JP2001011067A - クロメン化合物 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 発色濃度が高く、退色速度が速く且つ劣化時
の着色が少ない良好なフォトクロミック性の耐久性を有
するフォトクロミック化合物。 【解決手段】 基本構造としてインデン環の1位に、ア
ルキニル基が置換しているという特徴を有する、例えば
下記式で示されるような新規なクロメン化合物。 【化1】
の着色が少ない良好なフォトクロミック性の耐久性を有
するフォトクロミック化合物。 【解決手段】 基本構造としてインデン環の1位に、ア
ルキニル基が置換しているという特徴を有する、例えば
下記式で示されるような新規なクロメン化合物。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なクロメン化
合物、および該クロメン化合物の用途に関する。
合物、および該クロメン化合物の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。
【0003】例えば、PCT特許出願WO96/145
96号公開明細書には、下記式(A)で示されるクロメ
ン化合物が開示されている。
96号公開明細書には、下記式(A)で示されるクロメ
ン化合物が開示されている。
【0004】
【化6】
【0005】しかし、このクロメン化合物は、退色速度
が遅く、さらに例えばフォトクロミック材として長期間
使用すると光未照射の状態での着色(劣化時の着色とも
いう。)が大きくなったり、光照射時の発色濃度が低下
するという問題があった。
が遅く、さらに例えばフォトクロミック材として長期間
使用すると光未照射の状態での着色(劣化時の着色とも
いう。)が大きくなったり、光照射時の発色濃度が低下
するという問題があった。
【0006】また、PCT特許出願WO97/4876
2号公開明細書には、下記式(B)で示されるクロメン
化合物が開示されている。
2号公開明細書には、下記式(B)で示されるクロメン
化合物が開示されている。
【0007】
【化7】
【0008】しかし、このクロメン化合物には、退色速
度が遅いという問題があった。
度が遅いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記した化合物に比べフォトクロミック特性をさら
に向上させ、退色速度が速く、且つ劣化時の着色が少な
く、しかも上記の発色濃度の低下に代表されるようなフ
ォトクロミック性の低下が起こりにくい(フォトクロミ
ック性の耐久性に優れる)クロメン化合物を提供するこ
とにある。
は、上記した化合物に比べフォトクロミック特性をさら
に向上させ、退色速度が速く、且つ劣化時の着色が少な
く、しかも上記の発色濃度の低下に代表されるようなフ
ォトクロミック性の低下が起こりにくい(フォトクロミ
ック性の耐久性に優れる)クロメン化合物を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたもので、本発明者らによって得
られた新規なクロメン化合物は、その退色速度が速く、
且つ劣化時の着色が少なく、しかもフォトクロミック性
の耐久性が優れているという知見に基づいて完成された
ものである。
成するために提案されたもので、本発明者らによって得
られた新規なクロメン化合物は、その退色速度が速く、
且つ劣化時の着色が少なく、しかもフォトクロミック性
の耐久性が優れているという知見に基づいて完成された
ものである。
【0011】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0012】
【化8】 {式中、
【0013】
【化9】
【0014】で示される基は、芳香族炭化水素基または
不飽和複素環基であり、R1は、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
ノ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは
非置換のヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子と上記
式(2)で示される基の環とが結合する置換もしくは非
置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環も
しくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、m
は0〜3の整数であり、R2は、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
ノ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは
非置換のヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とベン
ゼン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又
は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環
が縮合した縮合複素環基であり、nは0〜3の整数であ
り、R3およびR4は、それぞれ独立に、下記式(3)
不飽和複素環基であり、R1は、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
ノ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは
非置換のヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子と上記
式(2)で示される基の環とが結合する置換もしくは非
置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環も
しくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、m
は0〜3の整数であり、R2は、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
ノ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは
非置換のヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル
基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とベン
ゼン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又
は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環
が縮合した縮合複素環基であり、nは0〜3の整数であ
り、R3およびR4は、それぞれ独立に、下記式(3)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R7は置換もしくは非置換のアリ
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、R8は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子
であり、pは1〜3の整数である。)で示される基、下
記式(4)
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、R8は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子
であり、pは1〜3の整数である。)で示される基、下
記式(4)
【0017】
【化11】 (式中、R9は置換もしくは非置換のアリール基または
置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、qは1
〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは非置
換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール
基、又はアルキル基であるか、又はR3とR4とが一緒に
なって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を
構成していてもよく、R5は、水素原子、アルキル基、
置換もしくは非置換のアリール基、又はアシル基であ
り、R6は下記式(5)、
置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、qは1
〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは非置
換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール
基、又はアルキル基であるか、又はR3とR4とが一緒に
なって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を
構成していてもよく、R5は、水素原子、アルキル基、
置換もしくは非置換のアリール基、又はアシル基であ
り、R6は下記式(5)、
【0018】
【化12】
【0019】(式中、R10は水素原子、アルキル基、置
換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置
換のヘテロアリール基である。)で示される基であ
る。}で示されるクロメン化合物である。
換もしくは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置
換のヘテロアリール基である。)で示される基であ
る。}で示されるクロメン化合物である。
【0020】また、他の発明は、上記一般式(1)で示
されるクロメン化合物よりなるフォトクロミック材、お
よび該クロメン化合物を含んでなるフォトクロミック光
学材料である。
されるクロメン化合物よりなるフォトクロミック材、お
よび該クロメン化合物を含んでなるフォトクロミック光
学材料である。
【0021】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)において、
【0022】
【化13】 で示される基は、芳香族炭化水素基または不飽和複素環
基である。
基である。
【0023】上記芳香族炭化水素基としては、特に制限
されないが、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ま
しい。好適な芳香族炭化水素基を例示すると、フェニレ
ン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基、トリレン
基、キシリレン基等のベンゼン環1個、またはそれら2
〜4個の縮環よりなる芳香族炭化水素基等が挙げられ
る。
されないが、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ま
しい。好適な芳香族炭化水素基を例示すると、フェニレ
ン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基、トリレン
基、キシリレン基等のベンゼン環1個、またはそれら2
〜4個の縮環よりなる芳香族炭化水素基等が挙げられ
る。
【0024】また、前記の不飽和複素環基としては、特
に制限されないが、酸素、硫黄、窒素原子を含む5員
環、6員環またはこれらにベンゼン環が縮環した不飽和
複素環基が好ましい。好適な不飽和複素環基を例示する
と、ピリジレン基、キノリレン基、ピロリレン基、イン
ドリレン基等の含窒素複素環基、フリレン基、ベンゾフ
リレン基等の含酸素複素環基、チエニレン基、ベンゾチ
エニレン基等の含硫黄複素環基などを挙げることができ
る。
に制限されないが、酸素、硫黄、窒素原子を含む5員
環、6員環またはこれらにベンゼン環が縮環した不飽和
複素環基が好ましい。好適な不飽和複素環基を例示する
と、ピリジレン基、キノリレン基、ピロリレン基、イン
ドリレン基等の含窒素複素環基、フリレン基、ベンゾフ
リレン基等の含酸素複素環基、チエニレン基、ベンゾチ
エニレン基等の含硫黄複素環基などを挙げることができ
る。
【0025】上記一般式(1)において、R1は、アル
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置
換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール
