WO2016010039A1 - Fe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置 - Google Patents

Fe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置 Download PDF

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Abstract

 本発明は、大型の結晶を、化学組成、結晶方位を精度よく、しかも、廉価に製造することができるFe-Ga基合金単結晶の育成方法及び単結晶を提供することを目的とする。 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボとし、前記外側ルツボの外側に配置した加熱源により加熱を行い、前記内側ルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に、前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させることを特徴とする。

Description

Fe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置
 本発明は、Fe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置に係る。
 Fe-Ga基合金は大きな磁歪を示すため、アクチュエータや振動発電等に用いる素材として注目されている。なお、Gaの一部を例えばAl、Snその他の元素で置き換えたものもFe-Ga基合金に含まれる。
 この合金の磁歪特性は化学組成や結晶方位に大きく依存するため、化学組成や結晶方位を厳密に制御する必要がある。
 これまである組成や方位の結晶は、主に、急冷凝固法(特許文献1)、ブリッジマン法や異常粒成長法(非特許文献1、2)により作製されてきた。
特開2007-214297号公報
Y.-H.Yoo et al.:J. Applied Physics, 103(2008),07B325, S.-M. et al. Scripta Mater.,66(2012),307.
 先行技術記載の従来の方法では、廉価な単結晶を大量に作製することは困難である。
 本発明は、大型の結晶を、化学組成、結晶方位を精度よく、しかも、廉価に製造することができるFe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置を提供することを目的とする。
 Fe-Ga基合金単結晶のCZ法における製造方法は高周波誘導加熱方法で育成、製造する事が可能である。しかし、この方法によると育成した単結晶の品質が必ずしも良くない。本発明者は育成した単結晶の品質の低下の原因を調べた。この方法では、育成の際に融液表面に何らかの浮遊物が見られる。その浮遊物が育成した単結晶の品質の低下の原因ではないかとの着想を得て浮遊物を調査したところ、浮遊物はGa酸化物、Ga-Al-O-C化合物等であることを解明した。
 本発明は、育成製造の際に融液面の浮遊物の発生を抑制する事により、製造の効率化及び品質の向上を狙いとしたFe-Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置を提供することを目的とする。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボとし、前記外側ルツボの外側に配置した加熱源により加熱を行い、前記内側ルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に、前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させることを特徴とする。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記外側ルツボはグラファイトルツボであり、前記内側ルツボはアルミナルツボであることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記内側ルツボの材質を非酸化系セラミックとすることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記被酸化系セラミックは、窒化ホウ素であることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記外側ルツボの底面と前記内側ルツボとの間にスペーサーを設けておくことが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記外側ルツボと前記内側ルツボとの間には粒状体を充填しておくことが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記外側ルツボの外径(φc)と前記加熱源の外径(φw)との比は0.4<φc/φw<06とすることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、装置内の酸素や単結晶用原料から発生する酸素除去を目的としてルツボ上部に酸素と結合しやすい金属製の円筒を設置することが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成方法は、前記金属はチタンであることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツ
ボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボと、前記外側ルツボの外側に配置した
加熱源とを有するルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に前記種結晶を引き上げて
単結晶を育成させることを特徴とする。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記外側ルツボはグラファイトルツボであり、前記内側ルツボはアルミナルツボであることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記内側ルツボの材質を非酸化系セラミックとすることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記被酸化系セラミックは、窒化ホウ素であることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記外側ルツボの底面と前記内側ルツボとの間にスペーサーを設けておくことが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記外側ルツボと前記内側ルツボとの間には粒状体を充填しておくことが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記外側ルツボの外径(φc)と前記加熱源の外径(φw)との比は0.4<φc/φw<06とすることが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、装置内の酸素や単結晶用原料から発生する酸素除去を目的としてルツボ上部に酸素と結合しやすい金属製の円筒を設置することが好ましい。
 本発明のFe-Ga基合金単結晶の育成装置は、前記金属はチタンであることが好ましい。
 本発明によれば次の効果が得られる。
 大型のFe-Ga基合金単結晶を、化学組成、結晶方位を精度よく、しかも、廉価に製造することができる。
 アルミナ製セラミックルツボの外側にカーボンルツボを使用することにより、高周波誘導加熱式チョクラルスキー法でFe-Ga単結晶の製造することが出来る。
 またカーボンルツボの加熱制御に合わせ高周波誘導加熱でFe-Ga原料自体も発熱することにより、低電力での育成が可能となる。
 ルツボの材質を非酸化物系セラミック製(例えば窒化ホウ素製)とすることにより単結晶育成の際にGa酸化物、Ga-Al-O-C化合物等の浮遊物発生を抑制することができ、単結晶育成が簡略化され、且つ浮遊物による結晶の多結晶化や空洞化を防ぐ事が容易となる。さらに、上部に酸化しやすい金属(例えばチタン)製の円筒を設置する事により、原料等から発生した酸素を装置内に設置したチタン製の円筒に結び付かせ、融液との反応を軽減し、装置内の酸素を減らし、Ga酸化物、Ga-Al-O-C化合物等の発生を防ぐ事が出来る。
本発明を実施するための第1の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第2の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第3の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第4の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第5の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第6の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 本発明を実施するための第7の形態に係る単結晶育成装置を示す概念図である。 比較例に係る単結晶育成装置を示す概念図である。
1 多孔質アルミナ製耐火材
2 カーボンルツボ(ルツボ)
3 アルミナ製セラミックルツボ(ルツボ)
4 加熱源(加熱コイル)
11 チャンバ
12 引上げ棒
13 保持部材
14 石英管
15 加熱室
16 カーボンフェルト
17 内側ルツボ
18 内側ルツボ
19 外側ルツボ
20 加熱手段(加熱コイル)
21 スペーサー
22 ガス供給部
23 ガス排気部
200 インゴット(単結晶)
210 種結晶
220 肩部
230 直胴部
240 尾部
300 原料融液
350 無機材料(タングステンカーバイド)の粉末
 以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[育成装置についての第1の形態]
 図1は、本発明を実施するための第1の形態に係る単結晶引き上げ装置を説明するための図である。
 ルツボを、外側ルツボ19と、外側ルツボ19内に配置された内側ルツボ18とからなる二重ルツボとし、ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
