JP6020334B2 - ゴム改質材、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明はゴムの改質材に関し、詳しくはセルロース繊維を用いたゴム改質材に関する。
本発明はまた、このゴム改質材を含むゴム改質材分散液、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物及び加硫ゴム組成物に関する。
ゴムに繊維を混合して硬度やモジュラスなどを改善する技術は既に知られており、径が太い繊維はゴムへ分散しやすいが、耐疲労性などの物性が低下し、径が細いと逆に耐疲労性は向上するが、繊維同士が絡まったりしてゴムへの分散性が悪化する傾向がある。
そこで、特許文献1では、断面が海島構造を持つ混紡糸繊維をゴムに分散させて、混合時の剪断力によってフィブリル化させることによってゴムとの接触面積を増し、分散性と耐疲労性を両立させた繊維が提案されている。しかしながら、この繊維は樹脂の相分離によって海島構造を形成するため、太さや長さが不均一であり、直径は1μm及び0.7μmと太く、ゴムとの接触面積が十分大きいとは言えず、大きな補強効果は期待できない。
特許文献2には、耐摩耗性向上を目的として補強剤である澱粉と共に0.1μmと微細な直径をもつバクテリアセルロースをジエン系ゴムに混ぜると、澱粉単独で配合する場合に比べて耐磨耗性指数が向上することが開示されている。しかし、セルロース単体では加工性に問題あるとされ、澱粉をセルロースの5倍以上配合している。バクテリアセルロースは水中ではナノサイズに分散しているが、ゴム中では凝集しやすい傾向があることから、澱粉の配合によって、分散性の向上を図ったものと考えられるが、この澱粉により補強効果が相殺され、補強効果としては未だ十分ではないと予想される。
特開平10−7811号公報 特開2005−133025号公報
本発明は、セルロース繊維を用いたゴム改質材であって、分散液中で良好な分散性を示し、ゴム補強性などのゴム改質効果に優れたゴム改質材を提供することを課題とする。
本発明はまた、高い弾性率、高い破壊強度を有し、低発熱性のゴム組成物及び加硫ゴム組成物を得ることができるゴム改質材を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、ゴム改質材として、数平均繊維径が5〜35nmのセルロース繊維を用いることにより、上記課題を解決できることがわかり本発明に到達した。
すなわち、本発明は、セルロース繊維からなるゴム改質材であって、該セルロース繊維の少なくとも一部として、セルロース繊維を構成するセルロースの水酸基の一部が他の基で置換された変性セルロース繊維を含み、数平均繊維径が5〜35nmであるゴム改質材、該ゴム改質材及び分散媒を含有するゴム改質材分散液、該ゴム改質材とゴムラテックスとを含有するゴムラテックス分散液、該ゴム改質材とゴム成分とを含有するゴム組成物、並びに該ゴム組成物を加硫して製造される加硫ゴム組成物、に存する。
本発明のゴム改質材は、ゴムラテックス分散液中において優れた分散性を示し、さらにはゴム組成物中でも良好に分散し、かつ、本発明のゴム改質材を含有するゴム組成物及び本発明のゴム組成物を加硫して製造された加硫ゴム組成物は、高い弾性率、高い破壊強度を有し、ゴムの補強効果が高く、また発熱性も低い。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[ゴム改質材]
本発明のゴム改質材は、セルロース繊維からなるゴム改質材であって、該セルロース繊維の数平均繊維径が5〜35nmであることを特徴とする。
本発明のゴム改質材に含まれるセルロース繊維は、いずれの製造方法で製造されてもよい。
本発明のゴム改質材は、例えば、以下詳述するセルロース繊維原料に対して解繊処理を行い繊維径を調整して製造してもよいし、該セルロース繊維原料をゴムラテックス中に分散させた状態で、解繊処理を行い繊維径を調整して製造してもよい。
<セルロース繊維の数平均繊維径>
本発明のゴム改質材として用いるセルロース繊維は数平均繊維径が35nm以下であることを特徴とする。該セルロース繊維の数平均繊維径は好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは20nm以下、さらに好ましくは17nm以下、特に好ましくは15nm以下、最も好ましくは10nm以下である。また、該セルロース繊維の数平均繊維径は、5nm以上であり、6nm以上がより好ましく、7nm以上が特に好ましい。この範囲のセルロース繊維を使用することにより、本発明のゴム改質材を含むゴム組成物及び加硫ゴム組成物が高い弾性率、高い破壊強度、低いtanδをバランスよく発現することができる。
尚、本発明のゴム改質材のセルロース繊維の繊維径は、ゴム改質材分散液中の分散媒を乾燥除去した後(シート化後)、走査型電子顕微鏡(以下SEM)や透過型電子顕微鏡(以下TEM)、原子間力顕微鏡(以下AFM)、X線小角散乱(以下SAXS)等で観察することにより計測して求めることができる。
<セルロース繊維原料>
本発明において、セルロース繊維原料とは、下記に示すようなセルロース含有物から一般的な精製工程を経て不純物を除去したものである。
(セルロース含有物)
セルロース含有物としては、例えば、針葉樹や広葉樹等の木質(木粉等)、コットンリンターやコットンリント等のコットン、さとうきびや砂糖大根等の絞りかす、亜麻、ラミー、ジュート、ケナフ等の靭皮繊維、サイザル、パイナップル等の葉脈繊維、アバカ、バナナ等の葉柄繊維、ココナツヤシ等の果実繊維、竹等の茎幹繊維などの植物由来原料、バクテリアが産生するバクテリアセルロース、バロニアやシオグサ等の海草やホヤの被嚢等の天然セルロースが挙げられる。これらの天然セルロースは、結晶性が高いので低線膨張率、高弾性率になり好ましい。特に、植物由来原料から得られるセルロース繊維が好ましい。
バクテリアセルロースは微細な繊維径のものが得やすい点で好ましい。また、コットンも微細な繊維径なものが得やすい点で好ましく、さらに原料が得やすい点で好ましい。
さらには針葉樹や広葉樹等の木質も微細な繊維径のものが得られ、かつ地球上で最大量の生物資源であり、年間約700億トン以上ともいわれる量が生産されている持続型資源であることから、地球温暖化に影響する二酸化炭素削減への寄与も大きく、経済的な点から優位である。
(セルロース繊維原料)
セルロース繊維原料は上記セルロース含有物を通常の方法で精製して得られる。
例えば、ベンゼン−エタノールや炭酸ナトリウム水溶液で脱脂した後、亜塩素酸塩で脱リグニン処理を行い(ワイズ法)、アルカリで脱ヘミセルロース処理をすることにより得られる。また、ワイズ法の他に、過酢酸を用いる方法(pa法)、過酢酸過硫酸混合物を用いる方法(pxa法)なども精製方法として利用される。また、適宜、更に漂白処理等を行うものである。
精製処理には、分散媒として一般的に水が用いられるが、酸または塩基、その他の処理剤の水溶液であってもよく、この場合には、最終的に水で洗浄処理してもよい。
また、セルロース繊維原料は、一般的な化学パルプの製造方法、例えばクラフトパルプ、サリファイドパルプ、アルカリパルプ、硝酸パルプの製造方法によって得られるものであってもよい。
すなわち、セルロース繊維原料としては、広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ、広葉樹漂白クラフトパルプ、針葉樹漂白クラフトパルプ、リンターパルプなどのパルプを用いてもよい。
また、セルロース繊維原料としては砕木パルプ、例えば、SGW(Stone Groundwood)、あるいは亜硫酸ソーダなどで軽度に化学処理した後、砕木化するCGP(Chemical Groundwood Pulp)等も使用可能であり、針葉樹、広葉樹の砕木パルプが好ましく使用される。
尚、セルロース含有物を木材チップや木粉などの状態に破砕してもよく、この破砕は、精製処理前、処理の途中、処理後、いずれのタイミングで行ってもかまわない。
セルロース含有物を精製して得られるセルロース繊維原料の精製度合いは特に定めはないが、油脂、リグニンが少なく、セルロース成分の含有率が高い方がセルロース繊維原料の着色が少なく好ましい。セルロース成分の含有率は好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
また、セルロース繊維原料のセルロース成分は結晶性のα−セルロース成分と非結晶性のヘミセルロース成分に分類できる。結晶性のα−セルロース含有率が多い方が、ゴム組成物とした際に低線膨張係数、高弾性率、高強度の効果が得られやすいため好ましい。セルロース繊維原料のα−セルロース含有率は好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
