WO2014133083A1

WO2014133083A1 - ラジアルニードル軸受用保持器およびその製造方法

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Publication number: WO2014133083A1
Application number: PCT/JP2014/054886
Authority: WO
Inventors: 豊石橋
Original assignee: 日本精工株式会社
Priority date: 2013-03-01
Filing date: 2014-02-27
Publication date: 2014-09-04
Also published as: EP2963308A1; CN104968956A; JP2014149076A; EP2963308A4; US20160025135A1; KR20150120341A

Abstract

　ラジアルニードル軸受の組み立て完了以前にも、ポケット５ａの内側からニードル４が抜け出ることを防止できる構造で、ニードル４の公転速度のばらつきに基づいて柱部３ａに加わる力に基づく、応力集中を十分に緩和できる構造を実現する。柱部３ａの軸方向中央部をニードル４のピッチ円直径よりも内径側に、柱部３ａの軸方向両端部をニードル４のピッチ円直径よりも外径側に、それぞれ配置する。また、柱部３ａの軸方向両端部で１対のリム部２ａと連続する部分に、それぞれ厚肉部１３を形成する。

Description

ラジアルニードル軸受用保持器およびその製造方法

　本発明は、自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部に組み込まれるラジアルニードル軸受において、ニードルを保持するために使用される、保持器およびその製造方法に関する。

　自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部のうち、大きなラジアル荷重が加わる部分には、ラジアルニードル軸受が組み込まれている。図２０～図２２は、このようなラジアルニードル軸受に組み込まれる保持器の１例として、特開２００６－３４２８８３号公報に記載された構造を示している。保持器１は、全体が略円筒状である。保持器１は、互いに同径の円環状で、軸方向に離隔した状態で、互いに同心に配置されている、１対のリム部２と、１対のリム部２同士の間に掛け渡される状態で、周方向に等間隔に設けられている、複数の柱部３と、周方向に隣り合う柱部３と１対のリム部２とにより四周を囲まれる部分により構成され、それぞれニードル４を転動自在に保持する、複数のポケットとを備える。なお、本明細書において、軸方向、周方向および径方向は、特に断わらない限り、保持器の軸方向、周方向および径方向を意味する。

　それぞれの柱部３は、軸方向に関してクランク状に屈曲する形状を有する。具体的には、それぞれの柱部３の軸方向中間部は、ニードル４のピッチ円よりも径方向内方に存在する内径側直線部６により構成され、それぞれの柱部３の軸方向両端部は、ニードル４のピッチ円よりも径方向外方に存在する１対の外径側直線部７により構成され、内径側直線部６および外径側直線部７の軸方向端部同士は、それぞれ傾斜部８を介して接続している。内径側直線部６および外径側直線部７の周方向両端縁部は、それぞれ周方向に張り出して、内径側係止部９および外径側係止部１０を形成している。ポケット５を挟んで周方向に隣り合う柱部３の、内径側係止部９同士の間隔Ｗ_９および外径側係止部１０同士の間隔Ｗ_１０は、ニードル４の直径Ｄ_４よりも僅かに小さくなっている（Ｗ_９、Ｗ_１０＜Ｄ_４）。ニードル４をポケット５内に保持するためには、柱部３を周方向に弾性変形させつつ、ポケット５内にニードル４を、保持器１の径方向から押し込む。押し込み後は、柱部３が弾性的に復元して、ニードル４がポケット５内から、不用意に抜け出てしまうことが防止される。また、柱部３の内径側係止部９同士の間隔Ｗ_９、および、外径側係止部１０同士の間隔Ｗ_１０は、ニードル４のうちで内径側係止部９および外径側係止部１０の先端縁が対向する部分（最大径から外れた部分）の周方向幅よりも僅かに大きくなっているため、ニードル４は、ポケット５内に転動自在に保持される。なお、保持器１の径方向位置は、内径側係止部９および外径側係止部１０の先端縁とニードル４の転動面との係合により、すなわち、転動体案内により、規制される。

　保持器１が組み込まれたラジアルニードル軸受の運転時に、ニードル４は、自転しつつ公転する。ただし、自転速度および公転速度は、すべてのニードル４に関して完全に同じとはならない。この理由は、それぞれのニードル４の径差によることもあるが、主として、負荷圏にあるニードル４と非負荷圏にあるニードル４との間で、その回転条件が大きく異なることによる。いずれにしても、単一のラジアルニードル軸受を構成する、それぞれのニードル４の公転速度が異なると、保持器１を構成する柱部３が、周方向の力を受ける。具体的には、公転速度が速いニードル４を保持したポケット５の回転方向前側に存在する柱部３は、回転方向前向きの力を受ける。これに対して、公転速度が遅いニードル４を保持したポケット５の回転方向後側に存在する柱部３は、回転方向後向きの力を受ける。したがって、保持器１を構成する柱部３は、１回転する間に、周方向に関して逆方向の力を繰り返し受け、柱部３の軸方向両端部と１対のリム部２との連続部に、繰り返し曲げ応力が作用する。このため、保持器１の耐久性を確保するためには、柱部３の軸方向両端部と１対のリム部２との間の連続部の強度を確保することが重要になる。

