WO2015140890A1

WO2015140890A1 - 柱構造及びベース部材

Info

Publication number: WO2015140890A1
Application number: PCT/JP2014/057080
Authority: WO
Inventors: 田中　秀宣; 高橋　秀明
Original assignee: 日立機材株式会社
Priority date: 2014-03-17
Filing date: 2014-03-17
Publication date: 2015-09-24
Also published as: US20150259914A1; JPWO2015140890A1; US9399868B2

Abstract

　柱構造（１０）では、ウェブ（３８Ａ）の幅方向両端にフランジ（３８Ｂ）が一体に設けられた鉄骨柱（３８）がベースプレート（１６）に溶接されている。ここで、第１アンカーボルト（２４）及び第２アンカーボルト（２６）が基礎コンクリート（１２）に係止されており、ベースプレート（１６）が、第１アンカーボルト（２４）にフランジ（３８Ｂ）のウェブ（３８Ａ）とは反対側において固定されると共に、第２アンカーボルト（２６）にフランジ（３８Ｂ）のウェブ（３８Ａ）側において固定されている。このため、柱脚の耐力を効率的に発揮できると共に、ベースプレート（１６）の肉厚寸法を小さくできる。

Description

柱構造及びベース部材

　本発明は、柱部材がベース部材の上側に結合される柱構造及び柱部材が上側に結合されるベース部材に関する。

　特開２０１３－１００６７３号公報では、ベース板の上側に支柱が固着されており、柱材は、ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられて、Ｈ形鋼にされている。

　ここで、ベース板がフランジのウェブ側及びウェブとは反対側において上板に締結されるのみである。

　本発明は、上記事実を考慮し、柱脚の耐力を効率的に発揮できると共にベース部材の肉厚寸法を小さくできる柱構造及び柱脚の耐力を効率的に発揮できると共にベース本体の肉厚寸法を小さくできるベース部材を得ることが目的である。

　本発明の第１態様の柱構造は、ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材と、前記柱部材が上側に結合されるベース部材と、下端側に第１アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止されると共に、上端側に前記ベース部材が前記フランジの前記ウェブとは反対側において固定される第１アンカー部材と、下端側に第２アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止されると共に、上端側に前記ベース部材が前記フランジの前記ウェブ側において固定される第２アンカー部材と、を備えている。

　本発明の第２態様の柱構造は、本発明の第１態様の柱構造において、前記ベース部材が前記フランジの幅方向外側において前記第１アンカー部材及び前記第２アンカー部材の少なくとも一方の上端側に固定される。

　本発明の第３態様の柱構造は、本発明の第１態様又は第２態様の柱構造において、前記ベース部材の下側面に凹部を設けている。

　本発明の第４態様の柱構造は、本発明の第１態様～第３態様の何れか１つの柱構造において、前記ベース部材は、各前記フランジ側に設けられるベース部と、一対の前記ベース部を接続する接続部と、一対の前記ベース部間に設けられる欠如部と、を有する。

　本発明の第５態様の柱構造は、本発明の第１態様～第３態様の何れか１つの柱構造において、前記ベース部材は、各前記フランジ側に設けられると共に、間に隙間が設けられる。

　本発明の第６態様の柱構造は、本発明の第５態様の柱構造において、前記ベース部材に設けられ、前記ウェブの下側において前記フランジの前記ウェブ側に突出される突出部を備えている。

　本発明の第７態様のベース部材は、ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材が上側に結合されるベース本体と、前記ベース本体に前記フランジの前記ウェブとは反対側において設けられ、下端側に第１アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止される第１アンカー部材の上端側に固定される第１固定部と、前記ベース本体に前記フランジの前記ウェブ側において設けられ、下端側に第２アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止される第２アンカー部材の上端側に固定される第２固定部と、を備えている。

　本発明の第８態様のベース部材は、本発明の第７態様のベース部材において、前記第１固定部及び前記第２固定部の少なくとも一方が前記フランジの幅方向外側に配置される。

　本発明の第９態様のベース部材は、本発明の第７態様又は第８態様のベース部材において、前記ベース本体の下側面に凹部を設けている。

　本発明の第１０態様のベース部材は、本発明の第７態様～第９態様の何れか１つの柱構造において、前記ベース本体は、各前記フランジ側に設けられるベース部と、一対の前記ベース部を接続する接続部と、一対の前記ベース部間に設けられる欠如部と、を有する。

　本発明の第１１態様のベース部材は、本発明の第７態様～第９態様の何れか１つの柱構造において、前記ベース本体は、各前記フランジ側に設けられると共に、間に隙間が設けられる。

　本発明の第１２態様のベース部材は、本発明の第１１態様のベース部材において、前記ベース本体に設けられ、前記ウェブの下側において前記フランジの前記ウェブ側に突出される突出部を備えている。

　本発明の第１態様の柱構造では、ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材がベース部材の上側に結合される。