基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハロゲン
原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子と前記式(2)で示される基の環とが結合す
る置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基である。
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置
換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール
基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハロゲン
原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子と前記式(2)で示される基の環とが結合す
る置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基である。
【0026】以下、これらの基について説明する。
【0027】上記のアルキル基としては、特に限定され
ないが、一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好まし
い。好適なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができ
る。
ないが、一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好まし
い。好適なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができ
る。
【0028】上記のアルコキシ基は特に限定されない
が、一般的には炭素数1〜5のアルコキシ基が好まし
い。好適なアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基等を挙げることができる。
が、一般的には炭素数1〜5のアルコキシ基が好まし
い。好適なアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、 sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基等を挙げることができる。
【0029】上記のアラルコキシ基としては、特に限定
されないが、炭素数6〜10のアラルコキシ基が好まし
い。好適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェ
ノキシ基、ナフトキシ基等を挙げることができる。
されないが、炭素数6〜10のアラルコキシ基が好まし
い。好適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェ
ノキシ基、ナフトキシ基等を挙げることができる。
【0030】上記の置換アミノ基は、アルキル基または
アリール基が置換したアルキルアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、アリールアミノ基またはジアリールアミノ基で
あり、好適な置換アミノ基を具体的に例示すると、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、等を挙げることができる。
アリール基が置換したアルキルアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、アリールアミノ基またはジアリールアミノ基で
あり、好適な置換アミノ基を具体的に例示すると、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、等を挙げることができる。
【0031】上記の非置換のアリール基は、特に限定さ
れないが、炭素数6〜10の非置換のアリール基が好ま
しい。好適な非置換のアリール基を例示すると、フェニ
ル基、ナフチル基等を挙げることができる。
れないが、炭素数6〜10の非置換のアリール基が好ま
しい。好適な非置換のアリール基を例示すると、フェニ
ル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0032】また、置換アリール基としては、上記非置
換のアリール基の1若しくは2以上の水素原子が、水酸
基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ
基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリ
ール基、アラルキル基、アシル基、アシロキシ基、アル
コキシカルボニル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子とアリール基とが結合する置換もしくは非置
換の複素環基(すなわち、当該複素環基を「−Z」と表
し、「−」を未結合手と呼んだ場合に、前記窒素原子に
該未結合手が存在する複素環基を意味する。)、又は該
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基等の置換基で置換されたものを挙げ
ることができる。
換のアリール基の1若しくは2以上の水素原子が、水酸
基、アルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ
基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロアリ
ール基、アラルキル基、アシル基、アシロキシ基、アル
コキシカルボニル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子とアリール基とが結合する置換もしくは非置
換の複素環基(すなわち、当該複素環基を「−Z」と表
し、「−」を未結合手と呼んだ場合に、前記窒素原子に
該未結合手が存在する複素環基を意味する。)、又は該
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基等の置換基で置換されたものを挙げ
ることができる。
【0033】なお、上記各置換基の具体例は、アルキル
基、アルコキシ基、アラルコシ基、置換アミノ基、アリ
ール基、については前記したものと同じであり、また、
ヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素
原子をヘテロ原子として有する上記複素環基、該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基については、後述するR1の各基と同じで
ある。また、アシル基としては、炭素数2〜12のアシ
ル基が好ましく、好適なアシル基を例示すると、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、ト
ルイル基、ナフトイル基等を挙げることができる。ま
た、アシロキシ基としては、炭素数2〜12のアシロキ
シ基が好ましく、好適なアシロキシ基を例示すると、ア
セトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、
ベンゾイルオキシ基、トルイルオキシ基、ナフトイルオ
キシ基等を挙げることができる。さらに、アルキルカル
ボニル基としては炭素数1〜10のアルキルカルボニル
基が好ましく、好適なアルキルカルボニル基を例示する
とメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロ
ピルカルボニル基、ブトキシカルボニル基等を挙げるこ
とができる。
基、アルコキシ基、アラルコシ基、置換アミノ基、アリ
ール基、については前記したものと同じであり、また、
ヘテロアリール基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素
原子をヘテロ原子として有する上記複素環基、該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基については、後述するR1の各基と同じで
ある。また、アシル基としては、炭素数2〜12のアシ
ル基が好ましく、好適なアシル基を例示すると、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、ト
ルイル基、ナフトイル基等を挙げることができる。ま
た、アシロキシ基としては、炭素数2〜12のアシロキ
シ基が好ましく、好適なアシロキシ基を例示すると、ア
セトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、
ベンゾイルオキシ基、トルイルオキシ基、ナフトイルオ
キシ基等を挙げることができる。さらに、アルキルカル
ボニル基としては炭素数1〜10のアルキルカルボニル
基が好ましく、好適なアルキルカルボニル基を例示する
とメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロ
ピルカルボニル基、ブトキシカルボニル基等を挙げるこ
とができる。
【0034】上記のR1としての非置換のヘテロアリー
ル基としては、特に限定されないが、炭素数4〜12の
ヘテロアリール基が好ましい。具体的に例示すると、チ
エニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル基、ベン
ゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロリニル基
等を挙げることができる。
ル基としては、特に限定されないが、炭素数4〜12の
ヘテロアリール基が好ましい。具体的に例示すると、チ
エニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル基、ベン
ゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロリニル基
等を挙げることができる。
【0035】上記置換のヘテロアリール基の置換基とし
ては、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、ア
ルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、
ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、アシロキ
シ基、アルコキシカルボニル基、窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子に未結合手が存在する(即ち、該
窒素原子とヘテロアリール基とが結合する)置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基等を挙
げることができる。各置換基の具体例については、上記
置換アリール基の置換基と同様である。
ては、水酸基、アルキル基、トリフルオロメチル基、ア
ルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、
ヘテロアリール基、アラルキル基、アシル基、アシロキ
シ基、アルコキシカルボニル基、窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子に未結合手が存在する(即ち、該
窒素原子とヘテロアリール基とが結合する)置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基等を挙
げることができる。各置換基の具体例については、上記
置換アリール基の置換基と同様である。
【0036】上記のR1としてのハロゲン原子としては
フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を挙げ
ることができる。上記のR1としてのアラルキル基は特
に限定されないが、炭素数7〜11のアラルキル基が好
ましい。好適なアラルキル基を例示すると、ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニル
ブチル基等を挙げることができる。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を挙げ
ることができる。上記のR1としてのアラルキル基は特
に限定されないが、炭素数7〜11のアラルキル基が好
ましい。好適なアラルキル基を例示すると、ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニル
ブチル基等を挙げることができる。
【0037】上記のR1としての窒素原子をヘテロ原子
