JP2022160761A - ナノセルロースマスターバッチ、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<1>ゴム成分と、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物ならびにホルムアルデヒドにより表面処理されたナノセルロースと、分散剤と、を含有するナノセルロースマスターバッチであって、前記ゴム成分が、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを主成分として含み、前記ゴム成分100質量部に対して、前記ナノセルロースを0.3~60質量部、前記分散剤を0.5~35質量部含有し、前記ナノセルロース1質量部に対して、前記レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物を0.03~1.2質量部、前記ホルムアルデヒドを0.02~0.8質量部含有する、ナノセルロースマスターバッチ。
<2>前記分散剤が、脂肪酸誘導体混合物であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を0.5~10質量部含有する、<1>に記載のナノセルロースマスターバッチ。
<3>前記分散剤が、重量平均分子量が2000以上60000以下の低分子量ジエン系液状ポリマーであり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を1~35質量部含有する、<1>に記載のナノセルロースマスターバッチ。
<4>前記分散剤が、オイル、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジン変性樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン系樹脂、およびリグニンからなる群から選ばれる1以上であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を1~30質量部含有する、<1>に記載のナノセルロースマスターバッチ。
<5><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<6><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得てから分散剤を混合する工程、ならびに、前記分散剤が混合された前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<7><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得てから分散剤を混合する工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<8><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<9><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスおよび分散剤を混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<10><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得てから分散剤を混合する工程、ならびに、前記分散剤が混合された前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<11><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得てから分散剤を混合する工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。
<12><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチと、ゴム成分と、を用いて得られたゴム組成物であって、全ゴム成分100質量部のうち、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを25質量部以上含み、さらに、前記全ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを0.3~60重量部、カーボンブラックおよび/またはシリカを30~200質量部含む、ゴム組成物。
<13><1>~<4>のいずれか1つに記載のナノセルロースマスターバッチと、ゴム成分と、を用いて得られたゴム組成物であって、全ゴム成分100質量部のうち、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体を35質量部以上含み、且つ前記全ゴム成分において前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体の質量比率が最も高く、さらに、前記全ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを0.3~60重量部、カーボンブラックおよび/またはシリカを30~200質量部含む、ゴム組成物。
本発明は、ゴム成分と、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物ならびにホルムアルデヒドにより表面処理されたナノセルロースと、分散剤と、を含有し、ゴム成分が、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを主成分として含み、ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを0.3~60質量部、分散剤を0.5~35質量部含有し、ナノセルロース1質量部に対して、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物を0.03~1.2質量部、ホルムアルデヒドを0.02~0.8質量部含有するナノセルロースマスターバッチ、その製造方法、ならびにそのナノセルロースマスターバッチを用いたゴム組成物である。以下においては「本発明のナノセルロースマスターバッチ」、「本発明のナノセルロースマスターバッチの製造方法」、「本発明のゴム組成物」ともいう。
まず、本発明のナノセルロースマスターバッチの原料、成分組成等について説明する。本発明のナノセルロースマスターバッチは、少なくとも、所定のゴムラテックス、RFラテックス、ナノセルロース、および分散剤を原料として用いて作製される。以下、それぞれについて詳細に説明する。
