JP5865063B2 - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)、ゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤに関し、詳しくは、セルロースナノ繊維を含有するゴム組成物の製造方法、これにより得られるゴム組成物、加硫ゴム、および、これを用いたタイヤに関する。
従来より、タイヤ等のゴム製品に用いられるゴムに対し繊維を混合して、硬度やモジュラス等を改善する技術は知られている。この際、繊維径の太い繊維を用いると、ゴム中への分散性は良好であるものの耐疲労性などのゴム物性を低下させる傾向があり、繊維径の細い繊維を用いると、逆に、耐疲労性は向上するものの、繊維同士が絡まったりしてゴム中への分散性が悪化する傾向がある。
これに対し、断面が海島状である混紡糸繊維であって、ゴム中に分散されて、混合時のせん断力によってフィブリル化してゴムとの接触面積が増大することにより、分散性と耐疲労性とを両立させうる繊維が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この繊維は樹脂の相分離によって海島構造を形成するため、太さや長さが不均一であり、実施例によれば直径は1μmおよび0.7μmと太く、ゴムとの接触面積が十分大きいとは言えないので、大きな補強効果は期待できない。
また、特許文献2の実施例では、耐摩耗性の向上を目的として、補強剤である澱粉とともに、0.1μmの微細な繊維直径をもつバクテリアセルロースをジエン系ゴムに混ぜることで、澱粉を単独で配合する場合に比べて耐摩耗性指数が向上することが開示されている。しかし、特許文献2では、セルロース単体での配合では加工性に問題があるとされており、澱粉をセルロースの5倍以上配合している。これは、バクテリアセルロースは水中ではナノサイズに分散しているが、ゴム中では凝集しやすい傾向があることから、澱粉の配合によって分散性の向上を図ったものと考えられるが、この場合、澱粉により補強効果が相殺され、補強効果としては未だ十分ではないと予想される。
さらに、特許文献3には、平均粒子径40μmの微粉末セルロース繊維を、乾燥状態で、シランカップリング剤とともにゴム組成物中に投入して、バンバリー型ミキサーで混練する実施例が開示されている。しかし、ミキサーで練る程度では、乾燥状態で生じたセルロース繊維同士の水素結合をほぐして細い径の繊維状にすることは困難であり、この場合、セルロース繊維は平均粒子径40μmの粒子のままゴム中に分散していると思われる。したがって、細くて長い繊維による補強効果は期待できない。
さらにまた、特許文献4には、平均繊維径0.1μmの変性したミクロフィブリルセルロースをゴム成分に混合する実施例が開示されている。ここでは、ミクロフィブリルセルロースをあらかじめ水中で回転式のホモジナイザーを用いて攪拌して分散体を調製しておき、そこにゴムラテックスを投入して、回転数7000rpmにて10分間混合することが示されている。この場合、回転式のホモジナイザーを用いているが、繊維は、水分が除去される際に凝集する傾向があり、この程度の回転数では凝集繊維を解すほどの剪断力は得られない。文献中では、目視により凝集物がないことを確認しているが、実際にはミクロフィブリルセルロースがどの程度の太さでゴム中に分散しているかは不明である。
さらにまた、特許文献5では、セルロース繊維にジエン系ポリマーをグラフト重合した繊維を用いて、ゴム成分との親和性や分散性を高めることが提案されている。しかし、この場合、水中で解繊した繊維に対してテトラヒドロフラン(THF)中でグラフト化処理を施しており、この段階で、一旦は水中で解繊した繊維が再び凝集してしまうと考えられる。一度、分子間で強固に水素結合が形成されると、再びナノサイズまでの解繊を行うことは困難である。
特開平10−7811号公報 特開2005−133025号公報 特開2005−75856号公報 特開2009−84564号公報 特開2009−263417号公報
上記のように、ゴムに対し繊維を配合して得られるゴム組成物、ひいてはこれを用いたゴム製品の物性を改良する技術はこれまでに種々提案されてきているが、いずれも十分なものではなく、特には、ゴム組成物の破壊特性をより向上できる技術の確立が求められていた。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、ゴムに繊維を配合するに際し、ゴム成分中での繊維の分散性や液安定性、製膜性を高めることで、破壊特性に優れたゴム組成物を生産性良く得ることができるゴム組成物の製造方法、これにより得られるゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、ゴムに配合する繊維として、平均繊維径がナノオーダーであるセルロースナノ繊維を得るためのセルロースナノ繊維の解繊処理をゴム成分の存在下で実施し、さらに、得られたセルロースナノ繊維を含有するゴム−繊維分散液を酸により凝固させるものとすることで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物の製造方法は、セルロース繊維とゴム成分とを含有するゴム組成物の製造方法であって、
前記セルロース繊維として、OH基の一部をCOOH基に酸化する表面処理を行ったものを用いて、該セルロース繊維と前記ゴム成分とを、該セルロース繊維の含有量が0.5質量%以上50質量%以下となるよう含有する原料分散液中で、該セルロース繊維を解繊してセルロースナノ繊維とする解繊工程と、該解繊工程により得られたセルロースナノ繊維と該ゴム成分とを含むゴム−繊維分散液に、さらにゴムラテックスを加えることなく酸を添加して、該ゴム−繊維分散液を凝固させる凝固工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の加硫ゴムの製造方法は、上記本発明のゴム組成物の製造方法により製造されたゴム組成物を加硫して、加硫ゴムを得ることを特徴とするものである。
さらに、本発明のタイヤの製造方法は、上記本発明の加硫ゴムの製造方法により得られた加硫ゴムを用いることを特徴とするものである。
