JPH08176139A - クロメン化合物 - Google Patents

クロメン化合物

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JPH08176139A
JPH08176139A JP31615994A JP31615994A JPH08176139A JP H08176139 A JPH08176139 A JP H08176139A JP 31615994 A JP31615994 A JP 31615994A JP 31615994 A JP31615994 A JP 31615994A JP H08176139 A JPH08176139 A JP H08176139A
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JP
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group
compound
formula
chromene
groups
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Application number
JP31615994A
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English (en)
Inventor
Shingo Matsuoka
信吾 松岡
Junji Momota
潤二 百田
Tadashi Hara
忠司 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPH08176139A publication Critical patent/JPH08176139A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/78Ring systems having three or more relevant rings
    • C07D311/92Naphthopyrans; Hydrogenated naphthopyrans

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 置換基中にエーテル結合または複素環を有
し、基本構造として3位の位置にナフチル基およびフェ
ニル基を有し、しかもf位でベンゼン環が縮合した構造
を有するクロメン化合物とそれからなるフォトクロミッ
ク材に関する。 【効果】 優れたフォトクロミック性を有し、また、高
い吸光度と速い退色速度を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光もしくは水銀灯
の光のような紫外線を含む光の照射で着色した形態に変
化し、その変化が可逆的で高い吸光度と無色状態へ戻る
速度(以下、退色速度と述べる)が速い新規なクロメン
化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。
【0003】USP3567605号公報には、下記式
(A)
【0004】
【化4】
【0005】で示されるクロメン化合物が示されてい
る。しかしながら、この化合物は室温付近(20〜30
℃)における吸光度が小さく、実用的ではなかった。
【0006】また、USP9300873号公報には、
下記式(B)
【0007】
【化5】
【0008】で示されるクロメン化合物が示されてい
る。この化合物は吸光度は大きいものの、退色速度が遅
く、実用的に満足のゆくものではなかった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記した化合物
のフォトクロミック性をさらに向上させ、高い吸光度と
速い退色速度を有する化合物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたもので、新規なクロメン化合物
が高い吸光度と速い退色速度を有するという本発明者ら
によって得られた知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0011】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0012】
【化6】
【0013】{式中、R1、R2、R3、R4およびR
5は、各々同種または異種の水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アラルキル基、アシル基、シアノ基、置換
アミノ基、アリール基、アシロキシ基、ニトロ基、ヒド
ロキシル基、ハロゲン原子または下記一般式(2)で表
される置換基Lであり、
【0014】
【化7】
【0015】〔但し、R6はアルキレン基または下記一
般式で表される基
【0016】
【化8】
【0017】(但し、AおよびA’は同種または異種の
アルキレン基であり、Bは−CO−基、−COO−基、
−OCO−基またはアリーレン基である。)であり、R
7はアルキレン基であり、R8はアルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アリール基または複素環基であ
り、sは0〜4の整数であり、tは0または1である。
但し、sが0のときはR8は複素環基である。〕 n、a、bおよびcは、各々置換基R1、R3、R4、R5
の個数を表し1または2である。但し、R1〜R5のう
ち、少なくとも1つは置換基Lである。}で示されるク
ロメン化合物である。
【0018】他の発明は、上記一般式(1)で示される
クロメン化合物よりなるフォトクロミック材である。
【0019】上記一般式(1)における置換基Lは下記
一般式(2)で表される。
【0020】
【化9】
【0021】〔但し、R6はアルキレン基または下記一
般式で表される基
【0022】
【化10】
【0023】(但し、AおよびA’は同種または異種の
アルキレン基であり、Bは−CO−基、−COO−基、
−OCO−基またはアリーレン基である。)であり、R
7はアルキレン基であり、R8はアルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アリール基または複素環基であ
り、sは0〜4の整数であり、tは0または1である。
但し、sが0のときはR8は複素環基である。〕 上記一般式(2)中のR6、R7、並びにR6中のAおよ
びA’のアルキレン基としては特に限定はされないが、
一般的には炭素数1ないし10、好ましくは1ないし4
のアルキレン基である。該アルキレン基を具体的に例示
すると、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、
イソプロピレン基、n−ブチレン基等を挙げることがで
きる。
【0024】上記R6中のBは−CO−基、−COO−
基、−OCO基−またはアリーレン基である。上記アリ
ーレン基としては特に限定はされないが、一般的には炭
素数6ないし20、好ましくは6ないし14のアリーレ
ン基である。該アリーレン基を具体的に例示すると、フ
ェニレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。
【0025】一般式(2)中のR8はアルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環
基であれば、公知の基が何等制限なく用いることができ
る。
【0026】上記のアルキル基としては特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数1ないし10、好ましくは1
ないし4のアルキル基である。該アルキル基を具体的に
例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げる
ことができる。
【0027】上記のシクロアルキル基としては特に限定
はされないが、一般的には炭素数3ないし20、好まし
くは3ないし10のシクロアルキル基である。該シクロ
アルキル基を具体的に例示すると、シクロプロピル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル
基、アダマンチル基等を挙げることができる。
【0028】上記のアラルキル基としては特に限定はさ
れないが、一般的には炭素数7から16、好ましくは7
から10のアラルキル基である。該アラルキル基を具体
的に例示すると、ベンジル基、フェニルエチル基、フェ
ニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げることがで
きる。
【0029】上記のアリール基としては特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数6ないし20、好ましくは6
ないし14のアリール基である。該アリール基を具体的
に例示すると、フェニル基、ナフチル基、トリル基等を
挙げることができる。
【0030】上記の複素環基としては特に限定はされな
いが、該複素環を具体的に例示すると、フラン環、チオ
フェン環、ピロール環、ピロリジン環、ピリジン環、モ
ルホリン環、ジオキサン環、テトラヒドロフラン環、ジ
オキソラン環、ピペラジン環、ピペリジン環等が挙げら
れる。
【0031】一般式(2)で表される置換基を具体的に
例示すると、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メ
トキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシ
エチル基、メトキシイソプロピル基、シクロヘキシルオ
キシメチル基、シクロプロポキシメチル基、フェノキシ
エチル基、ベンジルオキシメチル基、イソプロポキシメ
チル基、t−ブトキシエチル基、メトキシエトキシカル
ボニルメチル基、3−メトキシ−2−プロパノイル基、
p−メチルフェノキシエチル基、2−ノルボルニルオキ
シエチル基、2−(1,3−ジオキサニル)エトキシエ
チル基、N−(ピペリジニル)エチル基等が挙げられ
る。
【0032】また、前記一般式(1)中のR1〜R5のア
ルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アシル基、置
換アミノ基、アリール基、アシロキシ基、ハロゲン原子
としては、公知の基が何等制限なく用いることができ
る。
【0033】上記のアルキル基としては特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数1ないし10、好ましくは1
ないし4のアルキル基である。該アルキル基を具体的に
例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げる
ことができる。
【0034】上記のアルコキシ基としては特に限定はさ
れないが、一般的には炭素数1ないし10、好ましくは
1ないし4のアルコキシ基である。該アルコキシ基を具
体的に例示すると、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブ
トキシ基等を挙げることができる。
【0035】上記のアラルキル基としては特に限定はさ
れないが、一般的には炭素数7から16、好ましくは7
から10のアラルキル基である。該アラルキル基を具体
的に例示すると、ベンジル基、フェニルエチル基、フェ
ニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げることがで
きる。
【0036】上記のアシル基としては特に限定はされな
いが、一般的には炭素数1ないし15、好ましくは1な
いし7のアシル基である。該アシル基を具体的に例示す
ると、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
【0037】上記の置換アミノ基としては特に限定はさ
れないが、一般的には炭素数1〜10のアルキル基、ヘ
テロ原子含有アルキル基等の置換基を有するアミノ基が
挙げられ、これらの置換基は一緒になって環を形成する
こともできる。該アミノ基を具体的に例示すると、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソ
プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、メチルエチルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミ
ノ基、ジ(2ーヒドロキシエチル)アミノ基、ピペリジ
ニル基、モルホリニル基、N−メチルピペラジニル基、
チオモルホリニル基、アジリジニル基、ピロリジニル基
等を挙げることができる。
【0038】上記のアリール基としては特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数6ないし20、好ましくは6
ないし14のアリール基である。該アリール基を具体的
に例示すると、フェニル基、ナフチル基、トリル基等を
挙げることができる。
【0039】上記のアシロキシ基としては特に限定はさ
れないが、一般的には炭素数1ないし15、好ましくは
2ないし7のアシロキシ基である。該アシロキシ基を具
体的に例示すると、アセトキシ基、プロピオニルオキシ
基、ベンゾイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等を挙げることができる。 上記のハロゲン原子とし
ては特に限定はされないが、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子等が具体的に例示される。
【0040】一般式(1)中、nはR1の個数を、aは
3の個数を、bはR4の個数を、cはR5の個数を示
し、各々1または2である。置換基R1、R2、R3、R4
およびR5の置換位置は特に限定はされないが、R1
一般式(1)中の8または9位が、R2は6位が、R3
フェニル基のoまたはp位が、R4はナフチル基の1ま
たは3位が好ましい。
【0041】本発明において好適なクロメン化合物を具