 内側ルツボ18の側面と外側ルツボ19の側面とは接触させて配置してもよいし、離間させて配置してもよい。離間させた方がより組成、結晶配向のばらつきの少ない単結晶が得られる。かかる観点からは、離間距離は1mm~10mmが好ましく、2mmから5mmがより好ましい。また、内側ルツボ18の底面と外側ルツボ19の底部内面との間には図2に示すようにスペーサー21を設けることが好ましい。
 前記ルツボは、アルミナ製の内側ルツボ18と、内側ルツボ18の外側に間隔を置いて又は置かないで配置されたグラファイト製の外側ルツボ19とからなる。
 本形態を詳細に説明する。
 チャンバ11内に設けられた断熱材で形成される加熱室15と、加熱室15の内部に設けられたルツボと、加熱室15の外周に配置された加熱コイル20とを備え、前記ルツボを加熱して得られた原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
 ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる。
 前記ルツボは、原料保持用である内側ルツボ18と、内側ルツボ18の外側に間隔を置いて又は置かないで配置された外側ルツボ19とからなる単結晶育成装置である。
 以下本形態をより詳細に説明する。
(内側ルツボ)
 内側の内側ルツボ18は高融点材料からなる。アルミナが好ましい。
 また、マグネシア、パイタリテックな窒化ホウ素(BN)でもよい。
(外側ルツボ)
 外側ルツボ19はグラファイトから構成される。グラファイトはIrに比べてはるかに安価である。また、高周波(RF)に対する発熱効率が極めて良好である。
 外側ルツボ19は、底部を有し(有底)、底部の周縁から上方に立ち上げる側壁を有している。
 グラファイトが発熱した場合に発生するカーボンガスあるいはカーボン粒子が融液に混入しないように、外側ルツボ19の上端(側壁の最上部)の高さは、内側ルツボ18の上端よりも高くなく設定される。図1に示す例では、両者の上端は面一状態となっている。
 外側ルツボ19の内部は、内側ルツボ18の外面全体と外側ルツボ19の内面全体が接触するように、外径、内径を適宜設定しておくことが好ましい。底部においても、外側ルツボ19の底部内面が、内側ルツボ18の底部外面と接触させ外側ルツボ19内に内側ルツボ18をスライドさせてはめ込み可能な形状としておくことが好ましい。
 外側ルツボ19の内面及び内側ルツボ18の外面は鏡面仕上げしておけば、内側ルツボ18を容易に外側ルツボ19内にスライドさせて収納させることができる。
 なお、図1では、内側ルツボ18と外側ルツボ19とを接触させて配置した例を示したが、Fe0.80Ga0.20よりFeが多くなるか、Gaの置換体により高 になる場合はカーボンとアルミナが反応するので、内側ルツボ18の側壁と外側ルツボ19の側壁とを離隔して配置した方がよい。
 なお、図1に示す形態では、外側ルツボ19の上端が内側ルツボ18の上端より高くないようにしてある。
[育成装置についての第2の形態]
 図2に他の形態を示す。
 この形態においては、アルミナからなる内側ルツボ18の外側底部と外側ルツボ19の内底部の間にはスペーサー21が設けられている。また、側壁同士を離隔させてある。
 本形態では、内側ルツボ18は、外側ルツボ19からの熱を側壁同士間の空間を介して放射熱によりが加熱される。そのため融液300中の温度勾配はより一層低減され、より一層歪の少ない単結晶が得られる。
 ヒータールツボが小さい時は(8インチ未満の時は)、比較的融液加熱側壁(ヒータールツボ)が均一に加熱され、融液の自然対流は保持される。ところがヒータールツボが大きくなると(8インチ以上になると)コイルに発生する高周波磁束の密度がヒータールツボの中心になるにつれて弱まり、ルツボ外壁の一部が特に加熱されるホットエリアができ、温度勾配がきつくなる。
 この現象を弱めるために直接的にヒータールツボによって融液を加熱するよりもクッション的に直接加熱されないルツボを内側に配置することで比較的、側面側からの加熱を弱め、融液の温度分布のばらつきをマイルドにして温度勾配が急峻にならないようになる。
 融液の温度勾配が緩くなると自然対流が安定して結晶の欠陥やひずみを抑制する効果が生ずる。
 また、二重構造にすると各々のルツボの高寿命化が達成される。
 なお、外側ルツボ19の底部内壁にはタングステンのスペーサー21が配置され、内側ルツボ18はこのスペーサー21上に載置される。すなわち、側壁においては離隔して輻射により熱を供与するが、直接電力供給を受けるわけではない底壁においては離隔せず熱伝導により熱を供与する。これにより、温度勾配をより少なくすることができる。
[育成装置についての第3の形態]
 図3に形態3に係る育成装置を示す。
 チャンバ11内に設けられた断熱材15で形成される加熱室と、加熱室の内部に配置されたルツボと、加熱室の外周に配置された加熱コイル20とを備え、前記ルツボを加熱して得られた原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
 前記ルツボは、有底の内側ルツボ18と、内側ルツボ18の外側に配置されたグラファイトからなる有底の外側ルツボ19とからなり、前記内側ルツボ18の外周と前記外側ルツボ19の内周とから形成される空間にタングステンカーバイドあるいはアルミナの粉末350が装入されている。
 内側ルツボ18は、アルミナ製であるが、タングステン若しくはタングステン合金又はモリブデン若しくはモリブデン合金からなる本体の内面が、アルミナ層で覆ってもよい。
