JP6073028B2 - マスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造に用いられる位相シフトマスク、その製造に用いられるマスクブランクに関するものである。特に、波長200nm以下の短波長の露光光を露光光源とする露光装置に好適に用いられる位相シフトマスク、その製造方法に関する。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスク(フォトマスク)と呼ばれている基板が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、このフォトマスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
近年、半導体デバイスのパターンの微細化が著しく進んでいる。半導体デバイスのパターンを微細化するに当たっては、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化に加え、フォトリソグラフィーで使用される露光光源波長の短波長化が必要となる。具体的には、半導体装置製造の際の露光光源としては、近年ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)から、ArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化が進んでいる。
また、転写用マスクの種類としては、従来の透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを有するバイナリマスクのほかに、ハーフトーン型位相シフトマスクが知られている。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板上に光半透過膜(位相シフト膜)を有する構造のもので、この光半透過膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜20%)を透過させ、所定の位相差を有するものであり、例えばモリブデンシリサイド等の遷移金属シリサイド系化合物からなる材料が広く用いられる。このハーフトーン型位相シフトマスクは、光半透過膜をパターニングした光半透過部と、光半透過膜が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、光半透過部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、光半透過部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回りこんだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
ところが、近年の露光光源波長の短波長化に伴い、転写用マスクの繰返し使用によるマスク劣化が顕著になってきた。特に、上記遷移金属シリサイド系材料を用いた位相シフトマスクの場合、露光光源のArFエキシマレーザー(波長193nm)照射により、透過率や位相差の変化が起こり、さらに線幅が変化する(太る)という現象が発生している。位相シフトマスクの場合、このような透過率、位相差の変化はマスク性能に影響を与える重要な問題である。透過率の変化が大きくなると転写精度が悪化するとともに、位相差の変化が大きくなると、パターン境界部における位相シフト効果が得られにくくなり、パターン境界部のコントラストが低下し、解像度が大きく低下してしまう。また、線幅変化もフォトマスクのCD(Critical Dimension)精度、最終的には転写される半導体基板のCD精度を悪化させることになる。
特開2010−217514号公報 特開2013−254206号公報
本発明者の検討によれば、このような転写用マスクの繰返し使用によるマスク劣化の問題の背景は次のように推察される。従来は、例えばヘイズが発生するとヘイズを除去するための洗浄を行っていたが、洗浄による膜減り(溶出)は避けられず、いわば洗浄回数がマスク寿命を決定していた。しかし、近年のヘイズの改善によって洗浄回数が低減したため、マスクの繰返し使用期間が延び、その分露光時間も延びたため、特にArFエキシマレーザーなどの短波長光に対する耐光性の問題が新たに顕在化してきた。
従来においても、光半透過膜の耐光性を向上させるために、例えば、上記特許文献1では、パターンが形成された後の遷移金属シリサイド系膜に、プラズマ処理、UV照射処理、または加熱処理を行い、遷移金属シリサイド系膜のパターンの表面に不動態膜を形成する方法が記載されている。パターンの表面に不動態膜を形成することで、遷移金属シリサイド系膜の露光光に対する耐光性を高めようとしている。
また、上記特許文献2では、ケイ素と遷移金属の総和における遷移金属の遷移金属の割合が9原子%以下で、かつ、窒化が不十分な不完全窒化物膜を使用した光半透過膜の例が記載されている。この特許文献2では、遷移金属と窒素の結合、遷移金属とケイ素の結合をそれぞれ制御し、露光光照射に伴う遷移金属の酸化を防止し、耐光性を高めようとしている。
このような特許文献1及び特許文献2に記載された方法によると、露光光照射に伴う遷移金属シリサイド系の薄膜の変質抑制効果は得られる。しかし、特許文献1に記載の方法では、不動態化された領域の層厚(膜厚)を均一にすることが困難であるという課題を有している。不動態化された領域の層厚が均一でなければ、屈折率や消衰係数が均一にならない。また、特許文献2に記載の方法では、所望の結合状態になるように不完全窒化物膜を成膜する場合、成膜時の窒素流量や成膜チャンバー内の圧力制御についての条件設定が煩雑であるという課題を有している。要するに、従来技術では、耐光性を高める効果はある程度得られるものの、安定した耐光性向上効果を実現するのが難しく、長期使用しても品質の安定したマスクを得るのが困難である。
そこで本発明は、従来の課題を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、第1に、波長200nm以下の露光光に対する遷移金属シリサイド系位相シフト膜の耐光性に優れ、かつ品質安定性に優れたマスクブランクを提供することである。第2に、このマスクブランクを使用して作製される位相シフトマスクを提供することであり、第3に、この位相シフトマスクを適用した半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明者は、露光光源波長の短波長化に伴い、フォトマスクの繰返し使用による劣化が顕著になってきた要因を以下のように推測した。
本発明者は、繰返し使用によって透過率や位相差変化が生じた位相シフトマスクの光半透過膜パターンを調べた結果、MoSi系膜の表層側にSiとO、若干のMoを含む変質層が出来ており、これが透過率や位相差の変化、線幅の変化(太り)の主な原因のひとつであることが判明した。そして、このような変質層が生じる理由(メカニズム)は次のように考えられる。すなわち、従来のスパッタ成膜されたMoSi系膜(光半透過膜)は構造的には隙間があり、成膜後にアニールしたとしてもMoSi膜の構造の変化が小さいため、フォトマスクの使用過程においてこの隙間にたとえば大気中の酸素(O)や水(HO)、酸素(O)がArFエキシマレーザーと反応することによって発生するオゾン(O)等が入り込んで、光半透過膜を構成するSiやMoと反応する。つまり、このような環境で光半透過膜を構成するSiとMoは露光光(特にArFなどの短波長光)の照射を受けると励起され遷移状態となり、Siが酸化及び膨張する(SiよりもSiOの体積が大きいため)と共に、Moも酸化して光半透過膜の表層側に変質層が生成される。そしてフォトマスクの繰返し使用により、露光光の照射を累積して受けると、Siの酸化及び膨張がさらに進行すると共に、酸化されたMoは変質層中を拡散し、表面に析出して、例えばMoOとなって昇華し、その結果、変質層の厚みが次第に大きくなる(MoSi膜中での変質層の占める割合が大きくなる)ものと考えられる。このような変質層が発生し、さらに拡大していく現象は、光半透過膜を構成するSiやMoの酸化反応のきっかけとなるこれらの構成原子が励起され遷移状態となるのに必要なエネルギーを有するArFエキシマレーザー等の短波長の露光光の場合に顕著に確認される。
本発明者は、以上の解明事実、考察に基づき、変質層の発生、拡大を抑える方策として、MoSi膜などの位相シフト膜へ照射される露光光を減衰させることに着目し、さらに鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
波長200nm以下のレーザー露光光が適用される位相シフトマスクを作製するためのマスクブランクであって、透光性基板上に、位相シフト膜を備えており、前記位相シフト膜は、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する位相シフト層と、該位相シフト層へ照射される露光光を減衰させるケイ素層とを有しており、前記ケイ素層は前記位相シフト層の前記基板側に接して形成されていることを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記ケイ素層の膜密度は、2.1g/cm以上2.5g/cm以下であることを特徴とする構成1に記載のマスクブランク。
(構成3)
