JP3339716B2 - 露光用マスクの製造方法 - Google Patents
露光用マスクの製造方法Info
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Description
用いられる露光用マスクに係わり、特に半透明膜パタ―
ンからなる位相シフタを形成した露光用マスク、露光マ
スク用基板、及び露光用マスクの製造方法に関する。
細化の一途を辿っている、このような半導体集積回路の
製造に際し、リソグラフィ技術は加工の要として特に重
要である。
―ンを縮小光学系を介してLSI基板上に投影露光する
方法が主に用いられているが、高圧水銀ランプを光源と
するなら最小線幅0.5μm程度が限度である。0.5
μm以下のパタ―ン寸法にはKrFエキシマレ―ザ或い
は電子線を用いた直接描画技術や、X線等倍露光技術の
開発が進められているが、量産性、プロセスの多用性等
の理由から、光リソグラフィに対する期待は非常に大き
くなっている。
線,i線,エキシマレ―ザ,X線等種々の光源の採用が
検討されており、またレジストに対しても新レジストの
開発やRELのような新レジスト処理が検討され、さら
には多層レジストプロセス,CEL,イメ―ジリバ―ス
法等も研究が進められている。
をはかる試みがなされている。その1つの手法として、
位相シフト法がある。位相シフト法とは、光透過部に位
相反転層を設け隣接するパタ―ンからの光の回折の影響
を除去し、パタ―ン精度の向上をはかるものである。
の光透過部に対し交互に180度の位相差を設けるよう
にしたレベンソン型位相シフトマスクがある。この方法
では3つ以上のパタ―ンが隣接する場合に効果を発揮す
るのは難しい。即ち、2つのパタ―ンの光位相差を18
0度とした場合、もう1つのパタ―ンは先の2つのパタ
―ンのうち一方と同位相となる。その結果、位相差18
0度のパタ―ン同士は解像するが、位相差0度のパタ―
ン同士では非解像となるという問題がある。この問題を
解決するためには、デバイス設計を根本から見直す必要
があり、直ちに、実用化するにはかなりの困難を有す
る。
設計変更を必要としない手法としてハ―フト―ン型位相
シフトマスクがある。この位相シフト法の効果を最大限
に生かすには、透明部分と光半透過膜を透過した光の位
相差と両者の振幅透過率比を最適化することが重要であ
る。この位相差と振幅透過率比は、これらの膜の光学定
数(複素屈折率n−ik:ここではiは単位虚数)と膜
厚により一意的に決まる。つまり、所望の位相差と振幅
透過率比とを得るためには光学定数と膜厚とがある関係
を満足する必要がある。しかしながら、光学定数は物質
に固有の値であるため、所望の条件を単層膜で満足させ
ることは難しい。
膜の構造を示したものである。この手法で形成されたマ
スクは、透光性基板1上に光透過部1aと光半透過膜1
bとを形成してなり、光半透明膜1bを光透過部1aに
対する振幅透過率10〜40%で形成し、かつここを透
過する光の位相を光透過部に対し180度変化させるも
のである。これらの目的を満足させるための第1の層2
と第1の層2により生じた位相差を併せて180度とな
るように調整する第2の層3との2層構造によって光半
透過膜1bを構成している。
トマスクでは、ハ―フト―ン部を2層構造とし第1の層
2で振幅透過率を調整し、第2の層3で第1の層2によ
って生じた位相差と併せて180℃となるように調整し
ているが、これらの層に用いる材料として従来は第1の
層にCr、MoSi等を用い、第2の層にSiO2 、M
gF2 、CaF2 、Al2 O3 等を用いている。従っ
て、ハ―フト―ン部を形成するために、2種類の異なっ
た環境により膜形成を行う必要がある。例えば、第1の
膜作成のためにスパッタ装置を用いてCrを成膜し、第
2の膜作成のためにCVD法を用いてSiO2 を成膜す
る方法などである。
回に別けて行うため、搬送時のごみの付着等が生じ、欠
陥が増大するなどの問題が生じる。また、加工に際して
も、加工する元素が異なるため複数種の異質のガス(例
えばCr/SiO2 膜で半透明膜が構成されている場
合、Crを塩素系のガスで、SiO2 を弗素系のガスで
加工する)を用いてエッチングを行わなくてはならない
等の問題がある。また、第2の層に透明膜を用いている
が、透明膜は屈折率が小さいため位相シフタの膜厚は厚
くなる。このため、加工精度が悪いという問題もある。
域以外に存在するアライメント用あるいは検査用マーク
から露光光が漏れるのを防ぐため、ブラインドが投影露
光装置に設けられ、パターン領域外の光をカットしてい
る。なおブラインドの像はウェハ上で100μm 程度の
像のぼやけを生じるため、ウェハ上でパターン領域を区
切る役割はない。このため従来は図20(a) に示すよう
