JP5531377B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
市場の要求の高度化にこたえるため、電子写真画像形成装置はカラー化、高画質化、小型化、高速化を進めている。装置の構成には各種の形態があるが、例えば、中間転写体を用いた方式が特に優れている。
中間転写体を用いた画像形成装置は、感光体上に形成したトナー像を一旦中間転写体上に転写してから記録媒体に転写、定着する方式であり、中間転写体を用いることで、多色の多重転写時の安定性向上、小型化やレイアウトの自由度増大、画像形成速度の向上など、多くの利点が得られる。
中間転写体を用いた画像形成装置としては、例えば、所定方向に回転される像保持体を備え、像保持体の近傍に回転方向に沿って、像保持体表面を帯電させるための帯電手段、帯電手段によって帯電された像保持体を露光することによって像保持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段、像保持体上に形成された静電潜像をトナーによって現像することでトナー像を形成するための現像手段、及び像保持体上のトナー像を電界の印加により中間転写体に一次転写するための一次転写手段、中間転写体上に形成されたトナー像を電界の印加により記録媒体に二次転写するための二次転写手段を備えている。
このような中間転写方式を用いた電子写真方式の画像形成装置では、帯電手段によって表面を帯電された像保持体上に、静電潜像形成手段によって静電潜像が形成され、この静電潜像が現像手段によって現像されることにより、像保持体上にトナー像が形成される。像保持体上に形成されたトナー像は、一次転写手段によって電界の印加により中間転写体に一次転写され、その後二次転写手段によって電界の印加により記録媒体上に二次転写され、その後に記録媒体上に定着される。
ところで、像保持体と、像保持体に対向して動く中間転写体との間に速度差をもうけ、像保持体表面を中間転写体で摺擦することにより、感光体表面に付着した汚染物質を除去する方法が、従来から提案されている。
例えば特許文献1では、感光体上の付着物を確実に除去するために、感光体と転写ベルトとの間に相対的な速度差をもたせるよう構成し、かつ、転写ベルトのクリ−ニング装置を具備した感光体再生装置が提案されている。
また特許文献2では、感光体上にフィルミング(トナー成分等の固着)が発生するのを防止するために、転写後感光体上に残留するトナーをブラシ帯電器により帯電と同時に回収し、球形度が0.96以上の球形トナーを用い、感光体と転写媒体との間に速度差をつけて駆動する画像形成装置が提案されている。
特許文献3では、転写ベルト上の外添剤フィルミングを抑制して転写ベルトクリーニング部材の異常摩耗を抑制するために、転写ベルトと感光体の間に相対速度差が生じるように駆動制御でき、且つ、転写ベルトへのトナー後処理剤の付着しやすさを示す条件(ベルトの使用積算時間等)に応じて相対速度差を変更できる画像形成装置が提案されている。
特許文献4では、像保持体のスクラッチ傷を抑制し、付着異物を除去するために、非トナー像形成時において、転写体の表面と像保持体の表面との間にトナー像形成時とは異なる速度差をもたせ、かつ、像保持体に形成したトナー像を前記転写体に転写して転写体の表面に研磨剤含有トナーを保持させた状態で、転写体によって像保持体の表面を研磨するように構成された画像形成装置が提案されている。
一方、特許文献5では、像保持体と中間転写体との接触部において相対速度差を持たせることによって転写効率を向上させ、相対速度差を所定の周期で変動させることで縞状の画像ムラを目立たなくし、必要に応じて(例えば画像非転写時等)相対速度差を0とすることで異音を解消させる画像形成装置が提案されている。
特開平01−225979号公報 特開2005−115214号公報 特開2006−23417号公報 特開2006−154475号公報 特開2007−003823号公報
本発明は、像保持体表面への汚染物質の固着を抑制すると共に、像保持体と中間転写体との接触部における摺動性を向上することにより、像保持体及び中間転写体の損傷、並びに、画像欠陥を抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された前記像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
前記像保持体に接触し、前記トナー像が前記像保持体から一次転写される中間転写体と、
前記トナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備え、
前記中間転写体が前記像保持体表面に接触する接触部において、前記像保持体の移動速度と前記中間転写体の移動速度との間に速度差が常時設けられ、前記速度差の絶対値は10mm/secを超えて20mm/sec以下であり、
前記トナーは、トナー粒子及び数平均粒子径が50nm以上300nm以下の球形粒子を含み、前記球形粒子の遊離率が5体積%以上40体積%以下である画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、
前記中間転写体は、中間転写ベルトであり、
前記一次転写手段は、前記中間転写ベルトを介して前記像保持体に押圧して配された剛性体の一次転写ロールである、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、
前記速度差の絶対値は18mm/sec以上20mm/sec以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項1、3に係る発明によれば、像保持体表面への汚染物質の固着を抑制すると共に、像保持体と中間転写体との接触部における摺動性を向上することにより、像保持体及び中間転写体の損傷、並びに、画像欠陥を抑制するといった効果を奏する。
請求項1、3に係る発明によれば、より像保持体表面への汚染物質の固着を抑制すると共に、像保持体から中間転写体へのトナー像の転写状態を安定化することにより画像欠陥を抑制するといった効果を奏する。
請求項に係る発明によれば、さらに像保持体表面への汚染物質の固着を抑制すると共に、像保持体及び中間転写体の損傷に起因する画質低下、一次転写手段の摩耗や汚染のよる画質低下、並びに、像保持体と中間転写体との接触部における摺動性を向上することにより、一次転写手段の汚染及び摩耗に起因する画質低下を抑制するといった効果を奏する。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略することがある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体ドラム10(像保持体)と、この感光体ドラム10からトナー像を転写させるために接触する中間転写ベルト12(中間転写体)と、が備えられている。
感光体ドラム10は光の照射によって抵抗値が低下する感光層を備えたものであり、この感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電させる帯電装置14(帯電手段)と、帯電された感光体ドラム10上に各色成分(本実施形態ではブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の静電潜像を書き込む露光装置16(静電潜像形成手段)と、感光体ドラム10上に形成された各色成分潜像を各色成分現像剤にて可視像化する現像装置18(現像手段)と、感光体ドラム10上のトナーを中間転写ベルト12上に一次転写するための一次転写ロール20(一次転写手段)と、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃(クリーニング)するクリーニング装置22とが配設されている。
