JP2006259293A - フォトマスク用ブランクの製造方法とフォトマスク用ブランクおよびフォトマスクの製造方法とフォトマスク - Google Patents

フォトマスク用ブランクの製造方法とフォトマスク用ブランクおよびフォトマスクの製造方法とフォトマスク Download PDF

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Abstract

【課題】フォトマスクにおいて、ArFエキシマレーザ光などの高エネルギーの露光光を照射した際に、硫酸アンモニウムの析出を抑制し、さらに、洗浄処理によるパターン寸法の変化を抑制する。
【解決手段】フォトマスクの製造過程において、透明基板3上に設けられた珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜2の上面や側断面に対し、シリル化剤による接触処理およびそれに続く酸化処理を施して変質層5を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、フォトマスク用ブランクの製造方法とフォトマスク用ブランク、およびフォトマスクの製造方法とフォトマスクに関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体装置などの製造に用いられる露光装置に使用され、特にArFエキシマレーザ光などの高エネルギーの露光光を照射した際に、硫酸アンモニウムの析出を抑えることができる上、洗浄処理によるパターン寸法の変化を抑制し得る高清浄度のフォトマスクを製造するためのフォトマスク用ブランクの製造方法とその方法で得られたフォトマスク用ブランク、及び前記の特性を有するフォトマスクの製造方法とその方法で得られたフォトマスクに関するものである。
半導体装置の製造における転写パターンの形成には、例えばフォトマスクを介して露光光の照射を行うことにより行われる。
このようなフォトマスクとしては、透明基板上に遮光膜パターンが形成されたものが従来から使用されており、遮光膜の材料は、クロム系材料(クロム単体、又はクロムに窒素、酸素、炭素等が含有されたもの、あるいはこれら材料膜の積層膜)が用いられているのが一般的である。なお膜組成には、水素も含まれているが、省略されることが多い。
さらに、近年において転写パターンの解像度を向上できるものとして、位相シフトマスクが実用化されている。位相シフトマスクには、様々なタイプ(レベンソン型、補助パターン型、自己整合型など)が知られているが、その中の一つに、ホール、ドットの高解像パターン転写に適したハーフトーン型位相シフトマスクがある。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透明基板上に、略180°の位相シフト量を有する光半透過膜パターンが形成されたものである。
このような光半透過膜を有するフォトマスクとしては、光半透過膜パターンを、シリコン、窒素及びモリブデンなどの金属を主たる構成要素とする物質からなる薄膜で構成したハーフトーン型位相シフトマスクが開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここでも膜組成には、水素も含まれているが、省略されることが多い。このような材料の光半透過膜は、単層で所定の位相シフト量及び透過率を制御できることの他、耐酸性、耐光性等に優れたものが得られる。また、このような光半透過膜の特性を用いたパターンはハーフトーン型位相シフトマスク以外の位相シフトマスクにも利用される。
一方、半導体装置の製造における転写パターンの形成に使用する露光光源は転写パターンの微細化に伴い次第に短波長化が要求されている。一般に光は短波長になるに伴い、その光学エネルギーが次第に大きくなる。例えば、エキシマレーザ光の光学エネルギーは、KrF(248nm)で114.1kcal/mol、ArF(193nm)で147.2kcal/molである。これに対して、分子の結合解離エネルギーは、例えばC−C結合で84kcal/molである。このような波長域の光学エネルギーの大きさは、様々な物質の結合解離エネルギーに相当する。したがって、物質に照射、光吸収されると光化学反応が起こりやすい。また、短波長の光源を用いるほど光化学反応は起こりやすくなる。
このような短波長光の露光波長域では、光化学反応によるフォトマスク上あるいは露光光路に存在する物質の分解や新たな物質の生成が起こる問題がある。このため、フォトマスクが使われる際に露光光の光路上にある物質がフォトマスク上に異物を生成したり、曇りを発生したりする。このような生成異物の代表に硫酸アンモニウムがある。硫酸アンモニウムは硫酸とアンモニアから生成するほか、硫酸やアンモニアにその分子構造が類似した物質も反応で硫酸アンモニウム結晶を生成する場合がある。生成した硫酸アンモニウム結晶は異物でありパターン転写時の欠陥となる。
フォトマスクは、製造工程中で硫酸系洗浄剤を用いたレジスト剥離を含む酸洗浄処理が行われることがある。その洗浄剤は各種の方法で除去するが、フォトマスクには洗浄処理に由来する酸又は酸系のイオンがわずかながら残留している。またマスクケースなどの部材から発生した亜硫酸ガスがフォトマスクに吸着したりすることもある。このため、フォトマスク上あるいは露光光の光路上にアンモニウムイオンやアンモニアガスがあれば反応して露光光のエキシマレーザによって硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩の結晶を作る反応が促進されてしまう。
この光化学反応による硫酸アンモニウムの生成が起こりにくい状態を作るには、硫酸系の物質とアンモニア系の物質がマスク表面あるいは露光光の光路上から十分少なくなるまで減らせばよい。硫酸系の物質あるいはアンモニア系の物質のいずれかが完全になくなればよい。
すなわち硫酸アンモニウムの生成が起こりにくくするには、マスク洗浄処理時に付着した硫酸系洗浄剤の除去を十分に行うほどよいということになる。例えば硫酸除去方法として一般的に用いられる方法は、マスクを温水やアルカリ液に接触させることである。マスク表面の薬液残留濃度が十分小さくなるまで硫酸系洗浄剤の除去を行うことで、硫酸アンモニウムは生成されにくくなる。