　ここで、第１アンカー部材及び第２アンカー部材の下端側にそれぞれ第１アンカー部及び第２アンカー部が取り付けられて、コンクリートに第１アンカー部材及び第２アンカー部材の下端側が係止される。さらに、ベース部材がフランジのウェブとは反対側及びウェブ側においてそれぞれ第１アンカー部材及び第２アンカー部材の上端側に固定される。このため、柱脚（柱部材からコンクリートへの曲げモーメントの伝達部であり、ベース部材、第１アンカー部材及び第２アンカー部材を含む）の耐力（当該曲げモーメントに対する耐力）を効率的に発揮できると共に、ベース部材の肉厚寸法を小さくできる。

　本発明の第２態様の柱構造では、ベース部材がフランジの幅方向外側において第１アンカー部材及び第２アンカー部材の少なくとも一方の上端側に固定される。このため、柱脚の耐力を一層効率的に発揮できる。

　本発明の第３態様の柱構造では、ベース部材の下側面に凹部が設けられている。このため、ベース部材の水平方向へのずれを抑制できる。

　本発明の第４態様の柱構造では、ベース部材において、各フランジ側にベース部が設けられると共に、一対のベース部を接続部が接続する。

　ここで、一対のベース部間に欠如部が設けられる。このため、ベース部材の重量を小さくできる。しかも、一対のベース部間にはウェブが配置されるため、依然として柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　本発明の第５態様の柱構造では、ベース部材が各フランジ側に設けられると共に、一対のベース部材間に隙間が設けられる。このため、各ベース部材を小さくでき、一対のベース部材の合計重量を小さくできる。しかも、一対のベース部材間にはウェブが配置されるため、依然として柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　本発明の第６態様の柱構造では、ベース部材に設けられた突出部がウェブの下側においてフランジのウェブ側に突出される。このため、突出部にウェブを結合でき、柱部材をベース部材に強固に結合できる。

　本発明の第７態様のベース部材では、ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材がベース本体の上側に結合される。

　ここで、第１アンカー部材及び第２アンカー部材の下端側にそれぞれ第１アンカー部及び第２アンカー部が取り付けられて、コンクリートに第１アンカー部材及び第２アンカー部材の下端側が係止される。さらに、ベース本体がフランジのウェブとは反対側の第１固定部及びフランジのウェブ側の第２固定部においてそれぞれ第１アンカー部材及び第２アンカー部材の上端側に固定される。このため、柱脚（柱部材からコンクリートへの曲げモーメントの伝達部であり、ベース部材、第１アンカー部材及び第２アンカー部材を含む）の耐力（当該曲げモーメントに対する耐力）を効率的に発揮できると共に、ベース本体の肉厚寸法を小さくできる。

　本発明の第８態様のベース部材では、第１固定部及び第２固定部の少なくとも一方がフランジの幅方向外側に配置される。このため、柱脚の耐力を一層効率的に発揮できる。

　本発明の第９態様のベース部材では、ベース本体の下側面に凹部が設けられている。このため、ベース本体の水平方向へのずれを抑制できる。

　本発明の第１０態様のベース部材では、ベース本体において、各フランジ側にベース部が設けられると共に、一対のベース部を接続部が接続する。

　ここで、一対のベース部間に欠如部が設けられる。このため、ベース本体の重量を小さくできる。しかも、一対のベース部間にはウェブが配置されるため、依然として柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　本発明の第１１態様のベース部材では、ベース本体が各フランジ側に設けられると共に、一対のベース本体間に隙間が設けられる。このため、各ベース本体を小さくでき、一対のベース本体の合計重量を小さくできる。しかも、一対のベース本体間にはウェブが配置されるため、依然として柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　本発明の第１２態様のベース部材では、ベース本体に設けられた突出部がウェブの下側においてフランジのウェブ側に突出される。このため、突出部にウェブを結合でき、柱部材をベース本体に強固に結合できる。

本発明の第１実施形態に係る柱構造を示す前方から見た断面図である。本発明の第１実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第２実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第３実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第４実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第５実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第６実施形態に係る柱構造を示す前方から見た断面図である。本発明の第６実施形態に係る柱構造を示す平面図である。本発明の第７実施形態に係る柱構造を示す平面図である。

　［第１実施形態］

　図１には、本発明の第１実施形態に係る柱構造１０が前方から見た断面図にて示されており、図２には、柱構造１０が平面図にて示されている。なお、図面では、前方を矢印ＦＲで示し、右方を矢印ＲＨで示し、上方を矢印ＵＰで示している。

　図１及び図２に示す如く、本実施形態に係る柱構造１０は、コンクリートとしての基礎コンクリート１２に設置されており、基礎コンクリート１２の上面は、平面状にされると共に、上下方向に垂直に配置されている。

