WO2012043695A1 - マスクブランク及びその製造方法並びに転写用マスク - Google Patents

マスクブランク及びその製造方法並びに転写用マスク Download PDF

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Abstract

 本発明は、転写パターンを形成するための薄膜のレジストに対する密着性を向上させ、形成されたレジストパターンの倒れや欠けなどの発生を抑制できるマスクブランクを提供する。 本発明のマスクブランクは、透光性基板1上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜2を有し、前記薄膜2は、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有する。この薄膜2の表面改質層は、例えば高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを前記薄膜に作用させることにより形成することができる。

Description

マスクブランク及びその製造方法並びに転写用マスク
 本発明は、半導体装置等の電子デバイスの製造において使用されるフォトマスク(転写用マスク)を作製するために用いるマスクブランク及びその製造方法並びに転写用マスクに関する。
 一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚ものフォトマスク(以下、転写用マスクと呼ぶ。)と呼ばれている基板が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
 フォトリソグラフィー法による転写用マスクの製造には、ガラス基板等の透光性基板上に転写パターン(マスクパターン)を形成するための薄膜(例えば遮光膜など)を有するマスクブランクが用いられる。このマスクブランクを用いた転写用マスクの製造は、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す露光工程と、所望のパターン描画に従って前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、レジストパターンに従って前記薄膜をエッチングするエッチング工程と、残存したレジストパターンを剥離除去する工程とを有して行われている。上記現像工程では、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し所望のパターン描画を施した後に現像液を供給して、現像液に可溶なレジスト膜の部位を溶解し、レジストパターンを形成する。また、上記エッチング工程では、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング又はウェットエッチングによって、レジストパターンの形成されていない薄膜が露出した部位を溶解し、これにより所望のマスクパターンを透光性基板上に形成する。こうして、転写用マスクが出来上がる。
 半導体装置のパターンを微細化するに当たっては、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化に加え、フォトリソグラフィーで使用される露光光源波長の短波長化が必要となる。半導体装置製造の際の露光光源としては、近年ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)から、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、さらにEUV(波長13.4nm)へと短波長化が進んでいる。
 また、転写用マスクの種類としては、従来の透光性基板上にクロム系材料などからなる遮光膜パターンを有するバイナリマスクのほかに、ハーフトーン型位相シフトマスクが知られている。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板上に位相シフト膜を有する構造のもので、この位相シフト膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%~30%)を透過させ、所定の位相差を有するものであり、例えばモリブデンシリサイド化合物を含む材料等が用いられる。このハーフトーン型位相シフトマスクは、位相シフト膜をパターニングした光半透過部と、位相シフト膜が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、光半透過部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、光半透過部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回りこんだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
 また、近年では、モリブデンシリサイド化合物を含む材料を遮光膜として用いたArFエキシマレーザー用のバイナリマスクブランクなども出現している。
 転写用マスクに形成されるマスクパターンを微細化するに当たっては、マスクブランクにおけるレジスト膜の薄膜化と、転写用マスク製造の際のパターニング手法として、ドライエッチング加工が必要である。
 しかし、レジスト膜の薄膜化とドライエッチング加工は、以下に示す技術的な問題が生じている。
 一つは、マスクブランクのレジスト膜の薄膜化を進める際、例えば遮光膜の加工時間が1つの大きな制限事項となっていることである。遮光膜の材料として例えばクロムを用いる場合、クロムのドライエッチング加工では、エッチングガスに塩素ガスと酸素ガスの混合ガスが用いられている。レジストパターンをマスクにして遮光膜をドライエッチングでパターニングする際、レジストは有機膜でありその主成分は炭素であるので、ドライエッチング環境である酸素プラズマに対しては非常に弱い。遮光膜をドライエッチングでパターニングする間、その遮光膜上に形成されているレジストパターンは十分な膜厚で残っていなければならない。一つの指標として、マスクパターンの断面形状を良好にするために、ジャストエッチングタイムの2倍(100%オーバーエッチング)程度を行っても残存するようなレジスト膜厚にしなければならない。例えば、一般には、遮光膜の材料であるクロムと、レジスト膜とのエッチング選択比は1以下となっているので、レジスト膜の膜厚は、遮光膜の膜厚の2倍以上の膜厚が必要となることになる。従って、レジスト膜を薄膜化するためには、遮光膜の加工時間を短くする必要があるが、そのためには遮光膜の薄膜化が重要な課題である。しかし、遮光膜を薄膜化するといっても、遮光性を確保するためには所定の光学濃度(通常、マスクを使用する露光光の波長において3.0以上)が必要であり、遮光膜の薄膜化には自ずと限界がある。
 そこで、レジスト膜の膜厚を薄膜化する方法として、従来は、遮光膜の上に、遮光膜とはエッチング選択性のある材料で形成されるエッチングマスク膜を設け、まず、レジストパターンをマスクとして、上記エッチングマスク膜をエッチングして、エッチングマスク膜パターンを形成し、次いで、このエッチングマスク膜パターンをマスクとして、上記遮光膜をエッチングして、遮光膜パターンを形成する方法が提案されている(例えば特許文献1等)。
特開2006-146152号公報
 ところで、レジスト膜にレジストパターンを形成する場合、レジストパターンの線幅がレジスト膜厚の1/3よりも小さくなると、レジストパターンの倒れや欠けなどが発生するため、レジストも膜厚はそれ以下にする必要がある。DRAMハーフピッチ32nmの世代では、これらの点を考慮すると、レジスト膜厚は180nm以下とする必要があり、さらにDRAMハーフピッチ22nmの世代では、レジスト膜厚は100nm以下とする必要がある。しかし、上述したように、マスクブランクのレジスト膜を薄膜化するには、上述のエッチングマスク膜を設けるにしても、例えば遮光膜(またはエッチングマスク膜)の加工時間が1つの大きな制限事項となっているため、単にレジスト膜の薄膜化だけを達成するのは困難である。
 また、マスクブランクのパターン形成用薄膜(例えば遮光膜)のレジストとの密着性が悪いと、上述のレジストパターンの倒れや欠けなどの問題はいっそう顕著になる。例えば、ケイ素の酸窒化物やそれに遷移金属を含有させた材料の場合、レジストに対する密着性がクロム系の材料に比べて低く、形成されるレジストパターンの線幅に対するレジスト膜厚が1/3未満であっても、レジストパターンの倒れや欠けが発生し易い。また、近年、レジストとして、解像性の高い化学増幅型レジストが用いられることが多くなってきているが、この化学増幅型レジストの場合、クロム系の材料においても、レジストに対する密着性が不十分である。
 転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化の要求は益々厳しくなるばかりであるが、マスクパターンのよりいっそうの微細化を実現する上で、マスクブランクにおけるレジストとの密着性の向上は重要な課題となっている。
 そこで本発明は、従来の課題を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、転写パターンを形成するための薄膜の表面改質を行うことでレジストに対する密着性を向上させ、形成されたレジストパターンの倒れや欠けなどの発生を抑制できるマスクブランク及びその製造方法並びに転写用マスクを提供することである。
