JP2003277381A - クロメン化合物 - Google Patents
クロメン化合物Info
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- JP2003277381A JP2003277381A JP2002083792A JP2002083792A JP2003277381A JP 2003277381 A JP2003277381 A JP 2003277381A JP 2002083792 A JP2002083792 A JP 2002083792A JP 2002083792 A JP2002083792 A JP 2002083792A JP 2003277381 A JP2003277381 A JP 2003277381A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 初期着色が小さく、退色速度が速く、耐久性
が良く、且つ中間色の色調に発色するクロメン化合物を
提供すること。 【解決手段】 例えば下記式 【化1】 で示されるクロメン化合物のように、2位の炭素に2つ
の置換基を有するクロメンのベンゾ環にその7位と8位
の炭素原子を共有するように芳香族環等が縮環し、更に
当該クロメンのベンゾ環に “N原子にアシルオキシ
基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基、ハ
ロゲノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノア
ラルコキシ基等の特定の置換基が結合したインドレノ
環”がその2位と3位の炭素原子がそれぞれクロメンの
ベンゾ環の5位と6位の炭素原子となるように縮環した
たクロメン化合物。
が良く、且つ中間色の色調に発色するクロメン化合物を
提供すること。 【解決手段】 例えば下記式 【化1】 で示されるクロメン化合物のように、2位の炭素に2つ
の置換基を有するクロメンのベンゾ環にその7位と8位
の炭素原子を共有するように芳香族環等が縮環し、更に
当該クロメンのベンゾ環に “N原子にアシルオキシ
基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基、ハ
ロゲノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノア
ラルコキシ基等の特定の置換基が結合したインドレノ
環”がその2位と3位の炭素原子がそれぞれクロメンの
ベンゾ環の5位と6位の炭素原子となるように縮環した
たクロメン化合物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトクロミック
材として有用な新規なクロメン化合物、および該クロメ
ン化合物を用いた光学材料に関する。
材として有用な新規なクロメン化合物、および該クロメ
ン化合物を用いた光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ある化合物に太
陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射
すると速やかに色が変わり(発色という)、光の照射を
やめて暗所におくと元の色に戻る(退色という)可逆作
用のことであり、この性質を有する化合物はフォトクロ
ミック化合物と呼ばれている。フォトクロミック化合物
の用途の一つにサングラスレンズ用の調光材料がある
が、このような用途に用いられるフォトクロミック化合
物においては、発色−退色サイクルを繰り返したとき
の耐久性が良い、光未照射状態における着色度(以
下、初期着色という)が小さい、退色速度が速いとい
った性質を有する他にサングラス用途で一般に好まれ
ているグレー、ブラウンあるいは緑色といった中間色に
単一の化合物で発色することが望まれている。フォトク
ロミック化合物が中間色に発色するためには、化合物が
可視光の波長領域に2つの吸収帯(430〜500n
m、および540〜630nm)を持ち、且つ、その吸
収強度比が同程度であることが必要であり、このような
条件を満足するフォトクロミック化合物を使用すること
により次のようなメリットが得られる。すなわち、従
来、中間色の発色を実現するために発色時の色調が異な
る複数のフォトクロミック化合物を混合して色調調節を
する必要があったが、このような作業が省略できるばか
りでなく上記色調調節においては避けることが困難であ
った各化合物のフォトクロミック物性の違いに起因する
様々な問題(例えば発色時や退色時の色ずれ等の問題)
の発生を回避することが可能になる。
陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射
すると速やかに色が変わり(発色という)、光の照射を
やめて暗所におくと元の色に戻る(退色という)可逆作
用のことであり、この性質を有する化合物はフォトクロ
ミック化合物と呼ばれている。フォトクロミック化合物
の用途の一つにサングラスレンズ用の調光材料がある
が、このような用途に用いられるフォトクロミック化合
物においては、発色−退色サイクルを繰り返したとき
の耐久性が良い、光未照射状態における着色度(以
下、初期着色という)が小さい、退色速度が速いとい
った性質を有する他にサングラス用途で一般に好まれ
ているグレー、ブラウンあるいは緑色といった中間色に
単一の化合物で発色することが望まれている。フォトク
ロミック化合物が中間色に発色するためには、化合物が
可視光の波長領域に2つの吸収帯(430〜500n
m、および540〜630nm)を持ち、且つ、その吸
収強度比が同程度であることが必要であり、このような
条件を満足するフォトクロミック化合物を使用すること
により次のようなメリットが得られる。すなわち、従
来、中間色の発色を実現するために発色時の色調が異な
る複数のフォトクロミック化合物を混合して色調調節を
する必要があったが、このような作業が省略できるばか
りでなく上記色調調節においては避けることが困難であ
った各化合物のフォトクロミック物性の違いに起因する
様々な問題(例えば発色時や退色時の色ずれ等の問題)
の発生を回避することが可能になる。
【0003】これまで、様々なフォトクロミック化合物
が提案されているが上記した〜の条件を全て満足す
るフォトクロミック化合物は知られていない。例えば、
単一化合物で中間色に発色するフォトクロミック化合物
として国際特許出願WO99/23071号公開パンフ
レット及び特開2000−229974号公報には、下
記式(A)および(B)で示される化合物を含む一連のク
ロメン化合物が開示されている。
が提案されているが上記した〜の条件を全て満足す
るフォトクロミック化合物は知られていない。例えば、
単一化合物で中間色に発色するフォトクロミック化合物
として国際特許出願WO99/23071号公開パンフ
レット及び特開2000−229974号公報には、下
記式(A)および(B)で示される化合物を含む一連のク
ロメン化合物が開示されている。
【0004】
【化5】
【0005】
【化6】
【0006】なお、上記文献に開示されている一連のク
ロメン化合物は、2位の炭素に2つの置換基を有するク
ロメンのベンゾ環にその7位と8位の炭素原子を共有す
るように芳香族環がortho縮合(縮環)し、更に当該ク
ロメンのベンゾ環に “N原子にアルキル基やアシル基
のような置換基が結合していてもよい置換インドール
(インドレノ環)”がその2位と3位の炭素原子がそれ
ぞれクロメンのベンゾ環の5位と6位の炭素原子となる
ようにortho縮合(縮環)しているという共通の構造的
特徴を有している。
ロメン化合物は、2位の炭素に2つの置換基を有するク
ロメンのベンゾ環にその7位と8位の炭素原子を共有す
るように芳香族環がortho縮合(縮環)し、更に当該ク
ロメンのベンゾ環に “N原子にアルキル基やアシル基
のような置換基が結合していてもよい置換インドール
(インドレノ環)”がその2位と3位の炭素原子がそれ
ぞれクロメンのベンゾ環の5位と6位の炭素原子となる
ようにortho縮合(縮環)しているという共通の構造的
特徴を有している。
【0007】しかしながら、後述する比較例に示すよう
に、これら化合物は初期着色の点で必ずしも満足の行く
ものではなく、またそのうちの幾つかは耐久性が十分で
はなく、更に長期間使用した場合に光未照射の状態で着
色してしまう(劣化時の着色ともいう)という問題があ
った。
に、これら化合物は初期着色の点で必ずしも満足の行く
ものではなく、またそのうちの幾つかは耐久性が十分で
はなく、更に長期間使用した場合に光未照射の状態で着
色してしまう(劣化時の着色ともいう)という問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の化合物が持つ問題を解決し、前記〜の要求を全て
満足するフォトクロミック化合物を提供することであ
る。
の化合物が持つ問題を解決し、前記〜の要求を全て
満足するフォトクロミック化合物を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題に鑑み、本発
明者らは鋭意研究を続けてきた。その結果、上記の国際
特許出願WO99/23071号公開パンフレット及び
特開2000−229974号公報に開示されているク
ロメン化合物のインドレノ環(インドール骨格)の窒素
原子に結合する置換基を、電子吸引性を有する特定の置
換基とした場合には、これらクロメン化合物が有する優
れた特長を維持しつつ初期着色を更に低減することがで
き、また、耐久性に問題のある化合物については耐久性
も改良できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
明者らは鋭意研究を続けてきた。その結果、上記の国際
特許出願WO99/23071号公開パンフレット及び
特開2000−229974号公報に開示されているク
ロメン化合物のインドレノ環(インドール骨格)の窒素
原子に結合する置換基を、電子吸引性を有する特定の置
換基とした場合には、これらクロメン化合物が有する優
れた特長を維持しつつ初期着色を更に低減することがで
き、また、耐久性に問題のある化合物については耐久性
も改良できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化7】
【0012】{式中、R1およびR2は、それぞれ独立
に、アルキル基、置換もしくは非置換の脂環式炭化水素
基、置換もしくは非置換のアリール基、或いは置換もし
くは非置換の複素環基であるか、又はR1とR2とが互
いに結合して環を形成する基であり、R3は、アシルオ
キシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル
基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロ
ゲノアラルコキシ基、又は下記一般式(2)
に、アルキル基、置換もしくは非置換の脂環式炭化水素
基、置換もしくは非置換のアリール基、或いは置換もし
くは非置換の複素環基であるか、又はR1とR2とが互
いに結合して環を形成する基であり、R3は、アシルオ
キシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル
基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロ
ゲノアラルコキシ基、又は下記一般式(2)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R6は、アシルオキシ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール
基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、
ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノアルコキシカ
ルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカルボニル基
であり、aは0〜3の整数である。)で示される基であ
り、R4及びR5は、互いに水素原子であるか、又は互
いに結合して下記式
基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール
基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、
ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノアルコキシカ
ルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカルボニル基
であり、aは0〜3の整数である。)で示される基であ
り、R4及びR5は、互いに水素原子であるか、又は互
いに結合して下記式
【0015】
【化9】
【0016】(式中、R7、R8、およびR9は互いに
異なっていてもよいアルキレン基であり、R10はアル
キレン基、シクロアルキリデン基、または置換もしくは
非置換のアリーレン基であり、BおよびB’は、それぞ
れ独立に、イミノ基、オキシ基、チオ基、カルボニル
基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、また
は置換もしくは非置換のアリーレン基であり、b、c、
d、及びeはそれぞれ0又は1であり、bとcとが同時
に0になることはなく、dとeとが同時に0になること
はない。)で示される何れかの基を形成する基であり、
下記式
異なっていてもよいアルキレン基であり、R10はアル
キレン基、シクロアルキリデン基、または置換もしくは
非置換のアリーレン基であり、BおよびB’は、それぞ
れ独立に、イミノ基、オキシ基、チオ基、カルボニル
基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、また
は置換もしくは非置換のアリーレン基であり、b、c、
d、及びeはそれぞれ0又は1であり、bとcとが同時
に0になることはなく、dとeとが同時に0になること
はない。)で示される何れかの基を形成する基であり、
下記式
【0017】
【化10】
【0018】で示される基は、それぞれ独立に、置換も
しくは非置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換も
しくは非置換の3価の芳香族複素環基である。}で示さ