セルロース繊維原料の繊維径は特に制限されるものではないが、通常、数平均繊維径としては1μmから1mmである。一般的な精製を経たものは50μm程度である。
<セルロース繊維の前処理>
本発明に係る数平均繊維径が5〜35nmの微細セルロース繊維は、上記セルロース繊維原料をそのまま解繊しても得られるが、解繊により数平均繊維径が5〜35nmの微細セルロース繊維を効率よく得るために前処理を行ってもよい。
前処理としては、セルロースの酸化処理、酵素処理などが挙げられる。
(酸化処理)
酸化処理を行うことにより、セルロース繊維を構成するセルロースに対し、カルボキシ基を導入することができる。
酸化処理の具体的な方法として特に制限はないが、酸化性を有するガス(以下「酸化性ガス」という)にセルロース繊維原料を接触させる方法や、酸化性化学種を含む溶液にセルロース繊維原料を懸濁または浸漬させる方法等が挙げられる。
酸化性ガスとしては、特に限定されるものではないが、オゾン、塩素ガス、フッ素ガス、二酸化塩素、亜酸化窒素等が挙げられ、これらの2種以上を含むものであってもよい。特にオゾンは、空気、酸素ガス、酸素添加空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給することで適時、使用場所で必要量を発生させることができ、また、オゾン発生装置は市販されており、簡便に利用できるので好ましい。
オゾンを酸化性ガスとして用いる場合、オゾンの添加量は、セルロース繊維原料の乾燥質量に対して0.1〜1000重量%であることが好ましく、1〜100重量%がより好ましく、5〜50重量%であることがさらに好ましい。
酸化性化学種としては、一般にアルコールをアルデヒドまたはカルボン酸に酸化することができる試薬を用いることができ、特に限定されるものではないが、六価クロム酸硫酸混液、ジョーンズ試薬(無水クロム酸の硫酸酸性溶液)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC試薬)などのクロム酸酸化試薬、スワーン(Swern)酸化などに使われる活性化ジメチルスルホキシド試薬、また、触媒的な酸化が生じるテトラプロピルアンモニウムペルルテナード(TPAP)や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)などのN−オキシル化合物(特開2008−1728号公報)などが挙げられる。特に、TEMPOによるセルロース繊維の酸化は水分散液中で温和な条件で進行することが知られており好ましい。
上記の酸化処理の後に、さらに酸化処理の工程を追加してもよい。酸化処理の追加によって、セルロース繊維中のホルミル基をカルボキシ基まで酸化することで、より解繊性が向上するのでより好ましい。
追酸化処理に用いられる化学種としては、特に限定されるものではないが、亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩が挙げられる。具体的には、亜塩素酸ナトリウムの0.1〜5重量%水溶液を塩酸、酢酸などの酸を加えてpHを4〜5に調製した溶液に、上記酸化処理後のセルロース繊維原料を懸濁させ、一定時間、例えば1〜100時間保持することにより追酸化処理を行うことができる。この追酸化処理時の温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃である。
追酸化処理後のセルロース繊維原料は、水で十分に懸濁洗浄することが好ましい。セルロース繊維原料が強酸性、または強塩基性の状態で保管すると、セルロースの結晶性が低下してしまう可能性があるため、洗浄する際には、洗浄した水のpHが4〜9の範囲になるまで洗浄を繰り返すことが好ましい。
この酸化処理により、通常、セルロース繊維のセルロースにカルボキシ基が導入される。導入後のカルボキシ基量は、セルロース繊維の重量に対して通常0.1〜5mmol/gであり、0.2〜2mmol/gが好ましい。
酸化処理の程度を表すカルボキシ基の導入量が少な過ぎると酸化処理による解繊効率の向上効果を十分に得ることができない。ただし、カルボキシ基の導入量が多過ぎると所望の微細セルロース繊維を得られなくなるおそれがある。
なお、セルロース繊維の重量に対するカルボキシ基の量(mmol/g)は、例えば、米国TAPPIの「Test Method T237 cm-08(2008):Carboxyl Content of pulp」の方法に従って定量することができる。この時、測定試料とする絶乾セルロース繊維は、加熱乾燥で起こりうる加熱によるセルロースの変質を避けるため、凍結乾燥により得たものを使用する。なお、セルロース繊維中のカルボキシ基量は、後述の化学修飾処理を行うと化学修飾基がセルロースに付加した分、質量が増加するため、乾燥セルロース1g当たりの数値は変わる。従って、本発明に係るセルロース繊維に更に化学修飾処理を行う場合、セルロース繊維のカルボキシ基量は、化学修飾基による置換を行った後の値として求める必要がある。
通常、上記の酸化処理後のセルロース繊維は、水洗や濾過などにより精製処理が施される。
(酵素処理)
本発明で用いるセルロース繊維は、酵素処理が施されたものであってもよい。
酵素処理は、セルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解によって開裂し、解重合を引き起こすセルラーゼ系酵素を用いて行われ、酵素処理によりセルロース繊維原料を解繊して繊維径、繊維長を小さくすることができる。
酵素処理は、通常、セルロース繊維原料の水分散液に対してセルラーゼ系酵素を添加することにより行われる。
セルラーゼを産生する微生物としては、好気性細菌、嫌気性細菌、動物や昆虫の消化器官に存在するルーメン細菌、放線菌、酵母、糸状菌(子嚢菌や担子菌など)などが挙げられ、それぞれ多様なセルラーゼを産生する。
セルラーゼ系酵素としては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属などが産生するセルラーゼ系酵素が挙げられる。このようなセルラーゼ系酵素は試薬や市販品として購入可能である。例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、セルラーゼ系酵素GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。これらのセルラーゼ系酵素の中でも糸状菌セルラーゼ系酵素が好ましく、糸状菌セルラーゼ系酵素の中でもトリコデルマ菌(Trichoderma reesei、あるいはHyporea jerorina、糸状菌の一種である子嚢菌)が産生するセルラーゼ系酵素はセルラーゼ系酵素の種類が豊富で、産生性も高いため特に好ましい。
ヘミセルラーゼ系酵素とは、ヘミセルロースを加水分解する酵素である。ヘミセルラーゼ系酵素の中でもキシランを分解する酵素であるキシラナーゼ(xylanase)、マンナンを分解する酵素であるマンナーゼ(mannase)、アラバンを分解する酵素であるアラバナーゼ(arabanase)が挙げられる。また、ペクチンを分解する酵素であるペクチナーゼもヘミセルラーゼ系酵素として使用することができる。ヘミセルラーゼ系酵素を産生する微生物はセルラーゼ系酵素も産生する場合が多い。
ヘミセルロースは植物細胞壁のセルロースミクロフィブリル間にあるペクチン類を除いた多糖類である。ヘミセルロースは多種多様で植物の種類や細胞壁の壁層間でも異なる。木材においては針葉樹の2次壁ではグルコマンナンが主成分であり、広葉樹の2次壁では4−O−メチルグルクロノキシランが主成分である。そのため、針葉樹から微細繊維状セルロースを得るためにはマンナーゼを使用する方が好ましく、広葉樹の場合はキシラナーゼを使用する方が好ましい。
セルラーゼ系酵素のセルロース繊維原料に対する添加量は0.1〜3重量%が好ましく、0.3〜2.5重量%がより好ましい。セルラーゼ系酵素の添加量が0.1重量%未満であると酵素による解繊効率が低下するおそれがあり、3重量%を超えて添加するとセルロースが糖化されて、微細セルロース繊維の収率が低下するおそれがある。
セルラーゼ系酵素処理時のセルロース繊維原料の水分散液のpHは弱酸性領域であるpH3.0〜6.9が好ましいが、セルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択してもよい。