 本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を有するマスクブランクにおいて、薄膜の表面に炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を形成することにより、薄膜の光学特性や表面粗さなどを劣化させることなく、レジストに対する密着性を向上できることを見い出した。またさらに、このような薄膜の光学特性や表面粗さなどを劣化させることなく、薄膜の表面に炭化水素を含む酸化膜を形成するためには、薄膜の表面に対して高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスの混合ガスを作用させる処理が最適であることも見い出した。
 本発明者は以上の解明事実に基づき、さらに鋭意検討を続けた結果、本発明を完成したものである。
 すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
 基板上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を有するマスクブランクであって、前記薄膜は、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有することを特徴とするマスクブランクである。
(構成2)
 前記薄膜は積層膜であり、該積層膜の最上層は前記金属として遷移金属を含む材料からなることを特徴とする構成1に記載のマスクブランクである。
(構成3)
 前記遷移金属は、クロムであり、前記表面改質層は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるO(酸素)1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が2.0以上であることを特徴とする構成2に記載のマスクブランクである。
(構成4)
 前記遷移金属は、タンタルであることを特徴とする構成2に記載のマスクブランクである。
(構成5)
 前記表面改質層の表面粗さ(Ra)は、0.70nm以下であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成6)
 前記表面改質層の膜厚は、3nm以下の範囲であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成7)
 前記薄膜は、積層膜であり、該積層膜の最上層は遷移金属およびケイ素を含む材料からなることを特徴とする構成1に記載のマスクブランクである。
(構成8)
 前記薄膜上に形成された化学増幅型レジスト膜を有することを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成9)
 前記化学増幅型レジスト膜はネガ型であることを特徴とする構成8に記載のマスクブランクである。
(構成10)
 構成1乃至9のいずれかに記載のマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして転写パターンを形成してなることを特徴とする転写用マスクである。
(構成11)
 基板上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を成膜する工程と、前記薄膜に対して、前記薄膜の表面に炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を形成する処理を施す工程と、を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
(構成12)
 前記処理は、オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを前記薄膜に作用させることを特徴とする構成11に記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成13)
 前記オゾンガスの濃度は、50~100体積%であることを特徴とする構成12に記載のマスクブランクの製造方法である。
(構成14)
 前記不飽和炭化水素は、炭素数1~4の低級不飽和炭化水素であることを特徴とする構成12又は13に記載のマスクブランクの製造方法である。
 本発明のマスクブランクによれば、透光性基板上の転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜の表面に、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有することにより、薄膜の光学特性、表面粗さなどを劣化させることなく、レジストに対する密着性を向上できるので、その結果、形成されたレジストパターンの倒れや欠けなどの発生を抑制することができる。
 また、本発明のマスクブランクの製造方法によれば、このような転写パターンを形成するための薄膜の光学特性や表面粗さなどを劣化させることなく、薄膜の表面に炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を形成することができ、レジストに対する密着性を向上できる。
 また、本発明の転写用マスクによれば、本発明のマスクブランクを用いて転写パターンを形成したことにより、例えば32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成された転写用マスクが得られる。
マスクブランクの断面図である。 マスクブランクを用いて転写用マスクを製造する工程を示す断面図である。 実施例1における表面改質層のX線光電子分光法による分析結果を示したも  のであり、(a)は表面改質層のO1sスペクトル、(b)は表面改質処理を施す前の遮光膜の表層部分のO1sスペクトルである。 実施例1における表面改質層のX線光電子分光法による分析結果を示したも  のであり、(a)は表面改質層のC1sスペクトル、(b)は表面改質処理を施す前の遮光膜の表層部分のC1sスペクトルである。
 以下、本発明の実施の形態を詳述する。
 本発明は、上記構成1の発明にあるように、透光性基板上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を有するマスクブランクであって、前記薄膜は、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有することを特徴とするマスクブランクである。
 図1は、本発明のマスクブランクの一実施の形態を示す断面図である。これによると、本実施の形態に係るマスクブランク10は、透光性基板1上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜2を有する構造となっている。
 上記透光性基板1は、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されない。本発明では、石英基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)を用いることができるが、この中でも石英基板は、ArFエキシマレーザー又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、本発明には特に好適である。
 転写パターンを形成するための薄膜2は、遷移金属などの金属を含む材料からなる薄膜であり、単一層の場合も積層の場合も含まれる。積層の場合は、少なくとも最上層(最表面層)は上記金属を含む材料からなる層である。詳しくは後述するが、例えばクロム、タンタル、タングステンなどの遷移金属単体又はその化合物を含む材料からなる遮光膜や、遮光膜等の上に設けられるエッチングマスク膜などが挙げられる。また、遷移金属シリサイド(特にモリブデンシリサイド)の化合物を含む材料からなる光半透過膜や遮光膜なども挙げられる。
 透光性基板1上に上記薄膜2を成膜する方法としては、例えばスパッタ成膜法が好ましく挙げられるが、本発明はスパッタ成膜法に限定する必要はない。
 本発明のマスクブランク10は、上記薄膜2の表面(もしくは表層部分)に、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有している。この表面改質層は、炭化水素を含む酸化膜であるが、この酸化膜中にはとくに炭化水素を含む酸化物(以下、有機系酸化物と呼ぶ。)が多く含まれるため、有機成分からなるレジストとの親和性が高く、レジストとの密着性を著しく向上させることができる。
 上記薄膜2の表面(表層部分)に、上記有機系酸化物を含む表面改質層を形成する方法としては、例えば、薄膜の表面に高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる処理が挙げられる。因みに、従来、大気中あるいは大気中よりも酸素含有量の多い雰囲気下でマスクブランクを加熱処理することにより、薄膜の表面に酸化膜を形成させて、耐薬性等を向上させる方法が知られているが、この場合、雰囲気中の有機コンタミなどを含む酸化物が形成される可能性も考えられる。本発明者の検討によると、雰囲気中の有機コンタミによる有機成分が酸化膜中に含まれるとしてもほんの僅かであり、レジストとの密着性を向上させることは到底できないレベルである。また、耐薬性等を向上させるため高温度、長時間の加熱処理を行うと、薄膜の劣化や、表面粗さの劣化、光学特性の変化、マスクブランクの平坦度の変化を生じることは避けられず、マスクブランク性能の劣化を引き起こす恐れがある。これに対して、上述の高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる処理によれば、低温度かつ短時間で表面改質層を形成することができるので、薄膜の表面粗さや光学特性等を何ら劣化させることない。したがって、マスクブランクの特性を維持した状態で、薄膜の表面に有機系酸化物を多く含む酸化膜からなる表面改質層を形成することができるので、本発明に好適である。
