JP6728919B2 - フォトマスクおよびフォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクおよびフォトマスクの製造方法 Download PDF

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本発明は、フォトマスクおよびフォトマスクの製造方法に関する。
半導体LSI製造などにおいては、LSIパターンの転写を行うためのマスクであるフォトマスクとして、バイナリマスクや位相シフトマスクが用いられる。近年、LSIパターンの微細化・高集積化に伴い、パターン形成に用いるフォトリソグラフィ技術においては、露光装置の光源が、高圧水銀灯のg線(436nm)、i線(365nm)から、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)へと短波長化が進んでいる。このような短波長の露光光源は短波長で高出力のために、光のエネルギーが高く、露光に用いられているフォトマスク上に時間の経過と共に成長する異物が発生しフォトマスクを汚染するという現象があり、この成長性異物(Haze、曇り、とも称する。)は露光光が短波長であるほど顕著となることが指摘されている。また、フォトマスク上に生じた成長性異物がウェハに転写されるほど大きくなると、半導体素子の回路の断線やショートを引き起こしてしまう。
この短波長の露光光源を用いたときに露光用フォトマスクを汚染する成長性異物の発生は、その大きな要因の一つとして、フォトマスク製造後にフォトマスク表面に残存するフォトマスク洗浄などに用いた酸性物質である硫酸イオンと、フォトマスク使用環境に存在するアンモニアなどの塩基性物質とが、パターン転写の際のエキシマレーザ照射により反応を起こし、硫酸アンモニウム等を生じることにより成長性異物となると言われている。また、ペリクルを構成する部材や露光または保管環境から発生したイオンや有機物がフォトマスク上に吸着し、成長性異物が発生すると言われている。さらに、エキシマレーザの直接の照射だけではなく、エキシマレーザの散乱光を受けることによっても、成長性異物が発生すると考えられる。このため、フォトマスクにおける透明基板の表面および光半透過膜パターンの表面に吸着する硫酸イオンからも成長性異物は発生し得る。
この結果、例えば、位相シフトマスクにおいて、光を透過する部分を構成する露出した透明基板の表面に成長性異物が発生して光を透過する部分を覆ったり、光を半透過する部分を構成する光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生して、光を半透過する部分を覆ったり、または光を透過する部分を覆うようになるまで成長するといった問題が生じている。特に、パターンの寸法が細く密になる先端品のフォトマスクにおいて、透明基板の表面および光半透過膜パターンの表面に発生した異物が光を透過する部分や光を半透過する部分を覆うといった問題は、顕在化しやすい。このようなことから、フォトマスク製造後の検査では無欠陥の良好な品質状態であっても、露光装置でエキシマレーザ照射を繰り返すうちに、フォトマスク上に成長性異物が発生してフォトマスクを汚染し、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなるという問題がある。そして、成長性異物を除去するためには、フォトマスクを洗浄する必要があるが、フォトマスクを洗浄する必要があるために、製品製造のためのコストが増大したり、フォトマスクのパターンが磨耗したりするといった問題が生じている。
このような問題を回避する技術として、例えば、特許文献1に記載の露光用フォトマスクの管理方法が知られている。特許文献1に記載の露光用フォトマスクの管理方法は、ArFエキシマレーザ露光光が適用されるフォトマスク表面に存在する硫酸イオンの吸着量が閾値を超えると、フォトマスク表面に成長性異物が発生すると特定した上で、成長性異物が発生しないフォトマスクの使用期限を設定するものである。
しかしながら、特許文献1に記載の露光用フォトマスクの管理方法では、成長性異物が発生しないフォトマスクの使用期限を設定した上で、使用期限前にフォトマスクを洗浄するといった方法で行われるフォトマスクの管理が手間で煩わしい。また、フォトマスク表面に成長性異物が発生することを回避するためには、やはり、フォトマスクを洗浄する必要がある。
特許第4863064号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フォトマスクにおける透明基板の表面粗さおよび光半透過膜パターンの表面粗さを制御して、透明基板の表面および光半透過膜パターンの表面に吸着する硫酸イオンの吸着量を少なくすることによって、透明基板の表面および光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができるフォトマスクを提供することを主目的とする。
また、遮光膜からなる外枠遮光膜の表面にペリクルを貼付するために用いた粘着材、露光環境中、保管環境中に存在する有機物等に由来する有機物の吸着量を少なくとすることによって、透明基板および光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができるフォトマスクを提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、透明基板および光半透過膜パターンの表面粗さを所定の範囲以下にすることで、硫酸イオンの吸着量を有意に低減できること、さらに、透明基板や光半透過膜パターン等のフォトマスクを構成する部材の表面組成により、有機物の吸着量を有意に低減できること、特に窒素の含有割合を少なくすることで有機物の吸着量を低減できることを新たに発見した。
すなわち、本発明者等は、透明基板および光半透過膜パターンの表面粗さおよび表面組成を同時に制御することで、透明基板および光半透過膜パターンの表面の成長性異物の発生を大きく低減できることを見い出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、透明基板および上記透明基板上に形成された光半透過膜パターンを有し、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、上記透明基板の表面の窒素の含有割合が、5atm%以下であり、上記光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合が、19atm%以下であることを特徴とするフォトマスクを提供する。
本発明によれば、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができる。したがって、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。
上記発明においては、ArFエキシマレーザ露光光が適用され、上記光半透過膜パターンの厚さが80nm以下であることが好ましい。膜厚が薄いと上記光半透過膜パターンの側面積が少なくなり、成長性異物が上記光半透過膜パターンの側面から発生する確率を低くすることができるからである。また膜厚が薄いとパターンのアスペクト比が低くなり、洗浄でパターン倒れなどのダメージが発生しにくいためである。
上記発明においては、上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることが好ましい。ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
上記発明においては、上記光半透過膜パターン上に形成され、所望の光学濃度(OD値)を有する遮光膜からなる遮光膜パターンをさらに有し、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることが好ましい。ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができるからである。
本発明においては、上記光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料であり、上記遮光膜の材料が、クロム系材料であり、上記遮光膜パターンの表面の窒素の含有割合が、7atm%以下であることが好ましい。上記遮光膜パターンを有することにより、上記フォトマスクは、上記遮光膜パターンの表面にも成長性異物が発生することをより抑制できるといった効果や、遮光膜パターンとして外枠遮光膜を含む場合に、上記外枠遮光膜の表面上に粘着材を介して接着されたペリクルを剥がす際にペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去することが容易になるからである。
本発明においては、上記光半透過膜パターンは、上記透明基板上において、ウェハに転写されるパターンが形成されるパターン形成領域の外側である外枠領域に形成された外枠光半透過膜をさらに有し、上記遮光膜パターンが、上記外枠光半透過膜上に形成された外枠遮光膜を有することが好ましい。上述の表面粗さおよび表面成分組成の遮光膜パターンとして、外枠遮光膜を有することにより、上記フォトマスクは、上記外枠遮光膜の表面上に粘着材を介して接着されたペリクルを剥がす際にペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去することが容易になる等の利点があるからである。
本発明においては、上記光半透過膜パターンの材料が窒化ケイ素系材料であり、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2nm以下であることが好ましい。上記半透過膜パターンを用いることにより、上記フォトマスクは、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制できるからである。
本発明においては、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.13nm以下であることが好ましい。上記透明基板を用いることにより、上記フォトマスクは、上記透明基板の表面に成長性異物が発生することを抑制できるからである。
また、本発明は、透明基板および上記透明基板上に形成された光半透過膜を有するフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、上記光半透過膜をエッチングすることにより光半透過膜パターンを形成する光半透過膜パターン形成工程と、上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する平滑化処理工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができる。したがって、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。
本発明においては、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができるという効果を奏する。
本発明のフォトマスクの一例を示す概略断面図である。 透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)および透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量の関係を表すグラフを示す図である。 透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量および透明基板の表面に発生する成長性異物の個数の関係を表すグラフを示す図である。 透明基板の表面積および透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量の関係を表すグラフを示す図である。 本発明のフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 本発明のフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。 光半透過膜パターンの表面のAFM画像である。 遮光膜パターンおよび遮光膜の表面のAFM画像である。 硫酸洗浄した後に光半透過膜パターンの表面に対してArFエキシマレーザを照射した結果を示す図である。 ArFエキシマレーザ照射後の成長性異物(Haze)の発生を評価したSEM画像である。 光半透過膜パターンの表面の異物除去力を評価した結果を示す図である。 フォトマスクにおける合成石英基板および遮光膜の表面に残存するペリクルの粘着材を示す図である。 ペリクル付きフォトマスクの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明のフォトマスクおよびフォトマスクの製造方法について詳細に説明する。
A.フォトマスク
本発明のフォトマスクは、透明基板および上記透明基板上に形成された光半透過膜パターンを有し、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることを特徴とするものである。