体的に例示すれば、次のような化合物を挙げることがで
きる。
【0042】1)3−(4−メトキシメチルフェニル)
−3−(2−ナフチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 2)3−(4−メトキシエチルフェニル)−3−(2−
ナフチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 3)3−(4−メトキシエトキシエチルフェニル)−3
−(2−ナフチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 4)3−(2−メトキシメチルフェニル)−3−(2−
ナフチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 5)3−〔4−(2−ナフトキシブチル)フェニル〕−
3−(2−ナフチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 6)3−フェニル−3−〔2−(6−エトキシエチル)
ナフ チル〕−3H−ベンゾ(f)クロメン 7)8−メトキシメチル−3−(4−メトキシメチルフ
ェニル)−3−〔2−(5−メトキシメチル)ナフチ
ル〕−3H−ベンゾ(f)クロメン 8)3−フェニル−3−〔2−(3,8−ビスイソプロ
ポキシエチル)ナフチル〕−3H−ベンゾ(f)クロメ
ン 9)8−メトキシメチル−3−フェニル−3−(2−ナ
フチル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 10)10−メトキシエトキシエチル−3−(3−ニト
ロフェニル)−3−(7−ベンゾイルオキシナフチル)
−3H−ベンゾ(f)クロメン 本発明の前記一般式(1)で示されるクロメン化合物
は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体また
は粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ニ)のよう
な手段で確認できる。
【0043】(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、分子中に存在する
プロトンの種類と個数を知ることができる。
【0044】すなわち、δ6.0〜9.0ppm付近に
アロマティックなプロトン及びアルケンのプロトンに基
づくピーク、δ0.8〜4.5ppm付近にアルキル基
及びアルキレン基のプロトンに基づくピークが現れる。
また、それぞれのスペクトル強度を相対的に比較するこ
とにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を知るこ
とができる。
【0045】(ロ)元素分析によって炭素、水素、窒
素、ハロゲンの各重量割合を求めることができる。さら
に、認知された各元素の重量割合の和を100から減ず
ることにより、酸素の重量割合を算出することができ
る。従って、相当する生成物の組成を決定することがで
きる。
【0046】(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定することにより、分子中に存在する炭
素の種類を知ることができる。
【0047】すなわち、δ110〜160ppm付近に
芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ80〜14
0ppm付近にアルケンの炭素に基づくピーク、δ20
〜80付近にアルキル基及びアルキレン基の炭素に基づ
くピークが現われる。
【0048】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法に
よって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方
法を以下に説明する。
【0049】下記の一般式(3)
【0050】
【化11】
【0051】で示される化合物及び一般式(4)
【0052】
【化12】
【0053】で示される化合物を酸触媒存在下で反応さ
せる方法である。但し、一般式(3)、(4)における
1〜R5は一般式(1)における各置換基と同義であ
る。
【0054】上記一般式(3)で示される化合物と一般
式(4)で示される化合物との反応は、次のようにして
行なわれる。すなわち、これらの2種の化合物の反応比
率は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜
10:1(モル比)の範囲から選択される。また、酸触
媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸等が用いられ、上記一般式(3)と(4)で表
される反応基質の総和に対して0.1〜10重量部の範
囲で用いられる。反応温度は、通常0〜200℃が好ま
しく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、
N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
【0055】本発明の前記一般式(1)で示されるクロ
メン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン等の一般の有機溶媒によく溶ける。このような溶
媒に一般式(1)で示されるクロメン化合物を溶かした
とき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、太陽光あるい
は紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると
速やかに元の無色にもどる良好な可逆的なフォトクロミ
ック作用を呈する。
【0056】このような一般式(1)の化合物における
フォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中で
も同様な特性を示す。かかる対象となる高分子固体マト
リックスとしては、本発明の一般式(1)で示されるク
ロメン化合物が均一に分散するものであればよく、光学
的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2
−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシ
ロキサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げる
ことができる。さらに、エチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグ
リシジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリ
レート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエト
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブ
ロモー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プ
ロパン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステ
ル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキ
シこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド
酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボ
ネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロ
ールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化
合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビ
ス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−
ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チ
オアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合
物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノ
ールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、これ
らの各単量体とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フ
ェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアク
リル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合
物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレー
ト、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及
びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロ
スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メ
チルスチレンダイマー、ブロモスチレン等のビニル化合
物等のラジカル重合性単官能単量体との共重合体が挙げ
られる。
【0057】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方
法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いること
ができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物
を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、また
は上記高分子固体マトリックスを得るための原料である
重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、重合触
媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散させる方
法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の表面
にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に分散さ
せる方法等を挙げることができる。
【0058】本発明のクロメン化合物はフォトクロミッ
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本
発明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法なども考え
られる。
【0059】本発明のクロメン化合物において、吸光度
の高さ、合成の容易さ等の観点から特に好ましいクロメ
ン化合物は下記一般式で示される。
【0060】
【化13】
【0061】〔式中、R9、R10、R11、R12は各々、
同種又は異種の水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
置換アミノ基、フッ素原子又は置換基Lである。 但
し、R9〜R12のうち少なくとも1つは置換基Lであ
り、Lは前記一般式(1)と同義である。〕
【0062】
【発明の効果】本発明のクロメン化合物は、溶液中また
は高分子固体マトリックス中で高い吸光度と速い退色速
度を示し、特に吸光度の点で優れている。例えば、本発
明のクロメン化合物を用いたフォトクロミックレンズ
は、屋外では濃く発色するため、優れた遮光性を示し、
暗い室内に戻ったときは速やかに退色することから、視
野を遮ることはない。
【0063】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0064】実施例1 下記の化合物
【0065】
【化14】
【0066】1.44g(0.01mol)と、下記の
化合物
【0067】
【化15】
【0068】3.02g(0.01mol)とをトルエ
ン50mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸を
0.05g加えて2時間還流した。反応後、溶媒を除去
し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、微黄色粉末状の生成物1.03gを得
た。
【0069】この生成物の元素分析値は、C86.72
%、H5.71%、O7.57%であって、C3124
2の計算値であるC86.89%、H5.64%、O
7.47%に極めてよく一致した。
【0070】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ6.0〜9.0ppm付近にアロマテ
ィックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づく19
Hのピーク、δ3.0〜4.5ppm付近にメチル基及
びメチレン基のプロトンに基づく5Hのピークを示し
た。
【0071】さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭
素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケ
ンの炭素に基づくピーク、δ50〜80ppm付近にメ
チル基及びメチレン基の炭素に基づくピークを示した。
【0072】上記の結果から単離生成物は、下記構造式
(5)で示される化合物であることを確認した。
【0073】
【化16】
【0074】実施例2 下記の化合物