また、ヘミセルラーゼ系酵素による処理を行う際のセルロース繊維原料の水分散液のpHは弱アルカリ性領域であるpH7.1〜10.0が好ましいが、ヘミセルラーゼ系酵素の種類により適宜最適なpH領域を選択してもよい。
酵素処理時のセルロース繊維原料の水分散液の温度は30〜70℃が好ましく、35〜65℃がさらに好ましく、40〜60℃が特に好ましい。温度が30℃未満であると酵素活性が低下して処理時間が長くなるので好ましくない。温度が70℃を超えると酵素が失活するので好ましくない。処理時間は酵素の種類や温度、pHで調整するが、30分〜24時間が好ましい。処理時間が30分未満であると酵素処理の効果がほとんど発現しないおそれがある。24時間を超えると酵素によりセルロース繊維の分解が進みすぎて、得られる微細セルロース繊維の数平均繊維長が短くなりすぎるおそれがある。
なお、酵素が活性なままで残留しているとセルロース繊維の分解が進み過ぎるので、所定時間、酵素で反応させた後のセルロース繊維原料の水分散液に20重量%程度の水酸化ナトリウム水溶液を分散液のpHが12程度になるように添加して酵素を失活させるか、あるいはセルロース繊維原料の水分散液の温度を90℃まで上昇させて、失活させる方法が通常とられる。水酸化ナトリウム水溶液を加える方が簡便ではあるが、その後の洗浄処理において脱水性が悪化するおそれがあるので、その対処が必要になる。水洗は、セルロース繊維の2〜4重量倍量の水で行なえばよく、これにより酵素はほとんど残留しなくなる。
<変性セルロース繊維>
本発明のゴム改質材に用いられるセルロース繊維は、セルロース繊維を構成するセルロースの水酸基の一部が他の基で置換された、変性セルロース繊維を含んでいてもよい。セルロース繊維の少なくとも一部が変性セルロース繊維であってもよいし、全部が変性セルロース繊維であってもよい。本発明のゴム改質材が変性セルロース繊維を含むことで、後工程におけるゴムとの複合化の際、ゴムとの親和性が上がり好ましい。
変性セルロース繊維を製造するには、例えば、セルロースに対し、化学的または物理的処理により、セルロースの水酸基に他の基を導入する。例えば、前述の酸化処理によってカルボキシ基等を導入してもよい。
この他の基の導入はセルロース繊維原料に対して行ってもよいし、解繊処理後のセルロース繊維に対して行ってもよい。
セルロースの水酸基に導入する他の基としては、カルボキシ基、アシル基、イソシアネート基、アルキル基、オキシラン基、オキセタン基、チイラン基、チエタン基、アミノ基、カルボン酸基由来の基、リン酸基由来の基などの1種または2種以上が挙げられる。
アシル基として具体的には、アセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロピオニル基、プロピオロイル基、ブチリル基、2−ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、シンナモイル基等が挙げられる。
イソシアネート基として具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアノイル基等が挙げられる。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。
これらの中では特にアセチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数2〜12のアシル基、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜12のアルキル基、カルボン酸基由来の基、リン酸基由来の基が好ましい。
化学的処理により上記の他の基を導入する方法としては、特に限定されるものではないが、セルロース繊維原料又は解繊処理後のセルロース繊維と次に挙げるような化学修飾剤とを反応させる方法がある。この反応条件についても特に限定されるものではないが、必要に応じて溶媒、触媒等を用いたり、加熱、減圧等を行うこともできる。
化学修飾剤の種類としては、酸、酸無水物、アルコール、ハロゲン化試薬、イソシアナート、アルコキシシラン、オキシラン(エポキシ)等の環状エーテル、グリシジルトリアルキルアンモニウムハライドまたはそのハロヒドリン、リン酸またはリン酸誘導体よりなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
(リン酸セルロース繊維)
以下に、本発明で用いる変性セルロース繊維として好適な、セルロース繊維を構成するセルロースの水酸基の一部がリン酸由来の基で置換され、リン酸由来の基が導入されたセルロース繊維(以下「リン酸セルロース繊維」と称す場合がある。)について説明する。
ここで、リン酸由来の基とは、リン酸またはリン酸誘導体とセルロースの水酸基との反応により、セルロースに結合する基である。通常、本発明でいうリン酸セルロースは、セルロースの水酸基の一部がリン酸基、亜リン酸基、ホスホン酸基、ポリリン酸基、およびポリホスホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも一種のリン酸由来の基で置換されたものであって、好ましくは、リン酸基(HPO 2−またはHPO )またはポリリン酸基で置換されたもの、より好ましくはリン酸基で置換されたものであり、例えば、このHPO 2−またはHPO がリン酸由来の基となる。尚、このリン酸由来の基中の水素原子は、他の基で置換等されていてもよく、例えば、塩を形成していてもよい。より具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属イオンや、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、及びアンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウムなどのアンモニウム系イオン等と塩を形成していてもよい。
リン酸由来の基をセルロースに導入する方法としては、乾燥した、あるいは湿潤状態のセルロース繊維原料や解繊処理後のセルロース繊維にリン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合する方法、セルロース繊維原料や解繊処理後のセルロース繊維の分散液にリン酸またはリン酸誘導体の水溶液を添加する方法等が挙げられる。
これら方法において、リン酸またはリン酸誘導体の粉末や水溶液を混合または添加した後に、通常は脱水、加熱等を行う。
例えば、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの2種類を混合してpH5〜7に調整したリン酸化試薬水溶液を調製し、このリン酸化試薬水溶液を湿潤状態のセルロース繊維原料に浸漬または混合後、130℃以下(特に好ましくは110℃以下)の温度で加温してセルロース繊維原料の水分を充分に除去し、さらに130〜170℃にて加熱する方法などが挙げられる。
ここで用いられるリン酸またはリン酸誘導体としては、リン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸或いはそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられ、具体的には、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらの塩またはエステルが挙げられる。中でも、リン酸、ポリリン酸、またはこれらの塩であることが好ましく、塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩、アンモニウム塩またはアミン塩が好ましい。中でも、これらのうち、リン酸由来の基の導入効率が高く、解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすいなどの観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩、ポリリン酸、ポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩がより好ましい。
セルロースに導入したリン酸由来の基を塩形とするために、上記のリン酸またはリン酸誘導体による処理後に、アルカリ水溶液などで処理してもよい。これらの処理後は、通常分散液のpHが中性となるまで水で洗浄する。
