WO2011096393A1 - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

(A)ゴム成分、(B)パルプを機械的な解繊処理により得られるミクロフィブリル化植物繊維、及び(C)レゾール樹脂を含有するゴム組成物並びにその製造方法に関する。

Description

ゴム組成物及びその製造方法
 本発明は、ミクロフィブリル化植物繊維及びレゾール樹脂を含有するゴム組成物に関する。
 ゴム組成物において、ゴム成分中に配合される充填剤としてセルロース繊維を含有することにより、ゴムの物理的特性の向上させることは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、セルロース短繊維の水分散液とゴムラテックスとを攪拌混合し、その混合液から水を除去して得られるマスターバッチについて開示されている。しかしながら、セルロース繊維は、ゴムとの相溶性が悪く、ゴム組成物として配合した場合に、破断特性や界面におけるエネルギーロス等の面で十分な効果が得られず、これらの特性を改善しなければ、各種用途への実用化は難しい。そのため、セルロース繊維とゴム成分との相溶性を改善させるために、アセチル化等の表面処理を施したセルロース短繊維の利用が提案されているが、この表面改質は、溶剤中で反応させる必要があり、表面処理には多くのプロセスが必要となる。また、このような表面処理によりセルロース繊維とゴム成分との相溶性は改善されるが、セルロース繊維とゴム成分との界面での化学的な結合が生じないことから、十分な補強効果が得られないという点で問題があった。
特開2006-206864号公報
 ミクロフィブリル化植物繊維がゴム成分中に良好に分散しているゴム組成物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、ミクロフィブリル化植物繊維を含有するゴム組成物において、さらにレゾール樹脂を含有することにより、ミクロフィブリル化植物繊維とゴム成分との界面における相互作用を改善させることができ、このような処理を水系で容易に行うことが可能であることを見出した。また、ゴム組成物中の繊維の分散性を改善することにより、破断強度等の物理的特性を向上させることのできるゴム組成物を見出した。
 本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
 項1.(A)ゴム成分、
(B)パルプを機械的に解繊処理することにより得られるミクロフィブリル化植物繊維、及び
(C)レゾール樹脂を含有するゴム組成物。
 項2.レゾール樹脂(C)が、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドの重合により得られる項1に記載のゴム組成物。
 項3.ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンがレゾルシンである項2に記載のゴム組成物。
 項4.ミクロフィブリル化植物繊維(B)の含有量が、ゴム成分(A)100重量部に対して、1~50重量部である項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
 項5.レゾール樹脂(C)の含有量が、ゴム成分(A)100重量部に対して、0.01~5重量部である項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
 項6.ミクロフィブリル化植物繊維(B)における機械的な解繊処理が磨砕処理である項1~5のいずれかに記載のゴム組成物。
 項7.ミクロフィブリル化植物繊維(B)の平均繊維径が、10μm以下である項1~6のいずれかに記載のゴム組成物。
 項8.タイヤ用に用いられる項1~7のいずれかに記載のゴム組成物。
 項9.ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスと、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、
工程(a1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体とパルプを混合した後、機械的に解繊処理し、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b1)、
工程(b1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、及び
工程(c1)により得られる分散液を凝固した後、乾燥させ、マスターバッチを得る工程(d1)を含む
項1~8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
 項10.ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスと、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、
パルプを機械的に解繊処理しミクロフィブリル化植物繊維を得た後、ミクロフィブリル化植物繊維と工程(a1)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体を混合し、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b2)、
工程(b2)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、並びに