にマスク上でパターン領域外周辺を覆うように遮光パタ
ーン101を形成していた。しかしながら半透明膜のみ
で露光用マスクを形成した場合、従来、パターン領域を
区切ることを目的としていた、パターン領域外周辺部に
存在する遮光パターンの代わりに図20(b) に示すよう
に半透明パターン201を用いることになる。このとき
パターン領域境界に存在する半透明膜を通過した光は、
ウェハ上で隣接するパターンに対し半透明膜の透過率×
露光量だけ照射することになる。このため図21に示す
ように照射領域では、実質的に露光量が過剰となりパタ
ーン領域の細りが生じたり、さらには焦点深度が不足す
るという問題が生じていた。
フト―ン型位相シフトマスクにおいては、半透明膜の形
成に際して工程数が多くなると共に、ごみの付着、欠陥
の発生が生じるという問題があり、位相シフト効果を最
大限に発揮させることは困難であった。
した場合、従来パターン領域を区切ることを目的として
いたパターン領域外周辺分でも半透明パターンを用いる
ことになるため、パターン領域境界に存在する半透明膜
を通過した光は、ウェハ上で隣接するパターンに対し半
透明膜の透過率×露光量だけ照射することになる。この
ため照射領域では、実質的に露光量が過剰となりパター
ン領域の細りが生じたり、さらには焦点深度が不足する
という問題があった。
で、その目的とするところは、ごみの付着や欠陥の発生
を招くことなく複数層の半透明膜を容易に積層すること
ができ、工程の簡略化をはかり得て、かつ位相シフト効
果を最大限に発揮させることのできる露光マスク及びそ
の製造方法を提供することにある。
スクを形成した場合にも、パターン領域の細りが生じた
り、さらには焦点深度が不足するというような問題のな
い露光マスクを提供することを目的とする。
に本発明は次のような構成を採用している。
クパタ―ンを形成した露光用マスクにおいて、マスクパ
タ―ンは、露光光に対する光路長が前記透光性基板の透
明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明膜
パタ―ンを含むものであり、半透明膜パタ―ンは同一の
元素を含む組成の異なる層を積層して形成したことを特
徴とする。
光に対する光路長が透明部分とは所定量だけ異なるよう
に構成された半透明膜を含むマスクパタ―ンを形成した
露光用マスクの製造方法において、半透明膜として、同
一の元素を含む組成の異なる層を順次積層することを特
徴とする。ここで同一の元素を含む組成の異なる層を順
次積層するに際しては、ターゲットを用いたスパッタリ
ング法、蒸着法、同一元素を含む異なるガスを順次切り
替えることによって形成するCVD法等を用いて形成さ
れる。
は、次のものがあげられる。
物,シリコンを含む混合物、ゲルマニウム,ゲルマニウ
ム化合物,ゲルマニウムを含む混合物、又はCr,A
l,Ti,Sn,In,Cd或いは他の金属元素、金属
化合物及びこれらの酸化物、窒化物、水素化物、炭化
物、ハロゲン化物のうち、少なくとも1種類以上を含む
混合物の組成比を制御した複数の層からなること。
つの層を、スパッタリングにより作成し、その雰囲気中
に窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アセチレン等のガス
又はハロゲン元素を含むガスを混入させて、窒素、酸素
又はハロゲン元素の組成比を制御することにより、振幅
透過率を調整しつつ他の層を成膜すること。
らにイオン注入を行う工程や熱処理工程によって結晶状
態を変化させることにより、振幅透過率を微調整する改
質工程を含むこと。
に対する光路長が透明部分とは所定量だけ異なるように
構成された半透明膜を含むマスクパターンを形成した露
光用マスクの製造方法において、半透明膜として、シリ
コンを共通元素としたシリコンと窒素の組成の異なる層
を積層して成された半透明膜を用い、積層された半透明
膜の加工をCF4と酸素の混合ガスを用いた反応性イオ
ンエッチングにより順次行うことを特徴とする。
に対する光路長が透明部分とは所定量だけ異なるように
構成された半透明膜を含むマスクパターンを形成した露
光用マスクの製造方法において、半透明膜として、クロ
ムを共通元素としたクロムと酸素の組成の異なる層を積
層して成された半透明膜、もしくは、アルミニウムを共
通元素としたアルミニウムと酸素の組成の異なる層を積
層して成された半透明膜を用い、積層された半透明膜の
加工を塩素と酸素の混合ガスを用いた反応性イオンエッ
チングにより順次行うことを特徴とする。
に対する光路長が透明部分とは所定量だけ異なるように
構成された半透明膜を含むマスクパターンを形成した露
光用マスクの製造方法において、半透明膜として、チタ
ンを共通元素としたチタンと酸素の組成の異なる層を積