れるクロメン化合物である。
しくは非置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換も
しくは非置換の3価の芳香族複素環基である。}で示さ
れるクロメン化合物である。
【0019】また、他の本発明は、上記一般式(1)で
示されるクロメン化合物よりなるフォトクロミック材、
および該クロメン化合物を含んでなるフォトクロミック
光学材料である。
示されるクロメン化合物よりなるフォトクロミック材、
および該クロメン化合物を含んでなるフォトクロミック
光学材料である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のクロメン化合物は、前記
一般式(1)で示される。前記一般式(1)において、
R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、置換
もしくは非置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置
換のアリール基、或いは置換もしくは非置換の複素環基
であるか、又はR1とR2とが互いに結合して環を形成
する基である。
一般式(1)で示される。前記一般式(1)において、
R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル基、置換
もしくは非置換の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置
換のアリール基、或いは置換もしくは非置換の複素環基
であるか、又はR1とR2とが互いに結合して環を形成
する基である。
【0021】ここで上記アルキル基は特に限定はされな
いが、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。好適なア
ルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
いが、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。好適なア
ルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0022】また、非置換の脂環式炭化水素基として
は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ
クチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウ
ンデシル基、シクロドデシレン基、シクロトリデシレン
基、シクロペンタドデシレン基等の炭素数3〜20の単
環基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ
[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.0]へ
プチル基、ビシクロ[3.1.1]へプチル基、ビシク
ロ[3.2.2]オクチル基、アダマンチル基等の炭素
数6〜20の環集合基等が挙げられる。なお、環集合基
において、その結合手の位置は特に制限されない。
は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ
クチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウ
ンデシル基、シクロドデシレン基、シクロトリデシレン
基、シクロペンタドデシレン基等の炭素数3〜20の単
環基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ
[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.0]へ
プチル基、ビシクロ[3.1.1]へプチル基、ビシク
ロ[3.2.2]オクチル基、アダマンチル基等の炭素
数6〜20の環集合基等が挙げられる。なお、環集合基
において、その結合手の位置は特に制限されない。
【0023】また、非置換アリール基としては、炭素数
6〜10の非置換芳香族炭化水素基が好ましい。好適な
アリール基を例示すると、フェニル基、ナフチル基を挙
げることができる。
6〜10の非置換芳香族炭化水素基が好ましい。好適な
アリール基を例示すると、フェニル基、ナフチル基を挙
げることができる。
【0024】また、非置換の複素環基は、ヘテロ原子と
して酸素、硫黄、または窒素原子を含み芳香族性を有す
る基であれば特に限定されないが、これらへテロ原子を
含む5員環、6員環、またはこれらにベンゾ環が縮環し
た複素環基であるのが好ましい。好適な複素環基を例示
すると、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール等
の含窒素芳香族複素環化合物より誘導される1価の含窒
素芳香族複素環基;フラン、ピラン、ベンゾフラン等の
含酸素芳香族複素環化合物より誘導される1価の含酸素
芳香族複素環基;チオフェン、ベンゾチオフェン等の含
硫黄芳香族複素環化合物より誘導される1価の含硫黄芳
香族複素環基;テトラヒドロフラン、ピラン等の含酸素
環状化合物より誘導される1価の複素環基;ピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラ
ジン、ヘキサメチレンイミン等の含窒素環状化合物より
誘導される1価の複素環基;シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等の含カルボニル環状化合物より誘導される
1価の複素環基;ブチロラクトン、テトラヒドロフラノ
ン、テトラヒドロピラノン等の含エステル環状化合物も
しくは含酸素環状ケトン化合物より誘導される1価の複
素環基;ピロリジノン、ピペリジノン、オキソヘキサメ
チレンイミン等の含アミド環状化合物もしくは含窒素環
状ケトン化合物より誘導される1価の複素環基;アザ−
ビシクロ[2.2.2]オクタン、デカヒドロ−シクロ
ペンタアゼピン、アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ
ン、オクタヒドロ−キノリジン、デカヒドロ−ピリジノ
キノリン、アザ−トリシクロウンデカン等の環集合化合
物より誘導される1価の複素環基を挙げることができ
る。
して酸素、硫黄、または窒素原子を含み芳香族性を有す
る基であれば特に限定されないが、これらへテロ原子を
含む5員環、6員環、またはこれらにベンゾ環が縮環し
た複素環基であるのが好ましい。好適な複素環基を例示
すると、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール等
の含窒素芳香族複素環化合物より誘導される1価の含窒
素芳香族複素環基;フラン、ピラン、ベンゾフラン等の
含酸素芳香族複素環化合物より誘導される1価の含酸素
芳香族複素環基;チオフェン、ベンゾチオフェン等の含
硫黄芳香族複素環化合物より誘導される1価の含硫黄芳
香族複素環基;テトラヒドロフラン、ピラン等の含酸素
環状化合物より誘導される1価の複素環基;ピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラ
ジン、ヘキサメチレンイミン等の含窒素環状化合物より
誘導される1価の複素環基;シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等の含カルボニル環状化合物より誘導される
1価の複素環基;ブチロラクトン、テトラヒドロフラノ
ン、テトラヒドロピラノン等の含エステル環状化合物も
しくは含酸素環状ケトン化合物より誘導される1価の複
素環基;ピロリジノン、ピペリジノン、オキソヘキサメ
チレンイミン等の含アミド環状化合物もしくは含窒素環
状ケトン化合物より誘導される1価の複素環基;アザ−
ビシクロ[2.2.2]オクタン、デカヒドロ−シクロ
ペンタアゼピン、アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ
ン、オクタヒドロ−キノリジン、デカヒドロ−ピリジノ
キノリン、アザ−トリシクロウンデカン等の環集合化合
物より誘導される1価の複素環基を挙げることができ
る。
【0025】また、置換脂環式炭化水素基、置換アリー
ル基、及び置換複素環基は、それぞれ上記した非置換の
脂環式炭化水素基、非置換のアリール基、及び非置換の
複素環基の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換さ
れたものであり、該置換基としては、ヒドロキシル基;
アルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アラル
キル基;アラルコシ基;アミノ基;置換アミノ基;シア
ノ基;ニトロ基;置換もしくは非置換のアリール基;置
換もしくは非置換の複素環基;ハロゲン原子;ハロゲノ
アルキル基;ハロゲノアルコキシ基;及び窒素原子をヘ
テロ原子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結合
する置換もしくは非置換の複素環基、または該複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮
合複素環基を挙げることができる。なお、これら置換基
の数及び結合する位置は特に限定されないが置換基の数
は1又は2であるのが好適である。以下、これら置換基
の中でその構造が一義的に定まらない置換基について更
に説明する。
ル基、及び置換複素環基は、それぞれ上記した非置換の
脂環式炭化水素基、非置換のアリール基、及び非置換の
複素環基の少なくとも1つの水素原子が置換基で置換さ
れたものであり、該置換基としては、ヒドロキシル基;
アルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アラル
キル基;アラルコシ基;アミノ基;置換アミノ基;シア
ノ基;ニトロ基;置換もしくは非置換のアリール基;置
換もしくは非置換の複素環基;ハロゲン原子;ハロゲノ
アルキル基;ハロゲノアルコキシ基;及び窒素原子をヘ
テロ原子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結合
する置換もしくは非置換の複素環基、または該複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮
合複素環基を挙げることができる。なお、これら置換基
の数及び結合する位置は特に限定されないが置換基の数
は1又は2であるのが好適である。以下、これら置換基
の中でその構造が一義的に定まらない置換基について更
に説明する。
【0026】上記置換基としてのアルキル基は、炭素数
1〜4のアルキル基であるのが好ましい。好適なアルキ
ル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
1〜4のアルキル基であるのが好ましい。好適なアルキ
ル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0027】前記置換基としてのシクロアルキル基は、
炭素数3〜12のアルキル基であるのが好ましい。好適
なシクロアルキル基を例示すると、シクロプロピル基、
シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることが
できる。
炭素数3〜12のアルキル基であるのが好ましい。好適
なシクロアルキル基を例示すると、シクロプロピル基、
シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることが
できる。
【0028】前記置換基としてのアルコキシ基は、炭素
数1〜5のアルコキシ基であるのが好ましい。好適なア
ルコキシ基を具体的に例示すると、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等
を挙げることができる。
数1〜5のアルコキシ基であるのが好ましい。好適なア
ルコキシ基を具体的に例示すると、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等
を挙げることができる。
【0029】前記置換基としてのアラルキル基は、炭素
数7〜11のアラルキル基であるのが好ましい。好適な
アラルキル基を例示すると、ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げ
ることができる。
数7〜11のアラルキル基であるのが好ましい。好適な
アラルキル基を例示すると、ベンジル基、フェニルエチ
ル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げ
ることができる。
【0030】前記置換基としてのアラルコキシ基は、炭
素数6〜10のアラルコキシ基であるのが好ましい。好
適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ
基、ナフトキシ基等を挙げることができる。
素数6〜10のアラルコキシ基であるのが好ましい。好
適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ
基、ナフトキシ基等を挙げることができる。
【0031】前記置換基としての置換アミノ基は、アル
キル基またはアリール基が置換したアルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールア
ミノ基が好適である。好適な置換アミノ基を具体的に例
示すると、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニル
アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基等を挙げることできる。
キル基またはアリール基が置換したアルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールア
ミノ基が好適である。好適な置換アミノ基を具体的に例
示すると、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニル
アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基等を挙げることできる。
【0032】前記置換基としての非置換アリール基は、
炭素数6〜10の非置換芳香族炭化水素基であるのが好