として有し該窒素原子と前記芳香族炭化水素環又は不飽
和複素環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基
(すなわち、当該複素環基を「−Z」と表し、「−」を
未結合手と呼んだ場合に、前記窒素原子に該未結合手が
存在する複素環基を意味する。)、又は該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基として好適なものを具体的に例示すると、ピロリ
ジニル基、ピペリジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、
モルホリノ基、チオモルホリノ基、ピローリル基、イン
ドール基、インドリル基、インドリル基、テトラヒドロ
キノリル基、カルバゾール基等を挙げることができる。
として有し該窒素原子と前記芳香族炭化水素環又は不飽
和複素環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基
(すなわち、当該複素環基を「−Z」と表し、「−」を
未結合手と呼んだ場合に、前記窒素原子に該未結合手が
存在する複素環基を意味する。)、又は該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基として好適なものを具体的に例示すると、ピロリ
ジニル基、ピペリジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、
モルホリノ基、チオモルホリノ基、ピローリル基、イン
ドール基、インドリル基、インドリル基、テトラヒドロ
キノリル基、カルバゾール基等を挙げることができる。
【0038】R1の置換数を示すmは0〜3、好ましく
は0〜2の整数である。R1が結合する位置は特に制限
されない。なお、mが2又は3であるとき、各R1は互
いに異なっていてもよい。
は0〜2の整数である。R1が結合する位置は特に制限
されない。なお、mが2又は3であるとき、各R1は互
いに異なっていてもよい。
【0039】前記一般式(1)において、R2は、アル
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置
換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール
基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハロゲン
原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしくは非置
換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もし
くは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。
キル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置
換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール
基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハロゲン
原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換もしくは非置
換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もし
くは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。
【0040】ここで、上記の各基は、窒素原子をヘテロ
原子として有しする上記複素環基が結合する環がベンゼ
ン環となる他は、R1として前記したものと全く同じで
ある。また、R2の置換数を示すnは0〜3、好ましく
は0〜2の整数であり、2又は3であるとき、各R2は
互いに異なっていてもよい。また、R2が結合する位置
は特に制限されない。
原子として有しする上記複素環基が結合する環がベンゼ
ン環となる他は、R1として前記したものと全く同じで
ある。また、R2の置換数を示すnは0〜3、好ましく
は0〜2の整数であり、2又は3であるとき、各R2は
互いに異なっていてもよい。また、R2が結合する位置
は特に制限されない。
【0041】前記一般式(1)において、R3およびR4
は、それぞれ独立に、下記式(3)
は、それぞれ独立に、下記式(3)
【0042】
【化14】
【0043】(式中、R7は置換もしくは非置換のアリ
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、R8は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子
であり、pは1〜3の整数である。)で示される基、下
記式(4)
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、R8は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子
であり、pは1〜3の整数である。)で示される基、下
記式(4)
【0044】
【化15】
【0045】(式中、R9は置換もしくは非置換のアリ
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、qは1〜3の整数である。)で示される基、置換
もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基、又はアルキル基である。また、R3及
びR4は、これら基に限らず、R3とR4が一緒になっ
て、脂肪族炭化水素環または芳香族炭化水素環を構成し
ていてもよい。
ール基または置換もしくは非置換のヘテロアリール基で
あり、qは1〜3の整数である。)で示される基、置換
もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基、又はアルキル基である。また、R3及
びR4は、これら基に限らず、R3とR4が一緒になっ
て、脂肪族炭化水素環または芳香族炭化水素環を構成し
ていてもよい。
【0046】前記式(3)中のR7は、置換もしくは非
置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基である。これら基としては、前記したR1に
おけるものと同じ基が適用される。
置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基である。これら基としては、前記したR1に
おけるものと同じ基が適用される。
【0047】なお、置換アリール基に於いて、置換基が
結合する位置は特に限定されず、その総数も特に限定さ
れないが、アリール基がフェニル基である場合は3位ま
たは4位、ナフチル基であれば、4位または6位が好ま
しい。
結合する位置は特に限定されず、その総数も特に限定さ
れないが、アリール基がフェニル基である場合は3位ま
たは4位、ナフチル基であれば、4位または6位が好ま
しい。
【0048】前記式(3)中のR8は水素原子、アルキ
ル基またはハロゲン原子である。好適なアルキル基を具
体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基等
が挙げられる。また上記のハロゲン原子を具体的に例示
すると、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子を挙げることができる。
ル基またはハロゲン原子である。好適なアルキル基を具
体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基等
が挙げられる。また上記のハロゲン原子を具体的に例示
すると、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子を挙げることができる。
【0049】上記式(3)中のpは1〜3の整数であ
る。原料入手の観点から、pが1であることが好まし
い。
る。原料入手の観点から、pが1であることが好まし
い。
【0050】上記式(3)で示される基の中で好適な基
を具体的に例示すると、フェニル−エチレニル基、(4
−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル
基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エ
テニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテニル基、
(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、(4−ユー
ロリジノフェニル)−エテニル基、(4−メトキシフェ
ニル)−エテニル基、(4−メチルフェニル)−エテニ
ル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エテニル基、(2−メトキシフェニル)−エテニル基、
フェニル−1−メチルエテニル基、(4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル)−1−メチルエテニル基、
(4−メトキシフェニル)−1−メチルエテニル基、フ
ェニル−1−フルオロエテニル基、(4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル)−1−フルオロエテニル基、
2−チエニル−エテニル基、2−フリル−エテニル基、
2−(N−メチル)ピロリニル−エテニル基、2−ベン
ゾチエニル−エテニル基、2−ベンゾフラニル−エテニ
ル基、2−(N−メチル)インドリル−エテニル基等を
挙げることができる。
を具体的に例示すると、フェニル−エチレニル基、(4
−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル
基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エ
テニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテニル基、
(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、(4−ユー
ロリジノフェニル)−エテニル基、(4−メトキシフェ
ニル)−エテニル基、(4−メチルフェニル)−エテニ
ル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エテニル基、(2−メトキシフェニル)−エテニル基、
フェニル−1−メチルエテニル基、(4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル)−1−メチルエテニル基、
(4−メトキシフェニル)−1−メチルエテニル基、フ
ェニル−1−フルオロエテニル基、(4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル)−1−フルオロエテニル基、
2−チエニル−エテニル基、2−フリル−エテニル基、
2−(N−メチル)ピロリニル−エテニル基、2−ベン
ゾチエニル−エテニル基、2−ベンゾフラニル−エテニ
ル基、2−(N−メチル)インドリル−エテニル基等を
挙げることができる。
【0051】また、前記式(4)中のR9は、置換もし
くは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基である。これら基は、前述のR1として
説明した基と同義である。
くは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基である。これら基は、前述のR1として
説明した基と同義である。
【0052】前記式(4)中のqは1〜3の整数であれ
ば特に限定されないが、原料入手の容易さの観点からq
は1であるのが好適である。
ば特に限定されないが、原料入手の容易さの観点からq
は1であるのが好適である。
【0053】前記式(4)で示される基の中で好適な基
を具体的に例示すると、フェニル−エチリニル基、(4
−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル
基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エ
チニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチニル基、
