２排出トレイ２ｂが差し掛かった時の第２排出トレイ２ｂの回動速度が大きくなり、釣り合い箇所で止まる状況をより起こしづらくなっている。収納状態と釣り合い箇所における第２排出トレイ２ｂの角度の差は５°未満とすることが望ましい。

　また排出トレイ２の折り曲げ角度βが最大のβｍａｘの時の第２トーションばね１４３の回転モーメントは展開状態の排出トレイ２の先端を下から持ち上げた際に排出トレイ２がその自重により折れ曲がってしまわないように設定することで、操作時に排出トレイ２が一体となって動き、操作感を向上することができる。

　なお本実施形態における排出トレイ２に備えられる第１トーションばね１４２は一つであっても、同軸上に配置された複数のばねであっても良く、同様に第２トーションばね１４３は一つであっても同軸上に配置された複数のばねであっても良い。また第１トーションばね１４２および第２トーションばね１４３はトーションばねでなく板バネや線ばね、コイルばねであっても良い。

　本実施形態においては、排出トレイ２に対して、搬送経路ＲＴを挟むよう両側に一つずつ配置している。

　上述の構成により、簡易な構成で且つ、強力なばねやダンパーを用いることなく、排出トレイ２の操作性、収納性を向上している。

　更に排出トレイ２開閉時の衝撃を緩和したい場合は第１ヒンジ１０１、第２ヒンジ１０２のいずれか、もしくはその双方にオイルダンパーやトルクリミッタなどを追加することで、操作感を向上することが可能である。また、本実施形態では後述のように第１ヒンジ１０１にオイルダンパーを設けているが、オイルダンパーを用いずとも操作性を向上することができる。またダンパーを用いた場合にもばねを用いることによりダンパーの必要トルクを減らすことができ、小型化、低コスト化ができる。

　ここで第２排出トレイ２ｂは次々と排出される搬送媒体Ｓがトレイから押し出されることが無いように下流側が持ち上がった構成となっている。一方装置本体内での搬送媒体Ｓの搬送経路ＲＴは下流側が低くなるように配置されているため、搬送媒体Ｓは屈曲されながら排出される。この搬送媒体Ｓの進行方向の変化が急な場合、搬送媒体Ｓが屈曲点や、搬送媒体Ｓ同士の摩擦などにより引っ掛かり排紙時に丸まってしまうことがある。第１排出トレイ２ａは排出される搬送媒体Ｓの先端を着実に受け、スムーズに第２排出トレイ２ｂに受け渡すため、搬送媒体Ｓの搬送経路を緩やかに繋いだ角度、形状となっている。

　本実施形態の装置に備えられた排出トレイ２は前述のように第２ヒンジ１０１を軸として、折り曲げられる構成となっている。そのため排出トレイ収納時と使用時で排出トレイ２の折り曲げ角度βを別々に設定でき、排紙整列性と収納時の外観の両立が可能となっている。　本実地例の装置においては、上述したように、排出された搬送媒体Ｓは、まず第１排出トレイ２ａに衝突したあと、第１排出トレイ２ａとは異なる角度で保持された第２排出トレイ２ｂへと導かれる。それによって第１排出トレイ２ａから第２排出トレイ２ｂへ搬送媒体Ｓが移動する際に、進行方向が変更され、それによって勢いが低減し、整列性を向上することができる。

　また、第１排出トレイ２ａが、下部パネル９１及び排出開口９２と同程度のサイズとし、排出トレイ２の収納状態においては、下部パネル９１及び排出開口９２の全面を覆うように収納されることによって、収納状態における美観を損なわないと共に、排出トレイ２が展開された状態においては、排出開口９２から排出される搬送媒体Ｓを第１排出トレイ２ａで確実に受けることができる。従って、第１排出トレイ２ａで搬送媒体Ｓを受け、その排出された搬送媒体Ｓの進行方向を第２排出トレイ２ｂへ移動する際に変更することで搬送媒体Ｓを減速し、搬送媒体Ｓの整列性を向上することができる、という効果をより効果的に発揮することが出来る。

　また第２排出トレイ２ｂは表示パネル９０の全面を覆うため搬送方向の長さが１７８ｍｍ、幅が３００ｍｍと大きく、第１排出トレイ２ａは傾いた上面部(表示パネル９０)の下にある下部パネル９１及び排出開口９２の全面を覆うため搬送方向の長さ８４ｍｍ、幅３０１ｍｍと第２排出トレイ２ｂに比べ、幅がほぼ等しく搬送方向の長さが小さくなっている。これにより、短い搬送媒体Ｓが搬送された際も排出された搬送媒体Ｓ先端が第１排出トレイ２ａよりも傾斜が急な第２排出トレイ２ｂに衝突しやすくなり、速度を減速し、排出された搬送媒体Ｓが搬送方向下流側に飛び出してしまうのを防ぐことができる。　第１排出トレイ２ａの搬送経路ＲＴに対する幅方向の略中央には、第１排出位置調整部材１２０が回動して起立可能に設けられており、名刺などのような第１排出トレイ２ａに対して小さいサイズの搬送媒体Ｓが排出されるときなどに、起立状態に回動させることで搬送媒体Ｓが停止する位置を調整し、排出された搬送媒体Ｓを散らばりにくくすることができる。

　第２排出トレイ２ｂの搬送経路ＲＴに対する幅方向の略中央には、延長部１２５が設けられており、その略中央には第２排出位置調整部材１２５ａが搬送経路ＲＴに沿う方向に移動可能かつ回動して延長部１２５から起立可能に設けられており、排出される搬送媒体Ｓが停止する位置を調整し、搬送媒体Ｓの整列性を向上することができる。

　排出トレイは装置から排出されるシートを安定して積載するためにある程度の大きさが必要である。特にシートを装置上方後方から下方前面に搬送するシート搬送装置に備えられた排出トレイは装置前面に飛び出しており装置の設置面積を大きくする要因となっている。これに対して、本実施形態では、排出トレイの積載性の向上および設置面積の縮小の双方を実現し、かつ排出トレイの排紙整列性を向上させることができる。

　ここで、第２排出トレイ２ｂについて説明する。

　図９ｂは、本実施形態に係るシート搬送装置Ａの第２排出トレイ２ｂを展開した状態における上面図である。

　第２排出トレイ２ｂは、延長トレイ３０１、シートストッパ３０２、ストッパ台３０３を備える。

　排出トレイ２は、シート搬送装置Ａの不使用時には、図７のように排出トレイ２を閉じた状態にし、シート搬送時は、図８のように排出トレイ２を開いた状態で使用する。

　延長トレイ３０１は、第２排出トレイ２ｂに組み込まれ、不図示のレール部材により排出方向Ｄ２と平行に移動可能に取り付けられている。延長トレイ３０１は、排出された搬送媒体Ｓの長さにより、移動量を調整することができる。

　媒体ストッパ３０２は、給送機構によって排出される搬送媒体Ｓの先端を受け止めて搬送媒体Ｓの揃えを行う。ストッパ台３０３は、図９ｂに示すように延長トレイ３０１に組み込まれ、不図示のレール部材により排出方向Ｄ２と平行に移動可能に搬送媒体Ｓの長さにより位置を調節することができる。

　次に、媒体ストッパ３０２の構成について説明する。

　図９ｃは、本実施形態に係る第２排出トレイ２ｂの部分上面図である。

　図９ｄは、本実施形態に係る第２排出トレイ２ｂの部分斜視図である。

　図９ｅは、本実施形態に係る第２排出トレイ２ｂの媒体ストッパ３０２を起立させた状態の断面図である。

　図９ｆは、本実施形態に係る第２排出トレイ２ｂの媒体ストッパ３０２を収納した状態の断面図である。

　媒体ストッパ３０２は、図９ｃ、図９ｄに示すように、ストッパ台３０３に組み込まれ、媒体ストッパ３０２の回転軸３０４を支点に、回転可能に取り付けられている。媒体ストッパ３０２を使用する場合は、図９ｅに示すように媒体ストッパ３０２を起立させた状態で使用し、媒体ストッパ３０２を使用しない場合は、図９ｆに示すように媒体ストッパ３０２をストッパ台３０３と同一平面内に収納した状態で使用する。媒体ストッパ３０２は、回転軸３０４の付近にクリック部３０７が設けられており、クリック部３０７は、不図示のストッパ台３０３の凸部を乗り越えることで起立した状態に保つことができる。

　媒体ストッパ３０２は、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ＡBＳ) 、ポリスチレン(ＰＳ) 、ポリカーボネート(ＰＣ)等の合成樹脂で構成されている。これらの材料で後述する構造を形成することで、適度な弾性変形による搬送媒体Ｓの衝撃低減が可能となっている。

　次に、媒体ストッパ３０２の形状について説明する。

　図９ｇは、本実施形態に係る媒体ストッパ３０２の断面図である。

　図９ｈは、本実施形態に係る媒体ストッパ３０２の斜視図である。

　媒体ストッパ３０２は、排出されて排出方向Ｄ２から到来する搬送媒体Ｓを受け止める左右一対の媒体当接部３０５を備えている。媒体当接部３０５は、媒体ストッパ面(媒体当接部以外の面)３０６より一段高くなっており、排出された搬送媒体が最も早く当接する位置に配置される。また、起立した媒体当接部３０５のそれぞれは、ストッパ面３０６上において、ストッパ台３０３側に向かって延びる線形部となり、搬送媒体Ｓの先端を広範囲に受けることが可能となる構成となっている。すなわち、排出された搬送媒体Ｓが、媒体ストッパ３０２に対してどの高さで衝突しても、媒体当接部３０５を線形部として上下に伸ばしているため、媒体当接部３０５によって衝撃を吸収しやすくしている。

　媒体当接部３０５の下端部３０５ａは排出方向Ｄ２に弾性変形して変位可能に設けられており、排出された搬送媒体Ｓの先端が衝突したときにその衝突エネルギーを吸収する。媒体当接部３０５は、少なくとも一箇所以上に設けられればよく、複数配置することも可能である。また、複数配置する場合は、媒体当接部３０５を左右対称形状で配置するのが好適である。媒体当接部３０５の変位位置は、排出される搬送媒体の位置によって媒体当接部の左右上下の端部を変位させることも可能である。

　媒体当接部３０５の配置の一例としては、図９ｄに示すように、排出方向Ｄ２の幅方向に対して所定の距離を空けて複数設けることが好ましい。

　尚、媒体ストッパ３０２を起立させた状態で排出された搬送媒体Ｓが当接するが、当接した状態で、媒体ストッパ３０２自体も回動軸３０４を回動中心として若干の遊びがあるように起立していることが好ましい。

　本実施形態に係る媒体ストッパのように、排出方向Ｄ２に向かって回動して起立する状態に構成することによって、媒体が当接したあとに媒体ストッパ３０２自体が回動する余地があるように構成されているが、本実施形態とは逆方向に回動するように構成していたとしても、排出された搬送媒体Ｓによって付勢された媒体ストッパ３０２がわずかに回動するようになっていればよい。そうすることによって、排出された搬送媒体Ｓへのダメージや、衝撃音を低減できる。

　第２排出トレイ２ｂは図９ａに示したように、下流側が先端上がりになっている。排出された搬送媒体Ｓの先端が媒体当接部３０５に突き当たった後、搬送上流側に戻ることで、続けて排出される搬送媒体Ｓが媒体ストッパ３０２に当接する時点では、媒体当接部３０５付近には先に排出された搬送媒体Ｓが残っておらず、排出された搬送媒体Ｓは媒体当接部３０５に当接させることができるため、排出トレイ２に搬送媒体Ｓが複数枚積載された場合も、常に衝突エネルギーを吸収することができる。

　上述の構成とすることにより、排出された搬送媒体Ｓの先端が、排出トレイ２を通過し、媒体ストッパ３０２にある媒体当接部３０５に衝突するときに、図９ｇに示す媒体当接部３０５の下端部３０５ａを搬送媒体Ｓに当接させることができ、荷担部３０５ａが排出方向Ｄ２に変位することで、その衝突エネルギーを吸収することができ、衝突音を低減することができる。また、媒体ストッパ３０２を回転可能にし、媒体ストッパ不使用時は、ストッパ台３０３と同一平面となった状態になるよう配置することで、媒体ストッパ使用範囲外の長尺紙が搬送された場合も、搬送媒体Ｓのジャムや破損なく搬送することができる。

　図９ｉは、本実施形態の変形例に係る媒体ストッパ４０２の断面図である。

　媒体ストッパ４０２は、排出された搬送媒体Ｓを受け止める媒体当接部４０５を備えている。媒体当接部４０５は、媒体ストッパ面(媒体当接部以外の面)４０６より一段高くなっており、排出された搬送媒体Ｓが最も早く接する位置に配置される。媒体当接部４０５は、弾性変形をすることで排出方向Ｄ２に変位可能に設けられており、排出された搬送媒体Ｓの先端が衝突したときにその衝突エネルギーを吸収する。本実施形態では、媒体当接部３０５の上端、または下端を変位させて衝突音を吸収しているが、変形例では、媒体当接部４０５の全面で衝突音を吸収しているため、排出された搬送媒体Ｓが媒体ストッパ４０５のどの位置に当接したかに関わらず同様に衝突音を低減することができるため、設計しやすくなると共に、媒体当接部３０５の下端部３０５ａがなくせるため、媒体当接部４０５に何かをひっかけてしまうことによる破損を防ぐことができる。