　図２０～図２２に示した構造の場合、リム部２の外周面のうち、柱部３との連続部に対応する部分に、凹部１１が形成されている。凹部１１により、ポケット５の隅部１２とニードル４との干渉を防止し、かつ、隅部１２の曲率半径を十分に確保して、隅部１２への応力集中を緩和することにより、柱部３の軸方向両端部と１対のリム部２との連続部の強度が確保されている。ただし、この従来構造では、リム部２の軸方向に関する幅寸法が嵩み、ラジアルニードル軸受の負荷容量の確保と小型化とを両立させる面から不利になるほか、凹部１１の加工が面倒であることから、その製造コストが嵩むという問題がある。

　特開平０８－２７０６５８号公報、実開平０４－４１１１５号公報、および、実開平０５－３６４５号公報には、柱部の軸方向両端部の厚さ寸法を、柱部の軸方向中央部の厚さ寸法よりも大きくすることにより、柱部の強度を向上させた構造が記載されている。ただし、これらの従来構造では、柱部は、その外周面全体が単一円筒面上に存在するように直線状に形成されている。このため、柱部だけでは、ラジアルニードル軸受の組み立て完了以前に、ポケットの内側からニードルが抜け出ることを防止できなかったり、別途抜け出し防止用の突出部を塑性加工により形成したりする必要がある。このため、これらの従来構造は、ラジアルニードル軸受の組み立て作業が面倒であり、保持器の加工コストが嵩んでしまうという問題がある。

　特開平１１－１０１２４２号公報には、１対のリム部の軸方向内側面と柱部の内周面との連続部を、曲率半径が大きな曲面により構成することにより、これらの連続部への応力集中を緩和して、ラジアルニードル軸受用保持器の耐久性を向上させることが記載されている。しかしながら、この構造では、ニードルの公転速度のばらつきに基づいて、柱部に加わる力に基づく応力集中を、必ずしも十分に緩和することができない。

　なお、特開２００５－２３３３１７号公報、特開２００７－２１１９３４号公報、特開２００８－２１５６０５号公報、および、特開２００８－２４９０４７号公報には、塑性加工と打ち抜き加工とを組み合わせて、ラジアルニードル軸受用保持器を製造する方法が、記載されている。

特開２００６－３４２８８３号公報特開平０８－２７０６５８号公報実開平０４－４１１１５号公報実開平０５－３６４５号公報特開平１１－１０１２４２号公報特開２００５－２３３３１７号公報特開２００７－２１１９３４号公報特開２００８－２１５６０５号公報特開２００８－２４９０４７号公報

　本発明は、上述のような事情に鑑みて、ラジアルニードル軸受の組み立て完了以前にも、ポケットの内側からニードルが抜け出ることを防止できる構造で、しかも、ニードルの公転速度のばらつきに基づいて、柱部に加わる力に基づく、柱部とリム部との連続部への応力集中を十分に緩和でき、優れた耐久性を確保できる、ラジアルニードル軸受用保持器を実現することを目的としている。

　本発明のラジアルニードル軸受用保持器は、全体が略円筒状であり、
　それぞれが円環状で、軸方向両端部に互いに同心に設けられている、１対のリム部と、
　前記１対のリム部同士の間に掛け渡される状態で、周方向に等間隔で設けられている、複数の柱部と、
　周方向に隣り合う前記柱部と前記１対のリム部とにより四周を囲まれる部分により構成され、それぞれニードルを転動自在に保持する、複数のポケットと、
を備える。

　前記柱部のそれぞれは、軸方向中間部で、前記ニードルのピッチ円よりも径方向内方に配置された、内径側直線部と、軸方向両端寄り部分で、前記ニードルのピッチ円よりも径方向外方に配置された、外径側直線部と、前記内径側直線部と前記１対の外径側直線部の軸方向端部同士を連続させる、傾斜部とを備える。

　前記内径側直線部の周方向両端縁部には、周方向に張り出す状態で、内径側係止部が設けられており、前記外径側直線部の周方向両端縁部には、周方向に張り出す状態で、外径側係止部が設けられており、周方向に隣り合う前記柱部における、前記内径側係止部同士の間隔、および、前記外径側係止部同士の間隔を、それぞれ前記ニードルの外径よりも小さくなっている。