工程(c1)により得られる分散液を凝固した後、乾燥させ、マスターバッチを得る工程(d1)を含む
項1~8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
 項11.工程(b1)における機械的な解繊処理が磨砕処理である項9に記載のゴム組成物の製造方法。
 項12.工程(b2)における機械的な解繊処理が磨砕処理である項10に記載のゴム組成物の製造方法。
 項13.項1~8のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明のゴム組成物は、(A)ゴム成分、(B)パルプを機械的に解繊処理することにより得られるミクロフィブリル化植物繊維、及び(C)レゾール樹脂を含有する。
 ゴム成分(A)としては、ジエン系ゴム成分のものが挙げられ、具体的には、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、スチレン-イソプレン共重合体ゴム、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エポキシ化天然ゴム(ENR)等の改質天然ゴム、水素化天然ゴム、脱タンパク天然ゴム等が挙げられる。また、ジエン系ゴム成分以外のゴム成分としては、エチレン-プロピレン共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらのゴム成分は、単独で使用してもよく、2種類以上をブレンドして用いてもよい。ブレンドする場合のブレンド比においても、各種用途に応じて適宜配合すればよい。
 ミクロフィブリル化植物繊維(B)に含有するリグニンについては、化学的に除去したものであっても、除去していなくともよい。
 化学的にリグニンを完全には除去しない場合、ミクロフィブリル化セルロースの間を埋めているリグニン及びヘミセルロースからなるマトリックス部分が壊れて微小繊維化(ミクロフィブリル化)していると推測される。したがって、機械的な解繊処理により得られるミクロフィブリル化植物繊維(B)は、植物原料が本来有しているセルロース、ヘミセルロース及びプロトリグニン(植物組織中に存在する状態でのリグニン)から構成される構造を保持していると推測される。セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲の一部又は全部をヘミセルロース及び/又はリグニンが被覆した構造、特に、セルロースミクロフィブリル及び/又はセルロースミクロフィブリル束の周囲をヘミセルロースが覆い、さらにこれをリグニンが覆った構造を有していると推測される。ただし、ヘミセルロース及び/又はリグニンが取れてヘミセルロース又はセルロース繊縦が表面に露出する部分も存在するであろうと推測される。
 ミクロフィブリル化植物繊維の繊維径の平均値(以下、平均繊維径ともいう)は、10μm以下が好ましく、4nm~1μmであることがより好ましく、4nm~200nmであることがさらに好ましく、4nm~100nmであることがより一層好ましい。また、ミクロフィブリル化植物繊維は繊維が複雑に絡み合っている。ミクロフィブリル化植物繊維におけるリグニン含有率とセルロース含有率の関係は、リグニンはセルロース重量に対し、2~70重量%、好ましくは5~60重量%、より好ましくは10~50重量%である。また、ミクロフィブリル化植物繊維においてリグニンを含有する場合、リグニンの含有率は、好ましくは1~40重量%、より好ましくは3~35重量%、より一層好ましくは5~35重量%である。ミクロフィブリル化植物繊維(B)において、原料であるパルプ中のリグニンを除去しない場合、パルプにおけるリグニン含有率とミクロフィブリル化植物繊維におけるリグニン含有率とはほぼ同じとなる。これと同様に、パルプにおけるセルロース含有率とリグニン含有率の関係とミクロフィブリル化植物繊維におけるセルロース含有率とリグニン含有率の関係もほぼ同じである。
 なお、特開2001-342353号公報には、木粉を脱脂処理(エタノール:ベンゼン=1:2溶液)した脱脂木粉に、フェノール誘導体のアセトン溶液を加えてフェノール誘導体を収着させ、リン酸処理して得られる組成物が記載されているが、この組成物は、ミクロフィブリル化されていない点で、本発明で用いられるミクロフィブリル化植物繊維(B)とは相違する。
 ミクロフィブリル化植物繊維(B)を製造する際に用いられるパルプは、従来のミクロフィブリル化セルロースの製造に使用されていたパルプであればよく、リグニンが除去されていない、又は一部除去されているものであってもよい。
 ミクロフィブリル化植物繊維(B)を製造する際に用いられるパルプを供給するための植物原料としては、従来のミクロフィブリル化セルロースの製造に使用されていたパルプを供給するための植物原料を広く使用でき、例えば木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物、布、再生パルプ、古紙が挙げられる。好ましくは、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物である。
 植物原料をパルプ化する方法は、特に限定されるものではなく、従来の方法によって行われる。例えば、植物原料を機械的にパルプ化するメカニカルパルプ化法等が適用できる。メカニカルパルプ化法により得られるメカニカルパルプ(MP)としては砕木パルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等を挙げることができる。
