JP2018148791A - 発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 起電力が増加し且つ製造コストを抑えて大量生産を可能とする逆磁歪式の発電素子発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータを提供する。
【解決手段】 本発明の発電素子は、磁性材料からなり閉磁気回路を形成するための屈曲部を有するフレームヨークと、前記フレームヨークの一部に形成される磁性部と、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石とを備える逆磁歪式の発電素子において、前記磁性部は前記磁歪板に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有すると共に前記磁石の磁気バイアスによって磁気飽和しており、前記磁歪板は前記磁性部と平行になるように前記フレームヨークに取り付けられており、前記コイルは前記磁歪板と前記磁性部とから成る平行梁部及び/又は前記フレームヨークに巻かれており、外力の付加により前記磁歪板が伸長又は収縮して発電する。
【選択図】図1

Description

本発明は逆磁歪効果を利用する発電素子に関し、特に起電力が増加し且つ製造コストを抑えて大量生産を可能とする発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータに関する。
近年、身近な振動を利用して発電する技術の開発が進んでおり、その技術の1つに強磁性体の磁歪効果を利用するものがある。
磁歪効果とは強磁性体に磁場を付与した際(強磁性体が磁化した際)に変形する効果を指し、磁歪効果による変形量が大きい材料は磁歪材料と呼ばれる。
磁歪材料はまた、外力の付加に起因してその内部に生じる圧縮/引張応力によって変形し、磁化(磁力線)を大きく変化させる逆磁歪効果も備えており、例えば圧縮力を受けて1テスラ以上も磁力線が変化する材料も存在する。逆磁歪効果による磁束の時間的変化を利用する発電素子は小さな外力の付加に対して高効率で発電できるため注目が高まっている(特許文献1及び2)。
図33に逆磁歪効果を利用する発電素子の一般的な構成を示す。
この発電素子200は発電部201とフレーム202と磁石203から概略構成されている。
発電部201は磁歪材料からなる磁歪棒201a、磁歪棒201aに巻かれるコイル201b、磁歪棒201aに一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有しており磁歪棒201aと平行に配置される磁性棒201cから概略構成される。
フレーム202はコ字状に屈曲した磁性材料からなり、当該屈曲箇所を挟んで一方の端部が固定端、他方の端部が自由端になる。フレーム202の外側面の一部を切り欠くことで凹部が形成されており、磁歪棒201aをこの凹部に嵌め込みその両端を半田や溶接等でフレーム202に接合している。また、フレーム202の内側面に磁石203を取り付けることでフレーム202の一部をバックヨークとして機能させると共に当該磁石203を取り付けない側の内側面と当該磁石203との聞に空隙204を形成している。
そして、フレーム202の一部に外力を付加することでフレーム202を振動させ、逆磁歪効果を利用して発電部201で発電する仕組みになっている。
特許第4905820号公報 国際公開第2015/141414号
ところが、上述した従来技術では次のような問題が生じる。
すなわち、発電部での起電力(電圧)を増加させる手段としてコイルの巻数を大きくすることが挙げられるが、コイルを磁歪棒と磁性棒に挟まれた空間内に収める必要があることから、コイルの巻数を大幅に増やすことが難しいという問題がある。また、コイルの線径を小さくすることで巻数を増やすことも考えられるが、線径を小さくすることでコイルの抵抗が増加してしまうという問題がある。
また、磁歪棒の両端をフレームに対して半田や溶接等により接合する際の温度上昇によりコイルの被覆が溶けてしまうという問題もある。
また、フレームの一部を切り欠いて凹部を形成するなど形状が複雑になるため、フレームの製造にワイヤー放電加工等の手が掛かる作業が必要になり、これが発電素子の製造コストを増加させる一因となっている。
本発明は、このような問題を考慮して、起電力が増加し且つ製造コストを抑えて大量生産を可能とする逆磁歪式の発電素子発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の発電素子は、磁性材料からなり閉磁気回路を形成するための屈曲部を有するフレームヨークと、前記フレームヨークの一部に形成される磁性部と、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石とを備える逆磁歪式の発電素子において、前記磁性部は前記磁歪板に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有すると共に前記磁石の磁気バイアスによって磁気飽和しており、前記磁歪板は前記磁性部と平行になるように前記フレームヨークに取り付けられており、前記コイルは前記磁歪板と前記磁性部とから成る平行梁部及び/又は前記フレームヨークに巻かれており、外力の付加により前記磁歪板が伸長又は収縮して発電することを特徴とする。
また、前記平行梁部であって、前記磁性部の表面上に前記磁歪板が積層されて成る積層部を備えることを特徴とする。
また、コ字状のバックヨークを備えており、前記磁石が前記バックヨークの各端部に取り付けられており、当該両磁石が前記フレームヨークの側面に対して空隙をあけた状態で挟んで位置するように、前記バックヨークが前記フレームヨークに支持されることを特徴とする。
また、前記フレームヨークの前記両磁石に挟まれている箇所の幅が変化しており、前記フレームヨークが移動することで前記空隙の幅が変化することを特徴とする。
また、前記コイルの空芯部内と前記平行梁部との間に空隙を保つように前記コイルが前記フレームヨークの固定端側に固定されていることを特徴とする。
また、前記フレームヨークが、2つ以上の部材を連結して構成されることを特徴とする。
また、前記フレームヨークの一部がその幅方向に狭く及び/又は厚み方向に薄くなっており、この狭く及び/又は薄くなっている箇所を前記磁性部とすることを特徴とする。
また、前記磁性部の幅と前記磁歪板の幅が等しく、且つ前記フレームヨークのうち前記磁性部以外であって前記閉磁気回路の磁路として機能する部分の幅が、前記磁性部の幅の2倍以上であることを特徴とする。
また、前記フレームヨークが前記自由端を2つ以上、前記固定端を1つ備えており、前記平行梁部を1つ以上の前記自由端側に設けることを特徴とする。
また、前記磁石が電磁石であることを特徴とする。
また、外力を付加するためのスイッチ機構を前記フレームヨークの一部に備えることを特徴とする。
本発明の発電素子の製造方法は、上記発電素子の製造方法において、前記フレームヨークを塑性加工により製造することを特徴とする。
また、前記フレームヨークを曲げ加工によりコ字状に成形することを特徴とする。
また、前記コイルを前記フレームヨークの端部から挿入し、前記平行梁部まで移動させて固定することを特徴とする。
本発明のアクチュエータは、上記発電素子と同一の構造を備えており、前記コイルに電流を流すことで前記磁歪板が伸縮し、前記フレームヨークの自由端が振動することを特徴とする。