　特に、本発明のラジアルニードル軸受用保持器においては、軸方向に関して、前記外径側直線部と前記１対のリム部との間で、前記柱部の軸方向両端部で、前記１対のリム部の内側面と連続する部分に、径方向に関する厚さが、前記柱部の軸方向中間部の径方向の厚さよりも大きい、厚肉部が設けられている。

　好ましくは、前記厚肉部の内接円の直径と前記１対のリム部の内径とを互いに等しくする、および／または、前記厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とを互いに等しくする。すなわち、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部の外周面とを単一円筒面上に存在させる、および／または、前記１対のリム部の内周面と前記柱部の軸方向両端部の内周面とを単一円筒面上に存在させる。この場合、前記厚肉部の内接円の直径と前記内径側直線部の内接円の直径とを、製造誤差分を除いて、実質的に等しくすることが好ましい。

　あるいは、前記厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とを互いに等しくし、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部の外周面とを単一円筒面上に存在させ、かつ、前記厚肉部の内接円の直径を、前記１対のリム部の内径よりも大きくすることもできる。この場合、前記厚肉部の内周面と前記外径側直線部の内周面とを、前記柱部の軸方向中央側に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面により連続させることが好ましい。

　あるいは、前記厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とを互いに等しくし、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部の外周面とを単一円筒面上に存在させ、かつ、前記厚肉部の内接円の直径および前記１対のリム部の内径を、前記内径側係止部の内接円の直径よりも大きくすることもできる。

　あるいは、前記厚肉部の外接円の直径および前記１対のリム部の外径を、前記外径側直線部の外接円の直径よりも小さくすることもできる。この場合、前記厚肉部および前記１対のリム部の外周面を、軸方向中央部に向かうほど外径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面とすることが好ましい。代替的または追加的に、前記厚肉部の内周面を、軸方向中央部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面とすることが好ましい。さらに、これらの場合には、前記厚肉部の内接円の直径と、前記内径側係止部の内接円の直径とを、実質的に等しくすることがより好ましい。代替的に、前記厚肉部の内接円の直径および前記１対のリム部の内径を、前記内径側係止部の内接円の直径よりも大きくすることもできる。

　本発明のラジアルニードル軸受用保持器を得るため製造方法は、円筒状の金属製素材の内外両周面に旋削加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する円環状の中間素材を形成し、その後、該中間素材の一部を径方向に打ち抜いて、前記ポケットを形成する工程を備える。

　あるいは、帯状の金属製素材に塑性加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する、所定長さの帯状の第１中間素材を形成し、次に、第１中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第１中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合して、円環状の第２中間素材を形成し、その後、第２中間素材の一部を径方向に打ち抜いて、前記ポケットを形成する工程を備える。

　あるいは、帯状の金属製素材に塑性加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する第１中間素材を形成し、次に、第１中間素材の一部を打ち抜くことにより、前記ポケットとなるべき透孔を形成して、第２中間素材を得て、その後、第２中間素材を所定長さに切断し、さらに、第２中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第２中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合する工程を備える。

　本発明のラジアルニードル軸受用保持器では、ラジアルニードル軸受の組み立て完了以前における、ポケットの内側からのニードルの抜け止めが図られた構造であっても、該ニードルの公転速度のばらつきに基づいてラジアルニードル軸受用保持器の柱部に加わる力に基づく、該柱部と該ラジアルニードル軸受用保持器の１対のリム部との連続部への応力集中を十分に緩和できて、優れた耐久性が確保される。

　前記ポケットからの前記ニードルの抜け止めは、前記柱部を、軸方向中間部に、内径側係止部を備えた内径側直線部と、軸方向両端寄り部分に、外径側係止部を備えた外径側直線部とをそれぞれ設けた構造により構成することで図られる。また、前記柱部と前記リムとの連続部への応力集中の緩和に基づく耐久性確保は、前記柱部の軸方向両端部に厚肉部を設けることにより図られる。該厚肉部を設けること、および、該厚肉部に対応する部分を厚肉にした中間素材にポケットを形成する作業は、該厚肉部を設けていない場合と同様の手順により、実行可能である。このため、該厚肉部を設けたことに基づいて、本発明のラジアルニードル軸受用保持器の製造コストが嵩むことはない。

