JPH11286484A - クロメン化合物 - Google Patents

クロメン化合物

Info

Publication number
JPH11286484A
JPH11286484A JP8760698A JP8760698A JPH11286484A JP H11286484 A JPH11286484 A JP H11286484A JP 8760698 A JP8760698 A JP 8760698A JP 8760698 A JP8760698 A JP 8760698A JP H11286484 A JPH11286484 A JP H11286484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
chromene
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8760698A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichiro Kawabata
雄一郎 川端
Tadashi Hara
忠司 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP8760698A priority Critical patent/JPH11286484A/ja
Publication of JPH11286484A publication Critical patent/JPH11286484A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のクロメン化合物に対して充分な発色濃度
を有し、かつ退色が速いクロメン化合物を得る。 【解決手段】ナフトピラン環の6位に置換されても良い
アミノ基を有し、3位の一方がメチル基であり、もう一
方が置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基または芳香
族複素環基である新規なクロメン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光もしくは水
銀灯の光のような紫外線を含む光の照射で着色した形態
に変化し、その変化が可逆的で高い発色濃度と良好な退
色速度を示し、さらに初期着色が小さい優れた新規なク
ロメン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来からいろいろな
化合物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性
は認められない。
【0003】米国特許第3567605号公報には、下
記式(A)で示されるクロメン化合物が記載されてい
る。
【0004】
【化3】
【0005】このクロメン化合物は室温付近(20〜3
0℃)においてフォトクロミック性を示すものの、紫外
線照射による発色濃度は低く、実用的ではない。
【0006】また、国際公開特許第9422850号公
報には、下記式(B)
【0007】
【化4】
【0008】で示されるクロメン化合物が開示されてい
る。この化合物は前記米国特許第3567605号公報
に記載の化合物に比べ発色濃度は増加しているものの、
溶媒あるいはマトリクス中に分散すると既にその一部が
発色した状態に変化する初期着色が大きく、退色速度も
不十分であるという課題を有しており、実用的ではなか
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来の化合物に比べて充分な発色濃度を有し、かつ
充分な退色速度を有するクロメン化合物を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたもので、本発明の新規なクロメ
ン化合物は十分な発色濃度を有し、充分な退色速度を有
しかつ初期着色が小さいという新たな知見に基づいて完
成されたものである。
【0011】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R1は下記式(2)
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R3及びR4は互いに異なっていて
も良い水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10
のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10の
芳香族炭化水素基又は複素環基である。)で示されるア
ミノ基又は、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とナフトピラン環とが結合している置換もしくは非置
換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環または
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、R2は置
換もしくは非置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素
環基である。〕で示されるクロメン化合物である。
【0016】また、他の発明は、上記クロメン化合物か
らなるフォトクロミック材であり、上記クロメン化合物
を含有してなるフォトクロミック光学材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で示される
クロメン化合物において、クロメン環の6位に存在する
置換基R1は下記式(2)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R3及びR4は互いに異なっていて
も良い水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10
のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10の
芳香族炭化水素基又は複素環基である。)で示されるア
ミノ基又は、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とナフトピラン環とが結合している置換もしくは非置
換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環または
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。
【0020】上記式(2)中の置換基R3及びR4は、置
換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換
もしくは非置換の炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又
は複素環基としては公知の基が何等制限なく用いられ
る。これらのアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環
基としては、炭素数が1〜4のアルキル基、もしくはベ
ンゼン環、ナフタレン環が好適である。また、これらの
アルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基の置換基と
しては、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等を挙
げることができる。
【0021】上記式(2)で示されるアミノ基を具体的
に例示すると、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロ
ピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエ
チルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(ヒ
ドロキシエチル)アミノ基、ジ(シアノメチル)アミノ
基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。置換
基R3及びR4は、互いに同じであっても異なっていても
良い。
【0022】窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とナフトピラン環とが結合している置換もしくは非置
換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環または
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基において、該複素
環基を構成する炭素原子数の数は2〜10であることが
好ましく、炭素数2〜6が好適である。環内にはナフト
ピラン環と結合している窒素原子の他に更にヘテロ原子
が存在していても良く、該ヘテロ原子は特に限定されな
いが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好適である。ま
た、該複素環基に縮合する芳香族炭化水素環または芳香
族複素環としては炭素数6〜10の芳香族炭化水素環及
び芳香族複素環を挙げることができる。これらとして
は、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環が好適であ
る。上記窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子に
よってナフトピラン環に結合している置換もしくは非置
換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環または
芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を具体的に例示す
ると、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ヘキサメチレン
イミノ基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ
基、モルホリノ基、2,6−ジメチルモルホリノ基、N
−メチルピペラジニル基、チオモルホリノ基、インドリ
ル基、メチルインドリル基、テトラヒドロキノリル基、
アジリジニル基等を挙げることができる。
【0023】前記一般式(1)において、ナフトピラン
環の3位にはメチル基及び置換基R2で示される置換も
しくは非置換の芳香族炭化水素基もしくは芳香族複素環
基が結合している。本発明のクロメン化合物は、これら
二つの基の組み合わせにより十分な発色濃度と退色速度
を有するようになる。ナフトピラン環の3位にメチル基
がない場合、良好なフォトクロ性を示さず、置換基R2
が芳香族炭化水素基または芳香族複素環基でない場合、
発色時の可視域の吸収が小さく発色濃度も低くなる。例
えば、ナフトピラン環の3位の両方がメチル基であるも
のは発色時の可視域の吸収が小さく、一方、両方が芳香
族炭化水素基であるものは十分な発色濃度を有するもの
の退色が遅く、いずれも実用性には乏しい。
【0024】前記一般式(1)の置換基R2は、置換も
しくは非置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基
である。芳香族炭化水素基としては特に限定されない
が、一般的には炭素数6ないし10の芳香族炭化水素基
が好ましい。該芳香族炭化水素基を具体的に例示する
と、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基を挙
げることができる。
【0025】また、芳香族複素環基としては特に限定さ
れないが、一般的には炭素数3ないし20,好ましくは
炭素数3ないし12の芳香族複素環基である。該芳香族
複素環基に含有されるヘテロ原子は特に限定されない
が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好適であり、その
数は1ないし3、好ましくは1ないし2である。芳香族
複素環基にヘテロ原子を複数個含有する場合、ヘテロ原
子はそれぞれ同種もしくは異種のヘテロ原子であって良
い。また、該芳香族複素環基には芳香族環が縮環してい
ても良い。縮環しても良い芳香族環としては、炭素数6
〜10の芳香族環を挙げることができ、ベンゼン環、ナ
フタレン環を挙げることができる。該芳香族複素環基を
具体的に例示すると、フリル基、チエニル基、ピローリ
ル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドール
基、キノリル基、イソキノリル基、ジベンゾフリル基、
カルバゾール基である。
【0026】上記置換基R2で示される芳香族炭化水素
基および芳香族複素環基は公知の置換基を有していても
よく、その種類に何ら制限はないが、好適には、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシアルキル基、アラルキル基、置
換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とナフトピラン環とが結合している置換もしくは非置
換の複素環基、アシロキシ基、ヒドロキシ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、ハロゲン原子、シアノ基、トリフルオロメチル
基、トリフルオロメトキシ基、ニトロ基等の置換基を挙
げることができる。上記芳香族炭化水素基および芳香族
複素環基の置換基の結合位置及び置換基数は特に限定さ
れないが、好適には置換基の数は0ないし4個、好まし
くは0ないし3個であり、これら置換基は同種もしくは
異種のものをなんら制限無く組み合わせて用いてもよ
い。
【0027】置換基R2で示される芳香族炭化水素基も
しくは芳香族複素環基の置換基であるアルキル基は特に
限定はされないが、一般的には炭素数1ないし10,好
ましくは1ないし4のアルキル基である。該アルキル基
を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基
等を挙げることができる。
【0028】また、アルコキシ基は特に限定はされない
が、一般的には炭素数1ないし10,好ましくは1ない
し4のアルコキシ基である。該アルコキシ基を具体的に
例示すると、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ
基等を挙げることができる。
【0029】アルコキシアルコキシ基は特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数2ないし20,好ましくは3
ないし10のアルコキシアルコキシ基である。該アルコ
キシアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキシエト
キシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、
メトキシブトキシ基等を挙げることができる。
【0030】アリールオキシ基は特に限定はされない
が、一般的には炭素数6ないし14,好ましくは6ない
し10のアリールオキシ基である。該アリールオキシ基
を具体的に例示すると、フェノキシ基、1−ナフトキシ
基、2−ナフトキシ基等を挙げることができる。
【0031】アルコキシアルキル基は特に限定は受けな
いが、一般的には炭素数2ないし10、好ましくは2な
いし6のアルコキシアルキル基である。該アルコキシア
ルキル基を具体的に例示すると、メトキシメチル基、エ
