JP2018193275A - 高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来に比べ磁歪特性が高くかつ面内バラツキが5%以下と少ない高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 引上げ成長軸が<100>±0.5°の方位に垂直な切断方向が伸長軸であり、全体がFe1−xGax(x:0,135〜0.17at%)の組成範囲内にあり、面内均一性が±5%以下である高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。【選択図】 図1
Description
本発明は、高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法に係る。
Fe−Ga基合金は大きな磁歪を示すため、アクチュエータや振動発電等に用いる素材として注目されている。なお、Gaの一部を例えばAl、Snその他の元素で置き換えたものもFe−Ga基合金に含まれる。
この合金の磁歪特性は化学組成や結晶方位に大きく依存するため、化学組成や結晶方位を厳密に制御する必要がある。
これまである組成や方位の結晶は、主に、急冷凝固法(特許文献1)、ブリッジマン法や異常粒成長法(非特許文献1、2)により作製されてきた。
上記先行技術記載の従来の方法では、廉価な単結晶を大量に作製することは困難である。
特許文献2では、図2に示すように、ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボとし、該ルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に、前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させる技術が提供されている。この技術によれば、大型の結晶を、化学組成、結晶方位を精度よく、しかも、廉価に製造することが可能となる。
この合金の磁歪特性は化学組成や結晶方位に大きく依存するため、化学組成や結晶方位を厳密に制御する必要がある。
これまである組成や方位の結晶は、主に、急冷凝固法(特許文献1)、ブリッジマン法や異常粒成長法(非特許文献1、2)により作製されてきた。
上記先行技術記載の従来の方法では、廉価な単結晶を大量に作製することは困難である。
特許文献2では、図2に示すように、ルツボを、外側ルツボと、該外側ルツボ内に配置された内側ルツボとからなる二重ルツボとし、該ルツボ内の原料融液に種結晶を接触させた後に、前記種結晶を引き上げて単結晶を育成させる技術が提供されている。この技術によれば、大型の結晶を、化学組成、結晶方位を精度よく、しかも、廉価に製造することが可能となる。
Y.−H.Yoo et al.:J. Applied Physics, 103(2008),07B325,
S.−M. et al. Scripta Mater.,66(2012),307.
しかし、上記従来技術によっても下記の課題を有している。
(1)結晶長尺化につれて結晶欠陥が入りやすい。表面に肌荒れが生じる。結晶内に空孔、異成分晶出物が入りやすい。
(2)磁歪特性に50−350ppmnのバラツキがある。
結晶咲くとき直径自動制御装置をしようしても突然制御が困難になることがある。すなわち、安定的な結晶製造にかける事がある。
Fe−Ga単結晶は固溶体単結晶なので固化率に対応して偏析により結晶組成が変化して磁歪特性が変わる。
結晶育成中に結晶重量が増すとシードが伸び、ロードセルに過信号が入り結晶直径制御が不十分である。
(1)結晶長尺化につれて結晶欠陥が入りやすい。表面に肌荒れが生じる。結晶内に空孔、異成分晶出物が入りやすい。
(2)磁歪特性に50−350ppmnのバラツキがある。
結晶咲くとき直径自動制御装置をしようしても突然制御が困難になることがある。すなわち、安定的な結晶製造にかける事がある。
Fe−Ga単結晶は固溶体単結晶なので固化率に対応して偏析により結晶組成が変化して磁歪特性が変わる。
結晶育成中に結晶重量が増すとシードが伸び、ロードセルに過信号が入り結晶直径制御が不十分である。
現在引上げ軸に平行な面を切断面とし、その面を伸長軸とした単結晶基板が用いられている。
しかし、引上げ軸方向においては、多結晶が存在やサブグレインが存在し、また、組成(特にGa)が均一ではない。従って、面内において磁歪特性にバラツキがある。
本発明は、従来に比べ磁歪特性が高くかつ面内バラツキが5%以下と少ない高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
しかし、引上げ軸方向においては、多結晶が存在やサブグレインが存在し、また、組成(特にGa)が均一ではない。従って、面内において磁歪特性にバラツキがある。
本発明は、従来に比べ磁歪特性が高くかつ面内バラツキが5%以下と少ない高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、引上げ成長軸が<100>±0.5°の方位に垂直な切断方向が伸長軸であり、全体がFe1−xGax(x:0,135〜0.17at%)の組成範囲内にあり、面内均一性が±5%以下である高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板である。
請求項2に係る発明は、x:0,145〜0.16at%である請求項1記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項3に係る発明は、熱歪特性が200ppmを超える請求項1又は2記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項4に係る発明は、磁歪特性が250ppm以上である1ないし3のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項5に係る発明は、磁歪特性が300ppm以上である請求項1ないし4のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項6に係る発明は、引上げ成長軸を<100>±0.5°としてCZ法により引上げを行い、成長軸に垂直方向に切断を行い切断面を伸長軸とすることを特徴とする高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
