JP5988843B2 - 複合材料 - Google Patents

複合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5988843B2
JP5988843B2 JP2012255150A JP2012255150A JP5988843B2 JP 5988843 B2 JP5988843 B2 JP 5988843B2 JP 2012255150 A JP2012255150 A JP 2012255150A JP 2012255150 A JP2012255150 A JP 2012255150A JP 5988843 B2 JP5988843 B2 JP 5988843B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
pulp
acid
dispersion
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012255150A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014101604A (ja
Inventor
勝人 鈴木
勝人 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012255150A priority Critical patent/JP5988843B2/ja
Publication of JP2014101604A publication Critical patent/JP2014101604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5988843B2 publication Critical patent/JP5988843B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

本発明は、微細セルロース繊維と樹脂とを含有する複合材料に関する。
車両、航空機、家電製品、電子機器、事務機器等を構成する材料として、樹脂に繊維を配合した複合材料を用いることがある。複合材料に使用される繊維として、繊維径がナノメートルオーダーの微細セルロース繊維を用いることが知られている。
微細セルロース繊維としては、リグノセルロースを、ニトロキシラジカル誘導体、臭化アルカリ及び酸化剤を含む分散媒中で処理して得た、カルボキシ基を有する繊維が知られている(特許文献1)。また、微細セルロース繊維として、木粉を解繊処理して得た繊維も知られている(特許文献2)。
微細セルロース繊維を樹脂に配合して複合材料を製造する方法としては、微細セルロース繊維を含む分散液をエマルション樹脂に混合した後、濾過等により脱液する方法が知られている(特許文献3)。
特開2008−308802号公報 国際公開第2009/081881号 特開2011−149124号公報
しかし、特許文献1,2に記載の微細セルロース繊維を用い、特許文献3に記載の複合材料の製造方法を適用した場合、微細セルロース繊維による補強効果が不充分で、複合材料の機械的物性が充分に高くならないことがあった。
本発明は、強度等の機械的物性に優れた複合材料を提供することを目的とする。
特許文献1,2に記載の方法で得た微細セルロース繊維は、屈曲部を有するセルロース単繊維を多く含み、三次元構造を形成しやすいため、樹脂の補強効果が高いと思われた。しかし、本発明者が調べたところ、屈曲部を有するだけでは、補強効果が高くならなかった。そこで、本発明者はさらに検討を重ねて、樹脂の補強効果を高くするものを見出した。
本発明は、以下の態様を有する。
本発明の複合材料は、微細セルロース繊維と樹脂とを含有し、前記微細セルロース繊維は、複数本のセルロース単繊維により構成され、平均繊維幅が2〜50nm、平均繊維長が100〜1500nm、結晶化度が70〜98%であり、全セルロース単繊維に対して20%以上の本数のセルロース単繊維が屈曲部を有する。
本発明の複合材料は、強度等の機械的物性に優れる。
屈曲部を有するセルロース単繊維の透過型電子顕微鏡写真である。 微細セルロース単繊維の透過型電子顕微鏡写真である。
本発明の複合材料は、微細セルロース繊維と樹脂とを含有する繊維強化複合材料である。具体的に、複合材料においては、樹脂の内部に微細セルロース繊維が分散することによって、微細セルロース繊維が樹脂を補強して、機械的物性を向上させている。
<微細セルロース繊維>
微細セルロース繊維は、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細く且つ短いI型結晶構造のセルロース単繊維の複数本より構成された繊維である。
微細セルロース繊維がI型結晶構造を有していることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークを有することで同定することができる。
微細セルロース繊維の、X線回折法によって求められる結晶化度は、70〜98%、好ましくは73〜95%、より好ましくは75〜92%である。結晶化度が前記下限値未満であると、樹脂に対する補強効果が不充分になる。前記上限値を超える結晶化度にすることは困難である。
結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求めることができる(Segalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
結晶化度を前記範囲にするためには、木材原料に対して苛性ソーダ、硫化ナトリウムと水を加え圧力容器中、高温で圧力を加えることにより、木材原料中のリグニンやヘミセルロースを除去すればよい。また、酸やアルカリを適宜加えることでセルロース中の非晶質部分を除去して、結晶化度を調節することも可能である。
(繊維幅)
微細セルロース繊維は、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅が2〜50nmのセルロースである。微細セルロース繊維の平均繊維幅は2〜30nmが好ましく、2〜10nmがより好ましく、4〜10nmがさらに好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記上限値を超えると、樹脂に対する補強効果が不充分になる。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記下限値未満であると、セルロース分子として水に溶解してしまうため、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