 本形態に係る育成装置は例えば次の手順で作成する。
(1)外側ルツボであるグラファイトルツボ19を、加熱室内の台座上に設置した後にアルミナあるいはタングステンカーバイド、アルミナなどの無機材の粉末350をグラファイトルツボ19の内側の底面に好ましくは1~5mmの厚さで敷き詰める。
(2)内側ルツボ18を、タングステンカーバイドの粉末350上に設置する。その際、内側ルツボ18と外側ルツボ19の中心が一致させる。
(3)内側ルツボ18の外形はグラファイトルツボ(外側ルツボ)19の内径より、例えば、10mmぐらい小さいものにする。そのようにするとグラファイトルツボ19と内側ルツボ18の隙間は5mmになる。
(4)その隙間にタングステンカーバイドあるいはアルミナの粉末を注入する。
 本形態によれば、次の諸々の効果が達成される。
 タングステンカーバイドをコーティングするよりもはるかに安価で簡易的に結晶育成が行える。タングステンカーバイド、アルミナのコーティングは熱膨張率の差異により、使用回数が多くなった時、クラックや劣化が心配されるが、粉末の場合には熱膨張の差異を吸収することができる。
 また、充填密度を制御することにより、外側ルツボ19から内側ルツボ19への熱の伝達量や伝達速度を制御することができるため、温度勾配が生じない最適な伝達量、伝達速度の設定が容易に可能となる。
 なお、内側ルツボ18と外側ルツボ19との間は全てタングステンカーバイド粉末あるいはアルミナ粉末を充填してもよいが、内側ルツボ18の底部にブロック状のW又はWCのスペーサーを設けてもよい。このスペーサーの寸法を変化させることにより外側ルツボ18から内側ルツボ19への熱伝達を制御することができ、原料融液の温度分布のばらつきをより少なくすることが可能となる。
[育成装置についての第4、5の形態]
 図4に第4の形態に係る単結晶育成装置を示す。
 高周波誘導加熱用の加熱コイル4により、炉体内の二重ルツボ(外側ルツボであるカーボンルツボ2とその内部に載置された内側ルツボであるアルミナ製セラミックルツボ3からなるルツボ)に単結晶用原料を入れて加熱溶融し、原料融液から成長結晶を引き上げる溶融固化法でのFe-Ga単結晶を製造するためのFe-Ga単結晶製造装置である。単結晶原料をアルミナ製セラミックルツボ3に入れるようにしてある。高周波誘導加熱コイル4にてカーボンルツボ2を加熱して単結晶原料を溶融する。
 本形態においては、内部のルツボ3をアルミナ製セラミックルツボとした。
 FeとGaを規定mol%に秤量した単結晶用原料をアルミナ製セラミックルツボ3に入れて、アルミナ製セラミックルツボ3をカーボンルツボ2内に設置し、保温の為にアルミナ製の耐火材1を設置する。炉内雰囲気を不活性ガスにて置換し、Fe-Ga原料が溶融する温度まで徐々に出力を上げてカーボンルツボ2とFe-Ga原料を加熱する。その後、切り出した単結晶を種結晶として用い、回転させた種結晶を融液近くまで降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、種結晶を上昇させることで単結晶を製造する。
 なお、高周波誘導加熱式チョクラルスキー法での製造方法において、カーボンルツボ直径(φc)と加熱コイル直径(φw)の比を0.4<φc/φw<0.6とすることが好ましい。この範囲とした場合には、この範囲以外の場合に比べて電力消費量が著しく減少する。
 図5に第5の形態に係る装置を示す。
 本形態では、第4の形態に係る装置構造に加えて、アルミナ製耐火材1とルツボとの間に加熱室を形成する円筒を設けてある。より融液の温度分布がより均一となり均一性に優れた結晶を得ることができる。
[育成装置についての第6,7の形態]
 以下、第6の形態について説明する。
 Fe-Ga基合金単結晶を育成する際に融液表面に発生する浮遊物はGa酸化物、Ga-Al-O-C化合物等と考えられる。該浮遊物は炉内保温材、ルツボ材質、原料から発生する酸素との化合物と考えられる。
 本発明者等は、得られた知見から、
 育成時の炉内圧力を減圧状態で維持し、発生する酸素を取り除く、
 育成に使用していたルツボを原料、保温材、育成温度に対し影響の無い窒化ホウ素を材質とした物とする、
 原料等から発生した酸素を装置内に設置したチタン製の円筒に結び付かせ、融液との反応を軽減する、
 ことにより、装置内の酸素を減らし、Ga酸化物、Ga-Al-O-C化合物等の発生を防ぐ事が出来ると考え、実験の結果、これらの手段により、高品質の単結晶製造に優れた効果が得られることがわかった。
 本発明の技術を用いてFe-Ga基合金単結晶を育成するには、一般的なチョクラルスキー法による酸化物単結晶育成装置を使用出来る。
 装置には炉体内を減圧する減圧手段、減圧をモニターする圧力測定手段、炉体温度を測定する温度測定手段、炉体内に不活性ガスを供給する手段が設けられている。装置上方には単結晶の重量を測定する装置、回転しながら引き上げる装置が設けられている。
 結晶育成装置は、図6では窒化ホウ素で形成されたルツボと、該ルツボの外側にカーボンで形成されたルツボがあり、2種のルツボの周囲に配置したカーボン製の保温材と、カーボン製の加熱用ヒーターから構成される。
 ルツボ上部にはチタン製の円筒が保温材に取り付けてある。
 図7では窒化ホウ素で形成されたルツボと、該ルツボの外側にカーボンで形成されたルツボがあり、2種のルツボの周囲に配置したカーボン製の保温材で構成されている。保温材の外側に石英製の円柱があり、該円柱の外側に加熱装置として機能する高周波コイルから構成される。