本発明のナノセルロースマスターバッチには、天然ゴム(NR)またはスチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)のゴムラテックスを原料として使用する。なお、ラテックスとは、ゴム成分が水中にコロイド状に分散した水分散体である。そして、得られる本発明のナノセルロースマスターバッチとともにゴム成分を用いて本発明のゴム組成物を作製する場合には、このゴムラテックスのゴム成分は、本発明のゴム組成物に配合するゴム成分と同じものであると好適である。つまり、本発明のナノセルロースマスターバッチと天然ゴムとを用いて本発明のゴム組成物を作製する場合、本発明のナノセルロースマスターバッチはゴムラテックスとして天然ゴムのラテックスを用いたものであるのが好ましく、本発明のナノセルロースマスターバッチとスチレン-ブタジエン共重合体ゴムとを用いて本発明のゴム組成物を作製する場合、本発明のナノセルロースマスターバッチはゴムラテックスとしてスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのラテックスを用いたものであるのが好ましい。
ここで、本発明において「重量平均分子量」とは、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定したものを意味する。また、このGPC測定は、測定器としてカラム(Polymer Laboratories社製、MIXED-B)を使用し、40℃において行う。以下においても同様である。
ここで、この「主成分として含む」とは、本発明のナノセルロースマスターバッチに含まれるゴム成分のうち、当該ゴム成分が60質量%以上含まれることを意味し、この割合は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明のナノセルロースマスターバッチには、さらに、RFラテックスを原料として使用する。このRFラテックスは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物(RF樹脂)、ならびにホルムアルデヒドからなるものであり、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックスにRF樹脂とホルムアルデヒドまたはホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)とを含有させることにより得ることができる。
本発明のナノセルロースマスターバッチは、前述したように、含まれるゴム成分が天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを主成分として含むものであるが、この限りにおいて、本発明のナノセルロースマスターバッチには天然ゴムおよびスチレン-ブタジエン共重合体ゴム以外のゴム成分(天然ゴムおよびスチレン-ブタジエン共重合体ゴム以外のジエン系ゴム成分など)が含まれていてもよい。この場合、そのゴム成分は、上記したゴムラテックスやRFラテックスに含まれていてもよく、あるいは、別のゴム成分のラテックスを原料として使用したものであってもよい。また、天然ゴムおよびスチレン-ブタジエン共重合体ゴム以外のゴム成分の含有量は、本発明のナノセルロースマスターバッチに含まれるゴム成分全体のうち30質量%未満であるのが好ましく、20質量%未満であるのがより好ましく、10質量%未満であるのがさらに好ましく、5質量%未満であるのがさらに好ましく、2質量%未満であるのがさらに好ましい。
本発明のナノセルロースマスターバッチには、さらに、ナノセルロースを原料として使用する。この「ナノセルロース」とは、セルロースミクロフィブリルからなる平均繊維径が1~1000nmの極細繊維を意味し、平均繊維長さが0.5~5μmであるアモルファスを含むセルロースナノファイバー(CNF)や、平均繊維長さが0.1~0.5μmである結晶性のセルロースナノクリスタル(CNC)などを包含するものである。
なお、本発明のナノセルロースマスターバッチでは、ナノセルロースが上記したRFラテックスと混合されることによって、RFラテックスに含まれるRF樹脂およびホルムアルデヒドによって表面処理されたナノセルロースとなるが、以下においては、このRF樹脂およびホルムアルデヒドによって表面処理されたナノセルロースも単に「ナノセルロース」と称する場合もある。
本発明のナノセルロースマスターバッチには、さらに、分散剤を原料として使用する。この分散剤は、RF樹脂およびホルムアルデヒドによって表面処理されたナノセルロースのゴム成分中での分散性をより高める成分である。
上記のような原料を用いて作製される本発明のナノセルロースマスターバッチにおける各成分の組成は、以下の通りである。
まず、ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを、ナノセルロースの固形分量として0.3~60質量部、好ましくは0.5~55質量部、より好ましくは1~50質量部、さらに好ましくは3~45質量部、さらに好ましくは5~40質量部含有する。ナノセルロースの含有量が少なすぎると、そのナノセルロースマスターバッチを用いて得られるゴム組成物の力学特性を十分に高めることができない可能性が高い。また、このナノセルロースの含有量が多すぎると、ナノセルロースが均質に分散できない可能性があり、さらに、得られるナノセルロースマスターバッチのコストが高くなる可能性がある。さらに、得られるナノセルロースマスターバッチの粘度が上昇して他の材料と混合し難くなってしまう可能性もある。
次に、本発明のナノセルロースマスターバッチの製造方法について説明する。
本発明のナノセルロースマスターバッチの製造方法は、上記したゴムラテックス、RFラテックス、ナノセルロース、および分散剤を原料として用いて行うが、分散剤またはゴムラテックスの投入(混合)タイミングによって、以下のI~VIIに大別することができる。以下、それぞれについて詳細に説明する。
この製造方法Iでは、まず、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、前述したRFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を全て同じタイミングでミキサー等に投入、混合する。なお、この際のゴムラテックスおよびRFラテックスの固形分量は60質量%以下であるのが好ましく、50質量%以下であるのがより好ましい。また、ナノセルロースは、RFラテックスなどとの混合のし易さという観点から、ナノセルロース水分散液としてから投入、混合するのが好適であり、このナノセルロース水分散液のナノセルロース含量(ナノセルロースの固形分量)は0.1~10質量%であるのが好ましく、0.1~5質量%であるのがより好ましい。特に、セルロースナノファイバーは水分散液とし易いため、ナノセルロース水分散液としてセルロースナノファイバー水分散液を用いると好適である。
ここで、凝固剤としては、無機塩(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、不飽和脂肪酸金属塩(アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩など)などを使用することができる。
この製造方法IIでは、まず、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、RFラテックスと、ナノセルロースと、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のゴムラテックスおよびRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、スラリー状態の原料分散液を取得する。