中間転写ベルト12は、駆動ロール24A及び張架ロール24B乃至24Dに掛け渡され張架されており、その外周面が感光体ドラム10の表面(現像装置18より下流で、かつ、クリーニング装置22より上流)に接触することにより、接触部11を形成している。
そして中間転写ベルト12の内周面側には、感光体ドラム10に対向する位置に一次転写ロール20が配設され、一次転写ロール20が中間転写ベルト12を介して感光体ドラム10に押圧することにより、接触部11に圧力がかけられている。このようにして一次転写部位が構成されている。
本実施形態では、一次転写ロール20が中間転写ベルト12を介して感光体ドラム10に押圧する構成を採用しているが、中間転写ベルト12が感光体ドラム10に接していればよく、一次転写ロール20が中間転写ベルト12に接していない構成や、コロトロンを用いた転写装置でもよい。
中間転写ベルト12の外周面側には、中間転写ベルト12からトナー像を記録材P(記録媒体)上に二次転写するための二次転写ロール26(二次転写手段)が配設されている。そして、二次転写ロール26に対向した部位には、アースロール28が設置されている。このアースロール28は2本の張架ロール24B及び24Cの間に設置されており、二次転写ロール26に所定の電界(二次転写電界)が印加され、このアースロール28に電流が流れる。このようにして、二次転写部位が構成されている。
この二次転写部位においては、中間転写ベルト12の外周面が二次転写ロール26に接触している。本実施形態では、二次転写部位において、中間転写ベルト12の外周面と二次転写ロール26とが線接触をしている形態であるが、これに限られず、二次転写ロール26の外形に沿って中間転写ベルト12の外周面が接触する形態であってもよい。
中間転写ベルト12の張架ロール24Dに対向した部位には、ベルトクリーニング装置30としてのクリーニングロールが配設されており、このクリーニングロールには所定のクリーニングバイアスが印加され、張架ロール24Dが接地されている。また回収したトナーをクリーニングするためのスクレーパーが配置されている。
感光体ドラム10は、不図示の駆動装置により駆動させ、矢印A方向に回転させる。また駆動ロール24Aは、感光体ドラム10を駆動する駆動装置とは別の駆動装置もしくは感光体ドラム10を駆動する駆動装置と同じ駆動装置(不図示)により駆動させ、矢印B方向に回転させ、中間転写ベルト12を従動させる。駆動ロール24Aを駆動させる駆動装置が感光体ドラム10を駆動する駆動装置とは別の駆動装置の場合は、感光体ドラム10と中間転写ベルト12とを独立して回転駆動させることにより、接触部11において、感光体ドラム10の移動速度と中間転写ベルト12の移動速度との間に速度差が設けられる。また、駆動ロール24Aを駆動させる駆動装置が感光体ドラム10を駆動する駆動装置と同じ駆動装置の場合は、例えば駆動装置から感光体ドラム10及び駆動ロール24Aに動力を伝達するときのギア比やプーリー比などを調整することで、接触部11において、感光体ドラム10の移動速度と中間転写ベルト12の移動速度との間に速度差が設けられる。
なお本実施形態においては、駆動ロール24Aに駆動装置を設けた構成としているが、上記構成に限られず、接触部11において上記速度差を設けることが出来るような他の構成を採用することができる。
ここで感光体ドラム10としては、例えば、単層構造又は多層構造の感光体を用いることができ、材質の面においては、例えば、セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体や、有機感光体等が挙げられる。
本実施形態においては、耐摩耗性を持ち高トルクになりやすい高硬度感光体、オーバーコート層感光体等が望ましい。
また、像保持体として感光体ドラム10の代わりに感光体ベルトを用いることもできる。
帯電装置14としては、例えば帯電ロールが用いられるが、コロトロンなどの帯電器を用いてもよい。
また、露光装置16は感光体ドラム10上に光によって像を書き込めるものであればよく、本実施形態では、例えばレーザービームをポリゴンミラーでスキャンするスキャナが用いられているが、これに限られるものではなく、ELを用いたプリントヘッドやLEDを用いたプリントヘッドなど適宜選択して差し支えない。
更に、現像装置18としては、例えばロータリー型の現像装置が用いられるが、ロータリー型の現像装置18は各色成分トナーを含む現像剤が収容された現像機を回転可能に搭載したものであり、例えば、感光体ドラム10上で露光によって、電位が低下した部分に各色成分トナーを付着させるものであれば適宜選定して差し支えなく、使用するトナー形状、粒径など特に制限無く、感光体ドラム10上の静電潜像上に正確に載るものであればよい。尚、本実施形態では、現像装置18としてロータリー型のものが用いられているが、4台の現像装置を用いるようにしてもよい。
更にまた、クリーニング装置22については、感光体ドラム10上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式を採用したもの、ブラシ方式を採用したもの等適宜選定して差し支えなく、クリーニング装置22を使用しない態様もありえる。
中間転写ベルト12については、感光体ドラム10上に形成されたトナー像を転写され保持する中間転写体であれば差し支えない。本実施形態においては中間転写体として中間転写ベルト12を用いているが、中間転写体として中間転写ドラムを用いてもよい。
中間転写体として中間転写ベルト12を用いる場合、中間転写ベルト12は単層でも複層でもよいが、ベルト基材と、このベルト基材の表面を被覆する導電性保護層とを備えていることがよい。ベルト基材としては、例えばエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム(CHR,ECO)、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネートなどのエンジニアリングプラスチックス及びこれらの2種類以上をブレンドしてなる材料等に、導電材料、例えばカーボン、その他金属粒子により抵抗調整された材料が用いられているが、これに限定されるものではない。
一方、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗減、表面粗さ低減による中間転写ベルト12上残留トナーのクリーニング性の向上、感光体ドラム10への耐ブリード性という目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではないが、一般的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パ−フルオロアルキルビニルエーテル(PFA)等の微粉末を含む導電材塗料を塗布することにより構成される。前記導電性塗料に用いられる樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フルオロシリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂、ウレタンエマルジョン塗料、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルコール可溶性ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