　基礎コンクリート１２の上面には、固定手段としてのモルタル１４が固定されており、モルタル１４は、平面視矩形状に設けられている。

　モルタル１４の上面には、ベース部材及びベース本体としての金属製のベースプレート１６が固定されており、モルタル１４は、ベースプレート１６の下側全体に配置されている。ベースプレート１６は、矩形平板状にされており、ベースプレート１６は、長手方向及び幅方向がそれぞれ左右方向及び前後方向に平行に配置されて、左右方向寸法が前後方向寸法に比し大きくされている。

　ベースプレート１６の左側部及び右側部には、前後方向中央側部分において、それぞれ第１固定部としての円状の第１固定孔１８が一対貫通形成されており、第１固定孔１８の軸方向は、上下方向に平行にされている。左側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）の左右方向位置及び右側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）の左右方向位置は、それぞれ一致されており、左側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）と右側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）とは、ベースプレート１６の左右方向中央を通過する左右方向に垂直な垂直面に対し、対称に配置されている。前側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）の前後方向位置及び後側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）の前後方向位置は、それぞれ一致されており、前側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）と後側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）とは、ベースプレート１６の前後方向中央を通過する前後方向に垂直な垂直面に対し、対称に配置されている。

　ベースプレート１６の左側部及び右側部には、前後方向外側部分において、それぞれ第２固定部としての円状の第２固定孔２０が一対貫通形成されており、第２固定孔２０の軸方向は、上下方向に平行にされている。左側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）の左右方向位置及び右側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）の左右方向位置は、それぞれ一致されており、左側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）と右側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）とは、ベースプレート１６の左右方向中央を通過する左右方向に垂直な垂直面に対し、対称に配置されている。前側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）の前後方向位置及び後側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）の前後方向位置は、それぞれ一致されており、前側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）と後側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）とは、ベースプレート１６の前後方向中央を通過する前後方向に垂直な垂直面に対し、対称に配置されている。左側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）は、左側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）に対し右側（ベースプレート１６の左右方向中央側）に配置されており、右側の一対の第２固定孔２０（中心軸線）は、右側の一対の第１固定孔１８（中心軸線）に対し左側（ベースプレート１６の左右方向中央側）に配置されている。

　ベースプレート１６の下面には、各第１固定孔１８及び各第２固定孔２０の周囲において、凹部２２が形成されており、凹部２２の上面（底面）は、平面状にされて、上下方向に垂直に配置されている。凹部２２は、平面視略三角形状にされて、ベースプレート１６外周側へ向かうに従い幅寸法を徐々に大きくされており、凹部２２は、ベースプレート１６の外周外側に開放されている。凹部２２の周面は、水平方向に垂直に配置されており、凹部２２のベースプレート１６中央側端部の周面は、第１固定孔１８又は第２固定孔２０の周面と面一にされている。凹部２２の全体には、モルタル１４が充填されており、ベースプレート１６は、凹部２２の周面によって、モルタル１４に水平方向において係止されている。

　基礎コンクリート１２には、第１アンカー部材としての第１アンカーボルト２４及び第２アンカー部材としての第２アンカーボルト２６がそれぞれ二対固定されており、第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６とは、同一の構成にされている。

　第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６には、円柱状のアンカー本体２８が設けられており、アンカー本体２８は、軸方向が上下方向に平行に配置されて、上端部以外の部分が基礎コンクリート１２に埋め込まれると共に、上端部がモルタル１４に貫通されている。

　アンカー本体２８の下端部には、第１アンカー部又は第２アンカー部を構成する外形多角形筒状の係止ナット３０が同軸上に螺合されると共に、アンカー本体２８の下端部は、係止ナット３０の直上において、第１アンカー部又は第２アンカー部を構成する円環平板状の定着板３２に同軸上に貫通されており、これにより、アンカー本体２８の下端部外周に係止ナット３０及び定着板３２が取り付けられている。係止ナット３０及び定着板３２は、アンカー本体２８の径方向外側に突出されると共に、基礎コンクリート１２に埋め込まれており、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６は、係止ナット３０及び定着板３２によって、基礎コンクリート１２に上下方向において係止されている。

　第１アンカーボルト２４におけるアンカー本体２８の上端部は、ベースプレート１６の第１固定孔１８に同軸上に貫通されており、第２アンカーボルト２６におけるアンカー本体２８の上端部は、ベースプレート１６の第２固定孔２０に同軸上に貫通されている。アンカー本体２８の上端部には、外形多角形筒状の固定ナット３４が同軸上に螺合されると共に、アンカー本体２８の上端部は、固定ナット３４の直下において、円環平板状のワッシャ３６に同軸上に貫通されており、これにより、アンカー本体２８の上端部外周に固定ナット３４及びワッシャ３６が取り付けられている。固定ナット３４とモルタル１４との間には、ワッシャ３６及びベースプレート１６が挟持されており、ベースプレート１６は、第１固定孔１８において第１アンカーボルト２４に固定されると共に、第２固定孔２０において第２アンカーボルト２６に固定されている。

