JP2018080564A - ベースプレート及びこれを用いた柱脚構造 - Google Patents

ベースプレート及びこれを用いた柱脚構造 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延鋼板の積層構造からなるベースプレートの利点である高い曲げ剛性耐力を生かしながら、施工性、経済性および柱脚部の意匠性を高めることができる露出型柱脚用のベースプレートと、それを用いた柱脚構造を提供する。【解決手段】ベースプレート1は、鉄骨柱の下端部が溶接などにより接合される上層鋼板2aと、上層鋼板2aの下面側に配置されて上層鋼板2aと接合一体化される下層鋼板2bからなる積層構造のプレート材2の四隅に、プレート材2を上下方向に貫通するボルト挿通孔3が設けられている。このボルト挿通孔3は段差状に形成され、上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内径d1が、下層鋼板2bのボルト挿通孔3bの内径d2よりも大きく、且つそれらボルト挿通孔3a,3bが同じ軸心で配置されたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨造、充填鋼管コンクリート造などの露出型柱脚構造において、それら鉄骨柱を基礎コンクリートに固定するための部材として鉄骨柱の下端部に固着されるベースプレートと、このベースプレートを用いた柱脚構造に関する。
鉄骨建築物の柱脚構造は、躯体設計における柱脚接合部の固定度により、固定形式(半固定形式を含む。)とピン形式に分類され、また施工方式によって埋め込み型と露出型とに分類される。斯かる柱脚部には、地震時に軸力、せん断力および曲げモーメントが作用する。固定形式の露出型では、柱脚部に作用する地震時の曲げモーメンを積極的にベースプレートとアンカーボルトに負担させるために、複数本のアンカーボルトが鉄骨柱の外周側に配置される。
ところで、柱脚構造の設計で特に重要な構成部材であるベースプレートは、地震時に軸力、せん断力、曲げモーメントの影響を大きく受け、特に曲げモーメントへの対処に技術的な難しさがある。具体的には、ベースプレートは、アンカーボルトの引張力により一端側(引張側)では曲げモーメントを受け、下方向(基礎側)に面外曲げ変形をしようとする。一方、ベースプレートの他端側(圧縮側)では、同時に軸力と曲げモーメントの複合的応力が作用することにより、ベースプレートの圧縮側領域は、基礎コンクリートからの反力で上方向(鉄骨柱側)に面外曲げ変形をしようとする挙動を示す。
地震時において、ベースプレートは、上述したように柱を中心として左右の領域に全く異なる曲げ応力を受け、さらに急激な加速度でそれら応力が交番に作用することから、地震力に対する設計が不十分であると、多大なダメージを受けることになる。このため、ベースプレートは、地震力に対して曲げ応力と曲げ変形に十分留意して設計されなければならない。このようなベースプレートの具体例としては、極厚鋼板を転用したもの、鋼板の上面にプレート片(鋼板)を補剛リブとして鉄骨柱下端の側面に跨るように立設状態で溶接したもの、補強が必要な部分だけを厚くするために鋳造により一体成形したものなどがあり、これらのベースプレートは、鋼板製と鋳鋼製のものに大別することができる。
上記ベースプレートのうち極厚鋼板を転用したものは、規格品の圧延鋼板を適宜大きさの矩形板状に切断し、その周辺部分に所要数のボルト挿通孔を設けた形態である。この鋼板製ベースプレートは、製造工程で金型が不要であることから、鋳鋼製に比べてコスト的に有利であるとともに、各種サイズへの展開が容易であるという利点もあり、鋳鋼製のものを凌駕している。固定形式の露出型柱脚の場合には、地震等によるアンカーボルトの引抜力がかなりの大きさになるので、鋼板製のベースプレートは、アンカーボルトの引抜力に適合する曲げ剛性耐力とベースプレートの曲げ変形量を考慮して十分な板厚を確保することが重要である。また、鉄骨柱のサイズが大きい場合には、ベースプレートとして使用する鋼板の板厚を増やす必要があることから、矩形状に切断加工しただけの従来の鋼板製ベースプレートでは、鋼材重量が嵩んでしまうといった問題がある。さらに、この種の鋼板は、板厚が厚くなるにつれて市場に流通している数が減少するので、資材の調達という点で利用しにくいのが実情であり、特に板厚が100mmを超えるような構造材としての極厚鋼板は見当たらない。
