JP7247605B2 - 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法 - Google Patents

振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7247605B2
JP7247605B2 JP2019013595A JP2019013595A JP7247605B2 JP 7247605 B2 JP7247605 B2 JP 7247605B2 JP 2019013595 A JP2019013595 A JP 2019013595A JP 2019013595 A JP2019013595 A JP 2019013595A JP 7247605 B2 JP7247605 B2 JP 7247605B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetostrictive
power generation
generation device
manufacturing
vibration power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019013595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020122176A (ja
Inventor
直明 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2019013595A priority Critical patent/JP7247605B2/ja
Publication of JP2020122176A publication Critical patent/JP2020122176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7247605B2 publication Critical patent/JP7247605B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

本発明は、モータ、橋梁、人の動きなどの振動源からの振動によって発電する振動発電デバイスに係り、特に、磁歪材料からなる磁歪部品を用いた振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法に関する。
従来における振動発電技術としては、圧電素子を利用した技術(圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより、圧電素子を変形させて発電する技術)や、磁歪素子を利用した技術(磁歪素子に磁石やコイルを用いた逆磁歪効果を利用した発電技術)が既に知られている。
この種の振動発電デバイスとしては例えば特許文献1~3に記載のものがある。
特許文献1には、音による空気の圧力変動を利用して圧電素子により発電する音力発電装置、および、振動による圧力変動を利用して圧電素子により発電する振動力発電装置が記載されている。これは人の声の振動を圧電セラミックを変形させて電力を得る方式であるが、スピーカから音を出すμWレベルの電力は得られるものの、IOT通信に必要なmWレベルの電力は得られない。
また、特許文献2には、磁歪素子を利用した振動発電装置として、磁歪材料を固定した磁歪棒を片持ち梁構造とし、当該磁歪棒に曲げ応力を印加することにより磁歪材料を曲げ変形させ、逆磁歪効果によって、磁歪材料に巻かれているコイルを貫く磁束が変化することで当該コイルに誘導電圧を発生させるものが開示されている。
更に、特許文献3には、Fe-Dy-Tb系の成分組成よりなるアモルファスのFe-Dy-Tb系粉末を得た後、アモルファスのFe-Dy-Tb系粉末を固化することによって、Fe-Dy-Tb系の成分組成よりなるアモルファスの超磁歪素子を得る超磁歪素子の製造方法が開示されている。
特開2006-166694号公報(発明を実施するための最良の形態,図10) 特許第4905820号公報(発明を実施するための形態,図4A) 特開平11-189853号公報(実施例,図1,図2)
特許文献1に記載された圧電素子を利用した振動力発電装置は、圧電素子を構成する圧電材料が脆性材料であり、曲げや衝撃に対して弱い材料である。そのため、過度な負荷を加えることはできず、発電量を増加するために大きな曲げや衝撃を加えることが困難になるという問題点がある。また、圧電素子は低周波数でインピーダンスが高く、圧電素子より低いインピーダンスを有する負荷を接続した際に、負荷に発生する電圧が小さくなるため、発電により得られる電力が小さくなり、発電の効率が低いという問題点もある。
一方、特許文献2に記載されている磁歪材料を用いた発電素子は、磁歪材料は延性材料であり、圧電材料に比べて曲げや衝撃に強いため、大きな曲げや衝撃を加えることで発電量を増加することが可能である。また、発電素子のインピーダンスが圧電材料よりも低いことから、インピーダンスの低い負荷の接続による発電効率の低下が少なく、前述した圧電材料の問題点を解決することができる。
しかしながら、特許文献2に記載された振動発電装置は、磁歪棒に対してバイアス磁界を加えるための磁石を備え、振動しながら磁歪棒のバネ変形を発生させて発電するために振動源から大きな加振力を必要とし、その分、振動エネルギの吸収が悪くなってしまう懸念がある。また、磁歪棒を支持するフレーム(連結ヨーク)には鉄系などのフレームを用いているため、錆、金属疲労が生じ易く、またフレームと磁歪棒との接合に接着剤やハンダを用いているため長期信頼性に課題があった。
更に、磁歪材料からなる磁歪棒を作製するには、磁歪材料からなる結晶はインゴット状になっていていることから、これを板状に加工して磁歪棒にする必要がある。このとき、インゴット状の結晶に対してスライス、放電加工、ワィヤソーなどで加工する手法が考えられるが、この種の加工法を採用したとすると、加工切しろが発生し、インゴット状の結晶の多くが廃棄され無駄になる虞れがある。また、結晶が脆く割れやすいため、加工費が非常に高価になる懸念もある。この加工費を含めた結晶代が高いためにこの種の加工法は一般的に採用しづらい状況になっている。