本発明の発電素子では磁性部を磁石の磁気バイアスによって磁気飽和させる。仮に磁性部が磁気飽和していない状態で発電素子を励振させると、磁歪板から出た磁束が磁性部に流れることで新たなループが形成されてしまい、起電力が小さくなってしまう。磁性部を磁気飽和させることで上記新たなループが形成されることを防止し、起電力を大きくすることができる。
図34に磁化曲線のグラフを示す。
このグラフはFeGa合金の無負荷(0MPa)、圧縮(-20MPa)及び引張り(20MPa)における磁化曲線と、SPCC材の磁化曲線の関係を示している。
圧縮(-20MPa)と引張り(20MPa)は外力付加に伴う発電素子の振動下での変形であり、この程度の応力で磁束密度が変化することが分かる。
SPCC材は磁性材料であって磁歪材料ではないため応力が発生しても磁化曲線は変化しない。
平行梁部のFeGa合金の磁歪板とSPCC材のフレームヨークの磁性部が同じ長さの場合、FeGa合金とSPCC材には磁気バイアスによって同じ磁界が付加される。例えば点線(3kA/m程度)の磁界を付加すると、FeGa合金は応力の影響によって○−○の間で磁束密度が変化するのに対し、SPCC材の磁性部は磁気飽和の状態であるため□で示すとおり応力の影響をほとんど受けず、磁束密度がほぼ変化しない。
一方、フレームヨークのうち磁性部以外の部分は■の状態で、磁歪板及び磁性部(平行梁部)の2倍以上の幅を取ってあるため、磁気飽和の状態でなく、磁束の変化を通す機能を有することが分かる。
本明細書において磁性部が「磁気飽和している」とは、図の点線の枠で囲んだ状態を指し、振動に伴う磁歪板の磁束密度変化と比較して磁性部の磁束密度があまり変化しない場合(例えば10%以下)の場合に磁性部が磁気飽和しているとする。
また、上述のとおり、従来の発電素子ではコイルを磁歪棒(磁歪板)だけに巻いていたため、磁歪棒と磁性棒に挟まれた空間内にコイルを収める必要があった。
一方、本発明の発電素子は平行梁部やフレームヨークにコイルを巻くので、コイルの厚さに制約がなく、コイルの巻数を大幅に増やすことができる。また、線径が太いコイルを使用できる。したがって、起電力を大きくしながらコイルの抵抗を小さくできる。
また、上述のとおり、従来の発電素子では磁歪棒に空芯のコイルを挿入したあと、磁歪棒の両端をフレームヨークに対して溶接等により接合していたため、コイルの被覆が溶けるという問題があった。
一方、本発明の発電素子では、平行梁部にコイルを巻く場合、磁歪板の両端をフレームヨークに接合したあと、空芯のコイルをフレームヨークの端部から挿入して平行梁部まで移動させればよいので、コイルの被覆が熱で溶けることがない。これにより発電素子の製造コストを抑えて大量生産が可能になる。
特に、平行梁部のうち、磁性部の表面に磁歪板を積層して成る積層部を用いることで、磁歪板をフレームヨーク(磁性部)に強固に固定できる。また、磁歪板の両端をフレームヨークに接合する構成と比較して、積層部の場合は磁歪板の両端に応力集中が生じたり、振動時に平行梁部がいびつな変形をしたりすることがないので、振動を発生させやすくできる。
また、コ字状のバックヨークを用いて、バックヨークの両端部に取り付けた各磁石をフレームヨークの側面に対して空隙をあけた状態で挟んで配置してもよい。
磁石をフレームヨークの内面側に配置する場合、振動時にフレームヨークが磁力で引っ張られることにより変形し、磁石とフレームヨークの間の空隙がなくなる(磁石がフレームヨークに接触する)事態が想定される。
そこで、コ字状のバックヨークの両端部に取り付けた磁石を用いて、フレームヨークの側面と磁石の間に空隙を設けることで、振動時に磁石がフレームヨークに接触する事態を防止できる。
また、バックヨークをコ字状にする場合にはその肉厚を増して剛性を高めることで、バックヨークの変形量を少なくし、空隙を小さくできる。
バックヨークに磁石を2つ配置してフレームヨークを挟む構造にすることで磁力による引張力の影響を相殺でき、また磁路の面積を2倍にできるので磁気抵抗を半分にできる。
また、フレームヨークの一部であってバックヨークの2つの磁石に挟まれている箇所の幅を変化させると共に、バックヨークを移動させて両磁石の位置を変えることにより空隙の幅が変化させることにしてもよい。
この場合、空隙の幅が変化すると磁束密度が変化するので、これを利用して磁性部の磁気バイアスを調整できる。
また、コイルをフレームヨークの固定端側に固定して、コイルの空芯部内と平行梁部との間に空隙を保つようにすれば、振動する平行梁部がコイルに干渉しない構造にすることができる。これにより、振動周波数を増加させ、発生電圧を増加させることができる。
また、フレームヨークを2つ以上の部材を連結して構成してもよい。例えば、フレームヨークを、固定端を含む第1部材と自由端を含む第2部材とを連結して構成してもよい。振動を発生させやすくするにはフレームヨークを一体の部材で成形するのが望ましいが、コ字状等にフレームヨークを曲げ加工する際に屈曲箇所に亀裂が生じやすくなる等、耐久性が低下したり、製造コストが増加したりするという問題がある。したがって、曲げ加工を少なくして耐久性向上と製造コストの抑制を図る観点からはフレームヨークを複数の部材に分割するのが好ましい。
また、複数の部材に分割することで、空芯のコイルを各部材の端部から挿入する、又は巻き線機で平行梁部にコイルを直に巻くことができるので生産性や構造の自由度が向上する。
また、一般にフレームヨークの断面はコイルの抵抗を小さくする目的からできるだけ正方形に近い方がよい。第1部材と第2部材でフレームヨークを構成した場合、例えば平行梁部が形成される第1部材の断面を扁平にすることで磁歪板の伸長・収縮量を増加させ、コイルを巻く第2部材の断面を正方形にする等、第1部材と第2部材とで機能に応じて断面形状を変えることができる。
第1部材と第2部材は、互いの接触面積を広くとって接合すれば、フレームヨークを一体の部材で成形した場合と同等の機能を得られる。
また、フレームヨークの一部をその幅方向に狭く及び/又は厚み方向に薄くし、この狭く及び/又は薄くなっている箇所を磁性部にしてもよい。
磁歪板と磁性部の間に空間をあけた一般的な平行梁部の場合、磁歪板の両端とフレームヨークとの接合箇所に振動に起因した剥離や亀裂が入る可能性がある。
そこで、本発明の一例として例えば図35(a)〜(d)に示すようにフレームヨーク30の一部を幅方向にだけ薄くして厚み方向に薄くせず、この薄くなっている箇所を磁性部31とした場合、平行梁部80は磁性部31の表面に磁歪板20が密着した構造になる。この状態での平行梁部80の長手方向に直交する平面における断面形状はほぼT字状になる。磁歪板20と磁性部31とを密着させて平行梁部80の断面形状をT字状にすると平行梁部80の耐久性を高めることができる。
なお、本発明では、磁歪板の長手方向と磁性部の長手方向が平行になっている場合に磁歪板と磁性部とは平行であるとし、この状態で磁歪板と磁性部とで形成される部位を「平行梁部」と表記する。
また、磁性部の幅と磁歪板の幅を等しくし、フレームヨークのうち磁性部以外であって前記閉磁気回路の磁路として機能する部分の幅を前記磁性部の幅の2倍以上にするのが好ましい。
本発明では磁石の磁気バイアスによって磁性部を磁気飽和させるが、磁歪板、コイル、フレームヨークのうち磁性部以外の部分は磁気飽和させない。つまり、磁路として機能するこれらの部分の幅を磁性部の幅の2倍以上確保しておけばこれらの部分が磁気飽和することを防止できる。