本発明によれば、ゴムにセルロースナノ繊維を配合するに際し、ゴム成分中でのセルロースナノ繊維の分散性や液安定性、製膜性を高めて、破壊特性に優れたゴム組成物を生産性良く得ることができるゴム組成物の製造方法を実現することが可能となった。この製造方法により得られるゴム組成物は破壊特性に優れるので、このゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは各種ゴム製品に有用であり、この加硫ゴムを用いたタイヤは、耐久性に優れるものとなる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、セルロース繊維とゴム成分とを含有するゴム組成物の製造方法であって、セルロース繊維とゴム成分とを含有する原料分散液中で、セルロース繊維を解繊してセルロースナノ繊維とする解繊工程と、この解繊工程により得られたセルロースナノ繊維とゴム成分とを含むゴム−繊維分散液に酸を添加して、このゴム−繊維分散液を凝固させる凝固工程と、を含むものである。
すなわち、本発明においては、上記解繊工程において、解繊前のセルロース繊維に対して、ゴム成分中で強い剪断力をかけて解繊することで、ゴム成分中に、数平均繊維径が400nm以下のセルロースナノ繊維を安定分散させることができる。よって、これにより得られたゴム−繊維分散液を上記凝固工程において凝固させて得られるゴム組成物、これを加硫した加硫ゴムおよびこの加硫ゴムを用いたタイヤにおいては、ゴム成分中に均一に分散するセルロースナノ繊維によって、高い繊維補強効果を得ることができるものとなり、破壊特性が格段に向上するものとなる。上記解繊工程を経ずに酸による凝固を行うと、セルロース繊維がゴム組成物中に含まれなくなって、十分な破壊特性が得られない。
本発明においては、上記解繊工程を経ることにより、従来の手法では避けられなかったセルロースナノ繊維の凝集や沈降といった問題が解決され、セルロースナノ繊維が均一にかつ安定して分散したゴム−繊維分散液を得ることができる。すなわち、本発明においては、セルロース繊維の解繊処理をゴム成分の存在下で施すことにより、解繊後直ちに、ゴム成分表面に微細セルロース繊維が吸着・分散するために、セルロースナノ繊維の再凝集が抑制されて、ゴム−繊維分散液の安定性が向上するものと推測される。特に、セルロース繊維表面の水酸基を化学修飾によって疎水化したものを用いると、ゴム成分に対する親和性が高くなって、分散液の安定性が向上すると考えられる。かかる工程を経て得られるゴム−繊維分散液は、成形性に優れるものとなる。
<セルロース繊維>
本発明で使用されるセルロース繊維は、セルロースナノ繊維の原料となる材料(セルロース繊維原料)であって、セルロースを含有する物質(セルロース含有物)であれば、その種類については特に限定されない。中でも、以下に列挙する物質から精製を経て不純物を除去されたものであることが好ましく、特に、植物由来原料から得られるセルロースが好ましい。なお、本発明においては、セルロース繊維として、セルロースを使用してもよいし、不純物を一部含むセルロース(セルロース原料)を使用してもよい。
セルロース繊維を含有する材料(物質)としては、例えば、針葉樹や広葉樹等の木質、コットンリンターやコットンリント等のコットン、さとうきびや砂糖大根等の絞りかす、亜麻、ラミー、ジュート、ケナフ等の靭皮繊維、サイザル、パイナップル等の葉脈繊維、アバカ、バナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、竹等の茎幹繊維、バクテリアが産生するバクテリアセルロース、バロニアやシオグサ等の海草やホヤの被嚢等が挙げられる。これらの天然セルロースは、結晶性が高いので低線膨張率、高弾性率になり好ましい。また、バクテリアセルロースは、微細な繊維径のものが得やすい点で好ましい。さらに、コットンも微細な繊維径なものが得やすい点で好ましく、原料が得やすい点でも好ましい。さらにまた、針葉樹や広葉樹等の木質も微細な繊維径のものが得られ、かつ、地球上で最大量の生物資源であり、年間約700億トン以上ともいわれる量が生産されている持続型資源であることから、地球温暖化に影響する二酸化炭素削減への寄与も大きく、経済的な点から優位である。必要に応じて、このような材料に後述する精製処理を施して、不純物を除去してもよい。
(繊維径)
本発明に用いられるセルロース繊維の繊維径は特に制限されるものではなく、後述する解繊処理時の解繊効率および取扱い性の点からは、数平均繊維径としては10μm〜100mmであることが好ましく、50μm〜0.5mmであることがより好ましい。なお、一般的な精製を経たものは数百μm程度(50〜500μmが好ましい)であり、また、一般的な方法によりセルロースを解繊したものは数nm〜1μmである。例えば、チップ等の数cm大のものを精製したものである場合、リファイナーやビーター等の離解機で機械的処理を行い、数mm程度にすることが好ましい。ここで、数平均繊維径の測定方法は特に限定されず、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)や透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)等で観察して、写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出して、最も太い繊維および最も細い繊維を除去した10点の測定値を平均して求めることができる。
原料の切断ないし破砕は、後述の原料の精製などの処理を行う場合には、その処理前、処理の途中または処理後のいずれの時期に行ってもよい。例えば、精製処理前であれば、衝撃式粉砕機や剪断式粉砕機などを用い、また、精製処理の途中または処理後であれば、リファイナーなどを用いて行うことができる。
(精製方法)
本発明においては、使用されるセルロース繊維に精製処理を施して、原料中のセルロース以外の物質、例えば、リグニンやヘミセルロース、樹脂(ヤニ)などを、必要に応じて除去する。
精製方法については、特に制限されないが、例えば、原料をベンゼン−エタノールで脱脂した後、ワイズ法で脱リグニン処理を行い、アルカリで脱ヘミセルロース処理をする方法が挙げられる。または、一般的な化学パルプの製造方法、例えば、クラフトパルプ、サリファイドパルプ、アルカリパルプの製造方法が挙げられる。また、原料を蒸解釜で加熱処理して脱リグニン等の処理を行い、さらに、漂白処理等を行う方法も挙げられる。
精製処理に用いる分散媒としては、一般的に水が用いられるが、酸または塩基、その他の処理剤の水溶液であってもよく、この場合には、最終的に水で洗浄処理してもよい。また、原料を木材チップや木粉などの状態に破砕してもよく、この破砕は上述の如く、精製処理前、処理の途中または処理後のいずれのタイミングで行ってもかまわない。