そこで、サイズが大きい鉄骨柱に対しては、一般的な板厚の圧延鋼板にプレート片(補剛リブ)を溶接して補強したベースプレートも使用されている。この形式のベースプレートは、板厚がそれほど大きくない鋼板の使用により、鋼板を転用した上記鋼板製ベースプレートに比べて鋼材重量を減らせるが、溶接品質やコストなどの面でさらなる改善が必要である。さらに、これを柱脚部に適用した場合には、鉄骨柱の下端部側面に立設状態で接合された複数のプレート片と、ベースプレートの上面に突出する多数本のアンカーボルトの頭部と、これに螺合するナット等が鉄骨柱の下端部付近にそのまま露見した状態になる。斯かる設置状態は、建築物の柱の一部として意匠性の悪さや居住性等を悪化させる障害物的存在になるという問題がある。
このような事情から、図8に示すように、鉄骨柱20に対して補剛リブ21で補強された鋼板製のベースプレート22を採用する場合には、柱脚部が目立たなくなるような施工が行われることがある。具体的には、鉄筋コンクリート構造の基礎梁23(以下、基礎コンクリートともいう。)の上面部において、上端部を残して基礎梁23中に埋設されたアンカーボルト24に対して、鉄骨柱20の下端部に溶接されたベースプレート22を接合した後、基礎梁23の上面側にふかし部25を設けるものである。すなわち、鉄骨建て方工事が完了後、柱脚の周囲にコンクリートを打設し、あたかも埋め込み型柱脚のような仕上げにすることが行われている。このふかし部25の設置は、露出型柱脚の施工性を悪くすると同時に、コストアップの要因にもなる。そこで、本発明者は、このような固定形式の露出型柱脚における技術的状況に鑑み、補剛リブを用いることなく曲げ剛性耐力の向上を可能にした鋼板製のベースプレートを既に提案している(特許文献1)。
上記ベースプレートは、圧延鋼板を上下2層に積層したもので、鉄骨柱に接合される柱側プレート材と、基礎コンクリートに設置される基礎側プレート材とで構成される。そして、基礎側プレート材には、鉄骨柱の外形輪郭内方に納まる配置形態で、柱側プレート材下面との溶接用空間を形成するための円形穴が形成され、その内周縁部が当該下面と適宜に溶接接合される第1接合部となっている。また、基礎側プレート材には、アンカーボルト挿通孔を避けて外縁から鉄骨柱の外回り位置へ向かって、柱側プレート材下面との溶接用空間を形成するためのV字状の切欠きが形成され、その縁部が当該下面と適宜に溶接接合される第2接合部となり、これら第1と第2の接合部により、鋼板同士の一体性を高めたものである。
特開2012−7382号公報(図2等参照)
ところで、特許文献1に記載のベースプレートを用いた露出型の柱脚構造では、ベースプレートの上面に立設する補剛リブがなくなってはいるが、アンカーボルトの上端部、ナットおよび座金などがベースプレートの上面に突出することに何ら変わりはないことから、柱脚部の意匠性が必ずしも良好であるとは言い難く、さらなる改善の余地が残されていた。
そこで、本発明者はこれら従来技術の問題点に鑑み、さらに検討を重ねた結果、本発明に想到したのである。すなわち、本発明では、アンカーボルトの挿通孔に新たな改良を加え、これにより上記圧延鋼板の積層構造からなるベースプレートの利点を生かしながら、施工性、経済性および柱脚部の意匠性を高めることができる露出型柱脚用のベースプレートと、このベースプレートを用いた柱脚構造の提供をその目的とする。
上記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明では、鉄骨柱の下端部にプレート材の上面側で固着され、該プレート材の周辺部分に設けた複数のボルト挿通孔に基礎コンクリート表面から突出する複数本のアンカーボルトが挿通された状態で、これらアンカーボルトに対して座金を介した上方からのナットの締付けにより該鉄骨柱を基礎コンクリート上に固定する露出型柱脚用のベースプレートにおいて、前記プレート材は溶接された上下2層の鋼板からなり、これら鋼板のボルト挿通孔が真円状で互いに軸心を共有するとともに、上層鋼板のボルト挿通孔が下層鋼板のボルト挿通孔より大きい、という構成を採用した点に特徴がある。
なお、本願発明では、上記請求項1に係る発明において、上層鋼板のボルト挿通孔の深さをナットの高さと座金の厚さの合計より大きくすること(請求項2)、上層鋼板のボルト挿通孔の内径を座金の外径およびナットの対角距離より大きくすること(請求項3)、下層鋼板のボルト挿通孔の内径を座金の外径より小さくすること(請求項4)が可能である。さらに、上層鋼板と下層鋼板の外周輪郭形状が互いに異なるものとすることができる(請求項5)。この場合、上層鋼板と下層鋼板が、それぞれ非矩形状と矩形状に形成され、非矩形状の上層鋼板が矩形状の下層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさにすること(請求項6)、あるいはこの組合せとは逆の形態、すなわち上層鋼板と下層鋼板がそれぞれ矩形状と非矩形状に形成され、非矩形状の下層鋼板が矩形状の上層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさにすることもできる(請求項7)。
