WO2012018070A1 - フォトクロミック組成物 - Google Patents

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Abstract

 ポリカーボネート樹脂などからなる光学シートを接合するための接着層をして機能するフォトクロミック性組成物であって、該組成物を用いて製造した積層体が、優れた密着性、耐熱性、フォトクロミック性を示すようなフォトクロミック性組成物を提供する。たとえば、ポリオール化合物(A1成分)と、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(A2成分)と、ジアミンのような分子内に2つ以上のイソシアネート基と反応する基を有し、その内1つ以上がアミノ基であるアミノ基含有化合物(A3成分)を反応させて得られるポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)と、フォトクロミック化合物(B成分)を含んで成るフォトクロミック組成物。

Description

フォトクロミック組成物
 本発明は、フォトクロミック性接着剤、特にポリカーボネート樹脂製の光学シート又はフィルムどうしを接合するためのフォトクロミック性接着剤として好適に使用できる新規なフォトクロミック組成物に関する。また、本発明は、該フォトクロミック組成物からなる接着層を介して光学シート又はフィルムが互いに接合されてなる積層構造を含む光学物品に関する。
 近年米国を中心として、防眩性を有するサングラスなどに、透明で優れた耐衝撃性を有するポリカーボネートを用いたプラスチック基材の需要が急速に高まっている。そして、このようなプラスチック製サングラスにおいては、フォトクロミック色素と組み合わせることによって、周囲の明るさに応じて透過率が変化することにより防眩性を調節できるプラスチック製フォトクロミックサングラスが急速に人気を得ている。
 しかしながら、プラスチック製フォトクロミックサングラスの加工は、必ずしも容易ではない。たとえば、アクリレートコポリマーにフォトクロミック剤を添加したフォトクロミック性塗料を用いてポリカーボネートフィルム表面にフォトクロミック性被膜を形成した複合フィルムを内部に装着した金型内にポリカーボネート樹脂を射出成形する方法(特許文献1参照)では、良好なフォトクロミック特性を有するサングラスを得ることは困難であった。また、フォトクロミック特性の良好な合成樹脂積層体を製造する方法として、連続的に移動する、ポリカーボネートシートなどの透明な合成樹脂層の片面にフォトクロミック特性を有する樹脂層を連続的に塗布し、次に該樹脂層の乾燥を行った後に他の透明な樹脂層を貼り合わせる方法が提案されている(特許文献2、及び特許文献3参照)。
 しかし、これらの方法には、上記フォトクロミック特性を有する樹脂層を形成するために使用する樹脂組成物(具体的にはポリウレタン樹脂組成物)が、テトラヒドロフランや、トルエンといった溶剤を含んでいる。該樹脂層のフォトクロミック特性を発揮するためには、該樹脂層を厚く塗布しなくてはならず、その場合には溶剤の使用量が多くなるため、該樹脂組成物をポリカーボネートシートなどの透明な合成樹脂層に塗布した際に、透明な合成樹脂層が溶解してしまい、外観不良が生じたり、ウレタン樹脂中に溶出した合成樹脂によってフォトクロミック特性が低下したりするという問題があった。
 また、前記特許文献1に記載された方法において、前記複合フィルムに代えて“フォトクロミック色素を含有するポリウレタン樹脂接着層によりポリカーボネートシートを接合した積層シート”を用いる方法がある(特許文献4及び特許文献5参照)。しかし、この方法では、上記積層シートにおけるポリカーボネートシートの密着性や耐熱性が不十分であった。このため、上記積層体を金型に装着し、次いで該金型にポリカーボネート樹脂を射出成形することによって光学物品を製造した場合、得られる光学物品において剥離が生じたり、光学歪が生じたりするといった問題があった。
特開昭61-5910号公報 WO2002/099513号公報 特開2002-196103号公報 特表2003-519398号公報 米国特許出願公開第2004-096666号公報
 本発明の目的は、第一に、光学シート又は光学フィルムを接合するときの接着層として使用した場合に、優れた密着性、耐熱性を有し、優れたフォトクロミック性を発揮するフォトクロミック組成物を提供することである。
 また、本発明の第二の目的は、光学シート又は光学フィルムがフォトクロミック性を有する接着層により接合された積層構造を含んでなる光学物品であって、該積層構造における優れた密着性、並びに優れた耐熱性および優れたフォトクロミック特性を有する光学物品を提供することである。
 さらに、本発明の第三の目的は、上記したような光学物品を製造するに当たり、光学シート又は光学フィルムとしてポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂からなるものを使用した場合であっても外観不良を起こすことなく光学物品を製造することができる方法を提供することである。
 本発明者等は上記課題を解決すべく、フォトクロミック性ポリウレタン樹脂接着層の構造と得られる光学物品の特性との関係について鋭意検討を行った。その結果、(1)ポリウレタン-ウレア樹脂を使用して形成したフォトクロミック性ポリウレタン-ウレア樹脂接着層を用いた場合には、得られる積層体の密着性、耐熱性、フォトクロミック性およびその耐久性などが優れたものとなること、並びに(2)溶媒を使用しないで上記フォトクロミック性ポリウレタン-ウレア樹脂接着層を形成するか、或いは溶媒を用いてキャスト膜を形成してから乾燥(溶媒除去)することによって、ポリウレタン-ウレア樹脂とその中に分散したフォトクロミック化合物とを含んでなるフォトクロミック接着性シート(フォトクロミック性ポリウレタン-ウレア樹脂接着層)を用いて積層体を製造した場合には、溶媒による悪影響が回避でき、フォトクロミック性が低下しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明は、(A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂、並びに(B)フォトクロミック化合物を含んでなることを特徴とするフォトクロミック組成物である。
 本発明のフォトクロミック組成物は、接着剤またはバインダーとして機能し、該組成物からなる接着層によりポリカーボネート樹脂などからなる光学シート又はフィルムを接合して積層体を製造した場合、得られた積層体は優れた密着性およびフォトクロミック特性を示す。さらに、上記接着層は優れた耐熱性を示すため、上記積層体を金型に装着し、次いで該金型にポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形することによって光学物品を製造した場合でも密着性やフォトクロミック特性が低下し難く、光学歪が生じ難い。
 また、本発明の方法によれば、光学シート又はフィルムとして耐溶剤性に劣るポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を使用しても、溶媒による悪影響が回避できるので、フォトクロミック性を低下させることがない。
 本発明のフォトクロミック組成物は、(A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂(以下、単にA成分ともいう。)、並びに(B)フォトクロミック化合物(以下、単にB成分ともいう。)を含んでなることを特徴とする。以下、これらA成分およびB成分について説明する。
A成分:ポリウレタン-ウレア樹脂
 従来のフォトクロミック性接着剤又はバインダーに使用されているポリウレタン樹脂は、1,4-ブタンジオールなどのジオール化合物を用いウレタン結合で鎖延長されるウレタン樹脂であり、該樹脂の分子中にはウレア結合は存在しないものであった。これに対し、本発明のフォトクロミック組成物のA成分は、分子鎖中にウレア結合(-R-NH-CO-NH-)を有するポリウレタン-ウレア樹脂であり、このような樹脂を樹脂成分として含むことにより、本発明のフォトクロミック組成物を接着剤又はバインダーとして使用したときの耐熱性、密着性、フォトクロミック化合物の耐久性を向上させることが可能である。
 このような効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者等は次のように推定している。すなわち、ポリウレタン樹脂がウレア結合を有することにより、分子の剛直性が高くなると共に、分子鎖間の水素結合がより強固となるため、耐熱性が向上したものと推定している。また、フォトクロミック化合物の耐久性が向上することに関しては、ウレア結合の存在により分子鎖間の水素結合がより強固となることによって空気中の酸素が該ポリウレタン-ウレア樹脂中へ拡散し難くなり、フォトクロミック化合物の一般的な劣化機構として知られている光酸化劣化が抑制されたためであると推定している。さらに、接着強度が向上することに関しては、ウレア結合の存在により分子鎖間の水素結合が強固となって樹脂の凝集破壊が起こりにくくなったためであると推定している。
 A成分として使用するポリウレタン-ウレア樹脂は、分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂であれば特に制限されないが、本発明の組成物に使用したときのフォトクロミック特性が良好であるという理由から、分子の末端にイソシアネート基を有しないポリウレタン-ウレア樹脂であることが好ましい。また、製造が容易であるという観点から、
(A1)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリエステルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物(以下、単にA1成分ともいう。)と、
(A2)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(以下、単にA2成分ともいう。)と、
(A3)イソシアネート基と反応し得る基を分子内に2つ以上有し、その内の少なくとも1つがアミノ基であるアミノ基含有化合物(以下、単にA3成分ともいう。)
とを反応して得られるポリウレタン-ウレア樹脂であることが好ましい。このようなポリウレタン-ウレア樹脂においては、原料であるA3成分としてアミノ基を有する化合物を使用することに起因して、分子内にウレア結合が導入される。以下、これら成分について説明する。
A1成分:ポリオール化合物
 A1成分のポリオール化合物としては、生成するポリウレタン-ウレア樹脂が高架橋体になり過ぎないという理由から分子中に含まれる水酸基数が2~6であることが好ましく、有機溶剤への溶解性を考慮すれば、分子中に含まれる水酸基数は2~3であることがより好ましい。また、前述のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオール化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても構わないが、耐熱性、密着性、耐候性、耐加水分解性などの観点から、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールを使用することが好ましく、その中でも特にポリカーボネートポリオールを使用することが好ましい。
 以下、A1成分として使用される各種化合物について詳しく説明する。
ポリエーテルポリオール: A1成分として使用されるポリエーテルポリオールとしては、分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物とアルキレンオキサイドとの反応により得られるポリエーテルポリオール化合物及び該ポリエーテルポリオール化合物の変性体である、ポリマーポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を挙げることが出来る。
 なお、上記分子中に活性水素含有基を2個以上有する化合物としては、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの分子中に水酸基を1個以上有するグリコール、グリセリン等のポリオール化合物が挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。
 また、前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物が挙げられ、これらは単独で使用しても2種類以上を混合して使用しても構わない。
 A1成分のポリエーテルポリオールにおいては、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐熱性、及びフォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)、特にフォトクロミック化合物の耐候性の観点から、数平均分子量は400~3000、特に400~2000であることが好ましく、400~1500であることが最も好ましい。
 このようなポリエーテルポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、旭硝子株式会社製「エクセノール(登録商標)」シリーズ、「エマルスター(登録商標)」、株式会社ADEKA製「アデカポリエーテル」シリーズなどを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオール: A1成分として使用されるポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-4-ブチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA のエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上のホスゲン化より得られるポリカーボネートポリオール、或いはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、及びジフェニルカーボネート等によるエステル交換法により得られるポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。A1成分としてのポリカーボネートポリオールにおいては、ポリエーテルポリオールにおける場合と同様な理由から、数平均分子量は400~3000、特に400~2000であることが好ましく、400~1500であることが最も好ましい。これらポリカーボネートポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラノール(登録商標)」シリーズ、株式会社クラレ製「クラレポリオール(登録商標)」シリーズ、ダイセル化学工業株式会社製「プラクセル(登録商標)」シリーズ、日本ポリウレタン工業株式会社製「ニッポラン(登録商標)」シリーズ、宇部興産株式会社製「ETERNACOLL(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
ポリカプロラクトンポリオール: A1成分として使用されるポリカプロラクトンポリオールとしては、ε-カプロラクトンの開環重合により得られる化合物が使用できる。A1成分としてのポリカプロラクトンポリオールにおいては、ポリエーテルポリオールにおける場合と同様な理由から、数平均分子量は400~3000、特に400~2000であることが好ましく、400~1500であることが最も好ましい。このようなポリカプロラクトンポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、ダイセル化学工業株式会社製「プラクセル(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
ポリエステルポリオール: A1成分として使用されるポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールなどを挙げることができる。ここで、前記多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3-ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。また、前記多塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種類以上を混合して使用しても構わない。
 A1成分としてのポリエステルポリオールにおいては、ポリエーテルポリオールにおける場合と同様な理由から、数平均分子量は400~3000、特に400~2000であることが好ましく、400~1500であることが最も好ましい。これらポリエステルポリオールは、試薬としてまたは工業的に入手可能であり、市販されているものを例示すれば、DIC株式会社製「ポリライト(登録商標)」シリーズ、日本ポリウレタン工業株式会社製「ニッポラン(登録商標)」シリーズ、川崎化成工業株式会社製「マキシモール(登録商標)」シリーズなどを挙げることができる。
A2成分:ポリイソシアネート化合物
 本発明でA2成分として使用される分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、及びこれらの混合物が使用される。これらの中でも、耐候性の観点から脂肪族ポリイソシアネート化合物及び/又は脂環式ポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。また、同様の理由からA2成分のポリイソシアネート化合物の30~100質量%、特に50~100質量%が脂肪族ポリイソシアネート化合物であることが好ましい。なお、A2成分のポリイソシアネート化合物において、分子内に含まれるイソシアネート基の数は2以上であればよいが、有機溶剤への溶解性などの観点から、分子内に含まれるイソシアネート基の数は2であることが好ましい。
 A2成分として好適に使用できるポリイソシアネート化合物を例示すれば、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、オクタメチレン-1,8-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、2,4-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン-2,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン-2,6-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,3-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,4-ジイソシアネート、1,9-ジイソシアナト-5-メチルノナン、1,1-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2-イソシアナト-4-[(4-イソシアナトシクロヘキシル)メチル]-1-メチルシクロヘキサン、2-(3-イソシアナトプロピル)シクロヘキシルイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート化合物;フェニルシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)の異性体混合物、トルエン-2,3-ジイソシアネート、トルエン-2,4-ジイソシアネート、トルエン-2,6-ジイソシアネート、フェニレン-1,3-ジイソシアネート、フェニレン-1,4-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3-ジイソシアナトメチルベンゼン、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメトキシ(1,1’-ビフェニル)、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、1,2-ジイソシアナトベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、2-ドデシル-1,3-ジイソシアナトベンゼン、1-イソシアナト-4-[(2-イソシアナトシクロヘキシル)メチル]2-メチルベンゼン、1-イソシアナト-3-[(4-イソシアナトフェニル)メチル)-2-メチルベンゼン、4-[(2-イソシアナトフェニル)オキシ]フェニルイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンと1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネートとの反応生成物、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンと1,6,11-ウンデカントリイソシアネートとの反応生成物を挙げることができる。