ところで、MoSiON膜に対して、アルカリ性薬品による洗浄を行うと透過率や位相差が大きく変化してしまうことが知られている(例えば、特許文献2参照)。この公報においては、マスクをアルカリ液に接触させることによりMoSiON膜がエッチングされてしまうことを示している。その結果アルカリ液を用いての硫酸除去や異物除去が困難になるほか、アルカリ液を用いた洗浄によってMoSiON膜で形成したフォトマスクのパターン寸法が変わってしまう問題があることを示している。短波長光の露光装置で用いられる位相シフト型のフォトマスクはパターンも高精度かつ高清浄度で製作する必要があるため、アルカリ液を用いた洗浄によってパターン寸法が変わってしまうと、高精度・高清浄度のパターンが製作しにくくなる。
したがって、前記特許文献1においても、シリコン、窒素およびモリブデンなどの金属を主な構成要素とする材料からなる光半透過膜パターンを形成したフォトマスクでは、表面に吸着してしまった硫酸を十分に除去する処理が困難である。硫酸の除去が不十分であると硫酸アンモニウムが生成されるという問題になる。また洗浄においては酸の除去のほか異物除去目的でもアルカリ液を用いるが、光半透過膜がアルカリに弱い結果、アルカリ洗浄においてパターニングした寸法幅が削られて狭くなってしまう。このため、十分に洗浄することはできない。またアルカリによる洗浄液による処理で寸法幅の精度が悪くなる。
さらに、窒素を含む膜は、含まない膜よりも多い量のアンモニウムイオンが膜表面で検出されることが記載されている(例えば、特許文献3参照)。MoSiON膜表面には当然窒素が含まれている。したがって、このようなMoSiON膜で作られた半透過膜のパターン上にはアンモニウムイオンが存在することになり、硫酸アンモニウムが生成しやすいフォトマスクとなる。すなわち、このMoSiON膜から発生するアンモニウムイオンと洗浄後のフォトマスクに残留している硫酸または硫酸イオンと転写パターンの形成に使われる短波長の露光光があれば、硫酸アンモニウムは生成され、マスク上に結晶性異物を生成したり、曇りを発生したりする。
以上、露光時に硫酸アンモニウムが発生する場合について限定して説明したが、マスク製造工程では、りん酸系の物質を含む界面活性剤などの薬液やフッ酸を含む薬液、容易に塩酸を作る塩素ガスなどマスク表面の残渣もそれぞれ燐酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウムなどアンモニウム塩を作るがこれらの塩もアンモニアやアンモニウムイオンが存在することで作られやすくなる。
特開平10−148929号公報 特開2000−330262号公報 WO2004/059384号
本発明は、このような事情のもとで、半導体装置などの製造に用いられる露光装置に使用され、特にArFエキシマレーザ光などの高エネルギーの露光光を照射した際に、硫酸アンモニウムの析出を抑えることができる上、洗浄処理によるパターン寸法の変化を抑制し得る高清浄度のフォトマスクを製作するためのフォトマスク用ブランクの製造方法とその方法で得られたフォトマスク用ブランク、及び前記の特性を有するフォトマスクの製造方法とその方法で得られたフォトマスクを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ね、以下に示す知見を得た。
前記特許文献3では、光半透過膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクの表面からアンモニウムイオンが検出されることと、表面の窒素分を減らす光半透過膜の熱処理を行うことでアンモニウムイオンが発生しにくいフォトマスクブランクが製造できることが記されている。しかし、このブランクを用いて製造したハーフトーンマスクであっても、膜の上面でのアンモニウムの生成は抑えることができるものの、フォトマスクの製作工程において、パターニングで光半透過膜の側断面が新たに露出してアンモニウムイオンが生成することを抑えきれない。このため、アンモニウムの生成は、特許文献3だけの方法でなく、フォトマスク製作工程でも行う必要があると考えられる。
また、マスク製作の処理において光半透過膜の上面を溶解してしまうような処理を行った場合も、光半透過膜上面のアンモニアの発生は抑えられなくなってしまう。光半透過膜の上面を溶解してしまうような処理とは、たとえば光半透過膜表面層を溶解させることによって、表面の異物や硫酸などの汚染を除去するような処理である。
本発明者らは、かかる知見に基づいて、さらに研究を進めた結果、光半透過膜の所定部位にシリル化剤を接触させ、さらに酸化処理を施して変質層を設けることにより、該部位における硫酸アンモニウムの析出および洗浄処理によるパターン寸法の変化を効果的に抑制し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 透明基板上に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなるパターニング可能な光半透過膜を有する、露光装置に使用されるフォトマスクを製作するためのフォトマスク用ブランクを製造するに際し、
前記珪素原子と窒素原子を含む材料からなる光半透過膜を形成したのち、該光半透過膜表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、光半透過膜の上面露出部に変質層を形成させることを特徴とするフォトマスク用ブランクの製造方法、
(2) 光半透過膜がモリブデン原子を含むものである上記(1)項に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法、
(3) シリル化剤が、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、アセトキシトリメチルシランおよびポリシラザンの中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)または(2)項に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法、
