JP5262068B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
中間転写体を用いた画像形成装置は、感光体上に形成したトナー像を一旦中間転写体上に転写してから記録媒体に転写、定着する方式である。中間転写体を用いることで、多色の多重転写時の安定性向上、小型化やレイアウトの自由度増大、画像形成速度の向上など、多くの利点が得られる。
例えば特許文献1では、紙転写ローラに、潤滑剤塗布装置とクリーニングブレードを配置した画像形成装置が提案されている。
すなわち請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された前記像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
前記トナー像が前記像保持体から一次転写される中間転写体と、
前記トナー像を電界の印加により前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体に転写された前記トナー像を電界の印加により記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記二次転写手段表面の付着物をクリーニングするクリーニング手段と、を備え、
前記トナーは、トナー粒子と、炭化金属、窒化金属、及び硼化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子であって比誘電率が6以上30以下の無機粒子とを含み、前記無機粒子の体積遊離率が5%以上50%以下である画像形成装置である。
前記トナーは、前記無機粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上7質量部以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
前記無機粒子の個数平均粒径は、0.1μm以上3μm以下である請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
本実施形態においては、上記のように、クリーニングブレード34により二次転写ロール26の表面に付着した汚染物質等をかきとる方式(ブレードクリーニング方式)を採用しているがこれに限られず、例えば、クリーニングブラシを用いた方式、不織布で拭き取る方式などを採用してもよい。
また、本実施形態においては、上記のように、クリーニング手段として二次転写クリーニング装置30を用いているが、これに限られず、例えば、二次転写ロール26と中間転写ベルト12とにそれぞれ駆動力を与えて速度差を設けることにより、二次転写部位において二次転写ロール26に付着した汚染物質をかき取るクリーニング機構を用いてもよい。
感光体ドラム10及び中間転写体ベルト12は、必要に応じてそれぞれ駆動装置を取り付けて、異なる周速度にしてもよい。また、感光体ドラム10の速度と中間転写体ベルト12の速度との間に速度差を設け、感光体ドラム10と中間転写ベルト12との接点においてこすりつけることにより、感光体ドラム10上の残留トナーを除去してもよい。
中間転写体として中間転写ベルト12を用いる場合、中間転写ベルト12は単層でも複層でもよいが、ベルト基材と、このベルト基材の表面を被覆する導電性保護層とを備えていることがよい。ベルト基材としては、例えばエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム(CHR,ECO)、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの2種類以上をブレンドしてなる材料等に、導電材料、例えばカーボン、その他金属粒子により抵抗調整された材料が用いられているが、これに限定されるものではない。
トナーは、トナー粒子及び比誘電率が6以上30以下の無機粒子を含み、前記無機粒子の体積遊離率が5%以上50%以下である。トナーが上記構成であるため、画像パターンに依存せず安定して二次転写手段への汚染物質の蓄積が抑制されると共に、二次転写手段及びクリーニング手段の損傷が抑制される。以下、比誘電率が6以上30以下である無機粒子を、「所定の無機粒子」と称する場合がある。
また、固有のクリーニング装置を付加しない場合でも、二次転写手段と中間転写体の周速度を変えて接触させることで、二次転写手段の表面を中間転写体でこすり、「所定の無機粒子」が二次転写手段の表面に付着した汚染物質を効率よくかきおとすことができる。
「所定の無機粒子」は、比誘電率が6以上30以下であり、8以上20以下が望ましい。
無機粒子の比誘電率が上記範囲よりも大きいと、現像工程において無機粒子が感光体表面に移行する際、画像部に集中して移行する傾向があるため、非画像部への無機粒子の供給が低下し、無機粒子を二次転写手段に安定して供給することが困難となる場合がある。また無機粒子の比誘電率が上記範囲よりも小さいと、二次転写部位において無機粒子が記録媒体に転写されやすく中間転写体に残留しにくいため、無機粒子が二次転写手段に供給される効率が低下する。
