WO2011099269A1 - 顕微鏡及び観察方法 - Google Patents

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Abstract

 空間分解能を向上することができる顕微鏡、及び観察方法を提供する。本発明の一態様に係る顕微鏡は、レーザ光源(10)と、レーザ光源からのレーザ光を試料に集光する対物レンズ(16)と、レーザ光を試料(17)に照射した際に、試料(17)からの信号光として検出する検出器(22)と、を備え、レーザ光の強度が最大の時に、信号光の飽和又は非線形な増加が生じることによってレーザ光の強度と信号光の強度との関係が非線形になる非線形領域となるようレーザ光の強度を変化させて試料に照射し、レーザ光の強度に応じた信号光を検出器(22)で検出し、信号光の飽和成分又は非線形な増加成分に基づいて観察を行うものである。

Description

顕微鏡及び観察方法
 本発明は、顕微鏡、及び観察方法に関する。
 一般に顕微鏡では、空間分解能が回折限界によって制限されている。従って、従来の顕微鏡では光の波長と開口数が決まってしまうと、空間分解能を一定以上に向上させることができないという問題点があった。
 空間分解能を向上するための蛍光顕微鏡が、本件出願の発明者らによって提案されている(特許文献1)。この蛍光顕微鏡では、蛍光の飽和成分に基づいて観察している。
国際公開第2006/061947号
 しかしながら、上記の蛍光顕微鏡では、蛍光以外について、空間分解能を向上することができないという問題点がある。
 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、空間分解能を向上することができる顕微鏡、及び観察方法を提供することを目的とする。
 本発明の第1の態様による顕微鏡は、光を出射する少なくとも一つの光源と、前記光源からの光を集光して試料に照射するレンズと、前記光を前記試料に照射した際に、前記試料での多光子遷移過程により発生する信号光として検出する少なくとも一つの検出器と、を備え、前記光の強度が最大の時に、前記信号光の非線形光学効果により発生する飽和又は非線形な増加が生じることによって光の強度と前記信号光の強度との関係が非線形になる非線形領域となるよう前記光の強度を変化させて試料に照射し、前記光の強度に応じた前記信号光を前記検出器で検出し、前記信号光の飽和成分又は非線形な増加成分に基づいて観察を行うものである。これにより、非線形光学損失に起因する信号光の飽和又は非線形な増加に基づいて観察することができるため、高調波発生を検出しなくても、高い空間分解能で観察することができる。
 本発明の第2の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記光源からの光と同じ波長の反射光、透過光、及び散乱光の少なくとも一つを前記信号光として、前記検出器が検出し、高次の非線形光学効果を含む他の光学効果により光高調波が発生することで、前記信号光が飽和するものである。
 本発明の第3の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、多光子遷移によって発生した散乱光を前記信号光として前記検出器が検出し、前記非線形光学効果を含む他の光学効果により光高調波が発生することで、前記信号光が飽和するものである。
 本発明の第4の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記検出器がハイパーレイリー散乱、ラマン散乱、誘導ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、四光波混合、誘導放出、差周波発生、和周波発生、及び高調波発生のうちの少なくとも一つを検出し、前記検出器で検出される信号光が、前記光源からの光との波長差を利用して、前記光から分離されていることを特徴とするものである。これにより、様々な光を用いて、高分解能での観察が可能になる。
 本発明の第5の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記光の強度が時間に応じて変化するよう強度変調する変調器をさらに備え、前記光がピークとなる時間において信号光が前記非線形領域となる強度で試料に照射され、前記変調器で強度変調しながら、前記光と前記試料の相対位置を変化させるよう走査し、前記試料から出射した信号光を前記検出器で検出し、前記検出器で検出された信号光から、前記変調器での変調周波数に対する高調波成分を取り出して観察を行うものである。これにより、簡便に非線形光学損失に起因する飽和又は非線形な増加を発生させることができる。
 本発明の第6の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記試料からの信号光が、前記変調器で強度変調された光のn光子反応(nは1以上の自然数)によって生成され、前記変調器での変調周波数に対する(n+1)次以上の高調波成分を取り出して、観察を行うことを特徴とするものである。これにより、1光子反応、及び多光子反応においても、試料に入射する光強度を高くしなくても、飽和又は非線形な増加を発生させることができる。
 本発明の第7の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記試料に波長の異なる2つの光が照射され、前記2つの光が同じ変調周波数、かつ同じ位相で変調され、前記試料からの信号光が、前記変調器で変調された2つの光のm光子反応(mは2以上の自然数)によって生成され、前記変調周波数に対する(m+1)次以上の高調波成分を取り出して、観察を行うことを特徴とするものである。これにより、試料に入射する光強度を高くしなくても、多光子反応の飽和又は非線形な増加を発生させることができる。
 本発明の第8の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記試料に波長の異なる2つの光が照射され、前記2つの光が異なる変調周波数で変調され、前記2つの光の変調周波数の和、又は差に応じた周波数で復調していることを特徴とするものである。
 本発明の第9の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記光の強度が時間に応じて変化するよう強度変調され、前記光源がパルス光源であり、前記パルス光源の繰り返し周波数が、強度変調の変調周波数よりも高くなっているものである。
 本発明の第10の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、前記信号光が前記非線形領域となる第1の強度と、前記第1の強度と異なる第2の強度の少なくとも2つの強度とで前記試料に照射されるよう前記光の強度を変化させ、前記第1の強度での信号光の強度及び前記第2の強度での信号光の強度に基づいて信号光の飽和成分又は非線形な増加成分を算出するものである。これにより、簡易な構成で飽和又は非線形な増加成分に基づく観察を行うことができる。
 本発明の第11の態様による顕微鏡は、上記の顕微鏡であって、波長差に応じて分離された前記信号光を複数の前記検出器で検出するものである。
 本発明の第12の態様による観察方法は、光を試料に照射し、前記試料を観察する観察方法であって、前記光を集光して、前記試料に照射することで、前記試料での多光子遷移過程による信号光を発生させ、前記光の強度が最大の時に、前記試料からの信号光が、非線形光学効果により発生する前記信号光の飽和又は非線形な増加によって光の強度と信号光の強度との関係が非線形になる非線形領域となるよう、前記光の強度を変化させて、前記試料と前記光との相対位置を変化させるよう走査し、前記試料からの信号光を検出し、前記検出された信号光の飽和成分又は非線形な増加成分に基づいて観察を行うものである。これにより、非線形光学損失に起因する信号光の飽和又は非線形な増加に基づいて観察することができるため、高調波発生を検出しなくても、高い空間分解能で観察することができる。
 本発明の第13の態様による観察方法は、上記の観察方法であって、前記試料の近傍に金属探針を配置した状態、又は前記試料に金属粒子を添加した状態で、前記光を試料に照射することを特徴とするものである。これにより、簡便に、非線形光学損失による飽和又は非線形な増加の発生、及びその飽和又は非線形な増加に基づく観察を行うことができる。
 本発明の第14の態様による観察方法は、上記の観察方法であって、前記試料の近傍に配置された金属探針を走査しながら、前記光を試料に照射して、て、前記信号光を検出することを特徴とするものである。これにより、簡便に、非線形光学損失による飽和又は非線形な増加の発生、及びその飽和又は非線形な増加に基づく観察を行うことができる。
 本発明によれば、空間分解能を向上することができる顕微鏡、及び観察方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるレーザ顕微鏡の構成を示す図である。 図2は、散乱光、反射光の空間分布を模式的に示す図である。 図3Aは、変調されたレーザ光とレーザ光照射によって発生する散乱光の強度変化を模式的に示す図である。 図3Bは、変調されたレーザ光とレーザ光照射によって発生する散乱光の強度変化を模式的に示す図である。 図4は、レーザ光強度に対する反射光及び高調波の強度の関係を模式的に示す図である。 図5は、反射光強度の周波数に対するパワースペクトルを模式的に示す図である。 図6Aは、反射光の空間分布を模式的に示す図である。 図6Bは反射光の1次の周波数成分の空間分布を模式的に示す図である。 図6Cは、反射光の強度を2次の高調波周波数2fで復調した信号を模式的に示す図である。 図7Aは、スポット中心における、反射光強度のパワースペクトルを模式的に示す図である。 図7Bは、スポット端部における、反射光強度のパワースペクトルを模式的に示す図である。 図7Cは、中心と端部の間における、反射光強度のパワースペクトルを模式的に示す図である。 高次の変調高調波成分を検出した場合の光学伝達関数に示す図である。 図9Aは、レーザ光と散乱光の関係を示す図である。 図9Bは、レーザ光と第2高調波の関係を示す図である。 図9Cは、入射光とCARS光の関係を示す図である。 図9Dは、入射光と、誘導ラマン散乱光の関係を示す図である。 図10は、入射光強度に対する復調信号を示す図である。 図11は、入射光強度に対する復調信号を示す図である。 図12は、入射光強度に対する復調信号を示す図である。 図13は、入射光強度の変調レンジを変えた時の、点像分布関数を示す図である。 図14は、本実施形態にかかるレーザ顕微鏡の具体的構成例を示す図である。 図15は、金薄膜表面の非線形な反射特性を示す図である。 図16は、LBO結晶表面の非線形な反射特性を示す図である。 図17は、金微粒子からの非線形な散乱特性を示す図である。 図18は、L-AlanineからのCARS光の飽和特性を示す図である。
 以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
実施の形態1.
