JP7285424B2 - 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法 - Google Patents

振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ、橋梁、人の動きなどの振動源からの振動によって発電する振動発電デバイスに係り、特に、磁歪材料からなる磁歪部品を用いた振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法に関する。
従来における振動発電技術としては、圧電素子を利用した技術(圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより、圧電素子を変形させて発電する技術)や、磁歪素子を利用した技術(磁歪素子に磁石やコイルを用いた逆磁歪効果を利用した発電技術)が既に知られている。
この種の振動発電デバイスとしては例えば特許文献1,2に記載のものがある。
特許文献1には、音による空気の圧力変動を利用して圧電素子により発電する音力発電装置、および、振動による圧力変動を利用して圧電素子により発電する振動力発電装置が記載されている。これは人の声の振動を圧電セラミックを変形させて電力を得る方式であるが、スピーカから音を出すμWレベルの電力は得られるものの、IOT通信に必要なmWレベルの電力は得られない。
また、特許文献2には、磁歪素子を利用した振動発電装置として、磁歪材料を固定した磁歪棒を片持ち梁構造とし、当該磁歪棒に曲げ応力を印加することにより磁歪材料を曲げ変形させ、逆磁歪効果によって、磁歪材料に巻かれているコイルを貫く磁束が変化することで当該コイルに誘導電圧を発生させるものが開示されている。
特開2006-166694号公報(発明を実施するための最良の形態,図10) 特許第4905820号公報(発明を実施するための形態,図4A)
特許文献1に記載された圧電素子を利用した振動力発電装置は、圧電素子を構成する圧電材料が脆性材料であり、曲げや衝撃に対して弱い材料である。そのため、過度な負荷を加えることはできず、発電量を増加するために大きな曲げや衝撃を加えることが困難になるという問題点がある。また、圧電素子は低周波数でインピーダンスが高く、圧電素子より低いインピーダンスを有する負荷を接続した際に、負荷に発生する電圧が小さくなるため、発電により得られる電力が小さくなり、発電の効率が低いという問題点もある。
一方、特許文献2に記載されている磁歪材料を用いた発電素子は、磁歪材料は延性材料であり、圧電材料に比べて曲げや衝撃に強いため、大きな曲げや衝撃を加えることで発電量を増加することが可能である。また、発電素子のインピーダンスが圧電材料よりも低いことから、インピーダンスの低い負荷の接続による発電効率の低下が少なく、前述した圧電材料の問題点を解決することができる。
しかしながら、特許文献2に記載された振動発電装置は、磁歪棒に対してバイアス磁界を加えるための磁石を備え、振動しながら磁歪棒のバネ変形を発生させて発電するために振動源から大きな加振力を必要とし、その分、振動エネルギの吸収が悪くなってしまう懸念がある。また、磁歪棒を支持するフレーム(連結ヨーク)には鉄系などのフレームを用いているため、錆、金属疲労が生じ易く、またフレームと磁歪棒との接合に接着剤やハンダを用いているため長期信頼性に課題があった。
更に、磁歪材料からなる磁歪棒を作製するには、磁歪材料からなる結晶はインゴット状になっていていることから、これを板状に加工して磁歪棒にする必要がある。このとき、インゴット状の結晶に対してスライス、放電加工、ワィヤソーなどで加工する手法が考えられるが、この種の加工法を採用したとすると、加工切しろが発生し、インゴット状の結晶の多くが廃棄され無駄になる虞れがある。また、結晶が脆く割れやすいため、加工費が非常に高価になる懸念もある。この加工費を含めた結晶代が高いためにこの種の加工法は一般的に採用しづらい状況になっている。
このような状況を踏まえ、磁歪材料からなる磁歪部品を製造するに当たって、品質の良い磁歪部品を製造する上で有効な製造方法が強く要望されている。
本発明が解決しようとする技術的課題は、磁歪材料の配向性及び分散の均一性に優れた磁歪部品を含む振動発電デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の技術的特徴は、振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品と、前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスを製造するに際し、前記磁歪部品は、磁歪材料からなる単結晶又は多結晶を育成する育成工程と、前記育成工程にて育成された単結晶又は多結晶から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲットを作製するターゲット作製工程と、前記ターゲット作製工程にて作製されたスパッタ用ターゲットを用いてスパッタリングを実施し、基材の表面にスパッタ膜を成膜する成膜工程と、を経て作製され、しかる後、前記磁歪部品が前記被振動体に設置されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記