更にまた、結晶育成には、チョクラルスキー法(CZ法:Czochralski method,結晶引上げ法)、垂直ブリッジマン法(VB法:Vertical Bridgman method)又はフローティングゾーン法(Floating zone method,浮遊帯法))などが採用可能であるが、結晶育成に時間がかかり、これも結晶の製造コストを押し上げている要因である。また、特許文献3にあっては、磁歪素子を構成する磁歪材料であるFe-Dy-Tbは非常に硬く脆い材料で、薄板の加工が非常に難しい。また、希土類を使った材料は高価であり、加工で無駄な部位を出したくないという要請もある。
このような状況を踏まえ、磁歪材料が含まれる磁歪部品を製造するに当たって、品質の良い磁歪部品を製造する上で有効な製造方法が強く要望されている。
本発明が解決しようとする技術的課題は、磁歪定数が大きい磁歪部品の生産性を高めた振動発電デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の技術的特徴は、振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪結晶材料を含む磁歪部品と、前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪結晶材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスを製造するに際し、前記磁歪部品は、粉末状の磁歪結晶材料を予め決められた前記磁歪部品形状の型に充填して加圧成形する成型工程と、前記成型工程にて成形された前記磁歪結晶材料を含む磁歪成形体を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体とする放電プラズマ焼結工程と、を経て製造され、しかる後、前記磁歪部品が前記被振動体に設置されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記磁歪結晶材料は、Fe-Ga又はFe-Coであることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第3の技術的特徴は、第1又は第2の技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、
前記成型工程は、前記磁歪結晶材料以外に銅、アルミニウム、ホウ素、炭素のいずれかを添加したもので前記磁歪成形体を成形することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第4の技術的特徴は、第1乃至第3のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記磁歪結晶材料は、平均粒子径が40乃至100nmに粉砕された粉末状であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第5の技術的特徴は、第1乃至第4のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記成型工程は、前記型に充填された前記磁歪結晶材料を20ないし100MPaで一方向から加圧することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第6の技術的特徴は、第1乃至第5のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記放電プラズマ焼結工程は、焼結環境温度が800℃以上で前記磁歪結晶材料の熔解温度未満の温度に保持されていることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第7の技術的特徴は、第1乃至第6のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記放電プラズマ焼結工程は、前記成型工程で使用した型を焼結用型として兼用して実施することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第8の技術的特徴は、第1乃至第7のいずれかの技術的特徴を備えた振動発電デバイスの製造方法において、前記磁歪焼結体は多結晶体であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法である。
本発明の第9の技術的特徴は、振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪結晶材料を含む磁歪部品と、前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪結晶材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスに用いられる前記磁歪部品を製造するに際し、前記磁歪部品は前記被振動体に設置される前に製造されるものであって、粉末状の磁歪結晶材料を予め決められた前記磁歪部品形状の型に充填して加圧成形する成型工程と、前記成型工程にて成形された前記磁歪結晶材料を含む磁歪成形体を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体とする放電プラズマ焼結工程と、を経て製造されることを特徴とする磁歪部品の製造方法である。
本発明の第1の技術的特徴によれば、磁歪定数の大きい磁歪部品の生産性を高めた振動発電デバイスを提供することができる。特に、成型工程で無加圧にて成形する場合に比べて、磁歪結晶材料の充填密度をより高めることができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、磁歪定数が高く、安価で加工性の良い磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、磁歪結晶材料以外の添加物を含まない場合に比べて、磁歪特性を向上させた磁歪部品を提供することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、平均粒子径が100nmを超える磁歪結晶材料を用いた場合に比べて、焼結密度の高い磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、成型工程で磁歪結晶材料を加圧成形するに際し、磁歪成形体の体積を不必要に減少させることなく、磁歪結晶材料の充填密度を十分に高めることが可能な磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、磁歪結晶材料の結晶性を向上させた磁歪焼結体からなる磁歪部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、振動発電デバイスの磁歪部品を製造するに当たり、成型工程と放電プラズマ焼結工程とで使用する型を共用することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、磁歪結晶材料の結晶性を維持し、安価で製造性の高い磁歪焼結体からなる磁性部品を含む振動発電デバイスを提供することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、磁歪定数の大きい磁歪部品の生産性を高めることができる。特に、成型工程で無加圧にて成形する場合に比べて、磁歪結晶材料の充填密度をより高めることができる。