無機粒子1質量部に対し、体積平均粒径が5μmのポリスチレン樹脂粒子を1質量部、高速回転ヘンシェルミキサに投入し、ジャケットに冷却水を流しながら周速45m/secの条件で15分間処理し、冷却して無機粒子混合物を作成する。この無機粒子混合物を、圧縮成型機を用いて荷重20tonで円盤状に成型する。成型品の厚さは2mmとした。この成型品を気温摂氏25度、湿度45%に調湿してから、測定周波数:1kHz、測定電圧:5Vrmsの条件で、測定機として東陽テクニカ社製のWAYN KERR PRECISION COMPONENT ANALYZER 6440Aを用い、比誘電率を測定する。
ここで、「所定の無機粒子」の体積遊離率とは、トナーに含まれる「所定の無機粒子」の全体積のうち、トナー粒子に付着せず遊離した状態にある「所定の無機粒子」の体積が占める割合を意味する。
「トナー粒子に付着した無機粒子」は、トナー粒子に付着しているため、トナー粒子と同じ挙動を取ることになる。一方、「トナー粒子に付着せず遊離した状態にある無機粒子」は、トナー粒子とは異なる挙動を取りやすくなる。
トナーを、清浄されたガラス板の上に載せ、1L/minの速度で吸引する。吸引経路中に開口径0.1μmのWhatmanジャパン社製ポリカーボネートメンブレンフィルタを設置し、トナーをメンブレンフィルタ上に捕集して測定サンプルとする。この測定サンプルを堀場製作所社製パーティクルアナライザDP1000に設置し、トナー粒子に起因する元素と「所定の無機粒子」に起因する元素についてそれぞれチャンネルに設定し、測定を行なう。測定時の粒子カウント濃度は1測定スキャン当たり、500から1000個に調整する。
トナー粒子に起因する元素と同期して発光した「所定の無機粒子」に起因する元素の発光を、「トナー粒子に付着した所定の無機粒子」によるものとし、トナー粒子に起因する元素と同期せずに発光した「所定の無機粒子」に起因する元素の発光を、「トナー粒子に付着せず遊離した状態にある所定の無機粒子」によるものとし、それぞれの発光強度を粒子の体積に換算して、「所定の無機粒子」の体積遊離率を求める。
窒化金属としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化珪素等が挙げられる。
硼化物としては、例えば、窒化硼素、炭化硼素、フッ化硼素等が挙げられる。
酸化金属としては、例えば、酸化セリウム、シリカ、アルミナ、酸化タングステン等が挙げられる。その他の金属化合物としてはチタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。
「所定の無機粒子」の個数平均粒径が上記範囲よりも小さいと、無機粒子の研磨剤効果が小さく、二次転写手段表面に「所定の無機粒子」が供給されても汚染物質の除去効率が低下する。また無機粒子の個数平均粒径が上記範囲よりも大きいと、無機粒子の粗大粒子がニップ部分に介在し、無機粒子による二次転写手段やクリーニング手段の損傷が起こりやすくなる。
「所定の無機粒子」の添加量が多すぎる場合は、現像器からのふきだし、クラウドによる機内汚れが発生する場合があり、添加量が少なすぎると二次転写装置表面に付着した汚染物質の除去効率が低下してしまう場合がある。
シランカップリング剤としては、例えば、ジメチルジクロルシラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等が挙げられる。
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、離型剤、その他の内添剤を含んでもよい。
スチレン系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸系単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−βカルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのモノマーを適宜組み合わせて公知の方法により製造することができる。
上記磁性体を含有させて磁性トナーとして用いる場合、これらの強磁性体は個数平均粒子径が2μm以下であることが望ましく、0.1μm以上0.5μm以下程度のものがより望ましい。トナー中に含有させる磁性体の量としては、樹脂成分100質量部に対し20質量部以上200質量部以下が望ましく、特に樹脂成分100質量部に対し40質量部以上150質量部以下が望ましい。また磁性体は、10Kエルステッド印加での磁気特性が保磁力(Hc)20エルステッド以上300エルステッド以下、飽和磁化(σs)50emu/g以上200emu/g以下、残留磁化(σr)2emu/g以上20emu/g以下のものが望ましい。
トナー粒子の体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定する。この時、測定は、トナー粒子を電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