セルロース繊維の精製処理に使用する酸または塩基、その他の処理剤については、特に限定されない。具体的には例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、硫化ナトリウム、硫化マグネシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酢酸、シュウ酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、塩素、過塩素酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン、ハイドロサルファイト、アントラキノン、ジヒドロジヒドロキシアントラセン、テトラヒドロアントラキノン、アントラヒドロキノン、また、エタノール、メタノール、2−プロパノールなどのアルコール類およびアセトンなどの水溶性有機溶媒などが挙げられる。これらの処理剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて、塩素、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、二酸化塩素などを用いて、漂白処理を行ってもよい。さらに、2種以上の処理剤を用いて、2以上の精製処理を行うこともでき、その場合、異なる処理剤を用いた精製処理間で、水で洗浄処理することが好ましい。
精製処理時の温度や圧力については、特に制限はなく、温度は0℃以上100℃以下の範囲で選択され、1気圧を超える加圧下での処理の場合、温度は100℃以上200℃以下とすることが好ましい。
(化学修飾)
本発明において使用するセルロース繊維は、化学修飾によって誘導化されたもの(化学修飾されたセルロース繊維)であってもよい。ここで、化学修飾とは、セルロース中の水酸基が化学修飾剤と反応して化学修飾されたものである。化学修飾は、上述した精製処理の前に行っても、後に行ってもよいが、化学修飾剤の効率的な反応の観点からは、精製処理後のセルロースに対して化学修飾することが好ましい。
化学修飾によってセルロースの水酸基に導入する置換基(水酸基中の水素原子と置換して導入される基)については、特に制限されず、用いるゴム成分との親和性を考慮して、ゴム成分の骨格に近い構造の基等を選択すればよい。例えば、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基等のアシル基、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等のイソシアネート基、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基等が挙げられる。これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の炭素数2〜12のアシル基が好ましい。
より具体的には、以下の式(1)で表されるX、XおよびXが、上記列挙した置換基であることが好ましい。
Figure 0005865063
上記X、XおよびXの他の態様として、芳香環含有置換基が挙げられる。芳香環含有置換基とは、炭化水素芳香族化合物、複素環芳香族化合物、または、非ベンゼノイド芳香族化合物由来の置換基である。炭化水素芳香族化合物とは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等のベンゼン環の単環化合物、または、その2〜12個が縮合した化合物である。縮合数の上限は、好ましくは6個以下である。複素環芳香族化合物とは、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール等の5〜10員環の複素環の単環化合物、または、その2〜12個が縮合した化合物である。縮合数の上限は好ましくは6個以下である。非ベンゼノイド芳香族化合物としては、アヌレン等、シクロペンタジエニルアニオン等、シクロヘプタトリエニルカチオン等、トロポン等、メタロセン等、アセブレイアジレン等が挙げられる。これらの中では、炭化水素芳香族化合物、複素環芳香族化合物由来の置換基が好ましく、炭化水素芳香族化合物由来の置換基がより好ましい。また、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン由来の置換基が原料の得やすさの点で好ましい。
これらの芳香環含有置換基は、置換基中の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基で置換されていてもよい。また、芳香環含有置換基は、上記炭化水素芳香族化合物、複素環芳香族化合物、および、非ベンゼノイド芳香族化合物からなる群から選ばれる2個以上が、単結合または炭素数1〜3のアルキレン基で連結されていてもよい。芳香環含有置換基において、芳香環とセルロースとを結合する連結基としては、セルロースの水酸基と反応した結果として得られたものであれば、特に限定されるものではない。例えば、上記式中のO(酸素原子)と芳香環とが直接結合してもよいし、連結基として−CO−、−CONH−を介してセルロースのO(酸素原子)と結合してもよく、中でも、−CO−が特に好ましい。
セルロース繊維中のセルロースに導入される修飾置換基の芳香環含有置換基としては、ベンゾイル基、ナフトイル基、アントロイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基が好ましく、とりわけベンゾイル基が好ましい。
(化学修飾剤)
修飾方法については、特に限定されるものではないが、セルロースと、次に挙げるような化学修飾剤とを反応させる方法がある。
化学修飾剤の種類としては、例えば、エステル基を形成させる場合は、酸、酸無水物およびハロゲン化試薬等が挙げられ、エーテル基を形成させる場合は、アルコール、フェノール系化合物、アルコキシシラン、フェノキシシランおよびオキシラン(エポキシ)等の環状エーテル化合物等が挙げられ、カルバマート基を形成させる場合は、イソシアナート化合物等が挙げられる。これらの化学修飾剤は、1種または2種以上を用いてもよい。
エステル基を形成させる化学修飾剤である酸としては、例えば、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、プロパン酸、ブタン酸、2−ブタン酸、ペンタン酸、安息香酸、ナフタレンカルボン酸等が挙げられ、酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水プロパン酸、無水ブタン酸、無水2−ブタン酸、無水ペンタン酸、無水安息香酸、無水フタル酸等が挙げられる。ハロゲン化試薬としては、例えば、アセチルハライド、アクリロイルハライド、メタクロイルハライド、プロパノイルハライド、ブタノイルハライド、2−ブタノイルハライド、ペンタノイルハライド、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライド等が挙げられる。