層して成された半透明膜を用い、積層された半透明膜の
加工をフッ素系の混合ガスを用いた反応性イオンエッチ
ングにより順次行うことを特徴とする。
形成し、各層の一部の元素を共通にしているので、半透
明膜を同一の装置で作成することができ、さらにそのパ
タ―ニングに際しても同種のエッチャントでエッチング
することができる。従って、半透明膜を形成するための
工程の簡略化をはかることが可能となる。また、半透明
膜として所望の振幅透過率と位相差を得る単一層の組成
が分かったとしても、その組成の物質を実現するのは難
しい場合がある。このとき、上記単一層の組成と、一部
組成が異なる複数の層の全体としての組成が等しくなる
ように設定すれば、作り易い安定な複数の層で結果とし
て単一層と等価な層を形成することができる。つまり、
本発明のように同一元素を含む複数種の層で半透明膜を
形成することにより、製造工程の簡略化をはかることが
できると共に、位相シフト効果を最大限に発揮させるこ
とが可能となる。
原理について説明する。
透明膜を透過する光の位相を透明な部分を透過する光の
位相に対し180度±10%で制御することが必要で、
かつ半透明膜の透過率を所望の値にすることが必要であ
る。この±10%という値はシミュレ―ションにより位
相差を180度からずらしていき、その場合の焦点深度
の劣化が10%以内に収まる範囲は、180度±10%
程度であることから定めたものである。
度を得るためには、半透明膜の光学定数は次の条件を満
たす必要がある。入射光の複素電界ベクトルをEO、透
明領域を透過した光の複素電界ベクトルをE1とし、半
透明膜領域を透過した光の複素電界ベクトルをE2とす
ると、それらの関係は、 E1=t1・E0……(1) E2=t2・E0……(2) となる。但し、t1、t2は振幅透過率とする。
るためには、透過光の振幅透過率比及び位相差の間の関
係は、下記の(3) 式及び(4) 式で表され、 0.1≦|E1|/|E2|≦0.4 ……(3) 170度≦|δ1−δ2|≦190度 ……(4) となる。但し、 E1=|E1|exp(δ1) E2=|E2|exp(δ2) である。(1) ,(2) 式における半透明膜領域及び透過領
域の光の振幅透過率t1、t2は、これらの領域を構成
する物質と他の媒体との界面における反射率、透過率及
び膜の吸光度を考慮した該物質の膜厚Tにおける多重反
射を考えることで容易に求めることができる。物質の反
射率、透過率は、屈折率n及び消衰係数kより求められ
る。また、膜の吸光度は消衰係数kより求めることがで
きる。
フタ層であるので開孔部に対し位相差180度を考慮す
ると、膜厚Tは物質の屈折率nより T=λ/2(n−1) ……(5) となる。以上の変数から実測値として得られる透過率t
は、 t=F(n1,k1,n0,k0,T) ……(6) により得られる。ここでn0,k0は媒体の屈折率、消
衰係数を示しており特定の値であるから、(6) 式をn
1,k1の関係として振幅透過率tを一意的に求めるこ
とができる。
nmのg線露光を想定して、位相を180±10°、振
幅透過率を15±5%とし、屈折率nを変化させて、対
応するkを求めると図12中に実線及び破線で示すカ―
ブが描ける。図5において、縦軸は消衰係数k、横軸は
屈折率nを示し、破線(a)は振幅透過率10%、位相
170度の時のkとnの関係を示す曲線、破線(b)は
振幅透過率20%、位相190度の時のkとnの関係を
示す曲線、破線(c)は振幅透過率15%、位相180
度の時のkとn関係を示す曲線である。破線(a)及び
(b)の間の領域がこの時の許容範囲となり、ある物質
の屈折率n及び消衰係数kで定まる点が破線に挟まれた
範囲内であれば、その物質は単層膜でハ―フト―ン型位
相シフト膜の機能を持つことになる。
2中にポイントで示したアモルファスSiがある。しか
し、波長365nmのi線露光を考えた場合、図13に
示すように、アモルファスSi(N2ガス0%のポイン
ト)は許容範囲外の値を取る。従って、i線露光ではア
モルファスSiを用いた単層ハ―フト―ン位相シフト膜
の形成が不可能であることが分かる。
4 (N2 ガス80%のポイント)について同様の検討を
行うとやはり許容範囲外となる。しかし、アモルファス
SiとSi3 N4 の2点を任意の曲線で結んだ場合、必
ず破線間に挟まれた領域を得ることが分かる。即ち、ア
モルファスSiとSi3 N4 の中間的な物性を持つ物質
が在れば許容範囲内に入ることになる。この膜の作成に
ついては、SiとN2 による反応性スパッタが有効であ
る。このとき、N2 の反応比を変えることで任意の物性
の膜を得ることができる。このときの物性値を黒丸で示
す。また、黒丸を通る曲線を描くと破線間の領域を通
