JP2021066627A - 磁歪材料および磁歪素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】Fe−Ga系合金の単結晶から形成される磁歪素子の表面において磁区幅が小さい磁区構造を有する磁歪材料の提供。【解決手段】Fe、Ga及びX(XはSmまたはCe)で構成される単結晶の磁歪材料102であって、式:Fe(100−α−β)−Gaα−Xβ(式中、αはGa含有率(at%)、βはX含有率(at%)である)で表され、また、α及びβは下記不等式:14≦α≦20、0.05≦β≦5を満足し、磁歪材料の単一磁区における最も長い部分の長さが10μm〜30μmであることを特徴とする磁歪材料。【選択図】図1

Description

本発明は、FeGa合金系磁歪材料、特に単結晶FeGa合金系磁歪材料に関する。そのような磁歪材料から製造される磁歪素子は、例えば磁歪式振動発電デバイス等に使用できる。従って、本発明は、磁歪材料から得られる磁歪素子にも関する。
近年、自律的に通信する機能を持ったモノ同士が情報交換を行い、自動的に相互に制御を行う世界、即ち、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)の世界が到来することが期待される。IoTが社会に浸透すると、通信機能を持ったIoTデバイスが大量に出回ることになる。センサーのようなIoTデバイスを動作させるためには電源が必要である。しかし、デバイスの数が膨大になると、配線やメンテナンスの時間およびコストの面で電源確保が困難となる。そのため、IoTの実現にはIoTデバイスに適した電力供給技術が求められる。
こうした背景に基づくと、我々の身の回りのどこにでもある微小エネルギーを電力に変換して活用する技術である「エネルギーハーベスティング」が重要と考えられる。エネルギー源の1つである振動は、自動車、鉄道、機械、または人等が動く度に必ず発生するため、発生箇所が多くあり、気象、天候に左右されないエネルギー源である。そのため、これら移動体の動きと連動したアプリケーションの電源供給を振動発電でまかなうシステムの構築が、IoTの実現の糸口になり得ると考えられる。
振動発電の発電方式は、磁歪式、圧電式、静電誘導式および電磁誘導式の4種に分類される。磁歪式は、応力を加えることで磁歪材料内部の磁場の変化に伴って外部へ漏れた磁束を、巻き付けたコイルを通じて電気に変換する方式であり、他の方式よりも内部抵抗が小さいため、発電量が大きい。また、磁歪材料として金属合金を使用するため耐久性に優れているという特徴を有する。そのため、磁歪式は、振動発電装置の課題の1つである耐久性の向上が可能な方式として期待される。
下記特許文献1には、Fe−Ga合金の単結晶から形成される磁歪部材が開示されている。管状炉より得られる単結晶から、磁歪を必要とする方向に単結晶の<100>方位を揃えて放電加工によって切り出して磁歪部材を形成している。ここでは、図4(I)に示す管状炉が使用され、昇降装置307を用いて溶融状態のFe−Ga合金30Aを、図4(II)にて矢印で示すように、管状炉301内から管状炉外へ引き出すことにより、ルツボ305内の下部から上部に向け一方向凝固することにより、<100>方位の方向に結晶成長が起こる。
国際出願公開第2016−121132号
特許文献1には、Fe−Ga合金の単結晶におけるGa比率が質量基準で19%〜23%であること、また、Fe−Gaの溶融合金を炉外へ引き出す速度が20mm/分以下であることが開示されている。このような条件を考慮した場合、開示されている磁歪部材の磁区構造に関して、その部材表面において単一磁区における最も短い部分の長さが50μm〜150μm程度であろうと推定され、この長さは比較的大きい。
磁歪材料から形成される磁歪素子を磁歪式デバイス(例えば磁歪式振動発電デバイス等)に用いる際には、モジュール構造の小型化の観点から、如何に低磁場で磁束密度の変化(以下、ΔBと呼ぶ)を大きくするか、即ち、如何に磁気モーメントの回転を促すかが重要である。