前記ケイ素層の膜厚は、3nm以上20nm以下であることを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランク。
(構成4)
前記ケイ素層の露光光透過率は、30%以上70%以下であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記位相シフト層は、さらに窒素と酸素のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6)
前記位相シフト層の遷移金属は、モリブデンであることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7)
前記位相シフト層の膜厚は、100nm以下であることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成8)
前記位相シフト膜の前記基板とは反対側の表面に、クロムを主成分とする遮光膜を有することを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9)
前記遮光膜の前記位相シフト膜とは反対側の表面に、ケイ素を含有するハードマスク膜を有することを特徴とする構成8に記載のマスクブランク。
(構成10)
構成1乃至9のいずれかに記載のマスクブランクにおける前記位相シフト膜をパターニングする工程を含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成11)
波長200nm以下のレーザー露光光が適用される位相シフトマスクであって、透光性基板上に、位相シフト膜パターンを備えており、前記位相シフト膜パターンは、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する位相シフト層と、該位相シフト層へ照射される露光光を減衰させるケイ素層とを有しており、前記ケイ素層は前記位相シフト層の前記基板側に接して形成されていることを特徴とする位相シフトマスク。
(構成12)
構成10に記載の位相シフトマスクの製造方法により製造された位相シフトマスク、または構成11に記載の位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明のマスクブランクによれば、透光性基板上に位相シフト膜を備え、該位相シフト膜は、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する位相シフト層と、該位相シフト層へ照射される露光光を減衰させるケイ素層とを有しており、上記ケイ素層は上記位相シフト層の基板側に接して形成されている。これによって、ケイ素層が位相シフト層の下層(基板側、つまり露光側)に存在することになり、このマスクブランクを用いて作製された位相シフトマスクにおいて、位相シフト層には減衰した露光光が照射されることになるため、位相シフト層に含まれる遷移金属が露光光によって励起され難くなるため、遷移金属シリサイドを含む位相シフト層の酸化、変質を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明によれば、波長200nm以下の露光光に対する遷移金属シリサイド系位相シフト膜の耐光性に優れ、かつ品質安定性に優れたマスクブランクを得ることができる。
また、このような本発明のマスクブランクを使用して作製される位相シフトマスクによれば、上記のように波長200nm以下の露光光に対する遷移金属シリサイド系位相シフト膜の耐光性に優れ、かつ品質安定性に優れる。
また、この位相シフトマスクを用いたパターン転写により、パターン精度の優れた高品質の半導体装置を製造することができる。
本発明に係るマスクブランクの一実施の形態の断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクの他の実施の形態の断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクのその他の実施の形態の断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造工程を示すマスクブランク等の断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造工程(図4の続き)を示すマスクブランク等の断面概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
前述のように、本発明者は、変質層の発生、拡大を抑える方策として、MoSi膜などの位相シフト膜へ照射される露光光を減衰させることに着目して鋭意検討した結果、以下の構成を有する本発明によって前記の課題を解決できることを見出したものである。
すなわち、本発明は、上記構成1にあるとおり、波長200nm以下のレーザー露光光が適用される位相シフトマスクを作製するためのマスクブランクであって、透光性基板上に、位相シフト膜を備えており、前記位相シフト膜は、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する位相シフト層と、該位相シフト層へ照射される露光光を減衰させるケイ素層とを有しており、前記ケイ素層は前記位相シフト層の前記基板側に接して形成されていることを特徴とするマスクブランクに関するものである。本発明のマスクブランクは、位相シフトマスクの中でも、特にハーフトーン型位相シフトマスクの作製に好適である。
図1は、本発明に係るマスクブランクの一実施の形態を示す断面概略図である。
図1に示されるとおり、本発明に係るマスクブランクの一実施の形態10は、透光性基板1上に、位相シフト膜2を備えた構造を有する。ここで、上記位相シフト膜2は、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する位相シフト層22と、該位相シフト層22へ照射される露光光を減衰させるケイ素層21とを有しており、上記ケイ素層21は上記位相シフト層の基板1側に接して形成されている。すなわち、本実施の形態では、透光性基板1上に、ケイ素層21、位相シフト層22がこの順に積層された位相ソフト膜2を有している。
ここで、上記マスクブランク10における透光性基板1としては、半導体装置製造用の転写用マスクに用いられる基板であれば特に限定されない。位相シフト型マスク用のブランクに使用する場合、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されず、合成石英基板や、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)が用いられる。この中でも合成石英基板は、微細パターン形成に有効なArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、特に好ましく用いられる。
本発明では、上記位相シフト膜2は、ケイ素層21と位相シフト層22の積層構造となっている。そして、上記ケイ素層21は、上記位相シフト層22の下層(基板側)に存在している。
上記位相シフト層22は、少なくとも遷移金属とケイ素を含有する材料で形成されるが、本発明に適用可能な上記位相シフト層22の構成は特に限定される必要はなく、例えば従来から使用されている位相シフト型マスクにおける位相シフト膜の構成を適用することができる。
このような位相シフト層22の例としては、例えば遷移金属及びケイ素からなる金属シリサイドを含有する光半透過膜、あるいは遷移金属とケイ素に、膜の光学特性、物性(エッチングレート、他の膜(層)とのエッチング選択性など)等を改良するために酸素、窒素或いは炭素から選ばれる1以上の元素を含有させた遷移金属シリサイド系材料を含有する光半透過膜が好ましく挙げられる。
上記遷移金属としては、例えばモリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム等が挙げられる。この中でも特にモリブデンが好適である。遷移金属がモリブデンの場合、従来の位相シフト膜の露光光による変質の問題が顕著に発生するため、本発明の作用効果が特に発揮される。
上記の少なくとも遷移金属とケイ素を含有する材料としては、具体的には、遷移金属シリサイド、または遷移金属シリサイドの窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。
また、本発明においては、上記位相シフト層22が、単層構造、あるいは、低透過率層と高透過率層とからなる積層構造のいずれにも適用することができる。
上記位相シフト層22の好ましい膜厚は、材質によっても異なるが、特に位相シフト機能、光透過率の観点から適宜調整されることが望ましい。また、本発明においては、上記位相シフト膜2が、ケイ素層21と位相シフト層22の積層構造からなるため、ケイ素層21の位相差、光透過率も考慮して、位相シフト膜2全体の位相シフト機能、光透過率の観点からも、上記位相シフト層22の膜厚を調整することが望ましい。通常は、たとえば100nm以下、さらに好ましくは80nm以下の範囲であることが好適である。
また、上記位相シフト層22の下層(基板側、言い換えれば露光側)に位置する上記ケイ素層21は、位相シフト層22へ照射される露光光を減衰させる機能を有している。