　ベースプレート１６の上面には、中央側部分において、柱部材としての鉄骨柱３８の下端が溶接（結合）されており、鉄骨柱３８の長手方向は、上下方向に平行に配置されている。

　鉄骨柱３８には、長尺矩形平板状のウェブ３８Ａが設けられており、ウェブ３８Ａは、ベースプレート１６の前後方向中央において幅方向を左右方向に平行に配置されると共に、幅方向中央がベースプレート１６の左右方向中央と一致されている。ウェブ３８Ａの幅方向両端には、長尺矩形平板状のフランジ３８Ｂが一体に設けられており、フランジ３８Ｂは、ベースプレート１６の左側部及び右側部において、幅方向を前後方向に平行に配置されている。フランジ３８Ｂは、幅方向中央において、ウェブ３８Ａに接続されており、フランジ３８Ｂは、ウェブ３８Ａに対し前方及び後方に延出されている。このため、鉄骨柱３８は、上下方向から見た断面がＨ字状にされている。

　ベースプレート１６の左側部及び右側部では、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線がフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側かつフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されており、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線がフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側かつフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されている。

　また、柱構造１０は、建造物に複数設けられており、隣設される柱構造１０における鉄骨柱３８の下端部間には、基礎梁（図示省略）が掛け渡されて、基礎梁主筋が配筋される。

　次に、本実施形態の作用を説明する。

　以上の構成の柱構造１０では、ベースプレート１６の上面に鉄骨柱３８が溶接されており、鉄骨柱３８では、ウェブ３８Ａの幅方向（左右方向）両端にフランジ３８Ｂが一体に設けられている。また、ベースプレート１６が、第１固定孔１８において第１アンカーボルト２４に固定されると共に、第２固定孔２０において第２アンカーボルト２６に固定されている。

　ところで、一般に、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６の合計個数（第１固定孔１８及び第２固定孔２０の合計個数に等しい）が多くなる程、ベースプレート１６の肉厚寸法（上下方向寸法）を大きくする必要がある。

　また、ベースプレート１６の左側部又は右側部において、フランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側に中心軸線が配置される第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６の合計個数（第１固定孔１８及び第２固定孔２０の合計個数に等しい）をｎ（本実施形態では２）とし、ｉ番目の第１アンカーボルト２４又は第２アンカーボルト２６（ｉ番目のアンカー本体２８）の軸方向における降伏引張強度をＴｉとし、ｉ番目の第１アンカーボルト２４又は第２アンカーボルト２６（ｉ番目のアンカー本体２８）の中心軸線（ｉ番目の第１固定孔１８又は第２固定孔２０の中心軸線に等しい）のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向外方への離間距離をＬｉとする。さらに、ベースプレート１６の前後方向寸法（幅寸法）をＢとし、ベースプレート１６の肉厚寸法をｔとし、ベースプレート１６材料の降伏点をσとする。

　この場合、一般に、ベースプレート１６は、以下の式１を満たす必要がある。

　ここで、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６が係止ナット３０及び定着板３２によって基礎コンクリート１２に上下方向において係止されている。さらに、ベースプレート１６の左側部及び右側部において、第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）がフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側に配置されると共に、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）がフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側に配置されている。

　このため、地震時等に鉄骨柱３８に下端を中心としたウェブ３８Ａ幅方向（左右方向）への回転モーメントが作用された際でも、ベースプレート１６のウェブ３８Ａ幅方向外側における曲げ変形を第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６によって抑制でき、柱脚（鉄骨柱３８から基礎コンクリート１２への曲げモーメントの伝達部であり、ベースプレート１６、モルタル１４、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６を含む）の耐力（当該曲げモーメントに対する耐力）を効率的に発揮できる。

　しかも、フランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側に、第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）の中心軸線のみが配置されて、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）の中心軸線は配置されないことで、式１の左辺を小さくできて、式１の右辺を小さくできる。これにより、ベースプレート１６の肉厚寸法ｔを小さくできる。

　さらに、第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）がフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されると共に、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）がフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されている。このため、地震時等に鉄骨柱３８に下端を中心としたフランジ３８Ｂ幅方向（前後方向）への回転モーメントが作用された際でも、ベースプレート１６のフランジ３８Ｂ幅方向外側における曲げ変形を第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６によって抑制でき、柱脚の耐力を一層効率的に発揮できる。

　また、ベースプレート１６が凹部２２の周面によってモルタル１４に水平方向において係止されている。このため、地震時等にベースプレート１６に水平方向への荷重が作用された際でも、ベースプレート１６の水平方向へのずれを抑制できる。これにより、鉄骨柱３８、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６のせん断耐力を向上させることができる。

　さらに、隣設される第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６との前後方向及び左右方向における離間距離を大きくできる。これにより、建造物において隣設される柱構造１０における鉄骨柱３８の下端部間に基礎梁主筋を容易に配筋でき、施工性を向上できる。

