JP7217143B2 - 柱と基礎の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、柱と基礎の接合構造に関する。
鉄骨造の住宅等の建物においては、コンクリート製の布基礎等の基礎に対して、鋼製柱の下端に接合されているベースプレートがアンカーボルトを介して固定されている。建物の壁は、複数の柱と梁とにより軸組構造を形成し、この軸組構造に対してブレース等が内蔵されることにより耐力壁が形成される。建物は、各種の耐力壁をバランスよく配置することにより、所定の耐震性を確保するように設計されている。
建物の出隅部や角部等にある耐力壁においては、基礎の端部に近接して配設される柱の柱脚にブレースの下端が取り付けられる場合が往々にしてある。例えば、二本の柱と、少なくとも二本の柱の上端同士を接合する梁とにより形成される耐力壁に関し、この二本の柱のうちの一方の柱の柱脚と他方の柱の柱頭に亘ってブレースが取り付けられている形態の耐力壁が一般に適用される。
この形態の耐力壁において、例えばコンセント等の位置の関係等により、上記するように、基礎の端部に近接している柱の柱脚にブレースの下端が取り付けられる場合がある。あるいは、例えば1P幅(例えば910mm幅等)程度で上記するブレースを内蔵する袖壁においては、袖壁の幅に応じた基礎の上に袖壁が施工され得る。このような袖壁においても、二本の柱のいずれか一方の柱の柱脚には、ブレースの下端が取り付けられることになるため、このようにブレースの下端が取り付けられている柱は、基礎の端部に近接して配設されることになる。
このように、基礎の端部に近接して配設される柱の柱脚にブレースの下端が取り付けられている場合には、様々な課題が生じ得る。まず、地震時の水平力が耐力壁に作用した際に、この水平力は耐力壁を構成する二本の柱と基礎を繋ぐアンカーボルトを介して基礎に伝達されることになる。アンカーボルトと基礎の端部までの端空きが小さ過ぎると、アンカーボルトから伝達される水平力に起因するせん断力により、基礎の端部のコンクリートが割裂破壊を生じ得ることから、端空き寸法を十分に確保する必要がある。
しかしながら、端空き寸法を十分に確保することは、基礎の端部側のアンカーボルトから基礎の端部までの距離を長くし、基礎の平面寸法を大きくすることに繋がる。このことから、地震時の水平力に起因するせん断力による基礎の破壊を防止しながら、アンカーボルトから端空きまでの距離を可及的に小さくすることが望まれる。
また、柱脚にブレースの下端が取り付けられている柱を基礎に固定するアンカーボルトには、上記する地震時の水平力に起因するせん断力のみならず、柱から作用する引抜き力に起因する引張力も生じ得ることから、これら複数の外力に抗し得るように設計がなされる必要がある。
そのため、例えば耐力壁を構成する二本の柱の柱脚同士を連結することにより、基礎の端部側の柱のアンカーボルトが負担する地震時の水平力に起因するせん断力を低減する方策もある。しかしながら、二本の柱の柱脚同士を連結する構造を採用すると、基礎上に配設される大引や根太等の納まりに影響を与え得るとともに、壁の下地材の配置変更が余儀なくされ得る等、他の部材の配置に影響が生じることから好ましくない。
ここで、建物基礎のアンカーボルトに接触して係合する補強金物を備えた建物基礎構造が提案されている。具体的には、この補強金物は、建物基礎のアンカーボルトに接触して係合する接触係合部と、接触係合部から水平方向に離間した位置で建物基礎となるコンクリートに定着してアンカーボルトにせん断力が加えられた際に抵抗となる定着部と、定着部を接触係合部に連結する連結部とを備えている。補強金物は、建物基礎の端部に設けられるアンカーボルトに、定着部が建物基礎の端空き側と反対に位置するように設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-113876号公報
特許文献1に記載の建物基礎構造によれば、アンカーボルトと基礎の端部の端空きが小さい場合においても、基礎となるコンクリートの割裂破壊を防止することができるとしている。ところで、特許文献1の記載からは明確でないが、ブレースの下端が柱脚に取り付けられている柱と基礎の接合構造に対して、特許文献1に記載される補強金物を備えたアンカーボルトが適用される場合、上記するように、地震時の水平力に起因するせん断力のみならず、柱からの引抜き力に起因する引張力にも抗する必要がある。しかしながら、特許文献1では、せん断力のみが対抗するべき外力として取り上げられており、アンカーボルトが地震時の水平力に起因するせん断力と引抜き力に起因する引張力の双方に抗しながら、アンカーボルトと基礎の端部までの端空きを小さくするための構成については記載がない。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、地震時の水平力に起因するせん断力と引抜き力に起因する引張力の双方にアンカーボルトが抗しながら、アンカーボルトと基礎の端部の端空きを可及的に小さくできる柱と基礎の接合構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による柱と基礎の接合構造の一態様は、