一次転写ロール20は、感光体ドラム10の表面上に形成されたトナー像を中間転写ベルト12に一次転写する一次転写手段であれば差し支えない。
一次転写手段として一次転写ロール20を用いる場合、一次転写ロール20として、
具体的には、例えば、金属芯にゴムや発泡ゴムなどの弾性層を付けたロールや、表面を樹脂やめっきでコートした剛性体金属ロール等の従来公知の基材を用いることができる。
ここで剛性体とは、中間転写体を介した感光体との接触部11において、転写ロール表面が顕著な弾性変形しないものを意味する。剛性体の一次転写ロール20としては、具体的には、例えば、金属素管やシャフト、めっきや樹脂などで薄層コートされた金属、表面に酸化層を有する金属、金属の軸表面に硬質ゴムを付けたロールで構成されたもの等が挙げられる。
剛性体の一次転写ロール20を用いることにより、接触部11にかかる圧力を高くすることができるため、接触部11における摺擦力を強くすることにより、感光体ドラム10表面の汚染物質除去能力が向上される。
一方、剛性体の一次転写ロール20を用いると、弾性体の転写ロールを用いたときよりも、接触部11において狭い幅に強い圧力が加わることとなる。そのため、接触部11において速度差を設けると、感光体ドラム10表面と中間転写ベルト12表面とが強くこすられ、すり傷(筋状の傷)が発生しやすい。感光体ドラム10や中間転写ベルト12の表面に傷が生じると、傷の凹部にトナーが入り込むためトナーが残留しやすい。そのため、得られる出力画像に筋状のトナー汚れが付着し、画像品質を大きく低下させてしまう場合がある。
しかし本実施形態においては、上記構成のトナーを用いているため、感光体ドラム10及び中間転写ベルト12の損傷が抑制され、画質低下が抑制される。
また、一次転写ロール20が剛性体であると、表面が弾性体である場合に比べ、汚染物質の付着や、摩擦による摩耗が少ないため維持性に優れている。一次転写ロール20は、感光体ドラム10表面から中間転写ベルト12表面にトナー像を移行させるために必要な電界を発生させる働きをしている。そのため、一次転写ロール20の表面に汚染物質の付着や摩耗が起こると、電気特性が変動し、発生する転写電界が不均一となり、その結果得られる画像の濃度にムラが生じたり、抜けが発生したりする場合がある。よって、耐摩耗性や耐汚染性の高い一次転写ロール20表面を用いることで、電気特性の安定性、維持性が改善され、転写電界の変動による画質低下が抑制される。
上記金属素管に用いられる材料としては、具体的には、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、硫黄複合鋼材(SUM)、各種合金等が挙げられる。
また金属素管にコートする薄層の材料としては、具体的には、例えば、ガラス繊維強化プラスチックス、ナイロン、ポリカーボネート、シランカップリング剤等が挙げられ、金属素管に薄層コートする方法としては、例えば、溶液ディップ法、粉体塗料焼付ける方法、フィルムを巻きつけて接着する方法などが挙げられる。
さらに上記硬質ゴムとしては、具体的には、例えば、炭素粉末や繊維などで強化したゴム、エボナイト、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
また、めっきや酸化膜などの表面層を形成しても良い。
二次転写ロール26は、単層でも複層でもよいが、芯金の外周面に固着された発泡シリコーンゴムを構成成分とするコア層に、スキン層を介して、弗素系樹脂を構成成分とするコーティング層を被覆した3層により構成されていることがよい。これらの層には、抵抗を調節するために導電剤が分散されている。各層に分散される導電剤としては、例えば酸化錫(SnO2),酸化亜鉛(ZnO),酸化インジウム(In23),チタン酸カリウム(K2TiO3),SnO2−In23固溶体等の金属酸化物や、カーボンブラックなどが挙げられる。中でもカーボンブラックは、シリコーンゴムや弗素系樹脂との分散性が良好であるため好適である。コーティング層は、前記したように、導電剤分散の弗素系樹脂からなる。弗素系樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),PVDF(ポリ弗化ビニリデン),PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン),PFA,ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体),FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体),ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体),EPE(PFA−FEP)等が挙げられる。これらの弗素系樹脂は、表面エネルギーが小さいので、バイアスロール表面にトナーが付着し難いという特性を有する。
また、現像装置18に収容された各色成分現像剤は、トナー及びキャリアで構成されている。なお、現像剤は、必要に応じてその他の成分を含んでもよいし、トナーのみで構成されていてもよい。
なお、上記各部材の構成は一例であり、またその他の部材については公知の構成が採用される。
以下、トナーについて詳細に説明する。
トナーは、トナー粒子及び数平均粒子径が50nm以上300nm以下の球形粒子を含み、前記球形粒子の遊離率が5体積%以上40体積%以下であり、感光体ドラム10と中間転写ドラム12の接触部において速度差を設けることで、感光体ドラム10表面への汚染物質(トナー成分等)の固着が抑制されると共に、接触部11における摺動性が向上されることにより、感光体ドラム10及び中間転写ベルト12の損傷、並びに、画像欠陥が抑制される。
従来は、感光体ドラム10表面への汚染物質の固着抑制効果を高めるために、接触部11における上記速度差を大きくすると、接触部11において感光体ドラム10と中間転写ベルト12との間に働く摩擦抵抗が大きくなる。すると接触部11において円滑な摺擦状態を保てなくなり、「びびり状態(摺擦の相対速度の低下と急激なずりとを繰り返す状態)」になる場合がある。接触部11が「びびり状態」になると、感光体ドラム10上のトナー像を安定して中間転写ベルト12に移行できなくなり、その結果、横縞状の濃度ムラ等の画質異常(バンディング)や細線の乱れが発生し、出力画像の品質を大きく低下させてしまう。
一方、本実施形態においては、トナーが上記構成であるため、トナーに含まれる球形粒子が接触部11において「ころ」のような役割を果たすことにより、摩擦抵抗の過剰な上昇を抑制し、円滑な摺擦状態が維持される。そのため、びびり状態の発生が抑制され、感光体ドラム10表面への汚染物質の固着抑制効果と、画像欠陥の抑制とを両立させることができる。
以下、上記「球形粒子」について説明する。
ここで「球形粒子」とは、形状係数SF1が100以上135以下である粒子を言う。
球形粒子の形状係数SF1は、100以上125以下が望ましい。粒子の形状係数SF1が上記範囲であると、例えば粒子が鋭角な角を有する形状である場合等に比べ、接触部11における感光体ドラム10や中間転写ベルト12の損傷が抑制される。