上記ケイ素層21が位相シフト層22の基板側、つまり露光光が照射される側に存在することにより、このマスクブランクを用いて作製された位相シフトマスクにおいて、位相シフト層22には減衰した露光光が照射されることになるため、位相シフト層22に含まれる遷移金属が露光光によって励起され難くなり、遷移金属シリサイドを含む位相シフト層22の酸化、変質を効果的に抑制することができる。したがって、波長200nm以下の露光光に対する遷移金属シリサイド系位相シフト膜の耐光性に優れ、かつ品質安定性に優れたマスクブランクを得ることができる。
また、ケイ素層であることにより透光性基板1(例えば合成石英ガラス)とのドライエッチング選択性も確保される。
なお、ここでいう「ケイ素層」とは、薄膜形成段階で不可避に入り込んだ不純物元素の含有や、成膜後の経時変化で入り込んだ不純物元素の含有は許容されるものである。たとえば、スパッタリング法によってケイ素層を形成する場合、ターゲットに含まれる不純物成分や、成膜過程で薄膜に入り込んだ希ガス成分、その他、成膜後の経時変化で上層のシリサイド膜や下地の基板に由来する成分がわずかに混入した状態の層は、本発明における「ケイ素層」に含む概念である。要するに、意図してケイ素のほかに他の成分を含有するケイ素化合物層を形成していない場合は、本発明の構成に含まれる。
上記ケイ素層21の膜密度は、2.1g/cm以上であることが好ましく、2.2g/cm以上であることがより好ましい。膜密度が2.1g/cm未満の場合には、Si層に空隙が増加してしまうため、隣接する基板や上層から酸素等の成分を受け入れてしまう恐れが生じる。また、膜密度が2.5g/cmを超えると、ケイ素層が過密になり、ドライエッチングを行う時のエッチング時間が長くなりすぎてしまう問題がある。従って、好ましい膜密度は、2.1g/cm以上2.5g/cm以下であり、より好ましくは2.2g/cm以上2.3g/cm以下である。なお、膜密度は、X線反射率測定法(XRR法)など公知の方法によって測定することができる(以降、同様。)。
また、上記ケイ素層21の膜厚は、特に制約される必要はないが、本実施の形態においては、例えば3nm以上20nm以下の範囲であることが好適である。膜厚が3nm未満であると、位相シフト層22へ照射される露光光を減衰させて、位相シフト層22の変質を抑制する効果が十分に発揮されない恐れがある。一方、膜厚が20nmを超えると、位相シフト層22へ照射される露光光エネルギーの減衰量が大きくなり、半導体装置製造時のパターン転写に影響を及ぼす恐れがある。
また、上記のとおり、上記位相シフト膜2全体の光学特性は、特に位相シフト機能、光透過率の観点から調整される必要があるが、本発明のケイ素層21は屈折率が小さく、上層の位相シフト層22における位相差に与える影響は比較的小さい。そのため、主にケイ素層21の光透過率を考慮して、上記位相シフト膜2(或いは上記位相シフト層22)の膜設計を行うことが望ましい。
上記ケイ素層21の露光光透過率は、膜厚によっても異なるが、例えば30%以上70%以下であることが好ましい。この範囲であると、上層の位相シフト層22の露光光透過率を調整しやすくなる。
上記位相シフト膜2は、露光光に対する透過率が2%以上であることが求められる。位相シフト膜2の内部を透過した露光光と空気中を透過した露光光との間で十分な位相シフト効果を生じさせるには、露光光に対する透過率が少なくとも2%は必要である。位相シフト膜2の露光光に対する透過率は、3%以上であると好ましく、4%以上であるとより好ましい。他方、位相シフト膜2の露光光に対する透過率は、30%以下であると好ましく、20%以下であるとより好ましく、10%以下であるとさらに好ましい。
位相シフト膜2は、適切な位相シフト効果を得るために、透過するArF露光光に対し、この位相シフト膜2の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した光との間で生じる位相差が150度以上180度以下の範囲になるように調整されていることが求められる。位相シフト膜2における前記位相差は、155度以上であることが好ましく、160度以上であるとより好ましい。他方、位相シフト膜2における前記位相差は、179度以下であることが好ましく、177度以下であるとより好ましい。位相シフト膜2にパターンを形成するときのドライエッチング時に、透光性基板1が微小にエッチングされることによる位相差の増加の影響を小さくするためである。また、近年の露光装置による位相シフトマスクへの露光光の照射方式が、位相シフト膜2の膜面の垂直方向に対して所定角度で傾斜した方向から露光光を入射させるものが増えてきているためでもある。
図1に示すマスクブランク10のような透光性基板1上に、ケイ素層21、位相シフト層22が順に積層された積層膜からなる位相シフト膜2を形成する方法は特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。
また、本実施の形態のマスクブランク10において、透光性基板1と位相シフト膜2との間に、本発明による作用効果を損なわない限りにおいて、他の構成層を有していてもよい。このような構成層としては、たとえばフッ素系ガスによってエッチングされないCr系材料からなるエッチングストッパー層が挙げられる。
図2は、本発明に係るマスクブランクの他の実施の形態を示す断面概略図である。
本発明に係るマスクブランクは、図2に示されるように、透光性基板1上に、上記ケイ素層21と位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2を有し、この位相シフト膜2の上に、さらに遮光膜3とハードマスク膜4を設けた構成のマスクブランク11としてもよい。たとえば、マスク周辺領域に遮光帯を備えたハーフトーン型位相シフトマスクの作製に使用することができる。
上記透光性基板1、ケイ素層21と位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2についてはすでに説明したとおりであるので、ここでは重複した説明は省略する。
本実施形態のマスクブランク11において、上記遮光膜3は、ハードマスク膜4のパターンを出来るだけ忠実に位相シフト膜2に転写する目的で設けられている。
上記遮光膜3は、遷移金属シリサイド系材料で形成されている位相シフト層22とのエッチング選択性を確保するため、クロムを含有する材料で形成される。
上記クロムを含有する材料としては、例えばクロム(Cr)単体、あるいはクロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物(例えばCrN,CrC,CrO,CrON,CrCN,CrOC,CrOCNなど)が挙げられる。
上記遮光膜3を形成するクロムを含有する材料にモリブデン、インジウムおよびスズのうち一以上の元素を含有させてもよい。モリブデン、インジウムおよびスズのうち一以上の元素を含有させることで、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスに対するエッチングレートをより速くすることができる。
上記位相シフト層22(特に表層部分)を形成する材料との間でドライエッチングに対するエッチング選択性が得られるのであれば、上記遮光膜3を遷移金属とケイ素を含有する材料で形成してもよい。遷移金属とケイ素を含有する材料は遮光性能が高く、遮光膜3の厚さを薄くすることが可能となるためである。遮光膜3に含有させる遷移金属としては、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ハフニウム(Hf)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、パラジウム(Pd)等のいずれか1つの金属またはこれらの金属の合金が挙げられる。遮光膜3に含有させる遷移金属元素以外の金属元素としては、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、スズ(Sn)およびガリウム(Ga)などが挙げられる。
一方、上記遮光膜3を位相シフト膜2側からクロムを含有する材料からなる層と遷移金属とケイ素を含有する材料からなる層がこの順に積層した構造を備えてもよい。この場合におけるクロムを含有する材料および遷移金属とケイ素を含有する材料の具体的な事項については、上記の遮光膜3の場合と同様である。
上記遮光膜3は、単層構造でも、積層構造でもよい。例えば、遮光層と表面反射防止層の2層構造や、さらに裏面反射防止層を加えた3層構造とすることができる。図3は、上記遮光膜3を、遮光膜下層3A、遮光膜中間層3B、遮光膜上層3Cの3層構造で構成した実施形態のマスクブランク12を示している。
上記遮光膜3の膜厚は特に制約される必要はないが、所定の遮光性を確保する観点から、通常、例えば30nm以上80nm以下の範囲であることが好ましい。なお、遮光膜3は、位相シフト膜2の積層構造での露光光に対する光学濃度(OD)が2.0よりも大きいことが求められ、2.5以上であると好ましく、2.8以上であるとより好ましく、3.0以上であるとさらに好ましい。
また、上記ハードマスク膜4は、直下の遮光膜3とエッチング選択性の高い素材であることが必要であるが、本実施の形態ではとくにハードマスク膜4にケイ素を含有する素材を選択することにより、クロム系の素材からなる遮光膜3との高いエッチング選択性を確保することができるため、レジスト膜の薄膜化のみならずハードマスク膜4の膜厚も薄くすることが可能である。したがって、マスクブランク表面に形成された転写パターンを有するレジストパターンのハードマスク膜4への転写精度が向上する。