ブレースの一端が柱脚に取り付けられている柱と、コンクリート製の基礎とが接合される、柱と基礎の接合構造であって、
前記基礎の天端には、該基礎の端部側であって前記柱の直下にある第一アンカーボルトと、該第一アンカーボルトよりも前記ブレース側にある第二アンカーボルトと、が配設され、
前記基礎の天端に前記柱脚が接合されているベースプレートが配設され、
前記ベースプレートには、前記第一アンカーボルトが挿通される第一アンカー孔と、前記第二アンカーボルトが挿通される第二アンカー孔が開設されており、
前記第一アンカーボルト及び前記第二アンカーボルトにより前記ベースプレートが前記基礎に接合されており、
前記第一アンカーボルトと前記第一アンカー孔の第一クリアランスよりも、前記第二アンカーボルトと前記第二アンカー孔の第二クリアランスが小さいことを特徴とする。
本態様によれば、基礎の端部側の第一アンカーボルトとベースプレートの第一アンカー孔との間の第一クリアランスよりも、相対的にブレース側(内側)の第二アンカーボルトと第二アンカー孔との間の第二クリアランスが小さいことにより、地震時の水平力に起因するせん断力がまず第二アンカーボルトに作用することから、せん断力の全部もしくは殆どを第二アンカーボルトに負担させることができる。そして、基礎の端部側にある第一アンカーボルトは柱の直下にあることから、柱の引抜き力に起因する引張力がまず第一アンカーボルトに作用し、引張力の全部もしくはその殆どを第一アンカーボルトに負担させることができる。このように、ベースプレートに開設されているアンカー孔とアンカーボルトの間のクリアランスを、柱直下のアンカーボルトとそれよりも内側のアンカーボルトとで変化させることにより、柱を介して作用するせん断力と引張力を負担するアンカーボルトの棲み分けを図ることができる。そして、基礎の端部近傍の第一アンカーボルトがせん断力を主として負担しないことから、せん断力による基礎端部の割裂破壊の危険性が低減され、このことによって第一アンカーボルトと基礎の端部の端空きを可及的に小さくすることができる。
本態様の接合構造は、コンクリート製の基礎の端部と、この端部の近傍においてアンカーボルトにより基礎に固定される柱との接合構造であり、少なくとも二本のアンカーボルトを有している。ここで、「端部」とは、建物の出隅部の隅角部や、袖壁の端部、平面視Tの字状の外壁の交差部などにおいて、布基礎等の基礎が外側に臨む部分である。この基礎の端部の近傍にある柱の柱脚にブレースの一端が取り付けられている構造においては、耐力壁に対して地震時に左右交互の水平力が作用した際に、柱には引抜き力と押込み力が交互に作用する。引抜き力が作用する場合は基礎の端部と反対側(ブレース側)へ向かう内側のせん断力が作用し、押込み力が作用する場合は基礎の端部側へ向かう外側のせん断力が作用する。内側のせん断力が作用する場合は基礎の端部の割裂破壊は問題とならないが、外側のせん断力が作用する場合はこの割裂破壊が問題となり得る。
本態様の接合構造では、相対的に基礎の端部から遠い位置にある第二アンカーボルトがせん断力の全部もしくは殆どを負担することにより、基礎の端部における割裂破壊の発生を抑制することにしている。仮に基礎の端部の近傍にある第一アンカーボルトがせん断力の多くを負担してしまうと、せん断力が付与された第一アンカーボルトからの反力による端部のコンクリートの割裂破壊の恐れがある。
ここで、第一アンカーボルトと第二アンカーボルトは、同径のアンカーボルトが適用されてもよいし、例えば相対的に大径の第一アンカーボルトが適用されてもよく、作用するせん断力と引張力により双方のアンカー径が適宜設定される。但し、1P幅程度の耐力壁の場合は、耐力壁の幅に対して高さが高くなることから、水平力に起因するせん断力よりも引抜き力に起因する引張力が卓越する傾向にあり、このような場合は引張力を主として負担する第一アンカーボルトのアンカー径を相対的に大きくする必要がある。
また、例えば、第二アンカーボルトを相対的に小径としておくことにより、二本のアンカーボルトの打設位置が設計位置からずれている場合の台直し施工の際に、相対的に小径の第二アンカーボルトの一部を曲げてその水平位置を調整することにより、現場における台直し施工を容易に行うことが可能になる。