エーテル基を形成させる化学修飾剤であるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。フェノール系化合物としては、フェノール、ナフトール等が挙げられる。アルコキシシランとしては、例えば、メトキシシラン、エトキシシラン等が、また、フェノキシシラン等が挙げられる。環状エーテルとしては、例えば、エチルオキシラン、エチルオキセタン、オキシラン(エポキシ)、フェニルオキシラン(エポキシ)が挙げられる。
カルバマート基を形成させる化学修飾剤であるイソシアナート化合物としては、メチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート、フェニルイソシアナートが挙げられる。
上記のうちでも、特に、無水酢酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、ベンゾイルハライド、ナフトイルハライドが好ましい。
これらの化学修飾剤は、セルロースの水酸基と反応する部位以外に、ゴム成分と反応する官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、メルカプト基、アルケニル基、(メタ)アクリロイル基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの化学修飾剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(化学修飾方法)
化学修飾は、公知の方法によって実施することができる。すなわち、常法に従って、セルロースと化学修飾剤とを反応させることによって、化学修飾を実施できる。この際、必要に応じて溶媒や触媒を使用してもよく、加熱、減圧等を行ってもよい。
なお、精製後のセルロース繊維を用いる場合、この原料は含水状態であるので、この水を反応溶媒と置換して、化学修飾剤と水との反応を極力抑制することが好ましい。また、水を除去するために原料の乾燥を行うと、後述する解繊工程での原料の微細化が進行しにくくなるので、乾燥工程を入れることは好ましくない。化学修飾剤の量は特に限定されず、化学修飾剤の種類によっても異なるが、セルロースの水酸基のモル数に対して、0.01倍以上が好ましく、0.05倍以上がより好ましく、また、100倍以下が好ましく、50倍以下がより好ましい。
溶媒としては、エステル化を阻害しない水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。水溶性有機溶媒としては、例えば、アセトン、ピリジン等の有機溶媒や、蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸が挙げられ、特に、酢酸等の有機酸が好ましい。酢酸等の有機酸を用いることで、化学修飾がセルロースに均一に進行するため、後述する解繊がしやすくなり、得られるゴム組成物が高耐熱性、高生産性を示すと考えられる。また、上記溶媒以外のものを併用しても構わない。使用される溶媒の量は特に限定されないが、通常、セルロース質量に対して、0.5倍以上が好ましく、1倍以上がより好ましく、また、200倍以下が好ましく、100倍以下がより好ましい。
触媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性触媒や、酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることが好ましい。触媒の量は特に限定されず、種類によっても異なるが、通常、セルロースの水酸基のモル数に対して、0.01倍以上が好ましく、0.05倍以上がより好ましく、また、100倍以下が好ましく、50倍以下がより好ましい。
温度条件については、特に制限されないが、高すぎるとセルロースの黄変や重合度の低下等が懸念され、低すぎると反応速度が低下することから、10〜130℃が好ましい。反応時間も特に制限されず、化学修飾剤や化学修飾率にもよるが、数分から数十時間である。
このようにして化学修飾を行った後は、反応を終結させるために、有機溶剤や水で十分に洗浄することが好ましい。未反応の化学修飾剤が残留していると、後で着色の原因になったり、ゴム成分と複合化する際に問題になったりするので好ましくない。
(化学修飾率)
化学修飾率とは、セルロース中の全水酸基のうちの化学修飾されたものの割合を示す。この化学修飾率は、下記の滴定法によって測定することができる。
(測定方法)
乾燥した修飾セルロース0.05gを精秤し、これにメタノール6mlおよび蒸留水2mlを添加する。これを60〜70℃で30分攪拌した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10mlを添加する。これを60〜70℃で15分攪拌し、さらに、室温で一日攪拌する。ここにフェノールフタレインを用いて0.02N塩酸水溶液で滴定する。
ここで、滴定に要した0.02N塩酸水溶液の量Z(ml)から、化学修飾により導入された置換基のモル数Qは、下記式で求められる。
Q(mol)={0.05(N)×10(ml)/1000}−{0.02(N)×Z(ml)/1000}
この置換基のモル数Qと、化学修飾率X(mol%)との関係は、以下の式で算出される(セルロース=(C10=(162.14),繰り返し単位1個当たりの水酸基数=3,OHの分子量=17)。なお、以下においてTは、上記置換基の分子量に酸素原子量(16)を足した値である。
Figure 0005865063
これを解いていくと、以下の通りである。
Figure 0005865063
本発明において、上記化学修飾率については、特に制限されないが、セルロースの全水酸基に対して、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましい。また、65モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。上記範囲内であれば、分散液中におけるセルロースナノ繊維の分散安定性がより向上し、また、ゴム成分と複合化した際に、低線膨張係数を示すゴム組成物が得られる。
<ゴム成分>
ゴム成分は、天然ゴムと合成ゴムに大別できるが、本発明においては、両者を単独で用いても、混合して用いてもよい。合成ゴムとしては、公知のものから目的に応じて選択することができ、ジエン系ゴムが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、およびブチルゴム(IIR)等が挙げられる。
<溶媒>