(a)は本発明が適用された振動発電デバイスの実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)に示す振動発電デバイスで用いられる磁歪部品の構造例を示す説明図、(c)は本実施の形態で用いられる磁歪部品の製造方法を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は(a)で用いられる磁歪部品の構成例及び支持フレームへの取付例を示す説明図である。 (a)~(c)は実施の形態1で用いられる磁歪部品の製造方法を説明する説明図であって、(a)は粉末状の磁歪結晶材料を型成形して磁歪成形体とする成型例、(b)は(a)の成型工程で使用される成形型の一例、(c)は磁歪成形体を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体とする放電プラズマ焼結工程を実施する放電プラズマ焼結装置の一例を夫々示す説明図である。 実施の形態2に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図である。 実施の形態3に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は支持フレームへの磁歪部品の取付例を示す説明図である。 (a)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの構成例を示す説明図、(b)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの変形の形態4-1の要部を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された振動発電デバイスの構成例を示す。
同図において、振動発電デバイス1は、振動源3からの振動を受けて伝搬する被振動体2と、被振動体2の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段4と、被振動体2のうち磁場作用手段4による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品5と、磁歪部品5の周囲に巻かれ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6と、を備えたものである。
この種の振動発電デバイス1を製造するに際し、磁歪部品5は、図1(b)(c)に示すように、粉末状の磁歪結晶材料M1を予め決められた磁歪部品形状の型(成形型12)に充填して加圧成形する成型工程11と、成型工程11にて成形された磁歪結晶材料を含む磁歪成形体13を放電プラズマ焼結(SPS)にて磁歪焼結体16とする放電プラズマ焼結工程14と、経て製造され、しかる後、磁歪部品5が被振動体2に設置されるものである。尚、図1(c)中、符号15は放電プラズマSPを生成して磁歪成形体13を焼結させる放電プラズマ焼結装置である。
このような技術的手段において、被振動体2としては振動を受けて伝搬するものであれば特に材質は問わない。また、磁場作用手段4としては、代表的には永久磁石が挙げられるが、被振動体2に対して磁場を作用させるものを広く含む。更に、磁歪部品5は、図1(b)に示すように、少なくとも磁歪結晶材料M1を含んでいればよく、磁歪結晶材料M1以外の材料(銅、アルミニウム等)からなる添加材料M2を添加する態様をも含む。ここでいう「磁歪結晶材料M1」は結晶性を有する磁歪材料を意味する。
尚、被振動体2の共振周波数を調整するために錘やバネ材による付勢力を付加するようにすることが好ましい。
また、磁歪部品5の製法は、放電プラズマ焼結法を採用するに当たって、粉末状の磁歪結晶材料M1を所定の形状に成形することが必要であることから、成型工程を経て放電プラズマ焼結工程を実施することを要する。
本例では、成型工程は、加圧成形が代表的である。また、放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)の使用条件については焼結対象である磁歪結晶材料M1及び添加材料M2を考慮して適宜選定することが必要である。
次に、本実施の形態に係る振動発電デバイスの製造方法の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、磁歪結晶材料M1の好ましい例としては、Fe-Ga又はFe-Coが挙げられる。本例は、磁歪結晶材料M1のうち高い磁歪定数を持つものを例示したものである。
また、成形工程11の好ましい態様としては、磁歪結晶材料M1以外に添加材料M2として銅、アルミニウム、ホウ素、炭素のいずれかを添加したもので磁歪成形体13を成形する態様が挙げられる。本例は、磁性結晶材料M1以外に磁歪特性が向上する材料(Cu,Al,B,C)を微量添加する態様である。ここでいう磁歪特性が向上するとは磁歪定数が大きくなることを意味する。
更に、磁歪結晶材料M1の好ましい例としては、平均粒子径が40乃至100nmに粉砕された粉末状である態様が挙げられる。本例では、100nm以下であることは焼結密度を高める上で好ましいが、40nm未満にするには粉砕コストが高くなる懸念がある。
また、成形工程11の好ましい態様としては、成形型12に充填された磁歪結晶材料M1を20ないし100MPaで一方向から加圧する態様が挙げられる。本例では、20MPa以上であると、磁歪結晶材料M1の充填密度(又は焼結密度)を十分に高めることが可能であるが、100MPaを超えると、磁歪成形体13の体積が不必要に減少する懸念がある。
また、放電プラズマ焼結工程14の好ましい態様としては、焼結環境温度が800℃以上で磁歪結晶材料M1の熔解温度未満の温度に保持されている態様が挙げられる。本例は、磁歪結晶材料M1の結晶性を向上させる上で好ましい温度条件を示す。
更に、放電プラズマ焼結工程14の別の好ましい態様としては、成型工程11で使用した成形型12を焼結用型として兼用して実施する態様が挙げられる。本例は、放電プラズマ焼結工程14において成型工程11で使用した型を利用する態様である。