粒子の形状係数SF1は、以下のようにして求める。
具体的には、走査型電子顕微鏡(日立株式会社製:S−4100)によって撮影したトナー画像を画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み円相当径を測定し、最大長及び面積から、個々の粒子について下記式により形状係数SF1の値を求める。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
ここで、ML:トナー粒子の絶対最大長、A:トナー粒子の投影面積、π:円周率であり、真球の場合、SF1=100で最小となる。
球形粒子の数平均粒子径は、50nm以上300nm以下であり、80nm以上200nm以下が望ましい。
球形粒子の数平均粒子径が上記範囲よりも小さいと、球形粒子がトナー粒子に埋没すること等により、接触部11において球形粒子が「ころ」の効果を発揮しにくくなる場合がある。また、感光体ドラム10や中間転写ベルト12そのものが有している表面の凹凸の影響で球形粒子が「ころ」としての効果を発揮にしにくくなる場合がある。
一方、球形粒子の数平均粒子径が上記範囲よりも大きいと、接触部11において感光体ドラム10や中間転写ベルト12の表面に傷をつけやすくなる。
したがって、球形粒子の数平均粒子径が上記範囲であることにより、球形粒子が接触部11において「ころ」の効果を効率的に発揮し、接触部11における円滑な摺擦状態を安定して維持することができる。
球形粒子の数平均粒子径は、以下のようにして求める。
具体的には、走査型電子顕微鏡(日立株式会社製:S−4100)を用いて球形粒子を観察し、300個の一次粒子の粒子径を測定してその平均値を求め、球形粒子の数平均粒子径とした。
球形粒子の遊離率とは、トナーに含まれる球形粒子全体の体積に対する、トナー粒子から遊離した球形粒子の体積の割合を示すものである。球形粒子の遊離率は、5体積%以上40体積%以下であり、8体積%以上25体積%以下が望ましい。
球形粒子の遊離率が上記範囲よりも小さいと、多くの球形粒子がトナー粒子に付着した状態で感光体ドラム10から中間転写ベルト12に一次転写され、さらにトナーとともに記録材Pに二次転写されるため、中間転写ベルト12に残留する球形粒子が少なく接触部11に球形粒子が供給されにくくなる。そのため、接触部11において、球形粒子の「ころ」の効果による摩擦抵抗低減効果が得られにくくなる。
一方、球形粒子の遊離率が上記範囲よりも大きいと、非画像部分においても球形粒子が現像装置18から吐き出されやすくなるため、非画像が連続した後は現像装置18の内部に存在する球形粒子の割合が減少する。すると、画像形成開始時に、必要な量の球形粒子を接触部11に供給できなくなる場合がある。また、現像装置18から吐き出された遊離した球形粒子が、画像形成装置の内部を浮遊し、汚染を引き起こす場合がある。
本実施形態においては、トナー粒子に適度な量の球形粒子が付着しているため、トナーの劣化が抑制される。外添剤が埋没したり表面層がむけて内部の離型剤などが露出した劣化トナーは付着性が高く、部材を汚染しやすいが、本発明のトナーは劣化しにくいため、感光体ドラム10及び中間転写ベルト12への汚染物質の付着が抑制される。
したがって、球形粒子の遊離率を上記範囲とすることにより、接触部11に効率的に球形粒子を供給することができるため、接触部11において円滑な摺擦状態を安定して維持することができる他、機内汚れなどの二次障害も抑制できる。
また、トナー粒子に付着している球形粒子は、トナーが接触部11において感光体ドラム10及び中間転写ベルト12により挟まれる時に、感光体ドラム10表面の汚染物質をかきとる効果を発揮する。そのため、球形粒子の遊離率を上記範囲とすることにより、面積の大きい画像の形成を連続して行う場合であっても、効率よく感光体ドラム10表面の汚染物質の固着を抑制する効果を得ることができる。
球形粒子の遊離率は、以下のようにして求める。
具体的には、トナー粒子と球形粒子を含む測定サンプル(以後、トナーと表記)を、清浄なガラス板の上に載せ、1L/minの速度で吸引する。吸引経路中に開口径0.1μm、Whatmanジャパン社製ポリカーボネートのメンブレンフィルタを設置し、トナーをメンブレンフィルタ上に捕集して測定サンプルとする。この測定サンプルを堀場製作所製パーティクルアナライザDP1000に設置し、トナー粒子に起因する元素と球形粒子に起因する元素についてそれぞれチャンネルに設定し、測定を行なう。測定時の粒子カウント濃度は1測定スキャン当たり、500から1000個に調整する。
トナー粒子に起因する元素と同期せずに発光した球形粒子に起因する元素の発光を、遊離球形粒子によるものとし、その発光強度を粒子の体積に換算して、遊離した球形粒子の体積率を求める、これを球形粒子の遊離率とする。
球形粒子としては、例えば、無機球形粒子や有機球形粒子が挙げられるが、強度という観点から無機球形粒子のほうが望ましい。
無機球形粒子としては、具体的には、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、金属粒子等が挙げられる。
有機球形粒子としては、具体的には、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子、ポリスチレン粒子、ナイロン粒子等が挙げられる。粒子の強度を挙げるために架橋することがより好ましく、前述のMMAやスチレンとともに架橋性のジビニルベンゼンを用いて重合を行なったり、メラミン樹脂粒子やウレタン樹脂粒子などを用いたりすることなどが挙げられる。
「球形粒子」の含有量は、トナー全体に対し、0.5質量%以上3質量%以下が望ましく、0.8質量%以上2.5質量%以下がより望ましい。
トナーは上記「球形粒子」を含んでいるが、必要に応じてその他の外添剤をさらに含んでもよい。その他の外添剤としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、メタチタン酸、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられ、疎水化処理された無機粒子を用いてもよい。
無機粒子に用いる疎水化剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等が挙げられる。
無機粒子の体積平均粒径としては、1nm以上200nm以下の範囲が望ましく、無機粒子の添加量としては、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下の範囲が望ましい。
有機粒子としては、具体的には例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、脂肪酸、高級アルコール、ワックス、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
トナーは、トナー粒子及び数平均粒子径が50nm以上300nm以下の球形粒子を含み、前記球形粒子の遊離率が5体積%以上40体積%以下であり、感光体ドラム10と中間転写ドラム12の接触部において速度差を設け、感光体ドラム10と中間転写体ベルト12の接触部11において中間転写ベルト12を介して感光体ドラム10に押圧して配置された剛性体の一次転写ロール20を配置することで、感光体ドラム10表面への汚染物質(トナー成分等)の固着が抑制されると共に、接触部11における摺動性が向上されることにより、感光体ドラム10及び中間転写ベルト12の損傷、並びに、画像欠陥が抑制される。