ここで、算術平均粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡(AFM)<株式会社日立ハイテクサイエンス社製 L−trace>を用いて測定し、1μm角範囲の高さデータをもとに求めたものである。
図1は、本発明のフォトマスクの一例を示す概略断面図である。図1に示されるフォトマスク100は、トライトーン構造を有する位相シフトマスクである。
図1に示されるフォトマスク100は、透明基板101と、透明基板101上に形成された光半透過膜パターン103と、光半透過膜パターン103上に形成された遮光膜パターン102と、を有する。遮光膜パターン102は光半透過膜パターン103の上面103a上に部分的に形成されている。遮光膜パターン102は、光半透過膜パターン103と合わせて光学濃度(OD値)が3.0以上となるよう調整されたものである。また、光半透過膜パターン103は、透明基板101上において、ウェハに転写されるパターンが形成されるパターン形成領域に形成された光半透過膜パターンである。ここで、本発明において、「パターン形成領域」とは、上記透明基板上において、ウェハに転写されるパターンが形成される領域を意味する。また、本発明において、「トライトーン構造」とは、上記パターン形成領域に上記光半透過膜パターンが形成され、後述する遮光膜パターンが、上記パターン形成領域に形成された上記光半透過膜パターン上に形成された構造を意味する。すなわち、図1に示されるように、上記パターン形成領域に光半透過膜パターン103が形成され、遮光膜パターン102が光半透過膜パターン103上に形成された構造が、トライトーン構造である。
そして、透明基板101の上面101a、光半透過膜パターン103の上面103aおよび側面103b、ならびに遮光膜パターン102の上面102aおよび側面102bの全ての算術平均粗さ(Ra)は0.4nm以下である。
ここで、本発明において、上記光半透過膜パターンは、図1に示される光半透過膜パターン103のような上記パターン形成領域に形成された光半透過膜パターンを有するものを意味する。また、本発明において、上記透明基板の表面は、図1に示される透明基板101の上面101aのような上記透明基板の上面を意味する。なお、上記透明基板の上面は、上記透明基板における上記光半透過膜パターンが形成される面である。さらに、本発明において、上記光半透過膜パターンの表面は、図1に示される光半透過膜パターン103の上面103aのような上記光半透過膜パターンの上面を意味する。なお、上記光半透過膜パターンの上面は、上記光半透過膜パターンにおける上記透明基板に接する下面とは反対側の面である。
本発明によれば、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることによって、上記透明基板の表面積および上記光半透過膜パターンの表面積が小さくなる。このため、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に吸着する硫酸イオンの吸着量を少なくすることができる。これにより、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができる。この結果、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に発生する成長性異物が、フォトマスクの光を透過する部分や光を半透過する部分を覆うことを抑制することができる。これにより、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。
また、本発明のフォトマスクは、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面が滑らかである。このため、ウェハに転写されるパターンの微細化に伴い、上記フォトマスクを洗浄する時に、ダメージが上記ウェハに転写されるパターンに発生することを回避するために、メガソニックなどの物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面は滑らかであるから、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面から異物を容易に除去することができる。
また、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合には、上記光半透過膜パターンの表面のみに成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分を覆うようになる。このため、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることによって、上記光半透過膜パターンの表面のみの算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
さらに、フォトマスクを使用し続けるとペリクルが劣化するために、フォトマスクから一度ペリクルを剥がし、フォトマスクを洗浄し、再度ペリクルをフォトマスクに装着する作業を行わなければならない。そして、フォトマスクにおいて、後述する外枠領域に上記光半透過膜パターンおよび後述する遮光膜パターンが形成されておらず、上記外枠領域において上記透明基板が露出している場合には、ペリクルは、上記外枠領域において上記透明基板の表面上に粘着材を介して接着される。この結果、フォトマスクからペリクルを剥がす際には、ペリクルの粘着材が多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存してしまう。また、上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材を除去することは困難である。このようなことから、ペリクルの粘着材を除去するためにフォトマスクを多数回洗浄しなければならなくなる。また、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材は、フォトマスクの洗浄等により、フォトマスクの上記パターン形成領域内に散らばり不良となってしまう。さらに、ペリクルの粘着材は有機物であるため、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材は、ガス等が発生し、成長性異物の発生原因になり得る。
これに対して、本発明によれば、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、上記外枠領域において上記透明基板の表面が滑らかであるために、ペリクルの粘着材を上記外枠領域において上記透明基板の表面から除去することが容易になる。これにより、ペリクルの粘着材を上記外枠領域において上記透明基板の表面から除去するためにフォトマスクを洗浄する回数を削減することができる。また、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材が、フォトマスクの洗浄等により、フォトマスクの上記パターン形成領域内に散らばり不良となることを抑制することができる。さらに、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材が、成長性異物の発生原因になることを抑制することができる。これにより、成長性異物が成長し、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。
以下、本発明のフォトマスクの構成について説明する。
1.透明基板
本発明における透明基板は、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものである。
(1)透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)
図2は、透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)および透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量の関係を表すグラフを示す図である。そして、図2に示されるグラフに表される硫酸イオンの吸着量(SO吸着量)は、算術平均粗さ(Ra)に依存して変化するものであり、図2に示されるグラフに表される算術平均粗さ(Ra)および硫酸イオンの吸着量の関係は、透明基板の表面、光半透過膜パターンの表面および側面、ならびに遮光膜パターンの表面および側面において成立するものである。なお、図2に示されるグラフに表される関係は、下記評価条件によって、評価されたものである。
<洗浄条件>
・硫酸洗浄
<イオンクロマト条件>
・DIW 100ml 90℃ 2h抽出
そして、表1は、図2に示されるグラフに表された透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)に対する透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量を示すものである。
また、図3は、透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量および透明基板の表面に発生する成長性異物の個数の関係を表すグラフを示す図である。図3に示されるグラフは、フォトマスクへのArFエキシマレーザ露光光の積算露光量を800J/cm〜3000J/cmまで変えた場合において、透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量と透明基板の表面に発生する成長性異物の個数との関係を示すものである。図3に示されるように、透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量が0.9ng/cm以下の場合には、積算露光量が、800J/cm、1500J/cm、および3000J/cmのいずれの場合においても、成長性異物は発生しない。そして、図3に示されるグラフに表される発生する成長性異物の個数は、硫酸イオンの吸着量に依存して変化するものであり、図3に示されるグラフに表される硫酸イオンの吸着量および発生する成長性異物の個数の関係は、透明基板の表面、光半透過膜パターンの表面および側面、ならびに遮光膜パターンの表面および側面において成立するものである。
一方、図2および表1に示される通り、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量が4.5ppb(0.9ng/cm)以下となる。したがって、図2および表1に示される通り、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量が4.5ppb(0.9ng/cm)以下となるので、上記透明基板の表面に成長性異物が発生することを防止することができる。
上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)は0.4nm以下であれば、特に限定されるものではないが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましく、中でも特に、0.13nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(2)透明基板の表面積
上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記透明基板の表面積は、99800nm以下となる。なお、上記透明基板の表面積は、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)から、画像解析等の方法によって求められるものを意味し、具体的には、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)<株式会社日立ハイテクサイエンス社製 L−trace>を用いて測定し、1μm角範囲の高さデータをもとに求めた算術平均粗さ(Ra)から、画像解析によって求められるものである。
図4は、透明基板の表面積および透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量の関係を表すグラフを示す図である。そして、図4に示されるグラフに表される硫酸イオンの吸着量(SO吸着量)は、表面積に依存して変化するものであり、図4に示されるグラフに表される表面積および硫酸イオンの吸着量の関係は、透明基板の表面、光半透過膜パターンの表面および側面、ならびに遮光膜パターンの表面および側面において成立するものである。なお、図4に示されるグラフに表される関係は、図2に示されるグラフに表される関係と同様に、上述した評価条件によって、評価されたものである。
図4に示される通り、上記透明基板の表面積が、99800nm以下である場合には、上記透明基板の表面の硫酸イオンの吸着量が4.5ppb(0.9ng/cm)以下となるので、上記透明基板の表面に成長性異物が発生することを抑制することができる。このことは、上述したように、図2に示される通り、上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記透明基板の表面に成長性異物が発生することを抑制することができることに対応している。
