JP2008535849A - 反応性置換基を有するフォトクロミック物質を含有する眼科用器具 - Google Patents

反応性置換基を有するフォトクロミック物質を含有する眼科用器具 Download PDF

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Abstract

【課題】反応性置換基を有するフォトクロミック物質を含有する眼科用器具を提供する。
【解決手段】例えば、本開示は、フォトクロミック物質(例えば、フォトクロミック・ナフトピラン、および、1個以上の結合基によって該フォトクロミック・ナフトピランに結合された反応性部分を有する反応性置換基を有するインデノヒューズド・ナフトピラン)を含有する眼科用器具を意図する。幾つかの非限定的具体例において、反応性部分は重合可能な部分を有する。他の非限定的具体例において、反応性部分は求核部分を有する。本開示の他の非限定的具体例は、フォトクロミック眼科用器具の製法であって、該フォトクロミック眼科用器具が、本明細書に記述されるフォトクロミック・ナフトピランを含有する該製法に関する。
【選択図】図1

Description

開示の内容
〔背景〕
本開示の様々な非限定的な具体例は、反応性置換基を有するフォトクロミック物質(photochromic materials)を有する眼科用器具に関する。本開示の非限定的な他の具体例は、本明細書に記述されているフォトクロミック物質を有するフォトクロミック眼科用器具と、該フォトクロミック眼科用器具の製法とに関する。
従来の多くのフォトクロミック物質[例えば、フォトクロミック・ナフトピラン(photochromic naphthopyrans)]は、電磁波の吸収に応答して、ひとつの状態からもう1つの状態へ変化(transformation)を受けることがある。例えば、従来の多くのフォトクロミック物質は、電磁波の幾つかの波長[または、化学線(actinic radiation)]を吸収することに応答して、第1の「透明な(clear)」または「漂白された(bleached)」基底状態と、第2の「着色された(colored)」活性状態との間で変化することができる。本明細書で用いられる用語「化学線」とは、フォトクロミック物質を1つの形態または状態からもう1つの形態または状態に変化させることのできる電磁波をいう。該フォトクロミック物質は、次いで、化学線の不存在下、熱エネルギーに応答して、透明な基底状態に戻ることができる。1種以上のフォトクロミック物質を含有するフォトクロミック物品およびフォトクロミック組成物(例えば、眼鏡用途用のフォトクロミックレンズ)は一般に、それら物品および組成物が含有する1種以上のフォトクロミック物質に対応する透明状態と着色状態とを表示する。このように、例えば、フォトクロミック物質を含有する眼鏡用レンズは、化学線(例えば、太陽光に見出だされる幾つかの波長)にさらされた時、透明状態から着色状態に変化することができ、次いで、そのような放射線の不存在下、透明状態に戻ることができる。
従来のフォトクロミック物質は典型的には、フォトクロミック物品およびフォトクロミック組成物の中に利用される場合、膨潤(imbibing)、混合(blending)および/または結合(bonding)の1つによって、ホスト高分子マトリックス(host polymer matrix)の中に組み込まれる。例えば、1種以上のフォトクロミック物質は、ポリマー材料またはそれの前駆体と混合することができ、その後、そのフォトクロミック組成物でフォトクロミック物品を形成することができる。代替的に、該フォトクロミック組成物は、薄膜または薄層のような光学素子(optical element)の表面の上に被覆することができる。本明細書で用いられる用語「フォトクロミック組成物(photochromic composition)」とは、フォトクロミック物質と、フォトクロミック物質である場合もあり、またはフォトクロミック物質でない場合もある他の1種以上の材料と組み合わされたフォトクロミック物質をいう。代替的に、フォトクロミック物質は、予形成物品または予形成コーティングの中に膨潤させることができる。
ある特定の状況では、フォトクロミック物質が組み入れられるホストポリマーに対するフォトクロミック物質の相溶性(compatibility)を調節することが望ましいことがある。例えば、その組合せ(combination)は、ホストポリマーに対するフォトクロミック物質の相溶性を改善することによって、ホストポリマー中におけるフォトクロミック物質の相の分離もしくは移動に起因する混濁 (cloudiness)または曇り(haze)を実証しそうでない。加えて、相溶化されたフォトクロミック物質は、ホストポリマーにいっそう溶けやすくなることがあり、かつ/または、該ポリマーマトリックス全体により均質に分配されることがある。更に、ホストポリマーに対するフォトクロミック物質の相溶性を調節することによって、そのフォトクロミック組成物の他の特性[例えば、退色速度/活性化速度、飽和光学密度(saturated optical density)、モル吸光率(molar absorptivity)またはモル吸光係数(molar extinction coefficient)、および、活性化色(activated color)であるが、それらに限定されない]もまた、影響を受けることがある。そのような諸特性に対する調節を行って、例えば、相補的フォトクロミック物質の同一の特性と調和させること;または、親水性もしくは疎水性の被覆組成物、または、可撓性プラスチックマトリックスよりも硬質である薄膜の中にそのような諸化合物を使用するのを可能にすること;ができる。
ホストポリマーに対するフォトクロミック物質の相溶性を調節するための1つのアプローチは、ポリアルコキシル化結合基(例えば、ポリエチレングリコール結合基、ポリプロピレングリコール結合基および/またはポリブチレングリコール結合基)を介して、該フォトクロミック物質に重合可能な部分を取り付けることである。ポリアルコキシル化結合基を利用することに対する1つの潜在的限界は、結果として得られる、容易に得られるフォトクロミック物質の純度である。例えば、これらのフォトクロミック物質の結合基の中に組み入れることのできる市販のポリグリコールは、各々の鎖の内部に異なる数のグリコール単位を有するグリコール鎖の混合物を含有することがある。市販のこれらポリグリコールをフォトクロミック物質の中に組み入れることによって、鎖長および分子量が異なる化合物の混合物が誘導されることがある。このため、これらの混合物中の所望のフォトクロミック物質を容易に分離することはできないので、精製は困難となることがある。
更に、ポリアルコキシル化結合基は、複数個のエーテル酸素官能基を有する長鎖であって、本質的に親水性である該長鎖を有することがある。このことによって、ホストポリマーに対する相溶性に関連する幾つかの望ましい特性が提供されることがあるが、(疎水性であることもある結合基が包含される)異なる親水性を有する結合基、または、代替的に、より短い長さの結合基は、該ホストポリマーおよび結果として得られるフォトクロミック物品との異なる相互作用を提供することがある。
したがって、幾つかの用途のために、様々なホストポリマーの中に組み入れることのできるフォトクロミック物質であって、該ホストポリマーの極性とより密接に調和することのできる極性(即ち、親水性または親油性)を有する1個以上の反応性置換基を有することのできる該フォトクロミック物質を創り出すことは望ましいであろう。他の用途において、ホストポリマーの極性と調和しない極性を有する1個以上の反応性置換基を有するフォトクロミック物質を創り出すことは望ましいであろう。加えて、例えば、結晶化、クロマトグラフ法、または、当業者に知られている他の精製方法によって容易に精製することのできる、均質な組成/分子量の反応性置換基を有するフォトクロミック物質を創り出すことは好都合であろう。
〔概要〕
本明細書に開示される様々な非限定的具体例は、フォトクロミック物質を含有する眼科用器具に関する。1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質は、フォトクロミック・ナフトピランと、該フォトクロミック・ナフトピランに結合した少なくとも1種の反応性置換基であって、各々の反応性置換基が独立して、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および、
−D−J、
{式中、
(i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
(ii)各々の−D−は独立して、
(a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基(diazacrown ether residue)もしくは芳香族ジアミン残基である、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
(b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基であるアミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
であり、
(iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基であるジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
(iv)各々の−G−は独立して、
(a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−、(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または
(b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基であるポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体であり、
(v)各々の−Jは独立して、反応性部分もしくはそれの残基を有する基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されていて、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である}の1つによって表される、前記の少なくとも1種の反応性置換基と、
を含有する。
もう1つの非限定的具体例は、眼科用器具において、式:
PC−[R]r
{式中、
(a)PCは、2H−ナフト[1,2−b]ピラン(2H-naphtho[l,2-b]pyran)、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(indeno[2',3':3,4] naphtho[l,2-b]pyran)、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、または、それらの混合物であるフォトクロミック・ナフトピランを含有しており、
(b)rは、1〜4の範囲の整数であり、かつ
(c)各々のR基は独立して、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、ならびに
−D−J、
{式中、
(i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
(ii)各々の−D−は独立して、
(a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基であるジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
(b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基であるアミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくはPCと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
であり、
(iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基であるジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
(iv)各々の−G−は独立して、
(a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または
(b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基であるポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体、
であり、
(v)各々の−Jは独立して、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基(2- (methacryloxy)ethylcarbamyl)、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基またはエポキシ基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されているという条件で、−Jは水素基である}の1つによって表される反応性置換基である}
によって表されるフォトクロミック物質を有している、上記眼科用器具を含む。
更なる非限定的具体例は、フォトクロミック物質を含有している眼科用器具において、該フォトクロミック物質は、次の構造体I〜IV:
Figure 2008535849
または、それらの混合物{式中、
(a)R1は、反応性置換基R{式中、前記反応性置換基Rは、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、ならびに
−D−J、
{式中、
−A−は、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
−D−は、脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基であるジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体;または、脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基であるアミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成している;前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、であり、
−E−は、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基であるジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
各々の−G−は独立して、−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である);または、脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基であるポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体;であり、
−Jは、アクリル基、メタクリル基、クロチル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基もしくはエポキシ基であるか;または、−Jが水素である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合しているという条件で、−Jは水素である}の1つによって表される}であるか;または、
1は、水素基;ヒドロキシル基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
(b)R1'は、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、しかも、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
(c)R2は、前記反応性置換基R;水素基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;もしくは、−OC(=O)R10[式中、R10は、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];であり、
(d)nは0〜4の範囲の整数であり、しかも、R3およびR4は、各々の存在に対して独立して、前記反応性置換基R;水素基;フルオロ基;クロロ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;または、−OC(=O)R10;であって、R10が、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基が、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であるもの;モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位(para position)に配置された置換基を有し、前記置換基は、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾピリジル基、フルオレニル基、C1〜C8アルキルアリール基、C3〜C20シクロアルキル基、C4〜C20ビシクロアルキル基、C5〜C20トリシクロアルキル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基であり、しかも、前記アリール基は、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、R11およびR12は、前記窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロビシクロアルキル環もしくはC4〜C20ヘテロトリシクロアルキル環を形成している);次の構造式VA:
Figure 2008535849
[式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール)−、−C(アリール)2−および−C(R13)(アリール)−から選ばれており、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール)−であり、しかも、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基であり、mは整数1、2もしくは3であり、しかも、pは整数0、1、2もしくは3であり、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;次の構造式VBまたはVC:
Figure 2008535849
(式中、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、基R15およびR16は一緒になって、5〜8個の炭素原子の環を形成しており、更に、各々のR14は、各々の存在に対して独立して、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フルオロ基もしくはクロロ基であり、また、pは、整数0、1、2もしくは3である)の1つによって表される基;ならびに、無置換、モノ置換もしくは二置換のC4〜C18スピロ二環式アミン基(C4-Ci8 spirobicyclic amine)、または、無置換、モノ置換および二置換のC4〜C18スピロ三環式アミン基であって、前記置換基は独立して、アリール基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基もしくはフェニル(C1〜C6)アルキル基である、前記のC4〜C18スピロ二環式アミン基またはC4〜C18スピロ三環式アミン基;であり、または、
6位のR3基および7位のR3基は一緒になって、VDおよびVE:
Figure 2008535849
(式中、TおよびT'は、それぞれ独立して、酸素基もしくは基−NR11−であり、R11、R15およびR16は、上記に開示される通りである)の1つによって表される基を形成しており、
(e)R5およびR6は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;アリル基;置換フェニル基もしくは無置換フェニル基;置換ベンジル基もしくは無置換ベンジル基;クロロ基;フルオロ基;基−C(=O)W'[式中、W'は、水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である];−OR18{式中、R18は、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基、C1〜C6クロロアルキル基、C1〜C6フルオロアルキル基、アリル基、または、基−CH(R19)Y'[式中、R19は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基であり、Y'は、CN、CF3もしくはCOOR20(式中、R20は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基である)である]であるか、または、R18は、基−C(=O)W''[式中、W''は、水素基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である]であり、しかも、前記のフェニル基、ベンジル基もしくはアリール基の置換基の各々は独立して、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である};または、モノ置換フェニル基であって、このフェニル基はパラ位に配置された置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;であるか、または、
5およびR6は一緒になって、オキソ基;または、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環基(spiro-carbocyclic group)、もしくは、1〜2個の酸素原子とスピロ炭素原子を含む3〜6個の炭素原子とを含有するスピロ複素環基であって、0、1もしくは2個のベンゼン環で環付加されている、前記のスピロ炭素環基もしくはスピロ複素環基;を形成しており、しかも、
(f)BおよびB'は、それぞれ独立して、置換フェニル基;置換アリール基;置換9−ジュロリンジニル基(substituted 9-julolindinyl);ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた置換芳香族複素環基;であって、前記のフェニル基、アリール基、9−ジュロリンジニル基もしくは芳香族複素環基の置換基が前記反応性置換基Rであるもの;無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のフェニル基またはアリール基;9−ジュロリジニル基(9-julolidinyl);または、ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基;であって、前記の芳香族複素環基、フェニル基およびアリール基の置換基の各々が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、基−C(=O)R21{式中、R21は、−OR22、−N(R23)R24、ピペリジノ基、モルホリノ基[式中、R22は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R23およびR24は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、もしくは、置換フェニル基であって前記フェニル基の置換基がC1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である置換フェニル基であり、しかも、前記ハロ(halo)置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である}、アリール基、モノ(C1〜C12)アルコキシアリール基、ジ(C1〜C12)アルコキシアリール基、モノ(C1〜C12)アルキルアリール基、ジ(C1〜C12)アルキルアリール基、ハロアリール基、C3〜C7シクロアルキルアリール基、C3〜C7シクロアルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基(C1〜C12)アルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、アリール(C1〜C12)アルキル基、アリール(C1〜C12)アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシ(C1〜C12)アルキル基、アリールオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペラジノ基、N−(C1〜C12)アルキルピペラジノ基、N−アリールピペラジノ基、アジリジノ基(aziridino)、インドリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基、ピロリジル基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12ハロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、モノ(C1〜C12)アルコキシ(C1〜C12)アルキル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基またはハロゲン基であるもの;ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリニル基、イミダゾリニル基、ピロリニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基およびアクリジニル基から選ばれている、無置換基もしくはモノ置換基であって、前記置換基の各々がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン基である、無置換基もしくはモノ置換基;モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位に配置されている置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基が、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されているもの;
Figure 2008535849
(式中、Kは−CH2−もしくは−O−であり;Mは−O−もしくは置換窒素(substituted nitrogen)であり;Mが置換窒素であり、Kが−CH2−であるという条件で、前記置換窒素の置換基は、水素基、C1〜C12アルキル基もしくはC1〜C12アクリル基であり;各々のR25は、各々の存在に対して独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン基から選ばれており;R26およびR27は、それぞれ独立して、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;また、uは、0〜2の範囲の整数である)の1つによって表される基;
Figure 2008535849
(式中、R28は、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;R29は、ナフチル基、フェニル基、フラニル基およびチエニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の基であって、前記置換基がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基もしくはハロゲン基である、無置換、モノ置換もしくはジ置換の基である)によって表される基;であるか、または、
前記フォトクロミック物質が少なくとも1つの反応性置換基Rを有しているという条件で、BおよびB'は一緒になって、フルオレン−9−イリデン基;モノ置換もしくはジ置換のフルオレン−9−イリデン基であって、前記のフルオレン−9−イリデン基の置換基の各々が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基およびハロゲン基から選ばれている、前記フルオレン−9−イリデン基;の1種を形成している}}の1つによって表される、上記眼科用器具を含む。
更に他の非限定的具体例は、フォトクロミック組成物を含有する眼科用器具および該眼科用器具の製法であって、該眼科用器具が、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質を含有するものに関する。
本明細書に開示される、本発明の様々な非限定的具体例は、諸添付図面と関連して読み取られれば、更に理解されるであろう。
〔詳細な記述〕