 これらの中でも、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐候性の観点から、上記の通り、A2成分のポリイソシアネート化合物の30~100質量%、特に50~100質量%が、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であることが好ましい。好適な化合物を具体的に例示すると、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、オクタメチレン-1,8-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、2,4-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン-2,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン-2,6-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,3-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,4-ジイソシアネートが挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用しても構わない。
A3成分:アミノ基含有化合物
 本発明でA3成分として使用されるアミノ基含有化合物は、イソシアネート基と反応し得る基を分子内に2つ以上有し、その内の少なくとも1つがアミノ基(-NH、または-NH(R)。但し、Rはアルキル基、特に炭素数1~5のアルキル基を意味する。)であるアミノ基含有化合物である。ここで、アミノ基以外のイソシアネート基との反応性基は、水酸基(-OH)、メルカプト基(-SH)およびカルボキシル基〔-C(=O)OH〕等である。
 該A3成分は、ポリウレタン-ウレア樹脂を合成する際の鎖延長剤として機能するものであり、鎖延長剤として、A3成分を用いることによりポリウレタン樹脂中にウレア結合が導入され、ポリウレタン-ウレア樹脂となる。
 得られるポリウレタン-ウレア樹脂を適度の硬さにし、また、耐熱性、密着性、フォトクロミック特性を良好に維持するためには、アミノ基含有化合物の分子量は、50~300であることが好ましく、50~250であることがより好ましく、55~200であることが最も好ましい。
 A3成分のアミノ基含有化合物としては、ジアミン、トリアミン、アミノアルコール、アミノカルボン酸、およびアミノチオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に使用し得る。本発明においてアミノ基含有化合物として好適に使用される化合物を具体的に例示すれば、ノルボルナンジアミン、ジアミンおよびトリアミンとして、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノブタン、1,3-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N-ビス-(2-アミノエチル)ピペラジン、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス-(4-アミノ-3-ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2-、1,3-及び1,4-ジアミノシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジン、フェニレンジアミン、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、N,N’-ジエチルエチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、N,N’-ジプロピルエチレンジアミン、N,N’-ジブチルエチレンジアミン、N-メチルエチレンジアミン、N-エチルエチレンジアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,2,5-ペンタントリアミン等を挙げることができる。
 また、アミノアルコールとしては、2-アミノエタノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、5-アミノペンタノール、6-アミノヘキサノール、2-ピペリジンメタノール、3-ピペリジンメタノール、4-ピペリジンメタノール、2-ピペリジンエタノール、4-ピペリジンエタノール等を挙げることができ、アミノカルボン酸としては、グリシン、アラニン、リシン、ロイシン等を挙げることができ、アミノチオールとしては、1-アミノチオール、2-アミノエタンチオール等を挙げることができる。これらのアミノ基含有化合物は、単独で使用しても良く、2種類以上を併用しても構わない。
 アミノ基含有化合物においては、耐熱性、密着性、フォトクロミック化合物の耐久性などの観点から、特にジアミン化合物を使用することが好ましい。この理由は、A成分を合成する際に、アミノ基含有化合物を用いることにより、得られるポリウレタン-ウレア樹脂がウレア結合を有することになり、分子の剛直性が高くなると共に、分子鎖間の水素結合がより強固となるため、耐熱性が向上するものと推定している。また、フォトクロミック化合物の耐久性が向上することに関しては、ウレア結合の存在により分子鎖間の水素結合がより強固となることによって、空気中の酸素が該ポリウレタン-ウレア樹脂中へ拡散し難くなり、フォトクロミック化合物の一般的な劣化機構として知られている光酸化劣化が抑制されたためであると推定している。さらに、密着強度が向上することに関しては、ウレア結合の存在により分子鎖間の水素結合が強固となって樹脂の凝集破壊が起こりにくくなったためであると推定している。
A成分の合成方法
 これらA1成分、A2成分およびA3成分を反応させてA成分を得る場合には、所謂ワンショット法又はプレポリマー法を採用することができ、たとえば次のような方法によって好適にA成分を得ることができる。
 まず、A1成分とA2成分とを反応さてウレタンプレポリマーを得、次いで該ウレタンプレポリマーとA3成分を反応させることによりA成分を製造することができる。
 上記方法において、A1成分とA2成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒が使用できる。反応に際しては、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と不純物としての水との反応を避けるため、各種反応試剤及び溶媒は、予め脱水処理を行い、十分に乾燥しておくことが好ましい。また、上記反応を行う際には、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジメチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、テトラメチル-1,6-ヘキサジアミン、テトラメチル-1,2-エタンジアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの触媒を用いてもよい。触媒を使用する際の添加量としては、該A成分の合計100質量部に対して0.001~1質量部であることが好ましい。
 このようにして得られたウレタンプレポリマーとA3成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、2-ブタノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、THFなどを使用することができる。
 上記方法において反応に使用するA1成分、A2成分およびA3成分の量比は適宜決定すればよいが、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)などのバランスの観点から、次のような量比とすることが好ましい。すなわち、A1成分に含まれる、水酸基の総モル数をn1とし、A2成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、A3成分に含まれるアミノ基の総モル数をn3としたときに、n1:n2:n3=0.3~0.9:1:0.1~0.7となる量比、特にn1:n2:n3=0.35~0.85/1/0.15~0.65となる量比とすることが好ましく、n1:n2:n3=0.4~0.8/1/0.2~0.6となる量比とすることが最も好ましい。ここで、上記n1~n3は、各成分として用いる化合物の使用モル数と該化合物1分子中に存在する各基の数の積として求めることができる。
 このような反応により得られたポリウレタン-ウレア樹脂は、必要に応じて溶媒を留去する、或いは水などの貧溶媒中に反応液を滴下し、ポリウレタン-ウレア樹脂を沈降・濾過後、乾燥させるなどの後処理を行って、A成分として使用しても良いし、反応溶媒に溶解したまま本発明のフォトクロミック組成物として使用することも可能である。
 A成分のポリウレタン-ウレア樹脂は、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)などの観点から、その分子量は、1万~100万、特に3万~90万であることが好ましく、5万~80万であることが最も好ましい。なお、上記ポリウレタン-ウレア樹脂の分子量は、ポリスチレン換算によるゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用いて、カラム:Shodex KD-805、KD-804(昭和電工株式会社製)、溶離液:LiBr(10mmol/L)/DMF溶液、流速:1ml/min、検出器:RI検出器、ポリウレタン-ウレア樹脂試料溶液:0.5%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液の条件により測定した分子量を意味する。
 また、上記と同条件で測定したポリウレタン-ウレア樹脂の分子量をポリエチレンオキシド換算にすれば、その好適な範囲は分子量が5千~15万、特に8千~10万であり、1万~6万であることが最も好ましい。
 また、A成分であるポリウレタン-ウレア樹脂は、本発明のフォトクロミック組成物を用いて光学シート又はフィルムどうしを貼付し積層体とするとき、或いは得られた積層体を用いた光学物品を製造するときの加工性の観点、さらにはこれら積層体又は光学物品の表面にハードコート層を形成する場合において、ハードコート液を塗布したり、硬化させたりするときの加工性の観点から、通常60~200℃、特に80~150℃の耐熱性を有している。なお、ここでいう耐熱性とは、熱機械測定装置(セイコーインスツルメント社製、TMA120C)を用いて、下記条件で測定した軟化点を意味する。
〔測定条件〕 昇温速度:10℃/分、測定温度範囲:30~200℃、プローブ:先端径0.5mmの針入プローブ。
A4成分:機能性付与化合物
 本発明においては、上記したA1~A3成分の他に、分子内に1または2つのイソシアネート基と反応しうる基を有し、かつ、分子内にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物を用いることが好ましい。このような機能性付与化合物を用いることによって、ポリウレタン-ウレア樹脂に、ピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を付与することができ、ヒンダードアミン光安定性能、酸化防止性能、または紫外線吸収性能等の機能性に優れたポリウレタン-ウレア樹脂とすることができる。
分子内に1または2つのイソシアネート基と反応しうる基を有し、かつ、分子内にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物
 イソシアネート基と反応しうる基とは、アミノ基(-NH、及び-NH(R))、水酸基(-OH)、メルカプト基(-SH:チオール基)、カルボキシル基〔-C(=O)OH〕、又は酸クロライド基〔-C(=O)OCl〕が挙げられる。特に、優れた効果を発揮するポリウレタン-ウレア樹脂を得るためには、このイソシアネート基と反応しうる基は分子内に1つであることが好ましい。この理由は、明らかではないが、以下のように考えられる。該基が1つであることにより、ポリウレタン-ウレア樹脂の側鎖、末端に機能性付与化合物が導入される。そのため、ラジカル等の耐久性を低下させる物質に効率よく、機能性付与化合物が作用できるものと考えられる。
 また、前述のピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造は、光安定化効果(ピペリジン構造)、酸化防止効果(ヒンダードフェノール構造)、または紫外線吸収効果(トリアジン構造、又はベンゾトリアゾール構造)を発揮する。これらの構造を有する化合物を使用することにより、A成分であるポリウレタン-ウレア樹脂自体、及びフォトクロミック化合物の耐久性(光安定性、酸化防止性能、紫外線吸収性能)を向上することができる。中でも、フォトクロミック化合物の耐久性を向上させるためには、ピペリジン構造を有する化合物を使用することが好ましい。以下、A4成分として使用される各種化合物について詳しく説明する。
ピペリジン構造を有する機能性付与化合物
 本発明でA4成分として使用されるピペリジン構造を有する機能性付与化合物としては、下記一般式(i)で示される構造を分子内に有する化合物が好適に使用できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
(式中、
 R、R、R、及びRは、それぞれ、炭素数1~4のアルキル基であり、特に、メチル基であることが好ましい。)
 上記ピペリジン環の窒素原子、または、4位の炭素原子にイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物が、ピペリジン構造を有する機能性付与化合物に該当する。
 以下、より具体的な化合物について説明する。
 本発明でA4成分として使用される機能性付与化合物の中で、ポリウレタン-ウレア樹脂の末端にピペリジン構造を導入しうる化合物としては、下記一般式(1)で示される化合物などを挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
(式中、
 R、R、R、及びRは、前記一般式(i)におけるものと同義であり、
 Rは、炭素数1~10のアルキル基、または水素原子であり、
 Rは炭素数1~20のアルキレン基、又は炭素数3~20のポリメチレン基であり、aは0または1であり、
 Xは、イソシアネート基と反応しうる基である。)
 上記一般式(1)において、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であるが、4つのアルキル基全てメチル基であることが好ましい。
 Rは、炭素数1~10のアルキル基、または水素原子である。中でも、入手の容易さの観点から、炭素数1~4のアルキル基、または水素原子であることが好ましい。なお、R~Rが炭素数1~4のアルキル基であるため、Rが水素原子であっても、立体障害の影響でRが結合している窒素原子とイソシアネート基が反応することはない。
 Rは、炭素数1~20のアルキレン基、又は炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、又は炭素数3~10のポリメチレン基である。なお、aは、Rの数を示すが、aが0の場合は、Xが直接ピペリジン環に結合しているものを指す。
 Xは、イソシアネート基と反応しうる基であり、好ましくは、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、またはチオール基である。中でも、イソシアネート基との反応性、入手の容易さなどの観点からアミノ基、及び水酸基であることが好適である。
 上記式(1)で示される機能性付与化合物を具体的に例示すれば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノメチルピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノブチルピペリジンなどを挙げることができる。
 また、ポリウレタン-ウレア樹脂の末端にピペリジン構造を導入しうる機能性付与化合物としては、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールとの反応物である下記化合物も使用することが出来る。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 なお、上記化合物において、nは5~20の範囲を満足することが好ましい。
 本発明で使用されるA4成分の中で、ポリウレタン-ウレア樹脂の主鎖中にピペリジン構造を導入しうる機能性付与化合物としては、下記一般式(2)、(3)、(4)で示される化合物などを使用することが好適である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(式中、
 R、R、R、及びR10は、それぞれ、炭素数1~4のアルキル基であり、
 R11は、炭素数1~20のアルキレン基、又は炭素数3~20のポリメチレン基であり、
 R12は、炭素数1~20のアルキレン基、又は炭素数3~20のポリメチレン基であり、bは0または1であり、
 Yは、イソシアネート基と反応しうる基である。)
で示される化合物も好適に使用できる。
 上記一般式(2)において、R、R、R、及びR10は、それぞれ、炭素数1~4のアルキル基であるが、4つのアルキル基全てメチル基であることが好ましい。
 R11は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基である。
 R12は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基である。なお、bが0の場合には、Yが直接ピペリジン環に結合しているものを指す。
 Yは、前記一般式(1)中のXと同様である。
 上記式(2)で示される機能性付与化合物を例示すれば、下記化合物などを挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(式中、
 R13、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であり、
 R17は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、cは0または1であり、
 R18は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、
 Zは、イソシアネート基と反応しうる基である。)
で示される化合物も好適に使用できる。
 上記一般式(3)において、R13、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であるが、4つのアルキル基全てメチル基であることが好ましい。
 R17は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基である。なお、cが0の場合には、Zが直接ピペリジン環に結合しているものを指す。
 R18は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基である。
 Zは、前記一般式(1)中のXと同様である。
 上記一般式(3)で示されるピペリジン構造を有する機能性付与化合物を例示すれば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-メトキシ-4-ピペリジニル)セバケートなどを挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(式中、
 R19、R20、R21、及びR22は、それぞれ、炭素数1~4のアルキル基であり、
 R23は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、R24は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、
 V及びWは、それぞれ、イソシアネート基と反応しうる基である。)
 上記一般式(4)において、R19、R20、R21、及びR22は、それぞれ独立に炭素数1~4のアルキル基であるが、4つのアルキル基全てがメチル基であることが好ましい。
 R23は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基であり、
 R24は、炭素数1~20のアルキレン基、または炭素数3~20のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基である。なお、dは0または1であり、dが0の場合には、Vが直接ピペリジン環に結合するものを指す。
 また、V及びWは、前記一般式(1)中のXと同様であり、同一の基であっても、異なる基であってもよい。
 上記一般式(4)で示されるピペリジン構造を有する機能性付与化合物を例示すれば、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールなどを挙げることができる。
ヒンダードフェノール構造を有する機能性付与化合物
 本発明でA4成分として使用されるヒンダードフェノール構造を有する機能性付与化合物としては、下記一般式(ii)で示される構造を分子内に有する化合物が好適に使用できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式中、