ましい。好適な非置換アリール基を例示すると、フェニ
ル基、ナフチル基等を挙げることができる。
炭素数6〜10の非置換芳香族炭化水素基であるのが好
ましい。好適な非置換アリール基を例示すると、フェニ
ル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0033】前記置換基としての置換アリール基は、上
記非置換アリール基の1もしくは2以上の水素原子が、
上述と同様のアルキル基、アルコキシ基、アラルキル
基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、後述する窒
素原子をヘテロ原子として有し、該窒素原子で基礎とな
る基に結合する置換もしくは非置換の複素環基、または
該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が
縮合した縮合複素環基等の置換基で置換された置換アリ
ール基であるのが好適である。
記非置換アリール基の1もしくは2以上の水素原子が、
上述と同様のアルキル基、アルコキシ基、アラルキル
基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、アリール基、後述する窒
素原子をヘテロ原子として有し、該窒素原子で基礎とな
る基に結合する置換もしくは非置換の複素環基、または
該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が
縮合した縮合複素環基等の置換基で置換された置換アリ
ール基であるのが好適である。
【0034】前記置換基としての非置換複素環基として
は、環を形成する原子数が4〜12の非置換芳香族複素
環基であるのが好ましい。好適な非置換複素環基を例示
すると、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジ
ル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピ
ロリニル基を挙げることができる。
は、環を形成する原子数が4〜12の非置換芳香族複素
環基であるのが好ましい。好適な非置換複素環基を例示
すると、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジ
ル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピ
ロリニル基を挙げることができる。
【0035】前記置換基としての置換複素環基は、上記
非置換複素環基のもしくは2以上の水素原子が、上述と
同様のアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラ
ルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニト
ロ基、ハロゲン原子、アリール基、後述する窒素原子を
ヘテロ原子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結
合する置換もしくは非置換の複素環基、または該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基等の置換基で置換された置換複素環基であ
るのが好適である。
非置換複素環基のもしくは2以上の水素原子が、上述と
同様のアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラ
ルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニト
ロ基、ハロゲン原子、アリール基、後述する窒素原子を
ヘテロ原子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結
合する置換もしくは非置換の複素環基、または該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基等の置換基で置換された置換複素環基であ
るのが好適である。
【0036】前記置換基としてのハロゲン原子としては
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を
挙げることができる。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を
挙げることができる。
【0037】前記置換基としてのハロゲノアルキル基
は、上述のアルキル基の1または2以上の水素原子がフ
ッ素原子、塩素原子あるいは臭素原子で置換されたもの
である。ハロゲノアルキル基として好適なものを例示す
ると、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフ
ルオロメチル基等を挙げることができる。
は、上述のアルキル基の1または2以上の水素原子がフ
ッ素原子、塩素原子あるいは臭素原子で置換されたもの
である。ハロゲノアルキル基として好適なものを例示す
ると、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフ
ルオロメチル基等を挙げることができる。
【0038】前記置換基としてのハロゲノアルコキシ基
は、上述のアルコキシ基の1または2以上の水素原子が
フッ素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換された
ものである。ハロゲノアルコキシ基として特に好適なも
のを例示すると、フルオロメトキシ基、ジフルオロメト
キシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができ
る。
は、上述のアルコキシ基の1または2以上の水素原子が
フッ素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換された
ものである。ハロゲノアルコキシ基として特に好適なも
のを例示すると、フルオロメトキシ基、ジフルオロメト
キシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができ
る。
【0039】前記置換基としての“窒素原子をヘテロ原
子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結合する置
換もしくは非置換の複素環基、または該複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基”において、該複素環基を構成する炭素原子の数は
一般的には2〜10、特に2〜6であるのが好ましい。
また、該複素環内には、アリール基と結合している窒素
原子の他にさらにヘテロ原子が存在していてもよい。該
ヘテロ原子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等が好適である。当該置換基として好適な
ものを例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロ
リジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、
インドリニル基等を挙げることができる。
子として有し、該窒素原子で基礎となる基に結合する置
換もしくは非置換の複素環基、または該複素環基に芳香
族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素
環基”において、該複素環基を構成する炭素原子の数は
一般的には2〜10、特に2〜6であるのが好ましい。
また、該複素環内には、アリール基と結合している窒素
原子の他にさらにヘテロ原子が存在していてもよい。該
ヘテロ原子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等が好適である。当該置換基として好適な
ものを例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロ
リジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、
インドリニル基等を挙げることができる。
【0040】また、R1及びR2が互いに結合して環を
形成する基である場合において、R 1とR2とが一緒に
なって形成される環としては、脂肪族炭化水素環、複素
環、および芳香族炭化水素環を挙げることができる。な
お、これらの環は前記したような置換基を有していても
よい。
形成する基である場合において、R 1とR2とが一緒に
なって形成される環としては、脂肪族炭化水素環、複素
環、および芳香族炭化水素環を挙げることができる。な
お、これらの環は前記したような置換基を有していても
よい。
【0041】脂肪族炭化水素環としては、炭素数7〜1
8の脂肪族炭化水素環集合が好ましい。好適なものを例
示すると、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、ビシク
ロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]
オクタン環、ビシクロ[3.3.1]ノナン環、アダマ
ンタン環等が挙げられる。
8の脂肪族炭化水素環集合が好ましい。好適なものを例
示すると、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、ビシク
ロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]
オクタン環、ビシクロ[3.3.1]ノナン環、アダマ
ンタン環等が挙げられる。
【0042】複素環としては、環を形成する原子数6〜
18の複素環集合であるのが好ましい。好適なものを例
示すると、アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン環、
デカヒドロ−シクロペンタアゼピン環、アザ−ビシクロ
[3.2.1]オクタン環等が挙げられる。
18の複素環集合であるのが好ましい。好適なものを例
示すると、アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン環、
デカヒドロ−シクロペンタアゼピン環、アザ−ビシクロ
[3.2.1]オクタン環等が挙げられる。
【0043】芳香族炭化水素環として好適なものを例示
するとフルオレン環、フェナントレン環が挙げられる。
するとフルオレン環、フェナントレン環が挙げられる。
【0044】本発明のクロメン化合物においては、退色
速度の向上という理由から、前記一般式(1)における
R1およびR2の少なくとも一方は、下記(i)〜(ii
i)のいずれかの基であることが特に好ましい。
速度の向上という理由から、前記一般式(1)における
R1およびR2の少なくとも一方は、下記(i)〜(ii
i)のいずれかの基であることが特に好ましい。
【0045】(i)非置換のアリール基
(ii)置換アミノ基、あるいはアルコキシ基を置換基と
して有する置換アリール基 (iii)窒素原子をヘテロ原子として有し、該窒素原子
でアリール基と結合する置換もしくは非置換の複素環基
を置換基として有する置換アリール基 (iv)ハロゲノアリール基 なお、上記(ii)〜(iv)における置換アリール基にお
いては、置換基の置換する位置は特に限定されず、その
総数も特に限定されないが、アリール基がフェニル基で
あるときは、その数は1であることが好ましい。当該置
換フェニル基として、好適なものを具体的に例示する
と、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−
(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N
−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モルホリノフェ
ニル基、4−ピペリジノフェニル基、4−エトキシフェ
ニル基、4−プロポキシ基、4−ブトキシ基、3−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、2−フルオロ
フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフ
ェニル基、2−トリフルオロトリル基、4−トリフルオ
ロトリル基等をあげることができる。
して有する置換アリール基 (iii)窒素原子をヘテロ原子として有し、該窒素原子
でアリール基と結合する置換もしくは非置換の複素環基
を置換基として有する置換アリール基 (iv)ハロゲノアリール基 なお、上記(ii)〜(iv)における置換アリール基にお
いては、置換基の置換する位置は特に限定されず、その
総数も特に限定されないが、アリール基がフェニル基で
あるときは、その数は1であることが好ましい。当該置
換フェニル基として、好適なものを具体的に例示する
と、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−
(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N
−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モルホリノフェ
ニル基、4−ピペリジノフェニル基、4−エトキシフェ
ニル基、4−プロポキシ基、4−ブトキシ基、3−
(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、2−フルオロ
フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフ
ェニル基、2−トリフルオロトリル基、4−トリフルオ
ロトリル基等をあげることができる。
【0046】また、前記(ii)〜(iv)において、置換
アリール基がフェニル基以外の場合には、置換基が置換
する位置は特に限定されず、その総数も特に限定されな
いが、その数は1であることが好ましい。当該置換基ア
リール基としての、好適なものを具体的に例示すると、
4−(N,N−ジメチルアミノ)チエニル基、4−
(N,N−ジエチルアミノ)フリル基、4−(N,N−
ジフェニルアミノ)チエニル基、4−モルホリノピロリ
ニル基、6−ピペリジノベンゾチエニル基、6−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンゾフラニル基等を挙げること
ができる。
アリール基がフェニル基以外の場合には、置換基が置換