 本発明者の考察によれば、このように薄膜表面に対して、高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる(供給する)処理を行うことにより、オゾニド等の不安定な中間体が形成され、この不安定な中間体が分解される過程で、薄膜表面が改質され、有機系酸化物を含む酸化膜が形成されるものと考えられる。
 薄膜表面に対して高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる方法としては、たとえば適当なチャンバー内にマスクブランクを設置し、このチャンバー内に高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスを導入して、マスクブランクの薄膜表面近傍にて混合させる方法が挙げられる。また、薄膜表面に対して直接高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスを噴き付けるなどの手段で供給する方法でもよい。なお、本発明による効果を良好に得るためには、高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスを薄膜表面近傍で混合させて作用させることが好適である。
 上記不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、ブチレン等の炭素の二重結合を有する炭化水素(アルケン)や、アセチレン等の炭素の三重結合を有する炭化水素(アルキン)などが挙げられ、特にこのような炭素数1~4程度の低級不飽和炭化水素が好ましい。
 また、オゾンガス濃度は、50~100体積%の範囲であることが好ましい。オゾンガス濃度が50体積%未満であると、処理時間が非常に長く必要になったり、あるいは、処理時間を長くしても、レジストとの密着性の向上に必要な膜厚を確保できない恐れがある。また、処理時間を短時間にし、基板の加熱温度を低温度にして、表面変質層を形成することができるため、オゾンガス濃度は100体積%が好ましい。
 オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとの供給比率(流量比率)は、1:1~4:1が好ましい。この範囲であれば、オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとの反応が良好に行われる。
 また、処理時間(高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる時間)については、オゾンガス濃度、基板の加熱温度、表面改質層の膜厚、被覆率等を考慮して適宜決定すればよい。
 また、このような高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させる表面改質処理は、室温で行うことができるが、薄膜表面に有機系酸化物を含む酸化膜が形成される反応をより促進させるため、例えば基板を、50℃~80℃程度まで加熱してもよい。この場合の加熱温度があまり高いと、薄膜の材料にもよるが、例えばクロム系材料膜の場合、100℃を超えると膜が劣化する恐れがある。
 さらに、レジスト塗布前のマスクブランクは、収納ケース等に収められて一定期間保管されることがあり、保管状態によっては塩基性物質や有機物等の化学汚染物質が付着することがある。このような化学汚染物質は、特に化学増幅型レジストの機能の劣化(感度変動によるパターン形状の劣化、解像性の低下等)を生じさせてしまう。したがって、レジスト塗布前には、マスクブランクを洗浄し、このような化学汚染物質を除去する必要がある。上記高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを作用させると、表面改質と同時に、化学汚染物質をも除去することができるため、レジスト塗布前の洗浄処理をなくすことが可能となる。つまり、表面改質処理が洗浄処理を兼ねることが可能となる。
 本発明のマスクブランク10において、薄膜の表面改質層の表面粗さ(Ra)は0.70nm以下である。本発明では、薄膜の表面に表面改質層が形成されることによる表面粗さの劣化を防止できるため、薄膜の表面、つまり表面改質層の表面の表面粗さをRa=0.70nm以下、さらにはRa=0.50nm以下に抑えることが可能である。
 表面粗さをRa=0.70nm以下、さらにはRa=0.50nm以下にすることにより、薄膜パターンのLER(LineEdge Roughness)を小さくすることができると共に、薄膜パターンの断面形状も良好にすることができるので好ましい。本発明の高濃度オゾンガス処理によって薄膜に表面改質層を形成した場合、表面改質層形成前後において、表面粗さが変化しないか、又は小さくすることができる。
 なお、本発明において、表面粗さを示す単位Raは、原子間力顕微鏡(AFM)で測定することができる。具体的な測定は、例えば1μm角の範囲内で行うが、マスクの有効エリア内で均一にこの表面粗さを有していることが好ましい。ここでマスクの有効エリアとは、6インチ基板の場合、例えば142mm角程度の範囲を有効エリアとして考えればよい。
 また、本発明の高濃度オゾンガス処理によって薄膜に表面改質層を形成した場合、表面改質層形成前後において、光学濃度(OD)及び露光光や検査光の波長に対する表面反射率がほとんど変化(劣化)しないようにすることができる。さらに、表面改質層形成前後において、平坦度の変化量(絶対値)は、30nm以下、さらには10nm以下とすることができる。
 なお、本発明に記載する平坦度とはTIR(TotalIndicated Reading)で表される表面の反り(変形量)を表す値である。本発明においては142×142mmのエリア内の測定値をもって平坦度とする。例えば、6インチ基板の中心における142×142mmのエリア内の測定値である。
 このように、光学濃度、表面反射率及び平坦度変化量を劣化させることがないので、マスクブランクや転写用マスクの性能に影響を及ぼさない。また、表面改質層が形成された薄膜をパターニングして転写用マスクを作製する際に、薄膜のエッチング特性を低下させることはないため、転写要マスクの加工精度を低下させることもない。
 また、ダブルパターニング/ダブル露光技術を用いる転写用マスクにも好適である。これらの露光技術は2枚セットの転写用マスクを用いるものであるため、2枚の転写用マスクの精度の要求が厳しいが、本発明はこのような要求を満たすことが可能となる。また、特に転写用マスクとしたときにエッチングマスク膜を剥離するタイプのマスクブランクにおけるエッチングマスク膜に表面改質層を形成した場合には、エッチングマスク膜パターンをマスクにして下層膜を良好にエッチングすることが可能となり、またマスクブランクの欠陥検査等の検査を良好に行うことが可能となる。
 図3は、後述の実施例1における表面改質層のX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示したものであり、(a)は表面改質層のO(酸素)1sスペクトル、(b)は上述の高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスによる表面改質処理による表面改質層が形成されていない状態の遮光膜の表層部分のO1sスペクトルである。また、図4は、同じく実施例1における表面改質層のX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示したものであり、(a)は表面改質層のC(炭素)1sスペクトル、(b)は上述の表面改質処理による表面改質層が形成されていない状態の遮光膜の表層部分のC1sスペクトルである。
 詳しくは実施例1で後述するが、実施例1は、透光性基板上にMoSi系材料からなる光半透過膜とCr系材料からなる遮光膜をこの順に積層し、高濃度オゾンガスとエチレンガスとを遮光膜に作用させる処理により上記遮光膜の表面に表面改質層を形成した位相シフトマスクブランクに関するものである。
 上記表面改質層は、XPSによって測定されるO1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が2.0以上である。上記第1のピークは、主に有機系酸化物成分や酸化度の高いクロム酸化物(Crなど)成分(これらをA成分とする)によるピークであり、上記第2のピークは、主に酸化度の低いクロム酸化物(CrOなど)成分やクロム酸窒化物成分(これらをB成分とする)によるピークである。また、XPSによって測定されるC1sスペクトルにおいて、有機系酸化物成分による炭酸塩(HCOの塩)のピークが確認できる。
 この分析結果から、A成分は74%、B成分は26%であり、パターン形成用の薄膜の表面に上述の表面改質層が形成されることにより、表面改質層が形成されていない状態(上記図3(b)及び図4(b)のスペクトル)と比べると、上記A成分の割合が増加(B成分の割合は減少)していると共に、炭酸塩の割合が増加しており、薄膜表面を、有機系酸化物を含む酸化膜(表面改質層)とすることにより、レジストとの密着性が向上するものと考えられる。
 なお、上記表面改質層の膜厚は、本発明においては特に制約はされないが、レジストとの密着性向上効果を十分に得るためには、少なくとも1nm以上であることが好ましい。また、表面改質層の膜厚を厚くするためには、例えば上述の高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスによる処理時間を長くする必要がある上に、膜厚があまり厚いと光学特性変化が大きくなる恐れがある。そのため、レジストとの密着性の向上が十分に達成できる膜厚とすればよく、その観点から3nm以下とすることが好ましい。