図１は、本発明の実施の形態の第１例に係るラジアルニードル軸受用保持器の斜視図である。図２は、図１のＡ部拡大図である。図３は、図２のＢ－Ｂ断面図である。図４（Ａ）および図４（Ｂ）は、ポケット各部の寸法について説明するための、径方向から見たポケットの形状を示す図である。図５は、第１例の保持器を製造する工程で得られる、中間素材の斜視図である。図６は、本発明の実施の形態の第２例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図７は、本発明の実施の形態の第３例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図８は、本発明の実施の形態の第４例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図９は、本発明の実施の形態の第５例に係る保持器を示す、図２と同様の図である。図１０は、図９のＣ－Ｃ断面図である。図１１は、第５例の保持器について、潤滑油の流通路を説明するために、ニードルを保持した状態を軸方向から見た部分正面図である。図１２は、本発明の実施の形態の第６例に係る保持器を示す、図２と同様の図である。図１３は、図１２のＤ－Ｄ断面図である。図１４は、本発明の実施の形態の第７例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図１５は、本発明の実施の形態の第８例に係る保持器を示す、図２と同様の図である。図１６は、図１５のＥ－Ｅ断面図である。図１７は、本発明の実施の形態の第９例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図１８は、本発明の実施の形態の第１０例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図１９は、本発明の実施の形態の第１１例に係る保持器を示す、図３と同様の図である。図２０は、ラジアルニードル軸受用保持器の従来構造の１例を、ポケットにニードルを保持した状態で示す斜視図である。図２１は、図２０に示した保持器の一部について、ニードルを省略した状態を径方向外方から見た図である。図２２は、図２１のＦ－Ｆ断面図である。

　［実施の形態の第１例］
　図１～図５は、本発明の実施の形態の第１例を示している。本例のラジアルニードル軸受用保持器１ａは、ステンレス鋼などの鉄系合金、あるいは、真鍮などの銅系合金により、全体が略円筒状となるように一体に形成されており、それぞれが円環状で、軸方向に間隔をあけて互いに同心に配置された１対のリム部２ａ同士の間に、周方向に関して等間隔に配置された複数の柱部３ａを掛け渡すことにより構成される。そして、周方向に隣り合う柱部３ａと１対のリム部２ａとにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードル４（図２０参照）を転動自在に保持するためのポケット５ａとしている。

　それぞれの柱部３ａは、軸方向に関してクランク状に屈曲した形状を有する。具体的には、それぞれの柱部３ａの軸方向中間部は、ニードル４のピッチ円よりも径方向内方に存在する内径側直線部６ａにより構成され、それぞれの柱部３ａの軸方向両端寄り部分は、ニードル４のピッチ円よりも径方向外方に存在する１対の外径側直線部７ａにより構成されている。そして、内径側直線部６ａおよび外径側直線部７ａの軸方向端部同士は、それぞれ傾斜部８ａを介して接続している。内径側直線部６ａおよび外径側直線部７ａの周方向両端縁部は、それぞれ周方向に張り出して、内径側係止部９ａおよび外径側係止部１０ａを形成している。ポケット５ａを挟んで周方向に隣り合う柱部３ａの、内径側係止部９ａ同士の間隔Ｗ_９ａは、ニードル４の直径Ｄ_４（図２０参照）よりも僅かに小さくなっている（Ｗ_９ａ＜Ｄ_４）。また、外径側係止部１０ａ同士の間隔Ｗ_１０ａ１、Ｗ_１０ａ２は、互いに等しく、かつ、ニードル４の直径Ｄ_４よりも僅かに小さくなっている（Ｗ_１０ａ１＝Ｗ_１０ａ２＜Ｄ_４）。また、周方向に隣り合う柱部３ａのうち、内径側係止部９ａおよび外径側係止部１０ａから外れた部分同士の間隔Ｗ_３ａ１、Ｗ_３ａ２、Ｗ_３ａ３、Ｗ_３ａ４は、互いに等しく、かつ、それぞれニードル４の直径Ｄ_４よりも大きくなっている（Ｗ_３ａ１＝Ｗ_３ａ２＝Ｗ_３ａ３＝Ｗ_３ａ４＞Ｄ_４）。さらに、内径側係止部９ａの軸方向長さＬ_９ａは、互いに等しくなっており、外径側係止部１０ａの軸方向長さＬ_１０ａ１、Ｌ_１０ａ２も、互いに等しくなっている。

　本例の保持器１ａでは、軸方向に関して、外径側直線部７ａと１対のリム部２ａとの間で、柱部３ａの軸方向両端部に、径方向に関する厚さが、柱部３ａの軸方向中間部（および軸方向両端寄り部分）、すなわち、内径側直線部６ａおよび外径側直線部７ａの径方向の厚さよりも大きい、厚肉部１３が設けられている。すなわち、柱部３ａのうち、軸方向に関して外径側係止部１０ａと１対のリム部２ａとの間部分に、厚肉部１３が、それぞれのリム部２ａの内側面と連続するように、形成されている。厚肉部１３の径方向に関する最大厚さは、柱部３ａの軸方向中間部の厚さよりも十分に大きくなっている。