　図９ｊは、従来例１の媒体ストッパの斜視図である。

　媒体ストッパ５０１の媒体当接部５０２側に、媒体ストッパ５０１の間に間隙を有するべく自重により撓んだスポンジ体５０３を備え、スポンジ体５０３の媒体当接部５０２側に薄板弾性部材５０４を配置している。排出された搬送媒体を薄板弾性部材５０４のついたスポンジ体５０３に接触させた後に媒体ストッパ５０１で受け止めることにより、排出された搬送媒体の衝突力をスポンジ体５０３と媒体ストッパとの間の空気層で緩和して衝突音を抑えている。

　また、図９ｋは、従来例２の媒体ストッパの断面図である。

　媒体ストッパ６０１は、媒体当接部６０３の上端部６０３ａが支持体６０２に支持され、装置から送り出される搬送媒体が衝突すると支持体６０２に対して媒体当接部６０３が上端部６０３ａを中心に振動することにより、衝突音を抑えている。

　図９ｊでは、媒体当接部５０２との間に間隙を介して取り付けられたスポンジ体５０３により、排出された搬送媒体が媒体ストッパ５０１に衝突する際の衝撃吸収及び騒音の低減を行っているが、スポンジ体５０３や薄膜弾性部材５０４を使用しているため、部品点数が増えコストアップの要因となる。また、スポンジ体５０３や薄膜弾性部材５０４を取り付ける組立工程も増えるため、作業が複雑化し、人件費がかかる。

　図９ｋでは、媒体ストッパ６０１の上端部６０３ａを支点に回動させ、衝突による振動を吸収して騒音の低減を行っているが、媒体ストッパ６０１を立てた状態を保つための支持体６０２が必要なるため、部品点数が増えコストアップの要因となる。

　これに対して、本実施形態によれば、排出された搬送媒体と排出ストッパが衝突した時に発生する衝突音を低減することができる。

　＜表示パネルの構成＞
　第２排出トレイ２ｂの収納状態において、第２排出トレイ２ｂと重なる位置に設けられた表示パネル９０には、表示画面９３および操作キー１２２が配置されている。

　一般的にユーザ操作部は装置右側に配置されていることが多いが、これは世界的に見て、右利きのユーザの人口が左効きに比べ高いことに由来している。本実施の形態においても操作キーは右利きのユーザが使用しやすいように操作パネル９０の右側下方に配置されている。

　一方、搬送路範囲Ｗ、表示画面９３が共に装置左側に寄った構成となっており、表示画面９３は、給送トレイ１１０および搬送路幅Ｗと中心線Ｘが同位置となるように配置されている。尚、本実施形態に係る画像読取装置Ａの最大搬送路幅ＷｍａｘとしてＡ４レターサイズを給送可能に構成されており、その幅はＷｍａｘ＝２１６ｍｍである。表示画面９３の幅は２２４ｍｍであり、Ｗｍａｘを超える長さとなっている。

　これにより、例えば、読み取った画像を実寸大で表示画面９３に表示することができるようになり、仕上がり状態の確認が容易に行えるため、ユーザの利便性を向上することができる。

　図５ｂは本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２の分解斜視図である。

　排出トレイ２は第１排出トレイ２ａの第１ヒンジ１０１を介し、下部ユニット１０４と接続する。排出トレイ２が可撓性の連結部を有していれば連結部を撓ませて本体と係合させるなど、比較的容易に組み込むことが可能であるが、本実施形態においては、下部パネル９１を覆うように第１排出トレイ２ａを形成しているため、可撓性を備えることが困難である。

　そこで本実施形態においては、第１排出トレイ２ａの第１ヒンジ１０１側の一方側の端部においては、下部ユニット１０４の被係合部に係合するための係合部を有し、他方側の端部においては、固定用部材１２６が係合する被係合部を有する。ここで、係合部の一例としては回動可能なように円形に形成されたボスであり、被係合部の一例としては、円形のボスを受けるための穴形状である。但し、係合部を穴形状とし、被係合部をボス形状とするなど、係合部としては回動可能であればよく、上記構造に限らない。

　固定用部材１２６は、第１排出トレイ２ａの係合部に係合するためのトレイ係合部１２６ａと、下部ユニット１０４と係合するための本体係合部１２６ｂとを備える。

　固定用部材１２６が第１排出トレイ２ａの係合部に係合した状態で、下部ユニット１０４に挿入され、本体係合部１２６ｂが下部ユニット１０４と係合することで、排出トレイ２の固定が行える。

　これによって、画像読取装置Ａの外観からは係合構造が見えず、美観を向上できる。例えば、排出トレイ２の第１ヒンジ１０１を下部ユニット１０４等で挟み込んで排出トレイ２組むことも可能であるが、その場合、下部ユニット１０４等の挟み込むための部材を分割する必要があり、分割した部材の境界が外観上確認できる構成となり、美観が悪い。本実施形態においては画像読取装置Ａの外観からは係合構造や挟み込む部材の境界が見えず、美観を向上できる。また、本実施形態における排出トレイ２の固定構造においては、排出トレイ２で本体１００前面を覆うように構成されるが、本体１００に脚部を設けて持ち上げることなどによって本体下方にスペースを作ることで係合するための構造を設ける必要はなく、画像読取装置Ａの底面を設置面に隣接させることができ、小型化が可能となっている。

　また、固定用部材１２６は、トレイ係合部１２６ａに隣接したダンパー構造１２６ｃを備える。これによって、排出トレイ２の回動速度を規制し、排出トレイ２へ加わる衝撃や本体１００に加わる衝撃を低減している。ダンパー構造１２６ｃはオイルダンパーなどの汎用的なダンパーが使用できるが、これに限られない。

　また、固定用部材１２６は、下部パネル９１と略平行な面を有し、この面は下部パネル９１よりもわずかに凹んだ位置に配置されている。これにより第１排出トレイ２ａの突き当て２ａ２が固定部材１２６に突き当たり下部パネル９１から浮いてしまうことが無く、確実に下部パネル９１に突き当たるようにしている。

　＜給送構造詳細＞
　図６は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を収納した状態における上面図である。

　給送トレイ１１０には、配置される搬送媒体Ｓの大きさに合わせて搬送方向に対して直交する方向にスライド可能に取り付けられた規制部材１１１が設けられている。

　＜上部ユニット詳細＞
　図７に示すように、本体１００は、上部ユニット１０３と下部ユニット１０４とから構成され、上部ユニット１０３は下部ユニット１０４に対し、本体ヒンジ１０５を支点として回動可能に取り付けられている。

　上部ユニット１０３は、表示パネル９０に最大搬送路幅Ｗｍａｘを超える幅の表示画面９３及び表示画面９３の支持フレーム板金を備えているため、図８に示すように上部ユニット１０３を展開した状態における重心は、図１に示すような上部ユニット１０３を収納した状態よりも搬送方向前方側に大きくずれることになる。

　したがって、上部ユニットを展開する際に勢いがあると画像読取装置Ａが転倒してしまう虞があるが、本実施形態に係る画像読取装置Ａにおいては、突出部１３０を有することにより、上部ユニット１０３の展開に伴う重心移動が起こっても画像読取装置Ａの転倒を防ぐことができる。突出部１３０の突出量は、図７のような上部ユニット１０３及び排出トレイ２の収納状態においては、排出トレイ２の下方に収まるような突出量であって、図８のような上部ユニット１０３の展開状態においては、上部ユニット１０３の重心よりも搬送方向前方まで位置するような、画像読取装置Ａが突出１３０先端部周りに発生させる回転モーメントが、画像読取装置Ａが転倒しない方向に働くような位置まで突出する突出量となっている。これにより、上部ユニット１０３の展開による画像読取装置Ａの転倒を防止しつつ、排出トレイ２を収納した収納状態においては必要以上に突出させず、ユーザの邪魔にならないようにすることができる。

　＜排出トレイ角度調節機構１＞
　突出部１３０の上面には、排出トレイ２を展開したときにその下面に当接するようにしたトレイ支持部１３１が回動可能に設けられている。

　図９ａに示すように、排出トレイ２は、その展開状態においては、突出部１３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることができるようにされている。図１０ａに示すように、トレイ支持部１３１を突出部１３０上面から上方に突出するように回動させると、排出トレイ２の下面側に当接して排出トレイ２を支持することとなり、突出部１３０によって支持する図９ａの状態から、排出トレイ２の角度を調節でき、突出部１３０に収納される位置で排出トレイ２を支持したときに比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方側で支持されるため、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角を大きくすることができる。

　例えば、図１０ａの状態では、図９ａの状態と比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方に持ち上げられることとなり、排出トレイ２の上面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、図９ａの状態では、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、図１０ａのように排出トレイ２の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　図１０ｂは、画像読取装置Ａの排出トレイ２を取り外した状態を示した側面図である。上側の図の円ＤＴ１で囲った箇所を下側の図で示している。

　トレイ支持部１３１は、本体１００の下部に設けられた突出部１３０内にその回動軸が設けられるように配置されている。また、トレイ支持部１３１の回動軸は、突出部１３０の先端側となるように配置され、トレイ支持部１３１が突出部１３０に収納された位置から、突出部１３０から引き出された位置へと回動することで排出トレイ２の支持が可能となる。

　トレイ支持部１３１が突出部１３０から最も引き出された位置においては、突出部１３０に収納された位置から９０度以上回動するようにされており、排出トレイ２をトレイ支持部１３１で支持するときに、排出トレイ２からの荷重によって、トレイ支持部１３１が突出部１３０に収納される方向の荷重を受けず、また、トレイ支持部収納穴１３２の当接部１３２ａにトレイ支持部１３１が当接することによってトレイ支持部１３１が、排出開口９２側に向かう方向に抗力を受けることとなり、突出部１３０から引き出される方向の回動が規制され、安定した排出トレイ２の支持が可能である。

　図１０ｃは、本実施形態に係る画像読取装置Ａの表示パネル９０と垂直な方向から見た上面図およびその拡大図である。

　トレイ支持部１３１は、突出部１３０に設けられた窪み１５５内に全体が収まるように配置されており、突出部１３０の先端側に回動軸が設けられている。突出部１３０に全体が収容されるようにトレイ支持部１３１が設けられることにより、トレイ支持部１３１が突出部１３０に収容された状態においては、確実に突出部１３０と排出トレイ２とが当接するようにできる。

　トレイ支持部１３１は、突出部１３０の先端側に回動軸を有し、回動軸と対向する辺には、中央に指掛け用の凹部１５２、両端部には排出トレイ２と当接する凸部１５１とが設けられている。

　窪み１５５における、トレイ支持部１３１の凹部１５２と対向する位置には、退避部１５３が設けられ、ユーザの指が凹部１５２に触れやすいようになっている。

　トレイ支持部１３１は、突出部１３０から飛び出すように回動された状態においては、その両端部に設けた凸部１５１によって排出トレイ２と当接する。こうすることによって、公差やバラつきによる排出トレイ２の角度への影響を抑えることができる。

　なお、トレイ支持部１３１は回動範囲の途中においても排出トレイ２を支持可能なように構成し、排出トレイ２の角度を複数段階で調節可能にしてもよい。その場合、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができ、利便性を向上できる。

　また、本実施形態においては、トレイ支持部１３１を突出部１３０の当接部１３２ａで支持しているが、トレイ支持部１３１に対して抗力を及ぼし、それによって排出開口９２に対する排出トレイ２の角度を調整できるような構成を有すればよく、例えば、トレイ支持部１３１を下部ユニット１０４と略同等の幅とし、下部ユニット１０４の両端部にトレイ支持部１３１の支持部材を配置して、その支持部材に設けられた当接部にてトレイ支持部１３１を支持することで、排出トレイ２の角度を調節してもよい。

　また、本実施形態においては、トレイ支持部１３１を突出部１３０に収納するトレイ支持部収納穴１３２はその下方が開放され、規制部によってトレイ支持部１３１が突出部１３０内に収まるように構成されていてもよい。そうすることによって、例えば、トレイ支持部収納穴１３２内に異物が挟まったとしても下方から排出することができるため、異物によってトレイ支持部１３１が突出部１３０に収納し切れずに、排紙された原稿に対してトレイ支持部１３１が邪魔になり整列性が低下することを防ぐことができる。

　＜排出トレイ角度の状態検知の構成１＞
　図１３、１４は本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部１３１の状態を監視する機構の概略構成図である。

　突出部１３０の上面に搭載されたトレイ支持部１３１を収納するためにトレイ支持部収納穴１３２内にトレイ支持部開閉監視センサ１３３を配置した構成となっている。トレイ支持部１３１が収納された状態の場合と引き出された場合の状態をトレイ支持部開閉監視センサ１３３が検知し、制御部８０のインターフェース部８６を介しＣＰＵ８１にトレイ支持部１３１の状態を知らせる。ＣＰＵ８１はこの情報を基に排出トレイ２の角度を調整するようにユーザに注意を促す事が可能となる。

　トレイ支持部開閉監視センサ１３３は例えばプッシュスイッチ等の物理スイッチ、透過型センサなどの光学センサ、ホール素子などが挙げられる。トレイ支持部の開閉状態の検知の方法をプッシュスイッチを例に説明すると、図１３ではトレイ支持部１３１が引き出された状態のためトレイ支持部開閉監視センサ１３３はスイッチオフの状態となり、図１４ではトレイ支持部１３１はトレイ支持部開閉監視センサ１３３に覆いかぶさる形となるためスイッチオンの状態となる。このようにしてトレイ支持部１３１の開閉状態を検知する事が可能となる。