育成工程は、チョクラルスキー法、垂直ブリッジマン法又はフローティングゾーン法のいずれかを用いたことを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第3の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記磁歪材料は、Fe-Ga、Fe-Co、Fe-Dy-Tbのいずれかであることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第4の技術的特徴は、第1乃至第3のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記スパッタ膜は5ないし100μmの厚さに成膜されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第5の技術的特徴は、第1乃至第4のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記成膜工程は、前記スパッタ膜を成膜する前に、当該スパッタ膜の下地として、前記スパッタ膜の磁歪定数が大きくなる配向特性を持つ補助膜を成膜することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第6の技術的特徴は、第5の技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記スパッタ膜の配向は方向指数が〔001〕であり、前記補助膜の配向は方向指数が〔100〕であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第7の技術的特徴は、第1乃至第6のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記磁歪部品の基材は、金属又は樹脂製の弾性を有する板材にて構成されていることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第8の技術的特徴は、第1乃至第7のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記育成工程又は前記成膜工程の少なくともいずれかには予め決められた温度及び時間条件で熱処理するアニール処理を含むことを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第9の技術的特徴は、振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品と、前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスに用いられる前記磁歪部品を製造するに際し、前記被振動体に設置される前に作製されるものであって、磁歪材料からなる単結晶又は多結晶を育成する育成工程と、前記育成工程にて育成された単結晶又は多結晶から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲットを作製するターゲット作製工程と、前記ターゲット作製工程にて作製されたスパッタ用ターゲットを用いてスパッタリングを実施し、基材の表面にスパッタ膜を成膜する成膜工程と、を経て作製されることを特徴とする磁歪部品の製造方法である。
本発明の第1の技術的特徴によれば、磁歪材料の配向性及び分散の均一性に優れた磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、磁歪材料が略均一に分散する単結晶又は多結晶を容易に育成することが可能な磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、磁歪定数の高い磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、スパッタ膜の厚さが最適化された発電効率の良い磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、補助膜を有しない場合に比べて、スパッタ膜の磁歪定数を高めた磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、方向指数が〔001〕であるスパッタ膜の磁歪定数を高めた磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、被振動体からの振動を磁歪部品に伝搬し易くする振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、アニール処理を含まない場合に比べて、磁歪材料の結晶性を向上させた磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、磁歪材料の配向性及び分散の均一性に優れた磁歪部品を提供することができる。