する位置は特に限定されず、その総数も特に限定されな
いが、その数は1であることが好ましい。当該置換基ア
リール基としての、好適なものを具体的に例示すると、
4−(N,N−ジメチルアミノ)チエニル基、4−
(N,N−ジエチルアミノ)フリル基、4−(N,N−
ジフェニルアミノ)チエニル基、4−モルホリノピロリ
ニル基、6−ピペリジノベンゾチエニル基、6−(N,
N−ジメチルアミノ)ベンゾフラニル基等を挙げること
ができる。
【0047】前記一般式(1)において、インドレノ環
(インドール骨格)の窒素原子に結合する置換基である
R3は、アシルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハ
ロゲノアルキル基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアル
コキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、又は下記一般式
(2)で示される基である。
(インドール骨格)の窒素原子に結合する置換基である
R3は、アシルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハ
ロゲノアルキル基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアル
コキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、又は下記一般式
(2)で示される基である。
【0048】
【化11】
【0049】(式中、R6は、アシルオキシ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール
基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、
ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノアルコキシカ
ルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカルボニル基
であり、aは0〜3の整数である。) 本発明のクロメン化合物は、インドレノ環(インドール
骨格)の窒素原子に結合する置換基(即ちR3)の点
で、前記した国際特許出願WO99/23071号公開
パンフレット及び特開2000−229974号公報に
開示されているクロメン化合物(以下、単に従来のクロ
メン化合物ともいう。)と異なっており、R3が上記し
た特定の置換基であることによって、これら従来のクロ
メン化合物が有する退色速度が速く、単一化合物で中間
色に発色するという共通の優れた特長を維持したまま、
従来のクロメン化合物では見られなかった初期着色の低
さを実現すると共に耐久性も向上する。例えばR3が水
素原子やアルキル基であったり、或いはアシル基やアク
リロイル基のような置換基であったりした場合にはこの
ような効果を得ることはできない。
基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール
基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、
ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノアルコキシカ
ルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカルボニル基
であり、aは0〜3の整数である。) 本発明のクロメン化合物は、インドレノ環(インドール
骨格)の窒素原子に結合する置換基(即ちR3)の点
で、前記した国際特許出願WO99/23071号公開
パンフレット及び特開2000−229974号公報に
開示されているクロメン化合物(以下、単に従来のクロ
メン化合物ともいう。)と異なっており、R3が上記し
た特定の置換基であることによって、これら従来のクロ
メン化合物が有する退色速度が速く、単一化合物で中間
色に発色するという共通の優れた特長を維持したまま、
従来のクロメン化合物では見られなかった初期着色の低
さを実現すると共に耐久性も向上する。例えばR3が水
素原子やアルキル基であったり、或いはアシル基やアク
リロイル基のような置換基であったりした場合にはこの
ような効果を得ることはできない。
【0050】上記R3としてのハロゲン原子、ハロゲノ
アルキル基、ハロゲノアルコキシ基はR1及びR2にお
ける置換アリール基等の置換基として説明したこれら基
と同じである。アシルオキシ基としては、炭素数1〜1
1のアシルオキシ基が好ましい。好適なアシルオキシ基
を例示すると、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、
ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基、トルオイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等
を挙げることができる。また、ハロゲノアリール基とし
ては、置換基としてアルキル基を有していてもよいアリ
ール基の1または2以上の水素原子がフッ素原子、塩素
原子、あるいは臭素原子で置換されたものが挙げられ
る。ハロゲノアリール基として好適なものを例示する
と、芳香族環の水素原子がハロゲン元素で置換されたも
のとして、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェ
ニル基、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェ
ニル基等を、アルキル基の水素原子がハロゲン原子で置
換されたものとして、m−トリフルオロメチルフェニル
基、p−トリフルオロメチルフェニル基等を挙げること
ができる。また、ハロゲノアラルコキシ基としては、前
述のアラルコキシ基の1または2以上の水素原子がフッ
素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換されたもの
が挙げられる。
アルキル基、ハロゲノアルコキシ基はR1及びR2にお
ける置換アリール基等の置換基として説明したこれら基
と同じである。アシルオキシ基としては、炭素数1〜1
1のアシルオキシ基が好ましい。好適なアシルオキシ基
を例示すると、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、
ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ベンゾイル
オキシ基、トルオイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等
を挙げることができる。また、ハロゲノアリール基とし
ては、置換基としてアルキル基を有していてもよいアリ
ール基の1または2以上の水素原子がフッ素原子、塩素
原子、あるいは臭素原子で置換されたものが挙げられ
る。ハロゲノアリール基として好適なものを例示する
と、芳香族環の水素原子がハロゲン元素で置換されたも
のとして、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェ
ニル基、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェ
ニル基等を、アルキル基の水素原子がハロゲン原子で置
換されたものとして、m−トリフルオロメチルフェニル
基、p−トリフルオロメチルフェニル基等を挙げること
ができる。また、ハロゲノアラルコキシ基としては、前
述のアラルコキシ基の1または2以上の水素原子がフッ
素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換されたもの
が挙げられる。
【0051】また、R3が前記一般式(2)で示される
基である場合において、該式中のR 6は、アシルオキシ
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲ
ノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラル
コキシ基、ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノア
ルコキシカルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカ
ルボニル基である。これら基の内、アシルオキシ基、ハ
ロゲノアリール基、及びハロゲノアルコキシ基は、R3
として上記したものと同じである。
基である場合において、該式中のR 6は、アシルオキシ
基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲ
ノアリール基、ハロゲノアルコキシ基、ハロゲノアラル
コキシ基、ハロゲノアルキルカルボニル基、ハロゲノア
ルコキシカルボニル基、又はハロゲノアリールオキシカ
ルボニル基である。これら基の内、アシルオキシ基、ハ
ロゲノアリール基、及びハロゲノアルコキシ基は、R3
として上記したものと同じである。
【0052】前記R6としてのハロゲノアシル基は、炭
素数1〜11のアシル基の1または2以上の水素原子が
フッ素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換された
ものが好適であり、好適な基を例示すると、フルオロア
セチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチ
ル基、o−フルオロベンゾイル基、m−フルオロベンゾ
イル基、p−フルオロベンゾイル基、2,3,4−トリ
フルオロベンゾイル基、2,3,6−トリフルオロベン
ゾイル基、2,4,5−トリフルオロベンゾイル基、
2,4,6−トリフルオロベンゾイル基、3,4,5−
トリフルオロベンゾイル基等を挙げることができる。
素数1〜11のアシル基の1または2以上の水素原子が
フッ素原子、塩素原子、あるいは臭素原子で置換された
ものが好適であり、好適な基を例示すると、フルオロア
セチル基、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチ
ル基、o−フルオロベンゾイル基、m−フルオロベンゾ
イル基、p−フルオロベンゾイル基、2,3,4−トリ
フルオロベンゾイル基、2,3,6−トリフルオロベン
ゾイル基、2,4,5−トリフルオロベンゾイル基、
2,4,6−トリフルオロベンゾイル基、3,4,5−
トリフルオロベンゾイル基等を挙げることができる。
【0053】前記R6としてのハロゲノアルコキシカル
ボニル基は、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基の
1または2以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、あ
るいは臭素原子で置換されたものが好適であり、好適な
基を例示すると、フルオロメトキシカルボニル基、ジフ
ルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカ
ルボニル基等を挙げることができる。
ボニル基は、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基の
1または2以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、あ
るいは臭素原子で置換されたものが好適であり、好適な
基を例示すると、フルオロメトキシカルボニル基、ジフ
ルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカ
ルボニル基等を挙げることができる。
【0054】前記R6としてのハロゲノアリールオキシ
カルボニル基は特に限定はされないが、好適な基を例示
すると、芳香族環の水素原子がハロゲン原子に置換した
ものとしてo−フルオロフェニルオキシカルボニル基、
m−フルオロフェニルオキシカルボニル基、p−フルオ
ロフェニルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニ
ルオキシカルボニル基等を、芳香族環に置換するアルキ
ル基の水素原子がハロゲン原子で置換されたものとして
α,α,α−トリフルオロ−o−トルイルオキシカルボ
ニル基、α,α,α−トリフルオロ−m−トルイルオキ
シカルボニル基、α,α,α−トリフルオロ−p−トル
イルオキシカルボニル基等を挙げる事ができる。
カルボニル基は特に限定はされないが、好適な基を例示
すると、芳香族環の水素原子がハロゲン原子に置換した
ものとしてo−フルオロフェニルオキシカルボニル基、
m−フルオロフェニルオキシカルボニル基、p−フルオ
ロフェニルオキシカルボニル基、ペンタフルオロフェニ
ルオキシカルボニル基等を、芳香族環に置換するアルキ
ル基の水素原子がハロゲン原子で置換されたものとして
α,α,α−トリフルオロ−o−トルイルオキシカルボ
ニル基、α,α,α−トリフルオロ−m−トルイルオキ
シカルボニル基、α,α,α−トリフルオロ−p−トル
イルオキシカルボニル基等を挙げる事ができる。
【0055】前記一般式(1)におけるR3としては、
耐久性が特に優れるという理由から、これらの基の中で
も、フッ素原子、フルオロアルキル基、又は前記一般式
(2)においてR6がアシルオキシ基、シアノ基、フル
オロアルキル基、フルオロアリール基、フルオロアルコ
キシ基、或いはフルオロアラルコキシ基である基である
のが特に好適である。
耐久性が特に優れるという理由から、これらの基の中で
も、フッ素原子、フルオロアルキル基、又は前記一般式
(2)においてR6がアシルオキシ基、シアノ基、フル
オロアルキル基、フルオロアリール基、フルオロアルコ
キシ基、或いはフルオロアラルコキシ基である基である
のが特に好適である。
【0056】また、前記一般式(1)においてR4及び
R5は、互いに水素原子であるか、又は互いに結合して
下記式で示される何れかの基を形成する基である。
R5は、互いに水素原子であるか、又は互いに結合して
下記式で示される何れかの基を形成する基である。
【0057】
【化12】
【0058】上記式中、R7、R8、およびR9は互い
に異なっていてもよいアルキレン基である。該アルキレ
ン基は、炭素数1〜6のアルキレン基であるのが好まし