本明細書および特許請求の範囲で用いられる冠詞「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、明示的かつ明確に1つの指示物に限定されていない限り、複数の指示物を包含する。
加えて、本明細書の目的で、特に別段の表示がない限り、成分;反応条件;および、本明細書で用いられる他の特性またはパラメータ;の量を表す数量は全て、全ての場合において、用語「約」で修飾されているものと理解すべきである。したがって、特に別段の表示がない限り、次の明細事項および特許請求の範囲に開示される数値パラメータは近似値であることを理解すべきである。少なくとも、かつ、特許請求の範囲に相当するものの原理を適用することを制限する意図としてではなく、数値パラメータは、記載される有効数字の数と、通常の四捨五入の方法の適用とを考慮に入れて読み取られるべきである。
更に、本発明の広い範囲を開示している数値域とパラメータとは、上記に解説されるように近似値であるが、実施例の項に開示される数値は、できるだけ精確に記載されている。しかし、そのような数値は本質的に、測定装置および/または測定技術に起因する幾らかの誤差を含んでいることを理解すべきである。
本明細書で用いられる用語「レンズ(lens)」および「眼科用器具(ophthalmic device)」とは、眼の中に、または、眼の上に備わる器具をいう。これらの器具によって、光学補正、創部のケア、薬物の送出、診断機能性、美容増進もしくは美容効果、または、これらの特性の組合せを提供することができる。用語「レンズ」および「眼科用器具」は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサートおよび光学インサートを包含するが、それらに限定されない。
次に、本発明の様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質を解説する。本明細書で用いられる用語「フォトクロミック(photochromic)」は、少なくとも化学線(actinic radiation)を吸収することに応答して変化する、少なくとも可視光線に対する吸収スペクトルを有することを意味する。更に、本明細書で用いられる用語「フォトクロミック物質(photochromic material)」は、フォトクロミック特性を示すように構成されている(即ち、少なくとも化学線を吸収することに応答して変化する、少なくとも可視光線に対する吸収スペクトルを有するように構成されている)あらゆる物質を意味する。
1つの非限定的な具体例によると、フォトクロミック・ナフトピランと、該フォトクロミック・ナフトピランに結合した反応性置換基であって、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および、
−D−J、
の1つによって表される該反応性置換基とを含有するフォトクロミック物質が提供される。
本開示の様々な非限定的な具体例による、−A−の構造の非限定的な例には、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−および−CH2−が包含される。
本開示の様々な非限定的な具体例による、−D−の構造の非限定的な例には、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、該ジアミン残基の第1のアミン窒素は−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、該ジアミン残基の第2のアミン窒素は−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、ジアミン残基またはそれの誘導体と、アミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、該アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくは該フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、該アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、代替的に該アミノアルコール残基の該アミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、該アミノアルコール残基の該アルコール酸素は、−A−もしくは該フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成している、アミノアルコール残基またはそれの誘導体とが包含される。
−D−がジアミン残基またはそれの誘導体である、幾つかの非限定的な具体例において、前記ジアミン残基の非限定的な例には、脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基および芳香族ジアミン残基が包含される。諸ジアミン残基であって、それらから−D−を選ぶことのできる該ジアミン残基の非限定的な例には、次の構造:
Figure 2008535849
のいずれかによって表されるジアミン残基が包含される。
−D−がアミノアルコール残基またはそれの誘導体である、他の非限定的な具体例において、該アミノアルコール残基の非限定的な例には、脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基および芳香族アミノアルコール残基が包含される。諸アミノアルコール残基であって、それらから−D−を選ぶことのできる該アミノアルコール残基の非限定的な例には、次の構造:
Figure 2008535849
のいずれかによって表されるアミノアルコール残基が包含される。
本開示の様々な非限定的な具体例による、−E−の構造の非限定的な例には、ジカルボン酸残基またはそれらの誘導体であって、該ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、該ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、ジカルボン酸残基またはそれらの誘導体が包含される。適切なジカルボン酸残基の非限定的な例には、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基および芳香族ジカルボン酸残基が包含される。諸ジカルボン酸残基であって、それらから−E−を選ぶことのできる該ジカルボン酸残基の非限定的な例には、次の構造:
Figure 2008535849
のいずれかによって表されるジカルボン酸残基が包含される。
本開示の様々な非限定的な具体例による、−G−の構造の非限定的な例には、ポリアルキレングリコール残基、ポリオール残基およびそれらの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、ポリアルキレングリコール残基、ポリオール残基およびそれらの誘導体が包含される。適切なポリアルキレングリコール残基の非限定的な例には、構造:−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)が包含される。適切なポリオール残基の非限定的な例には、脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基および芳香族ポリオール残基が包含される。
上記に解説されるように、−G−は、本明細書ではヒドロキシ基含有の炭水化物を包含するように規定されるポリオールの残基である場合がある。該ポリオールは、例えば、米国特許第6,555,028号明細書第7欄第56行〜第8欄第17行に開示されるポリオール類である。この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる。該ポリオール残基は、本明細書において限定されることなく、例えば、ポリオールの諸ヒドロキシ基の1個以上と、−E−もしくは−D−の前駆体(例えば、カルボン酸もしくはハロゲン化メチレン)、ポリアルコキシル化基の前駆体(例えば、ポリアルキレングリコール基)、または、インデノヒューズド・ナフトピラン(indenofused naphthopyran)のヒドロキシル置換基との反応によって形成することができる。該ポリオールはU−(OH)aによって表すことができ、該ポリオールの残基は、式−O−U−(OH)a-1(式中、Uはそのポリヒドロキシ化合物の骨格または主鎖であり、「a」は少なくとも2である)によって表すことができる。
ポリオールであって、それらから−G−を形成することのできる該ポリオールの例には、少なくとも2個のヒドロキシ基を有するポリオール、例えば、(a)500未満の平均分子量を有する低分子量ポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第4欄第48行〜50行、および、同第4欄第55行〜第6欄第5行に開示される低分子量ポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(b)ポリエステルポリオール(polyster polyols)(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第5欄第7行〜33行に開示されるポリエステルポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(c)ポリエーテルポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第5欄第34行〜50行に開示されるポリエステルポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(d)アミド含有ポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第5欄第51行〜62行に開示されるアミド含有ポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(e)エポキシポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第5欄第63行〜第6欄第3行に開示されるエポキシポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(f)多価ポリビニルアルコール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第6欄第4行〜12行に開示される多価ポリビニルアルコールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(g)ウレタンポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第6欄第13行〜43行に開示されるウレタンポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(h)ポリアクリルポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第6欄第43行〜第7欄第40行に開示されるポリアクリルポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(i)ポリカーボネートポリオール(例えば、米国特許第6,555,028号明細書第7欄第41行〜55行に開示されるポリカーボネートポリオールであるが、それらに限定されない。また、この米国特許明細書のその開示内容は、本明細書で参照されることによって、本明細書に明確に組み入れられる);(j)前記の諸ポリオールの混合物;が包含される。
本開示の様々な非限定的具体例において、−Jは、反応性部分もしくはそれの残基を有する基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合していて、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である。
本明細書で用いられる用語「フォトクロミック・ナフトピラン(photochromic naphthopyran)」は、フォトクロミック特性を示す、コア・ナフトピラン副構造体(core naphthopyran substructure:コア・ナフトピラン・サブストラクチャー)を有するフォトクロミック化合物として定義される。例えば、様々な非限定的具体例によるフォトクロミック・ナフトピランは、化学線を吸収することに応答して、第1の「閉鎖(closed)」形態と第2の「開放(open)」形態との間で変化することができる。コア・ナフトピラン副構造体の例を、下に示す。
Figure 2008535849
本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、(上記に示される)基BおよびB'は、前記のフォトクロミック・ナフトピラン・コア副構造体(core substructure)の一部である。いかなる特定の理論にも制限されることを意図していないが、BおよびB'基は、コア・ナフトピラン副構造体の開放形態のπ系(pi-system)と関連することによって、該コア・ナフトピラン副構造体の開放形態を安定化させるのに役立つことができるものと思われる。Bおよび/またはB'の適切な構造体は、コア・ナフトピラン副構造体の開放形態のπ系と関連している少なくとも1個のπ結合を有する構造体であれば、いかなる構造体であってもよい。それらの構造体は、例えば、置換または無置換のアリール環(例えば、置換もしくは無置換のフェニル環、またはナフチル環)、および、置換または無置換の芳香族複素環の構造体であるが、それらに限定されない。構造体Bおよび/またはB'の様々な非限定的例は、以下に詳細に解説される。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例と関連して使用するのに適しているフォトクロミック・ナフトピランは、置換2H−ナフト[1,2−b]ピラン、置換3H−ナフト[2,1−b]ピラン、置換インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、置換インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、および、それらの混合物を包含するが、それらに限定されない。これらの構造を有するフォトクロミック・ナフトピランは、下にそれぞれ、構造体1〜構造体4で示される。
Figure 2008535849
上記に解説されるように、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による前記フォトクロミック物質(例えば、フォトクロミック・ナフトピラン)は、反応性置換基を有する。本明細書で用いられる用語「反応性置換基(reactive substituent)」は、諸原子の配列であって、該配列の一部分が、反応性部分またはそれの残基を有する、諸原子の配列を意味する。本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、反応性置換基は、反応性部分をフォトクロミック・ナフトピランに結合する結合基を更に有する。本明細書で用いられる用語「部分(moiety)」は、特徴的な化学的特性を有する、有機分子の一部または部分を意味する。本明細書で用いられる用語「反応性部分(reactive moiety)」は、反応して、重合反応における中間体と、または、該反応性部分が組み入れられたポリマーと1つ以上の共有結合を形成することのできる、有機分子の一部または部分を意味する。本明細書で用いられる字句「重合反応における中間体(intermediate in the polymerization reaction)」は、2つ以上のホストモノマー単位であって、反応して、追加の1つ以上のホストモノマー単位に対して1つ以上の結合を形成し、重合反応を持続することができるか、または代替的に、前記フォトクロミック物質上の反応置換基の反応性部分と反応することのできる、2つ以上のホストモノマー単位のあらゆる組合せを意味する。例えば、1つの非限定的具体例において、反応性部分は、重合反応において、コモノマー(co-monomer;共重合用単量体)として反応することができる。代替的に、本明細書において限定的ではないが、反応性部分は、求核試薬または求電子試薬として、中間体と反応することができる。本明細書で用いられる用語「ホストモノマーまたはホストオリゴマー(host monomer or oligomer)」は、1種以上のモノマー物質またはオリゴマー物質であって、それら物質に本開示のフォトクロミック物質を組み入れることのできる、モノマー物質またはオリゴマー物質を意味する。本明細書で用いられる用語「オリゴマー(oligomer)」または「オリゴマー物質(oligomeric material)」とは、追加の1つ以上のモノマー単位と反応することのできる2つ以上のモノマー単位の組合せをいう。本明細書で用いられる用語「結合基(linking group)」は、反応性部分をフォトクロミック・ナフトピランに結合させる、1個以上の原子団または原子鎖を意味する。本明細書で用いられる用語「反応性部分の残基(residue of a reactive moiety)」は、重合反応において、反応性部分が保護基または中間体と反応した後、残存する部分を意味する。本明細書で用いられる用語「保護基(protecting group)」は、取り外し可能なように反応性部分に結合されている原子団であって、保護基が取り外されるまで、該反応性部分が反応に参加するのを妨げる原子団を意味する。
1つの非限定的具体例において、反応性部分は、重合可能な部分を有する。本明細書で用いられる用語「重合可能な部分(polymerizable moiety)」は、コモノマーとして、ホストモノマーまたはホストオリゴマーの重合反応に参加することのできる、有機分子の一部または部分を意味する。もう1つの非限定的具体例において、反応性部分は、反応して、重合反応における中間体の上、または、ホストポリマーの上の求電子部分と結合を形成する求核部分を有する。代替的に、もう1つの非限定的具体例において、反応性部分は、反応して、重合反応における中間体の上、または、ホストポリマーの上の求核部分と結合を形成する求電子部分を有する。本明細書で用いられる用語「求核部分(nucleophilic moiety)」は、電子に富む原子または原子団を意味する。本明細書で用いられる用語「求電子部分(electrophilic moiety)」は、電子不足の原子または原子団を意味する。求核部分が求電子部分と反応して、例えば、それらの間に共有結合を形成することができることは、当業者によってよく理解される。
上記に解説されるように、1つの非限定的具体例において、本発明の眼科用器具は、フォトクロミック・ナフトピランと、該フォトクロミック・ナフトピランに結合されている反応性置換基とを含有する。反応性置換基は、フォトクロミック・ナフトピラン上の様々な位置で該フォトクロミック・ナフトピランに結合することができる。上記の構造体1、2、3および4に関連して番号付けされているスキームに関し、幾つかの非限定的具体例によると、1個以上の反応性置換基は、次のとおりに、該ナフトピランに結合させることができる。構造体1または2については、反応性置換基は、該ナフトピランの、5〜10で番号付けされたいずれかの位置に結合させることができる。構造体3または4については、反応性置換基は、インデノヒューズド・ナフトピラン(indeno-fused naphthopyran)の、5〜13で番号付けされたいずれかの位置に結合させることができる。加えて、構造体1、2、3および4について、反応性置換基は、追加的または代替的に、基Bおよび/または基B'に結合させることができる。
例えば、本明細書に開示されている様々な非限定的具体例であって、フォトクロミック・ナフトピランが、2H−ナフト[1,2−b]ピランまたは3H−ナフト[2,1−b]ピラン(それぞれ、構造体1または2)を含有する該具体例によると、反応性置換基は、該フォトクロミック・ナフトピランのナフト位(naphtho-portion)の環の上の水素基を反応性置換基と置換することによって、該フォトクロミック・ナフトピランに結合させることができる。代替的にまたは加えて、反応性置換基は、フォトクロミック・ナフトピランのBおよび/またはB'基の上の水素基を反応性置換基と置換することによって、該フォトクロミック・ナフトピラン1または2に結合させることができる。他の非限定的具体例であって、フォトクロミック・ナフトピランが、インデノ[2',3':3,4]−ナフト[1,2−b]ピランまたはインデノ[1',2':4,3]−ナフト[2,1−b]ピラン(それぞれ、構造体3または4)を含有する該具体例によると、反応性置換基は、該フォトクロミック・ナフトピランのインデノヒューズド・ナフト位の環の上の水素基を反応性置換基と置換することによって、該フォトクロミック・ナフトピランに結合させることができる。代替的にまたは加えて、反応性置換基は、フォトクロミック・ナフトピランのBおよび/またはB'基の上の水素基を反応性置換基と置換することによって、該フォトクロミック・ナフトピラン3または4に結合させることができる。
上記に解説されるように、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、前記置換基は、下記の構造の基:
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および
−D−J、
(式中、−A−、−D−、−E−および−G−は、上記に開示されるとおりであり;−Jは、反応性部分もしくは反応性部分の残基を有する基であるか、または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合していて、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である)の1つによって表すことができる。−J基は、重合反応における中間体;または、ホストモノマー;と反応することのできるいかなる部分をも含有することができる。例えば、1つの非限定的具体例で、−J基は、ホストモノマーの縮合型重合反応または付加型重合反応においてコモノマーとして反応し、結果的にフォトクロミック物質と該ホストモノマーとの共重合体を生じることのできる重合可能な部分を含有する。本明細書で用いられる用語「付加型重合反応(addition-type polymerization reaction)」は、重合反応であって、結果として得られるポリマーが、モノマー単位中に当初存在した原子の全てを含有する重合反応を意味する。本明細書で用いられる用語「縮合型重合反応(condensation-type polymerization reaction)」は、重合反応であって、結果として得られるポリマーが、モノマー単位中に当初存在した原子の全ては含有しない重合反応を意味する。本明細書で用いられる用語「ホストポリマー(host polymer)」は、ホストモノマーの重合によって得られるポリマーを意味する。例えば、幾つかの非限定的具体例において、ホストポリマーは、反応して、フォトクロミック物質上の反応性置換基と結合を形成することのできる官能価(functionality)を有することのできるポリマーを包含することができる。他の非限定的具体例において、ホストポリマーは、フォトクロミック物質が組み込まれているポリマー、または、フォトクロミック物質が一緒に共重合しているポリマー、または、フォトクロミック物質が結合しているポリマーである場合がある。もう1つの非限定的具体例において、−J基は、求核部分または求電子部分であって、それぞれ、重合反応における中間体の上の、もしくは、ホストポリマー上の求電子部分または求核部分と反応することのできる、求核部分または求電子部分を有する。もう1つの非限定的具体例において、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−または−G−の酸素に結合されて、反応性部分(即ち、ヒドロキシル基)を形成しているという条件で、−Jは水素基を含む。
−Jが酸素または窒素に結合されている場合、本開示の様々な非限定的具体例で使用するのに適した反応性部分は、アクリル基、メタクリル基、クロチル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基およびエポキシ基を包含するが、それらに限定されない。そのような反応性部分に対応する構造体は、下に示される。
Figure 2008535849
代替的に、−Jは水素基であることができ、−Jが水素基である場合、結合(linkage)が、反応性部分を有する反応性ヒドロキシル基を末端基とするように、−Jは酸素に結合される。
前述のとおり、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による反応性置換基は、基−Jをフォトクロミック・ナフトピランに結合している基−A−、−D−、−E−および−G−の1種以上を有することができる。本明細書で用いられる結合基は、上記で定義されるように、基−A−、−D−、−E−および−G−の1種以上を有することができる。即ち、基−A−、−D−、−E−および−G−の様々な組合せによって、反応性置換基の結合基部分を形成することができる。本明細書で定義されるように、用語「基(group)」または「複数の基(groups)」は、1個以上の原子の配列を意味する。
次に、様々な非限定的具体例の結合基の構造を詳細に解説する。上記に解説されるように、反応性置換基の結合基部分は、基−A−、−D−、−E−および−G−の様々な組合せを有する。例えば、幾つかの非限定的具体例において、反応性置換基の結合基部分は、−A−D−E−G−、−G−E−G−、−D−E−G−、−A−D−、−D−G−または−D−であって、該結合基の第1の基が、上記に開示されるような位置でフォトクロミック・ナフトピランに結合されており、かつ、該結合基の第2の基が、下に詳細に解説されるように、−J基に結合されているものを有する。基−A−、−D−、−E−および−G−の様々な組合せを有する結合基は様々な方法によって合成することができ、かつ、下に解説される結合の連結は、単に例示を目的としているのであって、決して、反応性置換基を作るための、とりわけ必要なまたは好ましい合成アプローチを意味するように意図されている訳ではないということを、当業者は理解するであろう。
次に、様々な非限定的具体例による様々な基(即ち、−A−、−D−、−E−および−G−)の間の連結を解説する。1つの非限定的具体例において、−A−基は、フォトクロミック・ナフトピランとの結合、および、基−D−との結合を形成する。この非限定的具体例によると、A−D結合は、−A−基のカルボニル炭素またはメチレン炭素と、−D−基のジアミン残基もしくはアミノアルコール残基の窒素または酸素との間の共有結合である場合がある。例えば、様々な非限定的具体例によると、−A−がカルボニル炭素を有する場合、A−D結合は、アミド結合またはエステル結合となる場合がある。もう1つの非限定的具体例において、−A−がメチレン炭素を有する場合、A−D結合は、アミン結合またはエーテル結合となる場合がある。本明細書で用いられる用語「メチレン基(methylene)」は、構造−CH2−を有する有機基を意味する。
他の非限定的具体例において、−D−基は、(上述のような)−A−基との結合またはフォトクロミック・ナフトピランとの結合と、−E−基または−G−基との結合とを形成している。1つの非限定的具体例によると、D−E結合は、−D−基のジアミン残基の窒素もしくは酸素、または、−D−基のアミノアルコール残基の窒素もしくは酸素と、−E−基の複数のカルボン酸残基の1つのカルボニル炭素との間の共有結合であり、それらの間にアミド結合またはエステル結合を形成している場合がある。もう1つの非限定的具体例によると、D−G結合は、共有結合であって、−D−基のジアミン残基の窒素もしくは酸素、または、−D−基のアミノアルコール残基の窒素もしくは酸素が、−G−基のポリオール残基またはポリアルキレングリコール残基の上の末端の酸素残基に取って代わり、そうなることによって、アミン結合またはエーテル結合を形成している共有結合である場合がある。
他の非限定的具体例において、−E−基は、(上述のような)−D−基との結合、または、第1の−D−基との結合と、第2の−G−基との結合とを形成している。これらの非限定的具体例によると、E−G結合は、−G−基のポリオール残基またはポリアルキレングリコール残基の上の末端の酸素残基と、−E−基の複数のカルボン酸残基の1つのカルボニル炭素との間の共有結合であり、それらの間にエステル結合を形成している場合がある。
前に解説されたように、結合基の物理的性質および化学的性質は、フォトクロミック物質の総合特性に影響を及ぼすことがある。例えば、1つの非限定的具体例において、反応性置換基の結合基は、フォトクロミック物質が親水性ホストモノマーまたは極性ホストモノマーにいっそう容易に溶解し得るように親水性を有することができる。もう1つの非限定的具体例において、反応性置換基の結合基は、フォトクロミック物質が親油性ホストモノマーまたは非極性ホストモノマーにいっそう容易に溶解し得るように親油性を有することができる。
