JP4903629B2 - 薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、スチールハウス(スチールハウスは普通、板厚0.4mm以上、2.3mm未満の薄板軽量形鋼による枠材と、この枠材に構造用面材を組み合わせて構成される鉄鋼系パネル構造の建物と定義される。)等の住宅等の建築構造物あるいは薄板軽量形構造の耐力壁を使用する非住宅等の建築構造物に使用される、薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造に関する。
従来、薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造として、図11〜図13に示すように、耐力壁(パネル)10における縦枠材8をホールダウン金物20における縦部分23にドリルねじ24により固定し、ホールダウン金物20を下枠材9から浮かした状態で、ホールダウン金物20の下部横部分25および下枠材9にアンカーボルト21の上部を挿通し、座金およびバネ座金を装着すると共にナット16を緊締して、アンカーボルト21を介してコンクリート基礎2に固定する接合構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記のように、コンクリート基礎2と1階の耐力壁10を接合する場合には、ホールダウン金物20を縦枠材8へ接合し、コンクリート基礎2に埋め込まれたアンカーボルト21と連結することで、地震時の水平力あるいは風荷重(設計外力)が建物に作用した場合、縦枠材8の軸力Fをコンクリート基礎2へ伝達する構造とされている。
前記のような接合構造において、アンカーボルト21をホールダウン金物20の下部横部分25へ固定するために、アンカーボルト21は、縦枠材8のウェブ8aから耐力壁内側へ大きく偏心Gして取り付けられるため、縦枠材8の軸力に偏心力(曲げモーメント)が作用し、縦枠材8の曲げ変形も大きくなり、このようなことを考慮した設計を行う必要があり、ホールダウン金物20とアンカーボルト21の肥大化を招くばかりでなく、前記の偏心Gにより、ホールダウン金物20の縦部分23と縦枠材8とを固定するドリルねじ24に、純せん断力以外に引き抜き力(縦部分23に作用する剥ぎ取り力)F1が作用するため、その分、多くのドリルねじ24を用いて接合していたため、施工コストが高くなるという問題があった。
また、建物に作用する水平力F2に対しては、コンクリート基礎2にコンクリートドリルによる穿設と下枠材にホールソーによる孔あけを必要とする、あと施工アンカーボルト22を1m程度の間隔でコンクリート基礎2と接する薄板軽量形鋼の下枠材(水平枠材)9とコンクリート基礎2に同時に打ち込むことで伝達する構造とされている。この接合においては、あと施工アンカーボルト22の本数が多いことと、下枠材(水平枠材)9とコンクリート基礎2に縦孔26をあけた後に、あと施工アンカーボルト22を打ち込む手順となるため施工作業が複雑になり施工手間も大きく、施工コストが高くなる問題もあった。
また、3階あるいは4階の建物になると、1階の縦枠材8に作用する軸力も大きくなると共に、地震時等の水平力が建物に作用した場合、ホールダウン金物20からアンカーボルト21への偏心した軸力伝達により、1階の縦枠材8に作用する曲げ力による局部応力も大きくなるため、1階の縦枠材8が座屈する恐れをなくすために、極力偏心のない接合構造が必要になる。
また、1階の縦枠材8から下枠材9を介してコンクリート基礎2に上階層の鉛直荷重が作用するようになるが、薄板軽量形鋼からなる下枠材9に直接縦枠材8が載置されていても、下枠材9は、薄板であるため鉛直荷重の分散作用がほとんどなく、コンクリート基礎2に縦枠材8の下面から鉛直荷重が作用するようになる。しかし、縦枠材8の下面の面積が小さいため、4階の建物となると、コンクリート基礎2上面に作用する縦枠材8の軸力による局部応力が大きくなり、コンクリート基礎2が応力破壊される恐れも高くなるという問題がある。
したがって、3階あるいは4階と多層建築構造物になるに従い、縦枠材8からの軸力が大きくなるため、軸力を分散してコンクリート基礎2に伝達することが必要になる。