本発明において、ゴム成分中でセルロースを解繊する際には、必要に応じて溶媒を添加してもよい。添加する溶媒としては、ゴム成分が溶解または分散するものであれば、特に限定されないが、例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、アミド系溶媒、芳香族系炭化水素、非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。好ましくは、水、非プロトン性極性溶媒(特に、アミド系溶媒)、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒である。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において使用する溶媒は、後の工程で溶媒を除去する工程があることから、沸点が高すぎないことが好ましい。溶媒の沸点は300℃以下が好ましく、200℃以下が好ましく、180℃以下がさらに好ましい。また、取扱い性などの点からは、70℃以上が好ましい。
芳香族系炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
ケトン系溶媒(ケトン基を有する液体を指す)としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。この中でも、好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノンであり、より好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノンである。
非プロトン性極性溶剤としては、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
<ゴム−繊維分散液の製造手順>
本発明の製造方法における解繊工程は、セルロース繊維と、ゴム成分とを含有する原料分散液中で、セルロース繊維の解繊処理を行い、セルロースナノ繊維を得る工程である。
(原料分散液の製造方法)
原料分散液の製造方法については特に限定されず、使用される各成分を混合することにより調製することができる。なお、セルロース繊維として、化学修飾が施されたセルロース繊維を使用してもよい。
セルロース繊維を分散させる分散媒としては、通常、水が用いられるが、有機溶剤を用いてもよい。その場合は、あらかじめセルロース繊維を含有する水分散液中の水を有機溶媒に置換してもよい。溶媒置換工程において溶媒を置換する方法については特に限定されないが、セルロース繊維(好ましくは、精製後または化学修飾後のセルロース繊維)を含有する水分散液から、濾過などにより水を除去し、ここに、解繊時に使用する有機溶媒を添加し、攪拌混合して、再度濾過により有機溶媒を除去する方法が挙げられる。有機溶媒の添加と濾過とを繰り返すことで、分散液中の媒体を水から有機溶媒に置換することができる。なお、使用する有機溶媒が非水溶性の場合、水溶性の有機溶媒に一度置換した後、非水溶性の有機溶媒に置換してもよい。
次に、セルロース繊維分散液と、ゴム成分とを混合する。混合に際しては、セルロース繊維分散液にゴム成分を直接加えて混合してもよいし、ゴム成分を溶媒に溶解または分散させたゴム成分分散液を調製後、セルロース繊維分散液を加えて混合してもよい。ゴム成分分散液を調製する場合、使用する溶媒は、溶媒置換工程で使用した溶媒と同じであってもよいし、また相溶するものであれば、異なってもいてよい。なお、上記溶媒置換工程においては、分散媒としてゴム成分を含有する溶媒を使用することもでき、この場合、上記混合工程は実施しなくてもよい。
原料分散液中におけるセルロース繊維の含有量については、特に限定されないが、得られるゴム−繊維分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、原料分散液全量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
原料分散液中におけるゴム成分の含有量については、特に限定されないが、得られるゴム−繊維分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、原料分散液の全量に対して、2質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、また、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
原料分散液中における溶媒の含有量については、特に限定されないが、得られる微細セルロース繊維分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、原料分散液全量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また、97.5質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
原料分散液中において、ゴム成分と溶媒との質量比については、特に限定されないが、得られるゴム−繊維分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、溶媒の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜2000質量部が好ましく、25〜1000質量部がより好ましい。
原料分散液中において、セルロース繊維とゴム成分との質量比については、特に限定されないが、得られるゴム−繊維分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、セルロース繊維の含有量は、セルロース繊維およびゴム成分の合計量(100質量%)に対して、2.5質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、また、97.5質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。
(解繊方法)
解繊工程の具体的な方法については、特に制限されないが、例えば、直径1mm程度のセラミック製ビーズを、セルロース繊維濃度0.5〜50質量%、例えば、1質量%程度の原料分散液に入れ、ペイントシェーカーやビーズミル等を用いて振動を与えて、セルロース繊維を解繊する方法などが挙げられる。
また、ブレンダータイプの分散機や高速回転するスリットの間に、このような原料分散液を通して剪断力を作用させて解繊する方法(高速回転ホモジナイザー)や、高圧から急に減圧することによって、セルロース繊維間に剪断力を発生させて解繊する方法(高圧ホモジナイザー法)、マスコマイザーX(増幸産業(株)製)のような対向衝突型の分散機等を用いる方法などが挙げられる。すなわち、ビーズミルによる解繊処理、噴出による解繊(微細化)処理、回転式解繊方法による解繊処理、および、超音波処理による解繊処理などが挙げられる。特に、高速回転ホモジナイザーおよび高圧ホモジナイザーによる処理は、解繊の効率がより向上する。