 また、植物原料を塩素処理、アルカリ処理、酸素酸化処理、次亜塩素酸ナトリウム処理、亜硫酸塩処理等により化学的に或いは化学的及び機械的にパルプ化することにより得られるケミカルパルプ(CP)、(クラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP)等)、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)を用いることも可能である。また、パルプは、必要に応じてパルプ分野で慣用されている化学変性処理されていても良く、例えば、エステル化処理、エーテル化処理、アセタール化処理、リグニンの芳香環が処理されたパルプ等を施されたパルプが例示される。エステル化処理、エーテル化処理、アセタール化処理は、主として、セルロース、ヘミセルロース、リグニンに存在する水酸基をエステル化、エーテル化、アセタール化処理することを包含する。また、リグニンの芳香環の処理は、リグニンの芳香環に所望の置換基を導入することを包含する。
 ミクロフィブリル化植物繊維(B)の含有量は、ゴム中でのミクロフィブリル化植物繊維(B)の分散性が悪化せずに補強性と破壊特性のバランスを良好に保つことができるという観点から、ゴム成分(A)100重量部に対して、1~50重量部の範囲内が好ましく、2~35重量部の範囲内がより好ましく、3~20重量部の範囲内がさらに好ましい。
 レゾール樹脂(C)は、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドが重合することにより得られる。ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとしては、フェノール、レゾルシン、クレゾール、変性レゾルシン、変性フェノール、カテコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても複数組み合わせて用いてもよく、ホルムアルデヒドとの反応によるレゾール樹脂の生成効率において良好であるという観点から、レゾルシン、フェノール、クレゾールが好ましい。ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドが重合する際に、触媒としてアルカリが用いられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられるが特に限定されるものではない。
 レゾール樹脂(C)の含有量は、ミクロフィブリル化植物繊維とゴムの界面における相互作用を発現し、かつ破断強度等の物理的特性が良好であるという観点から、ゴム成分(A)100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.05重量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらに好ましい。また、レゾール樹脂(C)の含有量は、ミクロフィブリル化植物繊維の分散を悪化させず、かつ破断強度等の物理的特性が良好であるという観点から、ゴム成分(A)100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましく、2重量部以下がさらに好ましい。
 本発明のゴム組成物において含有される、レゾール樹脂(C)は、ゴム成分(A)と一部化学的に結合し、かつ、ミクロフィブリル化植物繊維(B)とも一部化学的に結合するものと推測される。そのため、ゴム組成物中のゴム成分(A)とミクロフィブリル化植物繊維(B)との界面における乖離を抑えることができ、かつゴム成分(A)中にミクロフィブリル化植物繊維(B)を良好に分散させることができる。
 本発明のゴム組成物は、ゴムラテックスと、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、工程(a1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体とパルプを混合した後、機械的に解繊処理を行い、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b1)、工程(b1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、及び工程(c1)により得られる分散液を乾燥し、マスターバッチを得る工程(d1)により製造することができる(以下、製造方法1ともいう)。
 前記製造方法1においては、レゾール樹脂-ゴム分散体とパルプを混合した後に、機械的に解繊処理を行うことを特徴とするものであり、製造方法1によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維は、繊維の表面が比較的均一に処理されているため、ゴム組成物中での繊維の分散性がより高まるという効果が得られる。
 また、前記製造方法1とは別の製造方法として、本発明のゴム組成物は、ゴムラテックスとヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、パルプを機械的に解繊処理しミクロフィブリル化植物繊維を得た後、ミクロフィブリル化植物繊維と工程(a1)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体を混合し、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b2)、工程(b2)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、及び工程(c1)により得られる分散液を乾燥し、マスターバッチを得る工程(d1)により製造することもできる(以下、製造方法2ともいう)。