また、本願の請求項8に係る発明では、ベースプレートとしてのプレート材が下端部に固着された鉄骨柱を、該プレート材の周辺部分に設けた複数のボルト挿通孔に基礎コンクリート表面から突出する複数本のアンカーボルトを挿通した状態で、これらアンカーボルトに対して座金を介した上方からのナットの締付けにより基礎コンクリート上に固定する露出型の柱脚構造において、前記プレート材は溶接された上下2層の鋼板からなり、これら上下の鋼板のボルト挿通孔が真円状で互いに軸心を共有するとともに、前記座金とそのボルト挿通孔は真円状でボルト挿通孔の軸心が座金中心から離れた位置にあり、上層鋼板のボルト挿通孔の内径d1、下層鋼板のボルト挿通孔の内径d2、座金の外径d3、座金のボルト挿通孔の内径d4およびアンカーボルトの軸径d0が、d1>d3>d2>d4>d0の関係にある、という構成を採用した。なお、アンカーボルトの上端が上層鋼板の上面より下方に位置した柱脚構造にすることも可能である(請求項9)。
本発明は、以上のような構成を採用したことにより、次の効果が得られる。
(1)適宜寸法のナットと座金の使用により、それら部材を上層鋼板のボルト挿通孔内に格納し、設置後のベースプレート表面に突出するものを減らすことができるので、鉄骨柱の外側に延在するベースプレート表面がすっきりとした外観になり、柱脚部の意匠性が高まる。特に、上層鋼板のボルト挿通孔の深さが、ナットの高さと座金の厚さの合計より大きい場合には、それら部材が上層鋼板のボルト挿通孔内にすべて収まり、アンカーボルトの上端位置もこれに合わせることでベースプレート表面から突出するものを無くすことができ、柱脚部の意匠性が一段と高まる。
(2)設置後のベースプレート表面に突出する部材が減ることにより、補剛リブで補強されたベースプレートを使用する場合、あるいは鋼板リブがなく、座金やナットを含めたアンカーボルトの上部部分がベースプレートから突出する従来の柱脚構造のような、基礎梁の上面側にふかし部を設ける作業が不要になるので、露出型柱脚の施工性を向上させ、基礎躯体部の重量低減につながり、さらなるコストダウンが可能になる。
(3)溶接により一体化される上下2層の鋼板のどちらか一方を、ベースプレートに対して垂直に取り付ける従来の補剛リブと同等の断面性能を持たせることにより、十分な曲げ剛性耐力を確保することができる。すなわち、上層鋼板と下層鋼板の外周輪郭形状が互いに異なり、非矩形状の上層鋼板が補強側ベースプレートとして、矩形状の下層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさとした場合には、ベースプレートの断面補強を必要としない上層鋼板の該当部分を削除することで重量の低減とコストダウンを図ることができる。また、非矩形状の下層鋼板が補強側ベースプレートとして、矩形状の上層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさとした場合には、ベースプレートの断面補強を必要としない下層鋼板の該当部分を削除して重量の低減とコストダウンを図ることができることに加え、矩形状の上層鋼板により非矩形状の下層鋼板が隠れるので、意匠性が一段と向上する。
(a)〜(c)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係るベースプレートの平面図、底面図およびA−A線断面図である。 図1のベースプレートの使用状態を分解して示した斜視図である。 図1のベースプレートを用いた柱脚構造の斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の柱脚構造で使用する座金を拡大した平面図と断面図である。 本発明の柱脚構造において、アンカーボルトの締結部付近を拡大して示した断面図である。 アンカーボルトの芯ずれと座金の位置関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るベースプレートの平面図、底面図およびB−B線断面図である。 