 ルツボ上部にはチタン製の円筒が保温材に取り付けてある。
 結晶の製造は次の様に行う。最初に窒化ホウ素製のルツボに単結晶原料を入れ、カーボンヒーター若しくは加熱用高周波コイルを加熱し、原料を溶融して融液を得る。原料を十分溶融したところで単結晶を種結晶として加工した棒状の結晶を融液表面に接触させて結晶成長を開始させる。この際、炉体内に不活性ガスを供給する。
 単結晶の育成は、上記した炉内構成の条件とする以外は、一般的な酸化物単結晶の製造方法に従い、種結晶の回転数や引き上げ速度を調整して、結晶のネック部及び肩部を形成し、その後、直胴部を形成する。結晶を形成した後、融液から育成した結晶を切り離し、加熱元を徐々に降温させて結晶の冷却を行う。
[育成方法の形態]
<準備工程>
 準備工程では種結晶を用意して、引上げ棒12の保持部材13に取り付ける。続いて外側ルツボ19を配置する。外側ルツボ19の底にタングステン板あるいはアルミナ板からなるスペーサー21を置き、その上に内側ルツボ18を設けることで二重構造のルツボとする。
 さらに原料粉末を内側ルツボ18内に充填し、チャンバ11内にルツボを取り囲むように断熱容器としてカーボンフェルト材16とジルコニア耐火物15を組み立てる。さらにまた加熱コイル20と断熱容器15の間に石英管14を配置する。この準備作業が終了した後にガス供給部22からガス供給を行わないで、排気部23を用いてチャンバ内を減圧する。
 その後、ガス供給部22からアルゴンガスを供給し、チャンバ11の内部を不活性ガス雰囲気で常圧にする。ガスを供給するに際しては、ガスの流れが下方から上方に向かうように供給することが好ましい。これにより、不純物等が融液300中に混入することを低減させることができる。
<溶融工程>
 溶融工程では、ガス供給部22からアルゴンガスをチャンバ11に供給する。コイル電源が加熱コイル20に高周波電を供給し、加熱コイル20で磁束が発生し、発熱体であるグラファイトルツボ19には渦電流が発生する。
 グラファイトルツボ19の融点は3000℃であるので、グラファイトルツボ19を2500℃以上に加熱することも可能であり、2500℃以上に加熱した方が作業効率は上昇する。しかし、グラファイトルツボ19の加熱は2500℃以下とすることが好ましく、2300℃以下とすることがより好ましい。このように、グラファイトルツボ19の加熱温度を制限することによりルツボの寿命がはるかに長くなる。
<種付け工程>
 種付け工程では、ガス供給部22が、アルゴンガスをチャンバ23内に供給する。
 引上げ駆動部は、保持部材13に取り付けられた種結晶200の下端が、内側ルツボ18内のFe-Ga原料融液300と接触する位置まで引上げ棒12を下降させて停止させる。その状態で、コイル電源は、重量検出部からの重量信号をもとに加熱コイル20に供給する高周波電流の電流値を調節する。
<肩部形成工程>
 肩部形成工程では、コイル電源が加熱コイル20に供給する高周波電流を調節したのち、原料融液300の温度が安定するまでしばらくの間保持し、その後、引上げ棒12を第一の回転速度で回転させながら第一の引上げ速度にて引き上げる。すると、種結晶210は、その下端部が原料融液300に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになり、種結晶210の下端には、鉛円直下方に向かって拡開する肩部220が形成されていく。
 肩部220の直径が所望とする基板の直径よりも数mm(1~5mm)ほど大きくなった時点で肩部形成工程を完了する。
<直胴部形成工程>
 直胴部形成工程では、ガス供給部22がアルゴンガスをチャンバ11内に供給する。コイル電源は、引き続き加熱コイル20に高周波電流の供給を行い、内側ルツボ18を介して原料融液300を加熱する。引き上げ駆動部は、引き上げ棒12を第2の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第2の引き上げ速度は、肩部形成工程における原料保持用引き上げ速度と異なる速度である。さらに、回転駆動部は、引き上げ棒12を第2の回転速度で回転させる。
 ここで、第2の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度と異なる速度である。
 種結晶210と一体化した肩部220は、その下端部が原料融液300に浸った状態で回転されつつ引き上げられることになるため、肩部220の下端部には、円柱状の直胴部230が形成されていく。直胴部230の直径は、所望とする基板の直径より数mmほど大きなっていればよい。
<尾部形成工程>
 融液300を加熱する。さらに、引き上げ駆動部は、引き上げ棒12を第3の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第3の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度あるいは直胴部形成工程における第2の引き上げ速度と異なる速度である。
 尾部形成工程では、ガス供給部22がアルゴンガスをチャンバ11内に供給する。