また、本発明による柱と基礎の接合構造の他の態様は、前記柱の柱芯上に前記第一アンカーボルトが配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、柱の柱芯上に第一アンカーボルトが配設されていることにより、柱から作用する引張力が第一アンカーボルトに直接作用し易くなり、第一アンカーボルトによる引張力の負担と、第二アンカーボルトによるせん断力の負担をより一層明確に棲み分けることができる。また、引張力による偏心モーメントがベースプレートに生じ難くなることから、ベースプレートの厚みを可及的に薄くすることができる。
また、本発明による柱と基礎の接合構造の他の態様は、前記基礎における前記第一アンカーボルトの周囲において、該基礎の天端から所定深度までの範囲に弾性材が埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、仮にせん断力の一部が基礎の端部側にある第一アンカーボルトに作用した場合であっても、基礎における第一アンカーボルトの周囲において、基礎の天端から所定深度までの範囲に弾性材が埋設されていることにより、変形自在な弾性材の内部において第一アンカーボルトが弾性変形もしくは塑性変形しながらせん断力を吸収することができる。そのため、第一アンカーボルトよりも端部側の基礎に対してせん断力による第一アンカーボルトの反力を付与することが抑制され、この反力に起因する基礎端部の割裂破壊等を抑制することができる。また、基礎における第一アンカーボルトの周囲において、基礎天端から所定深度までの間に弾性材が配設されていることにより、基礎内への水分の浸入を抑制することができる。この弾性材としては、比較的発泡倍率の高い発泡樹脂やゴム等が挙げられる。
以上の説明から理解できるように、本発明の柱と基礎の接合構造によれば、地震時の水平力に起因するせん断力と引抜き力に起因する引張力の双方にアンカーボルトが抗しながら、アンカーボルトと基礎の端部の端空きを可及的に小さくすることができる。
実施形態に係る柱と基礎の接合構造を有する耐力壁の一例の正面図である。 図1のII部の拡大図であって、第1の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例の縦断面図である。 図2のIII-III矢視図である。 第2の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例の縦断面図である。
以下、各実施形態に係る柱と基礎の接合構造について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[耐力壁の一例と、第1の実施形態に係る柱と基礎の接合構造]
はじめに、図1乃至図3を参照して、耐力壁の一例と、第1の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る柱と基礎の接合構造を有する耐力壁の一例の正面図である。また、図2は、図1のII部の拡大図であって、第1の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例の縦断面図であり、図3は、図2のIII-III矢視図である。
耐力壁50は、間隔を置いて立設される一対の柱10,20と、一対の柱10,20の間に間隔を置いて横架される一対の梁30と、一方の柱20の上端にあるガセットプレート41と他方の柱10の下端にあるガセットプレート41とに両端が接合されているブレース40とを有する。柱10、20はそれぞれ、ベースプレート70を介してアンカーボルト81,85によりコンクリート製(鉄筋コンクリート製)の基礎60の天端61に固定されている。
また、図示例の耐力壁50は、基礎60の端部62の近傍に一方の柱10が配設されており、柱10の直下のアンカーボルト81と端部62の間に端空きCを有する。そして、端部62の近傍にある柱10の柱脚にブレース40の一端が接合されており、このような柱10と基礎60を、ベースプレート70を介して二本のアンカーボルト81,85が接合することにより、実施形態に係る柱と基礎の接合構造100が形成される。ここで、基礎60の端部62は、建物の出隅部の隅角部や、袖壁の端部、平面視Tの字状の外壁の交差部などにおいて、布基礎等の基礎60が外側に臨む部分である。
尚、接合構造100の詳細については以下で詳説するが、例えば基礎60の端部62の近傍における柱10においては、その直下に一方の第一アンカーボルト81が配設され、柱10よりも内側(ブレース側)において他方の第二アンカーボルト85が配設されており、ベースプレート70は柱10の下端から内側に張り出している。