　また、調整した角度に合わせて原稿の搬送速度を変更してもよい。具体的には、搬送媒体Ｓの整列性が低いことが想定されるモードの選択時に、排出トレイ２の角度がトレイ支持部１３１によって整列性が高い角度（画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とがなす角が大きい状態）で支持されていない場合に、搬送速度を低減することで、搬送媒体Ｓの整列性を向上することができる。この場合、排出トレイ２の角度が、選択された搬送モード毎に想定される搬送媒体Ｓの整列性に対応した角度通りにトレイ支持部１３１によって設定されていても、例えばトレイ支持部１３１を用いて排出トレイ２の角度を変更した場合には搬送速度を低下させることによって搬送媒体Ｓの整列性を向上させるようにしてもよい。

　＜排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー＞
　図１５は本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部開閉監視センサ１３３の開閉情報を基に最適な排出トレイ２の状態をユーザに知らせる制御フローの一例である。

　Ｓ２０１では、画像読取装置Ａの操作部８３にあるスタートボタン（不図示）を押した事でジョブが開始される。

　Ｓ２０２では、まず排出トレイ２の角度別に紙のタイプをタイプ１、タイプ２に分けたテーブルを予め用意しておき、それとユーザが今回のジョブで設定した紙の種類を比較し、今回のジョブの紙種のタイプを決定する。

　Ｓ２０３では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態がＳ２０２で算出した紙のタイプと合っているかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２０８に移行しそのまま読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合はＳ２０４に移行する。

　Ｓ２０４では、トレイ支持部の状態が『閉じた状態』かどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２０５へ移行しトレイ支持部１３１を開くよう表示パネル９０に表示しＳ２０７へ移行する。『ｎｏ』の場合は、Ｓ２０６へ移行しトレイ支持部１３１を閉じるよう表示パネル９０に表示しＳ２０７へ移行する。

　Ｓ２０７では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態に変化があるかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２０８へ移行し読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合は、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態に変化があるまで監視を続ける。

　この制御フローにより、ユーザが搬送する紙に対する最適な排出トレイ状態にするように促す事が可能である。また、この制御フローは一例であるので注意を表示した後は、排出トレイ２を最適な状態にしない状態で読取動作を開始させてもよい。すなわち、ユーザの操作を待たずに読取動作を開始してもよい。

　＜実施形態２のトレイ支持部の状態検知の構成＞
　図１６は本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部１３１の機構を有した概略構成図である。

　図９ａ、図１０ａ～図１２ｂでは、本体１００の突出部１３０上面にトレイ支持部１３１は中央に一つであったが、図１６では突出部１３０の中央から左右に一つずつ有した構成をとっている。この構成を取る事で排出トレイ２をよりしっかりと支える事ができる。また、右のトレイ支持部１３１と左のトレイ支持部１３１で開いた時に取る角度を変える事で紙の種類による角度調整段階を複数段階取る事が可能となる。図１６では左右に一つずつ配置したが、２つ以上でもよいし、左右のどちらか一方だけに配置した状態でもよい。また、左右のトレイ支持部１３１にそれぞれトレイ支持部開閉監視センサ１３３を設置し、各センサの状態から排出トレイ２の角度を検知してもよい。

　＜実施形態２での排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー＞
　図１７は本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部の実施形態２でのトレイ支持部開閉監視センサ１３３の開閉情報を基に最適な排出トレイ２の状態をユーザに知らせる制御フローの一例である。

　Ｓ２１１では、画像読取装置Ａの操作部８３にあるスタートボタン（不図示）を押した事でジョブが開始される。

　Ｓ２１２では、まず排出トレイ２の角度別に紙のタイプを分けたテーブルを予め用意しておき、それとユーザが今回のジョブで設定した紙の種類を比較して今回のジョブの紙種のタイプを決定する。今回の例では、タイプ１は排出トレイ２が水平な状態（左右のトレイ支持部１３１が閉じた状態）、タイプ２は排出トレイ２に少し角度がついた状態（左のトレイ支持部１３１が開き、右のトレイ支持部１３１が閉じた状態）、タイプ３は排出トレイ２に更に角度がついた状態（右のトレイ支持部１３１が開いた状態。少なくとも右のトレイ支持部１３１が開いていればよく、左のトレイ支持部１３１はこの状態では排出トレイ２を支持しない位置であるため、どの位置にあってもよい。但し、より良くは左のトレイ支持部１３１も開いた状態が好ましい）とする。

　Ｓ２１３では、左右のトレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態がＳ２１２で算出した紙のタイプと合っているかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２２０に移行しそのまま読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合はＳ２１４に移行する。

　Ｓ２１４では、算出した紙のタイプが『タイプ１』かどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２１６へ移行し左右のトレイ支持部１３１を閉じるよう表示パネル９０に表示しＳ２１９へ移行する。『ｎｏ』の場合は、Ｓ２１５へ移行する。

　Ｓ２１５では、算出した紙のタイプが『タイプ２』かどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２１７へ移行し右のトレイ支持部１３１を閉じ、左のトレイ支持部１３１を開くよう表示パネル９０に表示しＳ２１９へ移行する。『ｎｏ』の場合は、Ｓ２１８へ移行し右のトレイ支持部１３１を開くよう表示パネル９０に表示しＳ２１９へ移行する。また、ユーザへのわかり易さを考慮して両方のトレイ支持部１３１を開くように表示パネル９０に表示してもよい。

　Ｓ２１９では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が今回のジョブの紙のタイプと同じ状態になったかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２２０へ移行し読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合は、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が今回のジョブの紙のタイプと同じ状態になるまで監視を続ける。

　この制御フローにより、ユーザに対し、最適な排紙状態にする事を促す事が可能である。また、この制御フローは一例であるので注意を表示した後は、排出トレイ２を最適な状態にしない状態で読取動作を開始させてもよい。また、排出トレイ２の角度設定に関しても、４つ以上の設定数を取ってもよい。

　＜変形例のトレイ支持部の状態検知の構成＞
　図１８ａは本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部１３１の変形例の機構を有した概略構成図である。

　図９ａ、図１０ａ～図１２ｂでは、本体１００の突出部１３０上面でトレイ支持部１３１は回転方向のみ動作する事が可能であった。図１８ａはトレイ支持部１３１を回転方向だけでなく、搬送方向Ｄ１に平行な方向にもスライド動作する事が可能な構成を取っている。トレイ支持部１３１の搬送方向の位置を変更する事で排出トレイ２の角度調整段階を複数段階取る事が可能となる。

　例えば、図１８ｂのようにトレイ支持部１３１をレール状の形状を有したトレイ支持部収納穴１３２を設置し、更にトレイ支持部収納穴１３２の両端に一定間隔で溝１３４を配置した構成を取り、トレイ支持部１３１を搬送方向にスライドさせ、溝１３４に引っ掛ける事でトレイ支持部１３１を固定する構成が考えられる。この構成に限らず、別の構成をとってもよい。また、トレイ支持部１３１に各固定位置にトレイ支持部開閉監視センサ１３３を設置し、各センサの状態から排出トレイ２の角度を検知してもよい。

　＜変形例での排出トレイの状態検知による最適状態の表示制御フロー＞
　図１９は本実施形態に係る画像読取装置Ａのトレイ支持部の変形例でのトレイ支持部開閉監視センサ１３３の開閉情報を基に最適な排出トレイ２の状態をユーザに知らせる制御フローの一例である。

　Ｓ２２１では、画像読取装置Ａの操作部８３にあるスタートボタン（不図示）を押した事でジョブが開始される。

　Ｓ２２２では、まず排出トレイ２の角度別に紙のタイプを分けたテーブルを予め用意しておき、それユーザが今回のジョブで設定した紙の種類をと比較し、今回のジョブの紙種のタイプを決定する。本実施形態では、タイプ１は排出トレイ２が水平状態（トレイ支持部１３１が閉じた状態）、タイプ２は排出トレイが少し角度がついた状態（トレイ支持部が手前の位置（本体１００に近い位置）で開いた状態）、タイプ３は排出トレイが更に角度がついた状態（トレイ支持部が奥の位置（本体１００から離れた位置）で開いた状態）とする。

　Ｓ２２３では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態がＳ２２２で算出した紙のタイプと合っているかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２３０に移行しそのまま読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合はＳ２２４に移行する。

　Ｓ２２４では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が『タイプ１』かどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２２６へ移行し左右のトレイ支持部１３１を閉じるよう表示パネル９０に表示しＳ２２９へ移行する。『ｎｏ』の場合は、Ｓ２２５へ移行する。

　Ｓ２２５では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が『タイプ２』かどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２２７へ移行しトレイ支持部１３１を手間の位置で開くよう表示パネル９０に表示しＳ２２９へ移行する。『ｎｏ』の場合は、Ｓ２２８へ移行しトレイ支持部１３１を奥の位置で開くよう表示パネル９０に表示しＳ２２９へ移行する。

　Ｓ２２９では、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が今回のジョブの紙のタイプと同じ状態になったかどうかを判別する。『ｙｅｓ』の場合は、Ｓ２３０へ移行し読取動作を開始する。『ｎｏ』の場合は、トレイ支持部開閉監視センサ１３３の状態が今回のジョブの紙のタイプと同じ状態になるまで監視を続ける。

　この制御フローにより、ユーザに最適な排紙状態にする事を促す事が可能である。また、この制御フローは一例であるので注意を表示した後は、排出トレイ２を最適な状態にしない状態で読取動作を開始させてもよい。また、角度設定に関しても、４つ以上の設定数を取ってもよい。

　＜排出トレイの角度検出＞
　図２０は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイの角度検出の機構を有した概略構成図である。

　図２０に示すように本体１００の下部パネル９１に測距センサ１３５を配置した構成である。この時、測距センサ１３５は排出トレイ２の支点からある距離ｙに、本体１００の下部パネル９１と水平に設置する。測距センサ１３５は光学センサ、超音波センサ、ホール素子などが挙げられる。ホール素子の場合、排出トレイ２側の向かい合わせの位置に磁石（図示なし）が必要となる。またこの時、トレイ支持部１３１は図９ａ、図１０ａ～図１４の構成、図１６の構成、もしくは図１８の構成を取ってもよいし、また別の構成のトレイ支持部１３１の構成を取ってもよい。また、トレイ支持部１３１がない別の角度調整機構をとってもよい。

　例として測距センサ１３５に光学センサを用いた排出トレイ２の角度検出方法を記載する。排出トレイ２が開いた時、本体１００下部パネル９１との距離をｘとすると、その距離ｘを測距センサ１３５で測定する。また、予め測距センサ１３５の設置位置と排出トレイ２の支点との距離を制御部８０にある記憶部８２に記憶しておく。測距センサ１３５で測定した距離ｘと記憶部８２に予め記憶していた距離ｙを用いて、排出トレイの角度θを以下の式（１）で算出する。
θ ＝ａｒｃｔａｎ（ｘ／ｙ）・・・（１）
　上記に記載した構成に限らず、別の構成をとってもよい。例えば、排出トレイ２側に測距センサ１３５を配置して、本体１００の下部との距離を基に角度θを算出してもよい。

　［実施形態３］次に、本発明の実施形態３に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　なお、本実施形態の画像読取装置Ａの構成や機能は上述した実施形態と同様である。特許文献２では、排出トレイに搬送媒体が載ったままではトレイ支持部を引き出すことが出来ず、搬送中に整列性異常が発生した場合は搬送を止めなければならない。本実施形態では、このような課題を解決することができる。

　＜排出トレイ角度調節機構３＞
　図２１は第１排出トレイ２ａの先端に設けられた第２ヒンジ１０２の内部構造を表した図である。第２ヒンジ１０２は第１排出トレイ２ａに設けられた凸部１０２ａと第２排出トレイ２ｂに設けられた溝１０２ｂからなる。第２排出トレイ２ｂは凸部１０２ａが溝１０２ｂに嵌まることで角度固定可能となる。図２２は第２排出トレイ２ｂを回動させた時の第２ヒンジ１０２の様子を模式的に表した図である。凸部１０２ａはバネ１４０によって支えられ、図２２ａの矢印方向に退避できる構成になっている。第２排出トレイ２ｂを回動させると、図２２ｂのように溝１０２ｂに嵌まっている凸部１０２ａが退避する。さらに回動させていくと最終的に凸部１０２ａは隣の溝に移動し、退避が解除され（図２２ｄ）、第２排出トレイ１０２ｂは図２２ａとは異なる角度に固定される。このように、第２排出トレイ１０２ｂは第１排出トレイ１０２ａに対し、複数の角度に調節でき、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角を大きくすることができる。