り、ここで得られた最適条件は、スパッタリング時の窒
素ガスの流量が15%の時のn=3.30,k=1.1
9であり、膜厚をS3.5nmにすることにより振幅透
過率比が0.142,位相差が180度となる。このよ
うに反応比を変えたSi3 N4 膜を形成することで、所
望の単層ハ―フト―ン型位相シフト膜を形成することが
できる。
―ザによる露光を考えた場合、i線露光の場合と同様
に、図14に示すように、アモルファスSi及びSi3
N4 の物性値は、許容範囲外となるが、これらの中間的
な物性をもつ物質は許容範囲内に入ることが分かった。
固定し、振幅透過率に余裕を持たせて設定したり、振幅
透過率を固定し位相に余裕を持たせて設定することも可
能である。また、許容とされる数値もレジストプロセス
等への影響及び効果を考え、本説明で述べた値を変更し
ても構わない。
研究を行った結果、シリコン,シリコンを含む混合物、
シリコンを含む混合物、ゲルマニウム,ゲルマニウムを
含む化合物,ゲルマニウムを含む混合物のいずれか1種
或いは2種以上の混合物で形成される物質、又はCr,
Al,Ti,Sn,In,Co或いは他の金属元素、金
属化合物及びこれらの酸化物、窒化物、水素化物、炭化
物、ハロゲン化物のうちいずれか1種或いは2種以上の
混合物で形成される物質について上述の2条件を満たす
ことが分かった。とりわけシリコンについてはg線領
域、SiNはi線,KrF領域で非常に有効な半透明膜
であるといえる。これらの物質の特性について表1に示
す。
入することにより、形成された膜質の若干の調整、例え
ば光学定数の調整をはかることができる。
加熱することにより、アモルファス状態を多結晶へ、ま
た多結晶から単結晶へと連続的或いは断続的に変化させ
ることができ、所望の物性状態が得られる。
の基本概念について述べたが、単一の半透明膜を作成し
ようとした場合、膜によっては化合物の組成比が難しい
場合もある。例えば、i線単層半透明膜をシリコンと窒
素の組成比を調整して作成する場合、位相差と透過率が
最適とされる屈折率nと消衰係数kを満たすときのシリ
コンと窒素の組成比は、シリコン:窒素=1:0.60
程度でなくてはならない。これは、通常シリコンを窒素
化して得られるSi3 N4 膜の組成比(シリコン:窒素
=1:1.33)と比べ窒素の割合が小さく窒素流量の
微調整が必要となってくる。
透明膜を作成するよりも2つの組成比を変化させた2種
以上の半透明膜、例えばSi(シリコン:窒素=1:
0)とSi3 N4 (シリコン:窒素=1:1.33)を
用いた多層膜で形成した方が望ましい。このとき、Si
分子のスパッタ量1に対するSi3 N4 分子のスパッタ
量を求めると0.042が得られ、この条件下でスパッ
タを2回に別けて行えば多層の場合と同等の所望の半透
明位相シフト膜が得られる。また、KrF用半透明膜を
i線と同様にSi3 N4 膜に別けて行うと、シリコン:
窒素=1:0.9とすることが必要で、そのためにはS
i分子のスパッタ量1に対してSi3 N4分子のスパッ
タ量0.74とすることで、SiとSi3 N4 膜からな
る2種の半透明膜により所望の半透明膜位相シフトを得
ることができる。
えて成膜しており、タ―ゲットにシリコンを用い、これ
をスパッタした後、窒素を流しながらシリコンをスパッ
タすることでSi3 N4 膜を堆積している。このスパッ
タの工程ではタ―ゲットを1種類に固定しているため、
同一の装置を使用でき、また加工の際も共通元素Siに
対する加工のみで済むため、弗素系のガスを用いた反応
エッチングにより一度に加工することが可能である。C
rとSiO2 という異なった元素からなる2層半透明位
相シフト膜と比べ、成膜、加工のそれぞれにおいて工程
の省略化ができる。
iとSi3 N4 に限るものではなく、種々の材料を選択
して使用することができる。図15〜図18に、各種材
料における屈折率と消衰係数との関係を示す。図15は
Cr−CrO2 、図16はAl−Al2 O3 、図17は
Ti−TiO、図18はGaAs−GaAsOである。
また、これらの図において、上図はi線(波長365n
m)、下図はKrF線(波長248nm)の場合を示し
ている。これらの図において、上側の破線と下側の破線
との間の領域(許容範囲)に入るように各材料組成を決
定すればよい。ここで得られる組成は、本発明の場合だ
けでなく組成比を反応条件によりコントロ―ルして単層
の半透明膜形成する場合に適用できる。
iO遷移に見られるように、許容範囲と交わらない場合
には、本発明によるハ―フト―ン位相シフト膜を形成で
きないことも考えられる。また、i線露光条件のCr−
CrO遷移に見られるように許容範囲内境界に終点物質
が存在する場合、露光時に振幅透過率20%、位相差1