上記ハードマスク膜4は、ケイ素(Si)を含有する材料を用いることができる。ハードマスク膜4に好適なケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)および水素(H)から選らばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、このほかのハードマスク膜4に好適なケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)および遷移金属に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)および水素(H)から選ばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、この遷移金属としては、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)が挙げられる。
このようなハードマスク膜4を構成する材料の具体例としては、酸化シリコン(SiO)、酸化窒化シリコン(SiON)、酸化タンタル(TaO)、酸化窒化タンタル(TaON)、ホウ化酸化タンタル(TaBO)及びホウ化酸化窒化タンタル(TaBON)が挙げられる。
なお、ケイ素と酸素を含有する材料で形成されたハードマスク膜4は、有機系材料のレジスト膜との密着性が低い傾向があるため、ハードマスク膜4の表面をHMDS(Hexamethyldisilazane)処理を施し、表面の密着性を向上させることが好ましい。
上記ハードマスク膜4の膜厚は特に制約される必要はないが、少なくとも直下の遮光膜3のエッチングが完了する前に消失しない程度の膜厚が必要である。一方、ハードマスク膜4の膜厚が厚いと、直上のレジストパターンを薄膜化することが困難である。このような観点から、例えば2nm以上20nm以下の範囲であることが好ましい。
上記遮光膜3および上記ハードマスク膜4を形成する方法についても特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。
図2に示すマスクブランク11及び図3に示すマスクブランク12においても、透光性基板1と位相シフト膜2との間に、前述と同様の他の構成層を有していてもよい。
また、図1〜図3には図示していないが、マスクブランクの表面にレジスト膜を有する形態のものも本発明のマスクブランクに含まれる。
一方、本発明の実施の形態の変形例として、透光性基板1上に、ケイ素層21とSiN系材料からなる位相シフト層22が順に積層した構造の位相シフト膜2を備えたマスクブランク10が挙げられる。SiN系材料の薄膜は、MoSi系材料の薄膜に比べ、ArF耐光性が大幅に高い。SiN系材料の薄膜に転写パターンを形成した後、ArFエキシマレーザーの露光光(以下、ArF露光光ともいう。)を積算照射したときに生じるパターンの幅のCD変化(太り)は、従来のMoSi系材料の薄膜の場合に比べて大きく抑制されている。しかし、位相シフトマスクのさらなる長寿命化が望まれている。
例えば、Siは化学量論的に安定な材料であり、ArF露光光に対する耐光性(以下、ArF耐光性ともいう。)もケイ素と窒素からなる材料の中で優位性が高い。Siは、窒素含有量が少ないSiNxに比べ、ArF露光光の波長における屈折率nが大きいため、位相シフト膜の材料にSiを適用した場合、ArF露光光に対して所定の位相差を付与するために必要な膜厚を薄くすることができる。以降、単に屈折率nと記述している場合、ArF露光光の波長に対する屈折率nのことを意味するものとし、単に消衰係数kと記述している場合、ArF露光光の波長に対する消衰係数kのことを意味するものとする。
ArF耐光性で問題となる位相シフトパターンのCD変化は、位相シフト膜の内部にArF露光光が入射したときにその位相シフト膜を構成する元素を光励起させてしまうことが最大の要因であると考えられている。MoSi系材料の薄膜の場合、遷移金属のモリブデン(Mo)が光励起されやすく、これに起因して表面からのケイ素(Si)の酸化が大幅に進み、パターンの体積が大きく膨張する。このため、MoSi系材料の位相シフト膜は、ArF露光光の照射前後でのCD変化(太り)が著しい。SiN系材料の位相シフト膜の場合、遷移金属を含有していないため、ArF露光光の照射前後でのCD変化は比較的小さい。しかし、位相シフト膜中のケイ素も遷移金属ほど顕著ではないが、ArF露光光の照射によって光励起される。
位相シフトマスクを製造するためのマスクブランクの位相シフト膜は、アモルファスまたは微結晶構造となるような成膜条件でスパッタ成膜される。アモルファスまたは微結晶構造の薄膜中のSiは、結晶膜中のSiよりも結合状態が弱い。このため、アモルファスまたは微結晶構造のSiの位相シフト膜は、ArF露光光の照射によって膜中のケイ素が光励起されやすい。位相シフト膜をSiの結晶膜とすれば、膜中のケイ素が光励起されることを抑制できる。しかし、結晶膜にドライエッチングで転写パターンを形成すると、そのパターン側壁のラフネスは、転写パターンとして許容されるLER(Line Edge Roughness)を大幅に越えるほど悪くなるため、結晶膜は位相シフト膜に適用することはできない。
Siは、屈折率nが大きい反面、ArF露光光の波長における消衰係数kは大幅に小さい材料である。このため、位相シフト膜をSiで形成し、所定の位相差を180度弱となるように設計しようとすると、透過率が20%弱程度の高い透過率のものしか作ることができない。SiN系材料の窒素含有量を下げていけば、所定の位相差と所定の透過率の位相シフト膜を作ることは可能であるが、当然ながら窒素含有量の低下とともにArF耐光性も低下していく。このため、Siからなる位相シフト膜よりも低い透過率の位相シフト膜とする場合には、位相シフト膜をSiからなる層と透過率を調整するための層の積層構造とする必要がある。しかし、透過率を調整する層を単に設けた場合、その層のArF耐光性は高くないため、さらなる長寿命の位相シフトマスクを完成させることはできない。
これらのことを考慮した結果、変形例のマスクブランク10は、以下の構成を備えることが好ましいという結論に至った。すなわち、透光性基板1上に位相シフト膜2を備えたマスクブランク10であって、位相シフト膜2は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、位相シフト膜2を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜2の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上180度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、位相シフト膜2は、透光性基板1側からケイ素層21と位相シフト層22がこの順に積層した構造を含み、位相シフト層22は、その表層部分を除き、ケイ素および窒素からなる材料、またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成され、位相シフト層22は、ケイ素層21よりも厚さが厚いことを特徴とするものである。
この変形例のマスクブランクは、透光性基板1側に位相シフト膜2のケイ素層21が配置されている。これにより、SiN系材料のみで位相シフト膜2を構成した場合に比べて、透光性基板1側の位相シフト膜2の表面から入射する露光光に対する反射率(以下、裏面反射率ともいう。)を高めることができる。そして、ケイ素層21の内部に入射するArF露光光の光強度が低減されるため、ケイ素層21および位相シフト層22の内部でのケイ素の光励起の発生を低減できる。これらに作用により、位相シフト膜2の全体でのArF耐光性を大幅に高められる。
ケイ素層21は、SiN系材料の位相シフト層22に比べ、層内を透過するArF露光光を減衰させる機能が高い。このため、位相シフト層22の窒素含有量を高くしても、位相シフト膜2の全体の露光光に対する位相差を上記の範囲内とするとともに、露光光に対する透過率を10%以下とすることができる。この変形例におけるケイ素層21に関する他の事項(膜密度等)については、上記各実施の形態におけるケイ素層21と同様である。
この変形例の位相シフト層22は、膜密度が2.5g/cmよりも大きいことが好ましく、2.6g/cm以上であるとより好ましい。膜密度が2.5g/cm未満の場合には、SiN膜に空隙が増加してしまうため、大気中等から酸素等の成分を受け入れてしまう恐れが生じる。また、位相シフト層22の膜密度が3.0g/cmを超えると、膜内のSi−N結合が緻密になりすぎ、ドライエッチングを行う時のエッチング時間が長くなりすぎてしまう問題がある。位相シフト層22の膜密度は3.0g/cm以下であると好ましく、2.9g/cm以下であるとより好ましい。
この変形例のケイ素層21の厚さは、位相シフト膜2に求められる上記の条件を満たせる範囲で、極力薄くすることが望まれる。ケイ素層21の厚さは12nm未満であると好ましく、11nm以下であるとより好ましく、10nm以下であるとさらに好ましい。また、特に位相シフト膜2の裏面反射率の点を考慮すると、ケイ素層21の厚さは、3nm以上であることが好ましく、4nm以上であるとより好ましく、5nm以上であるとさらに好ましい。