トキシメチル基、プロポキシメチル基、ジメトキシメチ
ル基、ブトキシメチル基等を挙げることができる。
【0032】アラルキル基は特に限定はされないが、一
般的には炭素数7から16好ましくは7から10のアラ
ルキル基である。該アラルキル基を具体的に例示する
と、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル
基、フェニルブチル基等をあげることができる。
【0033】アシロキシ基は特に限定はされないが、一
般的には炭素数1から15、好ましくは1から6のアシ
ロキシ基である。該アシロキシ基を具体的に例示する
と、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオ
キシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオ
キシ基等をあげることができる。
【0034】置換アミノ基は特に限定はされないが、一
般的には炭素数1から10のアルキル基、ヒドロキシ置
換アルキル基等の置換基を有するアミノ基があげられ
る。これらアミノ基の置換基は一緒になって環形成され
てもよい。該置換アミノ基を具体的に例示すると、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソ
プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、2−
ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(ヒドロキシエチル)ア
ミノ基等を挙げることができる。
【0035】窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とナフトピラン環とが結合している置換もしくは非置
換の複素環基は特に限定されないが、該複素環基を構成
する炭素原子数の数は2〜10であることが好ましく、
炭素数2〜6が好適である。環内にはナフトピラン環と
結合している窒素原子の他に更にヘテロ原子が存在して
いても良く、該ヘテロ原子は特に限定されないが、酸素
原子、硫黄原子、窒素原子が好適である。上記窒素原子
をヘテロ原子として有し該窒素原子によってナフトピラ
ン環に結合している置換もしくは非置換の複素環基を具
体的に例示すると、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ヘ
キサメチレンイミノ基、2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジノ基、モルホリノ基、2,6−ジメチルモルホ
リノ基、N−メチルピペラジニル基、チオモルホリノ基
等を挙げることができる。
【0036】アルコキシカルボニル基は特に限定はされ
ないが、一般的には炭素数1から10、好ましくは1か
ら7のアルコキシカルボニル基である。該アルコキシカ
ルボニル基を具体的に例示すると、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、(イソ)プロポキシカルボ
ニル基、(イソ、t−)ブチロキシカルボニル基等を挙
げることができる。
【0037】アシル基は特に限定はされないが、一般的
には炭素数1〜15、好ましくは1〜7のアシル基であ
る。該アシル基を具体的に例示すると、ホルミル基、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基
等を挙げることができる。
【0038】ハロゲン原子は特に限定はされないが、一
般的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
である。
【0039】前記一般式(1)中のR5はナフトピラン
環の5位、7位、8位、9位および10位に置換する置
換基であり、置換基の導入によって本発明の効果に大き
な影響はない。置換基としては、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、置換アミノ基、窒素原子をヘテロ原子として有し該
窒素原子とナフトピラン環とが結合している置換もしく
は非置換の複素環基、芳香族炭化水素基、アシロキシ
基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子等を挙げ
ることができる。上記の芳香族炭化水素基としては、炭
素数に特に制限されないが、一般には炭素数6〜14の
芳香族炭化水素基が好ましい。好適な芳香族炭化水素基
を例示すると、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナ
フチル基等を挙げることができる。その他の置換基は、
既にR2で示される置換もしくは非置換の芳香族炭化水
素基及び芳香族複素環基が有していても良い置換基につ
いて説明した基または原子と同様のものを用いることが
できる。
【0040】kは置換基R5の数であり、0〜4の整数
である。kの値は0〜4であればよいが、合成の都合
上、3以下であることが好ましく、さらに2以下である
ことがより好ましい。
【0041】本発明においては、下記式で示されるクロ
メン化合物が、実用的に充分な発色濃度を有し、しかも
退色速度が大きいために特に好適に使用できる。
【0042】
【化8】
【0043】式中R1は下記式(2)
【0044】
【化9】
【0045】(式中、R3及びR4は互いに異なっていて
も良い置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル
基である。)で示される置換アミノ基又は、窒素原子を
ヘテロ原子として有し該窒素原子とナフトピラン環とが
結合している置換もしくは非置換の炭素数2〜10の飽
和複素環基又は該飽和複素環基にベンゼン環が縮合した
炭素数6〜18の縮合複素環基であり、R2は置換もし
くは非置換のフェニル基、ナフチル基または、酸素原
子、硫黄原子、窒素原子をヘテロ原子として1個有し、
ベンゼン環の1個または2個と縮合していてもよい炭素
数3〜12の芳香族複素環基である。
【0046】さらに、下記式で示されるクロメン化合物
が、最も好適に使用できる。
【0047】
【化10】
【0048】式中R1は下記式(2)
【0049】
【化11】
【0050】(式中、R3及びR4は互いに異なっていて
も良い置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル
基である。)で示される置換アミノ基又は、置換もしく
は非置換の、ピロリジニル基、モルホリノ基、ピペリジ
ノ基、チオモルホリノ基、アジリジニル基、ピペラジニ
ル基、ヘキサメチレンイミノ基、インドリル基またはテ
トラヒドロキノリル基であり、R2は置換もしくは非置
換のフェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基、
ピローリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基であ
る。
【0051】本発明において好適なクロメン化合物を具
体的に例示すると、 1)3−メチル−6−ピペリジノ−3−(2−ナフチ
ル)−3H−ベンゾ(f)クロメン 2)3−メチル−6−ピペリジノ−3−フェニル−3H
−ベンゾ(f)クロメン 3)6−(1−ヘキサメチレンイミノ)−3−(4−メ
トキシフェニル)−3−メチル−3H−ベンゾ(f)ク
ロメン 4)3−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−3−
メチル−6−ピペリジノ−3H−ベンゾ(f)クロメン 5)3−(2−フリル)−3−メチル−6−モルホリノ
−3H−ベンゾ(f)クロメン 6)3−(2−ベンゾフリル)−3−メチル−6−モル