90度を許容範囲と見なすことが可能であれば、終点物
質をそのまま使用することができる。
製造工程を示す断面図である。この露光用マスクは、半
透明膜パタ―ンとしてスパッタリング法で形成したS
i,Si3 N4 の2層の半透明膜からなるパタ―ンを用
いたことを特徴とし、i線投影露光用マスクとして用い
られるものである。
ン基板10上にスパッタリング法により膜厚71nmの
シリコン膜11を作成する。引き続き窒素ガスを導入し
ながらSi3 N4 膜12を19nm作成した。このと
き、2層からなる半透明位相シフト膜は、酸化シリコン
基板10に対する位相差180度、振幅透過率22.4
%であった。
レジスト13を膜厚0.5μmで堆積した後、さらに導
電性膜14を0.2μm程度に形成する。
14上から電子線により3μC/cm2 で描画し、さら
に現像を行ってレジスト13のパタ―ンを形成する。こ
こで、導電性膜14を形成するのはレジスト13が絶縁
性であるとき電子線のチャ―ジアップを防ぐためであ
る。
パタ―ンをマスクとしてCF4 とO2 との混合ガスによ
る反応性イオンエッチングにより、レジストパタ―ンか
ら露出するSi3 N4 膜12及びシリコン膜11を順次
除去する。そして、最後にレジストパタ―ンを除去する
ことにより、図1(e)に示すように、Si3 N4 膜1
2とシリコン膜11からなる位相シフタを得ることがで
きる。
4 膜の形成をスパッタリングにより行ったが、CVD法
によりそれぞれの膜を作成してもよい。さらに、シリコ
ン膜及びSi3 N4 膜の加工をCDE(ケミカルドライ
エッチング)、ウェツトエッチングにより行っても構わ
ない。
介して、PFR7750(日本合成ゴム製)と称されて
いるレジストを1.54μm塗布した基板に、g線で1
/5縮小露光(NA=0.54,σ=0.5)を行って
パタ―ンを形成した。このときの露光量は300mJ/
cm2 であった。従来0.45μmパタ―ンでフォ―カ
スマ―ジン0μmで解像していたものを、本実施例のマ
スクを用いることにより0.7μmで解像することがで
きた。
露光で解像されなかった0.50μmパタ―ンがフォ―
カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認された。
また、このマスクを用いて転写し形成されたレジストパ
タ―ンをマスクとして基板の加工を行うことにより、よ
り良好な加工形状を得ることが可能となる。
してスパッタリング法により形成したシリコンとSi3
N4 膜からなるパタ―ンを用いたことを特徴とし、Kr
F用のマスクとして用いられるものである。ここでは、
酸化シリコン基板上10に膜厚74nmのシリコン膜1
1を作成する。引き続き窒素ガスを導入しながらSi3
N4 膜12を70nm作成した。このときの2層からな
る半透明位相シフト膜は、酸化シリコン基板10に対す
る位相差180度、振幅透過率21.5%であった。
用レジスト13を膜厚1.5μmで堆積した後、さらに
導電性膜14を0.2μm程度に形成する。この導電性
膜上から電子線により6μC/cm2 で描画し、さらに
現像を行ってレジストパタ―とする。
4 とO2 との混合ガスによる反応性イオンエッチングに
よりレジストパタ―ンから露出するSi3 N4 膜12及
びシリコン膜11を順次除去する。そして、最後にレジ
ストパタ―ンを除去しSi3N4 膜12とシリコン膜1
1からなる位相シフタを得ることができる。
介して、XP8843(シプレ―社製)と称されている
KrF用レジストを1.0μm塗布した基板に、KrF
エキシマレ―ザで1/5縮小露光(NA=0.4,σ=
0.5)を行ってパタ―ンを形成した。このときの露光
量は40mJ/cm2 であった。従来0.30μmパタ
―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像していたもの
を、本実施例のマスクを用いることにより0.7μmで
解像することができた。コンタクトホ―ルパタ―ンに関
しても従来の露光で解像されなかった0.30μmパタ
―ンがフォ―カスマ―ジン−1.2μmで解像すること
が確認された。
シリコン膜の形成をタ―ゲットとして、シリコンを用い
窒素ガス量を制御しながらスパッタリングにより行った
が、シリコンと窒化シリコンのモザイクタ―ゲットを用
いたスパッタリンク或いはガス比を制御したCVD法等
を用いてもよい。また、膜厚を本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲において適当な厚さにしてもよい。さらに、屈折
率と振幅透過率との微調整を行うためにイオン注入や熱
処理を行い、表面の改質を行うようにしてもよい。
成したi線露光用マスクに関する。Crを反応性スパッ