また、上記透明基板の表面積は、特に限定されるものではないが、中でも、99700nm以下、特に、99600nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(3)透明基板
本発明における透明基板は、特に限定されるものではないが、本発明における透明基板としては、例えば、露光光を高透過率で透過する光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウム等を挙げることができる。中でも、合成石英ガラスが好ましい。多用されており品質が安定し、短波長の露光光の透過率の高いからである。
(4)透明基板の表面の成分組成
上記透明基板の表面の成分組成については、成長性異物の発生を抑制できるものであればよく、透明基板の材料により異なるものである。
このような透明基板の表面の窒素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、5atm%以下であることが好ましく、なかでも3atm%以下であることが好ましく、特に、1atm%以下であることが好ましい。
ここで、窒素の含有割合を低減することで、例えば、ペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物や、露光環境中、保管環境中に存在する有機物の付着を低減できる理由については明確ではないが、表面に窒素原子が存在すると、窒素原子が核となり、有機物が凝集し易くなるためであると推察される。このため、有機物の凝集の原因となる窒素の含有割合を低減することで、透明基板の表面へのペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物等の付着により生じる成長性異物の発生を抑制できると推察される。
また、透明基板の表面の酸素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、50atm%以上であることが好ましく、なかでも55atm%以上であることが好ましく、特に、60atm%以上であることが好ましい。
ここで、酸素の含有割合を増加することで、例えば、ペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物や、露光環境中、保管環境中に存在する有機物の付着を低減できる理由については明確ではないが、表面の酸素の含有割合が多いほど、表面の化学特性が安定し、有機物が吸着しにくくなるためと推察される。このため、酸素の含有割合を増加することで、透明基板の表面へのペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物等の付着を抑制でき、結果として成長性異物の発生を抑制できると推察される。
なお、atm%は、透明基板の表面から検出された元素の合計を100%とした場合の各元素の割合をいうものである。
また、上述の透明基板の成分組成の測定方法については、表面成分組成を精度良く測定できる方法であればよく、例えば、透明基板の最表面から厚み方向に5nmの範囲内における平均の成分組成を測定する方法を用いることができる。
このような測定条件としては、例えば、以下のX線条件、X線取込角度および中和条件を用いることができる。
なお、このような表面組成の測定装置としては、例えば、ULVAC−PHI社製Quantum2000を用いることができる。
以下、光半透過膜パターンおよび遮光膜パターンについての成分組成の測定方法についても、透明基板表面の成分組成の測定方法と同様の方法を用いることができる。
(測定条件)
X線条件:Al mono 200μmφ×30W 15kV
X線取込角度:45°
中和条件:ION/Electron 20μA
2.光半透過膜パターン
本発明における光半透過膜パターンは、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものである。
(1)光半透過膜パターンの表面
上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)は、特に限定されるものではないが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
より具体的には、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば、上記光半透過膜パターンの材料が窒化ケイ素系材料である場合には、0.3nm以下であることが好ましく、なかでも0.2nm以下であることが好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
また、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記光半透過膜パターンの表面積は、99800nm以下となる。なお、本発明において、上記光半透過膜パターンの表面積は、上記透明基板の表面積と同様の方法および評価条件によって、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)から求められるものを意味する。
また、上記光半透過膜パターンの表面積は、特に限定されるものではないが、中でも、99700nm以下、特に、99600nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(2)光半透過膜パターンの側面
上記光半透過膜パターンは、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であれば、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものが好ましい。上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合と同様の効果が得られるからである。具体的には、上記光半透過膜パターンの側面に成長性異物が発生することを抑制することができるからである。また、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記光半透過膜パターンの側面から異物を容易に除去することができるからである。また、上記光半透過膜パターンの側面に成長性異物が発生した場合には、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分を覆うようになる。このため、上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることによって、上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができる。
ここで、本発明において、上記光半透過膜パターンの側面は、上記光半透過膜パターンの表面および上記透明基板の表面の間の面を意味する。より具体的には、上記光半透過膜パターンの側面は、図1に示される光半透過膜パターン103の側面103bのような上記光半透過膜パターンの上面および上記透明基板の上面の間の面を意味する。
上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)は、特に限定されるものではないが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
また、上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記光半透過膜パターンの側面積は、99800nm以下となる。なお、本発明において、上記光半透過膜パターンの側面積は、上記透明基板の表面積と同様の方法および評価条件によって、上記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)から求められるものを意味する。
また、上記光半透過膜パターンの側面積は、特に限定されるものではないが、中でも、99700nm以下、特に、99600nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(3)光半透過膜パターン
上記光半透過膜パターンは、特に限定されるものではないが、上記透明基板上において、上記パターン形成領域の外側である外枠領域に形成された外枠光半透過膜をさらに有するものが好ましい。ここで、本発明において、「外枠領域」とは、上記透明基板上において、上記パターン形成領域の外側である領域を意味する。
また、上記光半透過膜パターンの材料は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンの材料としては、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料および窒化珪素(SiN)系材料等が挙げられる。そして、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料としては、例えば、MoSiO、MoSiN、およびMoSiON等を挙げることができる。窒化珪素(SiN)系材料としては、SiNおよびSiON等を挙げることができる。
さらに、上記光半透過膜パターンの厚さは、特に限定されるものではないが、10nm以上80nm以下であることが好ましい。中でも、70nm以下であることが好ましく、特に、60nm以下であることが好ましい。膜厚が薄いと上記光半透過膜パターンの側面積が少なくなり、成長性異物が上記光半透過膜パターンの側面から発生する確率を低くすることができるからである。また膜厚が薄いとパターンのアスペクト比が低くなり、洗浄でパターン倒れなどのダメージが発生しにくいためである。また、半導体の微細パターンを形成するために用いられる上記光半透過膜の微細パターンをフォトマスクに形成するのに必要となる厚さ、上記光半透過膜パターンを所望の透過率とするのに必要となる厚さが、このような範囲であるからであり、さらには上記光半透過膜パターンの厚さがより薄い方が、上記光半透過膜の微細パターンをフォトマスクに形成する上で有利だからである。
さらに、本発明のフォトマスクは、後述のようにArFエキシマレーザ露光光が適用されるフォトマスクであり、かつ上記光半透過膜パターンの厚さが上述のような好ましい範囲であることが好ましい。後述のように上記光半透過膜パターンの側面に成長性異物が発生し易くなる場合において、上述のように成長性異物が上記光半透過膜パターンの側面から発生する確率を低くすることができるからである。これにより、上記光半透過膜パターンの側面に成長性異物が発生することをよりいっそう顕著に抑制することができるので、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることをよりいっそう顕著に抑制することができるからである。
(4)光半透過膜パターンの表面の成分組成
上記光半透過膜パターンの表面の成分組成については、成長性異物の発生を抑制できるものであればよく、光半透過膜パターンの材料により異なるものである。
このような光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、19atm%以下であることが好ましく、なかでも15atm%以下であることが好ましく、特に、14.5atm%以下であることが好ましい。
また、光半透過膜パターンの表面の酸素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、40atm%以上であることが好ましく、なかでも45atm%以上であることが好ましく、特に、50atm%以上であることが好ましい。
さらに、光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料である場合には、光半透過膜パターンの表面のモリブデンの含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、1.2atm%以下であることが好ましく、なかでも1.1atm%以下であることが好ましく、特に、1.0atm%以下であることが好ましい。
ここで、モリブデンの含有割合を低減することで、例えば、ペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物や、露光環境中、保管環境中に存在する有機物の付着を低減できる理由については明確ではないが、モリブデンは有機物を起因とする成長性異物生成の触媒として作用するためであると推察される。このため、表面のモリブデンの含有割合を低減することで、表面に成長性異物の原因となる有機物が付着した場合でも、それが成長性異物として認識されるまで大きくなることを抑制でき、結果として成長性異物の発生を抑制できると推察される。
なお、窒素の含有割合を低減することまたは酸素の含有割合を増加することにより、ペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物や、露光環境中、保管環境中に存在する有機物の付着を低減できる理由については、上記「1.透明基板」の「(4)透明基板の表面の成分組成」の項に記載の理由と同様であると推察される。
3.フォトマスク
本発明のフォトマスクは、上記フォトマスクであれば、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示されるフォトマスク100のようなトライトーン構造を有する位相シフトマスクでもよい。