剛性体の一次転写ロール20を用いることで、効率的に中間転写ベルト12を感光体ドラム10へ押圧することができる。
さらに感光体ドラム10表面への汚染物質の固着抑制効果を高めるために、上記速度差を有する接触部11における押圧を大きくしすぎると、接触部11において感光体ドラム10と中間転写ベルト12との間に働く摩擦抵抗が大きくなる。すると接触部11において円滑な摺擦状態を保てなくなり、「びびり状態」になり、その結果、横縞状の濃度ムラ等の画質異常(バンディング)や細線の乱れが発生し、出力画像の品質を大きく低下させてしまう。
一方、本実施形態においては、トナーが上記構成であるため、中間転写体ベルト12の接触部11において中間転写ベルト12を介して感光体ドラム10に高い押圧を与えた場合でも、トナーに含まれる球形粒子が接触部11において「ころ」のような役割を果たすことにより、摩擦抵抗の過剰な上昇を抑制し、円滑な摺擦状態が維持される。そのため、びびり状態の発生が抑制され、感光体ドラム10表面への汚染物質の固着抑制効果と、画像欠陥の抑制とを両立させることができる。
以下、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、離型剤、その他の内添剤を含んでもよい。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は、例えば、下記のスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を、単独又は適宜組み合わせて公知の方法により製造することができる。
スチレン系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸系単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−βカルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのモノマーを適宜組み合わせて公知の方法により製造することができる。
またポリエステル樹脂は、下記のジカルボン酸成分とジオール成分との中から好適なものを選択して組合せ、例えば、エステル交換法又は重縮合法等、従来公知の方法を用いて合成することができる。例えば、ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。さらに、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。また、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の3価以上のカルボン酸及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルを併用することができる。尚、酸価や水酸基価の調製等の目的で、必要に応じて、酢酸、安息香酸等の1価の酸を使用することも可能である。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレン(又はプロピレン)オキシド付加物、ビスフェノールAのトリメチレンオキシド付加物等が挙げられる。さらに、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。また、微量であれば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコールを併用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。尚、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂及びこれらの共重合樹脂を結着樹脂として使用する場合、重量平均分子量Mwが20,000以上100,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上30,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。他方、ポリエステル樹脂を結着樹脂として使用する場合は、重量平均分子量Mwが5,000以上40,000以下、数平均分子量Mnが2,000以上10,000以下の範囲のものを使用することが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は、40℃以上80℃以下の範囲にあるのが望ましい。ガラス転移温度が上記範囲であることにより、耐熱ブロッキング性及び最低定着温度が維持される。
着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。
具体的な着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などを例示することができ、これらを1種または2種以上を併せて使用することができる。
トナー粒子に対する着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用することや、顔料分散剤を使用することも有効である。着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが望ましく、60℃以上であることがより望ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが望ましく、100℃以下であることがより望ましい。
トナー粒子に対する離型剤の含有量は、1質量%以上15質量%以下が望ましく、2質量%以上12質量%以下がより望ましく、3質量%以上10質量%以下がさらにより望ましい。
その他の内添剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等を挙げることができる。
磁性体としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物等が挙げられる。
上記磁性体を含有させて磁性トナーとして用いる場合、これらの強磁性体は体積平均粒子径が2μm以下であることが望ましく、0.1μm以上0.5μm以下程度のものがより望ましい。トナー中に含有させる磁性体の量としては、樹脂成分100質量部に対し20質量部以上200質量部以下が望ましく、特に樹脂成分100質量部に対し40質量部以上150質量部以下が望ましい。また磁性体は、10Kエルステッド印加での磁気特性が保磁力(Hc)20エルステッド以上300エルステッド以下、飽和磁化(σs)50emu/g以上200emu/g以下、残留磁化(σr)2emu/g以上20emu/g以下のものが望ましい。
帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体から構成される染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
無機粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙する、通常トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機粒子が挙げられ、主にトナーの粘弾性調整を目的として添加される。