 本実施形態では反射光、散乱光、又は透過光の飽和を利用して、空間分解能を向上している。すなわち、反射光、透過光、又は散乱光の飽和成分について観察することにより、空間分解能を向上している。本発明の実施の形態1にかかるレーザ顕微鏡は共焦点顕微鏡であり、レーザ走査方式の顕微鏡である。このレーザ顕微鏡について図1を用いて説明する。図1は本発明にかかるレーザ顕微鏡の構成を模式的に示す図である。10は光源、11は変調器、12はビームスプリッタ、13はスキャナ、14はレンズ、15はレンズ、16は対物レンズ、19はフィルタ、20はレンズ、21はピンホール、22は検出器、23はロックインアンプ、24は処理装置である。図1に示すレーザ顕微鏡では、反射光(あるいは散乱光)を検出する。
 光源10は照明光を連続発振するレーザ光源であり、例えば、連続発振Arイオンレーザ又は、可視域の波長を持つ半導体レーザを用いることができる。ここで、レーザ波長をλとする。照明光となるレーザ光は変調器11によって強度変調され、周波数fの周期関数となる。ここでは、レーザ光の強度がコサイン関数となるように強度変調する。強度変調の周波数をf、角周波数をω(=2πf)、時間をtとすると、レーザ光強度は1+cos(ωt)に比例する。強度変調されたレーザ光強度はωt=2nπで最大となり、ωt=(2n+1)πで最小となる(nは任意の自然数)。なお、初期位相は0としている。ここでは例えば、f=100kHzで強度変調している。変調器11には電気光学変調器や音響光学変調器等を用いることができる。
 強度変調されたレーザ光は、ビームスプリッタ12に入射する。ビームスプリッタ12は入射光のほぼ半分の光を反射し、残り半分の光を透過する。ビームスプリッタ12を透過したレーザ光は、スキャナ13に入射する。スキャナ13は、レーザ光を走査して、レーザ光の伝播方向を変化させる。これにより、試料17におけるレーザ光の位置が変化する。なお、上記の説明では、スキャナ13を用いたが、スキャナ13の代わりに駆動ステージ等を用いても良い。レーザ光を走査させる代わりに、試料17を載置するステージ等を駆動しても良い。もちろん、これらを組み合わせても良い。例えば、X方向はスキャナ13で走査し、Y方向はステージで走査しても良い。すなわち、レーザ光と試料17との相対位置を変化させて走査を行う構成であればよい。なお、2次元方向のみの走査に限らず、3次元に走査するようにしてもよい。
 スキャナ13で走査されたレーザ光はレンズ14、レンズ15を通過する。レンズ14、15で屈折された光は、対物レンズ16に入射する。対物レンズ16は試料17上あるいは試料17内にレーザ光を集光する。照明光であるレーザ光が試料17に入射されると、その照明光が散乱あるいは反射する。従って、試料17からは、散乱光、又は反射光の一方、あるいは両方が出射する。以下、レーザ光に応じて試料17から出射した光を散乱光/反射光と称する。
 試料17から出射した散乱光/反射光は、対物レンズ16に入射する。散乱光/反射光は、対物レンズ16により屈折され、レンズ15、及びレンズ14に入射する。レンズ15、14で屈折された散乱光/反射光は、スキャナ13でデスキャンされる。そして、スキャナ13でデスキャンされた散乱光/反射光は、ビームスプリッタ12で反射されて、フィルタ19に入射する。
 フィルタ19は、例えば、光学フィルタであり、波長に応じて光を分離する。フィルタ19は、レーザ光の波長を透過して、光高調波を遮断する。すなわち、フィルタ19は、試料17から出射した散乱光/反射光から基本波のみを取り出す。従って、第2高調波やそれ以上の光高調波は、フィルタ19によって遮光される。
 フィルタ19を透過した散乱光/反射光は、レンズ20を通過する。レンズ20は、ピンホール21に入射する。ピンホール21には、その中心において、散乱光/反射光が通過するよう光透過孔が形成されている。すなわち、ピンホール21の光透過孔が光軸上に配置されている。対物レンズ16、レンズ15、レンズ14、及びレンズ20は、試料17での像が、ピンホール21に結像するよう配置されている。ピンホール21を通過した散乱光/反射光は、検出器22に入射する。検出器22は、入射した散乱光/反射光の強度を測定する。
 検出器22に入射する散乱光/反射光は、強度変調されたレーザ光に基づくものとなる。検出器22は光電子増倍管などのセンサである。この検出器22は受光した光の強度に応じた検出信号をロックインアンプ23に出力する。ロックインアンプ23は所定の繰り返し周波数をロックインして、検出器22からの信号をロックイン検出する。ここで、ロックインアンプ23には変調器11からの参照信号が入力されており、変調器11での変調周波数fのn倍(nは2以上の整数)の周波数で信号を復調する。例えば、変調周波数fを100kHzとした場合、200kHz、300kHz・・・の周波数で復調が行われる。これにより、高次の変調周波数成分を抜き出して検出することができる。
 また、処理装置24は試料17が走査されている間、ロックイン検出を行うようスキャナ13、変調器11、及びロックインアンプ23を制御する。さらに処理装置24はロックインアンプ23から出力された信号に基づいて光学像を形成する。すなわち、試料17が走査されている間、検出された信号に基づいて光学像を形成する。処理装置24で所定の操作を行うことにより、光学像を画面上に表示させたり、光学像のデータを記憶することができる。これにより、散乱光、又は反射光による光学像の観察、撮像を行うことができる。
 本実施形態にかかるレーザ顕微鏡は共焦点顕微鏡を構成している。すなわち、点光源であるレーザ光源10と試料17とが共役な結像関係になるように配置され、かつ試料17とピンホール21とが共役な結像関係となるように配置されている。これにより、共焦点光学系を介して散乱光/反射光を検出することができる。よって、空間分解能を向上することができる。
 次に、光の飽和を利用した高分解能検出の原理について図2~図4を用いて説明する。以下の説明では、反射光を検出する例に付いて説明する。図2はレーザ光及び反射光の強度の空間分布を示す図である。図2において横軸は位置、縦軸は光の強度を示している。図3A及び図3Bは強度変調したレーザ光の強度及び反射光の時間変化を示す図である。図3A及び図3Bにおいて横軸は時間、縦軸は光の強度を示している。また、図2、図3A及び図3Bにおいて、実線がレーザ光強度を示しており、破線が反射光強度を示している。説明の明確化のため、図2、図3A及び図3Bでは、反射光の飽和が無い状態で、反射光とレーザ光の強度が一致するものとして図示している。図4はレーザ光強度と、試料から出射する光の強度の関係を示す図である。図4において、横軸はレーザ光強度、縦軸は信号光の強度を示している。
 図2に示すようにレーザ光の強度はスポット中央(x=aの位置)でピークとなり、スポット中央から離れるにしたがって強度が弱くなる。本実施の形態では、レーザ光を強度変調している。従って、x=aの部位でのレーザ光強度の時間変化は図3Aに示すようになり、x=bの部位でのレーザ光強度の時間変化は図3Bに示すようになる。すなわち、レーザ光が強度変調されているため、いずれの位置においてもレーザ光はコサイン関数に応じて変化する。ここで、x=aはピーク位置であり、x=bはピーク位置からずれた位置である。そのため、どのタイミングにおいてもx=aでのレーザ光強度はx=bでのレーザ光強度よりも強くなる。