微細セルロース繊維の電子顕微鏡観察による平均繊維幅の測定は以下のようにして行う。微細セルロース繊維含有スラリーを調製し、該スラリーを親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストして透過型電子顕微鏡(TEM)観察用試料とする。幅広の繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面の操作型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍、20000倍、50000倍あるいは100000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の単繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の単繊維が交差する。
上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する単繊維、直線Yに交錯する単繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の幅(繊維の短径)を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維幅を読み取る。このように読み取った繊維幅を平均して平均繊維幅を求める。
微細セルロース繊維の最大繊維幅は50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。微細セルロース繊維の最大繊維幅が前記上限値以下であれば、樹脂と混ぜ合わせて得た複合材料の強度がより高くなり、また、複合材料の透明性を確保しやすいため、透明用途に好適である。
(平均繊維長)
微細セルロース繊維の平均繊維長は、100〜1500nmであり、150〜1400nmであることが好ましく、200〜1300nmであることがより好ましい。平均繊維長が前記下限値未満であると、補強効果が不充分になることがあり、前記上限値を超えると、樹脂と混合した際に凝集物を形成して、補強効果が充分に発揮されないことがある。
繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する単繊維、直線Yに交錯する単繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
平均繊維長を前記範囲にするためには、微細セルロース繊維の原料として広葉樹クラフトパルプを用いる方法、繊維表面に電荷を付与することで静電反発を利用し、解繊しやすくする方法、酸処理により繊維の非晶質部分を切断する方法、酵素処理により繊維を切断する方法、解繊処理時の剪断力を高くする方法等を適用することが可能である。
(重合度)
微細セルロース繊維の重合度は50〜500であることが好ましく、100〜450であることがより好ましく、150〜300であることがさらに好ましい。微細セルロース繊維の重合度が前記下限値以上であれば、補強効果がより高くなり、一方、微細セルロース繊維の重合度が前記上限値以下であれば、樹脂と混合した際の凝集物形成をより防止できる。
微細セルロース繊維の重合度は、以下の方法により測定する。
微細セルロース繊維(遠心分離後の上澄み液、濃度約0.5質量%)をポリ四フッ化エチレン製シャーレ上に展開し、60℃にて乾燥して、ドライシートを得る。得られたドライシートを分散媒に分散させて、Tappi T230に従い、パルプ粘度を測定する。また、前記分散媒のみで粘度を測定してブランクテストを行い、ブランク粘度を測定する。パルプ粘度をブランク粘度で割った数値から1を引いて比粘度(ηsp)とし、下記式を用いて、固有粘度([η])を算出する。
[η]=ηsp/(c(1+0.28×ηsp))
式中のcは、粘度測定時のセルロース含有量を示す。
そして、下記式から本発明における重合度(DP)を算出する。
DP=1.75×[η]
この重合度は、粘度法によって測定された平均重合度であることから、「粘度平均重合度」と称されることもある。
(酸基含有量)
微細セルロース繊維を構成するセルロース単繊維は酸基を有してもよい。
セルロース単繊維が酸基を有する場合、微細セルロース繊維における酸基の含有量は2.0mmol/g以下であることが好ましく、1.5mmol/g以下であることがより好ましい。酸基の含有量が前記上限値以下であれば、濾水性が高くなり、複合材料を製造する際の生産性が高くなる。
前記酸基とは、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基など、酸性を示す官能基のことである。セルロースは、カルボキシ基を導入する処理を施さなくても、少量(具体的には0.06mmol/g未満)のカルボキシ基を有している。したがって、微細セルロース繊維における酸基の含有量が0.06mmol/g以上とは、セルロースに新たに酸基が導入されていることを意味する。なお、カルボン酸基は、セルロースに、2つのカルボキシ基を有するカルボン酸系化合物やオゾン等の酸化剤を作用させることにより導入される。リン酸基は、セルロースに、少なくとも(HPO2−を有するリンオキソ酸またはその塩を作用させることにより導入される。スルホン酸基は、セルロースに、少なくとも(HSOを有する硫黄オキソ酸またはその塩を作用させることにより導入される。
酸基の含有量は、米国TAPPIの「Test Method T237 cm−08(2008):Carboxyl Content of pulp」の方法を用いて求める。酸基の含有量をより広範囲まで測定可能にするために、前記試験方法に用いる試験液のうち、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)/塩化ナトリウム(NaCl)=0.84g/5.85gを蒸留水で1000mlに溶解希釈した試験液について、前記試験液の濃度が実質的に4倍となるように、水酸化ナトリウム1.60gに変更した以外は、TAPPI T237 cm−08(2008)に準じる。また、酸基を導入した場合には、酸基導入前後のセルロース繊維における測定値の差を実質的な酸基含有量とする。なお、測定試料とする絶乾セルロース繊維は、加熱乾燥の際の加熱によって起こる可能性があるセルロースの変質を避けるため、凍結乾燥により得たものを使用する。
当該酸基含有量測定方法は、1価の酸性基(カルボキシ基)についての測定方法であることから、定量対象の酸基が多価の場合には、前記1価の酸基含有量として得られた値を、酸価数で除した数値を酸基含有量とする。
(屈曲部を有するセルロース単繊維の割合)
微細セルロース繊維は、全セルロース単繊維に対し、20%以上の本数のセルロース単繊維が屈曲部を有する。屈曲部は、フレキシブル性を有すると思われる。そのため、樹脂に配合された際、屈曲部を有する繊維は、屈曲部を有さない棒状繊維に比べて、外力によって生じる応力を分散させる効果が高いと思われる。また、屈曲部を有していると、樹脂に配合された際に微細セルロース繊維が三次元構造を形成しやすくなり、樹脂の補強効果が高くなる。