【0075】
【化17】
【0076】1.88g(0.01mol)と、下記の
化合物
【0077】
【化18】
【0078】2.58g(0.01mol)とをトルエ
ン50mlに溶解し、さらに硫酸0.05gを加えて2
時間還流した。反応後、溶媒を除去し、シリカゲル上で
のクロマトグラフィーにより精製することにより、白色
粉末状の生成物0.86gを得た。
【0079】この生成物の元素分析値は、C86.88
%、H5.71%、O7.41%であって、C3124
2の計算値であるC86.89%、H5.64%、O
7.47%に極めてよく一致した。
【0080】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ6.0〜9.0ppm付近にアロマテ
ィックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づく19
Hのピーク、δ3.0〜4.5ppm付近にメチル基及
びメチレン基のプロトンに基づく5Hのピークを示し
た。
【0081】さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭
素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケ
ンの炭素に基づくピーク、δ50〜80ppm付近にメ
チル基及びメチレン基の炭素に基づくピークを示した。
【0082】上記の結果から単離生成物は、下記構造式
(6)で示される化合物であることを確認した。
【0083】
【化19】
【0084】実施例3〜46 実施例1と同様にして表1に示したクロメン化合物を合
成した。得られた生成物について、実施例1と同様な構
造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1に示す構
造式で示される化合物であることを確認した。また、表
2にこの化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求
めた計算値及び1H−NMRスペクトルの特徴的なスペ
クトルを示した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
【0093】
【表9】
【0094】
【表10】
【0095】
【表11】
【0096】
【表12】
【0097】
【表13】
【0098】
【表14】
【0099】
【表15】
【0100】
【表16】
【0101】
【表17】
【0102】
【表18】
【0103】実施例47〜92、比較例1、2 実施例1で得られたクロメン化合物0.05部をテトラ
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロエチルメタクリレート
5部に添加し十分に混合した。この混合液をガラス板と
エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構
成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。重合は
空気炉を用い、30℃〜90℃まで18時間かけ徐々に
温度を上げていき、90℃で2時間保持した。重合終了
後、重合体を鋳型のガラス型から取り外した。
【0104】得られた重合体(厚み2mm)に、浜松ホ
トニクス製のキセノンランプL−2480(300W)
SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社
製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度
365nm=2.4mW/cm2,245nm=24μ
W/cm2で120秒間照射して発色させた。ε(12
0)−ε(0)を求め、吸光度の差で表した。ここで、
ε(120)は、上記条件にて光を120秒照射し、発
色させた時のクロメン化合物の最大吸収波長における吸
光度であり、ε(0)は、光を照射する前の発色時と同
じ波長での吸光度である。
【0105】また、退色速度は、上記の方法にて重合体
を発色させ、その時のクロメン化合物の発色に基づく最
大吸収波長における吸光度の差が{ε(120)−ε
(0)}の1/2になるまでの時間で表した。表3中で
はt1/2(秒)で表した。
【0106】結果を表3に示した。
【0107】また、クロメン化合物として実施例2ない
し46で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を表3に示
した。
【0108】さらに、比較のために、下記式(A)およ
び(B)
【0109】
【化20】
【0110】
【化21】
【0111】で示される化合物の特性を表3に示した。
【0112】本発明の化合物は、比較例1の化合物に比
べ発色濃度が2倍以上高く、比較例2の化合物に比べ退
色速度が速く、発色濃度並びに退色速度に優れた化合物
である。
【0113】
【表19】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の化合物のプロトン核磁気
共鳴スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 9/02 B // G03C 1/73 503 (C07D 407/10 311:92 319:06) (C07D 407/14 307:06 311:92 317:12)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、各々同種ま
    たは異種の水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラ
    ルキル基、アシル基、シアノ基、置換アミノ基、アリー
    ル基、アシロキシ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、ハロ
    ゲン原子または下記一般式(2)で表される置換基Lで
    あり、 【化2】 〔但し、R6はアルキレン基または下記一般式で表され
    る基 【化3】 (但し、AおよびA’は同種または異種のアルキレン基
    であり、Bは−CO−基、−COO−基、−OCO−基
    またはアリーレン基である。)であり、R7はアルキレ
    ン基であり、R8はアルキル基、シクロアルキル基、ア
    ラルキル基、アリール基または複素環基であり、sは0
    〜4の整数であり、tは0または1である。但し、sが
    0のときはR8は複素環基である。〕 n、a、bおよびcは、各々置換基R1、R3、R4、R5
    の個数を表し、1または2である。但し、R1〜R5のう
    ち、少なくとも1つは置換基Lである。}で示されるク
    ロメン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載ののクロメン化合物よりな
    るフォトクロミック材。
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