すなわち、「所定の無機粒子」の一部とその他の外部添加剤とトナー粒子をヘンシェルミキサに入れて高周速で攪拌したり温度をかけながら攪拌したり長い間攪拌し続けたりする。ヘンシェルミキサ停止後に残りの「所定の無機粒子」をさらにヘンシェルミキサに投入し、低周速で短時間攪拌したり、冷却しながら短時間攪拌したりする。このとき先に投入する「所定の無機粒子」の割合を変えることで体積遊離率を調整したり、攪拌条件を変更することで所定の無機粒子」の体積遊離率を調整したりすることができる。
その他には、「所定の無機粒子」の一部とその他の外部添加剤とトナー粒子をハイブリタイザで混合してから取り出し、篩分して粗大粉を除去後にさらに残りの「所定の無機粒子」とVブレンダで混合したりするなどの方法で、「所定の無機粒子」の体積遊離率を調整することができる。
好ましいブレンド条件、周速度や温度、時間、混合する順番や量などは、用いる「所定の無機粒子」、トナー粒子、その他の外部添加剤などによって調整される。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
芯材の体積平均粒径が大きすぎると磁気ブラシが疎になり、細線の再現性やハイライト画像の均質性が低下したりする場合がある。また、芯材の体積平均粒径が小さすぎるとキャリア粒子の磁気拘束力が低下し、キャリア飛散による画像乱れや部材傷の原因となる可能性がある。
トナーとキャリアとの混合比においてトナーの比率が小さすぎると、像保持体と磁気ブラシが対向する現像領域へのトナーの供給が低下し、十分な画像濃度が得られなくなってしまったりする場合がある。トナーとキャリアとの混合比においてトナーの比率が大きすぎると、トナーとキャリアとの接触帯電確率が低下し、帯電が低いトナーが発生しやすくなるため、現像装置からのトナーの吹き出しなどの原因となる場合がある。
本実施形態に係る画像形成装置では、次のような作像プロセスによりトナー画像を形成する。不図示の画像信号処理手段から入力される各色のデジタル画像信号に応じて作像プロセスが行われるが、具体的には、まず、帯電装置14により一様に帯電された感光体ドラム10にデジタル信号に応じた静電潜像を露光装置16にて夫々書き込ませる。そして、これらの各静電潜像を各色のトナーを収容した現像装置18により現像して上記各色のトナー像を形成させる。
このようにして、トナー画像が記録材Pへ形成される。
一方、接触圧力を高く設定すると、二次転写ロール26及びクリーニングブレード34の摩耗が起こりやすい。しかし本実施形態においては上記構成のトナーを用いることにより、接触圧力を低く設定しても高いクリーニング効果が得られるため、接触圧力を低く設定することにより上記摩耗が回避される。
また、固有の二次転写クリーニング装置30を設置しない場合でも「所定の無機粒子」による研磨力が得られる。例えば二次転写ロール26と中間転写ベルト12にそれぞれ駆動力を与え、このとき二次転写ロール26と中間転写ベルト12が対向する部分における二次転写ロール26の表面移動速度、と中間転写ベルト12の表面移動速度に差が生じるようにする。二次転写ロール26と中間転写ベルト12の移動速度が異なるため、記録材Pが二次転写ロール26と中間転写ベルト12とが対向する部分に無いときはそれぞれこすれ合わされるが、このとき「所定の無機粒子」が介在することでかきとり力が向上し、効率よく二次転写ロール26上に付着した汚染物質が除去される。二次転写ロール26から除去された汚染物は回収容器に収容したり、いったん中間転写ベルト12上に移行してから中間転写ベルト12のクリーニング装置22で回収したりすることができる。
・ポリエステル樹脂:85部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物−テレフタル酸;ガラス転移点Tg:65℃、数平均分子量Mn:3500、重量平均分子量Mw:10000)
・マゼンダ顔料(C.I.ピグメント・レッド57):3部
・エステルワックス(ステアリン酸ステアリル:10部
上記において調整されたトナー粒子100質量部に、無機粒子(所定の無機粒子)として炭化タングステン粒子(比誘電率:10、体積平均粒径:0.8μm:以下、「WC−1」と表記)を0.8質量部、数平均粒子径12nmのヘキサメチルジシラザン処理シリカを0.5質量部、数平均粒子径30nmのシリコーンオイル処理シリカを1質量部加え、55度の温水をジャケットに流した5Lヘンシェルミキサーに投入し、攪拌翼回転速度が周速45m/sの条件で20分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し混合物1を得た。この混合工程をブレンド1と呼ぶ。
次に、100質量部の混合物1に、WC−1を0.4質量部加え、15度の冷水をジャケットに流した5Lヘンシェルミキサーに投入し、周速15m/sの条件で20分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー1を得た。この混合工程をブレンド2と呼ぶ。
無機粒子の体積遊離率は、17%であった。
「所定の無機粒子」の材料、ブレンド工程ごとにおける「所定の無機粒子」の添加量、を表1のようにした以外は、トナー1と同様に調整し、トナー2からトナー5、トナー8からトナー23を調整した。無機粒子の比誘電率、個数平均粒径、体積遊離率を表1に示す。