リン酸またはリン酸誘導体としては、具体的には、リン酸;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸のナトリウム塩;ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのポリリン酸のナトリウム塩;リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどのリン酸のカリウム塩;ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウムなどのポリリン酸のカリウム塩;リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどのリン酸のアンモニウム塩;ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムなどのポリリン酸のアンモニウム塩が挙げられる。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、リン酸セルロース繊維には2種以上のリン酸由来の基が導入されていてもよい。例えば、リン酸セルロース繊維には、水素原子が異なる基で置換等された2種以上のリン酸由来の基が導入されていてもよい。
(カルボン酸セルロース繊維)
次に、本発明で用いる変性セルロース繊維として好適な、セルロース繊維を構成するセルロースの水酸基の一部がカルボン酸由来の基で置換され、カルボン酸由来の基が導入されたセルロース繊維(以下「カルボン酸セルロース繊維」と称す場合がある。)について説明する。
ここで、カルボン酸由来の基とは、カルボン酸系化合物とセルロースとの反応により、セルロースに結合する基であり、基中に2以上のカルボン酸由来の基(−O(CO)−基)を有する基である。
通常、本発明でいうカルボン酸セルロースは、セルロースの水酸基の一部が−O(CO)−R−(CO)OHで置換されたものであり、この−O(CO)−R−(CO)OHがカルボン酸由来の基となる。ここで、Rはアルキレン基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基である。尚、末端のカルボキシ基はRに対し複数結合していてもよい。
また、カルボン酸由来の基の末端の水素原子は、他の基で置換等されていてもよく、例えば、カルボン酸塩を形成していてもよく、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属イオンや、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、及びアンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウムなどのアンモニウム系イオン等と塩を形成していてもよい。
カルボン酸由来の基をセルロースに導入する方法としては、セルロース繊維にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法、セルロース繊維原料の分散液にカルボン酸系化合物を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、工程が簡便で且つカルボン酸由来の基の導入効率が高くなることから、セルロース繊維にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法が好ましい。カルボン酸系化合物をガス化する方法としては、カルボン酸系化合物を加熱する方法が挙げられる。
セルロースへのカルボン酸由来の基の導入に用いられる、カルボン酸系化合物とは、カルボキシ基を有する化合物であって、好ましくは2以上のカルボキシ基を分子内に有する化合物が挙げられる。このようなカルボン酸系化合物としては、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、ピロメリット酸、1,2−シクロヘキサンカルボン酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、無水1,2−シクロヘキサンカルボン酸等のジカルボン酸無水物が挙げられる。その他、酸無水物のイミド化物、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の上記例示したカルボン酸の誘導体も挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、カルボン酸セルロース繊維には2種以上のカルボン酸由来の基が導入されていてもよい。
なお、セルロース繊維に導入したカルボン酸由来の基を塩形とするために、上記のカルボン酸系化合物で処理した後、アルカリ水溶液などで処理してもよい。これらの処理後は、通常分散液のpHが中性となるまで水で洗浄する。
(変性セルロース繊維の他の基の導入量)
変性セルロース繊維は、リン酸由来の基、カルボン酸由来の基等の他の基が、セルロース繊維に対して通常0.1〜2.0mmol/g導入されていることが好ましい。
変性セルロース繊維が、リン酸由来の基、カルボン酸由来の基等の他の基の2種以上を有する場合、これらの合計で、セルロース繊維に対し、通常0.1〜2.0mmol/g導入されていることが好ましい。
セルロース繊維への他の基の導入量を多くすることは後の工程におけるゴムとの複合化の際、ゴムとの親和性が上がり好ましいが、少な過ぎると、これらの基を導入したことによるゴムとの親和性の向上効果を十分に得ることができない場合がある。
ここで、他の基の導入量、例えば、リン酸由来の基、またはカルボン酸由来の基のセルロース繊維への導入量は、以下の方法で求めることができる。
<カルボン酸由来の基の導入量>
カルボン酸由来の基の導入量の算出方法については、TAPPI T237 cm−08(2008) を用いて算出した。具体的には、酸性基(ここではカルボキシ基)の導入数をより広範囲まで算出可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液について、前記試験液の濃度が実質的に4倍となるように、炭酸水素ナトリウム/塩化ナトリウム=3.36g/23.40gに変更し、さらに置換基導入前後のセルロース繊維における算出値の差を実質的な置換基導入量とした以外は、TAPPI T237 cm−08(2008) に準じて算出する。
<リン酸由来の基の導入量>
リン酸由来の基のセルロースへの導入量については、TAPPI T237 cm−08(2008) を用いて算出した。具体的には、セルロースに導入されたリン酸由来の酸性基の導入量をより広範囲まで算出可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液を、水酸化ナトリウム1.60gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液に変更し、さらに置換基導入前後のセルロース繊維における算出値の差を実質的な置換基導入量(1価の酸性基)として、TAPPI T237 cm−08(2008) に準じて算出した。さらに多価の酸性基であるリン酸由来の基の導入量を算出するため、前記得られた置換基導入量を、リン酸由来の基の酸価数で除した数値を、リン酸由来の基の導入量とした。
<解繊処理>
前述のセルロース繊維原料を、解繊処理することにより、数平均繊維径が5〜35nmの微細セルロース繊維からなるゴム改質材を得ることができる。
解繊処理の具体的な方法としては、特に制限はないが、例えば、直径1mm程度のセラミック製ビーズをセルロース繊維原料濃度0.1〜10重量%、例えば1重量%程度のセルロース繊維原料の分散液(以下、「セルロース繊維分散液」と称す場合がある。)に入れ、ペイントシェーカーやビーズミル等を用いて振動を与え、セルロース繊維原料を解繊する方法などが挙げられる。
なお、セルロース繊維分散液の分散媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合液を使用することができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコール−モノ−t−ブチルエーテル等のアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、その他水溶性の有機溶媒の1種又は2種以上を用いることができる。分散媒は、有機溶媒と水との混合液又は水であることが好ましく、特に水であることが好ましい。
解繊方法としては、ブレンダータイプの分散機や高速回転するスリットの間に、セルロース繊維分散液を通して剪断力を働かせて解繊する方法(高速回転式ホモジナイザーを用いる方法)や、高圧から急に減圧することによって、セルロース繊維間に剪断力を発生させて解繊する方法(高圧ホモジナイザー法を用いる方法)、「マスコマイザーX(増幸産業)」のような対向衝突型の分散機等を用いる方法などが挙げられる。特に、高速回転式ホモジナイザーや高圧ホモジナイザーによる処理を採用することにより、解繊の効率が向上する。