 また、コイル電源は、引き続き加熱コイル20に高周波電流の供給を行い、内側ルツボ18を介したFe-Ga融液300を加熱する。さらに、引き上げ駆動部は、引き上げ棒12を第3の引き上げ速度にて引き上げる。ここで第3の引き上げ速度は、肩部形成工程における第1の引き上げ速度あるいは直胴部形成工程における第2の引き上げ速度と異なる速度である。
 さらにまた、回転駆動部は、引き上げ棒12を第3の回転速度で回転させる。ここで、第3の回転速度は、肩部形成工程における第1の回転速度あるいは直胴部形成工程における
 第2の回転速度とは異なる速度である。なお、尾部形成工程の序盤において、尾部240下端は、融液300と接触した状態を維持する。
 そして、所定の時間が経過した尾部形成工程の終盤において、引き上げ駆動部は、引き上げ棒12の引き上げ速度を増速させて引き上げ棒12をさらに上方に引き上げさせることにより、尾部240の下端を融液300から引き離す。これにより、図2に示すFe-Gaインゴット200が得られる。
<冷却工程>
 冷却工程では、ガス供給部22がアルゴンガスをチャンバ11内に供給する。また、コイル電源は、加熱コイル20へ高周波電流の供給を停止し、ルツボ17を介した融液300の加熱を中止する。さらに、引き上げ駆動部は引き上げ棒12の引き上げを停止させ、回転駆動部は引き上げ棒12の回転を停止させる。このとき、ルツボ17内には、インゴット200を形成しなかったFe-Gaが融液300として少量残存している。このため、加熱の停止に伴って、原料保持ルツボ18中の原料融液300は徐々に冷却され、原料の融点を下回った後にルツボ18中で固化し、Fe-Gaの固体となる。そして、チャンバ11内が十分に冷却された状態で、チャンバ11内からFe-Gaインゴット200が取り出される。
 以上説明したように、本実施の形態では、加熱コイル20により内側ルツボ18の壁部を直接加熱することなく、内側ルツボ18を間接的に加熱している。このため、加熱コイル20により内側ルツボ18の壁部を直接加熱した場合に比べ、ルツボ17内の融液の温度勾配を緩和することができる。よって、急激な温度勾配によって成長させた単結晶に発生する歪みを抑制することができる。
 ルツボ419は、一般には、上部から見た開口部が円形状であり、円柱状の胴部を持ち、底面の形状が平面状又は碗状又は逆円錐状のものが用いられる。また、ルツボの材質としては、原料溶融液であるFe-Gaの融点に耐え、またFe-Gaとの反応性が低いものが適しており、イリジウム、モリブデン、タングステン、レニウムまたはこれらの混合物が一般的に用いられる。
 ルツボ419は、耐火物で形成された円筒状の支持台により支持されている。
 上述した単結晶引上げ装置を用いた単結晶の引上げは、ルツボ419に原料を入れ、加熱コイル20に高周波電流を流すことによりルツボ419を加熱してFe-Ga原料を溶融させ、耐火物15(保温体)15で保温し、引上げ棒12ないしルツボ419を回転させながら、融液20に引上げ棒12の下端の種結晶210を浸し、引上げ棒12を引上げることにより行う。
(実施例1)
 高周波誘導加熱型チョクラルスキー炉を用いてFe―Ga―Sn合金を育成した。
 内径φ50mmのグラファイトルツボの内側に外径φ45mmの緻密質アルミナ製ルツボを配置し、出発原料として99.95%の鉄及び4N(99.99%)ガリウム及び錫を規定at%に配合した原料400g投入した。
 原料を投入したルツボを前記育成炉に投入し、炉内を真空にした後にアルゴンガスを導入し、炉内が大気圧となった時点で、装置の加熱を開始し、融液に達するまで、12時間かけて加熱した。<001>方位に切り出した鉄ガリウム単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで下降させた。
 この種結晶を5ppmで回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、引上速度1.0mm/Hrの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径10mm、直胴部の長さ80mmの単結晶合金が得られた。
この単結晶合金をウェハ状に切断・研磨し、方位を観察した所、上部は引き上げ方向である方向に(100)面 、z方向と垂直方向となるxおよびy方向には(110)面を有しており、引き上げに用いた種結晶の方位と同じ方位にFe-Ga―Sn合金は成長していた。
 同様に、中部および下部においても、上部と同様の結晶方位が維持された状態で結晶は成長していた。
 上部および下部のGa濃度はほぼ16.0at%近傍であり、Sn濃度はほぼ2.0at%近傍であった。そのGa及びSnの濃度差は1.0at%程度しかなかった。
 Fe-Ga合金の磁歪は結晶方位および組成に敏感あり、Ga濃度が16.0at%近傍及びSn濃度が2.0at%近傍において磁化容易軸である100方向に最も大きな磁歪が生じる。本単結晶合金は、この条件に合致した高品位の単結晶であることを示している。
(比較例)
 図8は単体ルツボを用いた結晶育成装置である。
 この装置を用いて、前記実施例と同様の育成を行った。
 本例では、実施例に比べてGa濃度のばらつきが大きく、また、結晶配向性は実施例より悪かった。
(実施例2)
 図4に示す装置を用いて単結晶の育成を行った。
 高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFeGa単結晶を育成した。
