JP2016216955A - 外装材取付構造 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、台風等が通過する際には、外装材には長時間に亘って強風が吹き付け、正圧力や負圧力が多数回に亘って作用するとともに、外装材を構造躯体側に押し込む強風が作用し、建物の角度周辺においては、角部を境に風向きが複雑に変化して外装材を剥がそうとする剥離流と呼ばれるビル風が生じる場合があった。よって、従来型の固定プレートと固定用ファスナーとをボルト(以下、連結ボルトという)で連結させる外装材の取り付け接合部の場合、ボルト軸部は断面積が小さく、かつ大きな引張力が多数回に亘って作用するために、疲労破壊する虞があった。
そこで、連結ボルトの疲労破壊を防止するためには、連結ボルトの数を増したり、連結ボルトを大径化するなど、連結ボルトに作用する応力レベルを低下させる必要がある。
しかしながら、連結ボルトの数を増やすと施工手間が増え、また均等に作用するとは限らない。また、部材サイズを大きくすると取付構造の設置スペースが大きくなってしまい、建物の意匠性や室内側の使い勝手が悪くなる。
このような観点から、本発明は、連結ボルトを用いることなく、外装材に固定された固定プレートと構造躯体に固定された固定用ファスナーとの間で、外装材に作用した外部荷重を構造躯体に伝達することが可能な外装材取付構造を提供することを課題とする。なお、本明細書では、風荷重および水平地震荷重を「外部荷重」と定義し、以後記載する。
このような構成によれば、外装材が負圧力(外装材を外側に引っ張る力)を受けた場合であっても、外装材に作用する外部荷重は、接続部材の垂下板部から取付部材の立上板部へと面を介して伝達されるので、連結ボルトを用いる必要はない。接続部材と取付部材とを用いれば、外装材からの荷重を分散して伝達することができるので、部材局所への荷重集中を防止できる。
第二の発明の外装材取付構造は、前記基板部の前記外装材の幅方向一方端部には、前記立上板部と交差する方向に沿って係止板部が設けられており、前記係止板部が前記外装材に固定された前記接続部材の前記垂下板部と係合することを特徴とする。
このような構成によれば、外装材に水平方向の外部荷重が作用した際には、外装材に固定された接続部材が構造躯体に固定された取付部材の係止板部に係止されるので、外装材が水平方向(幅方向)にずれるのを防止できる。
このような構成によれば、外装材が負圧力を受けた場合であっても、外装材を介して伝達される外部荷重は、接続部材の係止部と取付部材の立上板部との面接合によって伝達されるので、連結ボルトを用いる必要はない。また、建物外壁に沿って外装材に外部荷重が作用した場合には、張出部の側面が立上板部のスリットの小口面と接合することで、外装材の水平方向(横方向)へのずれを防止できる。よって、接続部材と取付部材とを用いれば、外装材に加わる外部荷重を分散して伝達することができるので、部材局所への荷重集中を防止できる。
このような構成によれば、上下に並んだ外装材が互いに係止されているので、外装材が負圧力を受けた場合に、一方の外装材に作用する外部荷重は、構造躯体および他方の外装材へ分散して伝達されるので、部材局所への荷重集中を防止できる。また、本発明は、上方側の外装材の下端部に設ける第二接続部材と、下方側の外装材の上端部に設ける第一接続部材を、構造躯体に固定させた1種類の取付部材と接合させる外装材取付構造であるので、構造躯体に固定させる取付部材の数を削減できる。
第一実施形態に係る外装材取付構造1は、構造躯体2に固定された取付部材10(固定用ファスナー)と、外装材に固定された接続部材30(固定プレート)とを備えている。取付部材10は、構造躯体2に固定される基板部11と、基板部11に立設された立上板部12とを有しており、接続部材30は、外装材3の背面から張り出す張出板部31と、張出板部31から下方に延在する垂下板部32とを有している。立上板部12は、垂下板部32よりも外装材3側に配置され、立上板部12と垂下板部32が係合されている。かかる外装材取付構造1は、外装材3に作用した外部荷重を接続部材30から取付部材10へ伝達する際に、各部材の面を介することで、連結ボルトを用いずに済むようにしたものである。本実施形態では、立上板部12が建物の内外方向に二枚設けられており、垂下板部32の表裏両面にそれぞれ当接させることで、外装材3を内側に押す力(正圧力)と外装材を外側に引っ張る力(負圧力)の両方を構造躯体2に伝達させる。