これらの処理で解繊する場合、原料分散液中の固形分濃度(セルロース繊維とゴム成分との総量)は特に制限されないが、2.5質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、また、99質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。この解繊工程に供する原料分散液中の固形分濃度が低過ぎると、処理するセルロース量に対して液量が多くなり過ぎて効率が悪くなり、固形分濃度が高過ぎると、流動性が悪くなる。
高速回転ホモジナイザーの場合、周速が速い方が剪断が掛かり、解繊効率が高くなる。周速としては、15m/s以上、好ましくは30m/s以上であり、また、100m/s以下、好ましくは50m/s以下である。なお、周速と回転数には、下記式の関係が成り立つ。
周速(m/sec)=2×回転羽の半径(m)×π×回転数(rpm)/60
よって、半径15mmの回転羽を用いる場合であれば、回転数としては、例えば、10000rpm以上程度が好ましく、20000rpm以上程度が特に好ましい。なお、回転数の上限は特に制限されないが、装置の性能上の観点から、30000rpm以下程度が好ましい。回転数が5000rpm以下ではセルロースの解繊が不十分になる。また、処理時間は、1分以上が好ましく、5分以上がより好ましく、10分以上が特に好ましい。生産性の点からは、処理時間は、6時間以下が好ましい。剪断により発熱が生じる場合は、液温が50℃を超えない程度に冷却することが好ましい。また、原料分散液に均一に剪断がかかるように、攪拌または循環することが好ましい。
高圧ホモジナイザーを用いる場合、原料分散液を増圧機で、好ましくは30MPa以上、より好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは150MPa以上、特に好ましくは220MPa以上に加圧し、細孔直径50μm以上のノズルから噴出させて、圧力差が好ましくは30MPa以上、より好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは90MPa以上となるように減圧する。この圧力差で生じるへき開現象により、セルロース繊維を解繊する。ここで、高圧条件の圧力が低い場合や、高圧から減圧条件への圧力差が小さい場合には、解繊効率が下がり、所望の繊維径とするための繰り返し噴出回数が多く必要となるため好ましくない。また、原料分散液を噴出させる細孔の細孔直径が大き過ぎる場合にも、十分な解繊効果が得られず、この場合には、噴出処理を繰り返し行っても、所望の繊維径のセルロース繊維が得られないおそれもある。
原料分散液の噴出は、必要に応じて複数回繰り返すことにより、微細化度を上げて所望の繊維径のセルロース繊維を得ることができる。この繰り返し回数(パス数)は、通常1回以上、好ましくは3回以上であり、また、通常20回以下、好ましくは15回以下である。パス数が多い程、微細化の程度を上げることができるが、過度にパス数が多いとコスト高となるため、好ましくない。
高圧ホモジナイザーの装置は特に制限されないが、例えば、ガウリン社製や、スギノマシン社製の「スターバーストシステム」を用いることができる。噴出時の高圧条件が高いほど、圧力差により大きなへき開現象でより一層の微細化を図ることができるが、装置仕様の上限として、通常245MPa以下である。同様に、高圧条件から減圧下への圧力差も大きいことが好ましいが、一般的には、増圧機による加圧条件から大気圧下に噴出することで、圧力差の上限は通常245MPa以下である。
また、原料分散液を噴出させる細孔の直径は、小さければ容易に高圧状態を作り出せるが、過度に小さいと噴出効率が悪くなる。この細孔直径は、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましく、また、800μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、350μm以下がさらに好ましい。噴出時の温度(分散液温度)については、特に制限はないが、通常5℃以上100℃以下である。温度が高すぎると装置、具体的には送液ポンプや高圧シール部等の劣化を早めるおそれがあるため、好ましくない。
また、噴出ノズルは1本でも2本でもよく、噴出させた原料分散液を噴出先に設けた壁やボール、リングにぶつけてもよい。さらに、ノズルが2本の場合には、噴出先で原料分散液同士を衝突させてもよい。
なお、このような高圧ホモジナイザーによる処理のみでも、セルロースナノ繊維を含むゴム−繊維分散液を得ることは可能であるが、その場合には、十分な微細化度とするための繰り返し回数が多くなり、処理効率が悪いことから、1〜5回程度の高圧ホモジナイザー処理後に、後述の超音波処理を行って、微細化することが好ましい。
本発明において、超音波処理が施される、解繊処理が施された原料分散液中のセルロース濃度は、液全量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。超音波を照射する上記原料分散液中のセルロース濃度が低過ぎると非効率であり、高過ぎると粘度が高くなって、解繊処理が不均一になる。
<ゴム−繊維分散液>
上記解繊工程を経て得られたゴム−繊維分散液中には、セルロースナノ繊維が均一に分散しているので、かかるゴム−繊維分散液は、セルロースナノ繊維の凝集や沈降が抑制されて、優れた液安定性を有するものとなっている。また、後述するように、セルロースナノ繊維とゴム成分とを含有するかかるゴム−繊維分散液を用いて得られるゴム組成物および加硫ゴムにおいては、セルロースナノ繊維がゴム成分中に均一に分散しているために、高弾性率および低損失正接を示すものとなる。
(セルロースI型結晶)
上記解繊工程によって得られるセルロースナノ繊維は、セルロースI型結晶構造を有することが好ましい。セルロースI型結晶は、他の結晶構造より結晶弾性率が高いため、高弾性率、高強度、低線膨張係数であり、好ましい。微細セルロース繊維がI型結晶構造であることは、その広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近との二つの位置に典型的なピークをもつことから、同定することができる。
(セルロースナノ繊維の数平均繊維径)