従来の柱脚構造の施工状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る露出型柱脚用ベースプレートの第1実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)におけるA−A線での断面図である。図示のベースプレート1は、鉄骨柱の下端部が溶接などにより接合される上層鋼板2aと、この上層鋼板2aの下面側に配置されて上層鋼板2aと接合一体化される下層鋼板2bからなる積層構造のプレート材2の四隅に、プレート材2を上下方向に貫通するボルト挿通孔3が設けられた構成である。このボルト挿通孔3は、断面図から明らかなように段差状に形成され、上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内径d1が、下層鋼板2bのボルト挿通孔3bの内径d2よりも大きく、且つそれらボルト挿通孔3a,3bが同じ軸心で配置されたものである。
上層鋼板2aは、ベースプレート1の取付け対象である鉄骨柱(例えば角形鋼管柱)の下端部が、上層鋼板2aの外周輪郭よりも幾分か内方に位置する程度に各辺部を円弧状に凹ませた形状にするとともに、各隅部をボルト挿通孔3に沿って円弧状に形成した非矩形状の形態をなすもので、従来の補剛リブに代わるものとして同等の断面性能を有している。一方、下層鋼板2bは矩形状(正方形状)に形成され、非矩形状の上層鋼板2aを重ねたときにその全体が、下層鋼板2bの外周輪郭内に収まる大きさに設定されている。
すなわち、本発明に係るベースプレート1において、断面補強を要するところは、ボルト挿通孔3の中心点から鉄骨柱の中心点に向かう線上部分と、鉄骨柱が固着される柱外周部付近の補強が中心となるので、断面補強が不要な上層鋼板2aの上記辺部の中間部分を円弧状に取り去った形状にすることで、ベースプレート1の重量低減とコスト低減を図ることができる。そして、これら上層鋼板2aと下層鋼板2bの接合一体化は、両者を上下に積層した状態で上層鋼板2aの下側外周縁部分に沿った溶接により行われる。なお、上層鋼板2aと下層鋼板2bの溶接は、必ずしも全周に沿って連続したものではなく、所定の接合強度が得られる場合には、適宜の溶接長で間隔を空けるようにしてもよい。
次に、本発明に係るベースプレート1の使用方法について説明する。図2は、ベースプレート1の使用状態を分解して示した斜視図であり、図3は、図1のベースプレート1を用いた本発明に係る柱脚構造の斜視図である。まず、角型鋼管からなる鉄骨柱4の下端部に対して、上記ベースプレート1をその上層鋼板2aの上面側の所定位置で溶接する。次に、ベースプレート1が固着された鉄骨柱4は、上端部を残してその大半部分が基礎コンクリート5内に埋設されているアンカーボルト6の上端部に対して、ベースプレート1の四隅にあるボルト挿通孔3を合わせて挿入した状態で基礎コンクリート5の上面に載置する。そして、各アンカーボルト6の上端部に座金7を挿入し、座金7が上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内部で下層鋼板2bの上面に当接した状態で、上方からナット8で締め付けることにより、鉄骨柱4はベースプレート1を介して基礎コンクリート5に強固に接合される。この場合、座金7は、下層鋼板2bの上面でアンカーボルト6に働く応力を支持するための掛しろとなるので、その厚さや外径などを適宜選定する。なお、下層鋼板2bの下面と基礎コンクリート5の上面との間には、必要に応じて充填モルタル層9が設けられる。
図4は、本発明に係る露出型の柱脚構造で使用する座金7を拡大して示したもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。座金7は、全体が外径d3の真円状に形成され、アンカーボルト6が貫通する内側のボルト挿通孔7aも同じように外径d4の真円状であるが、ボルト挿通孔7aの中心c1が座金全体の中心c2に対してδだけ偏芯している点に特徴がある。
図5は、本発明に係る露出型の柱脚構造において、基礎コンクリート5との接合に関わる各部材の大きさ、互いの位置関係を説明するために、アンカーボルト6の締結部付近を拡大して示した断面図である。基礎コンクリート5の上面で上端側部分が突出しているアンカーボルト6は、その上端面が上層鋼板2aの上面とほぼ同じレベルに位置するとともに、これに装着される座金7およびナット8の全体が上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内部に収まるることから、鉄骨柱4の周囲で上層鋼板2aの上面側に突出する部材がなくなり、柱脚部の意匠性が大きく向上する。これに伴って、基礎コンクリート5の上面側にふかし部を設ける作業が不要になるので、露出型柱脚の施工性が向上し、柱脚部を含めた基礎部分のコストダウンが可能なる。