トナー粒子の体積平均粒径としては、2μm以上10μm以下が望ましく、4μm以上8μm以下がより望ましい。
トナー粒子の体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定する。この時、測定は、トナー粒子を電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5乃至50mg加え、これを前記電解液100乃至150ml中に添加する。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000である。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径と定義する。
トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法や湿式造粒法が挙げられるが、湿式造粒法により行われることが望ましい。湿式造粒法としては、例えば、公知の溶融懸濁法、乳化凝集・合一法、溶解懸濁法等の方法が挙げられる。
トナー粒子に上記「球形粒子」等の外添剤を添加させる方法としては、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって混合することにより行うことができる。
トナー粒子に「球形粒子」を添加させる方法としては、遊離率を制御するためには、例えば、以下の方法が挙げられる。具体的には、外添混合時に与えるせん断力を調整したり、外添混合時の温度を調整したりして、「球形粒子」の遊離率(体積遊離率)を調整することができる。
すなわち、「球形粒子」の一部とその他の外部添加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーに入れて高周速で攪拌したり温度をかけながら攪拌したり長い間攪拌し続けたりする。ヘンシェルミキサー停止後に残りの「球形粒子」をさらにヘンシェルミキサーに投入し、低周速で短時間攪拌したり、冷却しながら短時間攪拌したりする。このとき先に投入する「球形粒子」の割合を変えることで体積遊離率を調整したり、攪拌条件を変更することで「球形粒子」の体積遊離率を調整したりすることができる。
他には、「球形粒子」の一部とその他の外部添加剤とトナー粒子とをハイブリタイザで混合してから取り出し、篩分して粗大粉を除去後にさらに残りの「球形粒子」とVブレンダーで混合したりするなどの方法で、「球形粒子」の体積遊離率を調整することができる。
好ましいブレンド条件、周速度や温度、時間、混合する順番や量などは、用いる「球形粒子」、トナー粒子、その他の外部添加剤などによって調整することができる。
以下、キャリアについて説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
芯材としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。
芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下であることが望ましく、より好適には30μm以上100μm以下である。
被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、例えば、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芯材の表面に樹脂被覆する方法としては、例えば、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な芯材の樹脂被覆方法としては、例えば、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
トナーとキャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100から30:100まで程度の範囲が望ましく、3:100から20:100まで程度の範囲がより望ましい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、次のような作像プロセスによりトナー画像を形成する。不図示の画像信号処理手段から入力される各色のデジタル画像信号に応じて作像プロセスが行われるが、具体的には、まず、帯電装置14により一様に帯電された感光体ドラム10にデジタル信号に応じた静電潜像を露光装置16にて夫々書き込ませる。そして、これらの各静電潜像を各色のトナーを収容した現像装置18により現像して上記各色のトナー像を形成させる。
そして、感光体ドラム10上に形成されたトナー像は、感光体ドラム10と中間転写ベルト12とが接する一次転写部位で、一次転写ロール20によって電界(一次転写電界)が印加され、感光体ドラム10から中間転写ベルト12の表面に順次転写される。
この時、前述のとおり接触部11において、感光体ドラム10の移動速度と中間転写ベルト12の移動速度との間に速度差が設けられている。したがって、中間転写ベルト12により感光体ドラム10の表面が摺擦され、感光体ドラム10表面上の汚染物質(トナー成分等)が除去され、又は除去されやすい状態となることにより、感光体ドラム10表面上の汚染物質の固着が抑制される。
上記速度差の絶対値は、0.3mm/sec以上20mm/sec以下であり、0.4mm/sec以上10mm/sec以下がより望ましい。但し、本実施形態では、上記速度差の絶対値10mm/secを超えて20mm/sec以下が適用される。
上記速度差の絶対値を上記範囲とすることにより、より感光体ドラム10表面への汚染物質の固着が抑制されると共に、接触部11における摺動性が向上することにより画像欠陥が抑制される。
上記速度差の絶対値が上記範囲よりも小さいと、感光体ドラム10の表面から汚染物質を除去する能力を十分に得ることが出来なくなることがある。また上記速度差の絶対値が上記範囲よりも大きいと、一次転写時におけるトナー像の乱れが顕著になり、正常な出力画像を得ることが困難になることがある。
本実施形態においては、上記速度差を常時設けているが、これに限られず、画像形成装置の構成や使用状態に応じて選択することができる。上記速度差を設けるタイミングとしては、具体的には、例えば、常時の他に、非画像形成時、ウォームアップ時、電源遮断動作時、一定サイクル経過時等が挙げられる。その中でも、生産性及び省エネルギーの観点から、画像形成に直接関与しない動作をあえて行う必要が無いように、上記速度差を常時設けることが望ましい。
一方、一次転写後に感光体ドラム10上に残留した汚染物質(残留トナー等)は、クリーニング装置22によってクリーニングされる。本実施形態においては、上記のように、接触部11における速度差により、感光体ドラム10表面上の汚染物質が中間転写ベルト12との摺擦によってかきとられ予め「除去されやすい状態」にされている。そのため、クリーニング装置22のクリーニング部材に過剰な負担をかける必要がなく、感光体ドラム10及びクリーニング部材等の維持性にも優れている。
このようにして中間転写ベルト12に一次転写された各色トナー像は中間転写ベルト12上で重ね合わされ、中間転写ベルト12の回動に伴って二次転写部位へと搬送される。一方、図示しない記録材トレイから記録材Pが搬出され、この記録材Pは所定のタイミングで二次転写部位へと供給され、二次転写ロール26と中間転写ベルト12との間に挟み込まれる。