また、フレームヨークに自由端を2つ以上、固定端を1つ備えており、平行梁部を1つ以上の自由端側に設けてもよい。この場合、フレームヨークの形状が音叉に近似したものとなり、振動時に2つの自由端が同位相で変形するので振動を持続させることができる。
また、磁石として永久磁石ではなく電磁石を用いてもよい。電磁石のコイルに流す電流を調整することで磁性部の磁気バイアスの量を調整できるという利点がある。
また、発電素子を大型化する場合、ネオジ鉄ボロン系の永久磁石を利用することが困難になる。大型の永久磁石は高価で、また強力な磁力が働くため組み上げが難しくなるのが理由である。このように大型の発電素子には電磁石を用いるのが適している。
また、外力を付加するためのスイッチ機構をフレームヨークの一部に備えることにすれば、発電素子を振動源等に固定しなくても、スイッチ機構の操作によりフレームヨークに振動を与えて発電することができる。
また、上記発電素子の製造方法としてフレームヨークを塑性加工により製造してもよい。塑性加工としては折り曲げやプレス加工等の周知の手法が挙げられる。
磁性部材から成る金属板に対して磁性部となる箇所を作製し、これに対してプレス加工等でフレームヨークの原型を打ち抜き、これに曲げ加工等を施すことでフレームヨークを容易に製造できる。なお、フレームヨークの原型を打ち抜いたあとに磁性部を形成するなど、工程は製造のし易さ及びコストを考慮して適宜変更すればよい。
特に、フレームヨークを曲げ加工でコ字状に成形することにすれば、部品点数が少なくなり、また、少ない工程で高効率の発電素子を製造することができる。
また、空芯のコイルをフレームヨークの端部から挿入して平行梁部まで移動させて固定する方法を採れば、平行梁部の周囲にコイルを巻回していく方法と比較して製造コストを抑制できる。
上記構成の発電素子に対して、フレームヨークを振動させるのではなく、コイルに電流を流すことにすれば、コイルから発生する磁界により磁歪板が伸縮してフレームヨークの自由端が振動するのでアクチュエータとして機能させることができる。
第1の実施の形態の発電素子のA−A’線断面図(a)、側面図(b)、B−B’線断面図(c)及び側面図であって平行梁部の構造が分かるようにコイルの一部を削除した図(d) 振動前の磁力線の流れを示す側面図(a)及び正面図(b)、振動中の磁力線の流れを示す側面図(c)及び正面図(d) 振動中のフレームヨークの変形状態を示す図(a)及び(b) 発電素子の製造方法を示す図(a)〜(g) 第2の実施の形態の発電素子を示す側面図 第3の実施の形態の発電素子を示す側面図 第4の実施の形態の発電素子を示す側面図 第5の実施の形態の発電素子を示す側面図(a)及びその変形例を示す側面図(b) 第6の実施の形態の発電素子を示す側面図(a)及びその変形例を示す側面図(b) 第7の実施の形態の発電素子を示す側面図(a)、背面図(b)及びフレームヨークの固定端側の平面図(c) 第8の実施の形態の発電素子を示す側面図 第9の実施の形態の発電素子を示す側面図 第10の実施の形態の発電素子を示す側面図 第11の実施の形態の発電素子を示す平面図(a)及び側面図(b) 発電素子の製造方法を示す平面図 自由端を2箇所に設けた状態を示す平面図(a)、側面図(b)及び屈曲させる前のフレームヨークを示す平面図(c) 回路素子を設けた状態を示す平面図 フレームヨークを棒状部材と屈曲部材の2つの部材で構成した状態を示す平面図(a)及び側面図(b) 第12の実施の形態の発電素子を示す平面図(a)、A-A’線断面図(b)及び屈曲させる前のフレームヨークを示す平面図(c) 実施例1で使用した発電素子を示す側面図 電圧分布を示すグラフ 実施例2で使用した発電素子を示す写真 発電素子を示す側面図 発生電圧と時間の関係を示すグラフ 発電素子の変形例を示す側面図 実施例3の発電素子を示す平面図(a1)及びA-A’線断面図(a2)、発電素子の比較例を示す平面図(b1)、(c1)及び(d1)、A-A’線断面図(b2)、(c2)及び(d2) 歪みと磁束の関係を示すグラフ(a)及び(b) 実施例4で使用した発電素子を示す写真 電圧/振動加速度の周波数応答を表すグラフ 電圧及び移動加速度の時間変化を表すグラフ 実施例5で使用した発電素子を示す写真 発生電圧の時間変化を表すグラフ 従来の発電素子の側面図(a)及び側面図であって平行梁部の構造が分かるようにコイルの一部を削除した図(b) 磁歪板とフレームヨークの磁化曲線を示すグラフ フレームヨークの変形例及びその製造方法を示す図(a)〜(d)
[第1の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第1の実施の形態について説明する。
図1(a)〜(d)に示すように、本実施の形態の発電素子1は磁歪板20、フレームヨーク30、磁性部31、バックヨーク40、磁石50、コイル60から概略構成され、外力の付加により磁歪板20を伸長又は収縮させることで逆磁歪効果を利用して発電する。なお、図1(d)ではコイル60の一部を削除することで平行梁部80の構造が分かるようにしている。以下の各図においても同様である。
磁歪板20は磁歪材料で構成される棒状部材である。磁歪板20は外力を受けて収縮/伸長するため延性を有する磁歪材料で構成するのが好ましい。磁歪材料の種類は特に限定されるものではないが、例えば鉄ガリウム合金を用いることができ、他には例えば鉄コバルト合金であってもよいし、Fe-Al、Fe-Si-B合金など周知の磁歪材料を利用できる。また、結晶状態の材料だけでなく、アモルファス状態の材料であってもよい。さらに、引張応力に対する磁化の変化を大きくするために、予め応力焼きなまし処理を施すことにより圧縮応力を付加した磁歪材料を用いてもよい。磁歪板20の形状は棒状であればよく、例えば直方体が挙げられる。
磁歪板20はフレームヨーク30の自由端側の上面にはんだ接合、蝋付け、抵抗溶接、レーザ溶接、超音波接合などの周知の手法により取り付けられる。
フレームヨーク30は屈曲部200を備える側面視コ字状であり磁性材料から成る。フレームヨーク30用の磁性材料として炭素鋼(SS400、SC、SK材)、フェライト系ステンレス(SUS430)などを利用できる。
フレームヨーク30は、その長手方向(前後方向)がほぼ水平になるように且つ屈曲部200を挟んで一方の端部が固定端、他方の端部が自由端になるようにいわゆる片持ち梁の状態で固定支持される。本発明において「コ字状」にはフレームヨーク30の自由端側から固定端側に滑らかなカーブを描いて曲がるいわゆる「U字状」も含まれ、また、自由端側と固定端側の間隔が屈曲箇所から自由端側の端部及び固定端側の端部に向かうにつれて次第に広がっていくいわゆる「V字状」も含まれるものとする。
またフレームヨーク30の自由端側には共振周波数を調整するための錘や振動板70が取り付けられており、固定端側には発電素子を振動源71に固定するための金具72が取り付けられている。
磁性部31はフレームヨーク30の一部であって磁歪板20と平行する位置に形成され、磁性部31と磁歪板20とで平行梁部80を構成している。
本実施の形態では、フレームヨーク30の自由端側の一部を厚み方向(上下方向)に薄くすることで磁性部31を形成している。上述のとおりフレームヨーク30は磁性材料から成るため、磁性部31も磁性材料で構成される。