(a)は本発明が適用された振動発電デバイスの実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す振動発電デバイスで用いられる磁歪部品の構造例を示す説明図、(c)は本実施の形態で用いられる磁歪部品の製造方法を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は(a)で用いられる磁歪部品の構成例及び支持フレームへの取付例を示す説明図である。 (a)~(c)は実施の形態1で用いられる磁歪部品の製造方法を示し、(a)は単結晶のインゴットを育成する育成工程、(b)はスパッタ用ターゲットの作成工程、(c)は磁歪部品のスパッタ膜を成膜する成膜工程を夫々模式的に示す説明図である。 実施の形態2に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図である。 実施の形態3に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は支持フレームへの磁歪部品の取付例を示す説明図である。 (a)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの変形の形態4-1の要部を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された振動発電デバイスの構成例を示す。
同図において、振動発電デバイス1は、振動源3からの振動を受けて伝搬する被振動体2と、被振動体2の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段4と、被振動体2のうち磁場作用手段4による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品5と、磁歪部品5の周囲に巻かれ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6と、を備えたものである。
この種の振動発電デバイス1を製造するに際し、磁歪部品5は、図1(b)(c)に示すように、磁歪材料からなる単結晶又は多結晶12を育成する育成工程11と、育成工程11にて育成された単結晶又は多結晶12から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲット14を作製するターゲット作製工程13と、ターゲット作製工程13にて作製されたスパッタ用ターゲット14を用いてスパッタリングを実施し、基材5aの表面にスパッタ膜5cを成膜する成膜工程15と、を経て作製され、しかる後、磁歪部品が被振動体に設置されるものである。尚、図1(c)において、符号16はスパッタリングを実施するスパッタ装置である。
このような技術的手段において、被振動体2としては振動を受けて伝搬するものであれば特に材質は問わない。また、磁場作用手段4としては、代表的には永久磁石が挙げられるが、被振動体2に対して磁場を作用させるものを広く含む。更に、磁歪部品5の基本的な構造としては、基材5aの表面に所定のスパッタ膜5cを有する態様であればよい。尚、被振動体2の共振周波数を調整するために錘やバネ材による付勢力を付加するようにすることが好ましい。
また、磁歪部品5の製造工程としては、育成工程11、ターゲット作製工程13及び成膜工程15が必要になる。このとき、スパッタ用ターゲット14としてはスパッタリング可能なものを広く含むが、単結晶又は多結晶12のインゴットから円形状結晶材に加工し、この裏に支持プレート(図示せず)を付す態様無駄を少なくする点で好ましい。
次に、本実施の形態に係る振動発電デバイスの製造方法の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、育成工程11の代表的態様としては、チョクラルスキー法(CZ法:Czochralski method,結晶引上げ法)、垂直ブリッジマン法(VB法:Vertical Bridgman method)又はフローティングゾーン法(Floating zone method,浮遊帯法)のいずれかを用いることが挙げられる。
また、磁歪材料の好ましい態様としては、Fe-Ga、Fe-Co、Fe-Dy-Tbのいずれかであることが挙げられる。本例は、高い磁歪定数を持つ磁歪材料を例示した物である。
更に、スパッタ膜5cの好ましい厚さとしては、5ないし100μmの厚さに成膜されることが挙げられる。本例では、スパッタ膜5cの厚さが5μm未満では磁歪定数が小さく発電電圧が発生し難いし、また、100μmを超えると、発電電圧は飽和することによる。
更にまた、スパッタ膜5cの好ましい態様としては、成膜工程は、スパッタ膜5cを成膜する前に、当該スパッタ膜5cの下地として、スパッタ膜5cの磁歪定数が大きくなる配向特性を持つ補助膜5bを成膜する態様か挙げられる。本例は、基材5a上に補助膜5b、スパッタ膜5cの順に成膜する態様である。
ここで、補助膜5bとしては方向指数が〔100〕に配向されたものが好ましいが、この方位が多い多結晶のものでもよい。
特に、スパッタ膜5cの好ましい態様の具体例としては、スパッタ膜5cの配向は方向指数が〔001〕であり、補助膜5bの配向は方向指数が〔100〕である態様が挙げられる。本例は、スパッタ膜の方向指数が〔001〕、補助膜の方向指数が〔100〕であると、配向性の高い補助膜5bに影響を受けてスパッタ膜5cの配向性が向上することを示す。また、補助膜の好ましい態様としては、〔100〕配向を持つSiやMgO膜を成膜することが挙げられる。