なお、本実施形態においては、外装材3の横方向(幅方向)を左右方向とし、建物内側から外側を見たときの左右を基準とする。
垂下板部32は、張出板部31の先端部(突出部31bの先端部)から下方に延在している。垂下板部32は、張出板部31に対して直交しており、接続部材30は、側面視L字状を呈している。垂下板部32は、建物内側から見て矩形形状を呈している。
取付部材10は、基板部11と立上板部12とを備えている。基板部11は、水平に配置されており、受け板4b上に載置されている。基板部11は、平面視矩形形状を呈している。基板部11の建物内側寄り部分には、ボルト貫通孔11a(図2,3参照)が形成されている。基板部11は、ボルト貫通孔11aに挿通されるハイテンションボルト(HTB)13を介して、受け板4bに固定されている。ボルト貫通孔11aは、ハイテンションボルト13の軸部より太径に形成されたルーズ孔である。ボルト貫通孔4eとボルト貫通孔11aがルーズ孔であることで、取付部材10の設置位置が調整可能である。なお、本実施形態では、ボルト貫通孔4eとボルト貫通孔11aの両方がルーズ孔であるがこれに限定されるものではなく、少なくともボルト貫通孔4eとボルト貫通孔11aの一方がルーズ孔であればよい。
図3に示すように、第一立上板部12aと第二立上板部12bは、ともに正面視矩形形状を呈しており、同じ大きさに形成されている。第一立上板部12aは、基板部11の外側端部から立ち上がっている。第二立上板部12bは、第一立上板部12aより建物内側に位置している。第二立上板部12bの外側表面を含む平面と、第一立上板部12aの内側表面を含む平面との離間距離は、接続部材30の垂下板部32の厚さ寸法と略同等である。つまり、第一立上板部12aと第二立上板部12bとの間に垂下板部32が挿入可能となっている。垂下板部32が、第一立上板部12aと第二立上板部12bとの間に挿入されると、第一立上板部12aは、垂下板部32よりも建物外側(外装材3側)に配置され、第二立上板部12bは、垂下板部32よりも建物内側(構造躯体2側)に配置されることとなる。また、第一立上板部12aの内側表面と垂下板部32の外側表面とが面接触するとともに、第二立上板部12bの外側表面と垂下板部32の内側表面とが面接触することとなる。これによって、立上板部12と垂下板部32とが係合される。
第一立上板部12aの左右幅寸法および第二立上板部12bの左右幅寸法は、ともに基板部11の左右幅寸法の略半分である。外装材3に設けられた左右一対の取付部材10,10のうち、左側の取付部材10(図1中、左手前側に図示)では、第一立上板部12aが左側に配置され、第二立上板部12bが右側に配置されている。一方、右側の取付部材10(図1中、右手奥側に図示)では、第一立上板部12aが右側に配置され、第二立上板部12bが左側に配置されている。
また、外装材3を設置するに際しては、外装材3を垂直に吊り下ろすだけで、接続部材30の垂下板部32を取付部材10の立上板部12に係合させることができるので、締結部材の締付け工程が不要となる。したがって、施工が容易になり、施工手間と施工時間を低減することができる。
さらに、本実施形態では、接続部材30の垂下板部32が、取付部材10の係止板部14に係止されているので、外装材3を横方向に移動させようとする力が作用した場合でも、外装材3が横方向にずれるのを防止できる。
よって、本実施形態による外装材取付構造は、外装材の自重(鉛直力)、および水平地震荷重(面外力、面内力)を負担するファスナ−構造となる。
図4乃至図6に示すように、第二実施形態に係る外装材取付構造1aは、取付部材10aおよび接続部材30aの形状が第一実施形態と異なる。
本実施形態の張出部35は、断面係数が大きく、高剛性の構造性能を備えた矩形状の平鋼材または角形鋼管であることが好ましい。張出部35は、外装材3の背面から構造躯体2側(建物内側)に向かって張り出す部分であって、外装材3の背面に直交している。張出部35が角形鋼管の場合、張出部35は、外装材3に埋設される埋設部35aと、外装材3の背面から突出する突出部35bとを備えている。埋設部35aの基端部(建物外側端部)には、鍔状の引抜防止板37が設けられている。