 内径Φ70mmのアルミナ製セラミックルツボに出発原料としてFeを80%、Gaを20%の割合に配合した原料700g投入した。
 原料を投入したルツボを前記育成炉に投入し、炉内をアルゴンガスにて置換し、1.0L/minの流量でフローを行った。炉内が大気圧となった時点でルツボの加熱を開始し、FeGaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(100)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長1.8mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径27mm、直胴部の長さ100mmの単結晶が得られた。この単結晶は、実施例1と同様に良好な特性を有していた。多結晶は存在せず、空洞もない良好な結晶であった。
(実施例3)
 実施例2と同様に図4に示す装置を用いて単結晶の育成を行った。
 高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFe-Ga単結晶を育成した。
 内径Φ40mmのアルミナ製セラミックルツボに出発原料としてFeを80%、Gaを20%の割合に配合した原料200g投入した。
 原料を投入したルツボを前記育成炉に投入し、炉内をアルゴンガスにて置換し、0.5L/minの流量でフローを行った。炉内が大気圧となった時点でルツボの加熱を開始し、Fe-Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(110)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分12.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長1.8mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径25mm、直胴部の長さ50mmの単結晶が得られた。この単結晶は、実施例1と同様に良好な特性を有していた。多結晶は存在せず、空洞もない良好な結晶であった。
(実施例4)
 図5に示す装置を用いて単結晶の育成を行った。
 高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFeGa単結晶を育成した。
 内径Φ100mmのアルミナ製セラミックルツボに出発原料としてFeを82%、Gaを18%の割合に配合した原料1.0kg投入した。
原料を投入したルツボを前記育成炉に投入し、炉内をアルゴンガスにて置換し、10.0L/minの流量でフローを行った。炉内が大気圧となった時点でルツボの加熱を開始し、FeGaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(100)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径40mm、直胴部の長さ150mmの単結晶が得られた。この単結晶は、実施例1と同様に良好な特性を有していた。多結晶は存在せず、空洞もない良好な結晶であった。
 本実施例では、カーボンルツボ2の外径(φc)と前記加熱源である加熱コイル4の外径(φw)との比を0.1-0.8の範囲で0.1ごとに変化させ消費電力を調べた。
 1-0.8の範囲ではそれ以外の範囲に比べて消費電力は極めて少なかった。
(実施例5)
 図6に示す抵抗加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFe-Ga単結晶を育成した。
 内径Φ70mmの窒化ホウ素製のルツボに出発原料としてFeを80%、Gaを20%の割合に配合した原料700g投入した。原料を投入した窒化ホウ素製のルツボを前記育成炉に投入し、炉内の圧力を減圧雰囲気とし、アルゴンガスを1.0L/minの流量でフローを行った。
 その後、ルツボの加熱を開始し、Fe-Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(100)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径25mm、直胴部の長さ100mmの単結晶が得られた。酸化物による品質の劣化はほとんどなかった。
(実施例6)
 図6に示す高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFe-Ga単結晶を育成した。
 内径Φ40mmの窒化ホウ素製のルツボに出発原料としてFeを80%、Gaを20%の割合に配合した原料200g投入した。原料を投入した窒化ホウ素製のルツボを前記育成炉に投入し、石英製の円筒内の圧力を減圧雰囲気とし、アルゴンガスを0.5L/minの流量でフローを行った。
 その後、ルツボの加熱を開始し、Fe-Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(110)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分12.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径25mm、直胴部の長さ50mmの単結晶が得られた。酸化物による品質の劣化はほとんどなかった。
(実施例7)