本開示の幾つかの非限定的具体例による結合基はまた、結果として得られるフォトクロミック物質が、不均一な長さの結合基を有するフォトクロミック物質と比べていっそう容易に精製されるように、均一な長さおよび/または均質な組成のものである場合がある。例えば、結合基が均一な長さおよび/または均質な組成のものである、幾つかの非限定的具体例において、結果として得られるフォトクロミック物質は、結晶質であり、したがって、再結晶化によって精製することができる。結合基が均一な長さおよび/または均質な組成のものである、他の非限定的具体例において、結果として得られるフォトクロミック物質は、クロマトグラフ法、または、当業者に知られている他の精製方法によって、容易に精製することができる。例えば、実施例3に開示される1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質(即ち、3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン)は、−D−Jに対応する反応性置換基を有するフォトクロミック・ナフトピランを含有する。この非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、酢酸エチル/ヘキサンの混合物を用いた結晶化によって精製されて、薄紫色の結晶を生じることができる。実施例5に開示されるもう1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質(即ち、3−フェニル−3−(4−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン)は、−D−Jに対応する反応性置換基を有するフォトクロミック・ナフトピランを含有する。この非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製されて、緑色の発泡フォームの固体を生じることができる。他の非限定的具体例において、フォトクロミック物質を合成するときの中間体は、再結晶法、クロマトグラフ法、または、当業者に知られている他の精製方法によって、容易に精製することができる。
次に、様々な結合基と基−Jとの間の結合を解説する。本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、基−Jは、G−J結合またはD−J結合によって、結合基に結合される場合がある。反応性部分−JがG−J結合によって結合基に結合される、幾つかの非限定的具体例において、G−J結合は、可能な多数の構造体を有することができる。例えば、−Jがアクリル基、メタクリル基またはクロチル基である場合、G−J結合は、エステル結合であることがある。即ち、−G−基の末端の酸素残基は、−J基のカルボニル基と結合している。代替的に、−Jが、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基または2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基である場合、G−J結合は、それぞれ、カルバメート結合およびカーボネイト結合であることがあり、しかも、−G−基の末端の酸素残基は、−J基のエチルカルバミル部分またはエトキシカルボニル部分のカルボニル基と結合している。更に、−Jが、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基またはエポキシ基である場合、G−J結合は、−G−基の末端の酸素残基と−J基の炭素との間のエーテル結合であることがある。幾つかの非限定的具体例において、G−J結合が酸素−水素結合であり、結果的に結合基上に反応性部分(即ち、ヒドロキシル基)が生じるように、−J基は水素基であることがある。
反応性部分−Jが、D−J結合によって結合基に結合されている、他の非限定的具体例において、D−J結合は、可能な多数の構造体を有することができる。例えば、−Jがアクリル基、メタクリル基またはクロチル基である場合、D−J結合は、エステル結合またはアミド結合であることがある。即ち、−D−基のアミノアルコール残基もしくはジアミン残基の上のアルコール酸素、または、−D−基のアミノアルコール残基もしくはジアミン残基の上のアミン窒素は、−J基のカルボニル基と結合している。代替的に、−Jが、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基または2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基である場合、D−J結合は、尿素結合、カルバメート結合またはカーボネイト結合であることがあり、しかも、ジアミン残基もしくはアミノアルコール残基の上のアミン窒素、または、−D−基のアミノアルコール残基の上のアルコール酸素は、−J基のエチルカルバミル部分またはエトキシカルボニル部分のカルボニル基と結合している。更に、−Jが、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基またはエポキシ基である場合、D−Jは、−D−基のアミン窒素またはアルコール酸素と、−J基の炭素との間の、それぞれ、アミン結合またはエーテル結合であることがある。幾つかの非限定的具体例において、−D−がアミノアルコールである場合、D−J結合が酸素−水素結合であり、結果的に結合基上に反応性部分(即ち、ヒドロキシル基)を生じるように、−J基は、該アミノアルコール残基の酸素に結合された水素基であることがある。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例であって、−Jがアクリル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基またはエポキシ基である該具体例によると、−Jは、−D−または−G−と、それぞれ、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、2−イソシアナトエチルメタクリレートまたはエピクロロヒドリンとの縮合によって、結合基の−D−基または−G−基に結合することができる。
もう1つの非限定的具体例によると、
PC−[R]r
{式中、
(a)PCは、フォトクロミック・ナフトピランであって、例えば、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピランまたはそれらの混合物である場合があるが、それらに限定されない、フォトクロミック・ナフトピランを含有しており、
(b)rは、1〜4の範囲の整数であり、かつ
(c)R基、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および
−D−J、
(式中、基−A−、−D−、−E−および−G−は、上記に開示されるとおりであり、−Jは、反応性部分または反応性部分の残基を含む基であり、または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−または−G−の酸素に結合して、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である)の1つによって表される反応性置換基である}によって表されるフォトクロミック物質が提供される。ある非限定的具体例による−Jの非限定的例は、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基およびエポキシ基を含む。
上記に開示される様々な非限定的具体例に関連して解説されるように、この非限定的具体例による反応性置換基Rは、様々な位置でフォトクロミック・ナフトピランのPCに結合されている場合がある。例えば、PCが2H−ナフト[1,2−b]ピランまたは3H−ナフト[2,1−b]ピランである場合、反応性置換基Rは、上記の構造体1または2にしたがって番号付けされた5〜10の位置のいずれかに結合されていることがある。PCがインデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランまたはインデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピランである場合、反応性置換基Rは、上記の構造体3または4にしたがって番号付けされた5〜13の位置のいずれかに結合されていることがある。加えて、または、代替的に、PCが2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピランナフトピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランまたはインデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピランである場合、反応性置換基Rは、基Bおよび/または基B'に結合されていることがある。
更に、上記に示されるように、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質は、1個の反応性置換基Rを有することがあるか;または、複数個の反応性置換基Rであって、それらの各々が、同一種もしくは異種であることがある、複数個の反応性置換基Rを有することがある。例えば、rが2である、1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、同一種または異種であることがある2個の反応性置換基Rであって、フォトクロミック・ナフトピランのPCに上記に開示された番号付けされた複数の位置の2の位置で結合されていることがあるか、番号付けされた複数の位置の1の位置、および、B基もしくはB'基の一方の上でフォトクロミック・ナフトピランのPCに結合されていることがあるか;または、両方のR置換基が、B基および/もしくはB'基でフォトクロミック・ナフトピランのPCに結合されている場合がある、2個の反応性置換基Rを有する。
本明細書に開示される更に他の非限定的具体例によると、少なくとも1個の反応性置換基を有するフォトクロミック物質は、次の構造体I〜IV、またはそれらの混合物:
Figure 2008535849
によって表すことができる。
上記構造体IIに関連し、本開示の様々な非限定的具体例による、基R1の構造に対する非限定的例には、反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C3アルキル基;および、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基またはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基およびジ置換フェニル基から選ばれており、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};が包含される。
次に、上記構造体Iに関連し、本開示の様々な非限定的具体例による、基R1'の構造に対する非限定的例には、反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C3アルキル基;および、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基またはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、しかも、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基およびジ置換フェニル基から選ばれており、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};が包含される。
次に、上記の構造体IおよびIIに関連し、本開示の様々な非限定的具体例による、基R2の構造に対する非限定的例には、反応性置換基R;水素基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;および、−OR10;または、−OC(=O)R10[式中、R10は、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];が包含される。
次に、上記の構造体I、II、IIIおよびIVに関連し、本開示の様々な非限定的具体例における、各々のR3および各々のR4の構造の非限定的例には、独立して、反応性置換基R;水素基;フルオロ基;クロロ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;または、−OC(=O)R10[式中、R10は、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位に配置された置換基を有し、前記置換基は、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;が包含される。構造体I、II、IIIおよびIVについて、nは1〜4の範囲の整数である。
各々のR3および各々のR4の構造の他の非限定的例には、窒素含有基であって、−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾピリジル基、フルオレニル基、C1〜C8アルキルアリール基、C3〜C20シクロアルキル基、C4〜C20ビシクロアルキル基、C5〜C20トリシクロアルキル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基であり、しかも、前記アリール基は、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、R11およびR12は、前記窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロビシクロアルキル環もしくはC4〜C20ヘテロトリシクロアルキル環を形成している)である場合がある窒素含有基;次の構造式VA:
Figure 2008535849
[式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール)−、−C(アリール)2−または−C(R13)(アリール)−であり、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール)−であり、しかも、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基であり、mは整数1、2もしくは3であり、しかも、pは整数0、1、2もしくは3であり、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;次の構造式VBまたはVC:
Figure 2008535849
(式中、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、基R15およびR16は一緒になって、5〜8個の炭素原子の環を形成しており、更に、各々のR14は、各々の存在に対して独立して、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フルオロ基もしくはクロロ基であり、また、pは、整数0、1、2もしくは3である)の1つによって表される基;無置換、モノ置換もしくは二置換のC4〜C18スピロ二環式アミン基;ならびに、無置換、モノ置換または二置換のC4〜C18スピロ三環式アミン基であって、前記のスピロ二環式アミン置換基およびスピロ三環式アミン置換基は、各々の存在に対して独立して、アリール基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基もしくはフェニル(C1〜C6)アルキル基である、前記のC4〜C18スピロ二環式アミン基ならびにC4〜C18スピロ三環式アミン基;が包含される。
代替的に、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、上記の構造体1、2、3および4に開示される番号付けによる、6位のR3基および7位のR3基は一緒になって、構造式VDまたはVE:
Figure 2008535849
(式中、TおよびT'は、それぞれ独立して、酸素基もしくは基−NR11−であり、R11、R15およびR16は、上記に開示される通りである)によって表される基を形成する。
次に、上記の構造体IIIおよびIVに関連し、本開示の様々な非限定的具体例によると、基R5および基R6の各々に対する構造の非限定的例には、独立して、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;アリル基;フェニル基;モノ置換フェニル基;ベンジル基;モノ置換ベンジル基;クロロ基;フルオロ基;基−C(=O)W'[式中、W'は、ヒドロキシ基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、モノ置換フェニル基、アミノ基、モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基またはジ(C1〜C6)アルキルアミノ基である];−OR18{式中、R18は、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基、C1〜C6クロロアルキル基、C1〜C6フルオロアルキル基、アリル基、または、基−CH(R19)Y'[式中、R19は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基であり、Y'は、CN、CF3もしくはCOOR20(式中、R20は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基である)である]であるか、または、R18は、基−C(=O)W''[式中、W''は、水素基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基、フェノキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェノキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基、アミノ基、モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基、フェニルアミノ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基、または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である]であり、しかも、前記のフェニル基、ベンジル基もしくはアリール基の置換基の各々は独立して、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である};ならびに、モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位に配置された置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;が包含されることがある。
代替的に、幾つかの非限定的具体例において、R5およびR6は一緒になって、オキソ基;または、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環基(spiro-carbocyclic group)、もしくは、1〜2個の酸素原子とスピロ炭素原子を含む3〜6個の炭素原子とを含有するスピロ複素環基であって、0、1もしくは2個のベンゼン環で環付加されている、前記のスピロ炭素環基もしくはスピロ複素環基;を形成している。
上記の構造体I、II、IIIおよびIVに関連し、様々な非限定的具体例によると、基Bおよび基B'の構造の非限定的例には、それぞれ独立して、置換フェニル基;置換アリール基;置換9−ジュロリンジニル基(substituted 9-julolindinyl);置換芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基またはフルオレニル基);であって、前記のフェニル基、アリール基、9−ジュロリンジニル基もしくは芳香族複素環基の置換基の1つ以上が前記反応性置換基Rである、置換フェニル基、置換アリール基、置換9−ジュロリンジニル基、置換芳香族複素環基;無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のフェニル基、または、無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のアリール基;9−ジュロリジニル基(9-julolidinyl);または、無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基もしくはフルオレニル基)であって、前記のフェニル基、アリール基および芳香族複素環基の置換基の各々が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、基−C(=O)R21{式中、R21は、−OR22、−N(R23)R24、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R22は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R23およびR24は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、もしくは、置換フェニル基であって、該フェニル基の置換基がC1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である置換フェニル基であり、しかも、該ハロ(halo)置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である}、ならびに、アリール基、モノ(C1〜C12)アルコキシアリール基、ジ(C1〜C12)アルコキシアリール基、モノ(C1〜C12)アルキルアリール基、ジ(C1〜C12)アルキルアリール基、ハロアリール基、C3〜C7シクロアルキルアリール基、C3〜C7シクロアルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基(C1〜C12)アルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、アリール(C1〜C12)アルキル基、アリール(C1〜C12)アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシ(C1〜C12)アルキル基、アリールオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペラジノ基、N−(C1〜C12)アルキルピペラジノ基、N−アリールピペラジノ基、アジリジノ基、インドリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基、ピロリジル基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12ハロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、モノ(C1〜C12)アルコキシ(C1〜C12)アルキル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基およびハロゲン基である、前記の、無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のフェニル基、または、無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のアリール基、9−ジュロリジニル基(9-julolidinyl)、または、無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基;無置換基またはモノ置換基(例えば、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリニル基、イミダゾリニル基、ピロリニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基もしくはアクリジニル基)であって、前記置換基の各々が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン基である、無置換基もしくはモノ置換基;モノ置換フェニル基であって、このフェニル基はパラ位に位置する置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基が、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されているもの;
Figure 2008535849
(式中、Kは−CH2−もしくは−O−であり;Mは−O−もしくは置換窒素(substituted nitrogen)であり;Mが置換窒素であり、Kが−CH2−であるという条件で、前記置換窒素の置換基は、水素基、C1〜C12アルキル基もしくはC1〜C12アクリル基であり;各々のR25は、各々の存在に対して独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン基であり;R26およびR27は、それぞれ独立して、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;また、uは、0〜2の範囲の整数である)の1つによって表される基;
Figure 2008535849

(式中、R28は、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;R29は、無置換、モノ置換もしくはジ置換の基(例えば、ナフチル基、フェニル基、フラニル基またはチエニル基)であって、前記置換基が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基もしくはハロゲン基であるものである)によって表される基;が包含される場合がある。
代替的に、幾つかの非限定的具体例によると、BおよびB'は一緒になって、無置換、モノ置換もしくはジ置換のフルオレン−9−イリデン基であって、前記のフルオレン−9−イリデン基の置換基の各々が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基またはハロゲン基であるものを形成している。
上記に解説された基R1、R1'、R2、R3、R4、R5、R6、BおよびB'の各々であって、前記反応性置換基Rを有する基に関し、各々の反応性置換基Rは、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および
−D−J、
の1つから独立して選択し、かつ、それらの1つによって表すことができる。
本開示の様々な非限定的具体例による、−A−に対する構造の非限定的例には、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−および−CH2−が包含される。
本開示の様々な非限定的具体例による、−D−に対する構造の非限定的例には、上記に開示されたように、ジアミン残基またはそれの誘導体、および、アミノアルコール残基またはそれの誘導体が包含される。
−D−がジアミン残基またはそれの誘導体である場合の、幾つかの非限定的具体例において、該ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIまたは構造体IVと結合を形成することができ、また、該ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−または−Jと結合を形成することができる。−D−がアミノアルコール残基またはそれの誘導体である場合の、他の非限定的具体例において、該アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIまたは構造体IVと結合を形成することができ、また、該アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−または−Jと結合を形成することができ、あるいは、該アミノアルコール残基のアミン窒素は、−E−、−G−または−Jと結合を形成することができ、しかも、該アミノアルコール残基の該アルコール酸素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIまたは構造体IVと結合を形成することができる。
本開示の様々な非限定的具体例による、−E−に対する構造の非限定的例には、上記に開示されたように、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体が包含される。−E−の幾つかの非限定的具体例において、該ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−または−D−と結合を形成することができ、また、該ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成することができる。
本開示の様々な非限定的具体例による、−G−に対する構造の非限定的例には、上記に開示されたように、ポリアルキレングリコール残基およびポリオール残基およびそれらの誘導体が包含される。−G−がポリアルキレングリコール残基である場合の、幾つかの非限定的具体例において、該ポリアルキレングリコール残基の非限定的例には、構造:
−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−
(式中、x、yおよびzはそれぞれ、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)が包含される。−G−がポリオール残基またはその誘導体である場合の、他の非限定的具体例において、該ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−、構造体I、構造体II、構造体IIIまたは構造体IVと結合を形成することができ、また、該ポリオールの第2のポリオール酸素は、−E−または−Jと結合を形成することができる。