耐力壁50の幅t1は、例えば通常の1P幅(例えば910mm幅等)に設定され得る。尚、図示例は、耐力壁50が配設される構面を有する一階部分の一部のみを示しているが、この耐力壁50を有する建物は二階以上の建物にも適用される。
柱10,20は角形鋼管やH形鋼等の形鋼材により形成され、梁30はH形鋼等の形鋼材により形成され、相互にボルト接合(例えば複数の中ボルトによる固定)され、もしくは溶接にて接合されている。また、ブレース40は、圧縮力に抵抗可能なブレースであり、平鋼板、H形鋼、山形鋼、溝形鋼等の形鋼材、角形鋼管などにより形成され得るが、図示例のブレース40は平鋼板により形成されている。尚、本明細書において、「溶接」とは、開先溶接(完全溶け込み溶接、部分溶け込み溶接)や隅肉溶接など、接続部に要求される強度や接続態様(剛接続、ピン接続)に応じて選択される適宜の溶接を示す。
耐力壁50を含む構面には、地震時において、左右方向に繰り返しの水平力H1,H2が作用する。図示例の耐力壁50においては、紙面左方向への水平力H1により、基礎60の端部62の近傍にある柱10には引抜き力P1が作用し、この引抜き力P1により、少なくとも柱10の直下にある第一アンカーボルト81には引張力T1が作用する。また、この際に、二本のアンカーボルト81,85には、水平力H1と同方向である耐力壁50の内側方向のせん断力S1が作用し得る。
一方、紙面右方向への水平力H2により、基礎60の端部62の近傍にある柱10には押込み力P2が作用し、この押込み力P2により、少なくとも柱10の直下にある第一アンカーボルト81には圧縮力T2が作用する。また、この際に、二本のアンカーボルト81,85には、水平力H2と同方向である基礎60の端部62側へ向かう外側方向のせん断力S2が作用し得る。内側方向のせん断力S1と異なり、外側方向のせん断力S2が二本のアンカーボルト81,85のうち、特に端部62側の第一アンカーボルト81に作用すると、端空きCが小さい場合には、例えば内側の第二アンカーボルト85の頂部を起点とした割裂破壊面Dに沿って基礎60の割裂破壊の恐れがある。
以下で説明するように、本実施形態に係る接合構造100は、この基礎60の端部62の近傍における割裂破壊を抑制しながら、可及的に端空きCを小さくすることを可能とした接合構造である。次に、図2及び図3を参照して、第1の実施形態に係る柱と基礎の接合構造100について詳説する。
図3に一点鎖線で示すように、平面視コの字状の鋼製縦材15と、鋼製縦材15の上端に溶接にて接合されている鋼製の台座プレート16とを有する台座ブロック17が、柱10の下端に溶接にて接合されている。この台座ブロック17により、その内側に第一アンカーボルト82のナット締めを行うことができる。
台座ブロック17の下端には鋼製のベースプレート70が溶接にて接合されている。図2に示すように、第一アンカーボルト81は、柱10の柱芯L1上に配設されており、図示例では、この柱芯L1とブレース芯L2の交点がベースプレート70と基礎60の天端の界面において第一アンカーボルト81と交差している。
柱10の内側面にはガセットプレート41が溶接にて接合されており、ブレース40の一端42がガセットプレート41にボルト接合されている。
柱10の柱脚にある台座ブロック17の下端には、ベースプレート70が溶接にて接合されている。図2及び図3に示すように、ベースプレート70には、第一アンカーボルト81が挿通される第一アンカー孔71と、第二アンカーボルト85が挿通される第二アンカー孔72が開設されている。そして、第一アンカーボルト81と第一アンカー孔71の間の第一クリアランスG1よりも、第二アンカーボルト85と第二アンカー孔72の間の第二クリアランスG2が小さくなるように設定されている。
図2に示すように、ベースプレート70が基礎60の天端61に載置され、第一アンカーボルト81は、第一アンカー孔71を介して、柱10の柱芯L1に沿って基礎60の内部に所定の埋め込み長だけ埋設されている。基礎60の天端61から上方に突出している第一アンカーボルト81に対して、第一アンカー孔71よりも大径の座金83が取り付けられ、締め付けナット82にて締め付けられることにより、第一アンカーボルト81のベースプレート70への固定が図られている。そして、第一アンカーボルト81と基礎60の端部62との間には端空きCを有する。