ホリノ−3H−ベンゾ(f)クロメン 7)3−(2,5−ジクロロ−3−チエニル)−3−メ
チル−6−(2,6−ジメチルモルホリノ)−3H−ベ
ンゾ(f)クロメン 8)3−(2,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル
−6−ピペリジノ−3H−ベンゾ(f)クロメン 9)6−ジエチルアミノ−3−(5−メトキシカルボニ
ル−2−チエニル)−3−メチル−3H−ベンゾ(f)
クロメン 10)3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−
3−メチル−6−(1−ピロリジニル)−3H−ベンゾ
(f)クロメン 11)3−(1−フルオロ−2−ナフチル)−3−メチ
ル−6−チオモルホリノ−3H−ベンゾ(f)クロメン 12)3−(4−アセトキシ−2−メトキシフェニル)
−3−メチル−−6−ピペリジノ−3H−ベンゾ(f)
クロメン 13)3−(2−シアノ−4−(2−メトキシエトキ
シ)フェニル)−3−メチル−6−ピペリジノ−3H−
ベンゾ(f)クロメン 14)3−(2−ベンゾチエノ)−3−メチル−6−モ
ルホリノ−3H−ベンゾ(f)クロメン 15)3−(5−ブロモ−2−フリル)−3−メチル−
6−(1−(4−メチルピペラジノ))−3H−ベンゾ
(f)クロメン 16)3−(2,6−ジメチルフェニル)−3−メチル
−6−(2−メチルインドリノ)−3H−ベンゾ(f)
クロメン 17)3−(4−イソプロポキシ−2−トリフルオロメ
チルフェニル)−3−メチル−6−モルホリノ−3H−
ベンゾ(f)クロメン (但し、上記クロメン化合物の通し番号は実施例1〜1
7の化合物Noに対応する。)等のクロメン化合物を挙
げることができる。
【0052】本発明の前記一般式(1)で示される化合
物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色の固体、
または粘調な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)の
ような手段でその構造を確認できる。
【0053】(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、δ6.0〜9.0
ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケンの
プロトンに基づくピーク、δ0.8〜5.0ppm付近
にアルキル基、及びアルキレン基のプロトンに基づくピ
ークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対
的に比較することにより、それぞれの結合基のプロトン
の個数を知ることができる。
【0054】(ロ)元素分析によって相当する生成物の
組成を決定することができる。
【0055】(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(13
−NMR)を測定することによって、δ110〜160
ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、
δ80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づくピ
ーク、δ20〜80ppm付近にアルキル基及びアルキ
レン基の炭素に基づくピークが現れる。
【0056】本発明の一般式(1)で示される化合物の
製造方法は、特に限定されず、いかなる合成法によって
得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方法につ
いて以下に説明する。
【0057】まず、原料として下記一般式(3)
【0058】
【化12】
【0059】(但し、一般式(3)における置換基
1、R5及びkは一般式(1)における置換基R1、R5
及びkと同義である。)で示されるナフトール誘導体
と、下記一般式(4)
【0060】
【化13】
【0061】(但し、一般式(4)における置換基R2
は一般式(1)における置換基R2と同義である。)で
示されるプロパギルアルコールとを酸触媒存在下で反応
させる。
【0062】上記一般式(3)及び一般式(4)で示さ
れる各化合物は、その合成法に特に限定されず、例えば
国際公開特許第9422870号公報記載の方法によっ
て合成することができる。
【0063】上記一般式(3)で示されるナフトール誘
導体は、例えば、2−ナフトールと塩素との反応により
1,1−ジクロロ−2−ナフタレノンを合成し、次いで
トリエチルアミン等の塩基存在下で上記一般式(1)に
おける置換基R1を有する二級あるいは一級アミンとを
反応させて1−クロロ−2−ナフトール誘導体を合成
し、さらにラネーニッケル等の還元剤との反応により合
成可能である。2−ナフトールの3位、5位、6位、7
位、8位に置換基を有する2−ナフトールを使用した場
合には、ナフトピラン環の5位、7位、8位、9位、1
0位に置換基を有するクロメン化合物が合成可能であ
る。また上記一般式(4)で示されるプロパギルアルコ
ール誘導体は、例えば、上記一般式(1)における置換
基R2に対応する置換基を有するベンゾフェノン誘導体
とリチウムアセチリド等の金属アセチレン化合物とを反
応により合成できる。
【0064】一般式(3)で示される化合物と一般式
(4)で示される化合物との反応は、通常次のようにし
て行われる。即ち、これら2種の化合物の反応比率は広
い範囲から採用されるが、一般には1:10〜10:1
(モル比)の範囲から選択される。また、酸触媒として
は硫酸、ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン
酸、酸性アルミナ等が用いられ、上記一般式(3)と
(4)で示される反応基質の総和100重量部に対して
0.1〜20重量部の範囲で用いられる。反応温度は、
通常0〜200℃が好ましく、反応溶媒としては、非プ
ロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、
トルエン等が使用される。得られた反応混合物は、通常
の処理、例えば必要に応じてろ過、中和、抽出、水洗、
乾燥、濃縮等の処理を行い固体状もしくはオイル状の目
的物の粗生成物を得る。
【0065】目的物の粗生成物は必要に応じ、貧溶媒に
よる洗浄あるいは再結晶、カラムクロマトグラフ処理、
あるいは吸着剤処理等による精製を行う。
【0066】洗浄もしくは再結晶に用いられる溶媒は、
一般的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル
類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等の脂
肪族ハロゲン化炭化水素;クロロベンゼン等の芳香族ハ
ロゲン化炭化水素、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等のカーボネート類;アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル
類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類等の中から必要に応じて選択できる。これらの
溶媒は単一で使用してもよく、必要に応じて2種の溶媒
を任意の割合で混合して使用してもよい。溶媒は目的物
の粗生成物100重量部に対して通常500〜5000
0重量部の範囲で使用される。溶媒の使用温度は一般的
には−20〜200℃の間が好ましく、不純物の除去の
効率を向上させるために前記温度範囲の中で変化させて
も良い。
【0067】カラムクロマトグラフ処理に用いられる担
体は一般的にシリカゲルあるいは酸性、中性、塩基性ア