 前記製造方法2においては、パルプを機械的に解繊処理して、ミクロフィブリル化植物繊維を製造した後に、レゾール樹脂-ゴム分散体と混合することを特徴とするものであり、製造方法2は、解繊処理前のパルプとレゾール樹脂-ゴム分散体との混合作業を排除できるため、マスターバッチを得るまでの工程を簡略化できる。
 製造方法1及び2における工程(a1)で使用されるゴムラテックス中のゴム成分は、工程(c1)で配合されるゴムラテックス中のゴム成分と同一の種類であっても異なっていてもよいが、ミクロフィブリル化植物繊維を良好に分散できるという観点から、同じ種類のゴム成分を用いることが好ましい。
 製造方法1及び2における工程(a1)のゴムラテックスに含有されるゴム成分は、ゴム組成物におけるミクロフィブリル化植物繊維の接着性や分散性において、良好であるという点から、ゴム組成物中に含むゴム成分全体に対して、0.1重量%以上が好ましく、0.2重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上がさらに好ましい。また、製造方法1及び2における工程(a1)のゴムラテックスに含有されるゴム成分は、ゴム組成物におけるミクロフィブリル化植物繊維の接着性を高め、かつミクロフィブリル化植物繊維どうしの凝集を回避するうえで、良好であるという点から、ゴム組成物中に含むゴム成分全体に対して、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。ゴム成分の具体例は、前記で挙げられたものを用いることができる。
 なお、残りのゴム成分は、製造方法1及び2における工程(c1)において配合されるゴムラテックス中のゴム成分として配合される。すなわち、工程(c1)におけるゴム成分の配合量は、ゴム組成物中に含むゴム成分全体に対して、90~99.9重量%が好ましく、95~99.8重量%がより好ましく、98~99.7重量%がさらに好ましい。
 製造工程1及び2における工程(a1)において、ゴムラテックスとヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合することにより、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドが重合し、レゾール樹脂が形成されると共にゴムラテックス中に分散される。ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンは、前記で挙げたものと同様のものを用いることができる。また、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドとの重合の際に、触媒としてアルカリを配合してもよい。アルカリの具体例としては、前記で挙げたものと同様のものを用いることができる。
 ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン、及びホルムアルデヒドのそれぞれの配合量は、前記ゴム組成物に含有するレゾール樹脂の含有量となるように、適宜配合すればよい。
 製造方法1の工程(b1)におけるレゾール樹脂-ゴム分散体とパルプを混合した後の機械的な解繊処理の方法、及び製造方法2の工程(b2)におけるパルプを機械的に解繊処理する方法としては、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、二軸混錬押出機、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等により機械的に磨砕ないし叩解する方法が挙げられる。これらの方法により、パルプが解繊又は微細化され、ミクロフィブリル化植物繊維とされる。解繊処理における好ましい温度は0~99℃、より好ましくは0~90℃である。解繊処理の原料となるパルプは、このような解繊処理に適した形状(例えば粉末状等)であることが望ましい。また、解繊処理に先立って、パルプを蒸気で蒸す(例えば、圧力釜中、水分存在下で加熱する)と解繊エネルギーの低減の点で有利である。
 好ましい解繊方法は磨砕処理であり、石臼式磨砕機、二軸混練押出機を用いることが好ましい。磨砕は繊維径が所望の大きさになるまで行えばよい。
 製造方法1及び2の工程(c1)において得られる分散液は、酸により凝固させ、その後、乾燥させる。
 分散液中の固形分を凝固させる際の酸は、ギ酸、酢酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。
 前記の方法により得られるゴム組成物(マスターバッチ)は、さらに、カーボンブラック、シリカ等の補強用充填剤;シランカップリング剤等のシラン化合物;プロセスオイル;ワックス;老化防止剤;硫黄及び加硫促進剤等の加硫剤;酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫助剤等を適宜配合することができる。
 本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)中にレゾール樹脂(C)を介してミクロフィブリル化植物繊維(B)が良好に分散される。そのため、破断特性及び剛性が向上する。よって、タイヤ用として好適に用いられ、タイヤ用として用いた場合、低燃費特性を低下させずに、かつ操縦安定性を向上させることができる。