い。好適なアルキレン基としては、メチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン
基、テトラメチルエチレン基、イソプロピリデン基、ビ
ニレン基等が挙げられる。
に異なっていてもよいアルキレン基である。該アルキレ
ン基は、炭素数1〜6のアルキレン基であるのが好まし
い。好適なアルキレン基としては、メチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン
基、テトラメチルエチレン基、イソプロピリデン基、ビ
ニレン基等が挙げられる。
【0059】また、R10はアルキレン基、シクロアル
キリデン基、または置換もしくは非置換のアリーレン基
である。該アルキレン基は炭素数2〜6のアルキレン基
であるのが好ましく、例示すればエチレン基、トリメチ
レン基、テトラメチレン基、プロピレン基、テトラメチ
ルエチレン基、イソプロピリデン基、ビニレン基等が挙
げられる。またこれらアルキレン基の1または2以上の
水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。上記
シクロアルキリデン基としては、シクロブチリデン基、
シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロ
ヘプチリデン基、シクロオクチリデン基、シクロノニリ
デン基等の4〜20のものが挙げられる。また、置換若
しくは非置換のアリーレン基としては、フェニレン基、
ナフチレン基、フェナンスリレン基等の炭素数6〜18
のアリーレン基、及びこれらアリーレン基の1もしくは
2以上の水素原子が、前述と同様のアルキル基、アルコ
キシ基、アラルキル基、アラルコシ基、アミノ基、置換
アミノ基、シアノ基、ニトロ基等で置換されたものが挙
げられる。
キリデン基、または置換もしくは非置換のアリーレン基
である。該アルキレン基は炭素数2〜6のアルキレン基
であるのが好ましく、例示すればエチレン基、トリメチ
レン基、テトラメチレン基、プロピレン基、テトラメチ
ルエチレン基、イソプロピリデン基、ビニレン基等が挙
げられる。またこれらアルキレン基の1または2以上の
水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。上記
シクロアルキリデン基としては、シクロブチリデン基、
シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロ
ヘプチリデン基、シクロオクチリデン基、シクロノニリ
デン基等の4〜20のものが挙げられる。また、置換若
しくは非置換のアリーレン基としては、フェニレン基、
ナフチレン基、フェナンスリレン基等の炭素数6〜18
のアリーレン基、及びこれらアリーレン基の1もしくは
2以上の水素原子が、前述と同様のアルキル基、アルコ
キシ基、アラルキル基、アラルコシ基、アミノ基、置換
アミノ基、シアノ基、ニトロ基等で置換されたものが挙
げられる。
【0060】また、前記式におけるBおよびB’は、そ
れぞれ独立に、イミノ基、オキシ基、チオ基、カルボニ
ル基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ま
たは置換もしくは非置換のアリーレン基である。上記イ
ミノ基はアルキルイミノ基(―NR’―、R’はアルキ
ル基である)を含む概念であり、好適なイミノ基として
はメチルイミノ基{−N(CH3)−}、エチルイミノ
基{−N(C2H5)−}が挙げられる。シクロアルキ
レン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン
基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロ
ヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン
基、シクロデシレン基等の炭素数3〜20のものが挙げ
られる。また、シクロアルキリデン基としては、シクロ
ブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリ
デン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン
基、シクロノニリデン基等の4〜20のものが挙げられ
る。また、非置換のアリーレン基としては、特に制限は
されないが、フェニレン基、ナフチレン基、フェナンス
リレン基等の炭素数6〜18のアリーレン基が挙げら
れ、置換アリーレン基としては、これら非置換アリーレ
ン基の1もしくは2以上の水素原子が、前述と同様のア
ルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコシ
基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等で
置換されたものが挙げられる。
れぞれ独立に、イミノ基、オキシ基、チオ基、カルボニ
ル基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ま
たは置換もしくは非置換のアリーレン基である。上記イ
ミノ基はアルキルイミノ基(―NR’―、R’はアルキ
ル基である)を含む概念であり、好適なイミノ基として
はメチルイミノ基{−N(CH3)−}、エチルイミノ
基{−N(C2H5)−}が挙げられる。シクロアルキ
レン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン
基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロ
ヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン
基、シクロデシレン基等の炭素数3〜20のものが挙げ
られる。また、シクロアルキリデン基としては、シクロ
ブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリ
デン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン
基、シクロノニリデン基等の4〜20のものが挙げられ
る。また、非置換のアリーレン基としては、特に制限は
されないが、フェニレン基、ナフチレン基、フェナンス
リレン基等の炭素数6〜18のアリーレン基が挙げら
れ、置換アリーレン基としては、これら非置換アリーレ
ン基の1もしくは2以上の水素原子が、前述と同様のア
ルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコシ
基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基等で
置換されたものが挙げられる。
【0061】なお、前記式において、b、c、d、及び
eはそれぞれ0又は1であり、bとcとが同時に0にな
ることはなく、dとeとが同時に0になることはない。
eはそれぞれ0又は1であり、bとcとが同時に0にな
ることはなく、dとeとが同時に0になることはない。
【0062】本発明のクロメン化合物においては、合成
の容易さという観点から、R4及びR5は、互いに水素
原子であるか、又は互いに結合して炭素数2以上のアル
キレン基、ハロゲノアルキレン基、シクロアルキリデン
基、アリーレン基を形成する基であることが好ましい。
の容易さという観点から、R4及びR5は、互いに水素
原子であるか、又は互いに結合して炭素数2以上のアル
キレン基、ハロゲノアルキレン基、シクロアルキリデン
基、アリーレン基を形成する基であることが好ましい。
【0063】また、前記一般式(1)において下記式
【0064】
【化13】
【0065】で示される基(以下、それぞれX環基及び
Y環基ともいう。)は、それぞれ独立に、置換もしくは
非置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは
非置換の3価の芳香族複素環基である。上記の芳香族炭
化水素基としては、特に制限はされないが、炭素数6〜
18の芳香族炭化水素基が好ましい。好適な芳香族炭化
水素基をとしては、ベンゼン、ナフタレン、フェナンス
レン等の芳香族化合物より誘導される3価の芳香族炭化
水素基等が挙げられる。また、芳香族複素環基として
は、特に制限されないが、酸素、硫黄、または窒素原子
を含む5員環、6員環、またはこれらにベンゼン環が縮
環した複素環基が好ましい。好適な芳香族複素環基を例
示すると、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール
等の含窒素複素環化合物より誘導される3価の含窒素複
素環基;フラン、ベンゾフラン等の含酸素複素環化合物
より誘導される3価の含酸素複素環基;チオフェン、ベ
ンゾチオフェン等の含硫黄複素環化合物より誘導される
3価の含硫黄複素環基等を挙げることができる。
Y環基ともいう。)は、それぞれ独立に、置換もしくは
非置換の3価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは
非置換の3価の芳香族複素環基である。上記の芳香族炭
化水素基としては、特に制限はされないが、炭素数6〜
18の芳香族炭化水素基が好ましい。好適な芳香族炭化
水素基をとしては、ベンゼン、ナフタレン、フェナンス
レン等の芳香族化合物より誘導される3価の芳香族炭化
水素基等が挙げられる。また、芳香族複素環基として
は、特に制限されないが、酸素、硫黄、または窒素原子
を含む5員環、6員環、またはこれらにベンゼン環が縮
環した複素環基が好ましい。好適な芳香族複素環基を例
示すると、ピリジン、キノリン、ピロール、インドール
等の含窒素複素環化合物より誘導される3価の含窒素複
素環基;フラン、ベンゾフラン等の含酸素複素環化合物
より誘導される3価の含酸素複素環基;チオフェン、ベ
ンゾチオフェン等の含硫黄複素環化合物より誘導される
3価の含硫黄複素環基等を挙げることができる。
【0066】本発明のクロメン化合物の中でも、退色速
度、耐久性の点から、下記式で示されるクロメン化合物
であるのが好適である。
度、耐久性の点から、下記式で示されるクロメン化合物
であるのが好適である。
【0067】
【化14】
【0068】{式中、R11は、フッ素原子、フルオロ
アルキル基、又は前記一般式(2)で示される基のうち
R6がアシルオキシ基、シアノ基、フルオロアルキル
基、フルオロアリール基、フルオロアルコキシ基、及び
フルオロアラルコキシ基からなる群より選ばれる少なく
とも1種の基である基であり、R12及びR13は、そ
れぞれ独立に、4−N,N−ジメチルアミノ基、4−
N,N−ジエチルアミノ基、4−N,N−ジフェニルア
ミノ基、4−モルホリノ基、4−ピペリジノ基、4−エ
トキシ基、4−プロポキシ基、4−ブトキシ基、3−
N,N−ジメチルアミノ基、2−フルオロ基、3−フル
オロ基、4−フルオロ基、2−トリフルオロ基、又は4
−トリフルオロトリル基であり、R14及びR15は、
それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキ
シ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは非置換のアリール基、ハロゲン原子、ハロ
ゲノアルキル基、ハロゲノアルコキシ基、窒素原子をヘ
テロ原子として有し、該窒素原子でベンゾ環に結合する
置換若しくは非置換の複素環基、または該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基であり、f及びgはそれぞれ独立に0〜3の整数
であり、−Z−で示される基は、いずれも炭素数2以上
のアルキレン基、ハロゲノアルキレン基、シクロアルキ
リデン基、又はアリーレン基である。} これら好適なクロメン化合物を具体的に例示すれば次の
ような化合物を挙げることができる。
アルキル基、又は前記一般式(2)で示される基のうち
R6がアシルオキシ基、シアノ基、フルオロアルキル
基、フルオロアリール基、フルオロアルコキシ基、及び
フルオロアラルコキシ基からなる群より選ばれる少なく
とも1種の基である基であり、R12及びR13は、そ
れぞれ独立に、4−N,N−ジメチルアミノ基、4−
N,N−ジエチルアミノ基、4−N,N−ジフェニルア
ミノ基、4−モルホリノ基、4−ピペリジノ基、4−エ
トキシ基、4−プロポキシ基、4−ブトキシ基、3−
N,N−ジメチルアミノ基、2−フルオロ基、3−フル
オロ基、4−フルオロ基、2−トリフルオロ基、又は4
−トリフルオロトリル基であり、R14及びR15は、
それぞれ独立に、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アラルコキ
シ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは非置換のアリール基、ハロゲン原子、ハロ
ゲノアルキル基、ハロゲノアルコキシ基、窒素原子をヘ
テロ原子として有し、該窒素原子でベンゾ環に結合する
置換若しくは非置換の複素環基、または該複素環基に芳
香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複
素環基であり、f及びgはそれぞれ独立に0〜3の整数
であり、−Z−で示される基は、いずれも炭素数2以上
のアルキレン基、ハロゲノアルキレン基、シクロアルキ
リデン基、又はアリーレン基である。} これら好適なクロメン化合物を具体的に例示すれば次の
ような化合物を挙げることができる。
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】本発明の前記一般式(1)で示される化合
物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄〜淡緑色の
固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜
(ハ)のような手段で確認できる。
物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄〜淡緑色の
固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜
(ハ)のような手段で確認できる。
【0073】(イ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.0
ppm付近にアロマティックなプロトンおよびアルケン
のプロトンに基づくピーク、および前記式(1)中のR