タにより単層の半透明膜で作成する場合、Cr元素に対
し酸素元素の組成比を約1.8とする環境となるように
酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト膜
が得られることを確認した。
膜で作成することを考えると、それぞれの分子組成比を
Cr:CrO2 =1:0.567とすることで酸化シリ
コン基板に対し位相差180度、振幅透過率18%を得
ることができる。
ン基板10上にスパッタリング法により膜厚70nmの
Cr膜21を作成する。引き続き酸素ガスを導入しなが
らCrO2 膜22を42nm作成した。
ジストを膜厚1.0μmで形成し、電子線により6μC
/cm2 で描画し、さらに現像を行いレジストパタ―ン
とする。
2 とO2 との混合ガスによる反応性イオンエッチングに
より、レジストパタ―ンから露出するCr膜21及びC
rO2 膜22を順次除去する。そして、最後にレジスト
パタ―ンを除去することにより、図2(b) に示すような
Cr膜21とCrO2 膜22からなる位相シフタを得る
ことができる。
が26%程度である場合にはCrO2 膜を単層膜で用
い、膜厚130nmに制御すればCrO2 膜のみからな
る位相シフタを得ることもできる。
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5、σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/cm2 であった。ライン&ス
ペ―スパタ―ンに関しては、従来の露光において0.3
5μmパタ―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像し
ていたものが、本実施例のマスクによりフォ―カスマ―
ジン=0.9μmで解像することが可能になった。
の露光で解像されなかった0.40μmパタ―ンがフォ
―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認され
た。また、このマスクを用いて転写し、形成されたレジ
ストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うことで、よ
り良好な加工形状を得ることが可能である。
タ膜の形成を雰囲気ガスの組成比を制御したCVD等に
より成膜してもよい。また、本実施例でCr及びCrO
2 のエッチングをケミカルエッチング(CDE)又はウ
ェットエッチング(硝酸第2セリウムアンモニウム溶液
を使用)を用いても構わない。
成したi線露光用マスクに関する。Alを反応性スパッ
タにより単層の半透明膜で作成する場合、Al元素に対
し酸素元素の組成比を約1.40とする環境となるよう
に酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト
膜が得られることを確認した。
層膜で形成することを考えると、それぞれの分子組成比
をAl:Al2 O3 =1:18.3とすることで酸化シ
リコン基板に対し位相差180度、振幅透過率15%を
得ることができる。
ン基板10上にスパッタリング法により膜厚23nmの
Al膜31を作成する。引き続き酸素ガスを導入しなが
らAl2 O3 膜32を248nm作成した。
ストを膜圧1.0μmで形成し、電子線により6μC/
cm2 で描画し、さらに現像を行ってレジストパタ―ン
とする。
2 とO2 との混合ガスによる反応性イオンエッチングに
より、レジストパタ―ンから露出するAl及びAl2 O
3 膜を順次除去する。そして、最後にレジストパタ―ン
を除去することにより、図3(b) に示すようなAl膜3
1とAl2 O3 膜32からなる位相シフタを得ることが
できる。
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5,σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/xm2 であった。
来の露光において0.35μmパタ―ンでフォ―カスマ
―ジン0μmで解像していたものが、本実施例のマスク
によりフォ―カスマ―ジン0.9μmで解像することが
可能になった。コンタクトホ―ルパタ―ンに関しても、
従来の露光で解像されなかった0.40μmパタ―ンが
フォ―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認さ
れた。また、このマスクを用いて転写し、形成されたレ
ジストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うことで、
より良好な加工形状を得ることが可能である。
成したKrF線露光用マスクに関する。Alを反応性ス