特許文献1記載の磁歪部材は、結晶の<100>方位を揃えて切り出しているものの、上述のように、磁歪部材表面において単一磁区における最も短い部分の推定長さが推定50μm〜150μm程度と比較的大きい。そのため、磁気モーメントの回転を促すために比較的高い磁場が必要となり、それ故に、そのような部材を用いる場合、モジュール構造の小型化に制約があるという問題がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、Fe−Ga系合金の単結晶から形成される磁歪素子の表面において磁区幅が小さい磁区構造を有する磁歪材料を提供し、また、それから形成される磁歪素子を提供することである。更に、そのような素子を用いてデバイスを形成することによって、素子を含むモジュール構造の小型化に制約が生じないようにすることである。
第1の要旨において、本発明は、Fe、GaおよびX(XはSmまたはCe)で構成される単結晶の磁歪材料であって、
Fe(100−α−β)−Gaα−Xβ (1)
(式中、αはGa含有率(at%)、βはX含有率(at%)である)で表され、また、αおよびβは下記不等式(2)および(3):
14≦α≦20 (2)
0.05≦β≦5 (3)
を満足し、
磁歪材料の単一磁区における最も長い部分の長さが10μm〜30μmであることを特徴とする磁歪材料を提供する。
第2の要旨において、本発明は、第1の要旨の磁歪材料から形成される板状の磁歪素子を提供し、この磁歪素子は、1つの好ましい形態では、その磁歪を必要とする方向が磁歪素子の<100>結晶方位に揃っていることを特徴とする。
本発明の磁歪材料において、表面における磁区構造は、より微細化されており、その結果、磁気モーメントの回転を促すために必要な磁場を小さくすることが可能となる。従って、そのような磁歪材料を用いて磁歪デバイスを形成すると、そのようなデバイスを用いるモジュール構造の小型化に寄与する。例えば、本発明の磁歪素子を有する磁歪式振動発電デバイスを用いると、低磁場における発電量を向上できる。
図1は、本発明の磁歪材料およびそれから製造される本発明の磁歪素子を模式的に示す。 図2は、比較例1と実施例1の磁歪素子における、磁場印加に対する磁区構造の変化を模式的に表す表1を示す。表1中、磁場印加無しは、ゼロ磁場状態の磁区構造を示し、磁場印加0.5kOe、1.2kOe、2kOeは、それぞれ表中に示す矢印Hの磁場印加方向に対する各磁歪要素の磁区構造を示す。 図3は、実施例2〜5ならびに比較例2および3の合金の組成および測定された飽和磁場の結果を含む表2を示す。 図4は、特許文献1にて用いられるFe−Ga合金の単結晶を製造する装置の模式図である。
以下、必要に応じて添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
<磁歪材料>
本発明の磁歪材料は、Fe−Ga−X(XはSmまたはCe)の3元系合金であり、この材料の組成は、材料を構成する原子数基準で、Gaの含有率は14原子%(at%)以上、20原子%以下であり、Xの含有率は0.05原子%以上、5原子%以下であり、Feの含有率は残部である。別の態様では、XはSmおよびCeであってもよい。このような組成は、各種含有率は電子線マイクロアナライザ(EPMA)による点または面分析により測定することができる。
Gaは、Feに固溶することで優れた磁歪特性を示すことが知られている。Ga含有率については20at%を越えて高くなると、結晶構造がbcc相よりもD03型規則格子が支配的になって磁歪特性が低下する可能性がある。また、14at%よりも低くなると、Ga添加による磁歪特性効果が十分に得にくくなる可能性がある。
本発明の磁歪材料は元素X(SmまたはCe)を含み、これらの原子半径は、FeおよびGaよりも大きく、これらの添加によって誘起される局所的な歪み、ならびにSmおよびCeが持つ4f電子の四重極モーメントに起因する一軸磁気異方性によって磁歪特性が得られる。
元素X(SmまたはCe)の含有率が5原子%を越えて高くなると、固溶限界を超えることによる混晶のために磁歪特性が低下する可能性があり、また、0.05原子%よりも低くなると、SmまたはCeの添加による磁歪特性効果が十分に得にくくなる可能性がある。