　本例では、厚肉部１３の外接円の直径と１対のリム部２ａの外径とが、互いに等しくなっており、１対のリム部２ａの外周面と柱部３ａの軸方向両端部の外周面とが、単一円筒面上に存在している。また、厚肉部１３の内接円の直径は、１対のリム部２ａの内径よりも大きくなっており、かつ、外径側係止部１０ａが設けられた外径側直線部７ａ（厚肉部１３よりも軸方向中央寄りに存在する部分）の内接円の直径よりも小さくなっている。

　本例の保持器１ａは、図５に示す円環状の中間素材１４に、打ち抜き型（ピアス型）を用いて、打ち抜き加工（ピアス成形）を施して、ポケット５ａを形成することにより、得られる。中間素材１４は、ステンレス鋼などの鉄系合金、あるいは、真鍮などの銅系合金を、押し出し成形することにより得られた、長尺で円筒状の金属製素材の先端部の内外両周面に旋削加工を施すことにより、保持器１ａの中心軸を含む仮想平面に関して、金属製素材の先端部の断面形状を、保持器１ａのうちで柱部３ａを含む部分の断面形状に一致させる。次いで、旋削加工後の金属製素材の先端部を切断して、円環状の中間素材１４を得る。その後、中間素材１４の一部を径方向に打ち抜くことにより、ポケット５ａを形成して、保持器１ａを得る。このような工程を備える製造方法によれば、得られる保持器１ａの形状精度を良好することができる。

　代替的に、帯状の金属製素材に塑性加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する、所定長さの帯状の第１中間素材を形成する。次に、第１中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第１中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合して、円環状の第２中間素材を得る。その後、第２中間素材の一部を径方向に打ち抜くことにより、ポケット５ａを形成して、保持器１ａを得ることもできる。あるいは、第１中間素材を形成した後、第１中間素材の一部を打ち抜くことにより、ポケット５ａとなるべき透孔を形成して、第２中間素材を得て、次いで、第２中間素材を所定長さに切断し、さらに、第２中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第２中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合することにより、保持器１ａを得ることができる。

　本例の場合、厚肉部１３の厚さ寸法が１対のリム部２ａと比較して十分に小さいため、保持器１ａの製造に際して特殊な工程を必要とせず、かつ、いずれの製造方法においても、ポケット５ａを打ち抜き成形するための打ち抜き型に加わる負荷を小さく抑えることができるため、この打ち抜き型の耐久性を確保することができるため、保持器の製造コストを抑えることが可能となる。

　このような工程で得られた保持器１ａのポケット５ａ内に、それぞれニードル４を転動自在に保持することは、柱部３ａを周方向に弾性変形させつつ、ポケット５ａ内にニードル４を、保持器１の径方向から押し込むことにより行われる。この押し込み作業は、ポケット５ａごとに１個ずつ行っても、あるいは、複数のポケット５ａに対して同時に行ってもよいが、柱部３ａの弾性変形を許容させるためには、周方向に隣り合うポケット５ａに対して同時にニードル４を押し込むことは避けることが好ましい。いずれにしても、押し込み後は、柱部３ａが弾性的に復元して、ニードル４がポケット５ａ内から、不用意に抜け出ることはない。

　ラジアルニードル軸受を組み立てた状態で、内径側係止部９ａおよび外径側係止部１０ａは、ニードル４のうち、最大径部分から保持器１ａの径方向に関して外れた部分に対向する。そして、内径側係止部９ａ同士の間隔Ｗ_９ａ、および、外径側係止部１０ａ同士の間隔Ｗ_１０ａ１、Ｗ_１０ａ２は、それぞれニードル４のうちで内径側係止部９ａおよび外径側係止部１０ａの先端縁が対向する部分の周方向幅よりも僅かに大きい。したがって、ニードル４は、それぞれのポケット５ａ内に転動自在に保持される。また、保持器１ａの径方向位置は、内径側係止部９ａおよび外径側係止部１０aの先端縁とニードル４の転動面との係合により、すなわち転動体案内により、規制される。

　ラジアルニードル軸受の運転時に、柱部３ａは、ニードル４から周方向に関して、交互に異なる方向の力を受ける。この力は、柱部３ａの根元部分である、柱部３ａの軸方向両端部と１対のリム部２ａとの連続部に、繰り返しモーメントとして作用し、柱部３ａの根元部分に曲げ応力が発生する。本例の保持器１ａの場合、柱部３ａの根元部分に厚肉部１３が存在するので、この繰り返しモーメントに基づいて発生する曲げ応力の最大値を低く抑えられるため、保持器１ａの耐久性を確保することができる。

　［実施の形態の第２例］
　図６は、本発明の実施の形態の第２例を示している。本例の保持器１ｂの場合、柱部３ｂの軸方向両端部に形成した厚肉部１３の内周面と、外径側直線部７ａの内周面とを、傾斜面１５により連続させている。これらの傾斜面１５は、それぞれ、柱部３ｂの軸方向中央側に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜している。