また、磁歪部品5の基材5aの代表的態様としては、金属又は樹脂製の弾性を有する板材にて構成されている態様が挙げられる。本例は、被振動体2に磁歪部品5を設ける際に、被振動体2の振動が磁歪部品5に伝搬し易くする態様である。
更に、磁歪部品5の製造工程のうち、育成工程11又は成膜工程15の好ましい態様としては、少なくともいずれかには予め決められた温度及び時間条件で熱処理するアニール処理を含むことが挙げられる。本例は、育成工程11または成膜工程15で熱処理(アニール処理)を含み、これにより結晶性を向上(結晶内の歪みを取り応力を緩和することで配向性が向上)させる態様である。
また、本実施の形態では、振動発電デバイス1の製造方法として説明されているが、振動発電デバイス1に用いられる磁歪部品5の製造方法としても捉えることが可能である。
具体的には、振動発電デバイス1に用いられる磁歪部品5を製造するに際し、被振動体2に設置される前に作製されるものであって、磁歪材料からなる単結晶又は多結晶12を育成する育成工程11と、育成工程11にて育成された単結晶又は多結晶12から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲット14を作製するターゲット作製工程13と、ターゲット作製工程13にて作製されたスパッタ用ターゲット14を用いてスパッタリングを実施し、基材5aの表面にスパッタ膜5cを成膜する成膜工程15と、を経て作製されるようになっていればよい。
本例は、磁歪部品5単体の取引性を考慮し、振動発電デバイスに組み込まれる前段階、つまり、磁歪部品5の製造段階、製造された磁歪部品にも権利の効力を及ぼす上で有効である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る振動発電デバイスの全体構成を示す説明図である。
-振動発電デバイスの全体構成-
同図において、振動発電デバイス1は、振動源3からの振動を受けて伝搬する被振動体としての支持フレーム20と、支持フレーム20の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段としての磁石30と、支持フレーム20のうち磁石30による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品5と、磁歪部品5の周囲に巻かれ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6と、を備えたものである。
<支持フレーム>
本例において、支持フレーム20は、断面略U字状のSUS等の磁性材からなる弾性板材21からなり、弾性板材21のうち一方の腕部22を固定部20Aとして図示外の設置箇所に固定すると共に、一方の腕部22から湾曲部24を介して延びる他方の腕部23を振動可能な可動部20Bとして機能させるようにしたものである。そして、本例では、可動部20Bである他方の腕部23は固定部である一方の腕部22に比べて湾曲部24とは反対側に延長部25を有しており、この延長部25の先端に振動源3からの振動が付与される位置関係になっている。
<磁石>
また、本例では、支持フレーム20の一方の腕部22上には磁石30が設置されており、当該磁石30は上下に磁極N,Sを有する永久磁石(例えばネオジム磁石)からなり、支持フレーム20の他方の腕部23のうち磁石30の略直上に位置する部分から湾曲部24を介して一方の腕部22には、磁石30による磁場Gの作用領域が形成されるようになっている。
<磁歪部品>
更に、本例では、後述する製造方法にて製造された細長い矩形板状の磁歪部品5が支持フレーム20の他方の腕部23のうち磁石30による磁場G作用領域に設置されている。特に、本例では、図2(a)(b)に示すように、他方の腕部23には磁歪部品5が収容可能な凹部40が形成されており、この凹部40には磁歪部品5の長手方向両端部を支持する段差部41が形成され、この段差部41上に磁歪部品5が固定的に設置されるようになっている。
<コイル>
また、本例では、コイル6は磁歪部品5の周囲に均等に巻かれており、磁歪部品5に巻かれたコイル6の一部が凹部40内に磁歪部品5と共に収容され、コイル6の一部は凹部40外に配置されるようになっている。
<錘>
更に、本例では、支持フレーム20の他方の腕部23の延長部25には共振周波数調整用の錘50が設置されている。錘は例えば磁石を使用するようにすれば自身の磁力で固定されるし、別途ねじ等の止め具にて固定するようにすればよい。更に、この錘50のウエイトは適宜調整可能で、また、錘50の設置位置も必要に応じて可変設定するようにしてもよい。
<発電取り出し構造>
また、本例では、支持フレーム20の他方の腕部23のうちコイル6の近傍には電極60が設けられ、コイル6の両端からの配線61が電極60を介し外部に引き出され、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6からの交流誘導電圧が整流後に予め決められたレベルに昇圧される整流昇圧回路62に接続され、整流昇圧回路62から所定レベルの発電出力Eが得られるようになっている。
-磁歪部品の製造方法-
本例において、磁歪部品5は以下の製造方法によって製造される。
<育成工程
本例では、所謂チョコラルスキー法を用いて磁歪材料からなる単結晶Zを育成する。