　例えば、図２２ｄの状態では、図２２ａの状態と比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方に持ち上げられることとなり、排出トレイ２の上面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、図２３に示すように、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、排出トレイ２を画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角が大きくなる方向に変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。また、第２ヒンジ１０２に角度調節機能を設けることで、排出済みの搬送媒体Ｓが排出トレイ２に載っていても排出トレイの角度調節可能である。そのため、搬送途中に排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうといった搬送媒体Ｓの整列性異常が発生した場合でも、角度を調節して整列性を改善することができる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　なお、本実施形態においては、第１排出トレイ２ａに設けられた凸部１０２ａと第２排出トレイ２ｂに設けられた溝１０２ｂを用いて角度調節を行っているが、第１排出トレイ２ａに対して、第２排出トレイ２ｂを角度調節できるような構成を有すればよく、例えば、第１排出トレイ２ａに溝を設け、第２排出トレイ２ｂに凸部を設けてもよいし、第２ヒンジ１０２にトルクリミッタを取り付けて、第２排出トレイ２ｂの角度を調節してもよい。また、第２ヒンジ１０２にラッチを取り付け、固定解除できるようなレバーやスイッチ等を設けて、角度調節できるようにしてもよい。

　また、本実施形態においては、排出トレイ２を第１排出トレイ２ａ及び第２排出トレイ２ｂの２枚構成にしたが、第２排出トレイ２ｂを第１排出トレイ２ａから引き出し可能または回動可能に設け、必要な時に延長させて使用する構成にしてもよい。図２４に延長式排出トレイを取り付けた画像読取装置の概略図を示す。第２排出トレイ２ｂは、第１排出トレイ２ａに組み込まれ、不図示のレール部材により排出方向Ｄ２と平行に移動可能に取り付けられている。また、第２ヒンジ１０２ｃには図２１に示すような角度調節機能を設けている。このような構成にすることで、角度だけでなく用紙サイズに合わせて第２排出トレイ２ｂの移動量を調整することができるため、整列性をよくすることができる。例えば、図２５ａに示すように比較的小さな用紙を排出する場合には、第２排出トレイ２ｂの移動量を少なくし、図２５ｂに示すように比較的大きな用紙を排出する場合には、第２排出トレイ２ｂの移動量を多くして、整列性を調節することが可能である。さらに、不要なときは第２排出トレイ２ｂを第１排出トレイ２ａに収納可能なため、装置をコンパクトにすることができる。なお、ここでは図２４の第２ヒンジ１０２ｃに図２１のような角度調節機能を設けたが、第２排出トレイ２ｂを角度調節できるような構成を有すればよく、例えば、第２ヒンジ１０２ｃにトルクリミッタを取り付けて、第２排出トレイ２ｂの角度を調節してもよい。

　［実施形態４］次に、本発明の実施形態４に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　なお、本実施形態の画像読取装置Ａの構成や機能は上述した実施形態と同様である。特許文献２では、排出トレイの角度を調整するための移動可能な突き当て部材が装置本体に設置されていて、排出トレイの回転ヒンジ付近を支持する構成となっている。そのため、突き当て部材のわずかな移動で排出トレイの角度が大きく変化してしまう。しかしながら、排出トレイ先端付近を支持するには、装置自体の設置面積が大きくなってしまう。本実施形態では、このような課題を解決することができる。

　＜排出トレイ角度調節機構４＞
　図２６から図２８に示すように、第１排出トレイ２ａの下面には、排出トレイ２を展開した時に、装置本体または装置本体設置面に当接するようなトレイ支持部４３１が回動可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態において、突出部１３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることが出来る。

　トレイ支持部４３１を排出トレイ２表面の待機位置から動作位置に回動させると、トレイ支持部４３１に当接して排出トレイ２を支持することとなり、突出部１３０が排出トレイ２を直接支持する図９ａの状態から、排出トレイ２の角度を調節でき、トレイ支持部４３１を用いないで支持した時に比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方側で支持されるため、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角を大きくすることが出来る。

　図２６から図２８は、画像読取装置Ａの排出トレイ２とトレイ支持部４３１付近のみ示した側面図であり、図中のＤＴ２の拡大図を示している。

　トレイ支持部４３１は、排出トレイ２内にその回動軸が設けられるように配置されている。また、トレイ支持部４３１の回動軸は、排出トレイ２の回転ヒンジ位置に対して、用紙搬送方向の下流側となるように配置され、トレイ支持部４３１が排出トレイ２に収納された位置から、排出トレイ２から引き出された位置へと回動することで排出トレイ２の支持が可能となる。

　図２９は、本実施形態の画像読取装置Ａの排出トレイ２を収納した状態の正面図およびその一部の拡大図である。

　トレイ支持部４３１は、排出トレイ２に設けられた収納部４３２内に全体が収まるように配置されており、排出トレイ２の回転ヒンジ位置に対して、用紙搬送方向の下流側に回動軸が設けられている。排出トレイ２に全体が収納されるようにトレイ支持部４３１が設けられることにより、トレイ支持部４３１が排出トレイ２に収納された状態においては、確実に排出トレイ２と突出部１３０とが当接するようにできる。トレイ支持部４３１の回動軸と対向する辺には、中央に指掛け用の凹部４５２、両端部には突出部１３０と当接する凸部４５１とが設けられている。

　収納部４３２における、トレイ支持部４３１の凹部４５２と対向する位置には、退避部４５３が設けられ、ユーザの指が凹部４５２に触れやすいようになっている。

　トレイ支持部４３１は、排出トレイ２から飛び出すように回動された状態においては、その両端部に設けた凸部４５１によって突出部１３０と当接する。トレイ支持部４３１の突き当てる部分を限定することによって部品の重要寸法の管理がしやすくなるため、公差やバラつきによる排出トレイ２の角度への影響を抑えることができる。

　なお、図３０に示すようにトレイ支持部４３１はヒンジ部および先端に十分な摺動抵抗を持たせることで回動範囲の途中においても排出トレイ２を支持可能なように構成し、排出トレイ２の角度を複数段階で調節可能にしてもよい。その場合、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができ、多様な搬送媒体Ｓに対応できる。なお、排出トレイ２に摺動抵抗を持たせる具体的な方法としては、回転ヒンジや先端部をゴム部材などの摺動性の高い材料を貼り付ける方法などが挙げられる。

　また、本実施形態においては、トレイ支持部４３１を排出トレイ２の当接部４３２ａで支持しているが、トレイ支持部４３１に対して抗力を及ぼし、それによって排出開口９２に対する排出トレイ２の角度を調整できるような構成を有すればよく、例えば、図３１に示すようにトレイ支持部４３１を下部ユニット１０４と略同等の幅とし、下部ユニット１０４の両端部に突出部１３０を配置して、その突出部１３０にてトレイ支持部４３１を支持することで、排出トレイ２の角度を調節してもよい。

　［実施形態５］次に、本発明の実施形態５に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　なお、本実施形態の画像読取装置Ａの構成や機能は上述した実施形態と同様である。

　＜排出トレイ角度調節機構５＞
　図３３は、画像読取装置Ａの排出トレイ２とトレイ支持部５３１付近を示した側面図である。

　図３３に示すように第１排出トレイ２ａの下面には、排出トレイ２を展開した時に、装置本体または装置本体設置面に当接するようなトレイ支持部５３１が移動可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態において、突出部１３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることが出来るようにされている。トレイ支持部５３１を排出トレイ２表面の待機位置から動作位置に移動させると、突出部１３０に当接して排出トレイ２を支持することとなり、突出部１３０が排出トレイ２を直接支持する状態から、排出トレイ２の角度を調節でき、トレイ支持部５３１を用いないで支持した時に比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方側で支持されるため、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とのなす角を大きくすることが出来る。

　トレイ支持部５３１は、排出トレイ２の表面に略平行移動可能に配置されている。トレイ支持部５３１の移動領域は、排出トレイ２の先端側から後端側となるように略直線状に配置され、トレイ支持部５３１が突出部１３０に突き当たらない先端の位置から、突出部１３０に突き当たる後端の位置に移動することで排出トレイ２の支持が可能となる。

　また、トレイ支持部５３１が突出部１３０に突き当たる領域内において、排出トレイ２の先端に近いほど、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とのなす角が小さくなり、排出トレイ２の先端から離れるほど、すなわち装置本体に近いほど画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とのなす角が大きくなる。

　図５４は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を収納した状態の正面図およびその一部の拡大図である。

　トレイ支持部５３１は、排出トレイ２に設けられたスライド溝５５４内に溝にそって移動可能に配置されており、スライド溝５５４とトレイ支持部５３１の間には摺動摩擦抵抗が発生している。トレイ支持部５３１のスライド溝５５４と対向する辺には、上記機構２と同様に両端部には突出部１３０と当接する凸部とが設けられている。

　［実施形態６］次に、本発明の実施形態６に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構６＞
　図３５は、画像読取装置Ａの排出トレイ２とトレイ支持部６３１付近を示した側面図である。

　図３５に示すように第１排出トレイ２ａの下面には、排出トレイ２を展開した時に、装置本体または装置本体設置面に当接するようなトレイ支持部６３１が移動可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態において、突出部１３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることが出来るようにされている。トレイ支持部６３１を排出トレイ２表面の待機位置から動作位置に移動させると、突出部１３０に当接して排出トレイ２を支持することとなり、突出部１３０が排出トレイ２を直接支持する状態から、排出トレイ２の角度を調節でき、トレイ支持部６３１を用いないで支持した時に比べて、排出トレイ２が鉛直方向上方側で支持されるため、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角を大きくすることが出来る。

　トレイ支持部６３１は、排出トレイ２の表面に略垂直移動可能に配置されている。トレイ支持部６３１の移動領域は、トレイ支持部６３１が突出部１３０に突き当らない排出トレイ２に略収納された位置を含み、突出部１３０に突き当たる位置に移動することで排出トレイ２の支持が可能となる。トレイ支持部６３１の移動量は任意であるため、排出トレイ２から多く出していれば出しているほど、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とのなす角が大きくなる。

　図３６は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２を収納した状態の正面図である。

　トレイ支持部６３１はネジ溝を有する円柱状の部材で、排出トレイ２に設けられたネジ溝を有する収納穴６３２内に回転挿入にして設置されている。なお、トレイ支持部６３１は、図３５における突出部１３０にネジ溝を有する円柱状の部材で設けても良い。ネジ溝を有することにより突出部１３０に対して垂直に出し入れが可能となり、排出トレイ２との当接位置が変化することで画像読取装置Ａと排出トレイ２とのなす角が大きくなる。例えば、円柱状部材の上部にツマミ部を設けたものであってもよく、ツマミ部が搬送方向に垂直な向きのときはトレイ支持部６３１が突出部１３０内に収納されて排出トレイ２と当接しない状態となり、ツマミ部が搬送方向と平行な向きのときはトレイ支持部６３１が突出部１３０から飛び出すことで排出トレイ２と当接するように構成しても良い。ネジ溝を有するツマミ部を持ってトレイ支持部６３１を回転させる量に応じてトレイ支持部６３１が突出部１３０から飛び出す量を調整することができるようにし、画像読取装置Ａと排出トレイ２とがなす角を多段階で調整可能なように構成しても良い。

　なお、ここまでトレイ支持部４３１、５３１、６３１が突出部１３０に突き当たる構成の説明を行ってきたが、突出部１３０が大きくなると、装置本体の設置面積が大きくなり好ましくない。そこで、トレイ支持部４３１、５３１、６３１が突出部１３０に突き当たる構成にするためには、必然的に排出トレイ２のヒンジ付近にトレイ支持部４３１、５３１、６３１を配置しなくてはならず、構成上の制限となっている。

　しかし、ヒンジ付近にトレイ支持部４３１、５３１、６３１を配置すると、トレイ支持部４３１、５３１、６３１のわずかな移動で排出トレイ２の角度が大きく変化してしまう。

　よって本実施形態では図３２に示すように設置面に直接突き当たる構成としたほうが、なお好適である。このように構成することで突出部１３０の大きさに依存せず、排出トレイ２の中にトレイ支持部４３１、５３１、６３１を配置できるため、突出部１３０にトレイ支持部４３１、５３１、６３１を突き当てる場合に比べて、トレイ支持部４３１、５３１、６３１を排出トレイの先端に配置できるため、排出トレイ２の角度を高い精度で微調整可能とし、突出部１３０を最小限と出来るため装置の小型化にも有効である。

　［実施形態７］次に、本発明の実施形態７に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構７＞
　図３７に示すように、排出トレイ２には、排出トレイ２を展開した時に突出部７３０に当接するトレイ支持部７３１が排出トレイ２の内側且つ搬送方向上流位置にスライド可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態においては突出部７３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることができるようにされている。図３８に示すように、トレイ支持部７３１を排出トレイ２の搬送方向上流側から突出するようにスライドさせると、トレイ支持部７３１の凸部７５１が突出部７３０に当接して排出トレイを支持する。さらに、トレイ支持部７３１が排出トレイ２に収納される位置で突出部７３０に当接したときに比べて、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ１を大きくすることができる。

　例えば、図３８の状態では、図３７の状態と比べて、排出トレイ２が画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ１が大きくなり、排出トレイ２の搬送媒体Ｓが排出される面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、図３７の状態では、異なる大きさの搬送媒体Ｓを同時に搬送する場合（異種混載搬送）などにおいては、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまう。このような場合において、図３８のように排出トレイ２の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　図３９は、排出トレイ２の断面図である。トレイ支持部７３１は、排出トレイ２の搬送方向上流側に配置され、排出トレイ２に収納される位置と搬送方向上流側に突出した位置との間をスライド可能に備えられている。このうち突出した位置において、排出トレイ２を展開した時に凸部７５１が突出部７３０に当接して排出トレイ２の支持が可能となる。

