WO2015098923A1 - 磁性トナー - Google Patents
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Abstract
結着樹脂および磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粒子と、を含有する磁性トナーであって、該磁性トナーの平均円形度が0.955以上であり、無機微粒子を、磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、弱固着無機微粒子の含有量、中固着無機微粒子の弱固着無機微粒子に対する比、および、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、特定の範囲である磁性トナー。
Description
本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的および使用環境の多様化が進むとともに、さらなる高速化、高画質化、高安定化が求められている。例えば、従来はオフィス内で使用されることが主流であったプリンターなどが、高温、高湿度などの過酷な環境下でも使用されるようになってきており、そのような場合でも安定した画質を提供することが重要となっている。
複写機やプリンターにおいては、装置の小型化や省エネ化が進んでおり、これらの点で有利な磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。
磁性一成分現像方式では、内部にマグネットロールなどの磁界発生手段を設けたトナー担持体(以下、現像スリーブという)上に、磁性トナー層規制部材(以下、現像ブレードという)により、磁性トナー層を形成する。そして、この磁性トナー層を現像スリーブにより、現像領域に搬送し、現像する。
磁性トナーへの電荷付与は、現像ブレードと現像スリーブの当接部(以下、ブレードニプ部という)で、現像ブレードおよび現像スリーブと接触し、その際の摩擦によって帯電する。
装置の小型化という点においては、現像スリーブの小径化が重要な技術となる。小径化された現像スリーブの場合には、スリーブ裏でのトナーとスリーブの接触面積が小さくなることから、帯電機会が減少する。また、現像ニップ部の現像領域が狭くなることにより、現像スリーブから磁性トナーが飛翔しにくくなり、帯電性が弱い、すなわち現像力が弱い磁性トナーが現像スリーブに留まりやすい。
この場合、ブレードニップ内の磁性トナー層において磁性トナーの入れ替わりが悪くなり、磁性トナーの帯電が立ち上がりにくい。
また、使用環境が多様化していることを考えると、磁性トナーが、例えば、高温多湿環境下に長期放置されることも想定される。その場合、磁性トナーの樹脂成分が軟化することで磁性トナー表面に付着した外添剤が一部埋めこまれる。その状態で長期耐久試験を行うと、ブレードニップ部において磁性トナーがシェアを受けてさらに外添剤が埋没し、長期耐久試験後半には、磁性トナーの流動性が低下し、帯電が立ち上がりにくくなる。
特に、磁性トナーにおいては、磁性体を含有しない非磁性トナーに比べて、磁性体の分散性が帯電性に大きく影響を与えやすく、磁性トナーの帯電量が立ち上がりにくい場合には様々な画像欠陥を生じやすい。
こうした課題に対して、磁性トナー内における磁性体の分散状態の指標である誘電特性を制御し、環境変動に伴う現像性の変化を安定させる手法が数多く提案されている。
例えば、特許文献1では、高温域および常温域における誘電正接(tanδ)を制御し、環境変動に伴うトナーの帯電性の変化を小さくするよう試みている。
確かに、ある特定の条件下において一定の効果を得ているが、特に磁性体含有量が多いところでの高度な原材料分散性については十分には言及されておらず、磁性トナーの帯電の立ち上がり性、そして定着性の点では未だ改善の余地があった。
また、特許文献2においては、トナーの環境変動を抑制するために、低温低湿条件下の飽和含水率HLと、高温高湿条件下の飽和含水率HHとの比を特定の範囲内としたトナーが開示されている。
含水率を上記のように制御することにより、確かにある特定の条件下では、画像濃度再現性や転写性について一定の効果を得ている。しかし、特に着色剤として磁性体を相当量含有させた場合の帯電の立ち上がり性や定着性については言及されておらず、本発明の効果を得るには不十分であった。
また、特許文献3においては、トナー粒子および数平均粒子径が50nm以上300nm以下の球形粒子を含み、前記球形粒子の遊離率が5体積%以上40体積%以下である画像形成装置が開示されている。これにより、特定の環境下での像保持体の汚染や像保持体および中間転写体の損傷、ならびに、画像欠陥の抑制に一定の効果は上げている。
一方、特許文献4においては、大径粒子を固定化し、小径粒子を外添するトナーについて開示されている。これにより、定着離型性の向上と、トナー流動性の安定化を図ることができ、荷電性、搬送性、および、離型性に優れた粉砕トナーを得ることができるとしている。
さらに、特許文献5においては、外添剤の被覆状態を制御し、さらにトナーの誘電特性を制御し、主に停止スジといった課題に有効な技術が開示されている。
しかし、これらの発明においては、球形粒子または大径粒子の固定化条件または遊離条件から推測される、それら粒子の遊離率が比較的高かったりするなど、その他添加される無機微粒子についての付着状態の制御が不十分である。
そのため、無機微粒子の付着状態が変化しやすい高温高湿環境下で保管された後に長期耐久試験を行った場合などでは、磁性トナーの帯電立ち上がり性としては不十分であり、本発明の意図する効果は得られなかった。
また、樹脂組成や粘度の制御も不十分であり、本発明が意図する定着温度領域の確保という観点では不十分であった。
すなわち、保管環境によらず優れた帯電立ち上がり性を長期に渡り維持でき、さらに、幅広い定着温度領域を有する磁性トナーにより、高品位な画像を得るには依然として改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点を解決できる磁性トナーを提供するものである。すなわち、保管環境によらず優れた帯電立ち上がり性を長期に渡り維持でき、さらに、幅広い定着温度領域を有する磁性トナーを提供するものである。
本発明者らは、高い円形度を持つ磁性トナー粒子に対して無機微粒子を特定の付着状態とすることで、上記問題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
結着樹脂および磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
該磁性トナー粒子の表面に固着された無機微粒子と、
を含有する磁性トナーであって、
該磁性トナーの平均円形度が0.955以上であり、
該無機微粒子を、該磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、
(1)該弱固着無機微粒子の含有量が、該磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下であり、
(2)該中固着無機微粒子が、該弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在し、
(3)X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、60.0面積%以上90.0面積%以下であり、
弱固着無機微粒子は、界面活性剤を含むイオン交換水に該磁性トナーを加えた分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で2分間振とうした場合に剥がれる無機微粒子であり、
中固着無機微粒子は、該振とうでは剥がれないが、強度120W/cm2で30分間の超音波分散により剥がれる無機微粒子であり、
強固着無機微粒子は、該振とうおよび該超音波分散でも剥がれない無機微粒子であることを特徴とする磁性トナー。
該磁性トナー粒子の表面に固着された無機微粒子と、
を含有する磁性トナーであって、
該磁性トナーの平均円形度が0.955以上であり、
該無機微粒子を、該磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、
(1)該弱固着無機微粒子の含有量が、該磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下であり、
(2)該中固着無機微粒子が、該弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在し、
(3)X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、60.0面積%以上90.0面積%以下であり、
弱固着無機微粒子は、界面活性剤を含むイオン交換水に該磁性トナーを加えた分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で2分間振とうした場合に剥がれる無機微粒子であり、
中固着無機微粒子は、該振とうでは剥がれないが、強度120W/cm2で30分間の超音波分散により剥がれる無機微粒子であり、
強固着無機微粒子は、該振とうおよび該超音波分散でも剥がれない無機微粒子であることを特徴とする磁性トナー。
本発明によれば、長期保管した際にも優れた帯電の立ち上がり性を維持でき、幅広い定着温度領域を有する磁性トナーを提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、
結着樹脂および磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
該磁性トナー粒子の表面に固着された無機微粒子と、
を含有する磁性トナーであって、
該磁性トナーの平均円形度が0.955以上であり、
該無機微粒子を、該磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、
(1)該弱固着無機微粒子の含有量が、該磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下であり、
(2)該中固着無機微粒子が、該弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在し、
(3)X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、60.0面積%以上90.0面積%以下であり、
弱固着無機微粒子は、界面活性剤を含むイオン交換水に該磁性トナーを加えた分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で2分間振とうした場合に剥がれる無機微粒子であり、
中固着無機微粒子は、該振とうでは剥がれないが、強度120W/cm2で30分間の超音波分散により剥がれる無機微粒子であり、
強固着無機微粒子は、該振とうおよび該超音波分散でも剥がれない無機微粒子であることを特徴とする磁性トナーに関する。
結着樹脂および磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
該磁性トナー粒子の表面に固着された無機微粒子と、
を含有する磁性トナーであって、
該磁性トナーの平均円形度が0.955以上であり、
該無機微粒子を、該磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、
(1)該弱固着無機微粒子の含有量が、該磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下であり、
(2)該中固着無機微粒子が、該弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在し、
(3)X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、60.0面積%以上90.0面積%以下であり、
弱固着無機微粒子は、界面活性剤を含むイオン交換水に該磁性トナーを加えた分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で2分間振とうした場合に剥がれる無機微粒子であり、
中固着無機微粒子は、該振とうでは剥がれないが、強度120W/cm2で30分間の超音波分散により剥がれる無機微粒子であり、
強固着無機微粒子は、該振とうおよび該超音波分散でも剥がれない無機微粒子であることを特徴とする磁性トナーに関する。
本発明者らの検討によれば、上記のような磁性トナーを用いることにより、長期保管後に長期使用するような状況においても、優れた帯電の立ち上がり性(以下、迅速帯電性ともいう)を示す磁性トナーを提供することが可能である。
磁性トナーにおいて添加される無機微粒子について、固着強度の違いなどによりその存在状態を詳細に制御することにより、上述のような性能を付与しうる理由については明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、本発明においては、X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上90.0面積%以下であることが重要である。より好ましくは、63.0面積%以上85.0面積%以下、さらに好ましくは、65.0面積%以上80.0面積%以下である。
まず、本発明における強固着無機微粒子についてであるが、これは磁性トナーを水中に分散し、超音波による大きなシェアを与えても磁性トナー粒子の表面から剥がれなかった無機微粒子を指す。そのため、強固着無機微粒子は磁性トナー粒子の表面に埋没し、一体化していると考えている。
強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上であるということは、磁性トナー粒子の表面の大部分について無機微粒子が強固に打ちこまれ、ある程度埋没した状態であるといえる。この無機微粒子は、さらなる磁性トナー粒子への埋没は難しく、それ以上の変化は起きにくい。そのため、高温多湿環境下のような無機微粒子の埋没が発生しやすい状況で長期保管された場合でも、初期状態を維持できると考えられる。
また、一般的に無機微粒子は磁性トナー粒子の表面よりも流動性に優れる。無機微粒子で覆われた磁性トナー粒子の表面は、無機微粒子そのものに近い表面性状となり、高い流動性を得ることから、優れた迅速帯電性が得られていると考えている。
上記のことから、磁性トナー粒子の表面を強固着無機微粒子で覆うことで、長期保管、長期使用を経てもなお、優れた迅速帯電性を維持できる。
被覆率Xは、強固着無機微粒子の個数平均粒子径、添加量、外添条件などにより制御できる。
強固着無機微粒子が少ない場合、すなわち、強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%未満の場合、磁性トナー粒子の表面の露出部に耐久や長期保管によって無機微粒子が埋没していく。そうすると、現像スリーブ上のトナー層が一部動きにくくなることから、磁性トナーの迅速帯電性は低下する傾向である。
一方、強固着無機微粒子が多い場合、すなわち、強固着無機微粒子による被覆率Xが90.0面積%を超える場合、磁性トナー粒子に熱が伝わりにくく、熱定着がしにくくなる。また、強固着無機微粒子によって完全に被覆してしまうと、後述する中固着無機微粒子や弱固着無機微粒子の制御が難しくなる。
ここで、上述した強固着無機微粒子による効果は、磁性トナーの円形度が高い場合に顕著に効果が現れる。すなわち、磁性トナーの平均円形度が0.955以上であることが重要である。より好ましくは0.957以上0.980以下である。円形度が高い磁性トナーは、表面の凹凸が少ないため、強固着無機微粒子による被覆率Xを上記範囲に制御しやすくかつ均一に被覆しやすい。そのため、長期放置や耐久による無機微粒子の埋め込みを抑制できる。平均円形度が低い場合、すなわち0.955未満である場合、耐久試験や長期保管において、例えば凸部のような無機微粒子が固着しにくい部分を起点に劣化現象が進行する傾向である。平均円形度は、磁性トナーの製造方法や、製造条件の調整によって上記範囲に調整することが可能である。
また、本発明においては、磁性トナー表面の強固着無機微粒子の上に、さらに中固着無機微粒子と弱固着無機微粒子が適当量存在することが重要である。
ここで、迅速帯電性を高度に維持するためには、中固着無機微粒子および弱固着無機微粒子が、以下の条件を満たすことが重要である。
本発明のトナーにおいては、中固着無機微粒子が、弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在するように、無機微粒子の固着状態を制御することが重要である。制御方法としては、例えば、外添工程において、2段階混合を実施し、1段目の外添工程と2段目の外添工程において、それぞれ無機微粒子の添加量や外添強度を調整する方法が挙げられる。また、当該比は、共着させる無機微粒子と弱固着させる無機微粒子の個数平均粒子径を適宜選択することでも制御することができる。より好ましくは、中固着無機微粒子が、弱固着無機微粒子の2.2倍以上5.0倍以下であり、さらに好ましくは、2.5倍以上5.0倍以下である。