ルミナ、活性炭が使用され、その使用量は目的物の粗生
成物100重量部に対して500〜50000重量部の
範囲で使用される。移動相は一般的に前述の溶媒の範囲
から使用され、移動相は単一もしくは2種以上の溶媒を
任意の割合で混合して使用しても良い。
【0068】吸着剤処理には、一般的に活性炭、シリカ
ゲル、あるいは酸性、中性、塩基性アルミナ、イオン交
換樹脂、ゼオライト、けいそう土、モンモリロナイト等
の吸着剤が使用される。使用量は通常粗生成物100重
量部に対して1〜5000重量部の範囲で使用される。
吸着剤処理を効率的に行うために前述の溶媒の中の任意
の溶媒によって粗生成物を溶解させる量以上で行い、溶
媒の溶解量にもよるが通常粗生成物100重量部に対し
て500〜30000重量部の範囲から選ばれる。吸着
剤処理温度は通常0〜100℃の範囲の中から選ばれ
る。
【0069】本発明の前記一般式(1)で示されるクロ
メン化合物はトルエン、クロロホルム、テトラヒドロフ
ラン等の一般の有機溶媒に対して溶解させたとき、一般
に溶液はほぼ無色透明から薄い着色を有する程度であ
り、太陽光、あるいは紫外線を照射すると速やかに発色
し、光を遮断すると元の無色に戻る良好な可逆的なフォ
トクロミック作用を呈する。
【0070】このような一般式(1)の化合物における
フォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中で
も同様な特性を示す。高分子固体マトリックスとして
は、本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物が
均一に分散するものであればよく、光学的に好ましく
は、例えば、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エ
チル、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸
エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキサ
ン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げることが
できる。
【0071】さらにエチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレ
ート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロ
パン等の多価アクリル酸エステル化合物及び多価メタク
リル酸エステル化合物;ジアリルフタレート、ジアリル
テレフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジア
リル、エポキシこはく酸ジアリル、ジアリルフマレー
ト、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、
ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボネー
ト、トリメチロールプロパントリアリルカーボネート等
の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチ
オ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエーテル)、
1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等
の多価チオアクリル酸エステル化合物及び多価チオメタ
クリル酸エステル化合物;グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタク
リレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシ
ジルオキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピル
オキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の多
官能アクリル酸エステル化合物及び多官能メタクリル酸
エステル化合物;ジビニルベンゼン等のラジカル重合性
多官能単量体等を重合してなる熱硬化性樹脂を挙げるこ
とができる。
【0072】また、これらの各単量体とアクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステ
ル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等の
フマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベ
ンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート
等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合
物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニ
ルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモス
チレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量
体との共重合体が挙げられる。
【0073】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方
法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いること
ができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物
を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、また
は、上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた
後、重合触媒を加え、熱または光にて重合させ樹脂中に
分散させる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂、及び熱硬
化性樹脂の表面にクロメン化合物を染色することにより
樹脂中に分散させる方法等を挙げることができる。
【0074】本発明のクロメン化合物はフォトクロミッ
ク材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光剤に変
わる各種の感光材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線
管用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用
感光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その
他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック
材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料等の光学材料、ディスプレイ材料、光量計、装飾等の
材料としても利用できる。
【0075】例えば、フォトクロミックレンズに使用す
る場合には、均一な調光材料が得られる方法であれば特
に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフォ
トクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィルム
をレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本発
明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の方法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えば、シリコーンオイル中に溶解して150〜
200℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、
さらにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミッ
クレンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマー
フィルムをレンズ表面に貼付し、その表面を硬化性物質
で被覆し、フォトクロミックレンズにすることもでき
る。
【0076】
【発明の効果】本発明のクロメン化合物は、溶液中また
は高分子固体マトリックス中で高い発色濃度と良好な退
色速度を示す。さらに、初期着色も小さい。例えば、本
発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミックレンズ
は発色前の初期着色が小さく、太陽光もしくは紫外光照
射により発色して優れた遮光性を示し、また発色後のレ
ンズは照射を止めると速やかに元の状態に戻る。
【0077】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0078】実施例1 下記化合物
【0079】
【化14】
【0080】2.29gと、下記化合物
【0081】
【化15】
【0082】2.20gとをトルエン60mlに溶解
し、さらに酸性アルミナを23g加えて2時間還流し
た。反応後、アルミナをろ過し、溶媒を留去後、クロロ
ホルムを移動相に使用したシリカゲル上でのクロマトグ
ラフ処理を行い、淡黄色粉末状の生成物1.62gを得
た。
【0083】この生成物の元素分析値はC85.85
%、H6.72%、N3.50%、O4.03%、であ
って、C2927NOの計算値であるC85.89%、H
6.71%、N3.45%、O3.95%に極めてよく
一致した。
【0084】また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ6.0〜9.0ppm付近にアロマテ
ィックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づく14
Hのピーク及びδ1.0〜3.5ppm付近にピペリジ
ノ基及びメチル基に基づく13Hのピークを示した。
【0085】さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測
定したところ、δ110〜160ppm付近に芳香族環
の炭素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にア
ルケンの炭素に基づくピークを示した。
【0086】上記の結果から単離生成物は、下記構造式
(5)で示される化合物であることを確認した(化合物
No.1)。
【0087】
【化16】
【0088】実施例2〜17 実施例1と同様にして表1に示したクロメン化合物を合
成した。得られた生成物について実施例1と同様な構造
確認の手段を用いて構造解析した結果、表1に示す構造
式で示される化合物であることを確認した。また、表2
にこれらの化合物の元素分析値の実験値及び各化合物の
構造式からもとめた計算値並びに1H−NMRスペクト
ルの特徴的なスペクトルを示した。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【0098】実施例18 実施例1で得られたクロメン化合物0.05部をテトラ
エチレングリコールジメタクリレート70部、トリエチ
レングリコールジメタクリレート15部、グリシジルメ
タクリレート10部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート5部に添加し、十分に混合した。この混合液をガラ
ス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケッ
トで構成された鋳型の中に注入し、注型重合を行った。
重合は空気炉を使用し、30℃〜90℃まで、18時間
かけて徐々に温度を上げていき、90℃で2時間保持し
た。重合終了後、重合体を鋳型のガラス型から取り外し
た。
【0099】得られた重合体(厚み2mm)に浜松ホト
ニクス製のキセノンランプL−2480(300W)S
HL−100をエアロマスフィルター(コーニング社
製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度
365nm=2.4mW/cm2、245nm=24μ
W/cm2で120秒間照射して発色させ、下記の各種
フォトクロミック特性を測定した。
【0100】・最大吸収波長(λmax:単位nm):
(株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャン
ネルフォトディテクター;MCPD1000)により、
この重合体の発色後のλmaxを求めた。
【0101】・ε(120):最大吸収波長におけるこ
の重合体の上記条件下での照射120秒間後の吸光度。
【0102】・初期着色(ε(0)):光を照射したと
きの最大吸収波長と同じ波長での未照射状態の重合体の
吸光度。
【0103】・発色濃度:ε(120)−ε(0)を求
め、発色濃度とした。
【0104】・退色速度(τ1/2:単位min):上
記条件下で光を120秒照射後、この重合体の最大吸収
波長における吸光度が[ε(120)−ε(0)]の1
/2まで低下するのに要する時間。
【0105】測定した結果を表3に示した。
【0106】実施例19〜34,比較例1〜3 実施例19〜34として、クロメン化合物として実施例
2ないし17で得られた化合物を用いた以外は、上記と
同様にしてフォトクロミック重合体を得、それらの特性
を表3に示した。
【0107】さらに比較のために、比較例1、2、3と
して、クロメン化合物として下記式(A)、(B)、
(C)で示される化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を表3に示
した。
【0108】
【化17】
【0109】
【化18】
【0110】
【化19】
【0111】
【表10】
【0112】比較例1の重合体は、退色速度が速く初期
着色も小さいが、発色濃度が低い。また、比較例2の重
合体は、発色濃度は充分高いが、退色速度が遅く初期着
色も大きい。比較例3の重合体は、退色速度が遅いうえ
に、発色濃度が低く初期着色も大きい。これに対して、
実施例においては、高い発色濃度と良好な退色速度を示
すうえ、初期着色も小さくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の化合物のプロトン核磁気共鳴スペ
クトルである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔式中、R1は下記式(2) 【化2】 (式中、R3及びR4は互いに異なっていても良い水素原
    子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル
    基、置換もしくは非置換の炭素数6〜10の芳香族炭化
    水素基又は複素環基である。)で示されるアミノ基又
    は、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とナフ
    トピラン環とが結合している置換もしくは非置換の複素