これらの処理で解繊する場合は、セルロース繊維原料としての固形分濃度が0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、特に0.3重量%以上、また10重量%以下、特に6重量%以下のセルロース繊維分散液に対して解繊処理を行うことが好ましい。この解繊処理に供するセルロース繊維分散液中の固形分濃度が低過ぎると処理するセルロース繊維原料量に対して液量が多くなり過ぎ効率が悪く、固形分濃度が高過ぎると流動性が悪くなるため、解繊処理に供するセルロース繊維分散液は適宜水を添加するなどして濃度調整する。
なお、このような高圧ホモジナイザーによる処理、高速回転式ホモジナイザーによる処理の後に、超音波処理を組み合わせた解繊(微細化)処理を行ってもよい。
[ゴム改質材分散液]
本発明のゴム改質材は、通常、セルロース繊維の分散液(ゴム改質材分散液)として提供される。本発明のゴム改質材分散液は、セルロース繊維以外に分散媒を含み、該セルロース繊維と分散媒からなるものであってもよいし、その他、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤等が含まれていてもよい。
分散媒としては、例えば、水、アルコール、ケトン、エーテル、グリコールエーテル、環状エーテル、アミド、芳香族系炭化水素、非プロトン性極性分散媒などが挙げられる。これらの分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ゴム改質材分散液の分散媒として使用される溶媒は、後の工程で溶媒を除去する工程があることから沸点が高すぎないことが好ましい。溶媒の沸点は300℃以下が好ましく、200℃以下が好ましく、180℃以下が更に好ましい。また、取扱い性などの点から、70℃以上が好ましい。
分散媒としての芳香族系炭化水素の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
ケトン(ケトン基を有する液体を指す)としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。この中でも、好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノンであり、より好ましくは、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノンである
エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、フラン、ジベンゾフラン等が挙げられる。この中でも、好ましくは、ジエチルエーテル、フランである。
非プロトン性極性分散媒としては、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
ゴム改質材分散液におけるセルロース繊維(ゴム改質材)の含有量は特に限定されないが、粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、分散液全量に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
なお、この分散液中には、セルロース繊維(未変性セルロース繊維)と変性セルロース繊維の一方のみが含まれていてもよく双方が含まれていてもよい。すなわち、本発明のゴム改質材は、未変性セルロース繊維又は変性セルロース繊維のみからなるものであってもよく、未変性セルロース繊維と変性セルロース繊維との混合物であってもよい。
[ゴムラテックス分散液]
本発明のゴムラテックス分散液は、本発明のゴム改質材とゴムラテックスとを含有するものであるが、本発明のゴムラテックス分散液の調製に際しては、前述のセルロース繊維原料をそのままゴムラテックスと混合させて、この混合液の中で解繊処理を行ってもよい。この場合、セルロース繊維原料が、ゴムラテックス中に分散された状態のものとなり、これをさらに解繊処理することで、高い分散性を有する、本発明のゴム改質材を含有する本発明のゴムラテックス分散液を得ることができる。
この場合の解繊処理について、以下に説明する。
セルロース繊維原料を分散させる分散媒としては、通常水が用いられるが、有機溶媒等上述したゴム改質材分散液の分散媒として例示したものを利用してもよい。その場合は、通常、セルロース繊維原料は水分散液の状態にある場合が多いので、あらかじめセルロース繊維原料の水分散液中の水を有機溶媒に置換してもよい。溶媒置換工程において溶媒を置換する方法は特に限定されないが、セルロース繊維原料を含有する水分散液から濾過などにより水を除去し、ここに解繊時使用する有機溶媒を添加し、攪拌混合し、再度濾過により有機溶媒を除去する方法が挙げられる。有機溶媒の添加と濾過を繰り返すことで、分散液中の媒体を水から有機溶媒に置換することができる。
なお、使用する有機溶媒が非水溶性の場合、水溶性の有機溶媒に一度置換した後、非水溶性の有機溶媒に置換してもよい。
次に、セルロース繊維原料を含有する、セルロース繊維原料分散液と、ゴムラテックスとを混合する。混合に際しては、分散液にゴムラテックスを直接加えて混合してもよい。
この解繊前のゴムラテックス分散液中におけるセルロース繊維原料の含有量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液中におけるゴムの固形分量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、2重量%以上が好ましく、2.5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましく、20重量%以上が特に好ましく、95重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液における溶媒(分散媒)の含有量は特に限定されないが、解繊前のゴムラテックス分散液全量に対して、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、97.5重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス中の分散液中のゴム成分と溶媒との重量比は特に限定さないが、得られる解繊処理後のゴムラテックス分散液の粘度や液安定性が好適なものになるといった取扱い性の点から、溶媒の含有量は、ゴム成分100重量部に対して、5重量部以上が好ましく、25重量部以上がより好ましく、2000重量部以下が好ましく、1000重量部以下がより好ましい。
解繊前のゴムラテックス分散液中においてセルロース繊維原料とゴム成分との重量比は特に限定さないが、セルロース繊維原料の含有量は、セルロース繊維原料及びゴム成分の合計量(100重量%)に対して、2.5重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、4重量%以上がさらに好ましく、97.5重量%以下が好ましく、97重量%以下がより好ましく、95重量%以下がさらに好ましい。
この解繊前のゴムラテックス分散液に対して、解繊処理を施す際の解繊処理の方法は、前記のセルロース繊維原料の解繊処理方法と同様である。
解繊工程を経て得られたゴムラテックス分散液中には、解繊されたセルロース繊維が均一に分散しており、セルロース繊維の凝集や沈降が抑制され、優れた液安定性を有する。
また、セルロース繊維とゴムラテックスとを含有する本発明のゴムラテックス分散液を用いて得られる加硫工程後の加硫ゴム組成物中においては、セルロース繊維が加硫ゴム成分中に均一に分散し、高弾性率、低損失正接を示す。
本発明のゴムラテックス分散液中におけるセルロース繊維の含有量は使用される出発原料であるセルロース繊維原料量によって適宜調整されるが、分散液の安定性の点から、分散液全量に対して、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
なお、ゴムラテックス分散液中の溶媒、ゴム成分の含有量は、上述した解繊前ゴムラテックス分散液の各成分の含有量と同じであり、好適な範囲も同じである。
また、ゴムラテックス分散液中のセルロース繊維はゴム成分(固形分)100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。繊維量が少ないと補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