また、弱固着無機微粒子の含有量が、磁性トナー100質量部中に、0.10質量部以上0.30質量部以下であることが重要である。好ましくは0.12質量部以上0.27質量部以下であり、より好ましくは0.15質量部以上0.25質量部以下である。
弱固着無機微粒子の含有量を上記範囲に制御する方法としては、例えば、無機微粒子の添加量の調整や上述のような2段階混合により、1段目、2段目それぞれの外添条件の調整をすることにより制御することができる。
弱固着無機微粒子量の測定方法は後述するが、弱固着無機微粒子は、磁性トナー表面で比較的自由に挙動することが可能であると考えられる。弱固着無機微粒子が磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下存在することにより、磁性トナー間の潤滑性を高め、凝集力を低減する効果を発揮させることができると考えられる。
0.10質量部未満ではこの潤滑性および凝集力低減の効果が十分に得られず、0.30質量部を超える場合には、潤滑性が必要以上に高くなりやすく、磁性トナーが密に詰まりやすくなり、かえって流動性を低下させやすい。
中固着無機微粒子の測定方法についても後述するが、中固着無機微粒子は、弱固着無機微粒子に比べて埋没しているものの、強固着無機微粒子に比べると、磁性トナー粒子の表面により露出していると考えられる。
本発明者らは、この中固着無機微粒子が、固定化されながらも適度に露出している状態により、ブレードニップ内や現像スリーブ裏などの磁性トナーが圧密されるような状態のときに、磁性トナーを回転させる効果を発揮すると推測している。このとき、磁性トナーが自転するだけでなく、他の磁性トナー粒子の表面の中固着無機微粒子と噛みこみ合うような相互作用をすることで、他の磁性トナー粒子をも回転させる効果があると考えている。
すなわち、中固着無機微粒子の作用により、ブレードニップ部における磁性トナー層内の磁性トナーが大きく混ざり合うことで、磁性トナー間の摩擦による帯電も相まって、磁性トナーが迅速に帯電されると思われる。
また、現像スリーブ裏で圧密された磁性トナーがパッキング状態になってしまうと、一部凝集した磁性トナーが現像スリーブに供給されることで、ブレードニップ部の磁性トナー層が不適切に厚くなりやすい。
その結果、ブレードニップ部において磁性トナーの入れ替わりが遅くなり、磁性トナーの迅速帯電性としては不十分になりやすい。
中固着無機微粒子のこれらの作用を最大限に発揮するには、前述のように、中固着無機微粒子が、弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在するように、無機微粒子の固着状態を制御することが重要である。
中固着無機微粒子と弱固着無機微粒子がこの量比関係にあるとき、初めて、現像スリーブ裏の磁性トナーにより、現像スリーブ上に均一な磁性トナー層を形成し、かつ、ブレードニップ部における磁性トナー層が素早く混合され続ける。これにより、現像スリーブ上の磁性トナー層内において、磁性トナーの迅速帯電性が格段に向上すると考えられる。
中固着無機微粒子が、弱固着無機微粒子の5.0倍を超える場合、潤滑性および凝集力低減の作用が、中固着無機微粒子による噛みこみ合う作用に対して弱くなる。その結果、現像スリーブ裏およびブレードニップ部における磁性トナー層の混ざりを加速する効果が得られない。
一方、中固着無機微粒子が、弱固着無機微粒子の2.0倍未満の場合、中固着無機微粒子による噛みこみ合う作用が十分に得られず、上記同様、やはり混ざりを加速する効果を十分に得ることができない。
なお、上述した迅速帯電性を高め、維持する効果は、強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上90.0面積%以下であり、さらに平均円形度が0.955以上であるときに初めて得ることが可能である。
ここで、強固着無機微粒子による被覆率Xが90.0面積%を超える場合には、先述した低温定着性の阻害以外にも、中固着無機微粒子と弱固着無機微粒子の量比関係を本発明の範囲に制御することが難しくなる。
また、平均円形度が0.955を下回る場合には磁性トナー表面の凹凸が多く、無機微粒子による均一な被覆は達成しにくい。そのため、中固着無機微粒子同士の噛み込みの効果や、弱固着無機微粒子による潤滑性向上の効果が小さくなる。
本発明者らは、弱固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)に対する、該強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の比(強固着無機微粒子のD1/弱固着無機微粒子のD1)が、
好ましくは4.0以上25.0以下、
より好ましくは5.0以上20.0以下、
さらに好ましくは6.0以上15.0以下
であることを実験的に見出した。
好ましくは4.0以上25.0以下、
より好ましくは5.0以上20.0以下、
さらに好ましくは6.0以上15.0以下
であることを実験的に見出した。
この理由については明確ではないが、以下のように推測している。
前述の弱固着無機微粒子による磁性トナー間の潤滑性向上および凝集力低減の効果をさらに発揮させるためには、磁性トナー粒子の表面に存在する無機微粒子同士のすべり性を活用することが非常に有効であると思われる。
さらに、そのためには、比較的自由に挙動可能な弱固着無機微粒子に対して、磁性トナー粒子の表面に強固着されている無機微粒子一粒子の占める面積が大きい方がすべり性を最大限活用できると考えられる。
弱固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)に対する、該強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の比が4.0未満の場合、上記の無機微粒子同士のすべり性が十分に得られにくくなる傾向にある。
一方、上記比が25.0を超える場合には、弱固着無機微粒子に対して強固着無機微粒子があまりに大きいため、弱固着無機微粒子の好ましい量を満足しにくく、また、長期耐久試験に伴う埋め込みも抑制しにくくなる傾向にある。
また、強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)は、好ましくは50nm以上200nm以下、より好ましくは60nm以上180nm以下、さらに好ましくは70nm以上150nm以下である。
強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)が50nm未満の場合、上記のすべり性が十分に得られにくく、また、長期耐久試験に伴う弱固着無機微粒子および中固着無機微粒子の埋没を抑制しにくくなる傾向にある。
一方、強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)が200nmを超える場合、磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上に調整しにくくなる傾向にある。
強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)は、強固着させる無機微粒子を適宜選択することにより制御することができる。
また、弱固着無機微粒子および/または中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)が5nm以上30nm以下であることが好ましい。より好ましくは5nm以上25nm以下、さらに好ましくは5nm以上20nm以下である。
上記範囲であることにより、弱固着無機微粒子においては潤滑性および凝集力低減効果を発揮させやすい。また、中固着無機微粒子においては、噛みこみによる磁性トナーの撹拌効果を発揮させやすい。
さらに、本発明の磁性トナーにおいては、周波数100kHz、温度30℃における誘電正接(tanδ)が6.0×10-3以下であることが好ましい。
ここで誘電率を測定する条件として周波数を100kHzとしたのは、磁性体の分散状態を検証するために好適な周波数であるためである。100kHzより低周波数であると安定して測定しにくくなり、磁性トナーの誘電率の差が見づらくなる傾向がある。また120kHzで測定したところ、100kHzとほぼ同じ値が安定して得られ、それ以上の高周波数の場合は、性能差のある磁性トナー間で、誘電率差がやや小さくなる傾向があった。また、温度30℃というのは画像プリント中のカートリッジ内部の温度を想定した場合に、低温時から高温時までの磁性トナー物性を代表できる温度である。
tanδを比較的低く制御することにより、磁性トナー中で、磁性体が高度に均一分散されているために、電荷がリークしにくくなる。
すなわち、tanδを好ましくは本発明の範囲に制御することによって、磁性トナー粒子が帯電しやすく、電荷をリークさせにくい特性となり、その結果、上述した弱固着、中固着、強固着無機微粒子の効果と相まって、より迅速帯電性を向上する。
磁性トナーの誘電正接は、磁性体の分散状態の制御などにより調整することができる。
誘電正接は、磁性トナー中の磁性体の均一分散により低くすることができる。例えば、磁性トナー製造工程における、溶融混練時の混練時温度を上げて混練物の粘度を低下させることにより、磁性体の均一分散を促進させることができる。また、磁性体を減らすと、磁性トナー粒子内に凝集体が含まれる頻度が低くなり、均一分散傾向となるため、誘電正接としても下がる傾向である。
上述のように、磁性体を均一分散させ、誘電正接を低く制御するためには、溶融混練工程を有する、粉砕法が好ましく用いられる。一方、水系媒体中における製造方法も知られているが、tanδを本発明で述べる範囲にまで低下させるという観点では適さない。例えば、溶解懸濁法や懸濁重合法で磁性トナー粒子を製造すると、磁性体が表面近傍に存在する確率が高まるために誘電正接は大きくなる傾向であり、6.0×10-3以下とすることは難しい。
また、磁性トナーの定荷重押し出し方式の細管式レオメーターを用いて測定された軟化温度(Ts)は60.0℃以上73.0℃以下であり、軟化点(Tm)との差(Tm-Ts)が45.0℃以上57.0℃以下であることが好ましい。
軟化温度(Ts)と軟化点(Tm)はどちらも磁性トナーの溶融し易さの指標であるが、軟化温度は磁性トナーの溶け始めの温度、軟化点は磁性トナーが完全に溶解してしまう温度、と置き換えて考えることができる。低い定着温度のとき、耐熱フィルムと支持ローラーで形成される定着領域における記録媒体の温度は、紙の場合100℃以下になることがある。このような温度でも磁性トナーが軟化し、圧力により迅速に粒子が密着するよう制御することで、トナー粒子間の空隙が無くなり、熱伝導が効率的に行われるようになることから、定着に有利である。
軟化温度(Ts)は、このような低温における磁性トナーの軟化のしやすさを高度に制御することができる。軟化温度(Ts)が73.0℃以下であると、上記のような定着に厳しい条件下でも磁性トナーが溶融しやすく、定着が良好に行われる。しかしながら、軟化温度(Ts)が60.0℃を下回ると低温定着には好ましいが、保存安定性の観点では適さない。
軟化温度(Ts)は離型剤の組成と、結着樹脂中における低分子量重合体の含有量によって、調整することができる。また、軟化点(Tm)は高分子量重合体の含有量や分子量によって調整することができる。
上述のようにTsを下げることで低温定着性を伸ばすことができるが、一方でTm-Tsをある程度大きく取っておくことも大切である。Tm-Tsは低温定着性、高温オフセット性を満足する領域、すなわち定着領域の広さに対応する指標である。本発明者らの検討結果によると、Tm-Tsを45.0℃以上であれば十分な定着領域が確保できるが、57.0を超えると、低温定着性か高温オフセット性どちらかの性能が低下する傾向にある。
本発明の磁性トナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、
分子量4000以上8000以下の領域にメインピーク(MA)を有し、かつ、分子量100000以上500000以下の領域にサブピーク(MB)を有し、かつ、メインピークの面積(SA)とサブピークの面積(SB)を合計した総面積に対する、メインピークの面積の比率(SA/(SA+SB))が、70%以上であることが好ましい。
分子量4000以上8000以下の領域にメインピーク(MA)を有し、かつ、分子量100000以上500000以下の領域にサブピーク(MB)を有し、かつ、メインピークの面積(SA)とサブピークの面積(SB)を合計した総面積に対する、メインピークの面積の比率(SA/(SA+SB))が、70%以上であることが好ましい。
ここで、図5に示すように、メインピーク(MA)とサブピーク(MB)の間には極小値(MMin)が存在する。そして、分子量4000から極小値(MMin)までの分子量分布曲線の面積をSAとし、極小値(MMin)から分子量500万までの分子量分布曲線の面積をSBとする。
本発明において、メインピークの分子量(MA)を4000以上10000以下と低い領域で制御することにより低温定着をより高度に達成することができる。メインピークの分子量(MA)が10000を超えると低温定着性に劣り、4000未満にすると保存安定性に劣る傾向にある。また、サブピークの分子量を(MB)100000以上500000以下とすることにより、優れた耐オフセット性を維持することができる。100000未満であると高温オフセットが発生しやすく、500000を超えると定着阻害を発生しやすい傾向にある。このとき、メインピークの面積(SA)とサブピークの面積(SB)を合計した総面積に対する、メインピークの面積の比率(SA/(SA+SB))が、70%以上であると、低温定着と耐オフセット性が両立できるため、好ましい。70%を下回ると、低温定着に寄与する分子量5000以上10000以下の成分が少なくなる傾向にある。
なお、上記分子量分布は、低分子量重合体と、高分子量重合体を併用することで調整することができる。ここで、「低分子量重合体」とは、ピーク分子量が、4000~10000程度のものを意味する。一方、「高分子量重合体」とは、ピーク分子量が、10万~50万程度のものを意味する。
本発明における磁性トナーの結着樹脂としては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、および、ポリウレタン樹脂などが挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることができる。中でも磁性体や離型剤などの分散性の観点で、スチレン系樹脂を主成分とすることが好ましい。なお、結着樹脂の主成分とは、本発明においては、結着樹脂中の少なくとも50質量%以上と定義する。
好ましく用いることのできるスチレン系樹脂としては、具体的にスチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明の磁性トナーのガラス転移温度(Tg)は47℃以上57℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が47℃以上57℃以下であると、良好な定着性を維持しつつ保存安定性、そして耐久現像性を向上できるために好ましい。
また樹脂または磁性トナーのガラス転移温度は、示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC-7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920を用いて、ASTM D3418-82に準じて測定することができる。
本発明の磁性トナーは、低温定着性の観点から、離型剤としてエステル化合物を含有し、磁性トナーが、示差走査熱量計(DSC)による測定において50℃以上80℃以下に最大吸熱ピークを有することが好ましい。
エステル化合物としては、ベヘン酸ベヘニル、パルミチン酸パルミチル、ステアリン酸ステアリル、リグノセリン酸リグノセリル、グリセリントリベヘネート、カルナウバワックスなどの飽和脂肪酸モノエステル類が挙げられる。
より好ましいエステル化合物は、炭素数が36以上48以下の1官能エステル化合物である。
また、エステル化合物として、前述の1官能エステル化合物の他、2官能エステル化合物をはじめ、4官能や6官能などの多官能エステル化合物を用いることもできる。具体的には、
セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;
ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレートなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪酸とのジエステル化物;グリセリントリベヘネート、グリセリントリステアレートなどのトリアルコール類と飽和脂肪酸のトリエステル化物;
グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネートなどのトリアルコール類と飽和脂肪酸との部分エステル化物;