    環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環または芳香族複
    素環が縮合した縮合複素環基であり、R2は置換もしく
    は非置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であ
    り、R5は置換基であり、kはR5の個数を示す0〜4の
    整数であり、kが2以上のときはR5は同一または異な
    る基であってよい。〕で示されるクロメン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1で示されるクロメン化合物から
    なるフォトクロミック材。
  3. 【請求項3】 請求項1で示されるクロメン化合物を含
    有してなるフォトクロミック光学材料。
JP8760698A 1998-03-31 1998-03-31 クロメン化合物 Pending JPH11286484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8760698A JPH11286484A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 クロメン化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8760698A JPH11286484A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 クロメン化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11286484A true JPH11286484A (ja) 1999-10-19

Family

ID=13919637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8760698A Pending JPH11286484A (ja) 1998-03-31 1998-03-31 クロメン化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11286484A (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008001578A1 (fr) 2006-06-30 2008-01-03 Hoya Corporation Film photochrome, lentilles photochromes ayant ce dernier et procédé de fabrication d'une lentille photochrome
EP1918335A1 (en) 2002-12-05 2008-05-07 Tokuyama Corporation Coating composition and optical articles
WO2008105306A1 (ja) 2007-02-22 2008-09-04 Tokuyama Corporation コーティング組成物およびフォトクロミック光学品
WO2009075388A1 (ja) 2007-12-13 2009-06-18 Tokuyama Corporation フォトクロミック硬化性組成物
WO2010114004A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Hoya株式会社 フォトクロミックレンズ製造システム、フォトクロミックレンズ製造装置、フォトクロミックレンズの製造プログラム、フォトクロミックレンズの製造プログラムが記録された記録媒体及びフォトクロミックレンズ製造方法
WO2010114012A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Hoya株式会社 フォトクロミックレンズ製造システム、フォトクロミックレンズ製造装置、フォトクロミックレンズの製造プログラム、フォトクロミックレンズの製造プログラムが記録された記録媒体及びフォトクロミックレンズ製造方法
WO2010134464A1 (ja) 2009-05-20 2010-11-25 株式会社トクヤマ コーティング組成物および光学物品
WO2011125956A1 (ja) 2010-04-01 2011-10-13 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2012018070A1 (ja) 2010-08-06 2012-02-09 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
WO2012141250A1 (ja) 2011-04-13 2012-10-18 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
WO2012144460A1 (ja) 2011-04-18 2012-10-26 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物、及び該組成物を使用した光学物品
WO2013008825A1 (ja) 2011-07-11 2013-01-17 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2013058218A1 (ja) 2011-10-17 2013-04-25 株式会社トクヤマ (メタ)アクリレート化合物、及び該(メタ)アクリレート化合物を含むフォトクロミック硬化性組成物
WO2013099640A1 (ja) 2011-12-26 2013-07-04 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
US8557377B2 (en) 2006-01-24 2013-10-15 Tokuyama Corporation Photochromic optical element
WO2013161642A1 (ja) 2012-04-27 2013-10-31 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2014136919A1 (ja) 2013-03-04 2014-09-12 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2014136804A1 (ja) 2013-03-04 2014-09-12 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物、その硬化体及びその硬化体を含む積層体
WO2019189875A1 (ja) 2018-03-30 2019-10-03 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 光学物品
WO2019189855A1 (ja) 2018-03-30 2019-10-03 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 光学物品
WO2019198664A1 (ja) 2018-04-12 2019-10-17 株式会社トクヤマ フォトクロミック光学物品及びその製造方法
WO2020204176A1 (ja) 2019-04-03 2020-10-08 株式会社トクヤマ フォトクロミック光学物品およびその製造方法
WO2021172513A1 (ja) 2020-02-28 2021-09-02 株式会社トクヤマ 湿気硬化型ポリウレタン組成物及び積層体
WO2021241596A1 (ja) 2020-05-28 2021-12-02 株式会社トクヤマ 光学材料用化合物、硬化性組成物、硬化体、及び光学物品