この変形例の位相シフト層22はArF耐光性が相対的に高い材料で形成されるため、位相シフト膜2に求められる上記の条件を満たせる範囲で、位相シフト膜2の全体の膜厚に対する位相シフト層22の厚さの比率を極力大きくすることが望まれる。位相シフト層22の厚さは、ケイ素層21の厚さの5倍以上であることが好ましく、5.5倍以上であるとより好ましく、6倍以上であるとさらに好ましい。また、位相シフト層22の厚さは、ケイ素層21の厚さの10倍以下であるとより好ましい。位相シフト層22の厚さは80nm以下であると好ましく、70nm以下であるとより好ましく、65nm以下であるとさらに好ましい。また、位相シフト層22の厚さは、50nm以上であることが好ましく、55nm以上であるとより好ましい。
この変形例の位相シフト層22は、その表層部分を除き、ケイ素および窒素からなる材料、またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成される。位相シフト層22の表層部分とは、位相シフト層22のケイ素層21側とは反対側の表層部分のことをいう。成膜装置で透光性基板1上に位相シフト膜2を成膜し終えた後、膜表面の洗浄処理が行われる。この位相シフト層22の表層部分は、洗浄処理時に洗浄液やリンス液に晒されるため、成膜時の組成に関わらず酸化が進むことが避け難い。また、位相シフト膜2が大気中に晒されることや大気中で加熱処理を行ったことによっても位相シフト層22の表層部分の酸化が進む。上記のとおり、位相シフト層22は屈折率nが高い材料であるほど好ましい。材料中の酸素含有量が増加するに従って屈折率nは低下する傾向があるため、表層部分を除き、成膜時において位相シフト層22に酸素を積極的に含有させることはしない(酸素含有量は、X線光電子分光法等による組成分析を行ったときに検出下限値以下。)。これらのことから、位相シフト層22の表層部分は、表層部分を除く位相シフト層22を形成する材料に酸素を加えた材料で形成されることになる。
この変形例の位相シフト層22の表層部分は、種々の酸化処理で形成してもよい。表層を安定した酸化層とすることが可能であるためである。この酸化処理としては、例えば、大気などの酸素を含有する気体中における加熱処理、酸素を含有する気体中におけるフラッシュランプ等による光照射処理、オゾンや酸素プラズマを位相シフト層22の表面に接触させる処理などがあげられる。特に、位相シフト膜2の膜応力を低減する作用も同時に得られる加熱処理やフラッシュランプ等による光照射処理を用いることが好ましい。位相シフト層22の表層部分は、厚さが1nm以上であることが好ましく、1.5nm以上であるとより好ましい。また、位相シフト層22の表層部分は、厚さが5nm以下であることが好ましく、3nm以下であるとより好ましい。
この変形例の位相シフト層22には、ArF露光光に対する耐光性が低下する要因となり得る遷移金属は含有しない。遷移金属を除く金属元素についても、ArF露光光に対する耐光性が低下する要因となり得る可能性は否定できないため、含有させないことが望ましい。位相シフト層22は、ケイ素および窒素に加え、いずれの半金属元素を含有してもよい。この半金属元素の中でも、ホウ素、ゲルマニウム、アンチモン及びテルルから選ばれる1以上の元素を含有させると、スパッタリングターゲットとして用いるケイ素の導電性を高めることが期待できるため、好ましい。
また、この変形例の位相シフト層22は、ケイ素および窒素に加え、酸素以外の非金属元素を含有してもよい。この非金属元素の中でも、炭素、フッ素及び水素から選ばれる1以上の元素を含有させると好ましい。この非金属元素には、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)等の希ガスも含まれる。位相シフト層22は屈折率nが高い材料であるほど好ましく、ケイ素系材料は窒素含有量が多くなるほど屈折率nが高くなる傾向がある。位相シフト層22を形成する材料中の窒素含有量は、50原子%よりも大きいことが好ましく、52原子%以上であるとより好ましく、55原子%以上であるとさらに好ましい。
この変形例のマスクブランクにおける、透光性基板1、遮光膜3、およびハードマスク膜4に関する事項については、上記の各実施の形態のマスクブランク10の場合と同様である。
本発明は、上記の本発明に係るマスクブランクから作製される位相シフトマスク及びその製造方法についても提供するものである。
図4及び図5(図4の続き)は、本発明のマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造工程を示すマスクブランク等の断面概略図である。なお、ここでは前述の図2に示す実施形態のマスクブランク11を用いて説明する。
まず、マスクブランク11の表面に、スピン塗布法により、電子線描画用のレジスト膜5を形成する(図4(a)参照)。
次に、このレジスト膜5に対して、所定のパターンを電子線描画し、描画後、現像することにより、所定のレジストパターン5aを形成する(図4(b)参照)。このレジストパターン5aは最終的な転写パターンとなる位相シフト膜2に形成されるべき所望のデバイスパターンを有する。
次に、マスクブランクのハードマスク膜4上に形成された上記レジストパターン5aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク膜4に、位相シフト膜2に形成されるパターンに対応するハードマスク膜パターン4aを形成する(図4(c)参照)。
次に、上記レジストパターン5aを除去した後、上記ハードマスク膜パターン4aをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングにより、遮光膜3に、位相シフト膜2に形成されるパターンに対応する遮光膜パターン3aを形成する(図4(d)参照)。
次に、上記遮光膜パターン3aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ケイ素層21及び位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2のドライエッチングを連続して行い、位相シフト膜パターン2aを形成する(図4(e)参照)。なお、この位相シフト膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターン4aは除去される。
次に、上記図4(e)の状態の基板上の全面に、スピン塗布法により、前記と同様のレジスト膜6を形成し(図5(f)参照)、電子線描画機を用いて、所定のデバイスパターン(たとえば遮光帯パターンに対応するパターン)を描画した後、現像して所定のレジストパターン6aを形成する(図5(g)参照)。
続いて、このレジストパターン6aをマスクとして、塩素ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングにより、露出している遮光膜パターン3aのエッチングを行うことにより、たとえば転写パターン形成領域内の遮光膜パターン3aを除去し、転写パターン形成領域の周辺部には遮光帯パターンを形成する(図5(h)参照)。
最後に、残存するレジストパターン6aを除去することにより、位相シフトマスク(たとえばハーフトーン型位相シフトマスク)20が出来上がる(図5(i)参照)。
上述の説明からも明らかなように、出来上がった上記位相シフトマスク20は、透光性基板1上に、位相シフト膜パターン2aを備えており、該位相シフト膜パターン2aは、ケイ素層パターン21aと位相シフト層パターン22aの積層構造となっており、上記ケイ素層パターン21aは、上記位相シフト層パターン22aの下層(基板側)に存在している。
上記位相シフトマスク20を用いたパターン転写時に、ケイ素層21の存在により、位相シフト層22には減衰した露光光が照射されることになるため、位相シフト層22に含まれる遷移金属が露光光によって励起され難くなり、遷移金属シリサイドを含む位相シフト層22の酸化、変質を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、波長200nm以下の露光光に対する遷移金属シリサイド系位相シフト膜の耐光性に優れ、かつ品質安定性に優れた位相シフトマスクを得ることができる。
また、このような本発明のマスクブランクを使用して作製される位相シフトマスクを用いて、リソグラフィー法により当該位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含む半導体装置の製造方法によれば、パターン精度の優れた高品質の半導体装置を得ることができる。
一方、上記の変形例のマスクブランクから作製される位相シフトマスク及びその製造方法については、上記の本発明に係る位相シフトマスクおよび位相シフトマスクの製造方法の場合と同様である。SiN系のようなケイ素および窒素からなる材料の位相シフト層22を備えることにより、ケイ素層21の内部に入射する露光光の光強度が低減されるため、ケイ素層21および位相シフト層22の内部でのケイ素の光励起の発生を低減でき、SiN系材料を含む位相シフト層22の酸化、変質を効果的に抑制することができる。他方、上記の変形例の位相シフトマスクを用いる半導体装置の製造方法については、上記の本発明に係る半導体装置の製造方法の場合と同様である。