(4) シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである上記(3)項に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法、
(5) 上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の方法で得られたフォトマスク用ブランクを用い、(A)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理し、所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(B)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させる工程、を順次施すことを特徴とするフォトマスクの製造方法、
(6) 透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
前記珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜のパターンを形成したのち、該パターンが形成された光半透過膜の露出表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、パターン露出表面に変質層を形成させることを特徴とするフォトマスクの製造方法、
(7) 透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
(X)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理して所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(Y)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させたのち、この光半透過膜のパターン層上面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該パターン層上面に変質層を形成させる工程、を順次施すことを特徴とするフォトマスクの製造方法、
(8) 光半透過膜がモリブデン原子を含むものである上記(6)または(7)項に記載のフォトマスクの製造方法、
(9) シリル化剤が、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、アセトキシトリメチルシランおよびポリシラザンの中から選ばれる少なくとも1種である上記(6)、(7)または(8)項に記載のフォトマスクの製造方法、
(10) シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである上記(9)項に記載のフォトマスクの製造方法。
(11) 上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするフォトマスク用ブランク、および
(12) 上記(5)ないし(10)項のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするフォトマスク、
を提供するものである。
本発明によれば、半導体装置などの製造に用いられる露光装置に使用され、特にArFエキシマレーザ光などの高エネルギーの露光光を照射した際に、硫酸アンモニウムの析出を抑えることができる上、洗浄処理によるパターン寸法の変化を抑制し得る高清浄度のフォトマスクを製作するためのフォトマスク用ブランクの製造方法とその方法で得られたフォトマスク用ブランク、及び前記の特性を有するフォトマスクの製造方法とその方法で得られたフォトマスクを提供することができる。
まず、本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法について説明する。
本発明のフォトマスク用ブランク(以下、単にマスクブランクと称することがある。)の製造方法は、透明基板上に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなるパターニング可能な光半透過膜を有する、露光装置に使用されるフォトマスクを製作するためのフォトマスク用ブランクを製造するに際し、
前記珪素原子と窒素原子を含む材料からなる光半透過膜を形成したのち、該光半透過膜表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、光半透過膜の上面露出部に変質層を形成させることを特徴とする。
本発明のマスクブランクの製造方法は、透明基板上に光半透過膜を少なくとも1層含む位相シフト膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクブランクを製造する方法であって、前記光半透過膜は、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料から構成されている。
単層構造の光半透過膜からなる位相シフト膜としては、例えば、金属とケイ素と窒素の各原子を含み、さらに酸素、フッ素、炭素、水素などの原子を含んでいてもよい材料から構成される膜を挙げることができる。ここで、金属原子としては、例えばモリブデン、タンタル、タングステン、クロム、チタン、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、ジルコニウムなどの中から選ばれる少なくとも1種を含むもの、特にモリブデンが好ましく挙げられる。
また、多層構造の位相シフト膜としては、例えば前記単層の光半透過膜を二層以上積層させたもの、あるいはクロム、タンタル、ハフニウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、パナジウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、スズ、ランタン、タングステン、シリコンなどの中から選ばれる少なくとも1種を含む金属膜などの遮光膜と、前記単層の光半透過膜を積層させたものなどが挙げられる。