本発明のトライトーン構造を有する位相シフトマスクは、特に限定されるものではないが、上記フォトマスクであって、上記光半透過膜パターン上に形成され、所望の光学濃度(OD値)を有する遮光膜からなる遮光膜パターンをさらに有し、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものが好ましい。これにより、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合と同様に、上記遮光膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができる。この結果、上記遮光膜パターンの表面に発生する成長性異物が、フォトマスクの光を透過する部分や光を半透過する部分を覆うようになるまで成長することを抑制することができる。これにより、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができるからである。また、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合と同様に、上記フォトマスクを洗浄する時に、メガソニックなどの物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記遮光膜パターンの表面は滑らかであるから、上記遮光膜パターンの表面から異物を容易に除去することができるからである。
以下、本発明のトライトーン構造を有する位相シフトマスクの構成について、遮光膜パターンの構成を中心に説明する。
本発明における遮光膜パターンは、上記光半透過膜パターン上に形成され、所望の光学濃度(OD値)を有する遮光膜からなるものである。そして、本発明における遮光膜パターンは、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものである。
ここで、本発明において、上記遮光膜パターンは、図1に示される遮光膜パターン102のような、上記パターン形成領域に形成された光半透過膜パターン上に形成された遮光膜パターンを有するものを意味する。また、本発明において、上記遮光膜パターンの表面は、図1に示される遮光膜パターン102の上面102aのような上記遮光膜パターンの上面を意味する。なお、上記遮光膜パターンの上面は、上記遮光膜パターンにおける上記光半透過膜パターンに接する下面とは反対側の面である。
(1)遮光膜パターンの表面
上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)は、特に限定されるものではないが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
より具体的には、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)は、例えば、上記遮光膜の材料が、クロム系材料である場合には、0.4nm以下であることが好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
上記遮光膜パターンの表面の成分組成については、成長性異物の発生を抑制できるものであればよく、遮光膜パターンを構成する遮光膜の材料により異なるものである。
このような遮光膜パターンの表面の窒素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、7atm%以下であることが好ましく、なかでも5atm%以下であることが好ましく、特に、4atm%以下であることが好ましい。
また、遮光膜パターンの表面の酸素の含有割合としては、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減するとの観点からは、40atm%以上であることが好ましく、なかでも45atm%以上であることが好ましく、特に、50atm%以上であることが好ましい。
なお、窒素の含有割合を低減することまたは酸素の含有割合を増加することにより、ペリクルの粘着材等に起因すると考えられる有機物や、露光環境中、保管環境中に存在する有機物の付着を低減できる理由については、上記「1.透明基板」の「(4)透明基板の表面の成分組成」の項に記載の理由と同様であると推察される。
さらに、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記遮光膜パターンの表面積は、99800nm以下となる。なお、本発明において、上記遮光膜パターンの表面積は、上記透明基板の表面積と同様の方法および評価条件によって、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)から求められるものを意味する。
また、上記遮光膜パターンの表面積は、特に限定されるものではないが、中でも、99700nm以下、特に、99600nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(2)遮光膜パターンの側面
上記遮光膜パターンは、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であれば、特に限定されるものではないが、上記遮光膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるものが好ましい。上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合と同様の効果が得られるからである。具体的には、上記遮光膜パターンの側面に成長性異物が発生することを抑制することができるからである。また、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記遮光膜パターンの側面から異物を容易に除去することができるからである。さらに、上記遮光膜パターンの側面に成長性異物が発生した場合には、上記遮光膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分や光を半透過する部分を覆うようになる。このため、上記遮光膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることによって、上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下である場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
ここで、本発明において、上記遮光膜パターンの側面は、上記遮光膜パターンの表面および上記光半透過膜パターンの表面の間の面を意味する。より具体的には、上記遮光膜パターンの側面は、図1に示される遮光膜パターン102の側面102bのような上記遮光膜パターンの上面および上記光半透過膜パターンの上面の間の面を意味する。
上記遮光膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)は、特に限定されるものではないが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
また、上記遮光膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が、0.4nm以下である場合には、上記遮光膜パターンの側面積は、99800nm以下となる。なお、本発明において、上記遮光膜パターンの側面積は、上記透明基板の表面積と同様の方法および評価条件によって、上記遮光膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)から求められるものを意味する。
また、上記遮光膜パターンの側面積は、特に限定されるものではないが、中でも、99700nm以下、特に、99600nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
(3)遮光膜パターン
上記遮光膜パターンは、特に限定されるものではないが、上記外枠領域に形成された上記外枠光半透過膜上に形成された外枠遮光膜をさらに有し、上記外枠遮光膜の表面の算術平均粗さ(Ra)が上記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)として0.4nm以下であるものが好ましい。これは、以下の理由からである。
フォトマスクを使用し続けるとペリクルが劣化するために、フォトマスクから一度ペリクルを剥がし、フォトマスクを洗浄し、再度ペリクルをフォトマスクに装着する作業を行わなければならない。そして、フォトマスクにおいて、上記遮光膜パターンが、上記外枠遮光膜をさらに有する場合には、ペリクルは、上記外枠遮光膜の表面上に粘着材を介して接着される。この結果、フォトマスクからペリクルを剥がす際には、ペリクルの粘着材が多量に上記外枠遮光膜の表面上に残存してしまう。また、上記外枠遮光膜の表面上に残存するペリクルの粘着材を除去することは困難である。このようなことから、ペリクルの粘着材を除去するためにフォトマスクを多数回洗浄しなければならなくなる。また、多量に上記外枠遮光膜の表面上に残存するペリクルの粘着材は、フォトマスクの洗浄等により、フォトマスクの上記パターン形成領域内に散らばり不良となってしまう。さらに、ペリクルの粘着材は有機物であるため、多量に上記外枠遮光膜の表面上に残存するペリクルの粘着材は、ガス等が発生し、成長性異物の発生原因になり得る。
これに対して、本発明によれば、上記外枠遮光膜の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、上記外枠遮光膜の表面が滑らかであるために、ペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去することが容易になる。これにより、ペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去するためにフォトマスクを洗浄する回数を削減することができる。また、多量に上記外枠遮光膜の表面上に残存するペリクルの粘着材が、フォトマスクの洗浄等により、フォトマスクの上記パターン形成領域内に散らばり不良となることを抑制することができる。さらに、多量に上記外枠遮光膜の表面上に残存するペリクルの粘着材が、成長性異物の発生原因になることを抑制することができる。これにより、成長性異物が成長し、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。したがって、上記遮光膜パターンは、上記外枠領域に形成された外枠光半透過膜上に形成された外枠遮光膜をさらに有するものが好ましい。
上記外枠遮光膜の表面の算術平均粗さ(Ra)は0.4nm以下であることが好ましいが、中でも、0.3nm以下が好ましく、特に、0.2nm以下が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。また、上記外枠遮光膜の表面上に粘着材を介して接着されたペリクルを剥がす際にペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去することがより容易になるからである。
上記外枠遮光膜の表面の算術平均粗さ(Ra)は、より具体的には、上記「(1)遮光膜パターンの表面」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記外枠遮光膜の表面の成分組成については、ペリクルの粘着材を上記外枠遮光膜の表面から除去することが容易になるものであればよく、遮光膜パターンを構成する遮光膜の材料により異なるものであるが、例えば、上記「(1)遮光膜パターンの表面」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(4)遮光膜
上記遮光膜は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンと合わせて光学濃度(OD値)が、3.0以上となるように調整されたものが好ましい。露光時に所望の部分において必要な遮光性を得ることができるからである。
また、上記遮光膜の材料は、特に限定されるものではないが、上記遮光膜の材料としては、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料、クロム(Cr)系材料等を挙げることができる。そして、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料としては、MoSiO、MoSiN、MoSiON等を挙げることができる。クロム(Cr)系材料としては、Cr、CrO、CrN、CrON等を挙げることができる。
本発明においては、例えば、上記光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料である場合には、上記遮光膜の材料としてクロム系材料を用いることができる。
さらに、上記遮光膜の厚さは、その材料の種類により異なるものであり、特に限定されるものではないが、10nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも、10nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、特に、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。上記厚さがあれば、上記光半透過膜パターンと合わせて、3.0以上の光学濃度(OD値)を確保できるからである。