 レーザ光の強度が大きくなると、反射光の飽和が発生する。レーザ光強度が非常に高い場合、例えば、非線形の光学効果によって、レーザ光の光高調波が発生する。すなわち、レーザ波長の整数倍の波長を持つ光が発生する。光高調波が発生しただけ、元のレーザ光の強度が減少し、高調波損失が発生する。なお、高調波損失とは、試料からの散乱光、透過光、反射光等の信号光が、より高次の非線形光学効果や他の光学効果により光強度を損失し、飽和する現象をいう。従って、この高調波損失は、非線形な光学損失(以下、非線形光学損失と称する)ということができる。すなわち、非線形光学損失が発生した分だけ、反射光が弱くなる。以下、試料において発生した、レーザ光の光高調波をレーザ高調波とする。基本波であるレーザ波長をλとすると、レーザ高調波の波長はnλ(nは2以上の自然数)となる。さらに、以下の説明では、レーザ高調波を反射光の光高調波とすることもある。また、以下の説明において、反射光は、レーザ光の波長と同じ波長のものを示している。
 図4に示すようにレーザ光が弱いときは、レーザ光と反射光が比例するが、レーザ光強度が強くなっていくと、レーザ光と反射光とが比例しなくなる。このように、レーザ光強度を大きくしても、得られる反射光は比例して大きくならず、飽和するようになる。すなわち、非線形光学損失に起因する飽和が無ければ、図4の破線に示すようにレーザ光強度に比例して反射光強度が大きくなっていくが、実際には実線のように、あるレーザ光強度から飽和が発生し、反射光強度が頭打ちとなる。なお、本明細書において、非線形光学損失による飽和とはレーザ光の強度と反射光の強度との関係が線形の関係から離れることをいう。すなわち、図4において破線と実線とが離れる程度の反射光強度であれば反射光成分の飽和が発生する。換言すると、反射光の飽和が発生する飽和領域は、レーザ光の強度に対する反射光の強度の関係が非線形となる非線形領域となる。非線形領域では、レーザ波長と同じ波長の反射光は、反射光の光高調波分だけ少なくなる。
 このような反射光の飽和は、レーザ強度が大きいほど発生しやすい。さらに、レーザ強度が大きいほど飽和の度合いが大きくなる。従って、図2に示す空間分布を有するレーザ光では、ピーク位置(x=a)に近いほど飽和しやすく、ピーク位置で最も反射光の飽和の度合いが大きい。また、図3A及び図3Bに示すようなコサイン関数に強度変調されたレーザ光では、ピークとなる時間(ωt=2nπ)に近いほど飽和しやすく、ピークとなる時間で最も反射光の飽和の度合いが大きい。
 ここで、x=bの部位ではいずれの時間においても反射光の飽和が発生せず、ピーク位置(x=a)の周辺で反射光の飽和が発生する程度の強度を持つレーザ光を試料17に照射したものとする。これにより、図2に示す破線で示されるような強度分布となる反射光が出射する。すなわち、図2では、ピーク位置(x=a)の近傍において、レーザ光と反射光とで強度に差が生じ、ピーク位置から離れるとレーザ光の波形と反射光の波形とが略一致する。
 さらに、強度変調されたレーザ光に対する反射光の強度は図3Aの破線で示されたものとなる。すなわち、x=aの部位ではレーザ光が強いため、反射光が飽和する。そして、図3Aに示すように、反射光の飽和はピークとなる時間(ωt=2nπ)の周辺で発生し、ピークとピークの間の時間(ωt=(2n+1)π)の周辺では発生しない。すなわち、図3Aでは、ピークとなる時間の近傍において、レーザ光と反射光とで強度に差が生じ、ピークとなる時間から離れるとレーザ光と反射光とが一致する。一方、x=bの部位ではレーザ光が弱いため、いずれの時間においても反射光の飽和が発生しない。そのため、レーザ光強度と反射光強度が比例しており、図3Bではこれらが一致して図示されている。
 x=bの部位では反射光強度が1+cos(ωt)に比例したものとなる。一方、x=aの部位では、反射光の飽和により反射光強度がピークとなる時間の周辺で弱くなっているため、1+cos(ωt)に比例したものにはならない。すなわち、x=aの部位では、反射光強度に2次、3次、・・・の高調波成分(変調器11による強度変調に対する高調波)が表れる。これらを検出することで、レーザ光のスポット中心部のみの情報を取り出すことが可能になる。すなわち、強度変調の高調波成分にはレーザ光のスポット中心の情報が含まれている。
 飽和が無い場合の反射光の強度は、反射率と入射光強度に比例する。レーザ光の強度はB・(1+cos(ωt))と表され、(1+cos(ωt))に比例する。なお、Bは振幅である。飽和がある場合、反射光強度は(1+cos(ωt))の関数となる。よって、反射光強度をテイラー展開すると、(1+cos(ωt))のべき級数で表される。すなわち、(1+cos(ωt))のn乗の項が現れる。そして、(1+cos(ωt))にはcos(2ωt)の項が、(1+cos(ωt))にはcos(3ωt)の項が表れる。このように、変調高調波の成分が現れる。なお、変調高調波とは、変調器11によるレーザ光強度の強度変調に対する高調波で、レーザ光の光高調波、すなわち、波長λ/nの光と区別するために用いられる。
 ここで、図3Aの破線に示す反射光強度をフーリエ変換して変調周波数に対するスペクトルを求めると、その振幅スペクトルは図5に示すようになる。図5は変調周波数に対する振幅スペクトルを模式的に示す図である。反射光は周期関数となるので、そのスペクトルは所定の周波数にピークを持つ線スペクトルとなる。
 上述のように反射光には変調高調波成分が表れるので、f、2f、3f、4f・・・の位置にピークが表れる。ここで、レーザ光の振幅をBとすると、nfの位置のピークの高さはBに比例する。例えば、fの位置のピークはBに比例し、2fの位置のピークはBに比例する。
 このような、変調高調波成分を有する反射光の空間分布及び変調高調波成分の空間分布を図6A~図6Cに示す。図6Aは信号光の空間分布を示す図であり、図2の破線で示した空間分布と同じものである。また、図6Bに1次(ω)の成分を示し、図6Cに2次(2ω)の成分(2次の変調高調波成分)を示している。図6A~図6Cにおいて、横軸は位置、縦軸は光強度を示している。なお、説明の明確化のため、それぞれの図において、縦軸を異なるスケールで示している。
 図6Bの空間分布は1次の成分であるため、Bに比例する。また図6Cに示す空間分布は2次の成分であるためBに比例する。従って、図6B及び図6Cに示すように2次の成分の空間分布におけるピークの半値幅は1次の成分よりも細くなる。同様にn次の成分はBに比例するため、より高次の成分ほど、ピークの半値幅が狭くなる。すなわち、高次の成分ほど、ピークの幅が狭くなり、ピークが急峻になる。よって、より高次の成分を検出すれば、実質的な反射光スポットは点像分布関数のべき乗で得られ、空間分解能を向上することができる。検出する成分の次数に比例して、空間分解能を向上することができる。なお、1次の成分と全ての変調高調波成分を足し合わせたものは図6Aに示すものとなる。また、図6B、及び図6Cに示す空間分布はそれぞれ反射光の飽和成分に基づくものとなる。反射光の飽和成分に基づいて、変調高調波成分の空間分布が変化する。すなわち、反射光の飽和成分の強度に応じて、変調高調波成分の強度が変化する。このように反射光の飽和成分に基づいて試料を観察することにより、空間分解能を向上することができる。