本発明のゴムラテックス分散液には、セルロース繊維、ゴム成分の他に、従来ゴム工業で使用される他の配合剤を添加してもよい。例えば、他の補強材としてシリカ粒子やカーボンブラック、繊維などの、無機、有機のフィラー、シランカップリング剤、加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などが挙げられる。
このうち、加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用することが可能である。有機過酸化物としては従来ゴム工業で使用される各種のものが使用可能であるが、中でも、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン及びジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができ、中でも硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴムラテックス分散液中の加硫剤の配合量としては、ゴム成分100重量部に対して硫黄の場合、通常7.0重量部以下、好ましくは6.0重量部以下である。また、通常1.0重量部以上、好ましくは3.0重量部以上、中でも4.0重量部以上である。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、本発明のゴム改質材とゴム成分とを含有することを特徴とする。通常、本発明のゴム組成物は、本発明のゴムラテックス分散液を用いて製造される。
本発明のゴム組成物は、本発明のゴムラテックス分散液を、例えば、基板上へ塗布して塗膜状としたり、型内に流し込んだり、或いは押し出し加工をして、必要に応じて、乾燥処理を施して、溶媒を除去して得られるものである。例えば、本発明のゴムラテックス分散液を用いて、ゴムラテックス中に分散したセルロース繊維から水分を除去し、必要な配合剤を加えてゴム組成物とし、混練りして、未加硫状態で所望の適用部材の形状に合わせて押し出し加工し、成形機上にて通常の方法により成形することにより、ゴム組成物を形成する。このゴム組成物を加硫機中で加熱加圧することにより、加硫ゴム組成物を得ることができる。かかる加硫ゴム組成物は、良好な耐久性を有する。
以下に、本発明のゴム組成物及び加硫ゴム組成物の製造方法について説明する。
なお、本発明のゴム組成物の製造方法は、必要に応じて、以下詳述の複合化工程の前にゴム成分を添加する添加工程を備えていてもよい。
<複合化工程>
複合化工程では、ゴム組成物を加硫反応させることにより(加硫工程)、セルロース繊維と加硫ゴム成分とを含有する加硫ゴム組成物を得る。
本発明の加硫ゴム組成物は、本発明のゴムラテックス分散液から、必要に応じて溶媒を除去し、更にゴム成分と前述の各種配合剤を、ゴム用混練機等、公知の方法を用いて混合した後、成形して、公知の方法で加硫反応させることにより得られる。
加硫工程の条件は特に限定されず、ゴム成分を加硫ゴムとすることができる温度以上であればよい。なかでも、有機溶媒を揮発させて除去できる点から、加熱温度は、60℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。なお、セルロース繊維の分解を抑制する点から、加熱温度は250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。加熱時間は、生産性などの点から、通常3分以上、好ましくは5分以上で、180分以下が好ましい。
加熱処理は複数回にわたって、温度・加熱時間を変更して実施してもよい。
<セルロース繊維の含有量>
本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物におけるセルロース繊維の含有量は目的に応じて適宜調整されるが、補強効果の点から、ゴム組成物または加硫ゴム組成物全量に対して、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がさらに好ましく、次いで、30重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下の順でより好ましい。
<ゴム成分の含有量>
本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物におけるゴム成分(固形分)の含有量は目的に応じて適宜調整されるが、補強効果の点から、ゴム組成物または加硫ゴム組成物全量に対して、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上が好ましく、99重量%以下がより好ましく、95重量%以下がさらに好ましい。
<セルロース繊維とゴム成分との重量比>
本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物中に含まれるセルロース繊維とゴム成分との重量比は、本発明のゴムラテックス分散液におけるセルロース繊維とゴム成分との重量比と同じである。
セルロース繊維はゴム成分(固形分)100重量部に対して、通常1重量部以上、好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、通常100重量部以下、好ましくは70重量部以下、更に好ましくは50重量部以下である。ゴム組成物または加硫ゴム組成物中のセルロース繊維量が少ないと補強効果が充分でなく、逆に多いとゴムの加工性が低下する。
また、本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物には、セルロース繊維、ゴム成分の他に、上述した従来ゴム工業で使用される他の配合剤を添加してもよい。
<セルロース繊維の分散状態>
本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物は、セルロース繊維が凝集塊を作ることなくゴム成分または加硫ゴム成分中に安定に分散しており、セルロース繊維による補強効果によって、高い弾性率が達成されると同時に、繊維径が細いためにゴム本来の伸びが阻害されないことから、高い破断伸びおよび発熱性の低さが達成されると考えられる。
なお、本発明のゴム組成物または加硫ゴム組成物における、セルロース繊維の分散状態は、SEM等により断面構造を観察することにより確認することができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
以下において、リン酸由来の基、カルボン酸由来の基、またはカルボキシ基のセルロースへの導入量は、前述した方法で求めた。
また、微細セルロース繊維の数平均繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて以下のようにして測定した。
手法:原子間力顕微鏡法(タッピングモード)
探針:未修飾のSi製カンチレバー(NCH)
環境:室温・大気中(湿度50%程度)
装置:ブルカー社製DigitalInstrument NanoscopeIII
データサンプリング数:512×512ポイント
AFM像の種別:高さ像,位相像(繊維一つひとつを認識するため)
画像解析法:AFM観察像から繊維をトレースして、繊維を1本ずつ抽出し、
繊維1本の高さの最高値を繊維の太さとして計測した。
この計測値を平均して数平均繊維径とした。
[製造例1:セルロース繊維1(リン酸セルロース繊維)の調製]
リン酸二水素ナトリウム二水和物6.75g、リン酸水素二ナトリウム4.83gを19.62gの水に溶解させ、リン酸化試薬水溶液を得た。このリン酸化試薬水溶液のpHは25℃で6.0であった。
セルロース繊維原料として、針葉樹晒クラフトパルプ(王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を濃度4重量%になるように水を加えて、ダブルディスクリファイナーで変則CSF(平織り80メッシュ、パルプ採取量を0.3gとした以外はJIS P8121に準ずる)が250ml、平均繊維長が0.68mmになるまで叩解してパルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを0.3重量%に希釈した後、抄紙法により含水率90%のパルプシート(絶乾質量として3g、厚み200μm)を得た。このパルプシートを前記リン酸化試薬水溶液31.2g(乾燥パルプ100重量部に対してするリン元素量として80.2重量部)に浸漬させた後、105℃の送風乾燥機(ヤマト化学社製、DKM400)にて1時間乾燥処理し、さらに150℃の送風乾燥機(DKM400、前出)で1時間加熱処理して、セルロースにリン酸基を導入したパルプシートを得た。