　トレイ支持部７３１は、左右に設けられた回転軸７３１ｂが排出トレイ２のレール部７３２ｂに入り、矢印Ｃ方向に移動可能である。さらに、所定の位置で回転軸７３１ｂを中心に回動可能である。トレイ支持部収納穴７３２は当接部７３２ａを有し、トレイ支持部７３１が所定の位置で矢印Ｄ方向へ回動した時のみ当接部７３２ａと突き当て面７３１ａが当接する。引き出されたトレイ支持部７３１には矢印Ｃと逆方向に力が働く付勢部材７３６が取り付けられており、他端は第１排出トレイ２ａの突起部７３２ｃに取り付けられている。トレイ支持部７３１を所定の位置で排出トレイ２の回転方向と同じ回転方向へ回動させると突き当て面７３１ａが当接部７３２ａに当接し、付勢部材７３６の付勢力で押し付けられることで安定して支持される。トレイ支持部７３１が排出トレイ２を支持する時に、トレイ支持部収納穴７３２の当接部７３２ａに突き当て面７３１ａが当接することによって、トレイ支持部７３１が排出開口９２側に向かう方向に抗力を受けることとなり、安定した排出トレイ２の支持が可能である。

　トレイ支持部７３１は、排出トレイ２に設けられたトレイ支持部収納穴７３２内に全体が収まるように配置されている。排出トレイ２に全体が収容されるようにトレイ支持部７３１が設けられることにより、トレイ支持部７３１が排出トレイ２に収容された状態においては、確実に突出部７３０と排出トレイ２とが当接できる。

　しかし、排出トレイ２の角度を変更すると第１排出トレイ２ａの第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０の間に隙間ができてしまう。第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０の間に隙間が空いてしまうと、排出された搬送媒体Ｓが隙間に入り込んでしまう恐れがある。そこで、図４０に示すように、トレイ支持部７３１が矢印Ｃ方向に突出するように配置する。この場合、第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０の間の隙間を埋めることができ、排出された搬送媒体Ｓを安定して受けることができる。

　図３８の矢印Ｂ方向から見たトレイ支持部７３１を図４１に示す。トレイ支持部７３１は、排出トレイ２から搬送方向上流側に突出した位置においては、その両端部に設けた凸部７５１によって突出部７３０と当接する。また、凸部７５１と反対側の両端部に設けた突き当て面７３１ａが当接部７３２ａに当接する。これにより、公差やバラつきによる排出トレイ２の角度への影響を抑えることができる。さらに、トレイ支持部７３１を第１排出トレイ２ａと略同等の幅にすれば、排出トレイ２の角度調整時に排出トレイ２と突出部７３０の間にできる隙間を無くすことができる。

　なお、トレイ支持部７３１はスライド範囲の途中においても排出トレイ２を支持可能なように構成し、排出トレイ２の角度を複数の段階で調節可能にしてもよい。図４２は、排出トレイ２の側面図であり、ＤＴ３に示す範囲の拡大図を右図に示している。図４２に示すように、トレイ支持部収納穴７３２に当接部７３２ａを階段状に三段備える。図４３ａ～４３ｃは、三段ある当接部７３２ａのそれぞれの位置までトレイ支持部７３１を移動させた状態である。ＤＴ４～ＤＴ６に示す範囲の拡大図をそれぞれ右図に示している。矢印Ｃと逆方向に力が働く付勢部材７３６の一端がトレイ支持部７３１に取り付けられており、他端は第１排出トレイに取り付けられている。トレイ支持部７３１を三段ある当接部７３２ａのいずれかの位置で排出トレイ２の回転方向と同じ回転方向へ回動させると突き当て面７３１ａが当接部７３２ａに当接し、付勢部材７３６の付勢力で押し付けられることで安定して支持される。トレイ支持部７３１が排出トレイ２を支持する時に、トレイ支持部収納穴７３２の当接部７３２ａに突き当て面７３１ａが当接することによって、トレイ支持部７３１が排出開口９２側に向かう方向に抗力を受けることとなり、排出トレイ２の安定した支持が可能となる。さらに、三段ある当接部７３２ａのうち他の段の当接部７３２ａに突き当て面７３１ａを当接させることにより、排出トレイのなす角θ１の角度を変更できる。この場合、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができ、利便性を向上できる。また、図４２、図４３では、当接部７３２ａを三段設けたが、三段に限らず、四段、五段と複数の当接部７３２ａを設けることによって、搬送媒体Ｓの種類によって角度を使い分けることが可能となる。

　また、図４４は、トレイ支持部７３１が延長トレイを兼ねた状態を示している。トレイ支持部７３１を搬送方向下流側に第１排出トレイ２ａから突出する位置までスライドさせることにより延長トレイを兼ねることができる。また、図４５は、排出トレイ２を矢印Ｂ方向から見た図である。図４５に示すように、トレイ支持部７３１が第１排出トレイ２ａから突出した位置まで移動した時、トレイ支持部７３１の突き当て面７３１ａが第１排出トレイ２ａの当接部７３２ａと噛み合う。また、第１排出トレイ２ａには、トレイ支持部７３１が収納される位置と搬送方向下流側に延長された位置にも突き当て面７３１ａが設けられている。これにより、トレイ支持部７３１の位置を確実に決めることができ、安定して角度調整を行うことができる。また、名刺やチェック等の小さいサイズの搬送媒体Ｓに対して排紙整列性を向上できる。さらに、トレイ支持部７３１と第１延長トレイ２ｂをそれぞれ設ける必要がないため、部品点数を削減できる。また、第１排出トレイ２ａのみでは受けることができない大きいサイズのシートを排出する場合は、排出トレイ２の角度調整を行わずに延長トレイとして扱えばよい。

　図４６は、排出トレイ２の断面図である。図４６に示すように、トレイ支持部７３１が排出された搬送媒体Ｓを受ける排出ストッパを兼ねている。排出ストッパとは、排出された搬送媒体Ｓの先端を突き当てて整列させるものである。図４７には、トレイ支持部７３１を正面から見た図を示している。トレイ支持部７３１の回転軸７３１ｂが第１排出トレイ２ａのレール部７３２ｂに沿って移動可能に支持されている。さらに、回転軸７３１ｂを中心に回動可能であり、回転軸７３１ｂとレール部７３２ｂ間の摺動抵抗により、トレイ支持部７３１を立てた状態で維持できる。トレイ支持部７３１は、排出ストッパとして立てた状態から、矢印Ｅ方向に回動し、矢印Ｃ方向にスライド移動することで第１排出トレイ２ａから突出する位置まで移動できる。さらに、第１排出トレイ２ａから突出する位置で矢印Ｆ方向に回動することで、当接部７３２ａと突き当て面７３１ａが当接し、トレイ支持部７３１が突出部７３０に当接しても安定して排出トレイ２を支持できる。こうすることで、排出された搬送媒体Ｓを後端で揃えたい場合はトレイ支持部として扱い、先端で揃えたい場合は排出ストッパとして扱うことができる。機能を損なうことなく、一つの部品で２つの機能を果たすことができるため、より排紙整列性を向上できる。

　図４８に示すように、トレイ支持部７３１は、第１延長トレイ２ｂが引き出される動作に連動して移動してもよい。図４８では、第１延長トレイ２ｂを搬送方向下流側に引き出すと、その動作に連動してトレイ支持部７３１が当接位置まで移動する。図４９は、トレイ支持部７３１と第１延長トレイ２ｂを連動して動かす機構を上方から見た図である。トレイ支持部７３１にトレイ支持部ラックギア７３４と、第１延長トレイ２ｂに第１延長トレイラックギア７３５とが接続され、トレイ支持部７３１と第１延長トレイ２ｂの間に配置されたピニオンギアにトレイ支持部ラックギア歯面７３４ａと第１延長トレイラックギア歯面７３５ａが噛み合っている。これにより、トレイ支持部７３１か第１延長トレイ２ｂのいずれかを移動させると、もう一方も連動して移動する。この場合、第１延長トレイ２ｂを引き出すのみの動作でトレイ支持部７３１を移動できるため、搬送媒体Ｓを排出中にも容易に排出トレイ２の角度調整を行うことができる。さらに、ピニオンギア７３５を２種類の歯数のギアで構成された段ギアにすることで、第１延長トレイ２ｂを移動させた距離よりも短い距離だけトレイ支持部７３１を移動させることが可能になる。

　さらに、図５０に示すように、トレイ支持部７３１が排出トレイ２の一部を兼ねてもよい。図５０は、トレイ支持部７３１が排出された搬送媒体Ｓを受ける面となる第２排出トレイ２ｅを兼ねている。第２排出トレイ２ｅの幅方向両端にレール部が設けられており、矢印Ｃ方向にスライド移動が可能となる。図５１に示すように、トレイ支持部７３１が第１排出トレイ２ａから突出した位置まで移動した時、トレイ支持部７３１の突き当て面７３１ａが第１排出トレイ２ａの当接部７３２ａと噛み合う。これにより、トレイ支持部７３１の位置を確実に決めることができ、安定して角度調整を行うことができる。さらに、トレイ支持部７３１が排出された搬送媒体Ｓを受ける面となる第２排出トレイ２ｅを兼ねることにより、それぞれの部品を別々に設ける必要がなくなり、部品点数を削減できる。

　本実施形態では、排出トレイ２を図４３に示すように複数段階で角度を調整できる構造としたが、上述の例に限定されない。例えば、回転軸７３１ｂとレール部７３２ｂとの間の摺動抵抗を十分に大きくすることで、トレイ支持部７３１が突出部７３０に当接しても安定して保持でき、さらに角度調整を無段階に行うことができる。このように、排出トレイ２の角度を複数段階で調節できることにより、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができる。

　また、本実施形態では、図４０に示すように第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０の間の隙間を埋めることができる。第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０の間に隙間が空いてしまうと、排出された搬送媒体Ｓが隙間に入り込んでしまう恐れがある。また、隙間に入らないように排出される搬送媒体Ｓの位置を規定すると排出向きに制限ができてしまう。そこで、本構成では、排出された搬送媒体Ｓを受ける面であるトレイ支持部７３１が移動すると、第１排出トレイ後端部７３７と突出部７３０との間に隙間が空くことがないので、排出する搬送媒体Ｓの先端と排出トレイ２との接触位置を気にすることなく搬送路の配置が可能になる。

　尚且つ、図４４、図４６、図５０に示すようにトレイ支持部７３１が延長トレイや排出ストッパ、排出トレイの一部を形成する部品を兼ねることができる。このようにトレイ支持部７３１が他の機能を兼ねることによって、部品をそれぞれ設ける必要がなくなり、部品点数を削減できる。さらに、図４５のように排出ストッパを兼ねた場合は、排出された搬送媒体Ｓを先端揃えと後端揃えから選んで整列させることができる。この場合、一つの部品で２つの機能を果たすことができ、より排紙整列性を向上できる。

　［実施形態８］次に、本発明の実施形態８に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構８＞
　図５２に示すように、排出トレイ２には、排出トレイ２を展開した時に突出部に当接するトレイ支持部８３１が排出トレイ２の内側且つ搬送方向上流位置に回動可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態においては突出部７３０によって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることができるようにされている。トレイ支持部８３１を排出トレイ２の搬送方向上流側から突出するように回動させると、トレイ支持部８３１が突出部７３０に当接して排出トレイを支持する。さらに、トレイ支持部８３１が排出トレイ２に収納される位置で突出部７３０に当接したときに比べて、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ２を大きくすることができる。

　例えば、図５２の状態では、排出トレイ２が画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ２が大きくなり、排出トレイ２の搬送媒体Ｓが排出される面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、図５２のように排出トレイ２の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　突出部７３０は、突出したトレイ支持部材８３１の先端部を上部から覆う形状になっている。これにより、トレイ支持部８３１が収納位置へ押し戻されることなく、安定して排出トレイ２の角度を保つことができる。

　トレイ支持部８３１は、排出トレイ２に設けられたトレイ支持部収納穴７３２内に全体が収まるように配置されている。排出トレイ２に全体が収容されるようにトレイ支持部８３１が設けられることにより、トレイ支持部８３１が排出トレイ２に収容された状態においては、確実に突出部７３０と排出トレイ２とが当接するようにできる。

　［実施形態９］次に、本発明の実施形態９に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構９＞
　図５３に示すように、排出トレイ２には、排出トレイ２を展開した時に突出部９３０に当接する２つのトレイ支持部９３１が排出トレイ２の搬送方向上流側に搬送方向に直交する幅方向にスライド可能に設けられている。排出トレイ２は、展開状態において突出部９３０に当接することによって支持され、排出される搬送媒体Ｓを受けることができる。この排出トレイ２をＢ方向から見た図を図５４に示している。突出部９３０は、トレイ支持部９３１が当接する面が図２８のように下流方向に反って凸形状を成しており、搬送方向に直交する幅方向において中央に近いほど凸になっている。さらに、排出トレイ２を展開させると、排出トレイ２が突出部９３０に当接して支持される。また、トレイ支持部９３１は幅方向外側では突出部９３０と接触しない位置にあり、中央方向にスライド移動させることにより、トレイ支持部９３１が突出部９３０に当接する。さらに中央方向へ移動させていくことで当接する位置が変わり、排出トレイ２の角度を連続的に調節できる。トレイ支持部９３１を中央方向へ移動させることにより、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ３を連続的に大きくすることができる。