 上記のように、試料上における空間的な位置に応じて、飽和度合いが異なっている。すなわち、レーザ光のスポット中心位置(x=a)では飽和度合いが大きく、レーザ光のスポット端部(x=b)では、飽和が発生しない。また、スポット端部とスポット中心の間の位置では、飽和度合いがスポット中心よりも低くなる。従って、各位置での反射光強度をフーリエ変換して変調周波数に対する振幅スペクトルを求めると、図7A~図7Cに示すようになる。
 図7Aでは、スポット中心(x=a)での振幅スペクトルを示し、図7Bはスポット端部(x=b)での振幅スペクトルを示し、図7Cはその間における振幅スペクトルを示している。従って、例えば、周波数2fの信号成分によって観察を行うことで、分解能を向上することができる。もちろん、n次の成分に着目して、観察を行っても良い。変調周波数のn倍の周波数で復調することで、高空間分解能での観察が可能になる。
 高次の変調高調波成分を検出した場合の光学伝達関数の一例を図8に示す。図8に示すように、より高次になるほど空間分解能が向上する。なお、共焦点検出法と組み合わせることにより、さらなる空間分解能の向上が可能である。このように本実施の形態は、3次元の全ての方向に対して空間分解能を向上することができる。なお、本発明の検出方法を用いずに、共焦点検出法あるいは2光子応答を用いたものは2ωの光学伝達関数と略同じものとなる。
 例えば、2次の変調高調波成分を検出することにより、1次の周波数成分を検出した場合と比べて2倍の空間分解能で検出することができる。このように2次、3次の変調高調波成分を検出することにより、空間分解能を2倍、3倍にすることができる。従って、回折限界を超えた空間分解能で検出することが可能になり、従来のレーザ顕微鏡に比べて高分解能で検出することができる。もちろん、n次の成分を検出することにより、空間分解能をn倍にすることができる。さらに、損失した光高調波ではなく、レーザ波長λの反射光を検出している。換言すると、検出器22で反射光を受光して、非線形光学損失分を検出している。従って、高いS/Nで検出することができる。
 また、照明光と同じ波長の反射光を検出しているため、高次の非線形効果を観察する場合でも、レーザ光と同じ波長の光を検出すればよい。すなわち、基本波の検出で、非線形効果に基づく観察が可能になる。レーザ光の波長を短くした場合でも、通常の光学系での検出を行うことが可能となる。例えば、紫外域の光を光学系内を伝搬させる必要がなくなるので、通常仕様のレンズ、ミラー等を用いることができる。すなわち、非線形光学損失を計測しているため、短波長用の光学部品や計測器を準備しなくても、容易に高次の非線形応答を確認することができる。よって、可視域用の光学系を用いながらも、高い分解能を実現することができる。非線形の応答を分離検出することにより、回折限界を越えた空間分解能で試料の形状を3次元観察することができる。
 上述のようにn次(nは2以上の自然数)の成分を取り出して検出することにより、空間分解能を向上することができる。従って、ロックインアンプ23で所定の周波数で固定して、ロックイン検出を行う。このとき、ロックインアンプ23の検出周波数は、変調周波数fのn倍(nは2以上の自然数)とする。また、照明光がピークとなる位相でロックインして検出を行う。これにより、高感度の検出を行うことができ、より高次の変調高調波成分を検出することができるようになる。従って、空間分解能をより向上することができる。このように、レーザ光の変調周波数fの整数倍であるので、その周波数帯域を電気的にフィルタリングすれば、非常に高感度に変調高調波成分を取り出すことが可能になる。なお、ロックイン検出に限らず、ハイパスフィルタを用いて変調高調波を検出することも可能である。
 なお、変調器11での変調周波数fは、試料17の走査に比べて十分速いものとする。すなわち、光学像の1画素分を走査する時間に複数のピークが含まれるよう、変調周波数を高くする。例えば、光学像の1画素に対応する走査時間が1msecとした場合、変調周波数を100kHzとする。この場合、1画素を走査する時間内にレーザ光のピークが100回出現する。変調周波数を試料の走査に比べて速くすることにより、1画素を走査する時間内に飽和が発生する回数を増やすことができるので、正確に検出を行うことができる。
 本発明では、反射光の飽和の度合いが大きいほど、飽和を検出しやすくなり分解能を向上することができる。しかし、レーザ光強度を大きくするためレーザ光の強度(密度)を強くすると、試料の損傷が発生するおそれがある。この場合、光源にパルスレーザ光源を用いることが好ましい。この場合、例えば、図3Aの点線に示すコサイン関数が包絡線となり、レーザ光は、この包絡線に応じたパルス強度となる。パルスレーザ光源を用いることにより、飽和に達する光強度(密度)を実現しながらも、全体の光照射量を低くすることができる。よって、試料の損傷を防ぐことができる。ここで、パルスレーザ光の繰り返し周波数は、変調周波数に比べて十分高いものとする。すなわち、変調の1周期の間に複数のパルスを含むよう、それぞれの周波数を設定する。例えば、変調周波数100kHzの場合、繰り返し周波数80MHzのものを用いることができる。この場合、1周期の間に800パルスが含まれる。このようにパルスレーザ光の繰り返し周波数を変調周波数に比べて高くすることにより、正確に検出を行うことができる。
 なお、レーザ光を強度変調する関数は周期関数であれば、コサイン関数以外の関数でもよい。ここで、レーザ光の強度が最大となるタイミングでは、レーザ光強度を信号光の飽和が生じる強度とする。すなわち、レーザ光が最大となるタイミングにおいて、信号光の飽和が発生し、レーザ光と信号光の関係が非線形となる非線形領域で、レーザ光が試料に照射されればよい。
 また、本実施の形態にかかるレーザ顕微鏡は、コンフォーカル光学系を有していない構成とすることも可能である。すなわち、ピンホール21を取り除き、コンフォーカル顕微鏡ではない光学顕微鏡とすることも可能である。この場合、焦点位置以外からの信号光は、レーザ光の密度が低いため信号光の飽和が小さい。すなわち、焦点位置以外の箇所では、レーザ光強度が低く、信号光が非線形領域でない線形領域となる。従って、焦点位置以外からの信号光の、飽和成分が小さくなる。これにより、コンフォーカル光学系を用いない構成でも、Z方向に分解能を向上することができる。すなわち、焦点位置から光軸方向にずれた位置では、信号光が線形領域となる。そのため、信号光の飽和が生ぜず、焦点位置及びその近傍のみからの情報を抽出することができる。これにより、コンフォーカル光学系を用いない簡易な構成で、3次元観察が可能になる。もちろん、コンフォーカル光学系を有するレーザ顕微鏡とすることにより、分解能をさらに向上することが可能になる。
 上記の説明では、反射光を検出するようにしたが、試料を透過した透過光を検出するようにしてもよい。この場合、対物レンズ16の反対側に検出器22を配置する。この場合も、波長差を利用して、レーザ高調波成分と基本周波数成分の透過光を分離するようにする。さらには、散乱光(レイリー散乱、ミー散乱)に基づいて観察するようにしてもよい。従って、本発明は図1に示す構成以外の光学顕微鏡によっても実現可能である。すなわち、図1では落射照明型のレーザ顕微鏡を用いて説明したが、本発明は、透過照明型の光学顕微鏡に対して用いることもできる。透過光、又は散乱光を測定する場合、透過照明型の光学顕微鏡に対して、上記の手法を利用する。もちろん、透過光と散乱光を同時に検出しても良い。また、反射光、又は散乱光に基づく観察を行う場合、落射照明型の光学顕微鏡に対して、上記の手法を利用する。
実施の形態2.