　［第２実施形態］

　図３には、本発明の第２実施形態に係る柱構造５０が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造５０は、上記第１実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図３に示す如く、本実施形態に係る柱構造５０では、ベースプレート１６の左側部及び右側部において、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線がフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されており、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線がフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されている。

　ベースプレート１６の下面には、各第２固定孔２０の周囲において、凹部２２が形成されていない。

　ここで、本実施形態でも、上記第１実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

　特に、第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）がフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されると共に、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）がフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されている。このため、地震時等に鉄骨柱３８に下端を中心としたフランジ３８Ｂ幅方向（前後方向）への回転モーメントが作用された際でも、ベースプレート１６のフランジ３８Ｂ幅方向外側における曲げ変形を第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６によって抑制でき、柱脚の耐力を一層効率的に発揮できる。

　［第３実施形態］

　図４には、本発明の第３実施形態に係る柱構造６０が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造６０は、上記第１実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図４に示す如く、本実施形態に係る柱構造６０では、ベースプレート１６の左側部及び右側部において、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線がフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されており、ベースプレート１６の前側部及び後側部において、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線とが前後方向位置を一致されている。

　ここで、本実施形態でも、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）がフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されることによる作用及び効果と隣設される第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６との前後方向及び左右方向における離間距離が大きくされることによる作用及び効果とを除き、上記第１実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

　なお、本実施形態では、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線とをフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置した。しかしながら、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線とをフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置してもよい。この場合、ベースプレート１６の下面に、第２固定孔２０の周囲において、凹部２２を形成してもよい。

　さらに、本実施形態では、ベースプレート１６の前側部及び後側部において、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線との前後方向位置を一致させた。しかしながら、ベースプレート１６の前側部及び後側部の少なくとも一方において、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線との前後方向位置を相違させてもよい。

　また、上記第１実施形態～第３実施形態では、ベースプレート１６の右側部及び左側部に第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４をそれぞれ一対設けた。しかしながら、ベースプレート１６の右側部及び左側部の少なくとも一方に第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４をそれぞれ３個以上設けてもよい。

　［第４実施形態］

　図５には、本発明の第４実施形態に係る柱構造７０が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造７０は、上記第１実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図５に示す如く、本実施形態に係る柱構造７０では、ベースプレート１６の左側部及び右側部において、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４がそれぞれ１個設けられており、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線とウェブ３８Ａの肉厚方向（前後方向）中央とが前後方向位置を一致されている。さらに、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線がフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置されている。

　ここで、本実施形態でも、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）がフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置されることによる作用及び効果を除き、上記第１実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

　なお、本実施形態では、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線をフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置した。しかしながら、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線をフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置してもよい。この場合、ベースプレート１６の下面に、第２固定孔２０の周囲において、凹部２２を形成してもよい。

　さらに、本実施形態では、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線とウェブ３８Ａの肉厚方向中央との前後方向位置を一致させた。しかしながら、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線とウェブ３８Ａの肉厚方向中央との前後方向位置を相違させてもよい。

　［第５実施形態］

　図６には、本発明の第５実施形態に係る柱構造１００が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造１００は、上記第３実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図６に示す如く、本実施形態に係る柱構造１００では、ベースプレート１６の左側部及び右側部に、矩形平板状のベース部１６Ａが設けられると共に、一対のベース部１６Ａ間に、矩形平板状の接続部１６Ｄが設けられており、モルタル１４は、一対のベース部１６Ａ及び接続部１６Ｄの下側全体に配置されている。接続部１６Ｄは、長手方向が左右方向に平行に配置されて、一対のベース部１６Ａを接続しており、一対のベース部１６Ａ間には、接続部１６Ｄの幅方向（前後方向）両外側において、平面視矩形状の欠如部１６Ｅが形成されている。一対のベース部１６Ａ、接続部１６Ｄ及び一対の欠如部１６Ｅは、ベースプレート１６の左右方向中央を通過する左右方向に垂直な垂直面に対し対称に配置されると共に、ベースプレート１６の前後方向中央を通過する前後方向に垂直な垂直面に対し対称に配置されている。また、ベース部１６Ａのベースプレート１６左右方向中央側部分は、平面視矩形状の突出部１６Ｃにされている。

　ベースプレート１６の下面には、各第２固定孔２０の周囲においても、凹部２２が形成されており、凹部２２は、ベース部１６Ａの外周側へ向かうに従い幅寸法を徐々に大きくされると共に、ベース部１６Ａの外周外側に開放されている。