本発明の磁歪材料は、複数の磁区で構成され、単一磁区における最も長い部分の長さは10μm〜30μmである。この長さは、磁歪材料の表面を観察することによって確認できる。従って、本発明の磁歪材料の表面は複数の磁区で構成され、単一磁区における最も長い部分の長さは10μm〜30μmである。ここで、「単一磁区」は、Keer効果顕微鏡を用いて磁歪材料の表面を観察して得られる画像において確認される磁壁により囲まれた領域を意味する。また、「単一磁区における最も長い部分の長さ」なる用語は、そのようにして確認される磁壁により囲まれた領域における最も長い部分の長さである。具体的には、そのような領域のフェレー(feret)定方向接線径を種々測定し、測定される接線径のうち最も長いものを意味する。
<磁歪材料の製造方法>
本発明の磁歪材料の製造方法は、Fe−Ga−X系合金が得られる方法であれば特に限定されない。例えば、チョクラルスキー法(CZ法)、ブリッジマン法、急冷凝固法等で製造できる。特に、CZ法は、化学組成、結晶方位等に関して精度良く大型の結晶を製造できるので、好ましい。
本発明の磁歪材料が有する磁区構造、即ち、単一磁区における最も長い部分の長さが10μm〜30μmとするために特に好ましい方法では、溶融合金が固体として結晶化していく過程での降温変化の速度、即ち、降温時の温度勾配を0.1〜3℃/分として冷却する。このような範囲より大きい温度勾配は、単結晶化することは可能であるが、磁区構造の粗大化につながり得ることが分かったので、望ましくない。また、このような範囲より小さい温度勾配は、溶融合金が固体として結晶化する過程の変化が見受けられ難いということが分かったので、望ましくない。
従って、本発明は、本発明の磁歪材料の製造方法を提供し、この方法は、溶融合金が固体として結晶化していく過程での降温変化の速度を0.1〜3℃/分として冷却することを特徴する。
<磁歪素子の製造方法>
図1は、本発明の磁歪材料およびそれから製造される磁歪素子を模式的に示した概略図である。本発明の磁歪素子101は、磁歪材料102から放電加工等によって切り出される板状の形状(図1では、板の厚さを省略して図示)を有する。磁歪素子が磁歪を必要とする方向(例えば図1にて示す上向きの矢印Aの方向、即ち、長手方向)が磁歪素子の<100>結晶方位に揃うように加工する。
具体的には、結晶の<100>結晶方位と矢印Aの方向のズレが好ましくは10°以下であること、より好ましくは5°以下であること、特に好ましくは一致するように加工する。尚、磁歪素子の<100>結晶方位は、電子線後方散乱回折法(EBSD)により決定できる。
本明細書において、「板状」なる用語は、薄い形態であることを意味し、例えば、磁歪要素は実質的に直方体の形態を有し、相互に直行する長手方向、幅方向および厚さ方向の寸法(長手方向寸法≧幅方向寸法>厚さ方向寸法)を有する。通常、厚さ方向の寸法は、他の方向(長さ方向L、幅方向W)の寸法との比較において相当小さく、例えば幅方向寸法の1/5以下、好ましくは1/10程度またはそれより小さくてもよい。従って、図1では、厚さ方向の寸法を省略して磁歪素子101を図示している。
本発明の磁歪素子では、上述の「揃う」なる特徴は、磁歪が必要な方向に加えて、他の方向、例えば、素子の幅Wの方向および厚さの方向についても当て嵌まるのが特に好ましい。従って、磁歪素子の各面が、磁化容易軸にあたる<100>結晶方位に揃っているのが特に好ましい。上述のように、「揃う」なる用語は、これらの3つの方向に関してずれが10°以下であることを意味し、このずれは好ましくは5°以下、特に好ましくは上述のように実質的にゼロである。
従って、本発明の磁歪材料から例えば放電加工等によって磁歪素子を切り出す際、磁歪素子の各面が磁化容易軸にあたる<100>結晶方位に揃っている(つまり面直である)ことが磁気モーメントの回転を促進し、ΔBを向上させる観点で望ましい。磁歪素子の各面が<100>結晶方位に揃うとは、[100]、[010]、[001]の各方向に対するズレが10°以下であることを意味する。
<磁区構造>