この製造方法IIIでも、まず、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、RFラテックスと、ナノセルロースと、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のゴムラテックスおよびRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、スラリー状態の原料分散液を取得する。
この製造方法IVでは、まず、RFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、混合液を取得する。このように、ナノセルロースとRFラテックスとをゴムラテックスよりも先に混合することにより、RF樹脂およびホルムアルデヒドによるナノセルロースの表面処理がより行われやすくなる(後述する製造方法V~VIIも同様である)。
この製造方法Vでは、まず、RFラテックスと、ナノセルロースと、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、混合液を取得する。
この製造方法VIでも、まず、RFラテックスと、ナノセルロースと、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、混合液を取得する。
この製造方法VIIでも、まず、RFラテックスと、ナノセルロースと、を同じタイミングでミキサー等に投入する。なお、この際のRFラテックスの固形分量、ナノセルロース水分散液を用いた場合のナノセルロース含量、および各成分の配合量は製造方法Iと同様とする。そして、ミキサー等により混合を行い、混合液を取得する。
次に、本発明のナノセルロースマスターバッチを用いた本発明のゴム組成物について詳細に説明する。
天然ゴムのゴムラテックス(HYTEX HA,高アンモニアタイプ,固形分濃度60質量%、SIME DARBY PLANTATION SDN BHD製)と、ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物(RF樹脂(スミカノール(登録商標)700S)、住友化学工業社製)ならびにホルムアルデヒド水溶液(37%溶液、関東化学社製)をスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのラテックス(Nipol LX112、固形分濃度40.5質量%,日本ゼオン社製)に混合したRFラテックスと、酸化セルロースナノファイバー(CNF;Cellenpia、日本製紙社製)の水分散液(固形分1.0質量%)と、分散剤と、を固形分量として下記表1の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。なお、RFラテックスは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの固形分量が90質量%、RF樹脂およびホルムアルデヒドの固形分量が10質量%となるように混合した。
<分散剤>
・分散剤1:カルシウム石鹸、飽和脂肪酸アミド、および飽和脂肪酸エステルの混合物(ストラクトールHT204、ストラクトール社製)
・分散剤2:亜鉛石鹸を主成分とする脂肪酸誘導体混合物(ストラクトールEF44、ストラクトール社製)
・分散剤3:飽和脂肪酸亜鉛塩、脂肪族炭化水素、および無機フィラーの混合物(アクチプラストST、ランクセス社製)
※いずれも金属石鹸を主成分として含む脂肪酸誘導体混合物
<ゴムラテックス投入のタイミング>
・CNFと同じ:ゴムラテックスと、CNF水分散液と、RFラテックスと、を同じタイミングで投入し混合。
・CNFとは別:CNF水分散液と、RFラテックスと、を混合した後にゴムラテックスを投入。
<分散剤投入のタイミング>
I:ゴムラテックスと、CNF水分散液と、RFラテックスと、分散剤と、を全て同じタイミングで投入して混合。
II:ゴムラテックスと、CNF水分散液と、RFラテックスと、を同じタイミングで投入して混合し、凝固させた後に、分散剤を投入して混合。
III:ゴムラテックスと、CNF水分散液と、RFラテックスと、を同じタイミングで投入して混合し、凝固させ、さらに乾燥させた後に、分散剤を投入して混合。
IV:CNF水分散液と、RFラテックスと、分散剤と、を同じタイミングで投入して混合した後、ゴムラテックスを投入して混合。
V:CNF水分散液と、RFラテックスと、を混合した後、この混合液にゴムラテックスと同じタイミングで分散剤を投入して混合。
VI:CNF水分散液と、RFラテックスと、を混合した後、この混合液にゴムラテックスを投入し、凝固させた後に、分散剤を投入して混合。
VII:CNF水分散液と、RFラテックスと、を混合した後、この混合液にゴムラテックスを投入し、凝固させ、さらに乾燥させた後に、分散剤を投入して混合。
下記表2に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例1で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表2の上段に示す質量比となるように、硫黄、加硫促進剤、および加硫促進助剤を除く成分を密閉式バンバリーミキサーで混練りし、所定時間の経過後、ミキサーから放出して室温冷却させた。次に、オープンロールを用いて、硫黄、加硫促進剤、および加硫促進助剤を混合して混錬し、これを15cm×15cm×0.2cmの金型中において160℃15分間プレス加硫して、E2-1~E2-12およびC2-1~C2-7の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。なお、参考例1として、ナノセルロースマスターバッチを用いていない以外は同様にして作製した加硫ゴム試験片も得た。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251:2010に準拠して行い、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
・天然ゴム(NR):TSR20
・カーボンブラック:ショウブラックN339(ギャボットジャパン社製)
・シリカ:Zeosil 1165MP(ローディア社製)
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・酸化亜鉛:ZnO(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日油社製)
・老化防止剤:SANTOFLEX 6PPD(フレキシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製)
・アロマオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーCZ-G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進助剤:ソクシノールD-G(住友化学社製)