請求項7に係る発明は、前記引上げは抵抗加熱炉において行う請求項6記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
請求項2に係る発明は、x:0,145〜0.16at%である請求項1記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項3に係る発明は、熱歪特性が200ppmを超える請求項1又は2記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項4に係る発明は、磁歪特性が250ppm以上である1ないし3のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項5に係る発明は、磁歪特性が300ppm以上である請求項1ないし4のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
請求項6に係る発明は、引上げ成長軸を<100>±0.5°としてCZ法により引上げを行い、成長軸に垂直方向に切断を行い切断面を伸長軸とすることを特徴とする高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
請求項7に係る発明は、前記引上げは抵抗加熱炉において行う請求項6記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
引上げは高周波加熱炉を用いて行ってもよい。ただ、高周波加熱炉の場合には冷却に際し、950℃以下では結晶に高周波が乗るため中央と周辺部に歪ができてしまう。一方、抵抗加熱炉を用いた場合には、冷却時に炉内の均一性が保たれるため歪が少なくなり基板の特性が良好となるため好ましい。
また、ホッとゾーンにカーボンを使用する場合には、均熱が保たれ、歪が少ない単結晶インゴットひいては歪が少ない単結晶板が得られる。
本発明によれば、従来に比べ磁歪特性が高くかつ面内バラツキが5%以下と少ない高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板及びその製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[育成装置の形態]
図1は、本発明の単結晶板を製造するための一つの単結晶引き上げ装置の例を説明するための図である。
ルツボを、外側ルツボ(カーボンサセプタ)19と、外側ルツボ19内に配置された内側ルツボ(アルミナルツボ)18とからなる二重ルツボとし、ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
内側ルツボ18の側面と外側ルツボ19の側面とは接触させて配置してもよいし、離間させて配置してもよい。離間させた方がより組成、結晶配向のばらつきの少ない単結晶が得られる。かかる観点からは、離間距離は1mm〜10mmが好ましく、2mmから5mmがより好ましい。また、内側ルツボ18の底面と外側ルツボ19の底部内面との間にはスペーサーを設けることが好ましい。
図1は、本発明の単結晶板を製造するための一つの単結晶引き上げ装置の例を説明するための図である。
ルツボを、外側ルツボ(カーボンサセプタ)19と、外側ルツボ19内に配置された内側ルツボ(アルミナルツボ)18とからなる二重ルツボとし、ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
内側ルツボ18の側面と外側ルツボ19の側面とは接触させて配置してもよいし、離間させて配置してもよい。離間させた方がより組成、結晶配向のばらつきの少ない単結晶が得られる。かかる観点からは、離間距離は1mm〜10mmが好ましく、2mmから5mmがより好ましい。また、内側ルツボ18の底面と外側ルツボ19の底部内面との間にはスペーサーを設けることが好ましい。
本形態を詳細に説明する。
チャンバ11内に設けられた断熱材(耐火材)で形成される加熱室15と、加熱室15の内部に設けられたルツボと、加熱室15の外周に配置された加熱コイル20とを備え、前記ルツボを加熱して得られた原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げ
て単結晶200を育成させる。
前記ルツボは、原料保持用である内側ルツボ18と、内側ルツボ18の外側に間隔を置いて又は置かないで配置された外側ルツボ19とからなる単結晶育成装置である。
チャンバ11内に設けられた断熱材(耐火材)で形成される加熱室15と、加熱室15の内部に設けられたルツボと、加熱室15の外周に配置された加熱コイル20とを備え、前記ルツボを加熱して得られた原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げて単結晶200を育成させる単結晶育成装置である。
ルツボ内の原料融液300に種結晶210を接触させた後に、種結晶210を引き上げ
て単結晶200を育成させる。
前記ルツボは、原料保持用である内側ルツボ18と、内側ルツボ18の外側に間隔を置いて又は置かないで配置された外側ルツボ19とからなる単結晶育成装置である。
以下本形態をより詳細に説明する。
(内側ルツボ)
内側の内側ルツボ18は高融点材料からなる。アルミナが好ましい。
また、マグネシア、パイタリテックな窒化ホウ素(BN)でもよい。
(内側ルツボ)
内側の内側ルツボ18は高融点材料からなる。アルミナが好ましい。
また、マグネシア、パイタリテックな窒化ホウ素(BN)でもよい。
(外側ルツボ)
外側ルツボ19はグラファイトから構成される。グラファイトはIrに比べてはるかに
安価である。また、高周波(RF)に対する発熱効率が極めて良好である。
外側ルツボ19は、底部を有し(有底)、底部の周縁から上方に立ち上げる側壁を有している。
外側ルツボ19はグラファイトから構成される。グラファイトはIrに比べてはるかに
安価である。また、高周波(RF)に対する発熱効率が極めて良好である。
外側ルツボ19は、底部を有し(有底)、底部の周縁から上方に立ち上げる側壁を有している。
グラファイトが発熱した場合に発生するカーボンガスあるいはカーボン粒子が融液に混入しないように、外側ルツボ19の上端(側壁の最上部)の高さは、内側ルツボ18の上端よりも高くなく設定される。図1に示す例では、両者の上端は面一状態となっている。