磁性部31はフレームヨーク30に外力が付加された際に、磁歪板20の断面に一様な圧縮力又は引張力を加えられるような剛性及び形状を有している。つまり、外力の付加によりこの平行梁部80が撓む際に、中立軸(応力がゼロになることで収縮/伸長しない軸)を磁歪板20の断面外に位置させるために必要な剛性及び形状を備えるように磁性部31が設計されている。
詳しい説明は後述するが、磁性部31は後述する磁石50の磁気バイアスによって磁気飽和の状態に維持されている。
バックヨーク40は側面視コ字状に屈曲した磁性材料から成り、その一部に磁石50が取りつけられる。バックヨーク40の「コ字状」についても、上記と同様に「U字状」や「V字状」も含まれるものとする。
具体的には図1(c)に示すようにバックヨーク40はその屈曲箇所の内側面においてフレームヨーク30の自由端側の上面に固定(接合)されている。バックヨーク40の両端部の内側面には磁石50が取り付けられている。各磁石50はフレームヨーク30の固定端側の側面に対して空隙90をあけた状態で左右から挟むように取り付け位置が調節されている。
空隙90は振動時に磁石50とフレームヨーク30とが干渉して摩擦が生じない範囲内で、磁気抵抗を小さくするべく可能な限り狭くするのが好ましい。
磁石50は磁歪板20を磁化すると共に磁性部31を磁気飽和の状態に磁化するためにバックヨーク40に取り付けられる。本実施の形態では磁石50として永久磁石50を用いている。
詳しい説明は後述するが、図2に示すように左右の磁石50からの磁力線(磁束)がバックヨーク40、磁歪板20及び磁性部31を通過する一つの閉磁気回路が形成される。
コイル60は平行梁部80に巻かれた状態で固定されており、電磁誘導の法則により磁歪板20内を通る磁力線の時間変化に比例して電圧を発生させる。コイル60の材質は特に限定されるものではないが、例えば銅線を用いることができる。また、コイル60の巻数を変更することにより電圧の大きさを調整できる。
図2(a)及び(b)の実線に示すように、磁石50の起磁力により磁束が空隙90、バックヨーク40、平行梁部80を含むフレームヨーク30に流れ、再び磁石50に戻ることで磁気ループを形成しており、これにより各部に磁気バイアスがかかった状態になっている。
平行梁部80を構成する磁歪板20と磁性部31のうち、磁歪板20には適度な磁束密度の磁束が流れており、磁性部31は磁気飽和の状態にある。「適度な磁束密度」とは、磁気飽和に至らない程度の磁束密度であればよく、好ましくは飽和磁束密度の半分程度を指す。例えばFe-Ga合金の場合、飽和磁束密度が1.5T程度であることから、その半分の0.7T〜0.8T程度が好ましい適度な磁束密度にあたる。
図3に示すように発電素子1を、金具72を介して振動源71に固定した状態で外力を付加して励振させると、錘70にはその質量と振動加速度に比例した慣性力が作用する。例えば慣性力が上向きの場合、平行梁部80はその外力がつくる矢印の曲げモーメントにより屈曲し、フレームヨーク30の両端部が開くように変形する(図3(a))。このとき平行梁部80の中立軸(応力がゼロになる)は、磁歪板20と磁性部31の間にあり、結果、磁歪板20の内部の応力は一様な圧縮になる。一方、慣性力が下向きの場合、矢印の曲げモーメントによりフレームヨーク30の両端部が閉じるように変形する(図3(b))。このとき磁歪板20の内部の応力は一様な引っ張りになる。この結果、逆磁歪効果によって磁歪板20を流れる磁束が前者では減少、後者では増加する。
なお、磁歪板内の応力が一様な引っ張り、もしくは圧縮になるための条件は、応力がゼロになる中立軸が、平行梁部の空隙、もしくは磁性部に存在することである。
この磁束の変化に関し、図2(c)及び(d)に示すように磁性部31には変化がほとんど生じず、大部分は点線で示す空隙90、バックヨーク40、磁歪板20、フレームヨーク30(磁性部31を除く部分)で構成されたループで環流する。変化した磁束が磁性部31に流れないのは、磁気飽和している磁性部31はその透磁率が非常に小さい状態にあり、磁気抵抗が大きいためである。
結果として、磁歪板20に生じる磁束の変化は、コイル60が巻かれた平行梁部80の鎖交磁束の変化と等しくなり、その時間変化によりコイル60に起電力(誘導電圧又は誘導電流)が発生する。
このように本発明は磁性部31を磁気飽和させる点に大きな特徴がある。仮に磁性部31が磁気飽和していない状態で発電素子1を励振させると、磁歪板20から出た磁束が磁性部31に流れることで新たなループが形成されてしまい、これにより上記鎖交磁束が減り、起電力が小さくなってしまうからである。
なお、本発明では磁性部を磁石の磁気バイアスによって磁気飽和させるが、これは換言すると磁歪板、バックヨーク、フレームヨークのうち磁性部以外の部分は磁石の磁気バイアスによって磁気飽和させないことを意味する。
磁性部31の形状は、発電素子1で発電を行う際の定格の振動下において、当該磁性部31が磁気飽和し、且つ磁歪板20に一様な圧縮又は引張りの応力を付与できる形状にする必要がある。一例として、磁歪板20の材料としてFe-Ga合金を利用した場合、磁性部31の左右の幅2mm、上下の厚さ0.5mm程度が好ましい。また、フレームヨーク30の材料としてSUS430もしくはSS400、SC50鋼を利用した場合、磁性部31の左右の幅2mm、上下の厚さ0.5mm、平行梁部80(磁歪板20及び磁性部31)の長さ7mm、磁歪板20と磁性部31の空間が1mm程度が好ましい。
次に、図4を参照して本実施の形態の発電素子の製造方法を説明する。
まず、磁性材料からなる金属板をプレス加工で棒状に打ち抜く。この際に、一部を切り欠くことで薄くなった箇所が磁性部31になる(図4(a)及び(b))。
次に、棒状部材をその中央付近で折り曲げることでフレームヨーク30を形成する(図4(c))。フレームヨーク30の屈曲箇所が屈曲部200にあたる。
フレームヨーク30には必要に応じて、加工歪みの除化、弾性の回復、引張強度(バネ性)を高める目的で焼き鈍し等の熱処理を施し、その後防錆用の表面処理を施すのが好ましい。
そして、別途作製した磁歪板20を磁性部31近傍に溶接等で接合後、必要に応じてメッキ等の防錆処理等を施すことで平行梁部80を形成する(図4(d))。
その後はフレームヨーク30の端部側からコイル60を挿入し(図4(e))、2つの磁石50を取り付けたコ字状のバックヨーク40をフレームヨーク30の自由端側に取り付け(図4(f))、固定端側に振動源71への固定金具72、自由端側に必要に応じ錘70などを取り付けて発電素子1が完成する(図4(g))。
このように、本発明の発電素子1は平行梁部80にコイル60を巻くので、コイル60の巻数を大幅に増やすことができる。
なお、本実施の形態ではコイル60を自由端側に巻いたが、コイル60は振動を避ける観点から固定端側に設けたり、バックヨーク40に巻いたりしてもよい。また、平行梁部80とフレームヨーク30の両者、フレームヨーク30とバックヨーク40の両者又は平行梁部80とバックヨーク40の両者にコイル60を巻いてもよい。更には平行梁部80、フレームヨーク30及びバックヨーク40の三者にコイル60を巻いてもよい。特に明記しない限り、以下の各実施の形態においても同様である。
また、本実施の形態では平行梁部80をフレームヨーク30の自由端側に設けたが、これに限らず固定端側でもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第2の実施の形態について説明するが、上記第1の実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように本実施の形態の発電素子2は平行梁部80をフレームヨーク30の屈曲部200に設ける点に特徴を有する。