更にまた、磁歪焼結体16の好ましい態様としては、多結晶体である態様が挙げられる。単結晶は製造コストが高価になるが、本例は磁歪焼結体16を多結晶体とすることで、単結晶よりも製造コストを抑え、単結晶よりは少し低いものの、磁歪結晶材料M1の配向が結晶性に優れたものとして得られる。
また、本実施の形態では、振動発電デバイス1の製造方法として説明されているが、振動発電デバイス1に用いられる磁歪部品5の製造方法としても捉えることが可能である。
具体的には、振動発電デバイス1に用いられる磁歪部品5を製造するに際し、磁歪部品5は被振動体2に設置される前に製造されるものであって、粉末状の磁歪結晶材料M1を予め決められた磁歪部品形状の成形型12に充填して加圧成形する成型工程11と、成型工程11にて成形された磁歪結晶材料M1を含む磁歪成形体13を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体16とする放電プラズマ焼結工程14と、を経て製造されるようになっていればよい。
本例は、磁歪部品5単体の取引性を考慮し、振動発電デバイス1に組み込まれる前段階、つまり、磁歪部品5の製造段階、製造された磁歪部品にも権利の効力を及ぼす上で有効である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は実施の形態1に係る振動発電デバイスの全体構成を示す説明図である。
-振動発電デバイスの全体構成-
同図において、振動発電デバイス1は、振動源3からの振動を受けて伝搬する被振動体としての支持フレーム20と、支持フレーム20の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段としての磁石30と、支持フレーム20のうち磁石30による磁場の作用領域に設けられ、磁歪材料を含む磁歪部品5と、磁歪部品5の周囲に巻かれ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6と、を備えたものである。
<支持フレーム>
本例において、支持フレーム20は、断面略U字状のSUS等の磁性材からなる弾性板材21からなり、弾性板材21のうち一方の腕部22を固定部20Aとして図示外の設置箇所に固定すると共に、一方の腕部22から湾曲部24を介して延びる他方の腕部23を振動可能な可動部20Bとして機能させるようにしたものである。そして、本例では、可動部20Bである他方の腕部23は固定部である一方の腕部22に比べて湾曲部24とは反対側に延長部25を有しており、この延長部25の先端に振動源3からの振動が付与される位置関係になっている。
<磁石>
また、本例では、支持フレーム20の一方の腕部22上には磁石30が設置されており、当該磁石30は上下に磁極N,Sを有する永久磁石(例えばネオジム磁石)からなり、支持フレーム20の他方の腕部23のうち磁石30の略直上に位置する部分から湾曲部24を介して一方の腕部22には、磁石30による磁場Gの作用領域が形成されるようになっている。
<磁歪部品>
更に、本例では、後述する製造方法にて製造された細長い矩形板状の磁歪部品5が支持フレーム20の他方の腕部23のうち磁石30による磁場G作用領域に設置されている。特に、本例では、図2(a)(b)に示すように、他方の腕部23には磁歪部品5が収容可能な凹部40が形成されており、この凹部40には磁歪部品5の長手方向両端部を支持する段差部41が形成され、この段差部41上に磁歪部品5が固定的に設置されるようになっている。
<コイル>
また、本例では、コイル6は磁歪部品5の周囲に均等に巻かれており、磁歪部品5に巻かれたコイル6の一部が凹部40内に磁歪部品5と共に収容され、コイル6の一部は凹部40外に配置されるようになっている。
<錘>
更に、本例では、支持フレーム20の他方の腕部23の延長部25には共振周波数調整用の錘50が設置されている。錘は例えば磁石を使用するようにすれば自身の磁力で固定されるし、別途ねじ等の止め具にて固定するようにすればよい。更に、この錘50のウエイトは適宜調整可能で、また、錘50の設置位置も必要に応じて可変設定するようにしてもよい。
<発電取り出し構造>
また、本例では、支持フレーム20の他方の腕部23のうちコイル6の近傍には電極60が設けられ、コイル6の両端からの配線61が電極60を介し外部に引き出され、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存して電磁誘導するコイル6からの交流誘導電圧が整流後に予め決められたレベルに昇圧される整流昇圧回路62に接続され、整流昇圧回路62から所定レベルの発電出力Eが得られるようになっている。
-磁歪部品の製造方法-
本例において、磁歪部品5は以下の製造方法によって製造される。
本例の磁歪部品5の材料としては、図2(b)に示すように、磁歪結晶材料M1と磁歪結晶材料M1以外の添加材料M2との混合材料が用いられる。
<磁歪結晶材料>
本例においては、磁歪結晶材料M1としては、高い磁歪定数を持つFe-Ga又はFe-Coが用いられる。ここで、Fe-Gaより磁歪定数が高い材料にFe-Dy、Fe-Tb、Fe-Dy-Tbがある。しかしこれ硬くもろいため、また希土類を多く(40%レベル)を含むため高価な材料になる。この点、Fe-Ga、Fe-CoはFeが80%程度含み加工性がよく安価になる可能性がある。
また、これらの磁歪結晶材料M1についてはこれを粉末状に粉砕する必要があるが、本例で用いる粉体の粒径は小さいほど焼結密度は上がることとコストとの兼ね合いで、ミクロン粉に粉砕した後にミクロン粉を再度、粉砕してナノ粉にしてバインダレスで焼結することにしたものである。一例としては、Fe-Ga又はFe-Coの合金を粉末状に作製するには、2~3μmの粉体をボールミルで平均粒子径40~100nmに粉砕した粉体からなる粉末状材料を用いるようにすればよい。
また、合金成分に銅、アルミなどを微量添加すると磁歪特性が向上する。
<添加材料>
添加材料M2としては、磁歪結晶材料M1による磁歪特性が上がる上で有用な材料が用いられ、磁性結晶材料M1と同様に粉末状に粉砕されて使用される。
具体的には銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、炭素(C)等があり、その含有割合は材料によって異なり、例えばAlは4~7at%(原子パーセント)、Bは1.6at%前後、Cは1.4at%前後である。
<成型工程>