 本実施の形態では、非線形光学効果によって発生する信号光の飽和成分に基づいて観察する。例えば、非線形光学効果によって試料で発生する散乱光等を検出する。この場合、レーザ波長と異なる波長の散乱光とを検出する。例えば、ハイパーレイリー散乱、高調波発生、ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)、四光波混合、誘導放出、差周波発生、和周波発生、パラメトリック蛍光、又は誘導ラマン散乱(SRS)等の各種光を検出するようにしてもよい。散乱光には、非線形光学効果によって発生する散乱光も含まれる。非線形光学効果や他の光学効果の発生により、光強度の損失、すなわち、高調波損失が発生する。ここで、高調波損失とは、信号光における高調波損失で、レーザ光(基本波)における高調波損失とは異なる概念である。この高調波損失は、非線形な光学損失(以下、非線形光学損失と称する)となる。
 入射するレーザ光と異なる波長の散乱光等を検出する場合、レーザ波長の光が検出器22に入射しないようにする。すなわち、波長の差を用いて、レーザ波長の光と、レーザ高調波を分離する。この場合、例えば、バンドパスフィルタ等の光学フィルタや、ダイクロイックミラーを用いる。すなわち、レーザ波長と異なる波長の散乱光等(ラマン散乱、ハイパーレイリー散乱、誘導ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、高調波発生、パラメトリック蛍光、四光波混合、誘導放出、和周波発生、差周波発生等)を検出する場合、波長差を利用して、レーザ光(基本波)と信号光を分離するようにする。例えば、バンドパスフィルタ等の光学フィルタや、ダイクロイックミラーを用いる。検出器と試料の間に、レーザ光を遮光する光学素子を配置する。なお、散乱光を検出する場合、光源10を対物レンズ16の反対側に配置しても良い。すなわち光源10と反対側に、試料17を透過した散乱光を検出するようにしてもよい。
 このように、試料からの散乱光等を試料から出射する信号光として検出器22で検出する。そして、変調器11の変調高調波成分を用いて観察すればよい。本実施形態においても2次以上の変調周波数で、復調すれば良い。さらに、復調する周波数を選択することで、非線形光学損失の飽和を生じさせるレーザ光強度が高くなるのを防ぐことができる。この場合、復調する周波数は、検出する光の種類に応じて変化する。例えば、多光子反応の場合、線形領域においても2次の成分(周波数2f)が現れる。このため、3次以上の変調高調波で復調することが望ましい。以下に、好適な復調周波数に付いて、図9A~図9Dを用いて説明する。
(1光子反応について)
 まず、実施の形態1で示した1光子反応、すなわち線形の応答における、レーザ光強度と散乱光強度の関係を図9Aに示す。図9Aでは、横軸がレーザ光強度Iex、縦軸が散乱光強度Iscatとなっている。なお、図9Aに示す散乱光は、レーザ波長と同じ波長の散乱光である。例えば、レイリー散乱やミー散乱は、1光子反応によって出射される。すなわち、線形光学効果による散乱光である。飽和がない場合、レーザ光と散乱光は、リニアに変化する。そして、レーザ光強度が高くなると、散乱光の飽和が発生する。この場合、散乱光は、変調するレーザ光強度の1乗に応じた1乗応答となる。
 線形の光学効果による信号光の場合、レーザ光と信号光の関係は、図9Aに示すようになる。すなわち、レーザ波長と同じ波長の散乱光、反射光、あるいは透過光は、図9Aに示す関係となる。この場合、上記の通り、2次以上の変調高調波を用いて観察を行う。例えば、検出器22で検出した検出光を周波数2fで復調する。換言するとロックインアンプ23のロックイン周波数を2fとする。また、この場合、レーザ光と同じ波長の信号光を検出し、それ以外の波長の光をフィルタ19で除去する。
(2光子反応について)
 一方、非線形光学効果である2光子反応における、レーザ光と信号光の関係は図9Bに示すようになる。図9Bでは、信号光を第2高調波発生(SHG)とした場合を示している。図9Bでは、横軸がレーザ光強度Iex、縦軸が第2高調波強度ISHGとなっている。第2高調波発生は、2光子の反応による応答である。すなわち、第2高調波発生(SHG)は、変調するレーザ光強度の2乗に応じた2乗応答となる。飽和がない場合、強度変調したレーザ光(変調光)の2乗と第2高調波(光高調波)は、リニアに変化する。そして、レーザ光強度が高くなると、SHGの飽和が発生する。例えば、SHGの飽和が生じない線形領域において、レーザ光強度Iexが(1+cos(ωt))に比例する場合、SHG強度ISHGは(1+cos(ωt))に比例する。これを展開すると、以下のようになる。
SHG=1+2cos(ωt)+cos(ωt) ・・・(1)
 なお、上記の式(1)、及び以下の式(2)では、説明の簡略化のため、比例係数を1としている。ここで、cos(2ωt)を用いてcos(ωt)を変形すると、以下の式(2)になる。
SHG=1+2cos(ωt)+(1+cos(2ωt))/2・・・(2)
 従って、2乗応答であるSHGの場合、SHGの非飽和成分(線形成分)自体に1次の成分だけでなく、2次の成分が含まれることになる。レーザ光の変調周波数(f)に対して、SHGには、1次の成分(f)と2次の変調高調波成分(2f)が存在している。すなわち、線形領域におけるSHG強度にも2次の変調高調波成分が含まれることになる。
 この場合、3次以上の成分を用いて観察を行う。例えば、検出器22で検出した検出光を周波数3fで復調する。換言するとロックインアンプ23のロックイン周波数を3fとする。また、この場合、レーザ光の2倍の波長の信号光を検出し、レーザ光と同じ波長の光並びに3次以上のレーザ高調波の光をフィルタ19で除去する。
(コヒーレントアンチストークスラマン散乱について)
 次に、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の強度ICARSについて、図9Cを用いて説明する。コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を発生させる場合、ポンプ光とストークス光を照射する。すなわち、2つのレーザ光源を用いて、同時に2つのレーザ光を試料の同じ位置に照射する。ポンプ光はストークス光と異なる波長になっている。ここで、ポンプ光強度をIpとし、ストークス光強度をIsとする。この場合、CARS光の飽和が生じない線形領域では、CARS光強度ICARSは、IpIsに比例する。
 従って、ポンプ光強度Ipを強度変調して、ストークス光強度Isを強度変調しない場合、ストークス光強度Isが一定となる。よって、変調するポンプ光の2乗(Ip)に応じてCARS光強度ICARSが変化する2乗応答となる。この場合、図9Bで説明した第2高調波(光高調波)と同様に、3次以上の成分を用いて観察する。例えば、検出器22で検出した検出光を周波数3fで復調する。換言するとロックインアンプ23のロックイン周波数を3fとする。
 反対に、ポンプ光強度Ipを強度変調せずに、ストークス光強度Isを強度変調する場合、ポンプ光強度Ipが一定となる。よって、強度変調するストークス光の1乗(Is)に応じてCARS光強度ICARSが変化する1乗応答となる。よって、図9Aで説明した散乱光と同様に、2次以上の変調高調波を用いて観察する。例えば、検出器22で検出した検出光を周波数2fで復調する。換言するとロックインアンプ23のロックイン周波数を2fとする。
 もちろん、ポンプ光強度Ip及び、ストークス光強度Isの両方を強度変調してもよい。この場合、ポンプ光強度Ip及び、ストークス光強度Isを同じ周波数fで強度変調すると、4次以上の成分(周波数4f)を用いて観察する。同じ変調周波数で、ポンプ光強度I及び、ストークス光強度Isの両方を強度変調する場合、同位相にそろえることが好ましい。すなわち、2つの光が最大強度で試料に照射されるタイミングを一致させることが好ましい。
 あるいは、ポンプ光強度Ip及び、ストークス光強度Isを異なる周波数で強度変調しても良い。異なる周波数で強度変調した場合、2つの周波数の差又は和の周波数の整数倍で復調する。例えば、ポンプ光の変調周波数をfm_pとし、ストークス光の変調周波数をfm_sとした場合、その差の整数倍の周波数n(2fm_p―fm_s)又はその和の整数倍の周波数n(2fm_p+fm_s)で復調する。