引抜防止板37は、正面視矩形形状を呈している。引抜防止板37の建物内側の表面には、引抜防止用の第一異形鉄筋6aが埋設されている。第一異形鉄筋6aは、上下方向に延在しており、引抜防止板37の内側表面に溶接されている。第一異形鉄筋6aは、埋設部35aを左右から挟むように2本設けられている。第一異形鉄筋6aよりも外装材3の背面寄りの部分には、引抜防止用の第二異形鉄筋6bが埋設されている。第二異形鉄筋6bは、埋設部35aを左右から挟むように2本設けられており、埋設部35aの側面にそれぞれ溶接されている。
第二係止部36bは、突出部35bの先端部(張出部35の建物内側端部)に設けられた鍔状の板材からなり、第一係止部36aより建物内側に位置している。第二係止部36bは、正面視矩形形状(横長の長方形)を呈している。第二係止部36bの外側表面と、第一係止部36aの内側表面との離間距離は、取付部材10aの立上板部16の厚さ寸法と後記する2枚のすべり材18の厚さ寸法とを加えた距離と略同等である。つまり、第一係止部36aと第二係止部36bとの間に立上板部16と2枚のすべり材18とが挿入可能となっている。
取付部材10aは、基板部15と立上板部16とを備えたアングル材にて構成されている。基板部15は、水平に配置されており、ウェブ7a上に載置されている。基板部15は、平面視矩形形状を呈している。基板部15の建物内側寄り部分には、ボルト貫通孔15a(図4の(b)参照)が形成されている。基板部15は、ボルト貫通孔15aに挿通されるハイテンションボルト13を介して、支持台7に固定されている。ボルト貫通孔15aは、長孔である。長孔は建物の内外方向に延在している。なお、本実施形態では、ボルト貫通孔7cとボルト貫通孔15aは長孔であるが、これに限定されるものではない。たとえば、少なくともボルト貫通孔7cとボルト貫通孔15aの一方をルーズ孔としてもよい。
すべり材は、テフロン(登録商標)やステンレスなどの摩擦係数が小さい面状体である。また、すべり材を介在させることで、外装材の挙動をスムーズにするとともに、金属の摩擦によって発生する音鳴りを防止できる。
また、外装材3を設置するに際しては、外装材3を垂直に吊り下ろすだけで、接続部材30aの係止部36を取付部材10aの立上板部16に係合させることができるので、締結部材の締付け工程が不要となる。したがって、施工が容易になり、施工手間と施工時間を低減することができる。
さらに、本実施形態では、接続部材30の張出部35が、取付部材10aの立上板部16のスリット17に挿入されていて、取付部材10の係止板部14に係止されているので、外装材3を横方向に発生する力(地震時による横方向の発生する力)に対して、外装材3が横方向にずれるのを防止し、力を支持できる。移動させようとする力が作用した場合でも、外装材3が幅方向にずれるのを防止できる。
ところで、外装材3の外力は、風力で決定する場合と、面内方向の地震力で決定する場合がある。外装材3に埋設された張出部35が角型であるので、外力が大きい方向に対しての断面係数を、丸型よりも容易に設定できるので、サイズ変更も行い易い。
また、張出部が角形管形状の場合は、張出部の内部は空洞であり、かつ角形管形状であることで、軽量で高剛性による接続部材を実現できる。
図7に示すように、第三実施形態に係る外装材取付構造1bは、取付部材10bと接続部材30bの形状が第一実施形態と異なる。具体的には、接続部材30bの垂下板部41が、建物外内方向に間隔をあけて配置された二枚の板材からなるとともに、取付部材10bの立上板部21は一枚の板材からなっている。
立上板部21は、基板部20に立設された一枚の板材からなる。立上板部21は、基板部20の表面に対して直交し、且つ外装材3の背面と平行に配置されている。立上板部21は、基板部20の表面に溶接されている。