なお、本発明における位相シフト膜は、位相シフト効果を得るために、位相差が略180°になるように設定されている。
前記光半透過膜としては、例えばMoSiN膜、MoSiON膜などを挙げることができる。該光半透過膜を透明基板上に形成させる方法としては特に制限はないが、従来公知の方法、例えばスパッタリング法、金属元素と珪素元素の組成を調整したタブレットを用いるEB蒸着法、イオンプレーティング法などの中から、状況に応じて適宜選ぶことができるが、これらの中で、特に反応性スパッタリング法が好適である。
また、前記透明基板の材料としては、特に制限はなく、従来ハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおける透明基板の材料として慣用されているもの、例えばソーダ石灰ガラスやホワイトクラウンのようなソーダライムガラス;ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、アルミノケイ酸ガラスのような低膨張ガラス;合成石灰のような石英ガラス、あるいはポリエステルフィルムのようなプラスチックフィルムなどが用いられるが、LSIやLCD用マスクの基板材料としては、ソーダ石灰ガラスおよび石英ガラスが好適である。
本発明のマスクブランクの製造方法においては、このようにして透明基板上に、光半透過膜を形成したのち、該光半透過膜表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施す。
前記シリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、ポリシラザン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、トリクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、アセトキシトリメチルシラン、アセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール、t−ブチルジメチルシラノール、ジフェニルシラノールなどが挙げられる。
これらの中で、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、アセトキシトリメチルシランおよびポリシラザンが好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのシリル化剤の中で、操作性および効果の点で、特にヘキサメチルジシラザンが好適である。
本発明においては、ヘキサメチルジシラザンを用いる場合、その接触処理およびそれに続く酸化処理は、例えば以下のようにして実施することができる。
図1は、光半透過膜にヘキサメチルジシラザンを接触させる方法の1例を示す説明図である。密閉容器10中に、光半透過膜2が形成された透明基板3を図のように設置すると共に、ヘキサメチルジシラザン11が収容された容器12を、図のように設置する。次いで、密閉容器を加熱あるいは減圧下に加熱してヘキサメチルジシラザンを蒸発させ、その蒸気を光半透過膜に接触させる。
このようにしてヘキサメチルジシラザンによる接触処理が施された光半透過膜の表面を、例えば硫酸/過酸化水素水溶液などにより、酸洗浄・酸化処理したのち、水洗、アンモニア/過酸化水素水溶液洗浄、水洗などの処理を施し、さらに乾燥処理する。
前記処理により、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜は、該膜表面のアンモニウムイオンの量を低減させることができる。このメカニズムについては、例えば光半透過膜として、MoSiON膜を用いた場合、まず、以下に示すことが考えられる。
MoSiON膜の表面の結合末端には水素があり、またNH基、水酸基などがある。このようなMoSiON膜表面に対しヘキサメチルジシラザンが接触するとシリル化が起こり、表面の水酸基がトリメチルシリル基((CH33Si基)に置換される。次いで行う酸洗浄・酸化処理において、トリメチルシリル基末端のCH3が、酸洗浄の酸化力ならびに酸洗浄後に行う純水によるすすぎによって水酸基や酸素などにさらに置換される。ここまでの反応によりMoSiON膜は概略珪素原子1層分だけ成長し変質層となる。最表面にあったNH結合は、表面に酸化層ができることで、表面ではアンモニウムイオンを作る速度が遅くなる。このようにしてアンモニウムイオンの表面発生量は少なくなるというメカニズムが考えられる。
また、次に示すことも考えられる。
MoSiON膜のNH基に対しヘキサメチルジシラザンが接触するとシリル化が起こり、NH基の水素がトリメチルシリル基((CH33Si基)に置換される。次いで行う酸洗浄・酸化処理において、トリメチルシリル基末端のCH3が、酸洗浄の酸化力ならびに酸洗浄後に行う純水によるすすぎによって水酸基や酸素などにさらに置換される。その結果、最表面のNH結合はなくなり、そのNH結合の窒素に結合する相手は珪素や酸素に変わる。アンモニウムイオンの元になる窒素は水素との結合を失い、珪素や酸素との結合の間に取り込まれてしまうため、その結合を切断しない限りアンモニウムイオンを作ることができなくなる。このようにしてアンモニウムイオンの表面発生量は少なくなるというメカニズムが考えられる。
このように、アンモニウムイオンの低減効果は、MoSiON膜表面とヘキサメチルジシラザンとの接触、さらにはヘキサメチルジシラザン処理後のMoSiON膜表面と酸洗浄液との接触によって起こるものであるので、膜の上面に限らず接触が起こる箇所であればパターニングによって表面に露出したMoSiON膜側面においても、同様の効果がありアンモニウムイオンの量を低減することができる。
前記メカニズムによって、シリル化と酸洗浄を経た光半透過膜の表面は、アンモニウムイオンのもとになるNH結合が少なくなる形あるいは最表面に露出しない形に変質している。すなわち、変質層が形成していることになる。この変質層は珪素・酸素・水素で構成されるため、化学的に窒素を含む膜にくらべ安定しており、耐薬品性に優れている。したがって変質層でキャップされた光半透過膜はアルカリ薬品への耐性が向上する。