すると、二次転写部位では、二次転写ロール26とアースロール28との間に形成される電界(二次転写電界)の作用で、中間転写ベルト12上に保持されたトナー像が記録材Pに一括転写される。このトナー像が転写された記録材Pは、不図示の定着装置へと搬送されトナー像の定着が行われる。一方、二次転写後に中間転写ベルト12上に残留したトナーは、ベルトクリーニング装置30によってクリーニングされる。
このようにして、トナー画像が記録材Pへ形成される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、中間転写型の画像形成装置を広く対象とする。上記においては4サイクル型の中間転写システムを説明しているが、タンデム型の中間転写システムでも同様の効果を発現することが可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の権利範囲は特に以下の実施例の記載のみに限定されるものではない。但し、実施例1〜5,7〜12は参考例である。
<各分散液の調整>
―樹脂粒子分散液の調整―
・スチレン 308質量部
・n−ブチルアクリレート 100質量部
・アクリル酸 4質量部
・ドデカンチオール 6質量部
・プロパンジオールアクリレート 1.5質量部
上記の成分を混合溶解し、他方、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル(株)製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものをフラスコ中に収容し、上記の混合溶液を添加して分散し乳化して、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量部を投入した。
次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで加熱し、乳化重合を行った。
これにより、樹脂粒子の中心粒径(体積平均粒径)178nm、ガラス転移温度52℃、重量平均分子量Mw32000の樹脂粒子分散液を得た。
―着色剤粒子分散液の調整―
・マゼンダ顔料(C.I.ピグメント・レッド57) 40質量部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬社製) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックス)と超音波照射により分散して、着色剤粒子の中心粒径(体積平均粒径)167nmの着色剤粒子分散液を得た。
―離型剤粒子分散液の調整―
・ポリエチレンワックス(炭化水素系ワックス、融点88℃) 50質量部
・アニオン性界面活性剤
(ネオゲンSC、第一工業製薬社製 固形分65%) 2.3質量部
・イオン交換水 200質量部
上記組成物を95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の中心粒径(体積平均粒径)270nmの離型剤粒子分散液を得た。
<トナー粒子の作製>
・樹脂粒子分散液 187質量部
・着色剤粒子分散液 42.7質量部
・離型剤粒子分散液 60.0質量部
・ポリ塩化アルミニウム(10%水溶液) 2.6質量部
・イオン交換水 375質量部
上記の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら52℃まで加熱した。52℃(初期加熱温度)で保持した後、ここにさらに樹脂粒子分散液を緩やかに92質量部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら97℃まで加熱した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
この時のトナー粒子の体積平均粒径を測定したところ6.5μmであった。また個数粒度分布指標GSDpは1.24であった。ルーゼックス社製のルーゼックス画像解析装置で形状観察を行ったところ、粒子の形状係数SF2は109で丸みを帯びたポテト形状であることが観察された。
<トナー1の調整>
上記において調整されたトナー粒子100質量部、球形粒子としてシリカ粒子(形状係数SF1:112、数平均粒子径:100nm)を1.8質量部、数平均粒子径12nmのジメチルシリコーンオイル処理シリカ0.5質量部、数平均粒子径30nmのシリコーンオイル処理シリカ1質量部、を粉体処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)でクリアランス3mm、周速1500rpm、ジャケットに冷却水を流しながら15分間攪拌混合を行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、混合粉体1を得た。この工程をブレンド1と呼ぶ。
次に得られた混合粉体1と、ブレンド1で用いたものと同じ球形粒子としてシリカ粒子(形状係数SF1:112、数平均粒子径:100nm)を0.2質量部を、ジャケットに冷却水を流した5Lヘンシェルミキサーに投入し、攪拌翼回転速度が周速15m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー1を得た。この混合工程をブレンド2と呼ぶ。
外添剤(球形粒子)の含有量は2質量%、遊離率は、13体積%であった。
<トナー2からトナー15の調整>
球形粒子の材料、形状係数SF1、数平均粒子径、含有量、外添条件(ブレンド1の攪拌混合条件、ブレンド1の球形粒子添加量、ブレンド2の攪拌混合条件、ブレンド2の球形粒子添加量)を表1のようにした以外は、トナー1と同様に調整し、トナー2からトナー15を調整した。外添剤の遊離率を表1に示す。
Figure 0005531377
―現像剤1の作製―
50μmのフェライトコアにポリメチルメタクリレート(総研化学社製)を1質量%コートしてキャリアを調製した。これらのキャリアとトナー1を混合し、トナー濃度が8質量%となるように調製して現像剤1を作製した。
―トナーカートリッジ1の作製―
トナー1を300g、Docu Centre Color 400のトナーカートリッジに入れて、トナーカートリッジ1を得た。
―現像剤2から現像剤15の作製―
トナー1の代わりに、それぞれトナー2からトナー15を用いた以外は、現像剤1と同様にして現像剤2から現像剤15を作製した
―トナーカートリッジ2からトナーカートリッジ15の作製―
トナー1の代わりに、それぞれトナー2からトナー15を用いた以外は、トナーカートリッジ1と同様にしてトナーカートリッジ2からトナーカートリッジ15を作成した。
<実施例1>
富士ゼロックス社製複写機:Docu Centre Color400に、単色でも画像出力が行なえる用に改造し、Magenta位置に上記において調整した現像剤1が収容されたテスト用の現像装置を設置し、残りのYellow位置、Cyan位置、Kuro位置にはDCC400そのままの現像装置を設置した。また、Magenta位置に上記において調整したトナーカートリッジ1を、Magenta位置に設置し、Yellow位置、Cyan位置、Kuro位置にはDCC400そのままのトナーカートリッジを設置した。
また一次転写手段として、直径5mmのステンレス円筒の表面に厚さ5mmの独立気泡発泡ウレタンゴム(JIS K 6253 デュロメータ タイプAスプリング式測定でHardness Spring 43度、カーボン含有)を巻きつけた一次転写ロールを用いた。