垂下板部41は、第一垂下板部41aと第二垂下板部41bの二枚の板材からなる。第一垂下板部41aと第二垂下板部41bは、ともに正面視矩形形状を呈しており、同じ大きさに形成されている。第二垂下板部41bは、第一垂下板部41aよりも建物内側に位置している。第二垂下板部41bの外側表面を含む平面と、第一垂下板部41aの内側表面を含む平面との離間距離は、取付部材10bの立上板部21の厚さ寸法と2枚のすべり材18の厚さ寸法とを加えた距離と略同等である。つまり、第一垂下板部41aと第二垂下板部41bとの間に立上板部21が挿入可能となっている。立上板部21が、第一垂下板部41aと第二垂下板部41bとの間に挿入されると、第一垂下板部41aは、立上板部21よりも建物外側(外装材3側)に配置され、第二垂下板部41bは、立上板部21よりも建物内側(構造躯体2側)に配置されることとなる。また、第一垂下板部41aと立上板部21との間にはすべり材(図示せず)が介設されている。第二垂下板部41bと立上板部21との間にもすべり材(図示せず)が介設されている。つまり、第一垂下板部41aの内側表面と立上板部21の外側表面とがすべり材を介して面接触するとともに、第二垂下板部41bの外側表面と立上板部21の内側表面とがすべり材を介して面接触することとなる。これによって、垂下板部41と立上板部21が係合される。
張出板部40は、第一張出板部40aと第二張出板部40bの二枚の板材からなる。第一張出板部40aは第一垂下板部41aを支持し、第二張出板部40bは第二垂下板部41bを支持している。
第一張出板部40aおよび第二張出板部40bの基端部は、それぞれ外装材3内に埋設されている(図示せず)。この図示しない埋設部には、上下方向に延在する異形鉄筋(図示せず)が貫通して固定されている。
図8に示すように、第四実施形態に係る外装材取付構造1cは、取付部材10cおよび接続部材30cの形状が第一実施形態と異なる。具体的には、接続部材30cの垂下板部43が、建物外内方向に間隔をあけて配置された二枚の板材からなるとともに、取付部材10cの立上板部21は一枚の板材からなっている。また、第三実施形態と異なるのは、二枚の垂下板部43,43は、一枚の張出板部42に支持されている点である。
立上板部23は、一枚の板材からなる。立上板部23は、基板部20の表面に対して直交し、且つ外装材3の背面と平行に配置されている。立上板部23は、基板部22の表面に溶接されている。
垂下板部43は、第一垂下板部43aと第二垂下板部43bの二枚の板材からなる。第一垂下板部43aおよび第二垂下板部43bは、同じ形状で同じ大きさに形成されている。第二垂下板部43bは、張出板部42の先端部(内側端部)から垂れ下がっている。第一垂下板部43aは、第二垂下板部43bより建物外側に位置している。第二垂下板部43bの外側表面と、第一垂下板部43aの内側表面との離間距離は、取付部材10cの立上板部21の厚さ寸法と2枚のすべり材18の厚さ寸法とを加えた距離と略同等である。つまり、第一垂下板部43aと第二垂下板部43bとの間に立上板部23が挿入可能となっている。立上板部23が、第一垂下板部43aと第二垂下板部43bとの間に挿入されると、第一垂下板部43aは、立上板部23よりも建物外側に配置され、第二垂下板部43bは、立上板部23よりも建物内側に配置されることとなる。
また、第一垂下板部43aと立上板部23との間にはすべり材(図示せず)が介設されている。第二垂下板部43bと立上板部23との間にもすべり材(図示せず)が介設されている。これで、第一垂下板部43aの内側表面と立上板部23の外側表面とがすべり材を介して面接触するとともに、第二垂下板部43bの外側表面と立上板部23の内側表面とがすべり材を介して面接触することとなる。これによって、垂下板部43と立上板部23が係合される。
図9に示すように、第五実施形態に係る外装材取付構造1dは、取付部材10dの形状が第一実施形態と異なる。具体的には、取付部材10dの立上板部25は建物外内方向に間隔をあけて配置された二枚の板材からなるとともに、立上板部25の左右幅寸法は基板部24の左右幅寸法と同じになっている点である。接続部材30dは、張出板部44と垂下板部45とを備えている。接続部材30dは、第一実施形態の接続部材30と同等の形状である。