WO2022158348A1 (ja) 2021-01-25 2022-07-28 株式会社トクヤマ 樹脂組成物、光学積層体、光学物品、レンズ及び眼鏡

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1918335A1 (en) 2002-12-05 2008-05-07 Tokuyama Corporation Coating composition and optical articles
US8557377B2 (en) 2006-01-24 2013-10-15 Tokuyama Corporation Photochromic optical element
WO2008001578A1 (fr) 2006-06-30 2008-01-03 Hoya Corporation Film photochrome, lentilles photochromes ayant ce dernier et procédé de fabrication d'une lentille photochrome
WO2008105306A1 (ja) 2007-02-22 2008-09-04 Tokuyama Corporation コーティング組成物およびフォトクロミック光学品
WO2009075388A1 (ja) 2007-12-13 2009-06-18 Tokuyama Corporation フォトクロミック硬化性組成物
WO2010114004A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Hoya株式会社 フォトクロミックレンズ製造システム、フォトクロミックレンズ製造装置、フォトクロミックレンズの製造プログラム、フォトクロミックレンズの製造プログラムが記録された記録媒体及びフォトクロミックレンズ製造方法
WO2010114012A1 (ja) 2009-03-31 2010-10-07 Hoya株式会社 フォトクロミックレンズ製造システム、フォトクロミックレンズ製造装置、フォトクロミックレンズの製造プログラム、フォトクロミックレンズの製造プログラムが記録された記録媒体及びフォトクロミックレンズ製造方法
WO2010134464A1 (ja) 2009-05-20 2010-11-25 株式会社トクヤマ コーティング組成物および光学物品
WO2011125956A1 (ja) 2010-04-01 2011-10-13 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2012018070A1 (ja) 2010-08-06 2012-02-09 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
WO2012141250A1 (ja) 2011-04-13 2012-10-18 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
WO2012144460A1 (ja) 2011-04-18 2012-10-26 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物、及び該組成物を使用した光学物品
WO2013008825A1 (ja) 2011-07-11 2013-01-17 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2013058218A1 (ja) 2011-10-17 2013-04-25 株式会社トクヤマ (メタ)アクリレート化合物、及び該(メタ)アクリレート化合物を含むフォトクロミック硬化性組成物
WO2013099640A1 (ja) 2011-12-26 2013-07-04 株式会社トクヤマ フォトクロミック組成物
WO2013161642A1 (ja) 2012-04-27 2013-10-31 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2014136919A1 (ja) 2013-03-04 2014-09-12 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物
WO2014136804A1 (ja) 2013-03-04 2014-09-12 株式会社トクヤマ フォトクロミック硬化性組成物、その硬化体及びその硬化体を含む積層体
US9890324B2 (en) 2013-03-04 2018-02-13 Tokuyama Corporation Photochromic curable composition, cured product thereof and laminate including the cured product
WO2019189875A1 (ja) 2018-03-30 2019-10-03 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 光学物品
WO2019189855A1 (ja) 2018-03-30 2019-10-03 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 光学物品
WO2019198664A1 (ja) 2018-04-12 2019-10-17 株式会社トクヤマ フォトクロミック光学物品及びその製造方法
WO2020204176A1 (ja) 2019-04-03 2020-10-08 株式会社トクヤマ フォトクロミック光学物品およびその製造方法
WO2021172513A1 (ja) 2020-02-28 2021-09-02 株式会社トクヤマ 湿気硬化型ポリウレタン組成物及び積層体
WO2021241596A1 (ja) 2020-05-28 2021-12-02 株式会社トクヤマ 光学材料用化合物、硬化性組成物、硬化体、及び光学物品
WO2022158348A1 (ja) 2021-01-25 2022-07-28 株式会社トクヤマ 樹脂組成物、光学積層体、光学物品、レンズ及び眼鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3982770B2 (ja) クロメン化合物
JPH11286484A (ja) クロメン化合物
JP4157245B2 (ja) クロメン化合物
JP3801386B2 (ja) クロメン化合物
JP4256985B2 (ja) クロメン化合物
JP4118458B2 (ja) クロメン化合物
JP4157239B2 (ja) クロメン化合物
JP4157227B2 (ja) クロメン化合物
JP4301621B2 (ja) クロメン化合物
JPH11322739A (ja) クロメン化合物
JP4157225B2 (ja) クロメン化合物
JP4663523B2 (ja) クロメン化合物
KR101853318B1 (ko) 크로멘 화합물
JPH11279171A (ja) クロメン化合物
JP2000219686A (ja) クロメン化合物
JP2000229974A (ja) クロメン化合物
JP2000229973A (ja) クロメン化合物
JPH08295690A (ja) クロメン化合物
JP2000256347A (ja) クロメン化合物
KR101864188B1 (ko) 크로멘 화합물 및 경화성 조성물
JP2001011067A (ja) クロメン化合物
JP2000229972A (ja) クロメン化合物
JP2000229975A (ja) クロメン化合物
JPH09124645A (ja) クロメン化合物
EP1054010B1 (en) Chromene compound