本工程は、粉末状の磁歪結晶材料M1(本例では所定の添加材料M2を含有)を予め決められた磁歪部品5形状の成形型12に充填して成形するものである。
本例では、磁歪部品5は支持フレーム20に搭載可能な板状の形状を有していることから、成形型12は、図3(a)(b)に示すように、複数の磁歪部品5を同時に製造できるように、複数個(本例では2×7個の配列)の短冊状の凹所12aを有し、当該凹所12a内に粉末状の磁歪結晶材料M1を充填するようにすればよい。
そして、この成形型12は凹所12a内の磁歪結晶材料M1を覆い型12bで覆い、所定の加圧力(20MPa~100MPa)で加圧する。ここで、20MPa以上であれば、磁歪結晶材料M1の充填密度を十分に高めることができ、加圧力が大きくなればなる程その充填密度は高くなる点で好ましい。但し、100MPaを超える加圧力で加圧することは勿論可能であるが、成形後の磁歪成形体の体積が不必要に減少する懸念がある。
ここで、成型12の材質はグラファイト、ダイス型、超硬型、セラミックを使うようにすればよく、20~100MP程度の一方向の加圧力に耐えられる強度を有するものであればよい。
<放電プラズマ焼結工程>
放電プラズマ焼結工程は、図3(c)に示す放電プラズマ焼結装置15を用いて実施される。
本例において、放電プラズマ焼結装置15は、成型工程で使用した成形型12をそのまま焼結用型として用い、真空チャンバ150内の上下に電極加圧軸151,152を配置し、この電極加圧軸151,152にはDCパルス焼結電源153を接続すると共に、各電極加圧軸151,152間にはパンチ154,155を介して成形型(焼結用型を兼用)12を挟み込み、更に、パンチ154,155及び成形型12をダイ156で側方から押さえ込むようにしたものである。
尚、ダイ156には例えば熱電対からなる温度センサ157が設けられ、磁歪結晶材料M1に対する放電プラズマ焼結温度を検出するようになっており、この温度センサ157にて検出された温度情報はコントローラ158に入力され、コントローラ158は温度センサ157からの温度情報に基づいてDCパルス焼結電源153の出力を制御するようになっている。
放電プラズマ焼結装置15は放電プラズマ焼結SPS(Spark Plasma Sintering)を具現化する装置であり、放電プラズマ焼結法SPSの特徴点として以下のものがある。
・迅速な焼結が可能である(従来のHIP(Hot Isostatic Pressing)やホットプレス法に比べ焼結時間が1/20~1/100)。
・微細組織構造を制御焼結できる。
・粒成長抑制が容易でナノ粉末をナノ構造で固化できる。
・温度傾斜焼結が可能、固相焼結が可能である。
・焼結助剤なしでSiC、WCなどの高温セラミックスの高密度焼結が可能、低温焼結が可能である。
・アモルファス材やキューリー点以下での焼結が可能である。
・ガス、電磁場での反応焼結が可能である。
<放電プラズマ焼結装置による成型工程の実施>
特に、本例においては、放電プラズマ焼結装置15は放電プラズマ焼結する前に成形型12を加圧するステップを踏むことから、前述した成型工程は放電プラズマ焼結装置15に成形型12をセットした段階で実施されるようになっている。
尚、放電プラズマ焼結装置15による成型工程とは別に成型工程を実施するようにしてもよいことは勿論である。
<放電プラズマ焼結処理手順>
放電プラズマ焼結装置15の成形型(焼結用型を兼用)12をセットして加圧成型した後に、真空チャンバ150内の温度を上昇させる。このとき、昇温速度は20~200K/分が用いられ、500~1000K/分の急速昇温も可能である。本例では、例えば試料片が小さいφ20~30mmのものでは数分から20分程度の昇温が適切であるから、これを考慮して、成形型12にて成形可能な磁歪成形体の大きさに応じて昇温時間を選定するようにすればよい。
また、真空チャンバ150内の温度条件として、昇温後に保つ保持温度は800~2100℃である。これも材質で変化し、Fe合金では保持温度は溶解温度未満、例えば1000℃が最適である。この温度を保つことでFe合金の結晶性が向上する。
更に、SPS処理の焼結温度は内部の温度より100~200K程度低くなる。この種のSPS処理は、物質粒子間の表面拡散現象が支配的で反応性休息昇温効果や電界拡散効果が寄与していることによる。また、保持温度は長い方が均一な高密度焼結体が得られる点で有効である。ここで、保持時間は5~30分が適切で、Fe合金では10分が最適である。
また、SPSさせるための電圧、電流は焼結性を向上する大きな因子であるが材質により変化する。セラミック粉だと高い電流値になり金属だとそれより低くなる。DCパルス焼結電源153は、粉末に4~20V程度の直流電圧、ON-OFFのパルス状電流を500~40000A印加し焼結する。流す電流には材料によって変化するが比較的融点が低いFe系は800から1200Aが適切である。
直流電圧はFe系では低い4Vが適切である。放電時間は材質によりセラミック系は1~2時間程度が適切だが、金属では溶解しない5~20分が適切である。
このように、DCパルス焼結電源153でON-OFFを繰り返し、電圧、電流を印加することにより、成形型12内の磁歪成形体13(図1参照)で放電点とジュール発熱点(局所的な高温発生場)が移動し、磁歪成形体13全体に分散されてONの状態での現象と効果が磁歪成形体13内に均一に繰り返される結果、電力消費量も少なく効率のよい焼結が行われる。
このような処理で、成形型12によって成形された磁歪成形体13は、放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体16(図1参照)に焼結される。
-振動発電デバイスの製造方法及びその動作例-
上述した製造方法によって磁歪部品5を製造した後、支持フレーム20に磁石30,錘50を設置すると共に、磁歪部品5には所定巻数のコイル6を巻き付け、コイル6付きの磁歪部品5を支持フレーム20の凹部40に設置するようにすればよい。
このように、振動発電デバイス1に磁歪定数の大きい磁歪部品5を搭載するようにすれば、振動源3からの振動を支持フレーム20に伝搬することで、支持フレーム20に搭載された磁歪部品5の磁歪結晶材料が規則的な配向をもって歪むと、これに依存してコイル6に電磁誘導により大きな誘導電圧が発生する。このため、整流昇圧回路62からの発電出力Eとして高いものが得られる。
◎実施の形態2