全セルロース単繊維に対する、屈曲部を有するセルロース単繊維の本数割合は25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
全セルロース単繊維に対する、屈曲部を有するセルロース単繊維の本数割合は、以下の方法により測定される。
すなわち、まず、上記平均繊維幅を測定する際と同様の観察条件及び倍率の電子顕微鏡観察画像を得る。次いで、電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する単繊維、直線Yに交錯する単繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)を選択し、屈曲部を少なくとも1箇所有する単繊維の本数を数える。ここで、屈曲部とは、内角が10°以下になるように折れ曲がっている部分のことである。図1に、屈曲部を有するセルロース単繊維の電子顕微鏡写真を示す。
これを、少なくとも3組以上の電子顕微鏡画像(図2参照)を観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)のセルロース単繊維のうちの、屈曲部を有するセルロース単繊維を求める。そして、[(屈曲部を有するセルロース単繊維の本数)/(観察したセルロース単繊維の本数)]×100の式より、全セルロース単繊維に対する、屈曲部を有するセルロース単繊維の本数割合を求める。
屈曲部を有するセルロース単繊維の本数割合を前記範囲にするためには、例えば、微細セルロース繊維の製造方法において後述する化学的処理を施せばよい。
(微細セルロース繊維の製造方法)
上記微細セルロース繊維を製造する方法としては、化学処理工程と解繊工程とを有する製造方法が挙げられる。化学処理工程と解繊工程の順序は限定されないが、化学処理工程の後に解繊工程を行うことが好ましい。
以下、各工程について詳細に説明する。
[セルロース原料]
セルロース原料としては、セルロースを含むものであり、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これらの中でも、微細セルロース繊維の結晶化度を容易に70%以上にできることから、化学パルプが好ましい。さらに、化学パルプの中でも、繊維長を容易に短くできる点では、広葉樹クラフトパルプがより好ましい。
セルロース原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
[化学処理工程]
化学処理工程は、セルロース原料に化学的処理を施す工程である。化学的処理は下記(a)〜()のうちの少なくとも1種である。
(a)カルボン酸系化合物による処理
(b)リン原子を含むオキソ酸またはその塩による処理
(c)オゾンによる処理
(d)酵素による処
〔カルボン酸系化合物による処理〕
カルボン酸系化合物による処理では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、カルボン酸系化合物とが脱水反応して、極性基(−COO)を形成する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
セルロース原料をカルボン酸系化合物により処理する方法としては、セルロース原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法、セルロース原料の分散液にカルボン酸系化合物を添加する方法等が挙げられる。これらのうち、工程が簡便で且つカルボキシ基導入の効率が高くなることから、セルロース原料にガス化したカルボン酸系化合物を混合する方法が好ましい。カルボン酸系化合物をガス化する方法としては、カルボン酸系化合物を加熱する方法が挙げられる。
本処理において使用するカルボン酸系化合物は、2つのカルボキシ基を有する化合物、2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。2つのカルボキシ基を有する化合物の中では、2つのカルボキシ基を有する化合物(ジカルボン酸化合物)が好ましい。
2つのカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2−メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸化合物や複数のカルボキシ基を含む化合物の酸無水物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
セルロース原料に対するカルボン酸系化合物の質量割合は、セルロース原料100質量部に対して、カルボン酸系化合物が0.1〜500質量部であることが好ましく、10〜200質量部であることがより好ましい。カルボン酸系化合物の割合が前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維の収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えても、収率向上の効果は頭打ちとなり、無駄にカルボン酸系化合物を使用するだけである。
本処理において使用される装置としては特に限定されないが、例えば、攪拌羽根を有する加熱反応容器や回転式加熱反応容器、加熱ジャケットを有する圧力容器や回転式圧力容器、加温ジャケットを有する一軸ミキサーおよび二軸ミキサー、あるいは二軸押出機、多軸混練押出機、加圧ニーダー、双腕式ニーダーなどの加熱装置を有する混練装置を用いてもよい。
処理温度は、セルロースの熱分解温度の点から、250℃以下であることが好ましい。さらに、処理の際に水が含まれている場合には、80〜200℃にすることが好ましく、100〜170℃にすることがより好ましい。
本処理においては、必要に応じて触媒を用いることもできる。触媒としてはピリジンやトリエチルアミン、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性触媒や、酢酸、硫酸、過塩素酸等の酸性触媒を用いることが好ましい。
カルボン酸系化合物による処理の後には、処理によって得られたセルロース分散液に対して、アルカリ溶液で処理するアルカリ処理を施すことが好ましい。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、処理したセルロースを浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウムなどが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としてはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としてはリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