 なお、表面改質層の存在は、例えば薄膜の断面TEM観察により確認することが可能であり、表面改質層の膜厚についても特定することが可能である。
 なお、図1に示すマスクブランク10は、上記薄膜2上にレジスト膜を備えていないが、本発明は、薄膜2上に任意のレジスト膜を備えた構造のマスクブランクも含まれる。
 また、本発明は、特に化学増幅型レジスト膜を備えたマスクブランクが好適である。レジスト膜付きマスクブランクは、収納ケース等に収められて一定期間保管されることが多い。長期間(例えば40日以上)保管されたレジスト膜付きマスクブランクを用いて転写用マスクを作製した場合、形成したレジストパターン形状が劣化するという問題があることがわかった。これは、レジスト膜下の薄膜表面に存在する汚染物質(汚染イオン等)が、長期間の保管中にレジスト膜中に入り込み、化学増幅型レジストの機能を劣化(感度変動によるパターン形状の劣化、解像性の低下等)させることが要因であると考えられる。これにより、レジストパターンの裾部分において、ポジ型の化学増幅型レジスト膜においては「裾引き」、ネガ型では「食われ」といった形状不良が生じてしまう。特に、ネガ型の場合には、「食われ」によって、レジストパターン倒れが生じる。
 本発明の表面改質層を有する薄膜上に形成されたレジスト膜付きマスクブランクは、長期間保管した後に転写用マスクを作製しても、上記レジストパターン形状の劣化を防止することができる。これは、上記表面改質層を形成する過程において、薄膜表面上の汚染物質が除去されたり、表面改質層によって汚染物質がレジスト膜中に入り込むことが防止されたりするからであると考えられる。
 図2は、本発明のマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する工程を示す断面図である。
 透光性基板1上に、上記薄膜2を成膜し、その表面に表面改質層を形成したマスクブランク10を用いて、フォトリソグラフィー法により、該マスクブランクの薄膜をパターニングすることにより、薄膜パターンを形成する。すなわち、上記マスクブランク10の表面に、例えば電子線描画用ポジ型レジスト膜3を形成し(同図(a)参照)、所望のデバイスパターンの描画を行う(同図(b)参照)。描画後、レジスト膜3を現像処理することにより、レジストパターン3aを形成する(同図(c)参照)。本発明のマスクブランクは、レジストとの密着性が良好であるため、たとえレジストパターンの線幅がレジスト膜厚の1/3未満であっても、レジストパターンの倒れや欠けなどの発生を抑制することができる。
 次に、このレジストパターン3aをマスクとして、上記薄膜2をエッチングすることにより、薄膜パターン2aを形成することができる(同図(d)参照)。この際のエッチング方法としては、微細パターンの形成に有効なドライエッチングを好ましく用いることができる。
 残存するレジストパターンを除去して、透光性基板1上に薄膜パターン2aを形成した転写用マスク20が出来上がる(同図(e)参照)。
 本発明のマスクブランクを用いることにより、パターン倒れや欠けなどを生じることなく、微細なレジストパターンを安定して形成することができるため、最終的に微細転写パターンが高い精度で形成された転写用マスクを作製することが可能である。
 なお、従来、遷移金属シリサイド化合物(例えばモリブデンシリサイド化合物)などを含む材料の場合には、レジストとの密着性を確保するため、レジスト塗布前に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン:Hexamethyldisilazane)などのシラン系カップリング剤による表面処理を施すことが行われているが、本発明によれば、マスクブランクの薄膜の材料の種類にかかわらず、レジストとの密着性、とりわけ化学増幅型レジストとの密着性を向上できるというメリットがある。
 また、転写用マスクを作製する工程において、複数回レジストを塗布する必要がある場合には、レジストを塗布する処理前毎に本発明の表面改質層を形成する処理を施してもよい。例えば、ハーフトーン型位相シフトマスク、トライトーン型位相シフトマスク、エンハンサ型位相シフトマスク等を作製する工程において、最初に塗布されて残存したレジストパターンを除去して、再度全面にレジスト膜を形成し、マスクの外周部等に遮光部(遮光帯)を形成する場合に、該レジスト膜を形成する前に、本発明の表面改質層を形成する処理を施すことができる。
 以上の実施の形態により説明したように、本発明は、とくに微細転写パターンが要求される波長200nm以下の短波長の露光光を露光光源とする露光装置に用いられる転写用マスクの製造に用いるマスクブランクに好適である。例えば、以下のようなマスクブランクおよびその製造並びに転写用マスクに好適である。
(1)前記薄膜が遷移金属を含む材料からなる遮光膜であるバイナリマスクブランクおよびバイナリマスク
 かかるバイナリマスクブランクは、透光性基板上に遮光膜を有する形態のものであり、この遮光膜は、クロム、タンタル、ルテニウム等の遷移金属単体あるいはその化合物を含む材料からなる。例えば、クロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したクロム化合物で構成した遮光膜が挙げられる。また、例えば、タンタルに、酸素、窒素、ホウ素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したタンタル化合物で構成した遮光膜が挙げられる。また、上記遷移金属と、アルミニウム、マグネシウム、ガリウム、ゲルマニウム、スズ等の金属とを含む合金又はそれに酸素、窒素、炭素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加した化合物としてもよい。
 かかるバイナリマスクブランクは、遮光膜を、遮光層と表面反射防止層の2層構造や、さらに遮光層と基板との間に裏面反射防止層を加えた3層構造としたものなどがある。また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
(2)前記薄膜が、遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)の化合物を含む材料からなる光半透過膜である位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク
 かかる位相シフトマスクブランクとしては、透光性基板上に光半透過膜を有する形態のものであって、該光半透過膜をパターニングしてシフタ部を設けるタイプであるハーフトーン型位相シフトマスクが作製される。かかる位相シフトマスクにおいては、光半透過膜を透過した光に基づき転写領域に形成される光半透過膜パターンによる被転写基板のパターン不良を防止するために、透光性基板上に光半透過膜とその上の遮光膜(遮光帯)とを有する形態とするものが挙げられる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクのほかに、透光性基板をエッチング等により掘り込んでシフタ部を設ける基板掘り込みタイプであるレベンソン型位相シフトマスク用やエンハンサー型位相シフトマスク用のマスクブランクが挙げられる。
 上記光半透過膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%~30%)を透過させるものであって、所定の位相差(例えば180度)を有するものであり、この光半透過膜をパターニングした光半透過部と、光半透過膜が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、光半透過部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、光半透過部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
 この光半透過膜は、例えば遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイドを含む)の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が適用可能である。
 また、光半透過膜上に遮光膜を有する形態の場合、上記光半透過膜の材料が遷移金属及びケイ素を含むので、遮光膜の材料としては、光半透過膜に対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)特にクロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物で構成することが好ましい。
(3)前記薄膜が、遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)、又は遷移金属及びケイ素の化合物を含む材料からなる遮光膜であるバイナリマスクブランクおよびバイナリマスク
 この遮光膜は、遷移金属及びケイ素の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。また、遮光膜は、遷移金属と、酸素、窒素及び/又はホウ素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等が適用可能である。
 特に、遮光膜をモリブデンシリサイドの化合物で形成する場合であって、遮光層(MoSi等)と表面反射防止層(MoSiON等)の2層構造や、さらに遮光層と基板との間に裏面反射防止層(MoSiON等)を加えた3層構造がある。