ブレンド1の攪拌翼の回転速度(周速度)を30m/s、ジャケットの循環水の温度を30℃にした以外はトナー1と同様にしてトナー6を得た。
このトナーの無機粒子の体積遊離率は45%であった。
上記において調整されたトナー粒子100質量部に、無機粒子(所定の無機粒子)として炭化タングステン粒子(WC−1と表記)を0.8質量部、数平均粒子径12nmのヘキサメチルジシラザン処理シリカを0.5質量部、数平均粒子径30nmのシリコーンオイル処理シリカを1質量部加え、粉体処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)でクリアランス3mm、周速1500rpmの条件で、ジャケットに20度の冷却水を流しながら10分間ブレンドを行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、混合物2を得た。次に100質量部の混合物2にWC−1を0.4質量部加え、15度の冷水をジャケットに流した5Lヘンシェルミキサーに投入し、周速15m/sで20分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去しトナー7を得た。
このトナーの無機粒子の体積遊離率は、7%であった。
・トルエン:150質量部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(スチレン:メチルメタクリレート質量比50:50、重量平均分子量9万):5質量部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.5質量部
・粒径100nmのアルミナ粒子:0.2質量部
上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、さらに10分間超音波分散をほどこして被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆層形成用溶液150質量部と粒径45μmのフェライト粒子100質量部を流動床(パウレック社製、商品名:MP−01SFP)に入れ、羽根回転数1200rpm、風量1.5m3/min,溶液突出速度10g/min,80℃で被覆し、目開き75μmのメッシュを通すことによりキャリア1を作製した。
トナー1を10質量部、キャリア1を100質量部、を回転数22rpmのVブレンダで30分攪拌し、1000μmのメッシュで疎粉や異物を除去し、現像剤1を得た。また、トナー1をテスト用画像形成装置のトナーカートリッジに入れテスト用トナーカートリッジ1を得た。
トナー1を用いる代わりに、トナー2からトナー23を用い、トナー1及びトナーカートリッジ1と同様にして、現像剤2から現像剤23及びトナーカートリッジ2からトナーカートリッジ23を得た。
富士ゼロックス社製複写機:Docu Centre Color400を、単色でも画像出力が行なえる用に改造し、Magenta位置に上記において調整したトナー1が収容されたテスト用の現像装置を設置し、残りのYellow位置、Cyan位置、Kuro位置には空の現像装置を設置した。さらに画像形成を制御するためのコンピュータをDocu Centre Color400に接続し、改造型のDocu Centre Color400を作製した。画像形成テスト時には、それぞれの現像剤に対応するトナーを収容したトナーカートリッジを取り付けてテストを実施した。
用いたトナー、二次転写電界を表2のようにした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。さらに実施例1と同様にして得られたハイライト画像の濃度ムラ、得られた格子状ライン画像の細線の乱れ評価を行い、出力画像チェックを行なった。さらに実施例1と同様に、上記40万枚画像形成後における感光体の観察、テスト後に画像系装置を分解して二次転写ロール、中間転写ベルトを取り外し、さらにエタノールを染み込ませたガーゼで汚れを拭き取ってから観察し損傷の評価を行った。これらの評価結果について表2に示す。
得られたハイライト画像を目視により観察し、画像濃度差の有無やその程度を評価した。評価基準は以下の通りであり、◎又は○であれば実用上問題ない。
◎:ハイライト画像全体において、画像濃度の差が見られない。
○:画像濃度の差が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
×:顕著な画像濃度差が確認され、実用上、問題となるレベル。
得られた格子状ライン画像を目視により観察し、欠損の有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎、○であれば実用上問題ない。△は特殊な画像を出力する場合には問題となる場合があるレベルである。
◎:ライン画像の欠損は見られない。
○:ライン画像の欠損が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:ライン画像の欠損が所々見られ、細かい線の多い地図のような画像では見づらい部分もあり、このような特殊な画像作成時には問題となるレベル。