有機アルカリ化合物としては、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族アンモニウム、芳香族アンモニウム、複素環式化合物およびその水酸化物、炭酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
上記アルカリ化合物は1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよいが、極性溶媒(水、アルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液およびアンモニア水溶液が特に好ましい。
セルロースを浸漬させたアルカリ溶液の25℃におけるpHは9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11〜14であることがさらに好ましい。アルカリ溶液のpHが前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維の収率がより高くなる。しかし、pHが14を超えると、アルカリ溶液の取り扱い性が低下する。
〔リン原子を含むオキソ酸またはその塩による処理〕
リン原子を含むオキソ酸(以下、「リンオキソ酸」という。)またはその塩による処理では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、少なくとも(HPO2−を有するリンオキソ酸またはその塩とが脱水反応して、下記反応式(A)のように、極性基(−O−PO 2−)を形成する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
−OH + HPO 2− → −O−PO 2− + HO (A)
リンオキソ酸としては、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸などが挙げられる。
リンオキソ酸の塩としては、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アルカリ塩などが挙げられる。
リンオキソ酸またはその塩は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記の中でも、低コストで扱い易く、リン酸基の導入効率が高まることからリン酸または/およびリン酸のナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
セルロース原料に対するリンオキソ酸またはその塩の質量割合は、セルロース原料100質量部に対してリンオキソ酸またはその塩が、リン元素量として0.2〜500質量部が好ましく、1〜400質量部がより好ましく、2〜200質量部が最も好ましい。リンオキソ酸またはその塩の割合が前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維の収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えても、収率向上の効果は頭打ちとなり、無駄にリンオキソ酸またはその塩を使用するだけである。
加熱処理温度は、セルロースの熱分解温度の点から、250℃以下であることが好ましい。また、セルロースの加水分解を抑える観点から、加熱処理温度は100〜170℃であることが好ましい。さらに、加熱処理の際にリンオキソ酸またはその塩を添加した系に水が含まれている間の加熱については、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下で加熱して充分に水分を除去乾燥するとよい。その後は、100〜170℃で加熱処理することが好ましい。また、水分を除く際には減圧乾燥機を用いてもよい。
リンオキソ酸またはその塩による処理の後には、カルボン酸系化合物による処理と同様に、アルカリ処理を施してもよい。
〔オゾンによる処理〕
オゾンによる処理では、セルロースの一部の水酸基がカルボニル基やカルボキシ基に換わる。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
オゾンは、空気、酸素ガス、酸素添加空気等の酸素含有気体を、公知のオゾン発生装置に供給することにより発生させることができる。
オゾンによる処理は、オゾンが存在する閉じた空間/雰囲気中にセルロース原料を曝すことで行われる。
オゾンが含まれる気体中のオゾン濃度は、250g/m3以上であると、爆発するおそれがあるため、250g/m3未満である必要がある。しかし、濃度が低いと、オゾン使用量が増えるため、50〜215g/m3であることが好ましい。オゾン濃度が前記下限値以上であれば、オゾンの取り扱いが容易であり、しかも解繊工程での微細セルロース繊維の収率の向上効果がより高くなる。
セルロース原料に対するオゾン添加量は特に制約されるものではないが、セルロース原料の固形分100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましい。オゾン添加量が前記下限値以上であれば、解繊工程での微細繊維状セルロースの収率向上効果がより高くなる。しかし、前記上限値を超えると、オゾン処理前後の歩留まりの低下、脱水性の悪化を引き起こす。また、解繊工程では微細繊維状セルロースの収率向上効果が頭打ちとなる。
オゾン処理温度としては特に制約されるものではなく、0〜50℃の範囲で適宜調整される。また、オゾン処理時間についても特に制約されるものではなく、1〜180分間の範囲で適宜調整される。
なお、セルロース原料にオゾン処理を施した後、追酸化処理を施してもよい。追酸化処理に用いる酸化剤としては、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物が挙げられる。
また、オゾン処理の後には、カルボン酸系化合物による処理と同様に、アルカリ処理を施してもよい。
〔酵素による処理〕
酵素による処理では、酵素によってセルロースを分解することができる。
酵素処理で使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素である。
酵素処理で使用するセルロース分解酵素は、各種セルロース分解酵素を、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で混合して調製してもよいが、市販のセルラーゼ製剤を用いてもよい。市販されているセルラーゼ製剤には、上記した各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム属(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス属(Trametes)、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