 また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
 また、レジスト膜の膜厚を薄膜化して微細パターンを形成するために、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する構成としてもよい。このエッチングマスク膜は、遷移金属シリサイドを含む遮光膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)特にクロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物からなる材料(クロム系材料)で構成することが好ましい。また、遮光膜がクロム系材料からなる場合には、エッチングマスク膜はケイ素に酸素、窒素などの元素を添加したケイ素化合物、又はそれらにモリブデンなどの遷移金属を添加した材料で構成することが好ましい。さらに、遮光膜がタンタルやタンタルに酸素、窒素などの元素を添加したタンタル化合物からなる材料で構成される場合には、エッチングマスク膜はクロム系材料で構成することが好ましい。このとき、エッチングマスク膜に反射防止機能を持たせることにより、遮光膜上にエッチングマスク膜を残した状態で転写用マスクを作製してもよい。
 また、(1)~(3)において、透光性基板と遮光膜との間、又は光半透過膜と遮光膜との間に、遮光膜や光半透過膜に対してエッチング耐性を有するエッチングストッパー膜を設けてもよい。エッチングストッパー膜は、エッチングストッパー膜をエッチングするときにエッチングマスク膜を同時に剥離することができる材料としてもよい。
(4)前記薄膜が、タンタルを含む材料からなる吸収体膜である反射型マスクブランク及び反射型マスク
 かかる反射型マスクは、基板上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、該多層反射膜上にバッファ膜、さらにその上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。バッファ膜は、吸収体膜のパターン形成工程及び修正工程における多層反射膜の保護を目的として多層反射膜と吸収体膜との間に設けられており、バッファ膜がない構成とすることもできる。
 吸収体膜は、露光光である例えばEUV光を吸収する機能を有するものであれば良い。タンタルを含む材料としては、特にTaの単体またはTaを主成分とする材料を好ましく用いることができる。Taを主成分とする材料は、たとえばTaの合金である。このような吸収体膜の結晶状態は、平滑性、平坦性の点から、アモルファス状又は微結晶の構造を有しているものが好ましい。Taを主成分とする材料としては、例えばTaとBを含む材料、TaとNを含む材料、TaとBを含み、更にOとNの少なくとも何れかを含む材料、等を好適に用いることができる。
 また、基板としては、SiO-TiO系ガラス、石英ガラス、結晶化ガラスであれば、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等を用いることができる。金属基板の例としては、インバー合金(Fe-Ni系合金)などが挙げられる。また、単結晶シリコン基板を使用することもできる。
 転写用マスクには、位相シフト効果を使用しないバイナリマスク、位相シフト効果を使用する位相シフトマスクの中では、ハーフトーン型位相シフトマスク、レベンソン型位相シフトマスク、エンハンサーマスク、反射型マスクなどが含まれる。転写用マスクにはレチクルが含まれる。
 また、以上説明したような転写用マスクとは使用目的が異なるが、ガラス材料からなる基板の主表面上に基板掘り込みパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクにおいて、上記基板上に薄膜を成膜した後、前記薄膜上にレジスト膜を形成するインプリント用モールドの作製方法においても、本発明を適用することができる。
 半導体デバイスの微細回路パターン、微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品作製、ハードディスクドライブ等に用いられる磁気記録媒体における磁性層の微細パターン形成に使用するインプリント用モールド(スタンパ)の作製においては、合成石英ガラスなどのガラス基板上に基板掘り込みパターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクが用いられる。このマスクブランク上に所望のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして上記薄膜をエッチング加工することにより薄膜パターンを形成し、さらにこの薄膜パターンをマスクとして、上記基板をエッチング加工して、透光性基板に段差パターン(マスクパターン)を形成することにより、インプリント用モールドを作製している。
 本発明は、このようなインプリント用モールドの作製方法において、レジスト膜を形成する前に、例えばクロム系材料からなる上記薄膜に対して、上述の高濃度オゾンガスと不飽和炭化水素ガスによる処理を適用することが好ましい。
  以下、実施例により、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。
(実施例1)
 透光性基板としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板を用い、透光性基板上に、まず窒化されたモリブデン及びシリコンからなる光半透過膜を成膜した。
 具体的には、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=10mol%:90mol%)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:N:He=5:49:46)で、ガス圧0.3Pa、DC電源の電力を3.0kWとして、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、モリブデン、シリコン及び窒素からなるMoSiN膜を69nmの膜厚で形成した。次いで、上記MoSiN膜が形成された基板に対して、加熱炉を用いて、大気中で加熱温度を450℃、加熱時間を1時間として、加熱処理を行った。なお、このMoSiN膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は6.16%、位相差が184.4度となっていた。
 次に、上記光半透過膜の上に、以下の遮光膜を成膜した。
 具体的には、スパッタターゲットにクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比 Ar:CO:N:He=20:35:10:30)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚30nmのCrOCN層を成膜した。続いて、アルゴン(Ar)と窒素(N)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.1Pa,ガス流量比 Ar:N=25:5)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚4nmのCrN層を成膜した。最後に、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比 Ar:CO:N:He=20:35:5:30)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚14nmのCrOCN層を成膜し、合計膜厚48nmの3層積層構造のクロム系遮光膜を形成した。
 この遮光膜は、上記光半透過膜との積層構造で光学濃度(OD)がArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0となるように調整されている。また、前記露光光の波長に対する遮光膜の表面反射率は20%であった。
 原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記遮光膜の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.56nmであった。さらに、平坦度測定装置(トロッペル社製:UltraFlat200M)を用いて、142mm×142mmにおける平坦度を測定したところ、310nmであった。
 以上のようにして、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜を積層したマスクブランクに対し、高濃度オゾンガスとエチレンガスとを供給して、遮光膜の表面近傍で混合し、遮光膜の表面に高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる処理を行った。この場合の高濃度オゾンガス(100体積%)とエチレンガスの流量比率は2:1とした。処理時間(高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる時間)は10分とし、基板は60℃に加熱した。
 以上のようにして、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜の積層構造のパターン形成用薄膜を有する位相シフトマスクブランクを作製した。