本発明の磁歪材料から切り出される磁歪素子101の特徴になる磁区構造について図1を用いて説明する。磁歪素子101の主面(板の表面に相当する図1で見える面とその裏側の面)は複数の磁区を含み、各々の磁区は、原子の磁気モーメントが矢印で示すように同じ方向に並んでいる領域を意味し(図中の実線矢印の方向)、通常主面の全体が複数の磁区で占められている。
主面において複数の磁区の存在態様は、Keer効果顕微鏡を用いた方法により主面を観察することにより調べることができる。本発明の実施の磁歪素子101は、図1に模式的に示すように微細な磁区構造を有する。具体的には、単一磁区における最も長い部分(図中にて破線矢印で示す)が10μm〜30μmであり、小さい磁区構造を有することを特徴とする。尚、単一磁区とは周囲を磁壁で囲まれた領域を指し、最も長い部分とはフェレ―定方向接線径が最大となる部分を意味する。
本発明を何等拘束するものではないが、本発明において磁区構造が微細化されるという効果が生じる理由のひとつの可能性として次のようなことが考えられる。本発明の磁歪材料では、SmおよびCeは、FeとそれぞれFe17Sm、FeCeの金属間化合物を形成している可能性があり、これらは、体心立法格子構造(bcc)相との混晶状態で分散していると推察される。SmまたはCeを添加していないbcc相が結晶の主構造となる場合の磁歪材料の磁区構造と比較すると、SmまたはCe添加によりbcc相に対して金属間化合物が微細に分散した混晶状態になることによって磁区構造が微細化し、その結果、磁場印加方向に対して磁気モーメントが完全に揃うのに必要な磁場が小さくて済む効果が生じるものと考えることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
電子天秤を用いてFe(純度99.999%)、Ga(純度99.999%)およびSm(純度99.999%)を秤量して金剛し、組成がFe80.9at%Ga19at%Sm0.1at%である合金原料を得た。
次に、合金原料を、内径50mmのグラファイトルツボの内側に、外径45mmの緻密質アルミナ製ルツボを配置し、合金原料400gを投入した。原料を投入したルツボを育成炉に投入し、炉内を真空にした後、アルゴンガスを導入した。その後、炉内が大気圧となった時点で、装置の加熱を開始し、融液となるまで12時間かけて加熱した。
<100>結晶方位に切り出したFeGa単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液の近くまで降下させた。種結晶を20rpmで回転させながら徐々に降下させて、種結晶の先端を融液に接触させた。その後、ルツボの温度を制御して融液温度を1℃/分の割合で降下させながら、引き上げ速度1.0mm/hrで種結晶を回転させながら上昇させて結晶成長を行った。
その結果、加熱処理された円柱状の単結晶合金を得た。この単結晶合金は、直径50mm、直胴部の長さ100mmであり、円柱高さ方向に<100>結晶方位を有していた。
次に、ワイヤー放電加工によって、得られた単結晶合金の直胴部から、円柱高さ方向(図1のAに沿った方向の長さ;<100>結晶方位)の長さが5mmで、幅方向(図1のWに沿った方向)の長さが5mmで、厚さ(高さ(長手)方向および幅方向を含む平面に対して直交する方向の寸法)が1mmの板状の磁歪素子を切り出した。
素子に磁場を印加しない状態において、磁歪素子の主表面の中央付近の250μm×250μmの領域をKeer効果顕微鏡で磁区構造を観察した。観察した様子を表1の「磁場印加無し」の「実施例1」の欄に描いている。図示するように、実施例1の素子の場合、磁歪材料の単一磁区における最も長い部分の長さが10μm〜30μmであり、代表的には(図2の白抜き矢印で示すように)15μm〜20μmであった。その後、磁場の印加を始め、印加する磁場を大きくして同様に磁区構造を観察した。これらの結果を図2の表(下段)に模式的に示す。
<比較例1>
合金原料の組成をFe82at%Ga18at%となるようにFeおよびGaを混合した以外は、上記実施例1と同様にして、磁歪素子を得た。得られた磁歪素子の表面における磁区構造を、素子に印加する磁場の強度を変えて、観察した。その結果を図2の表(上段)に示す。