外側ルツボ19の内部は、内側ルツボ18の外面全体と外側ルツボ19の内面全体が接触するように、外径、内径を適宜設定しておくことが好ましい。底部においても、外側ルツボ19の底部内面が、内側ルツボ18の底部外面と接触させ外側ルツボ19内に内側ルツボ18をスライドさせてはめ込み可能な形状としておくことが好ましい。
外側ルツボ19の内面及び内側ルツボ18の外面は鏡面仕上げしておけば、内側ルツボ18を容易に外側ルツボ19内にスライドさせて収納させることができる。
なお、図1では、内側ルツボ18と外側ルツボ19とを接触させて配置した例を示した
が、Fe0.80Ga0.20よりFeが多くなるか、Gaの置換体により所要温度が高くなる場合はカーボンとアルミナが反応するので、内側ルツボ18の側壁と外側ルツボ19の側壁とを離隔して配置した方がよい。
外側ルツボ19の内部は、内側ルツボ18の外面全体と外側ルツボ19の内面全体が接触するように、外径、内径を適宜設定しておくことが好ましい。底部においても、外側ルツボ19の底部内面が、内側ルツボ18の底部外面と接触させ外側ルツボ19内に内側ルツボ18をスライドさせてはめ込み可能な形状としておくことが好ましい。
外側ルツボ19の内面及び内側ルツボ18の外面は鏡面仕上げしておけば、内側ルツボ18を容易に外側ルツボ19内にスライドさせて収納させることができる。
なお、図1では、内側ルツボ18と外側ルツボ19とを接触させて配置した例を示した
が、Fe0.80Ga0.20よりFeが多くなるか、Gaの置換体により所要温度が高くなる場合はカーボンとアルミナが反応するので、内側ルツボ18の側壁と外側ルツボ19の側壁とを離隔して配置した方がよい。
図1に示すような炉内構造をした高周波誘導加熱式チョクラルスキー炉(CZ法)を用いてFe−Ga単結晶を育成した。
内径103mmのアルミナ製の坩堝に、出発原料としてFeを80at%、Gaを20at%の割合に配合した原料3500g投入した。原料を投入したアルミナ製の坩堝を前記育成炉に投入し、炉内の圧力を減圧雰囲気とし、アルゴンガスを1.0L/minの流量でフローを行った。その後、坩堝の加熱を開始し、Fe−Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(100)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら、徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
その結果、直径50mm、直胴部の長さ100mmの単結晶が得られた。その単結晶上部から水平方向に切り出し得られた結晶材料は、Ga濃度が全部分16%と均一であり、表面の凹凸、内部空孔が無く、磁歪特性も250ppmを超えていた。
内径103mmのアルミナ製の坩堝に、出発原料としてFeを80at%、Gaを20at%の割合に配合した原料3500g投入した。原料を投入したアルミナ製の坩堝を前記育成炉に投入し、炉内の圧力を減圧雰囲気とし、アルゴンガスを1.0L/minの流量でフローを行った。その後、坩堝の加熱を開始し、Fe−Gaの融点に達するまで12時間かけて徐々に加熱した。その後、(100)方位に切り出した単結晶を種結晶として用い、種結晶を融液近くまで降下させた。この種結晶を毎分4.0回転の速度で回転させながら、徐々に降下させ、種結晶の先端を融液に接触させて温度を徐々に降下させながら、実行成長2.0mm/hの速度で種結晶を上昇させて結晶成長を行った。
その結果、直径50mm、直胴部の長さ100mmの単結晶が得られた。その単結晶上部から水平方向に切り出し得られた結晶材料は、Ga濃度が全部分16%と均一であり、表面の凹凸、内部空孔が無く、磁歪特性も250ppmを超えていた。
15 加熱室
18 内側ルツボ
19 外側ルツボ
20 加熱手段(加熱コイル)
200 インゴット(単結晶)
210 種結晶
300 原料融液
18 内側ルツボ
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20 加熱手段(加熱コイル)
200 インゴット(単結晶)
210 種結晶
300 原料融液
Claims (7)
- 引上げ成長軸が<100>±0.5°の方位に垂直な切断方向が伸長軸であり、全体がFe1−xGax(x:0,135〜0.17at%)の組成範囲内にあり、面内均一性が±5%以下である高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
- x:0,145〜0.16at%である請求項1記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
- 熱歪特性が200ppmを超える請求項1又は2記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
- 磁歪特性が250ppm以上である1ないし3のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
- 磁歪特性が300ppm以上である請求項1ないし4のいずれか1項記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板。
- 引上げ成長軸を<100>±0.5°としてCZ法により引上げを行い、成長軸に垂直方向に切断を行い切断面を伸長軸とすることを特徴とする高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
- 前記引上げは抵抗加熱炉において行う請求項6記載の高性能・高品質Fe−Ga基合金単結晶基板の製造方法。
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JP2003286550A (ja) * | 2002-03-27 | 2003-10-10 | Yasubumi Furuya | FeGa合金超磁歪材料 |
JP2016028831A (ja) * | 2014-07-14 | 2016-03-03 | 株式会社福田結晶技術研究所 | Fe−Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置 |
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