 R25、R26、R27、及びR28は、それぞれ、炭素数1~18のアルキル基、または水素原子であり、
 R25、またはR26の少なくともどちらか一方は、炭素数4以上のアルキル基である。)
 そして、上記構造の1位の炭素原子にイソシアネート基と反応しうる基を有する化合物が、ヒンダードフェノール構造を有する反応停止剤となる。上式(ii)における4位の水酸基は、R25とR26の少なくとも一方がアルキル基であるため、その立体障害の影響からイソシアネート基とは反応しにくい。そのため、4位の水酸基は、イソシアネート基と反応しうる基とはならない。
 上記のような構造を分子内に有し、イソシアネート基と反応しうる基を2つ有する化合物は、前記ピペリジン構造を有する機能性付与化合物で説明したとおり、A成分のポリウレタン-ウレア樹脂の主鎖中にヒンダードフェノール構造を導入することができる。また、イソシアネート基と反応しうる基が1つの場合には、該ポリウレタン-ウレア樹脂の側鎖、末端にヒンダードフェノール構造を導入することができる。
 ヒンダードフェノール構造を有する機能性付与化合物の中でも、好ましい化合物としては、下記一般式(5)を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(式中、
 R25、R26、R27、及びR28は、それぞれ、炭素数1~18のアルキル基、または水素原子であり、R25、またはR26のうち少なくともどちらか一方は、炭素数4以上のアルキル基であり、
 R29は、炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基であり、eは0または1であり、
 Uは、イソシアネート基と反応しうる基である。)
 上記一般式(5)において、R25、およびR26は、炭素数1~18のアルキル基、または水素原子であり、どちらか一方は、炭素数4以上のアルキル基である。好ましくは、R25、及びR26のどちらか一方が、tert-ブチル基である。一方の基が炭素数4以上のアルキル基であることにより、得られるフォトクロミック組成物の耐久性をより向上できる。
 R27、及びR28は、炭素数1~18のアルキル基、または水素原子であり、より好ましくは炭素数1~10のアルキル基、または水素原子である。
 また、Uは、イソシアネート基と反応しうる基であり、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、または酸クロライド基であり、特に、好ましくは、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基である。
 R29は、炭素数1~10のアルキレン基、または炭素数3~10のポリメチレン基であり、好ましくは炭素数1~5のアルキレン基、または炭素数3~5のポリメチレン基である。また、eは、R29の数を示すが、0または1である。eが0の場合は、Uが直接ベンゼン環に結合しているものを指す。好ましくは、eが0である化合物である。
 ヒンダードフェノール構造を有する機能性付与化合物を具体的に例示すれば、3-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-オクチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-オクチル-5-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-オクチル-5-エチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-オクチル-6-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、2-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-オクチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-オクチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-オクチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、3-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-オクチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3,5-ジドデシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-オクチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-オクチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-オクチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニルアミン、3,5-ジイソプロピル-4-ヒドロキシフェニルアミン、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアミンなどを挙げることができる。
 この中でもより好ましい化合物として、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシ安息香酸、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、2-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酢酸、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3-(3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-5-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、4-(3-t-ブチル-6-エチル-4-ヒドロキシフェニル)酪酸、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルアミンを挙げることができる。
トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物
 本発明でA4成分として使用されるトリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物としては、下記一般式(iii)、(iv)で示される構造を分子内に有する化合物が好適に使用できる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 上記のような構造を分子内に有し、イソシアネート基と反応しうる基を2つ有する化合物は、前記ピペリジン構造を有する機能性付与化合物で説明したとおり、A成分のポリウレタン-ウレア樹脂の主鎖中にトリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を導入することができる。また、イソシアネート基と反応しうる基が1つの場合には、該ポリウレタン-ウレア樹脂の側鎖、末端にトリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を導入することができる。
 トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物の中でも、好ましい化合物としては、下記一般式(6)及び、(7)を挙げることができる。先ず、トリアジン構造を有する化合物について説明する。
 下記一般式(6)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
(式中、
 R30、R31、R32、R33、R34、及びR35は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、アルキルオキシ基、水素原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、またはチオール基であり、
 前記アルキル基、及びアルキルオキシ基は、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、及びチオール基から選ばれる置換基を有していてもよく、
 ただし、R30~R35のうち、1つまたは2つの基は、イソシアネート基と反応しうる基である。)
で示される化合物が好適に使用できる。
 上記一般式(6)において、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基である。より好ましくは、炭素数1~5のアルキル基、または炭素数1~5のアルキルオキシ基である。また、これら基は、イソシアネート基と反応しうる基、好ましくはアミノ基、水酸基、カルボキシル基、またはチオール基を置換基として有していてもよい。
 また、上記一般式(6)におけるR30、R31、R32、R33、R34、及びR35は、水素原子、またはイソシアネート反応しうる基であってもよく、好ましくは、水素原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、又はチオール基である。
 但し、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35のうち、1つまたは2つの基が、イソシアネート基と反応しうる基、好ましくは、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、又はチオール基でなければならない。
 中でも、R30、R31、R32、R33、R34、及びR35は、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシエチルオキシ基、3-ヒドロキシプロピルオキシ基、2-ヒドロキシプロピルオキシ基、水素原子、または水酸基であることが好ましい。そして、そのうち1つ、または2つの基が、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシエチルオキシ基、3-ヒドロキシプロピルオキシ基、2-ヒドロキシプロピルオキシ基、または水酸基であることが好ましい。
 具体的な化合物を例示すると、2-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)-4, 6-ジフェニル-s -トリアジン、2-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2-メトキシフェニル)-s-トリアジン、2-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)-4, 6-ビス(4-メトキシフェニル)-s-トリアジン、2-(2, 4-ジヒドロキシフェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメトキシフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルフェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s -トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチルオキシ)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエチルオキシ)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシプロピル)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシプロピル)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(4-ヒドロキシブチル)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(4-ヒドロキシブチル)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシブチル)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(3-ヒドロキシブチル)フェニル)-4, 6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(4-ヒドロキシブチルオキシ)フェニル)-4, 6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2ヒドロキシ-4-(4-ヒドロキシブチルオキシ)フェニル)-4,6-ビス(2, 4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-フェニル-4, 6-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、2-(2, 4-ジメトキシフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン、2-(2, 4-ジメチルフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシ-4-ジメチルフェニル)-s-トリアジン、2-フェニル-4, 6-ビス(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-メトキシ-4-エチルフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-エトキシ-4-メチルフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-メチル-4-プロピルフェニル)-4, 6-ビス(2-(4-ヒドロキシブチルオキシ)-4-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-メトキシ-4-プロピルフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-エトキシ-4-プロピルフェニル)-4, 6-ビス(2-ヒドロキシプロピルオキシ-4-ジメチルフェニル)-s-トリアジンなどを挙げることができる。
 次に、ベンゾトリアゾール構造を有する好ましい機能性付与化合物について説明する。好ましい化合物としては、下記一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(式中、
 R36、及びR37は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルキルオキシ基、水素原子、アリール基であり、
 前記アルキル基、及びアルキルオキシ基は、イソシアネート基と反応しうる基を有していてもよく、ただし、該イソシアネート基と反応しうる基は、1つのみであり、
 前記アリール基は、炭素数1~5のアルキル基を置換基として有していてもよく、
 R38は、水素原子、又はハロゲン原子である。)
 上記一般式(7)において、R36、及びR37は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数1~10のアルキルオキシ基である。これらの基にはイソシアネート基と反応しうる基、具体的には、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、酸クロライド基、またはチオール基を有していてもよい。ただし、該イソシアネート基と反応しうる基は1つのみである。
 また、R36、及びR37は、炭素数1~5のアルキル基を置換基として有するアリール基、好ましくは、炭素数1~5のアルキル基を置換基として有するフェニル基、または水素原子であってもよい。
 好適なR36、及びR37を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1-ジメチルベンジル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、アミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、及びカルボキシル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基に対応する酸クロライド基等が挙げられる。
 具体的な化合物としては、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)- 5’-メチル-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-5’-エチル-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-5’-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3-[3’-(5’’-クロロ-2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-5’-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-4’’-ヒドロキシ-5’’-(1’,1’-ジメチルベンジル)フェニル]プロピオン酸、3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-4’’-ヒドロキシ-5’’-(1’’,1’’,3’’,3’’-テトラメチルブチル)フェニル]プロピオン酸、及びそれらの酸クロライド化合物、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(ヒドロキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(ヒドロキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-メチル-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-メチル-5’-(ヒドロキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-メチル-5’-(ヒドロキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-(ヒドロキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-(ヒドロキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-オクチル-5’-(ヒドロキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-オクチル-5’-(ヒドロキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-オクチル-5’-(ヒドロキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-(ヒドロキシエチル)フェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
 上記A4成分は、ポリウレタン-ウレア樹脂、及びフォトクロミック化合物の耐候性の向上を目的として、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の末端、主鎖、側鎖などのいずれにも導入することが可能であるが、ウレタン-ウレア樹脂本来の耐熱性、機械的強度(剥離強度)を損なわないという観点から、ポリウレタン-ウレア樹脂の末端に導入することが好ましい。
A1~A4成分を使用したA成分の合成方法
 これらA1成分、A2成分、A3成分およびA4成分を反応させてA成分を得る場合には、所謂ワンショット法又はプレポリマー法を採用することができ、たとえば次のような方法によって好適にA成分を得ることができる。
合成方法1(末端に機能性付与化合物を有するA成分)
 A1成分、A2成分及びA3成分の反応は、既述の方法により行うことができる。得られたウレタンポリマーとA4成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、2-ブタノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、THFなどを使用することができる。
合成方法2(主鎖に機機能性付与化合物を有するA成分)
 A1成分とA2成分とを反応さてウレタンプレポリマーを得、さらに分子内に2つのイソシアネート基と反応しうる基を有するA4成分を混合・反応させることにより、機能性付与化合物を有するウレタンプレポリマーを得、次いで該ウレタンプレポリマーとA3成分を反応させることにより、本発明のA成分を製造することができる。