平行梁部80のうち磁歪板20をフレームヨーク30の屈曲箇所の前面(外面)に取り付け、磁性部31をフレームヨーク30の屈曲箇所の後面(内面)に設けている。
この発電素子2への外力の付加は自由端側の端部に行ってもよく、或いは第1の実施の形態と同様に固定端側の端部に振動体を取り付け、当該振動体で行ってもよい。
本実施の形態のように屈曲部200に平行梁部80を設けることで、振動時に自由端側の長手方向(前後方向)に対して垂直に作用する力によって曲げモーメン卜のみが平行梁部80に作用することになるので発電効率を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第3の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように本実施の形態の発電素子3は、バックヨーク40がフレームヨーク30の自由端側の内面に取り付けられ、バックヨーク40の先端に磁石50が取り付けられている点に特徴を有する。
このような構造を備える場合、フレームヨーク30の両端部が開くように変形している間は空隙90が広がり、磁気抵抗が大きくなるので磁歪板20の磁束密度が減少する。また、上述のとおり圧縮応力により磁歪板20の磁束密度が減少する。一方、フレームヨーク30の両端部が閉じるように変形している間は空隙90が狭まり、磁気抵抗が小さくなるので磁歪板20の磁束密度が増加する。また、上述のとおり引張応力により磁歪板20の磁束密度が増加する。このように空隙90の幅の増加/減少にともなう磁束密度の減少/増加と、磁歪棒に生じる圧縮応力/引張応力の変化に伴う磁束密度の減少/増加とを一致させることができるので起電力を更に増加することができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第4の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように本実施の形態の発電素子4は、フレームヨーク30の自由端側の端部が上方に屈曲している点に特徴を有する。屈曲箇所に錘70を付けてもよい。
上記第1の実施の形態はフレームヨーク30の自由端側に対して鉛直方向(上下方向)から外力が作用する場合に適した構造であるが、本実施の形態は自由端側の端部に対して水平方向(前後方向)から外力が作用する場合にも対応できる構造になる。自由端側の端部に対して水平方向から外力が作用すると、上方への屈曲箇所に曲げモーメン卜が作用し、この曲げモーメン卜によってフレームヨーク30全体が振動し、磁歪板20に引張/圧縮応力が作用することになる。なお、自由端側の端部の屈曲箇所の位置を固定支持箇所の直上にすれば固定支持箇所に生じる曲げモーメン卜と剪断力を極力小さくでき、振動を発生させやすくできる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第5の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)に示すように本実施の形態の発電素子5は、フレームヨーク30が、固定端を含む第1部材30aと自由端を含む第2部材30bとを連結して構成されている。そして、自由端側となる第2部材30bの端部に磁石73を備えると共に、固定端側となる第1部30a材の一部から長手方向にのびるスイッチ板74を備える点に特徴を有する。
スイッチ板74は磁石73と着脱自在な磁性材料から成る。スイッチ板74に磁石73が磁着した状態からスイッチ板74を矢印で示すように下方に押し下げることで磁着が解除され、自由端側が上方に跳ね上がることで振動する仕組みになっている。これによりスイッチをオン/オフするワンクリック動作で電力を容易に得ることが可能になる。なお、この構成ではスイッチ板74は発電素子5とは別部品になるが、図8(b)に示すようにスイッチ板74の一部に磁石73を取り付けることでスイッチ板74をバックヨーク40として利用することもできる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第6の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)に示すように本実施の形態の発電素子6は、フレームヨーク30が自由端を2つ、固定端を1つ備えており、平行梁部80を2つの自由端側の各々に設ける点に特徴を有する。
具体的には、フレームヨーク30が固定端を含む第1部材32と、自由端を含む第2部材33及び第3部材34とを連結して構成されており、全体として音叉に近似した形状になっている。この場合、振動時に2つの自由端が同位相で変形するので振動を持続させることができる。
また、図9(b)に示すようにフレームヨーク30が自由端を2つ以上(例えば4つ)備えていてもよい。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第7の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図10(a)〜(c)に示すように本実施の形態の発電素子7は、フレームヨーク30の固定端側が先端に向かうにつれて幅が狭くなっており、バックヨーク40及び2つの磁石50の位置を変えることができる点に特徴を有する。
バックヨーク40及び磁石50の位置を変えるための機構としては特に限定されないが、例えばバックヨーク40の内側面に左右方向にのびる凸部を設け、フレームヨーク30の自由端側の表面に左右方向にのびる凹部を設け、凸部を凹部に嵌め込むことでバックヨーク40の左右方向への移動を凹部によって案内する仕組みにすればよい。
バックヨーク40を左右方向に移動させると2つの磁石50の位置が変わり、これにより空隙90の幅が変化する。空隙90の幅が変化すると磁束密度が変化するので、これを利用して磁性部31の磁気バイアスを調整できる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第8の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図11に示すように本実施の形態の発電素子8は、第3の実施の形態の発電素子3において、バックヨーク40に取り付けた磁石50の替わりに電磁石51をコイル60と共にフレームヨーク30の自由端に巻いた点に特徴を有する。
電磁石51のコイルに流す電流を調整することで磁性部31の磁気バイアスの量を調整できる。
[第9の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第9の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように本実施の形態の発電素子9は、フレームヨーク30を棒状部材35と屈曲部材36とで構成している。
棒状部材35の一方の端部は振動源71に取り付けられており、他方の端部には錘70が取り付けられている。棒状部材35の中央には平行梁部80が設けられており、この平行梁部80にコイル60を巻いている。振動源71からの振動が棒状部材35に伝達されて平行梁部80で発電される。
本実施の形態の発電素子9は錘70によって共振周波数を調整でき、また一般的な片持ち梁と同様に扱うことができる。