　鉄骨柱３８では、各フランジ３８Ｂの下側にベースプレート１６のベース部１６Ａが配置されており、フランジ３８Ｂの下端は、ベース部１６Ａの上面に溶接されている。ベース部１６Ａにおけるフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側は、突出部１６Ｃにされて、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下側には、突出部１６Ｃが配置されており、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下端は、突出部１６Ｃの上面に溶接されている。ウェブ３８Ａの幅方向中央部の下側には、ベースプレート１６の接続部１６Ｄが配置されており、ウェブ３８Ａの幅方向中央部の下端は、接続部１６Ｄの上面に溶接されている。接続部１６Ｄの幅方向中央の前後方向位置は、ウェブ３８Ａの肉厚方向中央の前後方向位置と一致されており、例えば、接続部１６Ｄの幅方向寸法は、ウェブ３８Ａの肉厚方向（前後方向）寸法の３倍以上かつ５倍以下にされている。

　ここで、本実施形態でも、上記第３実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

　さらに、ベースプレート１６では、左側部及び右側部にベース部１６Ａが設けられて、一対のベース部１６Ａ間に欠如部１６Ｅが設けられている。

　このため、ベースプレート１６の重量を小さくでき、ベースプレート１６の材料の使用効率（歩留り）を良くできる。

　しかも、柱脚のウェブ３８Ａ下側部分における耐力の低下は、ウェブ３８Ａによって抑制される。これにより、ベースプレート１６の一対のベース部１６Ａ間は柱脚の耐力に与える影響が小さい部分であり、一対のベース部１６Ａ間に欠如部１６Ｅが設けられても、依然として、柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　さらに、ベース部１６Ａの突出部１６Ｃがウェブ３８Ａの下側においてフランジ３８Ｂよりウェブ３８Ａ側に突出されて、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下端が突出部１６Ｃに溶接されている。しかも、ウェブ３８Ａの下側において接続部１６Ｄが一対のベース部１６Ａを接続して、ウェブ３８Ａの幅方向中央部の下端が接続部１６Ｄに溶接されている。このため、鉄骨柱３８をベースプレート１６に強固に溶接できる。

　なお、本実施形態では、欠如部１６Ｅを平面視矩形状にした。しかしながら、欠如部１６Ｅを平面視三角形状又は平面視台形状等にしてもよい。この場合、欠如部１６Ｅがフランジ３８Ｂ幅方向外側に向かうに従いウェブ３８Ａ幅方向寸法を大きくされてもよい。さらに、この場合、欠如部１６Ｅをフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側のみに設けてもよく、また、欠如部１６Ｅをフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側まで設けてもよい。

　また、本実施形態では、上記第３実施形態において、ベースプレート１６にベース部１６Ａ、接続部１６Ｄ及び欠如部１６Ｅを設けた。しかしながら、上記第１実施形態、第２実施形態又は第４実施形態において、ベースプレート１６にベース部１６Ａ、接続部１６Ｄ及び欠如部１６Ｅを設けてもよい。

　［第６実施形態］

　図７には、本発明の第６実施形態に係る柱構造８０が前方から見た断面図にて示されており、図８には、柱構造８０が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造８０は、上記第３実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図７及び図８に示す如く、本実施形態に係る柱構造８０では、モルタル１４が左側と右側とに設けられており、一対のモルタル１４は、それぞれ平面視矩形状に設けられている。

　ベースプレート１６は、左側と右側とにそれぞれ矩形平板状にされて設けられて、一対のベースプレート１６間に平面視矩形状の隙間１６Ｂが形成されており、左側及び右側のモルタル１４は、それぞれ左側及び右側のベースプレート１６の下側全体に配置されている。一対のベースプレート１６及び隙間１６Ｂは、一対のベースプレート１６の左右方向中央を通過する左右方向に垂直な垂直面に対し対称に配置されると共に、一対のベースプレート１６の前後方向中央を通過する前後方向に垂直な垂直面に対し対称に配置されている。また、ベースプレート１６の隙間１６Ｂ側部分は、平面視矩形状の突出部１６Ｃにされている。さらに、一対のベースプレート１６及び隙間１６Ｂの平面視での形状及び大きさは、上記第３実施形態のベースプレート１６の平面視での形状及び大きさと同一にされており、左側及び右側のベースプレート１６には、それぞれ上記第３実施形態のベースプレート１６の左側部及び右側部における一対の第１固定孔１８及び一対の第２固定孔２０が同様に形成されている。

　ベースプレート１６の下面には、各第２固定孔２０の周囲においても、凹部２２が形成されており、凹部２２は、ベース部１６Ａ外周側へ向かうに従い幅寸法を徐々に大きくされると共に、ベース部１６Ａの外周外側に開放されている。

　鉄骨柱３８では、各フランジ３８Ｂの下側にベースプレート１６が配置されており、フランジ３８Ｂの下端は、ベースプレート１６の上面に溶接されている。ベースプレート１６におけるフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側は、突出部１６Ｃにされて、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下側には、突出部１６Ｃが配置されており、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下端は、突出部１６Ｃの上面に溶接されている。ウェブ３８Ａの幅方向中央部の下側には、一対のベースプレート１６間の隙間１６Ｂが配置されており、ウェブ３８Ａの幅方向中央部の下端は、ベースプレート１６に溶接されていない。