 上記方法において、A1成分とA2成分との反応、さらにA4成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒が使用できる。反応に際しては、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と不純物としての水との反応を避けるため、各種反応試剤及び溶媒は、予め脱水処理を行い、十分に乾燥しておくことが好ましい。また、上記反応を行う際には、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジメチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、テトラメチル-1,6-ヘキサジアミン、テトラメチル-1,2-エタンジアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの触媒を添加してもよい。触媒を使用する際の添加量としては、該A成分の合計100質量部に対して0.001~1質量部であることが好ましい。
 このようにして得られたウレタンプレポリマーとA3成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、2-ブタノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、THFなどを使用することができる。
合成方法3(側鎖に機能性付与化合物を有するA成分)
 まず、分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有するA4成分と、イソシアネート基を3つ有するトリイソシアネート化合物を反応させ、側鎖に機能性構造を有するジイソシアネート化合物を合成する。このジイソシアネート化合物とA1成分、及びA2成分とを反応さてウレタンプレポリマーを得、次いでA3成分と反応させることにより、本発明のA成分を製造することができる。
 上記方法において、トリイソシアネート化合物とA4成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒が使用できる。反応に際しては、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と不純物としての水との反応を避けるため、各種反応試剤及び溶媒は、予め脱水処理を行い、十分に乾燥しておくことが好ましい。
 上記の方法により得られた側鎖に機能性付与化合物を有するジイソシアネート化合物、A1成分、及びA2成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶媒が使用できる。反応に際しては、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と不純物としての水との反応を避けるため、各種反応試剤及び溶媒は、予め脱水処理を行い、十分に乾燥しておくことが好ましい。また、上記反応を行う際には、ジラウリル酸ジブチルスズ、ジメチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、テトラメチル-1,6-ヘキサジアミン、テトラメチル-1,2-エタンジアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの触媒を添加してもよい。触媒を使用する際の添加量としては、該A成分の合計100質量部に対して0.001~1質量部であることが好ましい。
 このようにして得られたウレタンプレポリマーとA3成分との反応は、溶媒の存在下または非存在下で両者を窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下中、25~120℃で0.5~24時間反応させればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t-ブタノール、2-ブタノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、THFなどを使用することができる。
各成分の配合割合、A成分の特性
 上記方法において反応に使用するA1成分、A2成分、A3成分、およびA4成分の量比は適宜決定すればよいが、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)などのバランスの観点から、次のような量比とすることが好ましい。すなわち、A1成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、A2成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、A3成分に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、A4成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基(具体的にはアミノ基、水酸基、メルカプト基及び/又はカルボキシル基)の総モル数をn4としたときに、n1:n2:n3:n4=0.3~0.89/1.0/0.1~0.69/0.01~0.2となる量比、特にn1:n2:n3:n4=0.34~0.83/1.0/0.15~0.60/0.02~0.15となる量比とすることが好ましく、n1:n2:n3:n4=0.4~0.78/1.0/0.2~0.5/0.02~0.1となる量比とすることが最も好ましい。
 このような反応により得られたポリウレタン-ウレア樹脂は、反応溶媒に溶解しているまま使用しても構わないが、必要に応じて溶媒を留去する、或いは水などの貧溶媒中に反応液を滴下し、ポリウレタン-ウレア樹脂を沈降・濾過後、乾燥させるなどの後処理を行って、A成分として使用すればよい。
A5成分:反応停止剤
 上記反応により得られたポリウレタン-ウレア樹脂の末端にイソシアネート基が残存している場合には、イソシアネート基と反応する活性水素を有する反応停止剤を添加し、末端を不活性化することが好ましい。末端にイソシアネート基が残存している場合には、フォトクロミック特性が低下する傾向が見られる。イソシアネート基が残存するかどうかは、赤外線吸収スペクトルを測定することにより判断可能である。
 また、後述する(D)成分である分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を用いて光学物品の密着強度をより向上させる場合には、ポリウレタン-ウレア樹脂は、その末端が非反応性基により停止されている必要がある。末端が非反応性基により停止されているポリウレタン-ウレア樹脂は、末端がイソシアネート基であるポリウレタン-ウレア樹脂と、(A5)分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する反応停止剤とを反応させることにより得ることができる。
 前述のイソシアネート基と反応しうる基とは、アミノ基(-NH、及び-NH(R))、水酸基(-OH)、メルカプト基(-SH:チオール基)、カルボキシル基〔-C(=O)OH〕、又は酸クロライド基〔-C(=O)OCl〕が挙げられる。
 この反応停止剤は、イソシアネート基と反応しうる基を分子内に1つだけ有する。イソシアネート基と反応しうる基が分子内に2つ以上存在すると、ポリウレタン-ウレア樹脂が高分子量化し、有機溶剤希釈時に高粘度になるため、塗膜形成が困難になり、また、得られるフォトクロミック接着剤の接着性(光学シートとの密着性)を低下させてしまう。該反応停止剤を、ポリウレタン-ウレア樹脂の末端に導入することにより、ウレタン-ウレア樹脂の数平均分子量を制御することが可能となり、密着性、耐熱性、及びフォトクロミック特性を容易に目的の物性に調整できる。
 反応停止剤としては、アミン、アルコール、チオール、及びカルボン酸を用いることができる。具体的には、ノルマルブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、酢酸等を挙げることができる。
 また、上記したA4成分である機能性付与化合物を反応停止剤として使用することにより、ポリウレタン-ウレア樹脂に機能性付与化合物を導入すると同時に末端のイソシアネート基を不活性化することができる。つまり、A4成分をA5成分として使用することもできる。
 以下に本発明において、好適に使用できる反応停止剤を説明する。
 反応停止剤として好ましい化合物は、下記一般式(8)、及び(9)で示すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(式中、
 R39は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基または水素原子であり、
 R40は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはエステル基である。)
 R39が水素原子である化合物をA5成分として用いた場合には、ポリウレタン-ウレア樹脂の末端は、-NH(R40)となるが、この-NH(R40)は、他のポリマー、およびイソシアネート化合物とは実質的に反応しない。そのため、-NH(R40)は、イソシアネート基と反応しうる基には該当しない。
 上記一般式(8)において、R39は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基または水素原子である。中でも、R39は、炭素数1~10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニル基、または水素原子であることが好ましい。前記アリール基、及びアラルキル基は、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有してもよい。
 好適なR39を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1-ジメチルベンジル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、又は水素原子等が挙げられる。
 また、R40は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基である。中でも、R40は、炭素数1~10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基であることが好ましい。前記アリール基は、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有してもよい。
 好適なR40を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1-ジメチルベンジル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、又はカルボキシプロピル基等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(式中、
 R41は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基であり、
 Zは、水酸基、カルボキシル基、またはチオール基である。)
で示される化合物も、反応停止剤として好適に使用できる。
 上記一般式(9)において、R41は、炭素数1~20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基であり、炭素数1~10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルキルオキシカルボニル基であることが好ましい。このアリール基、及びアラルキル基は、炭素数1~5のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として有してもよい。好ましい基としては、炭素数1~5のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子を有するフェニル基が挙げられる。好適なR41を例示すれば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、フェニル基、ベンジル基、1,1-ジメチルベンジル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、及びカルボキシプロピル基等が挙げられる。
 上記一般式(9)におけるZは、ポリウレタン-ウレア樹脂末端に存在するイソシアネート基と反応しうる基であり、具体的には水酸基、カルボキシル基、またはチオール基であり、好ましくは水酸基である。
 上記一般式(8)、及び(9)で示される具体的な化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、4-ヘプチルアミン、オクチルアミン、1,1-ジプロピルブチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルヘプチルアミン、メチルオクチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、エチルヘプチルアミン、エチルオクチルアミン、プロピルブチルアミン、イソプロピルブチルアミン、プロピルペンチルアミン、プロピルヘキシルアミン、プロピルヘプチルアミン、プロピルオクチルアミンなどのアミン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタノール、tert-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デカノール、2-デカノールなどのアルコール類;メタンチオール、エタンチオール、1-プロパンチオール、2-プロパンチオール、1-ブタンチオール、2-ブタンチオール、プロパンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、2-メチル-1-ブタンチオール、2-メチルプロパンチオール、3-メチル-2-ブテンチオール、1,1-ジメチルヘプタンチオール、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、ベンゼンチオール、ベンゼンメタンチオール、2,6-ジメチルベンゼンチオールなどのチオール類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸などのカルボン酸類などが挙げられる。
 以上の反応停止剤は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても構わない。
 A5成分の配合割合、A成分の特性
 A5成分は、上記したA4成分と同様の方法で反応させてポリウレタン-ウレア樹脂に導入することができる。
 A1成分、A2成分、A3成分及びA5成分の量比は適宜決定すればよいが、得られるポリウレタン-ウレア樹脂の耐熱性、接着強度、フォトクロミック特性(発色濃度、退色速度、耐候性など)などのバランスの観点から、次のような量比とすることが好ましい。前述のように、A1成分、A2成分、及びA3成分の量比は、A1成分に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、A2成分に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、A3成分に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、前記A5成分に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn5としたときに、n1:n2:n3:n5=0.30~0.89:1:0.1~0.69:0.01~0.20となる量比とすることが好ましい。得られるフォトクロミック組成物(フォトクロミック性接着剤)が、優れた密着性、耐久性、フォトクロミック特性を発揮するためには、好ましくは、n1:n2:n3:n5=0.34~0.83:1:0.15~0.6:0.02~0.15、より好ましくは、n1:n2:n3:n5=0.4~0.78:1:0.2~0.5:0.02~0.1である。ここで、上記n1、n2、n3、及びn5は、各成分として用いる化合物の使用モル数と該化合物1分子中に存在する各基の数の積として求めることができる。
 なお、A5成分導入前のA成分は、末端にイソシアネート基を有するものであるとき、n1とn3’(A3成分に含まれるアミノ基及びその他のイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn3’とする)との総和(n1+n3’)は、n2よりも小さい値となる(n1+n3’<n2)。そして、A成分の末端を不活性化するためには、n5が、n2と、n1とn3’との総和の差(n2-(n1+n3’))以上とならなければならない。A成分を合成する場合、最も好ましい配合は、上記量比を満足し、かつ、n2と、n1、n3’、及びn5との総和が等しくなる場合である(n2=n1+n3’+n5)。
 A成分の末端を不活性化するに際し、n1、n3’、及びn5の総和がn2以上(n2≦n1+n3’+n5)となる配合量で、A5成分を使用することもできる。この場合、過剰に加えたA5成分は、再沈することにより除去してもよい。また、過剰のA5成分が本発明の効果を損なわない程度の量である場合には、そのまま、フォトクロミック組成物を形成することもできる。この場合、フォトクロミック組成物を形成した際、該A5成分は、後述する任意に添加されるBD成分と反応して消費されると考えられる。そのため、過剰のA5成分が本発明の効果を損なわない程度の量であれば、特に問題とならない。ただし、本来ポリウレタン-ウレア樹脂の生成に使用されるべきA5成分中のイソシアネート基が消費されてしまうため、最も好ましい態様は、n1+n3’+n5=n2となるようにA5成分を使用することである。
 なお、A4成分をA5成分の代わりに使用した場合には、前記n5は、n4と読み替えることができる。また、反応停止剤として、A4成分とA5成分とを併用した場合には、前記n5は、n5とn4の合計(n5+n4)と読み替えることができる。
 また、A4成分、もしくはA5成分を使用した際のポリウレタン-ウレア樹脂の分子量、及び耐熱性は、当然のことながら前述の範囲を満足するものである。
B成分:フォトクロミック化合物
 本発明のフォトクロミック組成物でB成分として用いるフォトクロミック化合物をとしては、クロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物などの公知のフォトクロミック化合物を何ら制限なく使用することが出来る。これらは、単独使用でもよく、2種類以上を併用しても良い。
 上記のフルギミド化合物、スピロオキサジン化合物、スピロピラン化合物およびクロメン化合物としては、例えば特開平2-28154号公報、特開昭62-288830号公報、WO94/22850号パンフレット、WO96/14596号パンフレットなどに記載されている化合物を挙げることができる。
 特に、クロメン化合物としては上記特許文献に記載されたもの以外にも、優れたフォトクロミック性を有するクロメン化合物が知られており、このようなクロメン化合物はB成分として好適に使用できる。このようなクロメン化合物としては、特開2001-031670号、特開2001-011067号、特開2001-011066号、特開2000-344761号、特開2000-327675号、特開2000-256347号、特開2000-229976号、特開2000-229975号、特開2000-229974号、特開2000-229973号、特開2000-229972号、特開2000-219678号、特開2000-219686号、特開平11-322739号、特開平11-286484号、特開平11-279171号、特開平09-218301号、特開平09-124645号、特開平08-295690号、特開平08-176139号、特開平08-157467号、米国特許5645767号公報、米国特許5658501号公報、米国特許5961892号公報、米国特許6296785号公報、日本国特許第4424981号公報、日本国特許第4424962号公報、WO2009/136668号パンフレット、WO2008/023828号パンフレット、日本国特許第4369754号公報、日本国特許第4301621号公報、日本国特許第4256985号公報、WO2007/086532号パンフレット、特開平2009-120536号、特開2009-67754号、特開2009-67680号、特開2009-57300号、日本国特許4195615号公報、日本国特許4158881号公報、日本国特許4157245号公報、日本国特許4157239号公報、日本国特許4157227号公報、日本国特許4118458号公報、特開2008-74832号、日本国特許3982770号公報、日本国特許3801386号公報、WO2005/028465号パンフレット、WO2003/042203号パンフレット、特開2005-289812号、特開2005-289807号、特開2005-112772号、日本国特許3522189号公報、WO2002/090342号パンフレット、日本国特許第3471073号公報、特開2003-277381号、WO2001/060811号パンフレット、WO00/71544号パンフレット等に開示されている。
 これら他のフォトクロミック化合物の中でも、発色濃度、初期着色、耐久性、退色速度などのフォトクロミック特性の観点から、インデノ(2,1-f)ナフト(2,1-b)ピラン骨格を有するクロメン化合物を1種類以上用いることがより好ましい。さらにこれらクロメン化合物中でもその分子量が540以上の化合物は、発色濃度および退色速度に特に優れるため好適である。