酵素処理では、酵素として、セルラーゼ以外に、ヘミセルラーゼ系酵素を単独に使用してもよい、混合して使用してもよい。ヘミセルラーゼ系酵素の中でも、キシランを分解する酵素であるキシラナーゼ(xylanase)、マンナンを分解する酵素であるマンナーゼ(mannase)、アラバンを分解する酵素であるアラバナーゼ(arabanase)を使用することが好ましい。また、ペクチンを分解する酵素であるペクチナーゼもヘミセルラーゼ系酵素として使用することができる。
酵素処理の際の分散液のpHは、使用する酵素の活性が高くなる範囲に保つことが好ましい。例えば、トリコデルマ起源の市販の酵素の場合、pHは4〜8の間が好ましい。
また、酵素処理の際の分散液の温度は、使用する酵素の活性が高くなる範囲に保つことが好ましい。例えば、トリコデルマ起源の市販の酵素の場合、温度は40℃〜60℃が好ましい。温度が前記下限値未満では酵素活性が低下して処理時間が長くなり、前記上限値を超えると酵素が失活するおそれがある。
酵素処理の処理時間は10分〜24時間の範囲が好ましい。10分未満では酵素処理の効果が発現しにくい。24時間を超えると酵素によりセルロース繊維の分解が進みすぎて、得られる微細繊維の平均繊維長が短くなりすぎるおそれがある。
なお、所定時間以上に酵素が活性なままで残留していると前記のようにセルロースの分解が進み過ぎるため、所定の酵素処理が終了した際には、酵素反応の停止処理を施すことが好ましい。酵素反応の停止処理としては、酵素処理を施した分散液を水洗し、酵素を除去する方法、酵素処理を施した分散液に水酸化ナトリウムをpHが12程度になるように添加して酵素を失活させる方法、酵素処理を施した分散液の温度を温度90℃まで上昇させて酵素を失活させる方法が挙げられる。
[解繊工程]
解繊工程は、化学処理工程にて処理したセルロースを分散媒中で微細化し、解繊して、微細セルロース繊維を含む微細セルロース繊維分散液を得る工程である。
微細化する前のセルロースは、分散媒で希釈されて、セルロース含有量が0.1〜1.0質量%の分散液にされることが好ましい。セルロース含有量は、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることがさらに好ましい。セルロース含有量が前記下限値以上であれば、解繊効率が高くなり、前記上限値以下であれば、解繊処理中の粘度の上昇を防ぐことができる。
微細化方法としては、各種粉砕装置を用いる方法が挙げられる。粉砕装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなど、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。これらのなかでも、特に、高圧ホモジナイザー、高速回転型解繊機あるいは両者併用が好ましい。
<樹脂>
複合材料を構成する樹脂は、少なくとも1種の単量体を重合して得た重合体である。
樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の前駆体、およびこれらを構成するモノマーやオリゴマー等の樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等のゴムが挙げられる。
これらの樹脂は2種類以上含有してもかまわない。
<複合材料の製造方法>
複合材料は、微細セルロース繊維と樹脂とを混合することにより製造される。好ましい複合材料の製造方法としては、微細セルロース繊維を含むスラリー状の分散液(以下、「微細セルロース繊維」という。)と、樹脂がエマルション状にされたエマルション樹脂とを混合し、脱液する方法が挙げられる。
エマルション樹脂とは、分散媒中で乳化した、粒子径が0.001〜10μmの天然樹脂あるいは合成樹脂の粒子である。エマルション樹脂の製造方法としては、例えば、重合体を乳化重合する方法、樹脂を後乳化法によってエマルション化する方法が挙げられる。
微細セルロース繊維分散液に含まれる分散媒としては、取り扱い性やコストの点から、水が好ましいが、有機溶剤を水と併用しても構わないし、有機溶剤を単独で使用しても構わない。有機溶剤としては、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アセテート系溶剤(酢酸エチル等)等の極性溶剤が好ましい。
微細セルロース繊維分散液における微細セルロース繊維の含有量は、分散安定性の点から、6質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。微細セルロース繊維分散液の微細セルロース繊維含有量は、複合材料の生産性の点から、0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。
微細セルロース繊維分散液には、必要に応じて、防腐剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが含まれてもよい。
微細セルロース繊維分散液とエマルション樹脂との混合方法としては、容器に微細セルロース繊維分散液およびエマルション樹脂を入れホモミキサー等の攪拌機を用いて攪拌する方法、微細セルロース繊維分散液およびエマルション樹脂をラインミキサーに通す方法が挙げられる。
脱液方法としては、濾紙、濾布、樹脂製フィルタ等の濾材を用いて濾過する方法、加熱により分散媒を蒸発させる方法が挙げられる。
<作用効果>
上記微細セルロース繊維は、平均繊維長が短めであるため、樹脂の内部に均一に分散されやすい。また、微細セルロース繊維は、屈曲部を有するセルロース単繊維の割合が多いため、複合材料化した際には応力を分散させやすい。さらに、微細セルロース繊維は結晶化度が高く、弾性率が高い。これらのことから、上記微細セルロース繊維は樹脂に配合した際の補強効果に優れる。したがって、上記微細セルロース繊維と樹脂とを混合させて得た複合材料は強度が高いものとなる。
<製造例1>
セルロース原料として、カルボキシ基含有量0.06mmol/g、固形分濃度30質量%(水分70質量%)、絶乾質量換算で20gの広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を用意した。上記LBKPを容器内に収容し、その容器にオゾン濃度200g/mのオゾン・酸素混合気体を40L導入し、25℃で2分間振とうした。このときのオゾン添加率はパルプ乾燥質量に対して6質量%であった。6時間静置した後、容器内のオゾンおよび空気を除去してオゾン酸化処理を終了した。処理終了後、イオン交換水で懸濁洗浄し、洗浄水のpHが6以上になるまで洗浄を繰り返した。その後、濾紙を用いて減圧濾過し、固形分濃度20質量%のオゾン酸化パルプを得た。
上記オゾン酸化処理パルプ(絶乾質量換算で20g)にイオン交換水を添加して、固形分濃度2質量%の分散液を調製した。この分散液に水酸化ナトリウムを、水酸化ナトリウム濃度が0.3質量%になるよう添加し、5分間攪拌した後、室温で30分静置した。処理終了後、イオン交換水で懸濁洗浄し、洗浄水のpHが8以下になるまで洗浄を繰り返して、アルカリ処理パルプを含む分散液を得た。