また、上記柱脚構造において、アンカーボルト6の軸径d0に対して、上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内径d1、下層鋼板2bのボルト挿通孔3bの内径d2、座金7の外径d3、座金7のボルト挿通孔7aの内径d4は、d1>d3>d2>d4>d0の関係になることが重要である。この場合、下層鋼板2bのボルト挿通孔3bの内径d2は、アンカーボルト6の軸径d0に対してやや過大となる大きさにする。その理由は、アンカーボルト6を基礎コンクリート5内の所定位置に埋設する作業において、施工時に避けられない施工誤差(位置精度)への対応と、重機による鉄骨建方時の施工性(ボルト挿通孔3bへのアンカーボルト6の挿入作業)を考慮するもので、過大とする大きさは、基準線に対してプラスマイナス10mm程度の範囲内で設定するのが実用面で好ましい。
すなわち、下層鋼板2bのボルト挿通孔3bは、アンカーボルト6に対して10〜20mm程度のクリアランスが確保できる程度の内径とする。ベースプレート1を含む鉄骨柱4は、工場で製作されるものであるから、ベースプレート1の寸法精度に関しては比較的高いものになっている。これに対して、アンカーボルト6の施工(位置)精度は、アンカーボルト6の設置が基礎コンクリート5の施工に先立つ現場作業であることから、十分な施工管理の下でもプラスマイナス5〜10mm程度の芯ずれを想定しなければならない。このことを考慮した結果、上記クリアランスを確保できるように下層鋼板2bのボルト挿通孔3bを拡大する必要がある。
図6は、柱脚構造としたときのアンカーボルト6の芯ずれと座金7の位置関係を示した説明図である。(a)は、アンカーボルト6がボルト挿通孔3のほぼ中心に位置している場合、(b)は芯ずれが生じた場合を示している。本発明の柱脚構造で使用する座金7は、図4に示したように、ボルト挿通孔7aの中心点c1が座金7の中心点c2より距離δだけ偏芯しているので、アンカーボルト6がベースプレート1のボルト挿通孔3(3a,3b)内でどの位置にあっても下層鋼板2bのボルト挿通孔3bを完全に覆ってアンカーボルト6を確実に支持することができる。また、鉄骨建て方時において、鉄骨柱4に付随するベースプレート1の極端な横移動は、この座金7が上層鋼板2aのボルト挿通孔3aの内壁面に当接することによって阻止されるので、鉄骨柱4の位置修正作業を不要にすることができる。
図7は、本発明の第2実施形態に係るベースプレートを示し、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)のB−B線での断面図である。前記第1実施形態と重複する部分については、その説明を省略する。図示のベースプレート10は、上下2層のプレート材11から構成される点は第1実施形態と共通するものであるが、補剛層の位置関係を逆にして下層側の鋼板に補剛効果を持たせた事例である。
この実施形態において、上層鋼板11aは正方形状に成形されるとともに、補剛層となる下層鋼板11bが4枚の帯板片12で構成されている。各帯板片12は、両方の端部を上層鋼板11aの隅部と中心に向けた状態、すなわち対角線上に配置され、上層鋼板11a側の外周縁部分で溶接することにより上層鋼板11aと一体化される。その結果、4枚の帯板片12からなる下層鋼板11bは、全体として略十字状の形態をなしている。
また、上層鋼板11aと下層鋼板11b(帯板片12)のそれぞれのボルト挿通孔13a,13bの関係は、第1実施形態と同様に同じ軸心で上層鋼板11aのほうが大きく形成されている。この場合、4枚の帯板片12の中心部側には十字状に隙間が形成されているが、この隙間は、ベースプレート10の裏側にモルタルを充填する際に流路として活用することができる。なお、下層鋼板としては、前記第1実施形態の上層鋼板2aのように1枚の鋼板からなるものを適用することはもちろん可能である。この実施形態に係るベースプレート10を用いた柱脚構造では、正方形状の上層鋼板11aの四隅に設けられたボルト挿通孔13の内部にナット等が収納され、それらボルト挿通孔13を含めて角形鉄骨柱の側面より外側に突出している上層鋼板11aの周辺部分がほぼ平坦状になることから、柱脚部がすっきりとした外観となり意匠性が向上する。