(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、(4−ユー
ロリジノフェニル)−エチニル基、(4−メトキシフェ
ニル)−エチニル基、(4−メチルフェニル)−エチニ
ル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エチニル基、(2−メトキシフェニル)−エチニル基、
2−チエニル−エチニル基、2−フリル−エチニル基、
2−(N−メチル)ピロリニル−エチニル基、2−ベン
ゾチエニル−エチル基、2−ベンゾフラニル−エチニル
基、2−(N−メチル)インドリル−エチニル基等を挙
げることができる。
を具体的に例示すると、フェニル−エチリニル基、(4
−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル
基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エ
チニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチニル基、
(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、(4−ユー
ロリジノフェニル)−エチニル基、(4−メトキシフェ
ニル)−エチニル基、(4−メチルフェニル)−エチニ
ル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エチニル基、(2−メトキシフェニル)−エチニル基、
2−チエニル−エチニル基、2−フリル−エチニル基、
2−(N−メチル)ピロリニル−エチニル基、2−ベン
ゾチエニル−エチル基、2−ベンゾフラニル−エチニル
基、2−(N−メチル)インドリル−エチニル基等を挙
げることができる。
【0054】また、R3、R4としての、置換もしくは非
置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリー
ル基、およびアルキル基は、前述のR1として説明した
基と同義である。
置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリー
ル基、およびアルキル基は、前述のR1として説明した
基と同義である。
【0055】また、R3とR4とが一緒になって脂肪族炭
化水素環を形成する場合に於ける、脂肪族炭化水素環と
しては、特に制限はされないが、好適な環を具体的に例
示すると、アダマンチリデン環、ビシクロノニリデン
環、ノルボルニリデン環等を挙げることができる。
化水素環を形成する場合に於ける、脂肪族炭化水素環と
しては、特に制限はされないが、好適な環を具体的に例
示すると、アダマンチリデン環、ビシクロノニリデン
環、ノルボルニリデン環等を挙げることができる。
【0056】また、R3とR4とが一緒になって芳香族炭
化水素環を形成する場合に於ける、芳香族炭化水素環と
しては、特に制限はされないが、好適な環としては、フ
ルオレン環等を挙げることができる。
化水素環を形成する場合に於ける、芳香族炭化水素環と
しては、特に制限はされないが、好適な環としては、フ
ルオレン環等を挙げることができる。
【0057】なお、R3、R4の少なくとも1つは、置換
もしくは非置換のアリール基又は置換もしくは非置換の
ヘテロアリール基、またはこれらに基を有する基である
ことが好ましい。
もしくは非置換のアリール基又は置換もしくは非置換の
ヘテロアリール基、またはこれらに基を有する基である
ことが好ましい。
【0058】さらに、R3およびR4の少なくとも1つ
は、下記(i)〜(ix) に示される何れかの基であることが
特に好ましい。
は、下記(i)〜(ix) に示される何れかの基であることが
特に好ましい。
【0059】(i) 置換アミノ基を置換基として有する置
換アリール基又は置換ヘテロアリール基; (ii)窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリ
ール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もしく
は非置換の複素環基を置換基として有する置換アリール
基又は置換ヘテロアリール基; (iii)前記(ii)における置換もしくは非置換の複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮
合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置
換ヘテロアリール基; (iv)R7が置換アミノ基を置換基として有する置換アリ
ール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示さ
れる基; (v) R7が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子
とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置換
もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換ア
リール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示
される基; (vi)R7が前記(v)における置換もしくは非置換の複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は
置換ヘテロアリール基である式(3)で示される基; (vii)R9が置換アミノ基を置換基として有する置換アリ
ール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で示さ
れる基; (viii) R9が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置
換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換
アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で
示される基;又は (ix) R9が前記(viii)における置換もしくは非置換の複
素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合
した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基
又は置換ヘテロアリール基である式(4)で示される
基。
換アリール基又は置換ヘテロアリール基; (ii)窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリ
ール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もしく
は非置換の複素環基を置換基として有する置換アリール
基又は置換ヘテロアリール基; (iii)前記(ii)における置換もしくは非置換の複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮
合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置
換ヘテロアリール基; (iv)R7が置換アミノ基を置換基として有する置換アリ
ール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示さ
れる基; (v) R7が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子
とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置換
もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換ア
リール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示
される基; (vi)R7が前記(v)における置換もしくは非置換の複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は
置換ヘテロアリール基である式(3)で示される基; (vii)R9が置換アミノ基を置換基として有する置換アリ
ール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で示さ
れる基; (viii) R9が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置
換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換
アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で
示される基;又は (ix) R9が前記(viii)における置換もしくは非置換の複
素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合
した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基
又は置換ヘテロアリール基である式(4)で示される
基。
【0060】なお、上記(i)〜(iii)における置換アリー
ル基においては、置換基の置換する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、置換位置はアリー
ル基がフェニル基であるときは3位または4位に置換さ
れることが好ましく、その数は1であることが好まし
い。当該置換アリール基としての、好適なものを具体的
に例示すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4
−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モル
ホリノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、3−
(N,Nジメチルアミノ)フェニル基等を挙げることが
できる。
ル基においては、置換基の置換する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、置換位置はアリー
ル基がフェニル基であるときは3位または4位に置換さ
れることが好ましく、その数は1であることが好まし
い。当該置換アリール基としての、好適なものを具体的
に例示すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4
−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モル
ホリノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、3−
(N,Nジメチルアミノ)フェニル基等を挙げることが
できる。
【0061】また、前記(i)〜(iii)における置換ヘテロ
アリール基において、置換基が置換する位置は特に限定
されず、その総数も特に限定されないが、その数は1で
あることが好ましい。当該置換ヘテロアリール基として
好適なものを具体的に例示すると、4−(N,N−ジメ
チルアミノ)チエニル基、4−(N,N−ジエチルアミ
ノ)フリル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)チエ
ニル基、4−モルホリノピロリニル基、6−ピペリジノ
ベンゾチエニル基、6−(N,Nジメチルアミノ)ベン
ゾフラニル基等をあげることができる。
アリール基において、置換基が置換する位置は特に限定
されず、その総数も特に限定されないが、その数は1で
あることが好ましい。当該置換ヘテロアリール基として
好適なものを具体的に例示すると、4−(N,N−ジメ
チルアミノ)チエニル基、4−(N,N−ジエチルアミ
ノ)フリル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)チエ
ニル基、4−モルホリノピロリニル基、6−ピペリジノ
ベンゾチエニル基、6−(N,Nジメチルアミノ)ベン
ゾフラニル基等をあげることができる。
【0062】また、前記(iv)〜(vi)の式(3)で示され
る基において、式(3)中のR7は、前記(i)〜(iii)の
置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義であ
る。当該式(3)で示される基として好適な基を例示す