　このような傾斜面１５を設けた本例の保持器１ｂによれば、厚肉部１３と外径側直線部７ａとの境界部での、径方向に関する厚さ寸法の変化を滑らかにすることができる。この結果、打ち抜き型によるポケット５ａの打ち抜き成形がより容易となる。すなわち、ポケット５ａの打ち抜き加工時に、打ち抜き型に加わる力のアンバランスの程度が緩和されるため、ポケット５ａの打ち抜き精度および打ち抜き型の耐久性が確保され、保持器の製造コストを抑えることが可能となる。その他の構成および作用は、実施の形態の第１例と同様である。

　［実施の形態の第３例］
　図７は、本発明の実施の形態の第３例を示している。本例の保持器１ｃの場合、厚肉部１３ａの外接円の直径と１対のリム部２ｂの外径とを互いに等しくし、１対のリム部２ｂの外周面と柱部３ｃの軸方向両端部の外周面とを、単一円筒面上に存在させている。ただし、本例では、厚肉部１３ａの内接円の直径および１対のリム部２ｂの内径を互いに等しくし、かつ、厚肉部１３ａの内接円の直径および１対のリム部２ｂの内径を、柱部３ｃの軸方向中央部を構成する、内径側直線部６ａの内接円の直径よりも大きくしている。

　本例の構造の場合、ポケット５ｂ内からのニードル４（図２０参照）の抜け止め性を確保しつつ、１対のリム部２ｂの内周面と、回転軸などの保持器１ｃの内径側に存在する部材の外周面との間に存在する環状隙間の径方向幅を拡げて、環状隙間の開口面積を広くすることができる。このため、保持器１ｃを含むラジアルニードル軸受の内部に、十分量の潤滑油を流通させることがより容易となる。その他の構成および作用は、実施の形態の第１例と同様である。

　［実施の形態の第４例］
　図８は、本発明の実施の形態の第４例を示している。本例の保持器１ｄの場合、厚肉部１３ｂの内接円の直径および外接円の直径と、１対のリム部２ａの内径および外径とを互いに等しくしている。これにより、１対のリム部２ａの外周面と、柱部３ｄの軸方向両端部の外周面とを、単一円筒面上に存在させ、また、１対のリム部２ａの内周面と、柱部３ｄの軸方向両端部の内周面とを、単一円筒面上に存在させている。さらに、本例の保持器１ｄの場合、厚肉部１３ｂの内接円の直径と、内径側係止部９ａを設けた内径側直線部６ａの内接円の直径とを、実質的に等しくしている。すなわち、１対のリム部２ａの内周面と、柱部３ｄの軸方向中央部および両端部の内周面とを、それぞれ単一円筒面上に存在させている。本例の保持器１ｄの場合、厚肉部１３ｂの厚さ寸法が、実施の形態の第１例～第３例の場合よりも大きくなっているため、柱部３ｄの軸方向両端部と１対のリム部２ａとの連続部の強度をより向上させることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第１例と同様である。

　［実施の形態の第５例］
　図９～図１１は、本発明の実施の形態の第５例を示している。本例の保持器１ｅの場合には、柱部３ｅの軸方向両端部をクランク型に屈曲させている。すなわち、柱部３ｅの軸方向中間部両端寄り部分に設けられ、それぞれの周方向両端縁を外径側係止部１０ｂとした、外径側直線部７ｂの外周面を、１対のリム部２ａの外周面よりも径方向外方に位置させている。

　このように、柱部３ｅの軸方向中間部両端寄り部分を１対のリム部２ａよりも径方向外方に位置させた本例の場合、保持器１ｅのポケット５ｃにニードル４を保持し、保持器１ｅおよびニードル４を内輪軌道と外輪軌道との間に組み込んだ状態では、図１１に示すように、ニードル４の一部が、１対のリム部２ａの外周面よりも径方向外方に、大きく突出する。そして、図１１に斜格子で示した部分が、ラジアルニードル軸受を潤滑するための潤滑油が流通する流路となる。図１１から明らかな通り、この流路となる部分の面積を十分に確保できる。また、ラジアルニードル軸受を組み込んだ回転機械装置の運転に伴って加わる遠心力により、潤滑油は、外輪軌道に近い、径方向外寄り部分に集中する傾向になる。本例の保持器１ｅを組み込んだラジアルニードル軸受の場合には、このように潤滑油が集中する径方向外寄り部分に、面積が大きな潤滑油流路を設けることができるので、より良好な潤滑性を確保することができる。

　さらに、保持器１ｅの軸方向両端部に存在する１対のリム部２ａの外径が小さいため、ポケット５ｃにそれぞれニードル４を保持した保持器１ｅを、その内周面に外輪軌道を形成した歯車などの内径側に挿入する作業が容易になる。その他の構成および作用は、実施の形態の第１例と同様である。