このようにして、光半透過膜の上面露出物に変質層を形成させたのち、その上に所望により遮光膜などの所望機能を有する薄膜を設けることにより、所望のフォトマスク用ブランクが得られる。
なお、ヘキサメチルジシラザンによる接触処理は、前記のようなヘキサメチルジシラザン蒸気を接触させる方法以外に、バブリングによる方法や、加熱した光半透過膜にヘキサメチルジシラザン蒸気を接触させる方法、ヘキサメチルジシラザンの液を光半透過膜にスピンコートする方法などを用いることができる。また、ヘキサメチルジシラザンを適当な溶剤に混合し、溶剤と共に噴霧あるいはガス化して、接触させる方法も考えられる。
また、ヘキサメチルジシラザン処理に続く酸洗浄は有機物を分解する酸化性薬液や酸化性雰囲気でヘキサメチルジシラザンの有機官能基を分解し、その後の表面を酸素や水酸基で置換する処理であれば酸洗浄でなくても何でもよい。このような処理には、前述の硫酸過酸化水素水などの酸洗浄処理のほか、他の酸を用いた洗浄処理、酸洗浄液に変えてオゾン水を用いる洗浄処理、さらにはドライ処理として酸素プラズマ処理、UVオゾン処理、水分や酸素を含む雰囲気中での光半透過膜加熱処理などが考えられる。
本発明で用いているヘキサメチルジシラザン処理は、半導体ウエハやフォトマスクなどのガラス基板の親水面を疎水化し、シランカップリング反応によりレジストを密着させる処理として知られている。しかし、本発明の処理は光半透過膜にカップリングする相手となる物質がないことからわかるように密着性向上の手法とは明らかに原理も作用も処理を行う前後の工程手順も異なる。さらに本発明は、ヘキサメチルジシラザン処理の後に酸洗浄などの酸化処理さらに酸洗浄を行った場合は酸洗浄薬液を純水で除去することによって完成する一連の処理であって、ヘキサメチルジシラザン単独の処理による表面改質とは異なる。
これらのことはマスク処理の公知の技術に対し明確に区別することのできる特徴である。
図2は、本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法における1例の製造工程図である。
まず、透明基板3を用意し(断面A)、その上に珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜2を形成する(断面B)。次いで、該光半透過膜2の表面に、シリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気を接触させ、トリメチルシリル基を結合させたのち(断面C)、硫酸/過酸化水素水溶液などを用いて酸洗浄による酸化処理を施すことにより、光半透過膜の上面露出部に、アンモニウムイオン量を低減し得る変質層5を形成させる(断面D)。
次に、該変質層の上に、遮光層1を設け(断面E)、さらにレジスト層4Aを設けることにより、所望のレジスト膜付きフォトマスク用ブランクが得られる(断面F)。
次に、本発明のフォトマスクの製造方法について説明する。
本発明のフォトマスクの製造方法には、フォトマスクの製造方法1〜製造方法3の3つの態様があり、それらについて順に説明する。
まず、本発明のフォトマスクの製造方法1は、前述の方法で得られたフォトマスク用ブランクを用い、(A)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理し、所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(B)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させる工程、を順次施すことを特徴とする。
なお、この方法におけるシリル化剤とその接触処理および酸化処理については、前述のフォトマスク用ブランクの製造方法において説明したとおりである。
このフォトマスクの製造方法1においては、光半透過膜のエッチングが終了し光半透過膜の側面のみが露出した状態にあるハーフトーンマスクに対し、ヘキサメチルジシラザンを接触させ、さらに酸洗浄することによって、パターニングされた光半透過膜の側断面にアンモニウムイオンの量を低減する変質層を形成する。すなわち、光半透過膜の上面のみがアンモニウムイオン対策されているフォトマスク用ブランクを用いて、マスクを製作する場合に光半透過膜の側面のみをアンモニウムイオンの量を低減する変質層を形成すればよい場合において、行う方法である。
この場合、側断面の変質層の形成を遮光膜エッチングより前にして、光半透過膜の側断面露出部に耐薬品性を持たせることにより、光半透過膜の上層膜をエッチングする処理によって、光半透過膜のパターンがエッチングされ細ることを防止できるという効果が加わる。
図3は、本発明のフォトマスクの製造方法1における1例の製造工程図である。
まず、前述の図2で示す製造工程で製作されたマスクブランク、すなわち透明基板3上に、光半透過膜2、変質層5、遮光層1およびレジスト層4Aが順に形成されたマスクブランクを用意する(断面A)。次いで、レジスト層4Aをパターニングしたのち(断面B)、それをマスクにしてエッチング処理を行い、光半透過膜の側断面を露出させる(断面C)。
次に、該側断面の露出部に、シリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気を接触させ、トリメチルシリル基を結合させたのち(断面D)、硫酸/過酸化水素水溶液などを用いて酸洗浄による酸化処理を施すことにより、光半透過膜の側断面露出部に、アンモニウムイオン量を低減し得る変質層5を形成させる(断面E)。次いで、レジスト層4Bを設けたのち(断面F)、パターニングし(断面G)、それをマスクにしてエッチング処理することにより、遮光膜を除去後(断面H)、残存レジスト層を除去して、光半透過膜のパターン層上面を露出させることにより、所望のフォトマスクが得られる(断面I)。
本発明のフォトマスクの製造方法2は、透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
前記珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜のパターンを形成したのち、該パターンが形成された光半透過膜の露出表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、パターン露出表面に変質層を形成させることを特徴とする。