　例えば、図５３、図５４の状態では、排出トレイ２が画像読取装置Ａの設置面と排出トレイとのなす角θ３が大きくなり、排出トレイ２の搬送媒体Ｓが排出される面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、図５３、図５４のように排出トレイ２の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。さらに、トレイ支持部９３１の位置を変更することによって、排出トレイ２の角度を無段階で調節できる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　さらに、左右の２つのトレイ支持部９３１を対称に連動して動作できる。左右のトレイ支持部９３１はそれぞれトレイ支持部ラックギア９３４を備えており、トレイ支持部９３１の中間に配置されたピニオンギア９３３にトレイ支持部ラックギア歯面９３４ａを噛み合わせることで、どちらか一方のトレイ支持部９３１を移動させるともう一方も移動する。これにより、トレイ支持部９３１を簡単に左右対称な位置に移動できる。

　本実施形態では、トレイ支持部９３１を二つ設けた構成で説明したが、トレイ支持部９３１は一つでもよい。トレイ支持部を一つにすることで、ピニオンギア９３３やトレイ支持部ラックギア９３４が不要となり、より簡単な構成で排出トレイ２のなす角θ３を変更することができる。

　また、本実施形態では、トレイ支持部９３１が幅方向外側に位置する時は突出部９３０と当接しない位置となるように説明したが、排出トレイ２が展開状態にある時はトレイ支持部９３１と突出部９３０が常に当接していてもよい。この場合、トレイ支持部９３１が幅方向最端に位置する時における、設置面と排出トレイ２のなす角θ３を０度に近い値にすることで、本実施形態と同様に扱うことができる。

　さらに、図５５に示すように、突出部９３０は、本実施形態では中央に近いほど凸である形状で説明したが、中央に近いほど凹であってもよい。この場合、トレイ支持部９３１を幅方向中央に近づくほどなす角θ３が小さくなる。また、図５６のように、突出部９３０の形状は、反り形状に限らず斜面形状でもよい。斜面形状の他にも段差を設けた形状等、搬送方向に直交する幅方向に対して平行な平面でなければ、排出トレイ２の角度調整が可能である。

　本実施形態では、排出トレイ２を図５４～図５６に示すように無段階で角度を調整できる構造としたが、上述の例に限定されない。このように、排出トレイ２の角度を複数段階で調節できることにより、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができる点で有利である。

　［実施形態１０］次に、本発明の実施形態１０に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構１０＞
　図５８は画像読取装置Ａの側面図である。上側の図の円ＤＴ７で囲った箇所を下側の図５９で示している。
トレイ支持部１０３１は排紙口に向かうように回動され突出部１０３０から飛び出した状態において、その両端部に設けた凸部１０５１が排出トレイ２の端面と、窪み１０５５内に収納されているときに排出開口９２の上部に対向する面１０３１aが排出開口９２の下部とに当接し、排出トレイ２を支持する。つまり、トレイ支持部１０３１は突出部１３０から飛び出すように回動された状態においては、排紙開口９２の下部と排出トレイ２の間に挟まれ保持される。そして、トレイ支持部１０３１は、本体１００の下部に設けられた突出部１０３０内にその回動軸が突出部１０３０の搬送方向上流側となるように配置されている。

　また、本実施形態においては、トレイ支持部１０３１を突出部１０３０から引き出したときにトレイ支持部１０３１が搬送路の一部を形成し、排紙開口９２と排出トレイ２の間の隙間を埋める構成となっている。そして、トレイ支持部１０３１の搬送路形成面１０３１ｂが排出トレイ２のシート載置面２ｅよりも鉛直上方向に位置する構成となっている。

　図６０は、本実施形態に係る画像読取装置Ａの正面パネル９０と垂直な方向から見た上面図およびその拡大図である。

　トレイ支持部１０３１は、突出部１０３０に設けられた窪み１０５５内に全体が収まるように配置されている。そして、回動軸と対向する辺には、中央に指掛け用の凹部１０５２が設けられている。また、窪み１０５５における、トレイ支持部１０３１の凹部１０５２と対向する位置には、退避部１０５３が設けられ、ユーザの指が凹部１０５２に触れやすいようになっている。

　本実施形態によれば、図５８に示すように排出トレイ２をトレイ支持部１０３１で支持した状態では、突出部１０３０によって支持する図５７の状態に比べて、排出トレイ２の角度を変更できる。つまり、排出トレイ２が鉛直方向上方側で支持されるため、画像読取装置Ａの設置面と排出トレイ２とのなす角を大きくすることができる。

　これにより、図５７の状態では、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、図５８のように排出トレイ２の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。

　しかし、常に図５８のように排出トレイ２を鉛直方向上方に持ち上げた状態になるような構成にすると、例えば薄紙のようにコシの弱い紙や、摩擦の強い紙を搬送した場合に、搬送媒体Ｓが排出トレイの途中で止まって紙の後端が駆動ローラ３１の近傍に残り駆動ローラ３１と接触する、排出された搬送媒体Ｓが排出トレイ２上で丸まるなどの排紙不良が発生する可能性がある。そのため搬送媒体Ｓの種類によって排出トレイ２の角度を変更できる構成とすることで、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　また、排出トレイ２を正面パネル９０側に折り畳んだ状態で下を向いている面にトレイ支持部１０３１が当接する。こうすることによって、トレイ支持部１０３１との摩擦等により排出トレイ２表面に傷が付いた場合であっても、ユーザからは見えにくい位置となるため、排出トレイ２を折り畳んだ状態（収納状態）における美観を損ねることがない。

　また、突出部１０３０に全体が収容されるようにトレイ支持部１０３１が設けられることにより、トレイ支持部１０３１が突出部１０３０に収容された状態においては、確実に突出部１０３０と排出トレイ２とが当接するようにできる。

　また、トレイ支持部１０３１が引き出された状態で、トレイ支持部１０３１を排紙開口９２と排出トレイ２で挟持することによって、トレイ支持部１０３１が突出部１０３０に収納される方向と突出部１０３０から引き出される方向の両方の回動が規制され、安定した排出トレイ２の支持が可能である。

　また、トレイ支持部１０３１が引き出された状態で、トレイ支持部１０３１が排紙開口９２と排出トレイ２の隙間を埋めることで、排紙開口９２に排出されたシートが排紙開口９２と排出トレイ２の隙間に挟まることによる排紙不良を防止することができ、排紙性を向上させることができる。

　［実施形態１１］次に、本発明の実施形態１１に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構１１＞
　　図６１および図６２は本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ１１００の排出トレイ内１１０１が収納された状態における概略側断面図である。

　排出トレイ１１００は、排出トレイ内１１０１と排出トレイ外１１０２で構成されている。排出トレイ内１１０１は、排出開口９２を経て排出された搬送媒体Ｓを積載する積載面を構成している。排出トレイ外１１０２は、排出トレイ２が収納状態の時に外観面を構成している。排出トレイ内１１０１と排出トレイ外１１０２は、積載面に対して直角方向から見たとき、ほぼ同じ大きさで構成されており、搬送方向上流側で回動支持部１１０３にて回動可能に軸支されている。また、排出トレイ内１１０１と排出トレイ外１１０２との間には、排出トレイ内１１０１の下流端を排出トレイ外１１０２から離間させる方向に付勢する排出トレイ内付勢部材１１０４が設けられている。さらに、排出トレイ外１１０２のシート幅方向端面に、排出トレイ内ロック部材１１０５が設けられている。排出トレイ内ロック部材１１０５は、搬送方向とほぼ平行にスライド可能となっており、ロック付勢部材１１０６により排出トレイ内ロック部材１１０５をロック方向(図６２の左方向)へ常時付勢している。

　排出トレイ内１１０１が排出トレイ内ロック部材１１０５にロックされている状態、すなわち排出トレイ内１１０１の幅方向の端部に設けられた係合部１１０１ａが排出トレイ内ロック部材１１０５と係合している状態においては、排出トレイ内付勢部材１１０４による排出トレイ内１１０１の回動が規制され、排出トレイ内１１０１は排出トレイ外１１０２とほぼ平行な位置関係で保持される。

　次に、排出トレイ内ロック部材１１０５をロック付勢部材１１０６が付勢する方向と反対方向にスライドさせると、排出トレイ内１１０１の係合部１１０１ａが解除され、排出トレイ内付勢部材１１０４の力によって、排出トレイ内１１０１は回動支持部１１０３を回動軸として、排出トレイ内１１０１の係止部１１０１ｂが排出トレイ外１１０２の係止部１１０２ｂに係止するまで回動し、図６３のように排出トレイ内１１０１が展開された状態になる。この時、排出トレイ内１１０１が排出トレイ内ロック部材１１０５によりロックされた状態に比べて、排出された搬送媒体Ｓを積載する積載面と画像読取装置Ａの接地面のなす角度が大きくなる。

　また、排出トレイ内１１０１が展開された状態において、排出トレイ内１１０１を排出トレイ内付勢部材１１０４による付勢方向と反対方向に押し込むと、排出トレイ内１１０１の係合部１１０１ａが排出トレイ内ロック部材１１０５を押し退けた後に、排出トレイ内ロック部材１１０５と係合され、排出トレイ内１１０１は収納された状態に戻ることができる。

　また、本実施形態においては、排出トレイ１１０１内が収納された状態が初期状態としているが、排出トレイ内１１０１が展開された状態が初期状態であっても良い。すなわち、排出トレイ内１１０１が展開された状態で排出トレイ２を収納可能にしてもよい。

　例えば、図６３の状態では、図６２の状態と比べて、排出トレイ内１１０１の下流端が鉛直方向上方に持ち上げられることとなり、排出トレイ２の上面において搬送媒体Ｓの先端が着地する位置を変更することができる。これにより、図６２の状態では、排出される搬送媒体Ｓの先端が、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端に当接して押し出してしまうような場合において、図６３のように排出トレイ内１１０１の角度を変更することで、既に排出済みの搬送媒体Ｓの後端を下部ユニット１０４側に寄せる作用に加えて、既に排出済みの搬送媒体Ｓの上面に、後続の搬送媒体Ｓの先端を確実に着地させることができる。このような構成により、排出トレイ２上での排出済みの搬送媒体Ｓの整列性を格段に向上することができる。

　また、排出トレイ内ロック部材１１０５は排出トレイ２の幅方向端面に設けられているため、画像読取装置Ａが読取動作中、すなわち、複数の搬送媒体Ｓが排出トレイ２に排出されている最中においても、排出トレイ内ロック部材１１０５の操作が可能であり、排出された搬送媒体Ｓの整列の具合を見ながら排出トレイ内１１０１の好適な角度を調整することができ、利便性を向上できる。

　なお、図６４のように、排出トレイ内ロック部材１１０５の係合部１１０５ａおよび係合部１１０５ｂと複数個設けることで、排出トレイ内１１０１の角度を複数段階で調節可能にしてもよい。その場合、搬送媒体Ｓごとに最も排出トレイ２上での整列性が高い角度で搬送媒体Ｓを受けることができ、利便性を向上できる。

　本実施形態においては、排出トレイ内１１０１は排出された搬送媒体Ｓを積載するトレイとして使用しているが、図６５のように、排出トレイ内１１０１の角度を排出される搬送媒体Ｓの搬送方向に対して略直角に設定可能とすることで、排紙位置調整部材、すなわち排紙ストッパとして使用してもよい。

　また、本実施形態においては、第１排出トレイ２ａに回動可能な排出トレイ内１１０１を設ける構成としているが、第２排出トレイ２ｂに回動可能な排出トレイを設けてもよい。

　［実施形態１２］次に、本発明の実施形態１２に係る画像読取装置Ａの排出トレイ角度調節機構について説明する。

　＜排出トレイ角度調節機構１２＞
　　図６６ａ、６６ｂおよび図６７ａ、６７ｂは本実施形態に係る画像読取装置Ａの排出トレイ２６００の排出トレイ２６００が展開された状態における概略側断面図である。

　ここで、本実施形態は、シート搬送装置における排出トレイ上でのシートの排紙整列性を向上させるべく、排出トレイ上にシートの先端を排出ストッパに当接させてシートの積載位置を所定範囲内に制限するものである。シート搬送装置は、例えば、同一サイズのシートを搬送することも可能であるが、様々な幅寸法、長さ寸法等の異なるサイズのシートを束ねたシート束から一枚ずつ分離して搬送する装置にも適用可能である。

　その場合、シート搬送装置におけるシート給送部には、シートを一枚ずつ分離するシート分離部を設け、分離しながらシートを一枚ずつ下流側へ搬送し、最終的に、排出トレイ上に順次排出するものである。そのため、排出トレイは、様々な長さ寸法のシートに対応すべく、延長可能な構成とするのが好ましい。

　具体的には、図６６ａ～図６８ｄに示すように、シート搬送装置２５００の本体２５０１に対して排出トレイ２６００を回転ヒンジ２６０１で折り畳み可能に設け、その排出トレイ２６００を一段目のトレイ（第１排出トレイ）２６１０とし、ここから二段目の延長トレイ（第２排出トレイ）２６２０を引き出すようにすればよい。

　このとき、例えば、図６６ａに示すように、本体２５０１に回動可能に連結される一段目の第１排出トレイ２６１０上には、排出ストッパ２６５０を回動して立設しておくことにより、シート排出方向Ｄ２に排出されるシートＳの先端を当接させて、第１排出トレイ２６１０上での排出位置を制限し、排出されるシートＳの整列性を向上できる。