本開示の様々な非限定的具体例によると、−Jは、前記反応性部分もしくはそれの残基を有するか、または代替的に、−Jが水素である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合しているという条件で、−Jは水素である。反応性部分の非限定的具体例は、上記に解説されている。
更に、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、構造体I、II、IIIおよびIVの各々の上の基R1、R1'、R2、R3、R4、R5、R6、BおよびB'の1つは、反応性置換基Rを有する。もう1つの非限定的具体例において、構造体I、II、IIIおよびIVの各々の上の基R1、R1'、R2、R3、R4、R5、R6、BおよびB'の2つは、同一であるかまたは異なることもある反応性置換基Rを有する。更にもう1つの非限定的具体例において、構造体I、II、IIIおよびIVの各々の上の基R1、R1'、R2、R3、R4、R5、R6、BおよびB'の1つ〜4つは、同一であるかまたは異なることもある反応性置換基Rを有する。
本開示の様々な非限定的具体例による、反応性置換基Rを有するナフトピランを含有するフォトクロミック物質の非限定的例には、次のもの:
(i)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(ii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(iii)3−フェニル−3−(4−(4−フェニルピペラジノ)フェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(iv)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(v)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(vi)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(vii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(viii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(ix)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(x)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xi)3−フェニル−3−(4−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xii)3−フェニル−3−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシフェニル−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xiii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xiv)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xv)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xvi)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xvii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xviii)3−フェニル−3−(4−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
およびそれらの混合物が包含される。
次に、本明細書に開示される反応性置換基を有する諸フォトクロミック物質の様々な非限定的具体例によるフォトクロミック・ナフトピランの上の反応性置換基Rを合成する非限定的方法を、図1および図2に示される諸反応スキームを参照して解説する。図1は、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの7位に反応性置換基Rを合成する様々な非限定的方法を示す。図2は、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランのB基の上に反応性置換基Rを合成する1つの非限定的方法を示す。フォトクロミック・ナフトピラン上に前記反応性置換基を合成するための複数の方法が存在し得ることを、当業者はよく理解するであろう。したがって、これらの反応スキームは、説明目的のためにのみ提供されるのであり、これらに限定することを意図している訳ではないことは、よく理解されるであろう。
次に、図1に関連し、2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オール(5)を置換2−プロピン−1−オールと反応させて、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(6)を形成することができる。本明細書に開示される様々な非限定的具体例の合成において使用するのに適した、7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オールを合成する非限定的方法は、米国特許第6,296,785号明細書第11欄第6行〜第28欄第35行に開示されている。この米国特許明細書の開示内容は、参照されることによって本明細書に組み入れられる。本明細書に開示される様々な非限定的具体例の合成において使用するのに適した、置換2−プロピン−1−オールを合成する非限定的方法は、米国特許第5,458,814号明細書第4欄第11行〜第5欄第9行および実施例1、4〜6、11、12および13の工程1、ならびに、同第5,645,767号明細書第5欄第12行〜第6欄第30行に開示されている。この米国特許明細書の開示内容は、参照されることによって本明細書に組み入れられる。次いで、インデノヒューズド・ナフトピラン(6)を、ジアミンまたはアミノアルコールと反応させることができる。例えば、(6)をピペラジン等のジアミンと反応させて、6−メトキシ−7−(ピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(7)をもたらすことができる。(7)のピペラジン部分は、2−イソシアナトエチルメタクリレートと縮合して、上記に定義されるような−D−J(式中、−D−はジアミン残基である)を有するR置換基を有するフォトクロミック・ナフトピラン(8)を提供することができる。代替的に、インデノヒューズド・ナフトピラン(6)を、3−ピペリジノメタノール等のアミノアルコールと反応させて、6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(9)を提供することができる。(9)のヒドロキシ部分は、2−イソシアナトエチルメタクリレートと縮合して、上記に定義されるような−D−J(式中、−D−はアミノアルコール残基である)を有するR置換基を有するフォトクロミック・ナフトピラン(10)を提供することができる。
図1に更に関連し、(9)のヒドロキシ部分を、代替的に、無水コハク酸等の環状無水物と反応させて、6−メトキシ−7−(3−(2−ヒドロキシカルボニルエチルカルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(11)を提供することができる。(11)のカルボン酸を、ポリエチレングリコールメタクリレートでエステル化して、上記に定義されるような−D−E−G−Jを有するR置換基を有するフォトクロミック・ナフトピラン(12)を提供することができる。
次に、図2に関連し、7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オール(13)を、1−フェニル−1−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル)フェニル−2−プロピン−1−オールと反応させて、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(14)を形成することができる。(14)のヒドロキシ部分は、2−イソシアナトエチルメタクリレートと縮合して、B基上に、上記に定義されるような−D−J(式中、−D−はアミノアルコール残基である)を有する反応性置換基Rを有するフォトクロミック・ナフトピラン(15)を提供することができる。
本開示の諸フォトクロミック物質(例えば、フォトクロミック・ナフトピランと、該フォトクロミック・ナフトピランに結合された反応性置換基であって、本明細書に開示される構造を有する該反応性置換基とを有するフォトクロミック物質)は、眼科用器具に使用することができる。
幾つかの非限定的具体例において、本開示の諸フォトクロミック物質は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサートおよび光学インサート(optical inserts)に使用することができる。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例による諸フォトクロミック物質は、ポリマー材料、オリゴマー材料、モノマー材料等の有機材料に組み入れることができる。それらフォトクロミック物質を使用して、例えば、眼科用器具を形成することができるが、それら眼科用器具に限定されない。本明細書で用いられる用語「に組み入れる(incorporated into)」は、物理的かつ/または化学的に一緒に結合させることを意味する。このように、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による眼科用器具は、有機材料の少なくとも一部分と物理的かつ/または化学的に結合させたフォトクロミック物質から形成することができる。本明細書で用いられる用語「ポリマー」および「ポリマー材料」とは、単独重合体(homopolymers:ホモポリマー)および共重合体(copolymers:コポリマー)(例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体および交互共重合体(alternating copolymer))だけでなく、それらのブレンドおよび他の組合せをもいう。更に、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による諸フォトクロミック物質は、それぞれ、単独で;本明細書に開示される様々な非限定的具体例による他のフォトクロミック物質と組み合わせて;または、他の適切な従来の相補的(complementary)フォトクロミック物質と組み合わせて;使用することができることが意図されている。例えば、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による諸フォトクロミック物質は、300〜1000nmの範囲の活性化吸収極大値(activated absorption maxima)を有する他の従来の相補的フォトクロミック物質と併用することができる。それらの従来の相補的フォトクロミック物質には、重合可能な、または、相溶性の他のフォトクロミック物質が包含されることがある。
本開示は、ポリマー材料と本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質とを含有するフォトクロミック組成物から形成された眼科用器具をも意図している。本明細書で用いられる用語「フォトクロミック組成物(photochromic composition)」とは、フォトクロミック物質であるかもしれないし、または、フォトクロミック物質ではないかもしれないもう1種の物質と組み合わされたフォトクロミック物質をいう。本開示の様々な非限定的具体例によるフォトクロミック組成物の幾つかの非限定的例において、フォトクロミック物質は、ポリマー材料の少なくとも一部分の中に組み込まれている。例えば、本明細書に開示される諸フォトクロミック物質は、例えば、ポリマー材料の一部分に結合させることによって(例えば、該フォトクロミック物質を該ポリマー材料の一部分と共重合させることによるか;または、該ポリマー材料とブレンドすることによって)、ポリマー材料の少なくとも一部分の中に組み込むことができるが、それらに限定されない。本明細書で用いられる用語「ブレンドされた(blended)」または「ブレンドする(blending)」は、フォトクロミック物質が、ポリマー材料等の有機材料の少なくとも一部分と混合されたか、または混ぜ合わせるものの、該有機材料に結合されないことを意味する。本明細書で用いられる用語「結合された(bonded)」または「結合する(bonding)」は、フォトクロミック物質が、有機材料(例えば、ポリマー材料、またはそれの前駆体)の一部分に結合される(linked)ことを意味する。例えば、幾つかの非限定的具体例において、フォトクロミック物質は、反応性置換基(例えば、上記に解説されるそれら反応性置換基であるが、それらに限定されない)を介して有機材料の一部分に結合させることができる。
1つの非限定的具体例によると、前記フォトクロミック物質は、ポリマー材料の少なくとも一部分の中に、または、眼科用器具が形成されるモノマー材料もしくはオリゴマー材料の少なくとも一部分の中に組み入れることができる。例えば、反応性置換基を有する、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質は、反応性部分と反応させることのできる基を有する有機材料(例えば、モノマー、オリゴマーまたはポリマー)に結合させることができるか;または、該反応性部分は、該有機材料が形成される重合反応において(例えば、共重合過程において)、コモノマーとして反応させることができる。本明細書で用いられる用語「〜と共重合する(co-polymerized with)」は、フォトクロミック物質が、結果的にポリマー材料となるホストモノマーの重合反応において、コモノマーとして反応することによって、該ポリマー材料の一部分に結合することを意味する。例えば、本明細書における様々な非限定的具体例による諸フォトクロミック物質は、ホストモノマーが重合する間にコモノマーとして反応することができる重合可能な部分を含有する反応性置換基を有する。
本開示の様々な非限定的具体例に適したポリマー材料には、眼科用器具を製造するのに適したものが包含される。
更に、様々な非限定的具体例によると、前記眼科用器具の少なくとも一部分は澄明である。例えば、様々な非限定的具体例によると、該眼科用器具は、光学的に透明なポリマー材料から形成することができる。1つ特定の非限定的具体例によると、ポリマー材料は、重合可能な眼科用器具形成成分と任意的に重合可能でない眼科用器具形成成分との混合物であって、当該技術分野において、それらの成分が眼科用器具(例えば、コンタクトレンズ)を形成するのに有用であることが知られている該混合物から形成される。より具体的には、適切な成分には、重合可能なモノマー、プレポリマーおよびマクロマー(macromers)、湿潤剤、紫外線吸収化合物、相溶化成分(compatibilizing components)、着色剤およびチント(tints)、離型剤、加工助剤、それらの混合物ならびに同類のものが包含される。
1つ特定の非限定的具体例によると、前記の眼科用器具形成成分は、重合時および水和時、ヒドロゲルを形成するのが好ましい。ヒドロゲルは、平衡状態で水を含有する、水和した架橋ポリマー系である。ヒドロゲルは典型的には、酸素透過性かつ生体適合性であり、該眼科用器具形成成分を、眼科用器具(とりわけ、コンタクトレンズおよび眼内レンズ)を生成するのに好ましい材料にする。
眼科用器具形成成分は、当該技術分野において知られており、重合可能なモノマー、プレポリマーおよびマクロマーであって、結果として得られる、所望の特性を有するポリマー材料を提供する、1個以上の重合可能な基と反応性基(performance groups)とを有する、該モノマー、プレポリマーおよびマクロマーを包含する。適切な反応性基は、親水基、酸素透過性増強基(oxygen permeability enhancing groups)、紫外線吸収性基、可視光線吸収性基、それらの組合せおよび同類のものを包含するが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる用語「モノマー」とは、低分子量化合物(即ち、典型的には、約700未満の数平均分子量を有する化合物)をいう。プレポリマーは、更に重合し得る官能基(functional groups)を有する、(繰り返し構造単位と約700より大きい数平均分子量とを有する)中間分子量〜高分子量の化合物またはポリマーである。マクロマーは、架橋結合または更なる重合をすることのできる非架橋ポリマー(uncrosslinked polymers)である。
眼科用器具形成成分の1つの適切な種類には、残存成分と組み合わされている場合、結果として得られるレンズに、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%の含水率を提供することのできる親水性成分(hydrophilic components)が包含される。本発明に係るポリマーを作るのに使用することのできる親水性成分は、少なくとも1個の重合可能な二重結合と少なくとも1個の親水性官能基とを有するモノマーである。重合可能な二重結合の例には、アクリル基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、フマル基、マレイン基、スチリル基、イソプロペニルフェニル基、O−ビニルカーボネイト、O−ビニルカルバメート、アリル基、O−ビニルアセチル基、ならびに、N−ビニルラクタムおよびN−ビニルアミドの二重結合が包含される。アクリル基およびメタクリル基の重合可能な二重結合を有する親水性モノマーの非限定的例には、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド基、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、および、それらの混合物が包含される。
N−ビニルラクタムおよびN−ビニルアミドの重合可能な二重結合を有する親水性モノマーの非限定的例には、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−2−ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N−カルボキシ−β−アラニンN−ビニルエステルが包含されるが、NVPおよびN−ビニル−N−メチルアセトアミドが好ましい。これらのモノマーから形成されるポリマーも包含されることがある。
本発明において採用することのできる他の親水性モノマーには、重合可能な二重結合を有する官能基で置換された、1個以上の末端のヒドロキシル基を有するポリオキシエチレンポリオールが包含される。
更なる例は、米国特許第5,070,215号明細書に開示される親水性のビニルカーボネイトモノマーおよびビニルカルバメートモノマー、ならびに、米国特許第4,190,277号明細書に開示される親水性のオキサゾロン(oxazolone)モノマーである。他の適切な親水性モノマーは、当業者には明らかであろう。
本発明に係る、重合可能な混合物の中に組み入れることのできる好ましい親水性モノマーには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセロールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、および、それらの混合物が包含される。
最も好ましい親水性モノマーには、HEMA、DMA、NVP、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、および、それらの混合物が包含される。
上記の親水性モノマーは、例えば、エタフィルコン(etafilcon)、ポリマコン(polymacon)、ビフィルコン(vifilcon)、ゲンフィルコン(genfilcon)A、レネフィルコン(lenefilcon)Aおよび同類のものから作られる従来のコンタクトレンズを製造するのに適している。従来のコンタクトレンズを得るための、重合可能な混合物の中に組み入れられる親水性モノマーの量は、重合可能な該混合物の中の成分全ての重量を基準として、少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%である。
もう1つの非限定的具体例において、適切なコンタクトレンズは、酸素透過性が増大したポリマー材料(例えば、ガリフィルコン(galyfilcon)A、セノフィルコン(senofilcon)A、バラフィルコン(balafilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)AおよびB、ならびに、同類のもの)で作ることができる。酸素透過性が増大したこれらの材料または他の材料を形成するために使用される前記重合混合物は通常、上記の諸親水性モノマーの1種以上と、少なくとも1種のシリコーン含有成分とを含有する。
シリコーン含有成分は、モノマー、マクロマーおよびプレポリマーの中に、少なくとも1個の[−Si−O−Si]基を有する成分である。そのSiおよび結合したOは、該シリコーン含有成分中に、好ましくは該シリコーン含有成分の全モル重量の20重量%より大きい量で、より好ましくは30重量%より大きい量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、重合可能な官能基(例えば、アクリレート官能基、メタクリレート官能基、アクリルアミド官能基、メタクリルアミド官能基、N−ビニルラクタム官能基、N−ビニルアミド官能基およびスチリル官能基)を有するのが好ましい。本発明において有用なシリコーン含有成分の例は、米国特許第3,808,178号;同第4,120,570号;同第4,136,250号;同第4,153,641号;同第4,740,533号;同第5,034,461号および同第5,070,215号明細書ならびに欧州特許第080539号明細書に見出だすことができる。本明細書で引用される特許明細書は全て、参照されることによって、そっくりそのまま本明細書に組み入れられる。これらの文献には、オレフィン系のシリコーン含有成分の多くの例が開示されている。
適切なシリコーン含有モノマーの更なる例は、次の式:
Figure 2008535849
(式中、R30は、Hまたは低級アルキル基を示し;Xは、OまたはNR34を示し;各々のNR34は、独立して、水素基またはメチル基を示し;各々のR31〜R33は、独立して、低級アルキル基またはフェニル基を示し;かつ、nは、1または3〜10である)によって表されるポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル系モノマーである。
これらのポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリル系モノマーの例には、メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリルオキシメチルペンタメチルジシロキサン、メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、メチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシプロピルシラン、および、メチルジ(トリメチルシロキシ)メタクリルオキシメチルシランが包含される。メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランが最も好ましい。
シリコーン含有成分のうち1つの好ましい種類は、式VII:
Figure 2008535849
[式中、各々のAは、独立して、活性化不飽和基(activated unsaturated group)(例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸のエステル基、または、アクリル酸もしくはメタクリル酸のアミド基)、または、(少なくとも1つのAが、ラジカル重合を受けることのできる活性化不飽和基を有するという条件で)アルキル基もしくはアリール基であり;R35、R36、R37およびR38の各々は、一価の炭化水素基、または、炭素原子の間にエーテル結合を有することがある、1〜18個の炭素原子を有する一価のハロゲン飽和炭化水素基から成る群から独立して選ばれており;R39は、1〜22個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を示し;mは、0であるか、または、1以上の整数、好ましくは5〜400の整数、より好ましくは10〜300の整数である]によって表されるポリ(オルガノシロキサン)プレポリマーである。1つの特定的な例は、α,ω−ビスメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンである。もう1つの好ましい例は、mPDMS(モノメタクリルオキシプロピル末端モノ−n−ブチル末端ポリジメチルシロキサン)である。
シリコーン含有成分のもう1つの有用な種類には、次の式:
Figure 2008535849
(式中、Yは、O、SまたはNHを示し;RSiは、シリコーン含有有機基を示し;R40は、水素基またはメチル基を示し;dは、1、2、3または4であり;qは0または1である)のシリコーン含有のビニルカーボネイトモノマーまたはビニルカルバメートモノマーが包含される。適切なシリコーン含有有機基RSiには、下記のもの:
Figure 2008535849
{式中、Qは、
Figure 2008535849
(式中、pは、1〜6である)を示し;R41は、アルキル基、または、1〜6個の炭素原子を有するフルオロアルキル基を示し;eは、1〜200であり;q'は、1、2、3または4であり;sは、0、1、2、3、4または5である}が包含される。
シリコーン含有のビニルカーボネイトモノマーまたはビニルカルバメートモノマーには具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブチ−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン;3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネイト;トリメチルシリルメチルビニルカーボネイト;および、
Figure 2008535849
が包含される。
シリコーン含有成分に関する上記説明は、網羅的な記載ではない。当該技術分野において知られている、他のいかなるシリコーン成分をも使用することができる。更なる例は、基移動重合(group transfer polymerization)を用いて作られるマクロマー(例えば、米国特許第6,367,929号明細書に開示されているもの);ポリシロキサン含有ポリウレタン化合物(米国特許第6,858,218号明細書に開示されているもの);ポリシロキサン含有マクロマー(例えば、米国特許第5,760,100号明細書に物質A〜Dとして記述されているもの);ポリシロキサン基、ポリアルキレンエーテル基、ジイソシアネート基、ポリフッ素化炭化水素基、ポリフッ素化エーテル基および多糖基を有するマクロマー(例えば、国際出願番号WO96/31792号明細書に記述されているもの);末端のジフルオロ置換炭素原子に水素原子が結合している、1個以上の極性フッ素化グラフト基または側基を有するポリシロキサン(例えば、米国特許第5,321,108号、同第5,387,662号および同第5,539,016号明細書に記述されているもの);親水性シロキサニルメタクリレートモノマーおよびポリシロキサン−ジメタクリレートマクロマー(例えば、US2004/0192872号明細書に記述されているもの);それらの組合せ、ならびに同類のものを包含するが、それらに限定されない。
前記の重合可能な混合物は、追加成分[例えば、湿潤剤(例えば、米国特許第6,822,016号明細書、米国特許出願シリアル番号11/057,363号(VTN5045)、米国特許出願シリアル番号10/954,560号、米国特許出願シリアル番号10/954,559号および米国特許出願シリアル番号955,214号明細書に開示されているもの);相溶化成分(例えば、米国特許第6,822,016号明細書および国際出願番号WO03/022322号明細書に記述されているもの);紫外線吸収剤、薬剤、抗菌性化合物、反応性チント、顔料、共重合性の染料および非重合性の染料、離型剤、ならびに、それらの組合せであるが、それらに限定されない]を含有することができる。
例えば、相互貫入網状構造生成物(interpenetrating network products)を形成する、前述のポリマーおよび共重合体と他のポリマーとのブレンド;前述の諸モノマーの共重合体;ならびに、前述のポリマーおよび共重合体と他のポリマーとの組合せ;もまた意図されている。