また、重量鉄骨構造においては、コンクリート基礎とH型鋼柱との間に、図14に示すようなフランジ27とウェブ28とのコーナー部に大きな円弧状部29を有するCT形鋼による接合金物30を介在させ、フランジ27をコンクリート基礎側のベース部とし、ウェブ28の両側部に、必要に応じ2点鎖線で示す部分を切除して切り欠き段部31を設けて、接合用縦部分32とし、その接合用縦部分32を、H形鋼柱の柱ウェブにボルトまたは溶接により接合することも知られている。
CT形鋼による接合金物30では、フランジ27とウェブ28とのコーナー部に大きな円弧状部29を有するが、重量鉄骨構造では、厚鋼板部同士の接合であるので、H形鋼製柱を浮かした状態で前記接合金物30のウェブ28に溶接またはボルト接合することが設計可能であるが、縦枠材が、薄板軽量形鋼の薄鋼板を使用する接合構造では、薄鋼板を溶接により固定できず、また、ボルト接合すると、円弧状部29があるため、偏心を生じるという問題があると共に、偏心した状態で接合すると、縦枠材からの軸力Fをフランジ27に伝達する場合、薄板軽量形鋼の縦枠材に局部座屈を生じるようになり、重量鉄骨構造の場合のような接合構造を採用することができないという問題がある。
特開2005−248529号公報
前記のように、縦枠材におけるウェブから偏心した位置でホールダウン金物に連結されるアンカーボルトを介してコンクリート基礎に軸力を伝達させる構造では、縦枠材の軸力を接合金物とアンカーボルトへ伝達させる時に、偏心しているために、耐力壁を基礎に固定している両側のアンカーボルト間の距離が短くなる分(換言すると、ウェブの縦部分8aからアンカーボルトまでの偏心距離が長くなる分)、逆に、軸力が増加するという問題があり、極力軸力の増加のない構造が望まれる。
また、前記のようなホールダウン金物20とアンカーボルト21との組み合わせのように、耐力壁10における縦枠材8のウェブからの偏心のない接合構造であることが望まれていると共に、ホールダウン金物20の縦枠材8からアンカーボルト21を介した軸力の伝達機構と、前記ホールダウン金物20とは別個に、離れた位置に設置されるあと施工アンカー22による水平力伝達機構とを、それぞれ独立させないで、一つの接合金物に集約できることが望まれる。
本発明は、前記のようなホールダウン金物を使用することなく、接合金物の重心と耐力壁の縦枠材のウェブの位置を近接させることにより、接合金物とアンカーボルトへ伝達される時に発生する軸力の増加をなくし、より合理的な薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造を提供することを目的とする。
また、従来、2つの伝達機構に分かれていた、軸力を伝達させるための機構と水平力を伝達させるための機構を、ひとつの接合金物を用いて集約することが可能な薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造を提供することを目的とする。
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造においては、薄板軽量形鋼造の耐力壁における縦枠材を基礎に固定する薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造であって、複数のアンカーボルト挿通孔を有するベースプレートと、そのベースプレートに下部が固定された接合用縦板とを備えた接合金物がコンクリート基礎に埋め込まれていると共に、前記ベースプレートおよび前記耐力壁における下枠材にアンカーボルトが挿通されて、前記アンカーボルトに装着の雌ねじ部材によりコンクリート基礎に耐力壁が固定され、前記耐力壁における下枠材に前記接合用縦板が挿通され、その接合用縦板と縦枠材とが接合金具により接合されて、ベースプレートを備えた接合金物を介して縦枠材に作用する軸力をコンクリート基礎に伝達するようにしたことを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造において、前記接合金物のベースプレートの下側に、下向きに突出する水平力抵抗板が設けられていると共にコンクリート基礎に埋め込まれていることを特徴とする。