(誘導ラマン散乱について)
 誘導ラマン散乱光強度ISRSについて、図9Dを用いて説明する。誘導ラマン散乱光を発生させる場合、ポンプ光とストークス光を照射する。すなわち、2つのレーザ光源を用いて、同時に2つのレーザ光を試料の同じ位置に照射する。ポンプ光はストークス光と異なる波長になっている。ここで、ポンプ光強度をIpとし、ストークス光強度をIsとする。この場合、信号光の飽和が生じない線形領域では、誘導ラマン散乱光強度ISRSは、IpIsに比例する。従って、ポンプ光強度Iとストークス光強度Isのいずれか一方を強度変調する場合、強度変調するレーザ光の1乗応答となる。よって、図9Aで説明した散乱光と同様に、2次以上の成分を用いて観察する。また、ポンプ光強度Iとストークス光強度Isの両方を同じ変調周波数で強度変調する場合、2乗応答となる。よって、3次以上の変調高調波を用いて観察する。同じ変調周波数で、ポンプ光強度I及び、ストークス光強度Isの両方を強度変調する場合、同位相にそろえることが好ましい。すなわち、2つの光が最大強度で試料に照射されるタイミングを一致させることが好ましい。
 あるいは、ポンプ光強度Ip及び、ストークス光強度Isを異なる変調周波数で強度変調しても良い。異なる変調周波数で強度変調した場合、2つの周波数の差又は和の周波数の整数倍で復調する。例えば、ポンプ光の変調周波数をfm_pとし、ストークス光の変調周波数をfm_sとした場合、その差n(fm_p―fm_s)又はその和n(fm_p+fm_s)で変調する。なお、ポンプ光強度I及び、ストークス光強度Isの両方で変調する場合、同位相にそろえることが好ましい。このように、2つのレーザ光入射させる場合、1つ目の変調周波数の整数倍と、2つ目の変調周波数の整数倍の和、又は差の周波数で復調する。
 このように、強度変調するレーザ光の次数に応じて、高分解能観察を実現するための復調周波数の次数を選択する。多光子反応などの非線形光学反応では、強度変調するレーザ光が信号光強度に寄与する次数よりも高い次数で、復調することが望ましい。例えば、強度変調したレーザ光強度をn乗すると、線形領域が実現できるとする。すなわち、強度変調したレーザ光強度をIとし、信号光強度Iとすると、線形領域では、Iのn乗(Im)に比例する。この場合、1次高い(n+1)で復調することが好ましい。このように、復調する次数を選ぶことで、本発明による観察手法を複雑な多光子反応にまで拡張することができる。さらに、レーザ光強度が高くなるのを防ぐことができる。
 具体的には、1つのレーザ光を照射する場合、あるいは、2つ以上のレーザ光を照射する構成において、1つのレーザ光のみを強度変調した場合、信号光(散乱光)を生成する応答の次数に応じて、復調周波数を選択する。すなわち、試料からの信号光が、強度変調されたレーザ光のn光子反応(nは1以上の自然数)によって生成される場合、変調周波数に対する(n+1)次以上の変調高調波成分を取り出して、観察を行う。例えば、1光子反応の場合、2以上の変調高調波成分を取り出し、2光子反応の場合、3以上の変調高調波成分を取り出すことが好ましい。これにより、高分解能での観察が可能になる。
 さらには、特許文献1で示した蛍光についても、2光子蛍光を検出する場合は、3次の変調周波数で復調し、3光子蛍光を検出する場合は、4次の変調周波数で復調する。
 また、2つ以上のレーザ光を照射する構成において、2つ以上のレーザ光を同じ変調周波数で強度変調する場合も、信号光(散乱光)を生成する応答の合計次数に応じて、復調周波数を変える。すなわち、試料17からの信号光が、強度変調された2つのレーザ光のm光子反応(mは2以上の自然数)によって生成される場合、変調周波数に対する(m+1)次以上の変調高調波成分を取り出して、観察を行う。換言すると、2つのレーザ光を用いる場合、非線形光学効果に寄与する2つのレーザ光の光子数(合計光子数)よりも大きい次数で、復調することが好ましい。これにより、レーザ光強度を高くしなくても、高分解能での観察が可能になる。例えば、CARS光では、ポンプ光の2光子反応、ストークス光の1光子反応となる。ポンプ光及びストークス光を変調して、CARS光を検出する場合、(2+1)=3光子反応となる。よって、4次以上の変調周波数で復調することが好ましい。なお、2つのレーザ光を強度変調して、試料に照射する場合、強度変調の位相を同じにすることが好ましい。
 次に、非線形光学損失の飽和に付いて説明する。レーザ光強度を非常に高くすると、図4で示した第2高調波(光高調波)による非線形光学損失にも飽和が生じる。すなわち、第2高調波(光高調波)自体が飽和していくことになる。この場合、3次高調波(光高調波)、あるいはそれ以上の次数の光高調波による非線形光学損失が発生する。従って、レーザ光強度を非常に高くしていくと、2次の変調高調波成分が低下する。このような高次の非線形光学損失について、図10を用いて説明する。
 図10は、第3高調波発生などの3光子反応における、1次~4次の成分ω~4ωを算出したシミュレーション結果を示すグラフである。図10において、横軸は入射光強度、縦軸は、復調信号、すなわち、変調高調波成分(1次を含む)毎の信号光強度である。この復調信号に、信号光の飽和成分が現れる。図10では、1次から4次の成分をそれぞれ(Fundmental)、(Second harmonic)、(Third harmonic)及び(Forth harmonic)として示している。
 3光子反応の場合、上記の通り、信号光の飽和が発生していない線形領域においても、3次の成分が現れる。よって、線形領域では、入射光強度に応じて、2次と3次の成分がほぼ同じ傾きで上昇していく。そして、飽和が発生する非線形領域では、4次の成分が現れる。4次の成分の上昇は、2次と3次の成分の飽和に起因している。また、4次の成分も飽和する。この場合、5次や6次の成分が現れることになる。すなわち、4次の成分の非線形光学損失は、5次や6次の成分(図10では図示せず)として出現する。
 さらに、図10中の2次成分等には、逆ピークが発生する(例えば、図10中のA点)。なお、逆ピークとは、強度が急峻に減少する点をいう。実際には、この逆ピークでは強度が0近傍まで急激に減少することが本件出願の発明者によって発見されている。
 ここで、スケールを変えて、復調信号を示すと図11のようになる。図11は、1次~4次の成分を示している。図11に示すように、2次~4次の変調成分は、負の値を取る。さらに、各次数において、位相が異なっていることを示している。
 このように、入射光(励起光)の強度によって、変調成分の強度が大きく変化する。すなわち、レーザ光強度を高くしたとしても、変調高調波成分の飽和が現れないようなレーザ光強度が存在する。従って、逆ピークとなるレーザ光強度では、ある次数の飽和成分が現れないことになる。さらには、あるレーザ光強度では、変調高調波成分の位相が逆転し、変調高調波成分が負の値を取ることもある。従って、逆ピークとなる強度を含むようにレーザ光強度を設定すると、点像分布関数が大きく変化することになる。
 ここで、強度変調するレーザ光強度のレンジに、逆ピークが含まれるようにする。この場合、点像分布関数が大きく変化する。この点像分布関数を算出したシミュレーション結果について、図12、及び図13を用いて説明する。
 図12には、入射光強度に対する復調信号を示す図であり、図10に対応する図である。図12では、1次乃至4次の成分と合計成分を示している。なお、変調する入射光強度(レーザ光強度)のレンジを説明するため、図12の縦方向の点線及び実線に示すように、ある5つの入射光の値をa、b、c、d、eとする。図12から明らかなように、d、e、c、b、aの順で入射光強度が大きくなっている。
 まず、レーザ光強度の最大がaになるように強度変調した時の点像分布関数は、図13aに示すようになる。この場合、入射光強度の変調レンジが0~aとなっている。なお、図13aは1次成分の点像分布関数を示している。
 次に、レーザ光強度の最大値がbとなるようにした場合に付いて説明する。この場合、入射光強度の変調レンジが0~bとなっている。3次成分の点像分布関数は、図13のbに示すようになる。レーザ光スポットの中心位置では、入射光強度が最大bとなる。図12に示すように、レーザ光強度bよりも少し小さい入射光強度が3次成分の逆ピークに対応している。よって、レーザ光スポットの中心位置から少し離れると、3次成分の飽和が発生しない。すなわち、スポットから少し離れた位置では、3次成分の飽和が小さくなる。よって、スポット中心の近傍で点像分布関数が極小値を取る。そして、極小値は、図13bに示すようにリング状となる。