 作製された位相シフトマスクブランクの上記積層構造の薄膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、遮光膜の表層部分に厚さ略1nmの被膜(表面改質層)が形成されていた。さらにこの被膜の組成をX線光電子分光法で表面に対する検出器の傾きを30°として詳しく分析したところ、元素組成(原子%比)は、Cr:16.6、O:40.6、N:5.5、C:37.3であった。また、クロム原子数を基準としたときの原子数比は、O/Cr=2.44、N/Cr=0.33、C/Cr=2.24である。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記薄膜の表面、つまり表面改質層の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.46nmであった。つまり上述の高濃度オゾンガスとエチレンガスによる処理を施す前の遮光膜の表面の表面粗さRa=0.56nmと比べて、表面粗さは処理前後で0.10nm減少しており(減少率は0.10÷0.56×100=18%)、表面粗さの劣化はなく、表面粗さが小さくなった。また、断面TEM観察を行ったところ、処理前後で、表面粗さの低減及びグレインサイズの低減が確認された。
 さらに、処理後の光半透過膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は3.0であり、処理前と変化はなかった。また、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmに対する遮光膜の表面反射率についても確認したが、処理前と殆ど変化は認められなかった。
 また、平坦度測定装置(トロッペル社製:UltraFlat200M)を用いて、142mm×142mmにおける平坦度を測定したところ、306nmであり、平坦度変化量は4nmであり、ほとんど変化しなかった。
 このように、高濃度オゾンガス処理前後において、表面粗さ、光学特性、平坦度が変化(劣化)することなく、表面改質層を形成することが確認できた。
 また、図3は、本実施例における表面改質層のX線光電子分光法(XPS)による分析結果を示したものであり、(a)は表面改質層のO(酸素)1sスペクトル、(b)は上述の高濃度オゾンガスとエチレンガスによる処理を施す前の遮光膜の表層部分のO1sスペクトルである。さらに、図4は、同じく本実施例における表面改質層のX線光電子分光法による分析結果を示したものであり、(a)は表面改質層のC(炭素)1sスペクトル、(b)は上述の高濃度オゾンガスとエチレンガスによる処理を施す前の遮光膜の表層部分のC1sスペクトルである。
 上記表面改質層は、XPSによって測定されるO1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が2.8である。上記第1のピークは、主に有機系酸化物成分や酸化度の高いクロム酸化物(Crなど)成分(A成分とする)によるピークであり、上記第2のピークは、主に酸化度の低いクロム酸化物成分やクロム酸窒化物成分(B成分とする)によるピークである。この分析結果から、A成分は74%、B成分は26%であり、パターン形成用の薄膜の表面に上述の高濃度オゾンとエチレンガスによる処理による表面改質層が形成されることにより、この処理を施す前の表面改質層が形成されていない状態(上記図3(b)のスペクトル)と比べると、上記A成分の割合が増加し、B成分の割合が減少していることが分かる。また、XPSによって測定されるC1sスペクトルにおいて、炭酸塩の割合が増加していることが分かる。また、O1sスペクトルにおいて、高濃度オゾンガス処理を施す前の第1のピーク強度が約7400c/sであるのに対して、高濃度オゾンガス処理を施した後の第1のピーク強度は約9500c/sであり、高濃度オゾンガス処理によって、第1のピークが増加していることが分かる。
 次に、上記の位相シフトマスクブランクを用いて、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
 まず、上記マスクブランク上に、レジスト膜として、電子線描画用化学増幅型ネガレジスト膜(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 SLV08)を形成した。レジスト膜の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。上記レジスト膜を塗布後、所定の加熱乾燥処理を行った。レジスト膜の膜厚は165nmとした。
 次に上記マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターン描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターンを形成した。このとき、レジストパターンの倒れや欠けは発生しなかった。LS(ラインアンドスペース)パターン、SRAF(SubResolution Assist Feature)パターンを確認したが、ハーフピッチ32nmの微細パターンが解像されていた。
 次に、上記レジストパターンをマスクとして、遮光膜のエッチングを行った。ドライエッチングガスとして、ClとOの混合ガスを用いた。続いて、光半透過膜(MoSiN膜)のエッチングを行って光半透過膜パターンを形成した。ドライエッチングガスとして、SFとHeの混合ガスを用いた。
 次に、残存するレジストパターンを剥離して、再び全面に上記と同じレジスト膜を形成し、マスクの外周部に遮光帯を形成するための描画を行い、描画後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとして、遮光帯領域以外の遮光膜をエッチングにより除去した。
 残存するレジストパターンを剥離して、位相シフトマスクを得た。なお、光半透過膜の透過率、位相差はマスクブランク製造時と殆ど変化はなかった。こうして得られた位相シフトマスクは、32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成されていた。
(実施例2)
 実施例1において、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜を積層したマスクブランクに対し、遮光膜の表面に高濃度オゾンガス(100体積%)とエチレンガスを作用させる処理時間を30分としたこと以外は、実施例1と同様にして位相シフトマスクブランクを作製した。
 作製した本実施例の位相シフトマスクブランクの上記積層構造の薄膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、遮光膜の表層部分に厚さ略2nmの被膜(表面改質層)が形成されていた。さらにこの被膜の組成をX線光電子分光法で表面に対する検出器の傾きを30°として詳しく分析したところ、元素組成(原子%比)は、Cr:17.9、O:43.1、N:4.6、C:34.4であった。また、クロム原子数を基準としたときの原子数比は、O/Cr=2.41、N/Cr=0.26、C/Cr=1.92である。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記表面改質層の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.46nmであり、上述の高濃度オゾンガスによる処理を施す前の遮光膜の表面の表面粗さRa=0.56nmと比べて、表面粗さは処理前後0.10nm減少しており(減少率は0.10÷0.56×100=18%)、表面粗さの劣化はなく、表面粗さが小さくなった。また、断面TEM観察を行ったところ、処理前後で、表面粗さの低減及びグレインサイズの低減が確認された。
 さらに、処理後の光半透過膜と遮光膜の積層膜の光学濃度は3.0であり、処理前と変化はなかった。また、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmに対する遮光膜の表面反射率についても確認したが、処理前と殆ど変化は認められなかった。
 また、実施例1と同様に、本実施例における表面改質層をXPSにより分析した結果、O1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が2.2であった。また、C1sスペクトルにおいて、炭酸塩のピークの割合が増加していた。この分析結果から、表面改質層中の主に有機系酸化物成分や酸化度の高いクロム酸化物(Cr2O3など)成分などのA成分の割合は69%、主に酸化度の低いクロム酸化物成分やクロム酸窒化物成分などのB成分の割合は31%であった。また、O1sスペクトルにおいて、高濃度オゾンガス処理を施した後の第1のピーク強度は約10500c/sであり、処理前よりも増加していた。
 次に、実施例1と同様に、上記の位相シフトマスクブランクを用いて、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
 なお、実施例1と同様にして、上記マスクブランク上にレジストパターンを形成したが、このとき、レジストパターンの倒れや欠けは発生しなかった。LSパターン、SRAFパターンを確認したが、ハーフピッチ32nmの微細パターンが解像されていた。
 得られた位相シフトマスクは、32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成されていた。
(実施例3)
 透光性基板としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板を用い、この透光性基板上に、実施例1と同様の光半透過膜を成膜し加熱後、以下の遮光膜を成膜した。