上記方法によって得られたゴム−繊維分散液中のセルロースナノ繊維の数平均繊維径は、ゴム−繊維分散液中の分散媒を乾燥除去した後、SEMやTEM等で観察することにより、計測して求めることができる。
本発明により得られる解繊されたセルロースナノ繊維の数平均繊維径は、得られるゴム組成物がより優れた低線膨張性を示す点より、400nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。なお、この数平均繊維径の下限は通常4nm以上である。ここで、上記数平均繊維径は、SEMやTEM等で観察して、写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出し、最も太い繊維と最も細い繊維を除去した10点を測定して、平均した値である。
(セルロースナノ繊維の含有量)
ゴム−繊維分散液中におけるセルロースナノ繊維の含有量は、使用される出発原料であるセルロース繊維量によって適宜調整されるが、分散液の安定性の点から、分散液全量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。平均繊維径が上記の範囲未満の場合は、セルロースのI型結晶が壊れており、繊維自体の強度や弾性率が低下するため、補強効果が得られにくい。また、上記範囲を超える場合はゴムとの接触面積が小さくなるため、補強効果が小さくなる。
なお、ゴム−繊維分散液中の溶媒およびゴム成分は、上述した原料分散液中の各成分の含有量と同様であり、好適範囲も同様である。また、セルロースナノ繊維とゴム成分との質量比は、上記セルロース繊維とゴム成分との質量比と同様である。さらに、ゴム成分と溶媒との質量比も、上述の通りである。上記セルロース繊維は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、また、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。繊維量が少ないと補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
(その他添加剤)
本発明のゴム−繊維分散液には、必要に応じて、表面を改質した微細セルロース繊維およびゴム成分の他に、従来ゴム業界で使用されている他の配合剤を添加してもよい。例えば、他の補強剤として、シリカ粒子やカーボンブラック、繊維などの、無機、有機のフィラー、シランカップリング剤、加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などが挙げられる。
(加硫剤)
加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用することが可能である。有機過酸化物としては従来ゴム業界で使用されている各種のものが使用可能であるが、中でも、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができ、中でも硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム−繊維分散液中の加硫剤の配合量としては、ゴム成分100質量部に対し、硫黄の場合、7.0質量部以下程度、好ましくは6.0質量部以下であり、また、1.0質量部以上、好ましくは3.0質量部以上、中でも4.0質量部以上である。
<凝固工程>
次に、凝固工程において、上記解繊工程により得られたゴム−繊維分散液に酸を添加して、ゴム−繊維分散液を凝固させることにより、本発明のゴム組成物を得ることができる。凝固工程において使用する酸としては、蟻酸や硫酸等を挙げることができる。ゴム−繊維分散液に対する酸の添加量としては、特に制限されず、ゴム−繊維分散液中に含まれるゴム成分100質量部に対し、好ましくは1〜200質量部、より好ましくは1〜50質量部である。酸の添加量が少なすぎると、ゴム−繊維分散液が十分凝固しないおそれがあり、多すぎると乾燥の際に手間がかかり、また、ゴム組成物に悪影響を及ぼす可能性があるので、いずれも好ましくない。
本発明においては、上記凝固工程で得られたゴム組成物に対し、所望に応じ、さらにゴム成分および前述の各種配合剤を、ゴム用混練機等、公知の方法を用いて混合した後、成形して、常法に従い加硫することにより、セルロースナノ繊維と加硫ゴム成分とを含有する加硫ゴムを得ることができる。ここで、加硫工程に先立つ成形には、各種の方法を用いることができ、例えば、型内に流し込んでもよく、または、押し出し加工してもよく、特に制限はない。
例えば、上記加硫ゴムをタイヤに用いる場合には、上記ゴム組成物を適宜混練りして、未加硫状態で、タイヤの所望の適用部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法により成形することにより、未加硫タイヤ(生タイヤ)を形成する。この未加硫タイヤを加硫機内で加熱加圧することにより、本発明のゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムを用いたタイヤを得ることができる。かかる加硫ゴムは破壊特性に優れるので、これを用いたタイヤは、転がり抵抗が小さく、良好な操縦安定性、耐久性を有するものとなる。
加硫ゴムを得る際の加硫条件については、特に限定されず、ゴム成分を加硫ゴムとできる温度および時間であればよい。中でも、有機溶媒を揮発させて除去できる点から、加熱温度は、60℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。また、セルロースナノ繊維の分解を抑制する点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。加熱時間は、生産性などの点から、5分以上、好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、また、180分以下が好ましい。ゴム組成物の加硫は、複数回にわたって、温度・加熱時間を変更して実施してもよい。
<加硫ゴム>
(セルロースナノ繊維の数平均繊維径)
上記方法によって得られた加硫ゴム中のセルロースナノ繊維の数平均繊維径は、加硫ゴムを必要に応じて切り出し、SEMやTEM等で観察して計測することにより、求めることができる。
本発明により得られる解繊されたセルロースナノ繊維の数平均繊維径は、得られる加硫ゴムがより優れた低線膨張性を示す点より、400nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。なお、この数平均繊維径の下限は通常4nm以上である。また、上記数平均繊維径は、SEMやTEM等で観察して、写真の対角線に線を引き、その近傍にある繊維をランダムに12点抽出し、最も太い繊維と最も細い繊維を除去した10点を測定して、平均した値である。