　［実施の形態の第６例］
　図１２および図１３は、本発明の実施の形態の第６例を示している。本例の保持器１ｆの場合、実施の形態の第４例と同様に、厚肉部１３ｂの内接円の直径および外接円の直径と、１対のリム部２ａの内径および外径とを互いに等しくしている。このような構成により、厚肉部１３ｂの厚さ寸法を大きくして、柱部３ｆの軸方向両端部と１対のリム部２ａとの連続部の強度を大きくする点は、実施の形態の第４例と同様である。また、外径側直線部７ｂの外周面を１対のリム部２ａの外周面よりも径方向外方に位置させて、潤滑性を良好にする点は、実施の形態の第５例と同様である。

　［実施の形態の第７例］
　図１４は、本発明の実施の形態の第７例を示している。本例の保持器１ｇの場合、柱部３ｇの両端部に設けた厚肉部１３と、外径側直線部７ｂとの連続部１６を、保持器１ｇの軸方向中央部に向かうほど径方向外方に向かう方向に傾斜させている。このように、連続部１６を傾斜させることにより、保持器１ｇの外周面と外輪軌道との間に存在する潤滑油流路内に潤滑油を送り込むことに対する抵抗を、低く抑えることができる。さらに、連続部１６を傾斜させることにより、保持器１ｇを歯車などの内径側に挿入する作業を、より容易にすることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第５例と同様である。

　［実施の形態の第８例］
　図１５および図１６は、本発明の実施の形態の第８例を示している。本例の保持器１ｈの場合には、柱部３ｈの両端部に設けた厚肉部１３ｃ、および、１対のリム部２ｃの外周面を、軸方向中央部に向かうほど外径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面としている。また、厚肉部１３ｃの内周面のうちで１対のリム部２ｃに隣接する部分を除いた部分を、軸方向中央部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面としている。また、厚肉部１３ｃの内接円のうちで１対のリム部２ｃに隣接する部分の直径と、柱部３ｈのうちで、内径側係止部９ａを設けた内径側直線部６ａの内接円の直径とを、実質的に等しくしている。本例の保持器１ｈの構造によれば、保持器１ｈの外周面と外輪軌道との間に存在する潤滑油流路内に潤滑油を送り込むことに対する抵抗を、より低く抑えることができる。また、保持器１ｈを歯車などの内径側に挿入する作業をより容易に行うことができる。

　さらに、柱部３ｈの径方向厚さが、軸方向両端寄り部分で徐々に変化しているため、ポケット５ｃを打ち抜き加工する際に、打ち抜き型に不均一な力が加わる程度を緩和することができる。そして、捩れなどの変形やバリの発生を抑えて、打ち抜き精度を確保でき、かつ、打ち抜き型の耐久性確保により、保持器の製造コストを抑えることができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第７例と同様である。

　［実施の形態の第９例～第１１例］
　図１７～図１９は、本発明の実施の形態の第９例～第１１例を示している。図１７に示した第９例の保持器１ｉでは、柱部３ｉの両端部に設けた厚肉部１３ｄの内周面全体を、軸方向中央部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面としている。その他の構成および作用は、実施の形態の第８例と同様である。

　図１８に示した第１０例の保持器１ｊでは、厚肉部１３の内接円の直径および１対のリム部２ｄの内径を、柱部３ｊのうちで、内径側係止部９ａを設けた内径側直線部６ａの内接円の直径よりも大きくしている。このため、本例の保持器１ｊを複数本のニードルとともに、外輪軌道と内輪軌道との間に組み込んだ状態では、１対のリム部２ｄの外周面とこの外輪軌道との間だけでなく、１対のリム部２ｄの内周面と内輪軌道との間にも、十分な面積を有する潤滑油流路を確保することができる。その他の構成および作用は、実施の形態の第９例と同様である。

　図１９に示した第１１例の保持器１ｋでは、柱部１３ｋの両端部に設けた厚肉部１３ｅの内周面、および、１対のリム部２ｅの内周面で軸方向に関して厚肉部１３ｅと隣接する部分を、保持器１ｋの軸方向中央部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面としている。この構成により、保持器１ｋの内周面と内輪軌道との間の環状空間での潤滑油の流れを整えて、環状空間を流通する潤滑油の流量を確保しやすくしている。その他の構成および作用については、実施の形態の第１０例と同様である。

　本発明の保持器は、自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部に組み込まれるラジアルニードル軸受に広く適用することが可能である