 本発明のゴム組成物をタイヤ用として用いる場合、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロール等で前記で調製したゴム成分(A)、ミクロフィブリル化植物繊維(B)及びレゾール樹脂(C)を含有するゴム組成物に、さらに、所望の添加剤を混練したのち、加硫することによりゴム組成物を製造することができる。
 また、本発明は、前記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤにも関する。
 空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、本発明のゴム組成物にさらに、所望の配合剤を配合して混練し、得られる混練物を、未加硫の段階でタイヤの各種部材の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得ることができる。
 本発明のゴム組成物は、レゾール樹脂及びミクロフィブリル化植物繊維を含有するため、ゴム成分とセルロースとの界面がレゾール樹脂を介して部分的に化学的に結合するため、ゴム成分とミクロフィブリル化植物繊維との界面相互作用が改善され、また、ミクロフィブリル化植物繊維のゴム成分への分散性が良好となる。そのため、ゴム組成物の破断特性が向上する。このようなゴム組成物を空気入りタイヤに用いた場合、低燃費性を低下させずに、剛性の向上により、操縦安定性を改善することが可能となる。
[実施例]
 以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
 <レゾール樹脂-ゴム分散体1の調製>
 水酸化ナトリウム0.5gを水242.2gに溶解し、さらにホルマリン(濃度:37重量%のホルムアルデヒド水溶液)16.2g及びレゾルシン11.0gを添加し、均一化させ、30℃で5時間熟成させることでA液を得た。ついでA液80.0gと天然ゴムラテックス64.8g(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA、固形分60重量%)及び水63.8gを撹拌混合し、30℃で1時間熟成することでレゾール樹脂-ゴム分散体1を得た。
 <レゾール樹脂-ゴム分散体2の調製>
 水酸化ナトリウム1.0gを水368.5gに溶解し、さらにホルマリン(濃度:37重量%のホルムアルデヒド水溶液)26.5g及びレゾルシン17.0gを添加し、均一化させ、25℃で8時間熟成させることでA液を得た。ついでA液全量と変性スチレンブタジエンゴムラテックス259.7g(日本エイアンドエル株式会社製、PYRATEX、固形分41重量%)、スチレンブタジエンゴムラテックス114.1g(JSR株式会社製、JSR2108、固形分40重量%)及び水213.2gを撹拌混合し、25℃で1時間熟成することでレゾール樹脂-ゴム分散体2を得た。
 <ミクロフィブリル化植物繊維の調製>
 パルプ(針葉樹由来非漂白クラフトパルプ(リグニン5~7重量%))、若しくは当該パルプとレゾール樹脂-ゴム分散体1、又は当該パルプとレゾール樹脂-ゴム分散体2の混合物を固形分が30重量%になるように調整し、400rpm、0℃の操業条件の二軸混練押出機で処理することでミクロフィブリル化植物繊維1、2及び3を調製した。ミクロフィブリル化植物繊維1及び2の配合量を表1に示す。なお、ミクロフィブリル化植物繊維2におけるレゾール樹脂-ゴム分散体中のレゾール樹脂の含有割合は1.0重量%であり、天然ゴムの含有割合は8.1重量%、ミクロフィブリル化植物繊維3におけるレゾール樹脂-ゴム分散体中のレゾール樹脂の含有割合は1.6重量%であり、合成ゴムの含有割合は8.9重量%であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 <マスターバッチの調製>
 ・マスターバッチ1の調製
 50gのミクロフィブリル化植物繊維1(固形分濃度:30重量%)を1450gの水中に高速ホモジナイザー(IKA製バッチ式ホモジナイザーT65Dウルトラタラックス(Ultraturrax T25))を用いて24,000rpm、1時間撹拌分散させ、ついで250gの天然ゴムラテックス(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA、固形分濃度:60重量%)を添加し、さらに24,000rpm、30分撹拌分散させ分散液を調製した。得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させることでマスターバッチ1を得た。
 ・マスターバッチ2の調製
 レゾール樹脂-ゴム分散体1を含有するミクロフィブリル化植物繊維2を用いて、分散液を調製し、得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させた以外はマスターバッチ1と同様の方法で調製した。
 ・マスターバッチ3の調製
 レゾール樹脂-ゴム分散体2を含有するミクロフィブリル化植物繊維3を用いて、分散液を調製し、得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させた以外はマスターバッチ1と同様の方法で調製した。
 ・マスターバッチ4の調製
 ミクロフィブリル化植物繊維を使用せず、固形分濃度:60重量%の天然ゴムラテックス(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA)250gを5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させることでマスターバッチ4を得た。