 このようなクロメン化合物は下記の一般式で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 前記一般式(10)で示される構造を有するクロメン化合物は、特にその置換基を制限されることなく、公知の置換基を有していても良い。
 前記クロメン化合物の中でも、前述の通り、発色濃度、初期着色、耐久性、退色速度などのフォトクロミック特性の観点から、下記一般式(11)で示されるインデノ(2,1-f)ナフト(1,2-b)ピラン構造を有するクロメン化合物がより好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 前記一般式(11)で示される構造を有するクロメン化合物は、特にその置換基を制限されることなく、公知の置換基を有していても良い。
 本発明において好適に使用できるフォトクロミック化合物を例示すると、以下のものが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
 本発明のフォトクロミック性組成物におけるB成分の配合量は、フォトクロミック特性の観点から、A成分100質量部に対して0.01~20質量部とすることが好適である。上記配合量が少なすぎる場合には、十分な発色濃度や耐久性が得られない傾向があり、多すぎる場合には、フォトクロミック化合物の種類にもよるが、A成分に対しフォトクロミック組成物が溶解しにくくなり、組成物の均一性が低下する傾向があるばかりでなく、接着力(密着力)が低下する傾向もある。発色濃度や耐久性といったフォトクロミック特性を維持したまま、プラスチックフィルムなどの光学基材との密着性を十分に保持するためには、B成分の添加量はA成分100質量部に対して0.5~10重量、特に1~7質量部とすることがより好ましい。
任意成分
 本発明のフォトクロミック性組成物は、A成分およびB成分以外に、任意成分として(C)有機溶媒(以下、単にC成分ともいう。)、(D)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、その他成分を含んでいてもよい。以下、これら任意成分について説明する。
C成分:有機溶媒
 本発明のフォトクロミック組成物に有機溶媒を添加することにより、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)とフォトクロミック化合物(B成分)、さらには、必要に応じて添加されるその他の成分が混合しやすくなり、組成物の均一性を向上させることができる。また、本発明のフォトクロミック組成物の粘度を適度に調整することができ、光学シート又はフィルムに本発明のフォトクロミック組成物を塗布するときの操作性および塗布層厚の均一性を高くすることもできる。なお、光学シート又はフィルムとして有機溶媒に侵され易い材質のものを使用した場合には、外観不良が生じたり、フォトクロミック特性が低下したりするという問題が発生することが懸念されるが、このような問題は、後述する方法を採用することにより回避することが出来る。また、本発明のフォトクロミック組成物においては、後述するように、様々な種類の溶媒が使用できるので、溶媒として光学シート又はフィルムを侵し難い溶媒を選択して使用することによっても上記問題の発生を防止することができる。
 C成分として好適に使用できる有機溶媒を例示すれば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、2-ブタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコール誘導体;ジアセトンアルコール;メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類;トルエン;ヘキサン;ヘプタン;酢酸エチル、酢酸-2-メトキシエチル、酢酸-2-エトキシエチルなどのアセテート類;DMF;DMSO;THF;シクロヘキサノン;及びこれらの組み合せを挙げることができる。
 これらの中から、使用するA成分の種類や光学シート又はフィルの材質に応じて適宜選定して使用すればよい。たとえば、光学シート又はフィルムとしてポリカーボネート樹脂製のものを使用し、直接本発明のフォトクロミック組成物を塗布する場合には、溶媒としては、アルコール類、又は多価アルコール誘導体を使用することが好ましい。
 また、光学シート又はフィルムに本発明のフォトクロミック組成物を塗布したときの塗布層或いは後述する方法を採用した場合におけるフォトクロミック接着性シート平滑性を保持しながら、有機溶剤が残りにくく、乾燥速度を速めることができるという理由から、C成分としては90℃未満の沸点を有する有機溶媒と、90℃以上の沸点を有する有機溶剤を混合して用いることが好適である。沸点が90℃未満、90℃以上の有機溶媒の配合割合は、使用する他の成分に応じて適宜決定すればよい。中でも、優れた効果を発揮するためには、全有機溶媒量を100質量%としたとき、沸点が90℃未満の有機溶媒が20~80質量%、沸点が90℃以上の有機溶媒が80~20質量%とすることが好ましい。
 また、C成分を添加する場合の添加量は、前記したようなC成分添加により得られる効果の観点から、A成分100質量部に対して、5~900質量部、特に20~750質量部とすることが好ましく、40~400質量部とすることが最も好ましい。
D成分:分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
 本発明においては、D成分としてさらに分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を用いることによって、後述する光学物品の密着強度をより向上させることができる。
 本発明における分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、公知のイソシアネート化合物を何ら制限なく使用することができる。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
 D成分を、前述のA成分に添加することにより、優れた密着性を発揮する要因については定かではないが、下記のように考えられる。D成分に含まれるイソシアネート基の一部が、本発明のフォトクロミック組成物中に含まれる水分や、環境中の湿度(すなわち、水分の存在下)により加水分解してアミノ基を生じる。この生じたアミノ基が、D成分に残存するイソシアネート基と反応することによりウレア結合を有する反応生成物となる。ここで生じた反応生成物のウレア結合が、A成分中に存在するウレア結合、及びウレタン結合との間に水素結合を形成することで、フォトクロミック性接着層の凝集力が向上し、密着性、及び耐熱性が向上すると考えられる。特に、熱水と接触させた後でも、密着性(光学シートと該接着層との密着性)を高く維持することができる。この効果は、2液型のポリウレタン樹脂を使用した場合よりも、優れている。
 このD成分の反応生成物は、本発明のフォトクロミック組成物、及び得られるフォトクロミック性接着剤(層)の赤外吸収スペクトルを比較することで確認できる。フォトクロミック化合物と該接着剤層において、イソシアネート基の吸収の減少を確認することで反応生成物の生成を確認できる。この反応生成物の確認は、例えば、イソシアネート基とメチレン基とのピーク強度比から確認できる。フォトクロミック組成物では、イソシアネート基由来の吸収が確認できる。一方、水分の存在下で製造されたフォトクロミック積層体から取り出したフォトクロミック性接着層では、該イソシアネート基の吸収が時間と共に減少し、最終的には消失することが確認できる。また、該接着層においては、イソシアネート基の吸収の減少と共に、ウレア結合の吸収が増加することも確認できる。このことから、該接着層には、D成分の反応生成物(ウレア結合を有する反応生成物)が存在することが確認できる。
 上記のイソシアネート化合物としては、前述のA2成分として例示したイソシアネート化合物に加えて、1-アダマンチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、tert-ブチルイソシアネート、ヘキサンイソシアネート、ノニルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、4-メチルシクロヘキシルイソシアネート、アリルイソシアネート、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、イソシアン酸m-トリル、イソシアン酸フェニル、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート、4-フルオロフェニルイソシアネート、4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート、3-(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート、1-イソシアナト-2,4-ジメトキシベンゼン、イソシアナト酢酸エチル、2-イソシアナトベンゾイルクロリド、3-イソシアナト-1,2,4,5-テトラメチルベンゼン、4-イソシアナト-4-プロピルペンタン、1-イソシアナト-1-プロペン、3-ブロモ-2-(4-イソシアナトフェニル)チオフェン、イソシアナトプロピルジメチルシリルシクロヘキシルポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン、イソシアナトプロピルジメチルシリルイソブチルポリヘドラルオリゴメリックシルセスキオキサン等の分子内に1つのイソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。
 また、1,3,5-トリス(6-イソシアナトヘキシル)ビュレット、(2,4,6-トリオキトリアジン-1,3,5(2H,4H,6H)トリイル)トリス(ヘキサメチレン)イソシアネート、1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイルトリイソシアネート、4,4’,4’ ’-メチリジントリス(イソシアナトベンゼン)、メチルシラントリイルトリスイソシアネート、2,6-ジイソシアナトカプロン酸2-イソシアナトエチル、2,6-ビス[(2-イソシアナトフェニル)メチル]フェニルイソシアネート、トリス(3-メチル-6-イソシアナトベンゾイル)メタン、トリス(4-メチル-3-イソシアナトベンゾイル)メタン、トリス(3-イソシアナトフェニル)メタン、トリス(3-メチル-4-イソシアナトベンゾイル)メタン、トリス(4-メチル-2-イソシアナトベンゾイル)メタン等の分子内に3つのイソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。また、イソシアネート基を3つ有するイソシアヌレート化合物を挙げることができる。
 さらには、テトライソシアナトシラン、[メチレンビス(2,1-フェニレン)]ビスイソシアネート等の分子内に4つのイソシアネート基を有する化合物を挙げることができる。
 また、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するイソシネート化合物に対して、前述のA3成分を反応させて得られる、イソシアネート化合物(D’)(以下、単にD’成分ともいう。)を本発明のD成分として用いることもできる。
 上記D’成分を合成する際には、ジイソシアネート化合物である前述のA2成分と、前述のA3成分であるアミノアルコール化合物、またはジオール化合物とを反応させたものであることが好ましい。その中でも、ジイソシアネート化合物としては、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、オクタメチレン-1,8-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネ-ト、又はシクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、2,4-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)の異性体混合物、ヘキサヒドロトルエン-2,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン-2,6-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,3-ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン-1,4-ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。
 一方、アミノアルコール化合物としては、2-アミノエタノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、5-アミノペンタノール、6-アミノヘキサノール、2-ピペリジンメタノール、3-ピペリジンメタノール、4-ピペリジンメタノール、2-ピペリジンエタノール、4-ピペリジンエタノールを使用することが好ましい。
 また、ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-ビス(ヒドロキシエチル)-シクロヘキサン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールを使用することが好ましい。
 該D’成分は、分子内に1つ以上のイソシアネート基が存在していなければならない。そのため、該D’成分を合成する際には、A2成分のイソシアネート基の総モル数が、A3成分のイソシアネート基と反応しうる基の総モル数よりも、大きくならなければならない。
 前記D成分に含まれるイソシアネート基は、ブロック剤で保護されている状態で使用することもできる。ブロック剤としては、例えば、酸アミド系、ラクタム系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系化合物などが使用できる。具体的には、アセトアニリド、酢酸アミド、ε-カプロラクタム、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、ジメチルピラゾール、チオ尿素、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなどを挙げる事ができる。
 D成分(D’成分)に含まれるイソシアネート基の数は、1つでも構わないが、2つ以上であることが好ましい。D成分の分子内に、2つ以上のイソシアネート基を有することにより、フォトクロミック性接着剤層を形成する際に、分子量が大きいウレア樹脂(D成分の反応生成物)を形成できる。その結果、D成分の反応生成物とA成分との凝集力が向上するため密着性向上の効果が高くなると考えられる。一方で、D成分の分子内に、4つ以上のイソシアネート基が存在する場合には、網目状に架橋したウレア樹脂で形成するため、A成分との間で相分離が生じやすくなり、本発明のフォトクロミック接着層が白濁する傾向がある。そのため、D成分(D’成分を含む)は、分子内に2つ、または3つのイソシアネート基を有する化合物が好ましく、特に、2つのイソシアネート基を有する化合物が好ましい。
 また、D成分は、耐候性の観点から脂肪族イソシアネート化合物、および脂環式イソシアネート化合物から選ばれるイソシアネート化合物であることが好ましい。芳香族イソシアネート化合物は、A成分との間で相分離が生じやすく、本発明のフォトクロミック接着層が白濁する傾向が見られる。これは、芳香族イソシアネート化合物が脂肪族イソシアネート化合物、および脂環式イソシアネート化合物よりも反応性が速く、さらに凝集力が高いことに起因していると考えている。この白濁の観点からも、D成分は、脂肪族イソシアネート化合物、および脂環式イソシアネート化合物から選ばれるイソシアネート化合物であることが好ましい。
 本発明において、前記D成分(前記D’成分を含む)の分子量は、特に制限されるものではないが、1000未満であることが好ましい。該D成分の分子量が1000以上の場合、得られるフォトクロミック性接着層の耐熱性、および膜強度が低下する傾向がある。これは、高分子量化したイソシアネート化合物を配合すると、D成分の反応生成物におけるウレア結合以外の構造部に影響を与えるものと考えられる。また、密着性を向上させるために、イソシアネート基のモル数をある一定量以上存在させようとした場合、分子量が大きいイソシアネート化合物ではA成分に対する配合量が増加する。その結果、該反応生成物のウレア結合以外の構造部が影響を与え易くなると考えられる。この点からも、D成分の分子量は、1000未満であることが好ましい。以上のことから、D成分の分子量は、より好ましくは750以下、最も好ましくは600以下である。当然のことながら、前記D’成分の分子量も、同様の理由で1000未満であることが好ましい。このD成分(D’成分)は、前記の通り、ポリマーではない方が好ましい。そのため、前記D成分(D’成分)の分子量は、D成分(D’成分)そのものの分子量を指す。D成分の分子量の下限は、その単体化合物の分子量であり、特に制限されるものではないが、100である。
D成分の配合量
 本発明のフォトクロミック性組成物におけるD成分の配合量は、密着性、耐熱性、及びフォトクロミック特性の観点から、A成分100質量部に対して0.01~20質量部とすることが好適である。上記配合量が少なすぎる場合には、十分な密着性、及び耐熱性の向上効果が得られず、多すぎる場合には、該フォトクロミック性組成物から得られる接着層の白濁、密着性の低下、フォトクロミック化合物の耐久性低下などが起こる傾向がある。発色濃度や耐久性といったフォトクロミック特性を維持したまま、プラスチックフィルムなどの光学基材との密着性を向上させるためには、D成分の配合量は、A成分100質量部に対して0.1~10質量部、特に0.5~5質量部とすることが好ましい。この際、D成分のイソシアネート基の割合は、A成分100質量部に対して、0.01~10.0質量部、より好ましくは0.02~5.0質量部、もっとも好ましくは0.1~3.0質量部である。ここで、イソシアネート基の量は、B成分の分子量と1分子当たりのイソシアネート基の数から求めることができる。

 本発明のフォトクロミック組成物に水を配合することもできる。特に、イソシアネート化合物であるD成分を添加する際に水を配合することにより、本発明のD成分に含まれるイソシアネート基を効率的に加水分解することができる。この水は、本発明のフォトクロミック組成物に最初から配合することもできる。ただし、フォトクロミック組成物の保存安定性を考慮すると、フォトクロミック組成物の使用時、つまり、該組成物により塗膜を形成し、光学シートを張り合わせる際に配合することが好ましい。また、この水は、下記に詳述するが、フォトクロミック性接着シートを形成する場合に、その雰囲気下に存在する湿気で代用することもできる。D成分に含まれるイソシアネート基の加水分解は、フォトクロミック組成物を光学シートにコートして塗膜を形成した後に、その環境下の水分(湿気)と接触することによっても進行する。
 水の配合量は、特に制限されるものではなく、下記に詳述する、その環境下の湿気でも対応できる。好ましい配合量を記載すれば、D成分に含まれるイソシアネート基のモル数に対して、0.01倍モル~5倍モル、好ましくは0.05倍モル~3倍モル、より好ましくは0.1倍モル~2倍モルの範囲であることが好ましい。
その他の成分
 さらに、本発明で使用するフォトクロミック組成物には、フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や製膜性のために、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料、可塑剤等の添加剤を添加しても良い。添加するこれら添加剤としては、公知の化合物が何ら制限なく使用される。
 例えば、界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の何れも使用できるが、フォトクロミック組成物への溶解性からノニオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。好適に使用できるノニオン性界面活性剤を具体的に挙げると、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール・フィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖ポリオキシエチレンアルキルエーテル、さらにはシリコーン系やフッ素系の界面活性剤等を挙げることができる。
 界面活性剤の使用に当たっては、2種以上を混合して使用しても良い。界面活性剤の添加量は、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)100質量部に対し、0.001~5質量部の範囲が好ましい。