などが挙げられる。
セバシン酸ジベヘニル、ドデカン二酸ジステアリル、オクタデカン二酸ジステアリルなどの飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族アルコールとのジエステル化物;
ノナンジオールジベヘネート、ドデカンジオールジステアレートなどの飽和脂肪族ジオールと飽和脂肪酸とのジエステル化物;グリセリントリベヘネート、グリセリントリステアレートなどのトリアルコール類と飽和脂肪酸のトリエステル化物;
グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネートなどのトリアルコール類と飽和脂肪酸との部分エステル化物;
などが挙げられる。
ただし、このような多官能エステル化合物の場合には、後述する熱風による表面改質工程を実施する場合には、磁性トナー表面に染み出しやすい場合があり、その結果、均一帯電性や耐久現像性が低下しやすくなる傾向にある。
その他、本発明において、用いることができる離型剤としては、具体的には、
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体;
モンタンワックスおよびその誘導体;
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;
ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体;
カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックスおよびその誘導体;
エステルワックス
などが挙げられる。ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体;
モンタンワックスおよびその誘導体;
フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;
ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体;
カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックスおよびその誘導体;
エステルワックス
などが挙げられる。ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
これらの離型剤は、単独または二種以上組み合わせて用いることが可能である。
本発明の磁性トナーに離型剤を用いる場合、結着樹脂100質量部に対し離型剤を0.5質量部以上10質量部以下用いることが好ましい。0.5質量部以上10質量部以下であると、低温定着性が向上するとともに、磁性トナーの保存安定性を損なわないため好ましい。
また、これらの離型剤は、樹脂製造時、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、磁性トナー製造中の溶融混練時に添加する方法などにより結着樹脂に含有させることができる。
磁性トナーが、示差走査熱量計(DSC)による測定において50℃以上80℃以下に最大吸熱ピークを有するように制御しやすい点で、離型剤の最大吸熱ピーク温度は50℃以上80℃以下であることが好ましい。
本発明においては、磁性トナーが50℃以上80℃以下に最大吸熱ピークを有することで、定着時に磁性トナーが可塑化しやすく、低温定着性が良化する。また、耐久現像性も維持されやすいと同時に、長期間保存しても離型剤の染み出しなども生じにくく好ましい。
磁性トナーが50℃以上75℃以下に最大吸熱ピークを有することがより好ましい。
本発明において、最大吸熱ピークのピークトップ温度の測定は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、磁性トナー約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30~200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30~200℃の範囲におけるDSC曲線から磁性トナーの最大吸熱ピークのピークトップ温度を求める。
本発明において、磁性トナーに含まれる磁性体としては、
マグネタイト、マグヘマイトもしくはフェライトなどの酸化鉄、
鉄、コバルトもしくはニッケルのような金属、
またはこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステンもしくはバナジウムのような金属との合金、
または、それらの混合物などが挙げられる。
マグネタイト、マグヘマイトもしくはフェライトなどの酸化鉄、
鉄、コバルトもしくはニッケルのような金属、
またはこれらの金属とアルミニウム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、ベリリウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステンもしくはバナジウムのような金属との合金、
または、それらの混合物などが挙げられる。
上記磁性体は一次粒子の個数平均粒径(D1)が0.50μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm~0.30μmである。
また、本発明において好ましい磁性トナーの磁気特性に制御しやすい点で、磁性体の磁場79.6kA/mにおいて、以下のような磁気特性に制御することが好ましい。
すなわち、飽和磁化(σs)が40~80Am2/kg(より好ましくは50~70Am2/kg)であり、残留磁化(σr)が1.5~6.5Am2/kg、より好ましくは2.0~5.5Am2/kgであることが好ましい。
本発明の磁性トナーは、磁性体を35質量%以上50質量%以下含有することが好ましく、40質量%以上50質量%以下含有することがより好ましい。磁性トナーにおける磁性体の含有量が35質量%未満の場合には、現像スリーブ内のマグネットロールとの磁気引力が低下し、カブリが悪化する傾向にある。一方、磁性体の含有量が50質量%を超える場合には、現像性が低下することにより、濃度が低下する場合がある。
なお、磁性トナー中の磁性体の含有量は、パーキンエルマー社製熱分析装置TGA Q5000IRなどを用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで磁性トナーを加熱し、100~750℃の減量質量を磁性トナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
本発明の磁性トナーは、磁場79.6kA/mにおける、飽和磁化(σs)が30.0Am2/kg以上40.0Am2/kg以下であることが好ましく、32.0Am2/kg以上38.0Am2/kg以下であることがより好ましい。また、残留磁化(σr)の飽和磁化(σs)に対する比[σr/σs]が0.03以上0.10以下であることが好ましく、0.03以上0.06以下であることがより好ましい。
飽和磁化(σs)は、磁性体の粒径や形状、添加元素などにより制御できる。
また、好ましくは、残留磁化(σr)が3.0Am2/kg以下、より好ましくは、2.6Am2/kg以下、さらに好ましくは、2.4Am2/kg以下である。
σr/σsが小さいということは、磁性トナーの残留磁化が小さいことを意味する。
ここで、磁性一成分現像方式においては、現像スリーブ内部に存在する多極のマグネットの影響で磁性トナーは現像スリーブに取り込まれたり、吐き出されたりする。吐き出された磁性トナー(現像スリーブから離れた磁性トナー)はσr/σsが小さいと磁気凝集しにくい。このような磁性トナーが再び取り込み極で現像スリーブに付着し、ブレードニップ部に突入すると磁気凝集が少ない状態であるため、ブレードニップ部での磁性トナーの入れ替わりが効率良く行われ、迅速に帯電が立ち上がりやすい。
なお、[σr/σs]は、磁性トナーが含有する磁性体の粒径、形状、および、磁性体を製造する際に添加する添加剤を調整することで、上記範囲に調整することが可能である。具体的には、磁性体にシリカやリンなどを添加することによってσsを高く保ったまま、σrをより低くすることが可能となる。また、磁性体の表面積が小さいほどσrは小さくなり、形状は八面体よりも磁気異方性が小さな球形の方がσrは小さくなる。これらを組み合わせることにより、σrを非常に低くすることが可能となり、σr/σsを0.10以下に制御することができる。
本発明において磁性トナー、および、磁性体の磁化の強さ(σs)および残留磁化(σr)は、振動型磁力計VSM P-1-10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。外部磁場が79.6kA/mにて測定する理由については以下のとおりである。一般的に、現像スリーブ中に固定されているマグネットローラーの現像極の磁力は79.6kA/m(1000エルステッド)前後である。このため、外部磁場79.6kA/mで残留磁化を測定することにより現像領域での磁性トナー挙動を捉えることができるからである。
本発明の磁性トナーにおいては、荷電制御剤を添加することが好ましい。なお、本発明においては、結着樹脂自体は負帯電性が高いので、負帯電性トナーであることが好ましい。
負帯電用の荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯化合物、キレート化合物が有効で、その例としては、モノアゾ金属錯化合物;アセチルアセトン金属錯化合物;芳香族ハイドロキシカルボン酸または芳香族ダイカルボン酸の金属錯化合物などが挙げられる。
負帯電用の荷電制御剤としては、例えばSpilon Black TRH、T-77、T-95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S-34、S-44、S-54、E-84、E-88、E-89(オリエント化学社)が挙げられる。
これらの荷電制御剤は単独または二種以上組み合わせて用いることが可能である。これらの荷電制御剤の使用量は、磁性トナーの帯電量の点から、結着樹脂100質量部あたり好ましくは0.1~10.0質量部、より好ましくは0.1~5.0質量部である。
磁性トナー粒子表面に固着させる無機微粒子としては、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子から選択される少なくとも1種が好ましい。このような無機微粒子は、流動性向上効果や硬度の観点で類似しているため、磁性トナー粒子表面の固着状態の制御により、均一帯電性が得られやすい。また、磁性トナーに含有される無機微粒子の総量に対して、85%以上がシリカ微粒子であることが好ましい。これは、上記無機微粒子の中でも、シリカ微粒子が最も帯電特性に優れ、本発明の効果を発揮しやすいためである。
本発明の磁性トナーには、前記のように固着強度を制御した無機微粒子だけでなく、他の有機または無機微粒子を添加してもよい。例えば、
シリカ微粒子、フッ素樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子のような滑剤;
酸化セリウム粒子、炭化ケイ素粒子、アルカリ土類金属のチタン酸塩の微粒子;
具体的にはチタン酸ストロンチウム微粒子、チタン酸バリウム微粒子、チタン酸カルシウム微粒子などの研磨剤
などが挙げられる。また、シリカなどのスペーサー粒子を本発明の効果に影響を与えない程度に少量用いることもできる。中でも、シリカ微粒子は流動性を著しく良化させ、本発明の効果を発揮しやすいため、好ましい。
シリカ微粒子、フッ素樹脂粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子のような滑剤;
酸化セリウム粒子、炭化ケイ素粒子、アルカリ土類金属のチタン酸塩の微粒子;
具体的にはチタン酸ストロンチウム微粒子、チタン酸バリウム微粒子、チタン酸カルシウム微粒子などの研磨剤
などが挙げられる。また、シリカなどのスペーサー粒子を本発明の効果に影響を与えない程度に少量用いることもできる。中でも、シリカ微粒子は流動性を著しく良化させ、本発明の効果を発揮しやすいため、好ましい。
固着強度を制御した無機微粒子は、磁性トナーに良好な流動性を付与させるために、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)が20m2/g以上350m2/g以下のものが好ましい。より好ましくは25m2/g以上300m2/g以下である。
上記窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)の測定は、JISZ8830(2001年)に準じて行う。測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
固着強度を制御した無機微粒子は、疎水化処理を施したものであることが好ましく、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が40%以上、より好ましくは50%以上となるように疎水化処理したものが特に好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイルまたは長鎖脂肪酸などで処理する方法が挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどが挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物で用いられる。
上記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイルまたはフッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
上記長鎖脂肪酸は炭素数が10~22の脂肪酸を好適に用いることができ、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であってもよい。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも用いることが可能である。
この中で、炭素数が10~22の直鎖の飽和脂肪酸は無機微粒子の表面を均一に処理しやすく、非常に好ましい。
直鎖の飽和脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられる。
本発明に用いられる無機微粒子の中でも、シリカ微粒子をシリコーンオイルにより処理したものが好ましい。より好ましくは、シリカ微粒子をケイ素化合物とシリコーンオイルにより処理したものであり、疎水化度を好適に制御できる。
シリカ微粒子をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、ケイ素化合物で処理された無機微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて直接混合する方法や、無機微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法が挙げられる。あるいは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解または分散させた後、無機微粒子を加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。
シリコーンオイルの処理量は、良好な疎水性を得るために、シリカ微粒子100質量部に対し1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
本発明の磁性トナーは、現像性や定着性のバランスの観点から、重量平均粒径(D4)が、7.0μm以上12.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは7.5μm以上11.0μm以下、さらに好ましくは、7.5μm以上10.0μm以下である。
また、本発明の磁性トナーは、平均円形度が0.955以上、より好ましくは、0.957以上であることが好ましい。
以下に、本発明の磁性トナーの製造方法について例示するが、これに限定されるわけではない。
本発明の磁性トナーは、無機微粒子の固着状態を調整することができ、好ましくは平均円形度を調整する工程を有する製造方法であれば、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。
そのような製造方法としては、以下の方法を好適に例示できる。まず、結着樹脂および磁性体、ならびに、必要に応じて、離型剤および荷電制御剤などのその他の材料を、ヘンシェルミキサーまたはボールミルのような混合機により十分混合する。その後、ロール、ニーダーおよびエクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融、捏和および混練して樹脂類を互いに相溶せしめる。