また、第3発明では、第1発明または第2発明の薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造において、薄板軽量形鋼造の耐力壁における縦枠材を基礎に固定する薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造であって、複数のアンカーボルト挿通孔を有するベースプレートと、そのベースプレートに下部が突出するように挿通されてベースプレートの下側で固定された接合用縦板とを備えた接合金物であることを特徴とする。
第1発明によると、接合金物における接合用縦板を薄板軽量形鋼造の耐力壁における縦枠材のウェブへ直接偏心を無くして取り付けることができ、耐力壁の縦枠材から接合金物とアンカーボルトへ伝達される軸力の増加がなく、接合金物とアンカーボルトの設計を簡素化でき、部品点数を少なくしたり、部品の小型化など、従来の構造の場合よりも、より経済的な設計が可能になる。また、接合用縦板の付きの接合金物の構造が簡単であると共に、薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造も簡単な構造になるなどの効果が得られる。
また、第2発明のように、ベースプレートの下側に下向きに突出する水平力抵抗板をコンクリート基礎に埋め込むように配置すると、接合金物における接合用縦板により上下方向の軸力伝達を図り、水平力抵抗板により水平方向力の伝達を図ることができ、地震時等の建物に作用する水平力に抵抗することができる。また、接合金物を埋め込み固定することにより、従来のように、あと施工アンカーの施工が必要のない分、施工性の向上を図ることができる。
また、第3発明のように、複数のアンカーボルト挿通孔を有するベースプレートと、そのベースプレートに下部が突出するように挿通されてベースプレートの下側で固定された接合用縦板とを備えた接合金物であると、接合用縦板の下端部を水平力抵抗板として機能させることができる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、図6および図7を参照しながら本発明において使用する接合用縦板付きの接合金物1の一実施形態を説明すると、接合用縦板付きの接合金物1は、前後方向(コンクリート基礎2の幅方向)に間隔をおくと共に、左右方向(コンクリート基礎2の長手方向)に間隔をおいて、複数(図示の場合は4つ)のアンカーボルト挿通用縦孔3を有する厚鋼板からなる矩形状のベースプレート4を備えており、前記ベースプレート4の幅方向中央部に、前後方向に延長する平面矩形状の縦スリット5が上下方向に貫通するように設けられている。前記のアンカーボルト挿通用縦孔3は、ベースプレート4およびこれに設けられた縦スリット5に対して、平面視で前後方向および左右方向に対称に設けられていると共に、前記縦スリット5に挿入配置されてベースプレート4に固定される後記の接合用縦板7に対して、平面視で、前後方向および左右方向に対称に設けられている。
アンカーボルトによりベースプレート4をコンクリート基礎2(図1参照)に固定し、耐力壁をコンクリート基礎に固定した場合、平面視で、アンカーボルトが前後方向および左右方向に対称に配置されているので、地震時等の水平力が耐力壁に作用し、接合金物1によりせん断抵抗する場合、接合用縦板7のが、せん断中心となり、従来のホールダウン金物のような、縦部分とアンカーボルトとの間の横方向の偏心がない特徴を有している。換言すると、接合金物1の重心と耐力壁の縦枠材のウェブの位置を一致させ(背中合わせの縦枠材ウェブ境界面に対しては近接させた位置とする)ることにより、接合金物1とアンカーボルトへ伝達される時に発生する軸力の増加をなくしている。
前記縦スリット5には、上部に上下方向に間隔をおいてボルト挿通用横孔6を有する長方形状の厚板からなる鋼製の接合用縦板7の下部が挿通されていると共にベースプレート4の下側から下方に突出するように配置され、かつ前記接合用縦板7は、ベースプレート4の下側で溶接Wによりベースプレート4に固定され、ベースプレート4の下方に突出する接合用縦板7の下端部により縦リブ状の左右方向の水平力抵抗板7aが形成されている。