なお、この方法における透明基板、光半透過膜の材料とその形成方法、シリル化剤とその接触処理方法および酸化処理については、前述のフォトマスク用ブランクの製造方法において説明したとおりである。
図4は、本発明のフォトマスクの製造方法2における1例の製造工程図である。
まず、マスクブランク、すなわち、透明基板3上に、光半透過膜2、遮光膜1および第1のレジスト層4Aが順に形成されたマスクブランクを用意する(断面A)。次いで、第1のレジスト層をパターニングしたのち(断面B)、それをマスクにしてエッチング処理し(断面C)、残存レジスト層を除去する(断面D)。次に、第2のレジスト層4Bを設けたのち(断面E)、該第2のレジスト層をパターニングし(断面F)、それをマスクにしてエッチング処理を行い(断面G)、次いで、残存レジスト層を除去して、上面および側面が共に露出した光半透過膜のパターンを形成させる(断面H)。
次に、光半透過膜の露出表面にシリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気接触させ、トリメチルシリル基を結合させたのち(断面I)、硫酸/過酸化水素水溶液などを用いて酸洗浄による酸化処理を施すことにより、光半透過膜のパターン露出表面に、アンモニウムイオン量を低減し得る変質層5を形成させることにより、所望のフォトマスクが得られる(断面J)。
この方法においては、第1のレジスト4Aを用いた光半透過膜のエッチングが断面Dで終わり、次いで第2のレジスト4Bによる遮光膜のエッチングが断面Hで完了し、光半透過膜は上面、側面とも加工を終えた状態でマスク完成時と同じ部分が露出した状態になっている。この状態にあるハーフトーンマスクに対し、ヘキサメチルジシラザンを接触させ、さらにその光半透過膜の表面を酸洗浄そして水でリンスすることによって、パターニングされた光半透過膜の表面に変質層を形成する。
変質層が形成されることで、表面からアンモニウムイオンが抽出されにくくなり、その結果フォトマスクの露光においてアンモニウム塩が生成されにくくなる。
また耐アルカリ薬品性が向上することから硫酸などアルカリ塩を生成する元になる酸性物質の除去が十分にできるようになる。したがって、この点においても露光においてアンモニウム塩は生成されにくくなる。
さらに、光半透過膜の表面は耐薬品性が向上するため、洗浄作業の難易度が下がり、繰り返し洗浄が容易になる、フォトマスクの清浄度も向上する、洗浄によりマスク線幅が変わらなくなるので線幅精度が良くなるといったメリットもある。
なお、パターン完成後、マスクは異物除去などのために最終洗浄するが、図4における断面Hは最終まで変わらないので、ヘキサメチルジシラザン処理とその後の酸洗浄はパターン完成後マスク完成までのどこで行ってもよい。ただし、マスク上にペリクルを装着する場合はヘキサメチルジシラザン処理とその後の酸洗浄はペリクル装着前に工程順序は限定される。また、図4における断面Gの状態でヘキサメチルジシラザン処理とその後の酸洗浄を行うことも同様の処理となる。
さらにペリクル装着後であっても、そのペリクルを取り外せば図4における断面Hに戻るので繰り返して本発明の処理は可能となる。
本発明のフォトマスクの製造方法3は、透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
(X)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理して所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(Y)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させたのち、この光半透過膜のパターン層上面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該パターン層上面に変質層を形成させる工程、を順次施すことを特徴とする。
なお、この方法における透明基板、光半透過膜の材料とその形成方法、シリル化剤とその接触処理方法および酸化処理については、前述のフォトマスク用ブランクの製造方法において説明したとおりである。
図5は、本発明のフォトマスクの製造方法3における1例の製造工程図である。
まず、マスクブランク,すなわち透明基板3上に、光半透過膜2、遮光膜1および第1のレジスト層4Aが順に形成されたマスクブランクを用意する(断面A)。次いで、第1のレジスト層をパターニングしたのち(断面B)、それをマスクにしてエッチング処理して、光半透過膜の所望の側断面を露出させる(断面C)。次に、この側断面の露出部にシリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気を接触させ、トリメチルシリル基を結合させたのち(断面D)、硫酸/過酸化水素水溶液などを用いて酸洗浄による酸化処理を施すことにより、光半透過膜のパターン露出表面に、アンモニウムイオン量を低減し得る変質層5を形成させると共に、残存レジスト層を剥離する(断面E)。
その後、第2のレジスト層4Bを設けたのち(断面F)、レジスト層4Bのパターニングを行い(断面G)、それをマスクにして遮光膜のエッチングを行うことにより、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させる(断面H)。次いで、該光半透過膜のパターン層上面にシリル化剤、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気接触させ、トリメチルシリル基を結合させたのち(断面I)、硫酸/過酸化水素水溶液などを用いて酸洗浄による酸化処理を施すことにより、光半透過膜のパターン層上面に、アンモニウムイオン量を低減し得る変質層5を形成させて、所望のフォトマスクを得る(断面J)。
この製造方法3においては、光半透過膜の上面と側面それぞれに対しアンモニウムイオンの量を低減する変質層を2回に分けて形成することを特徴とする。この方法によれば前記図4に示す工程に対しフォトマスク製作工程のみで前記図3の工程と同様に光半透過膜のパターンがエッチングされ細ることを防止できるという効果を生むことができる。