なお、上記各実施形態では、ボルト挿通孔の位置を四隅に1個ずつ設けた事例について説明したが、アンカーボルトが挿通されるボルト挿通孔の位置については、少なくともベースプレートの隅部にあればよく、例えば各隅部のみにそれぞれ複数個を設けたもの、さらにそれら隅部間の辺部にも設けたもの、あるいは四辺に沿ってそれぞれ単独で均等配置したものなど、その本数等に応じて種々の配列状態に適用可能である。また、アンカーボルトの上端部やナットについては、上層鋼板のボルト挿通孔内に完全に収まるように設定することが意匠的に好ましいが、多少の突出状態では上述したふかし部を設ける必要もないことから、状況に応じて適宜選択すればよい。さらに、アンカーボルトの上端部に装着するナットとして、例えばすりわり付き丸ナット、上面穴付きナット、溝付き丸ナットなどのように、ナットの側面に締付け工具を掛合させずに上面からの工具の掛合により締付け作業が可能なナットを適用することにより、ボルト挿通孔内で偏芯が大きい場合での施工性を向上させることもでき、本発明の技術思想内でさまざまな変更実施が可能である。
本発明に係る露出型柱脚用のベースプレートは、鉄骨造の柱脚部に使用された場合にその優位性が発揮され、意匠的に優れ、併せて構造躯体の耐震性能、施工性、経済性を向上させる手段としてさらなる展開が期待される。
1…ベースプレート、2…プレート材、2a…上層鋼板、2b…下層鋼板、3,3a,3b…ボルト挿通孔、4…鉄骨柱、5…基礎コンクリート、6…アンカーボルト、7…座金、7a…ボルト挿通孔、8…ナット、9…充填モルタル層、10…ベースプレート、11…プレート材、11a…上層鋼板、11b…下層鋼板、12…帯板片、13a,13b…ボルト挿通孔、20…鉄骨柱、21…補剛リブ21、22…ベースプレート、23…基礎梁、24…アンカーボルト、25…ふかし部

Claims (9)

  1. 鉄骨柱の下端部にプレート材の上面側で固着され、該プレート材の周辺部分に設けた複数のボルト挿通孔に基礎コンクリート表面から突出する複数本のアンカーボルトが挿通された状態で、これらアンカーボルトに対して座金を介した上方からのナットの締付けにより該鉄骨柱を基礎コンクリート上に固定する露出型柱脚用のベースプレートにおいて、前記プレート材は溶接された上下2層の鋼板からなり、これら鋼板のボルト挿通孔が真円状で互いに軸心を共有するとともに、上層鋼板のボルト挿通孔が下層鋼板のボルト挿通孔より大きいことを特徴とするベースプレート。
  2. 前記上層鋼板のボルト挿通孔の深さが、前記ナットの高さと前記座金の厚さの合計より大きい請求項1に記載のベースプレート。
  3. 前記上層鋼板のボルト挿通孔の内径が、前記座金の外径および前記ナットの対角距離より大きい請求項1または2に記載のベースプレート。
  4. 前記下層鋼板のボルト挿通孔の内径が、前記座金の外径より小さい請求項1ないし3のいずれか一項に記載のベースプレート。
  5. 前記上層鋼板と前記下層鋼板の外周輪郭形状が互いに異なる請求項1ないし4のいずれか一項に記載のベースプレート。
  6. 前記上層鋼板と前記下層鋼板がそれぞれ非矩形状と矩形状に形成され、非矩形状の上層鋼板が矩形状の下層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさである請求項5に記載のベースプレート。
  7. 前記上層鋼板と前記下層鋼板がそれぞれ矩形状と非矩形状に形成され、非矩形状の下層鋼板が矩形状の上層鋼板の外周輪郭内に収まる大きさである請求項5に記載のベースプレート。
  8. ベースプレートとしてのプレート材が下端部に固着された鉄骨柱を、該プレート材の周辺部分に設けた複数のボルト挿通孔に基礎コンクリート表面から突出する複数本のアンカーボルトを挿通した状態で、これらアンカーボルトに対して座金を介した上方からのナットの締付けにより基礎コンクリート上に固定する露出型の柱脚構造において、前記プレート材は溶接された上下2層の鋼板からなり、これら上下の鋼板のボルト挿通孔が真円状で互いに軸心を共有するとともに、前記座金とそのボルト挿通孔は真円状でボルト挿通孔の軸心が座金中心から離れた位置にあり、上層鋼板のボルト挿通孔の内径d1、下層鋼板のボルト挿通孔の内径d2、座金の外径d3、座金のボルト挿通孔の内径d4およびアンカーボルトの軸径d0が、d1>d3>d2>d4>d0の関係にあることを特徴とする柱脚構造。
  9. 前記アンカーボルトの上端が、前記上層鋼板の上面より下方に位置している請求項8に記載の柱脚構造。
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