 ・マスターバッチ5の調製
 25gのミクロフィブリル化植物繊維1(固形分濃度:30重量%)を725gの水中に高速ホモジナイザー(IKA製バッチ式ホモジナイザーT65Dウルトラタラックス(Ultraturrax T25))を用いて24,000rpm、1時間撹拌分散させ、ついで250gの天然ゴムラテックス(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA、固形分濃度:60重量%)を添加し、さらに24,000rpm、30分撹拌分散させ分散液を調製した。得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させることでマスターバッチ5を得た。
 ・マスターバッチ6の調製
 レゾール樹脂-ゴム分散体1を含有するミクロフィブリル化植物繊維2を用いて、分散液を調製し、得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させた以外はマスターバッチ5と同様の方法で調製した。
 ・マスターバッチ7の調製
 レゾール樹脂-ゴム分散体2を含有するミクロフィブリル化植物繊維3を用いて、分散液を調製し、得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させた以外はマスターバッチ5と同様の方法で調製した。
 ・マスターバッチ8の調製
 50gのミクロフィブリル化植物繊維1(固形分濃度:30重量%)と7.1gのレゾール樹脂-ゴム分散体1を1450gの水中に高速ホモジナイザー(IKA製バッチ式ホモジナイザーT65Dウルトラタラックス(Ultraturrax T25))を用いて24,000rpm、1時間撹拌分散させ、ついで250gの天然ゴムラテックス(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA、固形分濃度:60重量%)を添加し、さらに24,000rpm、30分撹拌分散させ分散液を調製した。得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させることでマスターバッチ1を得た。
 ・マスターバッチ9の調製
 8.3gのレゾール樹脂-ゴム分散体2を使用する以外はマスターバッチ8と同様の方法で調製した。
 ・マスターバッチ10の調製
 25gのミクロフィブリル化植物繊維1(固形分濃度:30重量%)と3.6gのレゾール樹脂-ゴム分散体1を725gの水中に高速ホモジナイザー(IKA製バッチ式ホモジナイザーT65Dウルトラタラックス(Ultraturrax T25))を用いて24,000rpm、1時間撹拌分散させ、ついで250gの天然ゴムラテックス(ゴールデン・ホープ・プランテーションズ社製、HYTEX-HA、固形分濃度:60重量%)を添加し、さらに24,000rpm、30分撹拌分散させ分散液を調製した。得られた分散液を5重量%ギ酸水溶液で凝固、水洗後、40℃の加熱オーブン中で乾燥させることでマスターバッチ5を得た。
 ・マスターバッチ11の調製
 4.2gのレゾール樹脂-ゴム分散体2を使用する以外はマスターバッチ8と同様の方法で調製した。
 <加硫ゴム組成物の調製>
 各種マスターバッチと配合剤を60℃、24rpmの条件で6インチオープンロールにより5分間混練した後、150℃でプレス加熱することで比較例1及び2、実施例1~8及び参考例1に対応する加硫ゴム組成物を得た。表2及び3に各種マスターバッチと配合剤の配合割合を示す。なお、実施例1、3、5、及び7における天然ゴムの配合量は、ゴムラテックス中の天然ゴム及びミクロフィブリル化植物繊維2中の天然ゴムの合計量を表し、ミクロフィブリル化植物繊維2中の天然ゴムは、天然ゴムの合計量中、0.9重量%(実施例1及び5)、0.4重量%(実施例3及び7)含有する。同様に実施例2、4、6、及び8における合成ゴムの配合量は、ゴムラテックス中の合成ゴム及びミクロフィブリル化植物繊維3中の合成ゴムの合計量を表し、ミクロフィブリル化植物繊維3中の合成ゴムは、天然ゴムと合成ゴムの合計量中、1.0重量%(実施例2及び6)、0.5重量%(実施例4及び8)含有する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
表2及び表3中の各配合成分の詳細を以下に示す。
  老化防止剤:ノクラック6C(大内新興化学工業(株)製)
  ステアリン酸:ビーズステアリン酸つばき(日本油脂(株)製)
  酸化亜鉛:酸化亜鉛2種(三井金属鉱業(株)製)
  硫黄:粉末硫黄(鶴見化学工業(株)製)
  加硫促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学工業(株)製)
 <実施例1~8、比較例1~2及び参考例1>
 上記の方法で作製した加硫ゴム組成物を用い、以下に示す評価を行った。なお、表4及び表5に示す特性データ中の引張強度指数、破断伸び指数、破壊エネルギー指数、操縦安定性指数、転がり抵抗指数については、参考例1を基準配合とし、下記記載の計算式で算出した。
 (引張試験)
 JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、引張強度及び破断伸びを測定した。下記の計算式、
  引張強度指数=(各配合の破断応力)÷(基準配合の破断応力)×100