本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法およびフォトマスクの製造方法1〜3においては、前記のシリル化剤として、ヘキサメチルジシラザンに限らず他のものを適宜用いてよい。他のシリル化剤を使用した場合は、光半透過膜上にはトリメチルシリル基((CH33Si基)ではないSiを含む結合ができる場合もあるが、Siを含む官能基中の末端はメチル基など炭素を含む官能基が結合する。この場合の末端はシリル化処理に続く酸化処理によって分解するものであり、要はシリル化剤にあわせて酸化処理を適宜選定する。
本発明の方法で製造されるフォトマスクは、製造過程において珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜の上面や側断面に対し、シリル化剤による接触処理およびそれに続く酸化処理を施して変質層を形成させることにより、表面のアンモニウムイオンの発生量が低減されると共に、耐アルカリ性などの耐薬品性が向上する。耐薬品性の向上により、その製造過程で使用する薬品類によって生じるパターン寸法の変化量や、位相差、透過率の変化を抑制することができる。その結果、本発明は、位相差、透過率の精度がよく、かつ表面のアンモニウムイオンが少なくなったことで、露光に使用した際に、アンモニウム塩の発生が起こりにくいフォトマスクを提供することができる。
また、実際のフォトマスク製作においては、パターニングの抽出異物除去などを目的とした洗浄では、酸洗浄に始まる洗浄が行われることが一般的な方法として存在するので、本発明の処理を行うためにはそのような酸洗浄の前にシリル化剤による処理の工程を単に追加すればよい。
本発明においては、その技術の適用対象をハーフトーン型位相シフトマスクおよびブランクに限定して説明したが、表面に珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる膜を有するものであれば、他の位相シフト膜はもとより、MoSiを遮光膜として用いるマスク、表面に珪素原子と窒素原子を少なくとも含む膜を有する光学ガラス製品、酸化窒化膜を有する半導体シリコンウエハなどにも適用することができる。
本発明はまた、前述の本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法で製作されたフォトマスク用ブランク、並びに前述の本発明のフォトマスクの製造方法1〜3で製作されたフォトマスクをも提供する。
本発明の方法で得られたフォトマスク用ブランクは、耐薬品性に優れ、かつ露光使用時にアンモニウム塩が発生しにくいフォトマスクを提供することができる。また、本発明の方法で得られたフォトマスクは、耐薬品性に優れ、かつ露光使用時にアンモニウム塩が発生しにくい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 フォトマスク用ブランクの製作
モリブデン(Mo)と珪素(Si)との混合ターゲット(Mo:Siモル比=8:92)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)との混合ガス雰囲気(Ar:10%、N2:90%、圧力:0.2Pa)で、反応性スパッタリングにより、透明基板である石英基板上にMoSiNからなる厚さ約80nmの光半透過膜を形成し、ハーフトーン型フォトマスク用ブランクを複数枚製作した。
実施例1
製造例1で得たフォトマスク用ブランク(透明基板3、光半透過膜2)を、図1に示すように密閉容器10中に設置し、さらにヘキサメチルジシラザン11が収容された容器12を、図1に示すように設置した。次いで100℃、大気圧の条件にて、ヘキサメチルジシラザン蒸気をMoSiN膜の表面に2分間接触させた。
次に、このようにしてヘキサメチルジシラザン処理されたフォトマスク用ブランクを密閉容器から取り出し、温度80℃の硫酸−過酸化水素水溶液で酸洗浄・酸化処理したのち、温純水洗浄、アンモニア−過酸化水素水溶液洗浄後、純水にてリンス洗浄を行い、乾燥処理した。
次に、比較のために、ヘキサメチルジシラザン処理を行わなかったこと以外は、前記と同様な処理を行った。
これらのフォトマスク用ブランクのMoSiN膜表面に存在するアンモニウムイオンの量を、イオンクロマトグラフィー法により求めた。その結果、ヘキサメチルジシラザン処理をしなかったブランクのアンモニウムイオンの量を10とした場合、実施例1のブランクのアンモニウムイオンの量は1.7であった。
実施例2
製造例1で得たフォトマスク用ブランクのMoSiN膜からなる光半透過膜上に、クロム系金属からなる厚さ80nmの遮光膜を形成し、遮光膜付フォトマスク用ブランクを製作した。
この遮光膜付フォトマスク用ブランクを用い、その上層に第1のレジスト層を設け、図4に示す製造工程図に従って、断面Hで示されるフォトマスクを製作した。このフォトマスクは、面内に遮光部、透過部との位相差がArF波長において概180°となる半透過膜部、透過部を各々有している。
該フォトマスクの位相差および透過率を測定したのち、このフォトマスクについて、実施例1と同様のヘキサメチルジシラザン処理および硫酸−過酸化水素水溶液による酸洗浄・酸化処理を施し、さらに温純水洗浄、アンモニア−過酸化水素水溶液洗浄後、純水にてリンス洗浄を行い、乾燥処理した。
このようにして処理されたフォトマスクの位相差および透過率を測定した。
その結果、位相差、透過率は、一連の処理によりほとんど変化せず、ハーフトーンマスクとしての使用が可能な光学特性が保たれることを確認した。
変質層を設ける本発明の処理によって起こる位相差の変化量は0.23度の減少、透過率の変化は0.02%の上昇と、フォトマスクを使用する上ではその変化量はほとんど無視できるものが作製できた。
次に、このようにしてヘキサメチルジシラザン処理と酸洗浄処理を済ませたフォトマスクの耐薬品性について評価した。
ヘキサメチルジシラザン処理と酸洗浄処理を済ませた本発明のフォトマスクと、従来方法すなわち未処理のフォトマスクの両方を、通常フォトマスクの洗浄で用いられるアルカリ洗浄で洗浄した際の位相差ならびに透過率の変化量を確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2006259293