具体的には、図3(a)に示すように、例えばFe-Ga、Fe-Co、Fe-Dy-Tbのいずれかである磁歪材料からなる原料Mをルツボ70に投入した後に、高周波コイル71にてルツボ70を高周波誘導加熱してルツボ70内の原料を熔解状態に保ち、その後、ルツボ70の上方側に設置された昇降可能な引上げ軸72の先端に種結晶(図示せず)を取付け、引き上げ軸72を効果させてルツボ70内の熔解した原料に種結晶を接触させ、ルツボ70内の原料温度を調整しつつ、種結晶を回転させながら引上げ軸72を徐々に上昇させる操作を行うことでインゴット状の単結晶Zを育成するようにすればよい。
ここで、磁歪材料としては、いずれも磁歪定数が大きく、微弱な振動でも発電する点で好ましいが、Fe-Dy-Tbは磁歪定数は一番高いものの、非常に堅く加工が難しいのに対し、Fe-Ga、Fe-CoはFe70~80%含んでおり、硬度がFeに近いため加工性はFe-Dy-Tbに比べて容易である。
尚、本例では、チョコラルスキー法を用いて単結晶Zを育成するようにしているが、垂直ブリッジマン法やフローティングゾーン法を採用してもよいことは勿論である。また、単結晶Zの方が磁歪定数は大きいが、多結晶を育成するようにしてもよい。
<ターゲット作製工程>
次いで、図3(b)に示すように、インゴット状の単結晶Zからスパッタ用ターゲット14を作製する。
本例では、インゴット状の単結晶Zの円柱部分Zaから円板状のターゲット材81を切り出し加工し、当該ターゲット材81の裏面に背面プレート82を付けてスパッタリングが可能なスパッタ用ターゲット14として製作する。
このため、従前の方式(インゴット状の単結晶から短冊状の磁歪結晶を切り出す方式)では、切り出し時に切りくずが発生したり、インゴット状の単結晶の円柱部分の多くが無駄になったり、更には、磁歪結晶は脆いために機械加工が難しく放電加工が用いられ、その分、磁歪結晶の加工費が嵩む原因になっていたが、これらの不具合を改善することが可能である。
<成膜工程>
次いで、図3(c)に示すように、スパッタ装置16にスパッタ用ターゲット14を設置した後、磁歪部品5の基材5aとなる基材プレートに対してスパッタリングを実施し、基材5aの表面に所定厚のスパッタ膜5cを成膜する。
ここで、基材5aとしては、金属又は樹脂製の弾性を有する板材が用いられる。
本例において、スパッタ装置16としては、マグネトロンスパッタ装置やイオンピームスパッタ装置など適宜選定して差し支えなく、磁歪材料がFe-Ga又はFe-Coであるのであれば、スパッタ用ターゲット14はFeが70~80%含むために導電性があり、電源としてはDC電源あるいはRF電源のいずれを持つものでも差し支えない。また、スパッタ膜5cの成膜時にはアルゴンガス雰囲気で行うようにすればよい。
また、本例では、スパッタ膜5cの厚さt1は5μm以上100μm以下になるように選定されていればよい。仮に、5μm未満では磁歪定数が小さく発電電圧が発生しない懸念があり、また、厚くなるに従って発生電圧は上昇する傾向にあるが、100μmを超えると飽和する傾向が見られる。
更に、本例では、図2(b)に示すように、スパッタ膜5cの下地として、磁歪材料とは異なる補助膜5bが例えばスパッタ装置によるスパッタリングを実施することで成膜されている。
ここで、スパッタ膜5cの配向は方向指数〔001〕であり、補助膜5bの配向は方向指数〔100〕であるものが好ましく、例えばSiやMgO膜が採用されている。このような補助膜5bをスパッタ膜5cの下地とする態様では、補助膜5bを用いない場合に比べて、磁歪材料からなるスパッタ膜5cの配向性がより向上する傾向があることが確認されている。尚、補助膜5bの厚さt2は適宜選定して差し支えないが、その上に形成するスパッタ膜5cの配向を誘導するために形成するという理由からすれば、厚くする必要はなく5~100nm程度が好ましい。
更に、本例では、磁歪部品5のスパッタ膜5cの結晶性を向上させるには熱処理であるアニール処理が有効である。このアニール処理は、育成工程又は成膜工程で合わせて実施するようにすればよく、例えば100~300℃の温度で1~4時間程度熱処理することで、単結晶内あるいはスパッタ膜5c内の歪みがとれ、その分、結晶内の応力が緩和されて配向性が向上するものと推測される。
このような成膜工程では、磁歪部品5のスパッタ膜5cはスパッタ用ターゲット14を用いて成膜されているため、磁歪部品5のスパッタ膜5cは均等な特性になり、磁歪材料の配向性や分散の均一性に優れたものが量産可能である。
このため、従前の方式のように、加工費が不必要に嵩むこともなく、品質の良い磁歪部品5が大量に製造可能になる。
尚、スパッタ膜5cは基材5aの形状に合わせて成膜されるので、両面成膜や表、裏の膜厚を変化させて振動源に合わせた圧縮、引っ張りが両立する膜設計を行うことも可能である。また、支持フレーム20に対して磁歪部品5の設置面積を多く確保するようにすれば、その分、磁歪部品5からの発電量を増すことも可能である。
-振動発電デバイスの製造方法及びその動作例-
上述した製造方法によって磁歪部品5を製造した後、支持フレーム20に磁石30,錘50を設置すると共に、磁歪部品5には所定巻数のコイル6を巻き付け、コイル6付きの磁歪部品5を支持フレーム20の凹部40に設置するようにすればよい。