前記の重合可能な混合物は、任意的に希釈剤を更に含有することができる。重合可能な混合物のための適切な希釈剤は、当該技術分野では周知である。親水性ソフトコンタクトレンズのための重合可能な混合物の非限定的例には、有機溶媒、水、または、それらの混合物が包含される。好ましい有機溶媒には、アルコール、ジオール、トリオールおよびポリアルキレングリコールが包含される。例は、グリセリン、ジオール(例えば、エチレングリコールまたはジエチレングリコール);ポリオールのホウ酸エステル(boris acid esters)(例えば、米国特許第4,680,336号、同特許第4,889,664号および同特許第5,039,459号明細書に記述されているもの);ポリビニルピロリドン;エトキシル化アルキルグルコシド;エトキシル化ビスフェノールA;ポリエチレングリコール;プロポキシル化アルキルグルコシドとエトキシル化アルキルグルコシドとの混合物;エトキシル化アルキルグルコシドまたはプロポキシル化アルキルグルコシドとC2~12二価アルコールとの単一相混合物;ε−カプロラクトンとC2~6アルカンジオールとC2~6アルカントリオールとの付加物(adducts);エトキシル化C3~6アルカントリオール;および、米国特許第5,457,140号;同第5,490,059号;同第5,490,960号;同第5,498,379号;同第5,594,043号;同第5,684,058号;同第5,736,409号;同第5,910,519号明細書に記述されるような、これらの混合物;を包含するが、それらに限定されない。希釈剤はまた、米国特許第4,680,336号明細書に記述されるような、定義された粘度とハンスン凝集パラメータ(Hanson cohesion parameter)との組合せを有する群から選択することができる。
シリコーンヒドロゲルソフトコンタクトレンズを得るための重合可能な混合物に適した希釈剤の非限定的例には、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのためのアルコール(例えば、米国特許第6,020,445号明細書および米国特許シリアル番号10/794,399号明細書に開示されているもの)が包含される。これらの参考文献および本明細書の中に引用される他の全ての参考文献の開示内容は、参照されることによって本明細書に組み入れられる。他の多数の適切な例は、当業者には理解され、本発明の範囲に含まれる。
ハードコンタクトレンズは、諸ポリマーから作られる。それらのポリマーは、ポリ(メチル)メタクリレート、シリコンアクリレート、フルオロアクリレート、フルオロエーテル、ポリアセチレンおよびポリイミドのポリマーを包含するが、それらに限定されない。典型的な例の調製方法は、米国特許第4,540,761号、同第4,508,884号、同第4,433,125号および同第4,330,383号明細書に見出だすことができる。本発明の眼内レンズは、既知の諸材料を用いて形成することができる。例えば、該眼内レンズは硬質材料で作ることができる。該硬質材料は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネイト、または、同類のもの、および、それらの組合せを包含するが、それらに限定されない。加えて、諸可撓性材料を使用することができる。それら可撓性材料は、ヒドロゲル、シリコーン材料、アクリル系材料、過フッ化炭化水素、および、同類のもの、または、それらの組合せを包含するが、それらに限定されない。典型的な眼内レンズは、国際出願番号WO0026698号、WO0022460号、WO9929750号、WO9927978号、WO0022459号明細書に記述されている。涙点プラグ(punctal plugs)のような他の眼科用器具は、コラーゲンおよびシリコーンエラストマーから作ることができる。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例によると、上記に解説された諸非限定的具体例のいずれかによるフォトクロミック物質であって、フォトクロミック眼科用器具の一部分に結合される該フォトクロミック物質を含有する該眼科用器具が提供される。本明細書で用いられる用語「〜に結合される(connected to)」は、もう1つの物質または構造体を介して直接的にまたは間接的に結合されることを意味する。
例えば、本明細書に開示される諸フォトクロミック物質は、例えば、それらフォトクロミック物質を、眼科用器具が作られる材料の少なくとも一部分に結合させることによって(例えば、該フォトクロミック物質を該眼科用器具の材料と共重合させるか、さもなければ、該フォトクロミック物質を該眼科用器具の材料と結合させることによって;該フォトクロミック物質を該眼科用器具の材料とブレンドすることによって;または、該フォトクロミック物質を該眼科用器具の表面の少なくとも一部分の上に被覆することによって)、該眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることができるが、その方法に限定されない。代替的に、該フォトクロミック物質は、例えば、中間コーティング、中間膜または中間層を介して、該眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることができる。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例による前記フォトクロミック物質は、前記眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分の中に、または、該眼科用器具が形成されるオリゴマー材料もしくはモノマー材料の少なくとも一部分の中に該フォトクロミック物質を組み入れることによって、前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることができる。例えば、1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、現場鋳造法(cast-in-place method)によって、該眼科用器具のポリマー材料の中に組み入れることができる。追加的または代替的に、フォトクロミック物質は、膨潤(imbibition)によって、該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分に結合させることができる。以下に、膨潤および現場鋳造法を解説する。
例えば、1つの非限定的具体例によると、眼科用器具はポリマー材料を含有しており、フォトクロミック物質が該ポリマー材料の少なくとも一部分に結合される。もう1つの非限定的具体例によると、眼科用器具はポリマー材料を含有しており、フォトクロミック物質が該ポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドされる。もう1つの非限定的具体例によると、眼科用器具はポリマー材料を含有しており、フォトクロミック物質が該ポリマー材料の少なくとも一部分と共重合される。本明細書に開示される様々な非限定的具体例による基体(substrates)を形成するのに有用であるポリマー材料の非限定的例は、上記に詳細に開示される。
他の非限定的具体例によると、眼科用器具の少なくとも一部分に結合されている少なくとも部分的なコーティングの一部としての、フォトクロミック物品である該眼科用器具の少なくとも一部分に、フォトクロミック物質は結合されている場合がある。更に、被覆組成物を眼科用器具に施用する前、該被覆組成物の少なくとも一部分の中にフォトクロミック物質を組み入れるか、または代替的に、少なくとも部分的に硬化した基体に被覆組成物を施用し、その後、コーティングの少なくとも一部分の中にフォトクロミック物質を膨潤させることができる。本明細書で用いられる用語「硬化する(set)」または「硬化すること(setting)」には、硬化すること(curing)、重合すること、架橋結合すること、冷却すること、および、乾燥することが包含されるが、それらに限定されない。
例えば、本開示の1つの非限定的具体例において、眼科用器具は、該眼科用器具の表面の少なくとも一部分に結合されたポリマー材料の少なくとも部分的なコーティングを有することができる。この非限定的具体例によると、前記の少なくとも部分的なコーティングのポリマー材料の少なくとも一部分とフォトクロミック物質とをブレンドすることができるか、または、前記の少なくとも部分的なコーティングのポリマー材料の少なくとも一部分にフォトクロミック物質を結合させることができる。1つの特定的な非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、前記の少なくとも部分的なコーティングのポリマー材料の少なくとも一部分と共重合させることができる。
フォトクロミック物質を含有する前記の少なくとも部分的なコーティングは、例えば、フォトクロミック物質を含有する被覆組成物を眼科用器具の表面の少なくとも一部分に直接施用し、該被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させることによって、該眼科用器具に直接結合させることができる。追加的または代替的に、フォトクロミック物質を含有する前記の少なくとも部分的なコーティングは、1つ以上の追加のコーティングを介して、眼科用器具に連結することができる。例えば、様々な非限定的具体例によると、追加の被覆組成物は、眼科用器具の表面の少なくとも一部分に施用し、少なくとも部分的に硬化させ、その後、フォトクロミック物質を含有する該被覆組成物を、追加のコーティングの上に施用し、次いで、少なくとも部分的に硬化させることができるが、それに限定されない。
本明細書に開示される眼科用器具に関連して使用することのできる追加のコーティングおよび膜の非限定的例には、従来のフォトクロミックコーティングおよび膜;澄明な被膜、親水性コーティング、それらの組合せを包含する眼科的に適合したコーティング;および、同類のもの;が包含される。
従来のフォトクロミックコーティングおよび膜の非限定的例は、従来のフォトクロミック物質を含有するコーティングおよび膜を包含するが、それらに限定されない。
本開示はまた、本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させること(connecting)を含む、眼科用器具の様々な製法をも意図している。例えば、1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を、該眼科用器具を形成するために使用されるポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドすることを含むことができる。もう1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分に結合させること(bonding)を含むことができる。例えば、1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を、該眼科用器具を形成するのに使用されるポリマー材料の少なくとも一部分と共重合させることを含むことができる。フォトクロミック物質をポリマー材料に結合させる非限定的方法は、例えば、ポリマー材料、オリゴマー材料もしくはモノマー材料の溶液、または、ポリマー材料、オリゴマー材料もしくはモノマー材料の溶融体(melt)の中に該フォトクロミック物質を混入させ、その後、そのポリマー材料、オリゴマー材料もしくはモノマー材料を少なくとも部分的に硬化させることを含む。この非限定的具体例によって、結果として得られたフォトクロミック組成物中のフォトクロミック物質は、ポリマー材料とブレンドされている(即ち、該ポリマー材料と混合されているが、該ポリマー材料に結合されている訳ではない)場合があるか、または、該ポリマー材料に結合している場合があるということを、当業者はよく理解するであろう。例えば、フォトクロミック物質が、ポリマー材料、オリゴマー材料またはモノマー材料と相溶性である重合可能な基を有するならば、有機材料が硬化する間、該フォトクロミック物質は、該材料の少なくとも一部分と反応して、該フォトクロミック物質は該材料に結合することができる。
もう1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分に対して膨潤させることを含むことができる。この非限定的具体例によると、例えば、加熱しながら、または、加熱しないで、該フォトクロミック物質を含有する溶液の中にポリマー材料を有する眼科用器具を浸漬することによって、該フォトクロミック物質を該ポリマー材料の中に拡散させることができる。もう1つの非限定的具体例において、フォトクロミック物質をフォトクロミック眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分とブレンドすること、該フォトクロミック物質を該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分に結合させること(例えば、共重合させること)、および、該フォトクロミック物質を該眼科用器具のポリマー材料の少なくとも一部分に対して膨潤させることの2つ以上の組合せを含むことができる。
基体がポリマー材料を有している場合の、前記諸方法の1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質を基体の少なくとも一部分と混合することは、現場鋳造法(cast-in-place method)を含む。この非限定的具体例によると、該フォトクロミック物質を、ポリマーの溶液もしくは溶融体(melt)、または、他のオリゴマーおよび/もしくはモノマーの溶液、または、オリゴマーとモノマーとの混合物と混合することができる。得られた混合物は、その後、所望の形状を有する鋳型の中に流し込み、次いで、少なくとも部分的に硬化させて、眼科用器具を形成する。この非限定的具体例によれば、必要でないかもしれないが、更に、フォトクロミック物質を該ポリマー材料に結合させることができる。
眼科用器具がポリマー材料を有する場合の、前記諸方法のもう1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、鋳型内鋳造法(in-mold casting)を含む。この非限定的具体例によると、液体被覆組成物であることもある、フォトクロミック物質を含有する被覆組成物を、鋳型表面に施用し、次いで、少なくとも部分的に硬化させる。その後、ポリマーの溶液もしくは溶融体、または、オリゴマーもしくはモノマーの溶液、または、オリゴマーとモノマーとの混合物を、そのコーティングの上に流し込み、次いで、少なくとも部分的に硬化させる。該コーティングを有する眼科用器具は、硬化の後、鋳型から取り外す。
前記諸方法の更にもう1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質を眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、該フォトクロミック物質を含有する少なくとも部分的なコーティングを、該眼科用器具の少なくとも一部分に施用することを含む。適切な被覆方法の非限定的例には、浸漬被覆(dip coating)、スピン被覆(spin coating)、(例えば、液体被覆剤を使用する)スプレー被覆(spray coating)、カーテン被覆(curtain coating)、ロール被覆(roll coating)、スピンおよびスプレー被覆、オーバーモールディング(over-molding)、ならびに、同類のものが包含される。例えば、1つの非限定的具体例によると、フォトクロミック物質は、オーバーモールディングによって眼科用器具に結合させることができる。この非限定的具体例によると、該フォトクロミック物質を含有する被覆組成物(前述したように液体被覆組成物であり得る)を、鋳型に施用し;次いで、該眼科用器具が該被覆組成物と接触して、該被覆組成物が該眼科用器具の表面の少なくとも一部分の上に薄く塗布されるように、該眼科用器具を該鋳型の中に入れる。その後、該被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させ、次いで、該鋳型から被覆済み眼科用器具を取り出す。代替的に、オーバーモールディングは、眼科用器具と鋳型との間に開口領域が画定されるように、眼科用器具を鋳型の中に入れ;その後、フォトクロミック物質を含有する被覆組成物を該開口領域の中に注入する;ことによって行うことができる。その後、該被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させることができ、次いで、該鋳型から被覆済み眼科用器具を取り出す。
更に、本明細書に開示される様々な非限定的具体例による、フォトクロミック組成物、フォトクロミック眼科用器具およびフォトクロミック被覆組成物は、該組成物の処理および/または性能の助けとなる他の添加剤を更に含有することができるということを、当業者はよく理解するであろう。例えば、そのような添加剤は、相補的フォトクロミック物質(complementary photochromic material)、光開始剤、熱開始剤、重合防止剤、溶媒、光安定剤[例えば、紫外線吸収剤および光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)であるが、それらに限定されない]、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レべリング剤(leveling agent)(例えば、界面活性剤であるが、それらに限定されない)、フリーラジカル捕捉剤、または、接着促進剤(例えば、ヘキサンジオールおよびカップリング剤)を包含することがあるが、それらに限定されない。
本明細書に記述される諸フォトクロミック物質の各々が結び付けられる(即ち、ブレンドされるか、共重合されるか、さもなければ、結合されるか、被覆されるか、かつ/または、膨潤される)眼科用器具またはポリマー材料が、該フォトクロミック物質が閉鎖形態(closed form)になっているときは、結果として生じる所望の色(例えば実質的に透明および無色)を呈し、しかも、該フォトクロミック物質が化学線によって活性化されて、該フォトクロミック物質が開放形態(open form)になっているときは、実質的に着色されるような量で(または、割合で)、該フォトクロミック物質を使用することができる。
本開示のフォトクロミック・ナフトピランであって、被覆組成物、ポリマー材料、眼科用器具および/もしくはフォトクロミック組成物に結合させるべき、または、被覆組成物、ポリマー材料、眼科用器具および/もしくはフォトクロミック組成物の中に組み入れるべき該フォトクロミック・ナフトピランの量は、所望の光学的効果を生じさせるのに十分な量が使用されるという条件では、決定的に重要という訳ではない。そのような量は通常、「フォトクロミック量(photochromic amount)」と記述されることがある。使用されるフォトクロミック物質の特定の量は、様々な因子、例えば、使用されるフォトクロミック物質の吸収特性;色が照射されるときに望まれる色の強度(intensity of color);および、該フォトクロミック物質を組み入れるか、または施用するために用いられる方法;によって決まることがある。
本開示の非限定的具体例の様々な方法において使用される前述のフォトクロミック物質の相対量は、様々であり、ある程度は、該フォトクロミック物質の活性種の色の相対強度;所望される最終的な色;化学線に対する(吸光係数の)モル吸収係数(molar absorption coefficient);ポリマー材料または基体に対する施用方法;によって決まる。ポリマー材料もしくは眼科用器具の中に組み入れられるか、または、ポリマー材料もしくは眼科用器具に結合される全フォトクロミック物質の量は通常、該フォトクロミック物質が組み入れられるか、または結合される表面の1cm2当り約0.05〜約5.0mgの範囲である場合がある。被覆組成物の中に組み入れられるか、または、被覆組成物に結合されるフォトクロミック物質の量は、液体被覆組成物の重量を基準として0.1〜40重量%の範囲である場合がある。例えば、現場鋳造タイプの方法によって、ホストポリマー、フォトクロミック組成物またはフォトクロミック眼科用器具の中に組み入れられる(即ち、それらと混合されるか、それらと共重合されるか、または、それらに結合される)フォトクロミック物質の量は、ポリマー組成物またはフォトクロミック眼科用器具の重量を基準として0.01〜40重量%の範囲である場合がある。
〔実施例〕
次の諸実施例は、本開示の範囲内の組成物および方法の様々な非限定的な具体例を例示しており、別のやり方で本明細書に記述されている本発明を制限していない。
<実施例1>
・工程1
2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オール(10g)、1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オール(13g)、ドデシルベンゼンスルホン酸(10滴)およびクロロホルム(400mL)を、反応フラスコ内で混合した。その反応混合物は、3時間の間還流しながら加熱して、濃縮した。残渣にアセトンを添加し、次いで、スラリーを濾過して、灰色がかった白色(off-white)の固体18gが生じた。
・工程2
工程1からの3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(20g)、3−ピペリジノメタノール(7.6g)およびテトラヒドロフラン(250mL)を、氷浴で冷却された乾燥反応フラスコ内で、窒素雰囲気の下、混合した。その反応混合物に、ヘキサンに入れたブチルリチウム(2.5M,50mL)を、撹拌しながら一滴ずつ添加した。その添加を行った後、該冷却浴を取り外し、次いで、該フラスコを室温まで温めた。その黒ずんだ溶液は、氷水(400mL)の中に注ぎ、次いで、その混合物は、酢酸エチルで(400mLで2回)抽出した。有機質層は、飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。その残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(silica gel chromatography)(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1.5)によって精製した。生成物は、薄茶色の発泡フォーム(expanded brown-tinted foam)(17g)として得られた。
・工程3
工程2からの3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(9g)、2−イソシアナトエチルメタクリレート(3mL)、ジブチル錫ラウレート(dibutyltin laureate)(5滴)および酢酸エチル(200mL)を、凝縮器を外気に開放しながら反応フラスコ中で混合した。その混合物は、30分間還流しながら加熱した。該混合物にメタノール(15mL)を添加して、過剰の2−イソシアナトエチルメタクリレートを急冷(quench)した。その反応混合物は濃縮し、次いで、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1)によって精製した。その生成物は、薄紫色の発泡フォーム(11g)として得られた。核磁気共鳴分光法(NMR)によって、3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの構造が確証される。
<実施例2>
・工程1
3−ピペリジノメタノールに代えて、4−ヒドロキシピペリジンを使用したことを除き、実施例1の工程2の手順に従った。生成物は、灰色がかった白色の結晶として得られた。
・工程2
3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程1からの)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例1の工程3の手順に従った。生成物は、薄紫色の結晶として得た。マススペクトロメトリー(mass spectrometry)によって、3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの分子量が確証される。
<実施例3>
・工程1
3−ピペリジノメタノールに代えて、ピペリラジンを使用したことを除き、実施例1の工程2の手順に従った。生成物は、薄紫色の結晶として得られた。
・工程2
工程1からの3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−ピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(10g)、2−イソシアナトエチルメタクリレート(3mL)および酢酸エチル(150mL)を、外気に開放された乾燥反応フラスコの中で混合した。その混合物は、20分間室温で撹拌した。該混合物にメタノール(5mL)を添加して、過剰の2−イソシアナトエチルメタクリレートを急冷した。その混合物は濃縮し、次いで、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1)によって精製した。生成物は、該クロマトグラフィーにかけた後、酢酸エチル/ヘキサン(v/v:1/1)から結晶化して、濾過し、薄紫色の結晶(10g)として取り出した。マススペクトロメトリーによって、3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの分子量が確証される。
<実施例4>
・工程1
4−ヒドロキシベンゾフェノン(100g)、2−クロロエタノール(50g)、水酸化ナトリウム(20g)および水(500mL)を、反応フラスコ中で混合した。その混合物は、6時間の間還流しながら加熱した。油状層を分離し、次いで、冷却して結晶化させた。その結晶は、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄し、乾燥させて、灰色がかった白色の固体85gを生じさせた。生成物は、更に精製することなく使用した。
・工程2
工程1からの4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン(30g)は、反応フラスコに入れた無水ジメチルホルムアミド(250mL)に、オーバーヘッド撹拌を行いながら溶解させた。トルエンに入れたナトリウムアセチリドペースト(Sodium acetylide paste)(15g)を、該反応フラスコに、激しく撹拌しながら添加した。反応が終了した後、その混合物を水(500mL)に添加し、次いで、その溶液は、エチルエーテルで(500mLで2回)抽出した。それらの有機質層は、混合して、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いで、その溶液は、濾過し、濃縮し、次いで、黒ずんだ残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1)によって精製した。生成物は、白色固体(33g)として得られた。
・工程3
1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールに代えて、(工程2からの)1−フェニル−1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−プロピン−1−オールを使用したことを除き、実施例1の工程1の手順に従った。その生成物は、該クロマトグラフィーにかけた後、酢酸エチル/ヘキサン(v/v:1/1)から沈降させて、濾過し、薄黄色固体として取り出した。
・工程4
3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程3からの)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用し、かつ、3−ピペリジノメタノールに代えてピペリジンを使用したことを除き、実施例1の工程2の手順に従った。生成物は、暗緑色の発泡フォームとして得られた。
・工程5
3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程4からの)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例1の工程3の手順に従った。生成物は、薄黄色の発泡フォームとして得られた。マススペクトロメトリーによって、3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの分子量が確証される。
<実施例5>
・工程1
4−フルオロベンゾフェノン(30g)、ピペラジン(23g)、トリエチルアミン(23mL)、炭酸カリウム(22g)およびジメチルスルホキシド(50mL)を、反応フラスコの中で混合した。その混合物は、20時間の間還流しながら加熱した。この時間の後、該混合物は、冷却して、水の中に注いだ。そのスラリーは、クロロホルムで抽出し、次いで、クロロホルム相を水で2回洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その溶液を濃縮して、45gのオレンジ色の油状物が得られた。生成物は、更に精製することなく使用した。
・工程2