立上板部25は、基板部24に立設された二枚の板材(第一立上板部25a,第二立上板部25b)からなる。第一立上板部25aおよび第二立上板部25bは、同じ形状で同じ大きさに形成されている。第一立上板部25aは、基板部24の外側端部から立ち上がっている。第二立上板部25bは、第一立上板部25aより建物内側に位置している。第二立上板部25bの外側表面と、第一立上板部25aの内側表面との離間距離は、接続部材30dの垂下板部45の厚さ寸法と2枚のすべり材(図示せず)の厚さ寸法とを加えた距離と略同等である。つまり、第一立上板部25aと第二立上板部25bとの間に垂下板部45が挿入されている。第一立上板部25aは、垂下板部45よりも建物外側に配置され、第二立上板部25bは、垂下板部45よりも建物内側に配置されている。
垂下板部45と第一立上板部25aとの間にすべり材(図示せず)が介設され、垂下板部45と第二立上板部25bとの間にすべり材(図示せず)が介設されている。第一立上板部25aの内側表面と垂下板部45の外側表面とがすべり材を介して面接触するとともに、第二立上板部25bの外側表面と垂下板部45の内側表面とがすべり材を介して面接触することとなる。これによって、立上板部25と垂下板部45が係合される。
第一立上板部25aの左右幅寸法および第二立上板部25bの左右幅寸法は、ともに基板部11の左右幅寸法と同等である。つまり、第一実施形態の第一立上板部12aと第二立上板部12bは正面視で左右にオフセットして配置されていたが、本実施形態の第一立上板部25aと第二立上板部25bは正面視で重なった位置に配置されている。
以上のような第三乃至第五実施形態に係る外装材取付構造1b,1c,1dにおいても、第一実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
図10乃至図12に示すように、第六実施形態に係る外装材取付構造101は、構造躯体2に固定された取付部材110と、下側の外装材3aに固定された第一接続部材120と、上側の外装材3bに固定された第二接続部材130とを備えている。第一接続部材120は、取付部材110に係止され、第二接続部材130は、第一接続部材120に係止される。第一接続部材120は、下側の外装材3aの背面上端部の左右両端部にそれぞれ設けられている。第二接続部材130は、上側の外装材3bの背面下端部の左右両端部にそれぞれ設けられている。取付部材10は、左右一対の第一接続部材120,120に対応する位置にそれぞれ設けられている。
基板部111は、矩形形状の板材であって、支持台4の受け板4b上に溶接されている。棒状係止部112は、基板部111に立設されており、円柱形状を呈している。棒状係止部112は、第一接続部材120に形成された係止孔123に挿通される。
第一張出板部121は、外装材3aの背面から構造躯体2側(建物内側)に向かって張り出す部分であって、水平方向に広がっている。第一張出板部121は、平面視で矩形形状を呈している。第一張出板部121は、埋設部121aと、突出部121bとを備えている。埋設部121aは、外装材3aに埋設される部分である。埋設部121aには、上下方向に延在する異形鉄筋5が貫通している。異形鉄筋5は、埋設部121aとともに外装材3aに埋設されている。
突出部121bは、外装材3の背面から突出する部分であって、背面に直交している。突出部121bは、取付部材110の基板部111上に載置される。突出部121bには、係止孔(孔部)123が形成されている。係止孔123は、棒状係止部112の外径と同等の内径を備えている。係止孔123には、棒状係止部112が挿通される。これによって、第一接続部材120が取付部材110に係合されて、外装材3aの横方向への移動が抑制される。
立上板部122は、第一張出板部121に立設された板材である。立上板部122は、第一張出板部121の表面に対して直交し、第一張出板部121の表面に溶接されている。立上板部122は、突出部121bの基端部に設けられており、外装材3aの背面に当接して配置されている。立上板部122は、外装材3aの上端よりも上方に延在している。図10および図11に示すように、立上板部122の上端部は、第二接続部材130の垂下板部132と重なる高さまで延出する。また、立上板部122の上端部は、垂下板部132と外装材3bとの間に挿入される。