得られた溶融混練物を冷却固化後に粗粉砕、微粉砕、分級を行い、得られた磁性トナー粒子に、無機微粒子などの外添剤を外添混合することによって、磁性トナーを得ることができる。
上記混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)などが挙げられる。
上記混練機としては、
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);
ブス・コ・ニーダー(Buss社製);
TEM型押し出し機(東芝機械社製);
TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);
PCM混練機(池貝鉄工所社製);
三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);
ニーデックス(三井鉱山社製);
MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);
バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)
などが挙げられる。
KRCニーダー(栗本鉄工所社製);
ブス・コ・ニーダー(Buss社製);
TEM型押し出し機(東芝機械社製);
TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);
PCM混練機(池貝鉄工所社製);
三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);
ニーデックス(三井鉱山社製);
MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);
バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)
などが挙げられる。
上記粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)などが挙げられる。
このうち、ターボミルを使用し、微粉砕時の排気温度を調整することにより、平均円形度の制御が可能である。排気温度を低く(例えば40℃以下)すると、平均円形度の値が小さくなり、排気温度を高く(例えば50℃前後)すると、平均円形度の値が大きくなる。
上記分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)などが挙げられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、
ウルトラソニック(晃栄産業社製);
レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);
バイブラソニックシステム(ダルトン社製);
ソニクリーン(新東工業社製);
ターボスクリーナー(ターボ工業社製);
ミクロシフター(槙野産業社製);
円形振動篩い
などが挙げられる。
ウルトラソニック(晃栄産業社製);
レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);
バイブラソニックシステム(ダルトン社製);
ソニクリーン(新東工業社製);
ターボスクリーナー(ターボ工業社製);
ミクロシフター(槙野産業社製);
円形振動篩い
などが挙げられる。
本発明に係る磁性トナーを作製するには、上述したような磁性トナー構成材料を混合機により十分混合した後、混練機を用いてよく混練し、冷却固化後粗粉砕を行った後に微粉砕、分級を行って磁性トナー粒子を得る。必要に応じて、分級工程後に表面改質装置を用いて、磁性トナー粒子の表面改質や平均円形度の調整を行って、最終的に磁性トナー粒子を得てもよい。
磁性トナー粒子を得たのち、さらに無機微粒子を添加し、好ましくは後述する混合処理装置を用いて、外添混合処理することにより、本発明に係る磁性トナーを製造することができる。
本発明において特に好ましい磁性トナーの製造工程としては、例えば瞬間的に磁性トナー粒子の表面に高温の熱風を吹きつけ、直後に冷風によって磁性トナー粒子を冷却することによって磁性トナー粒子の表面改質を行う熱風処理工程が挙げられる。
このような熱風処理工程によってトナー粒子の表面を改質することは、磁性トナー粒子に過度の熱を加えることがないので原材料成分の変質を防ぎつつ磁性トナー粒子の表面改質を行うことができるとともに、本発明において好ましい平均円形度に調整しやすい。
磁性トナー粒子の熱風処理工程には、例えば、図1に示すような表面改質装置を用いることができる。図1に示す表面改質装置において、トナー粒子(磁性トナー粒子)51はオートフィーダー52で供給ノズル53を通じて、一定量で表面改質装置内部54に供給される。表面改質装置内部54はブロワー59で吸引されているので、供給ノズル53から導入されたトナー粒子(磁性トナー粒子)51は機内に分散する。機内に分散にされた磁性トナー粒子51は、熱風導入口55から導入される熱風で、瞬間的に熱が加えられて表面改質される。ここでは、ヒーターにより熱風を発生させているが、磁性トナー粒子の表面改質に十分な熱風を発生させられるものであれば装置は特に限定されない。
熱風の温度は、好ましくは180~400℃であり、より好ましくは200~350℃である。熱風流量としては、好ましくは、4m3/分~10m3/分であり、より好ましくは、5m3/分~8m3/分である。
また、冷風流量としては、好ましくは、2m3/分~6m3/分であり、より好ましくは、3m3/分~5m3/分である。
ブロア風量としては、好ましくは、10m3/分~30m3/分であり、より好ましくは、12m3/分~25m3/分である。
インジェクションエア流量は、好ましくは、0.2m3/分~3m3/分であり、より好ましくは、0.5m3/分~2m3/分である。
図1に示す表面改質装置において、表面改質されたトナー粒子(表面改質された磁性トナー粒子)57は、冷風導入口56から導入される冷風で瞬時に冷却される。本発明では冷風には液体窒素を用いているが、表面改質された磁性トナー粒子57を瞬時に冷却することができれば、手段は特に限定されない。冷風の温度は、好ましくは2~15℃であり、より好ましくは2~10℃である。表面改質された磁性トナー粒子57はブロワー59で吸引されて、サイクロン58で捕集される。
本発明においては、特に、この熱風処理工程は、強固着無機微粒子の固着状態の調整の点で、非常に好ましい。強固着無機微粒子の固着状態の調整は具体的には以下のように実施することができる。
まず磁性トナー粒子に、上記混合機により、無機微粒子を外添混合処理し、熱風処理前磁性トナー粒子を得る。その後、熱風処理前磁性トナー粒子を、図1に示す表面改質装置に供給し、上記のように熱風処理を行うことにより、外添混合処理された無機微粒子が熱風により半溶融した結着樹脂に覆われることで、強い強度で固着化される。このように、磁性トナー粒子に、シリカ微粒子を外添混合処理し、熱風処理を行うことが好ましい。その後さらに、シリカ微粒子を外添混合することが好ましい。
この際、熱風処理前磁性トナー粒子に添加する無機微粒子の選択および添加量の調整、さらに熱風処理の処理条件の適正化により、強固着無機微粒子の固着状態を調整することが可能である。
特に、本発明で重要な特徴である、強固着無機微粒子による被覆率Xを60.0面積%以上とする場合、熱風処理を行うことが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明において、好ましい外添混合処理装置について説明する。
本発明における強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上である場合に、中固着無機微粒子および弱固着無機微粒子が上記の状態を満たすためには、図2に示すような以下の外添混合処理装置を用いることが非常に好ましい。
当該混合処理装置は、磁性トナー粒子と無機微粒子に対して、狭いクリアランス部において、シェアがかかる構成になっているために、無機微粒子を二次粒子から一次粒子へとほぐしながら、トナー粒子の表面に付着させることができる。
そのため、本発明のように強固着無機微粒子による被覆率が60.0面積%以上である場合にも、弱固着無機微粒子と中固着無機微粒子の量を制御しやすく非常に好ましい。
さらに、後述するように、回転体の軸方向において、磁性トナー粒子と無機微粒子が循環しやすく、固着が進む前に十分に均一混合されやすい点で、本発明で好ましい無機微粒子の固着状態に制御しやすい。
一方、図3は、上記混合処理装置に使用される攪拌部材の構成の一例を示す模式図である。以下、上記無機微粒子の外添混合工程について図2および図3を用いて説明する。
上記無機微粒子を外添混合する混合処理装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体2を回転駆動する駆動部8(7は中心軸を示す。)と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本体ケーシング1の内周部と、撹拌部材3との間隙(クリアランス)は、磁性トナー粒子に均一にシェアを与え、無機微粒子を二次粒子から一次粒子へとほぐしながら、磁性トナー粒子の表面に付着しやすくするために、一定かつ微小に保つことが好ましい。
また本装置は、本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下である。図2において、本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径(回転体2から撹拌部材3を除いた胴体部の径)の1.7倍である例を示す。本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下であると、磁性トナー粒子に力が作用する処理空間が適度に限定されるため、二次粒子となっている無機微粒子に十分に衝撃力が加わるようになる。
また、上記クリアランスは、本体ケーシングの大きさに応じて、調整することが好ましい。本体ケーシング1の内周部の径の、1%以上5%以下程度とすることで、無機微粒子に十分なシェアをかけることができる。具体的には、本体ケーシング1の内周部の径が130mm程度の場合は、クリアランスを2mm以上5mm以下程度とし、本体ケーシング1の内周部の径が800mm程度の場合は、10mm以上30mm以下程度とすればよい。
本発明における無機微粒子の外添混合工程は、混合処理装置を用い、駆動部8によって回転体2を回転させ、混合処理装置中に投入された磁性トナー粒子および無機微粒子を攪拌、混合することで、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子を外添混合処理する。
図3に示すように、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、回転体2の回転に伴って、磁性トナー粒子および無機微粒子を回転体の軸方向の一方向に送る送り用撹拌部材3aとして形成される。また、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、磁性トナー粒子および無機微粒子を、回転体2の回転に伴って、回転体の軸方向の他方向に戻す戻し用撹拌部材3bとして形成されている。
ここで、図2のように、原料投入口5と製品排出口6が本体ケーシング1の両端部に設けられている場合には、原料投入口5から製品排出口6へ向かう方向(図3で右方向)を「送り方向」という。
すなわち、図3に示すように、送り用撹拌部材3aの板面は送り方向13に磁性トナー粒子および無機微粒子を送るように傾斜している。一方、撹拌部材3bの板面は戻り方向12に磁性トナー粒子および無機微粒子を送るように傾斜している。
これにより、「送り方向13」への送りと、「戻り方向12」への送りとを繰り返し行いながら、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子の外添混合処理を行う。
また、撹拌部材3aと3bは、回転体2の円周方向に間隔を置いて配置した複数枚の部材が一組となっている。図3に示す例では、撹拌部材3a、3bが回転体2に互いに180度の間隔で2枚の部材が一組をなしているが、120度の間隔で3枚、あるいは90度の間隔で4枚、というように多数の部材を一組としてもよい。
図3に示す例では、撹拌部材3aと3bは等間隔で、計12枚形成されている。
さらに、図3において、Dは撹拌部材の幅、dは撹拌部材の重なり部分を示す間隔を示す。磁性トナー粒子および無機微粒子を、送り方向と戻り方向に効率よく送る観点から、図3における回転体2の長さに対して、Dは20%以上30%以下程度の幅であることが好ましい。図3においては、23%である例を示す。さらに撹拌部材3aと3bは撹拌部材3aの端部位置から垂直方向に延長線を引いた場合、撹拌部材3bと撹拌部材3aの重なり部分dをある程度有することが好ましい。これにより、二次粒子となっている無機微粒子に効率的にシェアをかけることが可能である。Dに対するdは、10%以上30%以下であることがシェアをかける点で好ましい。
なお、羽根の形状に関しては、図3に示すような形状以外にも送り方向および戻り方向に磁性トナー粒子を送ることができ、クリアランスを維持することができる構造であればよい。具体的には、曲面を有する形状や先端羽根部分が棒状アームで回転体2に結合されたパドル構造がある。
以下、図2および図3に示す装置の模式図にしたがって、本発明をさらに詳細に説明する。
図2に示す装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体2を回転駆動する駆動部8と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1を有する。さらに、本体ケーシング1の内側および回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。
さらに、図2に示す装置は、磁性トナー粒子および無機微粒子を導入するために、本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5を有する。さらに、外添混合処理された磁性トナーを本体ケーシング1から外に排出するために、本体ケーシング1下部に形成された製品排出口6を有している。
さらに、図2に示す装置は、原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、製品排出口6内に、製品排出口用インナーピース17が挿入されている。
本発明においては、まず、原料投入口5から原料投入口用インナーピース16を取り出し、磁性トナー粒子を原料投入口5より処理空間9に投入する。次に無機微粒子を原料投入口5より処理空間9に投入し、原料投入口用インナーピース16を挿入する。次に、駆動部8により回転体2を回転させ(11は回転方向を示す。)、上記で投入した処理物を、回転体2表面に複数設けられた撹拌部材3により撹拌、混合しながら外添混合処理する。
なお、投入する順序は、先に無機微粒子を原料投入口5より投入し、次に、磁性トナー粒子を原料投入口5より投入しても構わない。また、ヘンシェルミキサーのような混合機であらかじめ、トナー粒子と無機微粒子を混合した後、混合物を、図2に示す装置の原料投入口5より投入しても構わない。
また、本発明では、強固着無機微粒子による被覆率Xが60.0面積%以上であるために、磁性トナー粒子と無機微粒子の一部を一度混合した後、さらに残りの無機微粒子を添加して混合する、2段階混合を行うことが好ましい。
この2段階混合により、無機微粒子が付着しにくい、見かけ上硬度の高い磁性トナー粒子の表面に対しても、中固着無機微粒子が効率よく形成しやすいなど、無機微粒子の固着制御がしやすく好ましい。
特に、中固着無機微粒子量を適正なものとするうえで、図2のような外添混合処理装置を用いることが好ましい。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
より具体的には、外添混合処理条件として、駆動部8の動力を、0.2W/g以上2.0W/g以下に制御することが、上述の固着制御のうえで好ましい。
0.2W/gより動力が低い場合には、中固着無機微粒子が形成されにくく、本発明において好ましい無機微粒子の固着状態に制御できない場合がある。一方、2.0W/gより高い場合には、無機微粒子が埋め込まれすぎてしまう傾向にある。
処理時間としては、特に限定されないが、好ましくは、3分以上10分以下である。
外添混合時の撹拌部材の回転数については特に限定されない。図2に示す装置の処理空間9の容積が2.0×10-3m3の装置において、撹拌部材3の形状を図3のものとしたときの撹拌部材の回転数としては、800rpm以上3000rpm以下であることが好ましい。800rpm以上3000rpm以下であることで本発明における好ましい無機の固着状態に制御しやすい。
さらに、本発明において、特に好ましい処理方法は、外添混合処理操作の前に、プレ混合工程を持たせることである。プレ混合工程を入れることにより、無機微粒子が磁性トナー粒子の表面上で高度に均一分散されることで、好ましい無機の固着状態により制御しやすくなる。