本発明においては、上記遮光膜パターンの表面積を小さくできるとの観点からは、上記遮光膜の厚さが、65nm以下であることが好ましい。
(5)フォトマスク
本発明のフォトマスクは、上記フォトマスクであれば、特に限定されるものではないが、ArFエキシマレーザ露光光が適用されるフォトマスクであることが好ましい。ArFエキシマレーザ露光光はエネルギーが高いため、上記透明基板の表面、上記光半透過膜パターンの表面および側面、ならびに上記遮光膜の表面および側面に成長性異物が発生し易くなるので、上記透明基板の表面、上記光半透過膜パターンの表面および側面、ならびに上記遮光膜の表面および側面に成長性異物が発生することを顕著に抑制することができる。これにより、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
(6)その他
本発明のフォトマスクは、遮光膜パターンの態様として、上記パターン形成領域に形成された光半透過膜パターン上に形成された遮光膜パターンを少なくとも有する態様以外にもその他の態様を有することができる。
上記その他の態様としては、遮光膜パターンが、パターン形成領域内に形成された遮光膜パターンを含まず、外枠遮光膜のみを有する態様を挙げることができる。
したがって、光半透過膜パターン上に形成された遮光膜パターンとしては、外枠遮光膜を含む場合には、例えば、外枠遮光膜のみを含むもの、または、外枠遮光膜およびパターン形成領域に形成された遮光膜パターンの両者を含むものとすることができる。
B.フォトマスクの製造方法
本発明のフォトマスクの製造方法は、透明基板および上記透明基板上に形成された光半透過膜を有するフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、上記光半透過膜をエッチングすることにより光半透過膜パターンを形成する光半透過膜パターン形成工程と、上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する平滑化処理工程と、を有することを特徴とするものである。
図5および図6は、本発明のフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程断面図である。図5および図6に示されるフォトマスクの製造方法は、トライトーン構造を有する位相シフトマスクの製造方法である。以下、図5および図6に示されるトライトーン構造を有する位相シフトマスクの製造方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、透明基板101と、透明基板101および遮光膜202の間に形成された光半透過膜203と、光半透過膜203上に形成された遮光膜202と、を有するフォトマスクブランクス200を準備する。遮光膜202は、光半透過膜203と合わせて光学濃度(OD値)が3.0以上となるよう調整されたものである。また、遮光膜202は、クロム(Cr)系材料から構成される。また、光半透過膜203は、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される。
次に、図5(b)に示すように、遮光膜202上に電子線レジストを塗布し、レジスト層205を形成する。次に、図5(c)に示すように、電子線描画装置によってレジスト層205をパターン露光し、レジスト専用の現像液により現像し、所望形状のレジストパターン105を形成する。
次に、図5(d)に示すように、所望形状のレジストパターン105をエッチングマスクとして、ドライエッチング装置によって、反応性エッチングガスを用い、遮光膜202をドライエッチングして、遮光膜202を後述する光半透過膜パターン103の形状にエッチング加工する。
次に、図5(e)に示すように、所望形状のレジストパターン105を除去する。次に、図5(f)に示すように、光半透過膜パターン103の形状にエッチング加工された遮光膜202をエッチングマスクとして、ドライエッチング装置によって、反応性エッチングガスを用い、光半透過膜203をドライエッチングする。これにより、上記パターン形成領域に光半透過膜パターン103を形成する。
次に、図6(a)に示すように、遮光膜202上に電子線レジストを塗布し、レジスト層205を形成する。次に、図6(b)に示すように、電子線描画装置によってレジスト層205をパターン露光し、レジスト専用の現像液により現像し、所望形状のレジストパターン105を形成する。
次に、図6(c)に示すように、所望形状のレジストパターン105をエッチングマスクとして、ドライエッチング装置によって、反応性エッチングガスを用い、遮光膜202をドライエッチングする。これにより、上記パターン形成領域に遮光膜パターン102を形成する。
次に、図6(d)に示すように、所望形状のレジストパターン105を除去する。次に、図6(e)に示すように、透明基板101の上面101a、光半透過膜パターン103の上面103aおよび側面103b、ならびに遮光膜パターン102の上面102aおよび側面102bの全ての算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行う。これにより、透明基板101の上面101a、光半透過膜パターン103の上面103aおよび側面103b、ならびに遮光膜パターン102の上面102aおよび側面102bの全ての算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であるフォトマスク100が得られる。フォトマスク100はトライトーン構造を有する位相シフトマスクである。ここで、本発明において、上記透明基板の表面および上記光半透過膜パターンの表面は、「A.フォトマスク」の項目に記載した内容と同一の内容を意味する。
本発明によれば、上記光半透過膜パターンの表面が平滑化されたフォトマスクが得られる。これにより、上記光半透過膜パターンの表面に吸着する硫酸イオンの吸着量を少なくすることができるので、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができる。また、上記光半透過膜パターンの表面を滑らかにすることができるので、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記光半透過膜パターンの表面から異物を容易に除去することができるフォトマスクを得ることができる。これらの結果、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができる。
以下、本発明のフォトマスクの製造方法の構成について説明する。
1.フォトマスクブランクス準備工程
本発明におけるフォトマスクブランクス準備工程は、透明基板および上記透明基板上に形成された光半透過膜を有するフォトマスクブランクスを準備する工程である。
上記透明基板の構成は、「A.フォトマスク 1.透明基板」の項目に記載の透明基板の構成と同様である。このため、ここでの説明は省略する。
上記光半透過膜の材料および厚さは、「A.フォトマスク 2.光半透過膜パターン」の項目に記載の光半透過膜パターンの材料および厚さと同様である。このため、ここでの説明は省略する。
上記フォトマスクブランクス準備工程は、特に限定されるものではないが、上記フォトマスクブランクスとして、上記透明基板と、上記透明基板上に形成された上記光半透過膜と、上記光半透過膜上に形成された遮光膜と、を有するフォトマスクブランクスを準備する工程が好ましい。上記平滑化処理工程において、上記透明基板の表面、上記光半透過膜パターンの表面、および後述する遮光膜パターンの表面を平滑化することができるからである。
上記遮光膜の構成は、「A.フォトマスク 3.フォトマスク (1).遮光膜パターン」の項目に記載の遮光膜の構成と同様である。このため、ここでの説明は省略する。
2.光半透過膜パターン形成工程
本発明における光半透過膜パターン形成工程は、上記光半透過膜をエッチングすることにより光半透過膜パターンを形成する工程である。本発明において、上記光半透過膜パターンは、図5に示される光半透過膜パターン103のように、上記パターン形成領域に形成される。
上記光半透過膜パターン形成工程は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜をエッチングする方法としては、上記光半透過膜がモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成されている場合は、例えば、フッ素系ガス、例えば、SF、CF、CHF、Cや、これらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガス等をエッチングガスとして用いてドライエッチングする方法等が挙げられる。また、上記光半透過膜が窒化珪素(SiN)系材料から構成されている場合は、例えば、フッ素系ガス、例えば、SF、CF、CHF、Cや、これらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガス等をエッチングガスとして用いてドライエッチングする方法等が挙げられる。
3.平滑化処理工程
本発明における平滑化処理工程は、上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する工程である。
上記平滑化処理工程は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンの表面とともに、上記透明基板の表面を平滑化する工程が好ましい。上記透明基板の表面に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができるからである。また、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記透明基板の表面から異物を容易に除去することができるフォトマスクを得ることができるからである。さらに、上記透明基板の表面に成長性異物が発生した場合には、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分を覆うようになる。このため、上記透明基板の表面を平滑化することによって、上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。さらに、上記外枠領域において上記透明基板の表面が滑らかであるために、ペリクルの粘着材を上記外枠領域において上記透明基板の表面から除去することが容易になるフォトマスクを得ることができる。これにより、ペリクルの粘着材を上記外枠領域において上記透明基板の表面から除去するためにフォトマスクを洗浄する回数を削減し易いフォトマスクを得ることができる。また、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材が、フォトマスクの洗浄等により、フォトマスクの上記パターン形成領域内に散らばり不良となりにくいフォトマスクを得ることができる。さらに、多量に上記外枠領域において上記透明基板の表面上に残存するペリクルの粘着材が、成長性異物の発生原因になりにくいフォトマスクを得ることができる。
上記平滑化処理工程は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方を平滑化する工程が好ましい。上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができるからである。また、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方から異物を容易に除去することができるフォトマスクを得ることができるからである。さらに、上記光半透過膜パターンの側面に成長性異物が発生した場合には、上記光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分を覆うようになる。このため、上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方を平滑化することによって、上記光半透過膜パターンの表面のみを平滑化する場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
上記平滑化処理工程は、特に限定されるものではないが、上記光半透過膜パターンの表面もしくは側面、または上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする工程が好ましい。上記光半透過膜パターンの表面もしくは側面、または上記透明基板の表面に成長性異物が発生しないフォトマスクを得ることができるからである。上記平滑化処理工程としては、中でも、上記光半透過膜パターンの表面もしくは側面、または上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.3nm以下にする工程が好ましく、特に、上記光半透過膜パターンの表面もしくは側面、または上記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.2nm以下にする工程が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ドライエッチングによって平滑化する方法、ウエットエッチングによって平滑化する方法、UVなどの光を照射することによって平滑化する方法、加熱することによって平滑化する方法等が挙げられる。