[第10の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第10の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように本実施の形態の発電素子10は、第9の実施の形態の発電素子9の天地を反転させると共に屈曲部材36の端部を延長して錘70を取り付けた点に特徴を有する。
[第11の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第11の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図14(a)及び(b)に示すように本実施の形態の発電素子11は、磁性部201の表面に磁歪板20を積層することで積層部202を構成した点に特徴を有する。
すなわち、上記第1の実施の形態等では、フレームヨーク30の一部を厚み方向(上下方向)に薄くすることで磁性部31としたが、本実施の形態ではフレームヨーク203の厚みを均一にしており、その幅を狭く(細く)した箇所を磁性部201にしている。そして、この磁性部201の表面に磁歪板20を平行に積層することで積層部202を構成している。このように、積層部202は平行梁部80の下位概念であり、換言すると積層部202は平行梁部80に含まれる。
この発電素子11の製造方法は、まず図15に示すように、一方の端部が細くなるように板材をプレス加工等の周知の手法により切り出し、点線箇所で上方に折り曲げることでU字状のフレームヨーク203を形成する。
細くなっている部分は磁性部201にあたる。
磁歪板20の幅は磁性部201の幅と等しくなっており、且つフレームヨーク203のうち磁性部201以外であって閉磁気回路の磁路として機能する部分の幅が磁性部201の幅の2倍以上になっている。
そして、接着剤や溶接等の周知の手法により磁性部201の表面に磁歪板20を固着させることで磁性部201と磁歪板20を積層する。
次に、コイル60を自由端側の端部から差し込み、積層部202を覆う位置まで移動させて固定する。また、もう1つのコイル60aを固定端側の端部から差し込み、積層部202の下方で固定することで上下2箇所で発電する構成にしている。なお、コイルは上下いずれか1箇所のみでもよい。
フレームヨーク203の固定端側の端部をU字状してこの部分にボルトの軸(図示略)を差し込むことで発電素子11を固定することができる。
本実施の形態の発電素子11は、積層部202の周囲にコイル60を取り付けるのでコイル60の層厚(巻数)を大きくすることができる。また、コイル60,60aをフレームヨーク203の端部から挿入して移動させるだけでいいので製造コストを更に抑えて大量生産が可能になる。
また、磁性部201の幅を他の部分より細くすることで磁性部201が磁気飽和し易く(磁束を通し難く)なり、他の部分が磁気飽和し難く(磁束を通し易く)なる。また、フレームヨーク203の固定端側の幅が自由端側の幅と比較して相対的に太くなるので、接着剤や両面テープで固定し易くなる。
また、磁性部201の表面に磁歪板20を積層するので、第1の実施の形態に示した発電素子1のように磁歪板20の両端部のみをフレームヨーク30の上面に取り付ける場合と比較して、磁歪板20をフレームヨーク203(磁性部201)に強固に固定できる。また、第1の実施の形態の発電素子1では振動時に磁歪板20の両端部に応力集中が生じたり、磁歪板20が磁性部31とは異なったいびつな変形をする可能性があるが、本実施の形態の発電素子11では応力集中が生じたり、磁歪板20がいびつな変形をすることがないので、振動を発生させやすくできる。
なお、図16(a)〜(c)に示すように自由端を2箇所設けてもよい。この場合、磁性部201にあたる箇所が2本になるように板材を切り出し、各磁性部201に磁歪板20を積層してコイル60を巻く。各自由端側の端部に取り付ける錘104の重さを調節したり、あるいは自由端の長さを調節したりして2つの自由端の共振周波数を異ならせることで、幅広い周波数で発電することができる。自由端を3箇所以上設けてもよい。また、図16(d)に示すように積層部202を1つだけ設けることにしてもよい。
また、図17に示すようにフレームヨーク203の固定端側に回路素子204を設けたり、発電素子11をフレームヨーク203の固定端側の端部のみで固定する場合に、一部を細くすることで振動エネルギーの散逸を防いだりすることもできる。
また、図18(a)及び(b)に示すようにフレームヨーク205を、板状部材205aと屈曲部材205bの2つの部材で構成してもよい。
板状部材205aはその一方の端部が自由端、他方の端部が固定端であり、中央に積層部202とコイル60を備える。
屈曲部材205bの一方の端部には磁石50が取り付けられており、他方の端部は板状部材205aの固定端の近傍に固定されている。
他にも図18(c)及び(d)に示すように上下2枚の板状部材205cの間に連結部205dを接合したり、図18(e)に示すように屈曲部を含んだ一枚の板状部材205eで構成したりしてもよい。
[第12の実施の形態]
次に、本発明の発電素子の第12の実施の形態について説明するが、上記各実施の形態と同一の構造になる箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図19(a)〜(c)に示すように本実施の形態の発電素子12は、一枚の板材がフレームヨーク206とスイッチ機構207の一部を兼ねる点に特徴を有する。
具体的には、図19(c)に示すように板材の一部をコ字状に切り抜くことでフレームヨーク206の自由端とスイッチ板207aを形成し、これをU字状に折り曲げることでスイッチ板207a以外の部分をフレームヨーク206とする。
図19(a)及び(b)に示すようにスイッチ板207aの下面にヨーク207bを取り付け、ヨーク207bの一部に磁石50を取り付ける。磁石50はフレームヨーク206の自由端に対して磁着する。スイッチ板207aの上面には操作部207cを取り付ける。
操作部207cを押し下げるとフレームヨーク206の自由端が磁石50から外れて自由振動するので積層部202で発電できる。
図20に示す発電素子100に対して一巻きのピックアップコイル101を巻く位置を変化させてその発生電圧を比較した。
具体的には、コ字状のフレームヨーク102の自由端側の内面にバックヨーク103を取り付け、その端部に錘104を取り付けた。また、フレームヨーク102の固定端側に平行梁部105を設け、その端部を振動源106に固定した。ピックアップコイル101は磁歪板107、磁性部108、平行梁部105(磁歪板107+磁性部108)、フレームヨーク102の各々に巻いている。
各部の材質及び寸法は以下のとおりである。
・磁歪板107:鉄ガリウム合金で幅2mm、厚さ0.5mm、長さ13mm(接合部両端3mm、ハンダにてフレームヨーク102に接合)。
・フレームヨーク102:材質はSK2材(焼き入れ炭素鋼、磁性体)、幅2mm、厚さ1mm。錘104、バックヨーク103及び磁性部108を一体成形。
・磁性部108:幅2mm、厚さ0.3mm。
・平行梁部105:磁歪板107と磁性部108の空間の厚さ0.7mm。
・磁石109:永久磁石で材質はネオジ鉄ボロン。幅2mm、長さ3mm、厚さ1mm。フレームヨーク102との空隙110の厚さ0.5mm。