　さらに、各フランジ３８Ｂの下側にベースプレート１６が設けられると共に、一対のベースプレート１６間に隙間１６Ｂが設けられている。

　このため、各ベースプレート１６の平面視での大きさを小さくできて、一対のベースプレート１６の合計重量を小さくでき、一対のベースプレート１６の材料の使用効率（歩留り）を良くできる。

　しかも、一対のベースプレート１６間にはウェブ３８Ａが配置されているため、仮に鉄骨柱３８の下側全体に１つのベースプレート１６が存在しても、柱脚のウェブ３８Ａ下側部分における耐力の低下がウェブ３８Ａによって抑制される。これにより、一対のベースプレート１６間は柱脚の耐力に与える影響が小さい部分であり、一対のベースプレート１６間に隙間１６Ｂが設けられても、依然として、柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　さらに、ベースプレート１６の突出部１６Ｃがウェブ３８Ａの下側においてフランジ３８Ｂよりウェブ３８Ａ側に突出されて、ウェブ３８Ａの幅方向端部の下端が突出部１６Ｃに溶接されている。このため、鉄骨柱３８をベースプレート１６に強固に溶接できる。

　また、ベースプレート１６のウェブ３８Ａ幅方向外側端のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離をＰとし、ベースプレート１６のウェブ３８Ａ幅方向内側端のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離をＱとすると、好ましくは、

　Ｐ＝Ｑ　　・・・　式２

　にされている。

　これにより、第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６とベースプレート１６と鉄骨柱３８との間で応力を効率的に伝達できる。

　さらに、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）の中心軸線のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離が第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）の中心軸線のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離に対し等しく又は小さくされている。このため、第２アンカーボルト２６（第２固定孔２０）の中心軸線のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離が第１アンカーボルト２４（第１固定孔１８）の中心軸線のフランジ３８Ｂに対するウェブ３８Ａ幅方向における離間距離に比し大きくされる場合と異なり、柱脚の耐力を効率的に発揮できる。

　［第７実施形態］

　図９には、本発明の第７実施形態に係る柱構造９０が平面図にて示されている。

　本実施形態に係る柱構造９０は、上記第６実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。

　図９に示す如く、本実施形態に係る柱構造９０では、左側及び右側のベースプレート１６において、突出部１６Ｃのウェブ３８Ａ幅方向（左右方向）内側部分が平面視二等辺三角形状にされており、ベースプレート１６のウェブ３８Ａ幅方向内側端（突出部１６Ｃの突出先端）は、ウェブ３８Ａの下側に配置されている。突出部１６Ｃのウェブ３８Ａ幅方向内側部分は、ウェブ３８Ａ幅方向内側へ向かうに従いフランジ３８Ｂ幅方向（前後方向）寸法を徐々に小さくされており、隙間１６Ｂは、フランジ３８Ｂ幅方向外側に向かうに従いウェブ３８Ａ幅方向寸法を徐々に大きくされている。

　第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線は、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線に対しフランジ３８Ｂ幅方向内側に配置されている。

　ここで、本実施形態でも、上記第６実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

　特に、左側及び右側のベースプレート１６において、突出部１６Ｃのウェブ３８Ａ幅方向内側部分が平面視二等辺三角形状にされることで、突出部１６Ｃが小さくされて、隙間１６Ｂが大きくされている。このため、各ベースプレート１６の平面視での大きさを一層小さくできて、一対のベースプレート１６の合計重量を一層小さくでき、一対のベースプレート１６の材料の使用効率（歩留り）を一層良くできる。

　さらに、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線が第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線に対しフランジ３８Ｂ幅方向内側に配置されることで、隣設される第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６との前後方向及び左右方向における離間距離を大きくできる。これにより、建造物において隣設される柱構造９０における鉄骨柱３８の下端部間に基礎梁主筋を容易に配筋でき、施工性を向上できる。

　なお、本実施形態では、隙間１６Ｂをフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａ側のみに設けた。しかしながら、隙間１６Ｂをフランジ３８Ｂのウェブ３８Ａとは反対側まで設けてもよい。

　また、本実施形態では、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線を第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線に対しフランジ３８Ｂ幅方向内側に配置した。しかしながら、上記第６実施形態において、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線を第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線に対しフランジ３８Ｂ幅方向内側に配置してもよい。しかも、上記第６実施形態及び第７実施形態において、第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線を第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線に対しフランジ３８Ｂ幅方向外側に配置してもよい。