ると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エテニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニ
ル)−エテニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテ
ニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、
(4−ユーロリジノフェニル)−エテニル基、(2−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、
(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−メ
チルエテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フ
ェニル)−1−フルオロエテニル基等を挙げることがで
きる。
る基において、式(3)中のR7は、前記(i)〜(iii)の
置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義であ
る。当該式(3)で示される基として好適な基を例示す
ると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エテニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニ
ル)−エテニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテ
ニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、
(4−ユーロリジノフェニル)−エテニル基、(2−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、
(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−メ
チルエテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フ
ェニル)−1−フルオロエテニル基等を挙げることがで
きる。
【0063】また、前記(vii)〜(ix)の式(4)で示さ
れる基において、式(4)中のR9は前記(i)〜(iii)の
置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義であ
る。当該式(4)で示される基として好適な基を例示す
ると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エチニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニ
ル)−エチニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチ
ニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、
(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル基、(2−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、
2−(N−メチル)インドリル−エチニル基、(4−
(N−メチルピペラジノ)フェニル)−エチニル等を挙
げることができる。
れる基において、式(4)中のR9は前記(i)〜(iii)の
置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義であ
る。当該式(4)で示される基として好適な基を例示す
ると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−
エチニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニ
ル)−エチニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチ
ニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、
(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル基、(2−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、
2−(N−メチル)インドリル−エチニル基、(4−
(N−メチルピペラジノ)フェニル)−エチニル等を挙
げることができる。
【0064】前記一般式(1)において、R5は、水素
原子、アルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、
又はアシル基である。アルキル基、置換もしくは非置換
のアリール基としては、R1として説明した基と同じ基
が適用される。アシル基としては、特に制限されない
が、炭素数2〜10のアシル基が好ましい。具体的に例
示すると、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、
ベンゾイル基、ナフトイル基等を挙げることができる。
原子、アルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、
又はアシル基である。アルキル基、置換もしくは非置換
のアリール基としては、R1として説明した基と同じ基
が適用される。アシル基としては、特に制限されない
が、炭素数2〜10のアシル基が好ましい。具体的に例
示すると、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、
ベンゾイル基、ナフトイル基等を挙げることができる。
【0065】前記一般式(1)において、R6は下記式
(5)
(5)
【0066】
【化16】
【0067】(式中、R10は水素原子、アルキル基、置
換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置
換のヘテロアリール基である。)で示される基である。
換もしくは非置換のアリール基または置換もしくは非置
換のヘテロアリール基である。)で示される基である。
【0068】上記R10としてのアルキル基、置換もしく
は非置換のアリール基、及び置換もしくは非置換のヘテ
ロアリール基としては、前記R1におけるものと同じも
のが挙げられる。
は非置換のアリール基、及び置換もしくは非置換のヘテ
ロアリール基としては、前記R1におけるものと同じも
のが挙げられる。
【0069】本発明において好適なクロメン化合物は、
下記式(6)
下記式(6)
【0070】
【化17】
【0071】{式中、R11およびR12は、それぞれ独立
に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ
基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のア
リール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハ
ロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子とし
て有し該窒素原子とナフタレン環とが結合する置換もし
くは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水
素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であ
り、R13およびR14は、それぞれ独立に、置換もしくは
非置換のアリール基又は置換もしくは非置換のヘテロア
リール基であり、R15は、水素原子、アルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、又はアシル基であり、R
16は前記R6と同義である。}で示されるクロメン化合
物である。なお、R11およびR12が水素原子である場合
は、前記一般式(1)でそれぞれmおよびnが0である
場合に対応する。
に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ
基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のア
リール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、ハ
ロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子とし
て有し該窒素原子とナフタレン環とが結合する置換もし
くは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水
素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であ
り、R13およびR14は、それぞれ独立に、置換もしくは
非置換のアリール基又は置換もしくは非置換のヘテロア
リール基であり、R15は、水素原子、アルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、又はアシル基であり、R
16は前記R6と同義である。}で示されるクロメン化合
物である。なお、R11およびR12が水素原子である場合
は、前記一般式(1)でそれぞれmおよびnが0である
場合に対応する。
【0072】さらに好ましい本発明のクロメン化合物
は、R13が、 アミノ基を置換基として有するアリー
ル基又はヘテロアリール基、窒素原子をヘテロ原子と
して有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール
基とが結合している置換もしくは非置換の複素環基を置
換基として有するアリール基又はヘテロアリール基、又
は前記における置換もしくは非置換複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテ
ロアリール基である上記式(6)で示されるクロメン化
合物である。
は、R13が、 アミノ基を置換基として有するアリー
ル基又はヘテロアリール基、窒素原子をヘテロ原子と
して有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール
基とが結合している置換もしくは非置換の複素環基を置
換基として有するアリール基又はヘテロアリール基、又
は前記における置換もしくは非置換複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテ
ロアリール基である上記式(6)で示されるクロメン化
合物である。
【0073】本発明において好適なクロメン化合物を具
体的に例示すれば、次のような化合物を挙げることがで
きる。
体的に例示すれば、次のような化合物を挙げることがで
きる。
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】本発明の前記一般式(1)で示される化合
物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体ま
たは粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のよ
うな手段で確認することができる。
物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体ま
たは粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のよ
うな手段で確認することができる。
【0080】(イ) プロトン核磁気共鳴スペクトル(
1H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.
0ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケン
のプロトンに基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付
近にアルキル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピ
ークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対
的に比較することにより、それぞれのプロトン数を知る
ことができる。
1H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.
0ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケン
のプロトンに基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付
近にアルキル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピ
ークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対
的に比較することにより、それぞれのプロトン数を知る
ことができる。
【0081】(ロ) 元素分析によって相当する生成物
の組成を決定することができる。
の組成を決定することができる。
【0082】(ハ) 13C−核磁気共鳴スペクトル(13
C−NMR)を測定することにより、δ110〜160
ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、
δ80〜140ppm付近にアルケン及びアルキンの炭
素に基づくピーク、δ20〜80ppm付近にアルキル
基及びアルキレン基の炭素に基づくピークが現われる。
C−NMR)を測定することにより、δ110〜160
ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、
δ80〜140ppm付近にアルケン及びアルキンの炭
素に基づくピーク、δ20〜80ppm付近にアルキル
基及びアルキレン基の炭素に基づくピークが現われる。
【0083】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法に
よって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方
法を以下に説明する。
化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法に
よって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方
法を以下に説明する。
【0084】該方法では、下記の一般式(7)
【0085】
【化23】 {式中、
【0086】
【化24】
【0087】で示される基、R1、R2、R3、及びR
4は、前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示される、ケトン誘導体(以下、前駆体クロメン化合
物ともいう。)と、下記一般式(8)
4は、前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示される、ケトン誘導体(以下、前駆体クロメン化合
物ともいう。)と、下記一般式(8)
【0088】
【化25】
【0089】{式中、Mは、ナトリウム、カリウム、リ
チウム、マグネシウムブロマイド等の金属であり、R6
は、一般式(1)における定義と同義である。}で示さ
れる、ナトリウムアセチリド誘導体等の金属アセチレン
化合物と反応させる方法である。該方法によれば、前記
一般式(1)において、R5が水素であるクロメン化合
物を得ることができる。
チウム、マグネシウムブロマイド等の金属であり、R6
は、一般式(1)における定義と同義である。}で示さ
れる、ナトリウムアセチリド誘導体等の金属アセチレン
化合物と反応させる方法である。該方法によれば、前記
一般式(1)において、R5が水素であるクロメン化合
物を得ることができる。
【0090】また、上記反応後に、下記一般式(9)
【0091】
【化26】
【0092】{式中、R5は、一般式(1)における定
義と同義であり、Yは、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子またはヨウ素原子である。}で示されるハロゲン化物
を用いて、アルカリ存在下で反応を行うことにより、前
記一般式(1)において、R5が水素以外の基であるク
ロメン化合物を得ることができる。上記一般式(7)で
示される、ケトン誘導体(前駆体クロメン化合物)の合
成法は特に限定されない。例えば、下記一般式(10)
義と同義であり、Yは、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子またはヨウ素原子である。}で示されるハロゲン化物
を用いて、アルカリ存在下で反応を行うことにより、前
記一般式(1)において、R5が水素以外の基であるク
ロメン化合物を得ることができる。上記一般式(7)で
示される、ケトン誘導体(前駆体クロメン化合物)の合
成法は特に限定されない。例えば、下記一般式(10)
【0093】
【化27】 {式中、
【0094】
【化28】 で示される基、R1、およびR2は、前記一般式(1)に
おける定義と同義である。}で示されるヒドロキシ−フ
ルオレノン誘導体と、下記一般式(11)
おける定義と同義である。}で示されるヒドロキシ−フ
ルオレノン誘導体と、下記一般式(11)
【0095】
【化29】
【0096】{式中、R3及びR4は、一般式(1)にお
ける定義と同義である。}で示されるプロパギルアルコ
ール誘導体を酸性条件下で反応させることにより好適に
合成することができる。
ける定義と同義である。}で示されるプロパギルアルコ
ール誘導体を酸性条件下で反応させることにより好適に
合成することができる。
【0097】上記一般式(10)で示されるヒドロキシ
−フルオレノン誘導体と一般式(11)で示されるプロ
パギルアルコール誘導体との反応は、例えば次のように
して行なうことができる。すなわち、反応基質としての
これら2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用さ
れるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲
から選択される。また、酸触媒としては硫酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等
が用いられ、反応基質の総和に対して0.1〜10重量
部の範囲で用いられる。反応温度は、通常0〜200℃
が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例
えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用され
る。
−フルオレノン誘導体と一般式(11)で示されるプロ
パギルアルコール誘導体との反応は、例えば次のように
して行なうことができる。すなわち、反応基質としての
これら2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用さ
れるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲
から選択される。また、酸触媒としては硫酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等
が用いられ、反応基質の総和に対して0.1〜10重量
部の範囲で用いられる。反応温度は、通常0〜200℃
が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例
えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用され
る。
【0098】生成物の精製方法としては特に限定されな
い。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結
晶により、生成物の精製を行うことができる。
い。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結
晶により、生成物の精製を行うことができる。
【0099】本発明のクロメン化合物は、トルエン、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒に
よく溶ける。このような溶媒に一般式(1)で示される
クロメン化合物を溶かしたとき、一般に溶液はほぼ無色
透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やか
に発色し、光を遮断すると速やかに元の無色にもどる良
好なフォトクロミック作用を呈する。
ロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒に
よく溶ける。このような溶媒に一般式(1)で示される
クロメン化合物を溶かしたとき、一般に溶液はほぼ無色
透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やか
に発色し、光を遮断すると速やかに元の無色にもどる良
好なフォトクロミック作用を呈する。
【0100】このようなフォトクロミック作用は、高分
子固体マトリックス中でも同様に発現する。かかる対象
となる高分子固体マトリックスとしては、本発明のクロ
メン化合物が均一に分散するものであればよく、光学的
に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロ
キサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができる。
子固体マトリックス中でも同様に発現する。かかる対象
となる高分子固体マトリックスとしては、本発明のクロ
メン化合物が均一に分散するものであればよく、光学的
に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアク
リル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロ
キサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができる。
【0101】さらに、エチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレ
ート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロ
モー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロ
パン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル
化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキ
シこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド
酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボ
ネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロ
ールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化
合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビ
ス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−
ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チ
オアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合
物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノ
ールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレ
ート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロ
モー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロ
パン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル
化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキ
シこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド
酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボ
ネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロ
ールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化
合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビ
ス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−
ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チ
オアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合
物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノ
ールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
【0102】また、これらの各単量体とアクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモス
チレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量
体との共重合体が挙げられる。
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモス
チレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量
体との共重合体が挙げられる。
【0103】本発明のクロメン化合物を上記高分子固体
マトリックス中へ分散させる方法としては特に制限はな