 また、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダードフェノール酸化防止剤、フェノール系ラジカル補足剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を好適に使用できる。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤は、2種以上を混合して使用しても良い。さらにこれらの添加剤の使用に当たっては、界面活性剤と酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤を併用して使用しても良い。これら酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤の添加量は、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)100質量部に対し、0.001~20質量部の範囲が好ましい。但し、これらの添加剤を使用しすぎると、ポリカーボネート樹脂製の光学シート又はフィルムなどへのフォトクロミック組成物の密着性が低下するため、その添加量は好ましくは7質量部以下、より好ましくは3質量部以下、最も好ましくは1質量部以下である。
フォトクロミック組成物の製造方法
 本発明のフォトクロミック組成物は、上記A成分及びB成分、並びに必要に応じて使用するC成分、D成分(D’成分)、及びその他の成分を混合することにより製造することができる。各成分を混合する順序は、特に制限されるものではない。
 たとえば、有機溶媒を使用しない場合、各成分を溶融混練してフォトクロミック組成物としペレット化することも可能であり、そのままシート成型することも可能である。また、有機溶剤を使用する場合には、各成分を有機溶剤に溶かすことでフォトクロミック組成物を得ることができる。
 このようにして得られた本発明のフォトクロミック組成物は、フォトクロミック性接着剤、特にポリカーボネート樹脂製の光学シート又はフィルムどうしを接合するためのフォトクロミック性接着剤として好適に使用できる。そして、本発明のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して光学シート又はフィルムを互いに接合することにより、光学物品を得ることができる。以下、光学物品及びその製造方法について説明する。
光学物品
 光学物品は、互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムが本発明のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる。このような光学物品としては、上記積層構造のみからなる積層シート又はフィルム(以下、単に、本発明の積層シートともいう。);上記積層構造を形成する際に、フォトクロミック組成物からなる接着層の両側に別の接着層を介して2枚の光学シート又はフィルムを接合してなる積層シート又はフィルム;これら積層シート又はフィルムに光学シート又はフィルムを更に積層したり、表面にハードコート層などのコート層を形成したりした複合積層シート又はフィルム;これら積層シート又はフィルム、又は複合積層シートあるいはフィルム(以下、総称して単に、本発明の積層シート等ともいう。)をプラスチックレンズ本体などの光学基材と一体化した光学物品、などを挙げることができる。
 本発明の積層シートにおいては、上記のようにフォトクロミック組成物からなる接着層(以下、第1接着層ともいう。)の両側に、別の接着層(以下、第2接着層ともいう。)を積層し、該第2接着層を介して2枚の光学シート又はフィルムを接合してなる積層シート又はフィルムを作製することも可能である。
 第2接着層を積層することにより、本発明の積層シートの密着性をより向上させることができる。該第2接着層を積層することにより、本発明の積層シートの密着性が向上する要因としては、以下の2点が挙げられる。
 1つ目は、フォトクロミック化合物などの光酸化劣化しやすい化合物を有する層を光学シート又は光学フィルムに直接接触させないことが挙げられる。これについては理由が定かではないが、光酸化劣化などにより分解して低分子量化したフォトクロミック化合物などが、接着層と光学シート又は光学フィルムの界面に移行することにより、両者の密着性を低下させると推察している。
 2つ目は、特に熱可塑性樹脂からなる光学シート又は光学フィルムに対して効果を発揮するが、硬化前、もしくは有機溶剤に溶解しているなど液体で流動性がある接着剤を直接光学シート又は光学フィルムに塗布することにより、光学シート又は光学フィルムを接着剤で侵しながら、また浸透することができるため、より密着力が向上すると考えられる。
 よって、本発明で使用される第2接着層は、フォトクロミック化合物を含有しないことが好ましく、更には液体で流動性がある接着剤の状態で直接光学シート又は光学フィルムに塗布されることがより好ましい。
 本発明の第2接着層に用いられる成分としては、使用する材料中にウレタン結合、もしくはウレア結合を有する化合物(以下、単にウレタン化合物ともいう。)を含んでいることが好ましい。該ウレタン化合物を使用することにより、本発明のフォトクロミック化合物を有する第1接着層とより強固な密着力が得られる。これは、本発明の第1接着層に含まれるポリウレタン-ウレア樹脂と、該ウレタン化合物との間で水素結合などの分子間力が生じるためと考えている。
 本発明で使用される該ウレタン化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、2液型ウレタン、湿気硬化型ウレタン、ウレタンデッドポリマーなどが挙げられる。
 ウレタン(メタ)アクリレートとしては、本発明の第1接着層の成分として記載されているイソシアネート化合物と、ジオール又はトリオールなどのポリオール化合物を反応させて得られたイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの分子内に水酸基と(メタ)アクリレート基を有する化合物との反応性生生成物を挙げることができる。
 2液型ウレタンとしては、公知の2液型ウレタン樹脂を使用することができ、分子鎖末端にイソシアネート基を有する化合物と、分子鎖末端に水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物の混合物を挙げることができる。
 湿気硬化型ウレタンとしては、公知の湿気硬化型ウレタン樹脂を使用することができ、分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールと、過剰量のポリイソシアネート化合物を反応させて得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを挙げることができる。本発明の第1接着層に使用されているポリウレタン-ウレア樹脂の一部も、湿気硬化型ウレタン樹脂として使用することができる。
 ウレタンデッドポリマーは、上記ウレタン化合物と異なり、末端に反応性基を有しておらず、本発明の第1接着層に使用されているようなポリウレタン-ウレア樹脂末端を反応停止剤などで反応させたウレタン化合物を挙げることができる。
 上述の通り、本発明の第2接着層は、有機溶剤等を含んだような、液体で流動性がある接着剤の状態で直接光学シート又は光学フィルムに塗布されることが密着性の観点より好ましい。しかしながら、耐溶剤性の低い光学シート又は光学フィルムに塗布した場合には、該光学シート又は光学フィルムを侵食しすぎてしまい、かえってその密着力が低下する場合がある。
 よって、第2接着層を形成する接着剤に含まれる有機溶剤の、光学シート又は光学フィルムとの溶解性の観点から、第2接着層を形成する接着剤の固形分濃度は、20~100重量%の範囲であることが好ましく、さらに、第2接着層の膜厚は、第1接着層よりも薄く、1~40μmの範囲であることが好ましく、2~20μmであることがより好ましい。
 第2接着層を形成する接着剤は、必要に応じて第1接着剤で使用されるような有機溶剤を含んでいても良い。
 更には、製膜性や耐候性向上などのため、第1接着剤に使用される界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、染料などを含んでいても良い。また、ウレタン(メタ)アクリレートの場合には、光ラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。
 また、プラスチックレンズ本体などの光学基材と一体化する方法としては、たとえば、上記本発明の積層シート等を金型内に装着した後にポリカーボネート樹脂などの光学基材(たとえばレンズ本体)を構成するための熱可塑性樹脂を射出成形する方法(以下、単に射出成形法ともいう。)、光学基材の表面に接着剤などにより上記本発明の積層シート等を貼付する方法などを挙げることができる。また、光学基材を形成できる重合性モノマー中に上記積層シート(複合積層シートであってもよい)を浸漬した後、該重合性モノマーを硬化させることにより、光学基材中に該積層シートを埋設させて一体化することもできる。一体化することもできる。そのため、該光学物品は、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂よりなるプラスチック光学基材上に、上記積層シート(複合積層シートであってもよい)を積層したものであってもよいし、該プラスチック光学基材中に、上記積層シート(複合積層シートであってもよい)を埋設したものであってもよい。
 以下、本発明の光学物品を構成するこれら材料或いは部材について説明する。
光学シート又はフィルム、及び光学基材
 本発明において、光学シート又はフィルム、及び光学基材としては、光透過性を有するシート又はフィルム、及び光学基材が特に制限なく使用できるが、入手の容易性および加工のし易さなどの観点から樹脂製のものを使用することが好適である。光学シート又はフィルム、及び光学基材の原料として好適な樹脂を例示すれば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。その中でも、密着性が良好で射出成形法に対する適用性が高いという理由からポリカーボネート樹脂が特に好ましい。また、偏光フィルム(ポリビニルアルコール偏光フィルムをトリアセチルセルロース樹脂フィルムではさんだもの)も、本発明の光学フィルムとして使用することが可能である。
本発明の積層シートの製造方法
 本発明の積層シートは、互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムを本発明のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合させることにより製造される。なお、上記第1接着層の厚さは、フォトクロミック化合物の発色濃度、耐候性および接着強度などの観点から、5~100μm、特に10~50μmとすることが好ましい。また、第2接着層を使用する場合には、その膜厚は、前述の通り1~40μmの範囲であることが好ましく、2~20μmであることがより好ましい。
 上記接着層は、用いるフォトクロミック組成物の性状に応じて、次のような方法により得ることができる。すなわち、溶媒を添加することなどにより本発明のフォトクロミック組成物が適度の粘度に調整されている場合には、一方の光学シート又はフィルム上に本発明のフォトクロミック組成物を塗布し、必要に応じて(加熱)乾燥を行った後、他の光学シート又はフィルムを(加熱)圧着すればよい。
 このとき、フォトクロミック組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ディップ-スピンコート法、ドライラミネート法などの公知の方法が何ら制限なく用いられる。また、本発明で使用する光学シート又はフィルムは、あらかじめメタノールなどの有機溶剤で洗浄・脱脂してもよい。さらに、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、やUVオゾン処理などを施しておくことも可能である。このような方法を採用する場合には、特許文献3に記載されているような装置を用い連続的に積層体を製造することもできる。
 また、有機溶媒を含む本発明のフォトクロミック組成物を使用する場合には、(I)平滑な基材上に本発明のフォトクロミック組成物を延展せしめた後に乾燥することにより(C)有機溶媒を除去し、その後、基材を剥がしてA成分と、該A成分中に分散したB成分とを含んでなるフォトクロミック接着性シートを作成し、次いで(II)互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムの間に上記フォトクロミック接着性シートを介在させて該2枚の光学シート又はフィルムを接合することにより、本発明の積層体を製造することもできる。
 上記平滑な基材の材質としては、本発明で使用する溶剤に耐性があるもの、また本発明のポリウレタン-ウレア樹脂が剥離しやすいものが好ましく、具体的に例示すれば、ガラス、ステンレス、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、さらにはシリコン系やフッ素系などの剥離性を向上させるコート層を積層させたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
 このような方法を採用した場合には、溶媒の種類及び光学シート又はフィルムの種類によらず、溶媒の使用に起因する悪影響を排除することが可能である。
 上記フォトクロミック組成物の塗布、さらに乾燥は、室温~100℃の温度で、10~100%RHの湿度下で実施されることが好ましい。特に、D成分を配合したフォトクロミック組成物を用いた場合には、湿度が存在する中で操作されることが好ましい。つまり、D成分が存在する場合、塗布、及び乾燥をこの条件で実施することにより、D成分の加水分解反応を促進し、より強固な密着力が得られる。上記のような湿度(水分の存在下)下で乾燥を行うことにより、フォトクロミック組成物に水を配合しなくとも、優れた性能を発揮するフォトクロミック性接着層(シート)とすることができる。また、水を配合した場合には、乾燥条件下で該シートを形成することもできる。
 前記光学シート又は光学フィルムを接合する工程において得られたフォトクロミック積層シートは、そのまま使用することもできるが、以下の方法により、その状態を安定化させて使用することもできる。具体的には、接合したばかりの積層体を20℃以上60℃以下の温度で4時間以上静置しておくことが好ましい。静置する時間の上限は、特に制限されるものではないが、50時間もあれば十分である。また、静置に際しては、常圧で静置することも可能であるし、真空下で静置することも可能である。さらに、この静置した積層シートを80℃以上130℃以下の温度下、30分以上3時間以下放置しておくことが好ましい(以下、加熱処理とする)。この加熱処理して得られた積層シートは、その状態が非常に安定なものとなる。また、D成分を配合したフォトクロミック組成物を用いた場合には、室温~100℃の温度、及び30~100%RHの湿度下で加湿処理されることが好ましい。この加湿処理を実施することにより、積層シート中に存在するD成分由来のイソシアネート基を消失させることができ、フォトクロミック特性、及び密着性をより安定化させることが可能となる。さらには、加湿処理後に、常圧下、もしくは真空下において、40~130℃で静置することにより、積層シート中に存在する過剰の水分を除去することができる。
 また、前述の第2接着層を有する積層シートを製造する方法としては、第1接着層と、光学シート又は光学フィルムの間に第2接着層を積層する形態になっていれば、その製造方法は特に制限されない。
 製造方法としては、
1)あらかじめ光学シート又は光学フィルム上に第2接着層を積層させ、この第2接着層を有する2枚の光学シート又は光学フィルムで、第1接着層を挟みこむ方法、
2)第1接着層の両面に第2接着層を塗布しておき、その両面に光学シート又は光学フィルムを貼り付ける方法、
3)光学シート又は光学フィルム上に、第1接着層、第2接着層、第1接着層、さらには光学シート又は光学フィルムとなるように順次積層していく方法、
などが挙げられるが、製造効率などの観点から、1)の方法を採用することが最も好ましい。
 本発明の第2接着層の塗布方法、及び乾燥方法としては、第1接着層と同様な方法で実施することができる。また、ウレタン(メタ)アクリレート系接着剤において、光重合開始剤を併用する場合においては、光硬化を実施することも可能である。
 さらに、溶媒を含まない本発明のフォトクロミック組成物を使用する場合には、共押し出し成型などにより、フォトクロミックシートを作成することも可能である。
 以下に例示するいくつかの実施例によって、本発明をさらに詳しく説明する。これらの実施例は、単に、本発明を説明するためのものであり、本発明の精神及び範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
 以下に、実施例及び比較例で各成分として使用した化合物等の略号を纏める。
 A1成分;ポリオール化合物
PL1:旭硝子株式会社製エクセノール(ポリプロピレングリコール、数平均分子量400)。
PL2:旭硝子株式会社製エクセノール(ポリプロピレングリコール、数平均分子量1000)。
PL3:旭硝子株式会社製エクセノール(ポリプロピレングリコール、数平均分子量2000)。
PL4:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5-ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量500)。
PL5:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5-ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量800)。
PL6:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5-ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量1000)。
PL7:旭化成ケミカルズ株式会社製デュラノール(1,5-ペンタンジオールとヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量3000)。
PL8:ダイセル化学株式会社製プラクセル(ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量500)。
PL9:DIC株式会社製ポリライト(アジピン酸と1,4-ブタンジオールから成るポリエステルジオール、数平均分子量1000)。
PL10:宇部興産株式会社製ETERNACOLL(1,4-シクロヘキサンジメタノールを原料とするポリカーボネートジオール、数平均分子量1000)。
PL11:旭硝子株式会社製エクセノール(ポリプロピレングリコール、数平均分子量4000)。
PL12:1,10-デカンジオール。
 A2成分;ポリイソシアネート化合物
NCO1:イソホロンジイソシアネート。
NCO2:4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)。
NCO3:ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート。
NCO4:トルエン-2,4-ジイソシアネート。
NCO5:ノルボルナンジイソシアネート。
NCO6:1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート。
NCO7:1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンと1-メチルベンゼン-2,4,6-トリイソシアネートとの反応生成物。
NCO8:1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンと1,6,11-ウンデカントリイソシアネートとの反応生成物。
 A3成分;アミノ基含有化合物(鎖延長剤)
CE1:イソホロンジアミン。
CE2:エチレンジアミン。
CE3:1,6-ジアミノヘキサン。
CE4:2-アミノエタノール。
CE5:6-アミノヘキサノール。
CE6:グリシン。
CE7;2-アミノエタンチオール。
CE8;ピペラジン。
CE9:N,N’-ジエチルエチレンジアミン。
 アミノ基含有化合物以外の鎖延長剤
CE10:1,4-ブタンジオール。
CE11:1,10-デカンジオール。
 A4成分;機能性付与化合物
HA1;1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジン。
HA2;1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジン。
HA3;下記式で示される化合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製チヌビン622LD、平均分子量3100~4000)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
HA4;4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノール。
HA6;3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸。
HA7;3-[3’-(2’’H-ベンゾトリアゾール-2’’-イル)-4’-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸。