上記ドライエッチングによって平滑化する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩素系のガス、フッ素系のガス、酸素系のガス等を用いてプラズマ処理を行う方法等が挙げられる。中でも、上記光半透過膜パターンがモリブデンシリサイド(MoSi)系材料および窒化珪素(SiN)系材料から構成される場合には、塩素系のガスまたは酸素系ガスを用いてプラズマ処理を行う方法等が好ましい。
そして、上記ドライエッチングによって平滑化する方法では、等方的なプラズマ処理を行うことによって、上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方を同等に平滑化することができる。
また、上記ウエットエッチングによって平滑化する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ洗浄液や酸性洗浄液等の濃度を調整した溶液を用いたウエットエッチングを行う方法等が挙げられる。中でも、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料および窒化珪素(SiN)系材料のようなSi系材料から構成される光半透過膜パターンに対しては、アルカリ洗浄液や、フッ酸水溶液(HF、NHF等)、リン酸溶液(HPO:HNO)等のような酸性洗浄液等を用いたウエットエッチングを行う方法等が好ましい。
そして、上記ウエットエッチングによって平滑化する方法では、ウエットエッチングは一般に等法的な処理であるために、上記光半透過膜パターンの表面および側面の両方を同等に平滑化することができる。
以上に挙げた表面を平滑化する方法によれば、上記光半透過膜パターンの表面および側面だけではなく、上記平滑化処理工程において、上記透明基板の表面を平滑化することもできる。
さらに、上記方法によれば、上記平滑化処理工程において、上記遮光膜パターンの表面も平滑化することができる。
本工程においては、表面を平滑化する方法が、表面を平滑するとともに、光半透過膜パターンの表面の成分組成を調整する方法であることが好ましい。
本工程においては、上記平滑化方法が、例えば、光半透過膜パターン表面の窒素の含有割合を減少させる方法とすることができ、なかでも20atm%以上減少させる方法であることが好ましく、特に25atm%以上減少させる方法であることが好ましく、なかでも特に30atm%以上減少させる方法であることが好ましい。上記平滑化方法であることで、本工程により形成される光半透過膜パターンは、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減可能となるからである。
本工程においては、上記平滑化方法が、光半透過膜パターン表面の酸素の含有割合を増加させる方法とすることができ、なかでも10atm%以上増加させる方法であることが好ましく、特に20atm%以上増加させる方法であることが好ましく、なかでも特に40atm%以上増加させる方法であることが好ましい。上記平滑化方法であることで、本工程により形成される光半透過膜パターンは、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減可能となるからである。
本工程においては、光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料である場合には、光半透過膜パターンの表面のモリブデンの含有割合を減少させる方法とすることができ、なかでも0.6atm%以上減少させる方法であることが好ましく、特に1.0atm%以上減少させる方法であることが好ましい。上記平滑化方法であることで、本工程により形成される光半透過膜パターンは、成長性異物の発生原因となる有機物の付着を低減可能となるからである。
このような表面を平滑化するとともに、光半透過膜パターンの表面の成分組成を調整することもできる平滑化方法としては、具体的には、ドライエッチングによって平滑化する方法であることが好ましい。上記平滑化方法は、プラズマ処理に用いるガスの種類、プラズマ処理の回数を調整することで、表面成分組成の調整を容易に行うことができるからである。
ガスの種類およびプラズマ処理の回数の組み合わせとしては、例えば、光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料であり、窒素の含有割合を低減し、酸素の含有割合を増加し、モリブデンシリサイドの含有割合を低減する観点からは、塩素系のガスを用いた塩素プラズマ処理を行った後に、酸素系のガスを用いた酸素プラズマ処理を行う組み合わせ等を挙げることができる。
4.フォトマスクの製造方法
本発明のフォトマスクの製造方法は、上記フォトマスクの製造方法であれば、特に限定されるものではないが、図5および図6に示されるようなトライトーン構造を有する位相シフトマスクの製造方法であって、上記フォトマスクブランクス準備工程において、上記フォトマスクブランクスとして、上記透明基板と、上記透明基板上に形成された上記光半透過膜と、上記光半透過膜上に形成された遮光膜と、を有するフォトマスクブランクスを準備し、上記遮光膜をエッチングすることにより上記遮光膜パターンを形成する遮光膜パターン形成工程を、さらに有するものでもよい。
本発明における遮光膜パターン形成工程は、上記遮光膜をエッチングすることにより上記遮光膜パターンを形成する工程である。本発明において、上記遮光膜パターンは、図6に示される遮光膜パターン102のように、上記パターン形成領域に形成される上記光半透過膜パターン上に形成される。
上記遮光膜パターン形成工程は、特に限定されるものではないが、上記遮光膜をエッチングする方法としては、上記遮光膜がモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成されている場合は、例えば、フッ素系ガス、例えば、SF、CF、CHF、Cや、これらの混合ガス、あるいはこれらのガスに酸素を混合したガス等をエッチングガスとして用いてドライエッチングする方法等が挙げられる。また、上記遮光膜がクロム(Cr)系材料から構成されている場合は、例えば、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガス等をエッチングガスとして用いてドライエッチングする方法等が挙げられる。
上記フォトマスクの製造方法は、特に限定されるものではないが、上記平滑化処理工程が、上記遮光膜パターンおよび上記光半透過膜パターンの両方の表面を平滑化する工程であるものが好ましい。上記遮光膜パターンおよび上記光半透過膜パターンの両方の表面に吸着する硫酸イオンの吸着量を少なくすることができるので、上記遮光膜パターンおよび上記光半透過膜パターンの両方の表面に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができるからである。また、上記遮光膜パターンおよび上記光半透過膜パターンの両方の表面を滑らかにすることができるので、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記遮光膜パターンおよび上記光半透過膜パターンの両方の表面から異物を容易に除去することができるフォトマスクを得ることができるからである。これらの結果、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを抑制することができるからである。ここで、本発明において、上記遮光膜パターンの表面は、「A.フォトマスク 3.フォトマスク」の項目に記載した内容と同一の内容を意味する。
上記フォトマスクの製造方法は、特に限定されるものではないが、上記平滑化処理工程が、上記遮光膜パターンの表面および側面の両方を平滑化する工程が好ましい。上記遮光膜パターンの表面および側面の両方に成長性異物が発生しにくいフォトマスクを得ることができるからである。また、上記フォトマスクを洗浄する時に、物理洗浄ツール等の出力を弱めたとしても、上記遮光膜パターンの表面および側面の両方から異物を容易に除去することができるフォトマスクを得ることができるからである。さらに、上記遮光膜パターンの側面に成長性異物が発生した場合には、上記遮光膜パターンの表面に成長性異物が発生した場合とは異なり、上記成長性異物がそれほど大きく成長しなくても光を透過する部分や光を半透過する部分を覆うようになる。このため、上記遮光膜パターンの表面および側面の両方を平滑化することによって、上記遮光膜パターンの表面のみを平滑化する場合よりも、ウェハへの良好なパターン転写像が得られなくなることを顕著に抑制することができるからである。
上記平滑化処理工程は、特に限定されるものではないが、上記遮光膜パターンの表面または側面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする工程が好ましい。上記遮光膜パターンの表面または側面に成長性異物が発生しないフォトマスクを得ることができるからである。上記平滑化処理工程としては、中でも、上記遮光膜パターンの表面または側面の算術平均粗さ(Ra)を0.3nm以下にする工程が好ましく、特に、上記遮光膜パターンの表面または側面の算術平均粗さ(Ra)を0.2nm以下にする工程が好ましい。より硫酸イオンの吸着量が少ないからである。
上記遮光膜パターンの表面を平滑化する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、「3.平滑化処理工程」の項目に記載の上記光半透過膜パターンの表面を平滑化する方法と同様の方法が挙げられる。そして、上記ドライエッチングによって平滑化する方法としては、中でも、上記遮光膜パターンがクロム(Cr)系材料から構成される場合には、フッ素系のガスまたは酸素系のガスを用いてプラズマ処理を行う方法等が好ましく、上記遮光膜パターンがモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される場合には、塩素系のガスを用いてプラズマ処理を行う方法等が好ましい。また、上記ウエットエッチングによって平滑化する方法としては、中でも、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料のようなSi系材料から構成される遮光膜パターンに対しては、アルカリ洗浄液や、フッ酸水溶液(HF、NHF等)、リン酸溶液(HPO:HNO)等のような酸性洗浄液等を用いたウエットエッチングを行う方法等が好ましく、クロム(Cr)系材料から構成される遮光膜パターンに対しては、アルカリ洗浄液や、硝酸第二セリウムアンモニウム、過塩素酸等のような酸性洗浄液等を用いたウエットエッチングを行う方法等が好ましい。
さらに、上記遮光膜パターンの側面を平滑化する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、「3.平滑化処理工程」の項目に記載の上記光半透過膜パターンの側面をドライエッチングによって平滑化する方法、上記光半透過膜パターンの側面をウエットエッチングによって平滑化する方法と同様の方法が挙げられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成されたモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成されたハードマスク層(遮光膜)とを有するフォトマスクブランクス(HOYA社製A61A−TFC)を準備した。
次に、ハードマスク層上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層を後述する光半透過膜パターンの形状にエッチング加工した。これにより、ハードマスク層パターンを形成した。
次に、ハードマスク層パターンをエッチングマスクとして、光半透過膜をエッチングし、光半透過膜パターンを形成した。次に、ハードマスク層パターン上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングにより、ハードマスク層パターンをさらにエッチング加工した。これにより、遮光膜パターンを形成して、平滑化処理前のフォトマスク(位相シフトマスク)を作製した。
次に、光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行った。具体的には、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングによって、平滑化処理を行った。これにより、フォトマスク(位相シフトマスク)を作製した。
[実施例2]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成された窒化珪素(SiN)系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成されたハードマスク層(遮光膜)とを有するフォトマスクブランクス(SiN)を準備した。