このように、振動発電デバイス1に磁歪定数の大きい磁歪部品5を搭載するようにすれば、振動源3からの振動を支持フレーム20に伝搬することで、支持フレーム20に搭載された磁歪部品5のスパッタ膜5cの磁歪材料が規則的な配向をもって歪むと、これに依存してコイル6に電磁誘導により大きな誘導電圧が発生する。このため、整流昇圧回路62からの発電出力として高いものが得られる。
◎実施の形態2
図4は実施の形態2に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において、振動発電デバイス1は、実施の形態1と略同様に、支持フレーム20、磁石30、磁歪部品5(実施の形態1の製造方法にて製造)及びコイル6を備えているが、実施の形態1と異なり、支持フレーム20の一方の腕部22の先端付近に可撓性のロッド101にスライドスイッチ100を設け、他方の腕部23の先端位置を一方の腕部22の先端位置よりも湾曲部24寄りに配置し、前述したスライドスイッチ100によって支持フレーム20の他方の腕部23の先端を上から押さえ込み、また、支持フレーム20の一方の腕部22上には他方の腕部23を上方に向けて付勢する付勢バネ102を設けるようにしたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、スライドスイッチ100を他方の腕部23から離れる方向に移動させると、これに伴って、スライドスイッチ100による他方の腕部23の先端の押さえ込みが解除される。すると、支持フレーム20の他方の腕部23は付勢バネ102によって上方に付勢されることから、支持フレーム20の可動部20B(他方の腕部23+湾曲部24)が大きく振動する。この結果、支持フレーム20に搭載された磁歪部品5には大きな振動が伝搬されることになり、その分、磁歪部品5の磁歪材料の歪みが大きくなり、コイル6からの電磁誘導による誘導電圧が大きくなり、振動発電デバイス1から大きな発電出力が得られる。
尚、本例では、振動源として、可撓性ロッド101支持のスライドスイッチ100及び付勢バネ102を用いるようにしているが、可撓性ロッド101支持のスライドスイッチ100に代えて、コイルバネで支持された押しボタンにて支持フレーム20の他方の腕部23の先端を押さえ込み、押しボタンを押し下げて離すことで支持フレーム20の可動部20Bに大きな振動を付与することも可能である。
◎実施の形態3
図5(a)は実施の形態3に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において,振動発電デバイス1の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、支持フレーム20,磁歪部品5及びコイル6を備えているが、実施の形態1と異なり、支持フレーム20及び磁場作用手段の構成が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、支持フレーム20は、樹脂製の略U字状の弾性変形可能なフレーム本体121を有している。ここで、樹脂材料122としては、耐食性、耐熱性や機械的強度と柔軟性に富んだポリエチレン、ポレプロピレン等のオレフィン系樹脂またはナイロン12、ナイロン6等の樹脂製ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファルド(PPS)樹脂が用いられる。
そして、更に、フレーム本体121には磁性粉123が分散されている。この磁性粉123としては、フェライト系、ネオジム系、サマリウムコバルト系、サマリウム鉄窒素系で粒子が1~10μm程度のものが用いられる。この磁性粉123は支持フレーム20を射出成形する前に樹脂材料122と共に均一に混合された後、射出成形にて樹脂内に均一に分散するようになっている。
更に、本例では、磁場作用手段として、支持フレーム20内に磁性粉123が分散していることから、支持フレーム20の対構成の腕部22,23のうち他方の腕部23のうち、磁歪部品5の設置箇所を挟んだ部位にN極、S極の着磁部124,125が形成されており、着磁部124,125間の磁歪部品5の設置箇所に磁場Gが形成されるようになっている。
更にまた、本例では、図5(b)に示すように、支持フレーム20の他方の腕部23には磁歪部品5が収容される凹部40が設けられており、この凹部40内に磁歪部品5が収容されるようになっている。そして、本例では、コイル6は、実施の形態1と異なり、支持フレーム20の他方の腕部23及び磁歪部品5の周囲に所定数巻き付けられ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存してコイル6に電磁誘導させるようにしたものである。
このように、本実施の形態では、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有し、しかも、磁場作用手段として外付けの磁石(実施の形態1,2の磁石30に相当)を用いることなく、着磁部124,125を採用したことから、振動発電デバイス1として軽量化を図ることができると共に、磁石の設置スペースなどが不要になることから、小型化を図ることが可能である。
◎実施の形態4