A5成分:反応停止剤
HA8;ノルマルブチルアミン。
B成分:フォトクロミック化合物
PC1:下記式で示される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
PC2:下記式で示される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
PC3:下記式で示される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
 C成分:有機溶媒
C1:イソプロピルアルコール。
C2:プロピレングリコール-モノメチルエーテル。
C3:トルエン。
C4:酢酸エチル。
C5:シクロヘキサノン。
C6:THF(テトラヒドロフラン)。
C7:ジエチルケトン。
 D成分;イソシアネート化合物
D1:イソホロンジイソシアネート(分子量222)。
D2:4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(分子量262)。
D3:ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート(分子量168)。
D4:キシリレンジイソシアネート(分子量188)。
 イソシアネート化合物(D5)の合成(D’成分)
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、エチレングリコール31g、イソホロンジイソシアネート222gを仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間反応させ、イソシアネート化合物(D5)を得た。
D5:イソホロンジイソシアネート(2モル)とエチレングリコール(1モル)の反応物(分子量506)。
 イソシアネート化合物(D6)の合成(D’成分)
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、エチレングリコール41.3g、イソホロンジイソシアネート222gを仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間反応させ、イソシアネート化合物(D6)を得た。
D6:イソホロンジイソシアネート(3モル)とエチレングリコール(2モル)の反応物(分子量790)。
 イソシアネート化合物(D7)の合成(D’成分)
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、平均分子量800のポリカーボネートジオール533g、イソホロンジイソシアネート222gを仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間反応させ、イソシアネート化合物(D7)を得た。
D7:イソホロンジイソシアネート(3モル)と数平均分子量800のポリカーボネートジオール(2モル)の反応物(数平均分子量2266)。
 その他の成分
・TINUVIN765:ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・Irganox245:エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
 ポリウレタン-ウレア樹脂(U1)の合成
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三つ口フラスコに、数平均分子量400のポリエーテルジオール9.0g、イソホロンジイソシアネート10.0g、DMF80mlを仕込み、窒素雰囲気下、120℃で5時間反応させ、その後、25℃まで冷却し、鎖延長剤であるイソホロンジアミン3.4gを滴下し、25℃で1時間反応させ、溶媒を減圧留去し、ポリウレタン-ウレア樹脂(U1)を得た。得られたポリウレタン-ウレア樹脂の分子量はポリスチレン換算で15万、ポリオキシエチレン換算で1万(理論値;1万)であり、耐熱性は140℃であった。ここで言う数平均分子量の理論値とは、原料に用いたA1成分、A2成分、及びA3成分が、架橋することなく理論的に直線状にポリウレタン-ウレア樹脂を生成した場合の分子量のことである。
 ポリウレタン-ウレア樹脂(U2)~(U10)、(U21)~(U41)の合成
 表1及び表2に示すポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、アミノ基含有化合物(A3成分)及び反応溶媒を用い、表1及び表2に示す反応条件を用いた以外は、前述のU1の合成方法と同様にして、U2~U10、U21~U41を合成した。なお、ポリウレタン-ウレア樹脂U1~10及びU21~41について、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、2250cm-1付近に分子末端のイソシアネート基に由来する吸収が確認された。
 ポリウレタン-ウレア樹脂(U11)の合成
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三つ口フラスコに、数平均分子量400のポリエーテルジオール9.0g、イソホロンジイソシアネート10.0g、DMF80mlを仕込み、窒素雰囲気下、120℃で5時間反応させ、その後、25℃まで冷却し、鎖延長剤であるイソホロンジアミン3.4gを滴下し、25℃で1時間反応させ、そこに、ノルマルブチルアミン0.35g加え、25℃で1時間反応させ、溶媒を減圧留去し、ポリウレタン-ウレア樹脂(U11)を得た。得られたポリウレタン-ウレア樹脂について、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、分子末端にイソシアネート基に由来する吸収は確認されず、分子末端にイソシアネート基が残存していないことが確認された。得られたポリウレタン-ウレア樹脂の分子量はポリスチレン換算で15万、ポリオキシエチレン換算で1万(理論値;1万)であり、耐熱性は140℃であった。ここで言う数平均分子量の理論値とは、原料に用いたA1成分、A2成分、及びA3成分が、架橋することなく理論的に直線状にポリウレタン-ウレア樹脂を精製した場合の分子量のことである。
ポリウレタン-ウレア樹脂(U12)~(U20)の合成
 表1に示すポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、アミノ基含有化合物(A3成分)及び反応溶媒を用い、表1に示す反応条件を用い、前述のU11の合成方法と同様にして、U12~U20の合成を実施した。得られたポリウレタン-ウレア樹脂について、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、いずれの樹脂とも分子末端のイソシアネート基に由来する吸収は確認されなかった。
ウレア結合を有しないポリウレタン樹脂(U42)~(U46)の合成
 表3に示すポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、及び反応溶媒を用い、A3成分に代えて表3に示すジオール化合物(鎖延長剤)を用いた他は前述のU1の合成方法と同様にして、表3に示す条件でU42~U46を合成した。なお、ポリウレタン樹脂U42~U46は、鎖延長剤として表3に示すジオール化合物を用いたことに起因して、分子中にウレア結合を有していない。
ポリウレタン-ウレア樹脂(Z1)~(Z28)、(Z31)~(Z40)、及び(W1~W31)の合成
 表4、表5、表6、表7に示すポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、アミノ基含有化合物(A3成分)、機能性付与化合物(A4成分)、及び反応溶媒を用い、表4、表5、表6、表7に示す反応条件を用いた以外は、前述のU11の合成方法と同様にして、Z1~Z28、Z31~Z40、及びW1~W31の合成を実施した。
ポリウレタン-ウレア樹脂(Z29)の合成
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、平均分子量800のポリカーボネートジオール180g、イソホロンジイソシアネート100g、DMF1200mlを仕込み、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させた。次いでこの反応液に、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノール9gを加え、窒素雰囲気下で、さらに100℃で5時間反応させた。その後、25℃まで冷却し、アミノ基含有化合物であるイソホロンジアミン30.4gを滴下し、25℃で1時間反応させ、溶媒を減圧留去し、ポリウレタン-ウレア樹脂の主鎖中にピペリジン環を有するポリウレタン-ウレア樹脂(Z29)を得た。得られたポリウレタン-ウレア樹脂の数平均分子量はポリスチレン換算で27万、ポリオキシエチレン換算で9千(理論値;7千)であり、耐熱性は130℃であった。
ポリウレタン-ウレア樹脂(Z30)の合成
 a)撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート6.5g、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジン 4gを加え、120℃で5時間反応させた。このようにして、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンと1,6,11-ウンデカントリイソシアネートとが反応したジイソシアネート化合物を得た。
 b)撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、平均分子量800のポリカーボネートジオール180g、イソホロンジイソシアネート100g、a)の反応で得られた化合物、さらにDMF1200mlを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で5時間反応させた。
 c)次いで、b)より得られた反応物に、アミノ基含有化合物であるイソホロンジアミン30.7gを滴下し、25℃で1時間反応させ、溶媒を減圧留去し、側鎖にピペリジン環を有するポリウレタン-ウレア樹脂(Z30)を得た。得られたポリウレタン-ウレア樹脂の数平均分子量はポリスチレン換算で32万、ポリオキシエチレン換算で9千(理論値;7千)であり、耐熱性は150℃であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000031
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000033
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000035
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000036
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000037
 以上、ポリウレタン-ウレア樹脂U1~U46、Z1~Z40、及びW1~W31のA1、A2、A3、A4、及びA5成分のモル配合割合、数平均分子量、耐熱性の結果を表8~10にまとめた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000038
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000039
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000040
 実施例1
 フォトクロミック組成物の調製
 ポリウレタン-ウレア樹脂(U1)5g、フォトクロミック化合物(PC1)0.25gに、有機溶剤としてイソプロピルアルコール20g、さらに光酸化防止剤としてビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート 0.25gを添加し、80℃で攪拌しながら、超音波により溶解し、フォトクロミック組成物を得た。
 フォトクロミック積層体の作製
 得られたフォトクロミック組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に塗布し80℃で1時間乾燥させ、得られた厚み30μmのフォトクロミックシートをPET製フィルムから剥がした後、厚み400μmのポリカーボネートシート2枚の間に挟み、さらに100℃で30分加熱することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層体を得た。
 得られたフォトクロミック積層体を評価したところ、フォトクロミック特性としての発色濃度は1.0であり、退色速度は90秒であり、耐久性は90%であった。また、該フォトクロミック積層体の剥離強度30N/25mmであった。なお、これらの評価は以下のようにして行った。
 フォトクロミック特性
 得られた積層体を試料とし、これに、(株)浜松ホトニクス製のキセノンランプL-2480(300W)SHL-100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して23℃、積層体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm、245nm=24μW/cmで120秒間照射して発色させ、積層体のフォトクロミック特性を測定した。
 1)最大吸収波長(λmax):(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディレクターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収波長である。該最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
 2)発色濃度〔ε(120)-ε(0)〕:前記最大吸収波長における、120秒間照射した後の吸光度ε(120)と最大吸収波長における未照射時の吸光度ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れていると言える。
 3)退色速度〔t1/2(sec.)〕:120秒間照射後、光の照射をとめたときに、試料の前記最大波長における吸光度が〔ε(120)-ε(0)〕の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
 4)耐久性(%)=〔(A48/A0)×100〕:光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた積層体をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により48時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A0)および試験後の発色濃度(A48)を測定し、〔(A48)/A0〕×100〕の値を残存率(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
 剥離強度
 得られた積層体を、25×100mmの接着部分を有する試験片とし、試験機(オートグラフAG5000D、島津製作所製)に装着し、クロスヘッドスピード100mm/minで引張り試験を行い、剥離強度を測定した。
 実施例2~83
 表11、12、13、14に示すポリウレタン-ウレア樹脂、フォトクロミック化合物、有機溶媒を用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミック組成物の調整、及びフォトクロミック積層体の作製とを実施した。得られた各種フォトクロミック積層体の評価結果を表11、12、13、14に示す。
  実施例84
 フォトクロミック組成物の調製
 ポリウレタン-ウレア樹脂(W1)5gに、有機溶剤としてイソプロピルアルコール20gを添加し、80℃で攪拌しながら、超音波により溶解した。ポリウレタン-ウレア樹脂が溶解したのを確認後、室温まで冷却し、イソホロンジイソシアネート(D成分)0.15g、フォトクロミック化合物(PC1)0.25gを加え、攪拌混合してフォトクロミック組成物を得た。
 フォトクロミック積層体の作製
 得られたフォトクロミック組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に塗布し、湿気の存在下(23℃、湿度50%)の実験室において、50℃で30分乾燥させた後、PET製フィルムを剥がして厚み約40μmのフォトクロミック性接着シートを得た。次いで、得られたフォトクロミック性接着シートを、厚み400μmのポリカーボネートシート2枚の間に挟み、湿気の存在下(23℃、湿度50%)の実験室において、40℃で24時間静置した後、さらに110℃で60分加熱処理することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層体を得た。なお、該積層体から取り出したフォトクロミック性接着シートとフォトクロミック組成物の赤外吸収スペクトルを確認したところ、該フォトクロミック性接着シートにおけるイソシアネート基のピークが減少し、イソホロンジイソシアネートが反応していることが確認できた。また、該フォトクロミック性接着シートにおけるイソシアネート基のピークが時間と共に減少することも確認した。
 得られたフォトクロミック積層体を評価したところ、フォトクロミック特性としての発色濃度は1.0であり、退色速度は90秒であり、耐久性は94%であった。また、該フォトクロミック積層体の耐熱性は130℃であり、剥離強度は初期が80N/25mm、煮沸試験後が70N/25mmであった。なお、これらの評価は、実施例1と同様にして行い、剥離強度に関しては、初期と蒸留水を用いた煮沸試験1時間後のものについて測定を実施した。
 実施例85~127
 表15、表16に示すポリウレタン-ウレア樹脂、イソシアネート化合物、有機溶媒を用いた以外は、実施例84と同様の方法でフォトクロミック組成物を調製した。なお、当然のことながら、実施例84と同じく、フォトクロミック化合物(PC1)は、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)に対して5質量部(実使用量0.25g)となるように配合した。また、得られたフォトクロミック組成物を使用して、実施例84と同様の方法でフォトクロミック積層体を作製した。
 得られた各種フォトクロミック積層体の評価結果を表15、表16に示した。これら実施例において、フォトクロミック性接着シートの赤外吸収スペクトルを確認したところ、いずれのシートにおいてもイソシアネート基のピークは減少し、使用した各種イソシアネート化合物が反応していることが確認できた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000041
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000042
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000043
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000044
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000045
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000046
 比較例1~7
 表17に示すポリウレタン樹脂、フォトクロミック化合物、有機溶媒を用いた以外は、実施例1と同様な方法でフォトクロミック組成物の調整、及びフォトクロミック積層体の作製とを実施した。得られた各種フォトクロミック積層体の評価結果を表17に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000047
 比較例8
 以下の方法により、分子鎖の末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂(I)、及び分子鎖の末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂(II)を合成した。
 (ポリウレタン樹脂(I)の合成)
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量1000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学株式会社製プラクセル)100g、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)39.5gを仕込み、窒素雰囲気下、90℃で6時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(ポリウレタン樹脂(I))を得た。得られたプレポリマー(ポリウレタン樹脂(I))の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で2500(理論値;2800)であった。
 (ポリウレタン樹脂(II)の合成)