 図7に示す高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFe-Ga単結晶を育成した。
 内径Φ100mmの窒化ホウ素製のルツボに出発原料としてFeを82%、Gaを18%の割合に配合した原料1.0kg投入した。原料を投入した窒化ホウ素製のルツボを前記育成炉に投入し、石英製の円筒内の圧力を減圧雰囲気とし、アルゴンガスを1.0L/minの流量でフローを行った。
 その後、ルツボの加熱を開始し、Fe-Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(110)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
 その結果、直径40mm、直胴部の長さ150mmの単結晶が得られた。酸化物による品質の劣化はほとんどなかった。

Claims (18)

  1. ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボとし、前記外側ルツボの外側に配置した加熱源により加熱を行い、前記内側ルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に、前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させるFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  2. 前記外側ルツボはグラファイトルツボであり、前記内側ルツボはアルミナルツボである請求項1記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  3. 前記内側ルツボの材質を非酸化系セラミックとする請求項1記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  4. 前記被酸化系セラミックは、窒化ホウ素である請求項3記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  5. 前記外側ルツボの底面と前記内側ルツボとの間にスペーサーを設けておく請求項1又はないし4のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  6. 前記外側ルツボと前記内側ルツボとの間には粒状体を充填しておく請求項1ないし5のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  7. 前記外側ルツボの外径(φc)と前記加熱源の外径(φw)との比は0.4<φc/φw<06とする請求項1ないし6のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  8. 装置内の酸素や単結晶用原料から発生する酸素除去を目的としてルツボ上部に酸素と結合しやすい金属製の円筒を設置する請求項1ないし7のいずれか1項記載の単結晶の育成方法。
  9. 前記金属はチタンである請求項8記載のFe-Ga基合金単結晶の育成方法。
  10. ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボと、前記外側ルツボの外側に配置した加熱源とを有するルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させるFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  11. 前記外側ルツボはグラファイトルツボであり、前記内側ルツボはアルミナルツボである請求項10記載の方法Fe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  12. 前記内側ルツボの材質を非酸化系セラミックとする請求項10記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  13. 前記被酸化系セラミックは、窒化ホウ素である請求項12記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  14. 前記外側ルツボの底面と前記内側ルツボとの間にスペーサーを設けておく請求項10ないし13のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  15. 前記外側ルツボと前記内側ルツボとの間には粒状体を充填しておく請求項10ないし14のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  16. 前記外側ルツボの外径(φc)と前記加熱源の外径(φw)との比は0.4<φc/φw<06とする請求項9ないし15のいずれか1項記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
  17. 装置内の酸素や単結晶用原料から発生する酸素除去を目的としてルツボ上部に酸素と結合しやすい金属製の円筒を設置する請求項9ないし16のいずれか1項記載の単結晶の育成装置。
  18. 前記金属はチタンである請求項17記載のFe-Ga基合金単結晶の育成装置。
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