パッタにより単層の半透明で形成する場合、Al元素に
対し酸素元素の組成比を約1.43とする環境となるよ
うに酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフ
ト膜が得られることを確認した。
成することを考えると、それぞれの分子組成比をAl:
Al2 O3 =1:10とすることで酸化シリコン基板に
対し位相差180度、振幅透過率15%を得ることがで
きる。
リング法により膜厚14nmのAl膜31を作成する。
引き続き酸素ガスを導入しながらAl2 O3 膜32を1
61nm作成した。次いで、電子線レジストを膜厚1.
0μm形成し、電子線により6μC/cm2 で描画し、
さらに現像を行いレジストパタ―ンとする。
2 とO2 との混合ガスによる反応性イオンエッチングに
よりレジストパタ―ンから露出するAl膜31及びAl
2 O3 膜32を順次除去する。そして、最後にレジスト
パタ―ンを除去しAl膜31とAl2 O3 膜32からな
る位相シフタを得ることができる。
介して、XP8843(シプレ―社製)と称されている
KrF用レジストを1.0μm塗布した基板に、KrF
エキシマレ―ザ1/5縮小露光(NA=0.4,σ=
0.5)を行ってパタ―ンを形成した。このときの露光
量は40mJ/cm2 であった。そして、従来0.30
μmパタ―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像して
いたものを、本実施例のマスクを用いることにより、フ
ォ―カスマ―ジン=0.7μmで解像することができ
た。
も、従来の露光で解像されなかった0.30μmパタ―
ンが、フォ―カスマ―ジン=1.2μmで解像すること
が確認された。
したi線露光用マスクに関する。Tiを反応性スパッタ
により単層の半透明膜で作成する場合、Ti元素に対し
酸素元素の組成比を約0.61とする環境となるように
酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト膜
が得られることを確認した。
することを考えると、それぞれの分子組成比をTi:T
iO2 =1:0.43とすることで酸化シリコン基板に
対し位相差180度、振幅透過率15.4%を得ること
ができる。
ン基板10上にスパッタリング法により膜厚196nm
のTi膜41を作成する。引き続き酸素ガスを導入しな
がらTiO2 膜42を84nm作成した。
で形成し、電子線により6μC/cm2 で描画し、さら
に現像を行いレジストパタ―ンとする。このレジストパ
タ―ンをマスクとして弗素系のガスによる反応性イオン
エッチングにより、レジストパタ―ンから露出するTi
膜41及びTiO2 膜42を順次除去する。
ることにより、図4(b) に示すようなTi膜41とTi
O2 膜42からなる位相シフトを得ることができる。
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5,σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/cm2 であった。
来の露光において0.35μmパタ―ンでフォ―カスマ
―ジン=0μmで解像していたものが、本実施例のマス
クによりフォ―カスマ―ジン=0.9μmで解像するこ
とが可能になった。コンタクトホ―ルパタ―ンに関して
も、従来の露光で解像されなかった0.40μmパタ―
ンがフォ―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確
認された。また、このマスクを用いて転写し、形成され
たレジストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うこと
で、より良好な加工形状を得ることが可能である。
れるものではない。例えば、各実施例において、第1の
半透明膜と第2の半透明膜の材料を入れ替えても構わな
い。また、実施例では2種類の半透明膜を用いている
が、3種類以上の半透明膜を用いてもよい。さらに、同
一の半透明膜(2種類以上)を複数回積層するようにし
てもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々変形して実施することができる。
れるものではない。また、実施例では2種類の半透明膜
を用いているが、3種類以上の半透明膜を用いてもよ
い。さらに、同一の半透明膜(2種類以上)を複数回積
層するようにしてもよい。その他、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で、種々変形して実施することができる。
露光用マスクに用いられる複数の半透明膜からなるパタ
―ンについて、少なくとも1種類の同一元素を各々の膜