　なお、このような排出ストッパ２６５０を第１排出トレイ２６１０のシート受面２６１０ａと面一となるように収容した場合においては、シート受面２６１０ａ上に排出された先行シートの後端に後続シートの先端が当接して押し出すとシートの整列性が乱れることがあり、また、後続シートが先行シートのシート受面２６１０ａ側に潜り込むこともあって排出されたシートの積載順番が乱れることもある。

　このように排出されるシートの乱れを防ぐため、図６６ｂに示すように、排出ストッパ２６５０を本体２５０１側とは反対側に傾けた姿勢で停止させるようにしてもよい。

　このようにしてジャンプ台のように傾いた排出ストッパ２６５０上には、図６６ｂに示すように、排出される先行シートＳ１が乗り上げて本体２５０１側で停止し易くなる。このため、後続シートＳ２が先行シートＳ１上に着地して次々と排出されていく。

　つまり、先行シートＳ１を後続シートＳ２で押し出すことや、後続シートＳ２が先行シートＳ１の下に潜り込んでしまうこともない。したがって、給送前のシート束と同じ順番で排出トレイ２６００上に整列性良く積載することが可能となる。

　なお、比較的長いシートを排出する場合には、排出ストッパ２６５０を図６６ｂのように傾けて停止した姿勢とし、比較的短いシートを排出する場合には、排出ストッパ２６５０を図６６ａに示すように排出トレイ２６００上に略直角に立ち上げて使用すればよい。

　また、更にシート整列性を向上させたい場合には、図６６ｂに示す状態と同様に、図６７ａ、６７ｂに示すように、排出ストッパ２６５０を傾けつつ排出トレイ２６００の先端を持ち上げる方向に傾けてもよい。

　このような排出トレイ２６００の姿勢変更は、例えば、図６７ａ、６７ｂに示すように、本体２５０１の下端部２５０１ａに設けたトレイ支持部２５５０を装置設置面と排出トレイ２６００との間に配置し、本体２５０１に対する排出トレイ６００の姿勢を持ち上げる方向に変化させるようにしてもよい。

　これにより、排出トレイ２６００上に排出される先行シートＳ１は、より装置本体側で停止するため、後続シートＳ２が先行シートＳ１上に着地し易くなり、その結果、シートの排紙整列性を更に向上することが可能となる。

　さらに、上述した排出ストッパ２６５０は、装置本体側に直接接続される第１排出トレイ２６１０に設けた例を説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、図６８ａに示すように、第１排出トレイ２６１０から延長される第２排出トレイ２６２０上に設けてもよい。

　また、図６８ｂに示すように、図６８ａの状態から第１排出トレイ２６１０内に第２排出トレイ２６２０を収容して延長可能な構成としてもよく、この場合、図６８ｃに示すように、排出ストッパ２６５０と共に第２排出トレイ２６２０を第１排出トレイ２６１０内の収容空間又は溝部に収容するようにしてもよい。

　また、図６８ｄに示すように、第１排出トレイ２６１０内から第２排出トレイ２６２０を引き出して延長するときに、図示しない付勢手段（例えば板ばねやコイルスプリング等）により排出ストッパ２６５０が所定の角度で停止する係合部まで付勢し、所定の角度まで排出ストッパ２６５０を自動的に突出させるようにしてもよい。そして、図６８ｄの状態から再び、第２排出トレイ２６２０を収容するときには、図６８ａ及び図６８ｂのように自動的に収容するようにすればよい。また、図６８ｄの状態から手動で図６８ａの状態まで立ち上げられるようにしてもよい。

　図６８ａ～６８ｄのような構造にすれば、第２排出トレイ２６２０を延長させる動作だけで、排出ストッパ２６５０が自動的に引き出されるため、ユーザの操作性を向上できる。また、トレイ延長するほどに長いシートを排出する場合であっても、排出ストッパ２６５０上に乗り上がり、後続シートＳ２を先行シートＳ１の上により確実に着地させることが可能となるため、上述の図６６ａ、６６ｂで説明したものと同様に、シートの整列性を向上できる。また、図６８ａ～６８ｄの構造に対して、図６７ａ、６７ｂで説明したトレイ支持部２５５０の構成を適用させて、更にシート整列性を向上させるようにしてもよい。

　なお、上述した排出ストッパ２６５０は、先行シートＳ１が乗り上がるように所定の角度傾いたジャンプ台のような構造になればシートの排紙整列性を向上させることができ、例えば、その角度は、一段階で変化させればよいが、多段階で角度の調整ができるようにしてもよい。これにより、シートの排紙整列性をより細かく調整可能となり、ユーザが望む良好なシート排出及び整列性を実現できる。

　また、上述した図６６ａ、６６ｂ及び図６７ａ、６７ｂに示す排出ストッパ２６５０は、シート受面２６１０ａに対して直角となるまで立設可能に設けたが、本発明は勿論これに限定されず、シート受面２６１０ａに対して直角ではなく鋭角となるように傾く状態まで回動するようにしてもよい。ここでは、シートが排出ストッパの部分を次々とシートが乗り越えるようにするため、排出ストッパは単にシートの排出を停止させるものではなく、シートの排出をガイドする排出ガイドとしての役割を持つ。以下は、便宜上、排出ストッパとして説明するが、排出ガイドとしてもよい。

　図６９、７０ａ、７０ｂに示すように、第２排出トレイ２６２０を第１排出トレイ２６１０から引き出したときに、所定の角度まで、自動的にポップアップするようにすれば、ユーザの操作性を向上できる。なお、第２排出トレイ２６２０を伸ばすことは、排出サイズの大きいシート（例えば、Ａ３サイズのシート）を受けることを想定しているため、そのようなシートを受ける場合には、排紙整列性を向上することが好ましい。したがって、トレイを延長する動作に連動して、排出ストッパ（排出ガイド）２６５０を所定角度までポップアップするようするのが良い。

　図６９は排出トレイ２６００を上面から見た概略図であり、図７０ａは図６９のＩ－Ｉ断面、図７０ｂは図６９のＩＩ－ＩＩ断面での構造変化をそれぞれ示す図である。

　図６９、７０ａ、７０ｂに示すように、排出ストッパ２６５０は、第１排出トレイ２６１０に対して両端部の回転軸２６５１及びコイルバネ２６５２によって所定角度まで回転可能に連結されている。

　また、この排出ストッパ２６５０の回転軸回りには、第２排出トレイ２６２０の進退方向（伸縮方向）と直交する排出トレイ２６００の幅方向の両端部（図６９におけるＩ－Ｉ断面部分）には、図７０ａに示すような偏心カム２６５３が部分的にそれぞれ設けられている。

　一方、排出ストッパ２６５０の中央部、すなわち、排出トレイ２６００の幅方向における中央部付近には、切欠き部２６５４ａを有する係合部２６５４が設けられており、この係合部２６５４には、第１排出トレイ２６１０の内壁面２６１１において、第２排出トレイ２６２０の進退方向にバネ等の付勢手段２６１２で付勢された被係合部２６１３が係合可能に設けられている。

　また、第２排出トレイ２６２０のうち第１排出トレイ２６１０側の端部には、排出ストッパ２６５０の偏心カム２６５３に対応する平坦部２６２１及びテーパ部２６２２と、被係合部２６１３に対応して当該被係合部２６１３を段差で押圧する押圧部２６２３とが設けられている。

　ここで、第２排出トレイ２６２０の進退に伴って排出ストッパ２６５０が連動する構成について説明する。図７０ａのａ１に示すように、第２排出トレイ２６２０が第１排出トレイ２６１０内に収容されているときには、第２排出トレイ２６２０の平坦部２６２１で偏心カム２６５３の平坦面２６５３ａが面接触しており、排出ストッパ２６５０の回動が制限されている。すなわち、排出ストッパ２６５０の上面２６５０ａと第１排出トレイ２６１０のシート受面２６１０ａとが実質的に面一の状態となり、排出ストッパ２６５０は第１排出トレイ２６１０の溝部に収容されている。このとき排出ストッパ２６５０の幅方向中央部においては、図７０ｂのａ２に示すように、第２排出トレイ２６２０の押圧部２６２３は、第１排出トレイ２６１０に設けられた被係合部２６１３を押し込み、排出ストッパ２６５０の係合部２６５４（切欠き部２６５４ａ）と被係合部２６１３とが被係合状態となる。

　次に、図７０ａのｂ１に示すように、第２排出トレイ２６２０を第１排出トレイ２６１０から引き出して延長させると、第２排出トレイ２６２０の平坦部２６２１が偏心カム２６５３の平坦面２６５３ａに摺接し、偏心カム２６５３の位置にテーパ部２６２２が到達すると、偏心カム２６５３と第２排出トレイ２６２０との係合が解除され、付勢手段２６５２により、排出ストッパ２６５０がその回転軸Ｓ周りに回動する。これにより、排出ストッパ２６５０が所定角度までポップアップする。このとき排出ストッパ２６５０の幅方向中央部においては、第２排出トレイ２６２０を第１排出トレイ２６１０から引き出すと、押圧部２６２３による被係合部２６１３の押圧状態が解除され、このとき既に、排出ストッパ２６５０が回動した状態となっているので、被係合部２６１３が係合部２６５４の端部に当接した状態となる。

　次いで、図７０ａのｃ１に示すように、第２排出トレイ２６２０を延長した状態で、ユーザが手動で排出ストッパ２６５０を第１排出トレイ２６１０に収容した場合には、そのまま排出ストッパ２６５０が押し込まれて回転軸Ｓ回りに回動すると、図７０ｂのｃ２に示すように、第２排出トレイ２６１０の係合部２６５４（切欠き部２６５４ａ）に被係合部２６１３が係合し、排出ストッパ２６５０が回転止めの状態となる。これにより、ユーザは、排出ストッパ２６５０が不要なときは、手動で排出ストッパ２６５０を収容させることが可能となる。なお、この状態で、第２排出トレイ２６２０を第１排出トレイ２６１０内に押し込んだ場合、図７０ａのａ１及び図７０ｂのａ２の状態に戻る。

　このように、第２排出トレイ２６２０の進退に伴って排出ストッパ２６５０を自動的にポップアップするようにすれば、ユーザが排出ストッパ２６５０を持ち上げる手間を省くことができる。また、ユーザが排出ストッパ２６５０を不要な時に押し下げて収容させることも可能である。

　なお、本発明は、上述した形態に限定されず、例えば、図６９、７０ａ、７０ｂにおける係合部２６５４及び被係合部２６１３等を設けなくてもよい。これにより、第２排出トレイ２６２０の進退に基づいて、排出ストッパ２６５０を自動的に上下動させることができる。また、本発明は、上述した排出ストッパ２６５０を手動で立ち上げ可能としてもよい。いずれにしても、排出ストッパ２６５０を任意の角度で傾けて立ち上げることにより、排出の整列性を向上できる。

　また、更にシート整列性を向上させたい場合として、図６７ａ、６７ｂで説明したように、排出ストッパを傾けつつ排出トレイの先端を持ち上げる方向に傾ける構成について、他の実施形態を示す。

　図７１ａ、７１ｂは、本発明の他の実施形態に係るシート搬送装置の模式的な側断面図である。図７１ａに示すように、トレイの収納状態においては、排出トレイユニット２７００が装置の筐体となる本体２９０１側に回転ヒンジ（第２ヒンジ）２７００ａで回動して折り畳まれた第１位置では、第１排出トレイ２７１０が本体２９０１の前面に重なり、第２排出トレイ２７２０が装置上面（搬送路ＲＴと略平行な面）に重なるように収容される。また、給紙トレイ２８００が、回転ヒンジ２８５０を中心に回動し、第２排出トレイ２７２０の上に重なるようにして収容されることで給紙トレイ２８００および排出トレイユニット２７００が収納されるようになっている。なお、排出トレイユニット２７００と給紙トレイ２８００とが重なる順番はこれに限定されず、給紙トレイ２８００の上から排出トレイユニット２７００を折り畳むようにしてもよい。

　シートの搬送時（排出トレイユニット２７００で排出されたシートを受ける時）においては、給紙トレイ２８００および排出トレイユニット２７００は本体２９０１から離れるように展開され、排出されるシートを受けることが可能な位置（第２位置）とされる。

　本実施形態においては、本体２９０１へ折り畳まれた排出トレイユニット２７００には、第１排出トレイ２７１０と第２排出トレイ２７２０に加えて、第１ヒンジ２７５０付近に、搬送路ＲＴの端部（出口）となる本体２９０１の開口である排出口２９０１ａに対して連通する開口部２７１１を有している。この開口部２７１１は、第１排出トレイ２７１０の装置本体側の端部と、本体２９０１の下端部との間で形成される。

　これによって、トレイの収納状態から給紙トレイ２８００のみを回動させて給紙可能なようにした上で、排出トレイユニット２７００は本体側に折り畳んだままシート搬送、及び本体２９０１からの排出が可能となる。この場合においても、排出トレイユニット２７００が第１排出トレイ２７１０と第２排出トレイ２７２０を有するように構成することによって、排出されるシートの先端が第１排出トレイ２７１０の第１シート受面２７１０ａに着地し、この第１シート受面２７１０ａに対して所定角度で形成された第２排出トレイ２７１０の第２シート受面２７２０ａ上に向かって進行するため、排出トレイ２７００上での整列性を向上することが可能となる。また、排出トレイユニット２７００を装置本体側に収容したままシートの排出が可能であるため、排出トレイユニット２７００を展開しなくてもよいと判断される状況、すなわち、整列の不要な状況（紙の種類や一枚のシートを搬送する場合）におけるユーザの使用性を向上できる。