上記の変形例のマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、および半導体デバイスの製造方法は、例えば、以下の構成を有する。
(構成1A)
透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上180度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
前記位相シフト膜は、透光性基板側からケイ素層と位相シフト層がこの順に積層した構造を含み、
前記位相シフト層は、その表層部分を除きケイ素および窒素からなる材料またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成され、
前記位相シフト層は、前記ケイ素層よりも厚さが厚いことを特徴とするマスクブランク。
(構成2A)
前記ケイ素層の膜密度は、2.1g/cm以上2.5g/cm以下であることを特徴とする構成1Aに記載のマスクブランク。
(構成3A)
前記位相シフト層の膜密度は、2.5g/cmよりも大きく3.0g/cm以下であることを特徴とする構成1A又は2Aに記載のマスクブランク。
(構成4A)
前記位相シフト層の厚さは、前記ケイ素層の厚さの5倍以上であることを特徴とする構成1A乃至3Aのいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5A)
前記ケイ素層の厚さは、3nm以上12nm未満であることを特徴とする構成1A乃至4Aのいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6A)
前記位相シフト層の膜厚は、80nm以下であることを特徴とする構成1A乃至5Aのいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7A)
前記位相シフト層は、窒素含有量が50原子%よりも大きいことを特徴とする構成1A乃至6Aのいずれかに記載のマスクブランク。
(構成8A)
前記位相シフト膜の前記基板とは反対側の表面に、クロムを含有する材料からなる遮光膜を有することを特徴とする構成1A乃至7Aのいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9A)
前記遮光膜の前記位相シフト膜とは反対側の表面に、ケイ素を含有する材料からなるハードマスク膜を有することを特徴とする構成8Aに記載のマスクブランク。
(構成10A)
構成1A乃至9Aのいずれかに記載のマスクブランクにおける前記位相シフト膜をパターニングする工程を含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成11A)
透光性基板上に位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスクであって、
前記位相シフト膜パターンは、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜パターンを透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上180度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
前記位相シフト膜パターンは、透光性基板側からケイ素層と位相シフト層がこの順に積層した構造を含み、
前記位相シフト層は、その表層部分を除きケイ素および窒素からなる材料またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成され、
前記位相シフト層は、前記ケイ素層よりも厚さが厚いことを特徴とする位相シフトマスク。
(構成12A)
前記ケイ素層の膜密度は、2.1g/cm以上2.5g/cm以下であることを特徴とする構成11Aに記載の位相シフトマスク。
(構成13A)
前記位相シフト層の膜密度は、2.5g/cmよりも大きく3.0g/cm以下であることを特徴とする構成11A又は12Aに記載の位相シフトマスク。
(構成14A)
前記位相シフト層の厚さは、前記ケイ素層の厚さの5倍以上であることを特徴とする構成11A乃至13Aのいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成15A)
前記ケイ素層の厚さは、3nm以上12nm未満であることを特徴とする構成11A乃至14Aのいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成16A)
前記位相シフト層の膜厚は、80nm以下であることを特徴とする構成11A乃至15Aのいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成17A)
前記位相シフト層は、窒素含有量が50原子%よりも大きいことを特徴とする構成11A乃至16Aのいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成18A)
前記位相シフト膜パターンの前記基板とは反対側の表面に、クロムを含有する材料からなる遮光膜パターンを有することを特徴とする構成11A乃至17Aのいずれかに記載の位相シフトマスク。
(構成19A)
構成10Aに記載の位相シフトマスクの製造方法により製造された位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(構成20A)
構成11A乃至18Aのいずれかに記載の位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いるハーフトーン型位相シフトマスクの製造に使用するマスクブランク及び位相シフトマスクの製造に関する。
本実施例に使用するマスクブランク12は、図3に示すような、透光性基板(ガラス基板)1上に、ケイ素層21と位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2、3層積層構造の遮光膜3、ハードマスク膜4を順に積層した構造のものである。このマスクブランク12は、以下のようにして作製した。
ガラス基板1として合成石英基板(大きさ約152mm×152mm×厚み6.35mm)を準備した。
次に、ケイ素層21と位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2を形成した。
まず、枚葉式RFスパッタリング装置内に上記合成石英基板1を設置し、シリコン(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガス(圧力=5×10−2Pa)をスパッタリングガスとし、RFスパッタリングにより、合成石英基板上に、ケイ素(Si)層21を8nmの厚さで形成した。形成したSi層21の屈折率は0.95、波長193nmの露光光に対する消衰係数は2.70であった。
次いで、枚葉式DCスパッタリング装置内にケイ素層21が形成された合成石英基板1を設置し、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=4原子%:96原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)、酸素(O)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:O:He=13:50:6:100,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、ケイ素層21上に、モリブデン、シリコン、酸素および窒素からなるMoSiON位相シフト層22を75nmの厚さで形成した。形成したMoSiON位相シフト層の組成は、Mo:Si:O:N=5:30:39:26(原子%比)であった。この組成はXPSにより測定した。形成したMoSiON層22の屈折率は2.38、波長193nmの露光光に対する消衰係数は0.32であった。
以上のようにして形成した2層構造の位相シフト膜2は、総膜厚が83nm、波長193nmの露光光に対する位相差が176.3度、透過率が6.08%であった。
次に、上記位相シフト膜2の上に、CrOCN膜からなる下層3A、CrN膜からなる中間層3B、CrOCN膜からなる上層3Aの積層構造の遮光膜3を形成した。具体的には、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:CO:N:He=20:25:13:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記位相シフト膜上に厚さ30nmのCrOCN膜からなる遮光膜下層3Aを形成した。続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:N=25:5、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記下層3Aの上に厚さ4nmのCrN膜からなる遮光膜中間層3Bを形成した。続いて、同じくクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と二酸化炭素(CO)と窒素(N)とヘリウム(He)の混合ガス雰囲気(流量比 Ar:CO:N:He=20:24:22:30、圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記中間層3Bの上に厚さ14nmのCrOCN膜からなる遮光膜上層3Cを形成した。