に含ませることで、工程の簡略化をはかり且つ位相シフ
ト効果を最大限に発揮することのできる露光用マスクを
実現することがて可能となる。
断面図、
断面図、
断面図、
断面図、
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
図、
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
図、
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
図、
の関係を示す特性図、
との関係を示す特性図、
関係を示す特性図、
係数との関係を示す特性図、
示す断面図、
露光を行う場合のパターン領域外のパターンおよび露光
状態を示す図
露光を行った場合の露光後のパターン領域の状態を示す
図
Claims (5)
- 【請求項1】 透光性基板上に露光光に対する光路長が
透明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明
膜を含むマスクパターンを形成した露光用マスクの製造
方法において、 前記半透明膜をシリコン、シリコンを含む混合物、クロ
ム、アルミニウム、チタン、の少なくとも一つをターゲ
ットに、窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、アセチレンガ
ス、ハロゲンガスのうち順次ガスを切換えて反応性スパ
ッタリングにより作成するものであって、該シリコン、
シリコンを含む混合物、クロム、アルミニウム、チタン
の少なくとも一つを共通元素とした窒化物、酸化物、水
素化物、炭化物、ハロゲン化物の組成の異なる層を積層
することで形成されたことを特徴とする露光用マスクの
製造方法。 - 【請求項2】 透光性基板上に露光光に対する光路長が
透明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明
膜を含むマスクパターンを形成した露光用マスクの製造
方法において、 前記半透明膜をシリコン、シリコンを含む混合物、クロ
ム、アルミニウム、チタン、の少なくとも一つを共通元
素としたガスを用い、雰囲気ガスの組成を制御してCV
Dを行い作成するものであって、該シリコン、シリコン
を含む混合物、クロム、アルミニウム、チタンの少なく
とも一つを共通元素とした窒化物、酸化物、水素化物、
炭化物、ハロゲン化物の組成の異なる層を積層すること
で形成されたことを特徴とする露光用マスクの製造方
法。 - 【請求項3】 透光性基板上に露光光に対する光路長が
透明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明
膜を含むマスクパターンを形成した露光用マスクの製造
方法において、 前記半透明膜として、シリコンを共通元素としたシリコ
ンと窒素の組成の異なる層を積層して成された半透明膜
を用い、 前記積層された半透明膜の加工をCF4と酸素の混合ガ
スを用いた反応性イオンエッチングにより順次行うこと
を特徴とする露光用マスクの製造方法。 - 【請求項4】 透光性基板上に露光光に対する光路長が
透明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明
膜を含むマスクパターンを形成した露光用マスクの製造
方法において、 前記半透明膜として、クロムを共通元素としたクロムと
酸素の組成の異なる層を積層して成された半透明膜、も
しくは、アルミニウムを共通元素としたアルミニウムと
酸素の組成の異なる層を積層して成された半透明膜を用
い、 前記積層された半透明膜の加工を塩素と酸素の混合ガス
を用いた反応性イオンエッチングにより順次行うことを
特徴とする露光用マスクの製造方法。 - 【請求項5】 透光性基板上に露光光に対する光路長が
透明部分とは所定量だけ異なるように構成された半透明
膜を含むマスクパターンを形成した露光用マスクの製造
方法において、 前記半透明膜として、チタンを共通元素としたチタンと
酸素の組成の異なる層を積層して成された半透明膜を用
い、 前記積層された半透明膜の加工をフッ素系の混合ガスを
用いた反応性イオンエッチングにより順次行うことを特
徴とする露光用マスクの製造方法。
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1993
- 1993-03-09 JP JP4830193A patent/JP3339716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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