図4は実施の形態2に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において、振動発電デバイス1は、実施の形態1と略同様に、支持フレーム20、磁石30、磁歪部品5(実施の形態1の製造方法にて製造)及びコイル6を備えているが、実施の形態1と異なり、支持フレーム20の一方の腕部22の先端付近に可撓性のロッド101にスライドスイッチ100を設け、他方の腕部23の先端位置を一方の腕部22の先端位置よりも湾曲部24寄りに配置し、前述したスライドスイッチ100によって支持フレーム20の他方の腕部23の先端を上から押さえ込み、また、支持フレーム20の一方の腕部22上には他方の腕部23を上方に向けて付勢する付勢バネ102を設けるようにしたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、スライドスイッチ100を他方の腕部23から離れる方向に移動させると、これに伴って、スライドスイッチ100による他方の腕部23の先端の押さえ込みが解除される。すると、支持フレーム20の他方の腕部23は付勢バネ102によって上方に付勢されることから、支持フレーム20の可動部20B(他方の腕部23+湾曲部24)が大きく振動する。この結果、支持フレーム20に搭載された磁歪部品5には大きな振動が伝搬されることになり、その分、磁歪部品5の磁歪材料の歪みが大きくなり、コイル6からの電磁誘導による誘導電圧が大きくなり、振動発電デバイス1から大きな発電出力が得られる。
尚、本例では、振動源として、可撓性ロッド101支持のスライドスイッチ100及び付勢バネ102を用いるようにしているが、可撓性ロッド101支持のスライドスイッチ100に代えて、コイルバネで支持された押しボタンにて支持フレーム20の他方の腕部23の先端を押さえ込み、押しボタンを押し下げて離すことで支持フレーム20の可動部20Bに大きな振動を付与することも可能である。
◎実施の形態3
図5(a)は実施の形態3に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において,振動発電デバイス1の基本的構成は、実施の形態1と略同様に、支持フレーム20,磁歪部品5及びコイル6を備えているが、実施の形態1と異なり、支持フレーム20及び磁場作用手段の構成が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、支持フレーム20は、樹脂製の略U字状の弾性変形可能なフレーム本体121を有している。ここで、樹脂材料122としては、耐食性、耐熱性や機械的強度と柔軟性に富んだポリエチレン、ポレプロピレン等のオレフィン系樹脂またはナイロン12、ナイロン6等の樹脂製ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファルド(PPS)樹脂が用いられる。
そして、更に、フレーム本体121には磁性粉123が分散されている。この磁性粉123としては、フェライト系、ネオジム系、サマリウムコバルト系、サマリウム鉄窒素系で粒子が1~10μm程度のものが用いられる。この磁性粉123は支持フレーム20を射出成形する前に樹脂材料122と共に均一に混合された後、射出成形にて樹脂内に均一に分散するようになっている。
更に、本例では、磁場作用手段として、支持フレーム20内に磁性粉123が分散していることから、支持フレーム20の対構成の腕部22,23のうち他方の腕部23のうち、磁歪部品5の設置箇所を挟んだ部位にN極、S極の着磁部124,125が形成されており、着磁部124,125間の磁歪部品5の設置箇所に磁場Gが形成されるようになっている。
更にまた、本例では、図5(b)に示すように、支持フレーム20の他方の腕部23には磁歪部品5が収容される凹部40が設けられており、この凹部40内に磁歪部品5が収容されるようになっている。そして、本例では、コイル6は、実施の形態1と異なり、支持フレーム20の他方の腕部23及び磁歪部品5の周囲に所定数巻き付けられ、磁歪部品5の磁歪材料の歪みに依存してコイル6に電磁誘導させるようにしたものである。
このように、本実施の形態では、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有し、しかも、磁場作用手段として外付けの磁石(実施の形態1,2の磁石30に相当)を用いることなく、着磁部124,125を採用したことから、振動発電デバイス1として軽量化を図ることができると共に、磁石の設置スペースなどが不要になることから、小型化を図ることが可能である。
◎実施の形態4
図6(a)は実施の形態4に係る振動発電デバイスの要部を示す。
同図において、振動発電デバイス1の基本的構成は、実施の形態3と略同様に、磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有する支持フレーム20、磁歪部品5及びコイル6を備えているが、実施の形態3と異なり、磁場作用手段として、着磁部124,125に代えて、フレーム本体121内にN極、S極の小磁石131,132を埋設し、これにより、磁歪部品5の設置箇所に磁場Gを作用させるようにしたものである。
従って、本実施の形態にあっても、実施の形態3と同様に、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有し、しかも、磁場作用手段として外付けの磁石(実施の形態1,2の磁石30に相当)を用いることなく、埋め込み式の小磁石131,132を採用したことから、振動発電デバイス1として軽量化を図ることができると共に、磁石の設置スペースなどが不要になることから、小型化を図ることが可能である。
尚、本実施の形態では、支持フレーム20は磁性粉123が分散した樹脂製のフレーム本体121を有しているが、これに限られるものではなく、例えば図6(b)に示すように、支持フレーム20として磁性粉123を含まない樹脂製のフレーム本体121’を採用し、当該フレーム本体121’内に小磁石131,132を埋設し、これにより、磁歪部品5の設置箇所に磁場Gを作用させるようにすることも可能である。
◎実施例1
磁歪結晶材料としては、高純度化学株式会社製粒子径2~3μmの純度3NのFeとGaを75:25wt%の比率で混合した。
ここで、理想の組成は82:18だがGaは揮発しやすいため75:25にした。
また、14本の溝(凹所に相当)がある超硬材料できた成形型(短冊状溝 幅4.5、長さ12.7、深さ0.7mm)に前記材料を充填し、加圧力30MPaで加圧した。
放電プラズマ焼結装置として株式会社シンターランド製のLABOX-600に、前述した成形型をセットし、SPSを行った。
SPSの焼結条件:
・SPS昇温速度 373K/分 1000℃の温度にして10分保持
・最大パルス電流 1000Aを5分印加