 具体的には、スパッタターゲットにクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比 Ar:N:He=30:30:40)とし、DC電源の電力を0.8kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚24nmのCrN層を成膜した。続いて、アルゴン(Ar)とメタン(CH)と一酸化窒素(NO)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(ガス圧0.3Pa,ガス流量比 Ar+CH:NO:He=65:3:40)とし、DC電源の電力を0.3kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚24nmのCrON(C)層を成膜し、合計膜厚48nmの2層積層構造のクロム系遮光膜を形成した。なお、この遮光膜はインライン型スパッタ装置を用いたため、CrN膜及びCrON(C)膜は膜厚方向に組成が傾斜した傾斜膜であった。
 この遮光膜は、光学濃度3.0となるように調整されている。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記遮光膜の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.73nmであった。
 以上のようにして、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜を積層したマスクブランクに対し、高濃度オゾンガスとエチレンガスとを供給して、遮光膜の表面近傍で混合し、遮光膜の表面に高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる処理を行った。この場合の高濃度オゾンガス(100体積%)とエチレンガスの流量比率は2:1とした。処理時間(高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる時間)は10分とし、基板は60℃に加熱した。
 以上のようにして、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜の積層構造のパターン形成用薄膜を有する位相シフトマスクブランクを作製した。
 作製された位相シフトマスクブランクの上記積層構造の薄膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、遮光膜の表層部分に厚さ略1nmの被膜(表面改質層)が形成されていた。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記表面改質層の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.64nmであった。上述の高濃度オゾンガスとエチレンガスによる処理を施す前の遮光膜の表面の表面粗さRa=0.73nmと比べて、表面粗さは処理前後で0.09nm減少しており(減少率は0.09÷0.73×100=12%)、表面粗さの劣化はなく、表面粗さが小さくなった。また、断面TEM観察を行ったところ、処理前後で、表面粗さの低減及びグレインサイズの低減が確認された。
 次に、上記の位相シフトマスクブランクを用いて、位相シフトマスクを作製した。
 まず、上記マスクブランク上に、レジスト膜として、電子線描画用化学増幅型ネガレジスト膜(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 SLV08)を形成した。レジスト膜の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。上記レジスト膜を塗布後、所定の加熱乾燥処理を行った。レジスト膜の膜厚は165nmとした。
 次に上記マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターン描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターンを形成した。このとき、レジストパターンの倒れや欠けは発生しなかった。LSパターン、SRAFパターンを確認したが、ハーフピッチ32nmの微細パターンが解像されていた。
 次に、実施例1と同様にして、位相シフトマスクを得た。こうして得られた位相シフトマスクは、32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成されていた。
(実施例4)
 透光性基板としてサイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板を用い、透光性基板上に、遮光膜として、MoSiN膜(遮光層)、MoSiON膜(表面反射防止層)をそれぞれ形成した。
 具体的には、MoとSiとの混合ターゲット(Mo:Si=21mol%:79mol%)を用い、ArとNとの混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:N=25:28)で、ガス圧0.07Pa、DC電源の電力を2.1kWとして、モリブデン、シリコン、窒素からなるMoSiN膜を50nmの膜厚で形成した。
 次いで、Mo:Si=4mol%:96mol%のターゲットを用い、ArとOとNとHe(ガス流量比 Ar:O:N:He=6:3:11:17)で、ガス圧0.1Pa、DC電源の電力を3.0kWで、モリブデン、シリコン、酸素、窒素からなるMoSiON膜を10nmの膜厚で形成した。遮光膜の合計膜厚は60nmとした。遮光膜の光学濃度(OD)はArFエキシマレーザー露光光の波長193nmにおいて3.0であった。
 次に、上記MoSi系遮光膜の上に、以下のCr系エッチングマスク膜を成膜した。
 具体的には、スパッタターゲットにクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.2Pa,ガス流量比 Ar:CO:N:He=20:35:5:30)とし、DC電源の電力を1.7kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚10nmのCrOCN層を成膜した。
 原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記エッチングマスク膜の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.52nmであった。
 以上のようにして、ガラス基板上にMoSi系遮光膜とCr系エッチングマスク膜を積層したマスクブランクに対し、高濃度オゾンガス(100体積%)とエチレンガスとを供給して、Cr系エッチングマスク膜の表面近傍で混合し、Cr系エッチングマスク膜の表面に高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる処理を行った。この場合の高濃度オゾンガスとエチレンガスの流量比率は2:1とした。処理時間(高濃度オゾンガスとエチレンガスとを作用させる時間)は10分とし、基板は60℃に加熱した。
 以上のようにして、ガラス基板上にパターン形成用MoSi系遮光膜およびCr系エッチングマスク膜を有するバイナリマスクブランクを作製した。
 作製されたバイナリマスクブランクの上記Cr系エッチングマスク膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、エッチングマスク膜の表層部分に厚さ略1nmの被膜(表面改質層)が形成されていた。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記表面改質層の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.43nmであった。上述の高濃度オゾンガスとエチレンガスによる処理を施す前のエッチングマスク膜の表面の表面粗さRa=0.52nmと比べて、表面粗さは処理前後0.09nm減少しており(減少率は0.09÷0.52×100=17%)、表面粗さの劣化はなく、表面粗さが小さくなった。
 また、断面TEM観察を行ったところ、処理前後で、表面粗さの低減及びグレインサイズの低減が確認された。
 次に、上記のバイナリ用マスクブランクを用いて、バイナリマスクを作製した。
 まず、上記マスクブランク上に、レジスト膜として、電子線描画用化学増幅型ネガレジスト膜(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 SLV08)を形成した。レジスト膜の形成は、スピンナー(回転塗布装置)を用いて、回転塗布した。上記レジスト膜を塗布後、所定の加熱乾燥処理を行った。レジスト膜の膜厚は165nmとした。
 次に上記マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、電子線描画装置を用いて所望のパターン描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターンを形成した。このとき、レジストパターンの倒れや欠けは発生しなかった。LSパターン、SRAFパターンを確認したが、ハーフピッチ32nmの微細パターンが解像されていた。
 次に、上記レジストパターンをマスクとして、エッチングマスク膜のエッチングを行った。ドライエッチングガスとして、ClとOの混合ガスを用いた。続いて、エッチングマスク膜に形成されたパターンをマスクとして、上記MoSi系遮光膜(MoSiN/MoSiON)のエッチングを行って遮光膜パターンを形成した。ドライエッチングガスとして、SFとHeの混合ガスを用いた。