反応フラスコに入れたジメチルホルムアミド(50mL)に、工程1からの4−ピペラジノベンゾフェノンを溶解し、(トルエンに入れた9重量%の)過剰量のナトリウムアセチリドを少量ずつ(portion-wise)添加した。反応が終了した後、その混合物を水の中に注いだ。次いで、該混合物は酢酸エチルで抽出し、次いで、有機質層は、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その溶液は、濾過して、濃縮した。残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール(v/v):1/1)によって精製し、黄色の固体17gが生じた。
・工程3
2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オールに代えて、3,9−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オールを使用し、かつ、1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールに代えて、1−フェニル−1−(4−ピペラジノフェニル)−2−プロピン−1−オールを使用したことを除き、実施例1の工程1の手順に従った。生成物は、前記クロマトグラフィーにかけた後、アセトン/メタノール(v/v:1/1)から沈降させて、濾過し、薄緑色の固体として取り出した。
・工程4
工程3からのフェニル−3−(4−ピペラジノフェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(1g)、2−イソシアナトエチルメタクリレート(1.5mL)および酢酸エチル(30mL)を、乾燥反応フラスコ中で混合した。その混合物は、室温で1時間の間撹拌した。該混合物にメタノール(5mL)を添加して、過剰の2−イソシアナトエチルメタクリレートを急冷した。その混合物は濃縮し、次いで、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1)によって精製した。生成物は、緑色の発泡フォームとして得られた。マススペクトロメトリーによって、3−フェニル−3−(4−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの分子量が確証される。
<実施例6>
・工程1
4−フルオロベンゾフェノン(20g)および1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(40g)を、200mLのDMSOに入れて3時間の間160℃まで加熱した。その混合物を水(1リットル)の中に注ぎ、濾過を行って固体を回収した。該固体は、水で洗浄し、乾燥させ、ヘキサンでスラリー化し、次いで、再び乾燥させた。その灰色がかった白色の固体(25g)は、更に精製することなく、次工程で使用した。
・工程2
工程1からの4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−ベンゾフェノン(25g)を、反応フラスコに入れたジメチルホルムアミド(50mL)に溶解し、次いで、(トルエンに入れた9重量%の)過剰量のナトリウムアセチリドを、少量ずつに添加した。反応が終了した後、その混合物を水の中に注ぎ、次いで、濾過して白色固体(20g)として取り出した。
・工程3
2,3−ジメトキシ−7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オールに代えて、7,7−ジメチル−7H−ベンゾ[C]フルオレン−5−オールを使用し、かつ、1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールに代えて、(工程2からの)1−フェニル−1−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−プロピン−1−オール)を使用したことを除き、実施例1の工程2の手順に従った。生成物は、カラムクロマトグラフィーによって単離し、酢酸エチル/メタノール80/20(v/v)で溶離し、次いで、灰色がかった白色の固体として、メタノールから結晶化させた。
・工程4
3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程3からの)3−フェニル−3−(4−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例1の工程3の手順に従った。クロロホルム/メタノール90/10(v/v)を用い、次いで、酢酸エチル/メタノール95/5(v/v)を用いる、連続的なクロマトグラフ分離を行うことによって、薄紫色の発泡フォームとして単離される純粋な油状物が生じた。マススペクトロメトリーによって、3−フェニル−3−(4−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランの分子量が確証される。
<実施例7>
・工程1
1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールに代えて、1−フェニル−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを使用したことを除き、実施例1の工程1の手順に従った。生成物は、灰色がかった白色の結晶として得られた。
・工程2
3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程1からの)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用し、かつ、3−ピペリジノメタノールに代えて、4−ヒドロキシピペリジンを使用したことを除き、実施例1の工程2の手順に従った。前記クロマトグラフィーにかけた後、生成物は、エチルエーテル/メタノール/ヘキサン(1/1/1)から結晶化して、薄黄色の結晶を生じた。
・工程3
工程2からの3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(1g)、無水コハク酸(0.3g)、トリエチルアミン(0.5mL)およびトルエン(20mL)を、乾燥反応フラスコ中で混合した。その混合物は、7時間の間還流しながら加熱した。その溶液に水(50mL)を添加し、次いで、その混合物を分離した(partitioned)。トルエン層は、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その溶液は濃縮し、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):2/1)によって精製し、薄黄色の発泡フォーム(1.2g)が生じた。
・工程4
工程3からの3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(1.2g)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート(平均分子量360、1mL)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.7g)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(0.4g)および塩化メチレン(10mL)を、乾燥反応フラスコ中で混合した。その混合物は、5時間の間還流しながら加熱し、次いで、濾過した。その溶液は濃縮し、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(v/v):1/1)によって精製し、油状混合物(1.8g)が生じた。マススペクトロメトリーによって、それらの主成分は、化合物3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを含有するポリエチレングリコール鎖の中に5〜8個のエトキシ基を有することが示される。
<実施例8>
・工程1
3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(実施例1の工程2からの)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(3−ヒドロキシメチレンピペリジン)−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例7の工程3の手順に従った。生成物は、薄紫色の発泡フォームとして得られた。
・工程2
3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程1からの)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例7の工程4の手順に従った。生成物は、油状混合物として得られた。マススペクトロメトリーによって、それらの主成分は、3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを含有するエチレングリコール鎖の中に5〜8個のエトキシ基を有することが示される。
<実施例9>
・工程1
3−ピペリジンに代えて、モルホリンを使用したことを除き、実施例4の工程4の手順に従った。前記クロマトグラフィーにかけた後、生成物は、t−ブチルメチルエーテル/ヘキサン(2/1)から再結晶化して、灰色がかった白色の結晶を生じた。
・工程2
3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程1からの)3−フェニル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例7の工程3の手順に従った。生成物は、茶色の発泡フォームとして得られた。
・工程3
3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランに代えて、(工程2からの)3−フェニル−3−(4−(2−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)カルボキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを使用したことを除き、実施例7の工程4の手順に従った。生成物は、油状混合物として得られた。マススペクトロメトリーによって、それらの主成分は、3−フェニル−3−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピランを含有するエチレングリコール鎖の中に5〜8個のエトキシ基を有することが示される。
<実施例10:フォトクロミックポリマーのテストスクウェアの合成およびフォトクロミック性能試験>
・フォトクロミック性能試験
次のとおり、実施例1〜9のフォトクロミック物質のフォトクロミック性能を試験した。
1.5×10-3モル溶液を生じるように計算された量の、試験すべきフォトクロミック物質を、エトキシル化(ethoxylated)ビスフェノールAジメタクリレート(BPA 2EO DMA)4部と、ポリ(エチレングリコール)600ジメタクリレート1部と、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)0.033重量%と、のモノマー混合物50gの入っているフラスコに添加した。該フォトクロミック物質は、撹拌して穏やかに加熱することによって、該モノマー混合物の中に溶解した。澄明な溶液が得られた後、該溶液を、2.2mm×15.24cm(6インチ)×15.24cm(6インチ)の内部寸法を有する平板鋳型(flat sheet mold)の中に注いだ。該鋳型は、密封し、次いで、水平空気流のプログラム可能なオーブンであって、温度を5時間の間隔にわたって40℃から95℃まで上昇させ、温度を95℃に3時間の間維持し、次いで、その温度を少なくとも2時間にわたって60℃まで下げるようにプログラム化された該オーブンの中に置いた。この時間の後、前記メタクリレートの末端部にあるフォトクロミック染料を共重合して、シートにした。該鋳型を開放した後、ダイヤモンド・ブレードソー(diamond blade saw)を用いて、そのポリマーシートを、5.1cm(2インチ)の複数のテストスクウェア(test squares)に切断した。
上述のように調製した複数のフォトクロミック・テストスクウェアは、光学台(optical bench)上でフォトクロミック応答(photochromic response)について試験した。それらフォトクロミック・テストスクウェアは、光学台(optical bench)上で試験を行う前、約15分間、365nmの紫外線にさらして、該フォトクロミック物質を、不活性状態(または漂白状態)から活性状態(または着色状態)に変化させ、次いで、76℃のオーブン中に約15分間置いて、該フォトクロミック物質を再び漂白状態に戻した。次いで、それらテストスクウェアは、室温まで冷却し;室内蛍光灯に少なくとも2時間の間暴露し;次いで、24℃に維持された光学台の上で試験を行う前、少なくとも2時間の間、覆っておいた(即ち、暗環境にしておいた)。該光学台には、300ワットのキセノンアーク灯、遠隔操作シャッター、該アーク灯のための熱シンクとして作用するKG−2フィルタ、および、減光フィルタ(neutral density filter)を取り付けた。試験すべき前記スクウェアがおかれている試料保持器を、23℃に維持された水浴の中に置いた。タングステンランプからの平行光線(collimated beam of light)は、該スクウェアの法線に小角度(約30°)を成して該スクウェアを通過した。該タングステンランプからの該平行光線は、該スクウェアを通過した後、回収球体(collection sphere)に向けられ、散乱光および再混合光線(reblend light beam)が回収されるのを回避した。該平行光線は、該回収球体から、光ファイバーケーブルを経由して、オーシャンオプティクス(Ocean Optics)S2000分光光度計まで移動する。該分光光度計において、結果として得られるスペクトルは、試験されている前記フォトクロミック物質の可視部分のラムダ最大値(λmax-vis)で測定した。λmax-visは、テストスクウェア中の前記フォトクロミック化合物の活性形態(着色形態)の最大吸収が生じる可視スペクトルの波長である。λmax-vis波長は、バリアン・キャリー(Varian Cary)4000紫外−可視分光光度計で該フォトクロミック・テストスクウェアを試験することによって決定した。検出器からの出力信号は、放射計で処理した。
各々のテストスクウェアの飽和光学密度(saturated optical density)(Sat‘d OD)は、前記キセノン灯から前記シャッターを開放し;次いで、そのテストチップ(test chip)を紫外線に30分間暴露した後、透過率を測定する;ことによって決定した。キセノン光線は、この種の染料を測定するために1W/m2に設定したが、場合によっては、3W/m2の電力設定値を用いた。放射照度(irradiance)は、前記光源の減光フィルタを変化させ;かつ、ランプ出力を調節する;ことによって調整した。第1の退色半減期(First Fade Half Life)(T1/2)は、活性化用光の光源を取り外した後、諸テストスクウェア中のフォトクロミック物質の活性形態の吸光度が、室温(24℃)で飽和光学密度の吸光度値の1/2に到達する、秒単位の時間間隔である。試験を行った前記諸フォトクロミック物質に対する結果を、下の表1に記載する。
Figure 2008535849
<実施例11>
窒素雰囲気の下、2−ヒドロキシエチルメタクリレート91重量%と、メタクリル酸2.2重量%と、エチレングリコールジメタクリレート0.83重量%と、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.1重量%と、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.55重量%と、CGI819[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から市販されている、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド光開始剤]0.5重量%と、実施例2で作られたフォトクロミック化合物5.25重量%とのブレンドの約100mgを、グルカム(Glucam)E−20希釈剤[メチルD−グルコピラノシドを含有するポリ(オキシ−1,2−エタンジイル),α−ヒドロ−ω−ヒドロキシ−,エーテル;50重量部の割合で平均分子量1074g/モル;ケムロン社(Chemron Corporation)から市販されている]と混合して、50重量部の反応性モノマーにし、次いで、各々のフロントカーブ鋳型(front curve mold)の中に入れた。該フロントカーブ鋳型の上にバックカーブ鋳型(back curve mold)を置き、次いで、蛍光灯[フィリップス(Philips)のTLK03/40W]からの可視光の下、その混合物を約50℃で約20分間硬化させることによって、レンズを形成した。それらの鋳型は、該可視光から取り出してオーブンに入れて、70℃まで約3時間の間加熱した。オーブンからそれらの鋳型を取り出して、未だ熱い間に迅速にこじ開けた。EDTA二ナトリウム0.16重量%と、トゥイーン(Tween)(登録商標)80[オールドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)から市販されているポリオキエチレン(20)ソルビタンモノオレエート]0.02重量%との水溶液に、約70℃で約30分間それらの鋳型を浸漬することによって、該鋳型からそれらのレンズを取り外した。該レンズは、ホウ酸塩緩衝食塩溶液で洗浄した。最終のレンズは、形状が均一であった。
本記述は、本発明を明確に理解させることに関連する、本発明の諸態様を例示していることを理解すべきである。本記述を単純化するために、当業者には明らかであると思われる本発明の幾つかの態様であって、したがって、本発明の更なる理解を助長するとは思われない態様は、開示しなかった。本発明は、幾つかの具体例に関連して記述されてきたが、本発明は、開示された特定の諸具体例に限定される訳ではなく、特許請求の範囲に規定されるような本発明の趣旨および範囲に含まれる部分的変更を包含するように意図されている。
〔実施の態様〕
(1)フォトクロミック物質を含有しているフォトクロミック眼科用器具において、
前記フォトクロミック物質は、
フォトクロミック・ナフトピランと、
前記フォトクロミック・ナフトピランに結合した少なくとも1種の反応性置換基であって、各々の反応性置換基が独立して、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、および、
−D−J、
{式中、
(i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
(ii)各々の−D−は独立して、
(a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基である、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
(b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基である、アミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
であり、
(iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
(iv)各々の−G−は独立して、
(a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または、
(b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基である、ポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体であり、
(v)各々の−Jは独立して、反応性部分もしくはそれの残基を有する基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されていて、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である}の1つによって表される、少なくとも1種の反応性置換基と、
を含有している、眼科用器具。
(2)実施態様1に記載の眼科用器具において、
前記フォトクロミック・ナフトピランは、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、または、それらの混合物である、眼科用器具。
(3)実施態様1に記載の眼科用器具において、
各々の−Jは独立して、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基、またはエポキシ基である、眼科用器具。
(4)実施態様1に記載の眼科用器具において、
前記フォトクロミック物質は、再結晶化によって精製されている、眼科用器具。
(5)少なくとも1種のフォトクロミック物質を含有している眼科用器具において、
前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
PC−[R]r
{式中、
(a)PCは、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、または、それらの混合物であるフォトクロミック・ナフトピランを含有しており、
(b)rは、1〜4の範囲の整数であり、かつ
(c)各々のR基は独立して、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、ならびに、
−D−J、
{式中、
(i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
(ii)各々の−D−は独立して、
(a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基であるジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
(b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基であるアミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくはPCと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
であり、
(iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
(iv)各々の−G−は独立して、
(a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または
(b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基である、ポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体、
であり、
(v)各々の−Jは独立して、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基またはエポキシ基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されているという条件で、−Jは水素基である}の1つによって表される反応性置換基である}
によって表される、眼科用器具。
(6)実施態様5に記載の眼科用器具において、
rは、1または2である、眼科用器具。
(7)少なくとも1種のフォトクロミック物質、またはそれらの混合物を含有している、眼科用器具において、
前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
Figure 2008535849
{式中、
(a)R1は、反応性置換基R{式中、前記反応性置換基Rは、
−A−D−E−G−J、
−G−E−G−J、
−D−E−G−J、
−A−D−J、
−D−G−J、ならびに、
−D−J、
{式中、
−A−は、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
−D−は、脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基である、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体;あるいは、脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基である、アミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しているか、または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、であり、
−E−は、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
各々の−G−は独立して、−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である);または、脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基であるポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体;であり、
−Jは、アクリル基、メタクリル基、クロチル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基もしくはエポキシ基であるか;または、−Jが水素である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合しているという条件で、−Jは水素である}の1つによって表される}であるか;または、
1は、水素基;ヒドロキシル基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
(b)R1'は、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、しかも、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
(c)R2は、前記反応性置換基R;水素基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;もしくは、−OC(=O)R10[式中、R10は、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];であり、
(d)nは0〜4の範囲の整数であり、しかも、R3およびR4は、各々の存在に対して独立して、前記反応性置換基R;水素基;フルオロ基;クロロ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;または、−OC(=O)R10[式中、R10が、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基が、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];パラ位に配置された置換基を有するモノ置換フェニル基であって、前記置換基は、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾピリジル基、フルオレニル基、C1〜C8アルキルアリール基、C3〜C20シクロアルキル基、C4〜C20ビシクロアルキル基、C5〜C20トリシクロアルキル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基であり、しかも、前記アリール基は、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、R11およびR12は、前記窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロビシクロアルキル環もしくはC4〜C20ヘテロトリシクロアルキル環を形成している);次の構造式VA:
Figure 2008535849
[式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール)−、−C(アリール)2−および−C(R13)(アリール)−から選ばれており、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール)−であり、しかも、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基であり、mは整数1、2もしくは3であり、しかも、pは整数0、1、2もしくは3であり、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;次の構造式VBまたはVC:
Figure 2008535849
(式中、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、基R15およびR16は一緒になって、5〜8個の炭素原子の環を形成しており、更に、各々のR14は、各々の存在に対して独立して、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フルオロ基もしくはクロロ基であり、また、pは、整数0、1、2もしくは3である)の1つによって表される基;ならびに、無置換、モノ置換もしくは二置換のC4〜C18スピロ二環式アミン基、または、無置換、モノ置換および二置換のC4〜C18スピロ三環式アミン基であって、前記置換基は独立して、アリール基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基もしくはフェニル(C1〜C6)アルキル基である、前記のC4〜C18スピロ二環式アミン基またはC4〜C18スピロ三環式アミン基;であり、または、