次いで、前記アルカリ処理パルプを含む分散液にイオン交換水を加えて、セルロース繊維濃度0.5質量%のセルロース繊維水分散液を調製した。該セルロース繊維水分散液を解繊処理装置(エム・テクニック社製、クレアミックス−2.2S)を用いて、21500回転/分の条件で30分間解繊処理し、微細セルロース繊維分散液を得た。
得られた微細セルロース繊維分散液を12,000G×10分間遠心分離(遠心分離機:コクサン社製「H−200NR」)し、上澄み液(A)を得た。
<製造例2>
製造例1で用いたものと同様のLBKPを105℃で3時間乾燥させて水分3質量%以下の乾燥パルプを得た。次いで、乾燥パルプ4gと無水マレイン酸4g(乾燥パルプ100質量部に対して100質量部)とをオートクレーブに充填し、150℃で2時間処理した。次いで、無水マレイン酸で処理されたパルプを500mLの水で3回洗浄した後、イオン交換水を添加して490mLの無水マレイン酸処理パルプ分散液を調製した。
次いで、無水マレイン酸処理パルプ分散液を攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを少しずつ添加してpHを12〜13に調整して、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。
次いで、アルカリ処理後のパルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度0.5質量%のアルカリ処理パルプ分散液を調製した。得られたアルカリ処理パルプ分散液を製造例1と同様に解繊処理し、遠心分離して、上澄み液(B)を得た。
<製造例3>
リン酸二水素ナトリウム二水和物10.14g、リン酸水素二ナトリウム1.79gを19.27gの水に溶解させ、リン酸系化合物の水溶液(以下、「リン酸化試薬」という。)を得た。このリン酸化試薬のpHは25℃で4.73であった。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)550ml)に、濃度4質量%になるように水を加えた後、ダブルディスクリファイナーによって変則CSF(平織り80メッシュ、パルプ採取量を0.3gとした以外はJIS P8121に準ずる)が250ml、長さ平均繊維長が0.68mmになるまで叩解した。
得られたパルプ分散液を0.3質量%に希釈し、そのパルプ分散液を抄紙することによって、含水率90質量%、絶乾質量3gのパルプシート(厚み200μm)を得た。このパルプシートを前記リン酸化試薬31.2g(乾燥パルプ100質量部に対してリン元素量として80.2質量部)に浸漬させ、170℃の送風乾燥機(ヤマト科学株式会社 DKM400)を用いて2時間半加熱処理して、セルロースにリン酸基を導入した。
次いで、リン酸基を導入したシートに500mlのイオン交換水を加え、攪拌洗浄した後、脱水した。脱水後のシートを300mlのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlを少しずつ添加し、pHが12〜13のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを脱水し、500mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水と洗浄をさらに2回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたシートにイオン交換水を添加した後、攪拌して、0.5質量%のリン酸基導入パルプ分散液(パルプ濃度0.5質量%)を得た。
そのリン酸基導入パルプ分散液を、高速回転型解繊機(エム・テクニック社製「クレアミックス」)を用いて、21,500回転、30分間微細化処理(解繊処理)を施して、微細セルロース繊維分散液を得た。得られた微細セルロース繊維分散液を製造例1と同様に遠心分離して、上澄み液(C)を得た。
<製造例4>
(化学処理工程・解繊工程)
NBKP(王子製紙社製、ベイマツ主体)を用い、ナイアガラビーター(容量23リットル、東西精器社製)で200分間叩解し、セルロース原料分散液(パルプ濃度2質量%、叩解後の加重平均繊維長:1.61mm)を得た。
セルロース原料分散液を脱水して濃度3質量%にし、0.1質量%硫酸でpH6に調整し、50℃になるまで水浴で温めた後、酵素optimaseCX7L(Genencor社製)をパルプ(固形分換算)に対して3質量%添加し、50℃、1時間撹拌しながら反応させて、酵素処理を施した。その後、酵素処理後の分散液を、煮沸した湯によって20分以上加熱して、酵素を失活させて、酵素処理分散液を得た。
その酵素処理分散液(パルプ濃度0.5質量%)を、高速回転型解繊機(エム・テクニック社製「クレアミックス」)を用いて、21,500回転、30分間微細化処理(解繊)を施して、微細セルロース繊維分散液を得た。得られた微細セルロース繊維分散液を製造例1と同様に遠心分離して、上澄み液(D)を得た。
<製造例5>
微結晶セルロース(Avicel pH101 〜50μm、FMC BioPolymer)10gに、硫酸87.5mL(64w/v溶液)を添加し、45℃、5時間攪拌しながら加水分解を行なった。加水分解反応は500mLのイオン交換水を添加して終了させ、その後、25℃まで冷却した。
上記反応により得られた液を2400Gで遠心分離し、上澄みをデカンテーションで除いた後、500mlのイオン交換水を加え、10分間分散した後、再び上記と同じ条件にて遠心分離を行なった。この操作を5回行った後、ウルトラメンブレンフィルター(分画分子量30000、ミリポア社製)を用いて上澄み液のpHが7になるまで濾過を繰り返して、ナノクリスタリンセルロース分散液(E)を得た。
<製造例6>
NBKPパルプ(王子製紙社製 水分50質量% フリーネス(CSF)600mL)100質量部に水1150質量部を加えた後、ディスインテグレーターで解繊し、次いで、パルプ濃度を2〜3質量%に調整し、リファイナーで処理した。リファイナーで処理したパルプのフリーネス(CSF)は300mLであった。リファイナーで処理したパルプに、パルプ濃度が0.5〜0.7質量%の間になるように水を加え、石臼型分散機(増幸産業社製「スーパーマスコロイダー」、石臼タイプG)を用いて、5回分散処理を行って微細セルロース繊維分散液(F)を得た。
<製造例7>
ベイマツの木粉由来のセルロース繊維(乾燥質量15g)を90℃の2質量%炭酸ナトリウム水溶液中で5時間攪拌して脱脂処理した。脱脂処理後の繊維を、その10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整して、セルロース繊維分散液を得た。