次いで、リン酸基を導入したパルプシートに500mlのイオン交換水を加え、攪拌洗浄後、濾過脱水して脱水パルプを得た。得られた脱水パルプを300mlのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlを少しずつ添加し、pHが12〜13のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを濾過脱水し、500mlのイオン交換水による洗浄および濾過脱水を計3回繰り返して、最終的にリン酸セルロースを得た。
X線回折により、このセルロースはセルロースI型結晶を維持しており、さらにFT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、1230〜1290cm−1にリン酸基に基づく吸収が認められ、セルロースに対するリン酸基の付加が確認された。
尚、リン酸基の導入量は、0.59mmol/gであった(セルロース繊維1)。
[製造例2:セルロース繊維2(マレイン酸セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として、広葉樹クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製)を105℃で3時間乾燥させて水分3重量%以下の乾燥パルプを得た。次いで、乾燥パルプ100重量部に対して無水マレイン酸50重量部をオートクレーブに充填し、内温120〜135℃で2時間処理した。
次いで、無水マレイン酸で処理されたパルプを0.08Nの水酸化ナトリウム水溶液に添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄および濾過脱水を繰り返して、最終的にマレイン酸セルロースを得た。
X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、結晶化度は84%であった。FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、1580および1720cm−1付近にカルボキシ基に基づく吸収が見られ、マレイン酸の付加が確認された。
尚、マレイン酸基の導入量は、0.25mmol/gであった(セルロース繊維2)。
[製造例3:セルロース繊維3(コハク酸セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として、広葉樹クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製)を105℃で3時間乾燥させて水分3重量%以下の乾燥パルプを得た。次いで、得られた乾燥パルプ4gと無水コハク酸4g(乾燥パルプ100重量部に対して100重量部)とをオートクレーブに充填し、150℃で2時間処理した。
次いで、無水コハク酸で処理されたパルプを500mlの水で洗浄および濾過脱水を3回繰り返した後、イオン交換水を添加して490mlのスラリーを調製した。
次いで、スラリーを攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlを少しずつ添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄および濾過脱水を繰り返して、最終的にコハク酸セルロースを得た。
X線回折により、セルロースはセルロースI型結晶を維持しており、FT−IRによる赤外線吸収スペクトルの測定により、1580および1720cm−1付近にカルボキシ基に基づく吸収が認められ、セルロースに対するコハク酸基の付加が確認された。
尚、コハク酸基の導入量は、0.32mmol/gであった(セルロース繊維3)。
[製造例4:セルロース繊維4(酵素処理セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP、王子製紙社製ベイマツ品)を用い、ナイアガラビーター(容量23リットル、東西精器社製)で200分間叩解し、パルプ分散液(パルプ濃度2重量%、叩解後の加重平均繊維長:1.61mm)を得た。
該パルプ分散液を脱水してパルプ濃度3重量%にし、0.1重量%硫酸でpH6に調整し、50℃になるまで水浴で温めた後、酵素(セルラーゼ、GC220、ジェネンコア社製)をパルプ(固形分換算)に対して1重量%添加し、50℃で2時間撹拌しながら反応させた。その後、95℃以上で20分間加熱して、酵素を失活させて酵素処理されたセルロース繊維を得た(セルロース繊維4)。
[製造例5:セルロース繊維5(酵素処理酸化処理セルロース繊維)の調製]
セルロース繊維原料として広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製ベイマツ品)を固形分濃度が4.5重量%となるように水で希釈したものを6L調製し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス2.2S)で3時間連続処理し、その後、0.1重量%硫酸でpH6に調整し、50℃になるまで水浴で温めた後、酵素(セルラーゼ、GC220、ジェネンコア社製)をパルプ(固形分換算)に対して1重量%添加し、50℃で1時間撹拌しながら反応させた。その後、95℃以上で20分間加熱して、酵素を失活させて酵素処理されたセルロース繊維を得た。
これをパルプ乾燥重量として20g及び空気2Lを加えた後、オゾン濃度200g/mのオゾン/酸素混合気体を15L加え、25℃で2分間振とう、及び6時間静置を順次行った後、容器内のオゾン及び空気を除去してオゾン処理(酸化処理)を行った。この操作を2回行い、イオン交換水で十分に洗浄/脱水してオゾン処理したセルロース繊維を得た。
このオゾン処理後のセルロース繊維(固形分濃度20重量%)に対して、塩酸により水溶液pHを4〜5に調整した0.2重量%濃度の亜塩素酸ナトリウム水溶液を200g(セルロース繊維の乾燥重量に対して、亜塩素酸ナトリウムとして3重量%相当)添加して、撹拌した後、室温で48時間静置した。これをイオン交換水で懸濁洗浄を繰り返し行うことにより、カルボキシ基が導入されたセルロース繊維を得た。このセルロース繊維のカルボキシ基量は0.41mmol/gであった(セルロース繊維5)。
[実施例1]
製造例1で得られたセルロース繊維1を固形分濃度が0.5重量%となるように水で希釈し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス0.8S)にて20000rpmで60分処理し、セルロース繊維の解繊処理を行いナノ繊維化されたセルロース繊維1(ゴム改質材1)のスラリーを得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維1の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は5.4nmであった。
次に、天然ゴムラテックス(固形分濃度61重量%)100重量部に対し、ゴム改質材1のスラリーをセルロースの固形分量で5重量部となるように加え、脱塩水を加えてセルロースとゴムの固形分濃度が0.3重量%となるように調整した。次いで、ホモジナイザーを用いて混合し、ゴム−セルロース繊維混合液(ゴムラテックス分散液)を得た。得られたゴムラテックス分散液中のゴム改質材1の分散性を目視で評価した結果、分散性は良好であった。
次に、得られたゴムラテックス分散液をバットに入れ、110℃のオーブン中にて乾燥固化し、ゴム改質材1配合のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物中のゴム改質材1の分散性を、目視で評価した結果、分散性は良好であった。
得られたゴム組成物(以下、ゴム組成物1という)は、ゴム成分(天然ゴムラテックス)100重量部に対して、ゴム改質材1を5重量部含む。これにさらに、亜鉛華(1号亜鉛華、浅岡窯業原料社製)3重量部、加硫促進剤(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、和光純薬工業社製)1重量部、硫黄(5%油処理粉末硫黄、鶴見化学工業社製)2重量部、ステアリン酸(和光純薬工業社製)3重量部を配合し、混練を行った。
詳細には、ゴム組成物1に対し、加硫促進剤と硫黄を除く成分を添加し、140℃で3分間混練装置(ラボプラストミルμ、東洋精機社製)を用い混練することによりゴム組成物2を得た。このゴム組成物2に加硫促進剤と硫黄を添加し、80℃で3分間混練することによりゴム組成物3を得た。このゴム組成物3を160℃で10分間加圧プレス加硫し、厚さ1mmのゴム組成物4(加硫ゴム組成物)を得た。