く、一般的な手法を用いることができる。例えば、上記
熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶融状態にて混練し、
樹脂中に分散させる方法、または上記重合性単量体にク
ロメン化合物を溶解させた後、重合触媒を加え熱または
光にて重合させ樹脂中に分散させる方法、あるいは上記
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の表面にクロメン化合物
を染色することにより樹脂中に分散させる方法等を挙げ
ることができる。
マトリックス中へ分散させる方法としては特に制限はな
く、一般的な手法を用いることができる。例えば、上記
熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶融状態にて混練し、
樹脂中に分散させる方法、または上記重合性単量体にク
ロメン化合物を溶解させた後、重合触媒を加え熱または
光にて重合させ樹脂中に分散させる方法、あるいは上記
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の表面にクロメン化合物
を染色することにより樹脂中に分散させる方法等を挙げ
ることができる。
【0104】本発明のクロメン化合物はフォトクロミッ
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本
発明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもあ
る。
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本
発明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもあ
る。
【0105】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0106】実施例1 下記のヒドロキシ−フルオレノン化合物
【0107】
【化30】 4.3g(0.017mol)と、下記のプロパギルア
ルコール
ルコール
【0108】
【化31】
【0109】6.7g(0.023mol)とを、トル
エン300mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン
酸を0.05g加えて加熱還流下で3時間攪拌した。反
応後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラフ
ィーにより精製することにより、赤色粉末状の生成物
5.8gを得た。収率は64%であった。さらに、得ら
れた化合物を、テトラヒドロフラン1.2リットルに溶
解し、ナトリウムアセチリド(18wt%/キシレン、
鉱油)3gを加えて室温で一晩攪拌した。反応後、水に
あけ、トルエン抽出し、得られた有機層の溶媒を留去
後、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、淡褐色粉末状の生成物3.3gを得た。
収率は55%であり、上述のヒドロキシフルオレノン化
合物からの収率は35%であった。
エン300mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン
酸を0.05g加えて加熱還流下で3時間攪拌した。反
応後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラフ
ィーにより精製することにより、赤色粉末状の生成物
5.8gを得た。収率は64%であった。さらに、得ら
れた化合物を、テトラヒドロフラン1.2リットルに溶
解し、ナトリウムアセチリド(18wt%/キシレン、
鉱油)3gを加えて室温で一晩攪拌した。反応後、水に
あけ、トルエン抽出し、得られた有機層の溶媒を留去
後、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、淡褐色粉末状の生成物3.3gを得た。
収率は55%であり、上述のヒドロキシフルオレノン化
合物からの収率は35%であった。
【0110】この生成物の元素分析値は、C83.41
%、H5.39%、N2.50%、O8.70%であっ
て、C38H28NO3の計算値であるC83.34%、H
5.34%、N2.56%、O8.76%に極めてよく
一致した。
%、H5.39%、N2.50%、O8.70%であっ
て、C38H28NO3の計算値であるC83.34%、H
5.34%、N2.56%、O8.76%に極めてよく
一致した。
【0111】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ2.0付近にアルキンのメチンプロト
ンに基づく1Hのピーク、δ3.0〜4.0ppm付近
にモルホリノ基のメチレンプロトン、ヒドロキシル基の
プロトンに基づく9Hのピーク、δ5.6〜9.0pp
m付近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロ
トンに基づく19Hのピークを示した。
定したところ、δ2.0付近にアルキンのメチンプロト
ンに基づく1Hのピーク、δ3.0〜4.0ppm付近
にモルホリノ基のメチレンプロトン、ヒドロキシル基の
プロトンに基づく9Hのピーク、δ5.6〜9.0pp
m付近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロ
トンに基づく19Hのピークを示した。
【0112】さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭
素に基づくピーク、δ65〜140ppm付近にアルケ
ン、及びアルキンの炭素に基づくピーク、δ20〜60
ppmにアルキルの炭素に基づくピークを示した。
したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭
素に基づくピーク、δ65〜140ppm付近にアルケ
ン、及びアルキンの炭素に基づくピーク、δ20〜60
ppmにアルキルの炭素に基づくピークを示した。
【0113】上記の結果から単離生成物は、下記構造式
で示される化合物であることを確認した。
で示される化合物であることを確認した。
【0114】
【化32】
【0115】実施例2〜13 表1〜3に示す各原料を用いて実施例1と同様にして表
1〜3に示したクロメン化合物を合成した。得られた生
成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用い
て構造解析した結果、表1〜3に示す構造式で示される
化合物であることを確認した。また、表4にこれらの化
合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計算値
及び1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示
した。
1〜3に示したクロメン化合物を合成した。得られた生
成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用い
て構造解析した結果、表1〜3に示す構造式で示される
化合物であることを確認した。また、表4にこれらの化
合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計算値
及び1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示
した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】実施例14 実施例1で得られたクロメン化合物0.05部をテトラ
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロエチルメタクリレート
5部に添加し十分に混合した。この混合液をガラス板と
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構
成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は
空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に
温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了
後、重合体(以下、フォトクロミック重合体ともい
う。)を鋳型のガラス型から取り外した。得られたフォ
トクロミック重合体(厚み2mm)に、浜松ホトニクス
製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−
100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介
して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365n
m=2.4mW/cm2,245nm=24μW/cm2
で120秒間照射して発色させ、フォトクロミック特性
を測定した。フォトクロミック特性は次のようなもので
評価した。
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロエチルメタクリレート
5部に添加し十分に混合した。この混合液をガラス板と
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構
成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は
空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に
温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了
後、重合体(以下、フォトクロミック重合体ともい
う。)を鋳型のガラス型から取り外した。得られたフォ
トクロミック重合体(厚み2mm)に、浜松ホトニクス
製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−
100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介
して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365n
m=2.4mW/cm2,245nm=24μW/cm2
で120秒間照射して発色させ、フォトクロミック特性
を測定した。フォトクロミック特性は次のようなもので
評価した。
【0120】 最大吸収波長(λmax): (株)
大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフ
ォトディテクターMCPD1000)により求めた発色
後の最大吸収波長である。害最大吸収波長は、発色時の
色調に関係する。
大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフ
ォトディテクターMCPD1000)により求めた発色
後の最大吸収波長である。害最大吸収波長は、発色時の
色調に関係する。
【0121】 初期着色{ε(0)}: 前記最大吸
収波長における光未照射状態の吸光度。例えばメガネレ
ンズのような光学材料においては、この値が低いほどフ
ォトクロミック性が優れているといえる。
収波長における光未照射状態の吸光度。例えばメガネレ
ンズのような光学材料においては、この値が低いほどフ
ォトクロミック性が優れているといえる。
【0122】 発色濃度{ε(120)−ε
(0)}: 前記最大吸収波長における、120秒間光
照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)と
の差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れてい
るといえる。
(0)}: 前記最大吸収波長における、120秒間光
照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)と
の差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れてい
るといえる。
【0123】 退色速度〔t1/2(min.)〕: 12
0秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記
最大は長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}
の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短い
ほどフォトクロミック性が優れているといえる。
0秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記
最大は長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}
の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短い
ほどフォトクロミック性が優れているといえる。
【0124】 残存率(%)={(A200/A0)×1
00}: 光照射による発色の耐久性を評価するために
次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた重合体
(試料)をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメータ
ーX25により200時間促進劣化させた。その後、前
記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃
度(A0)および試験後の発色濃度(A200)を測定し、
{(A200/A0)×100}の値を残存率(%)とし、
発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐
久性が高い。
00}: 光照射による発色の耐久性を評価するために