3に対応するピークが現れる。また、それぞれのスペク
トル強度を相対的に比較することにより、それぞれの結
合基のプロトンの個数を知ることができる。
H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.0
ppm付近にアロマティックなプロトンおよびアルケン
のプロトンに基づくピーク、および前記式(1)中のR
3に対応するピークが現れる。また、それぞれのスペク
トル強度を相対的に比較することにより、それぞれの結
合基のプロトンの個数を知ることができる。
【0074】(ロ)元素分析によって相対する生成物の
組成を決定することができる。
組成を決定することができる。
【0075】(ハ)13C−核磁気共鳴スペクトル(
13C−NMR)を測定することにより、δ110〜1
60ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピー
ク、δ80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づ
くピーク、および前記式(1)中のR3に対応するピー
クが現れる。
13C−NMR)を測定することにより、δ110〜1
60ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピー
ク、δ80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づ
くピーク、および前記式(1)中のR3に対応するピー
クが現れる。
【0076】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物の製造方法は、特に限定されずいかなる合成法に
よって得てもよいが、以下に示す方法により好適に製造
することができる。
化合物の製造方法は、特に限定されずいかなる合成法に
よって得てもよいが、以下に示す方法により好適に製造
することができる。
【0077】即ち、下記一般式(3)
【0078】
【化18】
【0079】{式中、R3、R4、R5、X環基、及び
Y環基は、前記一般式(1)におけるのと同義であ
る。}で示されるナフトール誘導体と一般式(4)
Y環基は、前記一般式(1)におけるのと同義であ
る。}で示されるナフトール誘導体と一般式(4)
【0080】
【化19】
【0081】{式中、R1、およびR2は、前記一般式
(1)における定義と同義である。}で示されるプロパ
ギルアルコール誘導体を酸触媒存在下で反応させること
により好適に製造することができる。
(1)における定義と同義である。}で示されるプロパ
ギルアルコール誘導体を酸触媒存在下で反応させること
により好適に製造することができる。
【0082】なお、上記一般式(3)で示されるナフト
ール誘導体は、国際特許出願WO99/23071号公
開パンフレットに開示されている方法と同様にして、下
記一般式(5)
ール誘導体は、国際特許出願WO99/23071号公
開パンフレットに開示されている方法と同様にして、下
記一般式(5)
【0083】
【化20】
【0084】{式中、R4、R5、X環基、及びY環基
は、前記一般式(1)におけるのと同義であり、Z’は
水酸基の保護基である。}で示される、アミノナフトー
ル誘導体より合成できる。すなわち、前記一般式(5)
のアミノ基を亜硝酸ナトリウムとアジ化ナトリウムを用
いてアジド化した後に、光反応あるいは加熱還流するこ
とによって、縮環させることにより調製することができ
る。このとき、インドレノ環の窒素原子にR3に導入
は、炭酸カリウムおよび炭酸セシウム等の塩基の存在
下、前記一般式(3)のR3のハロゲン化物と反応させ
ることにより行うことができる。
は、前記一般式(1)におけるのと同義であり、Z’は
水酸基の保護基である。}で示される、アミノナフトー
ル誘導体より合成できる。すなわち、前記一般式(5)
のアミノ基を亜硝酸ナトリウムとアジ化ナトリウムを用
いてアジド化した後に、光反応あるいは加熱還流するこ
とによって、縮環させることにより調製することができ
る。このとき、インドレノ環の窒素原子にR3に導入
は、炭酸カリウムおよび炭酸セシウム等の塩基の存在
下、前記一般式(3)のR3のハロゲン化物と反応させ
ることにより行うことができる。
【0085】前記一般式(3)で示されるナフトール誘
導体と前記一般式(4)で示されるプロパギルアルコー
ル誘導体との酸触媒存在下での反応条件は特に限定され
ないが、好適な反応条件は次に示す通りである。即ち、
これら2種の化合物の反応比率は、一般には1:10〜
10:1(モル比)の範囲から選択される。また、酸触
媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンベ
ンゼンスルホン酸、酸性アルミナ等が用いられ、上記両
化合物(反応基質)の総和に対して0.1〜10重量部
の範囲で用いられる。また、反応温度は、通常0〜20
0℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶
媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使
用される。
導体と前記一般式(4)で示されるプロパギルアルコー
ル誘導体との酸触媒存在下での反応条件は特に限定され
ないが、好適な反応条件は次に示す通りである。即ち、
これら2種の化合物の反応比率は、一般には1:10〜
10:1(モル比)の範囲から選択される。また、酸触
媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンベ
ンゼンスルホン酸、酸性アルミナ等が用いられ、上記両
化合物(反応基質)の総和に対して0.1〜10重量部
の範囲で用いられる。また、反応温度は、通常0〜20
0℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶
媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使
用される。
【0086】本発明のクロメン化合物は、トルエン、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒に
よく溶解する。このような溶媒に本発明のクロメン化合
物を溶解したときに得られる溶液は一般的にはほぼ無色
透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やか
に発色し、光を遮断すると速やかに元の無色に戻る良好
な可逆的なフォトクロミック作用を呈する。また、本発
明のクロメン化合物は、高分子固体マトリックス中でも
同様なフォトクロミック特性を示す。このとき使用でき
る高分子固体マトリックスは、本発明のクロメン化合物
を均一に分散するものであれば特に限定されないが、サ
ングラス等の光学材料として使用する場合には、その光
学特性が良好であることから、下記(a)〜(c)に示
すものを用いるのが好適である。
ロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒に
よく溶解する。このような溶媒に本発明のクロメン化合
物を溶解したときに得られる溶液は一般的にはほぼ無色
透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やか
に発色し、光を遮断すると速やかに元の無色に戻る良好
な可逆的なフォトクロミック作用を呈する。また、本発
明のクロメン化合物は、高分子固体マトリックス中でも
同様なフォトクロミック特性を示す。このとき使用でき
る高分子固体マトリックスは、本発明のクロメン化合物
を均一に分散するものであれば特に限定されないが、サ
ングラス等の光学材料として使用する場合には、その光
学特性が良好であることから、下記(a)〜(c)に示
すものを用いるのが好適である。
【0087】(a)ポリアクリル酸メチル、ポリアクリ
ル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキ
サン、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポ
リカーボネート等の熱可塑性樹脂。
ル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキ
サン、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポ
リカーボネート等の熱可塑性樹脂。
【0088】(b)エチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コレートジメタクリレート、エチレングリコールビスグ
リシジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリ
レート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエト
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プ
ロパン等の多価アクリル酸および多価メタクリル酸エス
テル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレ
ート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポ
キシコハク酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレン
ド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカー
ボネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチ
ロールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル
化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、
ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4
−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価
チオアクリル酸および多価チオメタクリル酸エステル化
合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェ
ノールAモノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物およびメタクリル酸エステル化合物;ジ
ビニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合
してなる熱硬化性樹脂。
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コレートジメタクリレート、エチレングリコールビスグ
リシジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリ
レート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエト
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プ
ロパン等の多価アクリル酸および多価メタクリル酸エス
テル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレ
ート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポ
キシコハク酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレン
ド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカー
ボネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチ
ロールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル
化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、
ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4
−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価
チオアクリル酸および多価チオメタクリル酸エステル化
合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェ
ノールAモノグリシジルエーテル−メタクリレート、4
−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル
−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)
−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸
エステル化合物およびメタクリル酸エステル化合物;ジ
ビニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合
してなる熱硬化性樹脂。
【0089】(c)上記した各単量体とアクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸エス
テル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等
のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、
ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレー
ト等のチオアクリル酸およびチオメタクリル酸エステル
化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、
ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロ
モスチレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能
単量体との共重合体。
タクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート等のアクリル酸およびメタクリル酸エス
テル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等
のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、
ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレー
ト等のチオアクリル酸およびチオメタクリル酸エステル
化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、
ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロ
モスチレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能
単量体との共重合体。
【0090】本発明のクロメン化合物を上記高分子固体
マトリックス中へ分散させる方法は特に制限はなく、そ
のような目的で一般的に採用される手法を用いることが
できる。例えば上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶
融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、または上
記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、重合
触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散させる
方法、あるいは上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の
表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に分
散させる方法等をあげることができる。
マトリックス中へ分散させる方法は特に制限はなく、そ
のような目的で一般的に採用される手法を用いることが
できる。例えば上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶
融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、または上
記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、重合
触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散させる
方法、あるいは上記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の
表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に分
散させる方法等をあげることができる。
【0091】本発明のクロメン化合物はフォトクロミッ
ク材として広範囲に利用でき、例えば銀塩感光材に代わ
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料など種々の記憶材料として利用できる。その他、
本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック材
は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレー材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウィッチする方法、あるいは本発
明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもあ
る。または、上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解
させ、重合触媒を加えた混合物をレンズ表面に塗布し、
光または熱で硬化させる方法等も挙げられる。
ク材として広範囲に利用でき、例えば銀塩感光材に代わ
る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管
用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感
光材料など種々の記憶材料として利用できる。その他、
本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック材
は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材
料、ディスプレー材料、光量計、装飾などの材料として
も利用できる。例えば、フォトクロミックレンズに使用
する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば
特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフ
ォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィル
ムをレンズ中にサンドウィッチする方法、あるいは本発
明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散さ
せ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化
合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜2
00℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さ
らにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミック
レンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフ
ィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で
被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもあ
る。または、上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解
させ、重合触媒を加えた混合物をレンズ表面に塗布し、
光または熱で硬化させる方法等も挙げられる。
【0092】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0093】実施例1
下記のナフトール誘導体
【0094】
【化21】
【0095】300mg(0.62mmol)と、下記
のプロパルギルアルコール誘導体
のプロパルギルアルコール誘導体
【0096】
【化22】
【0097】249mg(0.93mol)とをトルエ
ン200mLに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸
を0.05g加えて還流温度で1時間攪拌した。反応
後、溶媒を減圧留去し、残渣をアルミナ上でのカラムク
ロマトグラフィーにより精製することにより、淡黄色粉
末状の生成物30mgを得た。収率は15%であった。
ン200mLに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸
を0.05g加えて還流温度で1時間攪拌した。反応
後、溶媒を減圧留去し、残渣をアルミナ上でのカラムク
ロマトグラフィーにより精製することにより、淡黄色粉
末状の生成物30mgを得た。収率は15%であった。
【0098】なお、上記ナフトール誘導体は、下記のア
ミノナフトール誘導体
ミノナフトール誘導体
【0099】
【化23】
【0100】10.0g(36.1mmol)をアセト
ン170mlに溶解させ、濃塩酸11.5mlを加えて
5℃以下に冷却させた後、亜硝酸ナトリウム3.0gを
溶解させた水溶液を5℃を超えないように滴下した。滴
下後5℃以下で10分攪拌した後、アジ化ナトリウム
3.5gを溶解させた水溶液を10℃を超えないように
滴下した。滴下後10℃以下で10分攪拌させた後、1
0%炭酸ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出
してアジド体を得た。酢酸エチルを減圧留去した後、デ
カヒドロナフタレン800mlを加えて、155℃で2
時間加熱還流した。反応終了後、減圧留去によってデカ
ヒドロナフタレンを除去して、縮環体6.0g(21.
8mmol)を得た。収率は60%で、薄茶色の固体で
あった。得られた縮環体をN,N’−ジメチルホルムア
ミド300mlに溶解させ、室温で炭酸セシウム17.
8g(54.5mmol)を加えて室温下で2時間反応
させた後、反応液を0℃に冷却し、クロロアセトニトリ
ル8.2g(109.0mmol)を0℃で加えて、0
℃で3時間反応させた。反応終了後イオン交換水を加え
て未反応の炭酸セシウムを溶解させ、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をテトラヒド
ロフランに溶解させ、0℃で水酸化ナトリウム4.4g
(109.0mmol)を加えて、0℃で4時間反応さ
せて、アセチル基を脱保護した。反応終了後、濃塩酸で
中和し酢酸エチルで抽出した後、減圧留去にて酢酸エチ
ルを除去し、カラムクロマトグラフィーにて精製するこ
とにより、1.8g(6.54mmol)を合成した。
ン170mlに溶解させ、濃塩酸11.5mlを加えて
5℃以下に冷却させた後、亜硝酸ナトリウム3.0gを
溶解させた水溶液を5℃を超えないように滴下した。滴
下後5℃以下で10分攪拌した後、アジ化ナトリウム
3.5gを溶解させた水溶液を10℃を超えないように
滴下した。滴下後10℃以下で10分攪拌させた後、1
0%炭酸ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出
してアジド体を得た。酢酸エチルを減圧留去した後、デ
カヒドロナフタレン800mlを加えて、155℃で2
時間加熱還流した。反応終了後、減圧留去によってデカ
ヒドロナフタレンを除去して、縮環体6.0g(21.
8mmol)を得た。収率は60%で、薄茶色の固体で
あった。得られた縮環体をN,N’−ジメチルホルムア
ミド300mlに溶解させ、室温で炭酸セシウム17.
8g(54.5mmol)を加えて室温下で2時間反応
させた後、反応液を0℃に冷却し、クロロアセトニトリ
ル8.2g(109.0mmol)を0℃で加えて、0
℃で3時間反応させた。反応終了後イオン交換水を加え
て未反応の炭酸セシウムを溶解させ、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチルを減圧留去した後、残渣をテトラヒド
ロフランに溶解させ、0℃で水酸化ナトリウム4.4g
(109.0mmol)を加えて、0℃で4時間反応さ
せて、アセチル基を脱保護した。反応終了後、濃塩酸で
中和し酢酸エチルで抽出した後、減圧留去にて酢酸エチ
ルを除去し、カラムクロマトグラフィーにて精製するこ
とにより、1.8g(6.54mmol)を合成した。
【0101】上記淡黄色粉末状の生成物について分析を
行ったところ、この生成物の元素分析値は、C80.4
0%、H5.03%、N5.35%、O9.21%であ
って、C35H26N2O3の計算値であるC80.4
4%、H5.01%、N5.36%、O9.18%に極
めて良く一致した。また、1H−核磁気共鳴スペクトル
を測定したところ、5.0〜5.5ppm付近にシアノ
メチル基のメチレンプロトンに基づく2Hのピーク、お
よび5.6〜9.0ppm付近にアロマティックなプロ
トンおよびアルケンのピークに基づく18Hのピークを
示した。さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、110〜160ppm付近に芳香環の炭素
に基づくピーク、および40〜60ppmにシアノメチ
ル基のメチレン炭素に基づくピークを示した。
行ったところ、この生成物の元素分析値は、C80.4
0%、H5.03%、N5.35%、O9.21%であ
って、C35H26N2O3の計算値であるC80.4
4%、H5.01%、N5.36%、O9.18%に極
めて良く一致した。また、1H−核磁気共鳴スペクトル
を測定したところ、5.0〜5.5ppm付近にシアノ
メチル基のメチレンプロトンに基づく2Hのピーク、お
よび5.6〜9.0ppm付近にアロマティックなプロ
トンおよびアルケンのピークに基づく18Hのピークを
示した。さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定
したところ、110〜160ppm付近に芳香環の炭素
に基づくピーク、および40〜60ppmにシアノメチ
ル基のメチレン炭素に基づくピークを示した。
【0102】上記の結果から単離生成物は、下記構造式
で示される化合物である事ことを確認した。なお、図1
として、得られた化合物の1H−核磁気共鳴スペクトル
を示した。
で示される化合物である事ことを確認した。なお、図1
として、得られた化合物の1H−核磁気共鳴スペクトル
を示した。
【0103】
【化24】
【0104】実施例2〜7
実施例1と同様にして表1に示したナフトール誘導体と
プロパルギルアルコール誘導体を用いて表1および表2
に示すクロメン化合物を合成した。得られた生成物につ
いて、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解
析した結果、表1および表2に示す構造式で示される構
造式で示される化合物であることを確認した。また、表
3にこれらの化合物の元素分析値および各化合物の構造
式から求めた計算値を示し、表3に1H―NMRスペク
トルの特徴的なスペクトルを示した。
プロパルギルアルコール誘導体を用いて表1および表2
に示すクロメン化合物を合成した。得られた生成物につ
いて、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解
析した結果、表1および表2に示す構造式で示される構
造式で示される化合物であることを確認した。また、表
3にこれらの化合物の元素分析値および各化合物の構造
式から求めた計算値を示し、表3に1H―NMRスペク
トルの特徴的なスペクトルを示した。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】実施例8〜14