次いで、セルロース繊維分散液に過酸水溶液(無水酢酸と30質量%過酸化水素とを液量で1:1に混合したもの)を750ml添加し、90℃で1時間処理した。その際、過酸水溶液の添加量は、セルロース繊維(乾燥質量15g)に対して過酸化水素当量で4.5質量%に相当する量とした。
次いで、脱リグニン処理した分散液を、製造例1と同様にして遠心分離し、これにより微細セルロース繊維分散液の上澄み液(G)を得た。
<製造例8>
ベイマツの木粉由来のセルロース繊維(乾燥質量15g)を90℃の2質量%炭酸ナトリウム水溶液中で5時間攪拌して脱脂処理した。脱脂処理後の繊維を、その10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整して、セルロース繊維分散液を得た。
次いで、セルロース繊維分散液に過酸水溶液(無水酢酸と30質量%過酸化水素とを液量で1:1に混合したもの)を1050ml添加し、90℃で1時間処理した。その際、過酸水溶液の添加量は、セルロース繊維(乾燥質量15g)に対して過酸化水素当量で6.3質量%に相当する量とした。
次いで、脱リグニン処理した分散液を、製造例1と同様にして遠心分離し、微細セルロース繊維分散液の上澄み液(H)を回収した。
<製造例9>
リン酸二水素ナトリウム二水和物10.14g、リン酸水素二ナトリウム1.79gを19.27gの水に溶解させ、リン酸系化合物の水溶液(以下、「リン酸化試薬」という。)を得た。このリン酸化試薬のpHは25℃で4.73であった。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、王子製紙社製、水分50%、JIS P8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)550ml)に、濃度4質量%になるように水を加えた後、ダブルディスクリファイナーによって変則CSF(平織り80メッシュ、パルプ採取量を0.3gとした以外はJIS P8121に準ずる)が250ml、長さ平均繊維長が0.68mmになるまで叩解した。
得られたパルプ分散液を0.3質量%に希釈し、そのパルプ分散液を抄紙することによって、含水率90質量%、絶乾質量3gのパルプシート(厚み200μm)を得た。このパルプシートを前記リン酸化試薬43.3g(乾燥パルプ100質量部に対してリン元素量として111.3質量部)に浸漬させ、170℃の送風乾燥機(ヤマト科学株式会社 DKM400)を用いて2時間半加熱処理して、セルロースにリン酸基を導入した。
次いで、リン酸基を導入したシートに500mlのイオン交換水を加え、攪拌洗浄した後、脱水した。脱水後のシートを300mlのイオン交換水で希釈し、攪拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlを少しずつ添加し、pHが12〜13のパルプスラリーを得た。その後、このパルプスラリーを脱水し、500mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水と洗浄をさらに2回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたシートにイオン交換水を添加した後、攪拌して、0.5質量%のリン酸基導入パルプ分散液(パルプ濃度0.5質量%)を得た。
そのリン酸基導入パルプ分散液を、高速回転型解繊機(エム・テクニック社製「クレアミックス」)を用いて、21,500回転、15分間微細化処理(解繊処理)を施して、微細セルロース繊維分散液を得た。得られた微細セルロース繊維分散液を製造例1と同様に遠心分離して、上澄み液(I)を得た。
(評価)
各製造例の微細セルロース繊維含有物について、平均繊維幅、平均繊維長、屈曲部を有するセルロース単繊維の割合、酸基含有量、結晶化度を下記の方法により測定した。測定結果を表1に示す。
[平均繊維幅]
平均繊維幅については、上記段落[0012]に記載の方法で測定した。
[平均繊維長]
平均繊維長については、上記段落[0014]に記載の方法で測定した。
[屈曲部を有するセルロース単繊維の割合]
屈曲部を有するセルロース単繊維の本数割合については、上記段落[0019]に記載の方法で測定した。
[酸基含有量]
酸基含有量については、上記段落[0018]に記載の方法で測定した。
[結晶化度]
結晶化度については、X線回折装置(東京リガク社製RINT―Ultimate III)を用いて、微細セルロース繊維のX線回折プロファイルを得た。そのX線回折プロファイルより結晶化度を求めた。
<実施例1>
製造例1で得られた微細セルロース分散液の上澄み液(A)を濃度0.1質量%に調整し、これと25質量%に濃度を調整したポリウレタン樹脂エマルション(スーパーフレックス650、第一工業製薬株式会社)とを、表2に示した配合割合で混合して、混合液300gを得た。その混合液を、テフロン(登録商標)トレー上にキャストし、105℃で3時間乾燥させて複合材料の試験シートを得た。
<実施例2>
上澄み液(A)の代わりに、製造例2で得られた微細セルロース分散液の上澄み液(B)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<実施例3>
上澄み液(A)の代わりに、製造例3で得られた微細セルロース分散液の上澄み液(C)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<実施例4>
上澄み液(A)の代わりに、製造例4で得られた微細セルロース分散液の上澄み液(D)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<比較例1>
上澄み液(A)を混合せず、ポリウレタン樹脂エマルションのみで実施例1と同様にして試験シートを得た。
<比較例2>
上澄み液(A)の代わりに、製造例5で得られたナノクリスタリンセルロース分散液(E)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<比較例3>
上澄み液(A)の代わりに、製造例6で得られた微細セルロース繊維分散液(F)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<比較例4>
上澄み液(A)の代わりに、製造例7で得られた微細セルロース繊維分散液の上澄み液(G)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<比較例5>
上澄み液(A)の代わりに、製造例8で得られた微細セルロース繊維分散液の上澄み液(H)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
<比較例6>
上澄み液(A)の代わりに、製造例9で得られた微細セルロース繊維の上澄み液(I)を使用した以外は実施例1と同様にして複合材料の試験シートを得た。