図6(a)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において、振動発電デバイス1の基本的構成は、実施の形態3と略同様に、磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有する支持フレーム20、磁歪部品5及びコイル6を備えているが、実施の形態3と異なり、磁場作用手段として、着磁部124,125に代えて、フレーム本体121内にN極、S極の小磁石131,132を埋設し、これにより、磁歪部品5の設置箇所に磁場Gを作用させるようにしたものである。
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態3と同様に、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有し、しかも、磁場作用手段として外付けの磁石(実施の形態1,2の磁石30に相当)を用いることなく、埋め込み式の小磁石131,132を採用したことから、振動発電デバイス1として軽量化を図ることができると共に、磁石の設置スペースなどが不要になることから、小型化を図ることが可能である。
尚、本実施の形態では、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有しているが、これに限られるものではなく、例えば図6(b)に示すように、支持フレーム20として磁性粉123を含まない樹脂製のフレーム本体121’を採用し、当該フレーム本体121’内に小磁石131,132を埋設し、これにより、磁歪部品5の設置箇所に磁場Gを作用させるようにすることも可能である。
◎実施例1
育成工程としては、VB法(垂直ブリッジマン法)で2インチ径、長さ25mmのFe-Ga単結晶を育成した。
ワイヤーソーで厚さ10mmに切断し、表面を表面粗さRa1μmに研磨した。それを2インチ径の銅のバッキングプレートにインジウムを用い溶かして接合した。
次にMgOとFe-Ga単結晶ターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置(芝浦製作所製、型式CFS-4ES)にセットした。3インチ径のMgOターゲットと2インチ径のFe-Gaターゲットを装着し、また成膜するアルミ板(2×10×0.5mm)6枚を取り付けた。スパッタリングターゲットとAl板の距離は100mmとした。最初に基板温度を150℃に加熱しながら、反応性ガスとしてアルゴンガス-酸素の混合ガスを供給(アルゴンガスの流量は15sccm、酸素の流量は10sccm)しながらMgO膜を20nm厚さまで成膜した。続いてFe-Gaをアルゴンガスのみでスパッタして、膜厚1.3μm成膜した。
スパッタ時の到達真空度はそれぞれ6.5×10-3Paで、ガス導入後の真空度は3×10-1Pa、スパッタ出力は200Wで、MgOの成膜時間は5分、Fe-Gaの成膜時間は35分であった。
得られたFe-Ga膜の結晶性をX線回折(XRD)により半値幅を測定したところ、14.4°で、(001)配向が認められた。
この材料を用いて図に示すSUSのフレームに固定し、その上から径0.3mmの銅線を2000回転巻いた。磁場は小型のネオジム磁石を置いた。
先端に錘1g乗せて最大の電圧が得られる(共振周波数)の位置になるように調整した。
このデバイスを用いて振動数100Hz、加速度0.1Gの振動を与えた結果、ピーク電圧0.25Vを発生した。
◎実施例2
実施例1と同じ基板とスパッタ装置を用いて、ターゲットにMgOの代わりにSi、Fe-Gaの代わりにFe-Coを用いスパッタリング条件の基板加熱温度を200℃とした以外は実施例1と同じ条件で圧電体複合基板を作製した。
得られたFe-Co薄膜の結晶性をX線回折(XRD)により半値幅を測定したところ、18.4°で、(001)配向が認められた。
この材料を用いてSUSのフレームに固定しその上から径0.3mmの銅線を2000回転巻いた。
バイアス磁場は小型のネオジム磁石を置いて発生させた。
先端に錘1g乗せて最大の電圧が得られる(共振周波数)の位置になるように調整した。このデバイスを用いて振動数100Hz、加速度0.1Gの振動を与えた結果、ピーク電圧0.2Vを発生した。
◎実施例3
実施例1と同じ基板とスパッタ装置を用いて、ターゲットにMgOの代わりにSi、Fe-Gaの代わりにFe-Dy-Tbを用いスパッタリング条件の基板加熱温度を200℃とした以外は実施例1と同じ条件で圧電体複合基板を作製した。
得られたFe-Dy-Tb薄膜の結晶性をX線回折(XRD)により半値幅を測定したところ、16.4°で、(001)配向が認められた。
この材料を用いてSUSのフレームに固定しその上から径0.3mmの銅線を2000回転巻いた。
バイアス磁場は小型のネオジム磁石を置いて発生させた。
先端に錘1g乗せて最大の電圧が得られる(共振周波数)の位置になるように調整した。このデバイスを用いて振動数100Hz、加速度0.1Gの振動を与えた結果、ピーク電圧0.6Vを発生した。
◎比較例1
Fe-Gaの結晶を長さ10×幅2×厚さ0.5mmのサイズに放電加工した加工費が¥2,000であった。
本発明に係る振動発電デバイスは、磁歪材料の配向性及び分散の均一性に優れた量産性の高い磁歪部品を搭載するものであるため、磁歪部品の価格を低減することができ、その分、振動発電デバイスの価格を低減することができる。よって、低価格が求められるIoT向けの通信モジュールのセンサや通信用電源等に対して有効に利用することができる。
1 振動発電デバイス
2 被振動体