×:ライン画像の欠損が著しく、文字文書のような一般的な画像において実用上、問題となるレベル。
上記画像形成を行った後に感光体を取り出し、エタノールで表面の汚れを除去してから、表面を目視により観察し、損傷の有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎、○であれば実用上問題なく、このテスト使用後にさらに長期間出力を繰り返しても問題発生の可能性が低いレベルである。△は通常の使用であれば問題無いレベルであるが、さらに長期間画像形成に用いた場合には画像欠陥などの問題発生の可能性が高いと推測できるレベルである。
◎:感光体表面の損傷は確認できない。
○:感光体表面の損傷が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:感光体表面の損傷が所々見られるが、実用上、問題ないレベル。
×:感光体表面の損傷が著しく、深い溝や基材の露出が有り実用上、問題となるレベル。
上記画像形成を行った後に二次転写ロールを取り出し、エタノールで表面の汚れを除去してから、表面を目視により観察し、損傷の有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎、○、であれば実用上問題なく、このテスト使用後にさらに長期間出力を繰り返しても問題発生の可能性がレベルである。△は通常の使用であれば問題無いレベルであるが、さらに長期間画像形成に用いた場合には画像欠陥などの問題発生の可能性が高いと推測できるレベルである。
◎:二次転写ロール表面の損傷は確認できない。
○:二次転写ロール表面の損傷が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:二次転写ロール表面の損傷が所々見られるが、実用上、問題ないレベル。
×:二次転写ロール表面の損傷が著しく、深い溝や部分的な著しい摩耗があり実用上、問題となるレベル。
上記画像形成を行った後に中間転写ベルトを取り出し、エタノールで表面の汚れを除去してから、表面を目視により観察し、損傷の有無を確認した。評価基準は以下の通りであり、◎、○であれば実用上問題な。く、このテスト使用後にさらに長期間出力を繰り返しても問題発生の可能性がレベルである。△は通常の使用であれば問題無いレベルであるが、さらに長期間画像形成に用いた場合には画像欠陥などの問題発生の可能性が高いと推測できるレベルである。
◎:中間転写ベルト表面の損傷は確認できない。
○:中間転写ベルト表面の損傷が若干見られるが、実用上、問題ないレベル。
△:中間転写ベルト表面の損傷が所々見られるが、実用上、問題ないレベル。
×:中間転写ベルト表面の損傷が著しく、深い溝や表面にひび割れ、穴などがあり実用上、問題となるレベル。
さらに、実施例1から3および実施例9においては、上記テスト履歴後における特に優れた高画質の実現に加え、更なる画像出力使用においても長期間安定した性能を発揮しうる効果を発揮していることが確認できた。
12 中間転写ベルト(中間転写体)
14 帯電装置(帯電手段)
16 露光装置(静電潜像形成手段)
18 現像装置(現像手段)
20 一次転写ロール(一次転写手段)
26 二次転写ロール(二次転写手段)
30 二次転写クリーニング装置(クリーニング手段)
P 記録材(記録媒体)
Claims (3)
- 像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された前記像保持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像をトナー像に現像する現像手段と、
前記トナー像が前記像保持体から一次転写される中間転写体と、
前記トナー像を電界の印加により前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体に転写された前記トナー像を電界の印加により記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記二次転写手段表面の付着物をクリーニングするクリーニング手段と、を備え、
前記トナーは、トナー粒子と、炭化金属、窒化金属、及び硼化物からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子であって比誘電率が6以上30以下の無機粒子とを含み、前記無機粒子の体積遊離率が5%以上50%以下である画像形成装置。 - 前記トナーは、前記無機粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対し、0.1質量部以上7質量部以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記無機粒子の個数平均粒径は、0.1μm以上3μm以下である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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