より具体的には、プレ混合処理条件として、駆動部8の動力を、0.06W/g以上0.20W/g以下とし、処理時間を0.5分以上1.5分以下とすることが好ましい。プレ混合処理条件として、0.06W/gより負荷動力が低い、または処理時間が0.5分より短い場合には、プレ混合として十分な均一混合がなされにくい傾向にある。一方、プレ混合処理条件として、0.20W/gより負荷動力が高い、または処理時間1.5分より長い場合には、十分な均一混合がなされる前に、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子が固着されてしまう場合がある。
プレ混合処理の撹拌部材の回転数については、図2に示す装置の処理空間9の容積が2.0×10-3m3の装置において、撹拌部材3の形状を図3のものとしたときの撹拌部材の回転数としては、50rpm以上500rpm以下であることが好ましい。
外添混合処理終了後、製品排出口6内の、製品排出口用インナーピース17を取り出し、駆動部8により回転体2を回転させ、製品排出口6から磁性トナーを排出する。得られた磁性トナーを、必要に応じて円形振動篩機などの篩機で粗粒などを分離し、磁性トナーを得る。
次に、本発明の磁性トナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図4に沿って具体的に説明する。図4において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ。)である。そして、その周囲に帯電ローラー(帯電部材)117、現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー容器116、定着器126、ピックアップローラー124などが設けられている。現像器140は、現像スリーブ(現像部材)102、層厚規制部材103および攪拌部材141を有する。静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって帯電される。そして、レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)121によりレーザー光123を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残された磁性トナーはクリーニングブレードによりかき落とされ、クリーナー容器116に収納される。124はレジスタローラーを示し、125は搬送ベルトを示す。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<磁性トナーの平均円形度の測定方法>
磁性トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
磁性トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中にあらかじめ不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となるように適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像測定装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用する。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像測定装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個の磁性トナーを計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定し、磁性トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間ごとに焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本発明においては、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像測定装置を使用する。解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときの測定および解析条件で測定を行う。
フロー式粒子像測定装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長Lなどが計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形のときに円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200~1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
円形度=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形のときに円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200~1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
<弱固着および中固着無機微粒子量の測定方法>
本発明では、磁性トナー粒子に対して弱、中、強の3段階で無機微粒子が固着している。それぞれの量は、磁性トナー中に含まれる無機微粒子の総量と、磁性トナーから無機微粒子を剥がし、磁性トナー粒子上に残った無機微粒子を定量することで得る。無機微粒子を剥がす工程は、本発明では水中に磁性トナーを分散し、縦型振とう機や超音波分散器によりシェアを与えて行う。その際、磁性トナーが受けるシェアの大きさにより、弱固着や中固着といった付着強度別に無機微粒子を分け、量を得る。弱固着無機微粒子を剥がす場合は、後述する条件を満たすKM Shaker(いわき産業社製)を用い、中固着無機微粒子を剥がす場合は、後述する条件を満たす超音波式ホモジナイザーVP-050(タイテック株式会社製)を用いる。また、無機微粒子含有量の定量には、蛍光X線分析装置Axios(PANalytical製)および測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。具体的には、以下のように測定することができる。
本発明では、磁性トナー粒子に対して弱、中、強の3段階で無機微粒子が固着している。それぞれの量は、磁性トナー中に含まれる無機微粒子の総量と、磁性トナーから無機微粒子を剥がし、磁性トナー粒子上に残った無機微粒子を定量することで得る。無機微粒子を剥がす工程は、本発明では水中に磁性トナーを分散し、縦型振とう機や超音波分散器によりシェアを与えて行う。その際、磁性トナーが受けるシェアの大きさにより、弱固着や中固着といった付着強度別に無機微粒子を分け、量を得る。弱固着無機微粒子を剥がす場合は、後述する条件を満たすKM Shaker(いわき産業社製)を用い、中固着無機微粒子を剥がす場合は、後述する条件を満たす超音波式ホモジナイザーVP-050(タイテック株式会社製)を用いる。また、無機微粒子含有量の定量には、蛍光X線分析装置Axios(PANalytical製)および測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。具体的には、以下のように測定することができる。
(1)磁性トナー中の無機微粒子の含有量の定量
磁性トナーをリング径22mm×16mm×5mmの塩化ビニル製のリングに約1g載せ、プレス機にて100kgfで圧縮しサンプルを作製する。得られたサンプルを蛍光X線分析(XRF)装置(Axios)にて測定および上記専用ソフトによる解析を実施し、磁性トナーが含有する無機微粒子由来の元素のネット強度(A)を得る。例えば、無機微粒子としてシリカ微粒子を用いる場合はケイ素、チタニアを用いる場合はチタンの強度を用いる。次に、磁性トナー粒子100質量部に対して無機微粒子を0.0質量%、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%と添加量を振った検量線用サンプルを用意し、上記と同様にして上記元素のネット強度に対する無機微粒子量の検量線を作成する。なお、検量線用サンプルはXRF測定前にコーヒーミルなどにより均一に混合しておく。また、混合する無機微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のものであれば、本定量に影響なく使用することができる。上記検量線と(A)の数値から、磁性トナー中の無機微粒子量を算出する。
磁性トナーをリング径22mm×16mm×5mmの塩化ビニル製のリングに約1g載せ、プレス機にて100kgfで圧縮しサンプルを作製する。得られたサンプルを蛍光X線分析(XRF)装置(Axios)にて測定および上記専用ソフトによる解析を実施し、磁性トナーが含有する無機微粒子由来の元素のネット強度(A)を得る。例えば、無機微粒子としてシリカ微粒子を用いる場合はケイ素、チタニアを用いる場合はチタンの強度を用いる。次に、磁性トナー粒子100質量部に対して無機微粒子を0.0質量%、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%と添加量を振った検量線用サンプルを用意し、上記と同様にして上記元素のネット強度に対する無機微粒子量の検量線を作成する。なお、検量線用サンプルはXRF測定前にコーヒーミルなどにより均一に混合しておく。また、混合する無機微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上50nm以下のものであれば、本定量に影響なく使用することができる。上記検量線と(A)の数値から、磁性トナー中の無機微粒子量を算出する。
上記操作において、まず、磁性トナー表面に含有される無機微粒子を元素分析により同定する。その際、例えば、シリカ微粒子を含有していれば、上記操作において、シリカ微粒子による検量線用サンプルを用意し、チタニア微粒子を含有していれば、チタニア微粒子による検量線用サンプルを用意することで、無機微粒子の含有量を知ることができる。
(2)弱固着無機微粒子の定量
イオン交換水20g、界面活性剤であるコンタミノンN(和光純薬工業社製)0.4gを30mlのガラスバイアル(例えば、日電理化硝子株式会社製、VCV-30、外径:35mm、高さ:70mm)に入れて十分混合し、分散液を作製する。コンタミノンN(和光純薬工業社製)は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定機洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。このバイアルに磁性トナー1.5gを添加し、磁性トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液Aを作製する。その後に下記条件で振とうし、弱固着無機微粒子を剥がす。その後、分散液を減圧濾過器で濾過して、濾過ケーキAおよび濾液Aを得た後、該濾過ケーキAを乾燥機で12時間以上乾燥する。減圧濾過は、濾紙としてアドバンテック社製No.5C(粒子保持能:1μm、JIS P3801 5種C(1995年)相当)またはそれと同等の濾紙を用いる。
イオン交換水20g、界面活性剤であるコンタミノンN(和光純薬工業社製)0.4gを30mlのガラスバイアル(例えば、日電理化硝子株式会社製、VCV-30、外径:35mm、高さ:70mm)に入れて十分混合し、分散液を作製する。コンタミノンN(和光純薬工業社製)は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定機洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。このバイアルに磁性トナー1.5gを添加し、磁性トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液Aを作製する。その後に下記条件で振とうし、弱固着無機微粒子を剥がす。その後、分散液を減圧濾過器で濾過して、濾過ケーキAおよび濾液Aを得た後、該濾過ケーキAを乾燥機で12時間以上乾燥する。減圧濾過は、濾紙としてアドバンテック社製No.5C(粒子保持能:1μm、JIS P3801 5種C(1995年)相当)またはそれと同等の濾紙を用いる。
乾燥して得られた試料を(1)と同様に蛍光X線分析装置(Axios)で測定および解析し、得られたネット強度と(1)で得たネット強度の差と、(1)で得た検量線データから下記振とうによって剥がれた無機微粒子量を算出する。すなわち、界面活性剤を含むイオン交換水に磁性トナーを加えた分散液を、下記条件による振とうで剥がれる無機微粒子を弱固着無機微粒子と定義する。
[振とう装置/条件]
装置:KM Shaker(いわき産業社製)
model:V.SX
振とう条件:speedを50(振とう速度:46.7cm/秒、1分間に350往復、振とうの幅:4.0cm)に設定し、2分間振とう
(3)中固着無機微粒子の定量
上記(2)と同様に処理前分散液Aを作製した後、下記条件で超音波分散処理を行い、磁性トナーに含まれる弱固着および中固着無機微粒子を剥がす。その後、(2)と同様に分散液を減圧濾過器で濾過、乾燥し、蛍光X線分析装置(Axios)による測定および解析を行う。ここで、(2)の振とう条件で剥がれないが、下記条件の超音波分散により剥がれる無機微粒子を中固着無機微粒子とし、下記条件の超音波分散でも取れないほど強固に付着した無機微粒子を強固着無機微粒子とした。蛍光X線分析により得られたネット強度と、(1)で得た検量線データから強固着無機微粒子量が得られる。得られた強固着無機微粒子量および(2)で得た弱固着無機微粒子量を、(1)で得た無機微粒子の含有量から差し引くことで中固着無機微粒子量を得る。
装置:KM Shaker(いわき産業社製)
model:V.SX
振とう条件:speedを50(振とう速度:46.7cm/秒、1分間に350往復、振とうの幅:4.0cm)に設定し、2分間振とう
(3)中固着無機微粒子の定量
上記(2)と同様に処理前分散液Aを作製した後、下記条件で超音波分散処理を行い、磁性トナーに含まれる弱固着および中固着無機微粒子を剥がす。その後、(2)と同様に分散液を減圧濾過器で濾過、乾燥し、蛍光X線分析装置(Axios)による測定および解析を行う。ここで、(2)の振とう条件で剥がれないが、下記条件の超音波分散により剥がれる無機微粒子を中固着無機微粒子とし、下記条件の超音波分散でも取れないほど強固に付着した無機微粒子を強固着無機微粒子とした。蛍光X線分析により得られたネット強度と、(1)で得た検量線データから強固着無機微粒子量が得られる。得られた強固着無機微粒子量および(2)で得た弱固着無機微粒子量を、(1)で得た無機微粒子の含有量から差し引くことで中固着無機微粒子量を得る。
なお、超音波条件の中で30分間分散する理由は以下のとおりである。下記超音波式ホモジナイザーを使用して、3種類の外添強度で無機微粒子を外添した磁性トナーについて、超音波分散時間と、超音波分散後の無機微粒子由来のネット強度の関係を図6に示す。なお、分散時間0分は(2)のKM Shakerによる処理後のデータを用いた。図6によると、超音波分散によって無機微粒子が剥がれていき、いずれの外添強度においても20分の超音波分散でほぼ一定となる。
[超音波分散装置/条件]
装置:超音波式ホモジナイザーVP-050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、かつ、バイアル底面から5mmの高さ
超音波条件:強度30%(強度15W、120W/cm2)、30分間。このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
装置:超音波式ホモジナイザーVP-050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、かつ、バイアル底面から5mmの高さ
超音波条件:強度30%(強度15W、120W/cm2)、30分間。このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
<強固着無機微粒子による被覆率X>
まず、弱固着および中固着無機微粒子量の定量(3)の超音波分散条件で分散させ、弱固着および中固着無機微粒子を除去し、磁性トナー粒子に対して強固着無機微粒子のみが付着した状態のサンプルを作製する。磁性トナー表面の強固着無機による被覆率Xは、以下のようにして算出する。なお、被覆率Xは磁性トナー粒子の表面のうち、強固着無機微粒子が被覆している面積の割合を示す。
まず、弱固着および中固着無機微粒子量の定量(3)の超音波分散条件で分散させ、弱固着および中固着無機微粒子を除去し、磁性トナー粒子に対して強固着無機微粒子のみが付着した状態のサンプルを作製する。磁性トナー表面の強固着無機による被覆率Xは、以下のようにして算出する。なお、被覆率Xは磁性トナー粒子の表面のうち、強固着無機微粒子が被覆している面積の割合を示す。