実施例1で得られたクロメン化合物0.04重量部をテ
トラエチレングリコールジメタクリレート13重量部、
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン48重量部、ポリエチレングリコールモノ
アリルエーテル2重量部、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート20重量部、グリシジルメタクリレート
9重量部に添加し、さらに重合開始剤として、t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサネート1重量部を加えて
十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢
酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型
の中に注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を用
い、30℃〜90℃で18時間かけ徐々に温度を上げ、
90℃で2時間保持した。重合終了後、重合体を鋳型の
ガラス型から取り外した。
トラエチレングリコールジメタクリレート13重量部、
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン48重量部、ポリエチレングリコールモノ
アリルエーテル2重量部、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート20重量部、グリシジルメタクリレート
9重量部に添加し、さらに重合開始剤として、t−ブチ
ルパーオキシ2−エチルヘキサネート1重量部を加えて
十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢
酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型
の中に注入し、注型重合を行った。重合は空気炉を用
い、30℃〜90℃で18時間かけ徐々に温度を上げ、
90℃で2時間保持した。重合終了後、重合体を鋳型の
ガラス型から取り外した。
【0109】得られた重合体(厚さ2mm)を試料と
し、これに浜松ホトニクス製のキセノンランプL−24
80(300W)SHL−100をエアロマスフィルタ
ー(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表
面でのビーム強度2.4mW/cm2(365nm)、
24μW/cm2(245nm)で120秒間照射して
発色させ、前記資料のフォトクロミック特性を測定し
た。フォトクロミック特性は次のようなもので評価し
た。
し、これに浜松ホトニクス製のキセノンランプL−24
80(300W)SHL−100をエアロマスフィルタ
ー(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表
面でのビーム強度2.4mW/cm2(365nm)、
24μW/cm2(245nm)で120秒間照射して
発色させ、前記資料のフォトクロミック特性を測定し
た。フォトクロミック特性は次のようなもので評価し
た。
【0110】 極大吸収波長(λmax):(株)大
塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォ
トディテクターMCPD1000)により求めた発色後
の極大吸収波長である。該極大吸収波長は、発色時の色
調に関係する。
塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォ
トディテクターMCPD1000)により求めた発色後
の極大吸収波長である。該極大吸収波長は、発色時の色
調に関係する。
【0111】 発色濃度{ε(120)−ε
(0)}:前記極大吸収波長における、120秒間光照
射した後の吸光度ε(120)と光未照射状態の吸光度
ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性
が優れているといえる。
(0)}:前記極大吸収波長における、120秒間光照
射した後の吸光度ε(120)と光未照射状態の吸光度
ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性
が優れているといえる。
【0112】 退色速度{t1/2(min.)}:
120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の
前記極大吸収波長における吸光度が{ε(120)−ε
(0)}の半分まで低下するのに要する時間。この時間
が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の
前記極大吸収波長における吸光度が{ε(120)−ε
(0)}の半分まで低下するのに要する時間。この時間
が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
【0113】 初期着色(YI):スガ試験機(株)
製の色差計(SM−4)を用いて着色度を測定した。Y
Iが小さいほど光未照射時の着色が少なく、優れている
といえる。
製の色差計(SM−4)を用いて着色度を測定した。Y
Iが小さいほど光未照射時の着色が少なく、優れている
といえる。
【0114】 着色変化度(ΔYI):光照射による
耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。す
なわち、得られた重合体(試料)をスガ試験機(株)製
キセノンウェザーメーターX25により200時間促進
劣化させた。その後、前記着色度(YI)の評価を試験
の前後で行い、試験前の着色度(YI0)および試験後
の着色度(YI200)を測定し、(YI200−YI
0)の値を着色変化度(ΔYI)とし、耐久性の指標と
した。着色変化度が高いほど発色の光耐久性が低いとい
える。
耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。す
なわち、得られた重合体(試料)をスガ試験機(株)製
キセノンウェザーメーターX25により200時間促進
劣化させた。その後、前記着色度(YI)の評価を試験
の前後で行い、試験前の着色度(YI0)および試験後
の着色度(YI200)を測定し、(YI200−YI
0)の値を着色変化度(ΔYI)とし、耐久性の指標と
した。着色変化度が高いほど発色の光耐久性が低いとい
える。
【0115】 発色濃度の強度比:極大吸収波長にお
ける吸光度の比[{ε1(120)−ε1(0)}/{ε
2(120)−ε2(0)}](ただし、ε1は短波長
側の極大吸収波長における吸光度、ε2は長波長側の極
大吸収波長における吸光度である)を計算し、中間色の
色調に発色することの指標とした。この強度比が1に近
いほどより良好な中間色となる。
ける吸光度の比[{ε1(120)−ε1(0)}/{ε
2(120)−ε2(0)}](ただし、ε1は短波長
側の極大吸収波長における吸光度、ε2は長波長側の極
大吸収波長における吸光度である)を計算し、中間色の
色調に発色することの指標とした。この強度比が1に近
いほどより良好な中間色となる。
【0116】また、クロメン化合物として実施例2〜7
で得られた化合物を用いた以外は上記と同様にしてフォ
トクロミック重合体を得、その特性を評価した。その結
果をまとめて表4に示した。
で得られた化合物を用いた以外は上記と同様にしてフォ
トクロミック重合体を得、その特性を評価した。その結
果をまとめて表4に示した。
【0117】
【表4】
【0118】さらに比較のために、下記式(A)及び
(B)
(B)
【0119】
【化25】
【0120】
【化26】
【0121】で示される従来のクロメン化合物を用い同
様にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価
した。その結果を表5に示した。
様にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価
した。その結果を表5に示した。
【0122】
【表5】
【0123】表4及び表5に示される結果の対比から、
中間色に発色し退色速度が速いという特長を有するもの
の、比較例(A)では初期着色が大きく、(B)におい
ては、初期着色は低いものの、劣化時の着色変化度が大
きく耐久性が低く、本発明のクロメン化合物では従来の
クロメン化合物の上記優れた特長に加えて、更に初期着
色が少なく耐久性が向上していることが分かる。
中間色に発色し退色速度が速いという特長を有するもの
の、比較例(A)では初期着色が大きく、(B)におい
ては、初期着色は低いものの、劣化時の着色変化度が大
きく耐久性が低く、本発明のクロメン化合物では従来の
クロメン化合物の上記優れた特長に加えて、更に初期着
色が少なく耐久性が向上していることが分かる。
【0124】
【発明の効果】本発明のクロメン化合物は、溶液中また
は高分子固体マトリックス中で、速い退色速度を示す。
さらに光未照射状態での着色時の着色が少なく、フォト
クロミック性の耐久性もよい。例えば、本発明のクロメ
ン化合物を用いたフォトクロミックレンズは、屋外から
室内に戻った時にすばやく元の色調に戻り、さらに長時
間使用したときでも良好な耐久性を示す。さらに、本発
明のクロメン化合物は、発色状体において430〜50
0nm、および540〜630nmの2つの吸収帯を持
ち、しかも各々の吸収帯の吸収強度の差が小さく発色濃
度の強度比は通常0.7〜1.5の範囲にあるため、単
一の化合物でグレーやブラウンなどの中間色の色調に発
色させることが可能である。
は高分子固体マトリックス中で、速い退色速度を示す。
さらに光未照射状態での着色時の着色が少なく、フォト
クロミック性の耐久性もよい。例えば、本発明のクロメ
ン化合物を用いたフォトクロミックレンズは、屋外から
室内に戻った時にすばやく元の色調に戻り、さらに長時
間使用したときでも良好な耐久性を示す。さらに、本発
明のクロメン化合物は、発色状体において430〜50
0nm、および540〜630nmの2つの吸収帯を持
ち、しかも各々の吸収帯の吸収強度の差が小さく発色濃
度の強度比は通常0.7〜1.5の範囲にあるため、単
一の化合物でグレーやブラウンなどの中間色の色調に発
色させることが可能である。
【図1】 本図は、実施例1で得られた化合物の1H−
核磁気共鳴スペクトルである。
核磁気共鳴スペクトルである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、アルキル
基、置換もしくは非置換の脂環式炭化水素基、置換もし
くは非置換のアリール基、或いは置換もしくは非置換の
複素環基であるか、又はR1とR2とが互いに結合して
環を形成する基であり、 R3は、アシルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハ
ロゲノアルキル基、ハロゲノアリール基、ハロゲノアル
コキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、又は下記一般式
(2) 【化2】 (式中、R6は、アシルオキシ基、シアノ基、ニトロ
基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアリール基、ハロゲ
ノアルコキシ基、ハロゲノアラルコキシ基、ハロゲノア
ルキルカルボニル基、ハロゲノアルコキシカルボニル
基、又はハロゲノアリールオキシカルボニル基であり、
aは0〜3の整数である。)で示される基であり、 R4及びR5は、互いに水素原子であるか、又は互いに
結合して下記式 【化3】 (式中、R7、R8、およびR9は互いに異なっていて
もよいアルキレン基であり、R10はアルキレン基、シ
クロアルキリデン基、または置換もしくは非置換のアリ
ーレン基であり、BおよびB’は、それぞれ独立に、イ
ミノ基、オキシ基、チオ基、カルボニル基、シクロアル
キレン基、シクロアルキリデン基、または置換もしくは
非置換のアリーレン基であり、b、c、d、及びeはそ
れぞれ0又は1であり、bとcとが同時に0になること
はなく、dとeとが同時に0になることはない。)で示
される何れかの基を形成する基であり、 下記式 【化4】 で示される基は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換
の3価の芳香族炭化水素基、または置換もしくは非置換
の3価の芳香族複素環基である。}で示されるクロメン
化合物。 - 【請求項2】 請求項1に記載のクロメン化合物からな
るフォトクロミック材。 - 【請求項3】 請求項1に記載のクロメン化合物を含有
してなるフォトクロミック光学材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002083792A JP2003277381A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | クロメン化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002083792A JP2003277381A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | クロメン化合物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003277381A true JP2003277381A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29231409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002083792A Pending JP2003277381A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | クロメン化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003277381A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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