垂下板部132は、第二張出板部131の先端部(突出部131bの先端部)から下方に延在していて、第二張出板部131に対して直交している。第二接続部材130は、側面視L字状を呈している。垂下板部132は、建物内側から見て矩形形状を呈している。垂下板部132の外側表面と、外装材3bの背面との離間距離は、第一接続部材120の立上板部122の厚さ寸法と略同等である。立上板部122は、垂下板部132よりも建物外側(外装材3b側)に配置され、外装材3bは、垂下板部132よりも建物外側(外装材3b側)に配置されることとなる。そして、立上板部122の内側表面と垂下板部132の外側表面とが面接触するとともに、立上板部122の外側表面と外装材3bの背面とが面接触することとなる。これによって、立上板部122が、垂下板部132および外装材3bと係合される。
また、外装材3a,3bを設置するに際しては、外装材3a,3bを垂直に吊り下ろすだけで済むので、締結部材の締付け工程が不要となる。したがって、施工が容易になり、施工手間と施工時間を低減することができる。
さらに、本実施形態では、第一接続部材120の立上板部122が、第二接続部材130の係止板部134に係止されているので、外装材3bを横方向に移動させようとする力が作用した場合でも、上側の外装材3bが下側の外装材3aに対して横方向にずれるのを防止できる。
また、上記実施形態では、構造躯体に固定される取付部材を構成する基板部の一方端部には係止板部が設けられたが、外装材に固定された接続部材の一方端部が係止できれば、係止板部に代えて突起部であっても良い。取付部材は、構造躯体の鉄骨材に溶接によって固定したが、コンクリート躯体中にアンカーボルト等で固定しても良い。
10 取付部材 11 基板部
12 立上板部 12a 第一立上板部 12b 第二立上板部
14 係止板部 30 接続部材 31 張出板部
32 垂下板部
101 外装材取付構造
110 取付部材 111 基板部 112 棒状係止部
120 第一接続部材 121 第一張出板部 122 立上板部
130 第二接続部材 131 第二張出板部 132 垂下板部
134 係止板部
Claims (4)
- プレキャスト製の外装材を建物の構造躯体に取り付けるための外装材取付構造であって、
前記構造躯体に固定された取付部材と、前記外装材に固定された接続部材とを備え、
前記取付部材は、前記構造躯体に固定される基板部と、前記基板部に立設された立上板部とを有し、
前記接続部材は、前記外装材の背面から張り出す張出板部と、前記張出板部から下方に延在する垂下板部とを有しており、
前記立上板部は、前記垂下板部よりも前記外装材側に配置され、前記立上板部と前記垂下板部が係合されている
ことを特徴とする外装材取付構造。 - 前記基板部の前記外装材の幅方向一方端部には、前記立上板部と交差する方向に沿って係止板部が設けられており、
前記係止板部が前記外装材に固定された前記接続部材の前記垂下板部と係合する
ことを特徴とする請求項1に記載の外装材取付構造。 - プレキャスト製の外装材を建物の構造躯体に取り付けるための外装材取付構造であって、
前記構造躯体に固定された取付部材と、前記外装材に固定された接続部材とを備え、
前記取付部材は、前記構造躯体に固定される基板部と、前記基板部に立設された立上板部とを有し、
前記接続部材は、前記外装材の背面から張り出す張出部と、前記張出部の先端部に設けられた係止部とを有しており、
前記立上板部は、前記係止部よりも前記外装材側に配置され、前記立上板部と前記係止部が係合されている
ことを特徴とする外装材取付構造。 - 上下に並んで取り付けられるプレキャスト製の外装材を建物の構造躯体に取り付けるための外装材取付構造であって、
前記構造躯体に固定された取付部材と、下側の前記外装材に固定された第一接続部材と、上側の前記外装材に固定された第二接続部材とを備え、
前記取付部材は、前記構造躯体に固定される基板部と、前記基板部に立設された棒状係止部とを有し、
前記第一接続部材は、下側の前記外装材の背面から張り出す第一張出板部と、前記第一張出板部から上方に延びる立設板部とを有しており、
前記第二接続部材は、前記外装材の背面から張り出す第二張出板部と、前記第二張出板部から下方に延びる垂下板部とを有しており、
前記棒状係止部は、前記第一張出板部に形成された孔部を貫通しており、
前記立設板部は、前記垂下板部よりも前記外装材側に配置され、前記立設板部と前記垂下板部が係合されている
ことを特徴とする外装材取付構造。
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