また、前記接合用縦板7の下端部の表裏両面の幅方向中央部には、これに直角に配置されていると共にベースプレート4の下面に直角に配置された左右の各直角三角形状の鋼板が、ベースプレート4の下面および接合用縦板7の下端部に溶接Wにより固定されて、前後方向の補強縦板7bが形成されて、水平力抵抗板7aが補強されている。
前記のベースプレート4に対して、接合用縦板7は直角に配置されており、また、ベースプレート4に対して接合用縦板7が貫通するように配置されているので、ベースプレート4の上面と接合用縦板7とによるベースプレート4上面側のコーナー部は、アール部ではない正確な直角コーナー部となっており、図1に示すように、接合用縦板7を薄板軽量形の縦枠材8のウェブ8aに密着した状態で当接することができると共に、縦枠材8のウェブ8a下面全体を接合用縦板7に最も近い位置で下枠材9のウェブ9aを介してベースプレート4に当接するようになり、またベースプレート4の幅寸法が縦枠材8および下枠材9の幅寸法よりも大きいことから、耐力壁10における縦枠材8からの軸力を厚板鋼板のベースプレート4により軸力を分散して伝達することができる構造が可能にされている。
前記のように、本発明で使用する接合用縦板付きの接合金物1は、ベースプレート4の上部に接合用縦板7を備えていると共に下部に、補強縦板7bにより補強された水平抵抗板7aを備えている構造とされている。
図7は、前記の接合用縦板付きの接合金物1が基礎コンクリート11を打設する時に、アンカーボルト12と共に、コンクリート基礎2に埋め込み配置されている状態が示されている。前記の接合用縦板付きの接合金物1はコンクリート基礎2の長手方向に間隔をおいて埋め込み配置される。接合用縦板付きの接合金物1におけるベースプレート4の上面レベルがコンクリート基礎2の上面レベルと同じ位置となるように、ベースプレート4がアンカーボルト12と共に埋め込み配置されることで、ベースプレート4下側の水平力抵抗板7a,7bにより、水平方向のせん断抵抗を発揮可能にされている。
また、接合用縦板付きの接合金物1における接合用縦板7は、ベースプレート4に対して直角に配置され、かつ各接合用縦板付きの接合金物1は、予め位置出しされて、コンクリート基礎2の所定の位置に埋め込み固定されているので、例えば図8に示すように、接合用縦板7の外側に、耐力壁10における縦枠材8のウェブ8aが位置するように、接合用縦板7によりガイドしながら、耐力壁10をコンクリート基礎2上に設置することが可能になる。
なお、符号19は、薄鋼板あるいは石膏ボード等の構造用面材であり、また、縦枠材8および下枠材9等の枠材は、ロールフォーミングにより加工された薄板軽量形鋼(溝形部材あるいはリップ付き溝形部材)である。
図1〜図3は、耐力壁(耐力壁パネル)10をコンクリート基礎2に、接合用縦板7付きの接合金物1を使用して接合(固定)した状態が示されている。図1は、図8の右側の断面図でもある。
前記のように、コンクリート基礎2から上方に接合用縦板7が突出した状態であるため、耐力壁10における下枠材9の底板(ウェブ)9aには、所定の間隔で、接合用縦板挿通用の透孔または切り欠き13およびアンカーボルト挿通用縦孔14が設けられている。
前記の下枠材9の底板(ウェブ)9aに設けるアンカーボルト挿通用縦孔14は、ベースプレートに設けるアンカーボルト挿通用縦孔3と同様に、前後方向および左右方向に所定の間隔をおいて工場等において予め設ける方が、現場施工が容易である。
耐力壁10を建て込む時に、下枠材9の底板(ウェブ)9aの接合用縦板挿通用の透孔または切り欠き13に、接合用縦板7を挿通するようにして、耐力壁10をコンクリート基礎2の上面に立設し、耐力壁10における接合用縦板7のボルト挿通用横孔6と縦枠材8のボルト挿通用横孔とに渡って、ボルト15の軸部を挿通すると共にこれに装着された座金およびナット16を緊締して、接合される。なお、前記ボルト15としては、中ボルト等の各種ボルトあるいは高力ボルト等のボルトを使用するようにしてもよい。