[評価方法]
各例の試験シートについて、引張試験によって引張弾性率と破断強度を測定した。引張試験は、JIS P 8113に準じ、スパン長は50mm、引張速度は10mm/分とした。
実施例1〜4により得た複合材料は、引張弾性率及び破断強度が高く、機械的物性に優れていた。これに対し、本願請求項1に係る発明を満たさない比較例1のポリウレタン及び比較例2〜5の複合材料は、引張弾性率及び破断強度が低かった。

Claims (1)

  1. 微細セルロース繊維と樹脂とを含有し、
    前記微細セルロース繊維は、複数本のセルロース単繊維により構成され、平均繊維幅が2〜50nm、平均繊維長が100〜1500nm、結晶化度が70〜98%であり、全セルロース単繊維に対して20%以上の本数のセルロース単繊維が屈曲部を有する、複合材料。
JP2012255150A 2012-11-21 2012-11-21 複合材料 Active JP5988843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012255150A JP5988843B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012255150A JP5988843B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014101604A JP2014101604A (ja) 2014-06-05
JP5988843B2 true JP5988843B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=51024355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012255150A Active JP5988843B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5988843B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6694856B2 (ja) 2017-07-25 2020-05-20 王子ホールディングス株式会社 繊維状セルロース含有組成物、その製造方法、及び膜
JP2020050736A (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 第一工業製薬株式会社 樹脂組成物
JP7356675B2 (ja) * 2019-04-16 2023-10-05 凸版印刷株式会社 磁性材料内包複合粒子、磁性材料内包複合粒子の製造方法および乾燥粉体
WO2020240935A1 (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 中越パルプ工業株式会社 溶融混合物、溶融混合物の製造方法、組成物、組成物の製造方法並びに成形品
JP6704551B1 (ja) * 2019-05-27 2020-06-03 中越パルプ工業株式会社 溶融混合物、溶融混合物の製造方法、組成物、組成物の製造方法並びに成形品
CN114269535A (zh) * 2019-08-30 2022-04-01 尤妮佳股份有限公司 制造纤维复合增强材料用的浆粕纤维原料的方法、纤维复合增强材料用的浆粕纤维原料、纤维复合增强材料、粒料、薄膜、纤维、无纺布
WO2021107147A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 王子ホールディングス株式会社 繊維状セルロース、繊維状セルロース分散液及びシート
JP7092217B2 (ja) * 2021-01-05 2022-06-28 日本精工株式会社 熱電変換素子

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5589435B2 (ja) * 2010-02-24 2014-09-17 住友ベークライト株式会社 複合体組成物および複合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014101604A (ja) 2014-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5988843B2 (ja) 複合材料
JP6521266B2 (ja) 微細繊維状セルロース凝集物、微細繊維状セルロース凝集物の製造方法及び微細繊維状セルロース分散液の再製造方法
JP6414179B2 (ja) リン酸エステル化微細セルロース繊維及びその製造方法
JP6327149B2 (ja) 微細繊維の製造方法及び不織布の製造方法並びに微細繊維状セルロース
JP6143187B2 (ja) セルロースナノファイバー含有ゴムマスターバッチ
JP5895834B2 (ja) 微細セルロース繊維の製造方法
JP5887857B2 (ja) 微細繊維状セルロースの製造方法
JP6586892B2 (ja) 微細セルロース繊維含有シート及びその製造方法
JP2012012713A (ja) 微細繊維状セルロースの製造方法
JP2014034673A (ja) 微細繊維状セルロース
JP2015093882A (ja) 複合材の製造方法
JP5807632B2 (ja) 微細セルロース繊維の製造方法
JP6070200B2 (ja) 繊維原料の製造方法及びセルロースシートの製造方法
JP2014227525A (ja) 微細セルロース繊維複合体の製造方法
JP2014125689A (ja) 微細セルロース繊維の製造方法
JP6020334B2 (ja) ゴム改質材、ゴムラテックス分散液及びゴム組成物
JP6384498B2 (ja) 繊維状セルロース、樹脂組成物及びセルロース懸濁液
JP6098370B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JP2017218525A (ja) リン酸化セルロース繊維の製造方法及びセルロース含有物
JP6213641B2 (ja) 微細繊維状セルロース
Park et al. Combined enzymatic pretreatment of pulp for production of CNF
WO2021107146A1 (ja) 繊維状セルロース、繊維状セルロース分散液及びシート
WO2018110525A1 (ja) 繊維状セルロース含有組成物
JP2020079423A (ja) リン酸化セルロース繊維の製造方法及びセルロース含有物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5988843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250