焼結されたFe-Ga磁歪焼結体(磁歪部品)の物性を測定した。
・ビッカス硬度 15.6GPa
・最大室温曲げ強度 420MPa
また、XRD測定を行ったところ、方位指数(100)と(111)が観察された多結晶体であった。
磁歪焼結体のサイズは幅4.1、長さ12.5、厚さ0.65mmを得た。
この磁歪焼結体を図2の支持フレームにセットし、コイルとしての銅線を1800巻き、磁場印加用ネオジム磁石 2×3×1(単位:mm)サイズを1個を支持フレームにセットし、図2に示す支持フレームの凹部にFe-Ga磁歪焼結体をはさみ固定した。その上から径0.33mmのコイルとしての銅線を2000回転巻いた。
このとき用いた磁歪結晶材料の磁歪定数は96ppmであった。先端に磁性粉が含まれた樹脂1gを錘とし、最大の電圧が得られる(共振周波数)の位置になるように調整した。この振動発電デバイスを用いて振動数100Hz、加速度0.1Gの振動を与えた結果、ピーク電圧0.18V(図2中の発電出力に相当)を発生した。
◎実施例2
実施例1と同様な成形型、放電プラズマ焼結装置を用い、磁歪成形体、磁歪焼結体を作製した。磁歪結晶材料はFe-Co粉末を用いた以外は実施例1と同じである。更に、実施例1と同様に振動発電デバイスを構成して、その特性を測定した。このとき用いた磁歪結晶材料の磁歪定数は80ppmであった。また、振動発電デバイスを用いて振動数100Hz、加速度0.1Gの振動を与えた結果、ピーク電圧0.11V(図2中の発電出力に相当)を発生した。
◎比較例1
Fe-Ga結晶をCZ法で育成した場合、直径1インチ、長さ3センチ育成するのに2日間要した。この結晶価格は高価であり、また傷付き易く、割れやすいので、機械加工が難しく短冊状に加工するのに放電加工で小片化したところ、加工費が¥1500と高価なものになった。そのため低価格が求められるIoT(Internet of Things)向け電源としては不適切であることが理解される。
本発明に係る振動発電デバイスは、生産性を高めた磁歪定数の大きい磁歪部品を搭載するものであるため、磁歪部品の価格を低減することができ、その分、振動発電デバイスの価格を低減することができる。よって、低価格が求められるIoT向けの通信モジュールのセンサや通信用電源等に対して有効に利用することができる。
1 振動発電デバイス
2 被振動体
3 振動源
4 磁場作用手段
5 磁歪部品
6 コイル
11 成型工程
12 成形型
13 磁歪成形体
14 放電プラズマ焼結工程
15 放電プラズマ焼結装置
16 磁歪焼結体
M1 磁歪結晶材料
M2 添加材料
E 発電出力
G 磁場
20 支持フレーム
20A 固定部
20B 可動部
21 弾性板材
22 一方の腕部
23 他方の腕部
24 湾曲部
25 延長部
30 磁石
40 凹部
41 段差部
50 錘
60 電極
61 配線
62 整流昇圧回路
100 スライドスイッチ
101 ロッド
102 付勢バネ
121 フレーム本体
122 樹脂材料
123 磁性粉
124 着磁部
125 着磁部
131 小磁石
132 小磁石
150 真空チャンバ
151 電極加圧軸
152 電極加圧軸
153 DCパルス焼結電源
154 パンチ
155 パンチ
156 ダイ
157 温度センサ
158 コントローラ

Claims (9)

  1. 振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、
    前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、
    前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪結晶材料を含む磁歪部品と、
    前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪結晶材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスを製造するに際し、
    前記磁歪部品は、
    粉末状の磁歪結晶材料を予め決められた前記磁歪部品形状の型に充填して加圧成形する成型工程と、
    前記成型工程にて成形された前記磁歪結晶材料を含む磁歪成形体を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体とする放電プラズマ焼結工程と、
    を経て製造され
    しかる後、前記磁歪部品が前記被振動体に設置されることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記磁歪結晶材料は、Fe-Ga又はFe-Coであることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記成型工程は、前記磁歪結晶材料以外に銅、アルミニウム、ホウ素、炭素のいずれかを添加したもので前記磁歪成形体を成形することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記磁歪結晶材料は、平均粒子径が40乃至100nmに粉砕された粉末状であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記成型工程は、前記型に充填された前記磁歪結晶材料を20ないし100MPaで一方向から加圧することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記放電プラズマ焼結工程は、焼結環境温度が800℃以上で前記磁歪結晶材料の熔解温度未満の温度に保持されていることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記放電プラズマ焼結工程は、前記成型工程で使用した型を焼結用型として兼用して実施することを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の振動発電デバイスの製造方法において、
    前記磁歪焼結体は多結晶体であることを特徴とする振動発電デバイスの製造方法。
  9. 振動源からの振動を受けて伝搬する被振動体と、
    前記被振動体の少なくとも一部に磁場を作用させる磁場作用手段と、
    前記被振動体のうち前記磁場作用手段による磁場の作用領域に設けられ、磁歪結晶材料を含む磁歪部品と、
    前記磁歪部品の周囲に巻かれ、前記磁歪部品の磁歪結晶材料の歪みに依存して電磁誘導するコイルと、を備えた振動発電デバイスに用いられる前記磁歪部品を製造するに際し、
    前記磁歪部品は前記被振動体に設置される前に製造されるものであって、