振動源106を共振周波数322Hzで駆動すると、磁歪板107内に一様な引っ張りと圧縮の応力が交互に発生し、逆磁歪効果によって交番上の磁束の変化が生じる。そして、磁束の時間変化に比例して電圧が発生する。ピックアップコイル101の発生電圧は磁束の時間変化と一致するので、これに巻数を掛けると発生(開放)電圧が試算できる。
図21に電圧分布を示す。
磁歪板107と平行梁部105(磁歪板107+磁性部108)の電圧はほぼ同じであるが、磁性部108の電圧は小さくなった。これは磁性部108が磁気飽和の状態にあるため、磁束の変化が発生しにくくなっていることを示している。つまり平行梁部105(磁歪板107+磁性部108)の発生電圧が、磁歪板107の発生電圧とほぼ同じになるのは、磁性部108が磁気飽和の状態にあるためである。
このように、従来の逆磁歪式の発電素子のように磁歪板107のみにコイルを巻いた場合、コイルの厚みが平行梁部105の空間の厚さで制約を受けるのに対し、本発明のように平行梁部105全体にコイルを巻くことでこの制約を無くすことができるという原理が実証された。
なお、フレームヨーク102の電圧は磁歪板107と等しくなると期待したが、本実施例の構成ではフレームヨーク102の電圧は磁歪板107の電圧よりも小さかった。これは磁束の漏れが生じたためと推測できる。磁束の漏れは磁気回路を改良することで小さくできる。
以上のように、コイルを平行梁部105に巻いた場合、コイルを磁歪板107に巻いた場合と同程度の電圧を得ることができ、コイルをフレームヨーク102に巻いた場合もある程度の電圧を得ることができることが分かった。
図22に示すように第11の実施の形態で示した発電素子11を作製して上下2つのコイルの電圧を測定した。図23は本実施例の発電素子の構成を模式的に表した図である。
フレームヨークはU字状であり、SPCC(冷間圧延材)の0.5mm厚の板から成形した。磁歪板の形状は幅2mm厚さ0.5mm長さ16mmで、磁性部、すなわち磁歪板を積層する部分の幅が同じく2mm、フレームヨークの磁性部以外の部分の幅は6mmである。上側のコイル60(コイル1)は線径0.05mm、層厚1mm、長さ7mm、巻き数1700、下側のコイル60a(コイル2)は線径0.05mm、層厚1mm、長さ9mm、巻き数1800である。永久磁石は幅2mm、長さ3mm、厚さ2mmとした。またフレームヨークの自由端側の端部には錘を取り付けるためのL字型の部材を取り付けた。
フレームヨークの固定端側をボルトで固定して自由端側を弾くことで自由振動させ、発生した電圧を測定した結果を図24に示す。180Hzの周波数で振動し、コイル1では最大2V程度の電圧が発生した。またコイル1とコイル2の電圧波形はおおよそ同じで、コイル2の電圧はコイル1より小さくなったが、これは漏れ磁束のためである。
以上、漏れ磁束によって若干電圧は減少するが、磁歪板で変化した磁束はU字状のフレームヨークを流れることで、コイル2にも電圧が発生することが確認できる。
なお発生電圧を増加させるためには振動周波数を増加させるのがよいが、実際には積層部に巻いたコイル1が錘となるため周波数を増加させ辛い。この解決案として、図25のように積層部202とコイル1(60)の間に空隙を設け、振動する積層部202がコイル1に干渉しない構造(コイル1の空芯部内を積層部202が振動する構造)にするのがよい。この場合、コイル1の下側をフレームヨークの固定端側にスペーサ等を介して固定し、またフレームヨークの固定端側の全体も固定するのがよい。
図26に示すように4種類の発電素子A〜Dを作製して歪と磁束の関係をグラフ化した。発電素子A〜Dの各フレームヨークの幅Tは6mmであり、磁気バイアスを与える永久磁石として2×3×2mmのネオジム磁石を利用した。
図26(a1)及び(a2)の発電素子Aは磁性部と磁歪板を積層した構成である。磁性部は磁気飽和しており、フレームヨークのうち磁性部以外の部分は磁気飽和していない。磁性部の幅は2mmである。
図26(b1)及び(b2)の発電素子Bはフレームヨークのうち屈曲部分まで磁性部と同じ幅の2mmで細くした構成である。磁性部及び屈曲部分は磁気飽和している。
図26(c1)及び(c2)の発電素子Cは、フレームヨークの厚さを発電素子Aのフレームヨークの厚さの2倍にすると共に屈曲部分まで磁性部と同じ幅2mmで細くした構成である。磁性部及び屈曲部分は磁気飽和していない。
図26(d1)及び(d2)の発電素子Dは発電素子Aと同一の形状であるが、フレームヨークを非磁性材料(SUS304)で形成した構成である。但し、フレームヨークが磁気回路の役割を果たさないため、永久磁石を積層部の両端に配置している。
以上のとおり、発電素子Aは本発明に含まれ、発電素子B〜Dは本発明の発電素子に含まれず比較例となる。
発電素子A〜Dにおいて、磁歪板は共に2×0.5×16mmのFe-Ga合金とし、フレームヨークは発電素子A及びBでは0.5mm厚のSPCC板、発電素子Cでは1mm厚のSPCC板、発電素子DではSUS304の板より成形した。
発電素子A〜Dの各磁歪板の中央に歪みゲージを接着した。また発電素子A〜Cでは積層部とフレームヨークの固定端側にそれぞれ1巻のピックアップコイル1,2を巻いた。発電素子Dでは積層部に1巻のピックアップコイルを巻いた。
発電素子A〜Dの固定端側を加振機に固定して励振し、このときの歪み(積層部及びフレームヨークの変形)と磁束の変化の関係を測定した(図27(a)及び(b))。
発電素子Aの積層部は、発電素子B〜Dに比べて歪みに対し磁束が大きく変化している。発電素子Aのフレームヨークの固定端側についても積層部と同じ程度の磁束の変化が発生していることがわかる。
発電素子Bの磁束の変化が積層部及びフレームヨークの固定端側の両者で大幅に小さいのは、磁性部及びこれに続く屈曲部までが磁気飽和していて閉磁路の役割をしないためである。
発電素子Cの磁束の変化が積層部及びフレームヨークの固定端側の両者で大幅に小さいのは、磁性部と磁歪板が共に磁気飽和の状態でないため、磁歪板の磁束変化が磁性部を逆流して磁歪板に戻るという局所的な閉磁路を形成する(全体で外部に現れる磁束変化を打ち消す)ためである。
発電素子Dの磁束の変化が積層部及びフレームヨークの固定端側の両者で大幅に小さいのは、非磁性板は磁束を通さず、閉磁路を形成しないためである。
以上より、本発明の効果が実証された。
図28に示す発電素子を形成して、図29に示す電圧/振動加速度の周波数応答のグラフと、図30に示す電圧及び移動加速度の時間変化のグラフを得た。
具体的には、磁歪板としてFe-Ga合金4mm(幅)×0.5mm(厚)×13mm(長さ)、フレームヨークはSPCC0.5mm厚から成形し、磁性部の幅は磁歪板と同じ4mm、それ以外の部分は12mmとした。磁性部は磁気飽和しており、磁性部以外の部分は磁気飽和していない。
積層部には線径0.05mm、層厚2mm、長さ7mm、巻き数3456ターンの空芯コイルを後から挿入してシリコンで固定した。バイアス用永久磁石として4×3×2mm厚のネオジム磁石を利用した。
フレームヨークの自由端には7gの錘をL字の金具を介し取り付けた。フレームヨークの屈曲部の曲率半径は1.5mmで、屈曲部の変形を抑制するために屈曲部の内面側に直径3mmの鉄の棒を接着した。
フレームヨークの固定端の端をネジで固定し、加振機により正弦波で加振した。
図29に示すように電圧/振動加速度(加速度ピックアップで測定)の周波数応答で38.2Hzに共振周波数があり、共振が鋭い(高いQ値)の特性を有した。