形成した遮光膜下層3AのCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=55.2:22.1:11.6:11.1(原子%比)であった。また、遮光膜中間層3BのCrN膜の組成は、Cr:N=76.2:23.8原子%比)、遮光膜上層3CのCrOCN膜の組成は、Cr:O:C:N=49.2:23.8:13.0:14.0(原子%比)であった。これらの組成はXPSにより測定した。
次いで、上記遮光膜3の上に、SiO膜からなるハードマスク膜4を形成した。具体的には、二酸化ケイ素(SiO)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガス雰囲気(圧力0.3Pa)中で、反応性スパッタリングを行うことにより、上記遮光膜3の上に厚さ5nmのSiO膜からなるハードマスク膜4を形成した。
上記位相シフト膜2と遮光膜3の積層膜の光学濃度は、ArFエキシマレーザーの波長(193nm)において3.0以上(透過率0.1%以下)であった。
以上のようにして本実施例のマスクブランク12を作製した。
次に、このマスクブランク12を用いて、前述の図4及び図5に示される製造工程に従って、ハーフトーン型位相シフトマスクを製造した。なお、以下の符号は図4及び図5中の符号と対応している。
まず、上記マスクブランク12の上面にHMDS処理を行い、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚80nmのレジスト膜5を形成した(図4(a)参照)。
次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜5に対して所定のデバイスパターン(位相シフト膜2に形成すべき位相シフトパターンに対応するパターン)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン5aを形成した(図4(b)参照)。
次に、上記レジストパターン5aをマスクとして、ハードマスク膜4のドライエッチングを行い、ハードマスク膜パターン4aを形成した(図4(c)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(CF)を用いた。
上記レジストパターン5aを除去した後、上記ハードマスク膜パターン4aをマスクとして、上層3C、中間層3B及び下層3Aの積層膜からなる遮光膜3のドライエッチングを連続して行い、遮光膜パターン3aを形成した(図4(d)参照)。ドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=4:1(流量比))を用いた。
続いて、上記遮光膜パターン3aをマスクにして、ケイ素層21及び位相シフト層22の積層からなる位相シフト膜2のドライエッチングを連続して行い、位相シフト膜パターン2aを形成した(図4(e)参照)。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。なお、この位相シフト膜2のエッチング工程において、表面に露出しているハードマスク膜パターン4aは除去された。
次に、上記図4(e)の状態の基板上の全面に、スピン塗布法により、前記と同様のレジスト膜6を形成し(図5(f)参照)、電子線描画機を用いて、所定のデバイスパターン(たとえば遮光帯パターンに対応するパターン)を描画した後、現像して所定のレジストパターン6aを形成した(図5(g)参照)。続いて、このレジストパターン6aをマスクとして、露出している遮光膜パターン3aのエッチングを行うことにより、たとえば転写パターン形成領域内の遮光膜パターン3aを除去し、転写パターン形成領域の周辺部には遮光帯パターンを形成した(図5(h)参照)。この場合のドライエッチングガスとしてはClとOの混合ガス(Cl:O=8:1(流量比))を用いた。
最後に、残存するレジストパターン6aを除去し、ハーフトーン型位相シフトマスク20を作製した(図5(i)参照)。
なお、上記位相シフト膜パターン2aの透過率、位相差はマスクブランク製造時と殆ど変化はなかった。
[評価]
得られた位相シフトマスク20に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行った結果、設計値から許容範囲内で微細パターンが形成されていることが確認された。また、得られた位相シフトマスク20に対して、ArFエキシマレーザーを総照射量30kJ/cmとなるように連続照射した。前述したように、照射量30kJ/cm(エネルギー密度 約25mJ/cm)というのは、位相シフトマスクを略100,000回使用したことに相当し、通常の位相シフトマスクの使用頻度で略3カ月使用したことに相当する。
上記照射後の位相シフト膜2(Si層+MoSiON層)の透過率及び位相差を測定したところ、ArFエキシマレーザー(波長193nm)において、透過率は6.12%、位相差は176.1度となっていた。従って、照射前後の変化量は、透過率が+0.04%、位相差が−0.2度であり、変化量は小さく抑えられており、この程度の変化量は位相シフトマスク20の性能に影響はない。また、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて位相シフト膜パターン2aの断面を詳しく観察したところ、とくに従来発生していたような厚い変質層は確認されず、線幅の太り(CD変化量)に関しても2nm以下に抑えられていた。従って、本実施例のマスクブランク及びそれを使用して作製した位相シフトマスクは、200nm以下の短波長の露光光源による累積照射に対して、極めて高い耐光性を備えていることがわかる。
(実施例2)
この実施例2のマスクブランクは、位相シフト膜2の位相シフト層22を形成する材料にSiN膜を適用したこと以外については、実施例1のマスクブランクと同様の手順で製造した。
具体的には、枚葉式RFスパッタ装置内に透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)ガスをスパッタリングガスとするRFスパッタリングにより、透光性基板1の表面に接してケイ素層21を8nmの厚さで形成した。続いて、ケイ素(Si)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)および窒素(N)の混合ガスをスパッタリングガスとする反応性スパッタリング(RFスパッタリング)により、ケイ素層21上に、ケイ素および窒素からなる位相シフト層22(SiN膜 Si:N=43原子%:57原子%)を63nmの厚さで形成した。以上の手順により、透光性基板1の表面に接してケイ素層21と位相シフト層22が積層した位相シフト膜2を71nmの厚さで形成した。この位相シフト膜2は、位相シフト層22の厚さがケイ素層21の厚さの7.9倍ある。なお、位相シフト層22の組成は、X線光電子分光法(XPS)による測定によって得られた結果である。
この位相シフト膜2が形成された透光性基板1に対して、位相シフト膜2の膜応力を低減するため、および表層部分に酸化層を形成するための加熱処理を行った。位相シフト量測定装置(レーザーテック社製 MPM193)を用いて、その位相シフト膜2の波長193nmの光に対する透過率と位相差を測定したところ、透過率が6.1%、位相差が177.0度(deg)であった。また、この位相シフト膜2に対して、STEM(Scanning Electron Microscope)とEDX(Energy Dispersive X−Ray Spectroscopy)で分析したところ、位相シフト層22の表面から約2nm程度の厚さの表層部分で酸化層が形成されていることが確認された。さらに、この位相シフト膜2のケイ素層21および位相シフト層22の各光学特性を測定したところ、ケイ素層21は屈折率nが1.06、消衰係数kが2.72であり、位相シフト層22は、屈折率nが2.63、消衰係数kが0.37であった。位相シフト膜2の波長193nmの光に対する裏面反射率(透光性基板1側の反射率)は44.1%であった。
次いで、この位相シフト膜2上に、実施例1のマスクブランクと同様の手順で遮光膜3およびハードマスク膜4を形成した。
以上の手順により、透光性基板1上に、ケイ素層21とSiNの位相シフト層22とからなる位相シフト膜2、遮光膜3およびハードマスク膜4が積層した構造を備える実施例2のマスクブランク12を製造した。
次に、この実施例2のマスクブランク12を用い、実施例1と同様の手順で、実施例2の位相シフトマスク20を作製した。なお、位相シフト膜2にSF+Heを用いたドライエッチングを行ったが、そのときの位相シフト層22のエッチングレートに対するケイ素層21のエッチングレートの比は、2.06であった。
[評価]
得られた実施例2の位相シフトマスク20に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行った結果、設計値から許容範囲内で微細パターンが形成されていることが確認された。また、得られた位相シフトマスクに対して、ArFエキシマレーザーを総照射量40kJ/cmとなるように間欠照射する照射処理を行った。この照射処理前後における位相シフトパターン2aのCD変化量は1.5nmであった。