表1で示されるように、本発明の処理により洗浄時の位相差、透過率変化量は小さくなる。すなわち本発明の処理によってフォトマスクの耐薬品性が向上したことが分かる。
本発明のフォトマスクの製造方法は、特にArFエキシマレーザ光などの高エネルギーの露光光を照射した際に、硫酸アンモニウムの析出を抑えることができる上、洗浄処理によるパターン寸法の変化を抑制し得る高清浄度のフォトマスクを製作することができる。
光半透過膜にヘキサメチルジシラザンを接触させる方法の1例を示す説明図である。 本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法における1例の製造工程図である。 本発明のフォトマスク用ブランクの製造方法1における1例の製造工程図である。 本発明のフォトマスクの製造方法2における1例の製造工程図である。 本発明のフォトマスクの製造方法3における1例の製造工程図である。
符号の説明
1 遮光膜
2 光半透過膜
3 透明基板
4A 第1のレジスト層
4B 第2のレジスト層
5 変質層
10 密閉容器
11 ヘキサメチルジシラザン
12 ヘキサメチルジシラザン収容容器

Claims (12)

  1. 透明基板上に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなるパターニング可能な光半透過膜を有する、露光装置に使用されるフォトマスクを製作するためのフォトマスク用ブランクを製造するに際し、
    前記珪素原子と窒素原子を含む材料からなる光半透過膜を形成したのち、該光半透過膜表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、光半透過膜の上面露出部に変質層を形成させることを特徴とするフォトマスク用ブランクの製造方法。
  2. 光半透過膜がモリブデン原子を含むものである請求項1に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法。
  3. シリル化剤が、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、アセトキシトリメチルシランおよびポリシラザンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法。
  4. シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである請求項3に記載のフォトマスク用ブランクの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法で得られたフォトマスク用ブランクを用い、(A)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理し、所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(B)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させる工程、を順次施すことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  6. 透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
    前記珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜のパターンを形成したのち、該パターンが形成された光半透過膜の露出表面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、パターン露出表面に変質層を形成させることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  7. 透明基板上の少なくとも最上層に、珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜で形成されたパターン層を有する、露光装置で使用されるフォトマスクを製造するに際し、
    (X)珪素原子と窒素原子を少なくとも含む材料からなる光半透過膜を、それより上の層をマスクにしてエッチング処理して所望の側断面を露出させたのち、この側断面の露出部にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該側断面露出部に変質層を形成させる工程、および(Y)前記光半透過膜より上の層を除去し、露出された側断面を有する光半透過膜のパターン層上面を露出させたのち、この光半透過膜のパターン層上面にシリル化剤を接触させ、次いで酸化処理を施すことにより、該パターン層上面に変質層を形成させる工程、を順次施すことを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  8. 光半透過膜がモリブデン原子を含むものである請求項6または7に記載のフォトマスクの製造方法。
  9. シリル化剤が、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、アセトキシトリメチルシランおよびポリシラザンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項6、7または8に記載のフォトマスクの製造方法。
  10. シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである請求項9に記載のフォトマスクの製造方法。
  11. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするフォトマスク用ブランク。
  12. 請求項5ないし10のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とするフォトマスク。

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