次に38.2Hz, 0.1Gの正弦波で加振したところ、図30に示すよう最大1.34Vの開放電圧を発生した。コイルの抵抗が400Ωであることから、開放電圧の二乗/(4×抵抗)で計算される発生電力は1.12mWと算出される。
以上より、橋梁や自動車のエンジン、コンプレッサ、生産機械などで発生する30Hz, 0.1G程度の微小な加速度であっても無線センサシステムを自立的に動作させるために充分実用的な電圧及び電力を供給できる振動発電デバイスの実現に成功した。
なお、本実施例ではフレームヨークの板材として冷間圧延材SPCCを利用したが、バネ性の高いベーナイト鋼やSK材を利用することでフレームヨークの機械損失が減り、更に感度を上昇させることができると思われる。
図31に示す発電素子を形成した。この発電素子は図28の発電素子とほぼ同一の構成であるが、共振周波数を高くするため自由端側に錘を備えない点と、屈曲部の内面側に鉄の棒を備えない点が異なる。
リモコンの筐体を想定したアクリルプレートに発電素子の固定端側をネジで固定した。アクリルプレートを持ち、先端を指(爪)で弾いたところ発電素子は自由振動し、図32に示すとおり最大27V, 769Hzで自由振動する開放電圧が発生した。振動は0.1秒程度発生した。フレームヨークをU字状にして積層部を設けることで振動が持続する。
電圧を二乗し、時間積分した値を抵抗で除して得られる発生エネルギーは1.8mJとなり、これはリモコンで一回の無線送信に必要なエネルギー0.2mJを大きく上回る値である。
この発電素子に倍電圧整流回路とキャパシタを取り付けて電圧を直流化したものをリモコン用の無線モジュール(IM315TX:インタープラン社製)に供給したところ、一回弾く毎にモジュールが動作し、信号送信することに成功した。
以上より、電池を必要としないリモコンの実現に成功した。
本発明は、起電力が増加し且つ製造コストを抑えて大量生産を可能とする逆磁歪式の発電素子発電素子、発電素子の製造方法及びアクチュエータに関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1〜12 発電素子
20 磁歪板
30 フレームヨーク
30a 第1部材
30b 第2部材
31 磁性部
32 第1部材
33 第2部材
34 第3部材
35 棒状部材
36 屈曲部材
40 バックヨーク
50 磁石
51 電磁石
60 コイル
60a コイル
70 錘, 振動板
71 振動源
72 金具
73 磁石
74 スイッチ板
80 平行梁部
90 空隙
100 発電素子
101 ピックアップコイル
102 フレームヨーク
103 バックヨーク
104 錘
105 平行梁部
106 振動源
107 磁歪板
108 磁性部
109 磁石
110 空隙
200 屈曲部
201 磁性部
202 積層部
203 フレームヨーク
204 回路素子
205 フレームヨーク
205a 板状部材
205b 屈曲部材
205c 板状部材
205d 連結部
205e 板状部材
206 フレームヨーク
207 スイッチ機構
207a スイッチ板
207b ヨーク
207c操作部


Claims (15)

  1. 磁性材料からなり閉磁気回路を形成するための屈曲部を有するフレームヨークと、前記フレームヨークの一部に形成される磁性部と、磁歪材料からなる磁歪板と、コイルと、磁石とを備える逆磁歪式の発電素子において、
    前記磁性部は前記磁歪板に一様な圧縮力又は引張力を加えるための剛性及び形状を有すると共に前記磁石の磁気バイアスによって磁気飽和しており、
    前記磁歪板は前記磁性部と平行になるように前記フレームヨークに取り付けられており、
    前記コイルは前記磁歪板と前記磁性部とから成る平行梁部及び/又は前記フレームヨークに巻かれており、
    外力の付加により前記磁歪板が伸長又は収縮して発電することを特徴とする発電素子。
  2. 前記平行梁部であって、前記磁性部の表面上に前記磁歪板が積層されて成る積層部を備えることを特徴とする請求項1に記載の発電素子。
  3. コ字状のバックヨークを備えており、
    前記磁石が前記バックヨークの各端部に取り付けられており、当該両磁石が前記フレームヨークの側面に対して空隙をあけた状態で挟んで位置するように、前記バックヨークが前記フレームヨークに支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電素子。
  4. 前記フレームヨークの前記両磁石に挟まれている箇所の幅が変化しており、前記フレームヨークが移動することで前記空隙の幅が変化することを特徴とする請求項3に記載の発電素子。
  5. 前記コイルの空芯部内と前記平行梁部との間に空隙を保つように前記コイルが前記フレームヨークの固定端側に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電素子。
  6. 前記フレームヨークが、2つ以上の部材を連結して構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電素子。
  7. 前記フレームヨークの一部がその幅方向に狭く及び/又は厚み方向に薄くなっており、この狭く及び/又は薄くなっている箇所を前記磁性部とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電素子。
  8. 前記磁性部の幅と前記磁歪板の幅が等しく、且つ前記フレームヨークのうち前記磁性部以外であって前記閉磁気回路の磁路として機能する部分の幅が、前記磁性部の幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発電素子。
  9. 前記フレームヨークが前記自由端を2つ以上、前記固定端を1つ備えており、前記平行梁部を1つ以上の前記自由端側に設けることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の発電素子。
  10. 前記磁石が電磁石であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の発電素子。
  11. 外力を付加するためのスイッチ機構を前記フレームヨークの一部に備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の発電素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の発電素子の製造方法において、
    前記フレームヨークを塑性加工により製造することを特徴とする発電素子の製造方法。
  13. 前記フレームヨークを曲げ加工によりコ字状に成形することを特徴とする請求項12に記載の発電素子の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の発電素子の製造方法において、
    前記コイルを前記フレームヨークの端部から挿入し、前記平行梁部まで移動させて固定することを特徴とする発電素子の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の発電素子と同一の構造を備えており、前記コイルに電流を流すことで前記磁歪板が伸縮し、前記フレームヨークの自由端が振動することを特徴とするアクチュエータ。
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