 次に、入射光強度の最大値がcになるように強度変調した場合の3次成分の点像分布関数を図13cに示す。同様に、入射光強度の最大値がdになるように変調した場合の3次成分の点像分布関数を図13dに示す。図13b~図13dに示すように、3次の点像分布関数は、変調レンジに応じて変化する。また、逆ピークを含む変調レンジになるようにレーザ光強度を高くすると、3次成分の点像分布関数は、リング状の極小値を持つ。スポット中心からの極小値の位置は、変調レンジと逆ピークの関係に応じて異なっている。このように、入射光強度の変調レンジに応じて、点像分布関数が異なることになる。実際に観察する像は、様々な点像分布関数の合成である。従って、この観点から画像解析を行うことで、より分解能を向上することができる。
 次に、入射光強度の最大値がdになるように強度変調した場合の4次成分の点像分布関数を図13eに示す。この場合、スポット中心で極小値となり、スポット中心の周りにリング状の極大値が存在する。さらに、リンク状の極大値のさらに外側に、リング状の極小値が存在する。よって、実質的に点像分布関数を小さくすることができる。これにより、3次の変調周波数で復調する場合よりも空間分解能を高くすることができる。
 次に、上記の信号光の飽和を検出するレーザ顕微鏡の具体的構成例に付いて説明する。図14は、透明な試料34を透過した透過光/散乱光と試料34からの反射光/散乱光を信号光として検出する構成を示す図である。図14では、繰り返し周波数が80MHzのパルスレーザ光源(図14では、省略)を用いている。ここでは、波長1200nmの超短パルスレーザ光源を光源として用いている。もちろん、試料に応じてレーザ光源を変えることができる。レーザ光源は、モード同期チタンサファイアレーザ+OPO(光パラメトリック発振器)であり、パルス幅は、例えば、200fsecである。また、BBOやLBO等の非線形光学結晶を試料34として用いている。なお、図14では、非コンフォーカル光学系で透過光を検出している。また、図14に示す構成では、非線形光学損失と、高調波発生の両方で観察を行っている。
 そして、レーザ光を変調器31で強度変調する。変調器31は例えば、AOM(音響光学変調器)であり、単一周波数(例えば、2MHz)で強度変調している。変調周波数は、レーザ光のパルスの繰り返し周波数よりも十分低く設定する。変調器31で変調されたレーザ光は、ビームスプリッタ32に入射する。ビームスプリッタ32では、一部の光が透過して、残りの光が検出器39の方向に反射される。この検出器39から出力された信号は、参照信号としてロックインアンプ40に入力される。ビームスプリッタ32を通過したレーザ光は、レンズ33で屈折された試料34に入射する。
 試料34を透過した透過光/散乱光は、対物レンズ35で屈折される。透過光/散乱光は、ダイクロイックミラー36を介して、検出器41に入射する。検出器41は、例えば、フォトダイオード(PD)である。レーザ波長λの光を受光する。また、ダイクロイックミラー36は、レーザ高調波をミラー37の方向に反射する。従って、レーザ高調波である波長λ/n(nは2以上の自然数)の光は、ミラー37で反射されて、検出器42に入射する。検出器42は、例えば、光電子増倍管(PMT)又はフォトダイオード(PD)である。
 また、試料34で反射した反射光/散乱光は、対物レンズであるレンズ33を介してビームスプリッタ32に入射する。そして、反射光/散乱光はビームスプリッタ32でラインフィルタ43の方向に反射される。ラインフィルタ43は、例えば、波長λの光を透過させ、波長λ/2以下の光を遮光するフィルタである。これにより、波長差に応じて、信号光を分離することができる。
 試料34において発生する光高調波は、位相整合条件に合致する方向にしか伝播しない。そのため、試料34の結晶軸と入射偏光方向との角度によっては、光高調波が発生しているにも関わらず、信号をあまり検出できない場合が生じる。(Moreaux,JOSA B,17(2000)1685)しかしながら、高調波損失を測定する場合、光高調波の伝播方向は、測定結果になんら影響を与えない。入射光の偏光方向は、光高調波の発生効率に寄与するのみであるため、非線形光学損失を測定する顕微鏡では、より試料の形状を忠実に反映する観察像が得られる。このように、非線形光学損失を検出して画像化する場合と、試料から発生する光高調波を検出して画像化する場合とで、画像コントラストの形成メカニズムが大きく異なる。よって、基本波の光を検出することで、非線形光学損失を測定することが可能になる。
 検出器38、検出器39、検出器41、及び検出器41は、受光した光の強度に応じた検出信号をロックインアンプ40に出力する。そして、これらの検出信号はロックインアンプ40によって復調される。検出器41、検出器38では、レーザ基本波の測定が行われる。すなわち、検出器41は、レーザ光と同じ波長の散乱光/透過光を検出し、検出器38は、レーザ光と同じ波長の散乱光/反射光を検出する。検出器42には、ダイクロイックミラー36、及びミラー37を介して、透過光/散乱光が入射している。よって、レーザ光の第2高調波、第3高調波等、すなわち、レーザ波長λのn倍(nは2以上の整数)の光を検出する。これにより、高調波発生分が検出される。検出器39は、レーザ光の強度変化を測定する。
 どの程度、高次の応答まで確認することができるかは、基本波の強度測定の信号対雑音比で決定される。非線形光学損失の計測では、レーザ光そのものが信号光であるため、非常に多くの光子を信号として利用することができる。このため、検出器のダイナミックレンジ一杯を利用して計測でき、信号対雑音比を非常に高くすることができる。また、非線形光学損失の測定にロックイン検出を利用することも有効である。一般的なフォトダイオードでは、100dB程度の検出ダイナミックレンジを有するため、高次の非線形応答も容易に計測することができる。
 例えば、波長400nmレーザ光を用いて、試料の超解像観察を行うと、高次の非線形応答は、レーザ集光点の中心部分のみで生じる。このため、復調周波数を大きくすれば、より高い分解能を得ることができる。さらに、試料34には、非線形光学結晶に限らず、石英、半導体、金属を用いることができる。試料34としては、各材料のナノ粒子(直径数10~数100nm)を用いる。そして、試料34の表面で生じる非線形光学損失を測定し、画像化する。また、コラーゲン、ミオシン、チューブリン、脂質等の効率よく光高調波を生じる生体分子(Campagnola,Nat.Biotechnol.21(2003)1356, Debarre,Nat.Method,3(2006)47)を用いることも可能である。すなわち、試料34が、光高調波を効率よく発生する材料であることが好ましい。
 金属にレーザ光を照射する場合、金属表面でのプラズモン共鳴を利用することで、反射光を効率よく飽和させることができる。すなわち、プラズモン共鳴によって電場強度が増強するため、非線形の光学反応が効率よく発生する。この場合、金属粒子や金属探針を試料の近傍に配置してもよい。これにより、第2高調波発生、誘導ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン散乱を効率よく発生させることができる。金属粒子や金属探針を走査しながら、信号光を検出する場合、空間分解能を改善された近接場顕微鏡像を得ることもできる。
 さらに、プラズモン自身も飽和する。この場合、試料である金属自身が、蛍光観察における蛍光色素のようなサンプルプローブとなる。よって、低いレーザ強度で高調波損失が発生する。これにより、効率よく反射光を飽和させることができる。金属をサンプルプローブとして利用する場合、金属粒子を観察対象となる試料に含ませる。すなわち、蛍光標識のように、試料に金属粒子を添加する。また、金属は、蛍光色素と異なり褪色がない。よって、レーザ光強度を上げた場合でも、寿命の問題がなく、長時間利用することができる。金属微細構造のプラズモン共鳴波長を入射することによって、より効率的に飽和が発生する。
実施例.