下記装置を下記条件にて使用し、上記サンプル表面の元素分析を行う。
・測定装置:X線光電子分光装置Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:1.25eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
ここで、強固着無機微粒子としてシリカ微粒子を用いた場合を例にとって説明する。Si原子の定量値の算出には、C 1c(B.E.280~295eV)、O 1s(B.E.525~540eV)およびSi 2p(B.E.95~113eV)のピークを使用した。ここで得られたSi元素の定量値をY1とする。
・測定装置:X線光電子分光装置Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:1.25eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
ここで、強固着無機微粒子としてシリカ微粒子を用いた場合を例にとって説明する。Si原子の定量値の算出には、C 1c(B.E.280~295eV)、O 1s(B.E.525~540eV)およびSi 2p(B.E.95~113eV)のピークを使用した。ここで得られたSi元素の定量値をY1とする。
次いで上述の磁性トナー表面の元素分析と同様にして、シリカ微粒子単体の元素分析を行い、ここで得られたSi元素の定量値をY2とする。
磁性トナー表面のシリカ微粒子による被覆率Xは、上記Y1およびY2を用いて下式のように定義される。
被覆率X(面積%)=(Y1/Y2)×100
なお、本測定の精度を向上させるために、Y1およびY2の測定を、2回以上行うことが好ましい。定量値Y2を求める際には、外添に使用されたシリカ微粒子を入手できれば、それを用いて測定を行う。
なお、本測定の精度を向上させるために、Y1およびY2の測定を、2回以上行うことが好ましい。定量値Y2を求める際には、外添に使用されたシリカ微粒子を入手できれば、それを用いて測定を行う。
また、強固着微粒子として、チタニア微粒子(またはアルミナ微粒子)を選択した場合、Ti原子(アルミナ微粒子の場合はAl原子)を用いて、上右記のパラメーターY1およびY2を求めることにより、同様に被覆率Xを算出することができる。
ここで、強固着無機微粒子として、複数の無機微粒子を選択した場合には、例えば、シリカ微粒子とチタニア微粒子を選択した場合は、それぞれの被覆率を求め、それを合計することにより、無機微粒子の被覆率を算出することが可能である。
無機微粒子が未知の場合、後述する強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法と同様の操作を行い、強固着無機微粒子を単離する。得られた強固着無機微粒子を元素分析することで、該無機微粒子を構成する原子を特定し、それを分析のターゲットとする。弱固着無機微粒子および中固着無機微粒子についても、必要に応じて単離し元素分析を実施することで、分析のターゲットを見つけることができる。
<弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されるトナー表面の無機微粒子画像から算出される。S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されるトナー表面の無機微粒子画像から算出される。S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
(1-1)弱固着無機微粒子サンプルの作成
上記弱固着無機微粒子の定量(2)と同様な操作を行い、濾液Aを得る。濾液Aをスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30分間の条件で分離する。無機微粒子と水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、デカンテーションで水溶液を除去する。残った無機微粒子をスパチュラなどで採取および乾燥し、S-4800観察用サンプルAを得る。
(1-1)弱固着無機微粒子サンプルの作成
上記弱固着無機微粒子の定量(2)と同様な操作を行い、濾液Aを得る。濾液Aをスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30分間の条件で分離する。無機微粒子と水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、デカンテーションで水溶液を除去する。残った無機微粒子をスパチュラなどで採取および乾燥し、S-4800観察用サンプルAを得る。
(1-2)中固着無機微粒子サンプルの作製
上記弱固着無機微粒子の定量(2)と同様な操作を行い、濾過ケーキAを得る。その後、弱固着無機微粒子の定量(2)における処理前分散液Aの作製時と同様に、濾過ケーキAが自然沈降した処理前分散液Bを得る。この処理前分散液Bに対して、上記中固着無機微粒子の定量(3)と同様に超音波分散処理を行い、濾過ケーキAに含まれる中固着無機微粒子を剥がす。その後、分散液を減圧濾過し、中固着無機微粒子が分散した、濾液Bを得る。減圧濾過は、濾紙としてアドバンテック社製No.5C(粒子保持能:1μm、JIS P3801 5種C(1995年)相当)またはそれと同等の濾紙を用いる。あとは、上記の弱固着無機微粒子サンプルの作製と同様にして、観察用サンプルBを得る。
上記弱固着無機微粒子の定量(2)と同様な操作を行い、濾過ケーキAを得る。その後、弱固着無機微粒子の定量(2)における処理前分散液Aの作製時と同様に、濾過ケーキAが自然沈降した処理前分散液Bを得る。この処理前分散液Bに対して、上記中固着無機微粒子の定量(3)と同様に超音波分散処理を行い、濾過ケーキAに含まれる中固着無機微粒子を剥がす。その後、分散液を減圧濾過し、中固着無機微粒子が分散した、濾液Bを得る。減圧濾過は、濾紙としてアドバンテック社製No.5C(粒子保持能:1μm、JIS P3801 5種C(1995年)相当)またはそれと同等の濾紙を用いる。あとは、上記の弱固着無機微粒子サンプルの作製と同様にして、観察用サンプルBを得る。
(1-3)試料台の作製および準備
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に十分解砕した上記観察用サンプルAを乗せる。さらにエアブローして、余分な無機微粒子を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に十分解砕した上記観察用サンプルAを乗せる。さらにエアブローして、余分な無機微粒子を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
弱固着または中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてのチャージアップが少ないため、粒径を精度良く測定することができる。
弱固着または中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてのチャージアップが少ないため、粒径を精度良く測定することができる。
S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PCSTEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を1つずつ回し、像の動きを止めるまたは最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を1つずつ回し、像の動きを止めるまたは最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、少なくとも300個の無機微粒子について粒径を測定して、平均粒径を求める。ここで、無機微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)を得る。また、例えば、無機微粒子がシリカ微粒子である場合には、シリカ微粒子かどうか見た目で判断できない場合は、適宜元素分析を行い、ケイ素が主成分として検出されることを確認しながら粒径測定を行う。
<強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
弱固着および中固着無機微粒子量の測定方法(3)と同様な操作を行い、磁性トナーから弱固着および中固着無機微粒子を剥がし、濾過、乾燥してサンプルBを作成する。
弱固着および中固着無機微粒子量の測定方法(3)と同様な操作を行い、磁性トナーから弱固着および中固着無機微粒子を剥がし、濾過、乾燥してサンプルBを作成する。
サンプルBに対して、テトラヒドロフランを加え、良く混合した後に超音波分散を10分間行う。ネオジム磁石により磁性粒子を引き付け、上澄み液を捨てる。この作業を5回繰り返し、サンプルCを得る。この操作で、磁性体以外の樹脂などの有機成分はほぼ取り除くことができる。ただし、樹脂中のテトラヒドロフラン不溶解分が残存する可能性があるため、上記操作で得られたサンプルCを800℃まで加熱して残存する有機成分を燃焼させ、サンプルDを得る。弱固着および中固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法(1-3)~(3)と同様に操作してサンプルDのS-4800による観察を行う。サンプルDには磁性体と磁性トナー粒子に対して強固着していた無機微粒子が含有されている。そのため、適宜元素分析を実施し、測定対象の無機微粒子であることを確認しながら、少なくとも無機微粒子300個について粒径を測定して、平均粒径を求める。ここで、無機微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)を得る。
<磁性トナーの軟化温度(Ts)および軟化点(Tm)の測定方法>
磁性トナーの軟化温度(Ts)および軟化点(Tm)の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルにしたがって行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。流動曲線の模式図を図7に示した。
磁性トナーの軟化温度(Ts)および軟化点(Tm)の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメーター「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルにしたがって行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。流動曲線の模式図を図7に示した。
本発明においては、軟化温度(Ts)は、ピストン降下量Sが減少方向に転じた時点の温度とする。ピストン降下量が減少するのは、測定試料である磁性トナーが溶融することで、体積が膨張するためである。
一方、軟化点(Tm)については、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点(Tm)とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.5gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
フローテスターCFT-500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:35℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
上記測定で得られたTs、Tmの差(Tm-Ts)を取ることで、軟化温度と軟化点の差を求める。
試験モード:昇温法
開始温度:35℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
上記測定で得られたTs、Tmの差(Tm-Ts)を取ることで、軟化温度と軟化点の差を求める。
<磁性トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布の測定方法>
磁性トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて次の条件で測定する。
磁性トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて次の条件で測定する。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。カラムとしては、103~2×106の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのがよい。例えば、昭和電工社製のshodex GPC KF-801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせを挙げることができる。また、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせを挙げることもできる。本発明においては、昭和電工社製のshodexKF-801、802、803、804、805、806、807の7連カラムの組み合わせを用いる。
一方で、磁性トナーをTHFに分散し溶解後、1晩静置した後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2~0.5μm、マイショリディスクH-25-2(東ソー社製))を用いて濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として樹脂成分が0.5~5mg/mlとなるように調整した磁性トナーのTHF溶液を50~200μl注入して測定する。なお、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.製あるいは、東ソー社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる。
ここで、メインピークとは、得られた分子量分布において分子量4000以上8000以下の領域に得られる最大ピークであり、そのピークトップ分子量をメインピークの分子量(MA)と定義する。また、サブピークとは分子量10000以上50000以下の領域で得られた最大ピークであり、そのピークトップ分子量をサブピークの分子量(MB)とする。また、メインピーク(MA)とサブピーク(MB)の間に存在する極小値(MMin)を用い、分子量400から極小値(MMin)までの分子量分布曲線の面積をSA、極小値(MMin)から分子量500万までの分子量分布曲線の面積をSBと定義する。SAおよびSBは、GPCのチャートを紙に印刷し、クロマトグラムを切り抜き、メインおよびサブピークを切り分けて重量を求める。重量は面積に比例するため、得られた重量を用いてSAおよびSBを合計した総面積に対する、SAの比率(%)を求めることができる。GPCチャートにおけるMA,MB,SA,SBの求め方については図5で例示した。
<磁性トナーのガラス転移温度(Tg)および吸熱ピークのピーク温度の測定方法>
磁性トナーのガラス転移温度(Tg)および磁性トナーの吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
磁性トナーのガラス転移温度(Tg)および磁性トナーの吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
測定試料として、磁性トナー5.0mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30~200℃の間で、昇温速度10℃/分、常温常湿下で測定を行う。
この昇温過程で、温度40℃~100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、磁性トナーのガラス転移温度(Tg)とする。
一方、上記測定において、一度200℃まで昇温速度10℃/分で昇温させ、続いて10℃/分で30℃まで降温し、その後に再度昇温速度10℃/分で昇温を行う。この2回目の昇温過程で、温度40~120℃の範囲において最大吸熱ピークが得られる。このピークトップの温度を最大吸熱ピークの温度とする。
<磁性トナーの誘電正接(tanδ)の測定方法>
磁性トナーの誘電特性は以下の方法で測定する。
磁性トナーの誘電特性は以下の方法で測定する。
磁性トナーを1g秤量し、20kPaの荷重を1分間かけて、直径25mm、厚さ1.5±0.5mmの円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(TA Instruments社製)に装着する。測定温度30℃にて250g/cm2の荷重をかけた状態で、4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用い、100kHz、温度30℃における複素誘電率の測定値より、誘電率ε’および誘電正接(tanδ)を算出する。