次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた重合体
(試料)をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメータ
ーX25により200時間促進劣化させた。その後、前
記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃
度(A0)および試験後の発色濃度(A200)を測定し、
{(A200/A0)×100}の値を残存率(%)とし、
発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐
久性が高い。
【0125】 着色変化度(△YI)=YI(20
0)−YI(0): 光未照射時の色調の耐久性を評価
するために、上記劣化促進試験前後の試料について、ス
ガ試験機(株)製の色差計(SM−4)を用いて色差を
測定した。劣化に伴う着色変化度を試験後の着色度の値
{YI(200)}から試験前の着色度の値{YI
(0)}を引いた差{△YI}を求め、耐久性を評価し
た。△YIが小さいほど光未照射時の色調の耐久性が高
い。
0)−YI(0): 光未照射時の色調の耐久性を評価
するために、上記劣化促進試験前後の試料について、ス
ガ試験機(株)製の色差計(SM−4)を用いて色差を
測定した。劣化に伴う着色変化度を試験後の着色度の値
{YI(200)}から試験前の着色度の値{YI
(0)}を引いた差{△YI}を求め、耐久性を評価し
た。△YIが小さいほど光未照射時の色調の耐久性が高
い。
【0126】また、クロメン化合物として実施例2ない
し14で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を評価し
た。その結果をまとめて表5に示す。
し14で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を評価し
た。その結果をまとめて表5に示す。
【0127】
【表5】
【0128】実施例15〜26 クロメン化合物として実施例2ないし13で得られた化
合物を用いた以外は、上記と同様にしてフォトクロミッ
ク重合体を得、その特性を評価した。結果を表5に示し
た。
合物を用いた以外は、上記と同様にしてフォトクロミッ
ク重合体を得、その特性を評価した。結果を表5に示し
た。
【0129】比較例1及び2 比較のために、下記式(A)、及び(B)
【0130】
【化33】
【0131】
【化34】
【0132】で示される化合物を用い実施例14と同様
にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価し
た。その結果を表6に示した。
にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価し
た。その結果を表6に示した。
【0133】
【表6】
【0134】本発明のクロメン化合物を用いた実施例1
3〜26のフォトクロミック重合体は、比較例1、2に
比べて発色濃度、退色速度、劣化時の着色、およびフォ
トクロミック性の耐久性のすべてにおいて優れている。
3〜26のフォトクロミック重合体は、比較例1、2に
比べて発色濃度、退色速度、劣化時の着色、およびフォ
トクロミック性の耐久性のすべてにおいて優れている。
【0135】
【発明の効果】本発明のクロメン化合物は、初期着色が
小さい、発色濃度が高い、および溶液中または高分子固
体マトリックス中に分散させても速い退色速度を示すと
いう優れたフォトクロミック性を示すかりでなく、優れ
た耐久性を示す。
小さい、発色濃度が高い、および溶液中または高分子固
体マトリックス中に分散させても速い退色速度を示すと
いう優れたフォトクロミック性を示すかりでなく、優れ
た耐久性を示す。
【0136】したがって、例えば、本発明のクロメン化
合物を用いてフォトクロミックレンズを作成した場合に
は、屋外から室内に戻った時にすばやく退色して元の色
調に戻り、さらに長時間使用可能な耐久性の高いフォト
クロミックレンズを得ることが出来る。
合物を用いてフォトクロミックレンズを作成した場合に
は、屋外から室内に戻った時にすばやく退色して元の色
調に戻り、さらに長時間使用可能な耐久性の高いフォト
クロミックレンズを得ることが出来る。
【図1】 実施例1で得た本発明のクロメン化合物のプ
ロトン核磁気共鳴スペクトルである。
ロトン核磁気共鳴スペクトルである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、 【化2】 で示される基は、芳香族炭化水素基または不飽和複素環
基であり、 R1は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、
アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置
換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール
基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原
子として有し該窒素原子と上記式(2)で示される基の
環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基であり、mは0〜3の整数であり、 R2は、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、
アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置
換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール
基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原
子として有し該窒素原子とベンゼン環とが結合する置換
もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭
化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基
であり、nは0〜3の整数であり、 R3およびR4は、それぞれ独立に、下記式(3) 【化3】 (式中、R7は置換もしくは非置換のアリール基または
置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R8は
水素原子、アルキル基またはハロゲン原子であり、pは
1〜3の整数である。)で示される基、下記式(4) 【化4】 (式中、R9は置換もしくは非置換のアリール基または
置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、qは1
〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは非置
換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール
基、又はアルキル基であるか、又はR3とR4とが一緒に
なって、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を
構成していてもよく、 R5は、水素原子、アルキル基、置換もしくは非置換の
アリール基、又はアシル基であり、 R6は下記式(5)、 【化5】 (式中、R10は水素原子、アルキル基、置換もしくは非
置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロア
リール基である。)で示される基である。}で示される
クロメン化合物。 - 【請求項2】 請求項1記載のクロメン化合物からなる
フォトクロミック材。 - 【請求項3】 請求項1記載のクロメン化合物を含有し
てなるフォトクロミック光学材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18814699A JP2001011067A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | クロメン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18814699A JP2001011067A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | クロメン化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001011067A true JP2001011067A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16218563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18814699A Withdrawn JP2001011067A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | クロメン化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001011067A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1918335A1 (en) | 2002-12-05 | 2008-05-07 | Tokuyama Corporation | Coating composition and optical articles |
WO2008105306A1 (ja) | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Tokuyama Corporation | コーティング組成物およびフォトクロミック光学品 |
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WO2010114012A1 (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | Hoya株式会社 | フォトクロミックレンズ製造システム、フォトクロミックレンズ製造装置、フォトクロミックレンズの製造プログラム、フォトクロミックレンズの製造プログラムが記録された記録媒体及びフォトクロミックレンズ製造方法 |
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WO2011125956A1 (ja) | 2010-04-01 | 2011-10-13 | 株式会社トクヤマ | フォトクロミック硬化性組成物 |
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US20120214992A1 (en) * | 2010-04-30 | 2012-08-23 | Transitions Optical, Inc. | Photochromic materials that include 6-amino substituted indeno-fused naphthopyrans |
US8277699B2 (en) * | 2010-04-30 | 2012-10-02 | Transistions Optical, Inc. | Photochromic materials that include 6-amino substituted indeno-fused naphthopyrans |
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WO2012144460A1 (ja) | 2011-04-18 | 2012-10-26 | 株式会社トクヤマ | フォトクロミック組成物、及び該組成物を使用した光学物品 |
WO2013008825A1 (ja) | 2011-07-11 | 2013-01-17 | 株式会社トクヤマ | フォトクロミック硬化性組成物 |
WO2013058218A1 (ja) | 2011-10-17 | 2013-04-25 | 株式会社トクヤマ | (メタ)アクリレート化合物、及び該(メタ)アクリレート化合物を含むフォトクロミック硬化性組成物 |
WO2013099640A1 (ja) | 2011-12-26 | 2013-07-04 | 株式会社トクヤマ | フォトクロミック組成物 |
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WO2014136804A1 (ja) | 2013-03-04 | 2014-09-12 | 株式会社トクヤマ | フォトクロミック硬化性組成物、その硬化体及びその硬化体を含む積層体 |
WO2019189875A1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-03 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 光学物品 |
WO2019189855A1 (ja) | 2018-03-30 | 2019-10-03 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 光学物品 |
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WO2021172513A1 (ja) | 2020-02-28 | 2021-09-02 | 株式会社トクヤマ | 湿気硬化型ポリウレタン組成物及び積層体 |
WO2021241596A1 (ja) | 2020-05-28 | 2021-12-02 | 株式会社トクヤマ | 光学材料用化合物、硬化性組成物、硬化体、及び光学物品 |
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-
1999
- 1999-07-01 JP JP18814699A patent/JP2001011067A/ja not_active Withdrawn
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