 実際の測定結果を図14~図17に示す。図14は、金薄膜表面の非線形な反射特性を示す図である。図14の測定では、レーザ波長を780nmとした。図15は、LBO結晶表面の非線形な反射特性を示す図である。図15の測定では、レーザ波長を780nmとした。図16は、金微粒子からの非線形な散乱特性を示す図である。図16の測定では、レーザ波長を520nmとし、直径50nmの金微粒子を用いた。図17は、L-AlanineからのCARS光の飽和特性を示す図である。図17の測定では、ストークス光波長を820nm、ポンプ光を785nmとした。また、ストークス光強度を3100kW/cmで一定とし、ポンプ光を変調した。
 図14乃至図17に示すように、入射光強度が弱い領域では、入射光強度と信号光強度が比例するが、入射光強度が強くなると、信号光強度が飽和することが得られた。
 その他の実施の形態.
 上記の説明では、変調器を用いてレーザ光強度を変化させたが、これ以外の方法によってレーザ光強度を変化させても良い。たとえば、特表2006/061947号に示したように、NDフィルタなどのフィルタを用いてレーザ光を減衰させる。フィルタを用いることで、レーザ光強度を段階的に変化させることができる。そして、レーザ光強度が最大となるときに、信号光の飽和が発生するようにする。これにより、同様の効果を得ることができる。例えば、信号光が非線形領域となる第1の強度と、第1の強度と異なる第2の強度の少なくとも2つの強度とで試料に照射されるようレーザ光の強度を変化させる。そして、第1の強度での信号光の強度及び前記第2の強度での信号光の強度に基づいて信号光の飽和成分を算出する。
 さらには、各種の信号光をマルチチャンネルで同時に検出するようにしてもよい。すなわち、複数の検出器を設けて、それぞれの検出器で、異なる種類の信号光を検出する。この場合、信号光の種類に起因する波長差に応じて、信号光を分離すれば良い。
 さらに、上記の説明では、非線形光学効果により発生する信号光の飽和成分に基づいて、観察を行ったが、非線形光学効果により発生する信号光の非線形な増加成分に基づいて、観察を行っても良い。例えば、過飽和吸収体を試料等とする場合、信号光に非線形な増加が生じる。すなわち、レーザ光と信号光が非線形な関係ではなくならず、レーザ光強度の増加に応じて、信号光が急激に増加する。このような場合、高次の変調周波数で復調することで、信号光の非線形な増加成分を取り出すことができる。これにより同様の効果を得ることができる。また、上記の説明では、レーザ光を出射するレーザ光源を用いたが、レーザ光以外の光を出射する光源を用いてもよい。信号光は、試料での多光子遷移過程により発生する光であればよい。
 この出願は、2010年2月10日に出願された日本出願特願2010-27838を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
 本発明は、例えば、各種の光を検出して、観察を行う顕微鏡、及び観察方法に好適である。
 10 光源
 11 変調器
 12 ダイクロイックミラー
 13 スキャナ
 14 レンズ
 15 レンズ
 16 対物レンズ
 17 試料
 19 ダイクロイックフィルタ
 20 レンズ
 21 ピンホール
 22 検出器
 23 ロックインアンプ
 24 処理装置
 31 変調器
 32 ビームスプリッタ
 33 レンズ
 34 試料
 35 対物レンズ
 36 ダイクロイックミラー
 37 ミラー
 38 検出器
 39 検出器
 30 ロックインアンプ
 41 検出器
 42 検出器

Claims (14)

  1.  光を出射する少なくとも一つの光源と、
     前記光源からの光を集光して試料に照射するレンズと、
     前記光を前記試料に照射した際に、前記試料での多光子遷移過程により発生する信号光を検出する、少なくとも一つの検出器と、を備え、
     前記光の強度が最大の時に、前記信号光の非線形光学効果により発生する飽和又は非線形な増加が生じることによって光の強度と前記信号光の強度との関係が非線形になる非線形領域となるよう前記光の強度を変化させて試料に照射し、
     前記光の強度に応じた前記信号光を前記検出器で検出し、前記信号光の飽和成分又は非線形な増加成分に基づいて観察を行う顕微鏡。
  2.  前記光源からの光と同じ波長の反射光、透過光、及び散乱光の少なくとも一つを前記信号光として、前記検出器が検出し、
     高次の非線形光学効果を含む他の光学効果により光高調波が発生することで、前記信号光が飽和することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3.  多光子遷移によって発生した散乱光を前記信号光として前記検出器が検出し、
     前記非線形光学効果を含む他の光学効果により光高調波が発生することで、前記信号光が飽和することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  4.  前記検出器がハイパーレイリー散乱、ラマン散乱、誘導ラマン散乱、コヒーレントアンチストークスラマン散乱、四光波混合、誘導放出、高調波発生、差周波発生、及び和周波発生のうちの少なくとも一つを検出し、
     前記検出器で検出される信号光が、前記光源からの光との波長差を利用して、前記光から分離されていることを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。
  5.  前記光の強度が時間に応じて変化するよう強度変調する変調器をさらに備え、
     前記光がピークとなる時間において信号光が前記非線形領域となる強度で試料に照射され、
     前記変調器で強度変調しながら、前記光と前記試料の相対位置を変化させるよう走査し、前記試料から出射した信号光を前記検出器で検出し、
     前記検出器で検出された信号光から、前記変調器での変調周波数に対する高調波成分を取り出して観察を行う請求項1乃至4のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  6.  前記試料からの信号光が、前記変調器で強度変調された光のn光子反応(nは1以上の自然数)によって生成され、
     前記変調器での変調周波数に対する(n+1)次以上の高調波成分を取り出して、観察を行うことを特徴とする請求項5に記載の顕微鏡。
  7.  前記試料に波長の異なる2つの光が照射され、
     前記2つの光が同じ変調周波数、かつ同じ位相で強度変調され、
     前記試料からの信号光が、強度変調された2つの光のm光子反応(mは2以上の自然数)によって生成され、
     前記変調周波数に対する(m+1)次以上の高調波成分を取り出して、観察を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  8.  前記試料に波長の異なる2つの光が照射され、
     前記2つの光が異なる変調周波数で変調され、
     前記2つの光の変調周波数の和、又は差に応じた周波数で復調していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  9.  前記光の強度が時間に応じて変化するよう強度変調され、
     前記光源がパルス光源であり、
     前記パルス光源の繰り返し周波数が、強度変調の変調周波数よりも高くなっている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  10.  前記信号光が前記非線形領域となる第1の強度と、前記第1の強度と異なる第2の強度の少なくとも2つの強度とで前記試料に照射されるよう前記光の強度を変化させ、
     前記第1の強度での信号光の強度及び前記第2の強度での信号光の強度に基づいて信号光の飽和成分又は非線形な増加成分を算出する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  11.  波長差に応じて分離された前記信号光を複数の前記検出器で検出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の顕微鏡。
  12.  光を試料に照射し、前記試料を観察する観察方法であって、
     前記光を集光して、前記試料に照射することで、前記試料での多光子遷移過程による信号光を発生させ、
     前記光の強度が最大の時に、前記試料からの前記信号光が、非線形光学効果により発生する前記信号光の飽和又は非線形な増加によって光の強度と信号光の強度との関係が非線形になる非線形領域となるよう、前記光の強度を変化させて、
     前記試料からの信号光を検出し、
     前記検出された信号光の飽和成分又は非線形な増加成分に基づいて観察を行う観察方法。
  13.  前記試料の近傍に金属探針を配置した状態、又は前記試料に金属粒子を添加した状態で、前記光を試料に照射することを特徴とする請求項12に記載の観察方法。
  14.  前記試料の近傍に配置された金属探針を走査しながら、前記光を試料に照射して、前記信号光を検出することを特徴とする請求項13に記載の観察方法。
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