さらに、このArFエキシマレーザー光の照射処理を行った後の位相シフトマスク20に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける露光転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションで得られた露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。以上のことから、この実施例2のマスクブランクから製造された位相シフトマスク20は、露光装置にセットしてArFエキシマレーザーの露光光による露光転写を積算照射量が40kJ/cmとなるまで行っても、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことができるといえる。
(比較例)
上記実施例1に使用したマスクブランクにおいて、ケイ素層の形成を省き、基板1の表面に、MoSiON層を位相シフト膜として形成したこと以外は、実施例1と同様にして遮光膜及びハードマスク膜を形成し、比較例のマスクブランクを作製した。
なお、上記MoSiON膜が形成された透光性基板に対して加熱処理を施した。具体的には、大気中で加熱温度を400℃、加熱時間を2時間の加熱処理を行った。なお、このMoSiON膜は、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は6.11%、位相差は175.6度となっていた。また、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて加熱処理後のMoSiON膜の断面を詳しく観察したところ、MoSiON膜の表層部分に特に変化はなく、被膜のようなものは形成されていなかった。
次に、実施例1と同様にして、上記比較例のマスクブランクを用いて位相シフトマスクを作製した。なお、作製した位相シフトマスクにおける位相シフト膜の透過率、位相差はマスクブランク製造時と殆ど変化はなかった。
得られた本比較例の位相シフトマスクに対して、ArFエキシマレーザーを総照射量30kJ/cm2となるように連続照射した。照射後の位相シフト膜(MoSiON膜)の透過率及び位相差を測定したところ、ArFエキシマレーザーにおいて、透過率は7.69%、位相差は170.8度となっていた。従って、照射前後の変化量は、透過率が+1.58%、位相差が−4.8度であり、変化量は非常に大きく、この程度の変化量が発生すると最早フォトマスクとして使用することはできない。また、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて位相シフト膜パターンの断面を詳しく観察したところ、従来発生していたような変質層が確認され、それによる線幅の太り(CD変化量)も10nmであることが認められた。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、これは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載した技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
1 透光性基板
2 位相シフト膜
21 ケイ素層
22 位相シフト層
3 遮光膜
4 ハードマスク膜
5,6 レジスト膜
10,11,12 マスクブランク
20 位相シフトマスク

Claims (18)

  1. 透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、
    前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上180度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
    前記位相シフト膜は、透光性基板側からケイ素層と位相シフト層がこの順に積層した構造を含み、
    前記位相シフト層は、その表層部分を除きケイ素および窒素からなる材料またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成され、
    前記位相シフト層は、前記ケイ素層よりも厚さが厚く、
    前記ケイ素層の厚さは、3nm以上12nm未満であることを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記ケイ素層の膜密度は、2.1g/cm 以上2.5g/cm 以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3. 前記位相シフト層の膜密度は、2.5g/cm よりも大きく3.0g/cm 以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
  4. 前記位相シフト層の厚さは、前記ケイ素層の厚さの5倍以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記位相シフト層の膜厚は、80nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記位相シフト層は、窒素含有量が50原子%よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 前記位相シフト膜の前記基板とは反対側の表面に、クロムを含有する材料からなる遮光膜を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク。
  8. 前記遮光膜の前記位相シフト膜とは反対側の表面に、ケイ素を含有する材料からなるハードマスク膜を有することを特徴とする請求項7に記載のマスクブランク。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のマスクブランクにおける前記位相シフト膜をパターニングする工程を含むことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  10. 透光性基板上に位相シフト膜パターンを備えた位相シフトマスクであって、
    前記位相シフト膜パターンは、ArFエキシマレーザーの露光光を2%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜パターンを透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜パターンの厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で150度以上180度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
    前記位相シフト膜パターンは、透光性基板側からケイ素層と位相シフト層がこの順に積層した構造を含み、
    前記位相シフト層は、その表層部分を除きケイ素および窒素からなる材料またはケイ素および窒素からなる材料に酸素を除く非金属元素および半金属元素から選ばれる1以上の元素を含有する材料で形成され、
    前記位相シフト層は、前記ケイ素層よりも厚さが厚く、
    前記ケイ素層の厚さは、3nm以上12nm未満であることを特徴とする位相シフトマスク。
  11. 前記ケイ素層の膜密度は、2.1g/cm 以上2.5g/cm 以下であることを特徴とする請求項10に記載の位相シフトマスク。
  12. 前記位相シフト層の膜密度は、2.5g/cm よりも大きく3.0g/cm 以下であることを特徴とする請求項10又は11に記載の位相シフトマスク。
  13. 前記位相シフト層の厚さは、前記ケイ素層の厚さの5倍以上であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の位相シフトマスク。
  14. 前記位相シフト層の膜厚は、80nm以下であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の位相シフトマスク。
  15. 前記位相シフト層は、窒素含有量が50原子%よりも大きいことを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の位相シフトマスク。
  16. 前記位相シフト膜パターンの前記基板とは反対側の表面に、クロムを含有する材料からなる遮光膜パターンを有することを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の位相シフトマスク。
  17. 請求項9に記載の位相シフトマスクの製造方法により製造された位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項10乃至16のいずれかに記載の位相シフトマスクを用い、リソグラフィー法により前記位相シフトマスクの転写パターンを半導体基板上にパターン転写する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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