実施例1の結果を比較例1の結果と比較すると、磁場を印加しない状態では、比較例1の磁歪素子表面において単一磁区における最も短い部分(フェレ―定方向接線径が最も短い部分)が(図2の白抜き矢印で示すように)100μmと比較的大きい磁区構造であったのに対して、実施例1では単一磁区における最も長い部分(フェレ―定方向接線径が最も長い部分)が上述のように15μm〜20μmと小さい磁区構造を有していた。
磁場を印加して、その強さを大きくすると、磁場印加方向(矢印Hで示す方向)に対して垂直な方向(即ち、図面における横方向)の磁気モーメントが縦方向(磁場印加方向)に変化する。このように磁気モーメントを縦方向に変化させるのに必要な磁場の大きさは、比較例1では2kOeであるのに対して、実施例1では、1.2kOeであった。即ち、比較例1と比較して、実施例1では磁化が飽和する磁場(磁気モーメントが磁場印加方向に完全に揃う時の磁場)が小さくなることが分かる。
<実施例2〜5ならびに比較例2および3>
上記実施例1および比較例1と同様にして、図3の表2に示す組成を有する合金原料を準備して磁歪材料を得、磁歪素子を製造した。表2を参照して説明したように、各磁歪素子の飽和磁場を求めた。その結果を、表2に併せて示す。
比較例2および3と比較して、実施例2〜5では飽和磁場(磁化が飽和する磁場)が小さくなっている。これは、比較例2および3と比較して、実施例2〜5の磁区構造が微細化することにより磁場印加方向に対して磁気モーメントが完全に揃うのに必要な磁場が小さくなったと推察される。
本発明の磁歪素子では、磁歪素子表面における磁区構造を微細化することにより、磁気モーメントの回転を促すために必要な磁場を小さくすることが可能となる。それ故、本発明の磁歪素子は、磁歪素子を用いるモジュール構造の小型化に寄与できる。例えば、本発明の磁歪素子を、例えば磁歪式振動発電デバイス等に用いる際には、モジュール構造を小型化できる。また、低磁場での発電量向上が可能となることで、社会インフラや工場内設備のモニタリング向け自立電源用の磁歪式振動発電デバイス等に積極的に適用することができる。
101 磁歪素子
102 磁歪材料
301 管状炉
302 炉心管
303 ヒータ
304 断熱材
305 ルツボ
306 ルツボ支持台
307 昇降装置
308 ルツボ支持ロッド
309 電熱対
310 真空排気管
30A 磁歪合金材料

Claims (4)

  1. Fe、GaおよびX(XはSmまたはCe)で構成される単結晶の磁歪材料であって、
    Fe(100−α−β)−Gaα−Xβ (1)
    (式中、αはGa含有率(at%)、βはX含有率(at%)である)で表され、また、αおよびβは下記不等式(2)および(3):
    14≦α≦20 (2)
    0.05≦β≦5 (3)
    を満足し、
    磁歪材料の単一磁区における最も長い部分の長さが10μm〜30μmであることを特徴とする磁歪材料。
  2. 磁歪材料は、0.1℃/分〜3℃/分の温度勾配で単結晶化されていることを特徴とする請求項1に記載の磁歪材料。
  3. 請求項1または2に記載の磁歪材料から形成されることを特徴とする磁歪素子。
  4. 素子は板状であって、磁歪を必要とする方向が磁歪素子の<100>結晶方位に揃っていることを特徴とする請求項3に記載の磁歪素子。
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US11309485B2 (en) * 2018-03-26 2022-04-19 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Magnetostrictive material and magnetostriction type device using the same

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