<磁性トナーの飽和磁化(σs)および残留磁化(σr)の測定方法>
本発明において、磁性体および磁性トナーの飽和磁化(σs)および残留磁化(σr)は、振動型磁力計VSM P-1-10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場795.8kA/mで測定する。
本発明において、磁性体および磁性トナーの飽和磁化(σs)および残留磁化(σr)は、振動型磁力計VSM P-1-10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場795.8kA/mで測定する。
<磁性トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
磁性トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
磁性トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャのフラッシュ」機能により、アパーチャチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、磁性トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例および比較例の部数および%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<結着樹脂の製造例>
(結着樹脂L-1の製造例)
4つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、85℃まで昇温して還流させ、スチレン70質量部、アクリル酸-n-ブチル30質量部、および、ジ-tert-ブチルパーオキサイド3.1質量部の混合液を5時間かけて滴下して、重合体の溶液を得た。上記重合体の溶液を還流下で十分に混合した後、有機溶剤を留去して、表1に示す、スチレンアクリルの低分子量重合体である結着樹脂L-1(ガラス転移点Tg=53℃、ピーク分子量6200)を得た。
(結着樹脂L-1の製造例)
4つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、85℃まで昇温して還流させ、スチレン70質量部、アクリル酸-n-ブチル30質量部、および、ジ-tert-ブチルパーオキサイド3.1質量部の混合液を5時間かけて滴下して、重合体の溶液を得た。上記重合体の溶液を還流下で十分に混合した後、有機溶剤を留去して、表1に示す、スチレンアクリルの低分子量重合体である結着樹脂L-1(ガラス転移点Tg=53℃、ピーク分子量6200)を得た。
(結着樹脂L-2~7の製造例)
結着樹脂L-1の製造例において、原料モノマーおよびジ-tert-ブチルパーオキサイドの投入量や比率を変更することで、ピーク分子量、Tgを適宜調整し、表1に示す結着樹脂L-2~7を得た。
結着樹脂L-1の製造例において、原料モノマーおよびジ-tert-ブチルパーオキサイドの投入量や比率を変更することで、ピーク分子量、Tgを適宜調整し、表1に示す結着樹脂L-2~7を得た。
(結着樹脂H-1の製造例)
4つ口フラスコ内に脱気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した。その後、スチレン70質量部、アクリル酸-n-ブチル30質量部、ジビニルベンゼン0.005質量部、および、2,2-ビス(4,4-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度;92℃)0.10質量部の混合液を加え、撹拌し、懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して重合し、24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間温度;72℃)0.1質量部を追加添加し、さらに、12時間保持して高分子量重合体(H-1)の重合を完了した。その後、還流下で十分に混合し、有機溶剤を留去して、表1に示す、スチレンアクリル樹脂、結着樹脂H-1(ガラス転移点Tg=53℃、ピーク分子量301000)を得た。
4つ口フラスコ内に脱気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した。その後、スチレン70質量部、アクリル酸-n-ブチル30質量部、ジビニルベンゼン0.005質量部、および、2,2-ビス(4,4-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度;92℃)0.10質量部の混合液を加え、撹拌し、懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して重合し、24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間温度;72℃)0.1質量部を追加添加し、さらに、12時間保持して高分子量重合体(H-1)の重合を完了した。その後、還流下で十分に混合し、有機溶剤を留去して、表1に示す、スチレンアクリル樹脂、結着樹脂H-1(ガラス転移点Tg=53℃、ピーク分子量301000)を得た。
(結着樹脂H-2~5の製造例)
結着樹脂H-1の製造例において、原料モノマーおよび2,2-ビス(4,4-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンの投入量や比率を変更することで、ピーク分子量、Tgを適宜調整し、表1に示す結着樹脂H-2~5を得た。
結着樹脂H-1の製造例において、原料モノマーおよび2,2-ビス(4,4-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンの投入量や比率を変更することで、ピーク分子量、Tgを適宜調整し、表1に示す結着樹脂H-2~5を得た。
<磁性体1の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.60質量%となる量のSiO2、鉄元素に対してリン元素換算で0.15質量%となる量のリン酸ソーダを混合した。このようにして、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.60質量%となる量のSiO2、鉄元素に対してリン元素換算で0.15質量%となる量のリン酸ソーダを混合した。このようにして、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.5に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し解砕処理して個数平均一次粒径(D1)が0.21μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化が66.7Am2/kg、残留磁化が4.0Am2/kgの磁性体1を得た。
<磁性体2の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.60質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で0.60質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8.5に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し解砕処理して個数平均一次粒径(D1)が0.22μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化が66.1Am2/kg、残留磁化が5.9Am2/kgの磁性体2を得た。
<磁性体3の製造例>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。 次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH12.8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し解砕処理して個数平均一次粒径(D1)が0.20μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化が65.9Am2/kg、残留磁化が7.3Am2/kgの磁性体3を得た。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1モル当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。 次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH12.8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーを濾過、洗浄、乾燥し解砕処理して個数平均一次粒径(D1)が0.20μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化が65.9Am2/kg、残留磁化が7.3Am2/kgの磁性体3を得た。
<シリカ微粒子の製造例1>
メタノール、水、アンモニア水存在下、35℃に加温し、攪拌しながら、テトラメトキシシランを滴下し、シリカ微粒子の懸濁液を得た。溶媒置換を行い、得られた分散液に疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザンを室温で添加し、その後、130℃まで加熱して反応させ、シリカ微粒子の表面の疎水化処理を行った。湿式で篩いを通過させ、粗大粒子を除去後、溶媒を除去し、乾燥することにより、シリカ微粒子1(ゾルゲルシリカ)を得た。シリカ微粒子1について表2に示す。
メタノール、水、アンモニア水存在下、35℃に加温し、攪拌しながら、テトラメトキシシランを滴下し、シリカ微粒子の懸濁液を得た。溶媒置換を行い、得られた分散液に疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザンを室温で添加し、その後、130℃まで加熱して反応させ、シリカ微粒子の表面の疎水化処理を行った。湿式で篩いを通過させ、粗大粒子を除去後、溶媒を除去し、乾燥することにより、シリカ微粒子1(ゾルゲルシリカ)を得た。シリカ微粒子1について表2に示す。
<シリカ微粒子の製造例2~8>
反応温度と攪拌速度を適宜変更すること以外は、シリカ微粒子の製造例1と同様にして、シリカ微粒子2~8を得た。シリカ微粒子2~8について、表2に示す。
反応温度と攪拌速度を適宜変更すること以外は、シリカ微粒子の製造例1と同様にして、シリカ微粒子2~8を得た。シリカ微粒子2~8について、表2に示す。
<シリカ微粒子の製造例9>
乾式シリカ(BET:130m2/g)100質量部を、ヘキサメチルジシラザン15質量部で処理し、次いでジメチルシリコーンオイル10質量部で処理を行って、シリカ微粒子9を得た。シリカ微粒子9について表2に示す。
乾式シリカ(BET:130m2/g)100質量部を、ヘキサメチルジシラザン15質量部で処理し、次いでジメチルシリコーンオイル10質量部で処理を行って、シリカ微粒子9を得た。シリカ微粒子9について表2に示す。
<シリカ微粒子の製造例10~11>
乾式シリカのBETの異なる、以下の原体シリカ微粒子を使用し、シリカ微粒子9と同様に表面処理を行った以外は同様にして、シリカ微粒子10および11を得た。シリカ微粒子10および11について、表2に示す。
シリカ微粒子10:BET:200m2/g
シリカ微粒子11:BET:300m2/g
乾式シリカのBETの異なる、以下の原体シリカ微粒子を使用し、シリカ微粒子9と同様に表面処理を行った以外は同様にして、シリカ微粒子10および11を得た。シリカ微粒子10および11について、表2に示す。
シリカ微粒子10:BET:200m2/g
シリカ微粒子11:BET:300m2/g
<磁性トナー粒子の製造例1>
・高分子量重合体L-1: 90質量部
・低分子量重合体H-1: 10質量部
・表3に示すワックス1: 5.0質量部
・磁性体1: 95質量部
・荷電制御剤 T-77(保土谷化学社): 1.0質量部
・高分子量重合体L-1: 90質量部
・低分子量重合体H-1: 10質量部
・表3に示すワックス1: 5.0質量部
・磁性体1: 95質量部
・荷電制御剤 T-77(保土谷化学社): 1.0質量部
上記原材料をヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))で予備混合した。その後、回転数200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM-30:池貝鉄工所社製)により、混練物の出口付近における直接温度が155℃となるように設定温度を調節し、混練した。
得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物をカッターミルで粗粉砕した。その後、得られた粗粉砕物を、ターボミルT-250(ターボ工業社製)を用いて、フィード量を20kg/hrとし、排気温度が40℃になるようエアー温度を調整して微粉砕した。その後、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径(D4)が7.9μmの磁性トナー粒子を得た。
上記で得た磁性トナー粒子に対して、図2に示す装置を用いて、外添混合処理を行った。
本実施例においては、図2に示す装置の処理空間9の容積が2.0×10-3m3の装置(NOB-130;ホソカワミクロン株式会社製)を用い、駆動部8の定格動力を5.5kWとし、攪拌部材3の形状を図3のものとした。そして、図3における攪拌部材3aと攪拌部材3bの重なり幅dを攪拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、攪拌部材3と本体ケーシング1内周との最小間隙を2.0mmとした。
上記した装置構成で、上記磁性トナー粒子の100質量部(500g)と、表2に示すシリカ微粒子1の3.0質量部とを、図2に示す装置に投入した。
磁性トナー粒子とシリカ微粒子を投入後、磁性トナー粒子とシリカ微粒子を均一に混合するために、プレ混合を実施した。プレ混合の条件は、駆動部8の動力を0.1W/g(駆動部8の回転数150rpm)とし、処理時間を1分間とした。
プレ混合終了後、外添混合処理を行った。外添混合処理条件は、駆動部8の動力を1.6W/g(駆動部8の回転数2500rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を5分間とした。
引き続いて、このシリカ微粒子1を外添混合処理した、磁性トナー粒子を、図1に示す表面改質装置により表面改質を行った。いずれも表面改質時の条件は、原料供給速度はいずれも2kg/hr、熱風流量はいずれも7m3/分、熱風の吐出温度はいずれも300℃で行った。また、冷風温度=4℃、冷風流量=4m3/分、ブロワー風量=20m3/分、インジェクションエア流量=1m3/分とした。この表面改質処理により、強固着シリカ微粒子を表面に有する磁性トナー粒子1を得た。
磁性トナー粒子1の処方、表面改質条件について、表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例2~16>
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方、表面改質前添加シリカ種、添加量、および、表面改質時温度を表4に示すように変更した以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子2~16を得た。
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方、表面改質前添加シリカ種、添加量、および、表面改質時温度を表4に示すように変更した以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子2~16を得た。
磁性トナー粒子2~16の処方、表面改質条件について、表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例17~27>
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方、表面改質前添加シリカ種、添加量、および、表面改質時温度を表4に示すように変更した。さらに、混練工程において混練物の出口付近における直接温度が145℃となるように設定温度を調節し、混練したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子17~27を得た。
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方、表面改質前添加シリカ種、添加量、および、表面改質時温度を表4に示すように変更した。さらに、混練工程において混練物の出口付近における直接温度が145℃となるように設定温度を調節し、混練したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子17~27を得た。