 次に、残存するレジストパターンを剥離し、さらに上記エッチングマスク膜パターンをエッチングにより除去した。
 こうして得られたMoSi系バイナリマスクは、32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成されていた。
(比較例)
 実施例1において、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜を積層したマスクブランクに対し、遮光膜の表面に高濃度オゾンガスとエチレンガスのとを作用させる処理を省いたこと以外は、実施例1と同様にして位相シフトマスクブランクを作製した。
 作製した本比較例の位相シフトマスクブランクの上記遮光膜の表層部分の組成をX線光電子分光法で表面に対する検出器の傾きを30°として詳しく分析したところ、元素組成(原子%比)は、Cr:18.5、O:36.1、N:8.5、C:36.9であった。また、クロム原子数を基準としたときの原子数比は、O/Cr=1.94、N/Cr=0.46、C/Cr=1.99である。
 光半透過膜及び遮光膜の光学濃度は、3.0であった。また、ArFエキシマレーザー露光光の波長193nmに対する遮光膜の表面反射率は20%であった。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記遮光膜の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.56nmであった。
 また、本比較例における上記遮光膜をXPSにより分析した結果を前述の図3の(b)および図4の(b)に示しているが、O1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が1.4であった。また、C1sスペクトルにおいては、炭酸塩のピークがほとんどなかった。この分析結果から、主に酸化度の高いクロム酸化物(Crなど)成分や若干の有機系酸素成分などを含むA成分の割合は58%、主に酸化度の低いクロム酸化物成分やクロム酸窒化物成分などを含むB成分の割合は42%であり、前述の実施例の結果と対比すると、相対的にA成分の割合が低く、B成分の割合が高い。
 次に、実施例1と同様に、上記の位相シフトマスクブランクを用いて、ハーフトーン型位相シフトマスクを作製した。
 実施例1と同様にして、上記マスクブランク上にレジストパターンを形成したが、このとき、レジストとの密着性が不十分であることが原因であると考えられるレジストパターンの倒れや欠けが一部に発生していた。また、LSパターン、SRAFパターンを確認したが、ハーフピッチ45nmの微細パターンが十分に解像されていなかった。
得られた位相シフトマスクにおいても、位相シフト膜パターンのCD変化量は、上記レジストパターンの欠陥が原因で、10nm以上と大きく、半導体デザインルールhp45世代以降の転写用マスクとして使用することは困難である。
(実施例5)
 合成石英ガラスからなる透光性基板上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにタンタル(Ta)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)の混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、TaN膜(膜組成 Ta=85原子%,N=15原子%)を膜厚42nmで成膜し、引き続いて、Taターゲットを用い、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス雰囲気で、TaO膜(膜組成 Ta=42原子%,O=58原子%)を膜厚9nmで成膜することにより、TaN膜とTaO膜の積層からなるArFエキシマレーザー(波長193nm)用遮光膜を形成した。なお、各層の膜組成は、AES(オージェ電子分光法)による分析結果である。
 ArFエキシマレーザーに対する遮光膜の光学濃度は3.0であった。また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記遮光膜の表面の表面粗さを測定したところ(測定エリア1μm×1μm)、Ra=0.27nmであった。
 次に、ガラス基板上にTa系遮光膜を成膜したマスクブランクに対し、実施例1と同じ条件で、高濃度オゾンガス(100体積%)とエチレンガスによる処理を施した。
 以上のようにして、ガラス基板上にTa系遮光膜を有するバイナリマスクブランクを作製した。
 作製されたバイナリマスクブランクの上記Ta系遮光膜の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて詳しく観察したところ、Ta系遮光膜の表層部分に厚さ略1.5nmの被膜(表面改質層)が形成されていた。
 また、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、上記表面改質層の表面の表面粗さを測定したところ、表面粗さの劣化はなかった。
 また、断面TEM観察を行ったところ、処理前後で、表面粗さ及びグレインサイズはほとんど変わらないことが確認された。
 次に、上記のバイナリ用マスクブランクを用いて、バイナリマスクを作製した。
 まず、上記マスクブランク上に、膜厚が100nmの電子線描画用化学増幅型ネガレジスト膜を形成した。その後、電子線描画装置を用いて所望のパターン描画を行った後、所定の現像液で現像してレジストパターンを形成した。このとき、レジストパターンの倒れや欠けは発生しなかった。LSパターン、SRAFパターンを確認したが、ハーフピッチ32nmの微細パターンが解像されていた。
 次に、上記レジストパターンをマスクとして、フッ素系(CF)ガスを用いたドライエッチングを行い、TaO膜パターンを形成した。続いて、塩素系(Cl)ガスを用いたドライエッチングを行い、TaN膜パターンを形成した。さらに,30%の追加エッチングを行い、基板1上にTaO膜パターン及びTaN膜パターンの積層膜からなる遮光膜パターンを形成した。続いて、遮光膜パターン上のレジストパターンを剥離した。
 こうして得られたTa系バイナリマスクは、32nmハーフピッチの微細パターンが良好なパターン精度で形成されていた。
1 透光性基板
2 パターン形成用薄膜
3 レジスト膜
10 マスクブランク
20 転写用マスク
 

Claims (14)

  1.  基板上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を有するマスクブランクであって、
     前記薄膜は、炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を有することを特徴とするマスクブランク。
  2.  前記薄膜は積層膜であり、該積層膜の最上層は前記金属として遷移金属を含む材料からなることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3.  前記遷移金属は、クロムであり、
     前記表面改質層は、X線光電子分光法(XPS)によって測定されるO(酸素)1sスペクトルにおいて、結合エネルギーがそれぞれ532eV付近にある第1のピークと530eV付近にある第2のピークとに分離したときに、第2のピーク面積に対する第1のピーク面積の割合が2.0以上であることを特徴とする請求項2に記載のマスクブランク。
  4.  前記遷移金属は、タンタルであることを特徴とする請求項2に記載のマスクブランク。
  5.  前記表面改質層の表面粗さ(Ra)は、0.70nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6.  前記表面改質層の膜厚は、3nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7.  前記薄膜は積層膜であり、該積層膜の最上層は遷移金属およびケイ素を含む材料からなることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  8.  前記薄膜上に形成された化学増幅型レジスト膜を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
  9.  前記化学増幅型レジスト膜はネガ型であることを特徴とする請求項8に記載のマスクブランク。
  10.  請求項1乃至9のいずれかに記載のマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして転写パターンを形成してなることを特徴とする転写用マスク。
  11.  基板上に、転写パターンを形成するための金属を含む材料からなる薄膜を成膜する工程と、
     前記薄膜に対して、前記薄膜の表面に炭化水素を含む酸化膜からなる表面改質層を形成する処理を施す工程と、
    を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  12.  前記処理は、オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとを前記薄膜に作用させることを特徴とする請求項11に記載のマスクブランクの製造方法。
  13.  前記オゾンガスの濃度は、50~100体積%であることを特徴とする請求項12に記載のマスクブランクの製造方法。
  14.  前記不飽和炭化水素は、炭素数1~4の低級不飽和炭化水素であることを特徴とする請求項12又は13に記載のマスクブランクの製造方法。
     
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