6位のR3基および7位のR3基は一緒になって、VDおよびVE:
Figure 2008535849
(式中、TおよびT'は、それぞれ独立して、酸素基もしくは基−NR11−であり、R11、R15およびR16は、上記に開示される通りである)の1つによって表される基を形成しており、
(e)R5およびR6は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;アリル基;置換フェニル基もしくは無置換フェニル基;置換ベンジル基もしくは無置換ベンジル基;クロロ基;フルオロ基;基−C(=O)W'[式中、W'は、水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である];−OR18{式中、R18は、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基、C1〜C6クロロアルキル基、C1〜C6フルオロアルキル基、アリル基、または、基−CH(R19)Y'[式中、R19は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基であり、Y'は、CN、CF3もしくはCOOR20(式中、R20は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基である)である]であるか、または、R18は、基−C(=O)W''[式中、W''は、水素基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である]であり、しかも、前記のフェニル基、ベンジル基もしくはアリール基の置換基の各々は独立して、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である};または、モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位に配置された置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;であるか、または、
5およびR6は一緒になって、オキソ基;または、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環基(spiro-carbocyclic group)、もしくは、1〜2個の酸素原子とスピロ炭素原子を含む3〜6個の炭素原子とを含有するスピロ複素環基であって、0、1もしくは2個のベンゼン環で環付加されている、前記のスピロ炭素環基もしくはスピロ複素環基;を形成しており、しかも、
(f)BおよびB'は、それぞれ独立して、置換フェニル基;置換アリール基;置換9−ジュロリンジニル基(substituted 9-julolindinyl);ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた置換芳香族複素環基[ここで、前記のフェニル基、アリール基、9−ジュロリンジニル基もしくは芳香族複素環基の置換基が前記反応性置換基Rである];無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のフェニル基またはアリール基;9−ジュロリジニル基(9-julolidinyl);または、ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基であって、前記の芳香族複素環基、フェニル基およびアリール基の置換基の各々が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、基−C(=O)R21{式中、R21は、−OR22、−N(R23)R24、ピペリジノ基、モルホリノ基[式中、R22は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R23およびR24は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、もしくは、置換フェニル基であって前記フェニル基の置換基がC1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である置換フェニル基であり、しかも、前記ハロ(halo)置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である}、アリール基、モノ(C1〜C12)アルコキシアリール基、ジ(C1〜C12)アルコキシアリール基、モノ(C1〜C12)アルキルアリール基、ジ(C1〜C12)アルキルアリール基、ハロアリール基、C3〜C7シクロアルキルアリール基、C3〜C7シクロアルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基(C1〜C12)アルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、アリール(C1〜C12)アルキル基、アリール(C1〜C12)アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシ(C1〜C12)アルキル基、アリールオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペラジノ基、N−(C1〜C12)アルキルピペラジノ基、N−アリールピペラジノ基、アジリジノ基、インドリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基、ピロリジル基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12ハロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、モノ(C1〜C12)アルコキシ(C1〜C12)アルキル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基またはハロゲン基、無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基;ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリニル基、イミダゾリニル基、ピロリニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基およびアクリジニル基から選ばれている、無置換基もしくはモノ置換基であって、前記置換基の各々がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン基である、無置換基もしくはモノ置換基;モノ置換フェニル基であって、このフェニル基はパラ位に置換基が配置されている置換機を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基が、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;
Figure 2008535849
(式中、Kは−CH2−もしくは−O−であり;Mは−O−もしくは置換窒素(substituted nitrogen)であり;Mが置換窒素であり、Kが−CH2−であるという条件で、前記置換窒素の置換基は、水素基、C1〜C12アルキル基もしくはC1〜C12アクリル基であり;各々のR25は、各々の存在に対して独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン基から選ばれており;R26およびR27は、それぞれ独立して、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;また、uは、0〜2の範囲の整数である)の1つによって表される基;
Figure 2008535849
(式中、R28は、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;R29は、ナフチル基、フェニル基、フラニル基およびチエニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の基であって、前記置換基がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基もしくはハロゲン基である、無置換、モノ置換もしくはジ置換の基である)によって表される基;であるか、または、
前記フォトクロミック物質が少なくとも1つの反応性置換基Rを有しているという条件で、BおよびB'は一緒になって、フルオレン−9−イリデン基;モノ置換もしくはジ置換のフルオレン−9−イリデン基であって、前記のフルオレン−9−イリデン基の置換基の各々が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基およびハロゲン基から選ばれている、前記フルオレン−9−イリデン基;の1種を形成している}}によって表される、眼科用器具。
(8)実施態様7に記載の眼科用器具において、
前記フォトクロミック物質は、2つの反応性置換基Rを有している、眼科用器具。
(9)実施態様7に記載の眼科用器具において、
3は、構造体IIIまたは構造体IVの上の6位および7位に置換基を有しており、前記の6位および7位の置換基は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;−OR10{式中、R10は、水素基;C1〜C6アルキル基;もしくは、
(i)−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基である)、または、
(ii)次の構造式VA:
Figure 2008535849
[式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール基)−、−C(アリール基)2−および−C(R13)(アリール基)−から選ばれており、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール基)−であり(式中、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基である);mは整数1、2もしくは3であり;pは整数0、1、2もしくは3であり;しかも、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;である}である、眼科用器具。
(10)実施態様7に記載の眼科用器具において、
5およびR6は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;C1〜C6アルキル基;ヒドロキシ基;または、−OR18(式中、R18はC1〜C6アルキル基である);である、眼科用器具。
(11)実施態様1に記載の眼科用器具において、
少なくとも1種のポリマー材料の少なくとも一部分の中に組み込まれた前記フォトクロミック物質を含有する前記ポリマー材料で形成されている、眼科用器具。
(12)実施態様11に記載の眼科用器具において、
前記ポリマー材料は、親水性モノマー、親水性ポリマー、およびシリコーン成分を含有する成分で形成されている、眼科用器具。
(13)実施態様11に記載の眼科用器具において、
前記眼科用器具は、コンタクトレンズであり、
前記ポリマー材料は、ヒドロゲルを含有している、眼科用器具。
(14)実施態様1に記載の眼科用器具において、
前記フォトクロミック物質は、前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合されている、眼科用器具。
(15)実施態様14に記載のフォトクロミック物品において、
前記眼科用器具は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、および光学インサート(optical inserts)から成る群から選ばれている、フォトクロミック物品。
(16)実施態様1に記載の眼科用器具において、
ソフトコンタクトレンズである、眼科用器具。
(17)実施態様14に記載のフォトクロミック物品において、
前記眼科用器具は、ポリマー材料を有しており、
前記フォトクロミック物質は、前記ポリマー材料の少なくとも一部分と混合されたもの、および、前記ポリマー材料の少なくとも一部分に結合されたもの、の少なくとも一方である、フォトクロミック物品。
(18)実施態様17に記載の眼科用器具において、
前記フォトクロミック物質は、共重合によって、前記ポリマー材料の少なくとも一部分と結合している、眼科用器具。
(19)実施態様17に記載の眼科用器具において、
前記眼科用器具の表面の少なくとも一部分に、ポリマーコーティング材料の少なくとも一部のコーティングが結合しており、
前記ポリマーコーティング材料は、前記フォトクロミック物質を含有している、眼科用器具。
(20)実施態様1に記載のフォトクロミック眼科用器具を製造する方法において、
前記眼科用器具の少なくとも一部分に、前記フォトクロミック物質を結合させること、
を含む、方法。
(21)実施態様20に記載の方法において、
前記基体(substrate)は、ポリマー材料を有し、
結合させることは、
前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分と混合すること、および、前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分に結合させることの少なくとも一方によって、前記フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分の中に組み入れること、
を含む、方法。
(22)実施態様21に記載の方法において、
前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分と共重合させることによって、前記フォトクロミック物質を結合させる、方法。
(23)実施態様20に記載の方法において、
前記眼科用器具は、ポリマー材料を有し、
前記フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、前記フォトクロミック物質および前記ポリマー材料を現場鋳造すること(casting-in-place)を含む、方法。
(24)実施態様20に記載の方法において、
前記眼科用器具は、ポリマー材料を有し、
フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、前記フォトクロミック物質を含有する少なくとも一部のコーティングを前記眼科用器具の少なくとも一部分に施用することを含む、方法。
(25)実施態様24に記載の方法において、
前記フォトクロミック物質を含有する前記の少なくとも一部のコーティングを前記眼科用器具の少なくとも一部分に施用することは、浸漬被覆(dip coating)、スピン被覆(spin coating)、ロール被覆(roll coating)、スプレー被覆(spray coating)、カーテン被覆(curtain coating)、および鋳型内鋳造(in-mold casting)の1つを含む、方法。
(26)少なくとも1種のフォトクロミック物質を含有している眼科用器具において、
前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
(i)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(ii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(iii)3−フェニル−3−(4−(4−フェニルピペラジノ)フェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(iv)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(v)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(vi)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(vii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(viii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(ix)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(x)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xi)3−フェニル−3−(4−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xii)3−フェニル−3−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシフェニル−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xiii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xiv)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xv)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xvi)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xvii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
(xviii)3−フェニル−3−(4−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、および、
それらの組合せ、
から選らばれる、眼科用器具。
(27)実施態様11に記載のフォトクロミック組成物において、
前記フォトクロミック物品は、相補的フォトクロミック物質(complementary photochromic material)、光開始剤、熱開始剤、重合防止剤、溶媒、光安定剤、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レべリング剤(leveling agent)、フリーラジカル捕捉剤、接着促進剤、湿潤剤、相溶化成分(compatibilizing component)、薬剤、抗菌性化合物、反応性チント(reactive tint)、顔料、共重合性の染料および非重合性の染料(copolymerizable and nonpolymerizable dye)、ならびに、それらの混合物の少なくとも1種を含有している、フォトクロミック組成物。
(28)実施態様14に記載のフォトクロミック組成物において、
前記フォトクロミック物品は、相補的フォトクロミック物質、光開始剤、熱開始剤、重合防止剤、溶媒、光安定剤、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レべリング剤、フリーラジカル捕捉剤、接着促進剤、湿潤剤、相溶化成分、薬剤、抗菌性化合物、反応性チント、顔料、共重合性の染料および非重合性の染料、ならびに、それらの混合物の少なくとも1種を含有している、フォトクロミック組成物。
(29)実施態様14に記載の眼科用器具において、
前記眼科用器具は、前記フォトクロミック物質を含有する被覆組成物で被覆されている、眼科用器具。
本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質を合成するための反応スキームの概略図である。 本明細書に開示される様々な非限定的具体例によるフォトクロミック物質を合成するための反応スキームの概略図である。

Claims (29)

  1. フォトクロミック物質を含有しているフォトクロミック眼科用器具において、
    前記フォトクロミック物質は、
    フォトクロミック・ナフトピランと、
    前記フォトクロミック・ナフトピランに結合した少なくとも1種の反応性置換基であって、各々の反応性置換基が独立して、
    −A−D−E−G−J、
    −G−E−G−J、
    −D−E−G−J、
    −A−D−J、
    −D−G−J、および、
    −D−J、
    {式中、
    (i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
    (ii)各々の−D−は独立して、
    (a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基である、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
    (b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基である、アミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
    であり、
    (iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
    (iv)各々の−G−は独立して、
    (a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−
    (式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または、
    (b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基である、ポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくは前記フォトクロミック・ナフトピランと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体であり、
    (v)各々の−Jは独立して、反応性部分もしくはそれの残基を有する基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されていて、反応性部分を形成しているという条件で、−Jは水素基である}
    の1つによって表される、少なくとも1種の反応性置換基と、
    を含有している、眼科用器具。
  2. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    前記フォトクロミック・ナフトピランは、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、または、それらの混合物である、眼科用器具。
  3. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    各々の−Jは独立して、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基、またはエポキシ基である、眼科用器具。
  4. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    前記フォトクロミック物質は、再結晶化によって精製されている、眼科用器具。
  5. 少なくとも1種のフォトクロミック物質を含有している眼科用器具において、
    前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
    PC−[R]r
    {式中、
    (a)PCは、2H−ナフト[1,2−b]ピラン、3H−ナフト[2,1−b]ピラン、インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、インデノ[1',2':4,3]ナフト[2,1−b]ピラン、または、それらの混合物であるフォトクロミック・ナフトピランを含有しており、
    (b)rは、1〜4の範囲の整数であり、かつ
    (c)各々のR基は独立して、
    −A−D−E−G−J、
    −G−E−G−J、
    −D−E−G−J、
    −A−D−J、
    −D−G−J、ならびに、
    −D−J、
    {式中、
    (i)各々の−A−は独立して、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
    (ii)各々の−D−は独立して、
    (a)脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基であるジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体、または、
    (b)脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基であるアミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており;または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−もしくはPCと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、
    であり、
    (iii)各々の−E−は独立して、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
    (iv)各々の−G−は独立して、
    (a)−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−
    (式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である)、または
    (b)脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基である、ポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−もしくはPCと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体、であり、
    (v)各々の−Jは独立して、アクリル基、クロチル基、メタクリル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基またはエポキシ基であるか;または、−Jが水素基である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合されているという条件で、−Jは水素基である}
    の1つによって表される反応性置換基である}
    によって表される、眼科用器具。
  6. 請求項5に記載の眼科用器具において、
    rは、1または2である、眼科用器具。
  7. 少なくとも1種のフォトクロミック物質、またはそれらの混合物を含有している、眼科用器具において、
    前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
    Figure 2008535849
    {式中、
    (a)R1は、反応性置換基R{式中、前記反応性置換基Rは、
    −A−D−E−G−J、
    −G−E−G−J、
    −D−E−G−J、
    −A−D−J、
    −D−G−J、ならびに、
    −D−J、
    {式中、
    −A−は、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−もしくは−CH2−であり、
    −D−は、脂肪族ジアミン残基、脂環式ジアミン残基、ジアザシクロアルカン残基、アザシクロ脂肪族アミン残基、ジアザクラウンエーテル残基もしくは芳香族ジアミン残基である、ジアミン残基またはそれの誘導体であって、前記ジアミン残基の第1のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、前記ジアミン残基の第2のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成している、前記のジアミン残基またはそれの誘導体;あるいは、脂肪族アミノアルコール残基、脂環式アミノアルコール残基、アザシクロ脂肪族アルコール残基、ジアザシクロ脂肪族アルコール残基もしくは芳香族アミノアルコール残基である、アミノアルコール残基またはそれの誘導体であって、前記アミノアルコール残基のアミン窒素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基のアルコール酸素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しているか、または、前記アミノアルコール残基の前記のアミン窒素は、−E−、−G−もしくは−Jと結合を形成しており、かつ、前記アミノアルコール残基の前記のアルコール酸素は、−A−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成している、前記のアミノアルコール残基またはそれの誘導体、であり、