天然ゴムのゴムラテックス、RFラテックス、酸化セルロースナノファイバーの水分散液は実施例1と同じものを用いて、これらと、分散剤と、を固形分量として下記表3の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。
<分散剤>
・分散剤4:重量平均分子量が47000の液状ポリイソプレン(クラプレンLIR-50、クラレ社製)
・分散剤5:重量平均分子量が3900の液状ポリブタジエン(RICON150、クレイバレー社製)
・分散剤6:重量平均分子量が3100のマレイン酸変性液状ポリブタジエン(RICON130MA20、クレイバレー社製)
※いずれも重量平均分子量が2000以上60000以下の低分子量ジエン系液状ポリマー
下記表4に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例3で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表4の上段に示す質量比となるようにして、実施例2と同様の方法により、E4-1~E4-12、C4-1~C4-7、および参考例1の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、実施例2と同様の方法により、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
天然ゴムのゴムラテックス、RFラテックス、酸化セルロースナノファイバーの水分散液は実施例1と同じものを用い、これらと、分散剤と、を固形分量として下記表5の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。
<分散剤>
・分散剤7:アロマオイル(エキストラクト4号S、昭和シェル石油社製)
・分散剤8:ロジン樹脂(松脂(中国ロジンWW)、荒川化学工業社製)
・分散剤9:クマロン・インデン樹脂(ニットレジンG-90、日塗化学社製)
下記表6に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例5で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表6の上段に示す質量比となるようにして、実施例2と同様の方法により、E6-1~E6-12、C6-1~C6-7、および参考例1の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、実施例2と同様の方法により、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックス(Nipol LX112、固形分濃度40.5質量%,日本ゼオン社製)と、ノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物(RF樹脂(スミカノール(登録商標)700S)、住友化学工業社製)ならびにホルムアルデヒド水溶液(37%溶液、関東化学社製)をスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのラテックス(Nipol LX112、固形分濃度40.5質量%,日本ゼオン社製)に混合したRFラテックスと、酸化セルロースナノファイバー(CNF;Cellenpia、日本製紙社製)の水分散液(固形分1.0質量%)と、分散剤と、を固形分量として下記表7の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。なお、RFラテックスは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムの固形分量が90質量%、RF樹脂およびホルムアルデヒドの固形分量が10質量%となるように混合した。
また、下記表7中における分散剤、ゴムラテックス投入のタイミング、および分散剤投入のタイミングの詳細な内容は、実施例1と同じである。
下記表8に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例7で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表8の上段に示す質量比となるように、硫黄、加硫促進剤、および加硫促進助剤を除く成分を密閉式バンバリーミキサーで混練りし、所定時間の経過後、ミキサーから放出して室温冷却させた。次に、オープンロールを用いて、硫黄、加硫促進剤、および加硫促進助剤を混合して混錬し、これを15cm×15cm×0.2cmの金型中において160℃15分間プレス加硫して、E8-1~E8-12およびC8-1~C8-7の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。なお、参考例2として、ナノセルロースマスターバッチを用いていない以外は同様にして作製した加硫ゴム試験片も得た。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、実施例2と同様の方法により、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
・スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR):Nipol 1502(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(ギャボットジャパン社製)
・シリカ:Zeosil 1165MP(ローディア社製)
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・酸化亜鉛:ZnO(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日油社製)
・老化防止剤:SANTOFLEX 6PPD(フレキシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製)
・アロマオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーCZ-G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進助剤:ソクシノールD-G(住友化学社製)
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックス、RFラテックス、酸化セルロースナノファイバーの水分散液は実施例7と同じものを用い、これらと、分散剤と、を固形分量として下記表9の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。
また、下記表9中における分散剤、ゴムラテックス投入のタイミング、および分散剤投入のタイミングの詳細な内容は、実施例3と同じである。