一方、第二アンカーボルト85は、第二アンカー孔72を介して、柱10の柱芯L1よりもブレース側(内側)において、基礎60の内部に所定の埋め込み長だけ埋設されている。基礎60の天端61から上方に突出している第二アンカーボルト85に対して、第二アンカー孔72よりも大径の座金87が取り付けられ、締め付けナット86にて締め付けられることにより、第二アンカーボルト85のベースプレート70への固定が図られている。尚、図示例の接合構造100は、二本のアンカーボルト81,85によりベースプレート70が基礎60に固定される形態であるが、例えば、アンカーボルト81,85がそれぞれ二本ずつの計四本のアンカーボルトによりベースプレート70が基礎60に固定される形態等であってもよい。
このように、二本の第一アンカーボルト81と第二アンカーボルト85により、ベースプレート70と連続する柱10が基礎60に接合される。
接合構造100では、基礎60の端部62側の第一アンカーボルト81とベースプレート70の第一アンカー孔71との間の第一クリアランスG1よりも、相対的にブレース40側(内側)の第二アンカーボルト85と第二アンカー孔72との間の第二クリアランスG2が小さいことにより、地震時の水平力H2に起因するせん断力S2がまず第二アンカーボルト85に作用する。そのため、せん断力S2の全部もしくは殆どを、基礎60の端部62から遠い位置にある第二アンカーボルト85に負担させることができる。
また、基礎60の端部62側にある第一アンカーボルト81は、柱10の直下にあることから、柱10の引抜き力P1に起因する引張力T1がまず第一アンカーボルト81に作用する。そのため、引張力T1の全部もしくはその殆どを第一アンカーボルト81に負担させることができる。
このように、ベースプレート70に開設されているアンカー孔71,72とアンカーボルト81,85の間のクリアランスG1,G2を、柱10直下のアンカーボルト81とそれよりも内側のアンカーボルト85とで変化させることにより、柱10を介して作用するせん断力S2と引張力T1を負担するアンカーボルトの棲み分けを図ることができる。
そして、基礎60の端部62近傍の第一アンカーボルト81がせん断力S2を主として負担しないことから、せん断力S2による基礎60の端部において割裂破壊面Dに沿う割裂破壊の危険性を低減することができる。このことにより、第一アンカーボルト81と基礎60の端部62の間の端空きCを可及的に小さくすることが可能になる。このように、接合構造100によれば、地震時の水平力H2に起因するせん断力S2と引抜き力P1に起因する引張力T1の双方にアンカーボルト81,85が抗しながら、アンカーボルト81,85と基礎60の端部62の端空きCを可及的に小さくすることができる。
尚、実際には、引張力T1の全部を第一アンカーボルト81が負担せず、ベースプレート70を介してその一部が第二アンカーボルト85に伝達され、第二アンカーボルト85も引張力T1の一部を負担し得る。仮に、台座ブロック17と、ベースプレート70において台座ブロック17から張出している箇所に亘って補強リブ(図示せず)を取付けておくと、ベースプレート70の曲げ剛性が補強リブにより高められることから、引張力T1が作用した際に第二アンカーボルト85にはより多くの引張力が作用し得る。
しかしながら、図示例の接合構造100では、このような補強リブを適用しないことから、引張力T1を主として第一アンカーボルト81に負担させることを可能にしている。尤も、第一アンカーボルト81の負担する引張力を軽減して、そのアンカー径を小さくしたい場合には、ベースプレート70の厚みを厚くしたり、上記する補強リブを適用することにより、引張力T1のより多くの割合を第二アンカーボルト85に負担させるようにしてもよい。
また、図示する接合構造100を有する耐力壁50は1P幅程度の耐力壁であり、耐力壁50の幅に対して高さが高くなることから、一般に水平力に起因するせん断力よりも引抜き力に起因する引張力が卓越する傾向にある。このような場合は、引張力を主として負担する第一アンカーボルト81のアンカー径を相対的に大きくしてよい。例えば、第一アンカーボルト81にM22を適用し、第二アンカーボルト85にM16を適用できる。このように第二アンカーボルト85を相対的に小径としておくことにより、例えば、二本のアンカーボルト81,85の打設位置が設計位置からずれている場合の台直し施工の際に、相対的に小径の第二アンカーボルト85の一部を曲げてその水平位置を調整することができ、現場における台直し施工を容易に行うことが可能になる。