　さらに、上記第６実施形態及び第７実施形態では、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線とをフランジ３８Ｂの幅方向内側に配置した。しかしながら、第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４の中心軸線と第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６の中心軸線との少なくとも一方をフランジ３８Ｂの幅方向外側に配置してもよい。この場合、地震時等に鉄骨柱３８に下端を中心としたフランジ３８Ｂ幅方向（前後方向）への回転モーメントが作用された際でも、ベースプレート１６のフランジ３８Ｂ幅方向外側における曲げ変形を第１アンカーボルト２４及び第２アンカーボルト２６によって抑制でき、柱脚の耐力を一層効率的に発揮できる。

　さらに、上記第６実施形態及び第７実施形態では、一対のベースプレート１６に第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４をそれぞれ一対設けた。しかしながら、一対のベースプレート１６の少なくとも一方に第１固定孔１８及び第１アンカーボルト２４をそれぞれ１個又は３個以上設けてもよい。

　また、上記第１実施形態～第７実施形態では、ベースプレート１６の右側部及び左側部又は一対のベースプレート１６に第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６をそれぞれ一対設けた。しかしながら、ベースプレート１６の右側部及び左側部の少なくとも一方又は一対のベースプレート１６の少なくとも一方に第２固定孔２０及び第２アンカーボルト２６をそれぞれ１個又は３個以上設けてもよい。

　さらに、上記第１実施形態～第７実施形態では、第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６とを同一の基礎コンクリート１２に係止した。しかしながら、第１アンカーボルト２４と第２アンカーボルト２６とを別々の基礎コンクリート１２に係止してもよい。

　１０　　柱構造
　１２　　基礎コンクリート（コンクリート）
　１６　　ベースプレート（ベース部材、ベース本体）
　１６Ａ　ベース部
　１６Ｂ　隙間
　１６Ｃ　突出部
　１６Ｄ　接続部
　１６Ｅ　欠如部
　１８　　第１固定孔（第１固定部）
　２０　　第２固定孔（第２固定部）
　２２　　凹部
　２４　　第１アンカーボルト（第１アンカー部材）
　２６　　第２アンカーボルト（第２アンカー部材）
　３０　　係止ナット（第１アンカー部、第２アンカー部）
　３２　　定着板（第１アンカー部、第２アンカー部）
　３８　　鉄骨柱（柱部材）
　３８Ａ　ウェブ
　３８Ｂ　フランジ
　５０　　柱構造
　６０　　柱構造
　７０　　柱構造
　８０　　柱構造
　９０　　柱構造
１００　　柱構造

Claims

　ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材と、
　前記柱部材が上側に結合されるベース部材と、
　下端側に第１アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止されると共に、上端側に前記ベース部材が前記フランジの前記ウェブとは反対側において固定される第１アンカー部材と、
　下端側に第２アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止されると共に、上端側に前記ベース部材が前記フランジの前記ウェブ側において固定される第２アンカー部材と、
　を備えた柱構造。
　前記ベース部材が前記フランジの幅方向外側において前記第１アンカー部材及び前記第２アンカー部材の少なくとも一方の上端側に固定される請求項１記載の柱構造。
　前記ベース部材の下側面に凹部を設けた請求項１又は請求項２記載の柱構造。
　前記ベース部材は、各前記フランジ側に設けられるベース部と、一対の前記ベース部を接続する接続部と、一対の前記ベース部間に設けられる欠如部と、を有する請求項１～請求項３の何れか１項記載の柱構造。
　前記ベース部材は、各前記フランジ側に設けられると共に、間に隙間が設けられる請求項１～請求項３の何れか１項記載の柱構造。
　前記ベース部材に設けられ、前記ウェブの下側において前記フランジの前記ウェブ側に突出される突出部を備えた請求項５記載の柱構造。
　ウェブの幅方向両側にフランジが一体に設けられた柱部材が上側に結合されるベース本体と、
　前記ベース本体に前記フランジの前記ウェブとは反対側において設けられ、下端側に第１アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止される第１アンカー部材の上端側に固定される第１固定部と、
　前記ベース本体に前記フランジの前記ウェブ側において設けられ、下端側に第２アンカー部が取り付けられてコンクリートに下端側が係止される第２アンカー部材の上端側に固定される第２固定部と、
　を備えたベース部材。
　前記第１固定部及び前記第２固定部の少なくとも一方が前記フランジの幅方向外側に配置される請求項７記載のベース部材。
　前記ベース本体の下側面に凹部を設けた請求項７又は請求項８記載のベース部材。
　前記ベース本体は、各前記フランジ側に設けられるベース部と、一対の前記ベース部を接続する接続部と、一対の前記ベース部間に設けられる欠如部と、を有する請求項７～請求項９の何れか１項記載のベース部材。
　前記ベース本体は、各前記フランジ側に設けられると共に、間に隙間が設けられる請求項７～請求項９の何れか１項記載のベース部材。
　前記ベース本体に設けられ、前記ウェブの下側において前記フランジの前記ウェブ側に突出される突出部を備えた請求項１１記載のベース部材。