(セルロースナノ繊維の含有量)
加硫ゴム中におけるセルロースナノ繊維の含有量は、目的に応じて適宜調整されるが、補強性の観点から、加硫ゴム全量に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。平均繊維径が上記の範囲未満の場合は、セルロースのI型結晶構造が維持できず、繊維自体の強度や弾性率が低下し、補強効果が得られにくい。また、上記範囲を超える場合は、ゴムとの接触面積が小さくなるため、補強効果が小さくなる。
なお、加硫ゴム中に含まれるセルロースナノ繊維とゴム成分との質量比は、上記原料分散液およびゴム−繊維分散液におけるセルロース繊維とゴム成分との質量比と同様である。上記セルロース繊維は、加硫ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、また、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。繊維量が少ないと、補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
(セルロースナノ繊維の分散状態)
このようにして得られる本発明の加硫ゴムにおいては、数平均繊維径が4〜400nm、好ましくは4〜100nm、さらに好ましくは4〜50nm以下のセルロースナノ繊維が、加硫ゴム成分中で、凝集塊を作ることなく安定に分散している。そのため、かかる加硫ゴムにおいては、セルロースナノ繊維による補強効果によって、高い弾性率が達成されると同時に、繊維径が細いためにゴム本来の伸びが阻害されないことから、高い破断伸びが達成されると考えられる。すなわち、本発明の加硫ゴムは、補強ゴムとして、耐久性および剛性に優れた特性を示し、タイヤ等のゴム製品に好適に用いられる。なお、本発明の加硫ゴムにおける、セルロースナノ繊維の分散状態は、SEM等により断面構造を観察することによって、確認することができる。
(弾性率)
本発明の加硫ゴムの好ましいものは、弾性率が25MPa以上、中でも40MPa以上であって、かつ、10GPa以下である。ここで、弾性率は、加硫ゴムより2mm厚のゴムスラブシートを作製し、10×40×2mmの測定用試験片を切り出し、SII社製DMS6100等の粘弾性装置を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、E(複素弾性率)を測定することにより求めることができる。
(破断伸び)
本発明の加硫ゴムの好ましいものは、破断伸びが200%以上、中でも400%以上であって、かつ、10000%以下、好ましくは2000%以下である。ここで、破断伸びは、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従い、測定することができる。
本発明のタイヤは、その構成部材の一部として、本発明の上記加硫ゴムを用いたものであればよく、それ以外の、具体的構造や他部材に用いる材料等については、特に制限されるものではない。具体的には例えば、本発明のタイヤにおいて、上記加硫ゴムは、ベルト、トレッド、サイドウォール、ビードフィラー、カーカス、チェーファー等の部材に好適に適用することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例1)
まず、セルロース繊維のOH基の一部をCOOH基に酸化する表面処理を行った(繊維改質工程)。次いで、表面処理後のセルロース繊維を天然ゴムラテックス100重量部に対し、セルロース繊維の乾燥重量が5質量部となるように加え、セルロース繊維濃度が1質量%となるように蒸留水を加えて原料分散液を調製した。得られた原料分散液につき、回転式ホモジナイザーを用いて解繊処理を行い、ゴム−繊維分散液を得た。次いで、得られたゴム−繊維分散液に200mLに、撹拌しながら希釈した蟻酸(関東化学(株)製)溶液を20mL加えて凝固させた。その後、室温で30分放置し、凝固物を取り出して、真空乾燥により水分を除去し、セルロースナノ繊維とゴム成分との混合物を得た。この混合物に対し、下記表中に示す他の配合成分を混合して、ラボ混練機により通常の混練りを行い、得られた混合物を加圧プレス加硫して、厚さ1.0mmにて、各実施例の加硫ゴムシートを得た。
(比較例1)
天然ゴムラテックス100質量部に対して、水中で解繊を行ったセルロース繊維を、セルロース繊維の乾燥重量が5質量部となるように加え、ゴム−繊維分散液を調製した以外の工程は実施例1と同じ工程にて、加硫ゴムシートを得た。
<評価試験>
得られた加硫ゴムシートにつき、温度25℃にて、ASTM D412に準じて引張り試験を行い、各加硫ゴムシートの破断強度(Tb)を測定した。また、レオメトリックス(株)製の粘弾性試験機ARESを用いて、温度50℃、湿度10%RH、測定周波数15Hzにて、動歪10%における貯蔵弾性率G’(MPa)および損失正接(tanδ)を測定した。測定結果は、比較例1の値を100とする指数値にて示した。この結果を、下記の表中に併せて示す。
Figure 0005865063
*1)NRラテックス中でセルロースナノ繊維を解繊させたものである。
上記表中に示すように、本発明の製造方法により得られる改質されたセルロースナノ繊維を含むゴム組成物においては、セルロースナノ繊維の分散性が向上しているために、破断強度が向上しており、かつ、弾性率とエネルギーロス(tanδ)とのバランスが良好となっていることが確かめられた。

Claims (3)

  1. セルロース繊維とゴム成分とを含有するゴム組成物の製造方法であって、
    前記セルロース繊維として、OH基の一部をCOOH基に酸化する表面処理を行ったものを用いて、該セルロース繊維と前記ゴム成分とを、該セルロース繊維の含有量が0.5質量%以上50質量%以下となるよう含有する原料分散液中で、該セルロース繊維を解繊してセルロースナノ繊維とする解繊工程と、該解繊工程により得られたセルロースナノ繊維と該ゴム成分とを含むゴム−繊維分散液に、さらにゴムラテックスを加えることなく酸を添加して、該ゴム−繊維分散液を凝固させる凝固工程と、を含むことを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 請求項記載のゴム組成物の製造方法により製造されたゴム組成物を加硫して、加硫ゴムを得ることを特徴とする加硫ゴムの製造方法
  3. 請求項記載の加硫ゴムの製造方法により得られた加硫ゴムを用いことを特徴とするタイヤの製造方法
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