第一アンカーボルト81にM22を適用し、第二アンカーボルト85にM16を適用する場合、ベースプレート70の第一アンカー孔71をφ27mm(第一クリアランスG1の最大値は5mm)、第二アンカー孔72をφ18mm(第二クリアランスG2の最大値は2mm)程度に設定することができる。そして、この際、アンカー位置出し用のアンカー定規の穴径は、ベースプレート70の第一クリアランスG1と第二クリアランスG2の双方の最大値の差分3mm(5mm-2mm)より小さい、例えば0.5mm程度に設定するのがよい。
[第2の実施形態に係る柱と基礎の接合構造]
次に、図4を参照して、第2の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例について説明する。ここで、図4は、第2の実施形態に係る柱と基礎の接合構造の一例の縦断面図である。
図示する接合構造100Aは、基礎60における第一アンカーボルト81の周囲において、基礎60の天端から所定深度t2までの範囲に座ぐり部63が設けられ、この座ぐり部63に弾性材90が埋設されている。
ここで、弾性材90は、例えば発砲倍率の比較的高い発砲樹脂やゴム等により形成される。また、所定深度t2は、例えば、基礎60の天端61から50mm乃至150mm程度が設定される。
地震時の水平力に起因するせん断力の一部が第一アンカーボルト81に作用した場合に、端空きCが小さい場合には基礎端部の割裂破壊の恐れがある。これに対し、接合構造100Aでは、基礎60における第一アンカーボルト81の周囲において、基礎60の天端61から所定深度t2までの範囲に弾性材90が埋設されていることにより、変形自在な弾性材90の内部において第一アンカーボルト81が弾性変形もしくは塑性変形しながらせん断力を吸収することができる。そのため、第一アンカーボルト81よりも端部側の基礎に対してせん断力による第一アンカーボルト81の反力を付与することが抑制され、この反力に起因する基礎端部の割裂破壊を抑制することができる。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10、20:柱、30:梁、40:ブレース、41:ガセットプレート、50:耐力壁、60:基礎、61:天端(基礎天端)、62:端部、70:ベースプレート、71:第一アンカー孔(アンカー孔)、72:第二アンカー孔(アンカー孔)、81:第一アンカーボルト(アンカーボルト)、82:ナット、83:座金、85:第二アンカーボルト(アンカーボルト)、86:ナット、87:座金、90:弾性材、100,100A:接合構造(柱と基礎の接合構造)、G1:第一クリアランス、G2:第二クリアランス、C:端空き、H1,H2:水平力、P1:引抜き力、P2:押込み力、T1:引張力、T2:圧縮力、S1,S2:せん断力、D:割裂破壊面

Claims (3)

  1. ブレースの一端が柱脚に取り付けられている柱と、コンクリート製の基礎とが接合される、柱と基礎の接合構造であって、
    前記基礎の天端のうち、該基礎が外部に臨む部分である該基礎の端部の近傍であって前記柱の直下第一アンカーボルトが配設され、該第一アンカーボルトよりも前記端部から遠い位置にある前記ブレース側に第二アンカーボルト配設され、該基礎の端部側へ向かう外側方向のせん断力が作用した際に、前記第二アンカーボルトの頂部を起点として該基礎の前記端部まで延びる割裂破壊が生じる可能性のある位置に、該第一アンカーボルトと該第二アンカーボルトが設けられており、
    前記基礎の天端に前記柱脚が接合されているベースプレートが配設され、
    前記ベースプレートには、前記第一アンカーボルトが挿通される第一アンカー孔と、前記第二アンカーボルトが挿通される第二アンカー孔が開設されており、
    前記第一アンカーボルト及び前記第二アンカーボルトにより前記ベースプレートが前記基礎に接合されており、
    前記第一アンカーボルトと前記第一アンカー孔の第一クリアランスよりも、前記第二アンカーボルトと前記第二アンカー孔の第二クリアランスが小さく設定されており、この設定により、前記せん断力が前記第一アンカーボルトよりも先に前記第二アンカーボルトに作用して、該第一アンカーボルトが負担するせん断力が低減されることを特徴とする、柱と基礎の接合構造。
  2. 前記柱の柱芯上に前記第一アンカーボルトが配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の柱と基礎の接合構造。
  3. 前記基礎における前記第一アンカーボルトの周囲において、該基礎の天端から所定深度までの範囲に弾性材が埋設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の柱と基礎の接合構造。
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