    −E−は、脂肪族ジカルボン酸残基、脂環式ジカルボン酸残基もしくは芳香族ジカルボン酸残基である、ジカルボン酸残基またはそれの誘導体であって、前記ジカルボン酸残基の第1のカルボニル基は、−G−もしくは−D−と結合を形成しており、かつ、前記ジカルボン酸残基の第2のカルボニル基は、−G−と結合を形成している、前記のジカルボン酸残基またはそれの誘導体であり、
    各々の−G−は独立して、−[(OC24x(OC36y(OC48z]−O−(式中、x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜50の間の数字であり、かつ、x、yおよびzの合計は、1〜50の範囲である);または、脂肪族ポリオール残基、脂環式ポリオール残基もしくは芳香族ポリオール残基であるポリオール残基またはそれの誘導体であって、前記ポリオール残基の第1のポリオール酸素は、−E−、−D−、構造体I、構造体II、構造体IIIもしくは構造体IVと結合を形成しており、かつ、前記ポリオール残基の第2のポリオール酸素は、−E−もしくは−Jと結合を形成している、前記のポリオール残基またはそれの誘導体;であり、
    −Jは、アクリル基、メタクリル基、クロチル基、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル基、2−(メタクリルオキシ)エトキシカルボニル基、4−ビニルフェニル基、ビニル基、1−クロロビニル基もしくはエポキシ基であるか;または、−Jが水素である場合、−Jは、基−D−もしくは−G−の酸素に結合しているという条件で、−Jは水素である}の1つによって表される}であるか;または、
    1は、水素基;ヒドロキシル基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
    (b)R1'は、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C3アルキル基;もしくは、基−C(=O)W{式中、Wは、−OR7、N(R8)R9、ピペリジノ基もしくはモルホリノ基[式中、R7は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、しかも、R8およびR9は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、モノ置換フェニル基もしくはジ置換フェニル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である};であり、
    (c)R2は、前記反応性置換基R;水素基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;もしくは、−OC(=O)R10[式中、R10は、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];であり、
    (d)nは0〜4の範囲の整数であり、しかも、R3およびR4は、各々の存在に対して独立して、前記反応性置換基R;水素基;フルオロ基;クロロ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;置換もしくは無置換フェニル基;−OR10;または、−OC(=O)R10[式中、R10が、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、もしくは、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基であり、しかも、前記フェニル置換基が、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である];パラ位に配置された置換基を有するモノ置換フェニル基であって、前記置換基は、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基、ナフチル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ベンゾピリジル基、フルオレニル基、C1〜C8アルキルアリール基、C3〜C20シクロアルキル基、C4〜C20ビシクロアルキル基、C5〜C20トリシクロアルキル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基であり、しかも、前記アリール基は、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、R11およびR12は、前記窒素原子と一緒になって、C3〜C20ヘテロビシクロアルキル環もしくはC4〜C20ヘテロトリシクロアルキル環を形成している);次の構造式VA:
    Figure 2008535849
    [式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール)−、−C(アリール)2−および−C(R13)(アリール)−から選ばれており、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール)−であり、しかも、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基であり、mは整数1、2もしくは3であり、しかも、pは整数0、1、2もしくは3であり、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;次の構造式VBまたはVC:
    Figure 2008535849
    (式中、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C6アルキル基、フェニル基もしくはナフチル基であり、または、基R15およびR16は一緒になって、5〜8個の炭素原子の環を形成しており、更に、各々のR14は、各々の存在に対して独立して、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、フルオロ基もしくはクロロ基であり、また、pは、整数0、1、2もしくは3である)の1つによって表される基;ならびに、無置換、モノ置換もしくは二置換のC4〜C18スピロ二環式アミン基、または、無置換、モノ置換および二置換のC4〜C18スピロ三環式アミン基であって、前記置換基は独立して、アリール基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基もしくはフェニル(C1〜C6)アルキル基である、前記のC4〜C18スピロ二環式アミン基またはC4〜C18スピロ三環式アミン基;であり、または、
    6位のR3基および7位のR3基は一緒になって、VDおよびVE:
    Figure 2008535849
    (式中、TおよびT'は、それぞれ独立して、酸素基もしくは基−NR11−であり、R11、R15およびR16は、上記に開示される通りである)の1つによって表される基を形成しており、
    (e)R5およびR6は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C3〜C7シクロアルキル基;アリル基;置換フェニル基もしくは無置換フェニル基;置換ベンジル基もしくは無置換ベンジル基;クロロ基;フルオロ基;基−C(=O)W'[式中、W'は、水素基;ヒドロキシ基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である];−OR18{式中、R18は、C1〜C6アルキル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C3〜C7シクロアルキル基、モノ(C1〜C4)アルキル置換C3〜C7シクロアルキル基、C1〜C6クロロアルキル基、C1〜C6フルオロアルキル基、アリル基、または、基−CH(R19)Y'[式中、R19は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基であり、Y'は、CN、CF3もしくはCOOR20(式中、R20は、水素基もしくはC1〜C3アルキル基である)である]であるか、または、R18は、基−C(=O)W''[式中、W''は、水素基;C1〜C6アルキル基;C1〜C6アルコキシ基;無置換、モノ置換もしくはジ置換のアリール基であるフェニル基もしくはナフチル基;フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェノキシ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェノキシ基;アミノ基;モノ(C1〜C6)アルキルアミノ基;ジ(C1〜C6)アルキルアミノ基;フェニルアミノ基;モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルキル置換フェニルアミノ基;または、モノ−もしくはジ−(C1〜C6)アルコキシ置換フェニルアミノ基である]であり、しかも、前記のフェニル基、ベンジル基もしくはアリール基の置換基の各々は独立して、C1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である};または、モノ置換フェニル基であって、このフェニル基は、パラ位に配置された置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基は、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;であるか、または、
    5およびR6は一緒になって、オキソ基;または、3〜6個の炭素原子を含有するスピロ炭素環基、もしくは、1〜2個の酸素原子とスピロ炭素原子を含む3〜6個の炭素原子とを含有するスピロ複素環基であって、0、1もしくは2個のベンゼン環で環付加されている、前記のスピロ炭素環基もしくはスピロ複素環基;を形成しており、しかも、
    (f)BおよびB'は、それぞれ独立して、置換フェニル基;置換アリール基;置換9−ジュロリンジニル基;ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた置換芳香族複素環基[ここで、前記のフェニル基、アリール基、9−ジュロリンジニル基もしくは芳香族複素環基の置換基が前記反応性置換基Rである];無置換、モノ置換、ジ置換もしくはトリ置換のフェニル基またはアリール基;9−ジュロリジニル基;または、ピリジル基、フラニル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、チエニル基、ベンゾチエン−2−イル基、ベンゾチエン−3−イル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾイル基、ベンゾピリジル基、インドリニル基およびフルオレニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基であって、前記の芳香族複素環基、フェニル基およびアリール基の置換基の各々が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、基−C(=O)R21{式中、R21は、−OR22、−N(R23)R24、ピペリジノ基、モルホリノ基[式中、R22は、アリル基、C1〜C6アルキル基、フェニル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル基、フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル(C1〜C3)アルキル基、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル基もしくはC1〜C6ハロアルキル基であり、R23およびR24は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基、C5〜C7シクロアルキル基、フェニル基、もしくは、置換フェニル基であって前記フェニル基の置換基がC1〜C6アルキル基もしくはC1〜C6アルコキシ基である置換フェニル基であり、しかも、前記ハロ置換基は、クロロ基もしくはフルオロ基である]である}、アリール基、モノ(C1〜C12)アルコキシアリール基、ジ(C1〜C12)アルコキシアリール基、モノ(C1〜C12)アルキルアリール基、ジ(C1〜C12)アルキルアリール基、ハロアリール基、C3〜C7シクロアルキルアリール基、C3〜C7シクロアルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基、C3〜C7シクロアルキルオキシ基(C1〜C12)アルキル基、C3〜C7シクロアルキルオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、アリール(C1〜C12)アルキル基、アリール(C1〜C12)アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシ(C1〜C12)アルキル基、アリールオキシ(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルキル基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアリール(C1〜C12)アルコキシ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルコキシアリール(C1〜C12)アルコキシ基、アミノ基、モノ−もしくはジ−(C1〜C12)アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ピペラジノ基、N−(C1〜C12)アルキルピペラジノ基、N−アリールピペラジノ基、アジリジノ基、インドリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基、ピロリジル基、C1〜C12アルキル基、C1〜C12ハロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、モノ(C1〜C12)アルコキシ(C1〜C12)アルキル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基またはハロゲン基である、無置換、モノ置換もしくはジ置換の芳香族複素環基;ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリニル基、イミダゾリニル基、ピロリニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基およびアクリジニル基から選ばれている、無置換基もしくはモノ置換基であって、前記置換基の各々がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、フェニル基またはハロゲン基である、無置換基もしくはモノ置換基;モノ置換フェニル基であって、このフェニル基はパラ位に配置されている置換基を有し、前記置換基が、ジカルボン酸残基もしくはそれの誘導体、ジアミン残基もしくはそれの誘導体、アミノアルコール残基もしくはそれの誘導体、ポリオール残基もしくはそれの誘導体、−CH2−、−(CH2t−もしくは−[O−(CH2tk−(式中、tは、整数2、3、4、5もしくは6であり、kは、1〜50の整数である)であり、しかも、前記置換基が、もう1つのフォトクロミック物質の上のアリール基に結合されている、モノ置換フェニル基;
    Figure 2008535849
    (式中、Kは−CH2−もしくは−O−であり;Mは−O−もしくは置換窒素であり;Mが置換窒素であり、Kが−CH2−であるという条件で、前記置換窒素の置換基は、水素基、C1〜C12アルキル基もしくはC1〜C12アクリル基であり;各々のR25は、各々の存在に対して独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基、ヒドロキシ基およびハロゲン基から選ばれており;R26およびR27は、それぞれ独立して、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;また、uは、0〜2の範囲の整数である)の1つによって表される基;
    Figure 2008535849
    (式中、R28は、水素基もしくはC1〜C12アルキル基であり;R29は、ナフチル基、フェニル基、フラニル基およびチエニル基から選ばれた無置換、モノ置換もしくはジ置換の基であって、前記置換基がC1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基もしくはハロゲン基である、無置換、モノ置換もしくはジ置換の基である)によって表される基;であるか、または、
    前記フォトクロミック物質が少なくとも1つの反応性置換基Rを有しているという条件で、BおよびB'は一緒になって、フルオレン−9−イリデン基;モノ置換もしくはジ置換のフルオレン−9−イリデン基であって、前記のフルオレン−9−イリデン基の置換基の各々が、独立して、C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシ基およびハロゲン基から選ばれている、前記フルオレン−9−イリデン基;の1種を形成している}}によって表される、眼科用器具。
  8. 請求項7に記載の眼科用器具において、
    前記フォトクロミック物質は、2つの反応性置換基Rを有している、眼科用器具。
  9. 請求項7に記載の眼科用器具において、
    3は、構造体IIIまたは構造体IVの上の6位および7位に置換基を有しており、前記の6位および7位の置換基は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;−OR10{式中、R10は、水素基;C1〜C6アルキル基;もしくは、
    (i)−N(R11)R12(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素基、C1〜C8アルキル基、フェニル基もしくはC1〜C20アルコキシアルキル基である)、または、
    (ii)次の構造式VA:
    Figure 2008535849
    [式中、各々のYは、各々の存在に対して独立して、−CH2−、−CH(R13)−、−C(R132−、−CH(アリール基)−、−C(アリール基)2−および−C(R13)(アリール基)−から選ばれており、Zは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−NH−、−N(R13)−もしくは−N(アリール基)−であり(式中、各々のR13は独立して、C1〜C6アルキル基であり、各々のアリール基は独立して、フェニル基もしくはナフチル基である);mは整数1、2もしくは3であり;pは整数0、1、2もしくは3であり;しかも、pが0である場合、ZはYである]によって表される窒素含有環;である}である、眼科用器具。
  10. 請求項7に記載の眼科用器具において、
    5およびR6は、それぞれ独立して、前記反応性置換基R;C1〜C6アルキル基;ヒドロキシ基;または、−OR18(式中、R18はC1〜C6アルキル基である);である、眼科用器具。
  11. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    少なくとも1種のポリマー材料の少なくとも一部分の中に組み込まれた前記フォトクロミック物質を含有する前記ポリマー材料で形成されている、眼科用器具。
  12. 請求項11に記載の眼科用器具において、
    前記ポリマー材料は、親水性モノマー、親水性ポリマー、およびシリコーン成分を含有する成分で形成されている、眼科用器具。
  13. 請求項11に記載の眼科用器具において、
    前記眼科用器具は、コンタクトレンズであり、
    前記ポリマー材料は、ヒドロゲルを含有している、眼科用器具。
  14. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    前記フォトクロミック物質は、前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合されている、眼科用器具。
  15. 請求項14に記載のフォトクロミック物品において、
    前記眼科用器具は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、および光学インサートから成る群から選ばれている、フォトクロミック物品。
  16. 請求項1に記載の眼科用器具において、
    ソフトコンタクトレンズである、眼科用器具。
  17. 請求項14に記載のフォトクロミック物品において、
    前記眼科用器具は、ポリマー材料を有しており、
    前記フォトクロミック物質は、前記ポリマー材料の少なくとも一部分と混合されたもの、および、前記ポリマー材料の少なくとも一部分に結合されたもの、の少なくとも一方である、フォトクロミック物品。
  18. 請求項17に記載の眼科用器具において、
    前記フォトクロミック物質は、共重合によって、前記ポリマー材料の少なくとも一部分と結合している、眼科用器具。
  19. 請求項17に記載の眼科用器具において、
    前記眼科用器具の表面の少なくとも一部分に、ポリマーコーティング材料の少なくとも一部のコーティングが結合しており、
    前記ポリマーコーティング材料は、前記フォトクロミック物質を含有している、眼科用器具。
  20. 請求項1に記載のフォトクロミック眼科用器具を製造する方法において、
    前記眼科用器具の少なくとも一部分に、前記フォトクロミック物質を結合させること、
    を含む、方法。
  21. 請求項20に記載の方法において、
    前記基体は、ポリマー材料を有し、
    結合させることは、
    前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分と混合すること、および、前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分に結合させることの少なくとも一方によって、前記フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分の中に組み入れること、
    を含む、方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、
    前記フォトクロミック物質を前記ポリマー材料の少なくとも一部分と共重合させることによって、前記フォトクロミック物質を結合させる、方法。
  23. 請求項20に記載の方法において、
    前記眼科用器具は、ポリマー材料を有し、
    前記フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、前記フォトクロミック物質および前記ポリマー材料を現場鋳造することを含む、方法。
  24. 請求項20に記載の方法において、
    前記眼科用器具は、ポリマー材料を有し、
    フォトクロミック物質を前記眼科用器具の少なくとも一部分に結合させることは、前記フォトクロミック物質を含有する少なくとも一部のコーティングを前記眼科用器具の少なくとも一部分に施用することを含む、方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、
    前記フォトクロミック物質を含有する前記の少なくとも一部のコーティングを前記眼科用器具の少なくとも一部分に施用することは、浸漬被覆、スピン被覆、ロール被覆、スプレー被覆、カーテン被覆、および鋳型内鋳造の1つを含む、方法。
  26. 少なくとも1種のフォトクロミック物質を含有している眼科用器具において、
    前記少なくとも1種のフォトクロミック物質は、
    (i)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (ii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (iii)3−フェニル−3−(4−(4−フェニルピペラジノ)フェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (iv)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (v)3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (vi)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (vii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (viii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−ピペリジノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (ix)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (x)3−フェニル−3−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエトキシ)フェニル)−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xi)3−フェニル−3−(4−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルピペラジン−1−イル)フェニル)−6,11−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xii)3−フェニル−3−(4−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシフェニル−6,7−ジメトキシ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xiii)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xiv)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(3−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシメチレンピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xv)3−フェニル−3−(4−モルホリノフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xvi)3−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−7−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシピペリジン−1−イル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xvii)3−フェニル−3−(4−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−(2−メタクリルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)カルボニルエチル)カルボキシエトキシ)フェニル)−6−メトキシ−7−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、
    (xviii)3−フェニル−3−(4−(4−(2−(2−メタクリルオキシエチル)カルバミルオキシエチル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2',3':3,4]ナフト[1,2−b]ピラン、および、
    それらの組合せ、
    から選らばれる、眼科用器具。
  27. 請求項11に記載のフォトクロミック組成物において、
    前記フォトクロミック物品は、相補的フォトクロミック物質、光開始剤、熱開始剤、重合防止剤、溶媒、光安定剤、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レべリング剤、フリーラジカル捕捉剤、接着促進剤、湿潤剤、相溶化成分、薬剤、抗菌性化合物、反応性チント、顔料、共重合性の染料および非重合性の染料、ならびに、それらの混合物の少なくとも1種を含有している、フォトクロミック組成物。
  28. 請求項14に記載のフォトクロミック組成物において、
    前記フォトクロミック物品は、相補的フォトクロミック物質、光開始剤、熱開始剤、重合防止剤、溶媒、光安定剤、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レべリング剤、フリーラジカル捕捉剤、接着促進剤、湿潤剤、相溶化成分、薬剤、抗菌性化合物、反応性チント、顔料、共重合性の染料および非重合性の染料、ならびに、それらの混合物の少なくとも1種を含有している、フォトクロミック組成物。
  29. 請求項14に記載の眼科用器具において、
    前記眼科用器具は、前記フォトクロミック物質を含有する被覆組成物で被覆されている、眼科用器具。
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