　　１、１ａ～１ｋ　保持器
　　２、２ａ～２ｅ　リム部
　　３、３ａ～３ｋ　柱部
　　４　　ニードル
　　５、５ａ～５ｃ　ポケット
　　６、６ａ　内径側直線部
　　７、７ａ、７ｂ　外径側直線部
　　８、８ａ　傾斜部
　　９、９ａ　内径側係止部
　１０、１０ａ、１０ｂ　外径側係止部
　１１　　凹部
　１２　　隅部
　１３、１３ａ～１３ｅ　厚肉部
　１４　　中間素材
　１５　　傾斜面
　１６　　連続部

Claims

　それぞれが円環状で、軸方向両端部に互いに同心に設けられている、１対のリム部と、
　前記１対のリム部同士の間に掛け渡される状態で、周方向に等間隔で設けられている、複数の柱部と、
　周方向に隣り合う前記柱部と前記１対のリム部とにより四周を囲まれる部分により構成され、それぞれニードルを転動自在に保持する、複数のポケットと、
を備え、
　前記柱部のそれぞれは、軸方向中間部で、前記ニードルのピッチ円よりも径方向内方に配置された、内径側直線部と、軸方向両端寄り部分で、前記ニードルのピッチ円よりも径方向外方に配置された、外径側直線部と、前記内径側直線部と前記１対の外径側直線部の軸方向端部同士を連続させる、傾斜部とを備え、
　前記内径側直線部の周方向両端縁部には、周方向に張り出す状態で、内径側係止部が設けられており、前記外径側直線部の周方向両端縁部には、周方向に張り出す状態で、外径側係止部が設けられており、周方向に隣り合う前記柱部における、前記内径側係止部同士の間隔、および、前記外径側係止部同士の間隔を、それぞれ前記ニードルの外径よりも小さくなっていて、
　軸方向に関して、前記外径側直線部と前記１対のリム部との間で、前記柱部の軸方向両端部で、前記１対のリム部の内側面と連続する部分に、径方向に関する厚さが、前記柱部の軸方向中間部の径方向の厚さよりも大きい、厚肉部が設けられている、
ラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の内接円の直径と前記１対のリム部の内径とが互いに等しく、および／または、前記厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とが互いに等しく、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部の外周面とが単一円筒面上に存在し、および／または、前記１対のリム部の内周面と前記柱部の軸方向両端部の内周面とが単一円筒面上に存在する、請求項１に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の内接円の直径と、前記内径側係止部の内接円の直径とが実質的に等しい、請求項２に記載したラジアルニードル軸受。
　前記各厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とが互いに等しく、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部外周面とが単一円筒面上に存在し、前記厚肉部の内接円の直径が前記１対のリム部の内径よりも大きい、請求項１に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の内周面と前記外径側係止部の内周面とが、前記柱部の軸方向中央側に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面により連続している、請求項４に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の外接円の直径と前記１対のリム部の外径とが互いに等しく、前記１対のリム部の外周面と前記柱部の軸方向両端部外周面とが単一円筒面上に存在し、前記厚肉部の内接円の直径および前記１対のリム部の内径が、前記内径側係止部の内接円の直径よりも大きい、請求項１に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の外接円の直径および前記１対のリム部の外径が、前記外径側係止部の外接円の直径よりも小さい、請求項１に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部および前記リム部の外周面が、軸方向中央部に向かうほど外径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面である、請求項７に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の内周面が、軸方向中央部に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した傾斜面である、請求項７に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　前記厚肉部の内接円の直径と、前記内径側係止部の内接円の直径とが等しい、請求項７に記載したラジアルニードル軸受。
　前記厚肉部の内接円の直径および前記１対のリム部の内径が、前記内径側係止部の内接円の直径よりも大きい、請求項７に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
　請求項１～１１のうちのいずれか１項に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法であって、円筒状の金属製素材の内外両周面に旋削加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する円環状の中間素材を形成し、その後、該中間素材の一部を径方向に打ち抜いて、前記ポケットを形成する工程を備える、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
　請求項１～１１のうちのいずれか１項に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法であって、帯状の金属製素材に塑性加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する、所定長さの帯状の第１中間素材を形成し、次に、第１中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第１中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合して、円環状の第２中間素材を形成し、その後、第２中間素材の一部を径方向に打ち抜いて、前記ポケットを形成する工程を備える、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
　請求項１～１１のうちのいずれか１項に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法であって、帯状の金属製素材に塑性加工を施して、得るべきラジアルニードル軸受用保持器の中心軸を含む仮想平面に関して、前記柱部を含む部分の断面形状に一致する断面形状を有する、所定長さの帯状の第１中間素材を形成し、次に、第１中間素材の一部を打ち抜くことにより、前記ポケットとなるべき透孔を形成して、第２中間素材を得て、その後、第２中間素材を所定長さに切断し、さらに、第２中間素材を長さ方向に関して丸め、かつ、第２中間素材の長さ方向両端部同士を溶接接合する工程を備える、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。