    粉末状の磁歪結晶材料を予め決められた前記磁歪部品形状の型に充填して加圧成形する成型工程と、
    前記成型工程にて成形された前記磁歪結晶材料を含む磁歪成形体を放電プラズマ焼結にて磁歪焼結体とする放電プラズマ焼結工程と、
    を経て製造されることを特徴とする磁歪部品の製造方法。
JP2019013595A 2019-01-29 2019-01-29 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法 Active JP7247605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019013595A JP7247605B2 (ja) 2019-01-29 2019-01-29 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019013595A JP7247605B2 (ja) 2019-01-29 2019-01-29 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020122176A JP2020122176A (ja) 2020-08-13
JP7247605B2 true JP7247605B2 (ja) 2023-03-29

Family

ID=71993458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019013595A Active JP7247605B2 (ja) 2019-01-29 2019-01-29 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7247605B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018148791A (ja) 2016-04-19 2018-09-20 株式会社サンライフ 発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータ
WO2018230154A1 (ja) 2017-06-16 2018-12-20 国立大学法人東北大学 エネルギー変換部材、振動発電装置、力センサー装置およびアクチュエータ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11189854A (ja) * 1997-10-23 1999-07-13 Alps Electric Co Ltd 磁歪材料
JP4271276B2 (ja) * 1998-03-02 2009-06-03 株式会社三徳 超磁歪素子およびその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018148791A (ja) 2016-04-19 2018-09-20 株式会社サンライフ 発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータ
WO2018230154A1 (ja) 2017-06-16 2018-12-20 国立大学法人東北大学 エネルギー変換部材、振動発電装置、力センサー装置およびアクチュエータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020122176A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100006183A1 (en) Method for producing a giant magnetostrictive alloy
JP6122882B2 (ja) 磁歪部材およびその製造方法
JP5815655B2 (ja) R−t−b−m−c系焼結磁石の製造方法、及びその製造装置
JPWO2012036294A1 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP6514752B2 (ja) Fe系非晶質軟磁性バルク合金、その製造方法、およびその使用
JP7285424B2 (ja) 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法
JP2018041777A (ja) メタルボンド磁石およびその製造方法
JP2017010960A (ja) 比抵抗が大きいSmFeN系のメタルボンド磁石成形体
EP0449665B1 (en) A process for producing a rare earth-iron-boron magnet
CN1171247C (zh) 制造叠层永磁体的方法
JP6613730B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP6780707B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP7247605B2 (ja) 振動発電デバイスの製造方法及び磁歪部品の製造方法
JP2020035887A (ja) 磁歪素子およびそれを用いた磁歪式振動発電装置
JP2002270416A (ja) バルク状異方性希土類永久磁石及びその製造方法
CN102744406B (zh) 全致密各向异性纳米晶NdFeB块状磁体材料的制备方法
JP4855837B2 (ja) FeSi2系熱電変換材料及びその製造方法
JP2019029502A (ja) 振動発電用磁歪材料
JP2018073988A (ja) 等方性バルク磁石および等方性バルク磁石の製造方法
JP2579787B2 (ja) 永久磁石の製造法
JP3315235B2 (ja) 磁歪式アクチュエータ
JP2007281009A (ja) 機能性複合材料
Tian et al. Microstructural, phase transformation and magnetic properties of Ni—Mn—Ga alloy fabricated by spark plasma sintering
JP2020009886A (ja) 焼結磁石の製造方法
JP2003328009A (ja) 高性能磁性材料の製造方法およびその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7247605

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150