次に、ハードマスク層上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層を後述する光半透過膜パターンの形状にエッチング加工した。これにより、ハードマスク層パターンを形成した。
次に、ハードマスク層パターンをエッチングマスクとして、光半透過膜をエッチングし、光半透過膜パターンを形成した。次に、ハードマスク層パターン上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングにより、ハードマスク層パターンをエッチング加工した。これにより、遮光膜パターンを形成して、平滑化処理前のフォトマスク(位相シフトマスク)を作製した。次に、光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行った。具体的には、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングによって、平滑化処理を行った。これにより、フォトマスク(位相シフトマスク)を作製した。
[参考例1]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成されたモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される遮光膜と、遮光膜上に形成されたハードマスク層とを有するフォトマスクブランクス(信越化学社製W0G)を準備した。
次に、ハードマスク層上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層を後述する遮光膜パターンの形状にエッチング加工した。これにより、ハードマスク層パターンを形成した。
次に、ハードマスク層パターンをエッチングマスクとして、遮光膜をエッチングし、遮光膜パターンを形成した。次に、ドライエッチングにより、ハードマスク層パターンを除去した。これにより、平滑化処理前のフォトマスク(バイナリマスク)を作製した。次に、遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行った。具体的には、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングによって、平滑化処理を行った。これにより、フォトマスク(バイナリマスク)を作製した。
[参考例2]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成されたモリブデンシリサイド(MoSi)系材料から構成される遮光膜と、遮光膜上に形成されたハードマスク層とを有するフォトマスクブランクス(信越化学社製W0G)を準備した。
次に、ハードマスク層上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層を後述する遮光膜パターンの形状にエッチング加工した。これにより、ハードマスク層パターンを形成した。
次に、ハードマスク層パターンをエッチングマスクとして、遮光膜をエッチングし、遮光膜パターンを形成した。次に、ドライエッチングにより、ハードマスク層パターンを除去した。これにより、平滑化処理前のフォトマスク(バイナリマスク)を作製した。次に、遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行った。具体的には、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングによって、平滑化処理を行った。これにより、フォトマスク(バイナリマスク)を作製した。
[参考例3]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成されたCr膜から構成される遮光膜と、遮光膜上に形成されたハードマスク層とを有するフォトマスクブランクスを準備した。
次に、ハードマスク層上に所望形状のレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層を後述する遮光膜パターンの形状にエッチング加工した。これにより、ハードマスク層パターンを形成した。
次に、ハードマスク層パターンをエッチングマスクとして、遮光膜をエッチングし、遮光膜パターンを形成した。次に、ドライエッチングにより、ハードマスク層パターンを除去した。これにより、平滑化処理前のフォトマスク(バイナリマスク)を作製した。
次に、遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行った。具体的には、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングによって、平滑化処理を行った。これにより、フォトマスク(バイナリマスク)を作製した。
[比較例1]
実施例1と同様に、平滑化処理前のフォトマスク(位相シフトマスク)を作製した。
[比較例2]
まず、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板(透明基板)と、合成石英基板上に形成されたCr膜から構成される遮光膜と、遮光膜上に形成されたハードマスク層とを有するフォトマスクブランクスを準備した。比較例2については、後述する評価において、フォトマスクではなく、このフォトマスクブランクスを評価対象とした。
[評価1]
実施例1〜2(全実施例)のフォトマスクが共通して有する合成石英基板、実施例1および2のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターン、参考例1〜3のフォトマスク(バイナリマスク)における遮光膜パターン、比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターン、ならびに比較例2のフォトマスクブランクスにおける遮光膜ついて、表面の算術平均粗さ(Ra)[nm]、表面積[nm]、表面の二乗平均粗さ(RMS)[nm]、最大高低差(Rmax)[nm]、ならびに硫酸洗浄した後の表面への硫酸イオンの吸着量[ppb]およびアンモニアイオンの吸着量[ppb]を評価した。算術平均粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡(AFM)<株式会社日立ハイテクサイエンス社製 L−trace>を用いて測定し、1μm角範囲の高さデータをもとに求めたものである。具体的には、下記評価条件によって、評価した。
<表面積評価条件>
・AFMで1μm角をスキャン。
<洗浄条件>
・硫酸洗浄
<イオンクロマト条件>
・DIW 100ml 90℃ 2h抽出
<硫酸イオンの吸着量評価条件>
・上記で抽出した水をイオンクロマトグラフで定量分析。
<アンモニアイオンの吸着量評価条件>
・上記で抽出した水をイオンクロマトグラフで定量分析。
その評価結果を下記の表2に示した。
また、図2は、表2に示した実施例1および2、参考例1〜3、ならびに比較例1および2に係る表面の算術平均粗さ(Ra)[nm]および硫酸イオンの吸着量[ppb]の関係を表すグラフを示したものである。そして、図2に示されるグラフに表される硫酸イオンの吸着量は、算術平均粗さ(Ra)に依存して変化するものであり、図2に示されるグラフに表される算術平均粗さ(Ra)および硫酸イオンの吸着量の関係は、遮光膜パターンの表面および側面、透明基板の表面、ならびに光半透過膜パターンの表面および側面において成立するものである。さらに、図4は、表2に示した実施例1および2、参考例1〜3、ならびに比較例1および2に係る表面積[nm2]および硫酸イオンの吸着量[ppb]の関係を表すグラフを示したものである。そして、図4に示されるグラフに表される硫酸イオンの吸着量は、表面積に依存して変化するものであり、図4に示されるグラフに表される表面積および硫酸イオンの吸着量の関係は、遮光膜パターンの表面および側面、透明基板の表面、ならびに光半透過膜パターンの表面および側面において成立するものである。
また、図7は、光半透過膜パターンの表面のAFM画像である。図7(a)および図7(b)には、それぞれ、実施例1のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.3875nm)および比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.5276nm)のAFM画像が示されている。また、図8は、遮光膜パターンおよび遮光膜の表面のAFM画像である。図8(a)および図8(b)には、それぞれ、参考例3のフォトマスク(バイナリマスク)における遮光膜パターンの表面(Ra=0.2887nm)および比較例2のフォトマスクブランクスにおける遮光膜の表面(Ra=0.8566nm)のAFM画像が示されている。
図7(a)および図7(b)に示されるように、実施例1のフォトマスクにおける光半透過膜パターンの表面の方が、比較例1のフォトマスクにおける光半透過膜パターンの表面よりも高低差が小さく、滑らかな面である。また、図8(a)および図8(b)に示されるように、参考例3のフォトマスクにおける遮光膜パターンの表面の方が、比較例2のフォトマスクブランクスにおける遮光膜の表面よりも高低差が小さく、滑らかな面である。
[評価2]
同一条件で硫酸洗浄した後の実施例1のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.3875)および比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.5276)について、ArFエキシマレーザ照射後の変化を評価した。具体的には、下記評価条件によって、評価した。
<洗浄条件>
・硫酸洗浄
<照射条件>
・湿度:40%
・温度:25℃
・積算照射量:1500J
図9は、硫酸洗浄した後に光半透過膜パターンの表面に対してArFエキシマレーザを照射した結果を示す図である。図9の右側には、実施例1の硫酸洗浄した後の光半透過膜パターンの表面について、ArFエキシマレーザ照射後の変化をSEM画像で確認した結果を示す。図9の左側には、比較例1の硫酸洗浄した後の光半透過膜パターンの表面について、ArFエキシマレーザ照射後の変化をSEM画像で確認した結果を示す。なお、実施例1および比較例1のそれぞれについて、図9の上側には、硫酸洗浄後ArFエキシマレーザ照射前の光半透過膜パターンの表面を表し、図9の下側には、ArFエキシマレーザ照射後の光半透過膜パターンの表面を表した。また、比較のため、ArFエキシマレーザを照射する表面とともに、ArFエキシマレーザを照射しない表面をあわせて表した。
図9に示されるように、比較例1の光半透過膜パターンの表面は、ArFエキシマレーザ照射後に成長性異物(Haze)が発生したのに対して、実施例1の光半透過膜パターンの表面は、ArFエキシマレーザ照射後にも成長性異物が発生しなかった。これは、実施例1の光半透過膜パターンの表面は、滑らかであるため、硫酸洗浄を実施しても硫酸イオンが吸着しにくいためであると考えられる。以上より、光半透過膜パターンの表面を滑らかにすることにより、光半透過膜パターンの表面に成長性異物が発生することを抑制することができることがわかった。
[評価3]
実施例1のフォトマスク(位相シフトマスク)および比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)において、同一条件で硫酸洗浄した後の光半透過膜パターンの表面および側面の両方について、ArFエキシマレーザ照射後の成長性異物(Haze)の発生をSEM画像で評価した。具体的には、下記評価条件によって、評価した。
<洗浄条件>
・硫酸洗浄
<照射条件>
・湿度:40%
・温度:25℃
・積算照射量:1500J
その評価結果を光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)[nm]とともに下記の表3に示した。表3においては、実施例1および比較例1における光半透過膜パターンの表面および側面において、ArFエキシマレーザ照射後に成長性異物(Haze)が発生した場合を○、成長性異物(Haze)の発生しない場合を×で示した。
図10は、ArFエキシマレーザ照射後の成長性異物(Haze)の発生を評価したSEM画像を示す図である。図10(a)および図10(b)には、それぞれ、比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)におけるArFエキシマレーザ照射後の光半透過膜パターンの表面および側面に発生した成長性異物(Haze)のSEM画像を示した。
表3に示されるように、実施例1のフォトマスク(位相シフトマスク)では、光半透過膜パターンの表面および側面の両方において、ArFエキシマレーザ照射後に成長性異物(Haze)が発生しなかった。また、比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)では、光半透過膜パターンの表面および側面の両方において、ArFエキシマレーザ照射後に成長性異物(Haze)が発生した。このことから、実施例1のフォトマスク(位相シフトマスク)を作製した時に、等方的なプラズマ処理を行うドライエッチングにより、光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4nm以下にする平滑化処理を行ったことによって、光半透過膜パターンの表面と同様に、その側面も算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下になったものと考えられる。そして、比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)を作製した時には、光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)は、光半透過膜パターンの表面と同様に、0.4nmより大きくなったものと考えられる。