下記表10に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例9で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表10の上段に示す質量比となるようにして、実施例8と同様の方法により、E10-1~E10-12、C10-1~C10-7、および参考例2の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、実施例2と同様の方法により、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックス、RFラテックス、酸化セルロースナノファイバーの水分散液は実施例7と同じものを用い、これらと、分散剤と、を固形分量として下記表11の上段に示す質量比となるように、ゴムラテックス投入のタイミングまたは分散剤投入のタイミングを変えて混合分散し、固形分濃度が60質量%以下であるスラリー状態の各原料分散液を取得した。
また、下記表11中における分散剤、ゴムラテックス投入のタイミング、および分散剤投入のタイミングの詳細な内容は、実施例5と同じである。
下記表12に示す組成のゴム組成物を作製した。
具体的には、実施例11で得られた各ナノセルロースマスターバッチ(MB)を用いて、固形分量として下記表12の上段に示す質量比となるようにして、実施例8と同様の方法により、E12-1~E12-12、C12-1~C12-7、および参考例2の加硫ゴム試験片(ゴム組成物)を作製した。そして、この得られた各加硫ゴム試験片について、実施例2と同様の方法により、100%伸長時における引張応力(M100:MPa)、および切断時伸び(=切断時の伸び率:Eb)を室温(20℃)にて測定した。
Claims (13)
- ゴム成分と、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物ならびにホルムアルデヒドにより表面処理されたナノセルロースと、分散剤と、を含有するナノセルロースマスターバッチであって、
前記ゴム成分が、天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを主成分として含み、
前記ゴム成分100質量部に対して、前記ナノセルロースを0.3~60質量部、前記分散剤を0.5~35質量部含有し、
前記ナノセルロース1質量部に対して、前記レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物を0.03~1.2質量部、前記ホルムアルデヒドを0.02~0.8質量部含有する、ナノセルロースマスターバッチ。 - 前記分散剤が、脂肪酸誘導体または脂肪酸誘導体混合物であり、
前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を0.5~10質量部含有する、請求項1に記載のナノセルロースマスターバッチ。 - 前記分散剤が、重量平均分子量が2000以上60000以下の低分子量ジエン系液状ポリマーであり、
前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を1~35質量部含有する、請求項1に記載のナノセルロースマスターバッチ。 - 前記分散剤が、オイル、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジン変性樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン系樹脂、およびリグニンからなる群から選ばれる1以上であり、
前記ゴム成分100質量部に対して、前記分散剤を1~30質量部含有する、請求項1に記載のナノセルロースマスターバッチ。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得てから分散剤を混合する工程、ならびに、前記分散剤が混合された前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスと、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して原料分散液を得る工程、前記原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得てから分散剤を混合する工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、分散剤と、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスおよび分散剤を混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得てから分散剤を混合する工程、ならびに、前記分散剤が混合された前記凝固物を乾燥して乾燥物を得る工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチの製造方法であって、
スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体のラテックス、レゾール型および/またはノボラック型レゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物、およびホルムアルデヒドからなるRFラテックスと、ナノセルロースと、を混合して混合液を得る工程、前記混合液に天然ゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴムのゴムラテックスを混合して得た原料分散液を凝固して凝固物を得る工程、ならびに、前記凝固物を乾燥して乾燥物を得てから分散剤を混合する工程を含む、ナノセルロースマスターバッチの製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチと、ゴム成分と、を用いて得られたゴム組成物であって、
全ゴム成分100質量部のうち、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを25質量部以上含み、
さらに、前記全ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを0.3~60重量部、カーボンブラックおよび/またはシリカを30~200質量部含む、ゴム組成物。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のナノセルロースマスターバッチと、ゴム成分と、を用いて得られたゴム組成物であって、
全ゴム成分100質量部のうち、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体を35質量部以上含み、且つ前記全ゴム成分において前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムおよび/またはスチレン-ブタジエン-ビニルピリジン三元共重合体の質量比率が最も高く、
さらに、前記全ゴム成分100質量部に対して、ナノセルロースを0.3~60重量部、カーボンブラックおよび/またはシリカを30~200質量部含む、ゴム組成物。
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