さらに画像形成を制御するためのコンピュータをDocu Centre Color400に接続し、改造型のDocu Centre Color400を作製した。
上記改造型のDocu Centre Color400を、温度25℃、湿度45%の環境下に設置し画像形成を行った。適宜トナー補給容器にトナーを補充しながら画像出力を行なった。画像は、プロセス方向に三分割し、それぞれ、画像エリアカバレッジ5%相当の1point格子状ライン像、画像エリアカバレッジ45%のハイライト画像、画像エリアカバレッジ100%のソリッド画像、からなるものを用い、10万枚画像形成した。画像形成開始時、10枚画像形成後、10000万画像形成後、10万枚画像形成後、にそれぞれエリアカバレッジ30%の全面ハイライト画像と、1point格子状の全面ライン像を出力し、得られたハイライト画像のプロセス方向筋状画像乱れと横方向濃度ムラ、格子状ライン画像のラインの乱れによる画像形成後における感光体の表面における損傷の評価を行った。これらの評価結果について表2に示す。
<実施例2から実施例12、比較例1から比較例9>
用いたトナー、接触部における速度差、一次転写装置を表2のようにした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。なお、実施例12において用いた一次転写手段は、直径15mmのステンレスパイプにカーボンを分散したポリカーボネート樹脂を溶液ディップ法で40μmの厚さにコーティングし、端部は直径5mmの軸と接合するステンレスのフランジを取りつけた一次転写ロールを用いた。また、得られたハイライト画像のプロセス方向筋筋状画像乱れと横方向濃度むら、格子状ライン画像のラインの乱れ画像形成後における感光体の表面における損傷の評価を行った。これらの評価結果について表2に示す。
<ハイライト画像の筋状画像乱れの評価方法>
得られたハイライト画像のプロセス方向の筋状の画像乱れを目視により観察し、画像形成開始から何枚目において筋状画像乱れが発生したかについて評価した。筋状画像乱れの発生枚数が50000枚目以上であれば実用上問題ない。
<10枚目の全面ハイライト画像における横方向濃度ムラ(バンディング)の評価方法>
得られた格子状ライン画像を目視により観察し、横方向濃度ムラの有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎又は○であれば実用上問題ない。
◎:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラは見られない。
○:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラが若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
×:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラが著しく、実用上、問題となるレベル。
<10000枚目の格子状ライン画像における横方向濃度ムラの評価方法>
得られた格子状ライン画像を目視により観察し、横方向濃度ムラの有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎又は○であれば実用上問題ない。
◎:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラは見られない。
○:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラが若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラが所々見られ、実用上、問題となるレベル。
×:全面ハイライト画像の横方向濃度ムラが著しく、実用上、問題となるレベル。
<感光体表面の損傷の評価方法>
10万枚画像形成後の全面格子状ライン画像のライン像の乱れを確認した。さらに上記画像形成を行った後に感光体を取り出し、エタノールで表面の汚れを除去してから、表面を目視により観察し、損傷の有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎、又は○であれば実用上問題ない。
◎:ライン像の乱れは無く、感光体表面観察では損傷は確認できない。
○:ライン像の乱れは無く、感光体表面観察では損傷が若干見られこのまま使用を続けると将来的には画像欠陥が発生する可能性があるが、通常の使用では、問題ないレベル。
△:ライン像に若干のかすれがあり、感光体表面観察では損傷が所々見られ、実用上、問題となるレベル。
×:ライン像に途切れやかすれが見られ、感光体表面観察では損傷が多く見られ、実用上、問題となるレベル。
××:ライン像に途切れが顕著であり、感光体表面観察では損傷が著しく、使用を継続すると画像形成装置の故障に発展する可能性が高いレベル。
Figure 0005531377
以上の結果から、実施例1から実施例12によれば、比較例1から比較例9に比べて、感光体(像保持体)表面への汚染物質の固着が抑制されると共に、感光体と中間転写体との接触部における摺動性が向上することにより、感光体及び中間転写体の損傷、並びに、画像欠陥が抑制されることが分かる。
本発明の一の実施形態にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。
符号の説明
10 感光体ドラム(像保持体)
11 接触部
12 中間転写ベルト(中間転写体)
14 帯電装置(帯電手段)
16 露光装置(静電潜像形成手段)
18 現像装置(現像手段)
20 一次転写ロール(一次転写手段)
26 二次転写ロール(二次転写手段)
P 記録材(記録媒体)

Claims (3)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段によって帯電された前記像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
    前記像保持体に接触し、前記トナー像が前記像保持体から一次転写される中間転写体と、
    前記トナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
    前記中間転写体に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、を備え、
    前記中間転写体が前記像保持体表面に接触する接触部において、前記像保持体の移動速度と前記中間転写体の移動速度との間に速度差が常時設けられ、前記速度差の絶対値は10mm/secを超えて20mm/sec以下であり、
    前記トナーは、トナー粒子及び数平均粒子径が50nm以上300nm以下の球形粒子を含み、前記球形粒子の遊離率が5体積%以上40体積%以下である画像形成装置。
  2. 前記中間転写体は、中間転写ベルトであり、
    前記一次転写手段は、前記中間転写ベルトを介して前記像保持体に押圧して配された剛性体の一次転写ロールである、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記速度差の絶対値は18mm/sec以上20mm/sec以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
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