なお、図示を省略するが、縦枠材8のウェブ8aと接合用縦板7のボルト15が挿通される周囲において、接合用縦板7に凹部を設け、縦枠材8に凸部を設け、凸部を凹部に密着した状態で、ボルト接合すると、凸凹嵌合によるずれ止めを図ることができるため、摩擦接合作用と凸凹係合との2つの作用効果を図ることができ、縦枠材8の接合用縦板7に対するずれを確実に防止することができる。
図4および図5は、本発明の第2実施形態を示すものであって、この形態では、耐力壁10の幅が大きい場合に、耐力壁10の幅方向の中間部の縦枠材8に対応した位置に、接合用縦板付きの接合金物1をコンクリート基礎2に埋め込み固定し、中間部の縦枠材8と接合用縦板付きの接合金物1における接合用縦板7とを、ボルト15・ナット16により緊締すると共に、ベースプレート4と下枠材9とをアンカーボルト12に、座金を介してナット16により固定することで、耐力壁10をコンクリート基礎2に接合(固定)するようにされている。
また、図4および図5を利用して、他の形態を説明すると、図4および図5に示す構造は、隣接する耐力壁10における縦枠材8の端部の縦枠材8のウェブ8a同士を背中合わせに配置する場合にも、このような構造形態になるが、接合用縦板7に干渉しないように、下枠材9のウェブ9aの端部に適宜切り欠きを設けるようにし、また、下枠材9のウェブ長手方向の端部に前後方向に間隔をおいて2つのアンカーボルト挿通孔14を設けるようにすればよい。
前記のような形態で、耐力壁10とコンクリート基礎2とが接合された後、図9に示すように、天井兼用の床パネル16aと上階側の耐力壁10が交互に設置されて、3階あるいは4階の建築構造物17が構築される。なお、上下階の耐力壁10の縦枠材8相互は、図示省略の床パネル16aを貫通する接合装置により接合される。
図8、図10、図11により、本発明の接合用縦板7付きの接合金物1を使用した形態と、従来のホールダウン金物20を使用した形態とで、地震時に水平力Qが作用した場合、縦枠材8を介してアンカーボルトに作用する引き抜き力あるいは押し込み力が相違することを説明すると、図11に示す従来のホールダウン金物20の場合の引き抜き力(または押し込力)をNとし、耐力壁10の幅(縦枠8のウェブ8aの背面間距離)をLとし、耐力壁10の高さをhとすると、ホールダウン金物20がコンクリート基礎に固定しているアンカーボルト21間の距離はL2であるので、ホールダウン金物20を使用した場合の引き抜き力(または押し込力)Nは、N=Q・h・L/L2、である。
一方、図8(b)に示すように、本発明の接合用縦板7付きの接合金物1を使用した形態では、接合用縦板7が偏心していない分、接合用縦板7間の寸法L1となり、従来のホールダウン金物20を使用したアンカーボルト21間の距離L2よりも広いため、本発明の接合用縦板7付きの接合金物1を使用した場合の引き抜き力(または押し込力)N1は、N1=Q・h・L/L1 となり、したがって、従来のホールダウン金物20を使用した場合の引き抜き力(または押し込力)Nと、本発明の接合用縦板7付きの接合金物1を使用した場合の引き抜き力(または押し込力)N1とは、N2>N1となり、本発明の接合構造の引き抜き力(または押し込力)N1を、ホールダウン金物20を使用する従来の構造の場合よりも、小さくすることができる。
例えば、耐力壁10の幅寸法を910mmあるいは1000mmとした場合、引き抜き力(または押し込力)N2よりも、1割弱程度の低減した引き抜き力(または押し込力)N1とすることが可能になり、その分、本発明では、縦枠材8の板厚を薄くしたり、部品を小型にしたり、金物を小さくすることが可能で、経済的な設計が可能になる。
なお、建築構造物を3階あるいは4階とした場合、例えば、前記の接合用縦板7付きの接合金物1におけるベースプレート4の板厚は12mm、接合用縦板7の板厚は4.5mm、アンカーボルト12はM16(SS400)、接合用縦板7と縦枠材8のウェブ8aとを接合するボルト15はM16(SS400)、三角形状の補強縦板7bの板厚は6mm、縦枠材8の板厚は1.6mmのものを使用するとよい。
なお、図示を省略するが、耐力壁10における縦枠材8間の開口部にサッシが配置される場合には、縦枠材8の端部にカバー材が装着されて木製枠材が装着される。