3 振動源
4 磁場作用手段
5 磁歪部品
5a 基材
5b 補助膜
5c スパッタ膜
6 コイル
11 育成工程
12 単結晶又は多結晶
13 ターゲット作成工程
14 スパッタ用ターゲット
15 成膜工程
16 スパッタ装置
E 発電出力
G 磁場
20 支持フレーム
20A 固定部
20B 可動部
21 弾性板材
22 一方の腕部
23 他方の腕部
24 湾曲部
25 延長部
30 磁石
40 凹部
41 段差部
50 錘
60 電極
61 配線
62 整流昇圧回路
70 ルツボ
71 高周波コイル
72 引上げ軸
81 ターゲット材
82 背面プレート
Z インゴット状の単結晶
Za 円柱部分
100 スライドスイッチ
101 ロッド
102 付勢バネ
121 フレーム本体
122 樹脂材料
123 磁性粉
124 着磁部
125 着磁部
131 小磁石
132 小磁石

Claims (9)

  1. 振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、
    前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、
    前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品と、
    前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスを製造するに際し、
    前記磁歪部品は、
    磁歪材料からなる単結晶又は多結晶を育成する育成工程と、
    前記育成工程にて育成された単結晶又は多結晶から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲットを作製するターゲット作製工程と、
    前記ターゲット作製工程にて作製されたスパッタ用ターゲットを用いてスパッタリングを実施し、基材の表面にスパッタ膜を成膜する成膜工程と、を経て作製され
    しかる後、前記磁歪部品が前記被振動体に設置されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記育成工程は、チョクラルスキー法、垂直ブリッジマン法又はフローティングゾーン法のいずれかを用いたことを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記磁歪材料は、Fe-Ga、Fe-Co、Fe-Dy-Tbのいずれかであることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記スパッタ膜は5ないし100μmの厚さに成膜されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  5. 請求項1乃至4に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記成膜工程は、前記スパッタ膜を成膜する前に、当該スパッタ膜の下地として、前記スパッタ膜の磁歪定数が大きくなる配向特性を持つ補助膜を成膜することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  6. 請求項5に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記スパッタ膜の配向は方向指数が〔001〕であり、前記補助膜の配向は方向指数が〔100〕であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記磁歪部品の基材は、金属又は樹脂製の弾性を有する板材にて構成されていることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記育成工程又は前記成膜工程の少なくともいずれかには予め決められた温度及び時間条件で熱処理するアニール処理を含むことを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  9. 振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、
    前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、
    前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品と、
    前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスに用いられる前記磁歪部品を製造するに際し、
    前記被振動体に設置される前に作製されるものであって、
    磁歪材料からなる単結晶又は多結晶を育成する育成工程と、
    前記育成工程にて育成された単結晶又は多結晶から円形状結晶材を切り出し加工し、スパッタ用ターゲットを作製するターゲット作製工程と、
    前記ターゲット作製工程にて作製されたスパッタ用ターゲットを用いてスパッタリングを実施し、基材の表面にスパッタ膜を成膜する成膜工程と、を経て作製されることを特徴とする磁歪部品の製造方法。
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