　また、本実施形態に係る排出トレイユニット２７００は、第１排出トレイ２７１０上面のシートを受ける面である第１シート受面２７１０ａが、本体２９０１の設置面となす角θ４が、排出されるシートの排出方向Ｄ２が本体２９０１の設置面となす角θ５以下、より好ましくはθ５よりも小さくなるようにしつつ、排出口２９０１ａと対向する位置に設けられる。こうすることによって、排出されるシートの先端が第１シート受面２７１０ａに着地したあとに、第１シート受面２７１０ａに対して所定の傾きを有するように設けられた第２排出トレイ２７２０の第２シート受面２７２０ａに対して進行するように構成でき、排出方向Ｄ２及びトレイ面方向に対するシートの移動量を低減することができ、シートの整列性を向上できる。

　また、図７１ｂに示すように、本実施形態の排出トレイユニット２７００に対し、本体２９０１の最下部に設けたトレイ支持部２９０３を第１排出トレイ２７１０の下方から当接させることによって、本体２９０１に対する排出トレイユニット２７００の姿勢が持ち上がる方向に変化させるようにしてもよい。

　こうすることによって、上述したような折れ曲がった排出トレイユニット２７００を採用したことによる整列性の向上作用に加えて、さらに、トレイ支持部２９０３を使うことで、シートの整列性を向上することができるようになる。一方、このようなトレイ支持部２９０３を用いずに排出トレイユニット２７００を使用してもよく、シートの整列性を考慮して排出トレイユニット２７００を使用すればよい。例えば、特に限定されないが、比較的薄いシートを排出する場合にはトレイ支持部２９０３を使用しないようにしてもよく、比較的厚みのあるシートを排出する場合にはトレイ支持部２９０３を使用するようにすればよい。このように、排出トレイユニット２７００の使い分けは、ユーザが任意に選択できる。

　なお、本実施形態においても、本体２９０１の前端側の最下部において設置面の面方向に突出した突出部２９０２が設けられており、トレイ支持部２９０３は突出部２９０２の上方に引き出されるように設けられている。この構成によれば、図示しないが本体２９０１の搬送路ＲＴを開放すべく上部ユニット側だけ展開するときにでも、突出部２９０２によって本体２９０１の重心を安定させることができ、その上で、トレイ支持部２９０３を排出トレイ２７００の第１排出トレイ２７１０の背面に対して当接させ易くすることができ、好適である。

　また、本発明は、上述したようなトレイ支持部２９０３によって排出トレイユニット２７００の姿勢を変更する構成に限定されず、例えば、排出トレイユニット２７００と本体２９０１とを連結する回転ヒンジ２７５０において、排出トレイユニット２７００の回動方向で段階的な角度調整を可能としてもよいし、排出トレイユニット２７００が有する第１排出トレイ２７１０の背面に収納可能なトレイ支持部を設けて、必要に応じて、第１排出トレイ２７１０からトレイ支持部を引き出して排出トレイユニット２７００の姿勢を変更するようにしてもよい。このように、本発明は、折れ曲がった排出トレイを採用して排紙整列性を高めつつ、更にこの折れ曲がった排出トレイの姿勢（角度等）を変更することにより、更に排紙整列性を高めることができる。このように、本発明は、同一サイズのシートを次々と高速排出する場合だけでなく、異なるサイズのシートを次々と高速排出する場合においても、十分な排紙整列性を実現することができるため、シート排出速度を高めるのに極めて有利である。

　排紙整列性を向上するために、排出口付近で搬送速度を減速する方法があるが、上述した構成を採用すれば排出口付近における減速をせずとも排紙整列性を向上できる。排出口付近で減速すると、装置全体のスループットが低下するため、本実施形態の構成を採用することによって搬送のスループットの向上が可能と言える。

　以上、本発明を様々な実施形態に基づいて詳細に説明したが、上述した実施形態を組み合わせることで、更に、排紙整列性を高めるようにしてもよい。

　＜付記＞
　（請求項１）
　搬送路が設けられた筐体と、
　前記搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送路を搬送された前記シートを排出する排出口と、
前記排出口から排出されるシートを積載するための排出トレイと、
　前記排出トレイの姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備え、
　前記排出トレイは、シートの排出方向において前記排出口に対向する部分でシートの先端が着地する第１シート受面と、前記第１シート受面に対して所定の傾きで形成された第２シート受面とを有し、
　前記姿勢変更手段は、前記排出トレイが有する前記第１シート受面を前記排出口側に傾くように前記排出トレイの姿勢を変更することを特徴とするシート搬送装置。

　（請求項２）
　前記排出トレイは、前記筐体の前記排出口が開口する側の下端部に設けられた回転ヒンジ部で連結され、前記筐体側に倒れ込む第１位置と、排出されるシートを受ける第２位置との間で回動可能であり、
前記第２位置において前記姿勢変更手段による姿勢変更がされていない状態では前記筐体の設置面と前記第１シート受面とのなす角が、前記筐体の設置面と前記排出口から排出されるシートの排出方向とがなす角以下となるように配置されており、
前記第２位置において前記姿勢変更手段による姿勢変更がされた状態では前記第１シート受面が前記筐体の設置面に対して前記筐体側に傾くことを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。

　（請求項３）
　前記排出口の下方において、前記筐体の下端部から前記筐体の設置面と平行に突出する突出部を備え、
　前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、
　前記姿勢変更手段は、前記突出部から上方に向かって引き出されて前記第１排出トレイ部に当接することで前記排出トレイの姿勢を変更することを特徴とする請求項２に記載のシート搬送装置。

　（請求項４）
　前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、前記第１位置において前記第１排出トレイ部が前記排出口を覆うことを特徴とする請求項２に記載のシート搬送装置。

　（請求項５）
　前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、前記第１位置において、前記第１排出トレイ部の端部と前記筐体の下端部との間で前記排出口に連通するシート排出開口を形成することを特徴とする請求項２に記載のシート搬送装置。

　なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば複写機やプリンター等の他の画像形成装置、ファクシミリやスキャナー等の画像読取装置、或いはこれらの機能を適宜組み合わせて有する複合機タイプの画像形成装置であっても良く、これら画像形成装置や画像読取装置におけるシート搬送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。

　また、本実施形態で述べた排出トレイ２の構成は、給紙される原稿を載置する給紙トレイに適用しても良い。また原稿を搬送しないに装置における表示パネルを覆うカバーや、キーボードを兼ねるカバーであっても良い。また本実施形態では装置上面部と正面部は別々に分かれた面となっているが、これらは滑らかに繋いだ面もしくは同一の曲面であっても良い。

　また、本発明に係る排出トレイにマグネットや装置本体に係合可能な係合部を設けることで、カバーの一例としての排出トレイを装置本体に収納する際に浮いてしまうことをより低減できる。

　また本実施形態の装置において搬送路と表示画面が左側によっており、操作キーが右側に寄っている構成となっているが、これらの配置は自由に変更することができる。場合によっては操作キーを無くし、表示パネルが装置中央部にある構成としても良い。

　また、シート搬送装置の排出口からは、所定のシート排出速度で排出トレイ上に向けてシートが順次排出される。シート搬送装置の搬送性能を高め、シート排出速度を高速化、例えば、Ａ４サイズのシート換算で毎分３０枚以上の速度で排出しようとすると、排出トレイ内でシートが止まり難くなり、排出トレイ上でのシートの後端位置が排出口から離れて停止する場合がある。

　この場合、例えば、後続シートの先端が排出トレイ上の先行シートの後端に滑り込んでシートの排出順番が前後したり、先行シートを押し出したりすることがあり、その結果、シート整列性が乱れてしまう。

　また、上記シート整列性の乱れ現象は、シートの排出方向において排出口に対向する部分でシートの先端が着地する第１シート受面と、この第１シート受面に対して所定の傾きで形成された第２シート受面とを有する屈曲タイプの排出トレイを用いれば、ある程度軽減されるが、シート排出速度を高速化していくと有効に防止できない場合がある。

　そこで、本発明のように、上記屈曲タイプの排出トレイの姿勢を変更する構成としつつ、シート排出速度が毎分３０枚以上の速度で排出制御されるような場合には、排出トレイが有する第１シート受面を排出口側に傾くように排出トレイの姿勢を変更することで、シート整列性の乱れを未然に防ぐことができる。すなわち、Ａ４サイズのシートを毎分３０枚以上のシート排出速度でシート排出を行うことが可能なシート搬送装置において、特に本発明のような排出トレイの角度調整構造の適用が好適である。

　［その他の実施形態］
　本発明は、上述の実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路（例えば、ＡＳＩＣ）によっても実現可能である。

　本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。

　本願は、２０１５年１１月２０日提出の日本国特許出願である特願２０１５－２２８１４６、特願２０１５－２２８１４９および特願２０１５－２２８１５０、特願２０１５－２２８１５５、ならびに２０１６年９月９日提出の日本国特許出願である特願２０１６－１７７０８７を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。

Ａ　画像読取装置
Ｓ　搬送媒体
１　載置台
２　排出トレイ
２ａ　第１排出トレイ
２ｂ　第２排出トレイ
３、４　駆動部
５　伝達部
１０　第１搬送部
１１　送りローラ
１２　分離ローラ
２０　第２搬送部
２１　駆動ローラ
２２　従動ローラ
３０　第３搬送部
３１　駆動ローラ
３２　従動ローラ
４０　重送検出センサ
５０、６０　媒体検出センサ
７０　画像読取ユニット
７１　コンタクトイメージセンサ（ＣＩＳ）
７２　色基準板
８０　制御部
８４　通信部
９０　表示パネル
９１　下部パネル
９３　表示画面
１００、２５０１、２９０１　本体
１０１　第１ヒンジ
１０２　第２ヒンジ
１０２ａ　凸部
１０２ｂ　溝
１０３　上部ユニット
１０４　下部ユニット
１０５　本体ヒンジ
１１０　給送トレイ
１１１　規制部材
１２０　排出位置調整部材
１２１　透光部
１２２　操作キー
１３０、７３０、９３０、１０３０　突出部
１４０　バネ
１３１、４３１、５３１、６３１、７３１、８３１、９３１、１０３１　トレイ支持部
１３２　トレイ支持部収納穴
１３２ａ　当接部
１３３　トレイ支持部開閉監視センサ
１３４　溝
１３５　測距センサ
１５１、４５１、７５１、１０５１　凸部
１５２　把持部
１５３、４５２　凹部
４５３　退避部
５５４　スライド溝
１１００　排出トレイ
１１０１　排出トレイ内
１１０２　排出トレイ外
１１０３　回動支持部
１１０４　排出トレイ内付勢部材
１１０５　排出トレイ内ロック部材
１１０６　ロック付勢部材

Claims

搬送路が設けられた筐体と、
前記搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送路を搬送された前記シートを排出する排出口と、
前記排出口から排出されるシートを積載するための排出トレイと、
前記排出トレイの姿勢を変更する姿勢変更手段と、を備え、
前記排出トレイは、シートの排出方向において前記排出口に対向する部分でシートの先端が着地する第１シート受面と、前記第１シート受面に対して所定の傾きで形成された第２シート受面とを有し、
前記姿勢変更手段は、前記排出トレイが有する前記第１シート受面を前記排出口側に傾くように前記排出トレイの姿勢を変更することを特徴とするシート搬送装置。
前記排出口の下方において、前記筐体の下端部から前記筐体の設置面と平行に突出する突出部を備え、
前記姿勢変更手段は、前記突出部から引き出された位置と前記突出部に収納される位置との間で回動可能に取り付けられ、
前記姿勢変更手段が前記突出部から引き出された位置において、前記姿勢変更手段の位置決めを行う当接部を有することを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、
前記姿勢変更手段は、前記突出部から上方に向かって引き出されて前記第１排出トレイ部に当接することで前記排出トレイの姿勢を変更することを特徴とする請求項２に記載のシート搬送装置。
前記姿勢変更手段は、前記排出トレイにおける前記シート受け面と対向する外装面側から引き出された位置と前記排出トレイから引き出されていない位置との間で移動可能に設けられることを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
前記排出トレイは、前記筐体の前記排出口が開口する側の下端部に設けられた回転ヒンジ部で連結され、前記筐体側に倒れ込む第１位置と、排出されるシートを受ける第２位置との間で回動可能であり、
前記第２位置において前記姿勢変更手段による姿勢変更がされていない状態では前記筐体の設置面と前記第１シート受面とのなす角が、前記筐体の設置面と前記排出口から排出されるシートの排出方向とがなす角以下となるように配置されており、
前記第２位置において前記姿勢変更手段による姿勢変更がされた状態では前記第１シート受面が前記筐体の設置面に対して前記筐体側に傾くことを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、前記第１位置において前記第１排出トレイ部が前記排出口を覆うことを特徴とする請求項１または２に記載のシート搬送装置。
前記排出トレイは、前記第１シート受面を有する第１排出トレイ部と、前記第２排出トレイ部に回動可能に連結されて前記第２シート受面を有する第２排出トレイ部とで構成され、前記第１位置において、前記第１排出トレイ部の端部と前記筐体の下端部との間で前記排出口に連通するシート排出開口を形成することを特徴とする請求項１または２に記載のシート搬送装置。