磁性トナー粒子17~27の処方、表面改質条件について、表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例28>
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方を表4に示すように変更し、また、表面改質前にシリカを添加せずに表面改質処理を行った。さらに、混練工程において混練物の出口付近における直接温度が145℃となるように設定温度を調節し、混練したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子28を得た。
磁性トナー粒子の製造例1において、磁性トナー処方を表4に示すように変更し、また、表面改質前にシリカを添加せずに表面改質処理を行った。さらに、混練工程において混練物の出口付近における直接温度が145℃となるように設定温度を調節し、混練したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子28を得た。
磁性トナー粒子28の処方、表面改質条件について、表4に示す。
<磁性トナーの製造例1>
磁性トナー粒子の製造例1で得た磁性トナー粒子1に対して、磁性トナー粒子の製造例1で用いた構成と同じ図2に示す装置を用いて、外添混合処理を行った。
磁性トナー粒子の製造例1で得た磁性トナー粒子1に対して、磁性トナー粒子の製造例1で用いた構成と同じ図2に示す装置を用いて、外添混合処理を行った。
磁性トナー粒子1の100質量部と、表2に示すシリカ微粒子10の0.60質量部とを図2に示す装置に投入した。
磁性トナー粒子とシリカ微粒子を投入後、磁性トナー粒子とシリカ微粒子を均一に混合するために、プレ混合を実施した。プレ混合の条件は、駆動部8の動力を0.10W/g(駆動部8の回転数150rpm)とし、処理時間を1分間とした。
プレ混合終了後、外添混合処理を行った。外添混合処理条件は、駆動部8の動力を0.60W/g(駆動部8の回転数1400rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を5分間とした。
その後、さらにシリカ微粒子10を0.20質量部添加(磁性トナー粒子に対して、トータル0.80質量部)した。そして、駆動部8の動力を0.60W/g(駆動部8の回転数1400rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、さらに処理を5分間実施とした。
外添混合処理後、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で粗粒などを除去し、磁性トナー1を得た。
磁性トナー1の外添混合処理条件について、表5に示す。
また、磁性トナー1について、前述した方法で、弱固着シリカ微粒子および中固着シリカ微粒子の量、強固着シリカ微粒子による被覆率X、さらに誘電特性や磁気特性、最大吸熱ピーク温度などを測定した結果を、表6に示す。
<磁性トナーの製造例2~31>
用いる結着樹脂、磁性体などの処方を表4のようにして、さらに外添混合条件を表5に示すように変更した以外は磁性トナー1と同様にして、磁性トナー2~31を得た。磁性トナー2~31の物性を表6に示す。
用いる結着樹脂、磁性体などの処方を表4のようにして、さらに外添混合条件を表5に示すように変更した以外は磁性トナー1と同様にして、磁性トナー2~31を得た。磁性トナー2~31の物性を表6に示す。
<比較磁性トナーの製造例1~14>
用いる結着樹脂、磁性体などの処方を表4のようにして、さらに外添混合条件を表5に示すように変更した以外は磁性トナー1と同様にして、比較磁性トナー1~14を得た。比較磁性トナー1~14の物性を表6に示す。なお、比較用磁性トナー9、10、12および13に関しては、2段目の外添混合処理装置としてヘンシェルミキサーを表5に示す条件で使用した。また、比較用磁性トナー11に関しては、2段目の外添混合を行わなかった。
用いる結着樹脂、磁性体などの処方を表4のようにして、さらに外添混合条件を表5に示すように変更した以外は磁性トナー1と同様にして、比較磁性トナー1~14を得た。比較磁性トナー1~14の物性を表6に示す。なお、比較用磁性トナー9、10、12および13に関しては、2段目の外添混合処理装置としてヘンシェルミキサーを表5に示す条件で使用した。また、比較用磁性トナー11に関しては、2段目の外添混合を行わなかった。
(※1)弱固着シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)に対する、該強固着シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の比。また、弱固着シリカ微粒子量は、磁性トナー100質量部中の含有量を示す。
<実施例1>
(帯電の立ち上がり特性)
トナーの帯電の立ち上がり特性は下記のように評価した。
(帯電の立ち上がり特性)
トナーの帯電の立ち上がり特性は下記のように評価した。
後述するLBP3100による画出し評価が終了したカートリッジから、スリーブ裏の磁性トナーを採取する。50ccのポリエチレン製のビンに採取した磁性トナー1.0g、樹脂コーティングされたフェライトキャリア9.0gを仕込む。上記ビンを常温常圧下に24時間放置後、やよい振とう機に設置し、1分間に100往復する速度で10秒間振とう後、図8に示す帯電量測定装置にて帯電量を測定する。
帯電量の測定方法について詳細を説明する。帯電量は先ず、底に500メッシュのスクリーン203のある金属製の測定容器202に、振とう後のトナーおよびキャリアの混合物を約0.5~1.5gを入れ、金属製のフタ204をする。このときの測定容器202全体の重量を秤り、その値をW1(g)とする。次に、吸引機201(測定容器202と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口から吸引し、風量調節弁206を調整して真空計205の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行ってトナーを吸引除去する。このときの電位計209の電位をV(ボルト)とする。ここで208は、コンデンサーであり、容量をC(μF)とする。次に、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は、上記で測定した値を用いて下式のように計算される。
上記方法により得られる、10秒振とう後の摩擦帯電量をQ10とする。
また、振とう時間を2分として得られる摩擦帯電量をQmとして、Qmに対するQ10の比(Q10/Qm)が1.00に近づくほど帯電の立ち上がり特性に優れる、として評価を行った。
なお、フェライトキャリアとしては、Cu-Zn-Feの三元系のフェライトコア(Fe約50%、Cu約10%、Zn約10%)に対して、ポリフッ化ビニリデンとスチレン-メチルメタクリレート共重合体を50:50の割合で混合したものを約1重量%コートして作製したものを用いた。また、上記Q10およびQmは同様な実験を3回実施し、その平均値で評価した。
(画像濃度)
磁性トナー1:300gをLBP3100に直径10mmである小径現像スリーブを搭載したカートリッジに仕込み、温度40℃湿度95%の環境で30日間放置した。
磁性トナー1:300gをLBP3100に直径10mmである小径現像スリーブを搭載したカートリッジに仕込み、温度40℃湿度95%の環境で30日間放置した。
電子写真装置が使用されることが多い環境よりもさらに高温多湿環境下に放置することで、磁性トナー表面の無機微粒子の埋め込みを促進できる。さらに、小径現像スリーブを搭載した画像形成装置を用いることで、帯電の立ち上がりやすさを厳しく評価できる。
上記放置後のカートリッジをLBP3100にセットして、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)に1晩放置した後、印字率1%の横線を一分間間欠モードで6000枚出力した。その後、さらに一晩放置し、べた画像を3枚連続で出力した。3枚のべた画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定し、最も低い反射濃度の数値が高いほど良好とした。
(カブリ)
上記画像濃度の評価後のLBP3100を常温常湿環境に24時間放置した後に白画像を1枚出力し、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC-6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出し、低い数値であるほど良好であるとして評価した。
カブリ(反射率)(%)= 標準紙の反射率(%)-白画像サンプルの反射率(%)
上記画像濃度の評価後のLBP3100を常温常湿環境に24時間放置した後に白画像を1枚出力し、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC-6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出し、低い数値であるほど良好であるとして評価した。
カブリ(反射率)(%)= 標準紙の反射率(%)-白画像サンプルの反射率(%)
(定着温度領域)
定着温度領域は、低温定着温度とホットオフセット発生温度の幅で評価した。まず、耐久初期に定着器のヒーター温度を10℃ずつ低下させながらベタ画像を出力し、下記判断基準でC評価が出る温度を低温定着温度とした。
A:べた画像をこすっても手につかず問題なし。
B:べた画像をこすると、やや手につくが、テキスト画像などは問題なし。
C:べた画像もテキスト画像も強くこすると、はがれるところがありやや気になる。
定着温度領域は、低温定着温度とホットオフセット発生温度の幅で評価した。まず、耐久初期に定着器のヒーター温度を10℃ずつ低下させながらベタ画像を出力し、下記判断基準でC評価が出る温度を低温定着温度とした。
A:べた画像をこすっても手につかず問題なし。
B:べた画像をこすると、やや手につくが、テキスト画像などは問題なし。
C:べた画像もテキスト画像も強くこすると、はがれるところがありやや気になる。
次に、耐久初期に定着器のヒーター温度を10℃ずつ上げながら、印字率1%の横線画像を1枚出力し、直後に白画像を出力し、下記評価基準でC評価が出る温度をホットオフセット発生温度とした。
A:白画像に汚れが全くない。
B:白画像に僅かに汚れがある。
C:白画像に明確に汚れがある。
A:白画像に汚れが全くない。
B:白画像に僅かに汚れがある。
C:白画像に明確に汚れがある。
ホットオフセット発生温度と、低温定着温度の差が大きいほど定着領域が広く、優れているとして評価を行った。
<実施例2~31、および、比較例1~14>
磁性トナーとして、磁性トナー2~31、および、比較磁性トナー1~14を使用し、実施例1と同様の条件で評価を行った。評価結果を表7に示す。
磁性トナーとして、磁性トナー2~31、および、比較磁性トナー1~14を使用し、実施例1と同様の条件で評価を行った。評価結果を表7に示す。
51:磁性トナー粒子、52:オートフィーダー、53:供給ノズル、54:表面改質装置内部、55:熱風導入口、56:冷風導入口、57:表面改質された磁性トナー粒子、58:サイクロン、59:ブロワー
1:本体ケーシング、2:回転体、3、3a、3b:撹拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:戻り方向、13:送り方向、16:原料投入口用インナーピース、17:製品排出口用インナーピース、d:撹拌部材の重なり部分を示す間隔、D:撹拌部材の幅
100:静電潜像担持体(感光体)、102:現像スリーブ、114:転写部材(転写ローラー)、116:クリーナー、117:帯電部材(帯電ローラー)、121:レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、123:レーザー、124:レジスタローラー、125:搬送ベルト、126:定着器、140:現像器、141:攪拌部材
201:吸引機、202:測定容器、203:スクリーン、204:フタ、205:真空計、206:風量調節弁、207:吸引口、208:コンデンサー、209:電位計
1:本体ケーシング、2:回転体、3、3a、3b:撹拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:戻り方向、13:送り方向、16:原料投入口用インナーピース、17:製品排出口用インナーピース、d:撹拌部材の重なり部分を示す間隔、D:撹拌部材の幅
100:静電潜像担持体(感光体)、102:現像スリーブ、114:転写部材(転写ローラー)、116:クリーナー、117:帯電部材(帯電ローラー)、121:レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、123:レーザー、124:レジスタローラー、125:搬送ベルト、126:定着器、140:現像器、141:攪拌部材
201:吸引機、202:測定容器、203:スクリーン、204:フタ、205:真空計、206:風量調節弁、207:吸引口、208:コンデンサー、209:電位計
Claims (10)
- 結着樹脂および磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
該磁性トナー粒子の表面に固着された無機微粒子と、
を含有する磁性トナーであって、
該磁性トナーの平均円形度が、0.955以上であり、
該無機微粒子を、該磁性トナー粒子への固着強度に応じて、固着強度の弱い順に、弱固着無機微粒子、中固着無機微粒子、強固着無機微粒子とした場合、
(1)該弱固着無機微粒子の含有量が、該磁性トナー100質量部中に0.10質量部以上0.30質量部以下であり、
(2)該中固着無機微粒子が、該弱固着無機微粒子の2.0倍以上5.0倍以下存在し、
(3)X線光電子分光装置(ESCA)により求めた、該磁性トナーの表面の該強固着無機微粒子による被覆率Xが、60.0面積%以上90.0面積%以下であり、
弱固着無機微粒子は、界面活性剤を含むイオン交換水に該磁性トナーを加えた分散液を、振とう速度:46.7cm/秒、振とうの幅:4.0cm、で2分間振とうした場合に剥がれる無機微粒子であり、
中固着無機微粒子は、該振とうでは剥がれないが、強度120W/cm2で30分間の超音波分散により剥がれる無機微粒子であり、
強固着無機微粒子は、該振とうおよび該超音波分散でも剥がれない無機微粒子である
ことを特徴とする磁性トナー。 - 前記磁性トナーの軟化温度(Ts)が、60.0℃以上73.0℃以下であり、
前記磁性トナーの軟化点(Tm)と該軟化温度(Ts)との差が、45.0℃以上57.0℃以下である
請求項1に記載の磁性トナー。 - 前記磁性トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、
分子量4000以上8000以下の領域にメインピークのピークトップを有し、かつ、分子量100000以上500000以下の領域にサブピークのピークトップを有し、かつ、
メインピークの面積(SA)とサブピークの面積(SB)を合計した総面積に対する、メインピークの面積の比率(SA/(SA+SB))が、70%以上である請求項1または2に記載の磁性トナー。 - 前記磁性トナーの誘電正接(tanδ)が、6.0×10-3以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナーのガラス転移温度が、47℃以上57℃以下である請求項1~4のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記弱固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)に対する、前記強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)の比が、4.0以上25.0以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記強固着無機微粒子の一次粒子の個数平均粒子径(D1)が、50nm以上200nm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性トナーの飽和磁化(σs)が、30.0Am2/kg以上40.0Am2/kg以下であり、
前記磁性トナーの残留磁化(σr)と前記飽和磁化(σs)との比[σr/σs]が、0.03以上0.10以下である
請求項1~7のいずれか1項に記載の磁性トナー。 - 前記無機微粒子が、シリカ微粒子である請求項1~8のいずれか1項に記載の磁性トナー。
- 前記結着樹脂が、スチレン系樹脂である請求項1~9のいずれか1項に記載の磁性トナー。
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