また、図10(a)および図10(b)から、比較例1のフォトマスク(位相シフトマスク)において、光半透過膜パターンの表面(光半透過膜パターン103の上面103a)に発生した成長性異物(Haze)301が、透明基板101が露出した領域(光を透過する部分)を覆わないのに対して、光半透過膜パターン103の側面103bに発生した成長性異物(Haze)301は、透明基板101が露出した領域(光を透過する部分)を覆うことが分かった。
[評価4]
実施例2のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.2075)および比較例1の平滑化処理前のフォトマスク(位相シフトマスク)における光半透過膜パターンの表面(Ra=0.5276)の異物除去力を評価した。具体的には、下記評価条件によって、評価した。
<洗浄条件>
・硫酸フリー洗浄
図11は、光半透過膜パターンの表面の異物除去力を評価した結果を示す図である。図11の右側には、実施例2の洗浄前後の光半透過膜パターンの表面の異物の分布を示す。図11の左側には、比較例1の洗浄前後の光半透過膜パターンの表面の異物の分布を示す。
図11に示されるように、同一の洗浄条件で洗浄したにもかかわらず、実施例2の光半透過膜パターンの表面の方が、比較例1の光半透過膜パターンの表面よりも異物除去力が大きかった。具体的には、実施例2の光半透過膜パターンの表面は、99.5%の異物が除去され、ほとんどの異物が除去されたのに対して、比較例1の光半透過膜パターンの表面は、83.8%しか、異物が除去されなかった。これは、実施例2の光半透過膜パターンの表面の方が、比較例1よりも平滑であるため、異物が除去され易いからであると考えられる。
[評価5]
実施例1〜2(全実施例)のフォトマスクが共通して有する合成石英基板の表面(Ra=0.1285)および比較例2のフォトマスクブランクスにおける遮光膜の表面(Ra=0.8566)について、ペリクルの粘着材の残存量を評価した。具体的には、同一の剥離条件で、合成石英基板および遮光膜の表面からペリクルを剥離した時に、ペリクルの粘着材が合成石英基板および遮光膜の表面にどれくらい残存するかを評価した。
図12は、フォトマスクにおける合成石英基板および遮光膜の表面に残存するペリクルの粘着材を示す図である。図12(a)には、実施例1〜2(全実施例)のフォトマスクが共通して有する合成石英基板の表面に残存するペリクルの粘着材を示した。図12(b)には、比較例2の遮光膜の表面に残存するペリクルの粘着材を示した。
図12に示されるように、実施例1〜2(全実施例)のフォトマスクが共通して有する合成石英基板の表面の方は、ペリクルの粘着材がほとんど残存していないのに対して、比較例2の遮光膜の表面の方は、ペリクルの多くの粘着材が残存している。これは、合成石英基板の表面の方が、比較例2の遮光膜の表面よりも平滑であるため、ペリクルの粘着材が剥離され易いからであると考えられる。
[比較例3]
平滑化処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様にフォトマスク(位相シフトマスク)、すなわち、実施例2における平滑化処理前のフォトマスクを作製し、これを比較例3のフォトマスクとした。
[評価6]
実施例1〜実施例2、比較例1および比較例3のフォトマスクの光半透過膜について、図13に例示するように、フォトマスクをペリクル付きとした状態で、ペリクルにより覆われた光半透過膜に対してArFエキシマレーザを照射し、積算照射量に対する、成長性異物(Haze)の発生の有無を外観検査装置(KLA社製)を用いて検査し、検出した箇所をSEM観察することにより確認した。結果を下記表4に示す。
なお、評価に用いたぺリクル付きフォトマスクは、ぺリクルのサイズが149×115mmであり、粘着材の材質はスチレン系ポリマーで厚さが0.65mmのものを使用し、粘着材であるスチレン系ポリマーを介してぺリクルを加圧することで貼り合わせる方法を用いて形成した。
また、レーザー照射は、ペリクル付きマスク中心部である1cm四方の領域に照射した。
さらに、下記表4中、成長性異物(Haze)の発生が観察された場合には「○」を記入し、観察されなかった場合には「×」を記入した。
さらに、照射条件は、下記表4に示すように積算照射量を100kJ/cm〜300kJ/cmの範囲内で変化させた以外は、上記「評価3」と同様の条件とした。
また、図13は、ぺリクル付きフォトマスク200の一例を示す概略断面図であり、ペリクルPがペリクルPを支持するペリクルフレームBおよびペリクル粘着材Aを介して、遮光膜パターン103のうち外枠遮光膜S上に貼付される例を示すものである。また、L6は、評価6のレーザー照射位置の例を示すものであり、L7は、後述する評価7のレーザー照射位置の例を示すものである。
[評価7]
実施例1および比較例1のフォトマスクの遮光膜について、フォトマスクをペリクル付きとした状態で、ペリクルにより覆われた遮光膜に対してArFエキシマレーザを照射した以外は、上記「評価6」と同様にして、積算照射量に対する、成長性異物(Haze)の発生の有無を確認した。
[評価8]
実施例1〜実施例2、比較例1および比較例3のフォトマスクの光半透過膜パターン表面の成分組成を測定した。
また、実施例1および比較例1についてはフォトマスクの遮光膜パターン表面の成分組成を測定した。
さらに、実施例1については、フォトマスクの合成石英基板表面の成分組成を測定した。
測定方法は、ULVAC-PHI社製Quantum2000を用いて、下記測定条件で測定した。結果を下記表4に示す。
なお、表面の成分組成は、表面から厚み方向に5nmの範囲内における平均の成分組成を測定した。
(測定条件)
X線条件:Al mono 200μmφ×30W 15kV
X線取込角度:45°
中和条件:ION/Electron 20μA
[評価9]
実施例1および比較例1のフォトマスクの遮光膜パターン表面、ならびに、比較例3のフォトマスクの光半透過膜パターン表面について上記「評価1」に記載の同一方法により、表面の算術平均粗さ(Ra)を求めた。
その結果、実施例1のフォトマスクの遮光膜パターンの表面は、0.82nmであり、比較例1のフォトマスクの遮光膜パターン表面は、0.38nmであり、比較例3のフォトマスクの光半透過膜パターン表面は、0.41nmであった。
表4より、光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合を低減することで、成長性異物(Haze)の発生を抑制できることが確認できた。
具体的には、実施例1のモリブデンシリサイド系材料を用いた光半透過膜パターンについては、窒素の含有割合が、35atm%以下となること、特に、15atm%以下となることで、積算照射量が多くなった場合でも成長性異物の発生を抑制できることが確認できた。
また、実施例1のクロム系材料を用いた遮光膜パターンについては、窒素の含有割合が7atm%以下となること、特に、5atm%以下となることで、積算照射量が多くなった場合でも成長性異物の発生を抑制できることが確認できた。
さらに、実施例2の窒化ケイ素系材料を用いた光半透過膜パターンについては、窒素の含有割合が、49atm%以下となること、特に、19atm%以下となることで、積算照射量が多くなった場合でも成長性異物の発生を抑制できることが確認できた。
また、評価6において比較例1のフォトマスクをペリクル付フォトマスクとし、積算照射量が200kJ/cmとなるようにArFエキシマレーザ照射を行った際に発生した成長性異物(Haze)を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により分析したところ、有機アミンが検出された。
このことから、ペリクル付フォトマスクに対してエキシマレーザ照射を行うことで発生した成長性異物は、ペリクルを外枠遮光膜に貼付するために用いた粘着材に由来するものであると推察された。
さらに、比較例1を基準にして実施例1と比較すると、平滑化処理を行うことにより、光半透過膜パターンについて、窒素の含有割合を21.5atm%減少させることができ、酸素の含有割合を23.9atm%増加させることができ、モリブデンの含有割合を0.8atm%減少させることができた。
また、比較例1を基準にして実施例1と比較すると、平滑化処理を行うことにより、遮光膜パターンについて、窒素の含有割合を3.7atm%減少させることができ、酸素の含有割合を15.2atm%増加させることができた。
一方、比較例3を基準にして実施例2と比較すると、平滑化処理を行うことにより、光半透過膜パターンについて、窒素の含有割合を31.2atm%減少させることができ、酸素の含有割合を42.4atm%増加させることができた。
100…フォトマスク
101…透明基板
102…遮光膜パターン

Claims (8)

  1. 透明基板および前記透明基板上に形成された光半透過膜パターンを有し、
    前記透明基板の表面および前記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、
    前記透明基板の表面の窒素の含有割合が、5atm%以下であり、
    前記光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合が、19atm%以下であり、
    ArFエキシマレーザ露光光が適用され、前記光半透過膜パターンの厚さが80nm以下であることを特徴とすフォトマスク。
  2. 透明基板および前記透明基板上に形成された光半透過膜パターンを有し、
    前記透明基板の表面および前記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、
    前記透明基板の表面の窒素の含有割合が、5atm%以下であり、
    前記光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合が、19atm%以下であり、
    前記光半透過膜パターンの側面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることを特徴とすフォトマスク。
  3. 透明基板および前記透明基板上に形成された光半透過膜パターンを有し、
    前記透明基板の表面および前記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であり、
    前記透明基板の表面の窒素の含有割合が、5atm%以下であり、
    前記光半透過膜パターンの表面の窒素の含有割合が、19atm%以下であり、
    前記光半透過膜パターン上に形成され、所望の光学濃度(OD値)を有する遮光膜からなる遮光膜パターンをさらに有し、前記遮光膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.4nm以下であることを特徴とすフォトマスク。
  4. 前記光半透過膜パターンの材料がモリブデンシリサイド系材料であり、
    前記遮光膜の材料が、クロム系材料であり、
    前記遮光膜パターンの表面の窒素の含有割合が、7atm%以下であることを特徴とする請求項に記載のフォトマスク。
  5. 前記光半透過膜パターンは、前記透明基板上において、ウェハに転写されるパターンが形成されるパターン形成領域の外側である外枠領域に形成された外枠光半透過膜をさらに有し、
    前記遮光膜パターンが、前記外枠光半透過膜上に形成された外枠遮光膜を有することを特徴とする請求項に記載のフォトマスク。
  6. 前記光半透過膜パターンの材料が窒化ケイ素系材料であり、
    前記光半透過膜パターンの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載のフォトマスク。
  7. 前記透明基板の表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.13nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかの請求項に記載のフォトマスク。
  8. 透明基板および前記透明基板上に形成された光半透過膜を有するフォトマスクブランクスを準備するフォトマスクブランクス準備工程と、
    前記光半透過膜をエッチングすることにより光半透過膜パターンを形成する光半透過膜パターン形成工程と、
    前記光半透過膜パターンの表面を平滑化する平滑化処理工程と、を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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