 撹拌羽、冷却管、温度計、窒素ガス導入管を有する三口フラスコに、数平均分子量1000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学株式会社製プラクセル)100g、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)61.3gを仕込み、窒素雰囲気下、90℃で6時間反応させ、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得た。その後、DMF200mlを加えた後、窒素雰囲気下で1,4-ブタンジオール12.7gを滴下しながら加え、滴下終了後90℃で24時間反応させ、分子鎖の末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂(II)を合成した。得られたポリウレタン樹脂(II)の数平均分子量は、ポリオキシエチレン換算で2万(理論値;1万8千)であった。
 以上のように得られたポリウレタン樹脂(I)、ポリウレタン樹脂(II)、有機溶媒としてTHF(C6)を表18に示す配合量使用し、フォトクロミック化合物(PC1)0.25gを使用し、実施例84と同様の方法でフォトクロミック組成物を調製した。また、得られたフォトクロミック組成物を使用して、実施例84と同様の方法でフォトクロミック積層体を作製した。
 得られた各種フォトクロミック積層体の評価結果を表18に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000048
 上記実施例1~43から明らかなように、本発明に従って、ポリオール化合物(A1成分)、ポリイソシアネート化合物(A2成分)、及びアミノ基含有化合物(A3)を好適な比率で用いた合成したポリウレタン-ウレア樹脂は、優れたフォトクロミック特性、剥離強度、耐熱性を有していることが分かる。
 さらに、上記実施例44~83から明らかなように、A1~A3成分に加えて、分子内にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物(A4成分)を好適な比率で用いた合成したポリウレタン-ウレア樹脂は、より優れたフォトクロミック特性、剥離強度(密着性)、耐熱性を有していることが分かる。
 また、上記実施例84~127から明らかなように、本発明に従って、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)、及びイソシアネート化合物(D成分)を混合したフォトクロミック組成物において、優れたフォトクロミック特性、剥離強度(密着性)、耐熱性を有し、特に剥離強度(密着性)が優れていることが分かる。
 一方、比較例1~5ではアミノ基含有化合物の代わりにジオール化合物を用いているために、剥離強度と耐熱性が低下しており、全ての物性を同時に満足することができなかった。
 また、比較例6では、鎖延長剤に分子量400のポリジオール化合物を用いたことにより、耐候性、耐熱性、さらには剥離強度が低下した。また、比較例7のように、アミノ基含有化合物であるA3成分を用いずにウレタン樹脂を合成した場合には、逆に軟化点が低くなりすぎ、耐久性(フォトクロミック特性)、剥離強度が低下した。
 さらに、比較例8では、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと、末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂を混合し、塗膜後に高分子量化するウレタン樹脂組成物を採用している。しかし、この場合においては、フォトクロミック特性の耐久性、さらに剥離強度も十分ではなかった。
接着剤の調製
 接着剤1;ウレタン(メタ)アクリレート系接着剤
 ウレタンオリゴマーテトラアクリレート(新中村化学社製U-4HA、4官能) 50質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート(2官能) 40質量部、γ-グリシドキシプロピルメタアクリレート(2官能) 10質量部、さらに光重合開始剤としての1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルーペンチルフォスフィンオキサイドの3:7の混合物(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製Irgacure1870) 0.5質量部を撹拌混合し、接着剤1を得た。
 接着剤2;2液型ウレタン系接着剤
 イソホロンジイソシアネートと、数平均分子量800のポリカーボネートポリオールを3:4のモル比で反応させた水酸基を末端に有するウレタンプレポリマー38質量部とTHF200質量部を混合し、これにイソシアネート基を末端に有するイソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート5質量部を添加することで、接着剤2を得た。
 接着剤3;湿気硬化型ウレタン系接着剤
 窒素雰囲気下にて数平均分子量800のポリカーボネートジオール18.0質量部、イソホロンジイソシアネート10.0質量部、DMF100質量部を仕込み、窒素雰囲気下、100℃で5時間反応させ、次いで、鎖延長剤である1,4-ブタンジオール1.2質量部を滴下し、継続して100℃で5時間反応させた後、溶媒を減圧留去し、ポリウレタン樹脂を得た。
 得られたポリウレタン樹脂 10gに、有機溶剤としてTHF 50gを添加し、室温で撹拌しながら溶解し、接着剤3を得た。
 接着剤4;ウレタンデッドポリマー系接着剤
 ポリウレタン-ウレア樹脂(W4)10gに、有機溶剤としてプロピレングリコール-モノメチルエーテル 50gを添加し、室温で撹拌しながら溶解し、接着剤4を得た。
実施例128
 フォトクロミック組成物の調製
 ポリウレタン-ウレア樹脂(W29)5gに、有機溶剤としてTHF 20gを添加し、80℃で攪拌しながら、超音波により溶解した。ポリウレタン-ウレア樹脂が溶解したのを確認後、室温まで冷却し、イソホロンジイソシアネート(D成分)0.15g、フォトクロミック化合物(PC1)0.25gを加え、攪拌混合してフォトクロミック組成物を得た。
 フォトクロミック積層体の作製
 接着剤1を厚み400μmのポリカーボネートシート上に塗布し、フュージョンUVシステムズ社製F3000SQ(Dバルブ)を用い、窒素フロー下において1分間光硬化させることにより、膜厚5μmの接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
 上記フォトクロミック組成物を、PET製フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製ピューレックスフィルム、シリコン塗膜付)に塗布し、湿気の存在下(23℃、湿度50%)の実験室において、50℃で30分乾燥させた後、PET製フィルムを剥がして厚み約40μmのフォトクロミック性接着シートを得た。次いで、得られたフォトクロミック性接着シートを、前述の接着層を有するポリカーボネートシート2枚の間に挟み、湿気の存在下(23℃、湿度50%)の実験室において、40℃で24時間静置した後、さらに110℃で60分加熱処理することにより、目的のフォトクロミック特性を有する積層体を得た。
 得られたフォトクロミック積層体を評価したところ、フォトクロミック特性としての発色濃度は1.1であり、退色速度は43秒であり、耐久性は98%であった。また、剥離強度は初期が150N/25mm、煮沸試験後が130N/25mmであった。なお、これらの評価は、実施例1と同様にして行い、剥離強度に関しては、初期と蒸留水を用いた煮沸試験1時間後のものについて測定を実施した。
実施例129~135
 表19に示すポリウレタン-ウレア樹脂、イソシアネート化合物、有機溶媒を用いた以外は、実施例128と同様の方法でフォトクロミック組成物を調製した。なお、当然のことながら、実施例128と同じく、フォトクロミック化合物(PC1)は、ポリウレタン-ウレア樹脂(A成分)に対して5質量部(実使用量0.25g)となるように配合した。また、得られたフォトクロミック組成物、表19に示す接着剤を使用して、実施例128と同様の方法でフォトクロミック積層体を作製した。但し、各接着層の乾燥、及び硬化は下記の方法で実施した。
 得られた各種フォトクロミック積層体の評価結果を表19に示した。
接着剤1の硬化方法;実施例128と同様な方法。
接着剤2の硬化方法;接着剤2を厚み400μmのポリカーボネートシート上に塗布し、110℃で2時間乾燥、硬化させることにより、膜厚5μmの接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
接着剤3の硬化方法;接着剤3を厚み400μmのポリカーボネートシート上に塗布し、110℃で5分間乾燥させた後、加湿下(40℃、80%RH)で1時間放置することにより、膜厚5μmの接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
接着剤4の硬化方法;接着剤4を厚み400μmのポリカーボネートシート上に塗布し、110℃で10分間乾燥させることにより、膜厚5μmの接着層を有するポリカーボネートシートを得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000049

Claims (25)

  1. (A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂、並びに(B)フォトクロミック化合物を含んでなることを特徴とするフォトクロミック組成物。
  2. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、
    (A1)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリエステルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
    (A2)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、
    (A3)イソシアネート基と反応し得る基を分子内に2つ以上有し、その内の少なくとも1つがアミノ基であるアミノ基含有化合物と、
    を反応して得られるポリウレタン-ウレア樹脂である請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
  3. ポリウレタン-ウレア樹脂を得るに際して使用する成分(A1)、(A2)および(A3)の量比が、前記成分(A1)に含まれる、水酸基の総モル数をn1とし、前記成分(A2)に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、前記成分(A3)に含まれる、アミノ基の総モル数をn3としたときに、n1:n2:n3=0.3~0.9:1:0.1~0.7となる量比である請求項2に記載のフォトクロミック組成物。
  4. (A1)ポリオール化合物が分子量400~3000であり、(A3)アミノ基含有化合物が分子量50~300である請求項2記載のフォトクロミック組成物。
  5. (A3)アミノ基含有化合物が、ジアミン、トリアミン、アミノアルコール、アミノカルボン酸、およびアミノチオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のフォトクロミック組成物。
  6. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、ピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有するものである請求項1記載のフォトクロミック組成物。
  7. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、末端にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有するものである請求項1記載のフォトクロミック組成物。
  8. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、
    (A1)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリエステルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
    (A2)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、
    (A3)イソシアネート基と反応し得る基を分子内に2つ以上有し、その内の少なくとも1つがアミノ基であるアミノ基含有化合物と、
    (A4)分子内に1または2つのイソシアネート基と反応しうる基を有し、かつ、分子内にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物と、
    を反応して得られるポリウレタン-ウレア樹脂である請求項1記載のフォトクロミック組成物。
  9. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂を得るに際して使用する成分(A1)、(A2)、(A3)、及び(A4)の量比が、前記成分(A1)に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、前記成分(A2)に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、前記成分(A3)に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、前記成分(A4)に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、n1:n2:n3:n4=0.3~0.89/1.0/0.1~0.69/0.01~0.2となる量比である請求項8記載のフォトクロミック組成物。
  10. (A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂、(B)フォトクロミック化合物、および(D)分子内に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を有するフォトクロミック組成物。
  11. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、その末端と、(A5)分子内に1つのイソシアネート基と反応しうる基を有する反応停止剤と、を反応させることにより末端が停止されている請求項10記載のフォトクロミック組成物。
  12. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、末端にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有するものである請求項10記載のフォトクロミック組成物。
  13. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂が、
    (A1)ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリエステルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物と、
    (A2)分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、
    (A3)イソシアネート基と反応し得る基を分子内に2つ以上有し、その内の少なくとも1つがアミノ基であるアミノ基含有化合物と、
    (A4)分子内に1または2つのイソシアネート基と反応しうる基を有し、かつ、分子内にピペリジン構造、ヒンダードフェノール構造、トリアジン構造、またはベンゾトリアゾール構造を有する機能性付与化合物と、
    を反応して得られるポリウレタン-ウレア樹脂である請求項10記載のフォトクロミック組成物。
  14. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂を得るに際して使用する成分(A1)、(A2)、(A3)、及び(A4)の量比が、前記成分(A1)に含まれる水酸基の総モル数をn1とし、前記成分(A2)に含まれるイソシアネート基の総モル数をn2とし、前記成分(A3)に含まれるアミノ基の総モル数をn3とし、前記成分(A4)に含まれるイソシアネート基と反応しうる基の総モル数をn4としたときに、n1:n2:n3:n4=0.3~0.89/1.0/0.1~0.69/0.01~0.2となる量比である請求項13記載のフォトクロミック組成物。
  15. (D)イソシアネート化合物が分子量1000未満である請求項10に記載のフォトクロミック組成物。
  16. (B)フォトクロミック化合物の含有量が、前記(A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して0.1~20質量部である請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
  17. (B)フォトクロミック化合物の含有量が、前記(A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して0.1~20質量部である請求項10に記載のフォトクロミック組成物。
  18. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して5~900質量部の(C)有機溶媒を更に含んでなる請求項1に記載のフォトクロミック組成物。
  19. (A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して5~900質量部の(C)有機溶媒を更に含んでなる請求項10に記載のフォトクロミック組成物。
  20. 互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムが請求項1に記載のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる光学物品。
  21. 互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムが請求項10に記載のフォトクロミック組成物からなる接着層を介して接合されてなる積層構造を含んでなる光学物品。
  22. 互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムが、請求項1に記載のフォトクロミック組成物からなる第1接着層と、該第1接着層の両側に存在する第2接着層とを介して接合されてなる積層構造を含んでなる光学物品。
  23. 互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムが、請求項10に記載のフォトクロミック組成物からなる第1接着層と、該第1接着層の両側に存在する第2接着層とを介して接合されてなる積層構造を含んでなる光学物品。
  24. 請求項20に記載の光学物品の製造方法であって、(I)平滑な基材上に(A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂と、(B)フォトクロミック化合物と、(A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して5~900質量部の(C)有機溶媒と、を含んでなるフォトクロミック組成物を延展せしめた後に乾燥することにより(C)有機溶媒を除去し、その後、基材を剥がして(A)ポリウレタン-ウレア樹脂と、該(A)ポリウレタン-ウレア樹脂中に分散した(B)フォトクロミック化合物とを含んでなるフォトクロミック接着性シートを作成する工程、および(II)互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムの間に上記フォトクロミック接着性シートを介在させて該2枚の光学シート又はフィルムを接合することにより前記積層構造を作成する工程、を含んでなることを特徴とする光学物品の製造方法。
  25. 請求項21に記載の光学物品の製造方法であって、(I)平滑な基材上に(A)分子鎖中にウレア結合を有するポリウレタン-ウレア樹脂と、(B)フォトクロミック化合物と、(D)分子中に少なくとも1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、(A)ポリウレタン-ウレア樹脂100質量部に対して5~900質量部の(C)有機溶媒と、を含んでなるフォトクロミック組成物を延展せしめた後に乾燥することにより(C)有機溶媒を除去し、その後、基材を剥がして(A)ポリウレタン-ウレア樹脂と、該(A)ポリウレタン-ウレア樹脂中に分散した(B)フォトクロミック化合物とを含んでなるフォトクロミック接着性シートを作成する工程、および(II)互いに対向する2枚の光学シート又はフィルムの間に上記フォトクロミック接着性シートを介在させて該2枚の光学シート又はフォルムを接合することにより前記積層構造を作成する工程、を含んでなることを特徴とする光学物品の製造方法。
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