本発明の薄板軽量形鋼造の耐力壁とコンクリート基礎との接合構造の第1実施形態を示す一部縦断側面図である。 図1の縦断正面図である。 図1の平面図である。 本発明の薄板軽量形鋼造の耐力壁とコンクリート基礎との接合構造の第2実施形態を示す一部縦断側面図である。 図4の平面図である。 本発明の埋設式の接合金物を示すものであって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 図6に示す埋設式の接合金物をコンクリート基礎に埋設した状態を示すものであって、(a)は一部縦断側面図、(b)は平面図である。 本発明の接合構造により耐力壁をコンクリート基礎に接合した状態を示すものであって、(a)は構造用面材の一部を切り欠いて示す側面図、(b)は(a)の一部横断平面図である。 薄板軽量形鋼造により多層階建築構造物を組み立てた状態を示す斜視図である。 耐力壁の寸法を示す正面図である。 ホールダウン金物を使用して耐力壁をコンクリート基礎に接合した従来の接合構造を示すものであって、(a)は構造用面材の一部を切り欠いて示す側面図、(b)は(a)の一部横断平面図である。 図11に示す従来の接合構造の一部を拡大して示す一部縦断側面図である。 図12に示す従来の接合構造における縦枠材等が傾斜して変位した状態を示す一部縦断側面図である。 鉄骨構造におけるCT形鋼の形態を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
符号の説明
1 接合用縦板付きの接合金物
2 コンクリート基礎
3 アンカーボルト挿通用縦孔
4 ベースプレート
5 縦スリット
6 ボルト挿通用横孔
7 接合用縦板
7a 水平力抵抗板
7b 補強縦板
8 縦枠材
8a ウェブ
9 下枠材
9a ウェブ
10 耐力壁
11 基礎コンクリート
12 アンカーボルト
13 透孔または切り欠き
14 アンカーボルト挿通用縦孔
15 ボルト
16 ナット
16a 天井兼用の床パネル
17 建築構造物
19 構造用面材
20 ホールダウン金物
21 アンカーボルト
22 あと施工アンカーボルト
23 縦部分
24 ドリルねじ
25 下部横部分
26 縦孔
27 フランジ
28 ウェブ
29 円弧状部
30 接合金物
31 切り欠き段部
32 接合用縦部分

Claims (3)

  1. 薄板軽量形鋼造の耐力壁における縦枠材を基礎に固定する薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造であって、複数のアンカーボルト挿通孔を有するベースプレートと、そのベースプレートに下部が固定された接合用縦板とを備えた接合金物がコンクリート基礎に埋め込まれていると共に、前記ベースプレートおよび前記耐力壁における下枠材にアンカーボルトが挿通されて、前記アンカーボルトに装着の雌ねじ部材によりコンクリート基礎に耐力壁が固定され、前記耐力壁における下枠材に前記接合用縦板が挿通され、その接合用縦板と縦枠材とが接合金具により接合されて、ベースプレートを備えた接合金物を介して縦枠材に作用する軸力をコンクリート基礎に伝達するようにしたことを特徴とする薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造。
  2. 前記接合金物のベースプレートの下側に、下向きに突出する水平力抵抗板が設けられていると共にコンクリート基礎に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造。
  3. 薄板軽量形鋼造の耐力壁における縦枠材を基礎に固定する薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造であって、複数のアンカーボルト挿通孔を有するベースプレートと、そのベースプレートに下部が突出するように挿通されてベースプレートの下側で固定された接合用縦板とを備えた接合金物であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄板軽量形鋼造の耐力壁と基礎との接合構造。
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