得られた加硫ゴム組成物中のゴム改質材1の分散性を、目視で評価した結果、分散性は良好であった。
得られた加硫ゴム組成物を所定のダンベル形状の試験片にし、破断強度、M300、tanδを評価した。
破断強度およびM300は、JIS K6251に準じた引っ張り試験により、加硫ゴム組成物の破断強度および300%伸長時の引張り応力を測定し、天然ゴムのみの比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど補強性に優れることを示す。
tanδは、JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れる(エネルギーロスが小さい)ことを示す。
この加硫ゴム組成物の破壊強度は179、M300は404、tanδは235であった。
[実施例2]
製造例3で得られたセルロース繊維3を固形分濃度が0.6重量%となるように水で希釈し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス0.8S)にて20000rpmで60分処理し、セルロース繊維の解繊処理を行った。次に、遠心分離機にて12000Gで10分間遠心分離して上澄み液を採取し、0.5重量%のナノ繊維化されたセルロース繊維3のスラリー(ゴム改質材2)を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維3の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は5.5nmであった。
ゴム改質材として、このゴム改質材2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質材2の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は148、M300は304、tanδは257であった。
[実施例3]
セルロース繊維3の代りに、セルロース繊維として、広葉樹クラフトパルプ(LBKP、王子製紙社製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ゴム改質材3を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は16nmであった。
ゴム改質材として、このゴム改質材3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質材3の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は210、M300は348、tanδは170であった。
[実施例4]
製造例4で得られたセルロース繊維4を固形分濃度が4.8重量%となるように水で希釈したものを6L調製し、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス2.2S)にて20000rpmで3時間連続処理し、さらに、固形分濃度0.9重量%となるように水で希釈したもの6Lを9時間連続処理し、セルロース繊維の解繊処理を行った。次に、遠心分離機にて12000Gで10分間遠心分離して上澄み液を回収し、ナノ繊維化されたセルロース繊維4のスラリー(ゴム改質材4)を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維4の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は7.9nmであった。
ゴム改質材として、このゴム改質材4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質材4の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は252、M300は338、tanδは146であった。
[実施例5]
製造例4で得られたセルロース繊維4を固形分濃度が3重量%となるように水で希釈したものを4L調製し、ホモディスパー(プライミクス社製)を用いて4時間処理し、続いて、回転式高速ホモジナイザー(エム・テクニック社製クレアミックス2.2S)にて20000rpmで5時間連続処理し、セルロース繊維の解繊処理を行った。さらに、固形分濃度0.5重量%に希釈したものを12000Gで連続遠心分離して上澄み液を回収し、ナノ繊維化されたセルロース繊維4のスラリー(ゴム改質材5)を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維4の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は18nmであった。
ゴム改質材として、このゴム改質材5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質材5の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は219、M300は269、tanδは142であった。
[実施例6]
セルロース繊維3の代りに、セルロース繊維5を用いた以外は、実施例2と同様にして、ゴム改質材6を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は、7.1nmであった。
ゴム改質材として、このゴム改質材6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。ゴムラテックス分散液及び加硫ゴム組成物中のゴム改質材6の分散性を、目視で評価した結果、いずれも分散性は良好であった。
また、実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は250、M300は304、tanδは132であった。
[比較例1]
セルロース繊維を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法で、加硫ゴム組成物を得、同様に破断強度、M300、tanδを測定し、破断強度、M300、tanδの測定値をそれぞれ100とした。
[比較例2]
製造例2で得られたセルロース繊維2を用いた以外は、実施例2と同様にして、ゴム改質材7を得た。ナノ繊維化されたセルロース繊維2の繊維径を測定したところ、数平均繊維径は4.2nmであった。
ゴム改質材としてこのゴム改質材7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴムラテックス分散液、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。
実施例1と同様に加硫ゴム組成物の破断強度、M300、tanδを評価したところ、この加硫ゴム組成物の破壊強度は185、M300は260、tanδは239であった。
以上の実施例1〜6及び比較例1〜2の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006020334
表1より、本発明のゴム改質材1〜6を用いた実施例1〜6の加硫ゴム組成物は、天然ゴムのみである比較例1と比べ、高い弾性率、高い破壊強度を示し、本発明のゴム改質材は補強性に優れることが分かる。
また、本発明のゴム改質材1〜6を用いた実施例1〜6の加硫ゴム組成物と、比較例2の加硫ゴム組成物を比べると、セルロース繊維の繊維径を5nm〜35nmにすることで、高い弾性率、高い破壊強度、低いtanδをバランスよく発現できることが分かる。

Claims (5)

  1. セルロース繊維からなるゴム改質材であって、
    該セルロース繊維の少なくとも一部として、セルロース繊維を構成するセルロースの水酸基の一部が他の基で置換された変性セルロース繊維を含み、
    数平均繊維径が5〜35nmであることを特徴とする、ゴム改質材。
  2. 請求項1に記載のゴム改質材及び分散媒を含有することを特徴とする、ゴム改質材分散液。
  3. 請求項1に記載のゴム改質材とゴムラテックスを含有することを特徴とする、ゴムラテックス分散液。
  4. 請求項1に記載のゴム改質材とゴム成分とを含有することを特徴とする、ゴム組成物。
  5. 請求項に記載のゴム組成物を加硫して製造される、加硫ゴム組成物。
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