  破断伸び指数=(各配合の破断伸び)÷(基準配合の破断伸び)×100
  破壊エネルギー指数=(各配合の破断応力×破断伸び÷2)÷(基準配合の破断応力×破断伸び÷2)×100により引張強度指数、破断伸び指数、破壊エネルギー指数を算出した。指数が大きい程、加硫ゴム組成物が良好に補強されており、ゴムの機械強度が大きく、破壊特性に優れることを示す。
 (操縦安定性指数,転がり抵抗指数)
 前述の方法で調製された加硫ゴム組成物の2mmゴムスラブシートから測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各測定用試験片のE*(複素弾性率)及びtanδ(損失正接)を測定した。下記の計算式、
  操縦安定性指数=(各配合のE*)÷(基準配合のE*)×100
  転がり抵抗指数=(各配合のtanδ)÷(基準配合のtanδ)×100
により操縦安定性指数、転がり抵抗指数を算出した。
 操縦安定性指数が大きい程、空気入りタイヤとして用いる場合に良好な操縦安定性を与え、転がり抵抗指数が小さい程、空気入りタイヤとして用いる場合に良好な転がり抵抗特性を与えることを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005

Claims (13)

  1. (A)ゴム成分、
    (B)パルプを機械的に解繊処理することにより得られるミクロフィブリル化植物繊維、及び
    (C)レゾール樹脂を含有するゴム組成物。
  2. レゾール樹脂(C)が、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンとホルムアルデヒドの重合により得られる請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼンがレゾルシンである請求項2に記載のゴム組成物。
  4. ミクロフィブリル化植物繊維(B)の含有量が、ゴム成分(A)100重量部に対して、1~50重量部である請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. レゾール樹脂(C)の含有量が、ゴム成分(A)100重量部に対して、0.01~5重量部である請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. ミクロフィブリル化植物繊維(B)における機械的な解繊処理が磨砕処理である請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. ミクロフィブリル化植物繊維(B)の平均繊維径が、10μm以下である請求項1~6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. タイヤ用に用いられる請求項1~7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスと、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、
    工程(a1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体とパルプを混合した後、機械的に解繊処理し、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b1)、
    工程(b1)によって得られるレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、及び
    工程(c1)により得られる分散液を凝固した後、乾燥させ、マスターバッチを得る工程(d1)を含む
    請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  10. ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスと、ヒドロキシル基を少なくとも1個有するベンゼン及びホルムアルデヒドを含有する溶液を配合し、レゾール樹脂-ゴム分散体を得る工程(a1)、
    パルプを機械的に解繊処理しミクロフィブリル化植物繊維を得た後、ミクロフィブリル化植物繊維と工程(a1)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体を混合し、レゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維を得る工程(b2)、
    工程(b2)によって得られたレゾール樹脂-ゴム分散体含有ミクロフィブリル化植物繊維と、ゴムラテックス成分全体に対して1~60重量%のゴム成分を含有するゴムラテックスを混合し、分散液を得る工程(c1)、並びに
    工程(c1)により得られる分散液を凝固した後、乾燥させ、マスターバッチを得る工程(d1)を含む
    請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
  11. 工程(b1)における機械的な解繊処理が磨砕処理である請求項9に記載のゴム組成物の製造方法。
  12. 工程(b2)における機械的な解繊処理が磨砕処理である請求項10に記載のゴム組成物の製造方法。
  13. 請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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